JPH0993697A - 超音波探触子及びその製造方法 - Google Patents
超音波探触子及びその製造方法Info
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- JPH0993697A JPH0993697A JP7244599A JP24459995A JPH0993697A JP H0993697 A JPH0993697 A JP H0993697A JP 7244599 A JP7244599 A JP 7244599A JP 24459995 A JP24459995 A JP 24459995A JP H0993697 A JPH0993697 A JP H0993697A
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Abstract
分解能の距離依存性が改善された製造容易な超音波探触
子を得る。 【解決手段】 アレイ型振動子部の各圧電振動子10の
電極として多数の微小な空孔14が貫通形成されたアポ
タイズ電極12を用いる。アポタイズ電極12における
空孔14の分布は、電極全体に対する空孔部分の占める
面積比率が、音響レンズのフォーカシング方向であるス
ライス方向に沿って中央部から端部に向かうほど大きく
なるようなパターンに設定される。この構成によれば、
圧電振動子10のスライス方向中央部ほど送信音圧が大
きくなり、また超音波を受信したときに生じる受信電圧
も圧電振動子10の中央部ほど大きくなる。この結果、
スライス方向についての分解能の距離依存性が改善され
る。
Description
し、特に音響レンズを用いて超音波ビームのフォーカシ
ングを行う超音波探触子に関する。
方式やセクタ電子走査方式等の様々な電子走査アレイ探
触子が用いられている。例えばリニア電子走査方式のア
レイ探触子は、微小な短冊形の圧電振動子を多数配列し
たアレイ型の振動子部を有し、送受信する圧電振動子を
順次切り換えることにより超音波ビームの走査を実現す
る。このような電子走査アレイ探触子では、超音波の指
向性を鋭くして分解能を増すために、電子走査と同時
に、圧電振動子の配列方向(アレイ方向と呼ぶ)につい
ていわゆる電子フォーカスが行われる。
解能向上を狙ったものであるが、電子走査アレイ探触子
では、更にスライス方向(すなわち、アレイ方向と垂直
な方向)についての分解能を向上させるために、振動子
アレイの前面に固定焦点の音響レンズを設けるのが一般
的である。
斜視図であり、内部構造を詳しく説明するために部分的
に断面を切って図示している。
おいては、複数の圧電振動子100がアレイ方向に整列
してバッキング材120上に固定されており、これら圧
電振動子100上には生体との音響インピーダンスの整
合をはかるために2層の音響整合層130a及び130
bが設けられている。個々の圧電振動子100は、圧電
セラミック等の材質からなる圧電体110の表面に正電
極115a及び負電極115bを設けた構造となってい
る。音響整合層130の上には、アレイの各圧電振動子
100から放射される超音波ビームをスライス方向につ
いて収束させるために、音響レンズ140が設けられて
いる。なお、電極115a,115bのスライス方向端
部からリード線が引き出されるが、図7においてはこの
リード線の図示を省略している。
のであるが、セクタ型やコンベックス型の探触子も基本
的な構成は同様であり、スライス方向の分解能(以下
「スライス分解能」と呼ぶ)を増すために振動子アレイ
の前面に音響レンズを設けることが多い。
ズを設けた場合、音響レンズは固定焦点であるため焦点
距離の近傍では良好なスライス分解能を得ることができ
るが、焦点距離近傍から遠く離れた位置では超音波ビー
ムが広がりスライス分解能が劣化する。超音波画像とし
ては、探触子近傍から遠方までできるだけ分解能の均一
な画像が得られることが望ましいが、固定焦点の音響レ
ンズを用いる以上、スライス分解能の均一性の高い画像
を得ることは困難であった。
できるだけ均一化するために様々な試みが為されてい
る。
方向にも分割して全体として2次元配列とし、通常のア
レイ方向だけでなく、スライス方向の並びに沿ってもデ
ィレイを設けることにより、スライス方向についても電
子フォーカスを行うという手法である。しかしながら、
