JPH0967385A - 新規鉄錯体、その製造方法及び用途 - Google Patents

新規鉄錯体、その製造方法及び用途

Info

Publication number
JPH0967385A
JPH0967385A JP22356895A JP22356895A JPH0967385A JP H0967385 A JPH0967385 A JP H0967385A JP 22356895 A JP22356895 A JP 22356895A JP 22356895 A JP22356895 A JP 22356895A JP H0967385 A JPH0967385 A JP H0967385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
iron complex
hydroxypropane
diamino
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22356895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3589510B2 (ja
Inventor
Terubumi Sato
光史 佐藤
Takashi Yamada
尚 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority to JP22356895A priority Critical patent/JP3589510B2/ja
Publication of JPH0967385A publication Critical patent/JPH0967385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3589510B2 publication Critical patent/JP3589510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2価及び/または3価の鉄イオンを含み且つ
配位子として1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ン−四酢酸及び亜硫酸根を含む新規鉄錯体、この新規鉄
錯体が有機または無機のアニオン交換体に結合している
錯体及びその製造法を提供する。 【解決手段】 2価及び/または3価の鉄イオンを含有
し且つ1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四
酢酸及び亜硫酸根を配位子として含むことを特徴とする
鉄錯体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規鉄錯体、その
製造法及び用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄の錯体としては種々のものが知
られているが、鉄4核錯体としては、僅かに下記式
(3) Na6 [Fe4 (O)2 (CO3 2 (dhpt
a)2 ]・〜20H2 O‥‥‥(3) で表されるものが知られている程度である(D.L.J
ameson 他、J.Am.Chem.Soc.,1
09,740−746(1987))。また鉄4核錯体
については、その化学構造も未だ不明である点が多い。
【0003】本発明者らは先に、下記一般式(4) Mp q [Fe4 (O)2 (A)r (dhpta)2
・kX‥‥‥(4) 式中、M及びRは1価または2価のカチオンであり、 Aは中性または窒素、硫黄或いはリンのオキシ酸のアニ
オン性の配位子であり、 dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ン−四酢酸の残基であり、 Xは結晶溶媒であり、 p,q及びrは、式 mp+nq−ra=2を満足する
数であって、ここで、mはカチオンMの価数であり、n
はカチオンRの価数であり、aはアニオン性配位子の価
数(絶対値)であり、p及びrはそれぞれ1以上で6以
下の数、qは4以下の数であり、qはAが中性配位子の
場合ゼロであるものとし、 kは30以下の数である、で表される新規鉄4核錯体を
提案した(特許出願中)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、2価及
び/または3価の鉄イオンを含み且つ配位子として1,
3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜
硫酸根を含む新規鉄錯体の合成に成功し、この新規鉄錯
体は一酸化窒素の吸着に有効であることを見いだした。
【0005】本発明の目的は、2価及び/または3価の
鉄イオンを含み且つ配位子として1,3−ジアミノ−2
−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を含む新規
鉄錯体、この新規鉄錯体が有機または無機のアニオン交
換体に結合している錯体及びその製造法を提供するにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、一酸化窒素、特に気
