JPH0988844A - 可変容量オイルポンプ - Google Patents

可変容量オイルポンプ

Info

Publication number
JPH0988844A
JPH0988844A JP25384395A JP25384395A JPH0988844A JP H0988844 A JPH0988844 A JP H0988844A JP 25384395 A JP25384395 A JP 25384395A JP 25384395 A JP25384395 A JP 25384395A JP H0988844 A JPH0988844 A JP H0988844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam ring
discharge
rotor
oil
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25384395A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Ogushi
串 直 樹 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP25384395A priority Critical patent/JPH0988844A/ja
Publication of JPH0988844A publication Critical patent/JPH0988844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出圧の増加による作動油の吐出量の減少を
抑え、吐出圧の変化に関わらず常に一定の作動油を吐出
する可変容量オイルポンプを提供すること。 【解決手段】 吐出ポート193からの吐出圧の増加に
応じてカムリング18の偏心量を増加させる偏心量増加
手段を設けたこと。偏心量増加の1手段として、カムリ
ング18の支点中心Cを、カムリング18の中心Bと吐
出ポート193の吐出中心Aとを結ぶ直線よりも、カム
リング18の偏心方向側(図2において直線ABよりも
左側)と逆方向側(図2において直線ABよりも右側)
に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌に備えられる
油圧機器(パワーステアリング、油圧モータ等)に作動
油を圧送する車輌油圧駆動システム用ポンプに関するも
のであり、特に、圧送する作動油の量を可変に制御可能
な可変容量オイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】車輌には、通常油圧により作動する機器
(パワーステアリング、油圧モータ等)が多数備えられ
ている。これらの油圧作動機器に作動油を送るためのオ
イルポンプも当然必要である。またラジエータを空冷す
るファンを駆動する油圧モータは、ラジエータ内を流れ
る冷却水温に応じて回転数を制御しなければならず、そ
のためこの油圧モータに供給する作動油の量も可変制御
可能でなければならない。これらの要求を満たす従来の
可変容量オイルポンプについて、図4に示す。
【0003】可変容量オイルポンプ50は、ボディー5
1と、ボディー51内に配設され図示せぬクランクシャ
フトの回転駆動を図示せぬベルトにより伝達されたロー
タ52と、ロータ52との間で作動空間53を形成する
ようロータ52の周りに配設されると共にボディー51
に固定されたピン54を支点として揺動可能で且つロー
タ52に対して偏心可能なカムリング55と、作動油を
作動空間内に吸い込むための吸込ポート56と、作動油
を外部に吐出するための吐出ポート57と、カムリング
55を揺動させるカムリング揺動装置58とを備えてい
る。
【0004】カムリング揺動装置58は、ボディー51
と一体的に形成されたシリンダ581と、シリンダ58
1内に摺動自在に配設されカムリング55の偏心量を小
さくする方向(図示右方向)にカムリング55に形成さ
れた作用点となる突起部551を付勢するコントロール
ピストン582と、カムリング55の偏心量を大きくす
る方向(図示左方向)にカムリング55の突起部551
を付勢するリターンスプリング583とを備えている。
【0005】コントロールピストン582の左端は、油
圧を受けるための受圧面582aとなっており、その油
圧によるコントロールピストン582の付勢力がリター
ンスプリング583の付勢力よりも大きくなると、カム
リング55が図示右方向に揺動してカムリング55の偏
心量が小さくなる。
【0006】作動空間53は、作動油を吸い込む部分で
ある吸込部531、吸い込まれた作動油を運搬し、圧力
を高める予圧縮を行う締切部532、運搬された作動油
を吐出する吐出部533、吐出部533と吸込部531
とを連結する閉込部534の4つの部分からなる。
【0007】ロータ52には、その円周方向に複数のベ
ーン59が連結している。ベーン59は、ロータ52の
半径方向に伸縮可能であり、またベーン59とロータ5
2との連結部には吐出部533における作動油圧(吐出
