JPH0987729A - 溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ - Google Patents
溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュInfo
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- JPH0987729A JPH0987729A JP25112995A JP25112995A JPH0987729A JP H0987729 A JPH0987729 A JP H0987729A JP 25112995 A JP25112995 A JP 25112995A JP 25112995 A JP25112995 A JP 25112995A JP H0987729 A JPH0987729 A JP H0987729A
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】 連続鋳造設備を用いて品質の安定した小ロ
ットの鋼種を効率よく安価に生産できる、溶鋼成分調整
用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タン
ディッシュを提供する。 【解決手段】 内部に合金鉄を通気可能に充填したフー
プ被覆ワイヤを用いワイヤ自体に撹拌用のガスを流すと
ともに、投入ワイヤのフープが溶鋼内の適正高さ位置で
融解されるように、フープ肉厚を、タンディッシュの区
分堰の高さ、湯面高さ、およびワイヤ投入速度に基づい
て設定し、さらにこのワイヤが投入されるタンディッシ
ュの成分調整室にワイヤ投入時の巻き込みスラグによる
汚染防止用の小堰を設ける。
ットの鋼種を効率よく安価に生産できる、溶鋼成分調整
用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タン
ディッシュを提供する。 【解決手段】 内部に合金鉄を通気可能に充填したフー
プ被覆ワイヤを用いワイヤ自体に撹拌用のガスを流すと
ともに、投入ワイヤのフープが溶鋼内の適正高さ位置で
融解されるように、フープ肉厚を、タンディッシュの区
分堰の高さ、湯面高さ、およびワイヤ投入速度に基づい
て設定し、さらにこのワイヤが投入されるタンディッシ
ュの成分調整室にワイヤ投入時の巻き込みスラグによる
汚染防止用の小堰を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼成分調整用合
金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディ
ッシュに関し、詳しくは、連続鋳造設備における多品種
小ロット生産用の堰区分型のタンディッシュに用いて好
適な、溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適
した小ロット用タンディッシュに関する。
金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディ
ッシュに関し、詳しくは、連続鋳造設備における多品種
小ロット生産用の堰区分型のタンディッシュに用いて好
適な、溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適
した小ロット用タンディッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼製品要求の多様化に伴い、もと
もと大ロット生産に適するように造られている連続鋳造
設備を多品種小ロット生産にも適用する工夫がなされる
ようになってきた。例えば、実公平7-15659 号公報に
は、マルチストランド方式の連続鋳造設備に設けたタン
ディッシュを、分割用堰により複数の堰に区分し、区分
された室にそれぞれモールドに溶鋼を注入するためのタ
ンディッシュノズルを設けるとともに、少なくとも一室
に添加合金投入ホッパと底吹式ガスバブリング装置とを
設けた小ロット生産用タンディッシュにあって、前記底
吹式ガスバブリング装置を底部にもち、かつ、前記添加
合金投入ホッパの下方に設置したコップ状受堰を敷設し
たことを特徴とする小ロット生産用タンディッシュが開
示されている。
