JPH0995723A - スクラップ溶解法 - Google Patents

スクラップ溶解法

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JPH0995723A
JPH0995723A JP27844595A JP27844595A JPH0995723A JP H0995723 A JPH0995723 A JP H0995723A JP 27844595 A JP27844595 A JP 27844595A JP 27844595 A JP27844595 A JP 27844595A JP H0995723 A JPH0995723 A JP H0995723A
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勉 鹿田
Takeshi Konishi
武史 小西
Hidetoshi Noda
英俊 野田
Takanori Inokuchi
孝憲 井ノ口
Tatsuro Ariyama
達郎 有山
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    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21B5/02Making special pig-iron, e.g. by applying additives, e.g. oxides of other metals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂材の大量処理と有効利用を図りつ
つ、スクラップを高効率に溶解して溶銑を製造するとと
もに、燃料用ガスとして利用価値の高い高カロリーの排
ガスを大量に製造することができ、しかも低い製造コス
トで操業を行なうことができるスクラップ溶解法を提供
すること 【解決手段】 シャフト炉内に鉄源であるスクラップと
コークスを装入し、羽口部に設けられた燃焼バーナから
微粉炭及び合成樹脂材を吹き込むとともに、その周囲か
ら酸素を吹き込んで両者を高効率に混合させることによ
り、微粉炭及び合成樹脂材を急速燃焼させ、その燃焼ガ
スの顕熱でスクラップを溶解して溶銑を製造するととも
に、燃焼ガスを炉内で有意に二次燃焼させることなく燃
料用ガスとして回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はスクラップ溶解法、
より詳細には、スクラップを鉄源とし且つ微粉炭と廃棄
物たる合成樹脂類を主要な熱源として溶銑を製造すると
ともに、燃料用ガスとして高い利用価値のある高カロリ
ー排ガスを得ることができるスクラップ溶解法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年スクラップ(銑屑、鉄屑)の供給が
増加の一途を辿っており、そのリサイクルが資源の有効
利用の面で重要な課題となりつつある。このためスクラ
ップを原料として低コストに高い生産性で溶銑を製造で
きる技術の開発が強く望まれている。従来、スクラップ
から溶銑を製造するために電気炉が用いられているが、
電気炉法は莫大な電気を必要とするためコストが高く、
製造コスト面での要求を満足できない。
【0003】また、キュポラ法によりスクラップを原料
とした鋳物銑の製造が行われているが、このキュポラ法
では燃料として鋳物用の高品位大塊コークスを使用する
必要があり、この鋳物用コークスは高炉用コークスの4
倍程度の価格であるため製造コストの面で汎用化は難し
い。キュポラ法ではスクラップの円滑な溶解を促すため
に、羽口から吹き込まれた熱風中の酸素を羽口先のコー
クスによって急速に消費させず、炉の下部に形成される
コークスベット上部のスクラップ溶解帯付近で消費させ
るようにし、この部分で最高温度になるような温度分布
にすることが必要であり、このためコークスは高炉用コ
ークスよりも反応性が低く、燃焼しにくいものを使用す
る必要がある。このため、高炉用コークスよりも粒度が
大きく反応性の低い特殊な鋳物用コークスを用いること
が不可欠である。
【0004】以上のような従来の電気炉法やキュポラ法
に対して、シャフト炉を用いたスクラップ溶解法とし
て、シャフト炉内に鉄源であるスクラップと高炉用コー
クスとを装入するとともに、羽口部から常温の高酸素富
化空気と微粉炭を吹き込んで燃焼させ、この燃焼ガスの
顕熱によりスクラップを溶解するとともに、シャフト部
から空気を吹き込むことで燃焼ガスを二次燃焼させてス
クラップの溶解を促進させるようにしたスクラップ溶解
法が提案されている(鉄と鋼 Vol.79,No.2,P.139〜14
6)。
【0005】また、他の方法として、シャフト炉の外部
に微粉炭燃焼用の燃焼炉を設けてこの燃焼炉で微粉炭を
多量に燃焼させ、発生した高温の燃焼ガスをスクラップ
とコークスが装入されたシャフト炉に導入するととも
に、この導入の際に酸素含有ガスを補給して燃焼ガスを
二次燃焼させ、この燃焼ガスの顕熱によりスクラップを
溶解するようにしたスクラップ溶解法が提案されている
(特開平1−195225号公報)。これらの提案によ
るスクラップ溶解法は、熱源の一部として微粉炭を使用
し且つ炉内に装入するコークスとして安価な高炉用コー
クスを使用できるため、経済的な操業を実現できる可能
性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した2つ
のスクラップ溶解法はいずれも低燃料比によるエネルギ
ーミニマムを指向した技術であり、このため燃料比を低
く抑えた操業(燃料比:300kg/t・pig未満)を
行ない、且つ微粉炭の燃焼により生成した燃焼ガスにさ
らに空気等の酸素含有ガスを吹き込んで二次燃焼させる
ことにより、低燃料比の下でのスクラップ溶解の促進を
図っている。すなわち、これら従来のスクラップ溶解法
の狙いは、燃料比の低減化と熱源の一部として微粉炭を
使用することによりスクラップ溶解の低コスト化を実現
しようとするものであり、したがって、微粉炭の大量供
給を行なって高燃料比の操業を行い、大量供給された微
粉炭を積極的に燃焼ガス化して大量の排ガス(燃料ガ
ス)を得るというような意図はなく、また、これが可能
となるような操業条件や手段を備えてもいない。
【0007】また、上記のスクラップ溶解法では製造コ
ストの低減化のために熱源の一部として微粉炭を用いて
いるが、その供給量は[微粉炭比/コークス比]の重量
比で1.0に満たず(せいぜい高くても0.9程度)、
燃料比を低く抑えてはいるものの、コークス比が相対的
に高いという意味で低コスト化が十分に図られていると
は言い難い。また、これらのスクラップ溶解法では、低
燃料比による操業を可能とするために微粉炭の燃焼ガス
にさらに空気等の酸素含有ガスを吹き込んで二次燃焼さ
せており、また、微粉炭の燃焼や二次燃焼のために空気
若しくは酸素富化された空気を用いているため、排出さ
れる排ガスには必然的に窒素やCO2等が多量に含まれ
ることになる。したがって、これら従来技術のスクラッ
プ溶解法において炉から排出される排ガスは、燃料ガス
としてそれなりの利用価値はあるものの、例えば高効率
な発電を行なうための燃料ガスや加熱炉用燃料ガスとし
て利用できるような熱量を有する高カロリーガスではな
い。
【0008】例えば、前者の従来技術を述べた文献(鉄
と鋼 Vol.79,No.2,P.139〜146)では、キュポラ法に較
べて高カロリーの排ガスが得られ、これを燃料ガスとし
て有効利用できるとしているが、その排ガスカロリーは
約2000kcal/Nm3(約8400kJ/Nm3
程度に過ぎない。また、同文献では試験的に二次燃焼を
実施しないで行った実験例のデータも示されているが、
本発明者らが試算した結果では、この場合でも排ガスの
カロリーは高々2300kcal/Nm3程度に過ぎな
い。一般に、加熱炉用や高効率発電用の燃料ガスとして
は2500kcal/Nm3以上の高カロリーガスが使
用されており、したがって、従来技術で得られる排ガス
は加熱炉用や高効率発電用としては適さず、利用価値の
低いものと言わざるを得ない。また、低燃料比での操業
であるために発生する排ガス量も少なく、排ガスカロリ
ーが低いことも相俟って高品質の燃料ガスを大量に安定
供給できるような技術ではない。
【0009】また、後者の従来技術(特開平1−195
225号公報)では、溶解炉とは別に微粉炭燃焼用の燃
焼炉が必要であるため設備コストが高く、また、燃焼炉
で生成した高温ガスをガス導管によりシャフト炉に導く
途中でガス顕熱の一部が失われるため、経済性の面でも
問題がある。なお、先に述べたキュポラ法の改良技術と
して、羽口から酸素富化熱風を微粉炭とともに吹き込む
ようにした方法も提案( Klaus Scheiding : Proceedin
gs of the Eighth Japan-Germany Seminar, Oct.,6,7,1
993( Sendai,Japan ),p.22“ Hot Metal Production
Based on Scrap, Coal and Oxygen ”)されているが、
この方法では高炉用コークスのなかでも大径のコークス
を使用しなければならず、製造コストが高くなる問題が
ある。また、先に述べた従来技術と同様、この技術にも
微粉炭を大量に供給してその燃焼ガス化を図るというよ
うな意図はなく、また、これが可能となるような操業条
件や手段を備えてもおらず、さらに窒素を含む熱風の吹
き込みを行なっていること等からしても、高カロリーの
排ガスを得ることは到底望めない。
【0010】このように従来提案されているスクラップ
