JPH0984479A - スルホニルウレア系除草剤抵抗性植物及びその作出方法 - Google Patents
スルホニルウレア系除草剤抵抗性植物及びその作出方法Info
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- JPH0984479A JPH0984479A JP7247832A JP24783295A JPH0984479A JP H0984479 A JPH0984479 A JP H0984479A JP 7247832 A JP7247832 A JP 7247832A JP 24783295 A JP24783295 A JP 24783295A JP H0984479 A JPH0984479 A JP H0984479A
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- Japan
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- sulfonylurea
- resistance
- plant
- herbicide
- tobacco
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- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 メタンスルホン酸エチルによる変異処理
により得られる、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗
性を有するタバコ属植物、及びその作出方法。 【効果】 スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗性を有
する新規なタバコ属植物を提供する。このタバコ属植物
の除草剤抵抗性は優性遺伝するので、交配により任意の
タバコ属植物にスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗
性を付与することができる。
により得られる、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗
性を有するタバコ属植物、及びその作出方法。 【効果】 スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗性を有
する新規なタバコ属植物を提供する。このタバコ属植物
の除草剤抵抗性は優性遺伝するので、交配により任意の
タバコ属植物にスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗
性を付与することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホニルウレア
系除草剤に対し抵抗性を有するタバコ属植物及びその作
出方法に関する。
系除草剤に対し抵抗性を有するタバコ属植物及びその作
出方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】スルホニルウレア系除草剤は、バリン、
ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸の生合成経路で
働くアセトラクテートシンテターゼ（ＡＬＳ）を阻害す
ることにより除草活性を示す除草剤である。この除草剤
は、少量で十分な除草作用を有するため環境に対する放
出量が少なくて済む点、動物には前記アミノ酸の生合成
経路がないため動物には全く影響を及ぼさない点などか
ら安全性に優れ、現在注目されている除草剤の一つであ
る。
ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸の生合成経路で
働くアセトラクテートシンテターゼ（ＡＬＳ）を阻害す
ることにより除草活性を示す除草剤である。この除草剤
は、少量で十分な除草作用を有するため環境に対する放
出量が少なくて済む点、動物には前記アミノ酸の生合成
経路がないため動物には全く影響を及ぼさない点などか
ら安全性に優れ、現在注目されている除草剤の一つであ
る。
【０００３】しかしながら、この除草剤は、植物対し非
特異的に作用するため、雑草のみならず、有用作物も枯
死させてしまうという欠点がある。このため、従来から
有効成分となる化合物の化学構造の一部を変化させるこ
とにより、特定の作物に対する除草作用を弱めるような
試みがなされてきたが（Holt,J.S.,1993,Annu.Rev.Plan
t Moi.Biol.44:203-229 ）、十分な成果はあがっていな
いのが現状である。
特異的に作用するため、雑草のみならず、有用作物も枯