この手法を利用した装置は、探触子の製造の困難さや、
電子走査や電子フォーカスの制御のための回路構成の複
雑化・大規模化のため、コストが高くなるという問題が
あった。
975号には、電気機械結合係数がスライス方向に沿っ
て徐々に小さくなるように圧電体の分極率にスライス方
向に沿った重みづけを施すという手法が開示されてい
る。この手法では、圧電体の各部分の分極率を、図8に
示すようなステップ状のパターンでスライス方向に沿っ
て重みづけする。これにより各圧電振動子の送受信エネ
ルギーにスライス方向に沿った重みづけがなされる。し
かしながら、このような圧電体の分極率の重みづけも、
各圧電振動子が極めて小さいことを考えれば、かなり困
難であるといわざるを得ない。
号には、スライス分解能を均一化する手法として、圧電
体の表面に設けられる電極の外形形状を例えば菱形形状
とすることにより圧電振動子の送受信エネルギーにスラ
イス方向に沿った重みづけを行うという手法が開示され
ている。図9は、この手法を用いた超音波探触子の振動
子部を示す概略図である。この手法では、図9に示され
るように、各圧電振動子100の圧電体110の表面に
設けられる電極115を、スライス方向中央部から端部
に向かって次第に幅が狭くなる菱形形状とすることによ
り、圧電振動子100から送受信されるエネルギーをス
ライス方向に沿って重みづけする。このような手法によ
れば、各圧電振動子100のスライス方向中央部ほど送
受信エネルギーが大きくなるので、スライス分解能の距
離依存性を改善することができる。
示す構成には、様々な製造上の問題が存在する。
引出しの困難性である。すなわち、リード線は、構造
上、圧電振動子100のスライス方向端部から引き出す
ことになるが、電極115の当該端部は幅が狭いためリ
ード線の取り付けが極めて困難である。
動子の切り出しの困難性がある。すなわち、一般に圧電
振動子を製造する場合、圧電材料からなる長い基板の表
面に電極を形成した後、これを所望のピッチごとに切断
することにより個々の圧電振動子を得る。従って、図9
に示す構成を採用する場合、図10に示すように、長い
圧電体板150の表面上にアレイ方向に沿って多数の菱
形形状の電極115を形成し、このようにしてできた圧
電振動子板200を所定ピッチごとに切断することによ
り個々の圧電振動子100を得る。この場合、圧電振動
子板200を各電極115のアレイ方向端部で正確に切
断する必要があるが、個々の圧電振動子のピッチは小さ
いので(小さいものではピッチが0.2mm以下のもの
も存在する)、この作業は極めて精密な制御が必要とな
る。
用性の点で問題があった。すなわち、アレイ型振動子に
おける個々の圧電振動子のピッチは、例えばセクタ型探
触子はリニア型探触子に比べて圧電振動子のピッチが小
さい等というように、探触子の用途や種類によってそれ
ぞれ異なってくる。ところが、図9に示す構成では、特
定形状の電極は特定のピッチにしか対応しないので、異
なったピッチの圧電振動子を作るためには、それぞれの
ピッチに応じて形状の異なった電極を用いる必要があっ
た。
めになされたものであり、音響レンズのフォーカシング
方向についての分解能の距離依存性を改善することがで
き、しかも比較的容易に製造することが可能な超音波探
触子を提供することを目的とする。
めに、本発明に係る超音波探触子は、圧電振動子の圧電
体の表面に設けられる正及び負の電極のうち少なくとも
一方を、複数の空孔を有する電極であって前記空孔部分
の占める面積比率が電極の中央部から端部に向かうほど
大きくなるように重みづけが施されたアポタイズ電極
(重みづけ電極)としたこと特徴とする。ここで、重み
づけの関数としては、例えばハミング関数やガウス分布
などを用いることができる。
密度を電極内の位置に応じて変化させることによって行
うこともできるし、空孔の大きさを電極内の位置に応じ
て変化させることによって行うこともできる。
ズ電極において空孔部分の占める面積比率が電極の中央
部から端部に向かうほど大きくなるので、振動子の中央
ほど電極の有効部分の面積比率が大きくなる。従って、
圧電体に与えられる励振エネルギーが振動子の中央部ほ
ど大きくなるので振動子の中央部ほど送信音圧が大きく
なり、また超音波を受信したときに生じる受信電圧も振
動子の中央部ほど大きくなる。これにより、音響レンズ
のフォーカシング方向についての分解能の距離依存性を
