JPH0977772A - エポキシケトフラノシド誘導体およびその製造中間体 - Google Patents

エポキシケトフラノシド誘導体およびその製造中間体

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JPH0977772A
JPH0977772A JP7233568A JP23356895A JPH0977772A JP H0977772 A JPH0977772 A JP H0977772A JP 7233568 A JP7233568 A JP 7233568A JP 23356895 A JP23356895 A JP 23356895A JP H0977772 A JPH0977772 A JP H0977772A
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Application number
JP7233568A
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English (en)
Inventor
Susumu Kobayashi
進 小林
Kenichi Takao
賢一 高尾
Hisanaka Itou
久央 伊藤
Kaoru Yamada
薫 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシケトフラノシド誘導体、及びその製
造中間体を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
し、R2は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、アリールメチル基、シリル基、またはアシル基を表
わす)で表わされるエポキシケトフラノシド誘導体、及
びその製造中間体である、下記一般式 【化2】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
し、R3及びR4は独立に、水素原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アリールメチル基、シリル基、またはア
シル基を表わすか、あるいはR3とR4が一体となってアル
キリデン基を表わす。Y1は水酸基、ハロゲン原子、また
はスルホニルオキシ基を表わし、Y2は水酸基を表わす
か、あるいはY1とY2が一体となって単結合または酸素原
子を表わす)で表わされるフラノシド誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強力な細胞毒性を
有し、制癌剤としての用途が期待される、それぞれ下記
式[I]、[II]、[III]
【0002】
【化5】
【0003】で表わされるテルペンテシン、クレロシジ
ン、UCT4B、ならびにそれぞれ下記式[IV]、[V]
【0004】
【化6】
【0005】で表わされるスピロカルジンA、スピロカ
ルジンBの高度に酸化された側鎖部分の製造法に係わる
製造中間体およびその製造方法に関する。
【0006】
【従来の技術】優れた制癌剤の開発には、社会からの強
力な要請があり、これまでに多数の制癌剤が開発され実
用に供されてきた。しかしながら、現在でも尚、新規骨
格を有し、既知の作用機作とは異なる新規制癌剤の開発
が望まれている。テルペンテシンはKitasatosporia gri
seolaから[T. Tamamura et al., J. Antibiot., 38, 1
664 (1985).]、クレロシジンはOidiodendron truncatu
mから[N. R. Andersenet al., J. Antibiot., 36, 753
(1983).]、UCT4BはStreptomyces sp.から[S. K
awada et al., J. Antibiot., 45, 1182 (1992).]それ
ぞれ単離された抗腫瘍性物質で、高度に酸化された側鎖
部分を共通の部分構造として有する。また、これらの化
合物はトポイソメラーゼIIに作用することで抗腫瘍活性
を発現することが明かとなっている。さらに、側鎖部分
の酸化度が異なるスピロカルジンA、スピロカルジンB
[M. Nakajima et al., J. Antibiot., 42, 1741 (198
9).]も発見されており、スピロカルジンAに関してはP
388に対して強力な細胞毒性を示すことが明かとなって
いる。これまで数多く発見されているトポイソメラーゼ
II阻害剤はほとんどが芳香環を有しているのに対し、こ
れら一連の化合物は芳香環を有していない点が構造的に
大きく異なる点であり、従ってこれらの化合物あるいは
その類縁体の中から優れた制癌剤が開発される可能性は
非常に高いと考えられる。また、これらの化合物の活性
発現には高度に酸化された側鎖部分が大きく関与してい
ると考えられている[K. T. Douglas et al., Angew. C
hem. Int. Ed. Engl., 24, 31 (1985).]。一方、テル
ペンテシン類の合成はこれまで全く知られておらず、モ
デル化合物について側鎖部分の構築法に関する研究が一
例[M. Bailey et al., Tetrahedron Lett., 31, 4509
(1990).]報告されているが、実際にはその最終生成物
の収率、単離、確認については何の記載もなされていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、テル
ペンテシンを初めとする一連の抗腫瘍性化合物に共通
し、それらの活性発現に密接に関与すると考えられてい
る側鎖部分の製造法に係わる、製造中間体を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記式
[I]〜[V]で表わされるテルペンテシン系化合物の高度に
酸化された側鎖部分の製造法について鋭意検討した結
果、フラノシド誘導体を中間体とすることにより酸化度
の異なるすべての側鎖部分を効率的に製造しうることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、上記テルペンテシン系
化合物の高度に酸化された側鎖部分及びその製造中間体
として、下記一般式[VI]
【化7】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
し、R2は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、アリールメチル基、シリル基、またはアシル基を表
わす)で表わされるエポキシケトフラノシド誘導体、及
び、下記一般式[VII]
【化8】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
し、R3及びR4は独立に、水素原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アリールメチル基、シリル基、またはア
シル基を表わすか、あるいはR3とR4が一体となってアル
キリデン基を表わす。Y1は水酸基、ハロゲン原子、また
はスルホニルオキシ基を表わし、Y2は水酸基を表わす
か、あるいはY1とY2が一体となって単結合または酸素原
子を表わす)で表わされるフラノシド誘導体を提供す
る。
【0010】さらに、本発明は、下記一般式[VII']
【化9】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
し、R3及びR4は独立に、水素原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、アリールメチル基、シリル基、またはア
シル基を表わすか、あるいはR3とR4が一体となってアル
キリデン基を表わす。Xは、ハロゲン原子あるいはスル
ホニルオキシ基を表わす)で表わされるフラノース誘導
体を塩基と反応させることによる、下記一般式[VII"]
【化10】 (R1、R3、R4は上記と同じである)で表わされるエポキ
シフラノース誘導体の製造法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】R1は置換もしくは無置換の炭化水
素基であり、炭化水素基としてはアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アラルキル基等を例示すること
ができる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、i-プロピル基、ブチル基、i-ブチル基、s-ブ
チル基、t-ブチル基、ペンチル基、i-ペンチル基、ネオ
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサ
デシル基等を例示することができ、シクロアルキル基と
してはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロ
オクチル基、シクロドデシル基、デカヒドロナフチル基
等を例示することができ、これらのアルキル基、シクロ
アルキル基は炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等を例示す
ることができ、アラルキル基としてはベンジル基、2-フ
ェニルエチル基等を例示することができる。また、これ
らの置換基としてはメチル基、エチル基などの低級アル
キル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基、ベンジルオキシ基、2-フェニルエトキシル基等の
アラルキルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキ
シ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子などを例示
することができる。
【0012】R2としては、水素原子の他、必要に応じて
化合物の他の部位を損なうことなく除去できるものが好
ましい。そのような要件を満たす基としては、ベンジル
基、p-メトキシベンジル基、3,4-ジメトキシベンジル
基、o-ニトロベンジル基、p-ニトロベンジル基、ジフェ
ニルメチル基、5-ジベンゾスベリル基、トリフェニルメ
チル基、p-メトキシフェニルジフェニルメチル基、ジ(p
-メトキシフェニル)フェニルメチル基等のアリールメチ
ル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジ
ルオキシメチル基、2-メトキシエトキシメチル基、2,2,
2-トリクロロエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)
エトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、1-エトキ
シエチル基、1-メチル-1-メトキシエチル基、2,2,2-ト
リクロロエチル基、t-ブチル基等のアルキル基、トリメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピル
シリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェ
ニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等のシリル
基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリ
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオ
ニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基、
2,4,6-トリメチルベンゾイル基、p-フルオロベンゾイル
基、p-クロロベンゾイル基、p-アニソイル基、p-ニトロ
ベンゾイル基等のアシル基等を挙げることができる。
【0013】R3、R4としては、水素原子の他、上記R2
おいて例示した基を挙げることができる。また、R3とR4
は一体となってアルキリデン基を形成してもよく、アル
キリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、2,2,
2-トリクロロエチリデン基、イソプロピリデン基、ブチ
リデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン
基、シクロへプチリデン基のようなアルキリデン基、ベ
ンジリデン基、p-メトキシベンジリデン基、2,4-ジメト
キシベンジリデン基、3,4-ジメトキシベンジリデン基、
p-ジメチルアミノベンジリデン基、o-ニトロベンジリデ
ン基、フェナンツリデン基のようなアリールメチリデン
基、及びエトキシメチレン基、1-メトキシエチリデン
基、1,2-ジメトキシエチリデン基、α-メトキシベンジ
リデン基等を例示することができる。
【0014】Y1としては、水酸基のほか、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、
エタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ
基、p-トルエンスルホニルオキシ基、o-ニトロベンゼン
スルホニルオキシ基、m-ニトロベンゼンスルホニルオキ
シ基、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p-ブロモ
ベンゼンスルホニルオキシ基、ペンタクロロベンゼンス
ルホニルオキシ基、p-トリフルオロメチルベンゼンスル
ホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ
基等のスルホニルオキシ基を例示することができる。
【0015】本発明に係わる上記化合物は、下記の合成
工程によって製造することができる。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化
水素基を表わし、R2'は置換もしくは無置換のアルキル
基、アリールメチル基、シリル基、またはアシル基を表
わす。Xは、ハロゲン原子あるいはスルホニルオキシ基
を表わす)。
【0019】
【第1工程】本工程は、一般式[VIII]で表わされるアル
デヒド誘導体に求核剤を付加させ、一般式[IX]で表わさ
れるアルコール誘導体を製造するものである。一般式[V
III]で表わされるアルデヒド誘導体は文献記載の方法
[J. M. J. Tronchet et al.,Carbohydr. Res., 59, 87
-93 (1977).]に準じて製造することができる。
【0020】本工程に用いられる求核剤としては、臭化
メチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、臭化シ
クロヘキシルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム
等のグリニャール反応剤、メチルリチウム、ブチルリチ
ウム、フェニルリチウム等の有機リチウム反応剤、ジエ
チル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛反応剤等を挙げる
ことができる。
【0021】反応は一般には溶媒中で行われ、用いられ
る溶媒としては反応に関与しないものであれば如何なる
ものも使用できるが、好適にはエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテ
ル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、もしくはトル
エン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が用いられる。反応
は-78℃から100℃、好ましくは、-30℃から60℃で円滑
に進行する。
【0022】
【第2工程】本工程は、一般式[IX]で表わされるアルコ
ールの水酸基を還元して本発明の化合物で一般式[VIIa]
で表わされるメチレンフラノシド誘導体を製造するもの
である。
【0023】水酸基の還元は、水素化アルミニウムリチ
ウム-塩化アルミニウム、トリエチルシラン-トリフルオ
ロ酢酸等により一気に行われうるが、水酸基を一旦、ハ
ロゲン化物、スルホナート、キサンテート等に変換し、
次いで還元する2段階の工程によってより好適に行われ
る。本工程における還元法としては、化合物の他の部位
を損なうことなく進行するものが選択される。このよう
な条件を満たす方法としては、アルコールに塩化チオニ
ル、トリフェニルホスフィン-四塩化炭素、トリフェニ
ルホスフィン-四臭化炭素トリフェニルホスファイト-ヨ
ウ化メチル、塩化p-トルエンスルホニル-ピリジン、塩
化メタンスルホニル-トリエチルアミン、水素化ナトリ
ウム-二硫化炭素-ヨウ化メチル等を作用させてハロゲン
化物、スルホナート、あるいはキサンテートとした後、
水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン-塩化アルミ
ニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチ
ルホウ素リチウム等を反応させる方法を挙げることがで
きる。より好適には、アルコールに水素化ナトリウム-
二硫化炭素-ヨウ化メチルを作用させてキサンテートと
した後、アゾビスイソブチロニトリルの存在下に水素化
トリブチルスズを作用させることによって行われる。
【0024】反応は一般には溶媒中で行われ、反応に関
与しないものであれば如何なるものも使用できるが、好
適にはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の
ハロゲン系溶媒、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ア
セトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の極性溶媒、もしくはトルエン、ヘキサン
等の炭化水素系溶媒が用いられる。反応は-78℃から100
℃で円滑に進行する。
【0025】
【第3工程】本工程は一般式[VIIa]で表わされるメチレ
ンフラノシド誘導体を酸化して本発明の化合物で一般式
[VIIb]で表わされるジヒドロキシフラノシド誘導体を製
造するものである。
【0026】オレフィンをグリコール化する方法として
は、過マンガン酸カリウム、四酸化オスミウム、四酸化
オスミウム-N-メチルモルホリンオキシド、四酸化オス
ミウム-トリメチルアミンオキシド、四酸化オスミウム-
過酸化水素、過酸化水素-二酸化セレン、過蟻酸、トリ
フルオロ過酢酸等を挙げることができるが、好適には四
酸化オスミウム-N-メチルモルホリンオキシドあるいは
四酸化オスミウム-トリメチルアミンオキシドにより行
われる。
【0027】反応は一般には溶媒中で行われ、反応に関
与しないものであれば如何なるものも使用できるが、好
適にはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の
ハロゲン系溶媒、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系
溶媒、水、メタノール、エタノール、t-ブタノール等の
アルコール系溶媒が用いられる。反応は-30℃から100℃