体状の一酸化窒素の吸着剤として有用な新規鉄錯体及び
及びその製造法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、2価及
び/または3価の鉄イオンを含有し且つ1,3−ジアミ
ノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を配
位子として含むことを特徴とする鉄錯体が提供される。
【0008】本発明によればまた、2価及び/または3
価の鉄イオンを含有し且つ1,3−ジアミノ−2−ヒド
ロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を配位子として含
む鉄錯体アニオンを有機または無機のアニオン交換体に
結合させて成ることを特徴とする鉄錯体が提供される。
【0009】本発明によればまた、2価の鉄の水溶性塩
類と、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四
酢酸と、水溶性亜硫酸塩とを、水性媒体中で、非酸化性
雰囲気中で反応させ、必要に応じ、生成溶液を有機また
は無機のアニオン交換体と混合し、イオン交換生成物を
分離することを特徴とする鉄錯体の製造方法が提供され
る。
【0010】上記製造方法において、生成溶液或いはイ
オン交換生成物を酸化処理すると、3価の鉄イオンを含
有する鉄4核錯体が生成する。
【0011】本発明によれば更に、上記鉄錯体から成る
ことを特徴とする一酸化窒素ガス用吸着剤が提供され
る。
【0012】
【作用】本発明の鉄錯体は、金属として2価及び/また
は3価の鉄イオンを含有し、配位子として1,3−ジア
ミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を
含有することが特徴である。
【0013】この鉄錯体は、典型的な鉄4核錯体であ
り、その化学組成は、下記一般式(1) Mp [Fe4 (O)2 (SO3 2-n (SO4
n (dhpta)2 ]‥‥(1) 式中、Mはカチオンであり、dhptaは1,3−ジア
ミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸の残基であり、
nは0乃至1の数であり、pは、式 mp=2乃至10
を満足する数であって、ここで、mはカチオンMの価数
である、で表される。
【0014】上記錯体中の鉄4核錯体アニオン、即ち下
記一般式(2) [Fe4 (O)2 (SO3 2-n (SO4 n (dhp
ta)2 k-‥‥(2) 式中、dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ
プロパン−四酢酸の残基であり、nは0乃至1の数であ
り、kは2乃至10の数である、で表されるアニオン
は、有機または無機のアニオン交換体に容易に結合する
ので、水不溶性で取り扱いの容易な固体の形に転化する
ことができる。
【0015】有機のアニオン交換体としてはアニオン交
換樹脂、また無機のアニオン交換体としては活性アルミ
ナ、チタニアまたはジルコニアが使用でき、これらは粒
子強度も高く、粒状物としての取り扱い性や耐久性の点
でも優れている。また、無機のアニオン交換体として、
アルミニウム含有複合金属水酸化物・炭酸塩も使用しう
る。
【0016】上記鉄4核錯体アニオンの内、2価の鉄イ
オンを含有するものの想定される原子配置を図1に示
す。この図に示されるとおり、この錯体アニオンでは、
4個の2価鉄イオンが、オキソ、アルコキソ、及び亜硫
酸アニオン基で混合架橋された鉄(II)4核錯体である
ことが明らかである。1,3−ジアミノ−2−ヒドロキ
シプロパン−四酢酸配位子は、アミノ窒素原子を介して
鉄原子に結合しているが、4個のカルボキシル基は、遊
離のカルボキシルアニオンとして存在している。2価の
鉄イオンの場合、この鉄錯体アニオンは、一般式(2)
の価数kは10価の値をとる。これが、このタイプの生
成物が大きい水溶性を示す理由と考えられる。
【0017】上記鉄4核錯体アニオンの内、3価の鉄イ
オンを含有するものでは、4個の3価鉄イオンが、オキ
ソ、アルコキソ、及び亜硫酸アニオン基で混合架橋され
た鉄(II)4核錯体であることは、2価の鉄イオンの場
合と同様であるが、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ
プロパン−四酢酸配位子は、アミノ窒素原子を介して鉄
原子に結合している他に、4個のカルボキシル基も鉄原
子と反応して、図2に示すように、オクタデンテートリ
ガンドを形成している。3価の鉄イオンの場合、この鉄
錯体アニオンは、一般式(2)の価数kは6価の値をと
る。また、2個の亜硫酸の内、1個以下が酸化されて硫
酸根となっている(mは最大1である)。
【0018】本発明の鉄錯体における4核錯体アニオン
は、勿論、図1に示すものと、図2に示すものの何れで
あってもよいし、これら両者の任意の組成の混合物であ
ってもよい。
【0019】本発明による鉄錯体は、溶液の状態でも、
或いは固定された固体の状態でも、また、2価の鉄イオ
ンの状態でも、或いは3価の鉄イオンの状態でも、気体
状の一酸化窒素に対して、優れた吸着性能を示す。添付
