JPH0980245A - 光導波路型偏波分離素子 - Google Patents

光導波路型偏波分離素子

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JPH0980245A
JPH0980245A JP4968896A JP4968896A JPH0980245A JP H0980245 A JPH0980245 A JP H0980245A JP 4968896 A JP4968896 A JP 4968896A JP 4968896 A JP4968896 A JP 4968896A JP H0980245 A JPH0980245 A JP H0980245A
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JP
Japan
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refractive index
optical waveguide
core
coupling layer
polarization
Prior art date
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JP4968896A
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English (en)
Inventor
Akira Okada
顕 岡田
Hideyuki Takahara
秀行 高原
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光素子との集積化が可能な小型の光導波路型
偏波分離素子の提供。 【解決手段】 基板と、前記基板主面上に略平行に設け
られる同じ屈折率のコアをもつ2本の光導波路と、前記
基板の主面に設けられる前記2本の光導波路を光学的に
結合する結合層とを有する光導波路型偏波分離素子であ
って、前記光導波路及び結合層は光学的に等方な材料又
は複屈折性材料で構成され、所定の偏波面を有する光に
対する屈折率は前記結合層の屈折率が前記光導波路のコ
アの屈折率よりも小さくなり、他の偏波面を有する光に
対する屈折率は前記結合層の屈折率が前記光導波路のコ
アの屈折率よりも大きくなり、かつ前記2つの光導波路
のうちのいずれか一方の光導波路に光を導波させた際、
前記所定の偏波面を有する光は前記一方の光導波路を導
波し、前記他の偏波面を有する光は前記結合層を介して
一方の光導波路から他方の光導波路に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光伝送
路、光計測等の光学システム系に用いられる光導波路型
偏波分離素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信あるいは光計測の分野において利
用されるヘテロダイン検波技術などは、光を直交する2
つの直線偏波に分離する機能をもつ偏波分離素子が必要
である。
【0003】従来の偏波分離素子には、複屈折性結晶板
や偏波により反射率が異なる誘電体多層膜が斜面に蒸着
コートされた2個の直角プリズムを斜面で張り合わせた
ものがある。
【0004】市販されているこれらバルク型偏波分離素
子の形状は、一辺の長さが5mm以上の立方体又は直方
体である。
【0005】これらを用いて、例えば光ファイバを伝搬
する光(p波+s波)を直交する2つの直線偏波(p波
又はs波)に分離する場合には、図9に示すように、2
個の直角プリズムを斜面で張り合わせた偏波分離素子
(偏光ビームスプリッタ)1に、伝送用光ファイバ2a
と2本の検出用光ファイバ2b,2cの先端をそれぞれ
対峙させる。また、各光ファイバ2a,2b,2cの先
端には、光の平行光束化を図るためにファイバコリメー
タ3a,3b,3cが接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘテロダイン検
波技術においては、バルク型偏波分離素子を用いて光フ
ァイバの導波光を偏波分離するが、この際、光ファイバ
から出射した光が広がらずに空間を伝搬させるためにコ
リメートレンズなどのバルク光学部品が必要となる。こ
のため、偏波分離の光学系が大型化し、光導波路やレー
ザダイオード(LD)やフォトダイオード(PD)の光
素子などで構成された光集積回路への組み込みは困難と
なる。
【0007】本発明の目的は、偏波分離光学系の小型化
を図ることができる光導波路型偏波分離素子を提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、光素子との集積化が
可能な小型の光導波路型偏波分離素子を提供することに
ある。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0011】(1)基板と、該基板主面上に略平行に設
けられる同じ屈折率の2本の光導波路と、該2本の光導
波路を光学的に結合する結合層とを有する光導波路型偏
波分離素子であって、前記光導波路及び結合層は光学的
に等方な材料又は複屈折性材料で構成され、所定の偏波
面を有する光に対する屈折率は前記結合層の屈折率が前
記光導波路の屈折率よりも小さくなり、他の偏波面を有
する光に対する屈折率は前記結合層の屈折率が前記光導
波路の屈折率よりも大きくなり、かつ前記2つの光導波
路のうちのいずれか一方の光導波路に光を導波させた
際、前記所定の偏波面を有する光は前記一方の光導波路
を導波し、前記他の偏波面を有する光は前記結合層を介
して一方の光導波路から他方の光導波路に移行する構成
になっている。
【0012】(2)基板と、該基板主面上に略平行に設
けられる同じ屈折率のコアを有する2本の光導波路と、
該2本の光導波路を光学的に結合する結合層とを有する
光導波路型偏波分離素子であって、前記光導波路及び結
合層は光学的に等方な材料又は複屈折性材料で構成さ
れ、所定の偏波面を有する光に対する屈折率は前記結合
層の屈折率が前記光導波路のコアの屈折率よりも小さく
なり、他の偏波面を有する光に対する屈折率は前記結合
層の屈折率が前記光導波路のコアの屈折率よりも大きく
なり、かつ前記2つの光導波路のうちのいずれか一方の
光導波路に光を導波させた際、前記所定の偏波面を有す
る光は前記一方の光導波路を導波し、前記他の偏波面を
有する光は前記結合層を介して一方の光導波路から他方
の光導波路に移行する構成になっている。
