JPH0989845A - 焼入硬化層深さの非破壊検査方法および装置 - Google Patents

焼入硬化層深さの非破壊検査方法および装置

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JPH0989845A
JPH0989845A JP7251328A JP25132895A JPH0989845A JP H0989845 A JPH0989845 A JP H0989845A JP 7251328 A JP7251328 A JP 7251328A JP 25132895 A JP25132895 A JP 25132895A JP H0989845 A JPH0989845 A JP H0989845A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 渦電流測定方式による測定結果をテストピー
スの温度や形状により補正して焼入硬化層深さを正確に
検出しうる焼入硬化層深さの非破壊検査方法およびそれ
を自動化した装置を提供する。 【解決手段】 テストピース1の温度・形状(軸径と軸
長)と検査装置本体7の出力との相関関係からテストピ
ース1の温度・形状に対する検査装置本体7の出力の補
正式をあらかじめ作成しておき、検査時にテストピース
1の温度T・形状(軸径Dと軸長L)を測定し、これに
より前記補正式を用いて検査時の検査装置本体7の出力
Qに対して温度・形状補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば浸炭焼入
や高周波焼入などによって焼入硬化層を形成した部材の
焼入硬化層深さを渦電流測定方式により部材を破壊する
ことなく測定し、検査する焼入硬化層深さの非破壊検査
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車やシャフトなどの機械部品に浸炭焼
入や高周波焼入などの表面硬化処理を施して焼入硬化層
を形成し、強度、疲労強度、耐摩耗性などを向上させる
ことが従来から広く行われている。そして、表面硬化処
理部品の品質管理を図るため、形成された焼入硬化層の
深さを測定し、検査することが一般的に行われている。
このような焼入硬化層深さの検査に際して部品を破壊す
ることなく焼入硬化層深さを測定する方法としては、渦
電流測定方式と呼ばれる非破壊の測定方法が広く知られ
ている。
【0003】渦電流測定方式は、二つのコイル、すなわ
ち誘導コイルおよび被誘導コイルをテストピース(部
品)のシャフト部分に挿通した状態で、一方の誘導コイ
ルに交流の誘導電圧を印加したときに他方の被誘導コイ
ルに発生する被誘導電圧を測定することによって焼入硬
化層の深さを求める方法である。この渦電流測定方式に
は、テストピース以外に同一形状のマスタピースを使用
するかどうか、焼入硬化層深さの変動によって影響され
るパラメータのうちどのパラメータに着目するかなどに
よっていろいろなバリエーションがある。
【0004】たとえば、テストピースと同一形状のマス
タピースを用い、同一特性のテストピース側誘導コイル
およびマスタピース側誘導コイルに誘導電圧を印加した
ときのテストピース側被誘導コイルに発生する被誘導電
圧ベクトルとマスタピース側被誘導コイルに発生する被
誘導電圧ベクトルとの合成ベクトルの大きさをパラメー
タとして測定することによって測定精度を向上させたも
のがある。
【0005】また、より一層の測定精度の向上を図るべ
く、テストピース用とマスタピース用のそれぞれの被誘
導コイルに発生する被誘導電圧ベクトルの合成ベクトル
と誘導電圧ベクトルとの位相差をパラメータとして測定
することにより、当該位相差と焼入硬化層深さの間の高
度の相関関係を利用して焼入硬化層深さを検出するよう
にした技術も開発されている(特開平6−271926
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た渦電流式非破壊測定方法にあっては、被誘導コイルに
発生する被誘導電圧は、検査対象である焼入硬化層深さ
の状態のみでなく、テストピースの温度や形状(たとえ
ば、軸径と軸長)によっても変化するため、測定誤差の
発生は避けられない。量産ラインにおいては部品の形状
がある幅でばらつくことは避けられず、それをなくすこ
とはきわめて困難である。また、温度を管理するために
