JPH0981777A - 映像の生成方法及び装置 - Google Patents

映像の生成方法及び装置

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JPH0981777A
JPH0981777A JP7236399A JP23639995A JPH0981777A JP H0981777 A JPH0981777 A JP H0981777A JP 7236399 A JP7236399 A JP 7236399A JP 23639995 A JP23639995 A JP 23639995A JP H0981777 A JPH0981777 A JP H0981777A
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JP7236399A
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English (en)
Inventor
Takashi Torio
隆 鳥生
Toshio Endo
利生 遠藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見せたい映像すなわち原映像データに加工を施
すことにより、画面に表示された映像を見たときの見え
方を本来見せたい映像にできるだけ一致させて、映像に
実在感を与えることを目的とする。 【解決手段】人間の視覚に関する心理現象に基づいて、
視覚過程をシミュレートする視覚モデルvを構築し、見
せたいものAに対して映像生成手段fによる加工を行っ
て映像を生成するとともに、生成された映像についての
視覚モデルvによってシミュレートされた見え方Bが、
見せたいものAとできるだけ一致するように、映像生成
手段fを遂次的に最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータで作
成した映像〔コンピュータグラフィックス(CG)映
像〕、又はカメラなどから入力した映像を、さらにコン
ピュータで加工して映像を生成する方法及び装置に関
し、特に、人間の視覚特性を考慮しながら映像を加工す
ることにより、人間にとって自然で迫力のある映像を生
成する方法及び装置に関する。
【0002】コンピュータの処理能力の向上や通信にお
ける帯域の増大にともなって、コンピュータにより生成
された映像や実写映像に加工処理を加えた映像が用いら
れている。映像ソフトを作成する業界においても、コン
ピュータを利用してより品質の高い映像をより少ない工
数で作成することのできる環境が望まれている。さら
に、コンピュータによる映像の利用者が増大するにつれ
て、映像の内容に関しても一般の関心が深まっている。
このような背景のもとで、コンピュータを利用した映像
の生成及び表示に関する技術に対して、より自然で迫力
のある映像への要望が高まっている。
【0003】
【従来の技術】図9は従来における映像生成装置90の
構成を示すブロック図、図10は物体投影を説明する
図、図11は人間の視覚に関する心理現象の例を説明す
る図である。
【0004】映像の生成装置90は、物体の3次元形状
データに基づいて、図10に示すように、物体を適当な
視点から見た場合に得られる投影像をユークリッド幾何
学を基盤として生成し、それを画面に表示するものであ
る。
【0005】図9において、映像生成装置90は、3次
元形状データ格納部91、映像生成部92、及び表示部
93から構成されている。映像生成部92は、焦点距離
格納部95、透視投影部96、及び画像メモリ97から
なっている。
【0006】3次元形状データ格納部91は、コンピュ
ータ内のメモリ又はコンピュータに接続された外部記憶
装置によって構成される。3次元形状データ格納部91
には、表示したい多面体の各面の頂点の3次元座標が数
値データとして格納されている。焦点距離格納部95に
は、透視投影に用いられる焦点が予め格納されている。
ここでの焦点とは、図10に示すように、物体を画像面
に投影するに際して、その画像面から視点までの距離f
のことである。
【0007】透視投影部96は、図10に示すように、
視点と物体との間に存在する画像面に物体を投影して得
られる図形を演算により算出し、画像メモリ97にその
図形を書き込む。表示部93は、画像メモリ97の内容
を画面に表示する。
【0008】ところで、人間は網膜に写った2次元像に
基づいて外界の3次元構造(物体の3次元形状や3次元
運動)を推定している。しかし、人間の心理的な効果に
よって、推定する3次元構造は必ずしも現実の3次元構
造と合致しないことが知られている。つまり、人間が感
じる心理的な3次元空間は現実のユークリッド的な3次
元空間とは異なっており、心理的な歪みを生じると言わ
れている。
【0009】例えば、図11に示すように、3つの円筒
a,b,cは互いに同一の大きさで描かれており、した
がって人間の網膜上での大きさは同一であるが、その背
景として描かれた通路によって遠近感が相違し、主観的
に近くにあると判断される円筒aは小さく感じられ、遠
くにあると判断される円筒cは大きく感じられる。
【0010】また、他の例として、回転するバーバーポ
ールを見たときに、人間にはバーバーポールが回転して
いるのではなく、ストライプ模様が鉛直方向に移動して
いるように見える。さらに他の例として、字体は全く同
一で大きさの相違する2つの文字フォントを見たとき
に、線の太さと間隔の関係がフォントの大きさにより異
なって感じられるため、人間には2つの字体のバランス
が相違して見える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の映像生成装置90においては、人間に特有の心理的な