【0013】具体的には、前記光導波路のコアは光学的
に等方な材料(エポキシ系紫外線硬化樹脂)で構成さ
れ、前記結合層は前記基板主面に平行な偏波面をもつ光
(TE波)に対する屈折率(nTE)又は前記基板主面に
垂直な偏波面をもつ光(TM波)に対する屈折率
(nTM)のうちの一方の屈折率(nTE)が前記2本の光
導波路のコアの屈折率よりも大きい値をもち、他方の屈
折率(nTM)が前記2本の光導波路のコアの屈折率より
も小さい値をもつ複屈折性材料(フッ素化ポリイミド樹
脂)で構成されている。
【0014】(3)前記(2)の光導波路型偏波分離素
子において、前記光導波路のコアは前記基板主面に平行
な偏波面をもつ光(TE波)に対する屈折率(nTE
と、前記基板主面に垂直な偏波面をもつ光(TM波)に
対する屈折率(nTM)が異なる複屈折性材料(フッ素化
ポリイミド樹脂)で構成され(nTE>nTM)、前記結合
層は屈折率が前記2本の光導波路のコアのTE波に対す
る屈折率とTM波に対する屈折率の間の値をもつ光学的
に等方の材料(エポキシ系紫外線硬化樹脂)で構成され
ている。
【0015】(4)前記(2)の光導波路型偏波分離素
子において、前記光導波路のコアは前記基板主面に平行
な偏波面を有する光(TE波)に対する屈折率と前記基
板主面に垂直な偏波面を有する光(TM波)に対する屈
折率が異なる複屈折性材料で構成され、前記結合層は屈
折率が前記2本の光導波路のコアのTE波に対する屈折
率とTM波に対する屈折率の間の値を有する光学的に等
方の材料で構成されている。
【0016】(5)基板と、該基板の表面上に形成され
た同じ屈折率を有する2本のコアと、該2本のコアの間
に配置された結合層と、前記コアと結合層の間に形成さ
れた2つの介在層からなる光導波路型偏波分離素子であ
って、前記コアと介在層は等方材料からなり、結合層は
複屈折材料からなりTE波に対して第1の屈折率を有
し、TM波に対して第2の屈折率を有し、前記第1の屈
折率あるいは第2の屈折率の一方の屈折率がコア屈折率
よりも大きな値であり、残りの他方の屈折率は介在層の
屈折率より小さな値であり、介在層の屈折率はコアの屈
折率よりも小さな一定値であり、かつコアの屈折率が結
合層の屈折率よりも大きくなる偏波に対しては結合層の
屈折率値以上の値であり、またコアの屈折率が結合層の
屈折率よりも小さくなる偏波に対しては結合層の屈折率
より小さな値であり、前記コアと結合層と介在層の周辺
部の屈折率は光の偏波面によらずコアの屈折率よりも小
さい値であり、TE波あるいはTM波のみが前記コアを
有する光導波路間で結合する構成となっている。
【0017】(6)基板と、該基板の表面上に形成され
た同じ屈折率を有する2本のコアと、該2本のコアの間
に配置された結合層と、前記コアと結合層の間に形成さ
れた2つの介在層からなる光導波路型偏波分離素子であ
って、結合層は等方材料からなり、前記コアと介在層は
複屈折材料からなりTE波に対して第1の屈折率を有
し、TM波に対して第2の屈折率を有し、第1の屈折率
あるいは第2の屈折率が結合層の屈折率よりも大きな値
であり、残りの他方の屈折率は結合層の屈折率より小さ
な値であり、介在層の屈折率は偏波によらずコアよりも
小さな屈折率であり、かつコアの屈折率が結合層の屈折
率よりも大きくなる偏波に対しては結合層の屈折率以上
の値であり、またコアの屈折率が結合層の屈折率よりも
小さくなる偏波に対しては結合層の屈折率以下の値であ
り、前記コアと結合層と介在層の周辺部の屈折率は光の
偏波面によらずコアの屈折率よりも小さい値であり、T
E波あるいはTM波のみが前記コアを有する2本の光導
波路間で結合する構成となっている。
【0018】前記(1)の手段によれば、光導波路型偏
波分離素子は、平行に延在する2本の光導波路と、これ
ら光導波路を光学的に結合する結合層とを有し、前記光
導波路及び結合層は光学的に等方な材料又は複屈折性材
料で構成され、所定の偏波面を有する光に対する屈折率
は前記結合層の屈折率が前記光導波路の屈折率よりも小
さくなり、他の偏波面を有する光に対する屈折率は前記
結合層の屈折率が前記光導波路の屈折率よりも大きくな
っていることから、前記2つの光導波路のうちのいずれ
か一方の光導波路に光を導波させた際、前記所定の偏波
面を有する光は前記一方の光導波路を導波し、前記他の
偏波面を有する光は前記結合層を介して一方の光導波路
から他方の光導波路に移行するため、所定の偏波面を有
する光と他の偏波面を有する光の分離が確実に行える。
【0019】前記(2)の手段によれば、光導波路型偏
波分離素子は、平行に延在する2本の光導波路のコア
と、これら光導波路のコアを光学的に結合する結合層と
を有し、前記結合層の屈折率はTE波に対しては大き
く、TM波に対しては小さいため、前記2つの光導波路
のうちのいずれか一方の光導波路に光を導波させた際、
TM波は前記一方の光導波路を導波し、TE波は前記結
合層を介して一方の光導波路から他方の光導波路に移行
し、TE波とTM波の分離が確実に行える。
【0020】前記(3)の手段によれば、前記光導波路
のコアはTE波に対する屈折率(nTE)とTM波に対す
る屈折率(nTM)が異なる複屈折体(nTE>nTM)とな
り、前記結合層は屈折率が前記2本の光導波路のコアの
TE波に対する屈折率とTM波に対する屈折率の間の値
をもつ光学的に等方の材料で構成されていることから、
2つの光導波路のうちのいずれか一方の光導波路に光を
導波させた際、TE波は前記一方の光導波路を導波し、
TM波は前記結合層を介して一方の光導波路から他方の
光導波路に移行し、TE波とTM波の分離が確実に行え
る。
【0021】前記(4)の手段によれば、前記光導波路
のコアは前記基板主面に平行な偏波面を有する光(TE
波)に対する屈折率と前記基板主面に垂直な偏波面を有
する光(TM波)に対する屈折率が異なる複屈折性材料
で構成され、前記結合層は屈折率が前記2本の光導波路
のコアのTE波に対する屈折率とTM波に対する屈折率
の間の値を有する光学的に等方の材料で構成されている
ことから、2つの光導波路のうちのいずれか一方の光導
波路に光を導波させた際、TE波は前記一方の光導波路
を導波し、TM波は前記結合層を介して一方の光導波路
から他方の光導波路に移行し、TE波とTM波の分離が
確実に行える。
【0022】前記(5),(6)の手段によれば、前記
コアと結合層の間に低屈折率層を設けることから、より
高い消光比が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態(実施例)を詳細に説明する。
