JPH0972873A - ステンレス鋼配管の耐食性評価方法 - Google Patents
ステンレス鋼配管の耐食性評価方法Info
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- JPH0972873A JPH0972873A JP25023295A JP25023295A JPH0972873A JP H0972873 A JPH0972873 A JP H0972873A JP 25023295 A JP25023295 A JP 25023295A JP 25023295 A JP25023295 A JP 25023295A JP H0972873 A JPH0972873 A JP H0972873A
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Abstract
ステンレス鋼配管の耐食性を評価する。 【構成】 絶縁性のシート,スリーブ及びワッシャを介
してステンレス鋼配管相互をボルト締めした絶縁フラン
ジを設け、該絶縁フランジ間に接続した無抵抗電流計で
管内を流れる電流を測定し、該測定値に基づいてステン
レス鋼管の耐食性を判定する。通水前後の電流値の差を
とるとき、マクロセル腐食に働く電流が測定される。 【効果】 電流測定値に応じて管継手や支持部を絶縁強
化する対策がとられ、耐食性に優れた配管設計ができ
る。
Description
管の耐食性を評価する方法に関する。
ビルの衛生設備や空調設備用屋内配管には、普通鋼鋼
管,粉体ライニング鋼管,耐熱塩ビライニング鋼管,塩
ビライニング鋼管,銅管等が使用されている。しかし、
原水の汚染に伴い、水分中の塩素イオンの増加や滅菌の
ための残留塩素の存在により、鋼管の腐食問題が深刻化
している。特に給湯用途に使用されている銅管では、孔
食に起因する漏水や腐食に伴った銅イオンの溶出に起因
する青水等の問題が発生している。このような問題を解
消するため、耐食性に優れたステンレス鋼管が衛生設備
や空調設備用の配管材料として最近使用され始めてい
る。この種の用途に使用されるステンレス鋼管は、オー
ステナイト系のSUS304が主流である。
した配管設備にあっても、それを取り巻く環境や使用形
態によっては漏水の原因となる腐食が発生する場合があ
る。この場合の腐食原因は、ステンレス鋼管の内部に形
成される腐食電池によって生じるマクロセル腐食や外部
から侵入する迷走電流に起因する電食がある。しかしな
がら、水質環境や外部電流によるステンレス鋼配管の耐
食性を評価する実用的な方法がなく、鉄道レールの敷設
された近辺,建築物躯体内を漏洩直流電流が流れている
ような環境,水質の悪い環境等でステンレス鋼管を使用
した際、腐食に起因する漏水に対して原因を特定でき
ず、それを未然に防止する判断がつかなかった。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、絶縁フランジ間に設けた無抵抗電流計で管内を流れ
る電流を検出することにより、ステンレス鋼配管の耐食
性を評価することを目的とする。
は、その目的を達成するため、絶縁性のシート,スリー
ブ及びワッシャを介してステンレス鋼配管相互をボルト
締めした絶縁フランジを設け、該絶縁フランジ間に接続
した無抵抗電流計で管内を流れる電流を測定し、該測定
値に基づいてステンレス鋼管の耐食性を判定することを
特徴とする。また、ステンレス鋼配管を施工した後、水
を通さずに測定した電流値と通水後に測定した電流値と
の差によってステンレス鋼管の耐食性を判定するとき、
耐食性の判定結果がより信頼性の高いものとなる。
象であり、金属の溶解や電子の授受反応に伴って腐食電
流が流れる。本発明者等は、その腐食電流の測定方法に
ついて検討した結果、絶縁フランジを介して接続された
ステンレス鋼管の腐食電流を無抵抗電流計で測定すると
き、測定された電流値がステンレス鋼管の腐食と密接な
関係を持っていることを見い出した。本発明は、この関
係を利用して測定された電流値から耐食性を判定するも
のである。水質の悪い環境では、図1に示すように溶接
部1や隙間部等の腐食し易い箇所がアノードとなり、健
全な素管部がカソードとなる。このアノードとカソード
との間で腐食電池が形成され、マクロセル腐食が発生す
る。このとき、腐食電流iが流れ、ステンレス鋼管から
Fe2+等の金属イオンが溶出する。
る腐食電流を測定する手段がなかった。この点、本発明
者等は、図2に示すように、スタブエンド2、すなわち
フランジ部を絶縁し、その間に無抵抗電流計を接続する
とき、マクロセル腐食によって生じる腐食電流iが測定
できることを知見した。無抵抗電流を用いることによ
り、配管内に流れる電流に影響を与えることなく、実際
に流れている電流と極めて近い値を測定できる。仮に無
抵抗電流計以外の電流計を使用すると、電流計の内部抵
抗によって配管内に流れる電流値が変わってしまい、正
確な値を測定することができない。また、外部電流が流
れている場合においても、絶縁フランジを設けることに
よって外部電流値を測定できる。絶縁がないと、外部電
流は配管上を流れるために測定できない。外部電流i’
は、配管内に通水しなくても流れることから、通水前に
絶縁フランジ部で測定できる。通水時には、外部電流
i’とマクロセルによる腐食電流iが合わせて測定され
る。
握され、このときの測定値を通水後の測定値から差し引
くことにより、マクロセル腐食に純粋に関与する電流が
測定される。この電流値が高いほど、多量の腐食電流が
流れていることを示すので、水質や材質を変更するとき
の指針として使用される。また、通水前に測定した電流
値が高い値を示したときには、吊り具やサポートとステ
ンレス鋼管との絶縁不良に起因する外部電流の漏洩があ
ったことになるので、支持部の絶縁強化が図られる。こ
のようにして、無抵抗電流計で測定された電流値は、マ
クロセル腐食や電食の防止に活用される。
リーブ,FRP製ワッシャを介したボルト締めによって
ステンレス鋼管SUS304TPD(100Su)を接
合した絶縁フランジ管により、配管のモニター実験を実
施した。図3にモニター実験の概要を示す。モニター配
管に通水する前に、無抵抗電流計でフランジ間に流れる
電流を測定した。なお、配管内に流れる電流は、図2に
示すように絶縁シートを挟んだフランジ間に+,−の端
子をそれぞれクリップで接続し、フランジ間に流れる電
流を測定した。更に、Cl- 濃度1000ppm,80
℃の温水を循環させ、フランジ間に流れる電流を測定し
た。測定結果を示す表1にみられるように、測定箇所に
よっては通水前の電流値及び通水後の電流値が異なって
いた。
の腐食状況を観察した。腐食が検出された箇所は、図3
の,及びのフランジ溶接部であった。これを通水
前の電流値でみると、とは同じ40μAであり、
は電流値が0であるにも拘らず腐食が発生していた。こ
