JP2905433B2 - ホログラム記録再生装置 - Google Patents

ホログラム記録再生装置

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JP2905433B2
JP2905433B2 JP35082195A JP35082195A JP2905433B2 JP 2905433 B2 JP2905433 B2 JP 2905433B2 JP 35082195 A JP35082195 A JP 35082195A JP 35082195 A JP35082195 A JP 35082195A JP 2905433 B2 JP2905433 B2 JP 2905433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ホログラムの記録および
再生に対してきわめて好適な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィーは、完全な波面の再生技
術として、干渉測定、光情報処理、光学素子、3次元デ
ィスプレーなどに応用されている。ホログラム記録やホ
ログラム干渉を行うためには、銀塩感光材料を使用する
のが一般的であるが、銀塩感光材料は現像処理が必要で
あるため、リアルタイムホログラムを実現することはで
きない。一方、Bi1 2 SiO2 0 単結晶を初めとする
光誘起屈折効果を有する単結晶(フォトリフラクティブ
結晶)が、リアルタイムホログラム(RH)素子として
検討されている(例えば、「レーザー科学研究報告書」
1990、Mar.第1〜9頁「BSO単結晶のホログ
ラフィー記録特性について」参照)。この文献において
は、Bi1 2 SiO2 0 単結晶の結晶方位(110)面
に物体光、参照光を入射させ、(110)面の両端面に
電極を付け、干渉縞に垂直の方向に数kV/cmの電界
を印加している。
【0003】ホログラムの寸法については、干渉測定、
光情報処理、光学素子の各用途においては、使用目的に
応じた制約はあるものの、必ずしも大きな寸法の素子を
必要とはしていない。しかし、最近実用化が待望されて
いる3次元ディスプレー用途では、ホログラム素子の寸
法を、ある程度以上大きくすることが、絶対に必要であ
る。なぜなら、3次元ディスプレー用途においては、人
の立体認識を可能とするためには、人の両眼視差を利用
する必要があるが、このためにはホログラム素子の寸法
が両目の間隔(50mm程度)以上でなければならない
からである。
【0004】しかし、リアルタイムホログラム素子の寸
法の上限は、干渉縞を記録する記録部材であるBi1 2
SiO2 0 単結晶の形状、寸法によって物理的に制限さ
れてしまい、具体的には最大でも十数mm×十数mmで
あった。この寸法上の制限のために、リアルタイムホロ
グラム素子の用途は、現在のところ、干渉測定および光
情報処理のみに限定されている。しかし、リアルタイム
ホログラムは、今後特に実用化が強く要望されている技
術であり、具体的には、3次元CADシステム等の3次
元図像表示システムの出力機器としての応用が待望され
ている。従って、リアルタイムホログラム素子の大型化
が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、こうした
3次元ディスプレイにも応用可能な大寸法のホログラム
素子を開発するために研究を進めていたが、この過程
で、次の問題に遭遇した。即ち、上記のような用途にお
いては、両眼をホログラム記録素子に対して対向させ、
再生光を両眼の反対側から記録部に対して照射すること
によって、再生像を観察する。しかし、この観察に際し
て、室内が明るいと外部の像が素子の表面に明るく映し
出され、反射されるために、再生像の観察が困難になる
ことがあった。この点について更に説明する。
【0006】図1(a)、(b)は、従来のホログラム
記録再生装置を使用して3次元ディスプレイを作製した
ときの問題点を説明するための模式図であり、図2は、
本発明者が検討したホログラム記録再生装置を示す斜視
図である。本発明者は、いわゆる(110)ウエハーを
使用してホログラム記録再生素子を作製していた。ただ
し、Bi1 2 SiO2 0 単結晶は、立方晶に属してお
り、〈100〉軸、〈010〉軸、〈001〉軸は等価
である。現状では、ホログラム記録再生素子においては
(110)ウエハーから記録部を切り出すことが行われ
ている。この素子を使用して3次元ディスプレイを構成
するためには、図1(a)に示すように、所定の光学系
6を暗箱5の中に収容し、暗箱5の縁部にホログラム記
録再生素子3を取り付ける。そして、素子3の(11
0)面に対してほぼ垂直な方向に再生光4を照射し、再
生像を得る。光学系6と反対側にいる観察者1が、この
再生像を観察する。観察者1の視線2は、再生光4とほ
ぼ反対側から、素子3の記録部の(110)面に対して
垂直な方向に向かっている。
【0007】光学系6を暗箱5内に収容したのは、余分
な光を素子3に対して照射しないようにするためであ
る。また、3次元ディスプレイにおいては、図1に示し
たように、外部から再生像を観察する必要があるので、
素子3の記録部ないし本体は、暗箱5の外部に露出させ
ておく必要がある。
【0008】素子3に干渉縞を書き込むための物体光
や、再生光4の光源には、レーザー光源を使用するが、
レーザー光の光量には上限があり、無制限に明るくする
ことはできない。特に、ホログラム記録再生装置の全体
の大型化を防止するためには、できるだけ小型のレーザ
