JPH0966561A - 合成樹脂製バケットの製造方法 - Google Patents

合成樹脂製バケットの製造方法

Info

Publication number
JPH0966561A
JPH0966561A JP22546095A JP22546095A JPH0966561A JP H0966561 A JPH0966561 A JP H0966561A JP 22546095 A JP22546095 A JP 22546095A JP 22546095 A JP22546095 A JP 22546095A JP H0966561 A JPH0966561 A JP H0966561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
mold
bucket
molds
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22546095A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Yanagi
秀夫 柳
Hidefumi Yamazaki
英史 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd filed Critical Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Priority to JP22546095A priority Critical patent/JPH0966561A/ja
Publication of JPH0966561A publication Critical patent/JPH0966561A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chain Conveyers (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形素材として高密度ポリエチレン系樹脂を用
い、耐摩耗性、耐腐蝕性、低騒音性、非付着性に優れ、
軽量で、均整な合成樹脂製バケットを簡易に製造可能と
する方法を提供する。 【解決手段】分子量が少なくとも50万以上の高密度ポ
リエチレン系樹脂からなる板状体を用い、その少なくと
も相対する2端縁をクランプにより把持して支持状態に
維持したまま加熱手段により145℃〜185℃の範囲
に加熱し、加熱後雌雄の両金型間に板状体を配置し、か
つ下方の金型上に支持せしめたのちクランプを解放した
自由状態のもとに板状体を加圧し圧縮成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂製バケ
ット、とくに各種の粉粒体を搬送するためのバケット式
搬送機に用いられる合成樹脂製バケットの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品分野、医薬品分野、鉄鉱業分
野などで扱われる各種の粉粒体を搬送するためのバケッ
ト式搬送機のバケットには、例えば金属製の一体成形品
を主体にしたもの、また金属製の成形品の表面にテフロ
ン樹脂をコーティングまたは被覆したもの、さらにまた
ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹
脂などを射出成形して得たものが用いられてきた。
【0003】上記のような金属を主体とするバケットで
は、搬送品などに起因する腐蝕や錆の発生があり耐腐蝕
性が低いこと、バケット内面に搬送品が付着しやすく非
付着性が低いこと、耐摩耗性に劣ることなどの欠点があ
り、またバケットの重量が大きいために搬送機の駆動部
分に高負荷が掛ることおよび搬送機全体が高重量となる
こと、さらには騒音性が高いことなどの金属が本来有し
ている性質による欠点を免れないという問題がある。
【0004】また金属製の成形品の表面にテフロン樹脂
をコーティングまたは被覆したものでは、なるほど耐腐
蝕性や非付着性が改善されるなど欠点の一部は解決され
ているが、なお前記のバケットの重量に起因する問題点
や騒音性が高い点は依然解決されていない。
【0005】さらにまた、ポリプロピレン樹脂、ポリア
セタール樹脂、ナイロン樹脂などを射出成形して得られ
たバケットでは、耐腐蝕性や非付着性に優れ、低騒音性
であるという利点を有している反面、耐摩耗性が不十分
であり、また耐衝撃性に劣るという欠点がある。
【0006】また射出成形においては、適用する樹脂の
特性である加熱時の流動性や抗張力を考慮すると、目的
とするバケットが大サイズであったり、デザイン上の厚
