JP3722951B2 - 超音波振動子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波振動子及びその製造方法、特に重み付け(アポタイゼーション)の手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アレイ振動子を電子走査することにより超音波ビームが走査される。アレイ振動子は、複数の超音波振動子(振動素子)を並べたものであり、それらの配列方向は電子走査方向に相当する。その電子走査方向の超音波ビームの収束性の向上及び焦点距離を制御するために、従来からいわゆる電子フォーカスが行われる。
一方、電子走査方向と直交する方向(スライス方向)の超音波ビームの収束性を向上させるために、従来から音響レンズが用いられている。ここで、スライス方向は音響レンズによる収束作用が得られる方向である。
【0003】
音響レンズによる収束性には一定の限界があり、スライス方向の収束性をより向上させるために従来から各種の重み付け(アポタイゼーション)が行われている。重み付けの方法としては、圧電体に形成された電極の面積をスライス方向に沿って徐々に変化させる手法、圧電体の分極率をスライス方向に沿って徐々に変化させる手法、などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電極面積の変化による手法では、超音波振動子の端部で電極が細くなり、その端部からのリードの取り出しが困難になるという問題が指摘される。また、従来の他の手法では大掛かりな装置又は複雑な処理が必要となり、製造コストが増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、リードの引き出しを容易にでき、重み付けを行っても製造コストの大幅な増大を防止できる超音波振動子及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、圧電体の電極形状の制約に制限されずに、分極密度を重み付けの都合に合わせて決定できる超音波振動子及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、上下両面に電極が形成される圧電体を含み、前記圧電体の分極密度を変化させることによって重み付けが行われたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記圧電体の中央からスライス方向の左右端部にかけて分極密度が徐々に小さくされ、前記スライス方向に沿って分極密度の重み付けが行われたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、超音波振動子のスライス方向に沿って、分極密度が徐々に小さくされているので、スライス方向に重み付けされた超音波の送受波を実現でき、また、電極の端部を細くする必要がないので端部からの電極の引き出しも容易である。
【0010】
なお、分極率は分極の強度を表すものであるが、分極密度は単位面積当たりの分極率100%の領域の割合をいう。
【0011】
本発明は、例えば単振動子であっても適用できる。すなわち、重み付けを行う各種の場合に適用できる。
【0012】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、圧電体の上面及び下面の少なくとも一方に、圧電体中央からスライス方向の左右端部にかけて電極密度が徐々に小さくされた仮電極を形成する仮電極形成工程と、前記仮電極を利用しつつ前記圧電体に電圧を印加し、前記圧電体を分極処理する分極工程と、前記分極後の圧電体に対し、本電極を形成する本電極形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、仮電極を特定の重み付け形態に形成することによって分極時に分極密度の重み付けを行うことができ、また電極の引き出しに伴う問題も本電極の形成によって解消できる。
【0014】
本発明の好適な態様では、前記分極工程と前記本電極形成工程との間には前記仮電極を除去する仮電極除去工程を含むことを特徴とする。仮電極を残しつつ本電極を形成してもよいが、仮電極を除去して本電極を形成してもよい。後者によれば、両電極を個別の材料で形成でき、また、電極の厚みを均一にするのが容易となる。
【0015】
本発明の好適な態様では、前記本電極は前記圧電体の上面及び下面の全面に形成されることを特徴とする。このように本電極を圧電体の各面の全面に形成しても分極密度の重み付け作用を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明に係る超音波振動子の製造方法がフローチャートとして示されている。図2〜図5を参照しながら本実施形態の製造方法について説明する。S101では、図2に示すように、板状の圧電体10の上面および下面に仮電極12が形成される。図2において、X方向は圧電体10の長手方向であり、このX方向は電子走査方向に相当する。Y方向はその電子走査方向と直交する方向であり、Y方向は圧電体10のスライス方向に相当する。
【0018】
仮電極12は例えばスパッタ法、蒸着法などによって形成されるものであり、図3に示すように、圧電体10の中央からY方向の左右端部にかけて徐々に電極密度が小さくなるように形成されている。すなわち、図3に示す重み付け特性に相当する分極密度分布を得るために、Y方向に沿って電極面積の密度に勾配付けがなされている。図2に示す例では、仮電極12はX方向に沿って伸長した複数の帯状の電極要素で構成され、各電極要素のY方向の幅は中央からY方向の左右端部にかけて徐々に小さくなっている。この仮電極12は例えばアルミニウムなどで構成され、その厚さは例えば0.2μmである。後述するように、図3に示すような重み付け特性が得られる限りにおいて、仮電極12の形態としては各種の形態を採用できる。例えば仮電極12を複数の菱形に構成することやあるいは仮電極12をメッシュ状に構成することなどによっても電極密度の変化をもたせることができる。
【0019】
なお、仮電極12は圧電体10の上面および下面の両方に形成する必要があるが、電極密度の変化は少なくとも一方の仮電極に対してもたせればよい。しかしながら上面および下面の両方の仮電極12に対して電極密度の重み付けを行うことによって、後の分極処理においてより効果的に分極密度の重み付けを行うことができる。
【0020】
図1に示すS102においては、仮電極を利用して分極処理が実行される。これは、2つの仮電極12の間に例えば1000ボルト程度の直流電圧を印加することによって行われる。図2に示した本実施形態では、仮電極12が複数の帯状の電極要素によって構成されているため、各電極要素に対して同一の電圧が印加されつつ分極処理が実行される。なお、分極処理時の電圧は圧電体10の厚さなどに応じて適宜変更する必要がある。
