JPH0968915A - ホログラム素子、ホログラム記録再生装置およびホログラム素子の製造方法 - Google Patents

ホログラム素子、ホログラム記録再生装置およびホログラム素子の製造方法

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JPH0968915A
JPH0968915A JP22654295A JP22654295A JPH0968915A JP H0968915 A JPH0968915 A JP H0968915A JP 22654295 A JP22654295 A JP 22654295A JP 22654295 A JP22654295 A JP 22654295A JP H0968915 A JPH0968915 A JP H0968915A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光誘起屈折効果を有する単結晶からなるホログ
ラム素子において、小電圧の電源を使用したときでも相
対的に大寸法のホログラム素子を駆動させてホログラム
の記録再生を行えるようにすること。 【構成】ホログラム素子は、光誘起屈折効果を示す単結
晶を使用している。ホログラム素子26は、複数のホロ
グラム部材22A、22B、22C、22Dの接合体か
らなっている。各ホログラム部材が、それぞれ単結晶か
らなる記録部材17Cと、記録部材の一対の相対向する
側面17a上に形成された一対の電極19A、19Bと
を備えている。各記録部材17Cにおいて、電圧の印加
方向の結晶方位が同じ方位となるように、各電極が形成
されている。各ホログラム部材の各記録部材の各光照射
面13が一体の光照射面24をなすように、各ホログラ
ム部材が配列されている。各ホログラム部材の隣合った
電極が接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、Bi1 2 SiO2 0 単結
晶等の光誘起屈折材料をホログラムの干渉縞の記録用材
料として使用した、ホログラム素子、ホログラム記録再
生装置およびホログラム素子の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィーは、完全な波面の再生技
術として、干渉測定、光情報処理、光学素子、3次元デ
ィスプレーなどに応用されている。ホログラム記録やホ
ログラム干渉を行うためには、銀塩感光材料を使用する
のが一般的であるが、銀塩感光材料は現像処理が必要で
あるため、リアルタイムホログラムを実現することはで
きない。一方、Bi1 2 SiO2 0 単結晶を初めとする
光誘起屈折効果を有する単結晶(フォトリフラクティブ
結晶)が、リアルタイムホログラム(RH)素子として
検討されている(例えば、「レーザー科学研究報告書」
1990、Mar.第1〜9頁「BSO単結晶のホログ
ラフィー記録特性について」参照)。この文献において
は、Bi1 2 SiO2 0 単結晶の結晶方位(110)面
に物体光、参照光を入射させ、(110)面の両端面に
電極を付け、干渉縞に垂直の方向に数kV/cmの電界
を印加している。
【0003】ホログラムの寸法については、干渉測定、
光情報処理、光学素子の諸用途においては、使用目的に
応じた制約はあるものの、必ずしも大きな寸法の素子を
必要とはしていない。しかし、最近実用化が待望されて
いる3次元ディスプレー用途では、ホログラム素子の寸
法をある程度以上大きくすることが絶対に必要である。
なぜなら、3次元ディスプレー用途においては、人の立
体認識を可能とするためには、人の両眼視差を利用する
必要があるが、このためにはホログラム素子の寸法が両
目の間隔(50mm程度)以上でなければならないから
である。
【0004】しかし、リアルタイムホログラム素子の寸
法の上限は、干渉縞を記録する記録部材であるBi1 2
SiO2 0 単結晶の形状、寸法によって物理的に制限さ
れてしまい、具体的には最大でも十数mm×十数mmで
あった。この寸法上の制限のために、リアルタイムホロ
グラム素子の用途は、干渉測定および光情報処理のみに
限定されている。しかし、リアルタイムホログラムは、
今後特に実用化が強く要望されている技術であり、具体
的には、3次元CADシステム等の3次元図像表示シス
テムの出力機器としての応用が待望されている。従っ
て、リアルタイムホログラム素子の大型化が強く望まれ
ている。
【0005】このため、本出願人に所属する研究者は、
Bi1 2 SiO2 0 単結晶を大型化する技術に取り組ん
でいた。Bi1 2 SiO2 0 単結晶は、一般的な酸化物
単結晶と比較して、熱伝導率が低いために、結晶化に伴
う潜熱を逃がすことが難しい。このために、結晶の育成
中に、結晶内部の熱分布に伴って歪みやクラックが発生
し易く、大型化が困難であるとされてきた。しかし、本
出願人は、引き上げ法(チョクラルスキー法)によって
この単結晶を引き上げるための好適な方法を開示した
(「日本結晶成長学会誌 Vol.17 No.2(1
990年)第60〜66頁」、特開昭64−18993
号公報、特開平1−234399号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記した
方法を適用することによって、直径80mm、長さ10
0mmという大型のBi1 2 SiO2 0 単結晶体を育成
することに成功した。この単結晶体からは、50mm×
50mm程度の大きさのウエハーを切り出すことができ