効果についての考慮がなされていないため、画面に表示
された物体像を見たときに人間が解釈する3次元構造は
現実の3次元世界の構造と必ずしも一致しなかった。
【0012】また、画面に表示された映像を見たときの
人間の見え方は、現実のシーンを直接見たときの見え方
とは異なっている。両者が近いほどその映像には実在感
があるといえる。映像に実在感を持たせるためには、画
面から目に入る光のパターンと実物から目に入る光のパ
ターンとをできるだけ一致させるという考え方がある。
つまり、実物の映像に忠実な映像を画面に表示するので
ある。そのためには、カメラ及び表示装置(ディスプレ
イ)の分解能を高めて映像(画像)を高精細にし且つ表
現色の数や濃度階調数を増大したり、左右の目に入る光
に視差を持たせて立体視を可能とするなど、カメラや表
示装置の性能の向上を図る必要がある。従来においてこ
の方向で多くの提案がなされている(例えば、論文特集
「次世代画像技術」テレビジョン学会誌,Vol.4
8,No.10,1994)。
【0013】しかし、表示装置の性能や機能の向上は重
要な問題ではあるが、これで完璧ということはなく、ま
たコストの面も考慮しなければならない。そこで、本発
明者らは、映像を適切に加工することによって、与えら
れた表示装置の制約の下で可能な限り映像に実在感を与
えることを考えたのである。
【0014】本発明は、人間の見え方を積極的に利用す
るという観点から、見せたい映像、すなわち原映像デー
タに加工を施すことにより、画面に表示された映像を見
たときの見え方を本来見せたい映像にできるだけ一致さ
せて、映像に実在感を与えることのできる映像の生成方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の基本的な
原理を説明する。図1は本発明の基本的な考え方を示す
図、図2は本発明の映像の生成方法を説明するための図
である。
【0016】カメラ(TVカメラ)で撮影した映像を表
示装置に表示する。表示された映像はカメラや表示装置
の物理的な特性によって劣化するため、その映像を人間
が見たときに目に入る光のパターンは、実物からのもの
とは異なる。しかし、人間は目に入る光のパターンをそ
のまま感じ取っているわけではなく、人間の視覚過程に
おける様々な特性によって修飾されたものを知覚する。
したがって、目に入る光のパターンがたとえ異なってい
ても、人間が知覚するパターンは一致しているというこ
とはあり得る。例えば、3原色によって総ての色を表現
可能であることから分かるように、光の波長の分布が異
なっていても人間には同じ色に見える場合がある。つま
り、視覚過程の入力と出力との関係は必ずしも一対一で
はなく、多対一である。人間は目に入る情報の総てを知
覚しているわけではなく、視覚過程において情報の集約
を行っている。このことは、必ずしも光が目に入る前の
段階において、実シーンを見た場合と画面上の映像を見
た場合とを一致させる必要はなく、人間の視覚過程を経
た後で両者が一致するように映像を生成できることを示
している。
【0017】表示装置に映像を表示する過程において、
人間の視覚過程に対するいわば「逆過程」を盛り込むこ
とによって、それが実現される。つまり、実シーンを見
たときの見え方に対してその「逆過程」を施したものに
できるだけ一致するように、映像を加工するのである。
「逆過程」は一対多であるので、画面上の映像を実シー
ンそのものに一致させる場合と比較して、一致させるべ
き対象の範囲が広くなり、したがってより一致度の高い
映像を容易に得ることができる。
【0018】上述の考え方は、実シーンを見たときと画
面上の映像を見たときとを比較する場合のみではなく、
図1に示すように、より一般的に、映像を作成した者が
本来見せたいものとその映像を見たときの実際の見え方
を一致させたいという場合にも当てはまる。
【0019】図1において、表示系の物理的な制約や錯
視現象に見られるような視覚過程における人間特有の心
理的効果のため、本来見せたいものを表示装置の画面に
直接に表示すると、それを見たときの見え方は本来見せ
たかったものと必ずしも一致しないが、上述した「逆過
程」を映像生成に盛り込むことによって、両者を一致さ
せることができる。
【0020】図1に示す場合において、両者が一致した
か否かを判断するには、例えば、窓の開いた同一の2つ
の箱を準備し、その一方の箱には実物を入れ、他方の箱
にはその実物の映像を表示したTVモニタを入れる。こ
の2つの箱を被験者に提示し、窓から実物と映像とをそ
れぞれ見せてどちらが実物かを当てさせる。間違う頻度
が多ければ両者の一致度は高いと判断する。通常の環境
の下では両者を間違えることはほとんどない。そこで、
外部光を遮断した上で、箱の窓にフィルタを取り付けて
光の透過度を制約する。一般に、光の透過度が小さくな
ると間違う頻度は増加する。光の透過度が大きくても間
違う頻度が増加すれば、その映像の実在感は高い。光の
透過度を十分小さくしないと間違う頻度が増加しなけれ
ば、その映像の実在感は低いと定義することで、映像の
実在感(実物との一致の度合い)を定量化する。
【0021】しかし、2つの箱を用いる方法では、実物
を見たときに目に入る光のパターンの持つ情報が少ない
場合には、光の透過度を小さくしなくても間違える頻度
が増加する。そのため、本来持っている情報が少ないほ
ど実在感が高くなってしまう。したがって、情報の量を
何らかの尺度で定義し、その情報量で正規化する必要が
ある。また、実在感の程度が測定できたとした場合に、
実在感が高まる方向に遂次的に映像生成方法を更新すれ
ばよいが、どの方向に更新すれば良いかの指針が無いの
で試行錯誤に頼らざるを得ない。そうすると試行錯誤の
過程に人間が介在するので、映像を最適化するのに時間
