JPH0970525A - ポリスルホン系選択透過性分離膜 - Google Patents

ポリスルホン系選択透過性分離膜

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JPH0970525A
JPH0970525A JP8171008A JP17100896A JPH0970525A JP H0970525 A JPH0970525 A JP H0970525A JP 8171008 A JP8171008 A JP 8171008A JP 17100896 A JP17100896 A JP 17100896A JP H0970525 A JPH0970525 A JP H0970525A
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昌明 島垣
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文明 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い血液濾過流量、低アルブミン透過性を臨床
使用でも長時間にわたって維持し、高い尿毒物質選択透
過性を有する膜を得る。 【解決手段】アルブミンの透過率が1.5 %未満であり、
デキストランによる拡散性能試験において牛血清1時間
灌流後、デキストラン分子量1 万での総括物質移動係数
が0.0012cm/min以上であることを特徴とするポリスルホ
ン系選択透過性分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリスルホン系選択
透過性分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来透析器に用いる膜の素材としては、
セルロースアセテート・ポリアクリロニトリル・ポリメ
タクリル酸メチル・ポリアミド等多くの高分子化合物が
用いられてきた。一方、ポリスルホン系樹脂は、元来エ
ンジニアリングプラスチックスとして使用されてきた
が、その耐熱安定性、耐酸・耐アルカリ性、そして生体
適合性、耐汚染性が良好であることから、半透膜素材と
して注目されている。一般にこれら多くの高分子素材か
らなる膜では、その表面の疎水性のために血液との親和
性に乏しく、このまま血液処理用に用いることはできな
い。従って、孔形成材として親水性高分子、無機塩など
を混入し、溶脱することによって孔を形作り、同時にポ
リマー表面を親水化し透析器として用いる方法が考案さ
れ、特許出願がなされてきた。血液透析・血液濾過透析
・血液濾過等の血液浄化療法に用いられる透析器の中
で、セルローストリアセテートに代表されるセルロース
系の透析器では、一般に低分子尿毒素の除去性能が高
い。この膜は、膜面積1.6m2 換算で、in vitro での
アルブミンの透過率が0.5 %以下であるが、デキストラ
ンによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デ
キストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が
0.0002程度である。また、従来のポリスルホン系の透析
器ではβ2 -MG 除去性能が高いが、デキストランによる
拡散性能試験において牛血清1 時間灌流後、デキストラ
ン分子量1 万でのKo(総括物質移動係数)が0.0010cm/m
inや、0.0005程度であり、本願発明で言う高い血液濾過
流量、低アルブミン透過性を臨床使用でも長時間にわた
って維持し、高い尿毒物質選択透過性を有するポリスル
ホン系中空糸半透膜は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、低分子尿
毒素の除去性能とβ2 -MG のような中分子蛋白質の除去
性能の、両者ともに高い性能を有する、透析器は存在し
なかった。
【0004】本発明者らは、上記問題点を克服すべく鋭
意検討した結果、本発明を達成することができた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0006】「アルブミンの透過率が1.5 %未満であ
り、デキストランによる拡散性能試験において牛血清1
時間灌流後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質
移動係数)が0.0012cm/min以上であることを特徴とする
ポリスルホン系選択透過性分離膜。」
【0007】
【発明の実施の態様】本発明の選択透過性分離膜の製造
方法を以下に示す。
【0008】まず、ポリスルホン系樹脂、親水性高分
子、溶媒および添加剤からなる4成分を必須成分とした
原液が用いられる。
【0009】ポリスルホン系樹脂とは、下記式
【化1】 の繰り返し単位を有するものであるが、官能基を含んで
いたり、アルキル系のものであってもよく、特に限定す
るものではない。
【0010】ポリスルホン系樹脂の濃度としては、製膜
可能でかつ膜としての特性を有する濃度範囲であれば良
く、13〜20重量%が好ましい。高い透水性、大きな分画
分子量を得るためにはポリマー濃度は下げるべきで、特
に好ましくは13〜18重量%である。13重量%未満では、
製膜原液の十分な粘度を得られにくくなる傾向があり、
また、20重量%を越えると貫通孔を形成しにくくなる
場合がある。
【0011】親水性高分子とは、ポリスルホン系樹脂と
相溶性があり、かつ親水性を持つ高分子である。ポリビ
ニルピロリドンが最も望ましいが、他に変性ポリビニル
ピロリドン、共重合ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ポリ酢酸ビニル等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0012】親水性高分子は、特にポリビニルピロリド
ンの場合、分子量36万、16万、4 万、1 万のものが市販
されており、これらが好適に用いられるが、もちろんそ
れ以外の分子量のものを使用してもかまわない。親水性
高分子の添加の理由の1つとして増粘効果もあるため、
添加量は高分子量のものを用いるほど少量で良く、ま
た、孔径の大きい膜を得たい場合にも、高分子量のもの
を用いることが好ましい。
【0013】親水性高分子の添加量は、原液中、1〜3
0重量%程度であることが、好ましい。中でも、ポリビ
ニルピロリドンの場合、原液中、1 〜20重量%、特に3
〜10重量%が望ましい。また、分子量の異なるものを混
合して、用いることも好ましい。
【0014】溶媒とは、ポリスルホン系樹脂及び親水性
高分子を共に溶解する溶媒である。具体的には、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、N―メチル―2―ピロリドン、ジオキサン
等、多種の溶媒が用いられるが、特にジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、
N―メチル―2―ピロリドンが望ましい。
【0015】添加剤とは、上記溶媒と相溶性を持ち、親
水性高分子の良溶媒となり、かつ、ポリスルホン系樹脂
の非溶媒又は膨潤剤となるものであれば何でも良く、例
えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ヘキサノール、グリセリン、1,4―ブタンジオー
ル等がある。生産コストを考えると水が最も望ましい。
添加剤は、ポリスルホン系樹脂の凝固性を考え合わせた
上で選択することが好ましい。
【0016】上記溶媒、添加剤は、2種類以上の化合物
の混合系でも良い。
【0017】製造方法としては、まずポリスルホン系樹
脂、親水性高分子を溶媒に混合溶解する。そこへ、添加
剤を添加するが、特に水の場合、ポリスルホン系樹脂に
とって凝固性が高いため、原液中、2.2 重量%以下、特
に1.15〜1.90重量%が望ましい。一方、凝固性が低い添
加剤を用いるときは添加量が多くなり、例えば、グリセ
リンを用いた場合、4〜13重量%、さらには、4〜1
1重量%であることが好ましい。ポリスルホン系樹脂に
対する添加剤の凝固性は、水を1とした場合、メタノー
ル約4.3倍、イソプロパノール約6.8倍、グリセリ
ン約3.0倍、1,4−ブタンジオール約1.5倍であ
り、これを目安にそれぞれ添加量を決めることが好まし
い。
【0018】本発明の選択透過性分離膜の形態として
は、限定されるものではなく、平膜、中空糸膜などの形
態で用いられる。
【0019】中空糸膜の形態とする場合、その中空糸膜
の製造方法としては、従来知られている方法などが用い
られるが、一方法として、次のように方法がある。即
ち、上記原液を二重環状口金から吐出する際に内側に注
入液を流し、乾式部を走行させた後に凝固浴へ導く。こ
の際、乾式部の湿度に影響を与えるために、乾式部走行
中に膜外表面からの水分の補給によって、外表面近傍で
の相分離挙動を速め、孔径拡大し、結果として透析の際
の透過・拡散抵抗を減らすことも可能である。但し、相
対湿度が高すぎると外表面での原液の凝固が支配的にな
り、かえって孔径が小さくなり、結果として透析の際の
透過・拡散抵抗を増大する傾向がある。そのため、相対
湿度としては60〜90%程度が好適である。また注入液組
成としては、プロセス適性から、原液に用いた溶媒を基
本とする組成からなるものを用いることが好ましい。注
入液の濃度としては、例えばジメチルアセトアミドを用
いたときは、45〜80重量%、さらには60〜75重量%の水
溶液が好適に用いられる。
【0020】本発明において、分離膜は、内層部にスポ
ンジ状構造を有することが、目詰まりがしにくく、特
に、蛋白溶液灌流後にも目詰まりがしにくい点で好まし
い。又、非対称構造を有し、活性層における平均孔半径
が10nm未満であることが、アルブミンをできるだけ
透過させない点で好ましい。さらには、空隙率78%以
上であることが、透過拡散性能に優れる点で好ましい。
【0021】また、水可溶性親水性高分子を用いる場
合、特にメディカル用途においては、該親水性高分子が
溶出する可能性がある。このため、放射線および又は
熱、化学処理などによって、親水性高分子を架橋不溶化
処理することが好ましい。γ線・電子線を照射した場合
は、高分子素材との共有結合も生じ該親水性高分子の溶
出は抑えられる。熱処理の場合は、該親水性高分子自体
がゲル化を起こし、高分子化・不溶化される。具体的に
は、熱処理温度としては、100 ℃〜160 ℃程度が好まし
く、さらには120 ℃〜150 ℃が好ましく、特に湿潤状態
で行うことが好ましい。放射線処理としては、γ線・電
子線などを照射すればよい。照射線量は、水浸漬状態で
15〜35KGy 程度が好ましく、20KGy を越える線量を照射
した場合は、滅菌処理を同時に行うことも可能である。
【0022】本発明においては、上記により、アルブミ
ンの透過率が1.5 %未満であり、デキストランによる拡
散性能試験において牛血清1時間灌流後、デキストラン
分子量1 万での総括物質移動係数が0.0012cm/min以上で
あることを特徴とするポリスルホン系選択透過性分離膜
を得ることができる。本総括物質移動係数としては、更
に、0.0013cm/min以上であることが、小分子蛋白透過性
向上の点で好ましい。本発明により得られた選択透過性
分離膜は、人工腎臓、人工肝臓、エンドトキシンフィル
ター、バイオリアクター等の医療用途、水処理等、各種
用途に用いることができる。
【0023】以下、本発明の選択透過性分離膜の性能測
定条件を記載する。
【0024】(1)透水性能の測定 端部を封止した10000本からなるモジュールの中空
糸内側に水圧100mmHgをかけ、外側へ流出してくる単位
時間当たりの濾過量を測定する。透水性能は下記の式で
算出する。
【0025】
【数1】 ここでQWは濾過量(ml)、Hrは流出時間(hr)、P は圧力(m
mHg)、A は膜面積(m2) を示す。
【0026】(2)デキストランによる拡散性能測定 基本的には透析性能測定法と同様に行う。以下にその概
要を示す。まずあらかじめ、選択透過性分離膜を37℃に
保温した500ml の牛血清で血液側を200ml/minで50分灌
流後、10分間20ml/minの速度で濾過をする(以上の工程
を牛血清1時間灌流と定義する)。冷蔵庫で12時間保存
後、2 リットルの生理食塩水でプライミング洗浄を行っ
てサンプルとする。分子量分布の異なるデキストラン
(FULKA 社製 重量平均分子量 400,1000,2000,20000,
50000,200000) を0.5mg/mlになるように限界濾過水に溶
解する。この溶液を37度に加熱、保温し、血液側(中
空糸内側)に血液ポンプで流量200ml/min で送り、透析
液側は限界濾過水を37℃に保ったものを500ml/min で送
る。ここでは、濾過圧力がゼロになるように調整する。
したがって、限外濾過が生じない条件で膜の拡散性能を
測定する。平衡状態になるまで20分送り続け、その後、
血液側入り口、出口、透析側をサンプリングする。サン
プリングした溶液をGPCカラム(東ソー GPXL300
0)、カラム温度40℃、移動相を液クロ用純水1ml/min 、
サンプル打ち込み量50μl で分析を行い、血液側の入り
口、出口の濃度変化によってモジュールの総括物質移動
係数を求める。この後デキストラン分子量が1 万の点の
Ko値を求める。
【0027】ここで、総括物質移動係数は以下の式を用
いて算出する。
【0028】クリアランス
【数2】 ここでCBi はモジュール入口側濃度、 CBoはモジュール
出口側濃度、QBはモジュール供給液量(ml/min)を示す。
【0029】
【数3】 ここでA は面積(m2 ) を示す。
【0030】(3)アルブミン透過率の測定 ヘマトクリット30%、総蛋白量6.5g/dl の牛血(ヘパ
リン処理血)を用いて、中空糸内側に200ml/min で送
る。その際、出口側の圧力を調整して、濾過量が10ml/m
inかかるようにし、濾液は血液槽に戻す。環流開始後1
時間後に中空糸側入り口、出口の血液、濾液をサンプリ
ングする。血液側をBCG 法、濾液側をCBB法キットによ
って分析し、その濃度からアルブミン透過率(%)を算
出する。
【0031】
【数4】 ここでCFは濾液中、CBi はモジュール入り口、 CBiはモ
ジュール出口のアルブミン濃度を示す。
【0032】(4)in vitro β2 -MG 除去性能の測定 基本的には透析性能測定法と同様に行う。膜面積約25cm
2 のミニモジュール系で、フィルター処理を行った牛血
清30mlに、ヒトβ2-MGを5mg/mlの濃度で溶解し中空糸内
側に1ml/min で灌流し、中空糸外側には37℃に保ったPB
S140mlを20ml/minの速度で密閉形で灌流した。4 時間灌
流後中空糸内側・外側灌流液を採取し、クリアランスを
算出し、膜面積1.8 m2 換算値を求めた。
【0033】(5)空隙率の測定 乾燥状態での糸重量G、中空糸膜寸法(内径ID・膜厚W
T)、ポリマの比重d 、中空糸長さI から 空隙率(%) =(1- G/ d)/ (πWTI(ID+WT)*100 によ
り算出される。
【0034】(6)膜構造観察 中空糸膜を凍結乾燥し、その割断面および内表面の構造
を走査型電子顕微鏡で観察した。活性層平均孔半径は、
凍結乾燥サンプル(3.5cm 長、0.2 g)をN2吸着法(B
ET 法)で測定し算出した。
【0035】
【実施例】以下、実施例において、「部」は「重量部」
を示す。
【0036】実施例1 ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)18 部、ポリビ
ニルピロリドン(BASFK30 )9 部をジメチルアセトアミ
ド71.7部、水1.3 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製
膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2
重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド70
部、水30部からなる溶液を吐出させ、乾式長250mm 、相
対湿度85%中を通し、50℃の20%のジメチルアセ
トアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中
空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッテ
ィングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照
射後、アルブミン透過率を測定したところ0.75%、デキ
ストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流
後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係
数)が0.0018cm/minであった。
【0037】この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造
を有し、 ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率
が79.5%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半
径が6.7nmである膜であることを確認した。
【0038】実施例2 ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)19部、ポリビニ
ルピロリドン(BASFK30 )9 部をジメチルアセトアミド
70.7部、水1.3 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製膜
原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2重
スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド70部、
水30部からなる溶液を吐出させ、乾式長250mm 、相対湿
度85%中を通し、50℃の20%のジメチルアセトア
ミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中空糸
膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティン
グしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照射
後、アルブミン透過率を測定したところ0.58%、デキス
トランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流
後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係
数)が0.0015cm/minであった。
【0039】この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造
を有し、ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率
が78.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半
径が6.2nmである膜であることを確認した。
【0040】実施例3 ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)19部、ポリビニ
ルピロリドン(BASFK60 )9 部をシ゛メチルアセトアミ
ド70.0部、水2.0 部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製
膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2
重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド63
部、水37部からなる溶液を吐出させ、乾式長350mm 、相
対湿度88%中を通し、50℃の20%のジメチルアセ
トアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中
空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッテ
ィングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照
射後、アルブミン透過率を測定したところ1.38%、デキ
ストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流
後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係
数)が0.0022cm/minであった。
【0041】この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造
を有し、ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率
が81.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半
径が6.8nmである膜であることを確認した。
【0042】比較例1 ポリスルホン(アモコ社 Udel-P3500)18部、ポリビニ
ルピロリドン(BASFK30 )9 部をジメチルアセトアミド
71.95 部、水1.05部に加え、90℃12時間加熱溶解し、製
膜原液とした。この原液を外径0.3mm 、内径0.2mm の2
重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド65
部、水35部からなる溶液を吐出させ、乾式長300mm 、相
対湿度88%中を通し、40℃の20%のジメチルアセ
トアミド水溶液中に導き、中空糸膜を製膜した。この中
空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッテ
ィングしてモジュールとした。次に、湿潤状態でγ線照
射後、アルブミン透過率を測定したところ0.12%、デキ
ストランによる拡散性能試験において牛血清1 時間灌流
後、デキストラン分子量1 万でのKo(総括物質移動係
数)が0.0009cm/minであった。
【0043】この中空糸膜は、内層部にスポンジ状構造
を有し、 ポリビニルピロリドンで親水化された、空隙率
が78.2%であり、非対称構造を有する、活性層平均孔半
径が5.3nmである膜であることを確認した。
【0044】
【発明の効果】高い血液濾過流量、低アルブミン透過性
を臨床使用でも長時間にわたって維持し、高い尿毒物質
選択透過性を有する膜が得られる。血液透析、血液濾
過、血液透析濾過等に利用した場合、腎不全患者の病体
に良い治療成績が期待できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルブミンの透過率が1.5 %未満であり、
    デキストランによる拡散性能試験において牛血清1時間
    灌流後、デキストラン分子量1 万での総括物質移動係数
    が0.0012cm/min以上であることを特徴とするポリスルホ
    ン系選択透過性分離膜。
  2. 【請求項2】内層部にスポンジ状構造を有することを特
    徴とする請求項1記載のポリスルホン系選択透過性分離
    膜。
  3. 【請求項3】親水性高分子で親水化されていることを特
    徴とする請求項1または2記載のポリスルホン系選択透
    過性分離膜。
  4. 【請求項4】空隙率が78%以上であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のポリスルホン系選択透
    過性分離膜。
  5. 【請求項5】非対称構造を有することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のポリスルホン系選択透過性
    分離膜。
  6. 【請求項6】活性層平均孔半径が10nm未満であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリスル
    ホン系選択透過性分離膜。
  7. 【請求項7】該親水性高分子にポリビニルピロリドンを
    含むことを特徴とする請求項3記載のポリスルホン系選
    択透過性分離膜。
  8. 【請求項8】該親水性高分子が水に対して不溶性である
    ことを特徴とする請求項3記載のポリスルホン系選択透
    過性分離膜。
  9. 【請求項9】人工腎臓用に用いることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載のポリスルホン系選択透過性
    分離膜。
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