もと大ロット生産に適するように造られている連続鋳造
設備を多品種小ロット生産にも適用する工夫がなされる
ようになってきた。例えば、実公平7-15659 号公報に
は、マルチストランド方式の連続鋳造設備に設けたタン
ディッシュを、分割用堰により複数の堰に区分し、区分
された室にそれぞれモールドに溶鋼を注入するためのタ
ンディッシュノズルを設けるとともに、少なくとも一室
に添加合金投入ホッパと底吹式ガスバブリング装置とを
設けた小ロット生産用タンディッシュにあって、前記底
吹式ガスバブリング装置を底部にもち、かつ、前記添加
合金投入ホッパの下方に設置したコップ状受堰を敷設し
たことを特徴とする小ロット生産用タンディッシュが開
示されている。
【0003】この底吹式ガスバブリング装置は、溶鋼の
温度や成分調整のために撹拌用として設けられ、ポーラ
ス煉瓦で構成されている。しかし、ポーラス煉瓦からな
る撹拌用の底吹式ガスバブリング装置は、操業中にポー
ラス煉瓦に溶鋼が徐々に浸透して撹拌能力が漸次低下
し、溶鋼の成分・温度が不均一の度を増すため品質の信
頼性に乏しいという問題を抱えている。
温度や成分調整のために撹拌用として設けられ、ポーラ
ス煉瓦で構成されている。しかし、ポーラス煉瓦からな
る撹拌用の底吹式ガスバブリング装置は、操業中にポー
ラス煉瓦に溶鋼が徐々に浸透して撹拌能力が漸次低下
し、溶鋼の成分・温度が不均一の度を増すため品質の信
頼性に乏しいという問題を抱えている。
【0004】成分調整用合金の添加方法に関しては、上
記の粒状合金投入・底吹撹拌による方法以外に、例えば
特開昭50-128603 号公報に開示されるように、不活性ガ
ス上吹バブリングのランス中に金属または合金のワイヤ
を送り込み、ランス下端近傍で溶鋼と接触し溶解せしめ
るという方法もある。この方法では上記のような問題は
起こらないが、ワイヤの周囲から下方にガスを噴出して
バブリングを行うためワイヤ自体に撹拌力が及びにくい
から溶鋼の成分・温度の不均一を招きやすいほか、ラン
スの消耗による不純物の混入やランス交換作業による能
率低下およびコストアップなどの問題がある。
記の粒状合金投入・底吹撹拌による方法以外に、例えば
特開昭50-128603 号公報に開示されるように、不活性ガ
ス上吹バブリングのランス中に金属または合金のワイヤ
を送り込み、ランス下端近傍で溶鋼と接触し溶解せしめ
るという方法もある。この方法では上記のような問題は
起こらないが、ワイヤの周囲から下方にガスを噴出して
バブリングを行うためワイヤ自体に撹拌力が及びにくい
から溶鋼の成分・温度の不均一を招きやすいほか、ラン
スの消耗による不純物の混入やランス交換作業による能
率低下およびコストアップなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の問
題に鑑み、本発明は、連続鋳造設備を用いて品質の安定
した小ロットの鋼種を効率よく安価に生産できる、溶鋼
成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロッ
ト用タンディッシュを提供することを課題とする。
題に鑑み、本発明は、連続鋳造設備を用いて品質の安定
した小ロットの鋼種を効率よく安価に生産できる、溶鋼
成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロッ
ト用タンディッシュを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶鋼成分
調整用合金鉄ワイヤの合金充填率が低い場合、その溶鋼
への投入時に、溶鋼の撹拌の程度がとくに大きくなる現
象がみられることに着目し、鋭意検討を重ねて本発明を
なすに至った。本発明は、外周を鉄主体の非通気層(フ
ープ)で被覆され、内部に合金鉄が通気可能に充填され
てなることを特徴とする溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤで
ある。該合金鉄ワイヤにおいては可能な通気量が少なく
とも1NL/min となるように構成するのが好ましい。
かかる通気量を確保するためには、充填される合金鉄の
断面中心付近にパイプ状の通気孔を設けるか、あるい
は、合金鉄として多孔質材料のものを用いるのがよい。
調整用合金鉄ワイヤの合金充填率が低い場合、その溶鋼