溶解技術は、基本的に燃料比の低減化によるエネルギー
ミニマムを指向しているが故に、その排ガスは熱量が小
さく且つ排出量も少なく、利用価値の低いものであっ
た。また、熱源の一部として微粉炭を用いているが、微
粉炭の高効率な燃焼を実現することができないためコー
クス比に対して微粉炭比を十分に高めることができず、
微粉炭使用による低コスト化が十分に図られていない。
一方、近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプラスチッ
ク等の合成樹脂類が急増しており、その処理が大きな問
題となっている。なかでも高分子系の炭化水素化合物で
あるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高く、焼却
処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理が困難で
あり、その多くがごみ埋立地等に投棄されているのが現
状である。しかし、プラスチック等の投棄は環境対策上
好ましくなく、その大量処理方法の開発が切望されてい
る。
【0011】したがって本発明の目的は、上記のような
従来のスクラップ溶解技術に対し、スクラップを高効率
に溶解して溶銑を製造できるだけでなく、燃料用ガスと
して利用価値の高い高カロリー排ガスを大量に製造する
ことができるとともに、高カロリー排ガスの利用価値を
考慮した場合に従来技術に較べて相当程度に低い製造コ
ストで操業を行なうことができ、しかも熱源及び高カロ
リー排ガス源の一部として合成樹脂類を利用することに
より、廃棄物たる合成樹脂類の大量処理と有効利用を可
能とする、全く新たなタイプのスクラップ溶解法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
スクラップを原料とする溶銑の製造と高カロリー排ガス
の製造を低コストで実施するという目的が、微粉炭の大
量吹き込みによる高燃料比、高微粉炭比での操業の下で
下記の〜の手段を採ることにより達成できることを
見い出した。 羽口部の燃焼バーナから微粉炭とともに酸素を吹き
込む。 微粉炭と酸素とを、両者が速かに接触して混合する
ような特定の方法により吹き込むことにより微粉炭の急
速燃焼を実現させる。特に好ましくは、微粉炭の燃焼の
大部分を羽口部の燃焼バーナの内部で行わしめることに
より、炉内状況に影響されることなく微粉炭の安定した
高効率燃焼を実現させる。 微粉炭の燃焼による燃焼ガスを有意に二次燃焼させ
ない。
【0013】同時に、本発明者らはスクラップ溶解にお
いて熱源及び高カロリー排ガス源の一部として合成樹脂
類を炉内装入することについて検討を行い、その結果、
上記〜の構成を特徴とするスクラップ溶解法におい
て、燃焼バーナを通じて微粉炭とともに合成樹脂材を炉
内に吹き込むことにより、合成樹脂材を効率的に燃焼ガ
ス化若しくは熱分解させることができ、廃棄物としての
合成樹脂材の大量処理と熱源及び高カロリー排ガス源と
しての有効利用を図ることができること、一方、このス
クラップ溶解法では当初予想されていたような合成樹脂
材の炉内装入による問題、すなわち、一般の廃棄物にお
いて合成樹脂材の約20%を占めるとも言われる塩化ビ
ニル材の燃焼によって生じるHClの排出や、合成樹脂
材の分解物によって生成するタール状物質による排ガス
配管の閉塞等の問題を適切に回避しつつ、合成樹脂材の
大量装入と処理が可能であり、実際上の面でも合成樹脂
材を熱源及び高カロリー排ガス源の一部として大量利用
できることが判明した。
【0014】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とする構成は以下の通りである。 (1) シャフト炉内に鉄源であるスクラップとコークスを
装入し、羽口部に設けられた燃焼バーナからは微粉炭、
粉粒状または細片状の合成樹脂材及び酸素を炉内に吹き
込み、これらの吹き込みに当たっては微粉炭と合成樹脂
材をバーナ径方向中心若しくはその近傍から吹き込むと
ともに、酸素をその周囲から吹き込んで微粉炭及び合成
樹脂材と酸素を混合させることにより、微粉炭と少なく
とも合成樹脂材の一部を羽口先に形成される燃焼帯で急
速燃焼させ、この燃焼ガスの顕熱でスクラップを溶解し
て溶銑を製造するとともに、燃焼ガスを炉内で有意に二
次燃焼させることなく燃料用ガスとして回収することを
特徴とするスクラップ溶解法。
【0015】(2) シャフト炉内に鉄源であるスクラップ
とコークスを装入し、羽口部に設けられた燃焼バーナか
らは微粉炭、粉粒状または細片状の合成樹脂材及び酸素
を炉内に吹き込み、これらの吹き込みに当たってはバー
ナ径方向中心若しくはその近傍から酸素を吹き込むとと
もに、その周囲から微粉炭と合成樹脂材を吹き込み、さ
らにその周囲から酸素を吹き込んで微粉炭及び合成樹脂
材と酸素を混合させることにより、微粉炭と少なくとも
合成樹脂材の一部を羽口先に形成される燃焼帯で急速燃
焼させ、この燃焼ガスの顕熱でスクラップを溶解して溶
銑を製造するとともに、燃焼ガスを炉内で有意に二次燃
焼させることなく燃料用ガスとして回収することを特徴
とするスクラップ溶解法。
【0016】(3) バーナ先端開口部の内方に予燃焼室が
設けられた燃焼バーナを羽口部に備えたシャフト炉を用
いて行われるスクラップ溶解法であって、シャフト炉内
に鉄源であるスクラップとコークスを装入し、前記燃焼
バーナの予燃焼室内には微粉炭と酸素を吹き込むととも
に、粉粒状または細片状若しくは塊状の合成樹脂材を吹
き込み若しくは装入し、これらの吹き込みに当たって
は、少なくとも微粉炭をバーナ径方向中心若しくはその
近傍から吹き込むとともに、酸素をその周囲から吹き込
んで両者を混合させることにより、予燃焼室内で微粉炭
と少なくとも合成樹脂材の一部を急速燃焼させ、その燃
焼ガスをバーナ先端開口部から炉内に導入し、該燃焼ガ
スの顕熱でスクラップを溶解して溶銑を製造するととも
に、燃焼ガスを炉内で有意に二次燃焼させることなく燃
料用ガスとして回収することを特徴とするスクラップ溶
解法。
【0017】(4) バーナ先端開口部の内方に予燃焼室が
設けられた燃焼バーナを羽口部に備えたシャフト炉を用
いて行われるスクラップ溶解法であって、シャフト炉内
に鉄源であるスクラップとコークスを装入し、前記燃焼
バーナの予燃焼室内には微粉炭と酸素を吹き込むととも
に、粉粒状または細片状若しくは塊状の合成樹脂材を吹
き込み若しくは装入し、これらの吹き込みに当たって
は、酸素をバーナ径方向中心若しくはその近傍から吹き
込むとともに、少なくとも微粉炭をその周囲から吹き込
み、さらにその周囲から酸素を吹き込んで微粉炭と酸素
を混合させることにより、予燃焼室内で微粉炭と少なく
とも合成樹脂材の一部を急速燃焼させ、その燃焼ガスを
バーナ先端開口部から炉内に導入し、該燃焼ガスの顕熱
でスクラップを溶解して溶銑を製造するとともに、燃焼
ガスを炉内で有意に二次燃焼させることなく燃料用ガス
として回収することを特徴とするスクラップ溶解法。
【0018】上記(1)〜(4)のスクラップ溶解法におい
て、燃焼バーナによる合成樹脂材の吹き込み或いは合成
樹脂材の予燃焼室内への吹き込み若しくは装入は、非連
続的若しくは間欠的に実施してもよく、また、その際の
合成樹脂材の吹き込みまたは装入は、微粉炭の吹込みと
ともに行っても、また一時的に微粉炭の吹込みに代えて
(つまり、微粉炭の吹込みを一時的に停止して)行って
もよい。すなわち、本発明法において燃焼バーナを通じ
て合成樹脂材を吹き込み若しくは装入するというのは、
このような各ケースを含むものとする。また、特に上記
(3)のスクラップ溶解法においては、粉粒状または細片
状の合成樹脂材をバーナ径方向中心若しくはその近傍か
ら予燃焼室内に吹き込むことが、また、上記(4)のスク
ラップ溶解法においては、粉粒状または細片状の合成樹
脂材を、バーナ径方向中心若しくはその近傍から吹き込
まれる酸素の周囲から予燃焼室内に吹き込むことが、そ
れぞれ合成樹脂材を高効率に燃焼させる上で好ましい。
【0019】本発明では、シャフト炉に装入されるコー
クスとして高炉用コークスを用いることができる。ま
た、微粉炭+合成樹脂材の大量吹き込みとその高効率燃
焼を意図する本発明においては、燃焼バーナから供給す
る微粉炭比PC(kg/t・pig)及び合成樹脂材比S
R(kg/t・pig)と酸素流量O2(Nm3/t・pig)
との比[(PC+SR)/O2]を0.7kg/Nm3
上とすることが好ましい。また、本発明では燃料比を3
00kg/t・pig以上、燃焼バーナに対して供給する
微粉炭比(kg/t・pig)及び合成樹脂材比(kg/
t・pig)と炉頂装入するコークス比(kg/t・pig)
との重量比[(微粉炭比+合成樹脂材比)/コークス
比]を1.0以上とすることが好ましく、これによりス
クラップを高効率に溶解することができるとともに、大
量の高カロリー排ガスの安定した製造・供給が可能とな
る。
【0020】上記(1)のスクラップ溶解法において、微
粉炭及び合成樹脂材の吹込部(以下、固体燃料吹込部と
いう)の周囲から酸素を吹き込むに当っては、固体燃料
吹込部の周りを環状に囲むような酸素吹込部から酸素を
吹き込むようにしてもよいし、或いは固体燃料吹込部の
周りに適宜間隔をおいて配された複数の酸素吹込部から
酸素を吹き込むようにしてもよい。また、バーナ径方向
における固体燃料吹込部の位置はバーナの中心から或る
程度偏位してもよく、要はバーナ径方向の中心若しくは
その近傍から微粉炭及び合成樹脂材が吹き込まれ、その
周囲から酸素が吹き込まれるようにすればよい。
【0021】また、上記(2)のスクラップ溶解法におい