圧)が付加されているために、ロータ52の回転時には
ロータ52の中心から外側に向かう方向に吐出圧及び回
転による遠心力で付勢されている。従って、ベーン59
の先端は常にカムリング55の内周に接する状態とな
り、図4のようにカムリング55がロータ52に対して
偏心している場合には締切部532側のベーンは長く、
閉込部534側のベーンは短くなる。
【0008】このような構成のオイルポンプにおいて、
ロータ52が回転し、吸込ポート57からオイルが吸い
込まれた場合、吸込部531側にある隣接したベーン間
の空間は作動油で満たされる。この空間内の作動油はロ
ータ52の回転により締切部532を経て予圧縮され、
吐出部533側に運搬され、吐出ポート56から圧送さ
れる。このようにして、オイルを運搬する仕事をする。
【0009】また、コントロールピストン582が図示
右側へと移動すると、カムリング55の偏心量が減少す
る。すると、吐出ポート57のロータ52に面した開口
面積が減少する。そのためオイルの吐出量が減少し、オ
イルの運搬量も減少する。このようにして、オイルの運
搬量を可変にすることが可能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の可変容量オ
イルポンプを使用した場合、ポンプに掛かる油圧が急激
に増加すると、ベーンとボディーとの隙間、ベーンとカ
ムリングとの隙間、カムリングとロータとの隙間から作
動油が洩れる。このため、吐出ポートから送り出される
作動油の油量が低下する。この現象は、特に、オイルポ
ンプをパワーステアリングと油圧ファンに作動油を供給
するものに使用した場合において、パワーステアリング
を操舵した時に顕著に現れる。即ち、パワーステアリン
グを操舵する際、一時的に作動油の流路が遮断される状
態がある。この状態となったときには、オイルポンプに
かかる油圧は急激に上昇する。そのため油量低下(ポン
プ効率低下)を招き、油圧ファンの回転数が低下する。
【0011】故に、本発明は、油圧が急激に上昇して
も、作動油の供給量を一定に保つことが可能な可変容量
オイルポンプを提供することを、技術的課題とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、ボディー
と、前記ボディー内に配設され回転自在に支持されたロ
ータと、前記ロータの周りに配設され前記ロータに対し
て偏心可能なカムリングと、前記ボディーに形成され作
動油を前記カムリングと前記ロータとで囲まれた作動空
間内に吸い込む吸込ポートと、前記ボディーに形成され
前記作動空間内の作動油を外部に吐出する吐出ポート
と、前記ロータの半径方向に配され一端が前記ロータに
連結され他端が常に前記カムリングの内周と接触してい
る複数のベーンとからなり、前記吸込ポートから吸い込
まれ隣接する前記ベーン間の空間に充満される作動油を
前記ロータの回転により運搬して前記吐出ポートに送り
込み作動油を吐出するものであり、前記ロータに対する
前記カムリングの偏心量が大きくなるにつれて前記吸込
ポート及び前記吐出ポートの前記作動空間に面する開口
面積が増加して作動油の吐出量が増加する可変容量オイ
ルポンプにおいて、前記可変容量オイルポンプは、前記
吐出ポートからの吐出圧の増加に応じて前記カムリング
の偏心量を増加させる偏心量増加手段を備えることを特
徴とする、可変容量オイルポンプとしたことである。
【0013】吐出ポートからの吐出圧が増加すると、オ
イルポンプ内でオイル洩れが発生するために、吐出ポー
トからの作動油の吐出量が減少する。このとき吐出圧の
増加に応じてカムリングの偏心量を増加させる偏心量増
加手段を設けることにより、カムリングを偏心させ、吐
出量の増加を図る。このため、減少した吐出量を補う分
の作動油を供給することができ、吐出圧が増加しても常
に一定の作動油を吐出することが可能となる。
【0014】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記偏心量増加手段は、前記
カムリングの支点中心を前記カムリングの中心点と前記
吐出ポートの中心点とを結ぶ直線よりも前記カムリング
の偏心方向側と逆方向側に位置させたものであることを
特徴とする、請求項1に記載の可変容量オイルポンプと
したことである。
【0015】カムリングの支点中心が、カムリングの中
心と吐出ポートの中心とを結ぶ直線よりも、カムリング
の偏心方向側と逆方向側に位置している場合、吐出圧が
カムリングに作用する力は、カムリングの支点中心に向
かう方向成分と、カムリングの偏心方向側に向かう方向
成分とに分解される。このため吐出圧が増大すると、カ
ムリングの偏心方向側に向かう作用力の方向成分も増大
し、カムリングの偏心量が増加して吐出量も増加する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて説明する。
【0017】図1は、本発明における可変容量オイルポ
ンプを使用した車輌の油圧駆動システムの概略図であ
る。
【0018】図1に示す車輌用油圧駆動システム10に