ー光源を使用する必要がある。従って、再生像の明るさ
には限界がある。一方、立体表示素子として使用する場
合には、好ましくは、図1(b)に模式的に示すよう
に、観察者1が、通常の明るい室内照明8の下にいるよ
うな環境下でも、使用できるようにしなければならな
い。
【0009】しかし、室内照明8から直接に照射される
光9や、室内の物体からの反射光9が、素子3の表面に
対して照射され、ここで反射するために、反射光10が
観察されることになる。一方、再生像は、矢印7のよう
に観察者1側へと向かって進行する。このため、室内照
明などの反射像は、3次元の再生像の上に、そのまま重
なって見えることになる。そして、暗箱5内のレーザー
光の明るさには限界がある一方、室内照明8は相対的に
明るいので、素子3の表面で反射される反射像の方が、
再生像よりも明るくなってしまい、再生像の観察に支障
をきたすことが判明してきた。
【0010】本発明者は、素子3の表面での反射に起因
す再生像の攪乱を防止するために、図2に模式的に示す
ような装置を検討した。ここで、素子11の記録部12
は長方形の平板形状であり、この記録部12の一対の端
面に、それぞれ電極13が形成されており、各電極13
は、それぞれ電線16によって直流電源15に対して接
続されている。ここで、記録部12の観察者1側の主面
12aを被覆するように、透明な反射防止膜14を形成
することによって、観察者側の主面における反射を防止
することを試みた。
【0011】しかし、こうした反射防止膜14は、一般
的には、誘電体膜によって形成されるが、こうした誘電
体膜の抵抗率は、高くとも109 Ω・cm程度である。
一方、記録部12の抵抗率は通常101 4 Ω・cm程度
であって、反射防止膜14の抵抗率は、相対的にかなり
低い。そして、ホログラムの記録や再生を行う際には、
高電圧を素子11に対して印加するので、反射防止膜1
4が、所定の電圧の印加を妨げたり、絶縁破壊の原因と
なることが判明してきた。
【0012】本発明の課題は、前記したようなホログラ
ム記録再生素子の記録部の主面ないし入射面における外
光の反射に起因する再生像の攪乱を、絶縁破壊や記録部
に対する所定電圧の印加の妨害を生ずることなく、防止
できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明に係るホログラム記録再生装置は、光誘起
屈折効果を示す光学単結晶からなる記録部と、この記録
部に対して電圧を印加するための電極とからなる素子、
および、記録部に対して入射光を入射させるための光学
系を備えており、光学単結晶の結晶系が立方晶に属して
おり、記録部の入射面の方位が(100)面であり、入
射光の光軸と光学単結晶の〈100〉軸とが所定角度を
なすように入射光が入射することを特徴とする。
【0014】上記において、光誘起屈折効果を有する立
方晶の光学単結晶としては、Bi1 2 SiO2 0 単結
晶、Bi1 2 GeO2 0 単結晶等が好ましいが、このう
ち、結晶の大型化が既に達成されているBi1 2 SiO
2 0 単結晶が特に好ましい。各記録部に形成する電極と
しては、透明電極と不透明電極とのいずれも使用するこ
とができる。この透明電極の材質としては、酸化スズ
膜、酸化インジウムスズ膜等を例示することができる。
また、不透明電極の材質としては、金属ペーストと呼ば
れる、銀粉等の導電材料を含有させた導電接着剤や、ア
ルミニウム、金、クロム、チタン等の金属膜を例示する
ことができる。
【0015】ホログラム記録再生装置において使用でき
る物体光、参照光としては、特に限定はないが、現状で
は、Bi1 2 SiO2 0 単結晶が光伝導効果を示す波長
488nmのアルゴンイオンレーザー光を好ましく使用
でき、再生光としては、Bi1 2 SiO2 0 単結晶が光
伝導効果を示さない波長633nmのヘリウムネオンレ
ーザー光を好ましく使用できる。
【0016】本発明においては、前記のような素子の表
面における反射を防止し、観察者側から見たとき、再生
像の攪乱を防止し、抑制することができる。従って、本
発明の装置によって、明るい照明の下や、時には野外等
においても、ホログラムの再生像に対して重複する外部
の風景等の反射像を最小限に抑えることが可能になっ
た。これらの点について、更に詳細に説明する。
【0017】本発明者は、従来のホログラム記録再生素
子を使用して、再生像の外光による攪乱を解決するべ
く、検討を進めてきたが、解決は困難であった。そこ
で、本発明者は、素子の基本的な結晶構造および製造方
法の点まで遡って新たに検討してみた。ホログラム記録
再生素子用の光学単結晶としては、ケイ酸ビスマスやゲ
ルマン酸ビスマスが特に好適であるとされており、こう
した光学グレードの単結晶は、通常引き上げ法(チョク
ラルスキー法)によって作製されている。このブール1
7としては、現在のところ、直径80mm、長さ100
mm程度のものが得られている。
【0018】この際には、図3に示すように、通常円柱
形状の単結晶のブール17を溶融液から引き上げるが、
このブール17の引き上げ軸の方向は〈100〉の方位
である。ブール17から(110)ウエハー18を切り
出す際には、このウエハー18の主面18aが〈01
1〉方位となるように、ウエハー18を縦方向に切り出
すことになる。ホログラム記録再生素子においては、ウ
エハー18の主面18aに光を入射させ、この光軸と直
交する方向に電圧を印加する。この切断方位によって、
最も回折効率の高い方位の大型のウエハーを切り出すこ
とができる。しかし、こうしたウエハーを使用した素子
においては、その記録部の主面に対して垂直方向に再生
