JPH0958190A - 描画装置 - Google Patents

描画装置

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JPH0958190A
JPH0958190A JP21889295A JP21889295A JPH0958190A JP H0958190 A JPH0958190 A JP H0958190A JP 21889295 A JP21889295 A JP 21889295A JP 21889295 A JP21889295 A JP 21889295A JP H0958190 A JPH0958190 A JP H0958190A
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moving
data
moving body
switching
input device
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JP21889295A
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Inventor
Naoki Matsumoto
直樹 松本
Koji Ogusu
幸治 小楠
Takahisa Kaneko
高久 金子
Manabu Ootsuka
まなぶ 大塚
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな領域に簡単に描画を行うことのできる
描画装置を提供する。 【解決手段】 自律走行可能な移動機構42及び描画ペ
ンPdを有する移動体4と、移動体4を無線通信により
遠隔操作する入力装置8とを備えた描画装置2であっ
て、入力装置8は、xyz3軸テーブル16に設けられ
た入力ペンPiの平面方向(x,y軸方向)の移動状態
に基づき、移動体4の平面方向の目標移動速度を表す移
動データを送信すると共に、入力ペンPiのz軸方向の
移動量に基づき、移動体4に描画モードと非描画モード
の何れかを指示する切換データを送信する。そして、移
動体4は、上記データを受信し、自らが移動データに応
じて移動するように移動機構42を制御すると共に、切
換データに応じて描画モード切換機構44を作動させ描
画ペンPdを移動平面に当接/離間させる。この装置に
よれば、移動体4がその移動平面上に入力ペンPiの動
きに応じた描画を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の平面上に
絵模様や線等を描くための描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大きな看板に絵模様を描いた
り運動場に線を引く作業を行う場合等、大きな領域に描
画を行う際には、作業者である人間が所定の描画具
(筆、ペン、線引き用ローラ等)を持って移動しながら
描画を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな作業を行うには多大な労力が必要となり、肉体的負
担の軽減が求められている。また、大きな領域に描画を
行う場合には、小さなサイズの描画とは違って全体的な
バランスをとることが難しく、卓越した能力が必要であ
った。
【0004】一方、例えば特開平4−21500号公報
に開示されているように、人間が入力した描画データ或
いはコンピュータのメモリに蓄えられた画像データを、
多間接アームを備えた描画ロボットに出力し、その描画
ロボットによって看板等に描画を行う方法が提案されて
いる。しかし、この方法では、多間接アームの稼働範囲
に制限があるため、描画可能な領域の大きさが制限され
てしまい、非常に大きな看板への描画作業や、運動場へ
の線引き作業には用いることができない。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みなされた
ものであり、非常に大きな領域にでも簡単に描画を行う
ことのできる描画装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明
は、任意の方向へ自らを移動させるための移動手段を有
する移動体を備えると共に、前記移動体には、該移動体
が移動する移動面に描画を行うための描画具と、該描画
具による前記移動面への描画と非描画を切り換える切換
手段と、該移動体の移動方向及び移動量を表す移動デー
タに応じて前記移動手段を作動させることにより該移動
体を前記移動データに応じた方向へ移動させると共に、
前記描画具による描画と非描画を指示する切換データに
応じて前記切換手段を作動させる描画動作制御手段と、
該描画動作制御手段が用いる前記移動データ及び前記切
換データを記憶するデータ記憶手段と、が設けられてい
ることを特徴とする描画装置を要旨としている。
【0007】上記のように構成された請求項1に記載の
描画装置において、移動体には、任意の方向へ自らを移
動させるための移動手段と、移動体が移動する移動面に
描画を行うための描画具と、その描画具による移動面へ
の描画と非描画(即ち描画の停止)を切り換える切換手
段とが設けられている。
【0008】そして更に、移動体において、データ記憶
手段には、移動体の移動方向及び移動量を表す移動デー
タと、描画具による描画と非描画を指示する切換データ
とが記憶されており、描画動作制御手段が、データ記憶