【0024】なお、実施形態を説明するための全図にお
いて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰
り返しの説明は省略する。
【0025】(実施形態1)図1は本発明の一実施形態
(実施形態1)の光導波路型偏波分離素子の概略を示す
断面図、図2は図1の破線におけるTM波及びTE波に
対する屈折率分布を示すグラフである。図2において、
(a)図はTM波に対する屈折率分布、(b)図はTE
波に対する屈折率分布を示すグラフである。
【0026】本実施形態1の光導波路型偏波分離素子
は、図1に示すように、平板の基板4の主面(上面)上
にストリップ状の光導波路A,Bが平行に設けられてい
る。光導波路A,Bはコア6a,6bによって形成され
ている。また、前記2本の光導波路のコア6a,6bを
光学的に結合する結合層7が、2本の光導波路のコア6
a,6b間の基板4の主面上に設けられている。また、
基板4の主面及びコア6a,6bならびに結合層7は上
部クラッド5で覆われている。
【0027】ここで、本実施形態1を説明する前に、図
1及び図2を参照しながら本発明の光導波路型偏波分離
素子の原理を説明する。
【0028】前記基板4及び上部クラッド5は、2本の
コア6a,6bよりも偏波によらず小さな屈折率をもつ
が、結合層7は複屈折体であり、その屈折率はTE波,
TM波の偏波によりコア6a,6bの屈折率と大小関係
が逆転する。図2(a),(b)に図1の破線部分にお
ける屈折率分布を示す。
【0029】本発明の光導波路型偏波分離素子において
は、図2(b)で示すような屈折率分布、すなわち、2
本の光導波路(コア)に囲まれた領域の屈折率がコアの
屈折率よりも大きくなる偏波光が光導波路A又は光導波
路Bを導波するときにのみ光導波路A,光導波路B間で
結合が生じるように設計されている。これは、以下に説
明する特性を利用することにより実現される。
【0030】2本の光導波路間における光の結合、すな
わち方向性結合器のモード結合特性は、図1の3次元光
導波路を等価的に置き換えた2次元光導波路である5層
スラブ光導波路の偶モードと奇モードの干渉現象として
説明できる。偶モードと奇モードの伝搬定数をそれぞれ
βe,βoとすると、2本の光導波路間での結合長LC
次式(数1)で与えられる。
【0031】
【数1】LC=π/(βe−βo) 図2(a),(b)のどちらの屈折率分布においても2
本の光導波路間で光の結合が起きる。しかしながら、図
2(b)の場合には、2本の光導波路(コア)間の距離
に対して結合長は指数関数的に増大するのに対し、図2
(a)の場合には結合長がコア間の距離に対して周期的
に変化する。
【0032】これは、光導波路間の結合がそれぞれの光
導波路の、前者では導波モード間、後者では放射モード
間の結合であることによる。したがって、2本の光導波
路のコア間の距離を適当に設定することにより、図2
(b)の屈折率分布を与える偏波光のときにのみ、光導
波路間で結合を生じさせることができる。
【0033】前述のように、本発明の光導波路型偏波分
離素子では、2本の光導波路(コア)と、これらに挟ま
れた一定領域の結合層の屈折率の大小関係が偏波により
逆転する特性を利用して偏波分離を行っており、このよ
うな特性をもつ光導波路型偏波分離素子は、コアに等方
性材料(又は複屈折性材料)、結合層に複屈折性材料
(又は等方性材料)を用いることにより実現される。
【0034】本発明では、等方性物質と複屈折性物質を
用いて2本の光導波路(コア)の屈折率と、これら2本
のコアに挟まれた領域に形成された結合層の屈折率との
大小関係をTE波,TM波の偏波により逆転させること
によりこれらの偏波光を分離させることができる。
【0035】次に、本実施形態1について説明する。本
実施形態1の光導波路型偏波分離素子は、図1に示すよ
うに、平板の基板4の主面(上面)に平行にストリップ
状の光導波路A,B(コア6a,6b)が設けられてい
る。また、前記2本の光導波路のコア6a,6bを光学
的に結合する結合層7が、2本の光導波路のコア6a,
6b間の基板4の主面上に設けられている。また、基板
4の主面及びコア6a,6bならびに結合層7は上部ク
ラッド5で覆われている。
【0036】前記基板4,コア6a,6b及び上部クラ
ッド5は、光学的に等方な材料(等方性材料)で形成さ
れ、コア6aとコア6bに挟まれた領域の結合層7は光
学的に複屈折性をもつ材料(複屈折性材料)で形成され
ている。
【0037】ここで複屈折性とは、基板面に平行な振動
電界をもつ光(TE波)に対する屈折率(nTE)と、基
板面に垂直な振動電界をもつ光(TM波)に対する屈折
率(nTM)が異なることをいう。
【0038】前記基板4は、例えばアルミノケイ酸系の
ガラス基板からなり、波長1.3μmでの屈折率
(n4)は1.492となっている。
【0039】前記コア6a,6bは等しいコアサイズ,
同一の材料で形成されている。コアサイズは、6μm×
6μmの断面となり、素子の光の伝搬方向の長さは、前
述した素子固有の隣り合う偶モード,奇モードによって
定まる結合長LCである。コア6a,6bは、光学的に
等方なエポキシ系紫外線硬化樹脂で形成される。このエ
ポキシ系紫外線硬化樹脂の波長1.3μmでの屈折率
(n6a,n6b)は、1.500となる。エポキシ系紫外
線硬化樹脂は異なる屈折率をもつ2種類のエポキシ系紫
外線硬化樹脂からなり、これらの混合比を変えることに
より屈折率制御が可能である。
【0040】前記結合層7は、例えば基板4上にスピン
コートによって作製されるフッ素化ポリイミド樹脂によ
る薄膜によって形成されている。結合層7は2種類のフ
ッ素化ポリイミド樹脂の共重合体となっている。すなわ
ち、2,2-トリフルオロメチル-4,4-ジアミノビフェ
ニル(TFDB)とピロメリット酸二無水物(PMD
A)及びTFDBと2,2-ビス(3,4-ジカルボシキフ
ェニル)ヘキサフルオプロパン二無水物(6FDA)か
らなる2種類のフッ素化ポリイミド樹脂(以後それぞれ
PMDA/TFDB、6FDA/TFDBと略記する)
の共重合体となっている。
【0041】このポリイミド樹脂材料の屈折率は、PM
DA/TFDBと6FDA/TFDBの組成比に依存す
る。本実施形態1では、フッ素化ポリイミド樹脂として
PMDA/TFDBと6FDA/TFDBの組成比が
9:1であり、TE波に対する波長1.3μmでの屈折
率(nTE)は1.612となり、TM波に対する波長1.