は冷却装置を設けたり長時間放冷することが必要となる
が、いずれも生産性を損なうため、実際の採用は難し
い。こうした事情は、マスタピースの使用の有無やパラ
メータのとり方いかんにかかわらず大なり小なり同じで
ある。したがって、渦電流測定方式による焼入硬化層深
さの非破壊検査においては、テストピースの温度や形状
の影響を補償して焼入硬化層深さを正確に検出できる非
破壊検査方法の確立が、焼入硬化層深さの検査精度の向
上、ひいては表面硬化処理部品の品質保証の万全化にと
って重要な課題となっている。
【0007】本発明は、表面硬化処理部品の品質管理に
おける上記課題に着目してなされたものであり、渦電流
測定方式による測定結果(パラメータ測定値)をテスト
ピースの温度や形状により補正して焼入硬化層深さを正
確に検出することができる焼入硬化層深さの非破壊検査
方法およびそれを自動化した装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、渦電流測定方式によりテス
トピースの焼入硬化層深さを非破壊測定し、これにより
表面硬化処理部品の焼入硬化層深さを検査する焼入硬化
層深さの非破壊検査方法において、テストピースの温度
・形状と前記渦電流測定方式で測定されるパラメータと
の間の相関関係からテストピースの温度・形状に対する
前記パラメータの補正式をあらかじめ作成しておき、検
査時にテストピースの温度・形状を測定し、これらの測
定値により検査時の前記パラメータの測定値を前記補正
式を用いて補正し、この補正したパラメータの値に基づ
いて焼入硬化層深さを検出することを特徴とする。
【0009】本発明の原理は次のとおりである。図1
は、渦電流測定方式におけるある測定周波数での誘導電
圧ベクトルUおよび被誘導電圧ベクトルVをベクトル平
面上に表わしたものであり、ここでは誘導電圧ベクトル
Uの方向をX軸として表示してある。なお、θは誘導電
圧ベクトルUと被誘導電圧ベクトルVとの位相差であ
る。
【0010】同一の焼入硬化層深さのテストピースにつ
いて、非破壊測定の結果(パラメータ測定値)に対する
内乱要因の項目としてテストピースの温度や形状(たと
えば、軸径と軸長)を変化させたときの被誘導電圧ベク
トルVの終点Aの変化について調べたところ、テストピ
ースの温度や形状(軸径と軸長)が変化すると各項目の
それぞれの変化に対して被誘導電圧ベクトルVの終点A
は一定の方向に直線的に変化し、その変化量は高度の比
例関係にあることがわかった。たとえば、図2の概略図
に示すように、テストピースの温度・形状のうちある一
つの項目を基準値から順次変化させると、それに伴って
被誘導電圧ベクトルVの終点Aは基準となる終点A0 か
ら順次A0 →A1 →A2 →A3 →…というように一定の
方向に直線的に変化する。
【0011】そして、渦電流測定方式で測定されるパラ
メータは被誘導電圧ベクトルV(合成ベクトルである場
合を含む。)に関係するものであり、たとえば、誘導電
圧ベクトルUとの位相差θ、被誘導電圧ベクトルVの大
きさまたはその成分(X成分またはY成分)などが用い
られる。これらのパラメータは原則として被誘導電圧ベ
クトルVの終点Aの位置と一対一の対応関係にある。
【0012】したがって、テストピースの温度・形状と
非破壊測定結果(パラメータ測定値)との相関関係(比
例関係)を求め、この相関関係からテストピースの温度
・形状に対するパラメータの補正値算出式(補正式)を
あらかじめ作成しておけば、その補正式を用いて非破壊
測定結果(パラメータ測定値)に対して温度・形状補正
を行うことにより、非破壊測定の測定結果の精度を向上
させることができ、これにより焼入硬化層深さをきわめ
て正確に算出することが可能になる。
【0013】本発明は、上記のように非破壊測定結果
(パラメータ測定値)に対するテストピースの温度・形
状の影響を補償するものであるため、いかなる渦電流測
定方式にも適用可能である。つまり、非破壊測定するパ
ラメータのいかんを問わず適用可能である。なお、パラ
メータに基づいて検出される焼入硬化層深さの精度は、
焼入硬化層深さとの相関関係が高いパラメータを使用す
るほど高くなることはもちろんである。
【0014】そこで、請求項2記載の発明は、上記請求
項1記載の焼入硬化層深さの非破壊検査方法において、
前記パラメータは、テストピースおよびこれと同一形状