を要する。
【0022】そこで、請求項1の発明においては、視覚
に関する様々な心理現象に基づいて、視覚過程をシミュ
レートする視覚モデルを構築し、人間による評価の代わ
りに、シミュレートされた見え方の一致の度合いを評価
するのである。
【0023】すなわち、まず、図2の(1)で示すよう
に、視覚に関する様々な心理現象に基づいて視覚モデル
を構築する。ここでの心理現象には、例えば、人間の時
空間における周波数特性、オプティカルフローを算出す
るモデル、オプティカルフローから3次元を推定するモ
デルなどが含まれる。
【0024】次に、図2の(2)で示すように、見せた
いものAに対して映像生成手段fによる加工を行って映
像Jを生成するとともに、生成された映像Jについての
視覚モデルvによってシミュレートされた見え方Bが、
見せたいものAとできるだけ一致するように、前記映像
生成手段fを遂次的に最適化する。
【0025】請求項3の発明においては、さらに、図2
の(3)で示すように、生成された映像Jの評価に応じ
て視覚モデルvを検証して改良などの変更を行う。図2
において、映像の生成方法は内側のループ1Aと外側の
ループ1Bの2つのループからなっている。内側のルー
プ1Aでは、可変なパラメータを含む映像生成手段fと
表示系モデルdによって、人間の目に入る光のパターン
をコンピュータ内部で生成し、視覚モデルvによってそ
れを見たときの見え方Bをシミュレートする。そして、
シミュレートされた見え方Bが、見せたいものAとでき
るだけ一致するように、映像生成手段fの可変なパラメ
ータを更新していく。外側のループ1Bでは、映像生成
手段fで生成された映像Jを実際に表示し、それを人間
が見て評価する。その評価に応じ必要であれば視覚モデ
ルvを修正する。
【0026】内側のループ1Aにおいて、見せたいもの
Aから図示しないフレームメモリ上の映像J(x,y,
t)を生成する映像生成手段を写像f、フレームメモリ
上の映像Jから目に入る光のパターンI(x,y,t)
を生成する表示系モデルを写像d、目に入る光パターン
Iから人間による見え方Bを生成する視覚モデルを写像
vと置くと、内側のループ1Aでは、見せたいものAと
見え方Bとの間に次の(1)式の関係がある。
【0027】B = v*d*f*A ……(1) 上述の(1)式ができるだけ成立するようなfを探索す
る。換言すれば、AとBの近さを、|A−B|と表す
と、次の(2)式 |A−B| = |A−v*d*f*A| ……(2) が最小になるようなfを繰り返して計算することにより
算出する。実際には幾つかの可変なパラメータで表現で
きるような写像fの族を考え、その族の中で最適のもの
を探すこととなる。
【0028】また、特定の見せたいものAに対して、
(2)式の代わりに次の(3)式 |A−B| = |A−v*d*I| ……(3) が最小になるような映像Iを探索する。内側のループ1
Aでは人間は介在せず、コンピュータ内部の演算だけで
閉じている。
【0029】一方、外側のループ1Bでは、内側のルー
プ1Aの映像生成手段fで生成した映像Jを表示系に実
際に表示し、それを人間が見て評価する。この評価は、
例えば「同一に見えますか」という質問に対して、評価
を行う者がイエス又はノーで答える。もし、視覚モデル
が完全であれば、見せたいものAと見え方Bとは一致す
るはずである。しかし、見せたいものAと見え方Bとの
ずれが許容範囲を越える場合には、視覚モデルを修正し
た後、再度内側のループ1Aに戻る。なお、外側のルー
プ1Bには人間が介在することとなるが、人間が介在す
る頻度は大幅に少なくなるため余り問題とはならない。
【0030】図3〜図7をも参照して、請求項2の発明
に係る方法は、見せたい原映像のデータである原映像デ
ータDpに対して表示映像算出部22及び映像算出パラ
メータ格納部23などの映像生成手段による処理を行っ
てフレームメモリFM上の映像を生成し、生成された映
像に対して、人間の視覚に関する心理現象に基づく視覚
モデルによるシミュレートを行い、視覚される映像のデ
ータである視覚映像データDsを生成し、前記視覚映像
データDsと前記原映像データDpとの差異が最小とな
るように前記映像生成手段を遂次的に最適化する。
【0031】請求項4の発明に係る装置は、原映像デー
タDpを格納する原映像データ格納部21と、前記原映
像データDpに基づいて表示のための映像を算出する表
示映像算出部22と、前記表示映像算出部22における
算出に用いられる映像算出パラメータを格納する映像算
出パラメータ格納部23と、人間の視覚に関する心理現
象に基づく視覚モデルにしたがって、前記映像を見たと
きの見え方に関するデータである見え方データDsを算
出する見え方算出部25と、前記原映像データDpと前
記見え方データDsとを比較する比較部26と、前記比
較部26による比較結果に応じて、前記映像算出パラメ
ータの値を変更する映像算出パラメータ更新部24とを
有して構成される。
【0032】請求項5の発明に係る装置においては、表
示装置の表示特性についての情報であり、前記表示映像
算出部22における算出に用いられる表示特性情報を格
納する表示特性情報格納部27を有する。
【0033】請求項6の発明に係る装置においては、前
記見え方算出部25における算出に用いられる見え方算
出パラメータを格納する見え方算出パラメータ格納部2
8と、前記映像を画面に表示する表示装置30と、前記
表示装置30に表示された映像に対する評価を入力する
評価入力部31と、前記評価に応じて前記見え方算出パ
ラメータを更新する見え方算出パラメータ更新部29と
を有する。
【0034】請求項7の発明に係る装置においては、原
映像データDpを格納する原映像データ格納部21と、
前記原映像データDpに基づいて表示のための映像を算