さ分布や形状の組み合わせが複雑であるときは成形を行
うこと自体不可能となり、自ずと選定しうるサイズやデ
ザインに制限を受ける難点があった。とりわけ、加熱時
に流動性が低く抗張力の高い樹脂では射出成形によるバ
ケットの成形は不可能とされるところであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな従来技術を背景として、耐摩耗性、耐腐蝕性、低騒
音性、および非付着性などの諸特性に優れ、それ自体が
軽量で、しかも所望の肉厚変化をもった均整で品質の優
れた合成樹脂製バケット製品を簡易に得ることができ
る、新規な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、成形素材として高分子量の高密度ポ
リエチレン系樹脂を用いる点に着目し、該高密度ポリエ
チレ系樹脂からなる板状体から出発して、これを加熱軟
化状態で雌雄の両金型間に自由状態に挟持しつつ圧縮成
形することにより、均整な合成樹脂製バケットを成形可
能となし得ることを見出し完成し得たものである。
【0009】すなわち、この発明の第1の発明は、分子
量が少なくとも50万以上の高密度ポリエチレン系樹脂
からなる板状体を用い、その少なくとも相対する2端縁
をクランプにより把持して支持状態に維持したまま加熱
手段により145℃〜185℃の範囲に加熱する工程
と、加熱後雌雄の両金型間に前記板状体を配置し、かつ
下方の金型上に支持せしめたのち前記クランプを解放す
る工程と、ついで両金型を互いに接近させることにより
前記板状体を加圧し圧縮成形する工程とよりなる合成樹
脂製バケットの製造方法を要旨とする。
【0010】また、この発明の第2の発明は、板状体が
分子量50万以上〜200万未満である高分子量ポリエ
チレンからなる請求項1記載の合成樹脂製バケットの製
造方法を要旨とする。
【0011】さらにまた、この発明の第3の発明は、板
状体が分子量200万以上である超高分子量ポリエチレ
ンからなり、板状体を加熱する工程において該板状体を
145℃〜165℃に加熱することよりなる請求項1記
載の合成樹脂製バケットの製造方法を要旨とする。
【0012】この発明において成形素材の原料樹脂とし
て用いられる高密度ポリエチレン系樹脂は、それ自体の
物性において樹脂に固有の耐摩耗性、非付着性、軽量
性、低騒音性などの諸特性に加えて、機械的強度特性に
優れること、特に耐摩耗性、耐衝撃強度に優れ、バケッ
ト用素材として好適するものであることに基づき特に選
定されたものである。該高密度ポリエチレン系樹脂は、
重量平均による分子量において50万以上〜200万未
満の高分子量ポリエチレン、および200万以上の超高
分子量ポリエチレンが含まれる。また、これらの素材原
料は、主として耐摩耗性を向上させる目的で、無機物が
添加されたものであってもよく、無機物としては、例え
ばガラスビーズ、炭酸カルシウム、ベントナイト、グラ
ファイト、二硫化モリブデン、硫酸バリウム等が挙げれ
る。
【0013】上記高密度ポリエチレン樹脂は、著しく溶
融粘度が高く、元来成形加工性が悪い。そのためバケッ
トの成形を従来の一般的な成形手法である射出成形法に
よって行うことはできない。そこで、この発明において
は、高密度ポリエチレン系樹脂を、例えばプレス成形
法、圧縮成形法などにより予め板状に成形したものを用
いて二次成形加工を施すものとする。ここに用いる板状
体の厚さは、目的とする合成樹脂製バケットの形状、寸
法仕様などによって選択されるが、通常2mm〜20mmの
厚さのもので、好適には5mm〜18mm厚さのものが用い
られる。なお、この発明においては前記高分子量ポリエ
チレン、および超高分子量ポリエチレンによる板状体
は、一般に市販されているものが適用可能である。
【0014】次に、上記高密度ポリエチレン系樹脂板状
体を用いて行う成型加工手段の詳細について説明する。
【0015】先ず、熱可塑性樹脂シートを用いて行う一
般的な熱成形手段としては、真空成形、圧空成形、機械
圧成形等の方法があるが、高密度ポリエチレン系樹脂板
状体の場合、これら一般的な熱成形法によるときは、バ
ケットを対象物として良好な成形物を得ることは困難で
ある。即ち、上記熱成形法においては、シート状成形材
料の周縁部をクランプにより把持し、拘束した状態のも
とに材料に伸びを生じさせることで、金型に沿わせて成
形するものであるため、殊に成形倍率の大きいバケット
の成形に適用するときは、部分的に極端な薄肉部分を生
じて充分な強度を確保することができなかったり、場合
によっては破れを生じ、また成形材料の板厚より厚い補
強リブ部分とか、口縁の厚肉補強部分等を有するバケッ
トに賦形することができない。
