JPH0987672A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH0987672A
JPH0987672A JP24614995A JP24614995A JPH0987672A JP H0987672 A JPH0987672 A JP H0987672A JP 24614995 A JP24614995 A JP 24614995A JP 24614995 A JP24614995 A JP 24614995A JP H0987672 A JPH0987672 A JP H0987672A
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JP
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glycine derivative
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glycine
cleaning composition
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JP24614995A
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Inventor
Hiroe Tanahashi
弘枝 棚橋
Toshio Nozaki
利雄 野崎
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)式(1) 【化1】 (R1 はC5〜C21のアルキル、アルケニル又はヒドロ
キシアルキル基)で表わされるグリシン誘導体又はその
塩、及び(B)一般式(2) 【化2】 (a及びcはそれぞれ0〜500の数を示し、a+cは
1〜500。bは1〜500の数)で表わされるエチレ
ンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体を含
有する洗浄剤組成物。 【効果】 低刺激で、泡立ち及び泡すべりに優れ、しか
も洗浄時から洗浄後の使用感も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関
し、更に詳細には、皮膚及び毛髪に対して低刺激であ
り、泡立ち及び泡すべりが良好で、洗浄時から洗浄後の
使用感に優れた洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】身体用洗浄剤組成物は、一般にアニオン
界面活性剤を主成分としており、皮膚洗浄用としては、
石鹸、即ち高級脂肪酸塩が、また頭髪洗浄用としては、
アルキル硫酸塩やアルキルスルホン酸塩が主に用いられ
ている。しかしながら、皮膚洗浄用に用いられる石鹸
は、すすぎ時にきしみやつっぱりを生じるという欠点が
あり、頭髪洗浄用に用いられるアルキル硫酸塩やアルキ
ルスルホン酸塩は、洗浄力に優れているものの刺激性の
点で問題があった。
【0003】そこで、使用感に優れ、低刺激な界面活性
剤として、特定のN−アシル化アミノ酸型界面活性剤を
洗浄剤の主基剤として用いることが検討されているが、
これは単独では起泡性に乏しく、また、その泡も粗く、
たよりない質感であり、泡すべりも悪く、実用レベルで
充分満足のいくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低刺激で、起泡性及び泡すべりに優れるとともに、
洗浄時から洗浄後の使用感に優れた洗浄剤組成物を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、特定のグリシン誘導
体とエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共
重合体を組合わせて用いれば、皮膚に対して刺激性が少
なく、起泡性及び泡すべりに優れ、しかも洗浄時から洗
浄後の使用感に優れた洗浄剤組成物が得られることを見
出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(A)一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 は炭素数5〜21の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアル
キル基を示す)で表わされるグリシン誘導体又はその
塩、及び(B)一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、a及びcはそれぞれ0〜500の
数を示し、a+cは1〜500である。bは1〜500
