JPH0989724A - 軸受用寿命試験装置 - Google Patents

軸受用寿命試験装置

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JPH0989724A
JPH0989724A JP24121495A JP24121495A JPH0989724A JP H0989724 A JPH0989724 A JP H0989724A JP 24121495 A JP24121495 A JP 24121495A JP 24121495 A JP24121495 A JP 24121495A JP H0989724 A JPH0989724 A JP H0989724A
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浩道 武村
Tsutomu Abe
力 阿部
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真幸 細谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に高価な設備を使用する事なく、軸受の寿
命を高い信頼性で求める。 【構成】 回転軸2をサポート軸受15と試験軸受20
とで支持する。従動プーリ6に掛け渡した無端ベルト7
により、回転軸2にラジアル荷重を負荷する。サポート
軸受15の支持剛性は高くし、試験軸受20の支持剛性
は低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る軸受用寿命試験装
置は、高振動、衝撃環境下で使用される軸受の耐久性評
価を短時間で行なって、優れた耐久性を有する軸受の設
計を行なう為に利用する。例えば、クランクシャフト、
カムシャフト等、エンジンに組み込まれる各種回転部
材、或はオルタネータ、コンプレッサ、ウォータポンプ
等、各種補機類の駆動軸を回転自在に支持する為のラジ
アル玉軸受の寿命試験を行なう為に利用する。
【0002】
【従来の技術】高振動、衝撃環境下で使用される軸受の
場合、時として設計寿命よりも短期間で寿命が到来し、
交換修理を行なう必要が生じる場合がある。例えば、エ
ンジン用補機類の場合には、回転軸の中間部で駆動用の
無端ベルトが掛け渡される従動プーリに近い部分を支持
した、フロント側のラジアル玉軸受が早期破損する事例
が報告されている。この様な早期破損の多くは、外輪軌
道或は内輪軌道表面の剥離として発生し、著しい振動を
伴う。特に、近年はエンジンの高出力化に伴って、上記
無端ベルトの張力を増大させる傾向があり、上記ラジア
ル玉軸受に加わる荷重が大きくなっている為、早期破損
が増大し易い条件となっている。この様な早期破損を防
止する為には、実際に早期破損が発生する状態を再現し
つつ軸受諸元の設計を行なう必要がある。この為従来か
ら、例えば次の〜に示す様に、短時間で早期破損の
再現試験を行なう為の軸受用寿命試験機が、各種提案さ
れている。
【0003】 1994年10月に金沢で行なわれた
社団法人日本トライボロジー学会トライボロジー会議の
予稿集第749頁 この文献には、無端ベルトを介してラジアル玉軸受にラ
ジアル荷重と回転運動とを負荷しつつ、このラジアル玉
軸受の寿命測定を行なう試験装置が記載されている。こ
の試験装置の場合にはラジアル玉軸受に、220kgf の
ラジアル荷重Fr を付与しつつ、3秒周期で上記ラジア
ル玉軸受の回転速度を、0〜8700r.p.m.の間で変化
させている。又、動等価荷重をP(ラジアル軸受の場合
にはP=Fr )とし、この試験軸受の基本動定格荷重を
Cとした場合に、P/C≒0.22としている。 1995年5月に東京で行なわれた同会議の予稿集
第551頁 この文献にも、無端ベルトを介してラジアル玉軸受にラ
ジアル荷重と回転運動とを負荷しつつ、このラジアル玉
軸受の寿命測定を行なう試験装置が記載されている。こ
の試験装置の場合にはラジアル玉軸受に、330kgf の
ラジアル荷重Fr を付与しつつ、上記ラジアル玉軸受を
18000r.p.m.の回転速度で連続運転している。又、
P/C≒0.24としている。 出願人会社が1993年に発行したNSKテクニカ
ルジャーナル NO.656この文献には、実際のエンジン
