JPH0993087A - 適応フィルタ係数の設定制御方法および装置 - Google Patents

適応フィルタ係数の設定制御方法および装置

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JPH0993087A
JPH0993087A JP7248053A JP24805395A JPH0993087A JP H0993087 A JPH0993087 A JP H0993087A JP 7248053 A JP7248053 A JP 7248053A JP 24805395 A JP24805395 A JP 24805395A JP H0993087 A JPH0993087 A JP H0993087A
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filter coefficient
filter
transmission system
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JP7248053A
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Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】非巡回型フィルタのフィルタ係数の収束判定を
可能とする。 【解決手段】積和処理部100は、未知の特性を有する
信号伝達系の応答出力と前記非巡回型フィルタの出力と
の積、あるいは前記応答出力と前記非巡回型フィルタの
出力との差分と該非巡回型フィルタの出力との積を、所
定の時間累積して、積和を求める。パワー算定部110
は、参照信号のパワーに対応するパワー値を算定する。
正規化部120は、積和処理部100で求められる累積
結果である積和値から参照信号のパワー変動に対応する
成分を除去するために、前記積和値とパワー算定部11
0で得られるパワー値との比を計算して、前記積和値を
前記パワー値で正規化する。収束判定部130は、正規
化部120で正規化した結果を、予め設定した収束判定
のための判定閾値との比較が可能なパラメータに変換
し、該パラメータと前記判定閾値との比較により、フィ
ルタ係数の収束を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非巡回型フィルタ
におけるフィルタ係数の設定制御に係り、特に、未知の
特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を送出し、該
信号伝達系の応答出力を得て、前記信号伝達系のインパ
ルス応答に対応する適応非巡回型フィルタの係数を推定
するシステムに好適な、適応フィルタ係数の設定制御方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】未知の特性を有する信号伝達系に既知の
参照信号を送出し、該参照信号に対する前記信号伝達系
の応答と前記参照信号とに基づいて、前記信号伝達系の
インパルス応答に対応する適応非巡回型フィルタのフィ
ルタ係数を推定するシステムが知られている。このよう
な、適応非巡回型フィルタ係数の推定システムは、例え
ば、能動騒音制御システム等に利用される。
【0003】能動騒音制御システム等に、前述の適応非
巡回型フィルタ係数の推定システムを利用した場合、外
乱等のために、前記信号伝達系の応答と前記適応非巡回
型フィルタの出力との差分、すなわち応答残差を、高精
度で観測することができないことがある。たとえ、その
ような場合にも、前記適応非巡回型フィルタの係数が該
信号伝達系のインパルス応答に所定の精度以上で収束し
たことを見出し、収束を判定して、フィルタ係数を推定
することが望まれる。
【0004】上述した適応非巡回型フィルタ係数の推定
システムが適用されると想定される能動騒音制御システ
ムの一例の構成を図11に示している。まず、図11の
能動騒音制御システムの動作の概要について説明する。
【0005】能動騒音制御システムの原理は、ダクト2
01の出口に向かう騒音に対して、同振幅で且つ逆位相
の擬似騒音をスピーカ205から発生させて、ダクト2
01内で加算的に合成し、前記騒音を相殺して、ダクト
201の出口から漏れる騒音を抑制するところにある。
その作用は、誤差採取マイクロホン204によって常時
監視されており、係数更新回路214は、誤差採取マイ
クロホン204の出力が最小となるように騒音制御フィ
ルタ212の係数を調整する。ここで、帰還制御フィル
タ211は、スピーカ205から出力され、騒音採取マ
イクロホン203に回り込む擬似騒音を、減算器210
で相殺して、その巡回を断ち、巡回によるハウリングの
発生を防止する目的で設けられる。また、誤差経路フィ
ルタ213は、騒音制御フィルタ212の出力からスピ
ーカ205を経て、さらに誤差採取マイクロホン204
を経て、係数更新回路214に至る誤差経路を模擬し、
係数更新回路214に入力される2つの信号(マイクロ
ホン204の出力信号とマイクロホン203の出力に相
当する信号)の間の位相を調整する機能を有している。
通常の場合、帰還制御フィルタ211および誤差経路フ
ィルタ213の2つのフィルタは、図に示すようにフィ
ルタ係数を調整するための係数更新回路を備えておら
ず、騒音制御フィルタ212のフィルタ係数を算定する
更新処理に先立って予め適切なフィルタ係数を推定し、
それに基づいてフィルタ係数を固定しておく構成が採用
されている。
【0006】図12は、図11の能動騒音制御システム
において、騒音制御フィルタ212のフィルタ係数の更
新処理に先立って、帰還制御フィルタ211および誤差
経路フィルタ213の係数を算定するために臨時に結線
されるフィルタ係数算定回路の代表的な一例を示してい
る。もちろん、このフィルタ係数算定回路は、特定の系
に合わせて適応非巡回型フィルタのフィルタ係数を設定
するために独立に構成してもよい。
【0007】図11のような能動騒音制御システムにお
いて、図12のフィルタ係数算定回路を臨時に結線する
にあたっては、ほとんどの場合、係数更新回路214
は、図11の能動騒音制御システムにおける騒音制御フ
ィルタ212のフィルタ係数更新用の係数更新回路21
4をそのまま流用する。
【0008】雑音発生回路221で生成される参照信号
j(j:サンプルの繰り返し回数を示すサンプル回数
指標(sample time index, iteration))をスピーカ20
5から送出して、係数更新回路214により、減算器2
10の出力が最小となるように、非巡回型フィルタ22
0の係数の算定する。但し、減算器210の一方(被減
数側)の入力をマイクロホン203に接続したときに
は、非巡回型フィルタ220の係数として、帰還制御フ
ィルタ211のフィルタ係数を算定することになり、マ
イクロホン204に接続したときには、非巡回型フィル
タ220の係数として、誤差経路フィルタ213のフィ
ルタ係数を算定したことになる。
【0009】図12の構成では、マイクロホン203、
204、スピーカ205および減算器210としても、
図11のシステムの構成をそのまま用い、非巡回型フィ
ルタ220は、帰還制御フィルタ211および誤差経路
フィルタ213に用いられるものと同様に構成する。
【0010】能動騒音制御システムにおいて、上述のフ
ィルタ係数更新回路を結線して、帰還制御フィルタ21
1および誤差経路フィルタ213の係数を設定する場合
の問題は、『この能動騒音制御システムは、それが組み
込まれた機器の本来の性能を向上させる性格のものでは
ない』ということである。そのため、能動騒音制御シス
テムの設定および調整等を含む動作にあたっては、組み
込まれた機器本来の動作に支障をきたさないことが重要
である。
【0011】したがって、できる限り当該機器を、通常
に動作させた上で、帰還制御フィルタ211および誤差