3μmでの屈折率(nTM)は1.492となる。
【0042】前記上部クラッド5は、エポキシ系紫外線
硬化樹脂で形成され、波長1.3μmでの屈折率(n5
は1.492である。
【0043】上記材料を用いて作製された光導波路型偏
波分離素子の基板4,コア6a,6b,結合層7及び上
部クラッド5の屈折率には次の関係があり、図1で示し
た本実施形態1の光導波路型偏波分離素子のTM波,T
E波に対する屈折率分布は、図2(a),(b)のよう
になる。
【0044】 TM波の場合:n6a=n6b>n7TM=n4=n5 TE波の場合:n7TE>n6a=n6b>n4=n5 ここで、n4,n5,n6a,n6bは、それぞれ基板4,上
部クラッド5,コア6a,6bの屈折率である。また、
7TE,n7TMは結合層7の基板主面に平行な偏波面をも
つ導波光(TE波)に対する屈折率,基板主面に垂直な
偏波面をもつ導波光(TM波)に対する屈折率である。
【0045】一方、前記コア6aまたはコア6bにTM
波が入射したとき、両コアの導波モード間の結合が生じ
ないように両コアの距離は十分(20μm以上)にとっ
てある。したがって、コア6aにTE波,TM波を含む
光が入射したとき、すでに説明した本発明の光導波路型
偏波分離素子の原理により、TE波のみが結合層7を介
してコア6bと結合する結果、光パワーの移行が起きて
TE波のみがコア6bに移行する。なお、当然のことと
して、コア6bにTE波,TM波を含む光を入射させた
とき、TE波のみが結合層7を介してコア6aと結合す
る結果、光パワーの移行が起きてTE波のみがコア6a
に移行する。
【0046】他方、TM波は図2(a)に示すように、
結合層7が結合層として作用しないため、コア6aとコ
ア6bは光学的に結合されず、入射したTM波はコア6
a又はコア6bをそのまま通過する。
【0047】本実施形態1の光導波路型偏波分離素子
は、2本の光導波路間の結合層を複屈折性材料で形成
し、TE波に対する屈折率とTM波に対する屈折率を異
なるようにし、TE波の場合は前記結合層によって2本
の光導波路を光学的に結合させて光路を変えさせるた
め、確実にTE波とTM波の分離を可能としている。
【0048】本実施形態1の偏波分離素子は、光導波路
型となっていることから、構造が小型となる。すなわ
ち、偏波分離素子は、光導波路型となっていることか
ら、光ファイバとの直接接続が可能であり、光ファイバ
中を伝搬する光を空間伝搬させることなく2つの直交す
る直線偏波に分離することができる。したがって、レン
ズなどのバルク光学部品が不必要となり偏波分離素子を
含む光学系の実質的な小型化が実現できる。
【0049】本実施形態1の偏波分離素子は、光導波路
型となっていることから、一枚の基板上に複数の光素子
を組み込む光集積回路に容易に組み込むことができ、光
集積回路化に適したものとなる。
【0050】なお、前記実施形態1では、光導波路材料
のコア及び上部クラッドとしてはエポキシ系紫外線硬化
樹脂、2本の光導波路のコアに挟まれた領域部分に設け
た結合層には複屈折性材料としてPMDA/TFDBと
6FDA/TFDBの組成比が9:1のフッ素化ポリイ
ミド樹脂、また基板としてはアルミノケイ酸ガラスを用
いた例について説明したが、本発明を逸脱しない範囲で
他の材料を用いても良い。
【0051】(実施形態2)図3は本発明の他の実施形
態(実施形態2)の光導波路型偏波分離素子の概略を示
す断面図、図4は図3の破線におけるTM波及びTE波
に対する屈折率分布を示すグラフである。図4におい
て、(a)図はTE波に対する屈折率分布、(b)図は
TM波に対する屈折率分布を示すグラフである。
【0052】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子
は、前記実施形態1の構造において、基板4の主面上に
下部クラッド8を設け、この下部クラッド8上に前記本
実施形態1と同様に2本の光導波路A,B(コア6a,
6b)、結合層7及び上部クラッド5を設けた構造とな
っている。
【0053】本実施形態2の場合は、基板4はシリコン
基板となっている。
【0054】前記下部クラッド8及びコア6a,6bは
複屈折性材料で形成され、2本のコア6a,6b間の結
合層7及び上部クラッド5は等方性材料で形成されてい
る。
【0055】コア6a,6bは6μm×6μmの矩形断
面となり、光の伝搬方向の長さは、前述した素子固有の
隣り合う偶モード,奇モードによって定まる結合長LC
となっている。
【0056】また、コア6aとコア6bの間隔は十分
(20μm以上)とり、コア6a又はコア6bにTE波
が入射したとき、両コアの導波モード間の結合が生じな
いよに配慮されている。
【0057】下部クラッド8は、6FDA/TFDBの
みのフッ素化ポリイミド樹脂で構成されている。この6
FDA/TFDBは、TE波に対する波長1.3μmで
の屈折率は1.523であり、TM波に対する波長1.3
μmでの屈折率は1.515である。
【0058】コア6a,6bは、PMDA/TFDBと
6FDA/TFDBの組成比が3:7であるフッ素化ポ
リイミド樹脂で形成されている。このため、コア6a,
6bにおけるTE波に対する波長1.3μmでの屈折率
は1.531であり、TM波に対する波長1.3μmでの
屈折率は1.519となる。
【0059】結合層7は、波長1.3μmでの屈折率が
1.527となるエポキシ系紫外線硬化樹脂で形成され
ている。
【0060】上部クラッド5は、波長1.3μmでの屈
折率が1.515となるエポキシ系紫外線硬化樹脂で形
成されている。