で円滑に進行する。
【0028】
【第4工程】本工程は、一般式[VIIb]で表わされるグリ
コール誘導体の一級水酸基のみを選択的に脱離基に変換
し、本発明の化合物で一般式[VIIc]で表わされるモノア
ルコールを製造するものである。
【0029】本工程において導入される脱離基Xとして
は、次の第5工程及び第8工程において安定に存在し、
後述する第6工程、第9工程において効率よく所定のエ
ポキシ化反応が進行するものが選択される。このような
条件を満たすものとしては、塩素、臭素、ヨウ素等のハ
ロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホ
ニルオキシ基、ブタンスルホニルオキシ基、オクタンス
ルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基、ベンゼ
ンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ
基、p-ブロモベンゼンスルホニルオキシ基、p-メトキシ
ベンゼンスルホニルオキシ基、1-ナフタレンスルホニル
オキシ基、2-ナフタレンスルホニルオキシ基を挙げるこ
とができる。これらの脱離基の導入はトリフェニルホス
フィン-四塩化炭素、トリフェニルホスフィン-四臭化炭
素トリフェニルホスファイト-ヨウ化メチル、塩化p-ト
ルエンスルホニル-ピリジン、塩化メタンスルホニル-ト
リエチルアミン、メタンスルホン酸無水物-トリエチル
アミン等公知の方法[R. C. Larock, "ComprehensiveOr
ganic Transformations" VCH Publishers, Inc. , New
York, 1989, pp353-363]に従い一気にあるいは段階的
に行われる。
【0030】反応は一般には溶媒中で行われ、反応に関
与しないものであれば如何なるものも使用できるが、好
適にはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の
ハロゲン系溶媒、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系
溶媒、もしくはアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が用いられ
る。反応は-30℃から100℃で円滑に進行する。
【0031】
【第5工程】本工程は、一般式[VIIc]で表わされるフラ
ノシド誘導体のイソプロピリデン基を除去し、本発明の
化合物で一般式[VIId]で表わされるフラノース誘導体を
製造するものである。
【0032】イソプロピリデン基の除去は、酸触媒を用
いて行われる。用いられる酸触媒としては、塩酸、硫
酸、硝酸、フッ酸、過塩素酸、四フッ化水素酸、蟻酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、カンファ
ースルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、フルオロスルホン酸、ピリジニウムp-
トルエンスルホナート等が例示されるが、好適には塩酸
が用いられる。反応は溶媒中で行われ、反応に関与しな
いものであれば如何なるものも使用できるが、好適には
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメ
トキシエタン等のエーテル系溶媒、水、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、t-ブタノール等のアルコ
ール系溶媒が用いられる。反応は0℃から100℃で円滑に
進行する。
【0033】
【第6工程】本工程は、本発明の製造方法に係わり、一
般式[VIId]で表わされるフラノース誘導体をエポキシ化
して本発明の化合物で一般式[VIIe]で表わされるエポキ
シフラノース誘導体を製造するものである。
【0034】エポキシ化反応は一般式[VIId]で表わされ
るアルコール体に塩基を作用させることによって行うこ
とができる。
【0035】用いられる塩基としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド、
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-
ジメチルアニリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネ
ン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ブチル
リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘ
キサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラ
ジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の塩基を例示
できるが、好適にはナトリウムメトキシドが用いられ
る。
【0036】反応は溶媒中で行われ、反応に関与しない
ものであれば如何なるものも使用できるが、好適にはエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメト
キシエタン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール等
のアルコール系溶媒が用いられる。反応は0℃から100℃
で円滑に進行する。
【0037】なお、本工程の生成物は一般式[VIIe]で表
わすが、このものは下式に示すように、一般式[VIIe']
で表わされるヒドロキシアルデヒド体と等価である。赤
外線吸収スペクトルの観察から、実際には一般式[VIIe]
で表わされるエポキシフラノース誘導体として主として
存在する。
【0038】
【化13】
【0039】
【第7工程】本工程は、一般式[VIIe]で表わされるエポ
キシフラノース誘導体を還元して一般式[X]で表わされ
るエポキシトリオール誘導体を製造するものである。
【0040】本工程に使用される還元剤としては水素化
ホウ素ナトリウム、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ
水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素
化トリ-s-ブチルホウ素リチウム、水素化トリ-s-ブチル
ホウ素カリウム、水素化トリシアミルホウ素リチウム、
水素化トリシアミルホウ素カリウム、水素化トリエチル
ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化トリ-t-ブトキシアルミニウムリチ
ウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナ
トリウム、水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルア
ルミニウム、ボランテトラヒドロフラン錯体、ジシアミ
ルボラン、ジイソピノカンフェイルボラン、9-ボラビシ
クロ[3.3.1]ノナン等を例示できるが、好適には水素
化ホウ素ナトリウムが用いられる。
【0041】反応は溶媒中で行われ、用いられる溶媒と
しては反応に関与しないものであれば如何なるものも使
用できるが、好適にはメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール系溶媒、エーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が用いら
れ、より好適にはメタノールが用いられる。還元反応は
-20℃から50℃で円滑に進行する。
【0042】
【第8工程】本工程は、一般式[VIId]で表わされるトリ
オールのアノマー位水酸基に選択的に保護基を導入し本
発明の化合物で一般式[VIIf]で表わされるジオール誘導
体を製造するものである。
【0043】本工程で導入される水酸基の保護基は、次
の第9工程及び第10工程において安定に存在し、後述
する第11工程において化合物の他の部位を損なうこと
なく除去されるものが選択される。このような条件を満
たすものとしては、2,2,2-トリクロロエトキシメチル
基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1-エトキ
シエチル基、1-メチル-1-メトキシエチル基、2,2,2-ト
リクロロエチル基、2-トリメチルシリルエチル基等のア
ルキル基;ベンジル基、p-メトキシベンジル基、3,4-ジ
メトキシベンジル基等のアリールメチル基;トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリ
ル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニル
シリル基等のシリル基;ホルミル基、アセチル基、トリ
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイ
ル基、ベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、
9-フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2-トリクロロ
エチルカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、t-
ブトキシカルボニル基等のアシル基等が例示されるが、
好適にはアリールメチル基もしくはシリル基が用いられ
る。これらの水酸基の保護基の導入は公知の方法[T.