て、バーナ径方向の中心若しくはその近傍から吹き込ま
れる酸素の周囲から微粉炭及び合成樹脂材を吹き込むに
当っては、酸素吹込部の周りを環状に囲むような固体燃
料吹込部から微粉炭及び合成樹脂材を吹き込むようにし
てもよいし、或いは酸素吹込部の周りに適宜間隔をおい
て配された複数の固体燃料吹込部から微粉炭及び合成樹
脂材を吹き込むようにしてもよい。また、固体燃料吹込
部の周囲からさらに酸素を吹き込むに当っても、固体燃
料吹込部の周りを環状に囲むような酸素吹込部から酸素
を吹き込むようにしてもよいし、或いは固体燃料吹込部
の周りに適宜間隔をおいて配された複数の酸素吹込部か
ら酸素を吹出すようにしてもよい。また、バーナ径方向
における酸素吹込部の位置(固体燃料吹込部の内側の酸
素吹込部の位置)はバーナの中心から或る程度偏位して
もよく、要はバーナ径方向の中心若しくはその近傍から
酸素が吹き込まれ、その周囲から微粉炭及び合成樹脂材
が吹き込まれるようにすればよい。
【0022】上記(3)のスクラップ溶解法において、燃
焼バーナの予燃焼室内において固体燃料吹込部の周囲か
ら酸素を吹き込むに当っては、固体燃料吹込部の周りを
環状に囲むような酸素吹込部から酸素を吹き込むように
してもよいし、或いは固体燃料吹込部の周りに適宜間隔
をおいて配された複数の酸素吹込部から酸素を吹き込む
ようにしてもよい。また、バーナ径方向における固体燃
料吹込部の位置はバーナの中心から或る程度偏位しても
よく、要はバーナ径方向の中心若しくはその近傍から微
粉炭及び合成樹脂材が吹き込まれ、その周囲から酸素が
吹き込まれるようにすればよい。
【0023】また、上記(4)のスクラップ溶解法におい
て、燃焼バーナの予燃焼室内にバーナ径方向の中心若し
くはその近傍から吹き込まれる酸素の周囲から微粉炭及
び合成樹脂材を吹き込むに当っては、酸素吹込部の周り
を環状に囲むような固体燃料吹込部から微粉炭及び合成
樹脂材を吹き込むようにしてもよいし、或いは酸素吹込
部の周りに適宜間隔をおいて配された複数の固体燃料吹
込部から微粉炭及び合成樹脂材を吹き込むようにしても
よい。また、固体燃料吹込部の周囲からさらに酸素を吹
き込むに当っても、固体燃料吹込部の周りを環状に囲む
ような酸素吹込部から酸素を吹き込むようにしてもよい
し、或いは固体燃料吹込部の周りに適宜間隔をおいて配
された複数の酸素吹込部から酸素を吹出すようにしても
よい。また、バーナ径方向における酸素吹込部の位置
(固体燃料吹込部の内側の酸素吹込部の位置)はバーナ
の中心から或る程度偏位してもよく、要はバーナ径方向
の中心若しくはその近傍から酸素が吹き込まれ、その周
囲から微粉炭及び合成樹脂材が吹き込まれるようにすれ
ばよい。
【0024】また、上記の各スクラップ溶解法におい
て、微粉炭と合成樹脂材は別々の吹込部(吹込孔)から
吹き込むことができる。吹き込まれる微粉炭の粒度等は
特に限定しないが、例えば、粒度74μm以下が80%
以上含まれるような微粉炭が好適である。また、吹き込
まれる粉粒状または細片状の合成樹脂材には、塊状(板
状等を含む)の合成樹脂材を粉砕処理して得られたも
の、フィルム状の合成樹脂材を細かい小片に破砕処理し
て得られたもの、合成樹脂材を一旦溶融または半溶融化
し、これを粉粒状に加工処理(粉砕処理または裁断処
理)したもの、合成樹脂材を半溶融化−急冷処理するこ
とにより粉粒状に凝縮固化させたもの等を含む。その粒
度は特に限定されず、比較的粗粒のものでもよいが、通
常は粒径10mm以下、望ましくは6mm以下のものが
好ましい。また、上記(3)及び(4)のスクラップ溶解法で
は、予燃焼室を備えた燃焼バーナを用いるため合成樹脂
材の燃料性が良好であり、このため塊状の合成樹脂材を
燃焼バーナの予燃焼室に装入することができる。なお、
本発明においては、炉内にスクラップとともに他の鉄源
及び装入物を装入することを妨げるものではない。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のスクラップ溶解法は、ス
クラップ溶解において高カロリー排ガスを積極的に得る
ために、微粉炭及び合成樹脂材からなる固体燃料の大量
供給により燃料比を高め且つコークス比に対して微粉炭
比+合成樹脂材比を高めた操業を行うことを前提として
いる。このため、大量に供給される微粉炭及び合成樹脂
材を効率的に燃焼させ且つ排ガス中の低カロリー成分を
低減させるべく、羽口部の燃焼バーナを通じて微粉炭及
び合成樹脂材とともに酸素(実質的な純酸素)を吹込む
とともに、微粉炭及び合成樹脂材と酸素とが速かに接触
・混合して燃焼ガス化し、微粉炭及び合成樹脂材の高効
率燃焼(特に好ましくは、炉内状況等に影響されない微
粉炭及び合成樹脂材の安定した高効率燃焼)を可能なら
しめる特定の吹き込み及び燃焼方法を実施し、さらに、
これにより生じた燃焼ガス(及び一部の合成樹脂材の熱
分解生成ガス)を有意に二次燃焼させることなく炉外に
排出することにより、スクラップの溶解と高カロリー排
ガスの回収とを低コストで実現させる。そして、熱源及
び高カロリー排ガス源の一部として合成樹脂材を炉内に
供給することにより、廃棄物たる合成樹脂材の大量処理
と有効利用、さらには微粉炭量の低減化によるスクラッ
プ溶解のさらなる低コスト化を実現させる。
【0026】以下、本発明の詳細を図面に基づいて説明
する。図1は本発明のスクラップ溶解法に使用されるシ
ャフト炉の一構成例を示す概念図である。このシャフト
炉1の炉頂部3の上部には原料装入装置4が連設されて
いるが、この原料装入装置4と炉内とは開閉装置5によ
り遮断できる構造とし、高温の炉頂ガスをダクト6を通
じて完全に回収できるようにしてある。本発明のスクラ
ップ溶解法では、シャフト炉1の炉頂部3からは原料装
入装置4により鉄源であるスクラップとコークスが装入
される。コークスとしては、一般の高炉用コークス(通
常、粒度が20〜80mm)を用いることができる。炉
内に装入されたコークスは、炉内に充填されたスクラッ
プを保持する作用をするとともに、スクラップ溶解のた
めの熱源の一部となる。但し、本発明では羽口部から吹
き込まれる微粉炭及び合成樹脂材が熱源としてより大き
な比重を占めている。
【0027】羽口部2からは、燃焼バーナを通じて微粉
炭及び合成樹脂材と酸素が炉内に吹き込まれる。図2は
この微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹き込み方法の一例
を示す説明図であり、7は炉壁である。羽口部2に設け
られた燃焼バーナ8Aからは、バーナ径方向中心または
その近傍の固体燃料吹込部aから微粉炭PCと粉粒状ま
たは細片状の合成樹脂材SRが、またその周囲の酸素吹
込部bから酸素O2(冷酸素でよい)がそれぞれ炉内に
吹き込まれる。この際、微粉炭PC及び合成樹脂材SR
はその周囲を酸素O2で囲まれるようにして炉内に吹き
込まれるため酸素の接触が極めて良好になり、微粉炭及
び合成樹脂材と酸素は羽口先で混合して微粉炭と少なく
とも合成樹脂材の一部が急速燃焼し、羽口先で燃焼帯及
びレースウェイを形成する。したがって、単位酸素量当
たり大量の微粉炭+合成樹脂材を吹き込み、[(PC+
SR)/O2]を十分に高くしても微粉炭及び合成樹脂
材は高効率で燃焼ガス化する。なお、微粉炭PCと合成
樹脂材を吹き込む際の気送用ガスとしては、通常少量の
2等が用いられる。
【0028】これに対して、図19に示すような公知の
ランス方式で微粉炭及び合成樹脂材を吹込んだ場合や、
酸素ガスではなく熱風や酸素富化空気を吹込んだ場合に
は、酸素と微粉炭及び合成樹脂材との接触が十分に確保
されないため微粉炭及び合成樹脂材を高効率に燃焼させ
ることができず、微粉炭+合成樹脂材の大量吹込みが実
現できない。酸素とともに吹き込まれた微粉炭及び相当
量の合成樹脂材が急速燃焼することにより、羽口先には
約2000℃程度の高温の燃焼帯が形成され、その熱で
スクラップが溶解し、溶銑として炉外に取り出される。
微粉炭及び合成樹脂材の急速燃焼で生成した還元性の燃
焼ガスは、その顕熱でスクラップを溶解及び予熱しつつ
シャフト炉を上昇し、排ガスとして炉上部から排出され
るが、本発明ではこの燃焼ガスを有意に二次燃焼させる
ことなく炉外に排出する。すなわち、従来技術のように
シャフト部に空気や酸素富化空気を供給して燃焼ガスを
二次燃焼させることはしない。
【0029】また、合成樹脂材は微粉炭に較べて燃焼性
が劣るため、通常は合成樹脂材の総てを燃焼帯で燃焼さ
せることはできないが、このような未燃焼の合成樹脂材
は炉内で熱分解することによりガス化し、この高カロリ
ーガスは上記燃焼ガスとともに炉外に排出され、燃料用
ガスとして回収される。なお、先に述べたように固体燃
料吹込部aからの合成樹脂材の吹き込みは、連続的に実
施しても或いは非連続的若しくは間欠的に実施してもよ
く、また、その際の合成樹脂材の吹き込みは、微粉炭の
吹込みとともに行っても、また一時的に微粉炭の吹込み
に代えて行ってもよい。この点は、後述する図3,図
9,図10に示す方法においても同様である。
【0030】本発明では、羽口部から燃焼用に吹き込ま
れるガスが酸素(実質的な純酸素)であること、単位酸
素量当たり大量の微粉炭を効率的に燃焼ガス化すること
ができること、微粉炭とともに吹き込まれた合成樹脂材
を燃焼或いは熱分解させて高カロリーガスが得られるこ
と、さらに上記のように燃焼ガスを二次燃焼させないこ
とにより、COやH2、低級炭化水素等の高カロリー成
分の含有率が極めて高い(したがって、CO2やN2の含
有率が非常に少ない)高カロリー排ガス(2700kc
al/Nm2以上)が得られる。
【0031】本発明では微粉炭を高効率で燃焼させるこ