【0061】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子
は、結合層7の屈折率が、前記2本のコア6a,6bの
TE波に対する屈折率(1.531)と、TM波に対す
る屈折率(1.519)の間の値(1.527)をもつ構
造となっている。
【0062】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子の
上部クラッド5、コア6a,6b、結合層7、下部クラ
ッド8のそれぞれの屈折率には次の関係があり、図3で
示した本実施形態2の光導波路型偏波分離素子のTE
波,TM波に対する屈折率分布は、図4(a),(b)
のようになる。
【0063】 TE波の場合:n6aTE=n6bTE>n7>n8>n5 TM波の場合:n7>n6aTM=n6bTM>n5=n8 ここで、n5,n7,n8は、それぞれ上部クラッド5,結
合層7,下部クラッド8の屈折率である。また、
6aTE,n6bTEはコア6a,6bの基板主面に平行な偏
波面をもつ導波光(TE波)に対する屈折率、n6aTM
6bTMはコア6a,6bの基板主面に垂直な偏波面をも
つ導波光(TM波)に対する屈折率である。
【0064】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子で
は、コア6aにTE波,TM波を含む光が入射したと
き、すでに説明した本発明の光導波路型偏波分離素子の
原理により、TM波のみが結合層7を介してコア6bと
結合する結果、光パワーの移行が起きてTM波のみがコ
ア6bに移行する。
【0065】なお、当然のこととして、コア6bにTE
波,TM波を含む光を入射させたとき、TM波のみが結
合層7を介してコア6aと結合する結果、光パワーの移
行が起きてTM波のみがコア6aに移行する。
【0066】他方、TE波は図4(a)に示すように、
結合層7が結合層として作用しないため、コア6aとコ
ア6bは光学的に結合されず、入射したTE波はコア6
a又はコア6bをそのまま通過する。
【0067】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子に
おいても、TE波,TM波の偏波により2本の光導波路
(コア)の屈折率と、これら2本のコアに挟まれた領域
部分の結合層の屈折率の大小関係が変化することによっ
て偏波の分離が可能となる。
【0068】本実施形態2の光導波路型偏波分離素子も
光導波路構造となることから光集積回路化がし易くな
る。特に本実施形態2の場合は、基板がシリコンとなる
ことからOEIC化に対しても優れたものとなる。
【0069】なお、上記実施形態2では、光導波路型偏
波分離素子を構成する材料として、上部クラッド5及び
結合層7にエポキシ系紫外線硬化樹脂、コア6a,6b
にPMDA/TFDBと6FDA/TFDBの組成比が
3:7のフッ素化ポリイミド樹脂、下部クラッド8に6
FDA/TFDBのみのフッ素化ポリイミド樹脂、基板
4としてシリコンを用いた例について説明したが、本発
明を逸脱しない範囲で他の材料を用いても良い。
【0070】(実施形態3)図5は本発明の他の実施形
態(実施形態3)の光導波路型偏波分離素子の概略を示
す断面図、図6は図5の破線におけるTM波及びTE波
に対する屈折率分布を示すグラフである。図6におい
て、(a)図はTM波に対する屈折率分布、(b)図は
TE波に対する屈折率分布を示すグラフである。
【0071】本実施形態3の原理は基本的には実施形態
1、2と同じである。実施形態1、2においては素子の
原理について素子を等価的に置き換えた5層スラブ光導
波路の偶モードと奇モードの干渉現象として説明した
が、本実施形態3では素子を等価的に置き換えた7層ス
ラブ光導波路の偶モードと奇モードの干渉現象として説
明できる。
【0072】本実施形態3の光導波路型偏波分離素子
は、図5に示すように、平板の基板4の主面(上面)上
にストリップ状の光導波路A、Bが平行に設けられてい
る。光導波路A、Bはコア6a、6bによって形成され
ている。また、前記2本の光導波路のコア6a、コア6
bを光学的に結合する結合層7は、2本の光導波路のコ
ア6a、コア6bの間の基板4の主面上にコア6a、コ
ア6bのそれぞれから少し隔てて設けられている。基板
4の主面及びコア6a、6bならびに結合層7は上部ク
ラッド5で覆われている。
【0073】前記基板4、コア6a、コア6b及び上部
クラッド5は等方性材料で形成され、結合層7は複屈折
性材料で形成されている。
【0074】コア6a、コア6bは6μm×6μmの矩
形断面となり、光の伝搬方向の長さは、前述した素子固
有の隣り合う偶モード、奇モードによって定まる結合長
Lcとなっている。
【0075】また、コア6aとコア6bの間隔は十分
(おおよそ20μm以上)とり、コア6a又はコア6b
にTE波が入射したときに、両コアの導波モード間の結
合が生じないように配慮されている。
【0076】コア6a、コア6bは、光学的に等方なエ
ポキシ系紫外線硬化樹脂で形成される。このエポキシ系
紫外線硬化樹脂の波長1.55μmでの屈折率(n6a
6b)は、1.516となる。前記結合層7は、PMD
A/TFDBと6FDA/TFDBの組成比が6:4で
あるフッ素化ポリイミド樹脂で形成されている。したが
って、結合層7のTE波に対する波長1.55μmでの
屈折率は1.55であり、TM波に対する1.55μmで
の屈折率は1.509となる。また、前記基板4は例え
ば市販されている低膨張ガラスからなり、波長1.55
μmでの屈折率は1.509となっている。