経路フィルタ213の係数を算定するように構成するこ
とが望ましい。すなわち、具体的には、能動騒音制御シ
ステムによる制御の対象となる騒音Nj(図11に示す
例では、ファン202が発生する騒音)の発生を止める
ことなく、騒音が発生している状態のままで、フィルタ
係数を算定することが要求される。さらには、能動騒音
制御システムは、本来的に騒音を低減すべく制御するた
めのシステムであるので、帰還制御フィルタ211およ
び誤差経路フィルタ213のフィルタ係数の算定用とし
てスピーカ205から送出される参照信号Xjが新たな
騒音源とならないことが必要である。
【0012】上述の制約は、能動騒音制御システムが、
騒音Njが存在する状態で、しかも、参照信号Xjによる
擬似騒音gjの大きさを、騒音Njに埋もれる程度にとど
めて帰還制御フィルタ211および誤差経路フィルタ2
13のフィルタ係数を算定すべきであることを意味して
いる。この場合、擬似騒音gjと非巡回型フィルタ22
0の出力Gjとの差分(gj−Gj)は、当然のことなが
ら、騒音Njよりもはるかに小さく、したがって、減算
器210の出力としての数1に示す残差Ejの減少の観
測から非巡回型フィルタ220の係数の収束を判定する
ことは、極めて困難である。
【0013】
【数1】Ej=gj−Gj+Nj このように、残差Ejの単純な観測では、非巡回型フィ
ルタ220のフィルタ係数の収束判定が困難となる条件
のもとにおいても、さらには、例えば、能動騒音制御シ
ステムが組み込まれた機器が設置された部屋において発
生する騒音のような非定常な外来騒音の存在する状況に
おいても、フィルタ係数の判定を自動的に行うことが望
ましいことはいうまでもない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、非巡
回型フィルタ220、すなわち帰還制御フィルタ211
および誤差経路フィルタ213のフィルタ係数の収束を
自動判定する技術は、能動騒音制御システムを実用化す
る上において重要な技術であるにもかかわらず、この技
術について具体的に検討した文献等は少なく、次の2つ
の文献に示された技術を従来の例としてあげることがで
きる程度である。これら2つの文献では、いずれも、フ
ィルタ係数を同定するための基本的なアルゴリズムとし
て、LMS(least mean square)アルゴリズム、すな
わちLMS法を採用している。
【0015】(1) 「アクティブ騒音制御における適応制
御の安定化−−フィルタ係数変化率を用いた収束判定方
法−−」(長安克芳、日本音響学会平成5年度秋季研究
発表会講演論文集2-5-9,pp. 515〜516) この方法においては、非巡回型フィルタ220のフィル
タ係数Hj(i)の変化が、係数更新にともなって徐々に小
さくなることに着目し、数2の条件を満足するならば、
フィルタ係数が収束したと判断して係数更新を停止する
ことを特徴としている。
【0016】
【数2】
【0017】ここで、Nについては、当該文献に『更新
頻度カウンタのカウント値』との記述があるだけで、そ
の詳細については不明である。しかしながら、差分(H
j+1(i)−Hj(i))は、振動しながら次第に減少していく
ので、複数回の試行から判定する必要があると思われ、
このことから、Nはその回数、すなわち定数であると考
えられる。
【0018】さて、問題は外乱の存在である。当然のこ
とながら、フィルタ係数の収束につれて差分(Hj+1(i)
−Hj(i))は小さくなり、外乱による振動が徐々に目立
つようになる。収束は、この振動が支配的になったとき
に起こるが、その振動は収束の前にも生じている。すな
わち、この振動は、明らかに、収束の正確な判定を困難
にする。この振動による収束の判定の誤りを抑えるため
には、所要の推定精度よりも高い精度が得られるよう
に、小さなステップゲインを設定することが必要となる
が、このような小さなステップゲインの設定は収束を遅
らせるという問題を生じさせる。
【0019】(2) 「LMSアルゴリズムによる伝達系推
定の収束判定の一検討」(柴山秀雄、城戸健一、電子情
報通信学会応用音響研究会報告、EA94-77,pp. 15〜2
0,1994-12) この方法は、残差Ejがフィルタ係数の係数更新にとも
なって白色化されることを利用し、そのフラクタル次元
を計算することによって、その次元が2(すなわち、白
色雑音のフラクタル次元)に近くになったときに、収束
したと判定するものである。
【0020】この場合も、問題は、残差Ejには外乱が
含まれているという点にある。明らかに、係数の更新と
ともに、残差Ejに含まれる応答gjの割合が小さくなる
と、残差Ejのフラクタル次元は外乱のフラクタル次元
に大きく左右されることになる。例えば、外乱が白色雑
音である場合には、収束を待たずに残差Ejのフラクタ
ル次元が2に近くなってしまい、正確な収束の判定は困
難となる。
【0021】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、残差Ejの単純な観
測からフィルタ係数の収束判定が困難な場合でも、非巡
回型フィルタのフィルタ係数の収束判定を可能とする適
応フィルタ係数の設定制御方法および装置を提供するこ
とにある。
【0022】本発明のさらなる目的は、非定常な外来騒
音が存在していても、非巡回型フィルタのフィルタ係数
の収束判定を可能とする適応フィルタ係数の設定制御方
法および装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の適応
フィルタ係数の設定制御方法は、未知の信号伝達特性を
有する信号伝達系に送出される既知の参照信号と、該参
照信号に対する前記信号伝達系の応答出力とに基づい
て、前記信号伝達系のインパルス応答に対応するフィル
タ特性を呈する非巡回型フィルタのフィルタ係数を推定
するにあたり、前記信号伝達系の応答出力成分を含む値
と前記非巡回型フィルタの出力との積を所定の累積期間
ずつ累積加算して、積和値を逐次算出する積和処理ステ
ップと、前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求
めるパワー算定ステップと、前記積和処理ステップで求
められる積和を前記パワー算定ステップで求められる前
記パワー値で正規化して正規化値を得る正規化ステップ
と、前記正規化ステップによる正規化値を予め定めた判
定閾値と比較し、前記正規化値が、前記判定閾値を超え
ているときは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐
次更新させ、該判定閾値以下となったときにフィルタ係
数が収束したと判定して係数更新を停止させる判定ステ
ップとを有することを特徴としている〔請求項1〕。
【0024】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用いるよ
うにしてもよい〔請求項2〕。
【0025】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力自体を用いるようにしてもよい〔請求項3〕。前記
積和処理ステップは、前記逐次算出に伴って、前記累積
期間を漸次長くする期間制御ステップを含んでいてもよ
い〔請求項4〕。
【0026】前記積和処理ステップにおける前記積和値
の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前
記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該
自乗和の変化に基づいて前記累積期間および判定閾値を
調整する判定調整ステップをさらに含んでいてもよい
〔請求項5〕。
【0027】本発明に係る第2の適応フィルタ係数の設
定制御方法は、未知の信号伝達特性を有する信号伝達系
に送出される既知の参照信号と、該参照信号に対する前
記信号伝達系の応答出力とに基づいて、前記信号伝達系