出する表示映像算出部22と、前記表示映像算出部22
における算出に用いられる映像算出パラメータを格納す
る映像算出パラメータ格納部23と、前記映像を画面に
表示する表示装置30と、前記表示装置30に表示され
た映像を撮像して撮映像データを入力する映像入力部3
2と、人間の視覚に関する心理現象に基づく視覚モデル
にしたがって、前記撮映像データについての見え方に関
するデータである見え方データDsを算出する見え方算
出部25と、前記原映像データDpと前記見え方データ
Dsとを比較する比較部26と、前記比較部26による
比較結果に応じて、前記映像算出パラメータの値を変更
する映像算出パラメータ更新部24とを有する。
【0035】請求項8の発明に係る装置においては、前
記原映像データDpとして3次元物体についての3次元
形状パラメータと3次元運動パラメータとを用い、前記
見え方算出部25において、動いている物体を見たとき
の物体の3次元運動と3次元形状を知覚する人間の機能
のモデルを用いて構成される。
【0036】
【発明の実施の形態】映像の生成方法は、コンピュータ
グラフィックス(CG)によるものと、実写映像を素材
にしたものとに大まかに分類される。CG技術の進展に
は目ざましいものがあるが、リアリティの面では実写映
像が優れている。実写映像はコンピュータ内部では数値
の2次元配列として表現されるので、CGと比べてコン
ピュータによる自在な操作が容易でない。しかし、近年
においてモーフィングなど実写映像に幾何学的な変換を
加えながら映像を生成する技術や、CGにおいて実写映
像をマッピングする技術が進展しており、CGと実写映
像とを混用することにより一層実在感のある映像を生成
することができる。
【0037】以下に説明する第1〜第4の態様はCGを
用いるものであり、第5の態様はCGと実写映像とを混
用するものである。図3は本発明に係る第1の態様の映
像生成装置3を示すブロック図である。
【0038】図3において、映像生成装置3は、被表示
対象属性格納部21a、表示映像算出部22、映像算出
パラメータ格納部23、映像算出パラメータ更新部2
4、見え方算出部25、及び比較部26からなってい
る。
【0039】被表示対象属性格納部21aは、物体の2
次元形状又は3次元形状を表すパラメータ、文字のフォ
ントデータ、物体の3次元運動を表すパラメータ、及び
物体の表面の色の分布や光源の配置などの属性(属性デ
ータ)を格納する。従来のコンピュータグラフィクスで
は、これらの属性を用い、光学や幾何学に基づいて映像
を算出していたが、この映像生成装置3では、表示映像
算出部22での算出において、焦点距離や各種画像変換
パラメータなどの変更可能なパラメータ(映像算出パラ
メータ)を調節することによって、光学や幾何学には必
ずしも忠実ではないけれども、人間が見たときにより正
確に外界や構造を理解することができるように算出す
る。なお、被表示対象属性格納部21aに格納される被
表示対象の属性は、本発明における原映像データDpの
一部である。したがって被表示対象の属性を、「属性D
p」と記載することがある。
【0040】映像算出パラメータ格納部23は、映像算
出パラメータを格納する。映像算出パラメータの初期値
としては、通常のコンピュータグラフィクスにしたが
う。表示映像算出部22は、表示映像パラメータを参照
して映像(映像データ)を算出する。算出された映像
は、ビットマップ方式のフレームメモリFMに書き込ま
れる。見え方算出部25には、人間の視覚に関する各種
の心理現象に基づいて予め構築してある見え方のモデル
がコンピュータのプログラムとして搭載されている。見
え方算出部25において、表示映像算出部22で算出さ
れた映像に基づいて、人間の見え方を表す見え方データ
Dsを算出する。比較部26は、算出された見え方デー
タDsと被表示対象属性格納部21aに格納された被表
示対象の属性とを比較し、両者が近くなるように映像算
出パラメータを更新する。
【0041】その後、更新された映像算出パラメータを
用いて映像を再度算出し、その結果から見え方データD
sを算出してそれと被表示対象の属性とを比較し、再度
映像算出パラメータを更新する。この処理を見え方デー
タDsと被表示対象の属性Dpとが充分に近くなるまで
繰り返す。
【0042】なお、図3における表示映像算出部22及
び映像算出パラメータ格納部23が、図2における映像
生成手段fに相当する。図4は本発明に係る第2の態様
の映像生成装置3Aを示すブロック図である。
【0043】映像生成装置3Aにおいては、上述した映
像生成装置3に対して、ディスプレイ特性格納部27が
追加されている。ディスプレイ特性格納部27には、表
示装置(ディスプレイ)の解像度、表示可能な色数、表
示色のドットパターン、濃度階調数、ガンマ特性、残像
時間などの特性情報が記述して格納されている。映像生
成装置3Aでは、表示映像算出部22による映像の算出
にあたって、これらの特性情報に応じて表示装置の画面
に表示される映像を算出する。これによって、表示装置
毎に異なる特性に対応して最適な映像を算出することが
できる。
【0044】なお、図4における表示映像算出部22及
び映像算出パラメータ格納部23は、図2における映像
生成手段f及び表示系モデルdに相当する。図5は本発
明に係る第3の態様の映像生成装置3Bを示すブロック
図である。
【0045】映像生成装置3Bにおいては、上述した映
像生成装置3Aに対して、見え方算出パラメータ格納部
28、見え方算出パラメータ更新部29、表示部(表示
装置)30、及び評価入力部31が追加されている。映
像生成装置3Bでは、表示映像算出部22で算出された
映像を表示部30の画面に表示し、その映像を人間が見
て評価し、その結果を評価入力部31から入力する。評