【0077】上部クラッド5は、波長1.55μmでの
屈折率が1.509となるエポキシ系紫外線硬化樹脂で
形成され、また、結合層7とコア6a、コア6bに挾ま
れた部分(介在層9)は、波長1.55μmでの屈折率
が1.509となるエポキシ系紫外線硬化樹脂で形成さ
れており、この介在層9の幅はそれぞれ3μmである。
【0078】本実施形態3の光導波路型偏波分離素子の
基板4、上部クラッド5、コア6a、6b、結合層7の
それぞれの屈折率には次の関係があり、図5で示した本
実施形態3の光導波路型偏波分離素子のTM波,TE波
に対する屈折率分布は、図6(a)、(b)のようにな
る。
【0079】 TM波の場合:n6a=n6b>n7TM=n5=n4=n9 TE波の場合:n7TE>n6a=n6b>n5=n4=n9 ここで、n4、n5、n6a、n6b、n9は、それぞれ基板
4、上部クラッド5、コア6a、コア6b、介在層9の
屈折率である。また、n7TE、n7TMは結合層7の基板主
面に平行な偏波面を持つ導波光(TE波)に対する屈折
率、基板主面に垂直な偏波面を持つ導波光(TM波)に
対する屈折率である。
【0080】本実施形態3の光導波路型偏波分離素子で
は、コア6aにTE波、TM波を含む光が入射したと
き、すでに説明した本発明の光導波路型偏波分離素子の
原理により、TE波のみが結合層7を介してコア6bと
結合する結果、光パワーの移行が起きてTE波のみがコ
ア6bに移行する。
【0081】なお、当然のこととして、コア6bにTE
波、TM波を含む光を入射させたとき、TE波のみが結
合層7を介してコア6aと結合する結果、光パワーの移
行が起きてTE波のみがコア6aに移行する。
【0082】他方、TM波は図6(a)に示すように、
結合層7が結合層として作用しないため、コア6aとコ
ア6bは光学的に結合されず、入射したTM波はコア6
a又はコア6bをそのまま透過する。
【0083】なお、前記実施形態3では、光導波路型偏
波分離素子を構成する材料として、コア6a、コア6
b、上部クラッド5にエポキシ系紫外線硬化樹脂、結合
層7としてPMDA/TFDBと6FDA/TFDBの
組成比が6:4であるフッ素化ポリイミド樹脂、基板4
として市販されている低膨張ガラスを用いた例について
説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の材料
を用いても良い。
【0084】(実施形態4)図7は本発明の他の実施形
態(実施形態4)の光導波路型偏波分離素子の概略を示
す断面図、図8は図7の破線におけるTM波及びTE波
に対する屈折率分布を示すグラフである。図8におい
て、(a)図はTE波に対する屈折率分布、(b)図は
TM波に対する屈折率分布を示すグラフである。
【0085】本実施形態4の原理は基本的には実施形態
1、2、3と同じである。実施形態1、2においては素
子の原理について素子を等価的に置き換えた5層スラブ
光導波路の偶モードと奇モードの干渉現象として説明し
たが、本実施形態4では素子を等価的に置き換えた7層
スラブ光導波路の偶モードと奇モードの干渉現象として
説明できる。
【0086】本実施形態4の光導波路型偏波分離素子
は、図7に示すように基板4上の同一平面上にある距離
を隔てて平行に作製された等しいコアサイズ、同じ材料
のコア6a、コア6bからなる埋め込み型光導波路から
なっている。上部クラッド5ならびに、コア6aとコア
6bに挾まれた結合層7は光学的に等方な材料からな
り、コア6aとコア6bは光学的に複屈折性を持つ材料
からなる。
【0087】また、基板4の主面上に設けられた下部ク
ラッド8ならびに結合層7とコア6a、コア6bに挾ま
れた部分(介在層9)は同一の複屈折性材料からなる。
ここで複屈折性とは基板面に平行な振動電界を持つ光
(TE波光)に対する屈折率と基板面に垂直な振動電界
を持つ光(TM波光)に対する屈折率が異なることをい
う。
【0088】このうち上部クラッド5ならびに、コア6
aとコア6bに挾まれた結合層7を構成する材料の一例
として、例えば光学的に等方なエポキシ系の紫外線硬化
樹脂、基板4として、例えばシリコン基板、コア6a、
コア6b及び下部クラッド8の材料として、例えば平面
基板上にスピンコートによって作製される薄膜が複屈折
性を示す2,2-トリフルオロメチル-4,4-ジアミノビ
フェニル(TFDB)とピロメリット酸二無水物(PM
DA)及び2,2-ビス(3,4-ジカルボシキフェニル)
ヘキサフルオプロパン二無水物(6FDA)からなる2
種類のフッ素化ポリイミド(以後それぞれをPMDA/
TFDB、6FDA/TFDBと略記する)の共重合体
を用いた場合について説明する。
【0089】このポリイミド材料の屈折率はPMDA/
TFDBと6FDA/TFDBの組成比に依存する。エ
ポキシ系紫外線硬化樹脂は異なる屈折率を持つ2種類の
エポキシ系紫外線硬化樹脂からなり、これらの混合比を
変えることにより屈折率制御が可能である。本実施形態
4では、コア6aとコア6bに用いるフッ素化ポリイミ
ドとしてTE波、TM波のそれぞれに対する屈折率(@
1.3μm)が1.531、1.519であるPMDA/
TFDBと6FDA/TFDBの組成比が3:7である
もの、下部クラッド8として、TE波、TM波のそれぞ
れに対する屈折率(@1.3μm)が1.523、1.5
15である6FDA/TFDBのみのフッ素化ポリイミ
ドを用いる。また、上部クラッド5に用いるエポキシ系
紫外線硬化樹脂としては、その屈折率(@1.3μm)
が1.515のものを、領域7に用いるエポキシ系紫外
線硬化樹脂としては、その屈折率(@1.3μm)が1.