への投入時に、溶鋼の撹拌の程度がとくに大きくなる現
象がみられることに着目し、鋭意検討を重ねて本発明を
なすに至った。本発明は、外周を鉄主体の非通気層(フ
ープ)で被覆され、内部に合金鉄が通気可能に充填され
てなることを特徴とする溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤで
ある。該合金鉄ワイヤにおいては可能な通気量が少なく
とも1NL/min となるように構成するのが好ましい。
かかる通気量を確保するためには、充填される合金鉄の
断面中心付近にパイプ状の通気孔を設けるか、あるい
は、合金鉄として多孔質材料のものを用いるのがよい。
【0007】また、前記合金鉄ワイヤは、そのフープの
肉厚が、タンディッシュ内の溶鋼深さ(湯面高さ)、タ
ンディッシュを区分する堰の高さ、およびワイヤの送り
速度に基づいて設定されることを特徴とし、この設定
は、フープの肉厚をH(mm)、湯面高さをb(mm)、堰の高
さをa(mm)、ワイヤの送り速度をv(mm/s)、フープの融
解速度定数をk(mm/s)として、以下の式を満たすように
行うのが好ましい。
肉厚が、タンディッシュ内の溶鋼深さ(湯面高さ)、タ
ンディッシュを区分する堰の高さ、およびワイヤの送り
速度に基づいて設定されることを特徴とし、この設定
は、フープの肉厚をH(mm)、湯面高さをb(mm)、堰の高
さをa(mm)、ワイヤの送り速度をv(mm/s)、フープの融
解速度定数をk(mm/s)として、以下の式を満たすように
行うのが好ましい。
【0008】k(b−a)/v<H<kb/v また、本発明は、前記合金鉄ワイヤの使用に適した小ロ
ット用タンディッシュであり、該タンディッシュは、堰
により複数の室に区分され、各室にそれぞれモールドに
溶鋼を注入するためのタンディッシュノズルが設けら
れ、かつ、成分調整が行われる室には室区分用の前記堰
と前記タンディッシュノズルへの流入孔の間に小堰が設
けられてなることを特徴とする。
ット用タンディッシュであり、該タンディッシュは、堰
により複数の室に区分され、各室にそれぞれモールドに
溶鋼を注入するためのタンディッシュノズルが設けら
れ、かつ、成分調整が行われる室には室区分用の前記堰
と前記タンディッシュノズルへの流入孔の間に小堰が設
けられてなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の溶鋼成分調整用合金鉄ワ
イヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ
の説明図を図1に示す。図1の(a)は全体の概略断面
図、(b)は(a)のA−A矢視図、(c)および
(d)は好ましい形態の合金鉄ワイヤの断面図である。
図1において、1は取鍋、2はロングノズル、3はタン
ディッシュ、4はイマージョンノズル(タンディッシュ
ノズル)、5は堰、51は窓、6は小堰、7は合金鉄ワイ
ヤ、71はフープ、72は合金鉄、73はパイプ状の通気孔、
74は多孔質の合金鉄、8は溶鋼、81は鋼浴面、9はモー
ルド、10は気泡、Gは撹拌用のガス、Xは受鋼室、Yは
成分調整室である。
イヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ
の説明図を図1に示す。図1の(a)は全体の概略断面
図、(b)は(a)のA−A矢視図、(c)および
(d)は好ましい形態の合金鉄ワイヤの断面図である。
図1において、1は取鍋、2はロングノズル、3はタン
ディッシュ、4はイマージョンノズル(タンディッシュ
ノズル)、5は堰、51は窓、6は小堰、7は合金鉄ワイ
ヤ、71はフープ、72は合金鉄、73はパイプ状の通気孔、
74は多孔質の合金鉄、8は溶鋼、81は鋼浴面、9はモー
ルド、10は気泡、Gは撹拌用のガス、Xは受鋼室、Yは
成分調整室である。
【0010】図1に示されるように、小ロット生産に対
応するタンディッシュ3は、堰5によって複数の室に区
分されている。取鍋1にて大ロット用に成分調整された
溶鋼8は、ロングノズル3を経由して受鋼室Xに注入さ
れ、受鋼室Xの底部のイマージョンノズル4を介してモ
ールド9に鋳込まれるとともに、その一部は堰5に設け
た窓51から溢流して成分調整室Yに導かれ、合金添加お
よび撹拌により小ロット向けに成分を調整され、成分調