価入力部31から入力された評価に応じて、見え方算出
パラメータ更新部29によって見え方算出パラメータ格
納部28に格納された見え方算出パラメータを更新す
る。見え方算出部25は、見え方算出パラメータを参照
して見え方データDsを算出する。このように、表示部
30に表示された映像の評価に応じて見え方算出パラメ
ータを変更することにより、見え方のモデルをより妥当
なものに変更することができる。
【0046】つまり、上述した第1及び第2の態様の映
像生成装置3,3Aでは、各種の心理現象に基づいて構
築した見え方のモデルを搭載してあるが、見え方のモデ
ルは未だ完全なものではない。映像生成装置3Bのよう
に人間の評価に応じて見え方のモデルを更新することに
より、算出された映像を見たときの人間の見え方をより
正確に算出することができる。その結果として、見え方
データDsと属性Dpをよりよく一致させることができ
る。
【0047】図6は本発明に係る第4の態様の映像生成
装置3Cを示すブロック図である。映像生成装置3Cに
おいては、上述した映像生成装置3に対して、表示部3
0及び映像入力部32が追加されている。すなわち、上
述の映像生成装置3Aでは、表示装置(表示部)の特性
をパラメータとして表現し、これによって表示装置に表
示されるであろう映像をシミュレーションによって算出
していた。この例の映像生成装置3Cでは、映像を表示
部30の画面に実際に表示することにより、パラメータ
では表現しきれない表示装置の特性をも計算に入れるこ
とができ、より確実に表示装置の特性に適応することが
できる。なお、映像入力部32は種々の撮像デバイスを
用いたカメラである。
【0048】図7は本発明に係る第5の態様の映像生成
装置3Dを示すブロック図である。映像生成装置3Dに
おいては、上述した映像生成装置3Bに対して、画像デ
ータ格納部21bが追加されている。画像データ格納部
21bには、カメラなどから入力した実写画像の画像デ
ータが格納されている。ここの映像生成装置3Dでは、
表示映像算出部22において、画像データ格納部21b
に格納された画像データを素材とし、必要に応じて被表
示対象属性格納部21aの属性Dpを用い、各種変換や
画像合成などを行うことによって映像を算出する。実写
画像を素材にしているので、従来のコンピュータグラフ
ィック技術では実現しきれないより実在感のある映像を
生成することができる。なお、被表示対象属性格納部2
1a及び画像データ格納部21bによって原映像データ
格納部21が構成されている。被表示対象属性格納部2
1aに格納される属性はコンピュータグラフィックスに
用いられるデータであり、これと実写画像の画像データ
とを合わせたものが本発明における原映像データDpで
ある。
【0049】図示は省略したが、本発明に係る第6の態
様の映像生成装置3Eにおいては、上述した第1〜第5
の態様の映像生成装置3〜3Dに対し、被表示対象の属
性としてHDTVなど高い解像度の映像に人間の視覚感
度特性に合致する時空間フィルタを施したものを用い
る。これは高い解像度の映像を見たときの人間の見え方
を表している。一方、画像データとしては高い解像度の
データを持っているが、使用できる表示装置の解像度が
低いためにそのままでは表示できないような場合があ
る。その場合に、従来は画素を間引いて表示していた
が、ここの映像生成装置3Eでは、人間が見たときに高
い解像度のままで見たときとできるだけ見え方が一致す
るように画像を表示できるようにしたものである。その
ため、見え方算出部25に人間の視覚感度特性に合致す
る時空間フィルタを搭載し、低い解像度の画像を見たと
きの見え方を算出する。それが原映像データ格納部21
に格納されている高い解像度の画像を見たときの見え方
とできるだけ一致するように映像を算出する。この映像
生成装置3Eによると、低い解像度の表示装置に表示し
たときにおいて、高い解像度の表示装置に表示した場合
と比較してほとんど遜色のない映像を表示することがで
きる。
【0050】図示は省略したが、本発明に係る第7の態
様の映像生成装置3Fにおいては、上述した第1〜第5
の態様の映像生成装置3〜3Dに対し、被表示対象の属
性として3次元物体の3次元形状パラメータと3次元運
動パラメータとを用い、見え方算出部25において、動
いている物体を見たときにその物体の3次元運動と3次
元形状を知覚する人間の機能のモデルを用いたものであ
る。3次元運動と3次元形状を知覚する人間の機能のモ
デルとしては、第6の態様の説明で述べた時空間フィル
タ、勾配法の原理によってオプティカルフローを算出す
る手段、さらにオプティカルフローから物体の3次元運
動と3次元形状を算出する手段を用いる。これによっ
て、例えば、実際に回転するバーバーポールをそのまま
見たときにはバーバーポールが回転しているのではなく
鉛直方向に移動しているように見えるが、この映像生成
装置3Fにしたがって映像を算出すれば、バーバーポー
ルが正しく回転しているように見える映像を生成するこ
とができる。
【0051】次に、3種類の映像の本発明への適用例に
ついて説明する。まず、本発明を適用して標準文字フォ
ントSFからそれを縮小した縮小文字フォントRFの映
像を生成する例について説明する。
【0052】図8は標準文字フォントから縮小文字フォ
ントを生成する過程を模式的に示す図である。図8
(A)は標準文字フォントSFであり、標準文字フォン
トSFを特定の距離から見たときに見える映像が、本発
明における見せたいものA又は原映像データDpに相当
する。表示映像算出部22において、標準文字フォント
SFを2分の1の大きさに縮小する演算を行い、図8
(B)に示す縮小文字フォントRFを生成する。縮小文
字フォントRFは、全体の大きさが2分の1となってい