W. Greene et al., "Protective Groups in Organic Sy
nthesis" John Wiley & Sons, Inc., New York,1991, p
p10-118]によって行われる。
【0044】
【第9工程】本工程は、本発明の製造方法に係わり、一
般式[VIIf]で表わされるジオール誘導体をエポキシ化し
て本発明の化合物で一般式[VIIg]で表わされるエポキシ
フラノシド誘導体を製造するものである。
【0045】本工程は、前述の第6工程に準じて一般式
[VIIf]で表わされるジオール誘導体に塩基を作用させる
ことにより行われる。
【0046】
【第10工程】本工程は、一般式[VIIg]で表わされるエ
ポキシフラノース誘導体の二級水酸基を酸化し、本発明
の化合物で一般式[VIa]で表わされるエポキシケトフラ
ノシド誘導体を製造するものである。
【0047】アルコールからケトンへの酸化には、三酸
化クロム、三酸化クロムピリジン錯体、クロロクロム酸
ピリジニウム等のクロム系酸化剤;ジメチルスルホキシ
ド-塩化オキザリル-トリエチルアミン、ジメチルスルホ
キシド-ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルス
ルホキシド-無水酢酸、ジメチルスルホキシド-無水トリ
フルオロ酢酸、三酸化硫黄ピリジン錯体、Dess-Martin
反応剤等の有機系酸化剤等が例示されるが、好適にはDe
ss-Martin反応剤を用いる酸化が選択される。反応は通
常溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては反応に関与
しないものであれば如何なるものも使用できるが、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロ
エタン等のハロゲン化系炭化水素が用いられる。酸化反
応は-50℃から50℃で円滑に進行する。
【0048】
【第11工程】本工程は、一般式[VIa]で表わされるエ
ポキシケトフラノシド誘導体のアノマー位の水酸基の保
護基を脱保護して本発明の化合物で一般式[VIb]で表わ
されるエポキシケトフラノース誘導体を製造するもので
ある。
【0049】水酸基の保護基の除去は公知の方法[T.
W. Greene et al., "Protective Groups in Organic Sy
nthesis" John Wiley & Sons, Inc., New York, 1991,
pp10-118]によって行われる。例えば、水酸基の保護基
がトリイソプロピリシリル基の場合、シリル基の除去は
フッ化水素ピリジン錯体、フッ化水素-アセトニトリ
ル、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化セシウ
ム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウ
ム等を用いて行われるが、好適には、フッ化水素ピリジ
ン錯体が選択される。反応は溶媒中で行われ、用いられ
る溶媒としては反応に関与しないものであれば如何なる
ものも使用できるが、ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化系炭化
水素系溶媒、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶媒が用いられる。反応は-50℃から5
0℃で円滑に進行する。
【0050】なお、本工程の生成物は便宜上一般式[VI
b]で表わすが、下式に示すように一般式[VIb]で表わさ
れるヘミアセタール体、一般式[VIb']で表わされるケト
アルデヒド体及び一般式[VIb"]で表わされる二量化した
ジオキサン誘導体との平衡混合物として存在する。実際
には赤外線吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルの
観察から、主として一般式[VIb"]で表わされる二量化し
たジオキサン誘導体として存在することが認められた。
【0051】
【化14】
【0052】以下、実施例および参考例により本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
ないことは言うまでもない。
【0053】
【実施例】
参考例1
【0054】
【化15】
【0055】文献記載の方法[J. M. J. Tronchet et a
l., Carbohydr. Res., 59, 87 (1977).]によりD-グル
コースから合成した3-デオキシ-1,2-O-イソプロピリデ
ン-3-C-メチレン-α-D-エリトロ-ペントジアルド-1,4-
フラノース(2.03 g, 11.0 mmol)のエーテル溶液(30
mL)に氷冷下、臭化フェニルマグネシウムの3.0M エー
テル溶液(9.2 mL, 28 mmol)を加え、室温で2時間攪
拌した。塩化アンモニウム水溶液(3 mL)で反応を停止
し、水(400 mL)を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃
縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、3-デオキシ-
1,2-O-イソプロピリデン-3-C-メチレン-5-C-フェニル-
α-D-リボペントフラノース及び3-デオキシ-1,2-O-イソ
プロピリデン-3-C-メチレン-5-C-フェニル-β-L-リキソ
ペントフラノースの混合物(2.36 g, 82%)を無色油状
物質として得た。このものは分離することなく次の工程
に使用した。
【0056】IR (neat): 3476, 2990, 2938, 1686, 149
5, 1454 cm-1.1 H-NMR (200MHz, CDCl3): δ= 1.36 (3Hx1/5, s), 1.46
(3Hx1/5, s), 1.38 (3Hx4/5, s), 1.47 (3Hx4/5, s),
2.14 (1Hx1/5, d, J=1.0 Hz, OH), 2.61 (1Hx4/5, d, J
=4.5 Hz, OH), 4.64 (1Hx4/5, t, J=4.5 Hz), 4.70-4.7
3 (1Hx1/5, m), 4.83-5.09 (3H, m)), 5.38 (1Hx1/5,
t, J=1.7 Hz), 5.45 (1Hx4/5, t, J=1.6 Hz), 5.73 (1H
x1/5, d, J=4.3 Hz), 5.86 (1Hx4/5, d, J=4.1 Hz), 7.
30-7.44 (5H, m).