のことから、通水前の電流値のみでは配管の腐食を推測
できないことが判る。なお、通水前に測定される電流値
は、吊り具等を通してコンクリートや床から入ってくる
直流電流によるものである。そこで、吊り具3とパイプ
間にテフロン又はノンアスベスト製のシートを巻いて絶
縁を施した。その後に、同じように通水前と通水後にフ
ランジ間の電流を測定した。このときの測定結果、表2
に示す。この測定結果を表1の通水前の電流値と比較す
ると、各測定箇所で電流値が0となっており、電流が流
れていないことが判る。これは、吊り具3と配管間を絶
縁した効果である。また、通水後の電流の測定結果をみ
ると、表1の通水前の電流値から通水後の電流値を差し
引いた値に一致している。
果、では腐食が止まり、は腐食の進行が遅くなった
ものの止まってはいなかった。他方、は腐食が進行
し、それ以外のパイプには腐食が検出されなかった。こ
のことから、の腐食原因は、吊り具との絶縁不良によ
って生じた外部電流による腐食といえる。したがって、
その対策として、通水前の電流値を絶縁を強化すればよ
いことが判る。の腐食は、外部電流による腐食とパイ
プの溶接不良や水質等によるマクロセル腐食が同時に起
こった結果である。この腐食を抑制する対策としては、
と同様に吊り具と配管との絶縁を強化すればよく、更
に配管の材料的な欠陥も考えられることから部材の変更
又は水質の変更によって腐食抑制が図られる。また、
に腐食に対しては、部材の変更又は水質の変更が採用さ
れる。以上の結果から、通水後の電流値から通水前の電
流値を差し引いた値が配管部材の溶接欠陥等で生じる腐
食であり、部材を改良し、又は水質を変更するときの指
針となる。また、通水前の電流値から外部との絶縁状況
も確認できる。
評価方法においては、絶縁フランジ間に接続した無抵抗
電流計で管内を流れる電流値を測定することにより、ス
テンレス鋼管の耐食性を評価している。そして、通水前
の測定値が高過ぎる場合には、支持部を絶縁強化し、外
部から流入する直流電流を少なくすることにより電食が
防止される。また、通水前後の電流値の差からマクロセ
ル腐食に純粋に関与する電流が測定されるため、その電
流値に応じて水質や材質を変更し、マクロセル腐食が抑
制される。このように、本発明によるとき、ステンレス
鋼配管の腐食防止に必要な条件が電流値として測定さ
れ、結果として防食性が向上した配管設計が可能にな
る。
する図
電流とその電流の測定方法を説明する図
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁性のシート,スリーブ及びワッシャ
を介してステンレス鋼配管相互をボルト締めした絶縁フ
ランジを設け、該絶縁フランジ間に接続した無抵抗電流
計で管内を流れる電流を測定し、該測定値に基づいてス
テンレス鋼管の耐食性を判定することを特徴とするステ
ンレス鋼管の耐食性評価方法。 - 【請求項2】 ステンレス鋼配管を施工した後、請求項
1記載の無抵抗電流計を使用し、水を通さずに測定した
電流値と通水後に測定した電流値との差によってステン
レス鋼管の耐食性を判定することを特徴とするステンレ
ス鋼管の耐食性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25023295A JPH0972873A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | ステンレス鋼配管の耐食性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25023295A JPH0972873A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | ステンレス鋼配管の耐食性評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0972873A true JPH0972873A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=17204804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25023295A Pending JPH0972873A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | ステンレス鋼配管の耐食性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0972873A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009133767A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Kanto Chem Co Inc | 薬液供給用ライニングタンクおよび薬液供給用ライニングタンクにおける薬液漏洩診断方法 |
JP2011214881A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kurita Water Ind Ltd | 銅の孔食評価方法 |
CN106290139A (zh) * | 2016-09-27 | 2017-01-04 | 天津大学 | 流动腐蚀介质中的混凝土腐蚀电化学实验装置 |
KR20190026091A (ko) * | 2017-09-04 | 2019-03-13 | 대우조선해양 주식회사 | 금속배관 내부의 국부 부식 감시장치 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP25023295A patent/JPH0972873A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009133767A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Kanto Chem Co Inc | 薬液供給用ライニングタンクおよび薬液供給用ライニングタンクにおける薬液漏洩診断方法 |
JP2011214881A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kurita Water Ind Ltd | 銅の孔食評価方法 |
CN106290139A (zh) * | 2016-09-27 | 2017-01-04 | 天津大学 | 流动腐蚀介质中的混凝土腐蚀电化学实验装置 |
KR20190026091A (ko) * | 2017-09-04 | 2019-03-13 | 대우조선해양 주식회사 | 금속배관 내부의 국부 부식 감시장치 |
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