手段に記憶された移動データに応じて移動手段を作動さ
せることにより、移動体を移動データに応じた方向へ移
動させると共に、データ記憶手段に記憶された切換デー
タに応じて切換手段を作動させることにより、描画具に
よる移動面への描画と非描画を切り換えさせる。
【0009】つまり、請求項1に記載の描画装置におい
ては、移動体を移動データに応じて自律移動させなが
ら、切換データに応じて描画具による移動面への描画と
非描画を切り換えることによって、移動体の移動面に所
望の線を描いていくようにしている。そして、これによ
り、移動データと切換データに応じた任意の絵模様を描
くようにしている。
【0010】従って、このような請求項1に記載の描画
装置によれば、非常に大きな領域にでも簡単に描画を行
うことができる。尚、移動体に設ける移動手段として
は、自動車のような左右2輪駆動式のものを始め、縦・
横或いは斜め方向の並進運動及びその場での回転運動が
可能な全方位移動機構を用いることができる。そして、
全方位移動機構を用いれば、移動体の移動方向を短時間
に変えることができるため、描画に要する時間を短縮す
ることができる。
【0011】一方、請求項2に記載の本発明は、任意の
方向へ自らを移動させるための移動手段を有する移動体
を備えると共に、前記移動体には、該移動体が移動する
移動面に描画を行うための描画具と、該描画具による前
記移動面への描画と非描画を切り換える切換手段と、該
移動体の移動方向及び移動量を表す移動データに応じて
前記移動手段を作動させることにより該移動体を前記移
動データに応じた方向へ移動させると共に、前記描画具
による描画と非描画を指示する切換データに応じて前記
切換手段を作動させる描画動作制御手段と、外部から送
信される前記移動データ及び切換データを受信して前記
描画動作制御手段へ出力するデータ受信手段と、が設け
られていることを特徴とする描画装置を要旨としてい
る。
【0012】つまり、請求項2に記載の描画装置では、
請求項1に記載の描画装置に対し、データ記憶手段に代
えてデータ受信手段を備えている。そして、このデータ
受信手段は、外部から送信される移動データ及び切換デ
ータを受信して、その受信したデータを描画動作制御手
段へ出力する。
【0013】よって、請求項2に記載の描画装置によれ
ば、移動体から離れた場所から移動体へ、移動データ及
び切換データを送信することによって、移動体に所望の
絵模様を描かせることができる。尚、この場合、予め作
成してメモリ等の記憶媒体に記憶しておいたデータを送
信するようにしてもよいし、また、移動体による実際の
描画状況を目視によって確認しつつ、その状況に応じて
移動データ及び切換データを作成し、その作成したデー
タを送信するようにしてもよい。
【0014】一方、請求項2に記載の描画装置におい
て、移動データ及び切換データの送受信は、無線による
通信を用いてもよいし、有線による通信を用いてもよ
い。次に、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載
の描画装置において、作業者の外部操作によって所定領
域内を移動される操作部材と、該操作部材の平面方向の
移動状態に基づき、前記移動データを作成する移動デー
タ作成手段と、前記操作部材の前記平面方向に直交する
方向の移動状態又はその方向の操作圧力に基づき、前記
切換データを作成する切換データ作成手段と、前記移動
データ作成手段及び前記切換データ作成手段により作成
されたデータを、前記移動体へ送信するデータ送信手段
と、を備えた入力装置が、前記移動体とは別に設けられ
ていること、を特徴とする描画装置を要旨としている。
【0015】このように構成された請求項3に記載の描
画装置においては、移動体とは別に入力装置が設けられ
ており、作業者が入力装置の操作部材を操作して、その
操作部材を所定領域内で移動させると、移動データ作成
手段が、操作部材の平面方向の移動状態に基づき移動デ
ータを作成し、切換データ作成手段が、操作部材の上記
平面方向に直交する方向の移動状態又はその方向の操作
圧力に基づき切換データを作成する。そして、データ送
信手段が、移動データ作成手段及び切換データ作成手段
により作成されたデータを移動体へ送信する。
【0016】すると、移動体では、データ受信手段が、
データ送信手段からのデータを受信して、そのデータに
応じて描画を行うこととなる。尚、切換データ作成手段
は、操作部材が平面方向に直交する方向へ所定量だけ移
動させられている場合、或いは操作部材が平面方向に直
交する方向へ所定圧力以上の力で操作されている場合
に、描画を指示する切換データを作成するように構成で
きる。
【0017】従って、このような請求項3に記載の描画
装置によれば、入力装置の操作部材を操作することによ
って、移動体の移動と描画具による描画及び非描画とを
遠隔操作することができ、延いては、移動体による実際
の描画状況を目視によって確認しながら、より正確に所
望の描画を行うことができる。
【0018】次に、請求項4に記載の本発明は、請求項
3に記載の描画装置において、前記移動体による描画状
況を撮影する撮影手段と、該撮影手段によって撮影され
た映像を表す画像信号を送信する画像信号送信手段とを
備えると共に、前記入力装置の近傍に、前記画像信号送
信手段から送信された前記画像信号を受信して、該受信
した画像信号の表す画像を表示する表示手段を設けたこ