改善することができる。
子に設けられる電極として、空孔の占める面積比率がス
ライス方向に沿って中央から端部に向かうほど大きくな
るように重みづけが施されたアポタイズ電極を用いるこ
とにより、スライス分解能の距離依存性が改善される。
動子端部においても電極部分が広範囲に分布しているた
め、リード線の引き出しが容易となる。
おけるアポタイズ電極は、スライス方向について空孔の
面積比率の重みづけが施されるが、アレイ方向について
は一様な構造となっている。従って、アポタイズ電極を
用いる場合、従来の菱形形状電極のように異なるピッチ
ごとに異なった電極パターンを用意する必要はなく、ア
ポタイズ電極が形成された圧電振動子板を切断する時の
ピッチを変えるだけで、様々なピッチの圧電振動子を得
ることができる。更には、圧電振動子の切り出し時に
も、従来の菱形形状電極のように圧電振動子板を電極端
部に合わせて切断する必要がないので、制御が容易とな
る。
成は、各圧電振動子の圧電体の表面に設けられる正及び
負の電極のうち少なくとも一方を、アレイ方向に沿った
複数のスリットを有する電極であって前記スリットの占
める面積比率が前記スライス方向に沿って中央部から端
部に向かうほど大きくなるように重みづけが施されたア
ポタイズ電極としたことを特徴とする。
積比率を圧電振動子の中央部分ほど高くすることができ
るので、圧電振動子の中央部分ほど送受信エネルギーを
大きくすることができる。これにより、スライス方向分
解能の距離依存性を改善することができる。しかも、こ
の構成は、アポタイズ電極はアレイ方向については一様
な構造となっているので、前述した構成と同様の様々な
製造上の利点を有する。
法は、圧電体板の表面に、複数の空孔を有する電極であ
って前記空孔の占める面積比率がスライス方向に沿って
中央部から端部に向かうほど大きくなるように重みづけ
が施されたアポタイズ電極を形成して圧電振動子板を得
る電極形成工程と、電極形成工程で形成された電極に所
定の電圧を印加することにより、前記圧電体板にスライ
ス方向に沿った分極率の分布を与える分極率調整工程
と、分極率調整工程を経た圧電振動子板をアレイ方向に
そって所定ピッチごとに分割して圧電振動子を得る分割
工程と、を含むことを特徴とする。
電極を形成した後にそのアポタイズ電極に所定の電圧を
印加した場合、空孔の分布に応じてスライス方向中央部
ほど圧電体板に作用する電界が強くなるため、圧電体板
に対しスライス方向中央部ほど分極率が高くなるように
分極率の分布を与えることができる。この結果、アポタ
イズ電極による重みづけと圧電体の分極率分布による重
みづけとの両方の重みづけが施された圧電振動子板を得
ることができる。そして、この圧電振動子板をアレイ方
向に沿って所定ピッチごとに分割することにより、個々
の圧電振動子を得る。このように、圧電体板上にアポタ
イズ電極を形成した後にこのアポタイズ電極に所定電圧
を印加して圧電体の分極率を調整することにより、圧電
体の電極空孔に対応する部分の分極率を、電極に接して
いる部分の分極率よりも小さくすることができる。した
がって、この方法によれば、圧電体の電極空孔に対応す
る部分における圧電効果の発生を抑制することができ、
アポタイズ電極によるスライス方向重みづけの効果をよ
り確実なものとすることができる。
の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
における超音波探触子の振動子部の構成を示す概略図で
ある。図に示すように、本実施形態の超音波探触子はア
レイ型であり、その振動子部は、アレイ方向に沿って配
列された複数の圧電振動子10を含んでいる。なお、本
実施形態に係る超音波探触子の全体構成は、図7に示し
たものと同様である。
振動子10に設けられたアポタイズ電極12には、多数
の微小な空孔14が貫通形成されている。本実施形態で
は、これら多数の空孔14は、すべてほぼ同じ面積を有
しており、アポタイズ電極12のスライス方向中央部か
ら端部にかけて次第に密になるように設けられている。
このときの空孔14の分布関数としては、例えばハミン
グ関数やガウス分布を用いる。微小な空孔14は、エッ
チング等の手法により比較的容易に形成することができ
る。
電極12は、空孔14の数密度をスライス方向中央部か
ら端部にかけて次第に高くすることにより、電極全体に