のインパルス応答に対応するフィルタ特性を呈する非巡
回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、前記
信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィ
ルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、
積和値を逐次算出する積和処理ステップと、前記参照信
号のパワーに対応するパワー値を求めるパワー算定ステ
ップと、前記積和処理ステップで求められる積和を前記
パワー算定ステップで求められる前記パワー値で正規化
して正規化値を得る正規化ステップと、前記正規化ステ
ップによる正規化値が単調減少から増加に転じたときを
検出するとともに、前記正規化値が、単調減少から増加
に転じたことが検出されるまでは前記非巡回型フィルタ
のフィルタ係数を逐次更新させ、単調減少から増加に転
じたことが検出されるとフィルタ係数が収束点に達した
と判定して係数更新を停止させる判定ステップとを有す
ることを特徴としている〔請求項6〕。
【0028】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用いるよ
うにしてもよい〔請求項7〕。
【0029】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力自体を用いるようにしてもよい〔請求項8〕。前記
積和処理ステップは、前記逐次算出に伴って、前記累積
期間を漸次長くする期間制御ステップを含んでいてもよ
い〔請求項9〕。
【0030】前記積和処理ステップにおける前記積和値
の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前
記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該
自乗和の変化に基づいて前記累積期間を調整する判定調
整ステップをさらに含んでいてもよい〔請求項10〕。
【0031】本発明に係る第3の適応フィルタ係数の設
定制御方法は、未知の信号伝達特性を有する信号伝達系
に送出される既知の参照信号と、該参照信号に対する前
記信号伝達系の応答出力とに基づいて、前記信号伝達系
のインパルス応答に対応するフィルタ特性を呈する非巡
回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、前記
信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィ
ルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、
積和値を逐次算出する積和処理ステップと、前記参照信
号のパワーに対応するパワー値を求めるパワー算定ステ
ップと、前記積和処理ステップで求められる積和を前記
パワー算定ステップで求められる前記パワー値で正規化
して正規化値を得る正規化ステップと、前記正規化ステ
ップによる正規化値の変動を監視し、前記正規化値が、
単調減少から増加に転じたことが検出されるまでは前記
非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次更新させ、単調
減少から増加に転じたことが検出されると飽和したと判
定して前記積和処理ステップの前記累積期間を増加させ
るべく更新設定するとともに、該累積期間を予め所要推
定精度に対応して定めた判定閾値と比較し、前記累積期
間が、前記判定閾値未満では前記非巡回型フィルタのフ
ィルタ係数の逐次更新を継続させ、該判定閾値以上とな
ったときにフィルタ係数が収束したと判定して係数更新
を停止させる判定ステップとを有することを特徴として
いる〔請求項11〕。
【0032】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用いるよ
うにしてもよい〔請求項12〕。
【0033】前記積和処理ステップは、前記信号伝達系
の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
出力自体を用いるようにしてもよい〔請求項13〕。前
記積和処理ステップにおける前記積和値の逐次算出に同
期して、前記信号伝達系の応答出力と前記非巡回型フィ
ルタの出力との差分の自乗和を求め、該自乗和の変化に
基づいて前記累積期間および判定閾値を調整する判定調
整ステップをさらに含んでいてもよい〔請求項14〕。
【0034】本発明に係る第1の適応フィルタ係数の設
定制御装置は、非巡回型フィルタおよび未知の信号伝達
特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参照
信号発生部と、前記信号伝達系の応答出力を検出する出
力検出部と、前記信号伝達系のインパルス応答に対応す
るフィルタ特性を得るための前記非巡回型フィルタのフ
ィルタ係数を更新設定する係数更新部と、前記信号伝達
系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィルタの出
力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、積和値を
逐次算出するための積和処理手段と、前記参照信号のパ
ワーに対応するパワー値を求めるためのパワー算定手段
と、前記積和処理手段で求められる積和を前記パワー算
定手段で求められる前記パワー値で正規化して正規化値
を得るための正規化手段と、前記正規化手段による正規
化値を予め定めた判定閾値と比較し、前記正規化値が、
前記判定閾値を超えているときは前記非巡回型フィルタ
のフィルタ係数を逐次更新させ、該判定閾値以下となっ
たときにフィルタ係数が収束したと判定して係数更新を
停止させるための判定手段とを具備することを特徴とし
ている〔請求項15〕。
【0035】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるための
差分検出手段を含んでいてもよい〔請求項16〕。
【0036】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
自体を用いる手段であってもよい〔請求項17〕。前記
積和処理手段は、前記逐次算出に伴って、前記累積期間
を漸次長くするための期間制御手段を含んでいてもよい
〔請求項18〕。
【0037】前記積和処理手段における前記積和値の逐
次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前記非
巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該自乗
和の変化に基づいて前記累積期間および判定閾値を調整
するための判定調整手段をさらに含んでいてもよい〔請
求項19〕。
【0038】本発明に係る第2の適応フィルタ係数の設
定制御装置は、非巡回型フィルタおよび未知の信号伝達
特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参照
信号発生部と、前記信号伝達系の応答出力を検出する出
力検出部と、前記信号伝達系のインパルス応答に対応す
るフィルタ特性を得るための前記非巡回型フィルタのフ
ィルタ係数を更新設定する係数更新部と、前記信号伝達
系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィルタの出
力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、積和値を
逐次算出するための積和処理手段と、前記参照信号のパ
ワーに対応するパワー値を求めるためのパワー算定手段
と、前記積和処理手段で求められる積和を前記パワー算
定手段で求められる前記パワー値で正規化して正規化値
を得るための正規化手段と、前記正規化手段による正規