おいて、可変容量オイルポンプ11は、リザーバタンク
12から吸込通路13を介して作動油を吸い込み、その
作動油を圧縮して吐出通路14に吐出するものである。
この可変容量オイルポンプ11のボディー15内には、
図示せぬクランクシャフトの回転駆動を図示せぬベルト
により伝達されたロータ17が配設されており、ロータ
17はこの伝達された回転駆動力によりボディ15内に
おいて回転可能となる。また、ロータ17の周りにはカ
ムリング18が配設され、ロータ17との間で作動空間
19を形成している。カムリング18は、ポンプボディ
ー15に固定されたピン20を支点として揺動自在にな
っており、ロータ17に対して偏心可能になっている。
つまり、カムリング18がピン20を支点として揺動す
ることによりカムリング18のロータ17に対する偏心
量が変化するようになっている。
【0019】作動空間19は、作動油を吸い込む部分で
ある吸込部191、吸い込まれた作動油を運搬し、予圧
縮する締切部192、運搬された作動油を吐出する吐出
部193、吐出部193と吸入部191とを連結する閉
込部194の4つの部分からなる。
【0020】カムリング18の図示下部には、作用点と
なる突起部18aが形成され、突起部18aはリターン
スプリング21によりカムリング18の偏心量を大きく
する方向に付勢されている。つまり、リターンスプリン
グ21によりカムリング18の偏心量は所定値に維持さ
れている。一方、カムリング18の突起部18aは、リ
ターンスプリング21に対向して配設されたコントロー
ルピストン22によりリターンスプリング21の付勢方
向と反対方向(図示右方向)に付勢されている。従っ
て、コントロールピストン22の付勢力がリターンスプ
リング21の付勢力よりも大きくなると、カムリング1
8が図示右方向に揺動してカムリング18の偏心量が小
さくなる。尚、コントロールピストン22の付勢力は、
後述する吐出量制御手段23からの制御油圧に応じて変
化するようになっている。
【0021】ボディー15には、ロータ17の円周方向
に沿って延在するように吸込ポート24及び吐出ポート
25が形成され、吸込ポート24は吸込通路13に連通
し、吐出ポート25は吐出通路14に連通している。
【0022】前述の吐出量制御手段23は、コントロー
ルピストン22に供給する油圧を制御することでカムリ
ング18の偏心量を変化させて可変容量オイルポンプ1
1の吐出量を制御するものである。この吐出量制御手段
23は、サブオイルポンプ26と、比例制御弁27とエ
レクトロニックコントロールユニット(ECU)28と
を備えている。
【0023】サブオイルポンプ26は、可変容量オイル
ポンプ11と同軸上に配設され、例えば、トロコイドポ
ンプ等の定容量オイルポンプが使用される。このサブオ
イルポンプ26は、リザーバタンク12からサブオイル
ポンプ用吸込通路29を介して作動油を吸い込み、一定
容量の作動油を可変容量オイルポンプ11のコントロー
ルピストン22に接続されたサブオイルポンプ用吐出通
路30に向かって吐出するものである。比例制御弁27
は、サブオイルポンプ用吐出通路30の途中とサブオイ
ルポンプ用吸込通路29の途中とに接続されたバイパス
通路31の途中に配設され、コントロールピストン22
へ供給する油圧を制御している。即ち、比例制御弁27
の開度が大きくなるに伴いコントロールピストン22へ
供給する油圧が小さくなるようになっている。ECU2
8にはエンジン冷却水の温度、エンジン回転数等のセン
サ信号が入力され、ECU28にはこれらのセンサ信号
に応じて比例制御弁27の開度を制御している。
【0024】可変容量オイルポンプ11の吐出通路14
の途中には、分流弁(弁手段)32が配設されている。
この分流弁32は吐出通路14を第1通路33と第2通
路34とに分岐させ、第1通路33に一定量の作動油
(停止時の操舵又は走行時の操舵に必要な量の作動油)
を分流し、可変容量オイルポンプ11から吐出される作
動油と第1通路33に供給される一定量の作動油との流
量差に相当する余剰の作動油を第2通路34に分流する
ものである。第1通路33には、ハンドル35に連動す
るパワーステアリング(操舵機構)36が接続され、こ
のパワーステアリング36の下流側は通路37を介して
リザーブタンク12に接続されている。第1通路33の
途中にはリリーフ通路42が連結される。リリーフ通路
42はその途中にリリーフバルブ41が配設され、その
下流側において通路37と合流する。第2通路34に
は、油圧モータ38が接続され、この油圧モータ38の
下流側には通路40を介してリザーバタンク12に接続
されている。油圧モータ38には、エンジンのラジエー
タ(図示せず)内の冷却水を冷却するための冷却ファン
39が回転自在に連結されている。
【0025】以上のように構成された車輌用油圧駆動シ
ステム10の作動について説明する。
【0026】エンジンの始動後常時、可変容量オイルポ
ンプ11から吐出された作動油が分流弁32により分流
して一定量の作動油が第1通路33を介してパワーステ
アリング36に供給されている。
【0027】エンジン冷却水の温度が低い場合、それを