対する空孔部分の面積比率が電極のスライス方向端部ほ
ど大きくなるように構成されている。これにより、アポ
タイズ電極12においては、圧電体に対して電極として
作用する有効部分がスライス方向中央部ほど大面積とな
る。図2に、アポタイズ電極12の有効部分の面積比率
のスライス方向に沿った分布の例を示すが、これはあく
まで一例であり、スライス方向中央部ほど電極の有効面
積の比率が大きくなるような分布であればこの他の分布
であっても良い。
なるほど有効電極部分の比率が低くなるようにすること
により、図9に示した菱形形状の電極と同様の圧電振動
子10の重みづけが可能となる。従って、本実施形態の
アポタイズ電極12によれば、各圧電振動子10のスラ
イス方向中央部ほど、圧電体に与えられる励振エネルギ
ーが大きくなり(すなわち、送信音圧が大きくなり)、
また超音波を受信したときに生じる受信電圧も大きくな
る。このようなアポタイズ電極12を備えた圧電振動子
10を用いることにより、探触子のスライス分解能を均
一に近づけることが可能になる。
子10の正負の2つの電極のうちの一方のみをアポタイ
ズ電極とする場合、及び両方ともアポタイズ電極とする
場合のいずれの構成によっても得ることができる。もち
ろん、正負電極の両方をアポタイズ電極とする場合のほ
うが重みづけの度合は高くなる。
おける空孔部分の面積比率をスライス方向に沿って変化
させるために、各空孔14の面積を同一とし、その数密
度をスライス方向に沿って変化させたが、空孔部分の面
積比率を変化させる方法としては、この他にも各空孔1
4の面積をスライス方向に沿って変化させるという方法
もある。すなわち、スライス方向に沿って中央部から端
部にかけて次第に空孔14の面積が大きくしていくとい
う方法である。この方法によっても、空孔部分の面積比
率を、アポタイズ電極12のスライス方向端部に行くほ
ど大きくなるようにすることができる。
形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形その他ど
のような形状を採用しても良い。
は、スライス分解能の均一化に有効であるが、この他に
も図9に示したような菱形形状電極を用いる構成に比べ
て様々な製造上の利点を有する。以下、本実施形態にお
ける圧電振動子の製造プロセスについて説明しつつ、そ
れら本実施形態の構成の利点を説明する。
場合、まずその圧電振動子の幅(スライス方向の幅)と
同一幅を有する長い圧電体板を用意し、その圧電体板の
表面に電極を形成する。この電極の形成は、メッキや蒸
着、スパッタなどの様々な手法により行うことができ
る。そして、半導体プロセス技術等において周知のエッ
チング等の手法により、電極に対してスライス方向の端
部ほど空孔の面積比率が高くなるようなパターンで多数
の空孔を穿設する。この結果、図3に示すような圧電振
動子板20が得られる。そして、この圧電振動子板20
をアレイ方向に沿って所望のピッチ毎に切り出すことに
より、個々の圧電振動子10が得られる。
電振動子10の大きさに比べてはるかに小さいため、図
3に示す圧電振動子板20はアレイ方向についてはほぼ
一様な構造であるとみなすことができる。従って、この
圧電振動子板20からは、どのようなピッチで切出しを
行っても、同一の重みづけ効果を有する圧電振動子10
が得られる。すなわち、本実施形態においては、図9に
示した菱形形状電極を用いる場合と異なり、一種類の重
みづけパターンの圧電振動子板から様々なピッチの圧電
振動子を得ることが可能となる。
の圧電振動子を切り出す際の切断位置の位置決めに多少
の誤差が生じた場合でも、得られる圧電振動子のスライ
ス方向重みづけが変化しないことを意味する。したがっ
て、この構造を採用すれば圧電振動子を切出す際の切断
位置の位置決め制御の負担が大幅に軽減される。
イズ電極を採用した場合、空孔型のアポタイズ電極は端
部においても電極部分が広範囲に分布しているためリー
ド線の引き出しが容易となり、この結果探触子の組立て
が容易となる。
体の分極率に重みづけを施すこともできる。すなわち、
図3に示す圧電振動子板20を形成した後、アポタイズ
電極12に高電圧を印加すれば、空孔14の分布に応じ
て圧電体のスライス方向中央部ほど分極率が高くなるよ
うに重みづけを施すことができる。このようにして製造
した圧電振動子板20を所定ピッチで切り出すことによ