死させてしまうという欠点がある。このため、従来から
有効成分となる化合物の化学構造の一部を変化させるこ
とにより、特定の作物に対する除草作用を弱めるような
試みがなされてきたが（Holt,J.S.,1993,Annu.Rev.Plan
t Moi.Biol.44:203-229 ）、十分な成果はあがっていな
いのが現状である。
【０００４】このような問題を解決する最も有効な手段
は、作物自体にスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗
性を付与することである。従来から、有用作物に除草剤
抵抗性を付与した例は幾つか知られている。例えば、不
定胚培養系を用いてトウモロコシにイマザキン耐性を付
与した例（Anderson,P.C. and Georgeson,M.,1989,Geno
me 31:994)、遺伝子組み換え技術によりタバコやトマト
にグリホセート耐性を付与した例（Comai,L.D.,et.al.,
1985,Nature 317:741-744）などが報告されている。ま
た、スルホニルウレア系除草剤に関しても、遺伝子組み
替え技術を用いてタバコに耐性を付与した例が知られて
いる（Haughn,G.W.et.al.,1988,Mol.Gen.Genet,211:266
-271）。しかし、組み換え作物を得るには目的とする遺
伝子が単離・同定されており、これが現在の遺伝子導入
技術で目的とする植物に組み換え可能であり、さらにこ
の形質転換された組み換え作物の継代的な安定性が確保
出来る場合に限られている。そして、（１）閉鎖系実
験、（２）非閉鎖系実験、（３）模擬的環境利用、
（４）開放系利用の４つの系で組み換え作物の環境への
影響安全性の確認が必要である。さらに食用とする場合
は人体へ安全性や食味・風味等などに問題がないか等の
検討も必要となる。このため組み換え作物の実用化には
大変長い時間と労力を要することとなる。
は、作物自体にスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗
性を付与することである。従来から、有用作物に除草剤
抵抗性を付与した例は幾つか知られている。例えば、不
定胚培養系を用いてトウモロコシにイマザキン耐性を付
与した例（Anderson,P.C. and Georgeson,M.,1989,Geno
me 31:994)、遺伝子組み換え技術によりタバコやトマト
にグリホセート耐性を付与した例（Comai,L.D.,et.al.,
1985,Nature 317:741-744）などが報告されている。ま
た、スルホニルウレア系除草剤に関しても、遺伝子組み
替え技術を用いてタバコに耐性を付与した例が知られて
いる（Haughn,G.W.et.al.,1988,Mol.Gen.Genet,211:266
-271）。しかし、組み換え作物を得るには目的とする遺
伝子が単離・同定されており、これが現在の遺伝子導入
技術で目的とする植物に組み換え可能であり、さらにこ
の形質転換された組み換え作物の継代的な安定性が確保
出来る場合に限られている。そして、（１）閉鎖系実
験、（２）非閉鎖系実験、（３）模擬的環境利用、
（４）開放系利用の４つの系で組み換え作物の環境への
影響安全性の確認が必要である。さらに食用とする場合
は人体へ安全性や食味・風味等などに問題がないか等の
検討も必要となる。このため組み換え作物の実用化には
大変長い時間と労力を要することとなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来よ
り様々な試みがなされてきたが、依然としてスルホニル
ウレア系除草剤の非特異性に関する問題は解決されてい
ない。本発明は、かかる問題を解決すべくなされたもの
であり、その目的とするところは、スルホニルウレア系
除草剤に対し抵抗性を有する植物を提供することにあ
る。
り様々な試みがなされてきたが、依然としてスルホニル
ウレア系除草剤の非特異性に関する問題は解決されてい
ない。本発明は、かかる問題を解決すべくなされたもの
であり、その目的とするところは、スルホニルウレア系
除草剤に対し抵抗性を有する植物を提供することにあ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、スルホニルウ
レア系除草剤に対し抵抗性を有する突然変異体タバコ属
植物を作出することに成功し、本発明を完成した。即
ち、本発明は、メタンスルホン酸エチルによる変異処理
により得られる、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗
性を有するタバコ属植物である。