る他、各部のプロポーションが人間の視覚に関する心理
現象及び表示装置による制約を補うように変形されてい
る。縮小文字フォントRFは、図8(C)に示すように
フレームメモリ映像RF1としてフレームメモリFMに
書き込まれる。表示部30がある場合にはそれが画面に
表示される。見え方算出部25において、図8(D)に
示すように視覚文字フォントRF2が算出される。視覚
文字フォントRF2と標準文字フォントSFとが比較部
26で比較され、両者が近くなるように映像算出パラメ
ータが更新される。更新された映像算出パラメータによ
って再度縮小文字フォントRFが生成され、以降これら
の処理が適当回数繰り返される。最終的に得られた縮小
文字フォントRFが目標とする映像である。最終的に映
像算出パラメータ格納部23に格納されている映像算出
パラメータを用いることにより、同種の標準文字フォン
トから、視覚に関する心理現象及び表示装置による制約
を補った縮小文字フォントを生成することができる。
【0053】また、標準文字フォントSFと画面に表示
された縮小文字フォントRFとを実際に見て比較し、そ
れに対する評価を入力することによって、見え方算出パ
ラメータを更新し、これによって視覚モデルに変更を加
える。なお、ここでの評価の手法として、例えば「2つ
のフォントは同一に見えるか」という質問に対して、イ
エス又はノーで答える。
【0054】次に、円柱のCGデータに基づいて回転す
る円柱の映像を生成する例について説明する。この例で
は、本来見せたいものは映像中の剛体物体の3次元形状
と3次元運動であるとする。つまり、図2における一致
度の評価では、3次元形状及び3次元運動を比較する。
【0055】円柱のCGデータは、3次元形状データ及
び3次元運動データとして被表示対象属性格納部21a
に格納されている。それらのデータ(属性Dp)に基づ
いて、回転する円柱のデータが表示映像算出部22で算
出され、その映像がフレームメモリFMに書き込まれ
る。回転する円柱のデータは、回転過程にあるそれぞれ
の姿勢又は位置における円柱の時系列データとして得ら
れる。得られたデータに基づいて、見え方算出部25に
よって回転する円柱の見え方である見え方データDsが
算出される。それらが比較され、互いに一致するように
映像算出パラメータが更新される。
【0056】フレームメモリFMに書き込まれた回転す
る円柱の映像を画面で実際に見て、それに対する評価を
入力して見え方算出パラメータを更新し、視覚モデルに
変更を加える。なお、ここでの評価の手法として、例え
ば「目標とする回転になっているか」又は「2つの円柱
の回転は同じか」などの質問に対して、イエス又はノー
で答える。
【0057】ところで、人間は単眼の場合でも動いてい
る物体の3次元的な形や動きを知覚することができる。
これらの3次元情報を知覚するプロセスは次の二段階で
行われている。最初にオプティカルフローと呼称される
網膜上での2次元速度場を算出し、次にオプティカルフ
ローを基に物体の3次元的な動きと形を知覚する。ここ
で、時間的に変化するパターンを見たときの人間の知覚
特性に基づいてモデル化したオプティカルフローの算出
方法、及びオプティカルフローをもとに物体の3次元の
動きと形を類推する方法について、簡単に説明する。得
られた結果は視覚モデルの初期値として用いる。
【0058】なお、これらの方法については、遠藤,鳥
生,吉田,「時空間に関する滑らかさ制約を用いたオプ
ティカルフローの算出」信学会論文集,Vol.J74
−D−II,No.12,pp1678−1685、及
び、N.Tagawa,T.Toriu,and T.
Endoh,“Un−Biased Linear A
lgorithm for Recovering T
hree−Dimensional Motion f
rom Optical Flow”,IEICE T
rans.Imform.& Syst.Vol.E7
6−D,No.10,pp1263−1275,199
3に詳しい。 〔オプティカルフローの算出〕人間の視覚感度特性を近
似的に再現する時空間フィルタのモデルを構成し、この
モデルを拡張することでオプティカルフローを算出する
モデルを導く。目に入る光りのパターンをI(x,y,
t)、時空間フィルタの出力をL(x,y,t)とする
と、時空間フィルタは次の(4)式で表すことができ
る。
【0059】 L(x,y,t)=−〔UN (x,y,t)−UN-1 (x,y,t)〕 τ(dUn /dt)=σ∇2 n (x,y,t) −〔Un (x,y,t)−Un-1 (x,y,t)〕 ……(4) 但し、〔n=1〜N,U0 (x,y,t)=W(x,
y,t)〕 この時空間フィルタの周波数特性は、人間の目の周波数
特性と良く一致している。上述の(4)式の時空間フィ
ルタは、スカラー場に対する方程式である。オプティカ
ルフローを算出するために、(4)式をベクトルの形式
に改め、それを(4)式の出力に施す。
【0060】 τ〔∂(vx,vy)/∂t〕 =σ∇2 (vx,vy)−〔(Lx,Ly)/(Lx2 +Ly2 )〕 ・(Lxvx+Lyvy+Lt)…(5) ここで、vx,vyはオプティカルフローの成分であ
る。(4)(5)式によって、動画像からオプティカル
フローが算出される。 〔3次元構造と運動の推定〕3次元空間を運動している
物体は、網膜上に2次元の速度ベクトル場、すなわちオ
プティカルフローを生じさせる。逆に網膜上でのオプテ
ィカルフローから物体の動きと形を復元することを考え
る。3次元が2次元の網膜に投影されるときに次元が1
つ落ちるので、一般的には2次元像から3次元像を復元
できない。そこで、物体が剛体であると仮定する。この
とき、物体の動きは並進運動(Tx,Ty,Tz)と回
転運動(Wx,Wy,Wz)だけで決まる。解くべき問