り、個々の圧電振動子が得られる。このような圧電体分
極率の調整によれば、圧電体の電極下方部分は空孔下方
部分よりも相対的に分極率が高くなるので、実際に圧電
振動子を用いる場合の空孔領域における圧電効果の発生
を低減し、アポタイズ電極によるスライス方向重みづけ
の効果をより確実なものとすることができる。
圧電振動子10からリード線を引き出す方法には、電極
端部にリード線を取り付ける方法のほかに、電極全体を
覆うように導電性材質の箔を電極表面に導電的に接着し
てこの箔をリードとして用いる方法や、導電性材質から
なる音響整合層を電極表面に導電的に接着してこの音響
整合層からリード線を引き出す方法がある。ところが、
後二者の方法では、圧電体表面の電極空孔下方の部分に
は、電極自体は存在しないものの少し離れた位置に導電
体(導電性の箔又は音響整合層)が存在することにな
り、この導電体の影響で圧電体の空孔下方部分にも弱い
圧電効果が生じる場合がある。そして、この弱い圧電効
果によってアポタイズ電極によるスライス方向重みづけ
の効果が劣化してしまう可能性がある。これに対し、圧
電体板表面にアポタイズ電極を形成した後に高電圧を印
加して圧電体板の分極率を調整する方法を採れば、圧電
体の空孔下方部分の分極率は低くなるので、導電性の箔
又は音響整合層を用いてリード線を引き出す構成とした
場合における圧電体の空孔下方部分の圧電効果を低減す
ることができ、この結果アポタイズ電極によるスライス
方向重みづけの効果の劣化を防ぐことができる。
ば、近傍から遠方に至るまで均一に近いスライス分解能
が得られ、しかも製造が比較的容易なアレイ探触子を得
ることができる。
クタ型、コンベックス型等のあらゆるタイプの電子走査
型探触子に適用可能である。
探触子についての本発明の適用例について説明したが、
本発明はアレイ型に限らず単一振動子型の探触子にも適
用可能である。単一振動子型の探触子においても、フォ
ーカシングのために振動子の前面に音響レンズを設ける
ことが多いので、分解能の不均一さの問題が生じる場合
があるが、このような場合でも本発明を適用すれば問題
は解消される。例えば、円形振動子の場合について説明
すると、その振動子の電極に空孔を設け、その空孔の分
布パターンを図4に示すように中心近傍ほど空孔部分の
面積比率が小さくなるように重みづけすれば、上記実施
形態と同様の原理により音響レンズによる分解能の距離
依存性が改善される。他の形状の振動子の場合も、これ
と同様に振動子の中心近傍ほど空孔の面積比率が小さく
なるようなパターンで電極に重みづけを施すことによ
り、分解能の均一化を図ることができる。
て空孔を所定の分布で設けることにより、圧電振動子の
送受信エネルギーのスライス方向の重みづけを行った。
これに対して、この実施形態2では、空孔ではなくスリ
ットを所定の分布で設けることにより、圧電振動子の送
受信エネルギーのスライス方向重みづけを行う。
子の振動子部の構成を示す概略図である。
動子10のアポタイズ電極12には、多数のスリット1
6が形成されている。このスリット16はアポタイズ電
極12を縦断しているので、圧電体表面におけるスリッ
ト16に対応する部分には電極が存在しない。本実施形
態では、このスリット16を、電極の有効面積比率がス
ライス方向中央部で高く、端部で低くなるように分布さ
せることによりスライス方向重みづけを行う。図5の例
では、スリット16を、スライス方向端部に行くほど密
で、かつその幅が広くなるような分布で形成している。
なお、図5では分かりやすくするためにスリット16を
誇張して示している。したがって、実際の圧電振動子1
0では、図5に示したものよりもスリットの幅は遥かに
幅が小さく、スリットの本数も多い。
密になるように電極12にスリットを設けることによっ
て、圧電振動子10の送受信エネルギーのスライス方向
の重みづけを行うことができる。
トの幅をすべて同一とし、スリットの分布密度をスライ
ス方向端部に向かって高くすることによってもできる
し、また1本1本のスリットの幅をスライス方向端部に
向かって大きくすることによってもできる。図5の例は
この両者を併用したものである。
れた圧電振動子10は、実施形態1の場合と同様にして
製造することができる。すなわち、まず、長い圧電体板
上に電極を形成した後、電極の一部をエッチング等の手