とができるため、[(PC+SR)/O2]:0.7k
g/Nm3以上(好ましくは1.0kg/Nm3以上)に
おいても安定した操業が可能であり、[(PC+SR)
/O2]のほぼ化学量論的な燃焼限界である[(PC+
SR)/O2]=1.4kg/Nm3程度まで微粉炭及び
合成樹脂材を吹き込むことができる。したがって、大量
供給された微粉炭及び合成樹脂材を効率的に燃焼させて
大量の高カロリー排ガスを得ることができとともに、微
粉炭比+合成樹脂材比に対してコークス比を相対的に低
めた操業が可能である。
【0032】図3は、本発明のスクラップ溶解法におけ
る微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹き込み方法の他の例
を示す説明図であり、羽口部2に設けられた燃焼バーナ
8Bからは、バーナ径方向中心若しくはその近傍の酸素
吹込部b´から酸素O2(冷酸素でよい)が、その周囲
の固体燃料吹込部aから微粉炭PCと粉粒状または細片
状の合成樹脂材SRが、さらにその周囲の酸素吹込部b
から酸素O2(冷酸素でよい)がそれぞれ炉内に吹込ま
れる。つまり、微粉炭PC及び合成樹脂材SRはその内
側と外側を酸素O2でサンドイッチされるようにして吹
き込まれる。これにより微粉炭PC及び合成樹脂材SR
と酸素O2は羽口先で混合し、微粉炭及び少なくとも合
成樹脂材の一部が急速燃焼し、羽口先で燃焼帯及びレー
スウェイを形成する。この方法では、図2の方法に較べ
て微粉炭及び合成樹脂材と酸素の接触がより良好となる
ため、微粉炭及び合成樹脂材の燃焼効率がより高められ
る利点がある。
【0033】図4及び図5は、図2に示すスクラップ溶
解法において燃焼バーナ径方向における微粉炭PC及び
合成樹脂材SRと酸素O2の吹き込みの態様を示してお
り、このうち図4はバーナ径方向中心またはその近傍の
固体燃料吹込部aから微粉炭PC及び合成樹脂材SRを
吹き込み、この固体燃料吹込部aの周りを環状に囲むよ
うな酸素吹込部bから酸素O2を吹き込むようにした例
であり、また、図5は固体燃料吹込部aの周りに適宜間
隔をおいて配された複数の酸素吹込部bから酸素O2
吹き込むようにした例である。
【0034】図6ないし図8は、図3に示すスクラップ
溶解法において燃焼バーナ径方向における微粉炭PC及
び合成樹脂材SRと酸素O2の吹き込みの態様を示して
おり、このうち図6はバーナ径方向中心若しくはその近
傍の酸素吹込部b´から酸素O2を吹き込み、この酸素
吹込部b´の周りを環状に囲むような固体燃料吹込部a
から微粉炭PC及び合成樹脂材SRを吹き込み、さらに
その周りを環状に囲むような酸素吹込部bから酸素O2
を吹き込むようにした例である。図7はバーナ径方向中
心若しくはその近傍の酸素吹込部b´の周りを環状に囲
むような固体燃料吹込部aから微粉炭PC及び合成樹脂
材SRを吹き込み、さらにこの固体燃料吹込部aの周り
に適宜間隔をおいて配された複数の酸素吹込部bから酸
素O2を吹き込むようにした例である。また、図8はバ
ーナ径方向中心若しくはその近傍の酸素吹込部b´の周
りに適宜間隔をおいて配された複数の固体燃料吹込部a
から微粉炭PC及び合成樹脂材SRを吹き込み、さらに
この固体燃料吹込部aの周りに適宜間隔をおいて配され
た複数の酸素吹込部bから酸素O2を吹き込むようにし
た例である。
【0035】次に、図9及び図10は本発明のスクラッ
プ溶解法における微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹き込
み方法の他の例を示す説明図であり、これらの方法は図
2及び図3に示すスクラップ溶解法に較べて微粉炭及び
合成樹脂材の高効率燃焼を安定的に得ることができる利
点がある。
【0036】図9に示す吹き込み方法において、羽口部
2にはバーナ先端開口部10の内方に微粉炭の予燃焼室
9を備えた燃焼バーナ8Cが設置されており、この燃焼
バーナ8Cの予燃焼室9内にはバーナ径方向中心または
その近傍に配された固体燃料吹込部aから微粉炭PC及
び合成樹脂材SRが、またその周囲に配された酸素吹込
部bから酸素O2(冷酸素でよい)がそれぞれ吹込まれ
る。この際、微粉炭PC及び合成樹脂材SRがその周囲
を酸素O2で囲まれるようにして吹き込まれるため微粉
炭及び合成樹脂材と酸素の接触が極めて良好になり、微
粉炭及び合成樹脂材と酸素は予燃焼室9内で速やかに混
合して微粉炭と少なくとも合成樹脂材の一部が予燃焼室
9内で急速着火燃焼する。これにより生成した燃焼ガス
はバーナ先端開口部10から炉内に導入され、その顕熱
によりスクラップが溶解し、溶銑として炉外に取り出さ
れる。また、先に述べたように燃焼ガスについては有意
に二次燃焼させることなく、未燃焼の合成樹脂材の熱分
解により生成したガスとともに燃料用ガスとして炉外に
排出される。したがって、この方法では微粉炭及び合成
樹脂材を燃焼バーナ内部で燃焼させるため、炉内状況に
影響されることなく微粉炭及び合成樹脂材を安定して高
効率に燃焼させることができる。
【0037】また、図10に示す吹き込み方法におい
て、羽口部2にはバーナ先端開口部10の内方に微粉炭
の予燃焼室9を備えた燃焼バーナ8Dが設置されてお
り、この燃焼バーナ8Dの予燃焼室9内には、バーナ径
方向中心若しくはその近傍に配された酸素吹込部b′か
ら酸素O2が、またその周囲に配された固体燃料吹込部
aから微粉炭PCと合成樹脂材SRが、さらにその周囲
に配された酸素吹込部bから酸素O2がそれぞれ吹き込
まれる。この方法では、微粉炭PCと合成樹脂材SRは
その内側と外側を酸素O2でサンドイッチされるように
して吹き込まれるため、微粉炭及び合成樹脂材と酸素の
接触状態が図9の方法に較べてより良好になり、これに
より微粉炭及び合成樹脂材の燃焼効率がより高められる
利点がある。
【0038】ここで、図9及び図10の方法で用いられ
る燃焼バーナの構造について、その概略を説明すると、
まず、図9に示す燃焼バーナ8Cのバーナ本体12は、
筒状の水冷ジャケット13とこれを貫通する固体燃料供
給管14及び酸素供給管15等から構成され、前記各供
給管の端部がバーナ本体12の前面(水冷ジャケット1
3の前面)に開口することで、固体燃料吹込部a及び酸
素吹込部bが形成されている。前記予燃焼室9は、バー
ナ本体12とバーナ先端開口部10との間に筒状に形成
されるもので、その内壁には非金属製の耐火物16が内
張りされており、先に述べたようにバーナの使用中はこ
の耐火物16を赤熱させ、その輻射熱により予燃焼室内
に供給された微粉炭及び合成樹脂材を着火させるように
している。また、炉内に噴射する燃焼ガスのガス流速を
確保するため、予燃焼室9はバーナ先端側がテーパ状に
構成されている。
【0039】予燃焼室9の外側には水冷ジャケット17
が設けられるとともに、バーナ先端には水冷構造の羽口
18が設けられている。この羽口18は高温の炉内雰囲
気からバーナ先端を保護するために設けられるものであ
るが、場合によっては設けなくてもよい。また、予燃焼
室9内での微粉炭及び合成樹脂材と酸素との混合を迅速
化し、微粉炭及び合成樹脂材を効率的に急速燃焼させる
ため、前記固体燃料吹込部aと酸素吹込部bは、両者の
孔軸延長線の交点pが予燃焼室9の出口先端またはそれ
よりもバーナ内方に位置するよう構成されている。
【0040】さらに、燃焼バーナ全体は、その軸線に水
平方向に対してバーナ先端側が下向きとなるような傾き
角θを付して炉壁7に取付けられている。このように傾
き角θを付けるのは、微粉炭等の灰分が溶融して生じた
スラグをバーナ先端開口部10から炉内に円滑に排出す
るためである。この傾き角θは、予燃焼室9内のスラグ
をバーナ先端開口部10方向へ円滑に流下させるため
に、予燃焼室内面のテーパ部が水平若しくはその先端側
が下向きに傾斜するような大きさとすることが好まし
い。また、図10に示す燃焼バーナの場合には、各吹込
部a,b,b′は、それぞれ水冷ジケット13を貫通す
る固体燃料供給管14及び酸素供給管15,15′の先
端開口により形成されている。なお、その他の構成は図
9の構造と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な
説明は省略する。
【0041】図11及び図12は、図9に示すスクラッ
プ溶解法において燃焼バーナ径方向における微粉炭PC
及び合成樹脂材SRと酸素O2の吹き込みの態様を示し
ており、このうち図11はバーナ径方向中心またはその
近傍の固体燃料吹込部aから微粉炭PC及び合成樹脂材
SRを吹き込み、この固体燃料吹込部aの周りを環状に
囲むような酸素吹込部bから酸素O2を吹き込むように
した例であり、また、図12は固体燃料吹込部aの周り
に適宜間隔をおいて配された複数の酸素吹込部bから酸
素O2を吹き込むようにした例である。
【0042】図13ないし図15は、図10に示すスク
ラップ溶解法において燃焼バーナ径方向における微粉炭
PC及び合成樹脂材SRと酸素O2の吹き込みの態様を
示しており、このうち図13はバーナ径方向中心若しく
はその近傍の酸素吹込部b´から酸素O2を吹き込み、
この酸素吹込部b´の周りを環状に囲むような固体燃料
吹込部aから微粉炭PC及び合成樹脂材SRを吹き込
み、さらにその周りを環状に囲むような酸素吹込部bか
ら酸素O2を吹き込むようにした例である。図14はバ
ーナ径方向中心若しくはその近傍の酸素吹込部b´の周
りを環状に囲むような固体燃料吹込部aから微粉炭PC
及び合成樹脂材SRを吹き込み、さらにこの固体燃料吹
込部aの周りに適宜間隔をおいて配された複数の酸素吹
込部bから酸素O2を吹き込むようにした例である。ま