光が入射し、観察者の方向へと向かって出射する。従っ
て、室内光や外からの反射光もこの主面で反射するため
に、再生像の攪乱を防止できないわけであった。
【0019】そこで、本発明者は、従来の常識に反し
て、(100)面を主面として有する(100)ウエハ
ーを使用して、ホログラム記録再生素子を作製すること
を試みた。このような素子に対しては、光を入射面に対
して垂直に入射させても、記録および再生が行われない
ために、検討されていなかったものである。こうした新
規なホログラム素子について、その製造過程およびホロ
グラム記録・再生方法を、順次説明していく。
【0020】図4(a)に示すように、円柱形状のブー
ル17を作製した後,このブールの引き上げ方向(〈1
00〉の結晶方位)に対して垂直な方向に向かって、ブ
ール17を切断することによって、実質的に円板形状の
ウエハ19を切り出すことができる。ここで、「実質的
に円板形状」であるとは、引き上げ法における形態の変
動や、切断および研磨加工に起因する加工誤差等の、実
際の製造上の誤差は問題にしないということを意味して
いる。このウエハー19の主面19aは、(100)面
である。
【0021】このようにブール17からウエハー19を
切り出す切断工程は、もとのブール17の形状をそのま
ま利用することができるので、きわめて簡単であり、工
程数が少ない。また、切断後に残る残材がきわめて少な
くなる。従って、素子を量産するという観点から見て、
従来法に比べて、極めて有利である。
【0022】しかも、本発明者は、図5(a)、(b)
にそれぞれ示すように、ブールから切り出した円板形状
のウエハー19をそのまま記録部として使用し、各素子
を作製することを試みた。ここで、仮に図4(b)に示
すように、(100)ウエハー19から長方形の記録部
20を切り出すものとすると、この記録部20の四辺を
それぞれ切り出す工程が必要になるために、量産上は不
利になる。特に、(100)ウエハー19をそのまま記
録部として使用することによって、記録部の外周の寸
法、特に記録部の幅を大きくすることができる。例え
ば、直径80mmの(100)ウエハーをそのまま記録
部として使用すると、通常人の両眼を、余裕を持って素
子内に包含することができる。しかし、これから正方形
の記録部を切り出すものとすると、この1辺の長さは通
常は50mm程度となる。
【0023】図5(a)の素子21Aにおいては、記録
部19の外周縁面19b上に、一対の電極22A、22
Bが形成されている。各電極22Aと22Bとは、それ
ぞれ互いに相対向するように、記録部19の中心Oに対
して点対称となるように形成されている。また、各電極
22Aと22Bとは、〈010〉軸を中心として対称な
形となるように扇形に形成されている。
【0024】図5(b)の素子21Bにおいては、記録
部19の外周縁面19b上に、一対の電極23A、23
Bが形成されている。各電極23Aと23Bとは、それ
ぞれ互いに相対向するように、記録部19の中心Oに対
して点対称となるように形成されている。また、各電極
23Aと23Bとは、〈011〉方位を中心として対称
な形となるように、扇形に形成されている。ここで、記
録部19の中心Oから見たときの各電極の開き角度を、
2βとする。
【0025】ここで、(100)ウエハーを使用した場
合には、これに入射光を入射させても回折効率が0%に
なるために、ホログラム記録再生素子として使用できな
いと考えられてきた。しかも、図5(a)および(b)
に示すように、円板形状の(100)ウエハーをそのま
ま記録部として使用すると、電極はこの外周縁面19b
に形成する他はないであろうが、このような形態の電極
を使用すると、当業者の常識に従えば、とても記録部の
各部分において均一な回折効率を得ることは困難であろ
うと考えられる。記録部の各部分の回折効率にバラツキ
が発生すると、再生像にムラとして現れるために、ディ
スプレイとして使用することは困難になる。また、他の
用途においても、各部分における回折効率が大きく変動
するようであると、問題がある。
【0026】しかし、本発明者は、このような素子を使
用して、各部分の回折効率を検討し、また、再生像の状
態について詳細に検討した。この結果、前記の素子が極
めて実用的なものであることを見いだした。まず、前記
したような(100)ウエハーをそのまま使用した記録
部や、(100)ウエハーから切り出した記録部を使用
すると、当然、記録部の主面は(100)面となる。
【0027】本発明者は、図6(a)および(b)に示
すように、記録部を入射光24に対して傾斜させ、かつ
電界Eを加えた場合に得られるフォトリフラクティブ効
果の度合いについて、初めて検討してみた。ここでは、
入射光24の光軸を〈100〉方位に対してθ傾斜さ
せ、〈100〉方位と〈001〉方位とによって構成さ
れる平面に対して電界Eの方向をφ傾斜させたものとす
る。また、入射光24の光軸は、〈010〉方位に対し
て垂直であり、かつ〈100〉方位および〈001〉方
位によって形成される平面内にある。
【0028】また、図7においては、入射光24の光軸
を〈100〉方位に対してθ傾斜させ、〈100〉方位
と〈001〉方位とによって構成される平面に対して電
界Eの方向をφ傾斜させた。また、入射光24の光軸
は、〈01−1〉方位に対して垂直である。
【0029】図5(a)の素子21Aを使用し、上記の
図6(a)および(b)の入射光の方向を使用して、各
電極22A、22Bに電圧を印加した。ただし、各電極
の開き角度の半分(β)を、図8に示すように変更す