を使用してラジアル玉軸受の寿命測定を行なう試験装置
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記〜の文献に記
載された3種類の寿命試験装置のうち、に記載され
た寿命試験装置の場合には、試験条件が実際と異なる
為、得られる試験結果の信頼性が必ずしも十分ではない
と考えられる。例えば、実際に早期破損が発生し易い、
補機の回転軸の中間部で従動プーリ寄り部分を支持した
フロント側のラジアル玉軸受の支持剛性は、回転軸の後
端部を支持したリヤ側の玉軸受の支持剛性よりも低い。
これに対して、両予稿集に記載された軸受用寿命試験装
置の場合には、寿命を測定すべきラジアル玉軸受を、実
際にフロント側のラジアル玉軸受が支持されているより
も大きな剛性で支持している。代わりに、このラジアル
玉軸受に加えるラジアル荷重を実際よりも大きくすると
共に、このラジアル玉軸受の回転速度を実際よりも速く
する事により、加速試験を行なっている。実際の使用状
態では、上記フロント側のラジアル玉軸受のP/Cは
0.2以下(P/C≦0.2)である。又、3秒周期で
上記ラジアル玉軸受の回転速度が0〜8700r.p.m.の
間で変化する事も、18000r.p.m.で連続運転される
事も殆どない。
【0005】これに対して、に記載された寿命試験装
置の場合には、実際に使用条件に則した試験を行なえる
為、得られる試験結果の信頼性が十分に確保される。し
かしながら、この様な寿命試験装置の場合には、製作コ
スト並びに運転コストが嵩む為、改良が望まれる。本発
明の軸受用寿命試験装置は、この様な事情に鑑みて発明
したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の軸受用寿命試験
装置は、回転軸と、この回転軸と平行に設けられてモー
タにより回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に固定さ
れた駆動プーリと、上記回転軸の一端部に固定された従
動プーリと、この従動プーリと上記駆動プーリとに掛け
渡された無端ベルトと、上記回転軸の他端部を回転自在
に支持するサポート軸受と、このサポート軸受を高剛性
で支持する第一ハウジングと、上記回転軸の中間部を回
転自在に支持する試験軸受と、この試験軸受を低剛性で
支持する第二ハウジングと、上記無端ベルトから上記回
転軸を介して第一、第二両ハウジングに加えられる荷重
を測定する荷重測定手段とを備える。
【0007】
【作用】上述の様に構成される本発明の軸受用寿命試験
装置によれば、試験軸受の寿命試験を、実際の運転状態
に合致させて行なえる。即ち、第二ハウジングによる試
験軸受の支持剛性が低い為、無端ベルトの張力に基づい
て従動プーリに加えられるラジアル荷重により、回転軸
に曲げ応力が加わる。そして、この曲げ応力と無端ベル
トから加えられるラジアル荷重とによって上記試験軸受
に、実際の使用状態に則した複雑な力が加わる。そし
て、この力によって、早期剥離等の損傷が発生する。
【0008】この様に、試験軸受を実際の使用条件に則
した状態に設置できるので、負荷荷重や回転速度を実際
の使用状態に則した値にして、信頼性の高い寿命試験を
実施できる。これに伴い、軸受用寿命試験装置の共振周
波数に見合う回転数で運転できる為、共振に基づいて発
生する大きな振動が、軸受の寿命に及ぼす影響に就いて
も試験できる様になる。
【0009】
【実施例】図1〜4は本発明の実施例を示している。テ
ーブル状の基台1の上方には回転軸2が、水平方向に配
置されている。又、この基台1の下方には駆動軸3が、
上記回転軸2と平行に設けられている。図示の実施例の
場合、この駆動軸3はモータ4の出力軸であってこのモ
ータ4により回転駆動される。この駆動軸3の先端部
(図1の左端部)には駆動プーリ5を、上記回転軸2の
一端部(同左端部)には従動プーリ6を、それぞれ固定
している。そして、これら従動プーリ6と駆動プーリ5
とに無端ベルト7を掛け渡している。図示の実施例の場
合には、これら従動プーリ6及び駆動プーリ5として、
外周面に複数のV溝を形成したポリVプーリを、無端ベ
ルト7として、内周面にそれぞれが上記V溝と係合する