る。しかし、これにも次の問題があることが判明してき
た。
【0007】即ち、ホログラム素子の回折効率は、記録
時の印加電界によって顕著に変動しており、具体的には
電界のほぼ自乗に比例して増大することが確認されてい
る。従って、ホログラム素子の回折効率を増大させて、
明るいホログラム画像を得るためには、記録部材への印
加電界を、できるだけ大きくすることが必要である。こ
の印加電界としては、例えば前記文献「BSO単結晶の
ホログラフィー記録特性について」では、数〜8kV/
cmといった値が採用されているし、特に両眼視差を利
用した実用的なレベルの3次元ディスプレーを提供する
ためには、少なくとも2kV/cm以上の電界を印加す
る必要がある。このような電界を印加することは、干渉
測定等の、小寸法の素子でも対応できる用途において
は、問題にはならなかった。
【0008】しかし、前述のような、大寸法の素子が必
要な用途においては、所定の電界値を維持するために
は、電極に印加するべき電圧の値が顕著に増加する。例
えば、寸法50mmm×50mmのホログラム素子に対
して2kV/cmの電界を印加するためには、10kV
もの大きさの電圧を印加する必要がある。しかし、これ
では電源の負担が大きいし、実際の使用時に放電の危険
が大きくなり、放電等の事故に対する対策が必要になっ
てくるので、実用的な素子を提供することができない。
【0009】本発明の課題は、光誘起屈折効果を有する
単結晶からなるホログラム素子において、小電圧の電源
を使用したときでも相対的に大寸法のホログラム素子を
駆動させてホログラムの記録再生を行えるようにするこ
とである。
【0010】また、本発明の課題は、ホログラムの再生
画像の明るさを従来よりも大きくできるような素子を提
供することである。更に、本発明の課題は、通常の電源
によっても駆動可能な、大寸法のホログラム素子を提供
することである。
【0011】更に、本発明の課題は、これによって、両
眼視差を利用してホログラム画像を観察することができ
るようなホログラム素子およびホログラム記録再生装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光誘起屈折効
果を示す単結晶をホログラム材料として使用しているホ
ログラム素子であって、このホログラム素子が、単結晶
からなる記録部材を複数個備えており、各記録部材の各
光照射面が一体の平面をなすように各記録部材が配列さ
れており、かつ各記録部材に対してそれぞれ電圧を印加
するための電圧印加手段を備えていることを特徴とす
る、ホログラム素子に係るものである。
【0013】また、本発明は、前記のホログラム素子
と、各記録部材に対してそれぞれ電圧を印加するための
電源とを備えていることを特徴とする、ホログラム記録
再生装置に係るものである。
【0014】また、本発明に係る製造方法は、光誘起屈
折効果を示す単結晶をホログラム材料として使用してい
るホログラム素子を製造するのに際して、前記単結晶か
らなるウエハーの表面に所定の電極を形成し、複数のウ
エハーを互いに接合して接合体を得、この接合体を切断
することによって、記録部材を複数個備えており、記録
部材の各光照射面が一体の平面をなすように各記録部材
が配列されており、かつ前記の各記録部材が接合されて
いるホログラム素子を製造することを特徴とする。
【0015】また,本発明は、光誘起屈折効果を示す単
結晶をホログラム材料として使用しているホログラム素
子を製造するのに際して、前記単結晶からなるウエハー
の表面に所定の電極を形成し、ウエハーを切断して複数
のホログラム部材を製造し、各ホログラム部材の各記録
部材の各光照射面が一体の平面をなすように各ホログラ
ム部材を配列することを特徴とする、ホログラム素子の
製造方法に係るものである。
【0016】本発明者は、ホログラム素子の大型化を可
能とし、かつ明るいホログラム画像を得るための研究を
重ねていたが、この過程で、ホログラム素子を複数のホ
ログラム部材の接合体とすることに想到した。即ち、単
結晶からなる記録部材を複数作製する。この際、各記録
部材において電圧の印加方向の結晶方位が同じ方位とな
るように、所定の電極を形成する必要がある。次いで、
各記録部材の各光照射面が一体の平面をなすように各記
録部材を配列することで、一体のホログラム素子を提供
した。この際、各記録部材に対してそれぞれ電圧を印加
できるような電圧印加手段を設けた。
【0017】これによって、従来ない大寸法のホログラ
ム素子を作製できるようになった。しかも、各記録部材
に対して、それぞれ独立して電圧を印加しているので、
各記録部材の内部における電界の大きさは、各記録部材
の寸法と各記録部材への印加電圧のみによって決定さ
れ、ホログラム素子の全体の寸法の影響は受けない。従
って、各記録部材の回折効率を大きくしてホログラム再
生画像を明るくすることが容易にできるし、またホログ
ラム素子の寸法を大きくしても全体の回折効率が低下す
ることはなく、小規模の電源を使用しても、ホログラム
再生画像の明るさを実用的なレベルとすることができ
る。
【0018】これによって、特に両眼視差を利用した3
次元画像の出力機器に対して好適な、実用的なホログラ
ム素子を初めて提供することに成功した。
【0019】また、ホログラム素子の寸法を大きくする
ことができるだけでなく、ホログラム素子を構成する各
記録部材の寸法を小さくすることによって、各記録部材
への印加電界を大きくすることができる。従って、従来