図面図3及び図4は、実施例1の鉄錯体担持イオン交換
体(未乾燥品)及び実施例2の鉄錯体担持イオン交換体
(乾燥品)について、一酸化窒素の除去分率と、一酸化
窒素の除去積算量との関係をプロットしたものである
(詳細は後述する実施例参照)。この結果から、本発明
による鉄錯体は、気体状の一酸化窒素の吸着除去に極め
て有効であることが分かる。また、図3と図4との比較
から、一酸化窒素の除去を水分の存在下に行うことが有
効であることも了解される。
【0020】本発明の鉄錯体における一酸化窒素の吸着
は、必ずしもこれに拘束されるものではないが、鉄錯体
中に存在する亜硫酸根の硫黄原子が吸着サイトとなって
生じているものと認められる。
【0021】本発明の鉄錯体は、2価の鉄の水溶性塩類
と、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢
酸と、水溶性亜硫酸塩とを、水性媒体中で、非酸化性雰
囲気中で反応させることにより、溶液の状態で得られ、
合成が容易であり、生成収率も化学量論的量に近いもの
である。
【0022】また、上記の生成溶液を有機または無機の
アニオン交換体と混合すると、鉄錯体アニオンがアニオ
ン交換体上に極めて収率よく強固に固定されるので、粒
子強度や耐久性に優れ、取り扱い性の良好な固体状生成
物を分離することができる。
【0023】2価の鉄イオンを含有する鉄錯体を酸化処
理することにより、3価の鉄イオンを含有する鉄錯体を
製造することができる。用いる2価の鉄錯体は、溶液状
のものでも、アニオン交換体に固定したものでもよい。
また、酸化処理は、空気と接触させることにより、容易
に行うことができる。この酸化処理に伴って、原料鉄錯
体中の亜硫酸根の一部が硫酸根に酸化されることは既に
指摘したとおりである。
【0024】以上述べたとおり、本発明によれば、新規
な鉄錯体が収率良く容易に合成され、この鉄錯体は一酸
化窒素ガス用吸着剤として有用である。
【0025】
【発明の好適態様】2価の鉄塩としては、水溶性の鉄塩
(II)であれば任意のものが使用される。一般には、硫
酸第一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、臭化第一鉄等が使
用されるが、硫酸第一鉄が好適なものである。
【0026】本発明では、キレート化剤として、種々の
アミノ酸類の中でも、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキ
シプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸を使用する。
このものは、下記式(5) で表される構造を有しており、本発明の配位構造を形成
するものである。
【0027】亜硫酸塩としては、水溶性亜硫酸塩であれ
ば何れも使用可能であり、例えば、亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム等が使用される。
【0028】鉄塩(II)と1,3−ジアミノ−2−ヒド
ロキシプロパン−四酢酸との反応は、前記式(1)の化
学量論的量比、即ち2:1のモル比で進行する。勿論、
1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸基
準の収率を高める目的で鉄塩(II)を過剰に使用するこ
とは許容できる。
【0029】使用する亜硫酸塩の量比は、特に制限を受
けないが、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン
−四酢酸当たりの収率を高めるために、化学量論的量比
よりも過剰に使用するのが望ましく、一般に化学量論的
量の2乃至10倍、特に4乃至6倍で用いるのが望まし
い。
【0030】この反応は、水性媒体中に上記各原料を溶
解させ、一般に常温乃至100℃、特に40乃至60℃
の温度で撹拌することにより行うことができる。反応時
間は、温度によっても相違するが、一般に30分乃至1
0時間程度が適当である。
【0031】この反応を、非酸化性雰囲気中で行うこと
により、2価の鉄イオンを含む鉄錯体の溶液が生成する
(以下完全嫌気合成と呼ぶ)。非酸化性雰囲気に維持す
るためには、系中の酸素を脱気し、系雰囲気を窒素雰囲
気、アルゴン雰囲気等に保つのがよい。2価の鉄イオン
の鉄錯体が形成されている事実は、溶液の色が淡黄色を
呈することにより確認できる。
【0032】この反応の終段を、酸素雰囲気中で行うこ
とにより、3価の鉄イオンを含む鉄錯体の溶液が生成す
る(有酸素系合成と呼ぶ)。反応の初期は、非酸化性雰
囲気に維持する、即ち系中の酸素を脱気し、系雰囲気を
窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等に保つのは完全嫌気合成
と同様であるが、反応の終段で溶液を酸素と接触させ
る。酸素としては、通常空気で十分であるが、酸素ガス
を使用しても勿論よい。3価の鉄イオンの鉄錯体が形成
されている事実は、溶液の色が黒色を呈することにより
確認できる。
【0033】上記の2価及び/または3価の鉄イオン錯
体を含有する溶液は、そのまま溶液の形で、一酸化窒素
の吸着処理に使用し得るのは勿論のことであるが、これ