法で除去することにより、図5に示すようなパターンで
スリットを形成する。ここで、スリットによる重みづけ
は、正負の電極の一方に行うだけでもよいし、両電極に
対して行ってもよい。この結果得られる圧電振動子板を
アレイ方向に沿って所定ピッチごとに切り出すことによ
り、圧電振動子10が得られる。
態1と同様、1つのパターンの圧電振動子板から、同一
の重みづけ効果を有する様々なピッチの圧電振動子を得
ることができる。また、圧電振動子を切出す際の切断位
置の位置決め制御の負担も軽減される。
電極12はスリット16により分断されているため、電
極のスライス方向端部からリード線を引き出したので
は、電極全体に電圧を印加することができない。そこ
で、本実施形態では、リード線の代わりに金属等の導電
性物質の箔を用いて電極に電圧を印加する。この構成に
ついて、図6を用いて更に詳しく説明する。
の組み立て方法を説明するための断面図であり、図7と
同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略
する。
11と正負のアポタイズ電極12a,12bとから構成
される。アポタイズ電極12a,12bは、スライス方
向重みづけのためにスリットが形成されている。なお、
この図6も、図5と同様スリットを実際よりも誇張して
示している。
て時に、圧電振動子10を導電箔30a,30bで挟み
込む。この結果導電箔30a,30bはアポタイズ電極
12a,12bのすべての部分に接触するので、この導
電箔30a,30bからアポタイズ電極12a,12b
の各部へ電圧を印加することが可能となる。導電箔30
a,30bとしては金属箔やFPC(フレキシブルプリ
ント板)を用いることができる。導電箔30a,30b
は圧電振動子10とほぼ同じ幅を有しており、各圧電振
動子ごとに1対の導電箔30a,30bが設けられる。
なお、導電箔30a,30bとアポタイズ電極12a,
12bの表面とは、例えば導電性接着剤を用いて接着す
る。
ば、近傍から遠方に至るまで均一に近いスライス分解能
が得られ、しかも製造が比較的容易なアレイ探触子を得
ることができる。
型、コンベックス型等のあらゆるタイプの電子走査型探
触子に適用可能である。
と同様、スリットによる重みづけに加え圧電体の分極率
に分布を与えることにより、圧電体のスリット領域にお
いて導電箔の影響によって生じる圧電効果を低減するこ
とができ、アポタイズ電極によるスライス方向重みづけ
の効果の劣化を防ぐことができる。
音響レンズに起因する分解能の距離依存性が改善されし
かも製造容易な超音波探触子を得ることができる。
構成を示す説明図である。
ける電極の有効部分の面積比率のスライス方向に沿った
分布を示す図である。
出す際の元となる圧電振動子板を示す概略図である。
空孔の分布パターンの一例を示す図である。
構成を示す説明図である。
説明するための図である。
分断面斜視図である。
子の重みづけの方法を説明するための図である。
施した従来の圧電振動子のアレイを示す概略図である。
4 空孔、16 スリット、20 圧電振動子板、11
0 圧電体、115a 正電極、115b 負電極、1
20 バッキング材、130a,130b 音響整合
層、140 音響レンズ。
Claims (6)
- 【請求項1】 圧電振動子と、この圧電振動子から放射
される超音波を収束させる音響レンズと、を有する超音
波探触子において、 前記圧電振動子の圧電体の表面に設けられる正及び負の
電極のうち少なくとも一方を、複数の空孔を有する電極
であって前記空孔部分の占める面積比率が電極の中央部
から端部に向かうほど大きくなるように重みづけが施さ
れたアポタイズ電極としたこと特徴とする超音波探触
子。 - 【請求項2】 複数の圧電振動子をアレイ方向に配列し
たアレイ型振動子と、このアレイ型振動子から放射され
る超音波を前記アレイ方向に対し垂直なスライス方向に
ついて収束させる音響レンズと、を有する超音波探触子
において、 前記各圧電振動子の圧電体の表面に設けられる正及び負
の電極のうち少なくとも一方を、複数の空孔を有する電
極であって前記空孔の占める面積比率が前記スライス方
向に沿って中央部から端部に向かうほど大きくなるよう
に重みづけが施されたアポタイズ電極としたことを特徴
とする超音波探触子。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の超音波探