複数のV突条を形成したポリVベルトを、それぞれ使用
している。
【0010】一方、上記基台1の上面には、L字形のア
ーム8の基端部を支持固定している。このアーム8は、
上記基台1に対して結合される支柱部9と、この支柱部
9の上端部から水平方向に延びた水平支持部10とから
成る。そして、この水平支持部10の上面にケーシング
11を固定している。尚、アーム8によるケーシング1
1の支持が安定して行なわれる様に、このアーム8を図
1の表裏方向に離隔して1対設け、上記ケーシング11
をこれら両アーム8の間に掛け渡して支持する事が好ま
しい。又、上記水平支持部10の一部には後述する歪み
ゲージ26a〜26dを添着して、この水平支持部10
が支承する荷重を測定自在としている。
【0011】この為に、例えば貫通孔23を、上記水平
支持部10の幅方向(図1、2、4の表裏方向、図3の
上下方向)に亙り形成している。この貫通孔23は、互
いに平行な1対の円孔部24、24同士をスリット状の
連通部25により連通させて成る。この貫通孔23は、
前記無端ベルト7から従動プーリ6を介して回転軸2に
加わる荷重の方向(図1の下向き)に対し捩れの位置関
係となる方向に形成している。尚、上記貫通孔23を形
成する水平支持部10の断面形状は、好ましくは四角形
とする。この理由は、この水平支持部10の曲げ方向に
亙る弾性変形がそのまま貫通孔23内面の弾性変形に結
び付く様にして、測定感度を良好にする為である。
【0012】上述の様な貫通孔23の内面には、歪みゲ
ージ26a〜26dを4個添着している。図示の実施例
の場合、歪みゲージ26a、26bをそれぞれ円孔部2
4、24の軸方向(図1、2、4の表裏方向、図3の上
下方向)に亙って添着し、歪みゲージ26c、26dを
それぞれ円孔部24、24の円周方向(図1〜4の左右
方向)に亙って添着している。これら各歪みゲージ26
a〜26dの検出信号は、図示しない導線により、やは
り図示しない演算器を含む制御器に入力している。この
演算器は、上記各歪みゲージ26a〜26dから送り込
まれる検出信号により、前記無端ベルト7の張力Tに基
づいて従動プーリ6から回転軸2の一端部に加えられる
ラジアル荷重FP を算出する。アーム8を複数本設ける
場合には、各アーム8毎に貫通孔23と歪みゲージ26
a〜26dとを設ける。
【0013】前記ケーシング11は、鉄、アルミニウム
等の金属材料により造られており、十分な厚さ寸法を有
する第一支持壁12と、この第一支持壁12に比較して
薄肉の第二支持壁13とを有する。これら第一、第二両
支持壁12、13は、水平方向に離隔して、それぞれ鉛
直方向に設けられている。このうち、特許請求の範囲に
記載した第一ハウジングに相当する第一支持壁12に形
成した円孔14の内側には、サポート軸受15を構成す
る外輪16を内嵌固定している。そして、このサポート
軸受15を構成する内輪17を上記回転軸2の他端部に
外嵌固定する事により、この回転軸2の他端部を上記第
一支持壁12に回転自在に支持している。
【0014】一方、上記第二支持壁13の外側面(図1
の左側面)は、その一部のみが外方(図1の左方)に突
出した突出部18となっている。そして、この突出部1
8に、円環状の第二ハウジング19の円周方向一部を、
複数本のボルトにより結合固定している。そして、この
第二ハウジング19の内側には、寿命試験を行なうべき
試験軸受20の外輪21を内嵌固定している。そして、
この試験軸受20を構成する内輪22を上記回転軸2の
中間部に外嵌固定する事により、この回転軸2の中間部
を上記第二ハウジング19に回転自在に支持している。
又、第二ハウジング19の上面には、振動ピックアップ
27を設けて上記試験軸受20の振動を検出自在として
いる。
【0015】尚、上述の様に、円周方向の一部のみを薄
肉の第二支持壁13に結合固定された、上記第二ハウジ
ング19の支持剛性は、上記第一支持壁12の支持剛性
に比べて低い。従って、前述の無端ベルト7から従動プ
ーリ6を介して回転軸2に加わるラジアル荷重に基づき
この回転軸2には、図1の左端部が下降する方向の曲げ
応力が加わる。この様に、第二ハウジング19は第二支
持壁13に対して、支持剛性を低下させるべく円周方向
一部のみで結合固定するが、第二ハウジング19と上記