【0016】そこで、この発明においては、熱硬化性樹
脂の成形に広く用いられている圧縮成形の技法を利用し
た特有の成形手段を用いることを提案する。
【0017】つまり、この発明において採用する成形方
法は、高密度ポリエチレン系樹脂板状体を、その少なく
とも相対する2端縁でクランプにより把持して支持状態
とし、この支持状態で所定温度に加熱したのち、上下に
配置した雌雄金型間に配置する。そして、例えば下方の
金型を上昇させることで上記加熱状態の板状体を当該金
型に当接支持させたのち、クランプを解放して板状体を
当該金型上に自由状態、即ち周縁を拘束しない状態に支
持させる。しかる後両金型を接近移動させ、両金型間に
板状体を挟み込み、所定の圧力をかけてキャビティー内
に均一に成形材料を充填させたのち、加圧状態を保持し
ながら冷却して所期する賦形と硬化を完了する。ここ
に、型締めの過程で、成形材料である板状体は、下方の
金型上に自由状態に支持されている結果、型に沿って滑
りながらキャビティー内に充填され、部分的な伸びの影
響による薄肉化を生じるのを防止される一方、閉型時に
加えれる圧力によって、キャビティー内で一部が塑性流
動を起こしてキャビティー内の全体にゆきわたり、もと
の板状体の厚さよりも大きい厚さの、リブ構造部分等の
厚肉部分も支障なく成形される。
【0018】この発明でいうところの圧縮成形の語は、
上記のような成形法を指称するものであり、厳密な意味
で用いられるものではない。つまり、開かれた両金型に
対しして成形材料が非拘束状態のもとに供給され、次い
で金型を閉じる動作によって成形材料を押しつけ、押し
のけてキャビティー内の金型にゆきわたらせ、加圧下に
冷却して賦形を完了する成形法によるものである意味に
おいて、圧縮成形の語が用いられているものである。
【0019】この発明による上記のような圧縮成形にお
いては、成形時における成形材料の伸びと抗張力との関
係が重要であり、この意味から成形材料の加熱温度をか
なり厳密に制御することが望まれる。つまり、伸びが大
きく、抗張力が小さくなる温度、換言すれば粘性流動を
最も起こしやすい温度に加熱温度を制御して成形するこ
とが望ましい。
【0020】このような温度条件について次ぎに説明す
る。
【0021】この発明の実施において好適な上記の加熱
温度は、成形材料として用いる板状体が、前記の高分子
量ポリエチレンであるときは145℃〜185℃の範
囲、さらに好適には150℃〜180℃の範囲であり、
また前記の超高分子量ポリエチレンであるときは145
℃〜165℃の範囲、さらに好適には150℃〜160
℃である。この温度範囲は、原料樹脂の融点、すなわち
高分子量ポリエチレンの136℃、また超高分子量ポリ
エチレンの135℃〜138℃をそれぞれ超える温度で
ある。
【0022】ここに、高分子量ポリエチレンについて
は、上記加熱温度が145℃未満では金型の形状再現性
が悪く、正確なバケット形状への賦形が困難になると共
に、深い成形ができず、浅い成形品しか得ることができ
ない。一方185℃を超える温度では板状体の原料樹脂
の流れが大きくなり過ぎて、溶融した樹脂が型から流出
するため精度の高い賦形及び成形品の均整な厚さの制御
が困難となる。
【0023】また超高分子量ポリエチレンについては、
145℃未満では、塑性流動が起こりにくい。つまり伸
びは大きいものの抗張力が大きくなる。この範囲の温度
で成形すると成形素材の亀裂や破れは生じないものの、
金型の形状再現性が悪くなり、深い成形形状のバケット
を得られず、また165℃を超えると、抗張力は低下す
るものの伸びが著しく小さくなり、成形素材の局部的な
亀裂や破れを生じ、良好な成形形状のバケットを得られ
ない。
【0024】上記成形温度を得るための加熱手段として
は、熱風循環型あるいは熱風循環/遠赤外線ヒーター併
用型のオーブン、輻射熱エネルギーを放射するヒータ
ー、例えばセラミックヒーター、ロッドヒーター、クォ
ーツヒーター、ガスヒ−ター、ハロゲンランプヒーター
等が用いられる。
【0025】また、良好な成形を達成するためには、成
形時の型の移動速度の適正な設定も重要な要素である。
高分子量ポリエチレン、及び超高分子量ポリエチレンは
粘弾性体であり、引張速度の大小に応じて抗張力の値が
変化するばかりでなく、応力−ひずみ曲線も変化する。
一般に、引張速度が遅い場合には、粘性的、可塑的に変
形しようとする傾向が強く、抗張力が低く伸びは増大す
る。逆に、引張速度が速い場合には、材料の温度がある
程度高くなっても降伏応力、抗張力は増大し、伸びは減
少する傾向を示す。従って成形時には、引張速度を遅く
してシートの破れを防止するために、型の移動速度を遅
くする必要がある。かかる理由から、型締めの速度は、