らの水溶液と有機または無機のアニオン交換体とを混合
し、鉄錯体アニオンをイオン交換体上に固定することが
できる。
【0034】有機のアニオン交換体としては、アニオン
交換樹脂、例えば、強塩基型、中塩基型、弱塩基型の交
換樹脂は全て使用でき、例えば第4級アンモニウム基
や、1級、2級、または3級のアミノ基を有する樹脂が
使用できる。アニオン交換樹脂のマトリックス樹脂とし
ては、スチレン系樹脂を骨格とするもの、アクリル系誘
導体を骨格とするもの、フェノール樹脂を骨格とするも
の、エポキシ−ポリアミン縮合物を骨格とするもの、セ
ルロース系イオン交換体等が挙げられ、これらの樹脂
は、ジビニルベンゼン等の架橋剤で架橋されたものであ
ってもよい。これらのアニオン交換樹脂のイオン交換容
量は、特に制限されないが、乾燥基準で、1乃至20m
eq/gの範囲にあるものが適当である。強塩基型アニ
オン交換樹脂(イオン交換基として第4級アンモニウム
基を有するもの)が好適である。
【0035】アニオン交換樹脂は、その取り扱いが容易
なように、球状、顆粒状、ペッレット状等の形状である
ことが望ましく、その粒径は、5μm乃至8mmの範囲
にあるのが望ましい。
【0036】一方、無機のアニオン交換体としては、活
性アルミナ、チタニアまたはジルコニア等を使用でき、
これらのイオン交換体も、交換樹脂と同様の粒径、粒子
径状で使用するのがよい。
【0037】無機のアニオン交換体としては、アルミニ
ウム含有複合金属水酸化物・炭酸塩、例えばハイドロタ
ルサイト類や、リチウムアルミニウム複合水酸化物・炭
酸塩等も使用できる。
【0038】有機または無機のアニオン交換体に水溶液
中の鉄錯体アニオンを固定させるには、格別面倒な操作
は不要であり、水溶液と有機または無機のアニオン交換
体とを混合し、必要により、濾過、洗浄等を行えばよ
い。3価の鉄イオンの鉄錯体の場合には特に必要でない
が、2価の鉄イオンの鉄錯体の場合には、これらの操作
を非酸化性雰囲気中で行うのがよい。イオン交換体中へ
の水溶液の浸透を促進するために、イオン交換体を予め
脱気しておくこともできる。
【0039】アニオン交換体への鉄錯体の担持量は、乾
燥基準で、アニオン交換体100重量部当たり、10乃
至45重量部、特に15乃至40重量部の範囲にあるの
が望ましい。鉄錯体の担持量が上記範囲よりも低いと、
一酸化窒素の吸着容量が少なくなり、一方上記範囲より
も多いと、安定した固体としての取り扱いが困難となる
傾向がある。
【0040】2価の鉄イオンの鉄錯体を担持させた固体
生成物では、これに酸素が接触することにより、交換体
上の鉄錯体が容易に3価の鉄への転化が起こりにくい。
【0041】本発明の鉄錯体は、2価及び/または3価
の鉄イオンを含有し、且つ配位子として、1,3−ジア
ミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を
含有している。
【0042】鉄が2価である場合、上記錯体中の鉄4核
錯体アニオンは、理想的には、式(6) [Fe4 (O)2 (SO3 2 (dhpta)2 10- ‥‥(6) 式中、dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ
プロパン−四酢酸の残基である、で表される構造をと
る。
【0043】鉄が3価である場合、上記錯体中の鉄4核
錯体アニオンは、理想的には、式(7) [Fe4 (O)2 (SO3 1 (SO4 1 (dhpta)2 6-‥‥(7) 式中、dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ
プロパン−四酢酸の残基である、で表される構造をと
る。
【0044】上記式(6)と式(7)とでは、dhpt
aと鉄とがとるリガンドとの配位構造が相違するため
に、アニオンの価数に大きな相違が生まれる。実際の鉄
錯体では、式(6)と式(7)との中間の構造のもの
や、両者の構造が混在することがある点に注意する必要
がある。これは鉄錯体アニオンを、有機または無機のア
ニオン交換体に固定したものにおいても同様である。
【0045】本発明の新規鉄錯体は、一酸化窒素ガスの
吸着剤として有用である。水溶液状の鉄錯体の場合、一
酸化窒素と鉄錯体溶液の気−液接触は、例えば、鉄錯体
溶液中に一酸化窒素を吹き込む、一酸化窒素の気流中に
鉄錯体溶液を噴霧する、充填塔、棚段塔、泡鐘塔、濡壁
塔等のそれ自体公知の気−液接触装置で両者を接触させ
て、一酸化窒素の吸着を行わせることができる。
【0046】一方、固体の鉄錯体の場合、一酸化窒素と
鉄錯体との接触は、固定床、移動床、或いは流動床の鉄
錯体粒状物と一酸化窒素ガスとを接触させることにより
行うことができる。固体の鉄錯体粒状物を用いる場合、
水分の存在下に両者を接触させることが吸着速度を高め
るために有効であり、この水分は、鉄錯体粒状物中に予
め含有させておいてもよく、或いは一酸化窒素ガスと同
時に水蒸気の形で供給してもよい。
【0047】本発明の鉄錯体を用いる一酸化窒素の吸着
処理は、室温でしかも任意の圧力下で行うことができ、
格別の制限がないので、操作が簡単であり、しかも高い
吸着率が達成される。
【0048】一酸化窒素を吸着した鉄錯体の再生は、例