【0057】実施例1
【0058】
【化16】
【0059】参考例1の方法で製造した3-デオキシ-1,2
-O-イソプロピリデン-3-C-メチレン-5-C-フェニル-α-D
-リボペントフラノース及び3-デオキシ-1,2-O-イソプロ
ピリデン-3-C-メチレン-5-C-フェニル-β-L-リキソペン
トフラノースの混合物(1.83g, 6.98 mmol)のテトラヒ
ドロフラン溶液(30 mL)に氷冷下、イミダゾール(972
mg, 14.3 mmol)、水素化ナトリウム(60%鉱油、727
mg, 18.2 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。上記
反応溶液に二硫化炭素(2.1 mL, 35 mmol)を0℃下加え
た。30分間室温で攪拌した後、ヨウ化メチル(1.3 mL,
21 mmol)を加え、13時間攪拌した。上記反応溶液にイ
ミダゾール(945 mg, 13.9 mmol)、水素化ナトリウム
(60%鉱油、710 mg, 17.8 mmol)、二硫化炭素(2.1 m
L, 35 mmol)、ヨウ化メチル(1.3 mL, 21 mmol)を加
え、さらに30分間攪拌した。水(300 mL)を加え、生成
物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)
で精製し、3-デオキシ-1,2-O-イソプロピリデン-5-O-メ
チルジチオカルボニル-3-C-メチレン-5-C-フェニル-α-
D-リボペントフラノース及び3-デオキシ-1,2-O-イソプ
ロピリデン-5-O-メチルジチオカルボニル-3-C-メチレン
-5-C-フェニル-β-L-リキソペントフラノースの混合物
(2.15 g, 87%)を淡黄色油状物質として得た。このも
のは分離することなく次の工程に使用した。
【0060】IR (neat): 2990, 2936, 1495, 1454, 142
1 cm-1.1 H-NMR (200MHz, CDCl3): δ= 1.35 (3Hx1/5, s), 1.44
(3Hx1/5, s), 1.38 (3Hx4/5, s), 1.44 (3Hx4/5, s),
2.55 (1Hx4/5, s), 2.58 (1Hx1/5, s), 4.63-4.66 (1Hx
1/5, m), 4.79-4.82 (1Hx4/5, m), 5.17-5.20 (1Hx4/5,
m), 5.25 (1H, t, J=1.7 Hz), 5.29-5.32 (1Hx1/5,
m), 5.49 (1Hx1/5, d, J=4.3 Hz), 5.51 (1H, t, J=1.7
Hz), 5.83 (1Hx4/5, d, J=4.1 Hz), 6.59 (1Hx1/5, d,
J=3.2 Hz),6.62 (1Hx4/5, d, J=3.5 Hz), 7.30-7.41
(5H, m).
【0061】上記の方法で製造した3-デオキシ-1,2-O-
イソプロピリデン-5-O-メチルジチオカルボニル-3-C-メ
チレン-5-C-フェニル-α-D-リボペントフラノース及び3
-デオキシ-1,2-O-イソプロピリデン-5-O-メチルジチオ
カルボニル-3-C-メチレン-5-C-フェニル-β-L-リキソペ
ントフラノースの混合物(2.15 g, 6.10 mmol)とアゾ
ビスイソブチロニトリル(100 mg, 0.61 mmol)のトル
エン溶液(50 mL)に加熱還流下、水素化トリブチルス
ズ(3.3 mL, 12 mmol)のトルエン溶液(10 mL)を30分
間かけて滴下した。反応溶液をさらに30分間加熱還流し
た後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精
製し、3,5-ジデオキシ-1,2-O-イソプロピリデン-3-C-メ
チレン-5-C-フェニル-α-D-エリトロ-ペントフラノース
(1.30 g, 87%)を無色油状物質として得た。
【0062】IR (neat): 2990, 2938, 1676, 1605, 149
7 cm-1.1 H-NMR (200MHz, CDCl3): δ= 1.34 (3H, s), 1.49 (3
H, s), 2.84 (1H, dd, J=7.1, 14.4 Hz), 3.04 (1H, d
d, J=4.5, 14.4 Hz), 4.78 (1H, dd, J=0.9, 4.1 Hz),
4.97-5.02 (1H, m), 5.16 (1H, dd, J=1.3, 2.1 Hz),
5.40 (1H, dd, J=0.9, 2.1 Hz), 5.75 (1H, d, J=4.1 H
z), 7.22-7.29 (5H, m).
【0063】実施例2
【0064】
【化17】
【0065】実施例1の方法で製造した3,5-ジデオキシ
-1,2-O-イソプロピリデン-3-C-メチレン-5-C-フェニル-
α-D-エリトロ-ペントフラノース(578 mg, 2.35 mmo
l)の80%アセトン水溶液(18 mL)に四酸化オスミウム
の0.02M t-ブタノール溶液(3.5 mL, 70μmol)とN-メ
チルモルホリンオキシドの50%水溶液(1.5 mL, 7.0 mm
ol)を加え、室温で4時間攪拌した。亜硫酸ナトリウム
の1M 水溶液(100 mL)を加えて反応を停止し、生成物
を酢酸エチルで抽出した。有機層を1M 塩酸で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル=1/1)で精製し、5-デオキシ-3-C-ヒドロキ
シメチル-1,2-O-イソプロピリデン-5-C-フェニル-α-D-
キシロフラノース(621 mg, 94%)を白色固体として得
た。
【0066】[α]D 20 +32.6° (c 2.40, MeOH).1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 1.32 (3H, s), 1.50 (3
H, s), 1.86 (1H, t, J=5.9 Hz, OH), 2.55 (1H, s, O
H), 2.91 (1H, dd, J=6.0, 14.4 Hz), 3.06 (1H, dd, J
=7.5, 14.4 Hz), 3.28 (1H, dd, J=5.9, 11.3 Hz), 3.7
4 (1H, dd, J=5.9,11.3 Hz), 4.18 (1H, dd, J=6.0, 7.
5 Hz), 4.43 (1H, d, J=3.9 Hz), 5.95 (1H, d, J=3.9
Hz), 7.22-7.32 (5H, m).13 C-NMR (100MHz, CD3OD): δ= 24.6, 25.3, 33.9, 61.
0, 81.3, 81.5, 84.7, 103.5, 111.2, 125.3, 127.4x2,
128.4x2, 138.2.
【0067】実施例3
【0068】
【化18】
【0069】実施例2の方法で製造した5-デオキシ-3-C
-ヒドロキシメチル-1,2-O-イソプロピリデン-5-C-フェ
ニル-α-D-キシロフラノース(621 mg, 2.22 mmol)の
ピリジン溶液(12 mL)に塩化p-トルエンスルホニル(8
45 mg, 4.43 mmol)、N,N-ジメチルアミノピリジン(54
mg, 0.44 mmol)を加え、室温下14時間攪拌した。反応
液に酢酸エチルを加え、有機層を1M 塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3
/1)で精製し、5-デオキシ-1,2-O-イソプロピリデン-
5-C-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-α-D-キシロフ
ラノース(962 mg, 定量的)を無色油状物質として得
た。
【0070】[α]D 20 +31.8° (c 1.94, CHCl3). IR (neat): 3495, 2986, 2934, 1599, 1362 cm-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 1.24 (3H, s), 1.39 (3
H, s), 2.46 (3H, s), 2.64 (1H, s, OH), 2.90 (1H, d
d, J=6.8, 14.1 Hz), 3.03 (1H, dd, J=6.8, 14.1Hz),
3.60 (1H, d, J=10.4 Hz), 3.98 (1H, d, J=10.4 Hz),
4.08 (1H, t, J =6.8 Hz), 4.36 (1H, d, J=3.7 Hz),
5.90 (1H, d, J=3.7 Hz), 7.19-7.28 (5H,m), 7.32-7.3
4 (2H, m), 7.68-7.71 (2H, m).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 21.6, 26.3, 26.8, 34.