523のものを用いる。
【0090】前記材料を用いて作製された光導波路型偏
波分離素子の上部クラッド5、コア6a、コア6b、こ
れらコアに挾まれた結合層7、ならびに下部クラッド8
のそれぞれの屈折率には次の関係があり、図2で示した
本実施例の光導波路型偏波分離素子のTE波,TM波に
対する屈折率分布は図8(a)、図8(b)のようにな
る。
【0091】 TE波の場合:n6aTE=n6bTE>n7=n8TE>n5 TM波の場合:n7>n6aTM=n6bTM>n5=n8TM ここで、n5、n7はそれぞれ上部クラッド、結合層7の
屈折率、n6aTE、n6b TMはそれぞれコア6a、コア6b
の基板面に平行な偏波面を持つ導波光(TE波)に対す
る屈折率、基板面に垂直な偏波面を持つ導波光(TM
波)に対する屈折率である。またn8TE、n8TMは下部ク
ラッド8のTE波、TM波に対する屈折率である。本実
施形態4の光導波路型偏波分離素子のコア6a、コア6
bのコアサイズは6×6μmであり、光の伝搬方向の長
さは、前述した素子固有の隣り合う偶モード、奇モード
によって定まる結合長Lcである。
【0092】コア6a又はコア6bにTE波が入射した
とき、両コアの導波モード間の結合が生じないように両
コアの距離は十分にとってある。したがって、コア6a
(又はコア6b)にTE波、TM波を含む光が入射した
とき、すでに説明した本発明の光導波路型偏波分離素子
の原理によりTM波のみがコア6b(又はコア6a)と
結合し光パワーの移行が生じる。そして、入射光が入射
端から結合長Lc伝搬したときにTM波は完全にコア6
b(又はコア6a)に移行する。一方、TM波はコア6
b(又はコア6a)と結合せずにコア6a(又はコア6
b)をそのまま伝搬する。
【0093】このように本実施形態4の偏波分離素子に
おいても、TE波、TM波の偏波により2本の光導波路
のコアの屈折率とこれら2本の光導波路のコアに挾まれ
た結合層部分の材料の屈折率の大小関係が変化すること
により偏波の分離を可能としている。
【0094】なお、本実施形態4では、光導波路偏波分
離素子を構成する材料として、上部クラッド5ならびに
結合層7にエポキシ系紫外線硬化樹脂、コア6aとコア
6bにPMDA/TFDBと6FDA/TFDBの組成
比が3:7のフッ素化ポリイミド、下部クラッド8に6
FDA/TFDBのみのフッ素化ポリイミド、また基板
としてはシリコンを用いた例を説明したが、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で他の材料を用いても良い。
【0095】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0096】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0097】(1)本発明の偏波分離素子は光導波路型
であることから、光ファイバとの直接接続が可能であ
り、光ファイバ中を伝搬する光を空間伝搬させることな
く2つの直交する直線偏波に分離することができる。し
たがって、レンズなどのバルク光学部品が不必要となり
偏波分離素子を含む光学系の実質的な小型化が実現でき
る。
【0098】(2)本発明の光導波路型偏波分離素子
は、光導波路構造となっていることから、一枚の基板上
に複数の光素子を組み込む光集積回路に容易に組み込む
ことができ、光集積回路化やOEIC化に適したものと
なる。
【0099】(3)コアと結合層の間に低屈折率層を設
けることから、より高い消光比が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)の光導波路
型偏波分離素子の概略を示す断面図である。
【図2】図1の破線におけるTM波及びTE波に対する
屈折率分布を示すグラフである。
【図3】本発明の他の実施形態(実施形態2)の光導波
路型偏波分離素子の概略を示す断面図である。
【図4】図3の破線におけるTM波及びTE波に対する
屈折率分布を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態(実施形態3)の光導波
路型偏波分離素子の概略を示す断面図である。
【図6】図5の破線におけるTM波及びTE波に対する
屈折率分布を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態(実施形態4)の光導波
路型偏波分離素子の概略を示す断面図である。
【図8】図7の破線におけるTE波及びTM波に対する
屈折率分布を示すグラフである。
【図9】従来の偏波分離素子による直線偏波例を示す模
式図である。
【符号の説明】
1…偏波分離素子、2a…伝送用光ファイバ、2b,2
c…検出用光ファイバ、3a,3b,3c…ファイバコ
リメータ、4…基板、5…上部クラッド、6a,6b…
コア、7…結合層、8…下部クラッド、9…介在層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板主面上に略平行に設けら
    れる同じ屈折率の2本の光導波路と、該2本の光導波路
    を光学的に結合する結合層とを有する光導波路型偏波分
    離素子であって、前記光導波路及び結合層は光学的に等
    方な材料又は複屈折性材料で構成され、所定の偏波面を
    有する光に対する屈折率は前記結合層の屈折率が前記光
    導波路の屈折率よりも小さくなり、他の偏波面を有する
    光に対する屈折率は前記結合層の屈折率が前記光導波路
    の屈折率よりも大きくなり、かつ前記2つの光導波路の
    うちのいずれか一方の光導波路に光を導波させた際、前
    記所定の偏波面を有する光は前記一方の光導波路を導波
    し、前記他の偏波面を有する光は前記結合層を介して一
    方の光導波路から他方の光導波路に移行する構成となっ
    ていることを特徴とする光導波路型偏波分離素子。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板主面上に略平行に設けら
    れる同じ屈折率のコアを有する2本の光導波路と、該2
    本の光導波路を光学的に結合する結合層とを有する光導
    波路型偏波分離素子であって、前記光導波路及び結合層
    は光学的に等方な材料又は複屈折性材料で構成され、所
    定の偏波面を有する光に対する屈折率は前記結合層の屈
    折率が前記光導波路のコアの屈折率よりも小さくなり、
    他の偏波面を有する光に対する屈折率は前記結合層の屈
    折率が前記光導波路のコアの屈折率よりも大きくなり、
    かつ前記2つの光導波路のうちのいずれか一方の光導波
    路に光を導波させた際、前記所定の偏波面を有する光は
    前記一方の光導波路を導波し、前記他の偏波面を有する
    光は前記結合層を介して一方の光導波路から他方の光導
    波路に移行する構成となっていることを特徴とする光導
    波路型偏波分離素子。
  3. 【請求項3】 前記光導波路のコアは光学的に等方な材
    料で構成され、前記結合層は前記基板主面に平行な偏波
    面を有する光(TE波)に対する屈折率と前記基板主面
    に垂直な偏波面を有する光(TM波)に対する屈折率の
    うちの一方の屈折率が前記2本の光導波路のコアの屈折
    率よりも大きい値を有し、他方の屈折率が前記2本の光
    導波路のコアの屈折率よりも小さい値を有する複屈折性
    材料で構成されていることを特徴とする請求項2記載の
    光導波路型偏波分離素子。
  4. 【請求項4】 前記光導波路のコアは前記基板主面に平
    行な偏波面を有する光(TE波)に対する屈折率と前記
    基板主面に垂直な偏波面を有する光(TM波)に対する
    屈折率が異なる複屈折性材料で構成され、前記結合層は
    屈折率が前記2本の光導波路のコアのTE波に対する屈
    折率とTM波に対する屈折率の間の値を有する光学的に
    等方の材料で構成されていることを特徴とする請求項2
    記載の光導波路型偏波分離素子。
  5. 【請求項5】 基板は、該基板の表面上に形成された同
    じ屈折率を有する2本のコアと、該2本のコアの間に配
    置された結合層と、コアと結合層の間に形成された2つ
    の介在層からなる光導波路型偏波分離素子であって、前
    記コアと介在層は等方材料からなり、結合層は複屈折材
    料からなりTE波に対して第1の屈折率を有し、TM波
    に対して第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率あるい
    は第2の屈折率の一方の屈折率がコア屈折率よりも大き
    な値であり、残りの他方の屈折率は介在層の屈折率より
    小さな値であり、介在層の屈折率はコアの屈折率よりも
    小さな一定値であり、かつコアの屈折率が結合層の屈折
    率よりも大きくなる偏波に対しては結合層の屈折率値以
    上の値であり、またコアの屈折率が結合層の屈折率より
    も小さくなる偏波に対しては結合層の屈折率より小さな
    値であり、前記コアと結合層と介在層の周辺部の屈折率
    は光の偏波面によらずコアの屈折率よりも小さい値であ
    り、TE波あるいはTM波のみが前記コアを有する光導
    波路間で結合する構成となっていることを特徴とする光
    導波路型偏波分離素子。
  6. 【請求項6】 基板と、該基板の表面上に形成された同
    じ屈折率を有する2本のコアと、該2本のコアの間に配
    置された結合層と、前記コアと結合層の間に形成された
    2つの介在層からなる光導波路型偏波分離素子であっ
    て、結合層は等方材料からなり、前記コアと介在層は複
    屈折材料からなりTE波に対して第1の屈折率を有し、
    TM波に対して第2の屈折率を有し、第1の屈折率ある
    いは第2の屈折率が結合層の屈折率よりも大きな値であ
    り、残りの他方の屈折率は結合層の屈折率より小さな値
    であり、介在層の屈折率は偏波によらずコアよりも小さ
    な屈折率であり、かつコアの屈折率が結合層の屈折率よ
    りも大きくなる偏波に対しては結合層の屈折率値以上の
    値であり、またコアの屈折率が結合層の屈折率よりも小
    さくなる偏波に対しては結合層の屈折率より小さな値で
    あり、前記コアと結合層と介在層の周辺部の屈折率は光
    の偏波面によらずコアの屈折率よりも小さい値であり、
    TE波あるいはTM波のみが前記コアを有する2本の光
    導波路間で結合する構成となっていることを特徴とする
    光導波路型偏波分離素子。
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JP4968896A Pending JPH0980245A (ja) 1995-07-12 1996-03-07 光導波路型偏波分離素子

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JP (1) JPH0980245A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012033514A1 (en) * 2010-09-07 2012-03-15 Glint Photonics, Inc. Light-tracking optical device and application to light concentration

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