化値が単調減少から増加に転じたときを検出するととも
に、前記正規化値が、単調減少から増加に転じたことが
検出されるまでは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数
を逐次更新させ、単調減少から増加に転じたことが検出
されるとフィルタ係数が収束点に達したと判定して係数
更新を停止させるための判定手段とを具備することを特
徴としている〔請求項20〕。
【0039】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるための
差分検出手段を含んでいてもよい〔請求項21〕。
【0040】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
自体を用いる手段であってもよい〔請求項22〕。前記
積和処理手段は、前記逐次算出に伴って、前記累積期間
を漸次長くするための期間制御手段を含んでいてもよい
〔請求項23〕。
【0041】前記積和処理手段における前記積和値の逐
次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前記非
巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該自乗
和の変化に基づいて前記累積期間を調整するための判定
調整手段をさらに含んでいてもよい〔請求項24〕。
【0042】本発明に係る第3の適応フィルタ係数の設
定制御装置は、非巡回型フィルタおよび未知の信号伝達
特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参照
信号発生部と、前記信号伝達系の応答出力を検出する出
力検出部と、前記信号伝達系のインパルス応答に対応す
るフィルタ特性を得るための前記非巡回型フィルタのフ
ィルタ係数を更新設定する係数更新部と、前記信号伝達
系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィルタの出
力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、積和値を
逐次算出するための積和処理手段と、前記参照信号のパ
ワーに対応するパワー値を求めるためのパワー算定手段
と、前記積和処理手段で求められる積和を前記パワー算
定手段で求められる前記パワー値で正規化して正規化値
を得るための正規化手段と、前記正規化手段による正規
化値の変動を監視し、前記正規化値が、単調減少から増
加に転じたことが検出されるまでは前記非巡回型フィル
タのフィルタ係数を逐次更新させ、単調減少から増加に
転じたことが検出されると飽和したと判定して前記積和
処理手段の前記累積期間を増加させるべく更新設定する
とともに、該累積期間を予め所要推定精度に対応して定
めた判定閾値と比較し、前記累積期間が、前記判定閾値
未満では前記非巡回型フィルタのフィルタ係数の逐次更
新を継続させ、該判定閾値以上となったときにフィルタ
係数が収束したと判定して係数更新を停止させるための
判定手段とを具備することを特徴としている〔請求項2
5〕。
【0043】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるための
差分検出手段を含んでいてもよい〔請求項26〕。
【0044】前記積和処理手段は、前記信号伝達系の応
答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答出力
自体を用いる手段であってもよい〔請求項27〕。前記
積和処理手段における前記積和値の逐次算出に同期し
て、前記信号伝達系の応答出力と前記非巡回型フィルタ
の出力との差分の自乗和を求め、該自乗和の変化に基づ
いて前記累積期間および判定閾値を調整するための判定
調整手段をさらに含んでいてもよい〔請求項28〕。
【0045】本発明による適応フィルタ係数の設定制御
方法および装置では、非巡回型フィルタのフィルタ係数
を推定するにあたり、信号伝達系の応答出力成分を含む
値と前記非巡回型フィルタの出力との積を所定の累積期
間ずつ累積加算して、積和値を逐次算出し、且つ参照信
号のパワーに対応するパワー値を求め、前記積和値を前
記パワー値で正規化して正規化値を得るとともに、前記
正規化値を予め定めた判定閾値と比較し、前記正規化値
が、前記判定閾値を超えているときは前記非巡回型フィ
ルタのフィルタ係数を逐次更新させ、該判定閾値以下と
なったときにフィルタ係数が収束したと判定して係数更
新を停止させるようにして、フィルタ係数の収束判定を
効果的に行う。また、非定常な外来騒音が存在しても、
非巡回型フィルタのフィルタ係数の収束判定が行われ
る。
【0046】したがって、本発明の適応フィルタ係数の
設定制御方法および装置では、応答gjと外乱Njのパワ
ー比が低い場合にも、フィルタ係数の収束を自動的に判
定することが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る適応フィルタ
係数の設定制御システムの実施の形態を図面を参照して
説明する。
【0048】〔実施の形態1〕図1は本発明による適応
フィルタ係数の設定制御システムの原理的な第1の実施
の形態の構成を示している。
【0049】図1の適応フィルタ係数の設定制御システ
ムは、図12に示したフィルタ係数の係数算定回路を用
い、該係数算定回路の各部の情報に基づいて、非巡回型
フィルタ220のフィルタ係数の設定制御を自動的に行
うシステムである。該設定制御システムは、積和処理部
100、パワー算定部110、正規化部120および収
束判定部130を有している。
【0050】積和処理部100は、未知の特性を有する
信号伝達系の応答出力Yjと前記非巡回型フィルタ22
0の出力Gjとの積(Yjj)、あるいは前記応答出力
jと前記非巡回型フィルタ220の出力Gjとの差分E
jと該非巡回型フィルタ220の出力Gjとの積(E
jj)を、所定の時間累積して、積和を求める。
【0051】パワー算定部110は、参照信号Xjのパ
ワーに対応するパワー値(例えば、Yj 2、Gj 2または√
(Yj 2・Gj 2))を算定する。正規化部120は、積和
処理部100で求められる累積結果である積和値から参
照信号Xjのパワー変動に対応する成分を除去するため
に、前記積和値とパワー算定部110で得られるパワー
値との比を計算して、前記積和値を前記パワー値で正規
化する。
【0052】収束判定部130は、正規化部120で正
規化した結果を、予め設定した収束判定のための判定閾
値との比較が可能なパラメータに変換し、該パラメータ
と前記判定閾値との比較により、フィルタ係数の収束を
判定する。収束判定部130は、フィルタ係数の収束を
判定するまでは、係数更新回路214により非巡回型フ
ィルタ220のフィルタ係数を逐次更新させ、収束が判
定されると係数更新回路214による係数更新を停止さ
せる。
【0053】すなわち、上述の適応フィルタ係数の設定
制御システムにおけるフィルタ係数の収束判定には、本
発明者らが既に提案したダブルトークとエコー経路変動
の識別に用いられるパラメータ、すなわち、残差Ej
増加した時点j=kから計算される数3、数4および数
5のいずれかを流用することができる。
【0054】
【数3】
【0055】
【数4】
【0056】
【数5】
【0057】但し、Yjは、図12に示すマイクロホン
203または204の出力であり、数6であらわされ
る。
【0058】
【数6】Yj=gj+Nj 数3は、『藤井健作、大賀寿郎:「エコー経路変動検出
を併用するダブルトーク検出法」電子情報通信学会論文
誌A、Vol. J78-A,No.3,pp. 314〜322,1995-03』で
紹介したパラメータであり、数4および数5は、『藤井
健作、大賀寿郎:「ダブルトークとエコー経路変動の識
別」電子情報通信学会、応用音響研究会、EA94-15,pp.