る。また、素子内における入射光の光軸と(100)方
位との角度θは20°とした(これに対応する入射角度
γは60°であるが、記録部の表面での屈折のためにθ
は20°となる。)。この結果、図8に示すように、回
折効率は、β=30°以上の範囲内で顕著に向上した。
また、回折効率が平均値±20%の範囲内にある領域の
面積比は、β=30°〜60°の範囲内で、顕著に増大
していた。
【0030】また、図5(a)の素子21Aを使用し、
図7の入射光の方向を使用して、各電極22A、22B
に電圧を印加した。ただし、各電極の開き角度の半分
(β)を、図9に示すように変更する。また、素子内に
おける入射光の光軸と(100)方位との角度θは20
°とした。この結果、図9に示すように、回折効率は、
β=30°以上の範囲内で顕著に向上した。また、回折
効率が平均値±20%の範囲内にある領域の面積比は、
β=30°〜60°の範囲内で、顕著に増大していた。
【0031】このうち、特に重要なものは回折効率のバ
ラツキが小さいことであるので、β=30〜60°(2
β=60〜120°)の範囲を採用することによって、
回折効率のバラツキの少ない良好な素子を製造できるこ
とが判明してきた。また、図6に示すように、入射光の
光軸が〈010〉方位に対して直交するような形態が、
最も高い回折効率が得られることも判明した。
【0032】また、図6(b)のホログラム記録再生素
子を使用した場合にも、上記した素子の場合と、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0033】次に、図5(a)の素子を使用し、図6
(a)および図6(b)の入射光の方位を使用し、かつ
βを、最も回折効率のバラツキの少ない45°とした。
この条件で、記録部内における入射光の光軸と〈10
0〉方位との角度θを、図10に示すように変更し、素
子内における回折効率の平均値を測定した。この結果、
回折効率(任意単位)が顕著に変化することを確認し
た。ここで、回折効率は、θが30〜60°の範囲内で
大きくなり、40°〜50°の範囲内で顕著に大きくな
った。明るい再生画像を得るためには、この回折効率を
最大化することが必要であり、このために上記の所定の
傾斜角度θを設定する必要があることを発見した。
【0034】前述してきたように、図5に示すような形
態で、一対の電極を形成することによって、結晶内部に
おける電界をほぼ均一とし、結晶内部での回折効率のバ
ラツキを著しく少なくできることを見いだした。
【0035】これらの知見に立って、本発明者は、(1
00)面を有する記録部を使用して素子を作製した。そ
して、前記したように、この素子は、入射光に対して傾
斜させた状態で使用することによって、高い回折効率が
得られ、かつ回折効率のバラツキも少なくできるもので
あった。そして、このように入射光、特に再生光に対し
て素子の主面ないし入射面を傾斜させることによって、
室内照明等の外光が素子の主面に入射して観察者の方向
へと向かって反射しにくくなり、従って再生像の攪乱を
抑制できるようになった。
【0036】この際、特に好ましくは、光学系を暗箱内
に収容し、記録部に対向する位置に、外部からの光の記
録部の入射面への入射を遮断するために、遮光板を設置
する。例えば、図11に模式的に示す例においては、暗
箱5内に光学系6が収容されており、この暗箱5の観察
者側の出口に素子21A(21B)が設置されている。
この素子の記録部の角度は、再生光4の光軸に対して傾
斜している。素子21A(21B)の主面に対向するよ
うに遮光板37が設置されている。これによって、観察
者1の方向へと進行するべき外部からの反射光38が、
遮光板37によって遮られるために、外部からの反射像
による再生像の攪乱を防止することができる。この遮光
板37は、光沢のないものを使用することが好ましい。
【0037】次に、本発明者は、更に次の問題があるこ
とを見いだした。即ち、前述した検討結果から見て、図
12に模式的に示すように、素子21A(21B)の
〈100〉方位(法線28)を、入射光25の光軸に対
して傾斜させた状態で、素子を設置する必要があった。
この傾斜角をγとする。しかし、大気の屈折率は通常
1.0であるのに対して、ホログラム記録再生素子を構
成する光学単結晶の屈折率は、通常は2.4〜2.6で
あって、両者の屈折率には多大な相違がある。このため
に、入射光25は屈折し、記録部19の中を符号26で
示すように伝搬し、再び主面19aから27のように出
射する。入射光25と出射光27とは互いに平行であ
る。このθの値は、前記した屈折率の相違から0°〜2
5°に過ぎず、γを変化させても、θをこれ以上増加さ
せることはできない。
【0038】このように、結晶内を実際に進行している
光26の光軸と、結晶の〈100〉方位との角度θが小
さいために、たとえ入射角γを45°付近に設定したと
しても、回折効率は小さくなり、特にリアルタイムホロ
グラムによる3次元ディスプレイの用途においては、実
用レベルのものを作製することが難しいことが判明して
きた。更には、記録部の表面においてフレネル反射が生
じ、再生光の損失が増加するという問題があった。
【0039】そこで、本発明者は、(100)ウエハー
を使用した素子を、このウエハーと比較的近接した屈折
率を有し、かつ絶縁性を有する透明媒体中に収容した、
概念的にまったく新しいホログラム記録再生装置を想到
した。
【0040】この装置は、素子の記録再生光が通過する
素子面に接する絶縁性の透明な媒体であって、光学単結
晶の屈折率と媒体の屈折率との差が0.50以下である