整室Yの底部のイマージョンノズル4を介して受鋼室X
とは別のモールド9に鋳込まれる。
応するタンディッシュ3は、堰5によって複数の室に区
分されている。取鍋1にて大ロット用に成分調整された
溶鋼8は、ロングノズル3を経由して受鋼室Xに注入さ
れ、受鋼室Xの底部のイマージョンノズル4を介してモ
ールド9に鋳込まれるとともに、その一部は堰5に設け
た窓51から溢流して成分調整室Yに導かれ、合金添加お
よび撹拌により小ロット向けに成分を調整され、成分調
整室Yの底部のイマージョンノズル4を介して受鋼室X
とは別のモールド9に鋳込まれる。
【0011】この合金添加および撹拌の工程で、本発明
によれば、フープ71で被覆され内部に合金鉄72,74を通
気可能に充填した合金鉄ワイヤ7を、成分調整室Y内の
溶鋼8に送り込み、合金鉄ワイヤ7の内部に撹拌用のガ
スGを流すことで、溶鋼8中でフープ71が融解を終える
合金鉄ワイヤ7先端において合金鉄72または74自身の内
部から直接気泡10を噴出させて溶鋼を撹拌することがで
きる。なお、ガスGには、ArあるいはN2 などの不活性
ガスを用いる。それゆえ、前記した従来技術の諸問題、
すなわち、底吹バブリングにおけるポーラス煉瓦の経時
劣化の問題や、上吹ランスでのワイヤ周辺の不均一撹拌
およびランス交換による能率低下などの問題は解消さ
れ、溶鋼8の温度および成分を容易に均一化させながら
安定した成分調整を行うことができるのである。
によれば、フープ71で被覆され内部に合金鉄72,74を通
気可能に充填した合金鉄ワイヤ7を、成分調整室Y内の
溶鋼8に送り込み、合金鉄ワイヤ7の内部に撹拌用のガ
スGを流すことで、溶鋼8中でフープ71が融解を終える
合金鉄ワイヤ7先端において合金鉄72または74自身の内
部から直接気泡10を噴出させて溶鋼を撹拌することがで
きる。なお、ガスGには、ArあるいはN2 などの不活性
ガスを用いる。それゆえ、前記した従来技術の諸問題、
すなわち、底吹バブリングにおけるポーラス煉瓦の経時
劣化の問題や、上吹ランスでのワイヤ周辺の不均一撹拌
およびランス交換による能率低下などの問題は解消さ
れ、溶鋼8の温度および成分を容易に均一化させながら
安定した成分調整を行うことができるのである。
【0012】撹拌を均一に行うためには、ガスGの流量
すなわち合金鉄ワイヤ7の通気量は、少なくとも1NL
/min とするのが望ましい。それには、図1(c)に示
すように合金鉄72の断面に中空の通気孔73をもたせる
か、図1(d)に示すように充填材として多孔質の合金
鉄74を用いて、合金鉄ワイヤ7を構成するのが好適であ
る。1NL/min 以上の通気量を確保するための通気孔
73の孔径あるいは多孔質の合金鉄74の気孔率または充填
率は、実験により容易に求められる。なお、この通気量
に関しては、特に上限を設けないが、過剰なガスの添加
はタンディッシュ内のスラグを巻き込むことにより、鋳
片の品質を悪化させるおそれがある。鋳片品質向上の観
点から 100NL/min までにとどめておくのが望まし
い。
すなわち合金鉄ワイヤ7の通気量は、少なくとも1NL
/min とするのが望ましい。それには、図1(c)に示
すように合金鉄72の断面に中空の通気孔73をもたせる
か、図1(d)に示すように充填材として多孔質の合金
鉄74を用いて、合金鉄ワイヤ7を構成するのが好適であ
る。1NL/min 以上の通気量を確保するための通気孔
73の孔径あるいは多孔質の合金鉄74の気孔率または充填
率は、実験により容易に求められる。なお、この通気量
に関しては、特に上限を設けないが、過剰なガスの添加
はタンディッシュ内のスラグを巻き込むことにより、鋳
片の品質を悪化させるおそれがある。鋳片品質向上の観
点から 100NL/min までにとどめておくのが望まし
い。
【0013】また、本発明においては、合金鉄ワイヤ7
の成分が受鋼室X側に逆流し、そこの溶鋼8を汚染する
ことを防ぎ、かつ、成分調整室Y内の溶鋼8中で合金鉄
ワイヤ7を未融解のままタンディッシュ3の敷部(底
面)に衝突させないために、合金鉄ワイヤ7先端のフー
プ71が、堰5に開けた窓51の下縁部(堰口という)とタ
ンディッシュ3の敷部の間でちょうど融解を終えるよう
にフープ71の肉厚H(mm)が設定される。すなわち、タ
ンディッシュ3内の溶鋼深さ(湯面高さ;タンディッシ
ュ3の敷部から鋼浴面81までの距離)、堰5の高さ(タ