29-36,1994-05』で紹介したパラメータである。ちな
みに、これらの場合において、ダブルトークとエコー経
路変動とは、上述したパラメータが、1(数3の場
合)、あるいは0(数4および数5の場合)に急速に収
束するときにダブルトークと判定し、一定値にとどまる
ときにエコー経路変動と判定することによって識別す
る。
【0059】図1の適応フィルタ係数の設定制御システ
ムにおいては、上述した各パラメータを、本発明に応用
するために次のように変形して用いる。まず、数3、数
4および数5の加算区間をj=nJ+1〜(n+1)J
とし、J標本化周期ごとに各パラメータが観測できるよ
うに改める。すなわち、数3、数4および数5は、それ
ぞれ数7、数8および数9に変形される。
【0060】
【数7】
【0061】
【数8】
【0062】
【数9】
【0063】このとき、各パラメータは、係数更新の開
始(n=0)以後、次のように推移することになる。ま
ず、数6から読み取れるように、係数更新の進行ととも
に非巡回型フィルタ220の出力Gjは、応答gjに近づ
くので、RYG(n)は、1に漸近し、REG(n)とREY(n)
は、数1から読み取れるように0に漸近する。本発明で
は、このような特性を利用して収束状況を観測する。
【0064】ここで、数7、数8および数9の各式の分
子は、分母による除算の有無に関係なく、収束の進行と
ともに増加あるいは減少するので、判定閾値を予めそれ
らの分母に応じて調整しておくことにより、これら各式
によりいずれも同様にして収束の判定を行うことが可能
となる。しかしながら、参照信号のパワーが変動するこ
とが想定される場合に応用するにあたっては、該参照信
号のパワーに対応する値を与える各分母による除算を省
略することはできない。本発明では、後者の場合を想定
している。また、この除算による正規化は、学習同定法
におけるノルム、すなわちΣXj 2(i)による除算によっ
ても可能となることにも留意すべきである。但し、この
場合のΣはi=1〜Iの加算をあらわしている。
【0065】図2は非巡回型フィルタ220の係数の収
束特性および数8に示すパラメータREG(n)の推移を計
算した結果を示している。但し、図2においては、適応
アルゴリズムとして非巡回型フィルタ220の係数を数
10、数11および数12に従って更新する個別正規化
LMS法を用い、タップ数I=512とし、且つ応答gj
外乱Njとのパワー比を1としたときにも推定精度30dB
が得られるようなステップゲインKおよび加算項数Jと
して、それぞれK=1/16およびJ=64Iを与えて計算し
ている。
【0066】
【数10】
【0067】
【数11】
【0068】
【数12】
【0069】図2においては、明らかに、REG(n)は、
フィルタ係数の収束につれて減少しており、このR
EG(n)の観測に基づいて収束の判定を行うことが可能と
なることがわかる。例えば、図2の結果において、REG
(n)が-20dBに達したときをもって収束と判定するように
設定しておけば、所要の推定精度30dBが得られる。
【0070】但し、この場合の収束特性は、数13によ
り計算した。
【0071】
【数13】
【0072】図3には、収束の判定にREG(n)の振動の
有無を利用することができることを示している。すなわ
ち、係数が更新され、係数の収束の間近になると、REG
(n)には外乱の影響が顕著にあらわれて、REG(n)が振動
する。このことを利用して、係数が所要の推定精度を上
回ったときにREGnが振動を開始する加算項数Jを予め
求めておき、その加算項数Jについて得られたREG(n)
の推移に対して、その振動が検出されたときに、収束し
たと判定して係数更新を停止すればよい。図3では、加
算項数を256Iとして計算している。
【0073】このような本発明を実用化する場合、上述
した原理に従った構成に適切な変形を加えることが必要
となる場合がある。但し、以下においては、REG(n)を
用いた場合について説明するが、REG(n)に代えてR
YG(n)およびREY(n)、あるいはそれらの分母を学習同定
法で得られるノルムに置き換えたものを用いても原理は
同様であり、同様にして実施することができる。さら
に、本発明の有効性を確認するシミュレーションにおい
ては、適応アルゴリズムとして数10に示す個別正規化
LMS法を用いているが、この個別正規化LMS法に代
えて数14および数15に示す加算正規化LMS法を用
いても同様の原理が成り立つことに注意すべきである。
【0074】
【数14】
【0075】
【数15】
【0076】〔実施の形態2〕上述において、加算項数
を固定せず、収束の状況に合わせて調整するような構成
を採るようにすれば、収束の初期から加算項数を所望の
推定精度が得られる程度に大きく設定しておく必要はな
い。すなわち、REG(n)の振動は、その加算項数に対応
して得られる推定精度に近づいたときに起こるのであ
り、そのような変動は、加算項数をさらに大きく設定し
直す必要があることを示唆している。このことを利用す
れば、当初は加算項数を短く設定しておいて、REG(n)
の減少が飽和状態に近づいて、振動を呈し始めるたびに
加算項数を徐々に大きく更新設定していくような制御を
施せば、収束時間の短縮を図ることが可能であると期待
される。このようにして、収束時間の短縮を図るのが本
発明の第2の実施の形態である。
【0077】図4は本発明による適応フィルタ係数の設
定制御システムの第2の実施の形態の構成を示してい
る。図4の適応フィルタ係数の設定制御システムは、図
1と同様のパワー算定部110および正規化部120を
有し、且つ図1の場合とは若干異なる積和処理部102
および収束判定部132を有している。図4において、
図1と同様の部分については同符号を付して示してお
り、ここではその詳細な説明は省略する。
【0078】積和処理部102は、前記差分Ejと非巡
回型フィルタ220の出力Gjとの積(Ejj)を、所
定の累積時間に相当する加算項数だけ累積して、積和を
求めるとともに、収束判定部132から制御指令を受け
て、前記累積時間すなわち加算項数を更新設定する。
【0079】収束判定部132は、正規化部120で正
規化した結果として得られるREG(n)を監視し、REG(n)
が単調減少から増加に増加に転じたことが検出されるま
では、フィルタ係数を更新させ、REG(n)が単調減少か
ら増加に増加に転じたことが検出されると、フィルタ係
数が飽和したと判定して、積和処理部の前記累積時間す
なわち加算項数を増加させるべく制御する。この場合、
収束判定部132は、前記累積時間すなわち加算項数が
予め設定した判定閾値を以上となると、収束と判定して
係数更新を停止させるようにすればよい。
【0080】このように構成した適応フィルタ係数の設
定制御システムにおける推定精度の収束特性とREG(n)
との関係をシミュレーションした結果を図5に示す。図
5は、加算項数の初期値としてJ0=16Iを設定し、振
動が検出される度に16Iずつ加算項数を増加させる制御
を行った場合に結果として得られる収束特性を示してい
る。図5においては、図2の場合に比較して収束時間が
短縮されていることがわかる。
【0081】〔実施の形態3〕図2から読み取ることが
できるように、REG(n)は、推定精度に一致しないの
で、収束したときに得られるREG(n)の大きさを予め計
算等により確認しておく必要がある。また、単に振動の
開始を収束時点とする方法においても、振動の開始時点
が収束点に対応するような加算項数を求めておく必要が
ある。しかしながら、上述のように加算項数を徐々に大
きくする制御法を効果的に利用することにより、これら
閾値の事前の算定を不要とすることができる。すなわ
ち、所要の推定精度を得るために必要となる最終的な加
算項数の大きさは、応答gjと外乱Njのパワー比から決
定することができる。従って、加算項数を徐々に大きく
し、その加算項数が、前述した最終的な加算項数に達し
て振動を始めたときは収束が近いことをあらわしてい
る。ところが、振動を始めても、厳密にはまだ収束して
いないので、収束を判定するには時間的な余裕を持たせ
る必要がある。その時間的な余裕とは、所要の推定精度
を確保するために必要な加算項数を、実際の加算項数が
ある程度上回る値となったときに、収束と判定すること
によって確保することができる。このようにして、REG
(n)と推定精度との不一致を吸収するのが本発明の第3
の実施の形態である。
【0082】図6は本発明による適応フィルタ係数の設
定制御システムの第3の実施の形態の構成を示してい
る。図6の適応フィルタ係数の設定制御システムは、図
4と同様の積和処理部102、パワー算定部110およ
び正規化部120を有し、且つ図4の場合とは若干異な
る収束判定部134を有している。図6において、図4
と実質的に同様の部分については同符号を付して示して
おり、ここではその詳細な説明は省略する。
【0083】収束判定部134は、正規化部120で正