と同じ電圧の電源を使用したとしても、従来よりも遙か
に高い回折効率を得、明るい画像を得ることができる。
これは、干渉測定、光情報処理用の素子やその他の光学
素子に対してもきわめて有効である。
【0020】
【発明の実施形態】本発明の好適な態様においては、ホ
ログラム素子が複数のホログラム部材からなっており、
各ホログラム部材が、それぞれ記録部材と、この記録部
材の一対の相対向する側面上に形成された一対の電極と
を備えており、各記録部材において電圧の印加方向の結
晶方位が同じ方位となるように各電極が形成されてお
り、各ホログラム部材の隣合った電極が接合されてい
る。
【0021】この態様において、各ホログラム部材を互
いに接合するためには、隣り合う各電極を互いに接合す
ることができる。この場合には、互いに接合された電極
の極性が同じになる。また、隣り合うホログラム部材の
各電極の間に絶縁体を介在させることができる。この場
合には、絶縁体の両側にある各電極の極性を異ならせる
ことができ、または一致させることもできる。
【0022】この態様においては、各ホログラム部材を
互いに接合することによって、一体化することが好まし
い。
【0023】また、本発明の好適な態様においては、隣
り合った記録部材に対して同時に電圧を印加するための
共通電極を備えることができる。即ち、各記録部材に対
して1つの共通電極を使用することができる。これによ
って、ホログラム素子の構成が一層簡略化され、製造上
のコストも一層減少する。この態様においては、各記録
部材を積層し、この積層体に対して、電極に対して垂直
の方向に向かって圧力を加えることによって、各記録部
材を一体化することができる。この場合には、記録部材
を積層した後で、記録部材の一部を交換したり、記録部
材の枚数を変更したりすることが極めて容易である。
【0024】また、この態様において、各記録部材を接
合することで一体化することができる。この場合には、
各記録部材の接合体を取り扱うのが容易であり、また各
記録部材への印加電圧の状態も安定する。
【0025】光誘起屈折効果を有する単結晶としては、
Bi1 2 SiO2 0 単結晶、BaTiO3 単結晶、Li
NbO3 単結晶等が好ましいが、このうち光誘起効果の
感度が大きいBi1 2 SiO2 0 単結晶が特に好まし
い。各記録部材に形成する電極としては、透明電極と不
透明電極とのいずれも使用することができる。この透明
電極の材質としては、酸化スズ膜、酸化インジウムスズ
膜等を例示することができる。また、不透明電極の材質
としては、金属ペーストと呼ばれる、銀粉等の導電材料
を含有させた導電接着剤や、アルミニウム、金、クロ
ム、チタン等の金属膜を例示することができる。
【0026】各ホログラム部材を配列したときに、隣合
った各電極を接合するための接合材としては、エポキシ
接着剤、シリコン接着剤、アクリル接着剤、PVB接着
剤を例示することができる。また、必要に応じて、可塑
剤を加えて、硬化反応、熱膨張差による応力の影響を軽
減することが好ましい。
【0027】本発明では、各記録部材において電圧の印
加方向の結晶方位が同じ方位となるように電極を形成す
るが、この方位は特に限定しない。しかし、各記録部材
の光照射面の方位を〈011〉軸方位とし、電極を2つ
【外1】 面に形成すると、最も高い回折効率が得られる。
【0028】本発明では、各記録部材の電極を透明電極
とすることができる。この場合には、この電極に相当す
る部分では、干渉縞の記録が行われない。ホログラム再
生像を見るときには、ホログラム素子の光照射面に対し
て両眼を対向させて再生像を覗き込むことになるが、こ
の際、透明電極が存在した部分では、ホログラム画像に
空白が生ずる。従って、電極の形態を直線形状とした場
合には、ホログラム画像が、複数本の空白からなる格子
によって区切られることになる。
【0029】これに対して、電極が不透明電極である場
合にも、光学的には上記と同様である。しかし、不透明
電極の部分では光が遮断されるので、この部分は暗い格
子として明示されることになる。このような所定形状の
格子をホログラム画像中に投影すると、この格子が一種
のスクリーンないし枠を形成するので、視覚的には多大
の効果がある。
【0030】ただし、上記において、観察者の両眼の位
置(視点)が固定されていると、前記の格子の部分にお
けるホログラム画像を見ることはできない。しかし、観
察者の両眼の位置が移動すると、この両眼の位置の移動
に伴って、ホログラム画像内に存在する格子の位置が移
動する。この結果、ホログラム画像において、両眼の位
置が移動する前には格子の背後に隠れていた部分が、前
記の移動後にはホログラム画像中に見えるようになる。
この一方、前記の移動前にはホログラム画像中に現れて
いた部分のうち一部分が、前記の移動後には格子の背後
に隠れることになる。
【0031】本発明のホログラム記録再生装置において
は、各ホログラム素子に対して共通の電源を接続し、こ
の共通の電源の正極を、複数のホログラム素子の一方の
電極に接続し、電源の負極を複数のホログラム素子の他
方の電極に接続することができる。これによって、各ホ
ログラム素子における電圧の印加状態を常に均等に保つ
ことができるし、また記録再生装置の全体を小型化する
ことができる。
【0032】Bi1 2 SiO2 0 単結晶は、現状では引
き上げ法によって製造されている。この単結晶体は、
〈100〉軸方位および〈011〉軸方位に向かって引
き上げることができるが、特に大型の単結晶体を得るた