雌雄両金型の相対速度において、0.05m/sec以
下の範囲に設定すべきである。型締め速度が0.05m
/secより速い場合、成形形状とか板厚によっては成
形過程で板状体の破れが生じるおそれがあると共に、精
度の高い成型が困難になる。もっとも、0.005m/
sec以下のあまりに遅すぎる速度の設定は、成形能率
上好ましくない。最も好ましくは、0.01〜0.03
m/sec程度とするのが良い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面に従って説明する。図1は、この発明の製造方法を
工程順に示したものであり、(1)は成形素材としての
高密度ポリエチレン系樹脂からなる板状体、(2)は板
状体(1)をその端縁で把持するためのクランプ、
(3)は板状体(1)をその上下面から加熱するための
ヒータ、(4)はバケットの内壁を形成するための雄金
型、(5)は雄金型(4)とともにこれと相対峙して板
状体(1)を加圧し、バケットの外壁を形成するための
雌金型であり、両金型はそれぞれ雌雄一対をなす。この
場合、好ましくは図示のように雄金型(4)を下方に、
また雌金型(5)を上方に設置する。
【0027】上記において、バケットの製造工程につい
て述べると、先ず図1(イ)に示すように、成形素材と
する高密度ポリエチレン系樹脂からなる板状体(1)
を、その相対する2端縁または全周縁でクランプ(2)
(2)により把持し、板状体(1)の上下面に接近させ
て配置したヒータ(3)(3)によってこれを加熱し、
板状体(1)が所定の温度に達し軟化するとヒータ
(3)(3)を所定の待避位置に待避させる。つぎに、
図1(ロ)に示すように、雄金型(4)を徐々に下方か
ら接近させて加熱軟化した板状体(1)に当接させてこ
れを支持し、ついでクランプ(2)(2)を解放する。
このとき板状体(1)は、その周縁部が自重によって垂
下し、雄金型(4)を覆うような状態でこれに支持され
る。さらに、図1(ハ)に示すように、雄金型(4)に
自由状態に支持せしめた軟化状態の板状体(1)を、雄
金型(4)をさらに雌金型(5)に徐々に接近させるこ
とによって、図1(ニ)に示すような状態にして両金型
間に挟持し、雌雄の両金型間のキャビティー内の細部に
ゆきわたるように、図1(ニ)のように板全体を引込み
ながら加圧して後、これを冷却することによって製造工
程を完了する。
【0028】このようにして、バケットの形状に形成さ
れた成形体(1)は、その後雌雄金型(4)(5)を開
き、成形物を両金型から取り出した後、トリミングし、
バケットとして実用に供する。
【0029】
【実施例】以下、この発明の実施例を具体的に説明す
る。
【0030】図2は、この発明の実施例によって製造す
る合成樹脂製バケットの形状の一例を示す。該合成樹脂
製バスケット(6)は、外壁に凸条リブ(7)を複数条
有し、開口部(8)の寸法が約130mm×200mm深さ
が約130mm、容量約2lのものとした。
【0031】実施例1〜実施例3 各実施例について、成形用材料とする高密度ポリエチレ
ン系樹脂板状体(1)として、以下のものを採用した。
いずれも寸法は縦500mm、横400mmとした。
【0032】実施例1:厚さ10mm、分子量50万の高
分子量ポリエチレン板(ツツナカ・ポリハイ株式会社
製、商品名「サンフリックUE550」、融点136
℃) 実施例2:厚さ10mm、分子量450万の超高分子量ポ
リエチレン板(ツツナカ・ポリハイ株式会社製、商品名
「タイバーUE770」、融点135℃〜138℃) 実施例3:ガラスビーズを配合した、厚さ9.5mm、分
子量450万の超高分子量ポリエチレン板(ツツナカ・
ポリハイ株式会社製、商品名「タイバーUE880SX
L」、融点135℃〜138℃)
【0033】上記各板状体(1)を、図1(イ)に示す
ように相対する2端縁をクランプ(2)(2)で把持し
ながら遠赤外線セラミックヒータ(3)(3)により上
下両面から表1に示すそれぞれの温度に加熱した。該加
熱後、ヒータ(3)(3)を待避させ、予め板状体
(1)の上下方に対向配置された雌型(5)と雄型
(4)の両型を比較的速い0.2m/secの相対速度
で近接方向に移動させ、図1(ロ)に示すように先ず下
方の雄型(4)上に板状体(1)を当接せしめるものと
した。そして、この当接段階で、板状体(1)をそれま
で支持していたクランプ(2)(2)を解放し、代って
雄型(4)上に支持せしめるものとした。このとき、加
熱軟化状態の板状体(1)は雄型(4)に沿って周縁部
が垂れ下がる状態で自重変形した。
【0034】続いて、雄型(4)のみを、上昇速度0.
02m/secの低速で上昇せしめ、図1(ハ)に示す