センサが検知してその信号に基づいてECU28により
比例制御弁27の開度が小さく又は閉状態となり、コン
トロールピストン22に大きな油圧が供給され、カムリ
ング18のロータ17に対する偏心量が小さくなり、そ
の結果、可変容量オイルポンプ11の吐出量が少なくな
る。従って、少量の作動油は、吐出通路14を介して分
流弁32に供給され、可変容量オイルポンプ11の吐出
量と第1通路33に常時供給される作動油量との流量差
に相当する余剰作動油量が少なくなり、その余剰作動油
が分流弁32により第2通路34を介して油圧モータ3
8に供給され、油圧モータ38が低速回転する。その結
果、冷却ファン39が低速回転する。
【0028】エンジン冷却水の温度が高い場合、それを
センサが検知してその信号に基づいてECU28により
比例制御弁27の開度が大きくなり、コントロールピス
トン22に殆ど油圧が加えられなくなる。その結果、リ
ターンスプリング21によりカムリング18が図示左方
向に揺動してカムリング18の偏心量が大きくなり、可
変容量オイルポンプ11の吐出量が多くなる。従って、
多量の作動油が吐出通路14を介して分流弁32に供給
され、可変容量オイルポンプ11の吐出量と第1通路3
3に常時供給される作動油量との流量差に相当する余剰
作動油量が多くなり、その余剰作動油が分流弁32によ
り第2通路34を介して油圧モータ38に供給され、油
圧モータ38が高速回転する。その結果、冷却ファン3
9が高速回転する。
【0029】図2は、本発明におけるカムリング18、
吐出ポート193、ロータ17の位置関係を示した図で
ある。図2において、カムリング18の支点となるピン
20の中心Cは、吐出ポート193の中心Aとカムリン
グ18の中心Bとを結ぶ直線よりも、図示右側に位置し
ている。この場合において、カムリング18は、図示左
側に偏心するために、直線ABの図示左側を偏心方向側
と定義すると、ピン20の中心Cは、偏心方向側と逆方
向側に位置していることになる。ここで、吐出ポート1
93より生じる吐出圧がカムリング18に及ぼす作用力
について考える。この作用力の方向は、カムリング18
の中心Bと吐出ポート193の中心Aとを結ぶ直線方
向、即ち図示ベクトルPであらわされる方向に作用す
る。従来のベーンポンプにおいては、カムリング18の
支点となるピンは図示点線であらわされる位置にあり、
その中心は図示C’の位置にある。点C’はベクトルP
上に位置するため、カムリング18はベクトルPの大き
さをもってピンに押し付けられるのみである。ところ
が、本発明において、ピン20の中心Cは、ベクトルP
よりもカムリングの偏心方向側と逆方向側に位置してい
る。このため作用力であるベクトルPは、直角2方向成
分に分解される。即ちベクトルPは、カムリング18の
中心Bからピン20の中心Cに向かう方向成分であるベ
クトルP1と、ベクトルP1と直角方向であり、かつ点
Bよりも偏心方向側である方向成分をもつベクトルP2
に分解される。従って、この分力P2が、カムリングの
偏心作用に寄与する。
【0030】以下、各種運転状況に従って、本発明のベ
ーンポンプの動作について、説明する。
【0031】まず、エンジン始動時であるが、このとき
はエンジンは放熱負荷が少ない(水温が低い)ので、油
圧ファンはOFFである。従って、作動油はパワーステ
アリングのみに供給すればよく、カムリング18の偏心
量はわずかでよい(パワーステアリングへ供給する油量
分だけの偏心量でよい。)。
【0032】このとき、パワーステアリングを操舵する
ことにより、吐出圧Pが上昇すると、オイルポンプ内で
洩れが発生し、通常のオイルポンプでは、図3のグラフ
中、点線Aで示す如く油量が低下する。しかしながら、
本発明におけるオイルポンプでは、吐出圧Pの上昇と共
に、カムリング18の偏心に寄与する分力P2も上昇す
るために、この分力P2によってカムリング18の偏心
量も増加する。すると、吐出ポートの開口面積が拡大さ
れるために吐出量が増加し、減少した油量を補う。この
ため図3の直線Bに示す如く、油圧が上昇しても油量は
ほぼ一定となる。従って、エンジン始動時にパワーステ
アリングを操舵しても、作動油量は常に一定に維持され
る。
【0033】次に、走行時(特に、登坂走行時)である
が、このときはエンジンは放熱負荷が大きくなる(水温
が高くなる)ので、油圧ファンはON状態(ファン回転
数大)である。従って、作動油はパワーステアリングと
油圧ファンとの両方に供給しなければならず、カムリン
グ18の偏心量はエンジン始動時よりも多い。
【0034】このとき、パワーステアリングの操舵によ
り吐出圧Pが上昇すると、オイルポンプ内での作動油の
洩れにより、通常のオイルポンプでは図3の曲線Cに示
す如く、油圧の上昇に従って油量が低下し、油圧ファン
の回転数が低下する。しかしながら、本発明におけるオ
イルポンプでは、吐出圧Pの上昇と共に、カムリングの
偏心に寄与する分力P2も上昇するために、この分力P
2によってカムリングの偏心量も増加する。すると、吐
出ポートの開口面積が拡大されるために吐出量が増加
し、減少した油量を補う。このため図3の直線Dに示す