突出部18とが当接する角度範囲は30〜180度の範
囲とする。この角度範囲が30度未満の場合には、上記
第二ハウジング19の支持剛性が低くなり過ぎて、上記
曲げ応力が過大になり過ぎる。これに対して、上記角度
範囲が180度を越えた場合には、上記第二ハウジング
19の支持剛性が大きくなり過ぎて、実機に則した試験
を行なえなくなる。
【0016】前述した様に、従動プーリ6から回転軸2
の一端部にFP なるラジアル荷重が付与された場合に
は、回転軸2の中間部を回転自在に支持した試験軸受2
0には、(a+b)・FP /aなるラジアル荷重FfP
加わる。尚、aは前記サポート軸受15と試験軸受20
との中心間距離(ピッチ)、bは従動プーリ6と試験軸
受20との中心間距離である。
【0017】上述の様に構成される本発明の軸受用寿命
試験装置によれば、試験軸受20の寿命試験を、エンジ
ン用補機等に組み込まれて実際に運転される状態に合致
させて行なえる。即ち、第二ハウジング19が回転軸2
の中間部に設けた試験軸受20の支持剛性は低い為、無
端ベルト7の張力Tに基づいて従動プーリ6に加えられ
るラジアル荷重により、上記回転軸2に曲げ応力が加わ
る。そして、この曲げ応力と上記無端ベルト7から加え
られるラジアル荷重FP とが合わさって上記試験軸受2
0に、実際の使用状態に則した複雑な力が加わる。そし
て、この力によって、早期剥離等の損傷が発生する。
【0018】この様に、本発明の軸受用寿命試験装置に
よれば、試験軸受20を実際の使用状態に則した状態に
設置できるので、負荷荷重や回転速度を実際の使用状態
に則した値にして、信頼性の高い寿命試験を実施でき
る。これに伴い、軸受用寿命試験装置の共振周波数に見
合う回転数で運転できる為、共振に基づいて発生する大
きな振動が、軸受の寿命に及ぼす影響に就いても試験で
きる様になる。即ち、エンジン用の補機等は固有の共振
周波数を持ち、回転軸の回転速度がこの共振周波数に見
合ったものとなると大きく振動する。この振動が軸受の
寿命に影響を及ぼすものと考えられるが、前記の従
来構造の場合、共振周波数に見合う回転速度を極く短時
間で通過する為、殆ど振動が成長しなかったり(の場
合)、或は共振周波数と関係ない回転数で運転する為共
振に基づく振動成長が発生せず(の場合)、上記影響
を知る事ができない。これに対して本発明の軸受用寿命
試験装置の場合には、回転軸2の回転速度及びその回転
速度の変化度合いを任意に設定できるので、上記影響を
知る事ができる。
【0019】次に、図1〜4に記載された軸受用寿命試
験装置を用いて、実際にラジアル玉軸受の寿命測定を行
なった実験の結果に就いて説明する。実験には、出願人
会社が市販している、呼び番号6303の深溝型玉軸受
(外径=47mm、内径=17mm、幅=14mm)を、試験
軸受20として使用した。又、この試験軸受20の外輪
21を内嵌固定する為の第二ハウジング19としては、
直径方向に亙る肉厚がそれぞれ5mm又は10mmであるア
ルミニウム製で円筒状のものと、肉厚がそれぞれ5mm、
10mm、30mmである鉄製のものとの、5種類のハウジ
ングを使用した。更に、従動プーリ6に加えるラジアル
荷重FP を、55kgf 、110kgf 、220kgf の3通
りに変化させた。この結果、上記試験軸受20に加わる
ラジアル荷重FfPは、それぞれ67.5kgf 、135kg
f 、270kgf となり、P/Cはそれぞれ0.05、
0.10、0.20となった。試験軸受20にこの様な
ラジアル荷重FfPを負荷する事により、この試験軸受2
0を構成する外輪21の負荷圏(無端ベルト7からのラ
ジアル荷重を受ける下側部分)には、次の表1に示す様
な曲げ応力が発生する。この曲げ応力は、FEM解析ソ
フトのI−DEASソフトと、ADINA非線形の解析
ソフトとを使用して求めた。尚、この表1の単位はMP
aである。
【0020】
【表1】
【0021】又、寿命試験装置に組み込まれて上記ラジ
アル荷重を負荷した状態で、上記試験軸受20の固有周
波数(共振周波数)は100〜150Hzであった。更
に、試験軸受20の回転速度は、図5に示す様なパター
ンで、5000〜10000r.p.m.の間で変化させた。
即ち、t時間の間に5000r.p.m.から10000r.p.