の数を示す)で表わされるエチレンオキシド・プロピレ
ンオキシドブロック共重合体を含有する洗浄剤組成物を
提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(A)成分は
前記一般式(1)で表わされるグリシン誘導体又はその
塩である。式中、R1 で示される炭素数5〜21の直鎖
又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシア
ルキル基としては、例えばn−ペンチル基、n−ヘプチ
ル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、
n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル
基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘ
プタデシル基、メチルヘキサデシル基、エチルペンチル
基、ヘプタデセニル基、ヒドロキシウンデシル基等が挙
げられる。これらのうち、起泡性等の点から炭素数7〜
17のアルキル基、アルケニル基が好ましく、特に炭素
数9〜15のものが好ましい。
【0012】また、一般式(1)で表わされるグリシン
誘導体の塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、総炭素数1〜22のモ
ノ、ジ又はトリアルカノールアミン塩、炭素数1〜22
のアルキル基又はアルケニル基置換ピリジニウム塩、総
炭素数2〜500及び総アミノ数2〜250のポリアル
キレンポリアミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、
例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カ
ルシウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、
エチレンジアミン塩、プロピレンジアミン塩、アルギニ
ン塩、ヒスチジン塩、リジン塩等が挙げられる。これら
のうち、アルカリ金属塩、トリアルカノールアミン塩、
塩基性アミノ酸塩が好ましく、特にナトリウム塩、カリ
ウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩、更に
ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
【0013】これらの一般式(1)で表わされるグリシ
ン誘導体の塩は、必ずしも塩として配合する必要はな
く、グリンシ誘導体と、このような塩を形成する塩基と
を別個に配合して、組成物中で塩を形成せしめてもよ
い。このような塩を形成する塩基としては、例えばアル
カリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモ
ニア、炭素数1〜22のモノ、ジ又はトリアルカノール
アミン、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基
置換ピリジン、総炭素数2〜500及び総アミノ数2〜
250のポリアルキレンポリアミン、塩基性アミノ酸等
が挙げられ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニ
ア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、アルギニン、ヒスチジン、リジン等が挙げられ
る。
【0014】(A)成分としては、N−ラウロイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩、N−ラウロ
イル−N−カルボキシエチルグリシンカリウム塩、N−
ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシントリエタノ
ールアミン塩、N−ミリストイル−N−カルボキシエチ
ルグリシンナトリウム塩、N−ミリストイル−N−カル
ボキシエチルグリシンカリウム塩、N−ミリストイル−
N−カルボキシエチルグリシントリエタノールアミン
塩、N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシン
アルギニン塩、N−ココイル−N−カルボキシエチルグ
リシンナトリウム塩、N−ココイル−N−カルボキシエ
チルグリシントリエタノールアミン塩、N−ココイル−
N−カルボキシエチルグリシンカリウム塩が好ましい。
【0015】このようなグリシン誘導体(1)又はその
塩は、例えば以下に示す反応式に従って製造することが
できる。
【0016】
【化5】
【0017】すなわち、一般式(3)で表わされるグリ
シン又はその塩に、アクリロニトリルを反応させてグリ
シン誘導体(4)又はその塩を得(工程A)、これを加
水分解し、必要に応じて塩交換してグリシン誘導体
(7)又はその塩を得(工程B)、次いでこれに酸クロ
ライド(5)を反応させ、必要に応じて塩交換すること
により(工程E)、(A)成分のグリシン誘導体(1)
又はその塩を得ることができる。また、工程Aにより得
られたグリシン誘導体(4)又はその塩に、酸クロライ
ド(5)を反応させ、必要に応じて塩交換してグリシン
誘導体(6)又はその塩を得(工程C)、次いでこれを
加水分解し、必要に応じて塩交換することにより(工程
D)、(A)成分のグリシン誘導体(1)又はその塩を
得ることもできる。
【0018】以下、各工程について説明する。 (工程A)本工程は、グリシン(3)又はその塩にアク
リロニトリルを反応させ、グリシン誘導体(4)又はそ
の塩を得る工程である。原料であるグリシン又はその
塩、及びアクリロニトリルは公知の方法で製造されたも
の、市販されているもの等いずれを用いてもよいが、必
要に応じて再結晶、蒸留等の精製を行ったものを用いて
もよい。
【0019】グリシン(3)又はその塩の具体例として
は、グリシン、グリシンナトリウム塩、グリシンカリウ
ム塩、グリシンリチウム塩、グリシンマグネシウム塩、
グリシンカルシウム塩、グリシンアンモニウム塩、グリ
シンエチレンジアミン塩、グリシンプロピレンジアミン
塩等が挙げられ、グリシンナトリウム塩、グリシンカリ
ウム塩、グリシンアンモニウム塩が特に好ましい。
【0020】本工程においては、グリシン(3)又はそ
の塩と0.5〜10当量のアクリロニトリルを水中に
て、10〜100℃、好ましくは30〜70℃の適当な
温度で0.5〜100時間、好ましくは1〜3時間反応
させ、更に必要なら電気透析機等を用いて対イオンを交
換することにより、グリシン誘導体(4)又はその塩を
得ることができる。なお、反応時間が100時間より長
くなるとシアノ基の加水分解等の副反応が併発し好まし
くない。反応の際、グリシン(3)又はその塩の水溶液
にアクリロニトリルを徐々に滴下するなどの処置を行え
ば、アクリロニトリルの重合等の副反応が著しく抑えら
れ、収率が向上し好ましい。本工程により得られるグリ
シン誘導体(4)又はその塩はそのまま次の工程に用い
ることができるが、必要に応じて水、メタノール、エタ
ノール等の溶媒を用いて再結晶を行い、更に高純度の精
製品とすることもできる。
【0021】(工程B)本工程は、工程Aで得られたグ
リシン誘導体(4)又はその塩のシアノ基を、好ましく
は塩基性物質の存在下で加水分解せしめ、グリシン誘導
体(7)又はその塩を得る工程である。ここで用いられ
る塩基性物質としては、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物等が挙げられ、具体例としては水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
【0022】本工程においては、グリシン誘導体(4)
又はその塩を0.1〜30当量の塩基性物質の存在下、
水溶液中にて、必要なら水とメタノール、エタノール、
イソプロパノール、アセトン、1,3−プロパンジオー
ル、プロピレングリコール等の極性溶媒との混合溶液中
にて、50〜100℃、好ましくは70〜100℃の適
当な温度で0.5〜100時間反応させ、更に必要なら
電気透析機等を用いて対イオンを交換することにより、
グリシン誘導体(7)又はその塩を得ることができる。
本工程により得られるグリシン誘導体(7)又はその塩
はそのまま次の工程に用いることができるが、必要に応
じて水、メタノール、エタノール等の溶媒を用いて再結
晶を行い、更に高純度の精製品とすることもできる。
【0023】(工程C)本工程は、工程Aで得られたグ
リシン誘導体(4)又はその塩に、好ましくはアルカリ
性物質の存在下、酸クロライド(5)を反応させ、グリ
シン誘導体(6)又はその塩を得る工程である。原料で
ある酸クロライド(5)は公知の方法で製造されたも
の、市販されているもの等いずれを用いてもよいが、必
要に応じて蒸留等の精製を行ったものを用いてもよい。
酸クロライド(5)の具体例としては、ヘキサン酸クロ
ライド、オクタン酸クロライド、デカン酸クロライド、
ドデカン酸クロライド、テトラデカン酸クロライド、ヘ
キサデカン酸クロライド、オクタデカン酸クロライド、
2−エチルヘキサン酸クロライド、イソステアリン酸ク
ロライド、オレイン酸クロライド等の単一組成の脂肪酸
クロライド、ヤシ油脂肪酸クロライド、牛脂脂肪酸クロ
ライド等の混和組成の脂肪酸クロライドが挙げられる。
【0024】本工程においては、グリシン誘導体(4)
又はその塩と通常0.8〜5.0当量、好ましくは0.