ンディッシュ3の敷部から堰口までの距離)、およびワ
イヤの送り速度に基づいて設定される。具体的には、フ
ープ71の肉厚H(mm)が、湯面高さをb(mm)、堰5の高さ
をa(mm)、合金鉄ワイヤ7の送り速度をv(mm/s)、フー
プ71の融解速度定数をk(mm/s)として、以下の式を満た
すように設定される。
の成分が受鋼室X側に逆流し、そこの溶鋼8を汚染する
ことを防ぎ、かつ、成分調整室Y内の溶鋼8中で合金鉄
ワイヤ7を未融解のままタンディッシュ3の敷部(底
面)に衝突させないために、合金鉄ワイヤ7先端のフー
プ71が、堰5に開けた窓51の下縁部(堰口という)とタ
ンディッシュ3の敷部の間でちょうど融解を終えるよう
にフープ71の肉厚H(mm)が設定される。すなわち、タ
ンディッシュ3内の溶鋼深さ(湯面高さ;タンディッシ
ュ3の敷部から鋼浴面81までの距離)、堰5の高さ(タ
ンディッシュ3の敷部から堰口までの距離)、およびワ
イヤの送り速度に基づいて設定される。具体的には、フ
ープ71の肉厚H(mm)が、湯面高さをb(mm)、堰5の高さ
をa(mm)、合金鉄ワイヤ7の送り速度をv(mm/s)、フー
プ71の融解速度定数をk(mm/s)として、以下の式を満た
すように設定される。
【0014】k(b−a)/v<H<kb/v この融解速度定数kは、用いる合金鉄ワイヤ7の規格に
応じて予め求めておけばよい。また、同じ規格に適用す
べき合金鉄ワイヤ7のフープ71の肉厚がたまたま不揃い
であった場合でも、上式を変形した式、k(b−a)/
H<v<kb/H、を満足するように合金鉄ワイヤ7の
送り速度vを制御することにより、連続して操業を続け
ることができる。
応じて予め求めておけばよい。また、同じ規格に適用す
べき合金鉄ワイヤ7のフープ71の肉厚がたまたま不揃い
であった場合でも、上式を変形した式、k(b−a)/
H<v<kb/H、を満足するように合金鉄ワイヤ7の
送り速度vを制御することにより、連続して操業を続け
ることができる。
【0015】なお合金鉄ワイヤ7の外径については特に
限定されず、従来多用されている 0.1mm〜10mmの範囲の
外径が適用可能である。フープ71の肉厚を上記のように
設定することにより、合金鉄ワイヤ7先端のフープ71が
堰口と敷部の間で融解を終え、剥き出しとなった合金鉄
72または74が、それ自身から吐出される撹拌用のガスG
の作用で速やかに撹拌・溶解し、溶鋼8の成分・温度が
均一化する。
限定されず、従来多用されている 0.1mm〜10mmの範囲の
外径が適用可能である。フープ71の肉厚を上記のように
設定することにより、合金鉄ワイヤ7先端のフープ71が
堰口と敷部の間で融解を終え、剥き出しとなった合金鉄
72または74が、それ自身から吐出される撹拌用のガスG
の作用で速やかに撹拌・溶解し、溶鋼8の成分・温度が
均一化する。
【0016】また、本発明の合金鉄ワイヤ7の使用に適
した小ロット用タンディッシュは、、タンディッシュ3
の成分調整室Yにおける堰5とイマージョンノズル4に
通じる開口部との間に、小堰6を設けてなる。そして、
合金鉄ワイヤ7を、堰5と小堰6の間の領域に投入す
る。この構成により、合金鉄ワイヤ7の溶鋼8への投入
時に、鋼浴面81上の図示しないタンディッシュスラグが
巻き込まれても、それを小堰6によって滞流させ、イマ
ージョンノズル4側への流出を妨げるとともに、浮上時
間を稼ぐことができるので、成分調整室Y内の溶鋼8の
清浄度を確保することができる。
した小ロット用タンディッシュは、、タンディッシュ3
の成分調整室Yにおける堰5とイマージョンノズル4に
通じる開口部との間に、小堰6を設けてなる。そして、
合金鉄ワイヤ7を、堰5と小堰6の間の領域に投入す
る。この構成により、合金鉄ワイヤ7の溶鋼8への投入
時に、鋼浴面81上の図示しないタンディッシュスラグが
巻き込まれても、それを小堰6によって滞流させ、イマ
ージョンノズル4側への流出を妨げるとともに、浮上時
間を稼ぐことができるので、成分調整室Y内の溶鋼8の
清浄度を確保することができる。
【0017】
(実施例1)S含有量のみが互いに異なる表1に示す成
分の鋼Aおよび鋼Bを、2ストランド鋳造の連続鋳造設
備を用いて並列的に製造するに際し、取鍋精錬段階では
S含有量の低い鋼Aの成分に調整しておき、その溶鋼を
図1に例示した本発明の小ロット用のタンディッシュ3
の受鋼室Xに注入し、堰5を経て成分調整室Yに導かれ
た溶鋼に本発明の要件を満たすFeSワイヤを投入して鋼
Bの成分に調整することによって、ストランド別にS含
有量の異なる鋼A,Bを鋳造し、発明例とした。ワイヤ
およびタンディッシュの諸元ならびに鋳造条件を表2に
示す。
分の鋼Aおよび鋼Bを、2ストランド鋳造の連続鋳造設
備を用いて並列的に製造するに際し、取鍋精錬段階では
S含有量の低い鋼Aの成分に調整しておき、その溶鋼を
図1に例示した本発明の小ロット用のタンディッシュ3
の受鋼室Xに注入し、堰5を経て成分調整室Yに導かれ
た溶鋼に本発明の要件を満たすFeSワイヤを投入して鋼
Bの成分に調整することによって、ストランド別にS含
有量の異なる鋼A,Bを鋳造し、発明例とした。ワイヤ
およびタンディッシュの諸元ならびに鋳造条件を表2に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】図2は、発明例および比較例による鋳片
(鋼B)のS含有量の度数分布図である。なお、比較例
は、従来の非通気性ワイヤ投入・底吹ガスバブリングに
よる鋳片のデータである。分析位置は、鋳片の幅方向に
1/4、厚さ方向に1/4の部位とし、鋳片のn数は発
明例、比較例とも 300である。図2より、S含有量の目
標値(本実施例では0.01wt%)±0.002 wt%の範囲(下
限〜上限)に納まる度数比率で成分的中率を評価する
と、比較例では80%であったが、発明例では97.8%と大
幅に向上しており、本発明の効果が顕著に現れた。
(鋼B)のS含有量の度数分布図である。なお、比較例
は、従来の非通気性ワイヤ投入・底吹ガスバブリングに
よる鋳片のデータである。分析位置は、鋳片の幅方向に
1/4、厚さ方向に1/4の部位とし、鋳片のn数は発
明例、比較例とも 300である。図2より、S含有量の目
標値(本実施例では0.01wt%)±0.002 wt%の範囲(下
限〜上限)に納まる度数比率で成分的中率を評価する
と、比較例では80%であったが、発明例では97.8%と大
幅に向上しており、本発明の効果が顕著に現れた。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造設備を用いて
品質の安定した小ロットの鋼種を効率よく安価に生産で
きるという格段の効果を奏する。
品質の安定した小ロットの鋼種を効率よく安価に生産で
きるという格段の効果を奏する。
【図1】本発明の溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびそ
の使用に適した小ロット用タンディッシュの説明図であ
り、(a)は全体の概略断面図、(b)は(a)のA−
A矢視図、(c)および(d)は好ましい形態の合金鉄
ワイヤの断面図である。
の使用に適した小ロット用タンディッシュの説明図であ
り、(a)は全体の概略断面図、(b)は(a)のA−
A矢視図、(c)および(d)は好ましい形態の合金鉄
ワイヤの断面図である。
【図2】発明例および比較例による鋳片のS含有量の度
数分布図である。
数分布図である。
G ガス X 受鋼室 Y 成分調整室 1 取鍋 2 ロングノズル 3 タンディッシュ 4 イマージョンノズル(タンディッシュノズル) 5 堰 6 小堰 7 合金鉄ワイヤ 8 溶鋼 9 モールド 10 気泡 51 窓 71 フープ 72 合金鉄 73 通気孔 74 多孔質の合金鉄 81 鋼浴面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21C 7/00 C21C 7/00 H
Claims (7)
- 【請求項1】 外周を鉄主体の非通気層(フープ)で被
覆され、内部に合金鉄が通気可能に充填されてなる溶鋼
成分調整用合金鉄ワイヤ。 - 【請求項2】 可能な通気量が、少なくとも1NL/mi
n であることを特徴とする請求項1記載の溶鋼成分調整
用合金鉄ワイヤ。 - 【請求項3】 合金鉄が、その断面の中心付近にパイプ
状の通気孔を有することを特徴とする請求項1または2
に記載の溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤ。 - 【請求項4】 合金鉄が、多孔質材料からなることを特
徴とする請求項1または2に記載の溶鋼成分調整用合金