触子において、 前記アポタイズ電極は、前記空孔の数密度を電極内の位
置に応じて変化させることによって重みづけされること
を特徴とする超音波探触子。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の超音波探
触子において、 前記アポタイズ電極は、前記空孔の大きさを電極内の位
置に応じて変化させることによって重みづけされること
を特徴とする超音波探触子。 - 【請求項5】 複数の圧電振動子をアレイ方向に配列し
たアレイ型振動子と、このアレイ型振動子から放射され
る超音波を前記アレイ方向に対し垂直なスライス方向に
ついて収束させる音響レンズと、を有する超音波探触子
において、 前記各圧電振動子の圧電体の表面に設けられる正及び負
の電極のうち少なくとも一方を、アレイ方向に沿った複
数のスリットを有する電極であって前記スリットの占め
る面積比率が前記スライス方向に沿って中央部から端部
に向かうほど大きくなるように重みづけが施されたアポ
タイズ電極としたことを特徴とする超音波探触子。 - 【請求項6】 アレイ状に配列された複数の圧電振動子
を有する超音波探触子の製造方法であって、 圧電体板の表面に、複数の空孔を有する電極であって前
記空孔の占める面積比率がスライス方向に沿って中央部
から端部に向かうほど大きくなるように重みづけが施さ
れたアポタイズ電極を形成して圧電振動子板を得る電極
形成工程と、 電極形成工程で形成されたアポタイズ電極に所定の電圧
を印加することにより、前記圧電体板にスライス方向に
沿った分極率の分布を与える分極率調整工程と、 分極率調整工程を経た圧電振動子板をアレイ方向にそっ
て所定ピッチごとに分割して圧電振動子を得る分割工程
と、 を含むことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24459995A JP3505296B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 超音波探触子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24459995A JP3505296B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 超音波探触子及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0993697A true JPH0993697A (ja) | 1997-04-04 |
JP3505296B2 JP3505296B2 (ja) | 2004-03-08 |
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JP24459995A Expired - Fee Related JP3505296B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 超音波探触子及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3505296B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005296127A (ja) * | 2004-04-07 | 2005-10-27 | Toshiba Corp | 超音波プローブ及び超音波診断装置 |
JP2012185096A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Toshiba Corp | 状態判定装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015075360A (ja) | 2013-10-07 | 2015-04-20 | 三菱重工業株式会社 | 探触子、超音波探傷装置及び超音波探傷制御方法 |
-
1995
- 1995-09-22 JP JP24459995A patent/JP3505296B2/ja not_active Expired - Fee Related
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