9〜1.3当量の酸クロライド(5)を水溶液中にて、
必要なら水とメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、1,3−プロパンジオール、プロピレン
グリコール等の極性溶媒との混合溶液中にて、0〜10
0℃、好ましくは10〜50℃の適当な温度で0.5〜
100時間反応させ、更に必要なら電気透析機等を用い
て対イオンを交換することにより、グリシン誘導体
(6)又はその塩を得ることができる。もし酸クロライ
ド(5)の使用量が上記の範囲より少ない場合には、反
応物中にグリシン誘導体(4)又はその塩が多量に残留
し、また上記の範囲より多い場合には、未反応の酸クロ
ライド(5)から多量の脂肪酸が副生するので好ましく
ない。
【0025】本工程において、反応性を確保し一定の反
応を進行させるためには、反応系にアルカリ性物質を添
加し系内のpHをアルカリ側に、好ましくはpHを9.0〜
11.0の範囲に保つのが望ましい。反応系のpHがこの
範囲より低い場合には、反応の進行により副生する塩酸
が未反応のグリシン誘導体(4)と塩を形成し反応が充
分に進行せず、一方pHがこの範囲より高い場合には、酸
クロライド(5)の分解が促進され脂肪酸が多く副生す
る。用いられるアルカリ性物質の具体例としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水
酸化バリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、トリエチ
ルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン
等の有機塩基が挙げられるが、特に水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが実用的である。これらのアルカリ性物
質の使用量は、系内pHを前記の範囲内に維持する量であ
る。
【0026】本工程により得られるグリシン誘導体
(6)又はその塩はそのまま次の工程に用いることがで
きるが、必要に応じて水、メタノール、エタノール等の
溶媒を用いて再結晶を行うか、塩酸、硫酸等の強酸で処
理した後、グリシン誘導体(6)の酸型品を得て、それ
をアセトン、ヘキサン、石油エーテル、メタノール、エ
タノール、ブタノール等の溶媒を用いて再結晶を行い、
改めて適当な中和剤を用いてグリシン誘導体(6)又は
その塩とすることにより、更に高純度の精製品とするこ
ともできる。
【0027】(工程D)本工程は、工程Cで得られたグ
リシン誘導体(6)又はその塩のシアノ基を、好ましく
は塩基性物質の存在下で加水分解せしめ、グリシン誘導
体(1)又はその塩を得る工程である。ここで用いられ
る塩基性物質としては、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物等が挙げられ、具体例としては水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
【0028】本工程においては、グリシン誘導体(6)
又はその塩を0.1〜30当量の塩基性物質の存在下、
水溶液中、必要ならば水とメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトン、1,3−プロパンジオー
ル、プロピレングリコール等の極性溶媒との混合溶液中
にて、50〜100℃、好ましくは70〜100℃の適
当な温度で0.5〜100時間反応させ、更に必要なら
電気透析機等を用いて対イオンを交換することにより、
グリシン誘導体(1)又はその塩を得ることができる。
【0029】本工程により得られるグリシン誘導体
(1)又はその塩はそのまま洗浄剤組成物に用いること
ができるが、必要に応じて水、メタノール、エタノール
等の溶媒を用いて再結晶を行うか、塩酸、硫酸等の強酸
で処理した後、グリシン誘導体(1)の酸型品を得て、
それをアセトン、ヘキサン、石油エーテル、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等の溶媒を用いて再結晶を
行い、改めて適当な中和剤を用いてグリシン誘導体
(1)又はその塩とすることにより、更に高純度の精製
品とすることもできる。
【0030】(工程E)本工程は、工程Bで得られたグ
リシン誘導体(7)又はその塩に、好ましくはアルカリ
性物質の存在下、酸クロライド(5)を反応させ、グリ
シン誘導体(1)又はその塩を得る工程である。原料で
ある酸クロライド(5)としては工程Cと同様なものを
用いればよい。
【0031】本工程においては、グリシン誘導体(7)
又はその塩と通常0.8〜5.0当量、好ましくは0.