ように両型(4)(5)間に板状体(1)を挟み込むよ
うにしながら両型(4)(5)を閉じ合わせるものとし
た。この型を閉じ合わせる過程で、板状体(1)は周縁
部が滑り移動しながら型内に引き込まれた。そして完全
に雌雄両型(4)(5)を閉じ合わせた状態で14kg/
cm2 の加圧力を加えながら180秒間保持し、型内で成
形材料を冷却硬化させたのち、雌雄両型(4)(5)を
離間方向に移動して開き、成形物を取出した。そして、
該成形物の周縁部をトリミング加工して取り除き、所期
する合成樹脂製の前記バケット(6)を得た。
【0035】比較例1〜比較例4 実施例1で用いたと同様の板状体を比較例1および比較
例2において、また実施例2で用いたと同様の板状体を
比較例3および比較例4において採用し、表1に示す各
板状体の加熱温度のもとで加熱するほかは、実施例1〜
実施例3と同様にして成形を試みた。
【0036】比較例5 板状体として、分子量が25万である低分子量ポリエチ
レンからなる、厚さ10mm、縦500mm、横400mmの
板状体を採用した。
【0037】当該板状体を、表1に示す板状体の加熱温
度140℃のもとで加熱するほかは、実施例1〜実施例
3と同様にして成形を試みた。
【0038】
【表1】 上記実施例1〜3、比較例1〜5によって得られた各成
形品、即ち各バケット(6)につき、その外観状態を目
視観察により良否判定すると共に、各バケットから切り
出した試験片をもって、耐摩耗性、耐衝撃性を調べ、比
較評価した。その結果を表1に併記する。
【0039】なお、上記外観状態の評価、耐摩耗試験、
耐衝撃試験は下記により行った。また、外観状態が不良
のものについては、耐摩耗試験、耐衝撃試験を省略し
た。
【0040】[外観状態] ○:良好 異常に厚さの薄い部分や破れがなく、外壁の凸状リブが
正確に発現されており、形状精度も極めて良好であった
もの。
【0041】×:不良 ×1)…加圧成形時に板状体の端部の樹脂流れが大きくな
り、異常に厚さが不均一で、部分的に厚さの薄い部分を
有するものであった。 ×2)…外壁の凸状リブの発現が不十分で、成形精度に劣
るものであった。 ×3)…成形品のコーナー部外壁面に細かな亀裂を有し、
白化した状態を有するものであった。 ×4)…所期する形状よりも浅い形状となり、特に外壁面
の凸状リブが発現されず形状精度が不完全なものであっ
た。
【0042】[耐摩耗試験]ASTM D1044 の
テーバー式摩耗試験(摩耗輪:CS−17 荷重100
0g)に準拠して行い、摩耗量を測定した。
【0043】[耐衝撃試験]ASTM D256 のア
イゾット衝撃試験(ノッチ付き)に準拠して行い、13
0Kg−cm/cmの衝撃値での試験片の破壊の有無を調べ
た。
【0044】上記表1の評価に示されるように、成形温
度条件を適正に設定して行ったこの発明の実施例1〜3
によるバケットにおいては、いずれも良好な成形状態を
有しつつ、高密度ポリエチレン系樹脂であることによ
り、耐摩耗性、耐衝撃性の点で優れるものであった。こ
れに対し、比較例1〜4においては、成形温度条件が不
適であることにより、いずれも良好な成形状態を得るこ
とができず、また分子量25万の通常のポリエチレン樹
脂を用いた比較例5のものにあっては、成形形状は良好
であるものの、耐摩耗性、耐衝撃性に劣り、実用に適し
ないものであった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、合成
樹脂製バケットの成形に際し、分子量が少なくとも50
万以上の高密度ポリエチレン系樹脂からなる板状体を選
び、その少なくとも相対する2端縁でクランプにより把
持して支持状態を維持したまま加熱手段によって加熱
し、加熱後雌雄の両金型の間に前記板状体を配置し、か
つ下方の金型上に支持せしめたのち前記クランプを解放
し、その後両金型で圧縮成形するようにしたので、成形
段階で加熱軟化した板状体が両金型間に自由状態に挟持
されされる結果、板状体の素材原料としての樹脂が十分
に金型内面の細部にゆきわたり、異常な厚さの薄い部分
や破れが生ぜず、所期するバケットの寸法仕様、外観形
状を忠実に発現した、均整な合成樹脂製バケットを得る
ことができる。従って、この発明によれば、高分子量ポ
リエチレンおよび超高分子量ポリエチレンからなる板状
体から、これらが本来的に有する耐摩耗性、耐腐蝕性、
非付着性、あるいは低騒音性、軽量性などの諸特性をそ
のまま具有する合成樹脂製バケットを容易、かつ性能良
く得ることができるという効果があり、しかも高価な成
形装置や金型を要しないので経済的であるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による合成樹脂製バケットの製造方法