のマスタピースを用いる渦電流測定方式における、テス
トピース側の被誘導コイルに発生する被誘導電圧ベクト
ルとマスタピース側の被誘導コイルに発生する被誘導電
圧ベクトルとの合成ベクトルと、同一特性のテストピー
ス側およびマスタピース側の誘導コイルに印加した誘導
電圧ベクトルとの間の位相差であることを特徴とする。
【0015】この場合には、前記位相差と焼入硬化層深
さとの間に高度の相関関係があるため、測定された位相
差を補正することにより、焼入硬化層深さが最も正確に
測定されることになる。
【0016】また、請求項3記載の発明は、同じく請求
項1記載の焼入硬化層深さの非破壊検査方法において、
前記パラメータは、テストピースおよびこれと同一形状
のマスタピースを用いる渦電流測定方式における、同一
特性のテストピース側およびマスタピース側の誘導コイ
ルに誘導電圧を印加したときのテストピース側の被誘導
コイルに発生する被誘導電圧ベクトルとマスタピース側
の被誘導コイルに発生する被誘導電圧ベクトルとの合成
ベクトルの大きさまたはその成分であることを特徴とす
る。
【0017】さらにまた、請求項4記載の発明は、同じ
く請求項1記載の焼入硬化層深さの非破壊検査方法にお
いて、前記パラメータは、マスタピースを使用しない渦
電流測定方式における、誘導コイルに誘導電圧を印加し
たときの被誘導コイルに発生する被誘導電圧の大きさま
たはその成分であることを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明は、渦電流測定方式に
よりテストピースの焼入硬化層深さを非破壊測定し、こ
れにより表面硬化処理部品の焼入硬化層深さを検査する
焼入硬化層深さの非破壊検査装置において、渦電流測定
方式により前記テストピースの焼入硬化層深さに関係す
るパラメータを測定する非破壊測定手段と、前記テスト
ピースの温度を測定する温度測定手段と、前記テストピ
ースの形状を測定する形状測定手段と、あらかじめ作成
しておいたテストピースの温度・形状に対する前記非破
壊測定手段の出力の補正式を記憶する第1記憶手段と、
あらかじめ求めておいた前記パラメータと焼入硬化層深
さとの関係を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手
段に記憶されている補正式を用いて、前記非破壊測定手
段の出力を前記温度検出手段および前記形状測定手段の
測定値により補正する補正手段と、前記補正手段からの
出力により、前記第2記憶手段に記憶されている前記パ
ラメータと焼入硬化層深さの関係から前記テストピース
の焼入硬化層深さを算出する算出手段とを有することを
特徴とする。
【0019】このように構成された本発明の非破壊検査
装置にあっては、実際の非破壊検査時、非破壊測定手段
はテストピースの焼入硬化層深さに関係するパラメータ
を測定し、温度測定手段はテストピースの温度を測定
し、形状測定手段はテストピースの形状を測定する。こ
れらの測定結果は補正手段に与えられる。補正手段は、
第1記憶手段に記憶されている補正式を用いて、非破壊
測定手段の出力を温度検出手段および形状測定手段の測
定値により補正し、結果を算出手段に出力する。そし
て、算出手段は、補正手段からの出力により、第2記憶
手段に記憶されている前記パラメータと焼入硬化層深さ
の関係からテストピースの焼入硬化層深さを算出する。
すなわち、パラメータの測定、テストピースの温度・形
状の測定、およびこれらの測定結果からのパラメータの
補正値演算、ならびに補正されたパラメータからの焼入
硬化層深さの算出を自動化したので、本発明に係る上記
方法を利用した高精度のオンライン非破壊検査システム
が構築され、焼入硬化層深さをオンラインで高精度に非
破壊検査することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】図3は本発明の焼入硬化層深さの
非破壊検査装置の構成の一例を示す概略図である。ここ
では、等速ドライブシャフトアウタレースをテストピー
ス(部品)として焼入硬化層深さを検査する場合を例に
とって説明する。
【0021】この装置は、マスタピースを使用する渦電
流測定方式によりテストピースの焼入硬化層深さを非破
壊検査するものであって、検査対象となるテストピース
(部品)1と同一形状のマスタピース2を用い、テスト