3, 70.0, 80.6, 81.1, 85.2, 104.0, 112.3, 126.6, 12
8.1x2, 128.6x2, 129.3x2, 129.8x2, 132.1, 136.9, 14
5.1.
【0071】実施例4
【0072】
【化19】
【0073】実施例3の方法で製造した5-デオキシ-1,2
-O-イソプロピリデン-5-C-フェニル-3-C-トシルオキシ
メチル-α-D-キシロフラノース(821 mg, 1.89 mmol)
を4M塩酸-テトラヒドロフランの1:1混合溶液(20 m
L)中、45℃で15時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル
(100 mL)を加え、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精
製し、5-デオキシ-5-C-フェニル-3-C-トシルオキシメチ
ル-D-キシロフラノースの約1:1のアノマー混合物(6
32 mg, 85%)を無色油状物質として得た。
【0074】[α]D 20 +9.9° (c 2.18, CHCl3). IR (neat): 3445, 3030, 2959, 1599, 1497, 1454 c
m-1.1 H-NMR (200MHz, CDCl3): δ= 2.46 (3H, s), 2.78-3.1
3 (3H, m, OH), 3.43 (1Hx1/2, d, J=10.7 Hz), 3.53
(1Hx1/2, d, J=10.6 Hz), 3.56 (1Hx1/2, d, J=4.7 Hz,
OH), 3.56 (1Hx1/2, s, OH), 3.91 (1Hx1/2, d, J=8.0
Hz), 4.01 (1Hx1/2, t, J=4.7 Hz), 4.09-4.22 (3H,
m), 5.17 (1Hx1/2, d, J=8.0 Hz), 5.56 (1Hx1/2, dd,
J=4.7, 8.0 Hz), 7.17-7.28 (5H, m), 7.32-7.34 (2H,
m), 7.68-7.71 (2H, m).
【0075】実施例5
【0076】
【化20】
【0077】実施例4の方法で製造した5-デオキシ-5-C
-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-D-キシロフラノー
ス(236 mg, 0.598 mmol)のメタノール溶液(5 mL)に
氷冷下ナトリウムメトキシド(66.5 mg, 1.23 mmol)を
加え、室温で30分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水
溶液(40 mL)を加え、生成物をクロロホルムで抽出
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃
縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、(3S,4R,5RS,7
R)-4,5-ジヒドロキシ-7-フェニルメチル-1,6-ジオキサ
スピロ[2.4]ヘプタンの約6:1のアノマー混合物(100
mg, 75%)を白色結晶として得た。
【0078】[α]D 20 +129° (c 1.03, CHCl3). IR (neat): 3407, 3063, 3030, 2924, 1638, 1605, 149
7, 1454 cm-1.1 H-NMR (主アノマー異性体;400MHz, CDCl3): δ= 2.53
(1H, d, J=7.3 Hz, OH-4), 2.61 (1H, d, J=4.8 Hz),
3.16 (1H, d, J=4.8 Hz), 2.70 (1H, dd, J=4.8,14.4 H
z), 2.78 (1H, dd, J=8.0, 14.4 Hz), 3.49 (1H, br, O
H-5), 4.07 (1H,dd, J=4.8, 7.3 Hz), 4.57 (1H, dd, J
=4.8, 8.0 Hz), 5.46 (1H, d, J=4.8 Hz), 7.20-7.31
(5H, m).
【0079】参考例2
【0080】
【化21】
【0081】実施例5の方法で製造した(3S,4R,5RS,7R)
-4,5-ジヒドロキシ-7-フェニルメチル-1,6-ジオキサス
ピロ[2.4]ヘプタン(16.9 mg, 76.0 μmol)のメタノー
ル溶液(1 mL)に水素化ホウ素ナトリウム(6.2 mg, 0.
16 mmol)を加え、室温下に30分間攪拌した。反応溶液
を0℃に冷却し、30%過酸化水素水(0.5 mL)を加え、
同温度で30分間攪拌した後、1M 亜硫酸ナトリウム水溶
液(1 mL)を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水(20 m
L)を加え、生成物をクロロホルムで抽出した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン/
トルエン=1/2)で精製し、(2S)-2-[(1S)-1,2-ジヒ
ドロキシエチル]-2-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-フェニルエ
チル]オキシラン(15.3 mg, 90%)を白色結晶として得
た。
【0082】[α]D 20 +34.9° (c 0.765, CHCl3). IR (neat): 3391, 2926, 1605, 1497, 1454 cm-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 2.47 (1H, br, OH), 2.7
4 (1H, dd, J=9.8, 13.9Hz), 2.76 (1H, br, OH), 2.84
(1H, br, OH), 2.88 (1H, d, J=4.3 Hz), 2.94(1H, d,
J=4.3 Hz), 2.98 (1H, dd, J=3.1, 13.9 Hz), 3.76 (2
H, br), 4.05-4.10 (2H, m), 7.23-7.34 (5H, m).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 38.8, 49.0, 61.5, 63.
2, 69.4, 71.5, 126.3,128.6x2, 129.3x2, 137.5.
【0083】実施例6
【0084】
【化22】
【0085】実施例4の方法で製造した5-デオキシ-5-C
-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-D-キシロフラノー
ス(390 mg, 0.989 mmol)のジクロロメタン溶液(8 m
L)に-78℃下、トリイソプロピルシリルトリフラート
(0.40 mL, 1.5 mmol)、2,6-ルチジン(0.35 mL, 3.0
mmol)を加え、同温度で1時間攪拌した。飽和食塩水(6
0mL)を加え、生成物をクロロホルムで抽出し、有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=5/1)で精製し、5-デオキシ-5-C-フェニ
ル-3-C-トシルオキシメチル-1-O-トリイソプロピルシリ
ル-β-D-キシロフラノース(242 mg, 44%)及び5-デオ
キシ-5-C-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-1-O-トリ
イソプロピルシリル-α-D-キシロフラノース(302 mg,
55%)を無色油状物質として得た。
【0086】5-デオキシ-5-C-フェニル-3-C-トシルオキ
シメチル-1-O-トリイソプロピルシリル-β-D-キシロフ
ラノース: [α]D 20 -45.7° (c 1.12, CHCl3). IR (neat): 3493, 2946, 2868, 1599, 1497, 1462 c
m-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 0.99-1.20 (21H, m), 2.