如く、油圧が上昇しても油量はほぼ一定となる。従っ
て、車輌走行時にパワーステアリングを操舵しても、作
動油量は常に一定に維持される。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明は、以下の如く効果を有
する。
【0036】可変容量オイルポンプにおいて、吐出ポー
トからの吐出圧の増加に応じてカムリングの偏心量を増
加させる偏心量増加手段を設けた。これにより、吐出圧
が増加しても、偏心量増加手段によりカムリングの偏心
量が増加するために、減少した吐出量を補う分の作動油
が供給され、常に一定の作動油を吐出することが可能に
なる。
【0037】請求項2の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0038】偏心量増加手段は、カムリングの偏心中心
を、カムリングの中心点と吐出ポートの中心点とを結ぶ
直線よりもカムリングの偏心側に偏心させたものとし
た。吐出圧が増加するとカムリングの偏心量も増加する
ため、減少した吐出量を補う分の作動油が供給され、常
に一定の作動油を吐出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における車輌用油圧駆動システムの部分
断面概略図である。
【図2】本発明における、可変容量オイルポンプの吐出
圧の作用方向を示す図である。
【図3】本発明における、可変容量オイルポンプの、吐
出圧(油圧)と吐出油量の関係を示すグラフである。
【図4】従来例における、可変容量オイルポンプの部分
断面図である。
【符号の説明】
10 車輌油圧駆動システム 11 可変容量オイルポンプ 12 リザーバタンク 13 吸込通路 14 吐出通路 15 ボディー 17 ロータ 18 カムリング 18a 突起部 19 作動空間 191 吸込部 192 締切部 193 吐出部 194 閉込部 20 ピン 21 リターンスプリング 22 コントロールピストン 23 吐出量制御手段 24 吸込ポート 25 吐出ポート 26 サブオイルポンプ 27 比例制御弁 28 エレクトロニックコントロールユニット(EC
U) 29 サブオイルポンプ用吸込通路 30 サブオイルポンプ用吐出通路 31 バイパス通路 32 分流弁 33 第1通路 34 第2通路 35 ハンドル 36 パワーステアリング 37 通路 38 油圧モータ 39 冷却ファン 40 通路 41 リリーフバルブ 42 リリーフ通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディーと、前記ボディー内に配設され
    回転自在に支持されたロータと、前記ロータの周りに配
    設され前記ロータに対して偏心可能なカムリングと、前
    記ボディーに形成され作動油を前記カムリングと前記ロ
    ータとで囲まれた作動空間内に吸い込む吸込ポートと、
    前記ボディーに形成され前記作動空間内の作動油を外部
    に吐出する吐出ポートと、前記ロータの半径方向に配さ
    れ一端が前記ロータに連結され他端が常に前記カムリン
    グの内周と接触している複数のベーンとからなり、前記
    吸込ポートから吸い込まれ隣接する前記ベーン間の空間
    に充満される作動油を前記ロータの回転により運搬して
    前記吐出ポートに送り込み作動油を吐出するものであ
    り、前記ロータに対する前記カムリングの偏心量が大き
    くなるにつれて前記吸込ポート及び前記吐出ポートの前
    記作動空間に面する開口面積が増加して作動油の吐出量
    が増加する可変容量オイルポンプにおいて、 前記可変容量オイルポンプは、前記吐出ポートからの吐
    出圧の増加に応じて前記カムリングの偏心量を増加させ
    る偏心量増加手段を備えることを特徴とする、可変容量
    オイルポンプ。
  2. 【請求項2】 前記偏心量増加手段は、前記カムリング
    の支点中心を前記カムリングの中心点と前記吐出ポート
    の中心点とを結ぶ直線よりも前記カムリングの偏心方向
    側と逆方向側に位置させたものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の可変容量オイルポンプ。
JP25384395A 1995-09-29 1995-09-29 可変容量オイルポンプ Pending JPH0988844A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25384395A JPH0988844A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 可変容量オイルポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25384395A JPH0988844A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 