ピース用の誘導コイル3とこれに同軸に配設された被誘
導コイル4と、テストピース用誘導コイル3と同一特性
を有しコイルの巻き方向が異なるマスタピース用の誘導
コイル5とこれに同軸に配設されるとともにテストピー
ス用被誘導コイル4と同一特性の被誘導コイル6とを備
えている。非破壊測定時、テストピース1はこれの硬化
処理部分が誘導コイル3と被誘導コイル4に挿通される
ようにそれぞれのコイル3、4に装着される。また、マ
スタピース2はこれのテストピース1の硬化処理位置に
相当する部分が誘導コイル5と被誘導コイル6に挿通さ
れた状態となっている。上記四つのコイル3、4、5、
6は検査装置本体7に接続されている。検査装置本体7
は、直列に接続されたテストピース用およびマスタピー
ス用のそれぞれの誘導コイル3、5に所定の誘導電圧を
印加し、これによりテストピース用の被誘導コイル4お
よびマスタピース用の被誘導コイル6にそれぞれ発生す
る被誘導電圧を入力し、入力した二つの電圧ベクトルを
合成し、この合成ベクトルから所定のパラメータを測定
する機能を有している。前記パラメータは、合成ベクト
ルVと誘導電圧ベクトルUとの位相差θ、合成ベクトル
Vの大きさ、合成ベクトルVのX成分またはY成分のど
れでもよいが、測定精度の点からは前記位相差θをパラ
メータとすることが好ましい(図1参照)。検査装置本
体7で測定されたパラメータの値は非破壊測定出力Qと
して後述する演算装置に与えられる。なお、非破壊測定
手段は四つのコイル3、4、5、6と検査装置本体7と
で構成されている。
【0022】また、本発明では、テストピース1の温度
や形状の影響を補償するため、検査装置本体7の測定結
果(非破壊測定出力Q)を補正するようにしているが、
ここでは、補正項目としてテストピース1の温度、形状
として軸径と軸長を設定し、これら三つの項目(温度、
軸径、軸長)について測定し、補正を行うようにしてい
る。すなわち、本装置は、さらに、テストピース1の温
度を測定する温度測定装置8と、テストピース1の軸径
を測定する軸径測定装置9と、テストピース1の軸長を
測定する軸長測定装置10とを有している。温度測定装
置8、軸径測定装置9、および軸長測定装置10は検査
装置本体7と共に演算装置11に接続されている。温度
測定装置8は温度計8aに接続されており、温度計8a
からの信号を処理してテストピース1の温度Tを測定
し、結果を演算装置11に与える。また、軸径測定装置
9および軸長測定装置10はそれぞれ測定部9a、10
aからの信号を処理してテストピース1の軸径Dおよび
軸長Lを測定し、結果を演算装置11に出力する。温度
の測定は非破壊測定と同じステーションで行われるが、
軸径の測定と軸長の測定は非破壊測定のステーションと
は別のステーションで行われる。なお、温度測定手段は
温度測定装置8と温度計8a、形状測定手段は軸径測定
装置9と軸長測定装置10とそれらの測定部9a、10
aとでそれぞれ構成されている。
【0023】演算装置11は、第1記憶手段、第2記憶
手段、補正手段、および算出手段として機能するもので
あって、パソコンなどから構成されている。本発明で
は、上記したように、テストピース1の温度・形状(軸
径と軸長)に対する検査装置本体7の出力(パラメー
タ)の補正式と、検査装置本体7の出力(パラメータ)
と焼入硬化層深さとの関係とをあらかじめそれぞれ作成
しておくが、これらの情報は演算装置11の所定のメモ
リに格納されている。補正式の具体例については後述す
る。演算装置11は、入力した温度、軸径、軸長の各測
定値T、D、Lから、メモリに記憶されているあらかじ
め作成しておいた補正式を用いて、検査装置本体7の出
力(非破壊測定出力Q)に対する各項目ごとの補正量を
算出し、それらを加算することによって非破壊測定出力
Q(パラメータ測定値)を補正する。そして、補正後の
パラメータ値に基づいて、メモリに記憶されているあら
かじめ求めておいたパラメータと焼入硬化層深さとの関
係からテストピース1の焼入硬化層深さを算出し、焼入
硬化層深さの最終判定を行い、検査結果を外部に出力す
る。
【0024】図4〜図6はそれぞれ補正式の具体例を示
す説明図である。ここでは、簡単化のため、パラメータ
としての非破壊測定出力Qとして前記合成ベクトルVの
終点AのX座標(X成分)を用いる場合を示してある。
なお、誘導コイル3、4に印加する誘導電圧の周波数
は、たとえば、32Hzとしている。