【0021】
図1に示すS103では、2つの仮電極12が例えばエッチングなどの処理によって除去される。このS103を設けることなく、仮電極の上に又は仮電極を構成する電極要素の間に電極を形成することによって、本電極を構成することもできるが、S103において仮電極12をいったん除去すれば、次に形成される本電極の厚さをより均一にすることができるという利点がある。また、仮電極としてより除去し易い材料を用い、一方、本電極としては、それ本来の機能、すなわち、圧電体に対する密着性、接着性、化学的安定性などの点で効果的に達成できる材料などを利用することなどができる。すなわち2つの電極間において材料を異ならせることができる。
【0022】
図4には、図1に示すS104で圧電体10の上面及び下面に本電極14及び16が形成された状態が示されている。
【0023】
図1に示すS105では、本電極が形成された圧電体を使用して図5に示すように超音波振動子が組み立てられる。図5において、本電極14の上側にはグランドリード薄板24が設けられ、本電極16の下側にはシグナルFPC26(フレキシブル基板)が接続されている。また、グランドリード薄板24の上側には2つの整合層20、22が設けられている。本電極16の下側にはバッキング材30が設けられている。
【0024】
図1に示すS106では、S105で組み立てられたものを図6に示すように、カッティングによって各振動子要素に分割する。
【0025】
したがって、図6に示す超音波振動子においては、圧電体10の分極密度がその中央から左右端部にかけて徐々に小さくされているので、超音波の送信を行った場合に送信ビームに対して重み付けを行うことができ、また超音波の受信を行う場合にその受信感度の重み付けを行うことができる。
【0026】
図7には、仮電極の他の実施形態が示されている。この実施形態では仮電極12Aは複数の菱形を連結させたものとしてパターニングされている。この図5に示す例の他にも各種の形態を採用でき、いずれにおいても図3に示したような電極密度の変化をもたせられるように仮電極のパターンを決定すればよい。
【0027】
図6に示したように、圧電体10の上面及び下面の全面に本電極14,16を形成できるので、信号線の接続を容易にでき、その結果、製造容易でかつ信頼性の高い超音波振動子を提供できる。
【0028】
本実施形態は、振動素子が直線状に配列された場合であるが、振動子が曲線状に配列されたコンベックス型の場合や円板型の単一振動子の場合にも本発明を適用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リードの引き出しを容易にでき、重み付けを行っても製造コストの増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波振動子の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】 仮電極を示す斜視図である。
【図3】 重み付け特性を示す図である。
【図4】 本電極を示す図である。
【図5】 各振動子要素に分割する前の組み立て体を示す図である。
【図6】 本発明に係る超音波振動子を示す図である。
【図7】 仮電極の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 圧電体、12 仮電極、14,16 本電極、20,22 整合層、24 グランドリード薄板、26 シグナルFPC、30 バッキング材。
Claims (5)
- 上下両面に電極が形成される圧電体を含み、
前記圧電体の分極密度を変化させることによって重み付けが行われたことを特徴とする超音波振動子。 - 請求項1記載の超音波振動子において、
前記圧電体の中央からスライス方向の左右端部にかけて分極密度が徐々に小さくされ、
前記スライス方向に沿って重み付けが行われたことを特徴とする超音波振動子。 - 圧電体の上面及び下面の少なくとも一方に、圧電体中央からスライス方向の左右端部にかけて電極密度が徐々に小さくされた仮電極を形成する仮電極形成工程と、
前記仮電極を利用しつつ前記圧電体に電圧を印加し、前記圧電体を分極処理する分極工程と、
前記分極後の圧電体に対し、本電極を形成する本電極形成工程と、
を含むことを特徴とする超音波振動子の製造方法。 - 請求項3記載の方法において、
前記分極工程と前記本電極形成工程との間には前記仮電極を除去する仮電極除去工程を含むことを特徴とする超音波振動子の製造方法。 - 請求項3記載の方法において、
前記本電極は前記圧電体の上面及び下面の全面に形成されることを特徴とする超音波振動子の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP14661797A JP3722951B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 超音波振動子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP14661797A JP3722951B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 超音波振動子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10336793A JPH10336793A (ja) | 1998-12-18 |
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ID=15411796
Family Applications (1)
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JP14661797A Expired - Lifetime JP3722951B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 超音波振動子及びその製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3635042B2 (ja) * | 2001-05-16 | 2005-03-30 | アロカ株式会社 | 超音波探触子の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-04 JP JP14661797A patent/JP3722951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH10336793A (ja) | 1998-12-18 |
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