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、スルホニルウ
レア系除草剤に対し抵抗性を有する突然変異体タバコ属
植物を作出することに成功し、本発明を完成した。即
ち、本発明は、メタンスルホン酸エチルによる変異処理
により得られる、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗
性を有するタバコ属植物である。
【０００７】また、本発明は、タバコ属植物の受精後の
子房をメタンスルホン酸エチルで処理することを特徴と
する上記記載のタバコ属植物の作出方法である。以下、
本発明を詳細に説明する。本発明のタバコ属植物は、以
下のようにして作出することができる。まず、受精後の
タバコ属植物をメタンスルホン酸エチル（ＥＭＳ）で処
理し、変異を誘発させる。ここで用いるタバコ属植物は
特別な品種を用いる必要はなく、例えば、Xanthi、ＢＹ
−４、Samsun NNなどの公知の品種を用いることができ
る。ＥＭＳによる処理時期は、タバコ属植物に変異を誘
発し得る限り特に限定されないが、変異が既に分化した
細胞に生じた場合には変異の形態が多様化し、特定の変
異のみを分離することが困難になるので、受精卵の卵割
開始期にＥＭＳが作用するように処理するのが望まし
い。具体的に受粉から２４〜１０８時間内、好ましくは
３６〜９６時間内にＥＭＳ処理を行う。ＥＭＳによる処
理部位は、受精卵にＥＭＳが作用し得る部位であれば特
に限定されないが、好ましい処理部位としては子房を挙
げることができる。子房について変異処理を行う場合に
は、柱頭を切除しＥＭＳを含ませた脱脂綿等で子房を被
い、ＥＭＳを効率良く子房に浸透しているようにして行
うのが好ましい。また、ＥＭＳの濃度及び量は、あまり
に高濃度又は多量のＥＭＳを用いた場合には受精卵を損
傷させ、発芽率を著しく低下させてしまうので、受精卵
を損傷させず、かつ十分高率に変異を誘発できる範囲内
になるようにする。前記したような脱脂綿等を用いた変
異処理の場合であればＥＭＳ濃度を０．１〜１．０％と
し、一つの子房処理に用いる量を０．１〜１ｍｌとする
のが好ましい。
子房をメタンスルホン酸エチルで処理することを特徴と
する上記記載のタバコ属植物の作出方法である。以下、
本発明を詳細に説明する。本発明のタバコ属植物は、以
下のようにして作出することができる。まず、受精後の
タバコ属植物をメタンスルホン酸エチル（ＥＭＳ）で処
理し、変異を誘発させる。ここで用いるタバコ属植物は
特別な品種を用いる必要はなく、例えば、Xanthi、ＢＹ
−４、Samsun NNなどの公知の品種を用いることができ
る。ＥＭＳによる処理時期は、タバコ属植物に変異を誘
発し得る限り特に限定されないが、変異が既に分化した
細胞に生じた場合には変異の形態が多様化し、特定の変
異のみを分離することが困難になるので、受精卵の卵割
開始期にＥＭＳが作用するように処理するのが望まし
い。具体的に受粉から２４〜１０８時間内、好ましくは
３６〜９６時間内にＥＭＳ処理を行う。ＥＭＳによる処
理部位は、受精卵にＥＭＳが作用し得る部位であれば特
に限定されないが、好ましい処理部位としては子房を挙
げることができる。子房について変異処理を行う場合に
は、柱頭を切除しＥＭＳを含ませた脱脂綿等で子房を被
い、ＥＭＳを効率良く子房に浸透しているようにして行
うのが好ましい。また、ＥＭＳの濃度及び量は、あまり
に高濃度又は多量のＥＭＳを用いた場合には受精卵を損
傷させ、発芽率を著しく低下させてしまうので、受精卵
を損傷させず、かつ十分高率に変異を誘発できる範囲内
になるようにする。前記したような脱脂綿等を用いた変
異処理の場合であればＥＭＳ濃度を０．１〜１．０％と
し、一つの子房処理に用いる量を０．１〜１ｍｌとする
のが好ましい。
【０００８】上記処理をした子房から種子を収穫し、こ
れをスルホニルウレア系除草剤を含む培地に播く。ここ
で用いる培地としては、スルホニルウレア系除草剤を含
み、かつ種子の発芽及び植物体の生育に必要な養分を含
むものであれば特に限定されない。好ましい培地として
は、スルホニルウレア系除草剤を添加し、１／４〜１倍
の濃度のＭＳ培地を挙げることができる。なお、ここ
で、スルホニルウレア系除草剤とは、スルホニルウレア
構造を有する化合物をいい、例えば、ベンスルフロンメ
チル、ピラゾスルフロンメチル、クロルスルフロン、ス
ルホメツロンメチル、ネオフェンスルフロンメチル、フ
ラザスルフロン等がこれに該当する。また、このときの
温度は２５〜３０℃とし、光条件は、３０００〜１００
００ルクスで１２時間日長又は連続光とする。以上のよ
うな条件で１４〜３０日程度経過すると、スルホニルウ
レア系除草剤耐性を有しない個体は枯死し、除草剤抵抗
性を獲得した個体のみを選抜することができる。ここで