46 (3H, s), 2.90 (1H,dd, J=7.1, 13.8 Hz), 2.93 (1
H, d, J=4.7 Hz, OH-2), 3.05 (1H, dd, J=7.1,13.8 H
z), 3.42 (1H, d, J=10.8 Hz), 3.85 (1H, d, J=2.2 H
z, OH-3), 4.10 (1H, dd, J=2.2, 10.8 Hz), 4.13 (1H,
d, J=4.7 Hz), 4.17 (1H, t, J=7.1 Hz),5.29 (1H,
s), 7.14-7.23 (5H, m), 7.31-7.33 (2H, m), 7.70-7.7
3 (2H, m).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 11.7x3, 17.6x3, 17.7x
3, 21.6, 36.7, 69.5, 80.3, 81.2, 84.3, 101.9, 126.
4, 128.0x2, 128.3x2, 129.4x2, 129.9x2, 132.2, 137.
4, 145.1. 5-デオキシ-5-C-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-1-O
-トリイソプロピルシリル-α-D-キシロフラノース: [α]D 20 +64.7° (c 1.10, CHCl3). IR (neat): 3491, 2946, 2868, 1599, 1450, 1460 c
m-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 0.90-1.10 (21H, m), 2.
46 (3H, s), 2.54 (1H,s, OH-3), 2.83 (1H, dd, J=4.
8, 13.9 Hz), 2.89 (1H, dd, J=8.5, 13.9 Hz),3.19 (1
H, d, J=4.1 Hz, OH-2), 3.91(1H, d, J=10.3 Hz), 4.2
2 (H, d, J=10.3Hz), 3.95 (1H, t, J=4.1 Hz), 4.10
(1H, dd, J=4.8, 8.5 Hz), 5.61 (1H, d,J=4.1 Hz), 7.
17-7.26 (5H, m), 7.34-7.36 (2H, m), 7.76-7.78 (2H,
m).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 11.7x3, 17.6x3, 17.7x
3, 21.7, 35.3, 71.4, 78.6, 80.5, 81.5, 95.7, 126.
4, 128.1x2, 128.2x2, 129.5x2, 130.0x2, 132.3,138.
0, 145.2.
【0087】実施例7
【0088】
【化23】
【0089】実施例6の方法で製造した5-デオキシ-5-C
-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-1-O-トリイソプロ
ピルシリル-β-D-キシロフラノース(214 mg, 0.389 mm
ol)のメタノール溶液(5 mL)に氷冷下ナトリウムメト
キシド(22 mg, 0.41 mmol)を加え、同温度で1時間攪
拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(30 mL)を加
え、生成物をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=
30/1)で精製し、(3S,4R,5S,7R)-4-ヒドロキシ-7-
フェニルメチル-5-トリイソプロピルシリルオキシ-1,6-
ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン(144 mg, 98%)を無色
油状物質として得た。
【0090】[α]D 20 +16.7° (c 0.985, CHCl3). IR (neat): 3532, 2944, 2868, 1605, 1497, 1464 c
m-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 1.05-1.22 (21H, m), 1.
95 (1H, br, OH), 2.45(1H, d, J=4.6 Hz), 3.00 (1H,
d, J=4.6 Hz), 2.73 (1H, dd, J=5.6, 14.3 Hz), 2.98
(1H, dd, J=7.8, 14.3 Hz), 3.81 (1H, dd, J=1.4, 5.6
Hz), 4.54 (1H,dd, J=5.6, 7.8 Hz), 5.32 (1H, d, J=
1.4 Hz), 7.16-7.27 (5H, m).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 12.0x3, 17.76x3, 17.8
1x3, 37.6, 45.3, 66.0,77.9, 81.1, 101.1, 126.1, 12
8.2x2, 129.3x2, 138.2.
【0091】実施例8
【0092】
【化24】
【0093】実施例6の方法で製造した5-デオキシ-5-C
-フェニル-3-C-トシルオキシメチル-1-O-トリイソプロ
ピルシリル-α-D-キシロフラノース(215 mg, 0.390 mm
ol)のトルエン溶液(10 mL)に0℃下、リチウムヘキサ
メチルジシラジドの1.0 M テトラヒドロフラン溶液(0.
98 mL, 0.98 mmol)を加え、同温度下で20分間攪拌し
た。飽和塩化アンモニウム水溶液(1 mL)、水(60 m
L)を加えた。生成物をクロロホルムで抽出し、有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=20/1)で精製し、(3S,4R,5R,7R)-4-ヒド
ロキシ-7-フェニルメチル-5-トリイソプロピルシリルオ
キシ-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン(118 mg, 80
%)を無色油状物質として得た。
【0094】[α]D 20 +114° (c 1.28, CHCl3). IR (neat): 3542, 2946, 2868, 1605, 1497, 1464 c
m-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 0.97-1.19 (21H, m), 2.
58 (1H, d, J=4.8 Hz),3.14 (1H, d, J=4.8 Hz), 2.63
(1H, d, J=9.3 Hz, OH), 2.65 (1H, dd, J=4.6,14.4 H
z), 2.78 (1H, dd, J=7.9, 14.4 Hz), 4.00 (1H, dd, J
=4.7, 9.3 Hz),4.49 (1H, dd, J=4.6, 7.9 Hz), 5.51
(1H, d, J=4.7 Hz), 7.17-7.28 (5H, m). 13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 11.9x3, 17.6x3, 17.7x
3, 35.9, 47.0, 66.9, 74.5, 75.8, 95.0, 126.3, 128.
1x2, 129.4x2, 137.7.
【0095】実施例9
【0096】
【化25】
【0097】実施例7の方法で製造した(3S,4R,5S,7R)-
4-ヒドロキシ-7-フェニルメチル-5-トリイソプロピルシ
リルオキシ-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン(125 m
g, 0.330 mmol)のジクロロメタン溶液(5 mL)にDess-
Martin試薬(278 mg, 0.655 mmol)を加え、室温で1時
間攪拌した。酢酸エチル(30 mL)を加え、有機層を飽
和二亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製し、(3S,5S,7
R)-7-フェニルメチル-5-トリイソプロピルシリルオキシ
-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン及びその水
和物の混合物(110 mg, 約89%)を無色油状物質として
得た。
【0098】IR (neat): 3478, 2946, 2868, 1780, 160
5, 1497, 1466 cm-1.