9〜1.3当量の酸クロライド(5)を水溶液中にて、
必要なら水とメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、1,3−プロパンジオール、プロピレン
グリコール等の極性溶媒との混合溶液中にて、0〜10
0℃、好ましくは10〜50℃の適当な温度で0.5〜
100時間反応させ、更に必要なら電気透析機等を用い
て対イオンを交換することにより、グリシン誘導体
(1)又はその塩を得ることができる。もし酸クロライ
ド(5)の使用量が上記の範囲より少ない場合には、反
応物中にグリシン誘導体(7)又はその塩が多量に残留
し、また上記の範囲より多い場合には、未反応の酸クロ
ライド(5)から多量の脂肪酸が副生するので好ましく
ない。
【0032】本工程において、反応性を確保し一定の反
応を進行させるためには、反応系にアルカリ性物質を添
加し系内のpHをアルカリ側に、好ましくはpHを9.0〜
11.0の範囲に保つのが望ましい。反応系のpHがこの
範囲より低い場合には、反応の進行により副生する塩酸
が未反応のグリシン誘導体(7)と塩を形成し反応が充
分に進行せず、一方pHがこの範囲より高い場合には、酸
クロライド(5)の分解が促進され脂肪酸が多く副生す
る。ここで用いられるアルカリ性物質の具体例として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、
トリエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)
ピリジン等の有機塩基が挙げられるが、特に水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムが実用的である。これらのアル
カリ性物質の使用量は、系内pHを前記の範囲内に維持す
る量である。
【0033】本工程により得られるグリシン誘導体
(1)又はその塩はそのまま洗浄剤組成物に用いること
ができるが、必要に応じて工程Dと同様の後処理を行う
ことにより、更に高純度の精製品とすることもできる。
【0034】(A)成分のグリシン誘導体又はその塩
は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ
る。本発明の洗浄剤組成物における(A)成分の配合量
は、洗浄剤の剤型等により異なるが、液体状とする場合
は全組成中に5〜50重量%(以下、単に%で示す)、
特に10〜40%配合するのが好ましく、ペースト状と
する場合は全組成中に10〜80%、特に15〜40%
配合するのが好ましく、固形状とする場合は全組成中に
40〜90%、特に70〜90%配合するのが好まし
い。これらの範囲内であると、泡立ちにより優れ、さっ
ぱりとした洗いあがり感が得られ好ましい。
【0035】本発明で用いられる(B)成分は、前記一
般式(2)で表わされるエチレンオキシド・プロピレン
オキシド共重合体である。式中、エチレンオキシドの付
加モル数a+cは1〜500であり、1〜300が好ま
しい。a及びcの少なくともいずれか一方は1以上の数
を示すが、いずれか一方が4以上であると、起泡性、使
用感により優れるので好ましい。また、プロピレンオキ
シドの付加モル数bは1〜500、好ましくは1〜30
0であり、特に1〜100、更に1〜50であると、水
に対する溶解性にも優れ好ましい。
【0036】エチレンオキシドとプロピレンオキシドの
付加モル数の比は、a+c/b=1/20〜20/1が
好ましく、特に1/10〜10/1であると、泡のすべ
りがより良好となり好ましい。なお、本発明において
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの付加モル
数は、これらの平均重合度を示す。
【0037】(B)成分の好ましいものとしては、例え
ばポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1
7)グリコール(一般式(2)中、a+c=3,b=1
7)、ポリオキシエチレン(26)ポリオキシプロピレ
ン(30)グリコール(一般式(2)中、a+c=2
6,b=30)、ポリオキシエチレン(160)ポリオ
キシプロピレン(30)グリコール(一般式(2)中、
a+c=160,b=30)、ポリオキシエチレン(2
00)ポリオキシプロピレン(40)グリコール(一般
式(2)中、a+c=200、b=40)、ポリオキシ
エチレン(50)ポリオキシプロピレン(40)グリコ
ール(一般式(2)中、a+c=50、b=40)等が
挙げられる。
【0038】(B)成分のエチレンオキシド・プロピレ
ンオキシドブロック共重合体は、1種又は2種以上を組
合わせて用いることができる。本発明の洗浄剤組成物に
おける(B)成分の配合量は、洗浄剤の剤型等により異
なるが、全組成中に0.01〜10%配合するのが好ま
しく、特に0.1〜10%配合すると、起泡性により優
れるので好ましい。
【0039】本発明の洗浄剤組成物において、成分