選抜された個体は、スルホニルウレア系除草剤に対する
抵抗性を有すると考えられるが、同時に矮化や不稔性な
ど好ましくない変異を起こしている可能性があるので、
これらの個体から種子を収穫し、再度スルホニルウレア
系除草剤を含む培地を用いて選抜することが望ましい。
れをスルホニルウレア系除草剤を含む培地に播く。ここ
で用いる培地としては、スルホニルウレア系除草剤を含
み、かつ種子の発芽及び植物体の生育に必要な養分を含
むものであれば特に限定されない。好ましい培地として
は、スルホニルウレア系除草剤を添加し、１／４〜１倍
の濃度のＭＳ培地を挙げることができる。なお、ここ
で、スルホニルウレア系除草剤とは、スルホニルウレア
構造を有する化合物をいい、例えば、ベンスルフロンメ
チル、ピラゾスルフロンメチル、クロルスルフロン、ス
ルホメツロンメチル、ネオフェンスルフロンメチル、フ
ラザスルフロン等がこれに該当する。また、このときの
温度は２５〜３０℃とし、光条件は、３０００〜１００
００ルクスで１２時間日長又は連続光とする。以上のよ
うな条件で１４〜３０日程度経過すると、スルホニルウ
レア系除草剤耐性を有しない個体は枯死し、除草剤抵抗
性を獲得した個体のみを選抜することができる。ここで
選抜された個体は、スルホニルウレア系除草剤に対する
抵抗性を有すると考えられるが、同時に矮化や不稔性な
ど好ましくない変異を起こしている可能性があるので、
これらの個体から種子を収穫し、再度スルホニルウレア
系除草剤を含む培地を用いて選抜することが望ましい。
【０００９】なお、スルホニルウレア系除草剤耐性を有
するタバコ属植物ＢＳＭＲ−１系統の種子は現在本出願
人が所持しており、必要に応じていつでも分譲すること
ができる。本発明のタバコ属植物の特徴は、スルホニル
ウレア系除草剤に対し抵抗性を有する点である。また、
この抵抗性は優性遺伝するため、本発明のタバコ属植物
と交配して得られるＦ１植物は必ず抵抗性の個体を含む
ことになる。これは、有用なＦ１植物を得るために極め
て重要な性質である。
するタバコ属植物ＢＳＭＲ−１系統の種子は現在本出願
人が所持しており、必要に応じていつでも分譲すること
ができる。本発明のタバコ属植物の特徴は、スルホニル
ウレア系除草剤に対し抵抗性を有する点である。また、
この抵抗性は優性遺伝するため、本発明のタバコ属植物
と交配して得られるＦ１植物は必ず抵抗性の個体を含む
ことになる。これは、有用なＦ１植物を得るために極め
て重要な性質である。
【００１０】
〔実施例１〕 変異原処理 受粉から３６時間、４８時間及び５４時間後のタバコ
（品種：Xanthi）の子房についてＥＭＳによる変異原処
理を行った。ＥＭＳ処理は、０．１％のＥＭＳ溶液を含
ませた脱脂綿でタバコの子房を被った状態で２４時間放
置することにより行った。処理から１カ月後に種子（Ｍ
１種子）を収穫した。
（品種：Xanthi）の子房についてＥＭＳによる変異原処
理を行った。ＥＭＳ処理は、０．１％のＥＭＳ溶液を含
ませた脱脂綿でタバコの子房を被った状態で２４時間放
置することにより行った。処理から１カ月後に種子（Ｍ
１種子）を収穫した。
【００１１】〔実施例２〕 除草剤耐性のスクリーニン
グ ベンスルフロンメチル（ＢＳＭ）５ｍｇ／Ｌを添加した
１／２×ＭＳ培地１００ｍｌに滅菌処理した約１００ｍ
ｇのＭ１種子を混和し、１６０×２５０ｍｍのトレーに
展開した。乾燥防止のためビニールで密閉したのち、連
続光下で約３週間育成した。この段階で３１株の生存個
体を得た。
グ ベンスルフロンメチル（ＢＳＭ）５ｍｇ／Ｌを添加した
１／２×ＭＳ培地１００ｍｌに滅菌処理した約１００ｍ
ｇのＭ１種子を混和し、１６０×２５０ｍｍのトレーに
展開した。乾燥防止のためビニールで密閉したのち、連
続光下で約３週間育成した。この段階で３１株の生存個
体を得た。
【００１２】次に、上記３１株を土耕法により約４カ月
育成した。着果がみられたのは９株だけであった。この
９株から得られた種子（Ｍ２種子）をＢＳＭ１ｍｇ／Ｌ
を含む１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに約１０ｍｇ混ぜ９０
ｍｍ滅菌シャーレに展開した。約１カ月連続光下で育成
後、観察判定により抵抗性系統を調べたところ、１株の
みが抵抗性を示した。この抵抗性系統をＢＳＭＲ−１と
命名した。以上のスクリーニング工程の結果を表１に示
す。
育成した。着果がみられたのは９株だけであった。この
９株から得られた種子（Ｍ２種子）をＢＳＭ１ｍｇ／Ｌ
を含む１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに約１０ｍｇ混ぜ９０
ｍｍ滅菌シャーレに展開した。約１カ月連続光下で育成
後、観察判定により抵抗性系統を調べたところ、１株の