可変容量オイルポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0988844A true JPH0988844A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17256912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25384395A Pending JPH0988844A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 可変容量オイルポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0988844A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100974592B1 (ko) * 2008-07-24 2010-08-06 현대자동차주식회사 가변 오일 펌프
DE102010000621A1 (de) 2009-03-04 2010-11-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi Variables Ventilsystem und Steuerungsverfahren für dasselbe

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100974592B1 (ko) * 2008-07-24 2010-08-06 현대자동차주식회사 가변 오일 펌프
DE102010000621A1 (de) 2009-03-04 2010-11-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi Variables Ventilsystem und Steuerungsverfahren für dasselbe
DE102010000621B4 (de) * 2009-03-04 2015-09-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Variables Ventilsystem und Steuerungsverfahren für dasselbe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7798790B2 (en) Vane pump using line pressure to directly regulate displacement
US5490770A (en) Vane pump having vane pressurizing grooves
US5398505A (en) Fluid pressure driving system
US9534519B2 (en) Variable displacement vane pump with integrated fail safe function
US4412789A (en) Oil pump unit
JPH08114186A (ja) オイルポンプ装置
EP3102830B1 (en) Variable displacement vane pump with integrated fail safe function
JPH0116710B2 (ja)
JPH0988844A (ja) 可変容量オイルポンプ
US20020192080A1 (en) Dual discharge hydraulic pump and system therefor
JPH0914155A (ja) 可変容量オイルポンプ
JPH06329041A (ja) 車速感応式パワーステアリング
JP3355866B2 (ja) 動力舵取装置
CA2930741C (en) Variable displacement vane pump with integrated fail safe function
JPS6118030B2 (ja)
JP4495993B2 (ja) 左右駆動力配分装置
JPH06146882A (ja) 車両用油圧駆動システム
US11149731B2 (en) Pump apparatus having axially moving shaft bearing disposed adjacent a pressure relief passage to facilitate a pressure relief function of same
JPH06316271A (ja) パワーステアリング装置
JPH0648085Y2 (ja) 出力調整式エンジン用オイルポンプ装置
JP6491305B1 (ja) 2段可変オイルポンプ
JP2003176791A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JPH06336925A (ja) 車両用油圧駆動システム
JPH09226610A (ja) パワーステアリング装置
JPS6327556B2 (ja)