媒体と、この媒体の素子側と反対側に位置し、この媒体
と接する透光性の隔壁とを有する。
【0041】特に好ましくは、ホログラム記録再生素子
を、絶縁性および流動性を有する媒体中に収容すること
ができる。この場合には、媒体を容器中に充填ないし収
容することができる。
【0042】ここで、媒体が絶縁性を有するとは、1k
V/mmの印加電圧に対して放電を起こさないことを意
味している。また、媒体が流動性を有するとは、気泡や
空隙を生むことなく、注入した媒体が容器中に充填可能
であることを意味している。また、媒体が透明であると
は、使用波長帯で著しい吸収や散乱を生じないことを意
味している。
【0043】具体的に使用できる媒体の種類は、記録部
の屈折率との組み合わせによるが、下記の材質からなる
屈折液を好ましく利用できる。シリコン系オイル、砒素
トリプロマイド、ジサルファイド/セレン化合物、セレ
ン化合物を含むフォーミュレーション、砒素トリプロマ
イド/ジサルファイド系フォーミュレーション等。
【0044】こうした屈折液としては、屈折率1.30
0〜2.31程度のものが入手可能であるが、素子を、
後述するような複屈折性の単結晶によって形成する場合
には、通常は屈折率が1.9〜2.31の範囲内のもの
が好ましい。この観点からは、モリテックス社から入手
できるカーギル(Cargille)標準屈折液の「Series
H」、「Series EH」、「Series FH」が特に好ま
しい。この「Series H」は、砒素トリプロマイド/ジ
サルファイド系フォーミュレーションであり、「Series
EH」は、セレン化合物を含むフォーミュレーション
であり、「Series FH」は、砒素トリブロマイド/ジ
サルファイド/セレン化合物系フォーミュレーションで
ある。
【0045】また、本態様においては、このような屈折
液を隔壁の間に収容し、あるいは容器中に収容した後
に、この屈折液を固形化ないしゲル化させることができ
る。これによって、本発明の装置の取扱いを一層容易と
することができる。
【0046】こうした装置の作用効果について、図面を
参照しつつ、更に説明する。
【0047】図13(a)は、本発明の実施例に係る装
置33Aを模式的に示す断面図であり、図13(b)
は、この装置の平面図である。例えば直方体形状の容器
31の中に、絶縁性および流動性を有する透明な媒体2
9が収容されており、媒体29の中に素子21A(21
B)が収容されている。各電極22A(23A)、22
B(23B)は、それぞれ、直流電源15に接続されて
いる。入射光25は、記録部19の(100)面に対し
て入射するが、このときに主面19aの法線28と入射
光25の光軸との角度γを、前記したように、好ましく
は30〜60°に設定する。
【0048】入射光25が再生光である場合には、再生
光25は、容器31の壁面31a、31b、31cおよ
び31dを順次に透過する。このときに、媒体29と記
録部19との屈折率の差を小さくし、特に好ましくはほ
ぼ同じとすることによって、入射光25の記録部19の
表面における屈折角度は極めて小さくなり、従って入射
角度γと、結晶の〈100〉方位に対する結晶内の光軸
の角度θとの差を著しく小さくすることができる。この
結果、光学単結晶における回折効率を著しく増大させる
ことに成功した。また、記録部の表面におけるフレネル
反射に起因する再生光の損失も防止することに成功し
た。
【0049】上記した作用効果を一層顕著とするために
は、媒体と記録部との屈折率の差を0.5以下とするこ
とが好ましく、0.1以下とすることが更に好ましい。
更には、両者の屈折率を実質的に同じにすることが特に
好ましい。
【0050】媒体を収容する容器の材質としては、光学
石英ガラス等の、透明で研磨が容易で脈理のない材質が
好ましい。また、媒体の屈折率と容器の屈折率との差
は、1.0以下とすることが好ましく、0.5以下とす
ることが一層好ましい。また、反射防止膜の材質として
は、SiO2 、TiO2 、ZrO2 等を例示することが
できる。これらは、後の実施例においても同様に適用で
きる。
【0051】図14(a)、(b)は、それぞれホログ
ラム記録再生装置33B、33Cを模式的に示す断面図
である。それぞれ、図13に示した部材と同じ部材には
同じ符号を付け、その説明は省略する。図14(a)の
装置33Bにおいては、容器31の観察者側の内側壁面
31cに対して反射防止膜35Aが形成されている。図
14(b)の装置33Cにおいては、更に、容器31の
観察者側の外側壁面31dに対して反射防止膜35Bが
形成されている。
【0052】このような装置においては、通常は、媒体
29と容器31との屈折率の差の方が相対的に大きく、
容器31と大気との屈折率の差が相対的には小さい。ま
た、観察者側の壁面における反射の方が、装置の外部の
風景からの反射光による影響が大きかった。従って、特
に観察者側の内側壁面31cに反射防止膜35Aを形成
することが最も効果が大きく、これに加えて観察者側の
外側壁面31dに反射防止膜35Bを形成することが、
特に有効である。しかし、更に再生光の光源側の内側壁
面31bおよび外側壁面31a上にも、それぞれ反射防
止膜を形成することが、より一層好ましい。
【0053】しかも、これらの実施形態によれば、反射
防止膜35A、35Bは、いずれも直接に素子に形成さ
れているものではなく、容器31の壁面上に形成されて
いるので、直流電源からの電圧は、媒体29によって絶
縁されており、これらの反射防止膜に対して印加される
ことはない。従って、反射防止膜に起因する印加電圧の
制御の困難や絶縁破壊は生じない。