(A)及び(B)の配合比率は、重量比で(A):
(B)=99:1〜1:10であるのが好ましく、特に
50:1〜1:1であるのが好ましい。また、成分
(A)及び(B)の配合量の合計は、全組成中に5〜9
0%であるのが好ましく、特に液体状とする場合には5
〜50%、ペースト状とする場合は10〜80%、固形
状とする場合は40〜90%が好ましい。
【0040】本発明の洗浄剤組成物には、前記以外の界
面活性剤、例えばN−アシルサルコシン塩、アルキルエ
ーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、アルキルサッカライド系、糖エステル
系、糖アミド系等のノニオン性界面活性剤;イミダゾリ
ン系、ベタイン系等の両性界面活性剤などを、本発明の
効果を損なわない範囲において任意に併用することもで
きる。
【0041】更にその他の添加剤として、洗浄剤に通常
用いられる成分、例えばカルボキシビニルポリマー、メ
チルセルロース、エタノール、ポリオキシエチレングリ
コールジステアレート等の粘度調整剤;パール化剤、香
料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症
剤、保湿剤、防腐剤などを、本発明の効果を損なわない
範囲において任意に配合することができる。
【0042】本発明の洗浄剤組成物は、常法に従って製
造することができる。また、その剤型も特に制限され
ず、液体状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状
など任意の剤型とすることができ、液体状、ペースト
状、クリーム状とするのが好ましく、使いやすさの点で
特に液体状とするのが好ましい。液体状とする場合に
は、液体媒体として水を用いるのが好ましく、水の配合
量は全組成中に50〜90%であるのが好ましい。ま
た、本発明の洗浄剤組成物は、皮膚、毛髪等の身体用洗
浄剤として好適であり、特に皮膚洗浄用とするのが好ま
しい。
【0043】本発明の洗浄剤組成物は、水で10重量倍
に希釈したときの水溶液のpHが4〜8、特に5〜7であ
ると、皮膚及び毛髪に対してより低刺激となるので好ま
しい。好ましいpHを得るためには、洗浄剤組成物に酸又
はアルカリを加えて調整すればよく、また(A)成分に
対して等モルのイオン交換を行っても良い。
【0044】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、皮膚及び毛髪
に対して低刺激であり、泡立ち及び泡すべりに優れ、し
かも洗浄時から洗浄後の使用感に優れたもので、乾燥後
にさっぱりとした感触が得られ、特に身体、顔用の皮膚
洗浄剤として有用である。
【0045】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】実施例1 表1及び表2に示す組成の成分を均一に混合して、洗浄
剤組成物を製造した。得られた洗浄剤組成物について、
泡立ち、泡すべり及び乾燥後のさっぱり感を評価した。
結果を表1及び表2に示す。
【0047】(評価方法)男女10名のパネラーに、各
洗浄剤組成物を用いて、1週間身体の洗浄を実施しても
らい、以下の項目についての官能評価を行った。評価は
以下の基準による平均値を算出し、平均値が4.5以上
の場合を非常に良好(◎)、3.5〜4.4の場合を良
好(○)、2.5〜3.4の場合を普通(△)、2.4
以下の場合を不良(×)と判定した。 (1)泡立ち; 5;泡立ちが良い。 4;やや泡立ちが良い。 3;ふつう。 2;やや泡立ちが悪い。 1;泡立ちが悪い。 (2)泡のすべりの良さ; 5;泡のすべりが良い。 4;泡のすべりがやや良い。 3;ふつう。 2;泡のすべりがやや悪い。 1;泡のすべりが悪い。 (3)乾燥後のさっぱり感; 5;さっぱりする。 4;ややさっぱりする。 3;ふつう。 2;ややぬるつく。 1;ぬるつく。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】表1及び表2の結果から明らかなように、
本発明の洗浄剤組成物はいずれも、泡立ち、泡のすべ
り、感触ともに優れたものであった。また、洗浄力にも
優れ、肌に対する刺激性も極めて少ないものであった。
【0051】実施例2(洗顔フォーム)
【表3】 (成分) (%) (1)N−ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 25 (2)N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 10 (3)N−パルミトイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 5 (4)ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン (40)グリコール (5)グリセリン 10 (6)香料 0.7 (7)精製水 バランス
【0052】(製法)加熱した精製水に成分(5)を溶