めには、〈100〉軸方位に引き上げることが好まし
い。記録部材を〈100〉軸に沿って引き上げた場合に
は、この記録部材の主面が〈011〉軸方位となるよう
に切り出すことが好ましく、この場合に最も大面積のウ
エハーを切り出すことができる。また、ウエハーの主面
が〈100〉軸方向となるように切り出すことができ、
この場合には、単結晶体を引き上げ軸方向とは垂直に切
り出すことができる。
【0033】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形
態を更に詳細に説明する。最初にBi1 2 SiO2 0
結晶ウエハーの好適な切り出し方法について述べる。図
1(a)は、単結晶体1からウエハーを切り出している
状態を示す斜視図であり、図1(b)は、単結晶体1か
らウエハーを切り出している状態を示す平面図である。
単結晶体1の本体1aは円柱形状であり、本体1aの上
端部に略円錐形状の上端部1bが形成されている。単結
晶体1は、〈100〉軸方位に向かって引き上げられて
いる。
【0034】この実施形態においては、単結晶体1を縦
方向に切断してウエハー3を切り出している。このウエ
ハー3の一対の主面3aは〈011〉軸方位であり、長
い方の側面3bは[外1]面であり、短い方の側面3c
は(100)面である。このウエハー3は、コア部2と
平行に、コア部2を含まないようにして、切り出されて
いる。この点について説明を補足する。
【0035】Bi1 2 SiO2 0 単結晶は、その結晶方
位ごとに成長速度が顕著に異なっており、単結晶体1の
中心部に、コア部と呼ばれる不純物濃度の高い領域2が
生成する。このコア部2の形態は略円柱形状であり、単
結晶体1の引き上げ方向に向かって延びている。コア部
2の直径はBi1 2 SiO2 0 単結晶体1の直径によっ
て変動するが、上記したような直径80mm程度の単結
晶体を引き上げた場合には、コア部2の直径は20mm
程度に達する。
【0036】このコア部(ファセット)においては、格
子定数、光の吸収特性、光伝導性が他の部分(オフファ
セット、ノーマル部)とは異なっており、特に格子定数
のミスマッチによって結晶に歪みが発生しているとされ
ている。また、ファセットとオフファセットとの間では
色が異なっており、400〜500nmでの吸収率がフ
ァセットの方が大きいことも判明している。このよう
に、ファセットは光学的不均質部であることが判明して
いる。
【0037】このために、図1に示すようにコア部2を
避けるようにウエハーを切り出した場合には、単結晶体
1の直径を現状で実現可能な最大値である約80mmと
し、コア部の直径を20mmとすると、ウエハー3の寸
法は最大で50mm程度となる。
【0038】図2(a)は、他の実施形態に係る切り出
し方法を説明するための斜視図であり、図2(b)は同
じく平面図である。この単結晶体1も、〈100〉軸方
位に引き上げられている。単結晶体1の中央部にコア部
2が生成しており、コア部2を取り囲むようにノーマル
部5が生成している。
【0039】単結晶体1を縦方向に切断し、ウエハー4
を切り出している。このウエハー4の一対の主面4aは
(011)面であり、長い方の側面4bは[外1]面で
あり、短い方の側面4cは(100)面である。図2
(c)に示すように、このウエハー4の中央部には細長
いコア部40が含まれており、コア部40の両側にノー
マル部41が含まれている。これによって、従来ない極
めて大面積の記録部材を切り出すことができるようにな
った。しかも、本発明者の発見したところでは、ホログ
ラム部材としての回折効率の点および画像の明るさとい
う点からは、記録部材4のコア部40とノーマル部41
との間で差が見られないことが判明した。
【0040】なお、ウエハーの切り出しの方位は、前述
の実施形態には限られない。例えば、単結晶体1を〈1
00〉軸に対して垂直方向に切り出すことによってウエ
ハーの方位を〈100〉軸方位とすることができる。こ
の場合には、記録部材の光照射面が〈100〉軸方位と
なるために、光を光照射面に対して垂直方向から傾斜さ
せた角度で入射させることが必要であり、光照射面に対
する光の入射角度を30〜60°とすることが好まし
く、40〜50°とすることが更に好ましく、45°と
することが一層好ましい。
【0041】ホログラム記録再生装置において使用でき
る物体光、参照光としては、Bi1 2 SiO2 0 単結晶
が光伝導効果を示す波長488nmのアルゴンイオンレ
ーザー光を好ましく使用でき、再生光としては、Bi
1 2 SiO2 0 単結晶が光伝導効果を示さない波長63
3nmのヘリウムネオンレーザー光を好ましく使用でき
る。
【0042】このようにしてウエハーを切り出した後、
このウエハーを後述するように処理し、本発明のホログ
ラム部材を得る。この好適な実施形態を説明する。図3
(a)に示すように、長方形のウエハー6の一対の主面
にそれぞれ膜状の電極7A、7Bを形成し、アセンブリ
8を作製する。次いで、図3(b)に示すように、この
アセンブリ8を切断し、例えば5個の素子材料9A、9
B、9C、9D、9Eを作製する。1枚のアセンブリ8
から採取する素子材料の個数は種々変更できる。各素子
材料は、それぞれ、細長い記録部材10と、この記録部
材10の一対の側面に形成されている電極11A、11
Bとを備えている。
【0043】次いで、図3(c)に示すように、各素子
材料を矢印Aのように同じ方向に回転させ、各素子材料