みが抵抗性を示した。この抵抗性系統をＢＳＭＲ−１と
命名した。以上のスクリーニング工程の結果を表１に示
す。
【００１３】
【表１】表１ ＢＳＭ抵抗性タバコのスクリーニング
【００１４】〔実施例３〕 抵抗性系統の遺伝子型の検
定 実施例２で得られたＢＳＭＲ−１株がどのような遺伝子
型をもつか、また、その遺伝様式が核遺伝子支配なのか
オルガネラ遺伝子支配なのか等を調べるため、戻し交配
を行った。即ち、ＢＳＭＲ−１株と感受性個体（劣性ホ
モ個体）を正逆交配し、得られた種子を滅菌後、ＢＳＭ
１ｍｇ／Ｌ含む１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに約２０ｍｇ
混ぜ９０ｍｍ滅菌シャーレに展開した。連続光下で２週
間育成し、その表現型をカウントした。また、同様の条
件で自家交配した場合の表現型についても調べた。試験
は３連で行った。この結果を表２に示す。
定 実施例２で得られたＢＳＭＲ−１株がどのような遺伝子
型をもつか、また、その遺伝様式が核遺伝子支配なのか
オルガネラ遺伝子支配なのか等を調べるため、戻し交配
を行った。即ち、ＢＳＭＲ−１株と感受性個体（劣性ホ
モ個体）を正逆交配し、得られた種子を滅菌後、ＢＳＭ
１ｍｇ／Ｌ含む１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに約２０ｍｇ
混ぜ９０ｍｍ滅菌シャーレに展開した。連続光下で２週
間育成し、その表現型をカウントした。また、同様の条
件で自家交配した場合の表現型についても調べた。試験
は３連で行った。この結果を表２に示す。
【００１５】
【表２】表２ ＢＳＭＲ−１株（Ｍ１）の戻し交配によ
る遺伝子の検定 表２に示すように自家交配で〔抵抗性〕：〔感受性〕＝
３：１、戻し交配で〔抵抗性〕：〔感受性〕＝１：１の
表現型の分離を示し、このＢＳＭＲ−１株の抵抗性の形
質と遺伝子型は優性ヘテロでメンデルの遺伝法則に従う
ものであった。また、正逆交配しても抵抗性形質は１：
１に分離し母性遺伝ではないため、この抵抗性の遺伝子
は葉緑体やミトコンドリアなどのオルガネラ中に存在す
るものでなく、核の染色体に存在することが判明した。
る遺伝子の検定 表２に示すように自家交配で〔抵抗性〕：〔感受性〕＝
３：１、戻し交配で〔抵抗性〕：〔感受性〕＝１：１の
表現型の分離を示し、このＢＳＭＲ−１株の抵抗性の形
質と遺伝子型は優性ヘテロでメンデルの遺伝法則に従う
ものであった。また、正逆交配しても抵抗性形質は１：
１に分離し母性遺伝ではないため、この抵抗性の遺伝子
は葉緑体やミトコンドリアなどのオルガネラ中に存在す
るものでなく、核の染色体に存在することが判明した。
【００１６】〔実施例４〕 ＢＳＭＲ−１株の交差抵抗
性 ＢＳＭＲ−１株が他のＡＬＳ阻害剤に対して抵抗性を示
すかを個体レベルでその交差抵抗性を調べてみた。異な
った化学構造を有する一般的なＡＬＳ阻害剤であるスル
ホニルウレア系、フェノキシピリミジン系、イミダゾリ
ノン系の３系統の薬剤を供試薬剤として用いた。スルホ
ニルウレア系の阻害剤としては、ベンスルフロンメチ
ル、ピラゾスルフロンエチル、クロルスルフロン、フェ
ノキシピリミジン系の阻害剤としては、ピリミノバッ
ク、ビスピリバック、イミダゾリノン系の阻害剤として
は、イマザクイン、イマザピル、イマゼサピルを用い
た。これらの薬剤を、表３に示す濃度になるように添加
した１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに滅菌処理した約２０ｍ
ｇのＢＳＭＲ−１から得られたＭ２種子（ＢＳＭＲ−１
（Ｍ２））を混ぜ、９０ｍｍ滅菌シャーレに展開した。
連続光下で２週間育成し、生存株の中から比較的大きい
ものを２５個体得らんで生体重を測定した。得られたデ
ータの対無処理区比率から５０％阻害濃度（Ｉ50）を求
め、モル濃度に換算して、ｐＩ50値（５０％阻害濃度の
対数に負の符号を付けた値：−ｌｏｇ（Ｉ50））で表し
た。この場合、阻害活性が高いものほどｐＩ50値は大き
い数字で表される。また、測定は感受性株（Ｓ）と抵抗
性株（Ｒ）についてセットで行い、両者の阻害活性（Ｉ
50）の比（Ｒ／Ｓ比）を求めた。この結果から表４に示
すように、ＢＳＭＲ−１株はスルホニルウレア系の除草
剤に対して特異的な抵抗性を有することが判明した。
性 ＢＳＭＲ−１株が他のＡＬＳ阻害剤に対して抵抗性を示
すかを個体レベルでその交差抵抗性を調べてみた。異な
った化学構造を有する一般的なＡＬＳ阻害剤であるスル
ホニルウレア系、フェノキシピリミジン系、イミダゾリ
ノン系の３系統の薬剤を供試薬剤として用いた。スルホ
ニルウレア系の阻害剤としては、ベンスルフロンメチ
ル、ピラゾスルフロンエチル、クロルスルフロン、フェ