規化した結果として得られるREG(n)を監視し、REG(n)
が単調減少から増加に増加に転じたことが検出されるま
では、フィルタ係数を更新させ、REG(n)が単調減少か
ら増加に増加に転じたことが検出されると、フィルタ係
数が飽和したと判定して、積和処理部の前記累積時間す
なわち加算項数を増加させるべく制御する。そして、予
め所要の推定精度を確保するために必要な加算項数を求
めて、さらに該加算項数に基づいて上述した余裕を考慮
した場合に、収束を判定するための加算項数を予め実験
等に基づいて求めておき、その収束を判定するための加
算項数を判定閾値として設定しておく。さらに、収束判
定部134は、前記加算項数が、前記収束を判定するた
めに設定された判定閾値以上となると、収束と判定して
係数更新を停止させる。
【0084】このように構成した適応フィルタ係数の設
定制御システムにおける推定精度の収束特性とREG(n)
との関係をシミュレーションした結果を図7に示す。図
7は、所要の推定精度30dBを確保するためには加算項数
J=64Iを必要とする場合であって、上述の余裕を考慮
して、該加算項数の4倍となるJL=256Iに加算項数が
達したときに収束したと判定し、係数更新を停止した場
合の例を示している。図7によれば、係数更新を停止し
た時点で、ほぼ推定精度36dBが確保されていることがわ
かる。
【0085】〔実施の形態4〕このような能動騒音制御
システムを組み込んだ機器を設置した部屋を、係数更新
中の間だけ、意図的に静寂に保つことは不可能ではな
い。しかしながら、そのような処置は、当該機器の顧客
すなわちユーザの業務等の行動に制約を課すことにな
り、好ましいことではない。そこで、実用的には、その
ような非定常な騒音の存在下においても安定した動作が
保証され得る収束判定法の確立が望ましい。このような
場合、REG(n)の計算に並行して数16に示すようなQn
を計算し、この結果を前回の計算時に得られた結果Q
n-1と比較して大きくなったときには加算項数を増や
し、小さくなったときには減らすという制御が有効とな
る。
【0086】
【数16】
【0087】このようにして、非定常な外乱の存在下で
も所要の推定精度を確保するようにしたのが本発明の第
4の実施の形態である。図8は本発明による適応フィル
タ係数の設定制御システムの第4の実施の形態の構成を
示している。
【0088】図8の適応フィルタ係数の設定制御システ
ムは、図6と同様の積和処理部102、パワー算定部1
10および正規化部120を有し、且つ図6の場合とは
若干異なる収束判定部136を有するとともに、さらに
外乱算定部140を設けている。図8において、図6と
実質的に同様の部分については同符号を付して示してお
り、ここではその詳細な説明は省略する。
【0089】外乱算定部140は、外乱のパワーに相当
する値、例えば数16に示すQnを、積和の算定毎に繰
り返し算定する。収束判定部136は、正規化部120
で正規化した結果として得られるREG(n)を監視し、R
EG(n)が単調減少から増加に増加に転じたことが検出さ
れるまでは、フィルタ係数を更新させ、REG(n)が単調
減少から増加に増加に転じたことが検出されると、フィ
ルタ係数が飽和したと判定して、積和処理部の前記累積
時間すなわち加算項数を増加させるべく制御する。そし
て、予め所要の推定精度を確保するために必要な加算項
数を求めて、さらに該加算項数に基づいて上述した余裕
を考慮した場合に、収束を判定するための加算項数を予
め実験等に基づいて求めておき、その収束を判定するた
めの加算項数を判定閾値として設定しておく。収束判定
部136は、前記加算項数が、前記収束を判定するため
に設定された判定閾値以上となると、収束と判定して係
数更新を停止させる。さらに、収束判定部136は、外
乱算定部140で算定されたQnの値を前回の積和の算
定の際に求められたQn-1と比較し、Qnが前回のQn-1
よりも大きくなったときには、前記加算項数をそれに応
じて増加させ、Qnが前回のQn-1よりも小さくなったと
きには、前記加算項数をそれに応じて減少させる。な
お、この場合、収束を判定するための前記判定閾値も、
前記収束判定部136において、前記加算項数の変化に
応じて増減させて判定に供する。
【0090】このように構成した適応フィルタ係数の設
定制御システムにおける推定精度の収束特性とREG(n)
との関係をシミュレーションした結果を図9に示す。図
9に示す例においては、j=512×1024〜640×1024の間
に騒音が4倍となったときにも、安定した収束特性が得
られることが示されている。図9によれば、明らかに、
外乱の増加に対しても、収束速度は低下しているもの
の、推定精度は安定して増加しており、その後に外乱が
減少することにより収束速度が回復していることを確認
することができる。
【0091】但し、上述したように、外乱が増加した場
合には、加算項数もそれに応じて増加するので、この増
加した加算項数を収束と判定しないように収束判定閾値
もこのQnの増減に合わせて同時に調整する必要があ
る。図10に示す例は、このような閾値の調整を加えた
場合における収束の自動判定における推定精度の収束特
性とREG(n)との関係のシミュレーション結果を示して
いる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非巡回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、
信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型フィ
ルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算して、
積和値を逐次算出し、且つ参照信号のパワーに対応する
パワー値を求め、前記積和値を前記パワー値で正規化し
て正規化値を得るとともに、前記正規化値を予め定めた
判定閾値と比較し、前記正規化値が、前記判定閾値を超
えているときは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を
逐次更新させ、該判定閾値以下となったときにフィルタ
係数が収束したと判定して係数更新を停止させるように
して、残差Ejの単純な観測からフィルタ係数の収束判
定が困難な場合でも、非巡回型フィルタのフィルタ係数
の収束判定を可能とする適応フィルタ係数の設定制御方
法および装置を提供することができる。
【0093】さらに、本発明の適応フィルタ係数の設定
制御方法および装置によれば、非定常な外来騒音が存在
していても、非巡回型フィルタのフィルタ係数の収束判
定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る原理的な適応
フィルタ係数の設定制御システムの構成を示すブロック
図である。
【図2】図1のシステムにおける推定精度の収束特性と
EG(n)との関係をシミュレーションした結果を示す図
である。
【図3】図1のシステムにおけるREG(n)の振動による
収束の判定を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る原理的な適応
フィルタ係数の設定制御システムの構成を示すブロック
図である。
【図5】図4のシステムにおける推定精度の収束特性と
EG(n)との関係をシミュレーションした結果を示す図
である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る原理的な適応
フィルタ係数の設定制御システムの構成を示すブロック
図である。
【図7】図6のシステムにおける推定精度の収束特性と
EG(n)との関係をシミュレーションした結果を示す図
である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る原理的な適応
フィルタ係数の設定制御システムの構成を示すブロック
図である。
【図9】図8のシステムにおける推定精度の収束特性と
EG(n)との関係をシミュレーションした結果を示す図
である。
【図10】図8のシステムにおける収束判定について推
定精度の収束特性とREG(n)との関係をシミュレーショ
ンした結果を示す図である。
【図11】能動騒音制御システムの一例の構成を模式的
に示すブロック図である。
【図12】図11に係るフィルタ係数を算定するための
フィルタ係数算定回路の一例の構成を模式的に示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
100,102…積和処理部 110…パワー算定部 120…正規化部 130,132,134,136…収束判定部 140…外乱算定部

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未知の信号伝達特性を有する信号伝達系
    に送出される既知の参照信号と、該参照信号に対する前
    記信号伝達系の応答出力とに基づいて、前記信号伝達系