えば水素を導入する方法等で行うことができる(実施例
6参照)。
【0049】
【実施例】本発明の実施例を次に示す。
【0050】実施例1 [錯体水溶液の合成] a)完全嫌気合成 内径38mmの100cm3 シュレンク管に50cm3
の純水を入れ15分間減圧脱気し硫酸第一鉄7水塩0.
56g(2mmol)、DHPTA(1,3−ジアミノ
−2−ヒドロキシプロパン四酢酸)0.32g(1mm
ol)、亜硫酸ナトリウム0.51g(4mmol)を
加え、アルゴン雰囲気下50℃で30分間攪拌溶解させ
た(この時溶液は淡黄色を示した)。溶解しきった所で
目的の鉄4核錯体0.5mmolを含む水溶液が得られ
る。この錯体水溶液を試料No.1aとする。
【0051】b)有酸素系合成 上記と同じ100cm3 のシュレンク管に純水50cm
3 を入れ脱気した後、硫酸第一鉄7水塩3.35g(1
2mmol)、DHPTA1.93g(6mmol)、
亜硫酸ナトリウム3.07g(24mmol)を加え、
アルゴン雰囲気下50℃で30分間攪拌溶解させ淡黄色
の鉄4核錯体3mmolを含む錯体水溶液を得た。その
後この溶液を空気中で100cm3 ビーカーに移し、パ
ラフィルムで覆い20時間静置した(この時溶液は瞬時
に黒色化した)。また20時間後パラフィルムがへこん
だのが確認された。空気中にてこの溶液の1/6をと
り、脱気しない水で50cm3 に希釈し、0.50g
(4mmol)の亜硫酸ナトリウムを加え溶解させた。
これを試料No.1bとする。
【0052】[NOの除去試験]902ppmのNOを
含む窒素ガスを100cm3 シュレンク管中で上記試料
No.1aおよびNo.1bの溶液内を直径10mm
(平板)のグラスフィルター(G3)を通してバブリン
グさせNO除去試験を行った。この時溶液水面からバブ
リングフィルター下端までの距離は48mmであった。
試料1aの場合はバブリングとともに溶液の色は淡黄色
から徐々に緑色に変り後にはモスグリーンを呈した。一
方1bの場合は色の変化は確認できなかった。出口ガス
を一定体積のテドラーバッグに留め、その所要時間から
流量を逆算し(株)ガステック製の検知管No.10
(No.11A)を用いてNO濃度を求めNO除去率を
算出した。10l流した時のNO除去率、流量逆算値は
下記の通りであった。 NO除去率(%) 平均流量(cm3 /min) 試料 No.1a 68 210 試料 NO.1b 73 170
【0053】実施例2 200cm3 のシュレンク管に純水100cm3 を入れ
脱気した後、硫酸第一鉄7水塩2.23g(8mmo
l)、DHPTA1.29g(4mmol)、亜硫酸ナ
トリウム2.03g(16mmol)を加え、アルゴン
雰囲気下50℃で20分間攪拌溶解させる。溶解しきっ
た所で鉄4核錯体2mmolを含む水溶液が生成する。
これを取扱いやすい固体にするため強塩基性陰イオン交
換樹脂ダウエックス(Dowex)2−X8、Cl型、
200〜400メッシュに吸着固定化する。ダウエック
スの予備処理は下記の通りである。陰イオン交換樹脂ダ
ウエックス約20gにメタノール50cm3 を加え、ロ
ータリエバポレータを用いて充分に脱気し樹脂の細孔中
に浸透させる。その後アルゴン雰囲気下にメタノールを
濾別し真空乾燥させた。この操作を2回繰り返した。上
記の鉄4核錯体水溶液に予備処理したダウエックスをア
ルゴン雰囲気下攪拌しつつ加え、1時間攪拌を続けた後
アルゴン雰囲気下に濾過した。濾液は淡黄色であった。
鉄4核錯体水溶液を吸収したダウエックスを減圧濾過し
た後、50℃で水洗後メタノールで洗浄し、空気中で風
乾しメタノールを完全に揮発させた。乾燥物は約18g
であった。(試料No.2) 乾燥物を100cm3 ビーカーに入れ、1,2分アルゴ
ンでビーカー中を置換しパラフィルムで覆い保存した。
【0054】[NO除去]内径8mmのガラス管に上記
試料No.2 7.8g(8.5cm3 )−錯体1.4
8mmol−を充填し、902ppmのNOを含む窒素ガ
スを420cm3/minの流量で流し出口のNO濃度
を(株)ガステック製の検知管No.10(No.11
A)を用いて定量し、NOの除去率を算出した。NO除
去率が0となるまでの累積NO吸着量(mmol)とN
O除去率の関係を図3に示す。NO除去率は初期におい
て95%を示し、3.8時間95l通気した時点で除去
率は0(破過点)となり、累積NO吸着量は3.5mm
olであった。
【0055】実施例3 実施例2と同一の装置、原料、方法によって得られた錯
体含有ダウエックス風乾物7.8gを内径8mmのガラ
ス管に充填し、1.2気圧、23℃の乾燥窒素ガスを1
35分間通して完全乾燥させた。得られた完全乾燥錯体
含有ダウエックスを試料No.3とする。
【0056】[NO除去]試料No.3の充填層(8m
mφカラム)を902ppmのNOを含む窒素ガス50
0cm3 /分の流量で流し実施例2と同じ方法により累
積NO吸着量(mmol)対NO除去率の関係を求め図
4に示した。これによりNO除去率は初期でも40%以
下となり破過までの累積NO吸着量等は2.8mmo
l、2.3時間70lであった。この結果は錯体含有レ
ジンのNO吸着には水分の存在が極めて有効であること
を示している。