【0025】図4は被誘導電圧の合成ベクトルVの温度
による終点Aの変化を示しており、温度が20℃の場合
を基準とすると、測定温度がT℃のときにおける非破壊
測定出力Q(合成ベクトルVのX成分)の補正量Z
T は、たとえば、 ZT =50(T−20) =50T−100 で与えられる。
【0026】図5は被誘導電圧の合成ベクトルVの軸径
による終点Aの変化を示しており、軸径が29.9mmの
場合を基準とすると、軸径の測定値がDmmのときにおけ
る非破壊測定出力Q(合成ベクトルVのX成分)の補正
量ZD は、たとえば、 ZD =−287(D−29.9) =−287D+8581 で与えられる。
【0027】図6は被誘導電圧の合成ベクトルVの軸長
による終点Aの変化を示しており、軸長が109.7mm
の場合を基準とすると、軸長の測定値がLmmのときにお
ける非破壊測定出力Q(合成ベクトルVのX成分)の補
正量ZL は、たとえば、 ZL =−19(L−109.7) =−19L+2084 で与えられる。
【0028】図7は上記の構成を有する装置における検
査結果判定までの処理の流れを示すフローチャートであ
る。まず、非破壊測定のステーションとは別のステーシ
ョンにテストピース1を載置し、軸径測定装置9と軸長
測定装置10によってテストピース1の軸径Dと軸長L
をそれぞれ測定し、結果を演算装置11に出力する。軸
径と軸長の測定が終了すると、テストピース1は非破壊
測定のステーションに移載され、二つのコイル3、4に
挿通して装着される。この状態で、温度計8aを含む温
度測定装置8によってテストピース1の温度Tを測定
し、結果を演算装置11に出力する。また、検査装置本
体7によってテストピース1を非破壊測定し、二つの被
誘導電圧の合成ベクトルVから所定のパラメータQを測
定し、結果を演算装置11に出力する。その後、演算装
置11は、入力した温度、軸径、軸長の各測定値T、
D、Lから、メモリに記憶されている各項目ごとの補正
式(たとえば、図4〜図6参照)を用いて、検査装置本
体7の出力(非破壊測定出力Q)に対する補正値ZT
D 、ZL を各項目ごとにそれぞれ算出し、求めた補正
値ZT 、ZD 、ZL を非破壊測定出力Q(パラメータ測
定値)に加算して非破壊測定出力Qを補正し、補正され
た非破壊測定出力Q′を得る。それから、補正後の非破
壊測定出力Q′に基づいて、メモリに記憶されているパ
ラメータと焼入硬化層深さの関係からテストピース1の
焼入硬化層深さを算出し、この算出結果により最終判定
を行い、検査結果を外部に出力する。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、テストピースの温度・形状に対するパラメー
タの補正式をあらかじめ作成しておき、検査時にテスト
ピースの温度・形状を測定し、これにより前記補正式を
用いて検査時のパラメータの測定値に対して温度・形状
補正を行うようにしたので、非破壊測定の精度を上げる
ことができ、焼入硬化層深さをきわめて正確に検査する
ことが可能になる。また、温度や形状の管理を必要とせ
ず冷却装置などを必要としないため、コストの低減や生
産性の向上が図られる。
【0030】また、請求項1記載の発明は、請求項2〜
4に記載したように非破壊測定するパラメータのいかん
を問わず適用可能であり、適用範囲が大きいという利点
がある。
【0031】また、請求項5記載の発明によれば、パラ
メータの測定、テストピースの温度・形状の測定、およ
びこれらの測定結果からのパラメータの補正値演算、な
らびに補正されたパラメータからの焼入硬化層深さの算
出を自動化したので、焼入硬化層深さをオンラインで高
精度に非破壊検査することが可能になり、また、省人化
のメリットも得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 渦電流測定方式における誘導電圧ベクトルと
被誘導電圧ベクトルとの関係を示すベクトル平面図
【図2】 テストピースの温度・形状のある一つの項目
を変化させたときの被誘導電圧ベクトルの終点の変化の
様子を示す概略図
【図3】 本発明に係る焼入硬化層深さの非破壊検査装
置の構成の一例を示す概略図
【図4】 被誘導電圧の合成ベクトルの温度による終点
変化を示す概略図
【図5】 被誘導電圧の合成ベクトルの軸径による終点
変化を示す概略図