の各電極を対向させる。この状態で各素子材料の相対向
する電極同士を接合し、各記録部材10の表面を連続さ
せることによって一体の光照射面を形成する。この光照
射面を平面研磨機で光学研磨することによって、図3
(d)に示すホログラム素子43を得ることができる。
【0044】このホログラム素子43は、5個のホログ
ラム部材12A、12B、12C、12D、12Eの接
合体からなっており、各ホログラム部材は、それぞれ細
長い記録部材10と、この記録部材10の一対の側面に
形成された電極11A、11Bとからなっている。隣り
合うホログラム部材の電極11Aと11Bとが互いに接
合されている。そして、各ホログラム部材の各記録部材
10の光照射面13がほぼ連続していて、光照射面42
を形成しており、この光照射面42が物体光と参照光と
の光入射面として機能する。
【0045】図4は、このホログラム素子43を使用し
たホログラム記録再生装置の好適な実施形態を模式的に
示す模式図である。共通の直流電源14を使用してい
る。この電源14の正極が、ホログラム部材12Aの電
極11Bおよび部材12Bの電極11A、部材12Cの
電極11Bおよび部材12Dの電極11A、部材12E
の電極11Bに対して、リード線15によって接続され
ている。この具体的な接続方法は種々変更できる。ま
た、電源14の負極が、部材12Aの電極11A、部材
12Bの電極11Bおよび部材12Cの電極11A、部
材12Dの電極11Bおよび部材12Eの電極11Aに
対して、リード線16によって接続されている。
【0046】更に具体的な、好適な実施形態について述
べる。まず、図1または図2に示す方法に従って、図5
(a)に示すウエハー17を切り出す。この際、ウエハ
ー17の一対の主面17aの方位は〈011〉軸方位で
あり、側面17bの方位は
【外2】 方位であり、側面17cは〈100〉軸方位である。
【0047】このウエハー17の側面17c側を研削加
工することによって、図5(b)および図5(c)に示
すウエハー17Aを得る。このウエハー17Aにおいて
は、側面17cの各主面17aとの間の稜線44(図5
(a)参照)が削除され、この部分に細長い切り込み1
7dが形成されている。
【0048】次いで、このウエハー17Aの一対の主面
17aおよび切り込み17d上に膜状の電極を形成し、
図6(a)および(b)に示すアセンブリ18を得る。
ここでは、ウエハー17Aの各主面17aおよび切り込
み17d上にそれぞれ膜状の電極19A、19Bが形成
されている。次いで、図6(b)に示すように、アセン
ブリ18を切断し、例えば4個の素子材料20A、20
B、20C、20Dを作製する。各素子材料は、それぞ
れ、細長い記録部材と、この記録部材の一対の側面に形
成されている電極19A、19Bを備えている。
【0049】次いで、各素子材料20A、20B、20
C、20Dを同じ方向に回転させ、図7(a)に示すよ
うに、各素子材料の各電極を対向させる。この状態で各
素子材料の相対向する電極同士を接合し、各記録部材1
7Bの表面を連続させることによって一体の光照射面を
形成する。この段階で、隣り合う各素子材料の間で、一
対の切り込み17dが組み合わされ、これによって凹部
21が形成される。次いで、この光照射面を平面研磨機
で光学研磨することによって、図7(b)に示すホログ
ラム素子26を得ることができる。
【0050】このホログラム素子26は、4個のホログ
ラム部材22A、22B、22C、22Dの接合体から
なっており、各ホログラム部材は、それぞれ細長い記録
部材17Cと、この記録部材17Cの一対の側面に形成
された電極19A、19Bとからなっている。隣り合う
ホログラム部材の電極19Aと19Bとが互いに接合さ
れている。各ホログラム部材の各記録部材17Cの研磨
された光照射面13がほぼ連続することによって、光照
射面24を形成しており、この光照射面24が物体光と
参照光との光入射面として機能する。
【0051】この装置においては、共通の直流電源14
を使用している。共通の電源14の正極から延びたリー
ド線15の末端が、ホログラム部材22Aと22Bとの
間に形成された凹部21に面する電極19A、19Bに
対して、接着剤25Bによって接着されており、かつ部
材22Cと22Dとの間に形成された凹部21に面する
電極19A、19Bに対して、接着剤25Dによって接
着されている。共通の電源14の負極から延びたリード
線16の末端が、ホログラム部材22Aの切り込み17
dに面する電極19Aに対して、接着剤25Aによって
接着されており、かつ部材22Bと22Cとの間に形成
された凹部21に面する電極19A、19Bに対して、
接着剤25Cによって接着されており、更には、部材2
2Dの切り込み17dに面する電極19Bに対して、接
着剤25Eによって接着されている。
【0052】このホログラム記録再生装置においては、
光照射面24は[外1]面であり、電圧の印加方向は
〈011〉軸に平行な方向である。これは、最も回折効
率を向上させることができる組み合わせである。
【0053】図8、図9は、それぞれ、本発明の他の実
施形態に係るホログラム記録再生装置を示す模式図であ
る。図8のホログラム記録再生装置においては、ホログ
ラム素子45は、4個のホログラム部材22A、22
B、22C、22Dの接合体からなっている。各ホログ
ラム部材は、それぞれ細長い記録部材17Cと、この記
録部材17Cの一対の側面に形成された電極19A、1
9Bとからなっている。隣り合うホログラム部材の電極