ノキシピリミジン系の阻害剤としては、ピリミノバッ
ク、ビスピリバック、イミダゾリノン系の阻害剤として
は、イマザクイン、イマザピル、イマゼサピルを用い
た。これらの薬剤を、表３に示す濃度になるように添加
した１／２×ＭＳ培地２０ｍｌに滅菌処理した約２０ｍ
ｇのＢＳＭＲ−１から得られたＭ２種子（ＢＳＭＲ−１
（Ｍ２））を混ぜ、９０ｍｍ滅菌シャーレに展開した。
連続光下で２週間育成し、生存株の中から比較的大きい
ものを２５個体得らんで生体重を測定した。得られたデ
ータの対無処理区比率から５０％阻害濃度（Ｉ50）を求
め、モル濃度に換算して、ｐＩ50値（５０％阻害濃度の
対数に負の符号を付けた値：−ｌｏｇ（Ｉ50））で表し
た。この場合、阻害活性が高いものほどｐＩ50値は大き
い数字で表される。また、測定は感受性株（Ｓ）と抵抗
性株（Ｒ）についてセットで行い、両者の阻害活性（Ｉ
50）の比（Ｒ／Ｓ比）を求めた。この結果から表４に示
すように、ＢＳＭＲ−１株はスルホニルウレア系の除草
剤に対して特異的な抵抗性を有することが判明した。
【００１７】
【表３】表３ ＢＳＭ抵抗性タバコ種子の交差抵抗性試
験（共試薬剤の処理度）
験（共試薬剤の処理度）
【００１８】
【表４】表４ ＢＳＭ抵抗性タバコ種子の交差抵抗性試
験（阻害活性ｐＩ50及びＲ/Ｓ比）
験（阻害活性ｐＩ50及びＲ/Ｓ比）
【００１９】
【発明の効果】本発明は、スルホニルウレア系除草剤に
対し抵抗性を有する新規なタバコ属植物を提供する。こ
のタバコ属植物の除草剤抵抗性は優性遺伝するので、交
配により任意のタバコ属植物にスルホニルウレア系除草
剤に対する抵抗性を付与することができる。
対し抵抗性を有する新規なタバコ属植物を提供する。こ
のタバコ属植物の除草剤抵抗性は優性遺伝するので、交
配により任意のタバコ属植物にスルホニルウレア系除草
剤に対する抵抗性を付与することができる。
Claims (2)
- 【請求項１】 メタンスルホン酸エチルによる変異処理
により得られる、スルホニルウレア系除草剤に対し抵抗
性を有するタバコ属植物。 - 【請求項２】 タバコ植物の受精後の子房をメタンスル
ホン酸エチルで処理することを特徴とする請求項１記載
のタバコ属植物の作出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7247832A JPH0984479A (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | スルホニルウレア系除草剤抵抗性植物及びその作出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7247832A JPH0984479A (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | スルホニルウレア系除草剤抵抗性植物及びその作出方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0984479A true JPH0984479A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17169346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7247832A Pending JPH0984479A (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | スルホニルウレア系除草剤抵抗性植物及びその作出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0984479A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109258451A (zh) * | 2018-09-21 | 2019-01-25 | 玉溪中烟种子有限责任公司 | 一种烟草花粉自动化制备方法及其装置 |
-
1995
- 1995-09-26 JP JP7247832A patent/JPH0984479A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109258451A (zh) * | 2018-09-21 | 2019-01-25 | 玉溪中烟种子有限责任公司 | 一种烟草花粉自动化制备方法及其装置 |
| CN109258451B (zh) * | 2018-09-21 | 2020-04-10 | 玉溪中烟种子有限责任公司 | 一种烟草花粉自动化制备方法及其装置 |
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