解させ、次に成分(1)〜(4)を添加した。これを冷
却した後、成分(6)を加え、洗顔フォームを得た。得
られた洗顔フォームで洗顔したところ、泡立ち及び泡す
べりが良く、さっぱり感が得られ、乾燥後のつっぱり感
もなく、使用感に優れていた。また、肌に対する刺激性
も少なかった。
【0053】実施例3(全身洗浄剤)
【表4】 (成分) (%) (1)N−ココイル−N−カルボキシエチルグリシンカリウム塩 25 (2)ポリオキシエチレン(50)ポリオキシプロピレン(40) グリコール 2 (3)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4 (4)メチルセルロース 0.1 (5)香料 0.8 (6)エタノール 2.0 (7)精製水 バランス
【0054】(製法)加熱した精製水に成分(4)を加
えて溶解し、次に成分(1)〜(3)を添加した。冷却
後、成分(5)〜(6)を加え、透明な液体状の全身洗
浄剤を得た。得られた全身洗浄剤で皮膚及び毛髪を洗浄
したところ、泡立ち及び泡すべりが良く、さっぱり感が
得られ、使用感に優れていた。また、肌に対する刺激性
が少なかった。
【0055】実施例4(化粧石鹸)
【表5】 (成分) (%) (1)N−ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 30 (2)N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 10 (3)N−パルミトイル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 5 (4)N−ステアリル−N−カルボキシエチルグリシン ナトリウム塩 5 (5)ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30) グリコール 5 (6)ステアリン酸 20 (7)牛脂石鹸 10 (8)塩化ナトリウム 1 (9)香料 1 (10)精製水 バランス
【0056】(製法)各成分をニーダー中で攪拌混合し
た後、ニーダーより取り出し、チリングロールで室温ま
で冷却した。これを石鹸用プロッダーで2回混練した
後、コーン部より押し出し、型打ちして固形洗浄剤組成
物の成型物を得た。得られた固形洗浄剤組成物で、皮膚
を洗浄したところ、泡立ち及び泡すべりが良好であり、
乾燥後にさっぱり感が得られ、使用感に優れていた。ま
た、皮膚に対する刺激性も極めて少ないものであった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数5〜21の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
    す)で表わされるグリシン誘導体又はその塩、及び
    (B)一般式(2) 【化2】 (式中、a及びcはそれぞれ0〜500の数を示し、a
    +cは1〜500である。bは1〜500の数を示す)
    で表わされるエチレンオキシド・プロピレンオキシドブ
    ロック共重合体を含有する洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表わされるグリシン誘導
    体の塩が、アルカリ金属塩、トリアルカノールアミン塩
    又は塩基性アミノ酸塩である請求項1記載の洗浄剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、R1 が炭素数7
    〜17のアルキル基又はアルケニル基である請求項1又
    は2記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(2)において、a+cが1〜3
    00であり、bが1〜100である請求項1〜3のいず
    れか1項記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 成分(A)及び(B)の配合比率が、重
    量比で(A):(B)=99:1〜1:10である請求
    項1〜4のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 成分(A)及び(B)の配合量の合計
    が、全組成中に5〜90重量%である請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 水で10重量倍に希釈したときの水溶液
    のpHが4〜8である請求項1〜6のいずれか1項記載の
    洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 液体状である請求項1〜7のいずれか1
    項記載の洗浄剤組成物。
  9. 【請求項9】 身体用洗浄剤である請求項1〜8のいず
    れか1項記載の洗浄剤組成物。
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