題はオプティカルフローから並進運動と回転運動、及び
網膜からの各点の奥行き座標を求めることである。
【0061】物体上の点(X,Y,Z)は網膜上の点
(x,y)に投影されるとき、焦点距離を1とすると、 x=X/Z y=Y/Z ……(6) の関係がある。また、点(X,Y,Z)の速度は、
【0062】
【数1】
【0063】で表される。(6)式を時間で微分して
(7)式を使うと、 vx=−Wx xy+Wy (1+x2 )+Wz y+(Tx −Tz x)Z vy=−Wx (1+y2 )+Wy xy+Wz x+(Ty −Tz x)Z ……(8) が得られる。(8)式は網膜上の各点で成立するが、こ
れらを、並進運動(Tx,Ty,Tz)、回転運動(W
x,Wy,Wz)、及び奥行き座標Zをそれぞれ未知数
として解けばよい。
【0064】次に、物体を多視点から実写し、得られた
複数の映像に基づいて任意視点の物体の映像を生成する
例について説明する。この例では、生成された映像を人
間が見たときに、本来の3次元形状と3次元運動を正し
く知覚できるようにする、というのが問題設定である。
実写の映像として、例えばビルを異なる位置から撮影し
た2枚の写真を用いる。これらの2枚の写真に基づい
て、それらの映像を補間して立体的なビルの回転の像を
作成する。その際に、どのように補間すれば実在感が得
られるかという問題に解が与えられるので、これによっ
て補間のパラメータを最適化することができる。
【0065】与えられた複数の画像(映像)に基づいて
任意視点から見た映像を生成するには、特徴点抽出(指
定)、カメラの視点とカメラの方向推定、近傍3視点の
選択、及び、3視点画像の補間合成の各ステップを順次
実行する。特徴点抽出(指定)のステップでは、複数個
の視点から撮影したそれぞれの画像における特徴点の位
置と、ある画像と他の画像の特徴点の対応関係を指定す
る。カメラの視点とカメラの方向推定では、複数枚の画
像の特徴点の対応関係に基づいて、物体に固定された座
標系におけるカメラの視点の位置とカメラの方向を推定
する。ここでは、画像が透視投影によって生成されたと
の仮定の下に、特徴点の数と視点の数が多い極限で最適
性(最小分散性)が補償されている最尤推定に基づいて
推定する。近傍3視点の選択では、物体に固定された座
標系における指定された視点の近傍にある3つの視点を
選択する。具体的には、選択した3つの視点の位置ベク
トルが作る三角錐の内部に指定された視点の位置ベクト
ルが存在し、しかも、推定された視点の位置ベクトルと
選択した視点の位置ベクトルのなす角ができるだけ小さ
くなるような3視点を選択する。
【0066】次に、3視点画像の補間合成では、選択さ
れた3視点から撮影した画像を基に、それらを以下のよ
うに補間合成して、指定された視点から見た画像を生成
する。まず、選択された3視点の画像における特徴点の
位置を基に、指定された視点の画像において対応する特
徴点の位置を定める。その方法には任意性があるが、図
2の内側のループ1Aを回りながら最適な特徴点の位置
を求める。初期値としては、それぞれの画像を、原点を
中心にある角度だけ回転させて方向をそろえ、その上
で、指定した視点と選択した視点の間の角度に応じた重
みをつけて3つの特徴点の位置を平均したものを用い
る。
【0067】次に、選択された3視点の画像のそれぞれ
を、指定した視点の画像に変換する座標変換を求める。
この座標変換は、それぞれの視点における画像の特徴点
の位置が、指定した視点における画像の対応する特徴点
の位置に変換されるという条件を満たす範囲で任意性が
ある。この任意性も、図2の内側のループ1Aを回すこ
とによって、生成された映像を人間が見たときにできる
だけ正しく3次元形状と3次元運動が知覚できるように
解消する。座標変換の初期値としては、予め各特徴を頂
点とする三角形によってそれぞれの画像を分割してお
き、それぞれの三角形の内部を3頂点の対応で定まるア
フィン変換で変換するような座標変換を用いる。選択さ
れたそれぞれの3視点画像を指定した視点からみた画像
に変換する座標変換が定まると、その座標変換によって
それぞれの3視点画像を変換したものを適当に重みを付
けて合成し、その視点から見た画像を生成する。
【0068】
【発明の効果】請求項1乃至請求項8の発明によると、
見せたいもの又は映像に加工を施すことによって、画面
に表示された映像を見たときの見え方を本来見せたい映
像にできるだけ一致させ、映像に実在感を与えることが
できる。
【0069】請求項3の発明によると、見せたいものと
見え方とのずれが許容範囲を越える場合などにおいて、
視覚モデルをより妥当なものに変更することができる。
請求項5の発明によると、表示装置毎に異なる特性に対
応して最適な映像を算出することができる。
【0070】請求項6の発明によると、算出された映像
を見たときの人間の見え方をより正確に算出することが
でき、原映像データと見え方データとをよりよく一致さ
せることができる。
【0071】請求項7の発明によると、パラメータでは
表現しきれない表示装置の特性をも計算に入れることが
でき、より確実に表示装置の特性に適応することができ
る。請求項8の発明によると、3次元形状の物体の3次
元運動に実在感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な考え方を示す図である。
【図2】本発明の映像の生成方法を説明するための図で
ある。
【図3】本発明に係る第1の態様の映像生成装置を示す
ブロック図である。
【図4】本発明に係る第2の態様の映像生成装置を示す
ブロック図である。
【図5】本発明に係る第3の態様の映像生成装置を示す
ブロック図である。
【図6】本発明に係る第4の態様の映像生成装置を示す