【0057】実施例4 錯体の固定化剤として無機のイオン交換体としての活性
アルミナを用いた例を示す。用いた活性アルミナは水澤
化学工業(株)製ネオビードDN−1Aでその物性は下
記の通りである。水分1.0%(150℃)、粒径0.
105mm以下90%、芳香族吸着指数(AAI)2
0、化学分析値は強熱減量5.4%、塩酸不溶分0.5
%、Al23 93.6%、Fe2 3 0.1%、Na
2 O 0.4% 実施例1と同様の鉄4核錯体水溶液を20gの活性アル
ミナ(ネオビードDN−1A)に吸収させ濾過、水洗、
メタノール洗浄を行い風乾した。
【0058】[NO除去]この風乾物を試料NO.4と
し、実施例2〜3と同様、内径8mmのガラス管に
(8.5cm3 )を充填、902ppmのNOを含む窒
素ガスを250cm3/分の流量で流し出口ガスのNO
濃度を(株)ガステックの検知管No.10(No.1
1A)で測定した。10l流した時のNOの除去率は9
2%に達していた。活性アルミナも錯体固定化剤として
有効であることが示された。
【0059】実施例5 [錯体の合成]300cm3 のシュレンク管に純水10
0cm3 を入れ脱気した後、硫酸第一鉄7水塩8.90
g(32mmol)、DHPTA5.18g(16mm
ol)、亜硫酸ナトリウム8.10g(64mmol)
を加え窒素雰囲気下50℃で30分間攪拌溶解せしめ
る。淡黄色の水溶液が得られた。その後雰囲気を空気に
置き換えることによって錯体溶液は酸化されて黒色の水
溶液となった。(一晩放置) 予めダウエックス(Dowex)2−X8(a型、20
0〜400メッシュ)約20gにメタノール50cm3
を加え樹脂を壊さないようによく洗い減圧濾過をした。
この操作を2回行いよく乾燥させた。これを200cc
ビーカーに入れ、中をアルゴンで置換し、パラフィルム
で覆い保存した。上記鉄4核錯体の黒色水溶液に予め用
意したダウエックス2−X8を空気雰囲気下に攪拌しな
がら加えた。更に50℃で60分間攪拌を続けた後メタノ
ールで洗いながら減圧濾過空気中で乾燥した。得られた
鉄4核錯体を含む樹脂を試料No.5と称する。
【0060】〔NOの除去試験〕試料No.5 7.8
g(8.5cm3 )を内径8mmのガラス管に充填し、
902ppmのNOを含む窒素ガスを500cm3 /分
の流量で流し出口ガス中のNOを(株)ガステック製の
検知管No.10(No.11A)で定量しNO除去率
を算出した。10l流した時点で82%に達した。鉄4
核錯体の鉄イオンは2価でも3価でもNO除去はその機
能を有し酸素の存在は何等妨害しないことを示してい
る。
【0061】実施例6 上記実施例3のNO除去試験終了後、純水素ガスを50
0cm3 /分の流量で1時間流し再生した。この再生処
理後のサンプル層に再び902ppmのNOを含む窒素
ガスを500cm3 /分の流量で流した時のNO除去率
を実施例3と同様の方法により求めた。その結果56%
のNO除去率を得た。再生後の方がNO除去率が向上
し、水素ガス再生の有効なことが示された。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、2価及び/または3価
の鉄イオンを含み且つ配位子として1,3−ジアミノ−
2−ヒドロキシプロパン−四酢酸及び亜硫酸根を含む新
規鉄錯体、及びこの新規鉄錯体アニオンが有機または無
機のアニオン交換体に結合している錯体が提供され、こ
の鉄錯体は、一酸化窒素、特に気体状の一酸化窒素の吸
着剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における式(2)の鉄錯体アニオンの
内、2価の鉄イオンを含むものの原子構造を示す図であ
る。
【図2】本発明における式(2)の鉄錯体アニオンの
内、3価の鉄イオンを含むもののオクタデンテートリガ
ンドを示す説明図である。
【図3】実施例1の鉄錯体担持イオン交換体(未乾燥
品)について、一酸化窒素の除去分率と、一酸化窒素の
除去積算量との関係をプロットしたグラフである。
【図4】実施例2の鉄錯体担持イオン交換体(乾燥品)
について、一酸化窒素の除去分率と、一酸化窒素の除去
積算量との関係をプロットしたグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価及び/または3価の鉄イオンを含有
    し且つ1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四
    酢酸及び亜硫酸根を配位子として含むことを特徴とする
    鉄錯体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) Mp [Fe4 (O)2 (SO3 2-n (SO4 n (d
    hpta)2 ]‥‥(1) 式中、Mはカチオンであり、 dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
    ン−四酢酸の残基であり、 nは0乃至1の数であり、 pは、式 mp=2乃至10を満足する数であって、こ
    こで、mはカチオンMの価数である、で表される組成を
    有する請求項1記載の鉄錯体。
  3. 【請求項3】 2価及び/または3価の鉄イオンを含有