m.まで加速した後、t時間の間10000r.p.m.を維持
する。次いで、t時間の間に10000r.p.m.から50
00r.p.m.まで減速した後、t時間の間5000r.p.m.
を維持する。このパターンで、上記t時間を1秒、2
秒、5秒、10秒の4通りに変化させて、上記試験軸受
20の寿命を測定した。測定は、前記第二ハウジング1
9に付設した振動ピックアップ27が異常振動を検知す
るまで行ない、検知するまでの時間をその試験軸受20
の寿命とした。但し、2000時間経過した時点で異常
振動が検出されない場合には、当該試験軸受20は十分
な耐久性を有するとして、試験を打ち切った。この様に
して行なった試験の結果を次の表2に示す。尚、試験軸
受20には潤滑の為にグリースを封入した。グリースと
しては、基油として合成炭化水素油を、増ちょう剤とし
てウレアを、それぞれ使用したダンパ効果が低いEグリ
ースと、基油としてエーテル系合成油を、増ちょう剤と
してウレアを、それぞれ使用したダンパ効果が高いMグ
リースとがある。次の表2に関する実験は、このうちの
Eグリースを使用した。この理由は、寿命を早く到来さ
せる事で、グリースを除く軸受諸元が寿命に及ぼす影響
を明瞭に知る為である。尚、表2にはラジアル荷重FfP
に関して3種類、第二ハウジング19に関して5種類、
回転速度の変化パターンに就いて4種類、合計60種類
の試験を行なったが、試験軸受20は、各種類毎に7個
ずつ、合計420個用意した(420回の実験を行なっ
た)。この表2に記載した寿命はL10寿命(10%の試
料が寿命に達する時間)である。尚、寿命に達した試験
軸受20を分解して構成各部材の表面を目視観察したと
ころ、損傷は総て外輪軌道の剥離であった。
【0022】
【表2】
【0023】前記表1及びこの表2に記載した結果から
明らかな通り、試験軸受20の外輪21に20MPa以
上の曲げ応力を発生させると、試験軸受20の寿命が不
足する(外輪軌道に短期間で剥離が発生する)。ラジア
ル荷重FfPが大きくても、曲げ応力が小さい場合には、
十分な寿命を確保できる。これらにより、P/Cが0.
05以上で、且つ、曲げ応力が20MPaになると、試
験軸受20の寿命が短くなる事が分る。この結果を補機
用軸受の設計に応用すれば、耐久性及び信頼性の高い補
機用軸受を得られる。尚、表2から明らかな通り、回転
速度の変化パターンに関して前記t時間を1秒とした場
合には、他の場合に比べて寿命が長くなる。この理由
は、試験軸受20の振動が共振により成長する以前に回
転速度が共振周波数に見合うものから外れる為である。
この事から、試験の為の回転速度を任意に設定できる本
発明が、信頼性の高い寿命試験に寄与できる事が分る。
この事を確認する為、上記共振周波数に見合う回転速度
で低速運転をしたところ、やはり短時間で寿命に達し
た。
【0024】次に、グリースの種類が試験軸受20の寿
命に及ぼす影響を知る為に行なった実験に就いて説明す
る。実験は、試験軸受20に負荷するラジアル荷重FfP
を135kgf (P/C=0.10)とし、第二ハウジン
グ19を厚さ5mmのアルミニウム製のもの(曲げ応力=
60MPa)を使用し、t時間を5秒として、Mグリー
ス又はEグリースをそれぞれ7個ずつの試験軸受20に
封入して行なった。この結果を次の表3に示す。表3の
単位は、表2と同じく時間(hr)である。
【0025】
【表3】
【0026】この表3の記載から明らかな通り、ダンパ
効果が高いMグリースを使用すると、転がり軸受の耐久
性が向上する。
【0027】尚、本発明の軸受用寿命試験装置は、上述
の実験に使用した深溝型玉軸受の寿命試験に限らず、ア
ンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受等、他の
転がり軸受の寿命試験にも使用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明の軸受用寿命試験装置は以上に述
べた通り構成され作用するので、特に製作費を高くする
事なく、各種軸受の寿命測定を高い信頼性で行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成を一部を切断して示
す側面図。
【図2】荷重測定用のアームを、回転軸及び従動プーリ
と共に示す側面図。
【図3】アームの基半部を図2の上方から見た拡大図。
【図4】図3の下方から見た図。
【図5】試験時に於ける回転軸の回転速度変化を示す線
図。
【符号の説明】
1 基台 2 回転軸 3 駆動軸 4 モータ 5 駆動プーリ 6 従動プーリ 7 無端ベルト 8 アーム 9 支柱部 10 水平支持部 11 ケーシング 12 第一支持壁 13 第二支持壁 14 円孔 15 サポート軸受 16 外輪 17 内輪 18 突出部 19 第二ハウジング 20 試験軸受 21 外輪 22 内輪 23 貫通孔 24 円孔部 25 連通部 26a、26b、26c、26d 歪みゲージ 27 振動ピックアップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、この回転軸と平行に設けられ
    てモータにより回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に
    固定された駆動プーリと、上記回転軸の一端部に固定さ
    れた従動プーリと、この従動プーリと上記駆動プーリと
    に掛け渡された無端ベルトと、上記回転軸の他端部を回
    転自在に支持するサポート軸受と、このサポート軸受を
    高剛性で支持する第一ハウジングと、上記回転軸の中間
    部を回転自在に支持する試験軸受と、この試験軸受を低
    剛性で支持する第二ハウジングと、上記無端ベルトから
    上記回転軸を介して第一、第二両ハウジングに加えられ
    る荷重を測定する荷重測定手段とを備えた軸受用寿命試
    験装置。
  2. 【請求項2】 無端ベルトから回転軸を介して試験軸受
    に加えられる動等価荷重をPとし、この試験軸受の基本
    動定格荷重をCとした場合に、P/C≧0.05を満た
    すべく、上記無端ベルトの張力が規制されている、請求
    項1に記載した軸受用寿命試験装置。
  3. 【請求項3】 試験軸受は外輪と内輪と複数の転動体と
    から成るラジアル転がり軸受であり、無端ベルトから回
    転軸を介して試験軸受に加えられる荷重に基づき、上記
    外輪の内周面に形成した外輪軌道上に20MPa以上の
    曲げ応力が加わる様に、無端ベルトの張力と第二ハウジ
    ングの剛性とが規制されており、試験軸受に加えられる
    動等価荷重をPとし、この試験軸受の基本動定格荷重を
    Cとした場合に、P/C=0.05〜0.20を満たす
    べく、上記無端ベルトの張力が規制されている、請求項
    1〜2の何れかに記載した軸受用寿命試験装置。
  4. 【請求項4】 試験軸受の回転数が、軸受用寿命試験装
    置の共振周波数に見合う回転数を緩徐に通過しつつ加減
    速するか、又はこの共振周波数に見合う回転数で一定速
    度で運転される、請求項1〜3の何れかに記載した軸受
    用寿命試験装置。
  5. 【請求項5】 荷重測定手段は、片持ち梁式に支持され
    て第一、第二両ハウジングを支持するアームと、これら
    第一、第二両ハウジングに加えられる荷重に基づいてこ
    のアームに発生する弾性変形を測定する歪みゲージとを
    備える、請求項1〜4の何れかに記載した軸受用寿命試
    験装置。
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