た、図15はバーナ径方向中心若しくはその近傍の酸素
吹込部b´の周りに適宜間隔をおいて配された複数の固
体燃料吹込部aから微粉炭PC及び合成樹脂材SRを吹
き込み、さらにこの固体燃料吹込部aの周りに適宜間隔
をおいて配された複数の酸素吹込部bから酸素O2を吹
き込むようにした例である。
【0043】また、図9、図10に示すような予燃焼室
9を備えた燃焼バーナでは、粉粒状または細片状の合成
樹脂材の吹き込みに代えて、或いはその吹き込みととも
に、塊状の合成樹脂材を予燃焼室9に装入し、少なくと
もその一部を燃焼させるようにすることができる。この
場合には、塊状の合成樹脂材は燃焼バーナに別途設けら
れる装入口を通じて予燃焼室9内に装入される。予燃焼
室9内で微粉炭と合成樹脂材を着火燃焼させるには、油
やLPG等を燃料とする図示しない着火バーナを常時用
いるようにすることもできるし、また、予燃焼室9の内
壁を耐火物で構成し、操業初期にのみ着火バーナ(パイ
ロットバーナ)を用いてバーナ内部を予熱若しくは微粉
炭等を着火燃焼させ、以降の定常操業では赤熱した耐火
物の輻射熱により微粉炭等を自然着火させるようにする
こともできる。
【0044】図16は、図2に示す方法と図9に示す方
法によりそれぞれ微粉炭を急速燃焼させた場合につい
て、[PC/O2]=1.2kg/Nm3における微粉炭
の燃焼率を経時に調べた結果を示している。なお、この
試験では微粉炭の燃焼率をみるため合成樹脂材の吹込み
は極く少量にとどめてある。図16によればいずれの方
法でも全体的に高い微粉炭燃焼率が得られている。但
し、図2に示す方法では燃焼率が経時に若干変動する傾
向がみられ、これは羽口先の燃焼空間における装入物
(例えば、コークス充填層)等の状況が変動し、これが
微粉炭の燃焼性に影響を与えることによるものと考えら
れる。これに対して図9に示す方法によれば、供給され
た微粉炭の大部分が予燃焼室で燃焼ガス化するため、微
粉炭の燃焼が炉内状況等にほとんど影響されず、このた
め高レベルの微粉炭燃焼率が安定的に得られている。
【0045】図17は、図2に示す方法と図9に示す方
法について、それぞれの羽口部近傍における微粉炭の理
想的な燃焼状況を示したものである。これによれば、図
2の方法の場合には羽口先に燃焼帯が形成され、その外
側に所謂レースウェイが形成される。これに対して図9
の方法の場合には、予燃焼室9内に吹き込まれた酸素の
ほぼ全量が予燃焼室9内で急速消費され、この結果、炉
内には微粉炭の燃焼ガス(燃焼バーナ内ではCO2が発
生するものの、炉内に導入される燃焼ガス中のCO2
極くわずかであり、大部分はCOである)が導入される
ことになる。これにより羽口先には図2のような燃焼帯
(酸化帯)がほとんど形成されず、レースウェイのみが
形成されることになる。
【0046】先に述べたように本発明法では大量の微粉
炭+合成樹脂材を高効率に燃焼ガス化することができ、
このため微粉炭比及び合成樹脂材比に対してコークス比
を相対的に低めた操業が可能であるが、特に図9及び図
10に示す方法では供給された酸素の大部分が予燃焼室
内で急速消費されるため、羽口先には燃焼帯がほとんど
形成されないか、若しくは形成されるとしても極く限ら
れた狭い領域にしか形成されない。このため羽口先での
コークスの消費(燃焼)が抑えられ、この点もコークス
比の低減に寄与する。
【0047】次に、本発明法において微粉炭+合成樹脂
材を羽口部から吹き込むことによる作用と影響について
詳細に説明する。本発明では合成樹脂材を羽口部に設け
られた燃焼バーナを通じて特定の方法で吹き込み或いは
装入することにより、合成樹脂材を熱源及び高カロリー
排ガス源の一部として利用するものであるが、このよう
な合成樹脂材の利用が可能となるのは、合成樹脂材を微
粉炭(好ましくは、比較的大量の微粉炭)とともに吹き
込むこと、また、スクラップ溶解法として先に述べた
〜の構成を採ることに依るところが大きい。
【0048】すなわち、一般に比較的大量の合成樹脂材
を羽口部からシャフト炉内に吹き込む場合、以下のよう
な問題点が考えられる。 (1) 吹き込まれた合成樹脂材のうちの十分な量が羽口部
或いは羽口先で急速燃焼しないと、未燃焼の合成樹脂材
がベットコークス内で融着して炉内の通気性を著しく阻
害し、この結果シャフト炉の操業に支障をきたす。 (2) 一般廃棄物や産業廃棄物としての合成樹脂材中に占
める塩化ビニルの割合は約20%にも達すると言われて
いるが、このような合成樹脂材を炉内に吹き込んだ場
合、塩化ビニル材の燃焼によって多量のHClが生じ、
これが排ガス中に混入して燃料ガスとしての品質を著し
く低下させる。 (3) 未燃焼の合成樹脂材は一旦炉内で熱分解するが、こ
の分解物(ガス)どうしが炉頂部や排ガス管系内で二次
的に反応してタール前駆体を生成し、これによって生じ
るタール状物質が排ガス配管内面に付着・堆積して管を
閉塞させてしまう。
【0049】しかし、本発明のスクラップ溶解法によれ
ば上記のような問題を生じることなく合成樹脂材の炉内
吹き込みが可能となる。すなわち、まず上記(1)の点に
関しては、本発明では微粉炭の高効率燃焼を可能とする
ような特別な吹き込み方法(先に述べた,の構成に
よる吹き込み方法)を採用し、合成樹脂材も基本的にこ
の方法により吹き込まれるために効率的に燃焼し、した
がって、吹き込まれた合成樹脂材のうちの相当量が羽口
部または羽口先で急速燃焼することになる。このため、
炉下部において未燃焼の合成樹脂材が残存する割合が減
少し、合成樹脂材がコークスベット内で融着して炉内の
通気性を阻害するという問題を生じることはない。
【0050】上記(2)の点に関しては、本発明法では次
のような理由により排ガス中のHCl濃度が効果的に低
減する。まず、HClの排ガス中の濃度を低減させるに
は、排ガス中のダストに含まれるCaO、Na2O、F
e等のHCl捕捉成分にHClを捕捉させるのが最も有
効である。本発明法では微粉炭を高効率に燃焼させるこ
とができるため、微粉炭の大量吹き込みを行なった場合
でもその吹込量の割には排ガス中に含まれる未燃チャー
の量は少なく、したがって炉頂ガス中のダストの量も比
較的少ない。しかし、炉頂ガス中のHCl捕捉成分の量
は微粉炭吹き込み量に比例するため、微粉炭大量吹き込
みを行なう本発明法では炉頂ガス中のHCl捕捉成分の
量が比較的多く、このため上記HCl捕捉成分によるH
Clの捕捉率が高い。
【0051】また、上述したように本発明法では微粉炭
の燃焼効率が高いため、微粉炭の吹込み量の割には排ガ
ス中の未燃チャーの量が相対的に少ないが、それでも排
ガス中には相当程度の未燃チャーが含まれている。そし
て、この未燃チャーは排ガス中のHClを大量且つ強固
に吸着(物理的吸着)する作用があるため、排ガスとの
極く短時間の接触でガス中のHCl濃度を低減させる。
未燃チャーの表面に物理的に吸着したHClは、徐々に
ダスト中に含まれるHCl捕捉成分(CaO、Na
2O、Fe等)と反応してダストに固定される。つま
り、未燃チャーに物理的に吸着していたHClは、時間
の経過とともに化学的な反応によりHCl捕捉成分に吸
収され、最終的にCaCl2、NaCl、FeCl2等の
塩化物として固定される。そして、これらの塩化物はダ
ストの一部として排ガスから分離除去されることにな
る。
【0052】特に本発明法では、シャフト部や炉頂部で
の有意の二次燃焼を行なわないため、HClを吸着すべ
き未燃チャーが炉シャフト部及び炉頂部を通じてが失な
われることがないという利点がある。このため未燃チャ
ーによるHClの吸着が効果的に行なわれるとともに、
一旦未燃チャーに吸着されたHClが再びガス側に移行
することもない。以上のようなHClを低減化する機構
からして、排ガス中のHClを効果的に低減させるため
には、合成樹脂材の吹込み量(より正確には塩化ビニル
材の吹込み量)に応じたHCl捕捉成分及び未燃チャー
量が確保されること、したがって、合成樹脂材の吹込み
量に応じた相当量の微粉炭を吹込むことが好ましい。具
体的には、合成樹脂材の吹込み量に対して、その1/1
0以上の重量の微粉炭を吹き込むことが好ましく、且つ
この微粉炭の吹込み量(重量)は塩化ビニル材の吹込み
量以上であることが好ましい。
【0053】次に、上記(3)の点に関しては、本発明法
では比較的多量の微粉炭を羽口部から吹き込むため、通
常、炉頂ガス中には水素が5%以上の濃度で含まれる。
そして、この水素の存在により合成樹脂材の分解物が安
定化されるため、分解物どうしが二次的に反応してター
ル前駆体を生成することが抑制され、これによって配管
閉塞等のトラブルの原因となるタール状あるいはワック
ス状物質の発生を防止することが可能となる。このよう
に溶銑製造法において合成樹脂材の炉内吹き込みを行っ
た場合に大きなネックとなる問題についても、本発明の
スクラップ溶解法によれば全く問題とならない。したが
って、スクラップ溶解における合成樹脂材の炉内吹き込
みは、スクラップと微粉炭及び合成樹脂材を主原料とす
る溶銑と高カロリー排ガスの製造を低コストで実施する
という目的を有し、これを微粉炭+合成樹脂材の大量吹
き込みによる高燃料比での操業の下で上記〜の手段
により達成するという本発明法によりはじめて可能とな
った言っても過言ではない。
【0054】先に述べたように本発明は従来法に較べて
燃料比を高くし、且つ微粉炭+合成樹脂材の大量吹き込
みを行なうことを前提としているが、その狙いとする範
囲は実操業ベースで、燃料比:300kg/t・pig以
上、燃焼バーナに対して供給する微粉炭比(kg/t・
pig)及び合成樹脂材比(kg/t・pig)と炉頂装入す
るコークス比(kg/t・pig)との重量比[(微粉炭