19Aと19Bとの間に、それぞれ絶縁体46が介在し
ている。
【0054】ここで、絶縁体は、他の部材と別体の板状
の絶縁部材であってよい。この場合には、各電極19
A、19Bと各絶縁体とを互いに接合することができ
る。また、絶縁体は、電極上に形成された絶縁膜であっ
てよい。この場合には、この電極と絶縁膜とは既に接合
されているので、この絶縁膜と、この絶縁膜に対向する
電極とを互いに接合する。
【0055】図8の実施形態では、部材22Aの電極1
9Aに対して、電源14の負極から伸びたリード線16
を接着し、部材22Aの電極19Bに対して、電源14
の正極から伸びたリード線15を接着する。同様に、部
材22B、22C、22Dの各電極19Aに対して、電
源14の負極から伸びたリード線16を接着し、部材2
2B、22C、22Dの各電極19Bに対して、電源1
4の正極から伸びたリード線15を接着する。隣り合っ
た電極19Aと19Bとは、絶縁体46によって絶縁さ
れている。
【0056】各ホログラム部材の各記録部材17Cの研
磨された光照射面13がほぼ連続することによって、光
照射面を形成しており、この光照射面が、物体光と参照
光との光入射面として機能する。
【0057】図9に示す実施形態の素子50において
は、共通電極47、48を使用している。即ち、記録部
材17C上に、電極47または48を形成する。末端の
記録部材17Cの主面上にも共通電極47または48を
形成すると共に、末端面上にも電極49または51を形
成する。この際、各電極47、48と記録部材17Cと
を接合する。部材17Cの電極47、49に対して、電
源14の負極から伸びたリード線16を接着し、部材1
7Cの電極48に対して、電源14の正極から伸びたリ
ード線15を接着する。電極47、48は、それぞれ隣
り合った2つの記録部材に対して電圧を印加するため
に、使用されている。
【0058】本発明のホログラム素子を製造するため
の、他の好適な態様について、図10を参照しつつ説明
する。まず、図1または図2に示す方法に従って、図5
(a)に示すウエハー17を切り出す。このウエハー1
7の側面17c側を研削加工することによって、図5
(b)および図5(c)に示すウエハー17Aを得る。
次いで、このウエハー17Aの一対の主面17aおよび
切り込み17d上に膜状の電極を形成し、図10
(a)、図10(b)に示すアセンブリ18A、18
B、18C、18Dを得る。ここでは、ウエハー17A
の各主面17aおよび切り込み17d上に、それぞれ膜
状の電極19A、19Bが形成されている。
【0059】次いで、図10(b)に示すように、所定
個数のアセンブリ18A、18B、18C、18Dを互
いに接合する。むろん、このアセンブリの個数は、目的
とする素子の寸法等に応じて適宜変更する。次いで、こ
の接合体を、図10(b)において各部材の主面と垂直
方向に切断し、図7(a)に示す素子を、上記の接合体
から複数個製造する。各素子においては、各部材22
A、22B、22Cおよび22Dが互いに接合されてい
る。
【0060】このように、ウエハー上に所定の電極を形
成した後に、各ウエハーを積層し、互いに接合して接合
体を製造し、この接合体を切断することによって、ホロ
グラム素子を製造することができる。これによって、先
に切断を行う場合と比較して、特に煩雑な接着工程をバ
ッチ処理で一度に終了させることができるので、製造上
の観点からは特に好ましい。
【0061】
【実施例】以下、図5、図6および図7を参照しつつ説
明した前述のプロセスに従って、図7(b)に示すホロ
グラム素子26を作製し、その回折効率を測定し、また
ホログラムの記録および再生の実験を行った。
【0062】(ホログラム素子の製造)まず、直径80
mm、長さ100mmのBi1 2 SiO2 0 単結晶体1
を製造した。ルツボとしては、直径150mm、高さ1
50mmの円筒形状の白金製ルツボを使用した。ルツボ
内に、Bi1 2 SiO2 0 の焼結体14kgを収容し、
これを900℃に加熱して融液を生成させた。
【0063】白金製アフターヒーターを使用することに
よって、単結晶体1の引き上げ方向の上方における10
mmまでの間の温度勾配を50〜75℃/cmに調整
し、これに引き続く150mmに至るまでの温度勾配を
10℃/cmに調整した。また、引き上げ速度を1〜
1.5mm/時間とし、引き上げ軸の回転速度を10r
pmとした。得られた単結晶の特性を、以下の表1に示
す。
【0064】
【表1】 格子定数 10.103×10-10 m 密度 9.2g/cm3 誘電率 56(100kHz) 屈折率 2.53(λ=633nm) 暗抵抗 101 4 Ω・cm 光導電性 108 Ω/cm(λ=458nm、2.5mW/cm2 ) 半波電圧 3900V(λ=633nm) ベルデ定数 3.67×10- 3 /Oe・cm(λ=633nm) 9.33×10- 4 /Oe・cm(λ=1150nm)
【0065】この単結晶体1から、図1(a)、(b)
に示す方法に従って、図5(a)に示すウエハー17を
切り出した。このウエハー17の寸法は、50mm×5
0mm×3mmとした。このウエハー17の一対の主面
17aを平面研磨機で研磨加工し、その平面度を0.6
μmとした。このウエハー17の稜線44を研削加工
し、幅1mmの切り込み17dを形成した。次いで、各
主面17aに厚さ1000オングストロームの酸化イン
ジウムスズ製の透明電極膜19A、19Bを真空蒸着法