【0099】実施例10
【0100】
【化26】
【0101】実施例8の方法で製造した(3S,4R,5R,7R)-
4-ヒドロキシ-7-フェニルメチル-5-トリイソプロピルシ
リルオキシ-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン(119 m
g, 0.312 mmol)とDess-Martin試薬(268 mg, 0.632 mm
ol)を実施例9と同様な方法で反応させ、(3S,5R,7R)-7
-フェニルメチル-5-トリイソプロピルシリルオキシ-1,6
-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン及びその水和物
の混合物(111 mg, 約95%)を無色油状物質として得
た。
【0102】IR (neat): 3484, 2946, 2868, 1782, 160
5, 1497, 1466 cm-1.
【0103】実施例11
【0104】
【化27】
【0105】実施例9の方法で製造した(3S,5S,7R)-7-
フェニルメチル-5-トリイソプロピルシリルオキシ-1,6-
ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(15.1 mg, 40.1
μmol)のテトラヒドロフラン溶液(2 mL)にフッ化水
素ピリジン錯体(0.4 mL)を加え、室温で3時間攪拌し
た。酢酸エチル(30 mL)を加え、有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1
/1)で精製し、(3S,5RS,7R)-5-ヒドロキシ-7-フェニ
ルメチル-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン
(4.9 mg,56%)を無色油状物質として得た。
【0106】[α]D 20 +70.3° (c 0.765, CHCl3). IR (neat): 3437, 2924, 1605, 1497, 1454 cm-1. HRMS: m/z= 220.0728 (220.0734 calcd for C12H12O4).
【0107】このものの構造は、以下の参考例3に示す
方法でキノクサリン誘導体としてさらに確認した。
【0108】参考例3
【0109】
【化28】
【0110】実施例11の方法で製造した(3S,5RS,7R)-
5-ヒドロキシ-7-フェニルメチル-1,6-ジオキサスピロ
[2.4]ヘプタン-4-オン(15.3 mg, 69.5 μmol)のアセ
トニトリル溶液(1 mL)にo-フェニレンジアミン(15.0
mg, 139 μmol)を加え、室温で2時間攪拌した。減圧
下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、キノクサ
リン誘導体(10.7 mg, 53%)を淡褐色結晶として得た。
【0111】[α]D 20 -38.4° (c 0.535, CHCl3). IR (neat): 3414, 3063, 3029, 2924, 1605, 1561, 149
5 cm-1.1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ= 2.99 (1H, dd, J=8.2, 1
4.0 Hz), 3.08 (1H, d,J=4.8 Hz), 3.35 (1H, d, J=4.8
Hz), 3.20 (1H, dd, J=3.7, 14.0 Hz), 4.18 (1H, dt,
J=3.7, 8.2 Hz), 4.23-4.26 (1H, m, OH), 7.13-7.27
(5H, m), 7.78-7.85 (2H, m), 8.04-8.16 (2H, m), 8.8
1 (1H, s).13 C-NMR (100MHz, CDCl3): δ= 40.3, 55.0, 59.7, 75.
3, 126.4, 128.3x2, 128.8, 129.5x3, 130.3, 130.7, 1
38.0, 140.3, 142.1, 142.5, 153.4.
【0112】試験例 マウスリンパ性白血病細胞(P388)を2-ヒドロキシエチル
ジスルフィド(5 μM)、硫酸カナマイシン(100 μg/m
L)を添加した10%仔牛胎児血清含有のRPMI-1940培地に
加え、培養細胞を1x104個/mLに調製した。これに、実
施例5あるいは実施例11で得られた、それぞれ本発明
の化合物である(3S,4R,5RS,7R)-4,5-ジヒドロキシ-7-フ
ェニルメチル-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタンあるい
は、(3S,5RS,7R)-5-ヒドロキシ-7-フェニルメチル-1,6-
ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オンを所定の濃度にな
るように添加し、CO2培養器(CO2 5%, 湿度100%, 37
℃)で4日間培養した。MTT比色法により生存細胞数を
計測して対照群に対する増殖阻害率から50%細胞増殖阻
害濃度(IC50)を求めた。その結果、(3S,4R,5RS,7R)-
4,5-ジヒドロキシ-7-フェニルメチル-1,6-ジオキサスピ
ロ[2.4]ヘプタン及び(3S,5RS,7R)-5-ヒドロキシ-7-フェ
ニルメチル-1,6-ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン
のIC50はそれぞれ34μg/mL、31μg/mLであった。
【0113】
【発明の効果】本発明は制癌剤としての用途が期待され
るテルペンテシン系化合物の側鎖部分の製造法に係わる
製造中間体を提供する。この製造中間体の一部は、それ
自体細胞毒性を示し、制癌剤として用いられる可能性が
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/34 ADU C07D 307/32 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 【化1】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
    し、R2は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
    基、アリールメチル基、シリル基、またはアシル基を表
    わす)で表わされるエポキシケトフラノシド誘導体。
  2. 【請求項2】下記一般式 【化2】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
    し、R3及びR4は独立に、水素原子、置換もしくは無置換
    のアルキル基、アリールメチル基、シリル基、またはア
    シル基を表わすか、あるいはR3とR4が一体となってアル
    キリデン基を表わす。Y1は水酸基、ハロゲン原子、また
    はスルホニルオキシ基を表わし、Y2は水酸基を表わす
    か、あるいはY1とY2が一体となって単結合または酸素原
    子を表わす)で表わされるフラノシド誘導体。
  3. 【請求項3】下記一般式 【化3】 (式中、R1は、置換もしくは無置換の炭化水素基を表わ
    し、R3及びR4は独立に、水素原子、置換もしくは無置換
    のアルキル基、アリールメチル基、シリル基、またはア
    シル基を表わすか、あるいはR3とR4が一体となってアル
    キリデン基を表わす。Xは、ハロゲン原子あるいはスル
    ホニルオキシ基を表わす)で表わされるフラノース誘導
    体を塩基と反応させることを特徴とする下記一般式 【化4】 (R1、R3、R4は上記と同じである)で表わされるエポキ
    シフラノース誘導体の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007291010A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Daiso Co Ltd 光学活性2−メチルエピハロヒドリン等の製造法
JP2009256273A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Wako Pure Chem Ind Ltd アルキルβ−D−(チオ)グルコピラノシド誘導体の位置選択的保護基導入方法

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