    し且つ1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−四
    酢酸及び亜硫酸根を配位子として含む鉄錯体アニオンが
    有機または無機のアニオン交換体に結合して成ることを
    特徴とする鉄錯体。
  4. 【請求項4】 前記鉄錯体アニオンが下記一般式(2) [Fe4 (O)2 (SO3 2-n (SO4n (dhp
    ta)2 k-‥‥(2) 式中、dhptaは1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ
    プロパン−四酢酸の残基であり、 nは0乃至1の数であり、 kは2乃至10の数である、で表される組成を有する請
    求項3記載の鉄錯体。
  5. 【請求項5】 有機のアニオン交換体がアニオン交換樹
    脂である請求項3または4記載の鉄錯体。
  6. 【請求項6】 無機のアニオン交換体が活性アルミナ、
    チタニアまたはジルコニアである請求項3または4記載
    の鉄錯体。
  7. 【請求項7】 無機のアニオン交換体がアルミニウム含
    有複合金属水酸化物・炭酸塩である請求項3または4記
    載の鉄錯体。
  8. 【請求項8】 2価の鉄の水溶性塩類と、1,3−ジア
    ミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸と、水溶性亜硫
    酸塩とを、水性媒体中で、非酸化性雰囲気中で反応さ
    せ、所望により酸化することを特徴とする鉄錯体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 2価の鉄の水溶性塩類と、1,3−ジア
    ミノ−2−ヒドロキシプロパン−四酢酸と、水溶性亜硫
    酸塩とを、水性媒体中で、非酸化性雰囲気中で反応さ
    せ、生成溶液を有機または無機のアニオン交換体と混合
    し、生成物を分離し、所望により有機または無機のアニ
    オン交換体との混合の前或いは後に酸化処理することを
    特徴とする鉄錯体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7の何れかに記載の鉄錯
    体から成ることを特徴とする一酸化窒素ガス用吸着剤。
JP22356895A 1995-08-31 1995-08-31 新規鉄錯体、その製造方法及び用途 Expired - Fee Related JP3589510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22356895A JP3589510B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 新規鉄錯体、その製造方法及び用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22356895A JP3589510B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 新規鉄錯体、その製造方法及び用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0967385A true JPH0967385A (ja) 1997-03-11
JP3589510B2 JP3589510B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=16800210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22356895A Expired - Fee Related JP3589510B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 新規鉄錯体、その製造方法及び用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3589510B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3589510B2 (ja) 2004-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu et al. Effective and selective adsorption of phosphate from aqueous solution via trivalent-metals-based amino-MIL-101 MOFs
Kumar et al. Metal-organic frameworks: Challenges and opportunities for ion-exchange/sorption applications
Naeimi et al. Performance of novel adsorbent prepared by magnetic metal-organic framework (MOF) modified by potassium nickel hexacyanoferrate for removal of Cs+ from aqueous solution