【0054】図15は、本発明の更に他の実施形態に係
るホログラム記録再生装置33Dを模式的に示す断面図
である。この装置も、暗箱5の外縁部に取り付けられて
いる。容器60の中に媒体29が収容されており、媒体
29中に素子21A(21B)が収容されている。暗箱
5内の光学系から出射した再生光4は、容器60の光学
系側の外側壁面60a、内側壁面60bを透過し、記録
部19を透過し、更に観察者側の内側壁面60c、60
dを順次に透過する。
【0055】ここで、本例においては、容器60の観察
者側の周壁39は、再生光4の光軸の法線36に対し
て、所定角度α傾斜している。これと同時に、壁面60
cおよび60dに対向する位置に、例えば再生光4と平
行な方向に延びるように、遮光板37が設置されてい
る。これによって、観察者の方向へと進行するべき外部
からの反射光38が遮光板37によって遮られるため
に、外部からの反射像による再生像の攪乱を防止するこ
とができる。なお、図15の装置においても、壁面60
a、60b、60c、60dに、それぞれ反射防止膜を
形成することができる。
【0056】αは30〜60°とすることが特に好まし
い。αを30°以上とすることによって、反射を防止す
る作用効果を顕著とすることができる。また、αを増加
させると、これに応じて遮光板を長くする必要があり、
このために素子の寸法が大きくなってくるが、αを60
°以下とすることによって、比較的にコンパクトな小型
の素子を提供することができる。
【0057】次に、前記したいずれの実施形態の素子に
おいても、更に次の問題が残されていた。即ち、入射光
に対して記録部の(100)方位がγ傾斜していること
から、観察者側から見たときに、記録部の寸法よりも、
実際の実効寸法が小さくなる。しかし、本発明者は、記
録部の両側に一対の光路制御手段(好ましくは、プリズ
ムまたは回折格子)を設置して、入射光を第一の光路制
御手段に対して入射させ、第一の光路制御手段中で光の
進行方向を変化させ、これによって記録部への入射光の
入射角度を(100)方位からγ傾斜させた。これと同
時に、記録部から出射した光の進行方向を、第二の光路
制御手段によって変化させ、(100)方位へと向かっ
て出射させることを想到した。これによって、記録部の
実効面積を顕著に増大させることに成功した。
【0058】例えば、図16(a)の素子40において
は、記録部19の両側に、第一のプリズム41A、第二
のプリズム41Bが設置されている。入射光25は、第
一のプリズム41Aの表面42に対して入射する。第一
のプリズム41A内では、光は44aのように進行し、
これによって記録部19への入射光の入射角度は、(1
00)方位61からγ傾斜する。記録部19内では、光
は再び屈折して44bのように進行する。記録部19か
ら出射した光は、第二のプリズム41Bによって再び屈
折し、44cのように進行し、更に大気とプリズムとの
界面43で屈折し、30のように出射する。
【0059】図16(b)の素子においては、記録部1
9の両側に、第一の回折格子45A、第二の回折格子4
5Bが設置されている。入射光25は、第一の回折格子
に対して垂直に入射し、進行方向が変化し、記録部19
へと入射する。記録部19内においては、入射光46の
光軸は、(100)方位61からθ傾斜している。記録
部19から出射した光は、第二の回折格子45Bによっ
て再び屈折し、30のように出射する。
【0060】
〔実施例1〕
(ホログラム記録再生装置の製造)図5(a)に示すよ
うな素子を作製した。まず、直径80mm、長さ100
mmのBi1 2 SiO2 0 単結晶のブールを製造した。
ルツボとしては、直径150mm、高さ150mmの円
筒形状の白金製ルツボを使用した。ルツボ内に、Bi
1 2 SiO2 0 の焼結体14kgを収容し、これを90
0℃に加熱して融液を生成させた。白金製アフターヒー
ターを使用することによって、ブールの引き上げ方向の
上方における10mmまでの間の温度勾配を50〜75
℃/cmに調整し、これに引き続く150mmに至るま
での温度勾配を10℃/cmに調整した。引き上げ速度
を1〜1.5mm/時間とし、引き上げ軸の回転速度を
10rpmとした。得られた単結晶の特性を、以下の表
1に示す。
【0061】
【表1】 格子定数 10.103×10-10 m 密度 9.2g/cm3 誘電率 56(100kHz) 屈折率 2.53(λ=633nm) 暗抵抗 101 4 Ω・cm 光導電性 108 Ω・cm(λ=458nm、2.5mW/cm2 ) 半波電圧 3900V(λ=633nm) ベルデ定数 3.67×10- 3 /Oe・cm(λ=633nm) 9.33×10- 4 /Oe・cm(λ=1150nm)
【0062】このブールから、図4(a)および(b)
に示すようにして、記録部19を切り出した。記録部1
9の形態は、直径80mm、厚さ2mmの円板形状であ
った。記録部19の一対の主面を平面研磨機で研磨加工
し、その平面度を0.6μmとした。この記録部の外周
縁面は、研磨は施されておらず、育成された結晶のまま
の状態であり、3mm程度の凹凸が存在していた。次い
で、図5(a)に示すようにして、厚さ0.2mmの銀
粉含有エポキシ製の導電性樹脂からなる透明電極膜22
A、22Bを、塗布法によって形成した。βを、表2に
示すように変更した。光の入射については図6に示す設
計を採用した。
【0063】(回折効率の測定)一対の電極の間に40
kVの直流電圧を印加した。交差角度3°で交わる2本
の波長488nmのアルゴンイオンレーザー光を、物体
光として素子に照射した。物体光の入射角を60°とし
た。ビームの直径を100mmとした。素子の上には、
130本/mmの縞間隔の干渉縞が形成され、素子内に
記録された。
【0064】こうして素子内に記録された干渉縞に対し
て、ブラッグ回折条件を満足する入射角度で、波長63
3nm、直径1mmのヘリウム−ネオンレーザー光を光
照射面に対して照射し、一次回折光を得た。ここで、B
1 2 SiO2 0単結晶ホログラムは、厚い体積ホログ
ラムであるために、再生入射光の角度選択性が厳格であ
り、ブラッグ条件を満足する方向に再生光を入射させな
いと、回折しない。素子の各点における回折効率を測定
し、結果を表2に示した。
【0065】
【表2】
【0066】この結果から判るように、特にβを30〜
50°に制御することによって、比較的に高い回折効率
を保持しつつ、回折効率のバラツキを低くし、明るさが
均一な画像が得られる。これによって、ディスプレイ素
子等の用途において、本発明の素子が有用であることが
判る。特に、βを35°〜45°とすることによって、
回折効率のバラツキが著しく減少していた。
【0067】また、上記と同様にし、更にβを6°、1
2°、19°、24°、32°、37°、45°、53
°、58°、66°、71°、77°、84°に変更
し、これらの結果を図8に示した。
【0068】〔実施例2〕実施例1と同様にして、素子
の各部分における回折効率を測定し、その結果を評価し
た。ただし、入射光の方向等の設計については、図7に
示すものを使用した。この結果を図9に示した。この結
果から判るように、本設計においても、回折効率のバラ
ツキの小さい素子を提供することが可能である。しか
し、回折効率の平均値は、実施例1の素子の方が高いた
めに、特にディスプレイ用途においては、実施例1の素
子の方が低出力の光源で相対的に明るい画像を得ること
ができるために、一層好ましいことが判明した。
【0069】〔実施例3〕実施例1の素子において、β
を45°とした素子について、図11に示すような装置
を作製した。
【0070】ホログラム記録再生については、図17に
模式的に示す光学系を使用した。図11の装置58を所
定位置に設置した。波長488nmのアルゴンイオンレ
ーザー光を光源47から出射させ、このレーザー光をハ
ーフミラー48で2つに分割した。この分割されたレー
ザー光のうち一方は、レンズ49、拡散板50を通り、
拡散板50で散乱され、原画像が印刷された寸法60m
m×60mmの透明フィルム51を透過する。このフィ
ルム51からの出射光を物体光とし、これを装置58に
照射した。
【0071】一方、アルゴンイオンレーザー光のうちハ
ーフミラー48を透過した光は、ミラー52で反射さ
れ、集光レンズ53およびコリメートレンズ54を透過
し、参照光として光照射面へと照射される。この物体光
と参照光とは、互いに交差角度3°で交わるようにし
た。これによって原画像を素子内に記録することができ
た。照射した光エネルギーは4mJ/cm2 であった。
素子への印加電圧は40kVとした。干渉縞の間隔は1
30本/mmとした。
【0072】次いで、波長633mmであって、直径1
00mmの均一な光量分布を有するヘリウム−ネオンレ
ーザー光を、光源55から出射させ、集光レンズ56お
よびコリメートレンズ57を透過させ、記録部の光入射
面に入射させた。このレーザー光の入射角度は、素子内
に記録された干渉縞に対してブラッグ回折条件を満足す
る入射角度とした。
【0073】この再生画像を、明るさ100ルクスの室
内で観察したところ、再生像が原画像に相当する位置に
再生されており、これによって原画像における奥行き
が、再生されたホログラフィーにおいても再現されてい
ることが分かった。これらの画像を図18、図19に示
す。これらのホログラフィーの奥行きは、両眼視差を利
用して確認することができるものであった。このよう
に、本発明によって、両眼視差を利用した、原画像の奥
行きおよび立体感を忠実に再現し、確認することができ
る、リアルタイムホログラムによる3次元ディスプレー
を提供することに成功した。しかも、周囲の風景による
再生像の攪乱はほとんど見られないことを確認した。
【0074】なお、このようにして素子内に記録された
画像は、素子への印加電圧を0Vとした状態で、素子の
光照射面の全面にわたって均一な青色光を照射すること
によって、消去することができた。
【0075】また、上記において、実施例1の素子を使
用し、βを30°、35°、50°とした素子について
も、これと同様の結果が得られた。
【0076】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の新規な
形態のホログラム記録再生装置によれば、ホログラム記
録素子において、素子の表面における反射や屈折による
再生像の攪乱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、従来のホログラム記録再生
装置を使用して3次元ディスプレイを作製したときの問
題点を説明するための模式図である。
【図2】本発明者が検討したホログラム記録再生装置を
示す斜視図である。
【図3】単結晶ブール17から(011)ウエハー18
を切り出している状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は、単結晶ブール17から(100)ウ
エハー19を切り出している状態を示す斜視図であり、
(b)は、(100)ウエハー19を示す平面図であ
る。
【図5】(a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施例
で使用するホログラム記録再生素子21A、21Bを模
式的に示す平面図である。
【図6】(a)、(b)は、それぞれ、図5(a)、
(b)の各素子を使用した場合の光の入射方向を例示す
るための模式図である。
【図7】図5(a)、(b)の各素子を使用した場合の
光の入射方向を例示するための模式図である。
【図8】図5(a)の素子を使用した場合における、β
と、回折効率との関係の一例を示すグラフである。
【図9】図5(a)の素子を使用した場合における、β
と、回折効率との関係の一例を示すグラフである。
【図10】図5(a)の素子を使用した場合における、
光学単結晶の〈100〉方位に対する、結晶内の入射光
の光軸の角度θと、回折効率との関係の一例を示すグラ
フである。
【図11】本発明の実施例に係る装置を模式的に示す模
式図である。
【図12】図5(a)、(b)の素子に対して入射光を
直接に入射させた場合の光の進行を説明するための正面
図である。
【図13】(a)は、図5(a)、(b)の素子を使用
して作製した、本発明の実施例に係るホログラム記録再
生装置を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)
の装置の平面図である。
【図14】(a)、(b)は、それぞれ、図5(a)、
(b)の素子を使用して作製した、本発明の実施例に係
るホログラム記録再生装置を模式的に示す断面図であ
る。
【図15】図5(a)、(b)の素子を使用して作製し
た、本発明の実施例に係るホログラム記録再生装置を模
式的に示す断面図である。
【図16】(a)、(b)は、本発明の更に他の実施例
に係る装置を示す断面図である。
【図17】ホログラム記録再生の実験に使用した光学系
を示す模式図である。
【図18】ホログラム記録再生試験によって再生した再
生像を示す写真である。
【図19】ホログラム記録再生試験によって再生した再
生像を示す写真である。
【符号の説明】
1 観察者、 5 暗箱、 17 ブール、 18
(110)ウエハー、 19 (100)ウエハー(記
録部)、 19a (100)面、19b 外周縁面、
21A,21B ホログラム記録再生素子、 22
A,22B,23A,23B 電極、 25 入射光、
29 絶縁性および流動性を有する透明な媒体、 3
1 容器、 33A ホログラム記録再生装置、 37
遮光板、 38 反射光、 O 記録部19の中心、
γ 主面19aの法線28と入射光25の光軸との角
度、 θ 結晶内における入射光の光軸と〈100〉方
位との角度、 β 電極の開き角度の1/2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03H 1/22 G03H 1/26 G02F 1/03 G02F 1/05 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光誘起屈折効果を示す光学単結晶からなる
    記録部と、この記録部に対して電圧を印加するための電
    極とからなる素子、および前記記録部に対して入射光を
    入射させるための光学系を備えているホログラム記録再
    生装置であって、前記光学単結晶の結晶系が立方晶に属
    しており、前記記録部の入射面が(100)面であり、
    前記入射光の光軸と前記光学単結晶の〈100〉軸とが
    所定角度をなすように前記入射光が入射することを特徴
    とする、ホログラム記録再生装置。
  2. 【請求項2】前記光学系が暗箱内に収容されており、前
    記記録部に対向する位置に、外部からの光の前記記録部
    の入射面への入射を遮断するための遮光板が設置されて
    いることを特徴とする、請求項1記載のホログラム記録
    再生装置。
  3. 【請求項3】前記記録部が、〈100〉軸方位への光学
    単結晶の引き上げによって得られるブールの切断によっ
    て形成されており、かつ実質的に円板形状をなしている
    ことを特徴とする、請求項1または2記載のホログラム
    記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記電極として、前記記録部の外周縁面に
    一対の電極が形成されており、各電極が互いに相対向し
    た位置に、前記入射面の中心に対して点対称となるよう
    に形成されており、かつ前記電極の前記中心に対する開
    き角度が60°以上、120°以下であることを特徴と
    する、請求項3記載のホログラム記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記光学単結晶の〈100〉軸と、前記光
    学単結晶内での入射光の光軸との角度θが30°〜60
    °であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一
    つの請求項に記載のホログラム記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記素子の記録再生光が通過する素子面に
    接する絶縁性の透明な媒体であって、前記光学単結晶の
    屈折率と前記媒体の屈折率との差が0.50以下である
    媒体と、この媒体の前記素子側と反対側に位置し、この
    媒体と接する透光性の隔壁とを有することを特徴とす
    る、請求項1記載のホログラム記録再生装置。
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