鉄ワイヤ。 - 【請求項5】 フープの肉厚が、タンディッシュ内の溶
鋼深さ(湯面高さ)、タンディッシュを区分する堰の高
さ、およびワイヤの送り速度に基づいて設定されたこと
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶鋼成分
調整用合金鉄ワイヤ。 - 【請求項6】 フープの肉厚H(mm)が、湯面高さをb(m
m)、堰の高さをa(mm)、ワイヤの送り速度をv(mm/s)、
フープの融解速度定数をk(mm/s)として、以下の式を満
たすように設定されたことを特徴とする請求項5記載の
溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤ。 k(b−a)/v<H<kb/v - 【請求項7】 堰により複数の室に区分され、各室にそ
れぞれモールドに溶鋼を注入するためのタンディッシュ
ノズルが設けられ、かつ、成分調整が行われる室には室
区分用の前記堰と前記タンディッシュノズルへの流入孔
との間に小堰が設けられてなることを特徴とする、請求
項1〜6のいずれかに記載の溶鋼成分調整用合金鉄ワイ
ヤの使用に適した小ロット用タンディッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25112995A JPH0987729A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25112995A JPH0987729A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987729A true JPH0987729A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17218112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25112995A Pending JPH0987729A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 溶鋼成分調整用合金鉄ワイヤおよびその使用に適した小ロット用タンディッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987729A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100786484B1 (ko) * | 2006-12-27 | 2007-12-17 | 주식회사 포스코 | 연속주조 공정용 턴디쉬 |
KR101477419B1 (ko) * | 2013-08-30 | 2014-12-31 | 현대제철 주식회사 | 흡습기능을 갖는 모합금 피딩 파이프 및 모합금 피딩 파이프 제작 방법 |
CN110153382A (zh) * | 2019-06-14 | 2019-08-23 | 上海交通大学 | 在线式合金熔配方法与装置 |
CN112122567A (zh) * | 2020-09-07 | 2020-12-25 | 东北大学 | 一种结晶器喂不锈钢包芯线提升铸坯凝固质量的方法 |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP25112995A patent/JPH0987729A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100786484B1 (ko) * | 2006-12-27 | 2007-12-17 | 주식회사 포스코 | 연속주조 공정용 턴디쉬 |
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CN112122567A (zh) * | 2020-09-07 | 2020-12-25 | 东北大学 | 一种结晶器喂不锈钢包芯线提升铸坯凝固质量的方法 |
CN112122567B (zh) * | 2020-09-07 | 2021-07-09 | 东北大学 | 一种结晶器喂不锈钢包芯线提升铸坯凝固质量的方法 |
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