比+合成樹脂材比)/コークス比]:1.0以上であ
り、これにより溶銑を高効率に製造することができると
ともに、上述したような高カロリー排ガスを大量に安定
供給することが可能となる。また、これらの上限は操業
度、燃料コストと必要回収ガスバランス等によって決ま
るが、一般には燃料比:500kg/t・pig、[(微
粉炭比+合成樹脂材比)/コークス比]:2.5程度が
実質的な上限となると考えられる。
【0055】このように本発明では、従来法に較べて燃
料比を相対的に高めた操業を行うことを前提としている
ため、従来法に較べて燃料費自体は高くなるが、一方に
おいて燃料としてコークスに較べてはるかに安価な微粉
炭を大量に使用し、且つ相当量の合成樹脂材を使用する
ことで、コークス比を相対的に低減させることができ、
しかも利用価値の高い高カロリー排ガスを大量に製造す
ることができるため、全体としては従来法に較べて相当
程度に低い製造・操業コストで実施することができる。
また、微粉炭及び合成樹脂材と酸素を本発明のような方
式で同時に吹き込むことは、溶銑の歩留り及び品質を確
保することにも役立つ。すなわち、熱源としてコークス
のみを炉内に装入して羽口部から酸素のみを吹き込む方
式を想定した場合、羽口先に酸素帯が奥行き方向に長く
形成され、その近傍を流れる溶銑が酸化され易いため、
鉄がFeOとしてスラグ中に移行して鉄の歩留まりを低
下させ、また、溶銑の成分中に酸化物を懸濁させること
により溶銑の品質を劣化させることになる。
【0056】これに対して本発明法では、羽口先で微粉
炭及び合成樹脂材が急速に酸素を消費するため酸化帯が
十分に小さく、このため上記のような溶銑滓の酸化は大
きな問題とならない。また、特に図9及び図10に示す
本発明法では、予燃焼室内で微粉炭及び合成樹脂材が急
速に酸素を消費するため、羽口先には燃焼帯が殆んど形
成されないか、若しくは形成されるとしても極く限られ
た狭い領域に形成されるだけであり、このため上記のよ
うな溶銑滓の酸化は殆ど問題とならない。以上のような
作用は、特に[(PC+SR)/O2]を0.7kg/
Nm3以上、より好ましくは1.0以上とすることによ
り効果的に得られる。
【0057】また本発明法では、微粉炭及び合成樹脂材
を急速燃焼させて得られた燃焼ガスを羽口先に送風する
ことによりスクラップが円滑に溶解するため、キュポラ
法のような炉内の温度分布制御のための特殊な鋳物用コ
ークスを必要としない。本発明法では、溶解帯下部にレ
ースウェイを作り、充填されたスクラップを保持するた
めにコークスが必要であるが、これには高炉用コークス
を利用することができる。また、微粉炭の燃焼ガス化に
伴って発生する主に石炭灰分から成るスラグは、容易に
溶融して炉下部の溶銑と分離してその上部に蓄積し、出
銑とともに容易に炉外に排出でき、操業に支障を与えな
い。なお、本発明法では燃焼バーナによる微粉炭及び合
成樹脂材と酸素の吹き込みに加え、同じ燃焼バーナ等を
通じて燃焼温度調整用の水蒸気や窒素等を冷却剤として
適宜吹き込むことができる。
【0058】本発明において燃焼バーナから吹き込まれ
る酸素ガスの純度は可能な限り高い方が好ましいが、一
般に工業用として使用されている酸素ガスの純度は99
%以上(通常、一般に販売されている工業用酸素ガスの
純度は約99.8%〜99.9%程度、製鉄所の酸素プ
ラントから得られる酸素ガスの純度は99.5%前後で
ある)であり、この程度の純度があれば十分である。ま
た、本発明により得られる作用効果の面から言うと、純
度が95%未満の酸素ガスでは吹き込まれる微粉炭及び
合成樹脂材と酸素との接触が十分に確保できないため、
微粉炭及び合成樹脂材の燃焼効率が悪くなり、また、排
ガス中の低カロリーガス成分も増加することになり、本
発明の目的を達成することが困難となる。したがって、
本発明で羽口部から吹き込まれる酸素とは、純度が95
%以上の酸素ガスを指すものとする。
【0059】
【実施例】 〔実施例1〕図1の炉体に図2に示す構造の羽口部を有
するスクラップ溶解用試験炉(炉内容積:2.5m3
銑鉄生産量:10t/日)、図1の炉体に図3に示す構
造の羽口部を有するスクラップ溶解用試験炉(炉内容
積:2.5m3,銑鉄生産量:10t/日)及び図1の
炉体に図9に示す構造の羽口部を有するスクラップ溶解
用試験炉(炉内容積:2.5m2,銑鉄生産量:10t
/日)を用い、本発明法により[PC/O2]を変化さ
せてスクラップを溶解し、溶銑を製造した。本実施例で
は燃焼バーナから炉内に若しくは燃焼バーナの予備燃焼
室内に微粉炭及び粉粒状合成樹脂材と常温の酸素(冷酸
素)を吹き込むとともに、羽口先の燃焼温度を2000
℃に調整するために窒素及び/または水蒸気を冷却剤と
して吹き込んだ。なお、本実施例では微粉炭の燃焼性を
調べるため合成樹脂材の吹込み量を極く少量に抑え、合
成樹脂材比/(合成樹脂材比+微粉炭)の重量比で0.
01〜0.5の範囲となるようにした。
【0060】また、比較法として図1の炉体に図19に
示す羽口部を備えた試験炉を用い、[PC/O2]を変
化させてスクラップを溶解し、溶銑を製造した。図19
は公知のキュポラ法に基づき酸素富化した熱風にランス
20を通じて微粉炭を吹き込む方式であり、温度800
℃の熱風を用い、酸素富化量及び微粉炭量を調整して
[PC/O2]を変化させた。なお、本実施例において
は、粒度が74μm以下75%、表1に示す工業分析値
を有する微粉炭を吹き込み用として用い、また、コーク
スとしては高炉用コークスを用いた。
【0061】本発明法及び比較法における微粉炭の吹き
込み限界を見るために、炉頂ガス中のダストを逐次採取
し、ダスト中のC濃度(%)を測定した。その結果を図
18に示す。図18は投入微粉炭量PC(kg/h)と
酸素流量O2(Nm3/h)の比[PC/O2]と炉頂乾
ダスト中のC濃度との関係(合成樹脂材の吹込み量を極
く少量としたので、[PC/O2]で評価した)を示し
たもので、比較法では[PC/O2]の値が0.7kg
/Nm3以上になると炉頂ダスト中にC濃度が急増して
いる。これは、[PC/O2]がこの領域になると微粉
炭が羽口先で十分に燃焼し切れず、炉頂から未燃焼のま
ま排出されていることを示しており、吹き込まれた微粉
炭が燃料として十分に利用されていないことになる。
【0062】一方、図2の方式による本発明法では
[PC/O2]が1.4kg/Nm3の近傍まで炉頂乾ガ
ス中のC濃度は低く、微粉炭を大量に吹き込んでも高効
率に燃焼して炉内で燃焼ガス化されていることが判る。
また、図3の方式による本発明法では微粉炭がより高
効率に燃焼し、さらに、図9の方式による本発明法で
は微粉炭が最も高効率に燃焼していることが判る。な
お、[PC/O2]は化学量論的に1.4kg/Nm3
ほぼ上限であり、本発明法において[PC/O2]:
1.4kg/Nm3近傍で炉頂乾ガス中のC濃度が急増
しているのは本発明法の限界を示すものではない。本実
施例から明らかなように、本発明法によれば羽口部から
吹き込まれた微粉炭と酸素とが羽口先で急速に混合して
微粉炭が急速燃焼するため、[PC/O2]を十分に高
めても微粉炭を効率的に燃焼させ、燃焼ガス化させるこ
とができる。また、本発明法ではスクラップの溶解及び
溶銑の生産に関しても、全く支障がないことが確認でき
た。
【0063】
【表1】
【0064】〔実施例2〕実施例1と同じ図2に示す羽
口部を備えた試験炉、図3に示す羽口部を備えた試験
炉、図9に示す羽口部を備えた試験炉及び図19に示す
羽口部を備えた試験炉をそれぞれ用いてスクラップを溶
解し、溶銑を製造した。微粉炭及びコークスは実施例1
と同様のものを用い、また、粉粒状合成樹脂材としては
平均粒径が0.2〜1mmのものを用いた。また、この
実施例では、一部の比較例においてシャフト部に二次燃
焼用の空気を導入し、燃焼ガスを二次燃焼させた。各実
施例の製造条件及びその結果を表2〜表10に示す。
【0065】表2〜表10においてNo.1は微粉炭及
び合成樹脂材を吹き込まず(羽口からは酸素のみを吹き
込み)、熱源をすべてコークスとした操業例(微粉炭
比:0)であり、一方、No.2〜No.4は燃焼バー
ナから酸素とともに微粉炭と少量の粉粒状合成樹脂材の
吹き込みを行ない、No.2→No.4の順に微粉炭比
+合成樹脂材比を増加させた操業例である。微粉炭及び
合成樹脂材の吹き込みを行わないNo.1では、レース
ウェイ内の酸化帯が拡大した影響によりスラグ中のFe
Oが高くなり、溶銑の品質低下及び鉄歩留りの低下を生
じている。また、このNo.1は熱源をすべてコークス
としているため当然に製造コストが高い。
【0066】No.2は、微粉炭吹き込みを行ってはい
るが[(PC+SR)/O2]が低いため、No.1ほ
どではないがスラグ中のFeOが高くなっている。ま
た、この操業例では[(微粉炭比+合成樹脂材比)/コ
ークス比]が0.36程度であり、コークス比が相対的
に高いため製造コストの面で問題がある。これに対して
No.3,No.4においては、スラグ中のFeOが低
く、溶銑の品質及び鉄歩留りは良好である。また、これ
らNo.3,No.4ではコークス比を超える大量の微
粉炭+合成樹脂材を吹き込んでいるにも拘らず、それら
の燃焼が効率的に行なわれているため、2700kca
l/Nm3以上の高カロリー排ガスが大量に得られてい
る。
【0067】No.5,No.6は図3に示す構造の羽
口部を備えた試験炉を、また、No.7,No.8は図
9に示す構造の羽口部を備えた試験炉をそれぞれ用い、
上記No.3,No.4にほぼ対応した条件で燃焼バー
ナから酸素と微粉炭及び少量の粉粒状合成樹脂材の吹込
みを行った操業例であり、これらの操業例ではNo.