【図6】 被誘導電圧の合成ベクトルの軸長による終点
変化を示す概略図
【図7】 検査結果判定までの処理の流れを示すフロー
チャート
【符号の説明】
1…テストピース 2…マスタピース 3、5…誘導コイル(非破壊測定手段) 4、6…被誘導コイル(非破壊測定手段) 7…検査装置本体(非破壊測定手段) 8…温度測定装置(温度測定手段) 8a…温度計(温度測定手段) 9…軸径測定装置(形状測定手段) 10…軸長測定装置(形状測定手段) 11…演算装置(第1記憶手段、第2記憶手段、補正手
段、算出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦電流測定方式によりテストピースの焼
    入硬化層深さを非破壊測定し、これにより表面硬化処理
    部品の焼入硬化層深さを検査する焼入硬化層深さの非破
    壊検査方法において、 テストピースの温度・形状と前記渦電流測定方式で測定
    されるパラメータとの間の相関関係からテストピースの
    温度・形状に対する前記パラメータの補正式をあらかじ
    め作成しておき、検査時にテストピースの温度・形状を
    測定し、これらの測定値により検査時の前記パラメータ
    の測定値を前記補正式を用いて補正し、この補正したパ
    ラメータの値に基づいて焼入硬化層深さを検出すること
    を特徴とする焼入硬化層深さの非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 前記パラメータは、テストピースおよび
    これと同一形状のマスタピースを用いる渦電流測定方式
    における、テストピース側の被誘導コイルに発生する被
    誘導電圧ベクトルとマスタピース側の被誘導コイルに発
    生する被誘導電圧ベクトルとの合成ベクトルと、同一特
    性のテストピース側およびマスタピース側の誘導コイル
    に印加した誘導電圧ベクトルとの間の位相差であること
    を特徴とする請求項1記載の焼入硬化層深さの非破壊検
    査方法。
  3. 【請求項3】 前記パラメータは、テストピースおよび
    これと同一形状のマスタピースを用いる渦電流測定方式
    における、同一特性のテストピース側およびマスタピー
    ス側の誘導コイルに誘導電圧を印加したときのテストピ
    ース側の被誘導コイルに発生する被誘導電圧ベクトルと
    マスタピース側の被誘導コイルに発生する被誘導電圧ベ
    クトルとの合成ベクトルの大きさまたはその成分である
    ことを特徴とする請求項1記載の焼入硬化層深さの非破
    壊検査方法。
  4. 【請求項4】 前記パラメータは、マスタピースを使用
    しない渦電流測定方式における、誘導コイルに誘導電圧
    を印加したときの被誘導コイルに発生する被誘導電圧の
    大きさまたはその成分であることを特徴とする請求項1
    記載の焼入硬化層深さの非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 渦電流測定方式によりテストピースの焼
    入硬化層深さを非破壊測定し、これにより表面硬化処理
    部品の焼入硬化層深さを検査する焼入硬化層深さの非破
    壊検査装置において、 渦電流測定方式により前記テストピースの焼入硬化層深
    さに関係するパラメータを測定する非破壊測定手段と、 前記テストピースの温度を測定する温度測定手段と、 前記テストピースの形状を測定する形状測定手段と、 あらかじめ作成しておいたテストピースの温度・形状に
    対する前記非破壊測定手段の出力の補正式を記憶する第
    1記憶手段と、 あらかじめ求めておいた前記パラメータと焼入硬化層深
    さとの関係を記憶する第2記憶手段と、 前記第1記憶手段に記憶されている補正式を用いて、前
    記非破壊測定手段の出力を前記温度検出手段および前記
    形状測定手段の測定値により補正する補正手段と、 前記補正手段からの出力により、前記第2記憶手段に記
    憶されている前記パラメータと焼入硬化層深さの関係か
    ら前記テストピースの焼入硬化層深さを算出する算出手
    段と、 を有することを特徴とする焼入硬化層深さの非破壊検査
    装置。
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