    のインパルス応答に対応するフィルタ特性を呈する非巡
    回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出する積和処理ステップと、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるパワ
    ー算定ステップと、 前記積和処理ステップで求められる積和を前記パワー算
    定ステップで求められる前記パワー値で正規化して正規
    化値を得る正規化ステップと、 前記正規化ステップによる正規化値を予め定めた判定閾
    値と比較し、前記正規化値が、前記判定閾値を超えてい
    るときは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次更
    新させ、該判定閾値以下となったときにフィルタ係数が
    収束したと判定して係数更新を停止させる判定ステップ
    とを有することを特徴とする適応フィルタ係数の設定制
    御方法。
  2. 【請求項2】 前記積和処理ステップは、前記信号伝達
    系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応
    答出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の適応フィルタ係数の
    設定制御方法。
  3. 【請求項3】 前記積和処理ステップは、前記信号伝達
    系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応
    答出力自体を用いることを特徴とする請求項1に記載の
    適応フィルタ係数の設定制御方法。
  4. 【請求項4】 前記積和処理ステップは、前記逐次算出
    に伴って、前記累積期間を漸次長くする期間制御ステッ
    プを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の適応フィルタ係数の設定制御方法。
  5. 【請求項5】 前記積和処理ステップにおける前記積和
    値の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と
    前記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、
    該自乗和の変化に基づいて前記累積期間および判定閾値
    を調整する判定調整ステップをさらに含むことを特徴と
    する請求項4に記載の適応フィルタ係数の設定制御方
    法。
  6. 【請求項6】 未知の信号伝達特性を有する信号伝達系
    に送出される既知の参照信号と、該参照信号に対する前
    記信号伝達系の応答出力とに基づいて、前記信号伝達系
    のインパルス応答に対応するフィルタ特性を呈する非巡
    回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出する積和処理ステップと、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるパワ
    ー算定ステップと、 前記積和処理ステップで求められる積和を前記パワー算
    定ステップで求められる前記パワー値で正規化して正規
    化値を得る正規化ステップと、 前記正規化ステップによる正規化値が単調減少から増加
    に転じたときを検出するとともに、前記正規化値が、単
    調減少から増加に転じたことが検出されるまでは前記非
    巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次更新させ、単調減
    少から増加に転じたことが検出されるとフィルタ係数が
    収束点に達したと判定して係数更新を停止させる判定ス
    テップとを有することを特徴とする適応フィルタ係数の
    設定制御方法。
  7. 【請求項7】 前記積和処理ステップは、前記信号伝達
    系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応
    答出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載の適応フィルタ係数の
    設定制御方法。
  8. 【請求項8】 前記積和処理ステップは、前記信号伝達
    系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応
    答出力自体を用いることを特徴とする請求項6に記載の
    適応フィルタ係数の設定制御方法。
  9. 【請求項9】 前記積和処理ステップは、前記逐次算出
    に伴って、前記累積期間を漸次長くする期間制御ステッ
    プを含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項
    に記載の適応フィルタ係数の設定制御方法。
  10. 【請求項10】 前記積和処理ステップにおける前記積
    和値の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力
    と前記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求
    め、該自乗和の変化に基づいて前記累積期間を調整する
    判定調整ステップをさらに含むことを特徴とする請求項
    9に記載の適応フィルタ係数の設定制御方法。
  11. 【請求項11】 未知の信号伝達特性を有する信号伝達
    系に送出される既知の参照信号と、該参照信号に対する
    前記信号伝達系の応答出力とに基づいて、前記信号伝達
    系のインパルス応答に対応するフィルタ特性を呈する非
    巡回型フィルタのフィルタ係数を推定するにあたり、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出する積和処理ステップと、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるパワ
    ー算定ステップと、 前記積和処理ステップで求められる積和を前記パワー算
    定ステップで求められる前記パワー値で正規化して正規
    化値を得る正規化ステップと、 前記正規化ステップによる正規化値の変動を監視し、前
    記正規化値が、単調減少から増加に転じたことが検出さ
    れるまでは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次
    更新させ、単調減少から増加に転じたことが検出される
    と飽和したと判定して前記積和処理ステップの前記累積
    期間を増加させるべく更新設定するとともに、該累積期
    間を予め所要推定精度に対応して定めた判定閾値と比較
    し、前記累積期間が、前記判定閾値未満では前記非巡回
    型フィルタのフィルタ係数の逐次更新を継続させ、該判
    定閾値以上となったときにフィルタ係数が収束したと判
    定して係数更新を停止させる判定ステップとを有するこ
    とを特徴とする適応フィルタ係数の設定制御方法。
  12. 【請求項12】 前記積和処理ステップは、前記信号伝
    達系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の
    応答出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を用い
    ることを特徴とする請求項11に記載の適応フィルタ係
    数の設定制御方法。
  13. 【請求項13】 前記積和処理ステップは、前記信号伝
    達系の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の
    応答出力自体を用いることを特徴とする請求項11に記
    載の適応フィルタ係数の設定制御方法。
  14. 【請求項14】 前記積和処理ステップにおける前記積
    和値の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力
    と前記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求
    め、該自乗和の変化に基づいて前記累積期間および判定
    閾値を調整する判定調整ステップをさらに含むことを特
    徴とする請求項11に記載の適応フィルタ係数の設定制
    御方法。
  15. 【請求項15】 非巡回型フィルタおよび未知の信号伝
    達特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参