ブロック図である。
【図7】本発明に係る第5の態様の映像生成装置を示す
ブロック図である。
【図8】標準文字フォントから縮小文字フォントを生成
する過程を模式的に示す図である。
【図9】従来における映像生成装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】物体投影を説明する図である。
【図11】人間の視覚に関する心理現象の例を説明する
図である。
【符号の説明】
3,3A,3B,3C,3D 映像生成装置 A 見せたいもの Dp 原映像データ J 映像 B 見え方 Ds 視覚映像データ f 映像生成手段 v 視覚モデル FM フレームメモリ 21 原映像データ格納部 21a 被表示対象属性格納部(原映像データ格納部) 21b 画像データ格納部(原映像データ格納部) 22 表示映像算出部 23 映像算出パラメータ格納部 24 映像算出パラメータ更新部 25 見え方算出部 26 比較部 27 ディスプレイ特性格納部(表示特性情報格納部) 28 見え方算出パラメータ格納部 29 見え方算出パラメータ更新部 30 表示装置(表示部) 31 評価入力部 32 映像入力部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人間の視覚に関する心理現象に基づいて、
    視覚過程をシミュレートする視覚モデルを構築し、 見せたいものに対して映像生成手段による加工を行って
    映像を生成するとともに、生成された映像についての前
    記視覚モデルによってシミュレートされた見え方が、前
    記見せたいものとできるだけ一致するように、前記映像
    生成手段を遂次的に最適化することを特徴とする映像の
    生成方法。
  2. 【請求項2】見せたい原映像のデータである原映像デー
    タに対して映像生成手段による処理を行ってフレームメ
    モリ上の映像を生成し、 生成された映像に対して、人間の視覚に関する心理現象
    に基づく視覚モデルによるシミュレートを行い、視覚さ
    れる映像のデータである視覚映像データを生成し、 前記視覚映像データと前記原映像データとの差異が最小
    となるように前記映像生成手段を遂次的に最適化するこ
    とを特徴とする映像の生成方法。
  3. 【請求項3】生成された映像の評価に応じて前記視覚モ
    デルの変更を行う請求項1又は請求項2記載の映像の生
    成方法。
  4. 【請求項4】原映像データを格納する原映像データ格納
    部と、 前記原映像データに基づいて表示のための映像を算出す
    る表示映像算出部と、 前記表示映像算出部における算出に用いられる映像算出
    パラメータを格納する映像算出パラメータ格納部と、 人間の視覚に関する心理現象に基づく視覚モデルにした
    がって、前記映像を見たときの見え方に関するデータで
    ある見え方データを算出する見え方算出部と、 前記原映像データと前記見え方データとを比較する比較
    部と、 前記比較部による比較結果に応じて、前記映像算出パラ
    メータの値を変更する映像算出パラメータ更新部と、 を有することを特徴とする映像の生成装置。
  5. 【請求項5】表示装置の表示特性についての情報であ
    り、前記表示映像算出部における算出に用いられる表示
    特性情報を格納する表示特性情報格納部を有する請求項
    4記載の映像の生成装置。
  6. 【請求項6】前記見え方算出部における算出に用いられ
    る見え方算出パラメータを格納する見え方算出パラメー
    タ格納部と、 前記映像を画面に表示する表示装置と、 前記表示装置に表示された映像に対する評価を入力する
    評価入力部と、 前記評価に応じて前記見え方算出パラメータを更新する
    見え方算出パラメータ更新部と、 を有する請求項5記載の映像の生成装置。
  7. 【請求項7】原映像データを格納する原映像データ格納
    部と、 前記原映像データに基づいて表示のための映像を算出す
    る表示映像算出部と、 前記表示映像算出部における算出に用いられる映像算出
    パラメータを格納する映像算出パラメータ格納部と、 前記映像を画面に表示する表示装置と、 前記表示装置に表示された映像を撮像して撮映像データ
    を入力する映像入力部と、 人間の視覚に関する心理現象に基づく視覚モデルにした
    がって、前記撮映像データについての見え方に関するデ
    ータである見え方データを算出する見え方算出部と、 前記原映像データと前記見え方データとを比較する比較
    部と、 前記比較部による比較結果に応じて、前記映像算出パラ
    メータの値を変更する映像算出パラメータ更新部と、 を有することを特徴とする映像の生成装置。
  8. 【請求項8】前記原映像データとして3次元物体につい
    ての3次元形状パラメータと3次元運動パラメータとを
    用い、 前記見え方算出部において、動いている物体を見たとき
    の物体の3次元運動と3次元形状を知覚する人間の機能
    のモデルを用いて構成されている請求項4乃至請求項7
    のいずれかに記載の映像の生成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003092303A1 (en) * 2002-04-25 2003-11-06 Sharp Kabushiki Kaisha Multimedia information generation method and multimedia information reproduction device

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