Xue et al. Removal of Cu (II) from aqueous solution by adsorption onto functionalized SBA-16 mesoporous silica
US6960328B2 (en) Zirconium phosphate and method of making same
Li et al. Different N-containing functional groups modified mesoporous adsorbents for Cr (VI) sequestration: Synthesis, characterization and comparison
CN105944680A (zh) 一种吸附分离丙烯丙炔的方法
Ou et al. Self-templated synthesis of bifunctional Fe3O4@ MgSiO3 magnetic sub-microspheres for toxic metal ions removal
JP2006527078A (ja) ヒ素吸着性イオン交換体
Rey et al. Synthesis and characterisation by X-ray absorption spectroscopy of a suite of seven mesoporous catalysts containing metal ions in framework sites
Zhang et al. A multifunctional Zr-MOF for the rapid removal of Cr 2 O 7 2−, efficient gas adsorption/separation, and catalytic performance
US6936175B2 (en) Zirconium phosphate, hafnium phosphate and method of making same
Cheng et al. Minimalistic synthesis of α-zirconium diammonium phosphate and zirconia for applications in ion exchange and catalysis
Li et al. Removal of toxic/radioactive metal ions by metal-organic framework-based materials
Zhang et al. Facile fabrication of La/Ca bimetal-organic frameworks for economical and efficient remove phosphorus from water
Bortun et al. Synthesis and characterization of ion exchange properties of spherically granulated titanium phosphate
Yan et al. In-situ growth of 2D magnesium hydroxide on zirconium-based metal organic frameworks for phosphate removal: an experimental and theoretical exploration of adsorption behavior
Mishra et al. Cation exchange and sorption properties of aluminum phosphate
Wang et al. A novel Fe–La-doped hierarchical porous silica magnetic adsorbent for phosphate removal
JPH0967385A (ja) 新規鉄錯体、その製造方法及び用途
US4830999A (en) Zeolite containing entrapped anionic material
JP2894788B2 (ja) ガス吸着用複鎖構造型粘度鉱物金属担持担体の製造方法
JPS62286539A (ja) リン酸イオン吸着剤およびその製造方法
Kawamoto et al. Regeneration and reuse of hydrotalcite-like anion exchanger with high selectivity to phosphate anion
Rallapalli et al. Adsorptive removal of phosphate ions from aqueous solutions using zirconium fumarate

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040817

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees