JPH0967405A - 多孔性高分子ゲル材料の製造方法、及び多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物 - Google Patents
多孔性高分子ゲル材料の製造方法、及び多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物Info
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- JPH0967405A JPH0967405A JP22379095A JP22379095A JPH0967405A JP H0967405 A JPH0967405 A JP H0967405A JP 22379095 A JP22379095 A JP 22379095A JP 22379095 A JP22379095 A JP 22379095A JP H0967405 A JPH0967405 A JP H0967405A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光照射によって多孔性高分子ゲル材料を製造す
る製造方法とそれに用いる配合組成物を提供すること。 【解決手段】少なくともラジカル重合性の官能基を1つ
以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合
開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不溶で溶媒
に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開始剤がラ
ジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物質を混合
した配合組成物を用いる多孔性高分子ゲル材料の製造方
法であって、該配合組成物に光照射を行って前記単量体
をラジカル重合させ、重合体を得る行程と、前記粒子状
物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒
子状物質を溶解除去する行程を具備する多孔性高分子ゲ
ル材料の製造方法。
る製造方法とそれに用いる配合組成物を提供すること。 【解決手段】少なくともラジカル重合性の官能基を1つ
以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合
開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不溶で溶媒
に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開始剤がラ
ジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物質を混合
した配合組成物を用いる多孔性高分子ゲル材料の製造方
法であって、該配合組成物に光照射を行って前記単量体
をラジカル重合させ、重合体を得る行程と、前記粒子状
物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒
子状物質を溶解除去する行程を具備する多孔性高分子ゲ
ル材料の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケモメカニカル材
料として用いる多孔性高分子ゲル材料の製造方法および
多孔性高分子ゲル材料製造に用いる配合組成物に関す
る。特に、光照射により多孔性高分子ゲル材料を製造す
る方法とそれに用いる配合組成物に関する。
料として用いる多孔性高分子ゲル材料の製造方法および
多孔性高分子ゲル材料製造に用いる配合組成物に関す
る。特に、光照射により多孔性高分子ゲル材料を製造す
る方法とそれに用いる配合組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療機器や産業用ロボット,マイ
クロマシンなどの分野において、小さく,軽く,柔軟性
に富むアクチュエータとして、ケモメカニカル(メカノ
ケミカルとも言う)材料を使ったケモメカニカルアクチ
ュエータが注目されている。ここで、ケモメカニカル材
料とは、熱変化,イオン濃度変化,電気,溶媒組成変
化,光などの刺激によって、膨潤,収縮を起こし、機械
的変形を起こす材料をいい、具体的には高分子ゲル材料
がその特性を有する。高分子ゲルとは架橋によって三次
元化した高分子が、溶媒によって膨潤したものを言う。
これらケモメカニカル材料を利用したアクチュエータを
ケモメカニカルアクチュエータといい、例えば「樋口俊
郎、生田幸士編集:マイクロメカニカルシステム実用化
総覧、フジ・テクノシステム、p438〜447」に詳
しく説明されている。
クロマシンなどの分野において、小さく,軽く,柔軟性
に富むアクチュエータとして、ケモメカニカル(メカノ
ケミカルとも言う)材料を使ったケモメカニカルアクチ
ュエータが注目されている。ここで、ケモメカニカル材
料とは、熱変化,イオン濃度変化,電気,溶媒組成変
化,光などの刺激によって、膨潤,収縮を起こし、機械
的変形を起こす材料をいい、具体的には高分子ゲル材料
がその特性を有する。高分子ゲルとは架橋によって三次
元化した高分子が、溶媒によって膨潤したものを言う。
これらケモメカニカル材料を利用したアクチュエータを
ケモメカニカルアクチュエータといい、例えば「樋口俊
郎、生田幸士編集:マイクロメカニカルシステム実用化
総覧、フジ・テクノシステム、p438〜447」に詳
しく説明されている。
【0003】ケモメカニカル材料に用いる高分子ゲル材
料は、その機械的変形の応答速度が遅いことが問題視さ
れており、応答速度向上をはかることが従来からの大き
な課題である。応答速度を向上する方法としては、高分
子ゲル材料を多孔質化して表面積を大きくする手段が公
知である。ここで多孔質とは、1μm以上の大きさの独
立または連続空孔の集まりのことを指し、高分子ゲルが
溶液中で膨潤することによって生じた、ミクロな高分子
の三次元網目構造の広がりを指したものではない。高分
子ゲル材料を多孔質化する公知技術としては、例えば、
特開昭63−223045には、ポリビニルアルコール
と分子量が5万以上の酸性または塩基性の高分子電解質
の混合水溶液を多数の突起を形成した板上に塗布し、凍
結と解凍を繰り返すことによって多孔性の高分子ゲル材
料を製造する方法が示されている。また、「荻野一善、
長田義仁、伏見隆夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p6
7〜68」には、ポリビニルメチルエーテル水溶液と少
量のアルギン酸ナトリウム水溶液の混合溶液、γ線を照
射することによって多孔性の高分子ゲル材料を製造する
方法が示されている。
料は、その機械的変形の応答速度が遅いことが問題視さ
れており、応答速度向上をはかることが従来からの大き
な課題である。応答速度を向上する方法としては、高分
子ゲル材料を多孔質化して表面積を大きくする手段が公
知である。ここで多孔質とは、1μm以上の大きさの独
立または連続空孔の集まりのことを指し、高分子ゲルが
溶液中で膨潤することによって生じた、ミクロな高分子
の三次元網目構造の広がりを指したものではない。高分
子ゲル材料を多孔質化する公知技術としては、例えば、
特開昭63−223045には、ポリビニルアルコール
と分子量が5万以上の酸性または塩基性の高分子電解質
の混合水溶液を多数の突起を形成した板上に塗布し、凍
結と解凍を繰り返すことによって多孔性の高分子ゲル材
料を製造する方法が示されている。また、「荻野一善、
長田義仁、伏見隆夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p6
7〜68」には、ポリビニルメチルエーテル水溶液と少
量のアルギン酸ナトリウム水溶液の混合溶液、γ線を照
射することによって多孔性の高分子ゲル材料を製造する
方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
ゲル材料を多孔質化する方法の従来技術である特開昭6
3−223045は、凍結・解凍の繰り返しによってケ
モメカニカル材料を製造するため、複雑な加工や微小化
に適していない。また、「荻野一善、長田義仁、伏見隆
夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p67〜68」はγ線
によって高分子ゲル材料を製造するため、複雑な加工や
微小化は可能であるが、製造に高価な装置を必要とし、
材料が限定されるという問題点を有する。
ゲル材料を多孔質化する方法の従来技術である特開昭6
3−223045は、凍結・解凍の繰り返しによってケ
モメカニカル材料を製造するため、複雑な加工や微小化
に適していない。また、「荻野一善、長田義仁、伏見隆
夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p67〜68」はγ線
によって高分子ゲル材料を製造するため、複雑な加工や
微小化は可能であるが、製造に高価な装置を必要とし、
材料が限定されるという問題点を有する。
【0005】高分子ゲル材料を医療機器や産業用ロボッ
ト,マイクロマシンなどの分野で、小さく,軽く,柔軟
性に富むアクチュエータとして応用するためには、複雑
な加工や微小化が可能であり、材料の選択の幅が広く、
安価に製造できることが望ましい。
ト,マイクロマシンなどの分野で、小さく,軽く,柔軟
性に富むアクチュエータとして応用するためには、複雑
な加工や微小化が可能であり、材料の選択の幅が広く、
安価に製造できることが望ましい。
【0006】したがって本発明は、上記課題を解決すべ
くなされたもので、その目的は、光照射によって多孔性
高分子ゲル材料を製造する製造方法とそれに用いる配合
組成物を提供することにある。
くなされたもので、その目的は、光照射によって多孔性
高分子ゲル材料を製造する製造方法とそれに用いる配合
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の
(I)および(II)によって解決される。
(I)および(II)によって解決される。
【0008】(I) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記
組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前
記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有す
る粒子状物質を混合した配合組成物を用い、該配合組成
物に光照射を行って前記単量体をラジカル重合させ、重
合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且つ重合体が
膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する行
程;を具備することを特徴とする多孔性高分子ゲル材料
の製造方法。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記
組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前
記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有す
る粒子状物質を混合した配合組成物を用い、該配合組成
物に光照射を行って前記単量体をラジカル重合させ、重
合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且つ重合体が
膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する行
程;を具備することを特徴とする多孔性高分子ゲル材料
の製造方法。
【0009】(II) 少なくともラジカル重合性の官能
基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体
と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不
溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開
始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物
質を混合したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製
造用の配合組成物。
基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体
と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不
溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開
始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物
質を混合したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製
造用の配合組成物。
【0010】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0011】本発明の第一の側で面は、化学エネルギー
を力学エネルギーに変換するケモメカニカル材料に用い
られる多孔性高分子ゲル材料の製造方法において、少な
くともラジカル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性
の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水
溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを含有し
た組成物に、前記組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物
質であり、且つ前記光重合開始剤がラジカルを発生する
光に透過性を有する粒子状物質を混合した配合組成物を
用い、該配合組成物に光照射を行って前記単量体をラジ
カル重合させ、重合体を得る行程;前記粒子状物質が可
溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質
を溶解除去する行程;を具備することを特徴とする多孔
性高分子ゲル材料の製造方法。
を力学エネルギーに変換するケモメカニカル材料に用い
られる多孔性高分子ゲル材料の製造方法において、少な
くともラジカル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性
の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水
溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを含有し
た組成物に、前記組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物
質であり、且つ前記光重合開始剤がラジカルを発生する
光に透過性を有する粒子状物質を混合した配合組成物を
用い、該配合組成物に光照射を行って前記単量体をラジ
カル重合させ、重合体を得る行程;前記粒子状物質が可
溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質
を溶解除去する行程;を具備することを特徴とする多孔
性高分子ゲル材料の製造方法。
【0012】まず、本方法に用いることができる配合組
成物について説明する。
成物について説明する。
【0013】本発明において、ラジカル重合性の官能基
を1つ以上有する水溶性の単量体とは、不飽和炭化水素
を1個以上有する水溶性の単量体の中から選択され、イ
オン基を有する単量体とイオン基を有さない単量体があ
る。イオン基を有するラジカル重合性単量体は、分子内
にカチオンまたはアニオンを発生しうる基を含有し、少
なくとも1個以上のラジカル重合性官能基を含有する単
量体である。従って、「イオン基を有する」とは、分子
内に少なくとも1つのカチオンまたはアニオンを発生し
うる基を有することを意味する。
を1つ以上有する水溶性の単量体とは、不飽和炭化水素
を1個以上有する水溶性の単量体の中から選択され、イ
オン基を有する単量体とイオン基を有さない単量体があ
る。イオン基を有するラジカル重合性単量体は、分子内
にカチオンまたはアニオンを発生しうる基を含有し、少
なくとも1個以上のラジカル重合性官能基を含有する単
量体である。従って、「イオン基を有する」とは、分子
内に少なくとも1つのカチオンまたはアニオンを発生し
うる基を有することを意味する。
【0014】イオン基を有するラジカル重合性単量体と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、3
級アミン、水酸化4級アミン、スルホニウム基などのイ
オン基を有し、少なくとも1個以上のラジカル重合性官
能基を有する単量体の中から選択される。例えば、(メ
タ)アクリル酸、ビニル酢酸、スチレンスルホン酸、無
水マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド、2−アクリロイルオキシドエチルトリメチルアン
モニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライドなどがそれに値する。
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、3
級アミン、水酸化4級アミン、スルホニウム基などのイ
オン基を有し、少なくとも1個以上のラジカル重合性官
能基を有する単量体の中から選択される。例えば、(メ
タ)アクリル酸、ビニル酢酸、スチレンスルホン酸、無
水マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド、2−アクリロイルオキシドエチルトリメチルアン
モニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライドなどがそれに値する。
【0015】イオン基を持たない水溶性のラジカル重合
性単量体としては、例えば、アクリロイルモルフォリ
ン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコール(メタ)アクリレート、アクリルアミ
ド、グリセロール(メタ)アクリレート、ビニルピロリ
ドン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、モルフォリノエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどがそれに値する。
性単量体としては、例えば、アクリロイルモルフォリ
ン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコール(メタ)アクリレート、アクリルアミ
ド、グリセロール(メタ)アクリレート、ビニルピロリ
ドン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、モルフォリノエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどがそれに値する。
【0016】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体は、上記単量体のうち一種または複数を
用いて構成される。イオン基を有する単量体を用いる場
合は、酸またはアルカリによってイオン基を中和して用
いた方が重合しやすくなる。
水溶性の単量体は、上記単量体のうち一種または複数を
用いて構成される。イオン基を有する単量体を用いる場
合は、酸またはアルカリによってイオン基を中和して用
いた方が重合しやすくなる。
【0017】ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する
水溶性若しくは親水性の単量体とは、不飽和炭化水素を
2個以上有する単量体の中から選択される。例えば、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングルコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどがそ
れに値する。
水溶性若しくは親水性の単量体とは、不飽和炭化水素を
2個以上有する単量体の中から選択される。例えば、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングルコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどがそ
れに値する。
【0018】光重合開始剤は、光照射によってラジカル
を発生する作用を有する化合物である。本発明の場合、
光照射は、紫外光であっても可視光であってもよい。従
って、本発明の光重合開始剤は、これらの光でラジカル
を発生するものから選択される。
を発生する作用を有する化合物である。本発明の場合、
光照射は、紫外光であっても可視光であってもよい。従
って、本発明の光重合開始剤は、これらの光でラジカル
を発生するものから選択される。
【0019】紫外光によってラジカルを発生する化合物
としては、例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキ
シ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフォン
オキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパ
ン−1−オンなどを挙げることができる。
としては、例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキ
シ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフォン
オキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパ
ン−1−オンなどを挙げることができる。
【0020】また、360nm以上の波長の光によって
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、2,4−
ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサント
ン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−
(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−
3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメ
ソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)
−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)
チタニウムなどを例に挙げることができる。また、1,
3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼンや
3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステル
に、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチ
ルキノリン系色素を混合した物質を用いることもでき
る。特に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状の光重
合開始剤の方が望ましい。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、2,4−
ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサント
ン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−
(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−
3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメ
ソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)
−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)
チタニウムなどを例に挙げることができる。また、1,
3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼンや
3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステル
に、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチ
ルキノリン系色素を混合した物質を用いることもでき
る。特に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状の光重
合開始剤の方が望ましい。
【0021】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを
含有した組成物の配合比は、ラジカル重合性の官能基を
1つ以上有する水溶性の単量体に対してラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体は0.5〜5mol%、光重合開始剤は0.01〜5
mol%の範囲であることが望ましい。ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体が0.5mol%未満の場合では、多孔性ゲル材料の
材料強度が非常に弱くなる。一方、5mol%よりも多
量の場合は多孔性ゲル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤
する際多孔性ゲル材料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、
などの問題が生じる。また、光重合開始剤が0.001
mol%未満の場合は重合速度が遅く、5mol%より
多量の場合は重合度が低下する。
水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを
含有した組成物の配合比は、ラジカル重合性の官能基を
1つ以上有する水溶性の単量体に対してラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体は0.5〜5mol%、光重合開始剤は0.01〜5
mol%の範囲であることが望ましい。ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体が0.5mol%未満の場合では、多孔性ゲル材料の
材料強度が非常に弱くなる。一方、5mol%よりも多
量の場合は多孔性ゲル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤
する際多孔性ゲル材料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、
などの問題が生じる。また、光重合開始剤が0.001
mol%未満の場合は重合速度が遅く、5mol%より
多量の場合は重合度が低下する。
【0022】粒子状物質は、該組成物に不溶で溶媒に可
溶なものである。更に、該粒子状物質は、ラジカル重合
に使用する光の波長の透過性が高い粒子状物質、即ち、
照射された光を吸収または反射することによりその光量
を減少しない性質を有する粒状物質から選択される。一
般に、ラジカル重合には紫外線が用いられるため、紫外
線の透過性の高い物質が望ましい。例えば、二酸化ケイ
素やフッ化カルシウムなどがそれに値する。また、粒子
状物質として臭化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウムなどの無機塩を用いることもできるが、無機塩の結
晶は紫外光を吸収するため、360nm以上の光によっ
てラジカルを発生する光重合開始剤と組み合わせて用い
ることが望ましい。無機塩としては、光透過性に優れた
臭化カリウムが最も適している。
溶なものである。更に、該粒子状物質は、ラジカル重合
に使用する光の波長の透過性が高い粒子状物質、即ち、
照射された光を吸収または反射することによりその光量
を減少しない性質を有する粒状物質から選択される。一
般に、ラジカル重合には紫外線が用いられるため、紫外
線の透過性の高い物質が望ましい。例えば、二酸化ケイ
素やフッ化カルシウムなどがそれに値する。また、粒子
状物質として臭化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウムなどの無機塩を用いることもできるが、無機塩の結
晶は紫外光を吸収するため、360nm以上の光によっ
てラジカルを発生する光重合開始剤と組み合わせて用い
ることが望ましい。無機塩としては、光透過性に優れた
臭化カリウムが最も適している。
【0023】粒子状物質の粒径は10〜1000μmの
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲル材
料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくなる、配
合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じる。粒径
が1000μmよりも大きい場合は、孔が大きすぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状物質の含
有率は、10〜50vol%で有ることが望ましく、特
に20〜40vol%が望ましい。10vol%以下の
場合は孔と孔がつながらないため多孔質化の効率が悪く
なる。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲル材
料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくなる、配
合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じる。粒径
が1000μmよりも大きい場合は、孔が大きすぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状物質の含
有率は、10〜50vol%で有ることが望ましく、特
に20〜40vol%が望ましい。10vol%以下の
場合は孔と孔がつながらないため多孔質化の効率が悪く
なる。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
【0024】また、本発明で使用する粒子状物質は、必
要に応じて表面処理する。例えば、粒子状物質として石
英ビーズを使用する場合は、表面を、側鎖にビニル基を
有するシランカップリング剤で処理することが好まし
い。
要に応じて表面処理する。例えば、粒子状物質として石
英ビーズを使用する場合は、表面を、側鎖にビニル基を
有するシランカップリング剤で処理することが好まし
い。
【0025】ラジカル重合に用いる光は、光重合開始剤
がラジカルを発生する波長を含んだ光が照射できる光源
から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によってラ
ジカルを発生する物がほとんどであるため、紫外線を照
射できる光源が望ましい。例えば、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ、He−Cdレーザーなどがそれに値する。
がラジカルを発生する波長を含んだ光が照射できる光源
から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によってラ
ジカルを発生する物がほとんどであるため、紫外線を照
射できる光源が望ましい。例えば、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ、He−Cdレーザーなどがそれに値する。
【0026】該粒子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤す
る溶媒は、用いる粒子状物質の性質によって選択する。
該粒子状物質が二酸化ケイ素やフッ化カルシウムの場合
はフッ酸や強アルカリ水溶液を、無機塩の場合は水を用
いることが望ましい。
る溶媒は、用いる粒子状物質の性質によって選択する。
該粒子状物質が二酸化ケイ素やフッ化カルシウムの場合
はフッ酸や強アルカリ水溶液を、無機塩の場合は水を用
いることが望ましい。
【0027】上記の配合組成物を上記配合割合の範囲内
で配合し、ポリエチレン性の容器内で、光を照射する。
これにより、光重合開始剤がラジカルを発生し、ラジカ
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体が重合し、3次元架橋した高分子が得ら
れる。配合組成物に含まれた粒子状物質は不活性である
ため、重合された高分子に物理的に取り込まれた状態
(高分子重合体と化学結合をしていない状態)の重合体
が製造される。また、粒子状物質は重合に使用する光の
波長を透過するため、ラジカル重合開始剤の光照射によ
るラジカル発生を阻害する可能性は小さい。このように
して得られた重合体を該粒子状物質が可溶で且つ重合体
が膨潤する溶媒に浸漬すると、重合体は3次元架橋され
ているため膨潤するだけで溶解せず、粒子状化合物およ
び光重合開始剤が重合体から溶出される。粒子状物質が
溶解され全て溶出されると、重合体は粒子状物質が含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体
は高分子ゲルとなる材料から構成されているため、多孔
質の高分子ゲル材料を得ることができる。
で配合し、ポリエチレン性の容器内で、光を照射する。
これにより、光重合開始剤がラジカルを発生し、ラジカ
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体が重合し、3次元架橋した高分子が得ら
れる。配合組成物に含まれた粒子状物質は不活性である
ため、重合された高分子に物理的に取り込まれた状態
(高分子重合体と化学結合をしていない状態)の重合体
が製造される。また、粒子状物質は重合に使用する光の
波長を透過するため、ラジカル重合開始剤の光照射によ
るラジカル発生を阻害する可能性は小さい。このように
して得られた重合体を該粒子状物質が可溶で且つ重合体
が膨潤する溶媒に浸漬すると、重合体は3次元架橋され
ているため膨潤するだけで溶解せず、粒子状化合物およ
び光重合開始剤が重合体から溶出される。粒子状物質が
溶解され全て溶出されると、重合体は粒子状物質が含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体
は高分子ゲルとなる材料から構成されているため、多孔
質の高分子ゲル材料を得ることができる。
【0028】以上のように、上記配合組成物を光照射す
ることによって多孔性の高分子ゲル材料を製造すること
が可能となる。
ることによって多孔性の高分子ゲル材料を製造すること
が可能となる。
【0029】高分子ゲル材料が多孔質化されることによ
って、高分子ゲル材料の表面積が大きくなる。高分子ゲ
ル材料は溶液の吸収・放出によって膨潤・収縮し、機械
的変形を生じるため、表面積が大きくなると溶液の交換
が容易となり応答速度が向上する。
って、高分子ゲル材料の表面積が大きくなる。高分子ゲ
ル材料は溶液の吸収・放出によって膨潤・収縮し、機械
的変形を生じるため、表面積が大きくなると溶液の交換
が容易となり応答速度が向上する。
【0030】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンによって重合物の製造がで
きるので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水
溶性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の
幅も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンによって重合物の製造がで
きるので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水
溶性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の
幅も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0031】次に本発明の第二の側面について説明す
る。
る。
【0032】本発明の第二の側面では少なくともラジカ
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、
前記組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且
つ前記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を
有する粒子状物質を混合したことを特徴とする多孔性高
分子ゲル材料製造用の配合組成物を提供する。
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、
前記組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且
つ前記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を
有する粒子状物質を混合したことを特徴とする多孔性高
分子ゲル材料製造用の配合組成物を提供する。
【0033】本側面の少なくともラジカル重合性の官能
基を1つ以上有する水溶性の単量体、ラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、光開始剤、および粒子状物質は、それぞれ、上記第
一の側面で記載したものと同様であり、上記で例示した
化合物を本側面でもそのまま例として挙げることができ
る。
基を1つ以上有する水溶性の単量体、ラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、光開始剤、および粒子状物質は、それぞれ、上記第
一の側面で記載したものと同様であり、上記で例示した
化合物を本側面でもそのまま例として挙げることができ
る。
【0034】更に、これらの化合物の配合量は、ラジカ
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物の配
合比は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する水溶
性の単量体に対してラジカル重合性の官能基を2つ以上
有する水溶性若しくは親水性の単量体は0.5〜5mo
l%、光重合開始剤は0.01〜5mol%の範囲であ
ることが望ましい。ラジカル重合性の官能基を2つ以上
有する水溶性若しくは親水性の単量体が0.5mol%
未満の場合では、多孔性ゲル材料の材料強度が非常に弱
くなる。一方、5mol%よりも多量の場合は多孔性ゲ
ル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤する際多孔性ゲル材
料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、などの問題が生じ
る。また、光重合開始剤が0.001mol%未満の場
合は重合速度が遅く、5mol%より多量の場合は重合
度が低下する。
ル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラ
ジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは
親水性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物の配
合比は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する水溶
性の単量体に対してラジカル重合性の官能基を2つ以上
有する水溶性若しくは親水性の単量体は0.5〜5mo
l%、光重合開始剤は0.01〜5mol%の範囲であ
ることが望ましい。ラジカル重合性の官能基を2つ以上
有する水溶性若しくは親水性の単量体が0.5mol%
未満の場合では、多孔性ゲル材料の材料強度が非常に弱
くなる。一方、5mol%よりも多量の場合は多孔性ゲ
ル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤する際多孔性ゲル材
料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、などの問題が生じ
る。また、光重合開始剤が0.001mol%未満の場
合は重合速度が遅く、5mol%より多量の場合は重合
度が低下する。
【0035】粒子状物質の粒径は10〜1000μmの
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲル材
料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくなる、配
合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じる。粒径
が1000μmよりも大きい場合は、孔が大きすぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状物質の含
有率は、10〜50vol%で有ることが望ましく、特
に20〜40vol%が望ましい。10vol%以下の
場合は孔と孔がつながらないため多孔質化の効率が悪く
なる。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲル材
料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくなる、配
合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じる。粒径
が1000μmよりも大きい場合は、孔が大きすぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状物質の含
有率は、10〜50vol%で有ることが望ましく、特
に20〜40vol%が望ましい。10vol%以下の
場合は孔と孔がつながらないため多孔質化の効率が悪く
なる。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
【0036】本側面の配合組成物は、上記第一の側面と
同様にして光照射および後処理をすることにより、多孔
質の高分子ゲル材料を得ることができる。
同様にして光照射および後処理をすることにより、多孔
質の高分子ゲル材料を得ることができる。
【0037】
実施例1 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
【0038】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を使用し、これらを含有した組成物に不溶で溶媒に可溶
な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有
する粒子状物質として石英ガラスビーズ(二酸化ケイ
素)を用い、以下の方法で高分子ゲル材料の光重合を検
討した。石英ガラスビーズは、側鎖にビニル基を有する
シランカップリング剤で表面処理した粒径が60〜90
μmのものを用いた。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を使用し、これらを含有した組成物に不溶で溶媒に可溶
な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有
する粒子状物質として石英ガラスビーズ(二酸化ケイ
素)を用い、以下の方法で高分子ゲル材料の光重合を検
討した。石英ガラスビーズは、側鎖にビニル基を有する
シランカップリング剤で表面処理した粒径が60〜90
μmのものを用いた。
【0039】石英ガラスビーズの表面処理は以下の方法
で行った。ビニルトリクロロシランの10Mのトルエン
溶液を調製し、該溶液に石英ガラスビーズを入れ撹拌し
ながら12時間放置した。該ビーズを溶液から取り出
し、トルエンでの洗浄を繰り返して、表面処理を終了し
た。ビニルトリクロロシランは、ビニルトリクロロシラ
ンのクロル基が石英ガラスビーズ表面のOH基と加水分
解反応して共有結合で強固に結合し、石英ガラスビーズ
表面に自発的に単分子膜を製造する。したがって、ビニ
ルトリクロロシランのビニル基が表面にならんだ被覆処
理を施すことができる。
で行った。ビニルトリクロロシランの10Mのトルエン
溶液を調製し、該溶液に石英ガラスビーズを入れ撹拌し
ながら12時間放置した。該ビーズを溶液から取り出
し、トルエンでの洗浄を繰り返して、表面処理を終了し
た。ビニルトリクロロシランは、ビニルトリクロロシラ
ンのクロル基が石英ガラスビーズ表面のOH基と加水分
解反応して共有結合で強固に結合し、石英ガラスビーズ
表面に自発的に単分子膜を製造する。したがって、ビニ
ルトリクロロシランのビニル基が表面にならんだ被覆処
理を施すことができる。
【0040】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図1に示す。
ローチャートを図1に示す。
【0041】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
シランカップリング剤で表面処理した石英ガラスビーズ
6gを混合した配合組成物1を調製した。該配合組成物
1をポリエチレン性の0.3mlの容器に入れた。容器
の上部から超高圧水銀灯を用い50mW/cm2 の照度
で光を照射した。60秒の照射により、配合組成物は重
合し硬化物となった。該硬化物を水道水によって3時間
流水洗浄した後、イオン交換水に一昼夜浸漬し、さらに
10%フッ酸水溶液一昼夜浸漬して、重合体を膨潤させ
石英ガラスビーズを溶出除去した。次に再びイオン交換
水に浸漬してフッ酸水溶液とイオン交換水とを置換し
た。膨潤後の体積は約10倍にとなり、石英ガラスビー
ズが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高分子ゲ
ル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン
濃度やpHによって伸縮した。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
シランカップリング剤で表面処理した石英ガラスビーズ
6gを混合した配合組成物1を調製した。該配合組成物
1をポリエチレン性の0.3mlの容器に入れた。容器
の上部から超高圧水銀灯を用い50mW/cm2 の照度
で光を照射した。60秒の照射により、配合組成物は重
合し硬化物となった。該硬化物を水道水によって3時間
流水洗浄した後、イオン交換水に一昼夜浸漬し、さらに
10%フッ酸水溶液一昼夜浸漬して、重合体を膨潤させ
石英ガラスビーズを溶出除去した。次に再びイオン交換
水に浸漬してフッ酸水溶液とイオン交換水とを置換し
た。膨潤後の体積は約10倍にとなり、石英ガラスビー
ズが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高分子ゲ
ル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン
濃度やpHによって伸縮した。
【0042】次ぎにpHによる高分子ゲル材料の伸縮特
性について試験した。
性について試験した。
【0043】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次ぎに溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲ
ル材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。
また、比較のため、同じ条件で石英ガラスビーズを混合
せずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料につ
いても同様の測定を行った。比較の結果を表1に示す。
多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質化していないもの
に比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することが
わかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次ぎに溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲ
ル材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。
また、比較のため、同じ条件で石英ガラスビーズを混合
せずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料につ
いても同様の測定を行った。比較の結果を表1に示す。
多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質化していないもの
に比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することが
わかった。
【0044】
【表1】
【0045】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドおよび石英ガ
ラスビーズに表面処理されたシランカップリング剤のビ
ニル基が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成
物に含まれた石英ガラスビーズは表面処理したシランカ
ップリング剤によって重合体と化学結合した状態で存在
する。また、石英ガラスビーズは重合に使用する光の波
長の透過率が高いため、ラジカル重合の阻害性は小さ
い。該重合体をフッ酸水溶液に浸漬すると、重合体は3
次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、石英
ガラスビーズが重合体から溶出する。石英ガラスビーズ
が全て溶出されると、重合体は石英ガラスビーズが含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体
は高分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高
分子ゲル材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドおよび石英ガ
ラスビーズに表面処理されたシランカップリング剤のビ
ニル基が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成
物に含まれた石英ガラスビーズは表面処理したシランカ
ップリング剤によって重合体と化学結合した状態で存在
する。また、石英ガラスビーズは重合に使用する光の波
長の透過率が高いため、ラジカル重合の阻害性は小さ
い。該重合体をフッ酸水溶液に浸漬すると、重合体は3
次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、石英
ガラスビーズが重合体から溶出する。石英ガラスビーズ
が全て溶出されると、重合体は石英ガラスビーズが含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体
は高分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高
分子ゲル材料を得ることができる。
【0046】このように、本発明の方法および配合組成
物により、光照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得
ることが可能となる。また、石英ガラスビーズは配合組
成物の主成分である単量体に比べ比重が重く沈殿しやす
いが、側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で
表面処理することによって単量体との相溶性が上がり、
且つ側鎖にあるビニル基が単量体と重合するため、二酸
化ケイ素が重合体に化学結合した重量物が形成できる。
物により、光照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得
ることが可能となる。また、石英ガラスビーズは配合組
成物の主成分である単量体に比べ比重が重く沈殿しやす
いが、側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で
表面処理することによって単量体との相溶性が上がり、
且つ側鎖にあるビニル基が単量体と重合するため、二酸
化ケイ素が重合体に化学結合した重量物が形成できる。
【0047】本発明の方法および配合組成物により応答
速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、粒子上物質の沈殿が軽減され、均一に孔の開
いた高分子ゲル材料となる。
速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、粒子上物質の沈殿が軽減され、均一に孔の開
いた高分子ゲル材料となる。
【0048】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0049】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0050】この実施例には次のような特徴がある。
【0051】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として、
N,N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始
剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オンを使用し、これを含有した組成物に不
溶で溶媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する
光の透過性を有する粒子状物質として側鎖にビニル基を
有するシランカップリング剤で表面処理した石英ガラス
ビーズを混合した配合組成物を調製し、光照射を行って
該単量体をラジカル重合せしめた後、水およびフッ酸水
溶液に浸漬して該粒子状物質を溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質によって高分子ゲル材料の応答速度を
が高速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として、
N,N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始
剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オンを使用し、これを含有した組成物に不
溶で溶媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する
光の透過性を有する粒子状物質として側鎖にビニル基を
有するシランカップリング剤で表面処理した石英ガラス
ビーズを混合した配合組成物を調製し、光照射を行って
該単量体をラジカル重合せしめた後、水およびフッ酸水
溶液に浸漬して該粒子状物質を溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質によって高分子ゲル材料の応答速度を
が高速化することができる。
【0052】実施例2 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
【0053】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を含有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な該
光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有する
繊維状物質として繊維の太さが約20μmの石英ガラス
ウール((二酸化ケイ素)を用い、以下の方法で高分子
ゲル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を含有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な該
光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有する
繊維状物質として繊維の太さが約20μmの石英ガラス
ウール((二酸化ケイ素)を用い、以下の方法で高分子
ゲル材料の光重合を検討した。
【0054】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図2に示す。
ローチャートを図2に示す。
【0055】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
石英ガラスウール6gを混合した配合組成物2を調製し
た。該配合組成物2を良く撹拌しポリエチレン性の0.
3mlの容器に入れた。容器の上部から超高圧水銀灯を
用い50mW/cm2の照度で光を照射した。60秒の
照射により、配合組成物は重合し硬化物となった。該硬
化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、イオン交
換水に一昼夜浸漬し、さらに10%フッ酸水溶液一昼夜
浸漬して、重合体を膨潤させ石英ガラスウールを溶出除
去した。次に再びイオン交換水に浸漬してフッ酸水溶液
とイオン交換水とを置換した。膨潤後の体積は約10倍
にとなり、石英ガラスウールが含まれていた部分が空隙
となって多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲ
ル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
石英ガラスウール6gを混合した配合組成物2を調製し
た。該配合組成物2を良く撹拌しポリエチレン性の0.
3mlの容器に入れた。容器の上部から超高圧水銀灯を
用い50mW/cm2の照度で光を照射した。60秒の
照射により、配合組成物は重合し硬化物となった。該硬
化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、イオン交
換水に一昼夜浸漬し、さらに10%フッ酸水溶液一昼夜
浸漬して、重合体を膨潤させ石英ガラスウールを溶出除
去した。次に再びイオン交換水に浸漬してフッ酸水溶液
とイオン交換水とを置換した。膨潤後の体積は約10倍
にとなり、石英ガラスウールが含まれていた部分が空隙
となって多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲ
ル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
【0056】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0057】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件で石英ガラスウールを混合せ
ずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料につい
ても同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化した高
分子ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約3倍
の速さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件で石英ガラスウールを混合せ
ずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料につい
ても同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化した高
分子ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約3倍
の速さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
【0058】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。配合組成物に含まれた石英ガ
ラスウールは不活性であるため、重合された高分子に物
理的に含まれた状態の重合体が製造される。また、石英
ガラスウールは重合に使用する光の波長の透過率が高い
ため、ラジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に
浸漬すると、重合体は3次元架橋されているため膨潤す
るだけで溶解せず、石英ガラスウールが重合体から溶出
する。石英ガラスウールが全て溶出されると、重合体は
石英ガラスウールが含まれていた部分が空隙となり、多
孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料から構成され
ているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。配合組成物に含まれた石英ガ
ラスウールは不活性であるため、重合された高分子に物
理的に含まれた状態の重合体が製造される。また、石英
ガラスウールは重合に使用する光の波長の透過率が高い
ため、ラジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に
浸漬すると、重合体は3次元架橋されているため膨潤す
るだけで溶解せず、石英ガラスウールが重合体から溶出
する。石英ガラスウールが全て溶出されると、重合体は
石英ガラスウールが含まれていた部分が空隙となり、多
孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料から構成され
ているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
【0059】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。また、繊維状物質が含まれていた部分が空隙と
なり多孔質化するため、連続空気孔の開いた高分子ゲル
材料を光照射によって製造できる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。また、繊維状物質が含まれていた部分が空隙と
なり多孔質化するため、連続空気孔の開いた高分子ゲル
材料を光照射によって製造できる。
【0060】本発明の方法および配合組成物により、応
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、高分子ゲル材料に連続空孔が開いているた
め、応答速度がさらに高速化できる。
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、高分子ゲル材料に連続空孔が開いているた
め、応答速度がさらに高速化できる。
【0061】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0062】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0063】この実施例には次のような特徴がある。
【0064】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを含有する組成物と、該組成物に不溶で溶
媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透
過性を有する繊維状物質として石英ガラスウールを混合
した配合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラ
ジカル重合せしめた後、水およびフッ酸水溶液に浸漬し
て該繊維状物質を溶解除去したことにより、連続空孔の
開いた多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質によって高分子ゲル材料の応答速度を
高速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを含有する組成物と、該組成物に不溶で溶
媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透
過性を有する繊維状物質として石英ガラスウールを混合
した配合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラ
ジカル重合せしめた後、水およびフッ酸水溶液に浸漬し
て該繊維状物質を溶解除去したことにより、連続空孔の
開いた多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質によって高分子ゲル材料の応答速度を
高速化することができる。
【0065】実施例3 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、および光重合開始
剤を含有する組成物に、更に該組成物に不溶で溶媒に可
溶な該光重合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を
有する粒子状物質を配合した配合組成物を用いる多孔性
高分子ゲル材料の製造方法の例である。
【0066】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてアクリロイルモルフォリン(興
人)を、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶
性若しくは親水性の単量体としてエチレングリコールジ
アクリレート(日本油脂)を、光重合開始剤として2−
(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−
3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメ
ソクロライド(日本化薬)を含有する組成物と、該組成
物に不溶で溶媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発
生する光の透過性を有する粒子状物質として臭化カリウ
ム(和光純薬工業)を用い、以下の方法で高分子ゲル材
料の光重合を検討した。
水溶性の単量体としてアクリロイルモルフォリン(興
人)を、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶
性若しくは親水性の単量体としてエチレングリコールジ
アクリレート(日本油脂)を、光重合開始剤として2−
(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−
3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメ
ソクロライド(日本化薬)を含有する組成物と、該組成
物に不溶で溶媒に可溶な該光重合開始剤がラジカルを発
生する光の透過性を有する粒子状物質として臭化カリウ
ム(和光純薬工業)を用い、以下の方法で高分子ゲル材
料の光重合を検討した。
【0067】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図3に示す。
ローチャートを図3に示す。
【0068】アクリロイルモルフォリン0.1mol、
エチレングリコールジアクリレート0.001mol、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オンメソクロライド0.003mol、N,N−ジメチ
ルアミノエタノールアミン0.003mol(重合促進
剤)、臭化カリウム6gを混合した配合組成物3を調製
した。臭化カリウムは、メッシュを用いて粒径が50〜
200μmのものを振るい分けして混合した。該配合組
成物3をポリエチレン性の0.3mlの容器に入れた。
容器の上部からキセノンランプを用い50mW/cm2
の照度で光を照射した。60秒の照射により、配合組成
物は重合し硬化物となった。該硬化物を水道水によって
3時間流水洗浄した後、イオン交換水に浸漬して1時間
超音波洗浄し、さらに多量のイオン交換水に浸漬して一
昼夜放置する作業を繰り返して重合体を膨潤させ、臭化
カリウムを溶出除去した。膨潤後の体積は約12倍にと
なり、臭化カリウムが含まれていた部分が空隙となって
多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料
は、水溶液のイオン濃度によって伸縮した。
エチレングリコールジアクリレート0.001mol、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オンメソクロライド0.003mol、N,N−ジメチ
ルアミノエタノールアミン0.003mol(重合促進
剤)、臭化カリウム6gを混合した配合組成物3を調製
した。臭化カリウムは、メッシュを用いて粒径が50〜
200μmのものを振るい分けして混合した。該配合組
成物3をポリエチレン性の0.3mlの容器に入れた。
容器の上部からキセノンランプを用い50mW/cm2
の照度で光を照射した。60秒の照射により、配合組成
物は重合し硬化物となった。該硬化物を水道水によって
3時間流水洗浄した後、イオン交換水に浸漬して1時間
超音波洗浄し、さらに多量のイオン交換水に浸漬して一
昼夜放置する作業を繰り返して重合体を膨潤させ、臭化
カリウムを溶出除去した。膨潤後の体積は約12倍にと
なり、臭化カリウムが含まれていた部分が空隙となって
多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料
は、水溶液のイオン濃度によって伸縮した。
【0069】次にイオン濃度による高分子ゲル材料の伸
縮特性について検討した。
縮特性について検討した。
【0070】該高分子ゲル材料をイオン交換水中で平衡
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件で臭化カリウムを混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約2.5倍の速さで収
縮し平衡状態に達することがわかった。
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件で臭化カリウムを混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約2.5倍の速さで収
縮し平衡状態に達することがわかった。
【0071】以上のように本実施例の配合組成物に超高
圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラジ
カルを発生しアクリロイルモルフォリンとエチレングリ
コールジアクリレートが3次元架橋した高分子が重合さ
れる。配合組成物に含まれた臭化カリウムは不活性であ
るため、重合された高分子に物理的に含まれた状態の重
合体が製造される。また、臭化カリウムは紫外光を吸収
するが可視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドは36
0nm以上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラ
ジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、臭化カリウムが重合体から溶出する。臭化カ
リウムが全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含
まれていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合
体は高分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の
高分子ゲル材料を得ることができる。
圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラジ
カルを発生しアクリロイルモルフォリンとエチレングリ
コールジアクリレートが3次元架橋した高分子が重合さ
れる。配合組成物に含まれた臭化カリウムは不活性であ
るため、重合された高分子に物理的に含まれた状態の重
合体が製造される。また、臭化カリウムは紫外光を吸収
するが可視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドは36
0nm以上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラ
ジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、臭化カリウムが重合体から溶出する。臭化カ
リウムが全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含
まれていた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合
体は高分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の
高分子ゲル材料を得ることができる。
【0072】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0073】本発明の方法および配合組成物により、応
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。
【0074】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0075】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0076】この実施例には次のような特徴がある。
【0077】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてアクリロイルモルフォリン
を、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若
しくは親水性の単量体としてエチレングリコールジアク
リレートを、光重合開始剤として2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドを含
有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な該光重
合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有する粒子
状物質として臭化カリウムを混合した配合組成物を調製
し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめた
後、水に浸漬して臭化カリウムを溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造でき
るという作用があり、高分子ゲル材料の応答速度が高速
化するという効果がある。
有する水溶性の単量体としてアクリロイルモルフォリン
を、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若
しくは親水性の単量体としてエチレングリコールジアク
リレートを、光重合開始剤として2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドを含
有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な該光重
合開始剤がラジカルを発生する光の透過性を有する粒子
状物質として臭化カリウムを混合した配合組成物を調製
し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめた
後、水に浸漬して臭化カリウムを溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造でき
るという作用があり、高分子ゲル材料の応答速度が高速
化するという効果がある。
【0078】実施例4 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物に、更に該組成物に可溶な粒子状物
質を用いる高分子ゲル材料の光重合の例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物に、更に該組成物に可溶な粒子状物
質を用いる高分子ゲル材料の光重合の例である。
【0079】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を含有す
る組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質として臭化カ
リウム(和光純薬工業)を用い、以下の方法で高分子ゲ
ル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を含有す
る組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質として臭化カ
リウム(和光純薬工業)を用い、以下の方法で高分子ゲ
ル材料の光重合を検討した。
【0080】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図4に示す。
ローチャートを図4に示す。
【0081】2−アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチ
レンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタ
ノールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン
交換水4g、臭化カリウム12gを混合した配合組成物
4を調製した。臭化カリウムは、ふるいにかけ、粒径が
50〜200μmのものを混合した。臭化カリウムは該
配合組成物に溶解するが、飽和量以上混合しているため
不溶物が残留した。該配合組成物4を良く撹拌した後、
ポリエチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部
からキセノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光
を照射した。60秒の照射により、配合組成物は重合し
硬化物となった。該硬化物を水道水によって3時間流水
洗浄した後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄
し、さらに多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させ臭化カリウムを
溶出除去した。膨潤後の体積は約10倍にとなり、臭化
カリウムが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高
分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液の
イオン濃度やpHによって伸縮した。
アンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチ
レンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタ
ノールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン
交換水4g、臭化カリウム12gを混合した配合組成物
4を調製した。臭化カリウムは、ふるいにかけ、粒径が
50〜200μmのものを混合した。臭化カリウムは該
配合組成物に溶解するが、飽和量以上混合しているため
不溶物が残留した。該配合組成物4を良く撹拌した後、
ポリエチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部
からキセノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光
を照射した。60秒の照射により、配合組成物は重合し
硬化物となった。該硬化物を水道水によって3時間流水
洗浄した後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄
し、さらに多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させ臭化カリウムを
溶出除去した。膨潤後の体積は約10倍にとなり、臭化
カリウムが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高
分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液の
イオン濃度やpHによって伸縮した。
【0082】次にイオン濃度による高分子ゲル材料の伸
縮特性について検討した。
縮特性について検討した。
【0083】該高分子ゲル材料をイオン交換水中で平衡
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件で臭化カリウムを混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで収縮し
平衡状態に達することがわかった。
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件で臭化カリウムを混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで収縮し
平衡状態に達することがわかった。
【0084】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−アクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスア
クリルアミドが3次元架橋した高分子が重合される。配
合組成物に含まれた臭化カリウムは不活性であるため、
重合された高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製
造される。また、臭化カリウムは紫外光を吸収するが可
視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミノ−2−
ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チ
オキサントン−9−オンメソクロライドは360nm以
上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジカル重
合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬すると、重合
体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、臭化カリウムが重合体から溶出する。臭化カリウム
が全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−アクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスア
クリルアミドが3次元架橋した高分子が重合される。配
合組成物に含まれた臭化カリウムは不活性であるため、
重合された高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製
造される。また、臭化カリウムは紫外光を吸収するが可
視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミノ−2−
ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チ
オキサントン−9−オンメソクロライドは360nm以
上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジカル重
合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬すると、重合
体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、臭化カリウムが重合体から溶出する。臭化カリウム
が全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
【0085】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0086】本発明の方法および配合組成物により、応
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、実施例1〜3の方法に比べ、配合組成物に水
を含有しているため、常温で固体の単量体を用いること
ができ、材料の選択の幅が広がる。また、水の混合率に
よって高分子ゲル材料の3次元架橋構造を変えることが
可能となる。
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、実施例1〜3の方法に比べ、配合組成物に水
を含有しているため、常温で固体の単量体を用いること
ができ、材料の選択の幅が広がる。また、水の混合率に
よって高分子ゲル材料の3次元架橋構造を変えることが
可能となる。
【0087】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0088】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0089】この実施例には次のような特徴がある。
【0090】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2
−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−
チオキサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な
粒子状物質として臭化カリウムを飽和量以上混合した配
合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル
重合せしめた後、水に浸漬して臭化カリウムを溶解除去
したことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によ
って製造でき、しかも高分子ゲル材料の応答速度を高速
化することができる。
有する水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2
−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−
チオキサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な
粒子状物質として臭化カリウムを飽和量以上混合した配
合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル
重合せしめた後、水に浸漬して臭化カリウムを溶解除去
したことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によ
って製造でき、しかも高分子ゲル材料の応答速度を高速
化することができる。
【0091】実施例5 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と該組成物に可溶な粒子状物質を用
いる高分子ゲル材料の光重合の例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と該組成物に可溶な粒子状物質を用
いる高分子ゲル材料の光重合の例である。
【0092】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体として3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を含有す
る組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質として粒径約
100μmのポリ塩化ビニル(呉羽化学)を用い、以下
の方法で高分子ゲル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体として3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を含有す
る組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質として粒径約
100μmのポリ塩化ビニル(呉羽化学)を用い、以下
の方法で高分子ゲル材料の光重合を検討した。
【0093】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図5に示す。
ローチャートを図5に示す。
【0094】3−アクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチレ
ンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタノ
ールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン交
換水15g、ポリ塩化ビニル18gを混合した配合組成
物5を調製した。ポリ塩化ビニルは該配合組成物に溶解
するが、飽和量以上混合しているため不溶物が残留し
た。該配合組成物5を良く撹拌した後、ポリエチレン性
の0.3mlの容器に入れ、容器の上部からキセノンラ
ンプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射した。6
0秒の照射により、配合組成物は重合し硬化物となっ
た。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、
テトラヒドロフランに浸漬して1時間超音波洗浄し、さ
らに多量のテトラヒドロフランに浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させポリ塩化ビニル
を溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬してテト
ラヒドロフランとイオン交換水とを置換した。膨潤後の
体積は約12倍にとなり、ポリ塩化ビニルが含まれてい
た部分が空隙となって多孔性の高分子ゲル材料となっ
た。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度によって
伸縮した。
ンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチレ
ンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタノ
ールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン交
換水15g、ポリ塩化ビニル18gを混合した配合組成
物5を調製した。ポリ塩化ビニルは該配合組成物に溶解
するが、飽和量以上混合しているため不溶物が残留し
た。該配合組成物5を良く撹拌した後、ポリエチレン性
の0.3mlの容器に入れ、容器の上部からキセノンラ
ンプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射した。6
0秒の照射により、配合組成物は重合し硬化物となっ
た。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、
テトラヒドロフランに浸漬して1時間超音波洗浄し、さ
らに多量のテトラヒドロフランに浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させポリ塩化ビニル
を溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬してテト
ラヒドロフランとイオン交換水とを置換した。膨潤後の
体積は約12倍にとなり、ポリ塩化ビニルが含まれてい
た部分が空隙となって多孔性の高分子ゲル材料となっ
た。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度によって
伸縮した。
【0095】次に、イオン濃度による高分子ゲル材料の
伸縮特性について検討した。
伸縮特性について検討した。
【0096】該高分子ゲル材料をイオン交換水中で平衡
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件でポリ塩化ビニルを混合せずに製造した
多孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測
定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料
は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで収縮
し平衡状態に達することがわかった。
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件でポリ塩化ビニルを混合せずに製造した
多孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測
定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料
は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで収縮
し平衡状態に達することがわかった。
【0097】以上のように、本発明の配合組成物に超高
圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラジ
カルを発生し3−アクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスアクリ
ルアミドが3次元架橋した高分子が重合される。配合組
成物に含まれたポリ塩化ビニルは不活性であるため、重
合された高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造
される。また、ポリ塩化ビニルは紫外光を吸収するが、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オンメソクロライドは360nm以上の波長の光でもラ
ジカルを発生するため、ラジカル重合の阻害性は小さ
い。該重合体を水に浸漬すると、重合体は3次元架橋さ
れているため膨潤するだけで溶解せず、ポリ塩化ゴニル
が重合体から溶出する。ポリ塩化ビニルが全て溶出され
ると、重合体はポリ塩化ビニルが含まれていた部分が空
隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料
から構成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得
ることができる。
圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−
9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラジ
カルを発生し3−アクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスアクリ
ルアミドが3次元架橋した高分子が重合される。配合組
成物に含まれたポリ塩化ビニルは不活性であるため、重
合された高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造
される。また、ポリ塩化ビニルは紫外光を吸収するが、
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−
オンメソクロライドは360nm以上の波長の光でもラ
ジカルを発生するため、ラジカル重合の阻害性は小さ
い。該重合体を水に浸漬すると、重合体は3次元架橋さ
れているため膨潤するだけで溶解せず、ポリ塩化ゴニル
が重合体から溶出する。ポリ塩化ビニルが全て溶出され
ると、重合体はポリ塩化ビニルが含まれていた部分が空
隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料
から構成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得
ることができる。
【0098】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0099】本発明の方法および配合組成物によって、
応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造で
きる。また、実施例1〜3の方法に比べ、配合組成物に
水を含有しているため、常温で固体の単量体を用いるこ
とができ、材料の選択の幅が広がる。また、水の混合率
によって高分子ゲル材料の3次元架橋構造を変えること
が可能となる。
応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造で
きる。また、実施例1〜3の方法に比べ、配合組成物に
水を含有しているため、常温で固体の単量体を用いるこ
とができ、材料の選択の幅が広がる。また、水の混合率
によって高分子ゲル材料の3次元架橋構造を変えること
が可能となる。
【0100】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0101】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0102】この実施例には次のような特徴がある。
【0103】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体として3−アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミドを、
光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオ
キサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒としてイ
オン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な粒子
状物質としてポリ塩化ビニルを飽和量以上混合した配合
組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル重
合せしめた後、テトラヒドロフランに浸漬してポリ塩化
ビニルを溶解除去したことにより、多孔質の高分子ゲル
材料を光重合によって製造でき、しかも高分子ゲル材料
の応答速度を高速化することができる。
有する水溶性の単量体として3−アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミドを、
光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオ
キサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒としてイ
オン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な粒子
状物質としてポリ塩化ビニルを飽和量以上混合した配合
組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル重
合せしめた後、テトラヒドロフランに浸漬してポリ塩化
ビニルを溶解除去したことにより、多孔質の高分子ゲル
材料を光重合によって製造でき、しかも高分子ゲル材料
の応答速度を高速化することができる。
【0104】実施例6 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と該組成物に可溶な繊維状物質を用
いる例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と該組成物に可溶な繊維状物質を用
いる例である。
【0105】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(共栄社化学)を、ラジカル重合性の官能基を2つ
以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてエチレ
ングリコールジアクリレート(日本油脂)を、光重合開
始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサント
ン−9−オンメソクロライド(日本化薬)を、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物と、該組成物に可溶な
繊維状物質としてナイロン繊維を用い、以下の方法で高
分子ゲル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(共栄社化学)を、ラジカル重合性の官能基を2つ
以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてエチレ
ングリコールジアクリレート(日本油脂)を、光重合開
始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサント
ン−9−オンメソクロライド(日本化薬)を、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物と、該組成物に可溶な
繊維状物質としてナイロン繊維を用い、以下の方法で高
分子ゲル材料の光重合を検討した。
【0106】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図6に示す。
ローチャートを図6に示す。
【0107】2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.
1mol、エチレングリコールジアクリレート0.00
1mol、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサント
ン−9−オンメソクロライド0.003mol、N,N
−ジメチルアミノエタノールアミン0.003mol
(重合促進剤)、イオン交換水8g、ナイロン繊維を混
合した配合組成物6を調製した。ナイロン繊維は該配合
組成物に溶解するが、飽和量以上混合しているため不溶
物が残留した。該配合組成物6を良く撹拌した後、ポリ
エチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部から
キセノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照
射した。60秒の照射により、配合組成物は重合し硬化
物となった。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄
した後、テトラヒドロフランに浸漬して1時間超音波洗
浄し、さらに多量のテトラヒドロフランに浸漬して一昼
夜放置する作業を繰り返して、重合体を膨潤させナイロ
ン繊維を溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬し
てテトラヒドロフランとイオン交換水とを置換した。膨
潤後の体積は約12倍にとなり、ナイロン繊維が含まれ
ていた部分が空隙となっWて多孔性の高分子ゲル材料と
なった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度によ
って伸縮した。
1mol、エチレングリコールジアクリレート0.00
1mol、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサント
ン−9−オンメソクロライド0.003mol、N,N
−ジメチルアミノエタノールアミン0.003mol
(重合促進剤)、イオン交換水8g、ナイロン繊維を混
合した配合組成物6を調製した。ナイロン繊維は該配合
組成物に溶解するが、飽和量以上混合しているため不溶
物が残留した。該配合組成物6を良く撹拌した後、ポリ
エチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部から
キセノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照
射した。60秒の照射により、配合組成物は重合し硬化
物となった。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄
した後、テトラヒドロフランに浸漬して1時間超音波洗
浄し、さらに多量のテトラヒドロフランに浸漬して一昼
夜放置する作業を繰り返して、重合体を膨潤させナイロ
ン繊維を溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬し
てテトラヒドロフランとイオン交換水とを置換した。膨
潤後の体積は約12倍にとなり、ナイロン繊維が含まれ
ていた部分が空隙となっWて多孔性の高分子ゲル材料と
なった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度によ
って伸縮した。
【0108】次に、イオン濃度による高分子ゲル材料の
伸縮特性について検討した。
伸縮特性について検討した。
【0109】該高分子ゲル材料をイオン交換水中で平衡
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件でナイロン繊維を混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約3倍の速さで収縮し
平衡状態に達することがわかった。
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
収縮状態に達するまでの時間を測定した。また、比較の
ため、同じ条件でナイロン繊維を混合せずに製造した多
孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測定
を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は
多孔質化していないものに比べ、約3倍の速さで収縮し
平衡状態に達することがわかった。
【0110】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−ヒドロキシエチルメタクリレートと
エチレングリコールジアクリレートが3次元架橋した高
分子が重合される。配合組成物に含まれたナイロン繊維
は不活性であるため、重合された高分子に物理的に含ま
れた状態の重合体が製造される。また、ナイロン繊維は
紫外光を吸収するが、2−(3−ジメチルアミノ−2−
ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チ
オキサントン−9−オンメソクロライドは360nm以
上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジカル重
合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬すると、重合
体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、ナイロン繊維が重合体から溶出する。ナイロン繊維
が全て溶出されると、重合体はナイロン繊維が含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−ヒドロキシエチルメタクリレートと
エチレングリコールジアクリレートが3次元架橋した高
分子が重合される。配合組成物に含まれたナイロン繊維
は不活性であるため、重合された高分子に物理的に含ま
れた状態の重合体が製造される。また、ナイロン繊維は
紫外光を吸収するが、2−(3−ジメチルアミノ−2−
ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チ
オキサントン−9−オンメソクロライドは360nm以
上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジカル重
合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬すると、重合
体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、ナイロン繊維が重合体から溶出する。ナイロン繊維
が全て溶出されると、重合体はナイロン繊維が含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
【0111】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。また、繊維状物質が含まれていた部分が空隙と
なり多孔質化するため、連続空孔の開いた高分子ゲル材
料を光照射によって製造できる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。また、繊維状物質が含まれていた部分が空隙と
なり多孔質化するため、連続空孔の開いた高分子ゲル材
料を光照射によって製造できる。
【0112】本発明の方法に従えば、応答速度が速く加
工性に優れた高分子ゲル材料を製造できる。また、高分
子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度がさ
らに高速化できる。また、実施例1〜3の方法に比べ、
配合組成物に水を含有しているため、常温で固体の単量
体を用いることができ、材料の選択の幅が広がる。ま
た、水の混合率によって高分子ゲル材料の3次元架橋構
造を変えることが可能となる。
工性に優れた高分子ゲル材料を製造できる。また、高分
子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度がさ
らに高速化できる。また、実施例1〜3の方法に比べ、
配合組成物に水を含有しているため、常温で固体の単量
体を用いることができ、材料の選択の幅が広がる。ま
た、水の混合率によって高分子ゲル材料の3次元架橋構
造を変えることが可能となる。
【0113】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0114】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0115】この実施例には次のような特徴がある。
【0116】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体として2−ヒドロキシエチルメタ
クリテートを、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有す
る水溶性若しくは親水性の単量体としてエチレングリコ
ールジアクリレートを、光重合開始剤として2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライドを、溶媒としてイオン交換水を含有した組成物
に、該組成物に可溶な繊維状物質としてナイロン繊維を
飽和量以上混合した配合組成物を調製し、光照射を行っ
て該単量体をラジカル重合せしめた後、テトラヒドロフ
ランに浸漬してナイロン繊維を溶解除去したことによ
り、連続空孔の開いた多孔質の高分子ゲル材料を光重合
によって製造でき、しかも高分子ゲル材料の応答速度を
高速化することができる。
有する水溶性の単量体として2−ヒドロキシエチルメタ
クリテートを、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有す
る水溶性若しくは親水性の単量体としてエチレングリコ
ールジアクリレートを、光重合開始剤として2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライドを、溶媒としてイオン交換水を含有した組成物
に、該組成物に可溶な繊維状物質としてナイロン繊維を
飽和量以上混合した配合組成物を調製し、光照射を行っ
て該単量体をラジカル重合せしめた後、テトラヒドロフ
ランに浸漬してナイロン繊維を溶解除去したことによ
り、連続空孔の開いた多孔質の高分子ゲル材料を光重合
によって製造でき、しかも高分子ゲル材料の応答速度を
高速化することができる。
【0117】実施例7 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用る例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用る例である。
【0118】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてポリ(o−ニ
トロベンズアルデヒドグリコールアセタール)を用いて
高分子ゲル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてポリ(o−ニ
トロベンズアルデヒドグリコールアセタール)を用いて
高分子ゲル材料の光重合を検討した。
【0119】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図7に示す。
ローチャートを図7に示す。
【0120】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)6gを混合した配合組成物7を調製した。該配合組
成物7を良く混合した後ポリエチレン性の0.3mlの
容器に入れ、容器の上部からdeepUVランプを用い
50mW/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射
により、配合組成物中の単量体が重合し硬化物となっ
た。また、それと同時にポリ(o−ニトロベンズアルデ
ヒドグリコールアセタール)が光分解し、低分子化し
た。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、
メタノール/2−メトキシエタノール(1:1)混合溶
液に浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量の該混合
溶液に浸漬して一昼夜放置する作業を繰り返して、重合
体を膨潤させ分解物質を溶出除去した。次に再びイオン
交換水に浸漬して混合溶液とイオン交換水とを置換し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、ポリ
(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタール)
が含まれていた部分が空隙となって多孔性の高分子ゲル
材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃
度やpHによって伸縮した。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)6gを混合した配合組成物7を調製した。該配合組
成物7を良く混合した後ポリエチレン性の0.3mlの
容器に入れ、容器の上部からdeepUVランプを用い
50mW/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射
により、配合組成物中の単量体が重合し硬化物となっ
た。また、それと同時にポリ(o−ニトロベンズアルデ
ヒドグリコールアセタール)が光分解し、低分子化し
た。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した後、
メタノール/2−メトキシエタノール(1:1)混合溶
液に浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量の該混合
溶液に浸漬して一昼夜放置する作業を繰り返して、重合
体を膨潤させ分解物質を溶出除去した。次に再びイオン
交換水に浸漬して混合溶液とイオン交換水とを置換し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、ポリ
(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタール)
が含まれていた部分が空隙となって多孔性の高分子ゲル
材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃
度やpHによって伸縮した。
【0121】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0122】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でポリ(o−ニトロベンズア
ルデヒドグリコールアセタール)を混合せずに製造した
多孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測
定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料
は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで膨潤
し平衡状態に達することがわかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でポリ(o−ニトロベンズア
ルデヒドグリコールアセタール)を混合せずに製造した
多孔質化していない高分子ゲル材料についても同様の測
定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料
は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速さで膨潤
し平衡状態に達することがわかった。
【0123】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)は、紫外光によって分解され低分子化する。該重合
体をメタノール/2−メトキシエタノール(1:1)混
合溶液に浸漬すると、重合体は3次元架橋されているた
め膨潤するだけで溶解せず、分解した低分子化合物が重
合体から溶出する。分解物が全て溶出されると、重合体
はポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタ
ール)が含まれていた部分が空隙となり、多孔質とな
る。この重合体は高分子ゲル材料から構成されているた
め、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)は、紫外光によって分解され低分子化する。該重合
体をメタノール/2−メトキシエタノール(1:1)混
合溶液に浸漬すると、重合体は3次元架橋されているた
め膨潤するだけで溶解せず、分解した低分子化合物が重
合体から溶出する。分解物が全て溶出されると、重合体
はポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタ
ール)が含まれていた部分が空隙となり、多孔質とな
る。この重合体は高分子ゲル材料から構成されているた
め、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができる。
【0124】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0125】本発明の方法および配合組成物により、応
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、紫外光によって分解する化合物は、固形の微
粒子を混合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する
単量体との相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が
生じにくく取り扱いが容易となる。
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、紫外光によって分解する化合物は、固形の微
粒子を混合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する
単量体との相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が
生じにくく取り扱いが容易となる。
【0126】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ラジカ
ル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅も広い。ま
た、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ラジカ
ル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅も広い。ま
た、製造に用いる装置も安価である。
【0127】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0128】この実施例には次のような特徴がある。
【0129】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)を混合した配合組成物を調製し、光照射を行って該
単量体をラジカル重合せしめると同時に、ポリ(o−ニ
トロベンズアルデヒドグリコールアセタール)を分解・
低分子化させ、メタノール/2−メトキシエタノール
(1:1)混合溶液に浸漬して分解物質を溶解除去した
ことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって
製造でき、しかも多孔質化によって高分子ゲル材料の応
答速度を高速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセター
ル)を混合した配合組成物を調製し、光照射を行って該
単量体をラジカル重合せしめると同時に、ポリ(o−ニ
トロベンズアルデヒドグリコールアセタール)を分解・
低分子化させ、メタノール/2−メトキシエタノール
(1:1)混合溶液に浸漬して分解物質を溶解除去した
ことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって
製造でき、しかも多孔質化によって高分子ゲル材料の応
答速度を高速化することができる。
【0130】実施例8 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用いる例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用いる例である。
【0131】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてナフトキノン
ジアジドを用い、以下の方法で高分子ゲル材料の光重合
を検討した。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてナフトキノン
ジアジドを用い、以下の方法で高分子ゲル材料の光重合
を検討した。
【0132】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図8に示す。
ローチャートを図8に示す。
【0133】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ナフトキノンジアジド5gを混合した配合組成物8を調
製した。該配合組成物8を良く混合した後ポリエチレン
性の0.3mlの容器に入れた。容器の上部からdee
pUVランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射
した。60秒の照射により、配合組成物中の単量体が重
合し硬化物となった。また、それと同時にナフトキノン
ジアジドが光分解し、窒素ガスを発生した。該硬化物を
水道水によって3時間流水洗浄した後、アルカリ溶液に
浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量のアルカリ溶
液に浸漬して一昼夜放置する作業を繰り返して、重合体
を膨潤させ分解物質を溶出除去した。次に再びイオン交
換水に浸漬してアルカリ溶液とイオン交換水とを置換し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、窒素ガ
スおよびナフトキノンジアジドが含まれていた部分が空
隙となって多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子
ゲル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ナフトキノンジアジド5gを混合した配合組成物8を調
製した。該配合組成物8を良く混合した後ポリエチレン
性の0.3mlの容器に入れた。容器の上部からdee
pUVランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射
した。60秒の照射により、配合組成物中の単量体が重
合し硬化物となった。また、それと同時にナフトキノン
ジアジドが光分解し、窒素ガスを発生した。該硬化物を
水道水によって3時間流水洗浄した後、アルカリ溶液に
浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量のアルカリ溶
液に浸漬して一昼夜放置する作業を繰り返して、重合体
を膨潤させ分解物質を溶出除去した。次に再びイオン交
換水に浸漬してアルカリ溶液とイオン交換水とを置換し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、窒素ガ
スおよびナフトキノンジアジドが含まれていた部分が空
隙となって多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子
ゲル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
【0134】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0135】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でナフトキノンジアジドを混
合せずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料に
ついても同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化し
た高分子ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約
2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でナフトキノンジアジドを混
合せずに製造した多孔質化していない高分子ゲル材料に
ついても同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化し
た高分子ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約
2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
【0136】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生し、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ドとN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架
橋した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれ
たナフトキノンジアジドは、紫外光によって分解され窒
素ガスを発生し、アルカリ可溶のインデンカルボン酸と
なる。該重合体をアルカリ溶液に浸漬すると、重合体は
3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、分
解したナフトキノンジアジドが重合体から溶出する。分
解物が全て溶出されると、重合体は窒素ガスおよびナフ
トキノンジアジドが含まれていた部分が空隙となり、多
孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料から構成され
ているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生し、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ドとN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架
橋した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれ
たナフトキノンジアジドは、紫外光によって分解され窒
素ガスを発生し、アルカリ可溶のインデンカルボン酸と
なる。該重合体をアルカリ溶液に浸漬すると、重合体は
3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、分
解したナフトキノンジアジドが重合体から溶出する。分
解物が全て溶出されると、重合体は窒素ガスおよびナフ
トキノンジアジドが含まれていた部分が空隙となり、多
孔質となる。この重合体は高分子ゲル材料から構成され
ているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
【0137】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0138】本発明の方法および配合組成物により、応
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、紫外光によって化合物は、固形の微粒子を混
合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する単量体と
の相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が生じにく
く取り扱いが容易となる。
答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造でき
る。また、紫外光によって化合物は、固形の微粒子を混
合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する単量体と
の相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が生じにく
く取り扱いが容易となる。
【0139】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0140】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0141】この実施例には次のような特徴がある。
【0142】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ナフトキノンジアジドを含有した配合組成物を調製し、
光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめると同時
に、ナフトキノンジアジドを分解・ガス発生させ、アル
カリ溶液に浸漬して分解物質を溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度をが高
速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ナフトキノンジアジドを含有した配合組成物を調製し、
光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめると同時
に、ナフトキノンジアジドを分解・ガス発生させ、アル
カリ溶液に浸漬して分解物質を溶解除去したことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度をが高
速化することができる。
【0143】実施例9 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用いる例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物を用いる例である。
【0144】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてポリメチルイ
ソプロペニルケトンを用い、以下の方法で高分子ゲル材
料の光重合を検討した。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、紫外光によって分解する化合物としてポリメチルイ
ソプロペニルケトンを用い、以下の方法で高分子ゲル材
料の光重合を検討した。
【0145】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図9に示す。
ローチャートを図9に示す。
【0146】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ポリメチルイソプロペニルケトン5gを混合した配合組
成物9を調製した。該配合組成物9を良く混合した後ポ
リエチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部か
らdeepUVランプを用い50mW/cm2 の照度で
光を照射した。60秒の照射により、配合組成物中の単
量体が重合し硬化物となった。また、それと同時にポリ
メチルイソプロペニルケトンが光分解し、炭酸ガスを発
生して低分子化した。該硬化物を水道水によって3時間
流水洗浄した後、エタノールに浸漬して1時間超音波洗
浄し、さらに多量のエタノールに浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させ分解物質を溶出
除去した。次に再びイオン交換水に浸漬してエタノール
とイオン交換水とを置換した。水で膨潤した後の体積は
約10倍にとなり、炭酸ガスおよびポリメチルイソプロ
ペニルケトンが含まれていた部分が空隙となって多孔性
の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶
液のイオン濃度やpHによって伸縮した。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ポリメチルイソプロペニルケトン5gを混合した配合組
成物9を調製した。該配合組成物9を良く混合した後ポ
リエチレン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部か
らdeepUVランプを用い50mW/cm2 の照度で
光を照射した。60秒の照射により、配合組成物中の単
量体が重合し硬化物となった。また、それと同時にポリ
メチルイソプロペニルケトンが光分解し、炭酸ガスを発
生して低分子化した。該硬化物を水道水によって3時間
流水洗浄した後、エタノールに浸漬して1時間超音波洗
浄し、さらに多量のエタノールに浸漬して一昼夜放置す
る作業を繰り返して、重合体を膨潤させ分解物質を溶出
除去した。次に再びイオン交換水に浸漬してエタノール
とイオン交換水とを置換した。水で膨潤した後の体積は
約10倍にとなり、炭酸ガスおよびポリメチルイソプロ
ペニルケトンが含まれていた部分が空隙となって多孔性
の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶
液のイオン濃度やpHによって伸縮した。
【0147】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0148】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でポリメチルイソプロペニル
ケトンを混合せずに製造した多孔質化していない高分子
ゲル材料についても同様の測定を行った。比較の結果、
多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質化していないもの
に比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することが
わかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でポリメチルイソプロペニル
ケトンを混合せずに製造した多孔質化していない高分子
ゲル材料についても同様の測定を行った。比較の結果、
多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質化していないもの
に比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状態に達することが
わかった。
【0149】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
ポリメチルイソプロペニルケトンは、紫外光によって分
解され炭酸ガスを発生し、高分子鎖が切断され低分子化
する。該重合体をアルコールに浸漬すると、重合体は3
次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、分解
したポリメチルイソプロペニルケトンが重合体から溶出
する。分解物が全て溶出されると、重合体は炭酸ガスお
よびポリメチルイソプロペニルケトンが含まれていた部
分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲ
ル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル材
料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
ポリメチルイソプロペニルケトンは、紫外光によって分
解され炭酸ガスを発生し、高分子鎖が切断され低分子化
する。該重合体をアルコールに浸漬すると、重合体は3
次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、分解
したポリメチルイソプロペニルケトンが重合体から溶出
する。分解物が全て溶出されると、重合体は炭酸ガスお
よびポリメチルイソプロペニルケトンが含まれていた部
分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲ
ル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル材
料を得ることができる。
【0150】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0151】以上のように、本発明の方法および配合組
成物によって、応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲ
ル材料を製造できる。また、紫外光によって分解する化
合物は、固形の微粒子を混合した場合に比べ、高分子ゲ
ル材料を構成する単量体との相溶性・分散性に優れてい
るため、沈殿物が生じにくく取り扱いが容易となる。
成物によって、応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲ
ル材料を製造できる。また、紫外光によって分解する化
合物は、固形の微粒子を混合した場合に比べ、高分子ゲ
ル材料を構成する単量体との相溶性・分散性に優れてい
るため、沈殿物が生じにくく取り扱いが容易となる。
【0152】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0153】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0154】この実施例には次のような特徴がある。
【0155】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ポリメチルイソプロペニルケトンを含有した配合組成物
を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せし
めると同時に、ポリメチルイソプロペニルケトンを分解
・ガス発生させ、アルカリ溶液に浸漬して分解物質を溶
解除去したことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重
合によって製造でき、多孔質化によって高分子ゲル材料
の応答速度を高速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、紫外光によって分解する化合物として
ポリメチルイソプロペニルケトンを含有した配合組成物
を調製し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せし
めると同時に、ポリメチルイソプロペニルケトンを分解
・ガス発生させ、アルカリ溶液に浸漬して分解物質を溶
解除去したことにより、多孔質の高分子ゲル材料を光重
合によって製造でき、多孔質化によって高分子ゲル材料
の応答速度を高速化することができる。
【0156】実施例10 本実施例は、 ラジカル重合性の官能基を1つ以上有す
る水溶性の単量、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、7
00nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素、10
0℃より低温で熱分解し、気体を発生する分解型発泡剤
用いる例である。
る水溶性の単量、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、7
00nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素、10
0℃より低温で熱分解し、気体を発生する分解型発泡剤
用いる例である。
【0157】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、700nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素
としてシアニン系色素IR−140(日本感光色素)
を、100℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型
発泡剤として炭酸アンモニウムを用い、以下の方法で高
分子ゲル材料の光重合を検討した。
水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド(興人)を、ラジカル重合性の官能基を
2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工
業)を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー)
を、700nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素
としてシアニン系色素IR−140(日本感光色素)
を、100℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型
発泡剤として炭酸アンモニウムを用い、以下の方法で高
分子ゲル材料の光重合を検討した。
【0158】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図10に示す。
ローチャートを図10に示す。
【0159】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
シアニン系色素0.001mol、炭酸アンモニウム
0.1gを混合した配合組成物10を調製した。該配合
組成物10を良く混合した後ポリエチレン性の0.3m
lの容器に入れ、容器の上部からキセノンランプを用い
50mW/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射
により、配合組成物中の単量体が重合し硬化物となっ
た。また、それと同時に光源からの反応熱によって炭酸
アンモニウムが熱分解し、アンモニアガスと炭酸ガスを
発生した。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄し
た後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄し、さ
らに多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置する作業
を繰り返して、重合体を膨潤させ分解物質を溶出除去し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、発生し
たガスによって空隙が生じて多孔性の高分子ゲル材料と
なった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度やp
Hによって伸縮した。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
シアニン系色素0.001mol、炭酸アンモニウム
0.1gを混合した配合組成物10を調製した。該配合
組成物10を良く混合した後ポリエチレン性の0.3m
lの容器に入れ、容器の上部からキセノンランプを用い
50mW/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射
により、配合組成物中の単量体が重合し硬化物となっ
た。また、それと同時に光源からの反応熱によって炭酸
アンモニウムが熱分解し、アンモニアガスと炭酸ガスを
発生した。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄し
た後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄し、さ
らに多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置する作業
を繰り返して、重合体を膨潤させ分解物質を溶出除去し
た。水で膨潤した後の体積は約10倍にとなり、発生し
たガスによって空隙が生じて多孔性の高分子ゲル材料と
なった。該高分子ゲル材料は、水溶液のイオン濃度やp
Hによって伸縮した。
【0160】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0161】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でシアニン系色素IR−14
0と炭酸アンモニウムを混合せずに製造した多孔質化し
ていない高分子ゲル材料についても同様の測定を行っ
た。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質
化していないものに比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状
態に達することがわかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でシアニン系色素IR−14
0と炭酸アンモニウムを混合せずに製造した多孔質化し
ていない高分子ゲル材料についても同様の測定を行っ
た。比較の結果、多孔質化した高分子ゲル材料は多孔質
化していないものに比べ、約2倍の速さで膨潤し平衡状
態に達することがわかった。
【0162】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
シアニン系色素IR−140は823nmに吸収極大を
有するため、近赤外域の光を吸収して熱エネルギーに変
える働きをする。また、配合組成物に含まれた炭酸アン
モニウムは、近赤外域の光を色素が吸収したことによっ
て生じた熱と反応熱によって熱分解されアンモニアガス
および炭酸ガスを発生する。炭酸アンモニウムは約50
℃で分解するため、低温での発泡を可能とする。該重合
体をイオン交換水に浸漬すると、重合体は3次元架橋さ
れているため膨潤するだけで溶解せず、発生したガスに
よって空隙が生じ、多孔質となる。この重合体は高分子
ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル
材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがラジカルを
発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
とN,N′−メチレンビスアクリルアミドが3次元架橋
した高分子が重合される。また、配合組成物に含まれた
シアニン系色素IR−140は823nmに吸収極大を
有するため、近赤外域の光を吸収して熱エネルギーに変
える働きをする。また、配合組成物に含まれた炭酸アン
モニウムは、近赤外域の光を色素が吸収したことによっ
て生じた熱と反応熱によって熱分解されアンモニアガス
および炭酸ガスを発生する。炭酸アンモニウムは約50
℃で分解するため、低温での発泡を可能とする。該重合
体をイオン交換水に浸漬すると、重合体は3次元架橋さ
れているため膨潤するだけで溶解せず、発生したガスに
よって空隙が生じ、多孔質となる。この重合体は高分子
ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル
材料を得ることができる。
【0163】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0164】このように、本発明の方法および配合組成
物によって応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材
料を製造できる。また、重合体に含まれた微粒子を溶出
して多孔質とする方法に比べ、重合と同時に多孔質とす
ることが可能となる。
物によって応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材
料を製造できる。また、重合体に含まれた微粒子を溶出
して多孔質とする方法に比べ、重合と同時に多孔質とす
ることが可能となる。
【0165】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0166】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0167】この実施例には次のような特徴がある。
【0168】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、700nm以上の波長領域に吸収極大
を有する色素としてシアニン系色素IR−140を、1
00℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型発泡剤
として炭酸アンモニウムを含有した配合組成物を調製
し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめると
同時に、炭酸アンモニウムを分解・発泡させたことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度
を高速化することができる。
有する水溶性の単量体としてN,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドを、ラジカル重合性の官能基を2
つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドを、光重合開始剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンを、700nm以上の波長領域に吸収極大
を有する色素としてシアニン系色素IR−140を、1
00℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型発泡剤
として炭酸アンモニウムを含有した配合組成物を調製
し、光照射を行って該単量体をラジカル重合せしめると
同時に、炭酸アンモニウムを分解・発泡させたことによ
り、多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造で
き、しかも多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度
を高速化することができる。
【0169】実施例11 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有し且
つイオン基を1つ以上有する単量体、ラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、光重合開始剤、前記イオン基を1つ以上有する単量
体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性剤
を用いる例である。
つイオン基を1つ以上有する単量体、ラジカル重合性の
官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、光重合開始剤、前記イオン基を1つ以上有する単量
体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性剤
を用いる例である。
【0170】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有し且
つイオン基を1つ以上有する単量体としてN,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド(興人)を、ラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(チバガイギー)を、前記イオン基を1つ以上有する単
量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性
剤としてステアリン酸を用い、以下の方法で高分子ゲル
材料の光重合を検討した。
つイオン基を1つ以上有する単量体としてN,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド(興人)を、ラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(チバガイギー)を、前記イオン基を1つ以上有する単
量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性
剤としてステアリン酸を用い、以下の方法で高分子ゲル
材料の光重合を検討した。
【0171】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図11に示す。
ローチャートを図11に示す。
【0172】N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ステアリン酸2g、イオン交換水5gを混合した配合組
成物11を調製した。該配合組成物11を良く混合して
ミセルを形成させ、ポリエチレン性の0.3mlの容器
に入れた。容器の上部から超高圧水銀灯を用い50mW
/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射により、
配合組成物中の単量体が重合し硬化物となった。該硬化
物を水道水によって3時間流水洗浄した後、0.1Mの
塩酸水溶液に浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量
の0.1Mの塩酸水溶液に浸漬して一昼夜放置する作業
を繰り返して、重合体を膨潤させステアリン酸を重合体
から溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬して塩
酸水溶液とイオン交換水とを置換した。水で膨潤した後
の体積は約10倍にとなり、発生したガスによって空隙
が生じて多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲ
ル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
アミド0.1mol、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド0.001mol、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン0.003mol、
ステアリン酸2g、イオン交換水5gを混合した配合組
成物11を調製した。該配合組成物11を良く混合して
ミセルを形成させ、ポリエチレン性の0.3mlの容器
に入れた。容器の上部から超高圧水銀灯を用い50mW
/cm2 の照度で光を照射した。60秒の照射により、
配合組成物中の単量体が重合し硬化物となった。該硬化
物を水道水によって3時間流水洗浄した後、0.1Mの
塩酸水溶液に浸漬して1時間超音波洗浄し、さらに多量
の0.1Mの塩酸水溶液に浸漬して一昼夜放置する作業
を繰り返して、重合体を膨潤させステアリン酸を重合体
から溶出除去した。次に再びイオン交換水に浸漬して塩
酸水溶液とイオン交換水とを置換した。水で膨潤した後
の体積は約10倍にとなり、発生したガスによって空隙
が生じて多孔性の高分子ゲル材料となった。該高分子ゲ
ル材料は、水溶液のイオン濃度やpHによって伸縮し
た。
【0173】次にpHによる高分子ゲル材料の伸縮特性
について検討した。
について検討した。
【0174】該高分子ゲル材料をpH11の水酸化ナト
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でステアリン酸を混合せずに
製造した多孔質化していない高分子ゲル材料についても
同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子
ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速
さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
リウム溶液中で平衡状態としてから3ミリ角に切り出
し、次に溶液をpH3の塩酸溶液に交換して高分子ゲル
材料が平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定した。ま
た、比較のため、同じ条件でステアリン酸を混合せずに
製造した多孔質化していない高分子ゲル材料についても
同様の測定を行った。比較の結果、多孔質化した高分子
ゲル材料は多孔質化していないものに比べ、約2倍の速
さで膨潤し平衡状態に達することがわかった。
【0175】以上のように本実施例の配合組成物を良く
撹拌することにより、ステアリン酸はN,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミドとコンプレックスを形成
し、さらに配合組成物中でミセルを形成する。この配合
組成物に超高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが
ラジカルを発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドとN,N′−メチレンビスアクリルアミドが
3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物に含ま
れたステアリン酸は不活性であるため、重合された高分
子にミセルのまま含まれた状態の重合体が製造される。
該重合体を0.1Mの塩酸に浸漬すると、コンプレック
スが解離され、ステアリン酸が重合体から溶出する。重
合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、重合体はステアリン酸がミセルとして含まれていた
部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子
ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル
材料を得ることができる。
撹拌することにより、ステアリン酸はN,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミドとコンプレックスを形成
し、さらに配合組成物中でミセルを形成する。この配合
組成物に超高圧水銀灯から光を照射すると、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが
ラジカルを発生しN,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドとN,N′−メチレンビスアクリルアミドが
3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物に含ま
れたステアリン酸は不活性であるため、重合された高分
子にミセルのまま含まれた状態の重合体が製造される。
該重合体を0.1Mの塩酸に浸漬すると、コンプレック
スが解離され、ステアリン酸が重合体から溶出する。重
合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せ
ず、重合体はステアリン酸がミセルとして含まれていた
部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子
ゲル材料から構成されているため、多孔質の高分子ゲル
材料を得ることができる。
【0176】本発明の方法および配合組成物により、光
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
照射によって多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能
となる。
【0177】本発明の方法および配合組成物によって、
応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造で
きる。また、界面活性剤は液体であるため、固形の微粒
子を混合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する単
量体との相溶性・分散性に優れており、均一な多孔質の
形成を可能とする。
応答速度が速く加工性に優れた高分子ゲル材料を製造で
きる。また、界面活性剤は液体であるため、固形の微粒
子を混合した場合に比べ、高分子ゲル材料を構成する単
量体との相溶性・分散性に優れており、均一な多孔質の
形成を可能とする。
【0178】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0179】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0180】この実施例には次のような特徴がある。
【0181】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有し且つイオン基を1つ以上有する単量体としてN,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オンを、該イオン基を1つ
以上有する単量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有
する界面活性剤としてステアリン酸を混合して、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとコンプレッ
クスを形成したステアリン酸がミセルを形成して存在す
る配合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジ
カル重合せしめた後、強酸溶液に浸漬してコンプレック
スを解離させステアリン酸を溶解除去したことにより、
多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造でき、し
かも多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度を高速
化することができる。
有し且つイオン基を1つ以上有する単量体としてN,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オンを、該イオン基を1つ
以上有する単量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有
する界面活性剤としてステアリン酸を混合して、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとコンプレッ
クスを形成したステアリン酸がミセルを形成して存在す
る配合組成物を調製し、光照射を行って該単量体をラジ
カル重合せしめた後、強酸溶液に浸漬してコンプレック
スを解離させステアリン酸を溶解除去したことにより、
多孔質の高分子ゲル材料を光重合によって製造でき、し
かも多孔質化によって高分子ゲル材料の応答速度を高速
化することができる。
【0182】実施例12 本実施例は、ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と、該組成物に可溶な粒子状物、微
粒子二酸化ケイ素を用いる例である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、溶
媒を含有する組成物と、該組成物に可溶な粒子状物、微
粒子二酸化ケイ素を用いる例である。
【0183】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を、配合
組成物に可溶な粒子状物質として臭化カリウム(和光純
薬工業)を、微粒子二酸化ケイ素として粒径約12nm
のアエロジル200(日本アエロジル)を用い、以下の
方法で高分子ゲル材料の光重合を検討した。なお、アエ
ロジル200は、側鎖にビニル基を有するシランカップ
リング剤で表面処理したものを用いた。
水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド(興人)を、ラジカル
重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性
の単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
(和光純薬工業)を、光重合開始剤として2−(3−ジ
メチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−
ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロラ
イド(日本化薬)を、溶媒としてイオン交換水を、配合
組成物に可溶な粒子状物質として臭化カリウム(和光純
薬工業)を、微粒子二酸化ケイ素として粒径約12nm
のアエロジル200(日本アエロジル)を用い、以下の
方法で高分子ゲル材料の光重合を検討した。なお、アエ
ロジル200は、側鎖にビニル基を有するシランカップ
リング剤で表面処理したものを用いた。
【0184】アエロジルの表面処理は以下の方法で行っ
た。ビニルトリクロロシランの10Mのトルエン溶液を
調製し、該溶液にアエロジルを入れ撹拌しながら12時
間放置した。該アエロジルを溶液から取り出し、トルエ
ンでの洗浄を繰り返して、表面処理を終了した。ビニル
トリクロロシランは、ビニルトリクロロシランのクロル
基がアエロジル表面のOH基と加水分解反応して共有結
合で強固に結合し、アエロジル表面に自発的に単分子膜
を製造する。したがって、ビニルトリクロロシランのビ
ニル基が表面にならんだ被覆処理を施すことができる。
た。ビニルトリクロロシランの10Mのトルエン溶液を
調製し、該溶液にアエロジルを入れ撹拌しながら12時
間放置した。該アエロジルを溶液から取り出し、トルエ
ンでの洗浄を繰り返して、表面処理を終了した。ビニル
トリクロロシランは、ビニルトリクロロシランのクロル
基がアエロジル表面のOH基と加水分解反応して共有結
合で強固に結合し、アエロジル表面に自発的に単分子膜
を製造する。したがって、ビニルトリクロロシランのビ
ニル基が表面にならんだ被覆処理を施すことができる。
【0185】本実施例の多孔性高分子ゲル製造方法のフ
ローチャートを図12に示す。
ローチャートを図12に示す。
【0186】2−アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチ
レンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタ
ノールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン
交換水4g、臭化カリウム12g、アエロジル0.19
gを混合した配合組成物12を調製した。臭化カリウム
は、メッシュを用いて粒径が50〜200μmのものを
振るい分けして混合した。臭化カリウムは該配合組成物
に溶解するが、飽和量以上混合しているため不溶物が残
留した。該配合組成物12を良く撹拌した後、ポリエチ
レン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部からキセ
ノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射し
た。60秒の照射により、配合組成物は重合し硬化物と
なった。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した
後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄し、さら
に多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置する作業を
繰り返して、重合体を膨潤させ臭化カリウムを溶出除去
した。アエロジルは水に不溶であるため、重合体からは
溶出しなかった。膨潤後の体積は約6倍にとなり、臭化
カリウムが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高
分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液の
イオン濃度やpHによって伸縮した。
アンモニウムクロライド0.1mol、N,N′−メチ
レンビスアクリルアミド0.001mol、2−(3−
ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4
−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロ
ライド0.003mol、N,N−ジメチルアミノエタ
ノールアミン0.003mol(重合促進剤)、イオン
交換水4g、臭化カリウム12g、アエロジル0.19
gを混合した配合組成物12を調製した。臭化カリウム
は、メッシュを用いて粒径が50〜200μmのものを
振るい分けして混合した。臭化カリウムは該配合組成物
に溶解するが、飽和量以上混合しているため不溶物が残
留した。該配合組成物12を良く撹拌した後、ポリエチ
レン性の0.3mlの容器に入れ、容器の上部からキセ
ノンランプを用い50mW/cm2 の照度で光を照射し
た。60秒の照射により、配合組成物は重合し硬化物と
なった。該硬化物を水道水によって3時間流水洗浄した
後、イオン交換水に浸漬して1時間超音波洗浄し、さら
に多量のイオン交換水に浸漬して一昼夜放置する作業を
繰り返して、重合体を膨潤させ臭化カリウムを溶出除去
した。アエロジルは水に不溶であるため、重合体からは
溶出しなかった。膨潤後の体積は約6倍にとなり、臭化
カリウムが含まれていた部分が空隙となって多孔性の高
分子ゲル材料となった。該高分子ゲル材料は、水溶液の
イオン濃度やpHによって伸縮した。
【0187】次にイオン濃度による高分子ゲル材料の伸
縮特性と、高分子ゲル材料の材料強度について検討し
た。
縮特性と、高分子ゲル材料の材料強度について検討し
た。
【0188】該高分子ゲル材料をイオン交換水中で平衡
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
膨潤状態に達するまでの時間と、膨潤状態における耐圧
縮強度を測定した。また、比較のため、同じ条件でアエ
ロジルを混合せずに製造した多孔性高分子ゲル材料につ
いても同様の測定を行った。比較の結果、収縮する速度
はほとんど同じであり、耐圧縮強度はアエロジルを混合
した高分子ゲル材料は混合していないものに比べ、約3
倍の強度を示すことがわかった(表2参照)。
状態としてから3ミリ角に切り出し、次に0.01Mの
塩化ナトリウム溶液中に浸漬して高分子ゲル材料が平衡
膨潤状態に達するまでの時間と、膨潤状態における耐圧
縮強度を測定した。また、比較のため、同じ条件でアエ
ロジルを混合せずに製造した多孔性高分子ゲル材料につ
いても同様の測定を行った。比較の結果、収縮する速度
はほとんど同じであり、耐圧縮強度はアエロジルを混合
した高分子ゲル材料は混合していないものに比べ、約3
倍の強度を示すことがわかった(表2参照)。
【0189】
【表2】
【0190】以上のように、本実施例の配合組成物に超
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−アクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスア
クリルアミドおよびアエロジルに表面処理されたシラン
カップリング剤のビニル基が3次元架橋した高分子が重
合される。配合組成物に含まれたアエロジルは表面処理
したシランカップリング剤によって重合体と化学結合し
た状態で存在する。一方、配合組成物に含まれた臭化カ
リウムは不活性であるため、重合された高分子に物理的
に含まれた状態で存在する。アエロジルは二酸化ケイ素
であるため、光透過性に優れており、ラジカル重合の阻
害性は小さい。また、臭化カリウムは紫外光を吸収する
が、可視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミノ
−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9
H−チオキサントン−9−オンメソクロライドは360
nm以上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジ
カル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、重合体中に物理的に取り込まれた状態で存在
する臭化カリウムのみが重合体から溶出する。臭化カリ
ウムが全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。アエロジル
は重合体中に化学結合された状態で存在し、材料強度を
補強する働きをする。この重合体は高分子ゲル材料から
構成されているため、多孔質で且つ材料強度の強い高分
子ゲル材料を得ることができる。
高圧水銀灯から光を照射すると、2−(3−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル
−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライドがラ
ジカルを発生し2−アクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドとN,N′−メチレンビスア
クリルアミドおよびアエロジルに表面処理されたシラン
カップリング剤のビニル基が3次元架橋した高分子が重
合される。配合組成物に含まれたアエロジルは表面処理
したシランカップリング剤によって重合体と化学結合し
た状態で存在する。一方、配合組成物に含まれた臭化カ
リウムは不活性であるため、重合された高分子に物理的
に含まれた状態で存在する。アエロジルは二酸化ケイ素
であるため、光透過性に優れており、ラジカル重合の阻
害性は小さい。また、臭化カリウムは紫外光を吸収する
が、可視光の透過性に優れ、2−(3−ジメチルアミノ
−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9
H−チオキサントン−9−オンメソクロライドは360
nm以上の波長の光でもラジカルを発生するため、ラジ
カル重合の阻害性は小さい。該重合体を水に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、重合体中に物理的に取り込まれた状態で存在
する臭化カリウムのみが重合体から溶出する。臭化カリ
ウムが全て溶出されると、重合体は臭化カリウムが含ま
れていた部分が空隙となり、多孔質となる。アエロジル
は重合体中に化学結合された状態で存在し、材料強度を
補強する働きをする。この重合体は高分子ゲル材料から
構成されているため、多孔質で且つ材料強度の強い高分
子ゲル材料を得ることができる。
【0191】本発明の方法および配合組成物および配合
組成物により、光照射によって多孔性の高分子ゲル材料
を得ることが可能となる。
組成物により、光照射によって多孔性の高分子ゲル材料
を得ることが可能となる。
【0192】本発明の方法および配合組成物によって応
答速度が速く加工性に優れ材料強度の強い高分子ゲル材
料を製造できる。
答速度が速く加工性に優れ材料強度の強い高分子ゲル材
料を製造できる。
【0193】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0194】なお、この実施例は、当然、各種の変形、
変更が可能である。
変更が可能である。
【0195】この実施例には次のような特徴がある。
【0196】(i)ラジカル重合性の官能基を1つ以上
有する水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2
−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−
チオキサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な
粒子状物質として臭化カリウムを飽和量以上混合し、さ
らに側鎖にビニル基を有する微粒子二酸化ケイ素として
ビニルトリクロロシランで表面処理したアエロジル20
0を混合した配合組成物を調製し、光照射を行って該単
量体をラジカル重合せしめた後、水に浸漬して臭化カリ
ウムを溶解除去したことにより、多孔質で材料強度の強
い高分子ゲル材料を光重合によって製造でき、しかも高
分子ゲル材料の応答速度を高速化することができる。
有する水溶性の単量体として2−アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライドを、ラジカル重
合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の
単量体としてN,N′−メチレンビスアクリルアミド
を、光重合開始剤として2−(3−ジメチルアミノ−2
−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−
チオキサントン−9−オンメソクロライドを、溶媒とし
てイオン交換水を含有した組成物に、該組成物に可溶な
粒子状物質として臭化カリウムを飽和量以上混合し、さ
らに側鎖にビニル基を有する微粒子二酸化ケイ素として
ビニルトリクロロシランで表面処理したアエロジル20
0を混合した配合組成物を調製し、光照射を行って該単
量体をラジカル重合せしめた後、水に浸漬して臭化カリ
ウムを溶解除去したことにより、多孔質で材料強度の強
い高分子ゲル材料を光重合によって製造でき、しかも高
分子ゲル材料の応答速度を高速化することができる。
【0197】表3に上述した実施例と従来例の多孔性高
分子ゲルの製法としての比較を示す。
分子ゲルの製法としての比較を示す。
【0198】
【表3】
【0199】従来例1:特開昭63−223045に開
示された方法で調製した。
示された方法で調製した。
【0200】分子量75000のポリビニルアルコール
の7.6重量%水溶液(A)に分子量が17万の酸性の
高分子電解質の1.9重量%の水溶液(B)と、分子量
が60000の塩基性高分子電解質の1.5重量%の溶
液(C)を混合した混合材料(D)を多数の突起を形成
した感光性樹脂板上に塗布し、−50℃の環境下で凍結
することと、常温で回答することとを10回繰り返した
後、風乾して多孔性高分子材料を得た。
の7.6重量%水溶液(A)に分子量が17万の酸性の
高分子電解質の1.9重量%の水溶液(B)と、分子量
が60000の塩基性高分子電解質の1.5重量%の溶
液(C)を混合した混合材料(D)を多数の突起を形成
した感光性樹脂板上に塗布し、−50℃の環境下で凍結
することと、常温で回答することとを10回繰り返した
後、風乾して多孔性高分子材料を得た。
【0201】従来例2:「荻野一善、長田義仁、伏見隆
夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p67〜68」に開示
された方法で調製した。
夫、山内愛造:ゲル、産業図書、p67〜68」に開示
された方法で調製した。
【0202】ポリビニルメチルエーテル(PMVE)水
溶液と少量のアルギン酸ナトリウム水溶液の混合溶液
を、40℃に加熱した塩化カルシウム水溶液の紡糸浴に
ノズルより押出し、湿式紡糸し、20%塩化カルシウム
水溶液に浸析したままγ線を照射する。アルギン酸カル
シウムは、ガンマ線照射により分解するため除去され、
多孔質ゲル材料が得られる。
溶液と少量のアルギン酸ナトリウム水溶液の混合溶液
を、40℃に加熱した塩化カルシウム水溶液の紡糸浴に
ノズルより押出し、湿式紡糸し、20%塩化カルシウム
水溶液に浸析したままγ線を照射する。アルギン酸カル
シウムは、ガンマ線照射により分解するため除去され、
多孔質ゲル材料が得られる。
【0203】表3に示したように、本実施例による多孔
性高分子ゲルの製造方法は、光の照射パターンによって
重合物の製造ができるので複雑な加工や微小化に適す
る。また、材料に水溶性のラジカル重合性単量体を用い
るので材料の選択の幅も広い。また、製造に用いる装置
も安価である。
性高分子ゲルの製造方法は、光の照射パターンによって
重合物の製造ができるので複雑な加工や微小化に適す
る。また、材料に水溶性のラジカル重合性単量体を用い
るので材料の選択の幅も広い。また、製造に用いる装置
も安価である。
【0204】以下に、本発明の更なる側面を上記題意の
側面および第二の側面と併せて記載する。なお、上記第
一の側面および第二の側面は、それぞれ、下記(1)お
よび(1−1)に対応する。
側面および第二の側面と併せて記載する。なお、上記第
一の側面および第二の側面は、それぞれ、下記(1)お
よび(1−1)に対応する。
【0205】(1) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記
組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前
記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有す
る粒子状物質を混合した配合組成物を用い、該配合組成
物に光照射を行って前記単量体をラジカル重合させ、重
合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且つ重合体が
膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する行
程;を具備することを特徴とする多孔性高分子ゲル材料
の製造方法。(構成)実施例1、2、3が該当する。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記
組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前
記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有す
る粒子状物質を混合した配合組成物を用い、該配合組成
物に光照射を行って前記単量体をラジカル重合させ、重
合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且つ重合体が
膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する行
程;を具備することを特徴とする多孔性高分子ゲル材料
の製造方法。(構成)実施例1、2、3が該当する。
【0206】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体とは、不飽和炭化水素を1個以上有する
水溶性の単量体の中から選択され、イオン基を有する単
量体とイオン基を有さない単量体がある。イオン基を有
するラジカル重合性単量体としては、カルボキシル基、
スルホン酸基、リン酸基、3級アミン、水酸化4級アミ
ン、スルホニウム基などのイオン基を有し、少なくとも
1個以上のラジカル重合性官能基を有する単量体の中か
ら選択される。例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル酢
酸、スチレンスルホン酸、無水マレイン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、2−アクリロイルオ
キシドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3−
アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどがそれに値する。イオン基を持たない水溶性の
ラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリロイル
モルフォリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、アク
リルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、ビニ
ルピロリドン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、モルフォリノエ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアク
リルアミドなどがそれに値する。ラジカル重合性の官能
基を1つ以上有する水溶性の単量体は、上記単量体のう
ち一種または複数を用いて構成される。イオン基を有す
る単量体を用いる場合は、酸またはアルカリによってイ
オン基を中和して用いた方が重合しやすくなる。
水溶性の単量体とは、不飽和炭化水素を1個以上有する
水溶性の単量体の中から選択され、イオン基を有する単
量体とイオン基を有さない単量体がある。イオン基を有
するラジカル重合性単量体としては、カルボキシル基、
スルホン酸基、リン酸基、3級アミン、水酸化4級アミ
ン、スルホニウム基などのイオン基を有し、少なくとも
1個以上のラジカル重合性官能基を有する単量体の中か
ら選択される。例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル酢
酸、スチレンスルホン酸、無水マレイン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、2−アクリロイルオ
キシドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3−
アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどがそれに値する。イオン基を持たない水溶性の
ラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリロイル
モルフォリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、アク
リルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、ビニ
ルピロリドン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、モルフォリノエ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアク
リルアミドなどがそれに値する。ラジカル重合性の官能
基を1つ以上有する水溶性の単量体は、上記単量体のう
ち一種または複数を用いて構成される。イオン基を有す
る単量体を用いる場合は、酸またはアルカリによってイ
オン基を中和して用いた方が重合しやすくなる。
【0207】ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する
水溶性若しくは親水性の単量体とは、不飽和炭化水素を
2個以上有する単量体の中から選択される。例えば、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングルコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどがそ
れに値する。
水溶性若しくは親水性の単量体とは、不飽和炭化水素を
2個以上有する単量体の中から選択される。例えば、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングルコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル]プロパン、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどがそ
れに値する。
【0208】光重合開始剤は、光照射によってラジカル
を発生する作用を有する化合物から選択される。例え
ば、紫外光によってラジカルを発生する化合物として
は、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジ
フェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフォンオキサイド、1−
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなど
がそれに値する。また、360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物としては、例えば、2,
4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサン
トン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2
−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)
−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オン
メソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)
フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニ
ル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イ
ル)チタニウム、などがそれに値する。また、1,3−
ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼンや3,
3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステルに、
チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキ
ノリン系色素を混合した物質を用いることもできる。特
に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状の光重合開始
剤の方が望ましい。
を発生する作用を有する化合物から選択される。例え
ば、紫外光によってラジカルを発生する化合物として
は、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジ
フェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフォンオキサイド、1−
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなど
がそれに値する。また、360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物としては、例えば、2,
4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサン
トン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2
−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)
−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オン
メソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)
フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニ
ル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イ
ル)チタニウム、などがそれに値する。また、1,3−
ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼンや3,
3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステルに、
チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキ
ノリン系色素を混合した物質を用いることもできる。特
に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状の光重合開始
剤の方が望ましい。
【0209】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを
含有した組成物の配合比は、ラジカル重合性の官能基を
1つ以上有する水溶性の単量体に対してラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体は0.5〜5mol%、光重合開始剤は0.01〜5
mol%の範囲であることが望ましい。ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体が0.5mol%未満の場合では、多孔性ゲル材料の
材料強度が非常に弱くなる。一方、5mol%よりも多
量の場合は多孔性ゲル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤
する際多孔性ゲル材料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、
などの問題が生じる。また、光重合開始剤が0.001
mol%未満の場合は重合速度が遅く、5mol%より
多量の場合は重合度が低下する。
水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを
含有した組成物の配合比は、ラジカル重合性の官能基を
1つ以上有する水溶性の単量体に対してラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体は0.5〜5mol%、光重合開始剤は0.01〜5
mol%の範囲であることが望ましい。ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体が0.5mol%未満の場合では、多孔性ゲル材料の
材料強度が非常に弱くなる。一方、5mol%よりも多
量の場合は多孔性ゲル材料の伸縮率が小さくなる、膨潤
する際多孔性ゲル材料に亀裂が入り崩壊しやすくなる、
などの問題が生じる。また、光重合開始剤が0.001
mol%未満の場合は重合速度が遅く、5mol%より
多量の場合は重合度が低下する。
【0210】粒子状物質は、前記組成物に不溶で溶媒に
可溶であって、ラジカル重合に使用する光の波長の透過
性が高い粒子状物質から選択される。一般に、ラジカル
重合には紫外線が用いられるため、紫外線の透過性の高
い物質が望ましい。例えば、二酸化ケイ素やフッ化カル
シウムなどがそれに値する。また、粒子状物質として臭
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機
塩を用いることもできるが、無機塩の結晶は紫外光を吸
収するため、360nm以上の光によってラジカルを発
生する光重合開始剤と組み合わせて用いることが望まし
い。無機塩としては、光透過性に優れた臭化カリウムが
最も適している。粒子状物質の粒径は10〜1000μ
mの範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が
望ましい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲ
ル材料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくな
る、配合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じ
る。粒径が1000μmよりも大きい場合は、孔が大き
すぎて材料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状
物質の含有率は、10〜50vol%で有ることが望ま
しく、特に20〜40vol%が望ましい。10vol
%以下の場合は孔と孔がつながらないため多孔質化する
効果が小くなる。50vol%よりも多量の場合は孔が
多量すぎて材料強度が弱くなるという問題が生じる。
可溶であって、ラジカル重合に使用する光の波長の透過
性が高い粒子状物質から選択される。一般に、ラジカル
重合には紫外線が用いられるため、紫外線の透過性の高
い物質が望ましい。例えば、二酸化ケイ素やフッ化カル
シウムなどがそれに値する。また、粒子状物質として臭
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機
塩を用いることもできるが、無機塩の結晶は紫外光を吸
収するため、360nm以上の光によってラジカルを発
生する光重合開始剤と組み合わせて用いることが望まし
い。無機塩としては、光透過性に優れた臭化カリウムが
最も適している。粒子状物質の粒径は10〜1000μ
mの範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が
望ましい。粒径が10μm未満の場合では、製造したゲ
ル材料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくな
る、配合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じ
る。粒径が1000μmよりも大きい場合は、孔が大き
すぎて材料強度が弱くなるという問題が生じる。粒子状
物質の含有率は、10〜50vol%で有ることが望ま