3,No.4に較べて微粉炭と合成樹脂材の燃焼性がよ
り高められ、この結果、コークス比が若干減少し、さら
に炉頂ダストの発生量が減少した。No.9〜No.1
5は、羽口部から吹き込む合成樹脂材比をNo.3,N
o.4に較べて増し、且つNo.9→No.15の順で
合成樹脂材中に含まれる塩化ビニル樹脂の比率を高めた
操業例であり、いずれも排ガス中のHCl濃度は低く抑
えられている。
【0068】No.16〜No.18は図3に示す構造
の羽口部を備えた試験炉を、また、No.19〜No.
21は図9に示す構造の羽口部を備えた試験炉をそれぞ
れ用い、上記No.10,No.12,No.14とほ
ぼ対応した条件で操業を行った操業例であり、いずれの
操業例でも排ガス中のHCl濃度は低く抑えられてい
る。No.22〜No.24は微粉炭比に対し合成樹脂
材比を大幅に増大させた操業例であり、これらは微粉炭
の大量吹込に伴う排ガス中HCl濃度の低減効果が相対
的に低下するため、No.10〜No21に較べて排ガ
ス中のHCl濃度が上昇している。
【0069】No.25は従来型の吹き込み羽口を用い
て微粉炭及び適量の合成樹脂材(以下、微粉炭等とい
う)と酸素とを吹き込んだ操業例であり、微粉炭等の燃
焼効率が低いため[(PC+SR)/O2]が上げられ
ず、このため微粉炭等に較べて大量のコークスを必要と
し、製造コストが高い。また、羽口先における微粉炭等
と酸素との接触が十分に確保されていないため、スラグ
中のFeOが高く、溶銑の品質低下及び鉄歩留りの低下
を生じている。
【0070】No.26は従来型の吹き込み羽口を用い
て酸素富化された空気を微粉炭等とともに吹き込んだ操
業例であり、この操業例では、従来型の吹き込み羽口を
用いていることに加えて、吹き込みガスとして酸素富化
された空気を用いているために酸素と微粉炭等との接触
が十分に確保できず、このため微粉炭等の燃焼効率がN
o.25よりもさらに低く、したがってコークス比を高
くせざるを得ないため製造コストが高い。また、酸素富
化された空気(66%O2)を使用しているため、排ガ
スのカロリーも低く(2500kcal/Nm3
満)、さらに、上記のように酸素と微粉炭等との接触が
十分に確保されないため、スラグ中のFeOが高く、溶
銑の品質低下及び鉄歩留りの低下を生じている。
【0071】No.27は従来型の吹き込み羽口を用
い、酸素富化された空気を微粉炭等とともに吹き込むと
ともに、シャフト部に二次燃焼用の空気を導入した操業
例であり、この操業例ではNo.26に較べて燃料比は
低くできるものの、No.26と同様の理由により微粉
炭等の燃焼効率が低く、コークス比が高いため製造コス
トが高い。また、酸素富化された空気(66%O2)を
使用し且つ微粉炭等の燃焼により生じた燃焼ガスを二次
燃焼させているため、排ガスのカロリーが極めて低い
(1800kcal/Nm3未満)。また、No.26
と同様に酸素と微粉炭等との接触が十分に確保されない
ため、スラグ中のFeOが高く、溶銑の品質低下及び鉄
歩留りの低下を生じている。
【0072】No.28は本発明法に相当する羽口吹き
込み方式を採用し、微粉炭等の周囲から酸素富化された
空気を吹き込んだ操業例であり、この操業例では吹き込
みガスとして酸素富化された空気を用いているために酸
素と微粉炭等との接触が十分に確保できず、このため微
粉炭等の燃焼効率が低く、したがってコークス比を高く
せざるを得ないため製造コストが高い。また、酸素富化
された空気(69%O2)を使用しているため、排ガス
のカロリーも低い(2400kcal/Nm3未満)。
さらに、酸素富化された空気を用いているために酸素と
微粉炭等の接触が十分に確保されないため、スラグ中の
FeOがNo.3,No.4に較べて高く、溶銑の品質
低下及び歩留低下を生じている。
【0073】No.29は本発明法に相当する羽口吹き
込み方式を採用し、微粉炭等の周囲から酸素富化された
空気を吹き込むとともに、シャフト部に二次燃焼用の空
気を導入した操業例であり、この操業例ではNo.28
に較べて燃料比は低くできるものの、No.28と同様
の理由により微粉炭等の燃焼効率が低く、コークス比が
高いため製造コストが高い。また、酸素富化された空気
(62%O2)を使用し且つ微粉炭等の燃焼により生じ
た燃焼ガスを二次燃焼させているため、排ガスのカロリ
ーが極めて低い(1800kcal/Nm3未満)。ま
た、No.28と同様に酸素と微粉炭等との接触が十分
に確保されないため、スラグ中のFeOがNo.3,N
o.4に較べて高く、溶銑の品質低下及び鉄歩留りの低
下を生じている。
【0074】No.30とNo.31は低燃料比による
操業例であり、このうちNo.30は本発明法に相当す
る羽口吹き込み方式を採用し、微粉炭等の周囲から酸素
富化された空気を吹き込んだ操業例である。この操業例
では吹き込みガスとして酸素富化された空気を用いてい
るために酸素と微粉炭等との接触が十分に確保できず、
このため微粉炭等の燃焼効率が低く、したがってコーク
ス比を高くせざるを得ないため製造コストが高い。ま
た、酸素富化された空気(63%O2)を使用している
ため、排ガスのカロリーも低く(2300kcal/N
3未満)、さらに、低燃焼比での操業であるため排ガ
ス量も少ない。また、酸素富化された空気を用いている
ために酸素と微粉炭等との接触が十分に確保されないた
め、スラグ中のFeOがNo.3,No.4に較べて高
く、溶銑の品質低下及び歩留低下を生じている。
【0075】No.31は本発明法に相当する羽口吹き
込み方式を採用し、微粉炭等の周囲から酸素富化された
空気を吹き込むとともに、シャフト部に二次燃焼用の空
気を導入した操業例であり、この操業例ではNo.30
に較べて燃料比は低くできるものの、No.30と同様
の理由により微粉炭等の燃焼効率が低く、コークス比が
高いため製造コストが高い。また、酸素富化された空気
(63%O2)を使用し且つ微粉炭等の燃焼により生じ
た燃焼ガスを二次燃焼させているため、排ガスのカロリ
ーが極めて低く(1800kcal/Nm3未満)、さ
らに、低燃焼比での操業であるため排ガス量も少ない。
また、No.30と同様に酸素と微粉炭等との接触が十
分に確保されないため、スラグ中のFeOがNo.3,
No.4に較べて高く、溶銑の品質低下及び鉄歩留りの
低下を生じている。
【0076】No.32,No.33は本発明法に相当
する羽口吹込方式を採用して羽口部から微粉炭と比較的
大量の合成樹脂材を吹き込むとともに、シャフト部に二
次燃焼用の空気を導入した操業例であり、これらの操業
例では二次燃焼によって排ガス中の未燃チャーが失われ
る結果、未燃チャーに吸着していたHClの大部分が脱
離して再び排ガス中に移行するため、排ガス中のHCl
濃度が著しく高い。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、スク
ラップを溶解して溶銑を効率的に製造できるだけでな
く、燃料用ガスとして利用価値の高い高カロリーの排ガ
スを大量に得ることができ、しかも、主要熱源として一
般炭を粉砕した安価な微粉炭を使用できること、熱源及
び高カロリー排ガス源の一部として合成樹脂材を利用で
きること、[(PC+SR)/O2]を高めることがで
きるため少ない酸素量で大量の微粉炭及び合成樹脂材を
燃焼ガス化できること、簡易な設備で実施できること等
から、スクラップと微粉炭及び合成樹脂材を主原料とし
た溶銑及び高カロリー燃料用ガスの製造を低コストで実
施することができる。特に、微粉炭比+合成樹脂材比を
高めることができ且つ利用価値の高い高カロリー排ガス
を大量に製造できることを考慮した場合に、従来技術に
較べて相当程度に低い製造・操業コストで実施すること
ができ、しかも廃棄物たる合成樹脂類の大量処理と有効
利用を図ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラップ溶解法の実施に供されるシ
ャフト炉の一構成例を示す概念図
【図2】シャフト炉の羽口部の一構成例(断面構造)並
びに本発明法による微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹込
み方法を示す説明図
【図3】シャフト炉の羽口部の他の構成例(断面構造)
並びに本発明法による微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹
込み方法を示す説明図
【図4】図2に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方向
における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込み
の態様の一例を示す説明図
【図5】図2に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方向
における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込み
の態様の他の例を示す説明図
【図6】図3に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方向
における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込み
の態様の一例を示す説明図
【図7】図3に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方向
における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込み
の態様の他の例を示す説明図
【図8】図3に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方向
における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込み
の態様の他の例を示す説明図
【図9】シャフト炉の羽口部の他の構成例(断面構造)
並びに本発明法による微粉炭及び合成樹脂材と酸素の吹
込み方法を示す説明図
【図10】シャフト炉の羽口部の他の構成例(断面構
造)並びに本発明法による微粉炭及び合成樹脂材と酸素
の吹込み方法を示す説明図
【図11】図9に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方
向における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込
みの態様の一例を示す説明図
【図12】図9に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径方
向における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き込
みの態様の他の例を示す説明図
【図13】図10に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径
方向における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き
込みの態様の一例を示す説明図
【図14】図10に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径
方向における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き
込みの態様の他の例を示す説明図
【図15】図10に示す燃焼バーナにおいて、バーナ径
方向における微粉炭及び合成樹脂材と冷酸素O2の吹き
込みの態様の他の例を示す説明図
【図16】本発明法により微粉炭及び合成樹脂材と酸素
の吹き込みを行った場合の微粉炭燃焼率を経時に示すグ
ラフ
【図17】本発明法により微粉炭及び合成樹脂材と酸素
の吹き込みを行った場合の羽口部近傍における理想的な
燃焼状況を示した説明図
【図18】実施例1において図2、図3及び図9による
吹込み方式の本発明法と図19による吹込み方式の比較
法について、投入した微粉炭量PC(kg/h)と酸素
流量O2(Nm3/h)の比[PC/O2]と炉頂乾ガス
中のC濃度との関係を示したグラフ
【図19】従来方式の羽口部の断面構造を示す説明図
【符号の説明】
1…シャフト炉、2…羽口部、3…炉頂部、4…原料装
入装置、5…開閉装置、6…ダクト、7…炉壁、8A,
8B,8C,8D…燃焼バーナ、9…予燃焼室、10…
バーナ先端開口部、12…バーナ本体、13…水冷ジケ
ット、14…固体燃料供給管、15,15′…酸素供給
管、16…耐火物、17…水冷ジケット、18…羽口、
20…ランス、a…固体燃料炭吹出部、b,b´…酸素
吹出部、p…交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井ノ口 孝憲 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 有山 達郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト炉内に鉄源であるスクラップと
    コークスを装入し、羽口部に設けられた燃焼バーナから
    は微粉炭、粉粒状または細片状の合成樹脂材及び酸素を
    炉内に吹き込み、これらの吹き込みに当たっては微粉炭
    と合成樹脂材をバーナ径方向中心若しくはその近傍から
    吹き込むとともに、酸素をその周囲から吹き込んで微粉
    炭及び合成樹脂材と酸素を混合させることにより、微粉
    炭と少くとも合成樹脂材の一部を羽口先に形成される燃
    焼帯で急速燃焼させ、この燃焼ガスの顕熱でスクラップ
    を溶解して溶銑を製造するとともに、燃焼ガスを炉内で
    有意に二次燃焼させることなく燃料用ガスとして回収す
    ることを特徴とするスクラップ溶解法。
  2. 【請求項2】 シャフト炉内に鉄源であるスクラップと
    コークスを装入し、羽口部に設けられた燃焼バーナから
    は微粉炭、粉粒状または細片状の合成樹脂材及び酸素を
    炉内に吹き込み、これらの吹き込みに当たってはバーナ
    径方向中心若しくはその近傍から酸素を吹き込むととも
    に、その周囲から微粉炭と合成樹脂材を吹き込み、さら
    にその周囲から酸素を吹き込んで微粉炭及び合成樹脂材
    と酸素を混合させることにより、微粉炭と少なくとも合
    成樹脂材の一部を羽口先に形成される燃焼帯で急速燃焼
    させ、この燃焼ガスの顕熱でスクラップを溶解して溶銑
    を製造するとともに、燃焼ガスを炉内で有意に二次燃焼
    させることなく燃料用ガスとして回収することを特徴と
    するスクラップ溶解法。
  3. 【請求項3】 燃焼バーナによる合成樹脂材の吹き込み
    が非連続的若しくは間欠的に実施され、且つこの合成樹
    脂材の吹き込みが微粉炭の吹き込みとともに若しくは一
    時的に微粉炭の吹き込みに代えて実施されることを特徴
    とする請求項1または2に記載のスクラップ溶解法。
  4. 【請求項4】 バーナ先端開口部の内方に予燃焼室が設
    けられた燃焼バーナを羽口部に備えたシャフト炉を用い
    て行われるスクラップ溶解法であって、シャフト炉内に
    鉄源であるスクラップとコークスを装入し、前記燃焼バ
    ーナの予燃焼室内には微粉炭と酸素を吹き込むととも
    に、粉粒状または細片状若しくは塊状の合成樹脂材を吹
    き込み若しくは装入し、これらの吹き込みに当たって
    は、少なくとも微粉炭をバーナ径方向中心若しくはその
    近傍から吹き込むとともに、酸素をその周囲から吹き込
    んで両者を混合させることにより、予燃焼室内で微粉炭
    と少なくとも合成樹脂材の一部を急速燃焼させ、その燃
    焼ガスをバーナ先端開口部から炉内に導入し、該燃焼ガ
    スの顕熱でスクラップを溶解して溶銑を製造するととも
    に、燃焼ガスを炉内で有意に二次燃焼させることなく燃
    料用ガスとして回収することを特徴とするスクラップ溶
    解法。
  5. 【請求項5】 粉粒状または細片状の合成樹脂材をバー
    ナ径方向中心若しくはその近傍から予燃焼室内に吹き込
    むことを特徴とする請求項4に記載のスクラップ溶解
    法。
  6. 【請求項6】 バーナ先端開口部の内方に予燃焼室が設
    けられた燃焼バーナを羽口部に備えたシャフト炉を用い
    て行われるスクラップ溶解法であって、シャフト炉内に
    鉄源であるスクラップとコークスを装入し、前記燃焼バ
    ーナの予燃焼室内には微粉炭と酸素を吹き込むととも
    に、粉粒状または細片状若しくは塊状の合成樹脂材を吹
    き込み若しくは装入し、これらの吹き込みに当たって
    は、酸素をバーナ径方向中心若しくはその近傍から吹き
    込むとともに、少なくとも微粉炭をその周囲から吹き込
    み、さらにその周囲から酸素を吹き込んで微粉炭と酸素
    を混合させることにより、予燃焼室内で微粉炭と少なく
    とも合成樹脂材の一部を急速燃焼させ、その燃焼ガスを
    バーナ先端開口部から炉内に導入し、該燃焼ガスの顕熱
    でスクラップを溶解して溶銑を製造するとともに、燃焼
    ガスを炉内で有意に二次燃焼させることなく燃料用ガス
    として回収することを特徴とするスクラップ溶解法。
  7. 【請求項7】 粉粒状または細片状の合成樹脂材を、バ
    ーナ径方向中心若しくはその近傍から吹き込まれる酸素
    の周囲から予燃焼室内に吹き込むことを特徴とする請求
    項6に記載のスクラップ溶解法。
  8. 【請求項8】 合成樹脂材の予燃焼室内への吹き込みま
    たは装入が非連続的若しくは間欠的に実施され、且つこ
    の合成樹脂材の吹き込みまたは装入が、微粉炭の吹き込
    みとともに若しくは一時的に微粉炭の吹き込みに代えて
    実施されることを特徴とする請求項4、5、6または7
    に記載のスクラップ溶解法。
  9. 【請求項9】 燃焼バーナに対して供給する微粉炭比P
    C(kg/t・pig)及び合成樹脂材比SR(kg/t
    ・pig)と酸素流量O2(Nm3/t・pig)との比[(P
    C+SR)/O2]を0.7kg/Nm3以上とすること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8に記載のスクラップ溶解法。
  10. 【請求項10】 燃料比を300kg/t・pig以上と
    し、燃焼バーナに対して供給する微粉炭比(kg/t・
    pig)及び合成樹脂材比(kg/t・pig)と炉頂装入す
    るコークス比(kg/t・pig)との重量比[(微粉炭
    比+合成樹脂材比)/コークス比]を1.0以上とする
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9に記載のスクラップ溶解法。
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