における成形工程を示す断面図であり、図1(イ)は板
状体の加熱時の状態、図1(ロ)はクランプを解放して
板状体を金型上に支持せしめた状態、図1(ハ)は雌雄
の両金型を接近させる成形工程の初期の状態、図1
(ニ)は加圧成形時の状態をそれぞれ示すものである。
【図2】この発明により得られる合成樹脂製バケットの
形状の一例を示す図面であり、図2(イ)は合成樹脂製
バケットの正面図、図2(ロ)は合成樹脂製バケットの
側面図である。
【符号の説明】
1…板状体 2…クランプ 3…ヒータ 4…雄金型 5…雌金型 6…合成樹脂製バッケト 7…凸状リブ 8…開口部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が少なくとも50万以上の高密度
    ポリエチレン系樹脂からなる板状体を用い、その少なく
    とも相対する2端縁をクランプにより把持して支持状態
    に維持したまま加熱手段により145℃〜185℃の範
    囲に加熱する工程と、加熱後雌雄の両金型間に前記板状
    体を配置し、かつ下方の金型上に支持せしめたのち前記
    クランプを解放する工程と、ついで両金型を互いに接近
    させることにより前記板状体を加圧し圧縮成形する工程
    とよりなる合成樹脂製バケットの製造方法。
  2. 【請求項2】 板状体が分子量50万以上〜200万未
    満である高分子量ポリエチレンからなる請求項1記載の
    合成樹脂製バケットの製造方法。
  3. 【請求項3】 板状体が分子量200万以上である超高
    分子量ポリエチレンからなり、板状体を加熱する工程に
    おいて該板状体を145℃〜165℃に加熱することよ
    りなる請求項1記載の合成樹脂製バケットの製造方法。
JP22546095A 1995-09-01 1995-09-01 合成樹脂製バケットの製造方法 Pending JPH0966561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22546095A JPH0966561A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 合成樹脂製バケットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22546095A JPH0966561A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 合成樹脂製バケットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0966561A true JPH0966561A (ja) 1997-03-11

Family

ID=16829690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22546095A Pending JPH0966561A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 合成樹脂製バケットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0966561A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289610A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Asahi Kasei Engineering Kk ガイドレール
WO2007135842A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Sharp Kabushiki Kaisha 操作キー部品
JP2009137679A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Hokkaido Gomme Kogyosho:Kk アンローダのバケット
CN102140010A (zh) * 2010-11-25 2011-08-03 张家港华汇特种玻璃有限公司 一种湿砂上料用畚斗
JPWO2021054455A1 (ja) * 2019-09-20 2021-03-25

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289610A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Asahi Kasei Engineering Kk ガイドレール