しく、特に20〜40vol%が望ましい。10vol
%以下の場合は孔と孔がつながらないため多孔質化する
効果が小くなる。50vol%よりも多量の場合は孔が
多量すぎて材料強度が弱くなるという問題が生じる。
【0211】ラジカル重合に用いる光は、光重合開始剤
がラジカルを発生する波長を含んだ光が照射できる光源
から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によってラ
ジカルを発生する物がほとんどであるため、紫外線を照
射できる光源が望ましい。例えば、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ、He−Cdレーザーなどがそれに値する。
がラジカルを発生する波長を含んだ光が照射できる光源
から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によってラ
ジカルを発生する物がほとんどであるため、紫外線を照
射できる光源が望ましい。例えば、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ、He−Cdレーザーなどがそれに値する。
【0212】該粒子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤す
る溶媒は、用いる粒子状物質の性質によって選択する。
該粒子状物質が二酸化ケイ素やフッ化カルシウムの場合
はフッ酸や強アルカリ水溶液を、無機塩の場合は水を用
いることが望ましい。
る溶媒は、用いる粒子状物質の性質によって選択する。
該粒子状物質が二酸化ケイ素やフッ化カルシウムの場合
はフッ酸や強アルカリ水溶液を、無機塩の場合は水を用
いることが望ましい。
【0213】(作用)上記配合組成物に光を照射する
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物
に含まれた粒子状物質は不活性であるため、重合された
高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造される。
また、粒子状物質は重合に使用する光の波長を透過する
ため、ラジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を該粒
子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、粒子状化合物および光重合開始剤が重合体か
ら溶出する。粒子状化合物が全て溶出されると、重合体
は粒子状化合物が含まれていた部分が空隙となり、多孔
質となる。この重合体は高分子ゲルとなる材料から構成
されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることが
できる。
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物
に含まれた粒子状物質は不活性であるため、重合された
高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造される。
また、粒子状物質は重合に使用する光の波長を透過する
ため、ラジカル重合の阻害性は小さい。該重合体を該粒
子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、粒子状化合物および光重合開始剤が重合体か
ら溶出する。粒子状化合物が全て溶出されると、重合体
は粒子状化合物が含まれていた部分が空隙となり、多孔
質となる。この重合体は高分子ゲルとなる材料から構成
されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることが
できる。
【0214】つまり、この手段によって光照射によって
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
【0215】(効果)高分子ゲル材料が多孔質化される
ことによって、高分子ゲル材料の表面積が大きくなる。
高分子ゲル材料は溶液の吸収・放出によって膨潤・収縮
し、機械的変形を生じるため、表面積が大きくなると溶
液の交換が容易となり応答速度が向上する。
ことによって、高分子ゲル材料の表面積が大きくなる。
高分子ゲル材料は溶液の吸収・放出によって膨潤・収縮
し、機械的変形を生じるため、表面積が大きくなると溶
液の交換が容易となり応答速度が向上する。
【0216】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンによって重合物の製造がで
きるので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水
溶性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の
幅も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンによって重合物の製造がで
きるので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水
溶性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の
幅も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【0217】(1−1) 少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物
に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重
合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子
状物質を混合したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材
料製造用の配合組成物。
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物
に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重
合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子
状物質を混合したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材
料製造用の配合組成物。
【0218】(構成)実施例1、2、3が該当する。
【0219】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤を含
有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状
物質であり、且つ該光重合開始剤がラジカルを発生する
光の透過性を有する粒子状物質の構成は(1)と同様で
ある。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤を含
有する組成物と、該組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状
物質であり、且つ該光重合開始剤がラジカルを発生する
光の透過性を有する粒子状物質の構成は(1)と同様で
ある。
【0220】(作用)(1)と同様である。
【0221】(効果)(1)同様である。また、この配
合組成物を用いることによって(1)記載の方法で光照
射によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可
能となる。
合組成物を用いることによって(1)記載の方法で光照
射によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可
能となる。
【0222】(1−2) 該粒子状物質の粒径が10〜
1000μmであって、その含有量が10〜50vol
%であることを特徴とする(1)記載の多孔性高分子ゲ
ル材料製造方法。
1000μmであって、その含有量が10〜50vol
%であることを特徴とする(1)記載の多孔性高分子ゲ
ル材料製造方法。
【0223】(構成)実施例1、2、3が該当する。
【0224】(1)の粒子状物質を粒径が10〜100
0μmの物から選択し、その含有量を10〜50vol
%とする。
0μmの物から選択し、その含有量を10〜50vol
%とする。
【0225】(作用)(1)と同様である。
【0226】(効果)(1)と同様である。
【0227】(1−2−1) 該粒子状物質の粒径が1
0〜1000μmであって、その含有量が10〜50v
ol%であることを特徴とする(1−1)記載の多孔性
高分子ゲル材料製造用配合組成物。
0〜1000μmであって、その含有量が10〜50v
ol%であることを特徴とする(1−1)記載の多孔性
高分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0228】(構成)実施例1、2、3が該当する。
【0229】(1−1)の粒子状物質を粒径が10〜1
000μmの物から選択し、その含有量を10〜50v
ol%とする。
000μmの物から選択し、その含有量を10〜50v
ol%とする。
【0230】(作用)(1−1)と同様である。
【0231】(効果)(1−1)と同様である。
【0232】(1−3) 該粒子状物質が二酸化ケイ素
またはフッ化カルシウムであることを特徴とする(1)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
またはフッ化カルシウムであることを特徴とする(1)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0233】(構成)実施例1が該当する。
【0234】(1)の粒子状物質を二酸化ケイ素または
フッ化カルシウムを用いて構成し、粒子状物質を溶解す
る溶媒にフッ酸や強アルカリ水溶液を用いる。
フッ化カルシウムを用いて構成し、粒子状物質を溶解す
る溶媒にフッ酸や強アルカリ水溶液を用いる。
【0235】(作用)(1)と同様。
【0236】(効果)(1)と同様である。また、二酸
化ケイ素とフッ化カルシウムは光透過性に優れているた
め、重合反応が円滑に進む。特に、二酸化ケイ素は粒径
を調製しやすいので、孔の大きさが均一な高分子ゲル材
料を製造することが可能となる。
化ケイ素とフッ化カルシウムは光透過性に優れているた
め、重合反応が円滑に進む。特に、二酸化ケイ素は粒径
を調製しやすいので、孔の大きさが均一な高分子ゲル材
料を製造することが可能となる。
【0237】(1−3−1) 該粒子状物質が二酸化ケ
イ素またはフッ化カルシウムであることを特徴とする
(1−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
イ素またはフッ化カルシウムであることを特徴とする
(1−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
【0238】(構成)実施例1が該当する。
【0239】(1−1)の粒子状物質を二酸化ケイ素ま
たはフッ化カルシウムを用いて構成し、粒子状物質を溶
解する溶媒には、フッ酸や強アルカリ水溶液を用いる。
たはフッ化カルシウムを用いて構成し、粒子状物質を溶
解する溶媒には、フッ酸や強アルカリ水溶液を用いる。
【0240】(作用)(1−1)と同様である。
【0241】(効果)(1−1)と同様である。また、
二酸化ケイ素とフッ化カルシウムは光透過性に優れてい
るため、重合反応が円滑に進む。特に、二酸化ケイ素は
粒径を調製しやすいので、孔の大きさが均一な高分子ゲ
ル材料を製造することが可能となる。
二酸化ケイ素とフッ化カルシウムは光透過性に優れてい
るため、重合反応が円滑に進む。特に、二酸化ケイ素は
粒径を調製しやすいので、孔の大きさが均一な高分子ゲ
ル材料を製造することが可能となる。
【0242】(1−4) (1−3)記載の粒子状の二
酸化ケイ素の代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用いた
ことを特徴とする(1−3)記載の多孔性高分子ゲル材
料製造方法。
酸化ケイ素の代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用いた
ことを特徴とする(1−3)記載の多孔性高分子ゲル材
料製造方法。
【0243】(構成)実施例2が該当する。
【0244】(1−3)の粒子状物質を二酸化ケイ素の
代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用いて配合組成物を
構成する。ここで繊維状とは、細い糸状構造を有するこ
とをいい、太さに対して長さが10倍以上であるものを
指す。用いる繊維状の二酸化ケイ素としては、太さが5
μm以上であることが望ましい。繊維状の二酸化ケイ素
を溶解する溶媒には、フッ酸や強アルカリ水溶液を用い
る。
代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用いて配合組成物を
構成する。ここで繊維状とは、細い糸状構造を有するこ
とをいい、太さに対して長さが10倍以上であるものを
指す。用いる繊維状の二酸化ケイ素としては、太さが5
μm以上であることが望ましい。繊維状の二酸化ケイ素
を溶解する溶媒には、フッ酸や強アルカリ水溶液を用い
る。
【0245】(作用)(1)に記載した処理によって、
重合体から繊維状の二酸化ケイ素が溶出し、多孔質の高
分子ゲル材料が製造できる。繊維状物質が含まれていた
部分が空隙となり多孔質化するため、連続空孔の開いた
高分子ゲル材料となる。
重合体から繊維状の二酸化ケイ素が溶出し、多孔質の高
分子ゲル材料が製造できる。繊維状物質が含まれていた
部分が空隙となり多孔質化するため、連続空孔の開いた
高分子ゲル材料となる。
【0246】(効果)(1−3)と同様である。また、
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
【0247】(1−4−1) (1−3)記載の粒子状
の二酸化ケイ素の代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用
いたことを特徴とする(1−3−1)記載の多孔性高分
子ゲル材料製造用配合組成物。
の二酸化ケイ素の代わりに、繊維状の二酸化ケイ素を用
いたことを特徴とする(1−3−1)記載の多孔性高分
子ゲル材料製造用配合組成物。
【0248】(構成)実施例2が該当する。
【0249】(1−3−1)の粒子状の二酸化ケイ素の
代わりに繊維状の二酸化ケイ素を用いて配合組成物を構
成する。
代わりに繊維状の二酸化ケイ素を用いて配合組成物を構
成する。
【0250】(作用)(1−4)と同様である。
【0251】(効果)(1−1)と同様である。また、
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
【0252】(1−5) 該二酸化ケイ素が側鎖にビニ
ル基を有するシランカップリング剤で表面処理された二
酸化ケイ素であることを特徴とする(1−3)または
(1−4)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
ル基を有するシランカップリング剤で表面処理された二
酸化ケイ素であることを特徴とする(1−3)または
(1−4)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0253】(構成)実施例1が該当する。
【0254】(1−3)および(1−4)の二酸化ケイ
素を側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で表
面処理された二酸化ケイ素を用いて構成し、粒子状物質
を溶解する溶媒には、フッ酸を用いる。
素を側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で表
面処理された二酸化ケイ素を用いて構成し、粒子状物質
を溶解する溶媒には、フッ酸を用いる。
【0255】(作用)上記配合組成物に光を照射する
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体および二酸化ケイ素に表面処理されたシランカップ
リング剤のビニル基が3次元架橋した高分子が重合され
る。配合組成物に含まれた二酸化ケイ素は表面処理した
シランカップリング剤によって重合体と化学結合した状
態で存在する。また、二酸化ケイ素は重合に使用する光
の波長の透過率が高いため、ラジカル重合の阻害性は小
さい。該重合体をフッ酸水溶液に浸漬すると、重合体は
3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、二
酸化ケイ素が重合体から溶出する。二酸化ケイ素が全て
溶出されると、重合体は二酸化ケイ素が含まれていた部
分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲ
ルとなる材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体および二酸化ケイ素に表面処理されたシランカップ
リング剤のビニル基が3次元架橋した高分子が重合され
る。配合組成物に含まれた二酸化ケイ素は表面処理した
シランカップリング剤によって重合体と化学結合した状
態で存在する。また、二酸化ケイ素は重合に使用する光
の波長の透過率が高いため、ラジカル重合の阻害性は小
さい。該重合体をフッ酸水溶液に浸漬すると、重合体は
3次元架橋されているため膨潤するだけで溶解せず、二
酸化ケイ素が重合体から溶出する。二酸化ケイ素が全て
溶出されると、重合体は二酸化ケイ素が含まれていた部
分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高分子ゲ
ルとなる材料から構成されているため、多孔質の高分子
ゲル材料を得ることができる。
【0256】つまり、本発明の方法により、光照射によ
って多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能となる。
また、二酸化ケイ素は配合組成物の主成分である単量体
に比べ比重が重く沈殿しやすいが、側鎖にビニル基を有
するシランカップリング剤で表面処理することによって
単量体との相溶性が上がり、且つ側鎖にあるビニル基が
単量体と重合するため、二酸化ケイ素が重合体に化学結
合した重合物が形成できる。
って多孔性の高分子ゲル材料を得ることが可能となる。
また、二酸化ケイ素は配合組成物の主成分である単量体
に比べ比重が重く沈殿しやすいが、側鎖にビニル基を有
するシランカップリング剤で表面処理することによって
単量体との相溶性が上がり、且つ側鎖にあるビニル基が
単量体と重合するため、二酸化ケイ素が重合体に化学結
合した重合物が形成できる。
【0257】(効果)(1)と同様である。また、二酸
化ケイ素の沈殿が軽減され、均一に孔の開いた高分子ゲ
ル材料となる。
化ケイ素の沈殿が軽減され、均一に孔の開いた高分子ゲ
ル材料となる。
【0258】(1−5−1) 該二酸化ケイ素が側鎖に
ビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理され
た二酸化ケイ素であることを特徴とする(1−3−1)
または(1−4−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造
用配合組成物。
ビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理され
た二酸化ケイ素であることを特徴とする(1−3−1)
または(1−4−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造
用配合組成物。
【0259】(構成)実施例1が該当する。
【0260】(1−3−1)および(1−4−1)の二
酸化ケイ素を側鎖にビニル基を有するシランカップリン
グ剤で表面処理された二酸化ケイ素を用いて構成する。
酸化ケイ素を側鎖にビニル基を有するシランカップリン
グ剤で表面処理された二酸化ケイ素を用いて構成する。
【0261】(作用)(1−5)と同様である。
【0262】(効果)(1−3)および(1−4)と同
様である。また、二酸化ケイ素の沈殿が軽減され、均一
に孔の開いた高分子ゲル材料となる。
様である。また、二酸化ケイ素の沈殿が軽減され、均一
に孔の開いた高分子ゲル材料となる。
【0263】(1−6) 該粒子状物質の無機塩であ
り、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によっ
てラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
り、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によっ
てラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0264】(構成)実施例3が該当する。
【0265】(1)の粒子状物質を無機塩の中の1種あ
るいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を360n
m以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物と
する。無機塩としては、臭化カリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどがそれに値する。とくに、光透過
性の優れている臭化カリウムを用いることが望ましい。
また、360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物としては、例えば、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ
−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチル
アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチ
ル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,
6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、
などがそれに値する。また、1,3−ジ(t−ブチルジ
オキシカルボニル)ベンゼンや3,3′,4,4′−テ
トラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノンなどのパーオキシエステルに、チオピリリウム塩、
メロシアニン、キノリン、スチルキノリン系色素を混合
した物質を用いることもできる。
るいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を360n
m以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物と
する。無機塩としては、臭化カリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどがそれに値する。とくに、光透過
性の優れている臭化カリウムを用いることが望ましい。
また、360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物としては、例えば、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ
−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチル
アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチ
ル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,
6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、
などがそれに値する。また、1,3−ジ(t−ブチルジ
オキシカルボニル)ベンゼンや3,3′,4,4′−テ
トラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノンなどのパーオキシエステルに、チオピリリウム塩、
メロシアニン、キノリン、スチルキノリン系色素を混合
した物質を用いることもできる。
【0266】粒子状物質を溶解する溶媒には、水を用い
る。
る。
【0267】ラジカル重合に用いる光は、360nm以
上の波長を含んだ光が照射できる光源から照射する。例
えば、高圧水銀灯、キセノンランプなどがそれに値す
る。
上の波長を含んだ光が照射できる光源から照射する。例
えば、高圧水銀灯、キセノンランプなどがそれに値す
る。
【0268】(作用)(1)と同様である。
【0269】(効果)(1)と同様である。また、粒子
状物質が無機塩であるため、安価な材料で製造できる。
また、多孔質化に用いる溶媒が水であるため人体に害が
無く、安価での処理が可能となる。
状物質が無機塩であるため、安価な材料で製造できる。
また、多孔質化に用いる溶媒が水であるため人体に害が
無く、安価での処理が可能となる。
【0270】(1−6−1) 該粒子状物質が無機塩で
あり、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(1−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
あり、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(1−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
【0271】(構成)実施例3が該当する。
【0272】(1−1)の粒子状物質を無機塩の中の1
種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を36
0nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合
物とする。
種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を36
0nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合
物とする。
【0273】(作用)(1−1)と同様である。
【0274】(効果)(1−1)と同様である。また、
粒子状物質が無機塩であるため、安価な材料で製造でき
る。また、多孔質化に用いる溶媒が水であるため人体に
害が無く、安価での処理が可能となる。
粒子状物質が無機塩であるため、安価な材料で製造でき
る。また、多孔質化に用いる溶媒が水であるため人体に
害が無く、安価での処理が可能となる。
【0275】(1−7) 該無機塩が臭化カリウムであ
ることを特徴とする(1−6)記載の多孔性高分子ゲル
材料製造方法。
ることを特徴とする(1−6)記載の多孔性高分子ゲル
材料製造方法。
【0276】(構成)実施例3が該当する。
【0277】(1−6)の無機塩を臭化カリウムとす
る。
る。
【0278】(作用)(1−6)と同様である。
【0279】(効果)(1−6)と同様である。
【0280】(1−7−1) 該無機塩が臭化カリウム
であることを特徴とする(1−6−1)記載の多孔性高
分子ゲル材料製造用配合組成物。
であることを特徴とする(1−6−1)記載の多孔性高
分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0281】(構成)実施例3が該当する。
【0282】(1−6−1)の無機塩を臭化カリウムと
する。
する。
【0283】(作用)(1−6−1)と同様である。
【0284】(効果)(1−6−1)と同様である。
【0285】(2) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と水と光重合開始剤とを含有した組成物に、
前記組成物に可溶な粒子状物質を飽和量以上混合した配
合組成物を用い、該配合組成物に光照射を行って前記単
量体をラジカル重合させ、重合体を得る行程;前記粒子
状物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該
粒子状物質を溶解除去する行程;を具備することを特徴
とする多孔性高分子ゲル材料の製造方法。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と水と光重合開始剤とを含有した組成物に、
前記組成物に可溶な粒子状物質を飽和量以上混合した配
合組成物を用い、該配合組成物に光照射を行って前記単
量体をラジカル重合させ、重合体を得る行程;前記粒子
状物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該
粒子状物質を溶解除去する行程;を具備することを特徴
とする多孔性高分子ゲル材料の製造方法。
【0286】(構成)実施例4、5、6が該当する。
【0287】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体の構成は(1−1)
と同様である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体の構成は(1−1)
と同様である。
【0288】光重合開始剤は、360nm以上の波長の
光によってラジカルを発生する化合物が望ましい。例え
ば、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチ
オキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサン
トン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロ
ポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−
9−オンメソクロライド、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−
1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペ
ンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピ
ル−1−イル)チタニウム、などがそれに値する。ま
た、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベン
ゼンや3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエ
ステルに、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリ
ン、スチルキノリン系色素を混合した物質を用いること
もできる。特に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状
の光重合性開始剤の方が望ましい。
光によってラジカルを発生する化合物が望ましい。例え
ば、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチ
オキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサン
トン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロ
ポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−
9−オンメソクロライド、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−
1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペ
ンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピ
ル−1−イル)チタニウム、などがそれに値する。ま
た、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベン
ゼンや3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエ
ステルに、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリ
ン、スチルキノリン系色素を混合した物質を用いること
もできる。特に、水溶性の光重合開始剤か常温で液体状
の光重合性開始剤の方が望ましい。
【0289】水は特に限定されないが、蒸溜水やイオン
交換水の方が望ましい。水の配合比は、ラジカル重合性
の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体に対して80
wt%以下であることが望ましく、特に、50wt%以
下が望ましい、80wt%より多量の場合は、重合体の
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
交換水の方が望ましい。水の配合比は、ラジカル重合性
の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体に対して80
wt%以下であることが望ましく、特に、50wt%以
下が望ましい、80wt%より多量の場合は、重合体の
材料強度が弱くなるという問題が生じる。
【0290】配合組成物に可溶な粒子状物質は特に限定
されないが、中性の無機塩や光透過性を有する高分子が
望ましい。中性の無機塩としては、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、などの水
に溶解した際に一価のイオンになる無機塩が望ましい。
二価のイオンになる無機塩は、イオン基を有する単量体
を用いた場合、二価のイオン一つに対して二つの単量体
のイオン基がコンプレックスを形成する可能性があり、
重合体が膨潤しにくくなるという問題が生じる。酸性や
アルカリ性を示す無機物は、pHの影響によって重合が
阻害される可能性があるため、適した無機物ではない。
光透過性を有する高分子としては、紫外光の透過率の高
い樹脂が望ましい。
されないが、中性の無機塩や光透過性を有する高分子が
望ましい。中性の無機塩としては、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、などの水
に溶解した際に一価のイオンになる無機塩が望ましい。
二価のイオンになる無機塩は、イオン基を有する単量体
を用いた場合、二価のイオン一つに対して二つの単量体
のイオン基がコンプレックスを形成する可能性があり、
重合体が膨潤しにくくなるという問題が生じる。酸性や
アルカリ性を示す無機物は、pHの影響によって重合が
阻害される可能性があるため、適した無機物ではない。
光透過性を有する高分子としては、紫外光の透過率の高
い樹脂が望ましい。
【0291】粒子状物質の粒径は10〜1000μmの
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造した高分子
ゲル材料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくな
る、配合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じ
る。粒径が1000μmよりも大きい場合は、孔が大き
すぎて材料強度が弱くなるという問題も生じる。粒子状
物質は、樹脂材料配合組成物に対して飽和量以上の量を
混合する。粒子状物質の混合量は、配合組成物の主な原
料である単量体の種類や配合している水の量によって異
なる。粒子状物質として無機塩は水への溶解度が高く、
高分子は単量体への溶解度が高いため、含有する水の量
が少ない場合は無機塩を、多い場合は高分子を用いるこ
とが望ましい。粒子状物質を混合する割合は、飽和量以
上混合することによって生じた不溶な粒子状物質の量
が、10〜50vol%になるよう粒子状物質を混合す
ることが望ましく、特に20〜40vol%が望まし
い。10vol%以下の場合は孔と孔がつながらないた
め多孔質化する効果が小さくなる。50vol%よりも
多量の場合は孔が多量すぎて材料強度が弱くなるという
問題が生じる。
範囲の物が望ましく、特に50〜200μmの物が望ま
しい。粒径が10μm未満の場合では、製造した高分子
ゲル材料の孔が小さすぎて多孔質化する効果が小さくな
る、配合組成物の粘度が高くなる、などの問題が生じ
る。粒径が1000μmよりも大きい場合は、孔が大き
すぎて材料強度が弱くなるという問題も生じる。粒子状
物質は、樹脂材料配合組成物に対して飽和量以上の量を
混合する。粒子状物質の混合量は、配合組成物の主な原
料である単量体の種類や配合している水の量によって異
なる。粒子状物質として無機塩は水への溶解度が高く、
高分子は単量体への溶解度が高いため、含有する水の量
が少ない場合は無機塩を、多い場合は高分子を用いるこ
とが望ましい。粒子状物質を混合する割合は、飽和量以
上混合することによって生じた不溶な粒子状物質の量
が、10〜50vol%になるよう粒子状物質を混合す
ることが望ましく、特に20〜40vol%が望まし
い。10vol%以下の場合は孔と孔がつながらないた
め多孔質化する効果が小さくなる。50vol%よりも
多量の場合は孔が多量すぎて材料強度が弱くなるという
問題が生じる。
【0292】ラジカル重合に用いる光は、360nm以
上の波長を含んだ光が望ましい。例えば、高圧水銀灯、
キセノンランプなどを光源とした光がそれに値する。
上の波長を含んだ光が望ましい。例えば、高圧水銀灯、
キセノンランプなどを光源とした光がそれに値する。
【0293】該粒子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤す
る溶媒は、用いる粒子状物質によって選択する。該粒子
状物質が無機塩の場合は水を、高分子の場合は有機溶媒
を用いる。有機溶媒としては、テトラヒドロフランが最
も適しているが、その他、該高分子が可溶であれば、ア
ルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、などの有機溶媒を用いることもできる。しかし、ア
セトンは重合体が膨潤しないため適した溶媒ではない。
る溶媒は、用いる粒子状物質によって選択する。該粒子
状物質が無機塩の場合は水を、高分子の場合は有機溶媒
を用いる。有機溶媒としては、テトラヒドロフランが最
も適しているが、その他、該高分子が可溶であれば、ア
ルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、などの有機溶媒を用いることもできる。しかし、ア
セトンは重合体が膨潤しないため適した溶媒ではない。
【0294】(作用)上記配合組成物に光を照射する
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物
に含まれた粒子状物質は不活性であるため、重合された
高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造される。
また、粒子状物質は重合に使用する光の波長の透過率の
高いものを用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
さい。該重合体を粒子状物質が可溶な溶媒に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、粒子状物質および光重合開始剤が重合体から
溶出する。粒子状物質が全て溶出されると、重合体は粒
子状物質が含まれていた部分が空隙となり、多孔質とな
る。この重合体は高分子ゲルとなる材料から構成されて
いるため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。配合組成物
に含まれた粒子状物質は不活性であるため、重合された
高分子に物理的に含まれた状態の重合体が製造される。
また、粒子状物質は重合に使用する光の波長の透過率の
高いものを用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
さい。該重合体を粒子状物質が可溶な溶媒に浸漬する
と、重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、粒子状物質および光重合開始剤が重合体から
溶出する。粒子状物質が全て溶出されると、重合体は粒
子状物質が含まれていた部分が空隙となり、多孔質とな
る。この重合体は高分子ゲルとなる材料から構成されて
いるため、多孔質の高分子ゲル材料を得ることができ
る。
【0295】つまり、この手段によって光照射によって
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
【0296】(効果)(1)と同様である。また、
(1)の方法に比べ、配合組成物に水を含有しているた
め、常温で固体の単量体を用いることができ、材料の選
択の幅が広がる。また、水の混合率によって高分子ゲル
材料の3次元架橋構造を変えることが可能となる。
(1)の方法に比べ、配合組成物に水を含有しているた
め、常温で固体の単量体を用いることができ、材料の選
択の幅が広がる。また、水の混合率によって高分子ゲル
材料の3次元架橋構造を変えることが可能となる。
【0297】(2−1) 少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と水と光重合開始剤とを含有した組成物に、該組成
物に可溶な粒子状物質を飽和量以上混合したことを特徴
とする多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と水と光重合開始剤とを含有した組成物に、該組成
物に可溶な粒子状物質を飽和量以上混合したことを特徴
とする多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
【0298】(構成)実施例4、5、6が該当する。
【0299】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、水、光重合開始剤
を含有した組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質の構
成は(2)と同様である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、水、光重合開始剤
を含有した組成物と、該組成物に可溶な粒子状物質の構
成は(2)と同様である。
【0300】(作用)(2)と同様である。
【0301】(効果)(2)と同様である。また、この
配合組成物を用い、(2)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
配合組成物を用い、(2)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
【0302】(2−2) 該粒子状物質の粒径が10〜
1000μmであることを特徴とする、(2)記載の多
孔性高分子ゲル材料製造方法。
1000μmであることを特徴とする、(2)記載の多
孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0303】(構成)実施例4、5、6が該当する。
【0304】(2)の粒子状物質を粒径が10〜100
0μmの物から選択する。
0μmの物から選択する。
【0305】(作用)(2)と同様である。
【0306】(効果)(2)と同様。
【0307】(2−2−1) 該粒子状物質の粒径が1
0〜1000μmであることを特徴とする(2−1)記
載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
0〜1000μmであることを特徴とする(2−1)記
載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0308】(構成)実施例4、5、6が該当する。
【0309】(2−1)の粒子状物質を粒径が10〜1
000μmの物から選択する。
000μmの物から選択する。
【0310】(作用)(2−1)と同様である。
【0311】(効果)(2−1)と同様である。
【0312】(2−3) 該粒子状物質が水溶性で且つ
中性の無機塩であり、該光重合開始剤が360nm以上
の波長の光によってラジカルを発生する化合物であるこ
とを特徴とする(2)記載の多孔性高分子ゲル材料製造
方法。
中性の無機塩であり、該光重合開始剤が360nm以上
の波長の光によってラジカルを発生する化合物であるこ
とを特徴とする(2)記載の多孔性高分子ゲル材料製造
方法。
【0313】(構成)実施例4が該当する。
【0314】(2)の粒子状物質を中性の無機塩の中の
1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を3
60nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化
合物で構成する。粒子状物質を溶解する溶媒には水を用
いる。
1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤を3
60nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化
合物で構成する。粒子状物質を溶解する溶媒には水を用
いる。
【0315】(作用)(2)と同様である。また、無機
塩は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、360
nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合開始
剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小い。
塩は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、360
nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合開始
剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小い。
【0316】(効果)(2)と同様である。無機塩は3
60nmより短い波長域に吸収を有するため、光重合開
始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物にすることによって、重合の阻害を軽減で
きる。また、粒子状物質が無機塩であるため、安価な材
料で製造できる。また、多孔質化に用いる溶媒が水であ
るため人体に害が無く、安価での処理が可能となる。
60nmより短い波長域に吸収を有するため、光重合開
始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物にすることによって、重合の阻害を軽減で
きる。また、粒子状物質が無機塩であるため、安価な材
料で製造できる。また、多孔質化に用いる溶媒が水であ
るため人体に害が無く、安価での処理が可能となる。
【0317】(2−3−1) 該粒子状物質が水溶性で
且つ中性の無機塩であり、該光重合開始剤が360nm
以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物であ
ることを特徴とする(2−1)記載の多孔性高分子ゲル
材料製造用配合組成物。
且つ中性の無機塩であり、該光重合開始剤が360nm
以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物であ
ることを特徴とする(2−1)記載の多孔性高分子ゲル
材料製造用配合組成物。
【0318】(構成)実施例4が該当する。
【0319】(2−1)の粒子状物質を中性の無機塩の
中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤
を360nm以上の波長の光によってラジカルを発生す
る化合物で構成する。
中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合開始剤
を360nm以上の波長の光によってラジカルを発生す
る化合物で構成する。
【0320】(作用)(2−1)と同様である。また、
無機塩は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、3
60nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合
開始剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
い。
無機塩は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、3
60nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合
開始剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
い。
【0321】(効果)(2−1)と同様である。無機塩
は360nmより短い波長域に吸収を有するため、光重
合開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカル
を発生する化合物にすることによって、重合の阻害を軽
減できる。また、粒子状物質が無機塩であるため、安価
な材料で製造できる。また、多孔質化に用いる溶媒が水
であるため人体に害が無く、安価での処理が可能とな
る。
は360nmより短い波長域に吸収を有するため、光重
合開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカル
を発生する化合物にすることによって、重合の阻害を軽
減できる。また、粒子状物質が無機塩であるため、安価
な材料で製造できる。また、多孔質化に用いる溶媒が水
であるため人体に害が無く、安価での処理が可能とな
る。
【0322】(2−4) 該粒子状物質が高分子であ
り、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によっ
てラジカルを発生する化合物であることを特徴とする、
(2)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
り、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によっ
てラジカルを発生する化合物であることを特徴とする、
(2)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0323】(構成)実施例5が該当する。
【0324】(2)の粒子状物質を光透過性を有する高
分子の中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合
開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを
発生する化合物で構成する。光透過性を有する高分子と
しては、360nm以上の波長の光の透過率が高く、有
機溶媒に溶解する物質の中から選択される。例えば、ア
クリル樹脂、ポリスチレン、透明ABS樹脂、透明ナイ
ロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、などがそれ
に値する。
分子の中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重合
開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを
発生する化合物で構成する。光透過性を有する高分子と
しては、360nm以上の波長の光の透過率が高く、有
機溶媒に溶解する物質の中から選択される。例えば、ア
クリル樹脂、ポリスチレン、透明ABS樹脂、透明ナイ
ロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、などがそれ
に値する。
【0325】粒子状物質を溶解する溶媒には、有機溶媒
を用いる。
を用いる。
【0326】ラジカル重合に用いる光は、光重合開始剤
がラジカルを発生する360nm以上の波長の光を含ん
だ光が照射できる光源から照射する。例えば、高圧水銀
灯、キセノンランプなどがそれに値する。
がラジカルを発生する360nm以上の波長の光を含ん
だ光が照射できる光源から照射する。例えば、高圧水銀
灯、キセノンランプなどがそれに値する。
【0327】(作用)(2)と同様である。また、高分
子は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、360
nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合開始
剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小い。
子は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、360
nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合開始
剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小い。
【0328】(効果)(2)と同様である。高分子は3
60nmより短い波長域に吸収を有するため、光重合開
始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物にすることによって、粒子状物質として用
いる高分子の選択の幅が広がり、微粒子を混合すること
による重合の阻害を軽減できる。また、配合組成物の水
の含有量が多い場合、(2−3)の無機塩に比べ混合す
る高分子の量が微量であっても飽和状態に達するため、
混合する粒子状物質の量が少なくできる。
60nmより短い波長域に吸収を有するため、光重合開
始剤を360nm以上の波長の光によってラジカルを発
生する化合物にすることによって、粒子状物質として用
いる高分子の選択の幅が広がり、微粒子を混合すること
による重合の阻害を軽減できる。また、配合組成物の水
の含有量が多い場合、(2−3)の無機塩に比べ混合す
る高分子の量が微量であっても飽和状態に達するため、
混合する粒子状物質の量が少なくできる。
【0329】(2−4−1) 該粒子状物質が高分子で
あり、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(2−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
あり、該光重合開始剤が360nm以上の波長の光によ
ってラジカルを発生する化合物であることを特徴とする
(2−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
【0330】(構成)実施例5が該当する。
【0331】(2−1)の粒子状物質を透過性を有する
高分子の中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重
合開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカル
を発生する化合物で構成する。
高分子の中の1種あるいは複数種を用いて構成し、光重
合開始剤を360nm以上の波長の光によってラジカル
を発生する化合物で構成する。
【0332】(作用)(2−1)と同様である。また、
高分子は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、3
60nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合
開始剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
い。
高分子は350nm以下の紫外域に吸収を有するが、3
60nm以上のに仮によってラジカルを発生する光重合
開始剤を用いているため、ラジカル重合の阻害性は小
い。
【0333】(効果)(2−1)と同様である。高分子
は、360nmより短い波長域に大きな吸収を有するた
め、光重合開始剤を360nm以上の波長の光によって
ラジカルを発生する化合物にすることによって、粒子状
物質として用いる高分子の選択の幅が広がり、微粒子を
混合することによる重合の阻害を軽減できる。また、配
合組成物の水の含有量が多い場合、(2−3−1)の無
機塩に比べ混合する高分子の量が微量であっても飽和状
態に達するため、混合する粒子状物質の量が少なくでき
る。
は、360nmより短い波長域に大きな吸収を有するた
め、光重合開始剤を360nm以上の波長の光によって
ラジカルを発生する化合物にすることによって、粒子状
物質として用いる高分子の選択の幅が広がり、微粒子を
混合することによる重合の阻害を軽減できる。また、配
合組成物の水の含有量が多い場合、(2−3−1)の無
機塩に比べ混合する高分子の量が微量であっても飽和状
態に達するため、混合する粒子状物質の量が少なくでき
る。
【0334】(2−5) (2−4)記載の粒子状高分
子の代わりに、繊維状高分子を用いたことを特徴とする
(2−4)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
子の代わりに、繊維状高分子を用いたことを特徴とする
(2−4)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0335】(構成)実施例6が該当する。
【0336】(2−4)記載の粒子状高分子の代わり
に、繊維状高分子を用いて配合組成物を構成する。ここ
で繊維状とは、細い糸状のことであり、太さに対して長
さが10倍以上であるものを指す。用いる繊維状の高分
子としては、太さが5μm以上であることが望ましい。
該高分子を溶解する溶媒には、有機溶媒を用いる。
に、繊維状高分子を用いて配合組成物を構成する。ここ
で繊維状とは、細い糸状のことであり、太さに対して長
さが10倍以上であるものを指す。用いる繊維状の高分
子としては、太さが5μm以上であることが望ましい。
該高分子を溶解する溶媒には、有機溶媒を用いる。
【0337】(作用)(2)に記載した処理によって、
重合体から繊維状高分子が溶出し、多孔質の高分子ゲル
材料が製造できる。繊維状物質が含まれていた部分が空
隙となり多孔質化するため、連続空孔の開いた高分子ゲ
ル材料となる。
重合体から繊維状高分子が溶出し、多孔質の高分子ゲル
材料が製造できる。繊維状物質が含まれていた部分が空
隙となり多孔質化するため、連続空孔の開いた高分子ゲ
ル材料となる。
【0338】(効果)(2−4)と同様である。また、
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答速度
がさらに高速化できる。
【0339】(2−5−1) (2−4−1)記載の粒
子状高分子の代わりに、繊維状高分子を用いたことを特
徴とする、(2−4−1)記載の多孔性高分子ゲル材料
製造用配合組成物。
子状高分子の代わりに、繊維状高分子を用いたことを特
徴とする、(2−4−1)記載の多孔性高分子ゲル材料
製造用配合組成物。
【0340】(構成)実施例6が該当する。
【0341】(2−4−1)記載の粒子状高分子の代わ
りに、繊維状高分子を用いて配合組成物を構成する。
りに、繊維状高分子を用いて配合組成物を構成する。
【0342】(作用)(2−4)と同様である。
【0343】(効果)(2−4−1)と同様である。ま
た、高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答
速度がさらに高速化できる。
た、高分子ゲル材料に連続空孔が開いているため、応答
速度がさらに高速化できる。
【0344】(3) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、紫外
光によって分解する化合物を混合した配合組成物を用
い、該配合組成物に紫外光照射を行って、前記単量体を
ラジカル重合せしめる工程と;該ラジカル重合と同時に
紫外線照射によって該紫外光によって分解する化合物を
分解させる工程;を具備した多孔性高分子ゲル材料の製
造方法。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、紫外
光によって分解する化合物を混合した配合組成物を用
い、該配合組成物に紫外光照射を行って、前記単量体を
ラジカル重合せしめる工程と;該ラジカル重合と同時に
紫外線照射によって該紫外光によって分解する化合物を
分解させる工程;を具備した多孔性高分子ゲル材料の製
造方法。
【0345】(構成)実施例7、8、9が該当する。
【0346】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構
成は(1−1)と同様である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構
成は(1−1)と同様である。
【0347】紫外光によって分解する化合物には、紫外
光の照射によって分解して低分子化する有機高分子化合
物、または、紫外光によって分解して気体を発生する化
合物、または、紫外光の照射によって分解して低分子化
し且つ気体を発生する有機高分子化合物の中から選択さ
れる。紫外光の照射によって分解して低分子化する有機
高分子化合物としては、例えば、ポリ(o−ニトロベン
ズアルデヒドグリコールアセタール)がそれに値する。
紫外光の照射によって分解して気体を発生する化合物と
しては、例えば、ナフトキノンジアジド誘導体、テトラ
ジアゾニウム塩、などがそれに値する。紫外光の照射に
よって分解して低分子化し且つ気体を発生する有機高分
子化合物としては、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルイソプロペニルケトンなどがそれに値す
る。
光の照射によって分解して低分子化する有機高分子化合
物、または、紫外光によって分解して気体を発生する化
合物、または、紫外光の照射によって分解して低分子化
し且つ気体を発生する有機高分子化合物の中から選択さ
れる。紫外光の照射によって分解して低分子化する有機
高分子化合物としては、例えば、ポリ(o−ニトロベン
ズアルデヒドグリコールアセタール)がそれに値する。
紫外光の照射によって分解して気体を発生する化合物と
しては、例えば、ナフトキノンジアジド誘導体、テトラ
ジアゾニウム塩、などがそれに値する。紫外光の照射に
よって分解して低分子化し且つ気体を発生する有機高分
子化合物としては、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルイソプロペニルケトンなどがそれに値す
る。
【0348】紫外線によって分解する化合物の含有量は
20〜50vol%であることが望ましく、特に20〜
40vol%が望ましい。20vol%以下の場合は孔
と孔がつながらないため多孔質化する効果が小さくな
る。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。
20〜50vol%であることが望ましく、特に20〜
40vol%が望ましい。20vol%以下の場合は孔
と孔がつながらないため多孔質化する効果が小さくな
る。50vol%よりも多量の場合は孔が多量すぎて材
料強度が弱くなるという問題が生じる。
【0349】ラジカル重合に用いる光は、光重合開始剤
がラジカルを発生する波長と、紫外光によって分解する
化合物を分解できる波長とを共に含んだ光が照射できる
光源から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によっ
てラジカル発生する物がほとんどであるため、紫外線を
照射できる光源が望ましい。例えば、deepUVラン
プ、高圧水銀灯がそれに値する。
がラジカルを発生する波長と、紫外光によって分解する
化合物を分解できる波長とを共に含んだ光が照射できる
光源から照射する。一般の光重合開始剤は紫外線によっ
てラジカル発生する物がほとんどであるため、紫外線を
照射できる光源が望ましい。例えば、deepUVラン
プ、高圧水銀灯がそれに値する。
【0350】紫外線によって分解された化合物は、溶媒
によって溶出除去する。分解された化合物を溶解する溶
媒には、テトラヒドロフランやアルコールなどの有機溶
媒、または、強酸性や強アルカリ性を示す水溶液を用い
る。
によって溶出除去する。分解された化合物を溶解する溶
媒には、テトラヒドロフランやアルコールなどの有機溶
媒、または、強酸性や強アルカリ性を示す水溶液を用い
る。
【0351】(作用)上記配合組成物に光を照射する
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。それと同時
に、配合組成物に含まれた紫外光によって分解する化合
物が分解される。
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。それと同時
に、配合組成物に含まれた紫外光によって分解する化合
物が分解される。
【0352】紫外光の照射によって分解して低分子化す
る有機高分子化合物を用いた場合、分解することによっ
て溶媒への溶解性が高くなり、分解された化合物が可溶
で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬すると重合体から溶
出する。重合体は3次元架橋されているため膨潤するだ
けで溶解しないため、分解された化合物が含まれていた
部分が空隙となり、多孔質となる。
る有機高分子化合物を用いた場合、分解することによっ
て溶媒への溶解性が高くなり、分解された化合物が可溶
で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬すると重合体から溶
出する。重合体は3次元架橋されているため膨潤するだ
けで溶解しないため、分解された化合物が含まれていた
部分が空隙となり、多孔質となる。
【0353】紫外光の照射によって分解して気体を発生
する化合物を用いた場合、生じた気体が重合体に空隙を
作り、多孔質となる。
する化合物を用いた場合、生じた気体が重合体に空隙を
作り、多孔質となる。
【0354】紫外光の照射によって分解して低分子化し
且つ気体を発生する有機高分子化合物を用いた場合は、
上記二つの作用によって、発生した気体によってできた
空隙と分解された化合物が溶出してできた空隙とによっ
て、重合体が多孔質となる。
且つ気体を発生する有機高分子化合物を用いた場合は、
上記二つの作用によって、発生した気体によってできた
空隙と分解された化合物が溶出してできた空隙とによっ
て、重合体が多孔質となる。
【0355】この重合体は高分子ゲルとなる材料から構
成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ること
ができる。
成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ること
ができる。
【0356】つまり、この手段によって光照射によって
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
【0357】(効果)(1)と同様である。また、紫外
光によって分解する化合物は、(1)および(2)のよ
うな固形の微粒子に比べ、高分子ゲル材料を構成する単
量体との相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が生
じにくく取り扱いが容易となる。
光によって分解する化合物は、(1)および(2)のよ
うな固形の微粒子に比べ、高分子ゲル材料を構成する単
量体との相溶性・分散性に優れているため、沈殿物が生
じにくく取り扱いが容易となる。
【0358】(3−1) 少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、紫外光によ
って分解する化合物を混合したことを特徴とする多孔性
高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、紫外光によ
って分解する化合物を混合したことを特徴とする多孔性
高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
【0359】(構成)実施例7、8、9が該当する。
【0360】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物の構成は(3)と同様であ
る。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤、紫
外光によって分解する化合物の構成は(3)と同様であ
る。
【0361】(作用)(3)と同様である。
【0362】(効果)(3)と同様である。また、この
配合組成物を用いて(3)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
配合組成物を用いて(3)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
【0363】(3−2) 該紫外線によって分解する化
合物の含有量は20〜50vol%であることを特徴と
する(3)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
合物の含有量は20〜50vol%であることを特徴と
する(3)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0364】(構成)実施例7、8、9が該当する。
【0365】(3)の紫外線によって分解する化合物の
含有量を20〜50vol%とする。
含有量を20〜50vol%とする。
【0366】(作用)(3)と同様である。
【0367】(効果)(3)と同様である。
【0368】(3−2−1) 該紫外線によって分解す
る化合物の含有量は20〜50vol%であることを特
徴とする(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用
配合組成物。
る化合物の含有量は20〜50vol%であることを特
徴とする(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用
配合組成物。
【0369】(構成)実施例7、8、9が該当する。
【0370】(3−1)の紫外線によって分解する化合
物の含有量を20〜50vol%とする。
物の含有量を20〜50vol%とする。
【0371】(作用)(3−1)と同様である。
【0372】(効果)(3−1)と同様である。
【0373】(3−3) 該紫外線によって分解する化
合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され
低分子化する有機高分子であることを特徴とする(3)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され
低分子化する有機高分子であることを特徴とする(3)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0374】(構成)実施例7、9が該当する。
【0375】(3)の紫外線によって分解する化合物を
紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分子化
する有機高分子を用いて構成する。
紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分子化
する有機高分子を用いて構成する。
【0376】(作用)(3)と同様である。
【0377】(効果)(3)と同様である。
【0378】(3−3−1) 該紫外線によって分解す
る化合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断
され低分子化する有機高分子であることを特徴とする
(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
る化合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断
され低分子化する有機高分子であることを特徴とする
(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
【0379】(構成)実施例7、9が該当する。
【0380】(3−1)の紫外線によって分解する化合
物を紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分
子化する有機高分子を用いて構成する。
物を紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分
子化する有機高分子を用いて構成する。
【0381】(作用)(3−1)と同様である。
【0382】(効果)(3−1)と同様である。
【0383】(3−4) 該紫外線によって分解する化
合物が、紫外線照射によって気体を発生する化合物であ
ることを特徴とする(3)記載の多孔性高分子ゲル材料
製造方法。
合物が、紫外線照射によって気体を発生する化合物であ
ることを特徴とする(3)記載の多孔性高分子ゲル材料
製造方法。
【0384】(構成)実施例8、9が該当する。
【0385】(3)の紫外線によって分解する化合物を
紫外線照射によって気体を発生する化合物を用いて構成
する。
紫外線照射によって気体を発生する化合物を用いて構成
する。
【0386】(作用)(3)と同様である。
【0387】(効果)(3)と同様である。
【0388】(3−4−1) 該紫外線によって分解す
る化合物が、紫外線照射によって気体を発生する化合物
であることを特徴とする(3−1)記載の多孔性高分子
ゲル材料製造用配合組成物。
る化合物が、紫外線照射によって気体を発生する化合物
であることを特徴とする(3−1)記載の多孔性高分子
ゲル材料製造用配合組成物。
【0389】(構成)実施例8、9が該当する。
【0390】(3−1)の紫外線によって分解する化合
物を紫外線照射によって気体を発生する化合物を用いて
構成する。
物を紫外線照射によって気体を発生する化合物を用いて
構成する。
【0391】(作用)(3−1)と同様である。
【0392】(効果)(3−1)と同様である。
【0393】(3−5) 該紫外線によって分解する化
合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され
低分子化し、且つ気体を発生する有機高分子であること
を特徴とする(3)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方
法。
合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され
低分子化し、且つ気体を発生する有機高分子であること
を特徴とする(3)記載の多孔性高分子ゲル材料製造方
法。
【0394】(構成)実施例9が該当する。
【0395】(3)の紫外線によって分解する化合物を
紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分子化
し、且つ気体を発生する有機高分子を用いて構成する。
紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分子化
し、且つ気体を発生する有機高分子を用いて構成する。
【0396】(作用)(3)と同様である。
【0397】(効果)(3)と同様。
【0398】(3−5−1) 該紫外線によって分解す
る化合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断
され低分子化し、且つ気体を発生する有機高分子である
ことを特徴とする(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材
料製造用配合組成物。
る化合物が、紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断
され低分子化し、且つ気体を発生する有機高分子である
ことを特徴とする(3−1)記載の多孔性高分子ゲル材
料製造用配合組成物。
【0399】(構成)実施例9が該当する。
【0400】(3−1)の紫外線によって分解する化合
物を紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分
子化し、且つ気体を発生する有機高分子を用いて構成す
る。
物を紫外線照射によって高分子の分子鎖が切断され低分
子化し、且つ気体を発生する有機高分子を用いて構成す
る。
【0401】(作用)(3−1)と同様である。
【0402】(効果)(3−1)と同様である。
【0403】(4) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、70
0nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素と100
℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型発泡剤とを
混合した配合組成物を用い、該配合組成物に光照射を行
って前記単量体をラジカル重合させる工程と;該重合と
同時に光の照射熱および/または重合の反応熱によって
前記発泡剤を発泡させる工程;を具備したことを特徴と
する多孔性高分子ゲル材料の製造方法。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカ
ル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水
性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、70
0nm以上の波長領域に吸収極大を有する色素と100
℃より低温で熱分解し気体を発生する分解型発泡剤とを
混合した配合組成物を用い、該配合組成物に光照射を行
って前記単量体をラジカル重合させる工程と;該重合と
同時に光の照射熱および/または重合の反応熱によって
前記発泡剤を発泡させる工程;を具備したことを特徴と
する多孔性高分子ゲル材料の製造方法。
【0404】(構成)実施例10が該当する。
【0405】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構
成は(1−1)と同様である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構
成は(1−1)と同様である。
【0406】700nm以上の波長領域に吸収極大を有
する色素は、配合組成物に可溶な色素の中から選択され
る。例えば、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チオ
ピリリウム系色素、スクワリウム系色素、クロコニウム
系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、
ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、インドフェノール系色素、アゾ系色
素、などの色素の中から選択される。色素の含有量は、
1〜5wt%の範囲であることが望ましい。
する色素は、配合組成物に可溶な色素の中から選択され
る。例えば、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チオ
ピリリウム系色素、スクワリウム系色素、クロコニウム
系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、
ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、インドフェノール系色素、アゾ系色
素、などの色素の中から選択される。色素の含有量は、
1〜5wt%の範囲であることが望ましい。
【0407】100℃より低温で熱分解し気体を発生す
る分解型発泡剤は、例えば、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N′−ジメチル−N,
N′−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
などから選択される。熱によって沸騰させ気体を発生さ
せる溶剤型発泡剤は、溶媒の蒸発によって配合組成物の
溶媒組成が変化するため、均一な3次元網目構造が製造
しにくいので適した発泡剤ではない。また、高分子ゲル
材料の配合組成物は水を混合して調製する場合が多いた
め、発泡剤の分解温度は水が蒸発しない温度、つまり1
00℃より低い温度とする必要がある。発泡剤の含有量
は0.5〜5wt%で有ることが望ましい。
る分解型発泡剤は、例えば、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N′−ジメチル−N,
N′−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
などから選択される。熱によって沸騰させ気体を発生さ
せる溶剤型発泡剤は、溶媒の蒸発によって配合組成物の
溶媒組成が変化するため、均一な3次元網目構造が製造
しにくいので適した発泡剤ではない。また、高分子ゲル
材料の配合組成物は水を混合して調製する場合が多いた
め、発泡剤の分解温度は水が蒸発しない温度、つまり1
00℃より低い温度とする必要がある。発泡剤の含有量
は0.5〜5wt%で有ることが望ましい。
【0408】ラジカル重合に用いる光は、光重合開始剤
がラジカルを発生する波長と、色素が吸収性を有する7
00nm以上の波長とを共に含んだ光が照射できる光源
から照射する。例えば、高圧水銀灯、キセノンランプ等
が望ましい。
がラジカルを発生する波長と、色素が吸収性を有する7
00nm以上の波長とを共に含んだ光が照射できる光源
から照射する。例えば、高圧水銀灯、キセノンランプ等
が望ましい。
【0409】(作用)上記配合組成物に光を照射する
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。色素は、近
赤外域の光を吸収して熱エネルギーに変える働きをす
る。配合組成物に含まれた発泡剤は、近赤外域の光を吸
収したことによって生じた熱と反応熱によって熱分解さ
れ気体を発生し、生じた気体が重合体に空隙を作り多孔
質となる。
と、光重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体が3次元架橋した高分子が重合される。色素は、近
赤外域の光を吸収して熱エネルギーに変える働きをす
る。配合組成物に含まれた発泡剤は、近赤外域の光を吸
収したことによって生じた熱と反応熱によって熱分解さ
れ気体を発生し、生じた気体が重合体に空隙を作り多孔
質となる。
【0410】この重合体は高分子ゲルとなる材料から構
成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ること
ができる。
成されているため、多孔質の高分子ゲル材料を得ること
ができる。
【0411】つまり、この手段によって光照射によって
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
【0412】(効果)(1)と同様。また、(1)およ
び(2)のように重合体に含まれた微粒子を溶出して多
孔質とする方法に比べ、重合と同時に多孔質とすること
が可能となる。
び(2)のように重合体に含まれた微粒子を溶出して多
孔質とする方法に比べ、重合と同時に多孔質とすること
が可能となる。
【0413】(4−1) 少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、近赤外域に
吸収を有する色素と発泡剤とを混合したことを特徴とす
る多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、近赤外域に
吸収を有する色素と発泡剤とを混合したことを特徴とす
る多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物。
【0414】(構成)実施例10が該当する。
【0415】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有する
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、近赤外域に吸収を
有する色素、発泡剤、の構成は(4)と同様である。
水溶性の単量体、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体、近赤外域に吸収を
有する色素、発泡剤、の構成は(4)と同様である。
【0416】(作用)(4)と同様である。
【0417】(効果)(4)と同様である。また、この
配合組成物を用いて(4)に記載の方法で光照射するこ
とによって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可
能となる。
配合組成物を用いて(4)に記載の方法で光照射するこ
とによって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可
能となる。
【0418】(4−2) 該色素の含有量が1〜5wt
%であり、該発泡剤の含有量が0.5〜2wt%で有る
ことを特徴とする(4)記載の多孔性高分子ゲル材料製
造方法。
%であり、該発泡剤の含有量が0.5〜2wt%で有る
ことを特徴とする(4)記載の多孔性高分子ゲル材料製
造方法。
【0419】(構成)実施例10が該当する。
【0420】(4)の色素の含有量を1〜5wt%、発
泡剤の含有量が0.5〜5wt%とする。
泡剤の含有量が0.5〜5wt%とする。
【0421】(作用)(4)と同様である。
【0422】(効果)(4)と同様である。
【0423】(4−2−1) 該色素の含有量が1〜5
wt%であり、該発泡剤の含有量が0.5〜2wt%で
有ることを特徴とする(4−1)記載の多孔性高分子ゲ
ル材料製造用配合組成物。
wt%であり、該発泡剤の含有量が0.5〜2wt%で
有ることを特徴とする(4−1)記載の多孔性高分子ゲ
ル材料製造用配合組成物。
【0424】(構成)実施例10が該当する。
【0425】(4−1)の色素の含有量を1〜5wt
%、発泡剤の含有量を0.5〜5wt%とする。
%、発泡剤の含有量を0.5〜5wt%とする。
【0426】(作用)(4−1)と同様である。
【0427】(効果)(4−1)と同様である。
【0428】(5) 化学エネルギーを力学エネルギー
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有し、且つイオン基を1つ以上
有する単量体と、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と、光重合開始剤と
を含有した組成物に、前記イオン基を1つ以上有する単
量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性
剤を混合し、ミセルを形成させる工程;該ミセルに光照
射を行い、前記単量体をラジカル重合させ、重合体を得
る工程;得られた重合体を強酸あるいは強塩基性の水溶
液に浸漬して前記界面活性剤を溶出除去する工程;を具
備したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料の製造方
法。
に変換するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分
子ゲル材料の製造方法において、少なくともラジカル重
合性の官能基を1つ以上有し、且つイオン基を1つ以上
有する単量体と、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有
する水溶性若しくは親水性の単量体と、光重合開始剤と
を含有した組成物に、前記イオン基を1つ以上有する単
量体のイオン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性
剤を混合し、ミセルを形成させる工程;該ミセルに光照
射を行い、前記単量体をラジカル重合させ、重合体を得
る工程;得られた重合体を強酸あるいは強塩基性の水溶
液に浸漬して前記界面活性剤を溶出除去する工程;を具
備したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料の製造方
法。
【0429】(構成)実施例11が該当する。
【0430】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有し且
つイオン基を1つ以上有する単量体は、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基、3級アミン、水酸化4級
アミン、スルホニウム基などのイオン基を有し、少なく
とも1個以上のラジカル重合性官能基を有する単量体の
中から選択される。例えば、(メタ)アクリル酸、ビニ
ル酢酸、スチレンスルホン酸、無水マレイン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド、2−アクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3
−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライドなどがそれに値する。
つイオン基を1つ以上有する単量体は、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基、3級アミン、水酸化4級
アミン、スルホニウム基などのイオン基を有し、少なく
とも1個以上のラジカル重合性官能基を有する単量体の
中から選択される。例えば、(メタ)アクリル酸、ビニ
ル酢酸、スチレンスルホン酸、無水マレイン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド、2−アクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3
−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライドなどがそれに値する。
【0431】ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する
水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構成、
および、配合比は(1)と同様である。
水溶性若しくは親水性の単量体、光重合開始剤の構成、
および、配合比は(1)と同様である。
【0432】単量体のイオン基と反対電荷のイオン基を
有する界面活性剤は、単量体のイオン基がカチオン性の
場合はアニオン性の界面活性剤を、単量体のイオン基が
アニオン性で有ればカチオン性の界面活性剤を用いる。
アニオン性の界面活性剤としては、例えば、ミリスチン
酸カリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カリウ
ム、などの側鎖にカルボキシル基を有する界面活性剤
や、アルキルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、などの側鎖にスルホン酸基を有する界面
活性剤がそれに値する。カチオン性の界面活性剤として
は、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、
などの側鎖に4級アンモニウム塩を有する界面活性剤が
それに値する。界面活性剤の含有量は、ラジカル重合性
の官能基を1つ以上有し且つイオン基を1つ以上有する
単量体よりも微量であることが望ましく、特に、0.0
1〜20wt%であることが望ましい。単量体よりも微
量の界面活性剤の混合によって、界面活性剤はミセルを
形成する。
有する界面活性剤は、単量体のイオン基がカチオン性の
場合はアニオン性の界面活性剤を、単量体のイオン基が
アニオン性で有ればカチオン性の界面活性剤を用いる。
アニオン性の界面活性剤としては、例えば、ミリスチン
酸カリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カリウ
ム、などの側鎖にカルボキシル基を有する界面活性剤
や、アルキルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、などの側鎖にスルホン酸基を有する界面
活性剤がそれに値する。カチオン性の界面活性剤として
は、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、
などの側鎖に4級アンモニウム塩を有する界面活性剤が
それに値する。界面活性剤の含有量は、ラジカル重合性
の官能基を1つ以上有し且つイオン基を1つ以上有する
単量体よりも微量であることが望ましく、特に、0.0
1〜20wt%であることが望ましい。単量体よりも微
量の界面活性剤の混合によって、界面活性剤はミセルを
形成する。
【0433】ラジカル重合に用いる光は、(1)と同様
である。
である。
【0434】該界面活性剤を溶出除去する溶液は、強酸
または強アルカリの水溶液を用いる。
または強アルカリの水溶液を用いる。
【0435】(作用)上記組成物中には、イオン基を有
する単量体とコンプレックスを形成した界面活性剤がミ
セルを形成して存在する。
する単量体とコンプレックスを形成した界面活性剤がミ
セルを形成して存在する。
【0436】上記配合組成物に光を照射すると、光重合
開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の官能基を1
つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基
を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体が3次
元架橋した高分子が重合される。配合組成物に含まれた
界面活性剤は不活性であるため、重合された高分子にミ
セルのまま含まれた状態の重合体が製造される。該重合
体を強酸または強アルカリの水溶液に浸漬すると、コン
プレックスが解離され、界面活性剤が重合体から溶出す
る。重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、重合体は界面活性剤がミセルとして含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲルとなる材料から構成されているため、多孔質の
高分子ゲル材料を得ることができる。
開始剤がラジカルを発生しラジカル重合性の官能基を1
つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基
を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体が3次
元架橋した高分子が重合される。配合組成物に含まれた
界面活性剤は不活性であるため、重合された高分子にミ
セルのまま含まれた状態の重合体が製造される。該重合
体を強酸または強アルカリの水溶液に浸漬すると、コン
プレックスが解離され、界面活性剤が重合体から溶出す
る。重合体は3次元架橋されているため膨潤するだけで
溶解せず、重合体は界面活性剤がミセルとして含まれて
いた部分が空隙となり、多孔質となる。この重合体は高
分子ゲルとなる材料から構成されているため、多孔質の
高分子ゲル材料を得ることができる。
【0437】つまり、この手段によって光照射によって
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能となる。
【0438】(効果)(1)と同様である。また、界面
活性剤は液体であるため、(1)および(2)のような
固形の微粒子に比べ、高分子ゲル材料を構成する単量体
との相溶性・分散性に優れており、均一な多孔質の形成
が可能である。
活性剤は液体であるため、(1)および(2)のような
固形の微粒子に比べ、高分子ゲル材料を構成する単量体
との相溶性・分散性に優れており、均一な多孔質の形成
が可能である。
【0439】(5−1) 少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ有し、且つイオン基を1つ以上有する単量
体と、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性
若しくは親水性の単量体と、光重合開始剤とを含有した
組成物に、前記イオン基を1つ以上有する単量体のイオ
ン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性剤を混合し
たことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製造用の配合
組成物。
官能基を1つ有し、且つイオン基を1つ以上有する単量
体と、ラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性
若しくは親水性の単量体と、光重合開始剤とを含有した
組成物に、前記イオン基を1つ以上有する単量体のイオ
ン基と反対電荷のイオン基を有する界面活性剤を混合し
たことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製造用の配合
組成物。
【0440】(構成)実施例11が該当する。
【0441】ラジカル重合性の官能基を1つ以上有し、
且つイオン基を1つ以上有する単量体、ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、イオン基を1つ以上有する単量体のイオン基と反対
電荷のイオン基を有する界面活性剤の構成は(5)と同
様である。
且つイオン基を1つ以上有する単量体、ラジカル重合性
の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量
体、イオン基を1つ以上有する単量体のイオン基と反対
電荷のイオン基を有する界面活性剤の構成は(5)と同
様である。
【0442】(作用)(5)と同様である。
【0443】(効果)(5)と同様である。また、この
配合組成物を用いて(5)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
配合組成物を用いて(5)記載の方法で光照射すること
によって多孔性の高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
【0444】(5−2) 該界面活性剤の含有量が0.
01〜20wt%であることを特徴とする(5)記載の
多孔性高分子ゲル材料製造方法。
01〜20wt%であることを特徴とする(5)記載の
多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0445】(構成)実施例11が該当する。
【0446】(5)の界面活性剤の含有量が0.01〜
20wt%とする。
20wt%とする。
【0447】(作用)(5)と同様である。
【0448】(効果)(5)と同様である。
【0449】(5−2−1) 該界面活性剤の含有量が
0.01〜20wt%であることを特徴とする(5−
1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
0.01〜20wt%であることを特徴とする(5−
1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0450】(構成)実施例11が該当する。
【0451】(5−1)の界面活性剤の含有量が0.0
1〜20wt%とする。
1〜20wt%とする。
【0452】(作用)(5−1)と同様である。
【0453】(効果)(5−1)と同様である。
【0454】(6) 上記(1)から(5−1)までに
記載((1−3)と(1−4)と(1−5)、および配
合組成物に関するものを除く)の多孔性高分子ゲル材料
製造方法であって、該方法に用いる配合組成物に、さら
に粒径が5〜50nmの微粒子二酸化ケイ素を混合した
ことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製造方法。
記載((1−3)と(1−4)と(1−5)、および配
合組成物に関するものを除く)の多孔性高分子ゲル材料
製造方法であって、該方法に用いる配合組成物に、さら
に粒径が5〜50nmの微粒子二酸化ケイ素を混合した
ことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0455】(構成)実施例12が該当する。
【0456】(1)から(5−1)までに記載((1−
3)と(1−4)と(1−5)を除く)の高分子ゲル材
料製造方法に用いる配合組成物に、さらに粒径が5〜5
0nmの微粒子二酸化ケイ素を混合して配合組成物を調
製する。微粒子二酸化ケイ素の含有量は0.1〜10w
t%であることが望ましい。
3)と(1−4)と(1−5)を除く)の高分子ゲル材
料製造方法に用いる配合組成物に、さらに粒径が5〜5
0nmの微粒子二酸化ケイ素を混合して配合組成物を調
製する。微粒子二酸化ケイ素の含有量は0.1〜10w
t%であることが望ましい。
【0457】該配合組成物を用いて、(1)から(5−
1)までに記載((1−3)と(1−4)と(1−5)
を除く)の高分子ゲル材料製造方法で、光重合および多
孔質化処理を行う。ただし、無機塩や高分子などの粒子
状物質を重合体から溶解除去する際に用いる溶媒は、二
酸化ケイ素は不溶で該粒子状物質が可溶な溶媒を用い
る。例えば、水やテトラヒドロフランなどが望ましく、
フッ酸やアルカリ水溶液は適していない。
1)までに記載((1−3)と(1−4)と(1−5)
を除く)の高分子ゲル材料製造方法で、光重合および多
孔質化処理を行う。ただし、無機塩や高分子などの粒子
状物質を重合体から溶解除去する際に用いる溶媒は、二
酸化ケイ素は不溶で該粒子状物質が可溶な溶媒を用い
る。例えば、水やテトラヒドロフランなどが望ましく、
フッ酸やアルカリ水溶液は適していない。
【0458】(作用)二酸化ケイ素が不溶な溶媒を用い
て、(1)から(5−1)までに記載((1−3)と
(1−4)と(1−5)を除く)の高分子ゲル材料製造
方法によって多孔性ゲル材料を製造すると、微粒子二酸
化ケイ素は重合体から流出せずに残留する。つまり微粒
子二酸化ケイ素を含んだ多孔性の高分子ゲル材料が製造
される。高分子ゲル材料は多孔質化することによって強
度が弱くなるという問題点が生ずるが、微粒子二酸化ケ
イ素は樹脂の材料強度を向上する特性を有するため、材
料を補強する働きを有する。
て、(1)から(5−1)までに記載((1−3)と
(1−4)と(1−5)を除く)の高分子ゲル材料製造
方法によって多孔性ゲル材料を製造すると、微粒子二酸
化ケイ素は重合体から流出せずに残留する。つまり微粒
子二酸化ケイ素を含んだ多孔性の高分子ゲル材料が製造
される。高分子ゲル材料は多孔質化することによって強
度が弱くなるという問題点が生ずるが、微粒子二酸化ケ
イ素は樹脂の材料強度を向上する特性を有するため、材
料を補強する働きを有する。
【0459】(効果)応答速度が速く、材料強度の強い
高分子ゲル材料となる。また、この配合組成物を用いる
ことによって(6)記載の方法で光照射によって多孔性
で材料強度の強い高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
高分子ゲル材料となる。また、この配合組成物を用いる
ことによって(6)記載の方法で光照射によって多孔性
で材料強度の強い高分子ゲル材料を製造することが可能
となる。
【0460】(6−1) (1)から(5−1)までに
記載((1−3)と(1−4)と(1−5)および多孔
性高分子ゲル材料製造方法に関するものを除く)の高分
子ゲル材料製造用配合組成物において、該多孔性高分子
ゲル材料製造用配合組成物に、さらに粒径が5〜50n
mの微粒子二酸化ケイ素を混合したことを特徴とする多
孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
記載((1−3)と(1−4)と(1−5)および多孔
性高分子ゲル材料製造方法に関するものを除く)の高分
子ゲル材料製造用配合組成物において、該多孔性高分子
ゲル材料製造用配合組成物に、さらに粒径が5〜50n
mの微粒子二酸化ケイ素を混合したことを特徴とする多
孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0461】(構成)実施例12が該当する。
【0462】(6)の微粒子二酸化ケイ素の含有量を
0.1〜10wt%とする。
0.1〜10wt%とする。
【0463】(作用)(6)と同様である。
【0464】(効果)(6)と同様である。
【0465】(6−2) 該微粒子二酸化ケイ素の含有
量が0.1〜10wt%であることを特徴とする(6)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
量が0.1〜10wt%であることを特徴とする(6)
記載の多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0466】(構成)実施例12が該当する。
【0467】(6)の微粒子二酸化ケイ素の含有量が
0.1〜10wt%とする。
0.1〜10wt%とする。
【0468】(作用)(6)と同様。
【0469】(効果)(6)と同様。
【0470】(6−2−1) 該微粒子二酸化ケイ素の
含有量が0.1〜10wt%であることを特徴とする
(6−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
含有量が0.1〜10wt%であることを特徴とする
(6−1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成
物。
【0471】(構成)実施例12が該当する。
【0472】(6−1)記載の微粒子二酸化ケイ素の含
有量を0.1〜10wt%とする。
有量を0.1〜10wt%とする。
【0473】(作用)(6−1)と同様である。
【0474】(効果)(6−1)と同様である。
【0475】(6−3) 該微粒子二酸化ケイ素が側鎖
にビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理さ
れた二酸化ケイ素であることを特徴とする(6)記載の
多孔性高分子ゲル材料製造方法。
にビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理さ
れた二酸化ケイ素であることを特徴とする(6)記載の
多孔性高分子ゲル材料製造方法。
【0476】(構成)実施例12が該当する。
【0477】(6)の微粒子二酸化ケイ素を側鎖にビニ
ル基を有するシランカップリング剤で表面処理された微
粒子二酸化ケイ素を用いて構成する。
ル基を有するシランカップリング剤で表面処理された微
粒子二酸化ケイ素を用いて構成する。
【0478】(作用)(6)と同様である。また、二酸
化ケイ素は配合組成物の主成分である単量体に比べ比重
が重く沈殿しやすいが、側鎖にビニル基を有するシラン
カップリング剤で表面処理することによって単量体との
相溶性が上がり、且つ側鎖にあるビニル基が単量体と重
合するため、二酸化ケイ素が重合体に化学結合した重量
物が形成できる。
化ケイ素は配合組成物の主成分である単量体に比べ比重
が重く沈殿しやすいが、側鎖にビニル基を有するシラン
カップリング剤で表面処理することによって単量体との
相溶性が上がり、且つ側鎖にあるビニル基が単量体と重
合するため、二酸化ケイ素が重合体に化学結合した重量
物が形成できる。
【0479】(効果)(6)と同様。また、二酸化ケイ
素の沈殿が軽減され、シランカップリング剤の結合によ
ってさらに材料強度の強い高分子ゲル材料の製造が可能
となる。
素の沈殿が軽減され、シランカップリング剤の結合によ
ってさらに材料強度の強い高分子ゲル材料の製造が可能
となる。
【0480】(6−3−1) 該微粒子二酸化ケイ素が
側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で表面処
理された二酸化ケイ素であることを特徴とする、(6−
1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
側鎖にビニル基を有するシランカップリング剤で表面処
理された二酸化ケイ素であることを特徴とする、(6−
1)記載の多孔性高分子ゲル材料製造用配合組成物。
【0481】(構成)実施例12が該当する。
【0482】(6−1)の微粒子二酸化ケイ素を側鎖に
ビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理され
た微粒子二酸化ケイ素を用いて構成する。
ビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理され
た微粒子二酸化ケイ素を用いて構成する。
【0483】(作用)(6)と同様である。
【0484】(効果)(6−1)と同様である。また、
二酸化ケイ素の沈殿が軽減され、シランカップリング剤
の結合によってさらに材料強度の強い高分子ゲル材料の
製造が可能となる。
二酸化ケイ素の沈殿が軽減され、シランカップリング剤
の結合によってさらに材料強度の強い高分子ゲル材料の
製造が可能となる。
【0485】
【発明の効果】本実施例の方法により応答速度が速く加
工性に優れた高分子ゲル材料を製造でる。また、粒子状
物質の沈殿が軽減され、均一に孔の開いた高分子ゲル材
料となる。
工性に優れた高分子ゲル材料を製造でる。また、粒子状
物質の沈殿が軽減され、均一に孔の開いた高分子ゲル材
料となる。
【0486】また、光照射によって高分子ゲルを製造す
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
る方法は、光の照射パターンよって重合物の製造ができ
るので複雑な加工や微小化に適する。また、材料に水溶
性のラジカル重合性単量体を用いるので材料の選択の幅
も広い。また、製造に用いる装置も安価である。
【図1】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図2】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図3】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図4】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図5】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図6】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図7】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図8】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図9】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例を
示したフロー図である。
示したフロー図である。
【図10】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例
を示したフロー図である。
を示したフロー図である。
【図11】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例
を示したフロー図である。
を示したフロー図である。
【図12】 本発明の多孔性高分子ゲル製造方法の一例
を示したフロー図である。
を示したフロー図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 化学エネルギーを力学エネルギーに変換
するケモメカニカル材料に用いられる多孔性高分子ゲル
材料の製造方法において、少なくともラジカル重合性の
官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合
性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単
量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物
に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重
合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子
状物質を混合した配合組成物を用い、 該配合組成物に光照射を行って前記単量体をラジカル重
合させ、重合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且
つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解
除去する行程;を具備することを特徴とする多孔性高分
子ゲル材料の製造方法。 - 【請求項2】 少なくともラジカル重合性の官能基を1
つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基
を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体と光重
合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不溶で溶
媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開始剤が
ラジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物質を混
合したことを特徴とする多孔性高分子ゲル材料製造用の
配合組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22379095A JPH0967405A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 多孔性高分子ゲル材料の製造方法、及び多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22379095A JPH0967405A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 多孔性高分子ゲル材料の製造方法、及び多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967405A true JPH0967405A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16803759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22379095A Withdrawn JPH0967405A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 多孔性高分子ゲル材料の製造方法、及び多孔性高分子ゲル材料製造用の配合組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967405A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004067580A1 (ja) * | 2003-01-28 | 2004-08-12 | National Institute For Materials Science | ゲル化コロイド結晶前駆体とゲル化コロイド結晶、及びゲル化コロイド結晶の作製方法とその作製装置 |
JP2009221426A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Japan Organo Co Ltd | モノリス状有機多孔質体、その製造方法及びモノリス状有機多孔質イオン交換体 |
JP2011236412A (ja) * | 2010-04-12 | 2011-11-24 | Nitto Denko Corp | 樹脂成形体およびその製造方法 |
US9847544B2 (en) | 2010-04-12 | 2017-12-19 | Nitto Denko Corporation | Ion conductive organic-inorganic composite particles, particle-containing resin composition and ion conductive molded article |
JP2020520540A (ja) * | 2017-05-15 | 2020-07-09 | ミリバット, インコーポレイテッドMillibatt, Inc. | 電解質材料、電池アセンブリ、およびその製造方法 |
CN116514477A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-08-01 | 浙江新都水泥有限公司 | 一种抗腐蚀复合水泥及其生产工艺 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP22379095A patent/JPH0967405A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009221426A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Japan Organo Co Ltd | モノリス状有機多孔質体、その製造方法及びモノリス状有機多孔質イオン交換体 |
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US9847544B2 (en) | 2010-04-12 | 2017-12-19 | Nitto Denko Corporation | Ion conductive organic-inorganic composite particles, particle-containing resin composition and ion conductive molded article |
US10265693B2 (en) | 2010-04-12 | 2019-04-23 | Nitto Denko Corporation | Particles, particle dispersion, particle-dispersed resin composition, producing method therefor, resin molded article, producing method therefor, catalyst particles, catalyst solution, catalyst composition, catalyst molded article, titanium complex, titanium oxide particles and producing method therefor |
JP2020520540A (ja) * | 2017-05-15 | 2020-07-09 | ミリバット, インコーポレイテッドMillibatt, Inc. | 電解質材料、電池アセンブリ、およびその製造方法 |
JP2022033741A (ja) * | 2017-05-15 | 2022-03-02 | ミリバット,インコーポレイテッド | 電解質材料、電池アセンブリ、およびその製造方法 |
CN116514477A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-08-01 | 浙江新都水泥有限公司 | 一种抗腐蚀复合水泥及其生产工艺 |
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