    照信号発生部と、 前記信号伝達系の応答出力を検出する出力検出部と、 前記信号伝達系のインパルス応答に対応するフィルタ特
    性を得るための前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を
    更新設定する係数更新部と、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出するための積和処理手段と、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるため
    のパワー算定手段と、前記積和処理手段で求められる積
    和を前記パワー算定手段で求められる前記パワー値で正
    規化して正規化値を得るための正規化手段と、 前記正規化手段による正規化値を予め定めた判定閾値と
    比較し、前記正規化値が、前記判定閾値を超えていると
    きは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次更新さ
    せ、該判定閾値以下となったときにフィルタ係数が収束
    したと判定して係数更新を停止させるための判定手段と
    を具備することを特徴とする適応フィルタ係数の設定制
    御装置。
  16. 【請求項16】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるた
    めの差分検出手段を含むことを特徴とする請求項15に
    記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  17. 【請求項17】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力自体を用いる手段であることを特徴とする請求項1
    5に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  18. 【請求項18】 前記積和処理手段は、前記逐次算出に
    伴って、前記累積期間を漸次長くするための期間制御手
    段を含むことを特徴とする請求項15〜17のいずれか
    1項に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  19. 【請求項19】 前記積和処理手段における前記積和値
    の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前
    記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該
    自乗和の変化に基づいて前記累積期間および判定閾値を
    調整するための判定調整手段をさらに含むことを特徴と
    する請求項18に記載の適応フィルタ係数の設定制御装
    置。
  20. 【請求項20】 非巡回型フィルタおよび未知の信号伝
    達特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参
    照信号発生部と、 前記信号伝達系の応答出力を検出する出力検出部と、 前記信号伝達系のインパルス応答に対応するフィルタ特
    性を得るための前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を
    更新設定する係数更新部と、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出するための積和処理手段と、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるため
    のパワー算定手段と、 前記積和処理手段で求められる積和を前記パワー算定手
    段で求められる前記パワー値で正規化して正規化値を得
    るための正規化手段と、 前記正規化手段による正規化値が単調減少から増加に転
    じたときを検出するとともに、前記正規化値が、単調減
    少から増加に転じたことが検出されるまでは前記非巡回
    型フィルタのフィルタ係数を逐次更新させ、単調減少か
    ら増加に転じたことが検出されるとフィルタ係数が収束
    点に達したと判定して係数更新を停止させるための判定
    手段とを具備することを特徴とする適応フィルタ係数の
    設定制御装置。
  21. 【請求項21】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるた
    めの差分検出手段を含むことを特徴とする請求項20に
    記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  22. 【請求項22】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力自体を用いる手段であることを特徴とする請求項2
    0に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  23. 【請求項23】 前記積和処理手段は、前記逐次算出に
    伴って、前記累積期間を漸次長くするための期間制御手
    段を含むことを特徴とする請求項20〜22のいずれか
    1項に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  24. 【請求項24】 前記積和処理手段における前記積和値
    の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前
    記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該
    自乗和の変化に基づいて前記累積期間を調整するための
    判定調整手段をさらに含むことを特徴とする請求項23
    に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  25. 【請求項25】 非巡回型フィルタおよび未知の信号伝
    達特性を有する信号伝達系に既知の参照信号を与える参
    照信号発生部と、 前記信号伝達系の応答出力を検出する出力検出部と、 前記信号伝達系のインパルス応答に対応するフィルタ特
    性を得るための前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を
    更新設定する係数更新部と、 前記信号伝達系の応答出力成分を含む値と前記非巡回型
    フィルタの出力との積を所定の累積期間ずつ累積加算し
    て、積和値を逐次算出するための積和処理手段と、 前記参照信号のパワーに対応するパワー値を求めるため
    のパワー算定手段と、 前記積和処理手段で求められる積和を前記パワー算定手
    段で求められる前記パワー値で正規化して正規化値を得
    るための正規化手段と、 前記正規化手段による正規化値の変動を監視し、前記正
    規化値が、単調減少から増加に転じたことが検出される
    までは前記非巡回型フィルタのフィルタ係数を逐次更新
    させ、単調減少から増加に転じたことが検出されると飽
    和したと判定して前記積和処理手段の前記累積期間を増
    加させるべく更新設定するとともに、該累積期間を予め
    所要推定精度に対応して定めた判定閾値と比較し、前記
    累積期間が、前記判定閾値未満では前記非巡回型フィル
    タのフィルタ係数の逐次更新を継続させ、該判定閾値以
    上となったときにフィルタ係数が収束したと判定して係
    数更新を停止させるための判定手段とを具備することを
    特徴とする適応フィルタ係数の設定制御装置。
  26. 【請求項26】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力と前記非巡回型フィルタの出力との差分を求めるた
    めの差分検出手段を含むことを特徴とする請求項25に
    記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  27. 【請求項27】 前記積和処理手段は、前記信号伝達系
    の応答出力成分を含む値として、前記信号伝達系の応答
    出力自体を用いる手段であることを特徴とする請求項2
    5に記載の適応フィルタ係数の設定制御装置。
  28. 【請求項28】 前記積和処理手段における前記積和値
    の逐次算出に同期して、前記信号伝達系の応答出力と前
    記非巡回型フィルタの出力との差分の自乗和を求め、該
    自乗和の変化に基づいて前記累積期間および判定閾値を
    調整するための判定調整手段をさらに含むことを特徴と
    する請求項25に記載の適応フィルタ係数の設定制御装
    置。
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