WO2007135842A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Sharp Kabushiki Kaisha 操作キー部品
US7928335B2 (en) 2006-05-22 2011-04-19 Sharp Kabushiki Kaisha Operating key part
JP2009137679A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Hokkaido Gomme Kogyosho:Kk アンローダのバケット
JP4705948B2 (ja) * 2007-12-04 2011-06-22 株式会社北海道ゴム工業所 アンローダのバケット
CN102140010A (zh) * 2010-11-25 2011-08-03 张家港华汇特种玻璃有限公司 一种湿砂上料用畚斗
JPWO2021054455A1 (ja) * 2019-09-20 2021-03-25
WO2021054455A1 (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 三井化学株式会社 物品搬送容器用シートの再製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1140715A (en) Method and apparatus for thermoforming thermoplastic foam articles
CN104144755B (zh) 使用吹气模制来形成金属饮料容器的系统和方法
US8021596B2 (en) Method for injection stretch blow molding
US5624630A (en) Twin-sheet thermo-forming process with injected reinforcement
US3944643A (en) Method for manufacturing shaped articles by injection-blow molding
US3709967A (en) Thermoforming oriented hollow articles from two sheets
JPH0966561A (ja) 合成樹脂製バケットの製造方法
US3626053A (en) Method of molding thermoplastic sheet material
US6328842B1 (en) Machine for welding hollow articles and process for welding these articles
US3627282A (en) Path arrangement for parison heating
US3477700A (en) Parison heating and transfer
US4510108A (en) Method of forming blanks for the solid-phase forming of thermoplastic articles
US3550200A (en) Grooved tamping foot for sealing and stretching open end parison
US3632262A (en) Angled cutoff in bottom of blow mold
CA1141926A (en) Plastic preform
US694685A (en) Manufacture of hollow glass articles.
JP4236213B2 (ja) 超高分子量ポリエチレンとゴムとの複合成形方法
US3929953A (en) Method for forming noncircular thermoplastic cupped articles
JPH02179721A (ja) 閉断面バンパーの製造方法
JPH05131456A (ja) 樹脂成形用金型及び樹脂成形方法
JPS5955713A (ja) プラスチツク容器の製造方法
JPH0333492B2 (ja)
AU563700B2 (en) Improved method of forming blanks for the solid-phase formingof thermoplastic articles
JP2906976B2 (ja) 曲げ部を有する長尺硬質熱可塑性樹脂製品の製造方法
CN116572563A (zh) 一种热塑性连续玻纤复合材料三维成型装置及工艺