によって形成し、アセンブリ18を作製した。
【0066】このアセンブリ18をダイシングソーによ
って切断し、幅3.5mmの素子材料を作製した。ただ
し、この素子材料の個数は14個であった。これらの各
素子材料を、透明電極膜側で透明光学接着剤によって接
着し、図7(a)に示す接合体を得た。次いで、接合体
の光照射面を平面研磨機で光学研磨し、研磨面24を形
成した。この研磨量はそれぞれ0.25mmとし、これ
によって各記録部材17Cの仕上がり後の厚さが3.0
mmとなるようにした。接着剤25A、25B、25
C、25D、25Eとして銀ペーストを使用し、素子2
6を完成させた。
【0067】(回折効率の測定)この素子をテフロン製
のホルダーで固定し、電源14によってリード線15と
16との間に6kVの電圧を印加した。最初に、回折効
率を試験した。交差角度3°で交わる2本のアルゴンイ
オンレーザー光を、素子の光照射面に対して照射した。
各レーザー光の波長を488nmとし、ビームの直径を
100mmとした。素子の上には、100本/mmの縞
間隔の干渉縞が形成され、素子内に記録された。照射し
たレーザー光のエネルギーは4mJ/cm2 とした。
【0068】こうして素子内に記録された干渉縞に対し
てブラッグ回折条件を満足する入射角度で、波長633
nmのヘリウム−ネオンレーザー光を光照射面に対して
照射し、一次回折光を得た。ここで、Bi1 2 SiO
2 0 単結晶ホログラムは、厚い体積ホログラムであるた
めに、再生入射光の角度選択性が厳格であり、ブラッグ
条件を満足する方向に再生光を入射させないと、回折し
ない。この結果、入射光に対する一次回折光の強度の比
率(回折効率)は22%となった。以上のように、本素
子によって、6kVという放電等に対して特に厳重な対
策を施す必要がない比較的に低い電圧で、22%という
十分に大きな回折効率を得ることに成功した。
【0069】(ホログラムの記録および再生実験)図1
1に模式的に示す光学系を使用して、上記のホログラム
記録再生装置によるホログラムの記録および再生実験を
行った。上記の素子26を所定位置に設置した。波長4
88nmのアルゴンイオンレーザー光を光源28から出
射させ、このレーザー光をハーフミラー29で2つに分
割した。この分割されたレーザー光のうち一方は、レン
ズ31、拡散板32を通り、拡散板32で散乱され、原
画像が印刷された寸法50mm×50mmの透明フィル
ム33を透過する。このフィルム33からの出射光を物
体光とし、これを素子に照射した。
【0070】一方、アルゴンイオンレーザー光のうちハ
ーフミラー29を透過した光は、ミラー30で反射さ
れ、集光レンズ35およびコリメートレンズ34を透過
し、参照光として光照射面へと照射される。この物体光
と参照光とは、互いに交差角度3°で交わるようにし
た。これによって原画像を素子内に記録することができ
た。照射した光エネルギーは4mJ/cm2 であった。
【0071】次いで、波長633mmであって、直径1
00mmの均一な光量分布を有するヘリウム−ネオンレ
ーザー光を、光源38から出射させ、集光レンズ36お
よびコリメートレンズ37を透過させ、素子の光照射面
へと入射させた。このレーザー光の入射角度は、素子内
に記録された干渉縞に対してブラッグ回折条件を満足す
る入射角度とした。
【0072】この再生光を観察したところ、再生像が原
画像に相当する位置に再生されており、これによって原
画像における奥行きが、再生されたホログラフィーにお
いても再現されていることが分かった。そして、このホ
ログラフィーの奥行きは、両眼視差を利用して確認する
ことができるものであった。このように、本発明によっ
て、両眼視差を利用した、原画像の奥行きおよび立体感
を忠実に再現し、確認することができる、リアルタイム
ホログラムによる3次元ディスプレーを提供することに
成功した。
【0073】なお、このようにして素子内に記録された
画像は、素子への印加電圧を0Vとした状態で、素子の
光照射面の全面にわたって均一な青色光を照射すること
によって、消去することができた。
【0074】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、光誘起屈折効果を有する単結晶からなるホログラム
素子において、小電圧の電源を使用したときでも相対的
に大寸法のホログラム素子を駆動させてホログラムの記
録再生を行うことができる。これによって、両眼視差を
利用してホログラム画像を観察することができるような
ホログラム素子およびホログラム記録再生装置を提供す
ることができる。また、ホログラムの再生画像の明るさ
を従来よりも大きくすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、単結晶体1からウエハー3を切り出
している状態を示す斜視図であり、(b)は、単結晶体
1からウエハー3を切り出している状態を示す平面図で
ある。
【図2】(a)は、単結晶体1からウエハー4を切り出
している状態を示す斜視図であり、(b)は、単結晶体
1からウエハー4を切り出している状態を示す平面図で
あり、(c)は、ウエハー4を示す平面図である。
【図3】(a)は、アセンブリ8を示す斜視図であり、
(b)は、素子材料9A、9B、9C、9D、9Eを示
す斜視図であり、(c)は、各素子材料の電極を対向さ
せた状態を示す斜視図であり、(d)はホログラム素子
43を示す斜視図である。
【図4】ホログラム素子43に電源14を接続した状態
を模式的に示す模式図である。
【図5】(a)は、ウエハー17を示す斜視図であり、
(b)は、切り込み17dを形成した後のウエハー17
Aを示す平面図であり、(c)は、ウエハー17Aを側
面17bの側から見た側面図である。
【図6】(a)は、アセンブリ18を示す平面図であ
り、(b)は、アセンブリ18を示す正面図であり、
(c)は、アセンブリ18を切断して得た素子材料20
A、20B、20C、20Dを示す平面図である。
【図7】(a)は、各素子材料の接合体を示す正面図で
あり、(b)は、ホログラム素子26に電源14を接続
した状態を模式的に示す模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るホログラム記録再
生装置を模式的に示す図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係るホログラム記
録再生装置を模式的に示す図である。
【図10】(a)は、ウエハー上に電極を形成した後の
アセンブリ18A(18B、18C、18D)を示す平
面図であり、(b)は、各アセンブリを積層し、接合し
て得た接合体を示す正面図であり、(c)は、この接合
体を切断して得たホログラム素子を示す平面図である。
【図11】ホログラムの記録および再生試験に使用した
光学系を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
3、4、6、17、17A ウエハー 7A、7B、
11A、11B、19A、19B 電極 8、18
アセンブリ 9A、9B、9C、9D、9E、20
A、20B、20C、20D 素子材料 10、17
B、17C 記録部材 12A、12B、12C、1
2D、12E、22A、22B、22C、22D ホロ
グラム部材 14 共通の電源 17d 切り込み
21 凹部 25A、25B、25C、25D、
25E 接着剤 26、43 ホログラム素子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光誘起屈折効果を示す単結晶をホログラム
    材料として使用しているホログラム素子であって、この
    ホログラム素子が、前記単結晶からなる記録部材を複数
    個備えており、前記の記録部材の各光照射面が一体の平
    面をなすように各記録部材が配列されており、かつ前記
    の各記録部材に対してそれぞれ電圧を印加するための電
    圧印加手段を備えていることを特徴とする、ホログラム
    素子。
  2. 【請求項2】前記ホログラム素子が複数のホログラム部
    材からなっており、前記の各ホログラム部材が、それぞ
    れ前記記録部材とこの記録部材の一対の相対向する側面
    上に形成された一対の電極とを備えており、前記の各記
    録部材において電圧の印加方向の結晶方位が同じ方位と
    なるように前記電極が形成されており、前記の各ホログ
    ラム部材が互いに接合されていることを特徴とする、請
    求項1記載のホログラム素子。
  3. 【請求項3】隣り合った前記ホログラム部材の間に絶縁
    体が設けられていることを特徴とする、請求項2記載の
    ホログラム素子。
  4. 【請求項4】隣り合った前記記録部材に対して同時に電
    圧を印加するための共通電極を備えていることを特徴と
    する、請求項1記載のホログラム素子。
  5. 【請求項5】前記電極が透明電極であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載のホロ
    グラム素子。
  6. 【請求項6】前記電極が光不透過性の材質からなること
    を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に
    記載のホログラム素子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記
    載のホログラム素子と、前記の各記録部材に対してそれ
    ぞれ電圧を印加するための電源とを備えていることを特
    徴とする、ホログラム記録再生装置。
  8. 【請求項8】光誘起屈折効果を示す単結晶をホログラム
    材料として使用しているホログラム素子を製造する方法
    であって、前記単結晶からなるウエハーの表面に所定の
    電極を形成し、複数の前記ウエハーを互いに接合して接
    合体を得、この接合体を切断することによって、記録部
    材を複数個備えており、前記記録部材の各光照射面が一
    体の平面をなすように各記録部材が配列されており、か
    つ前記の各記録部材が接合されているホログラム素子を
    製造することを特徴とする、ホログラム素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】光誘起屈折効果を示す単結晶をホログラム
    材料として使用しているホログラム素子を製造する方法
    であって、前記単結晶からなるウエハーの表面に所定の
    電極を形成し、前記ウエハーを切断して複数のホログラ
    ム部材を製造し、前記の各ホログラム部材の各記録部材
    の各光照射面が一体の平面をなすように前記各ホログラ
    ム部材を配列することを特徴とする、ホログラム素子の
    製造方法。
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