と、を特徴とする描画装置を要旨としている。
【0019】このように構成された請求項4に記載の描
画装置においては、撮影手段が、移動体による描画状況
を撮影し、画像信号送信手段が、撮影手段によって撮影
された映像を表す画像信号を送信する。すると、入力装
置の近傍に設けられた表示手段が、画像信号送信手段か
ら送信された画像信号を受信して、その受信した画像信
号の表す画像を表示する。
【0020】従って、請求項4に記載の描画装置によれ
ば、移動体が作業者から目視できない程に遠く離れた場
所にまで移動していたり、また、作業者が移動体を直接
見ることのできない場所に居る場合にでも、表示手段に
表示される画像を見ることで、移動体による描画状況を
確認することができる。よって、この描画装置によれ
ば、非常に大きな領域に、より簡単に描画を行うことが
できる。
【0021】次に、請求項5に記載の本発明は、請求項
3又は請求項4に記載の描画装置において、前記移動デ
ータ作成手段及び前記切換データ作成手段により作成さ
れたデータを保存するデータ保存手段を備えたこと、を
特徴としている。
【0022】このように構成された請求項5に記載の描
画装置においては、入力装置の移動データ作成手段及び
切換データ作成手段により作成されたデータ(移動デー
タ及び切換データ)が、データ保存手段に保存される。
よって、請求項5に記載の描画装置によれば、入力装置
を用いて作成した描画のためのデータを、繰り返して使
用することができるため、同じ描画を描く場合に非常に
便利である。
【0023】尚、データ保存手段に保存されたデータを
使用する場合には、そのデータを移動体へ送信すればよ
い。また、請求項1に記載のように、移動体にデータ記
憶手段が設けられている場合には、データ保存手段に保
存されたデータを移動体側のデータ記憶手段に記憶させ
て、移動体に描画を行わせるようにしてもよい。
【0024】次に、請求項6に記載の本発明は、請求項
3ないし請求項5の何れかに記載の描画装置において、
前記入力装置は、前記操作部材の外部操作による移動速
度を調整可能な移動速度調整手段を備えていること、を
特徴としている。
【0025】このような請求項6に記載の描画装置によ
れば、移動速度調整手段によって、操作部材の外部操作
による移動速度を調整できるため、操作部材を操作する
作業者に対して違和感を与えることなく、移動体による
描画を実行させることができる。
【0026】つまり、移動体が描画を行うべき描画領域
が非常に大きい場合には、移動体の実際の移動速度が操
作部材の移動速度に追従できず、作業者に違和感を与え
る可能性がある。そこで、この場合には、移動速度調整
手段により、操作部材の外部操作による移動速度を遅く
することで、上記のような違和感を解消することができ
る。また逆に、描画領域が小さい場合には、移動速度調
整手段によって、操作部材の外部操作による移動速度を
速くするように調整すればよい。
【0027】次に、請求項7に記載の本発明は、請求項
3ないし請求項6の何れかに記載の描画装置において、
前記入力装置は、前記操作部材を互いに直交するx軸方
向,y軸方向,及びz軸方向に移動可能に保持するxy
z3軸テーブルとして構成されていること、を特徴とし
ている。
【0028】このように構成された請求項7に記載の描
画装置によれば、入力装置を非常に簡単な構成で実現す
ることができる。次に、請求項8に記載の本発明は、請
求項1ないし請求項7に記載の描画装置において、前記
移動手段は、前記移動体に回転自在に支持されて該移動
体が移動する移動面に当接する3個の球を有し、該3個
の球を夫々回転させることにより前記移動面上で任意方
向へ移動可能に構成された全方位移動機構であること、
を特徴とする描画装置を要旨としている。
【0029】このように構成された請求項8に記載の描
画装置によれば、3個の球を夫々回転させるという簡単
な構成で、並進運動及び回転運動が可能な移動手段を得
ることができるため、複雑な形状の絵模様を短縮時間に
描くことのできる描画装置を簡単に構成することができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形
態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明
の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ること
は言うまでもない。
【0031】まず、図1は、実施例の描画装置2の構成
を概念的に表す概念図である。図1に示すように、本実
施例の描画装置2は、作業者Wが操作部材としての入力
ペンPiを動かすと、その動きに応じて移動体4が所定
平面上を自律走行し、移動体4に設けられた描画具とし
ての描画ペンPdが移動体4の移動する平面上に当接す
ることによって、その平面上に入力ペンPiの動きと同
じ絵模様が描かれるように構成されている。また、移動
体4による描画状況は、作業者W側(図1において入力
側)のモニタ6に映し出されるようになっており、作業
者Wは、モニタ6を見ながら入力ペンPiを動かすこと
で、移動体4に所望の絵模様を描かせることができるよ
うになっている。
【0032】次に、描画装置2の具体的な構成につい
て、図2のブロック図を用いて説明する。図2に示すよ
うに、描画装置2は、上述した移動体4と、作業者Wに
よって操作される入力ペンPiの移動状態に応じて、移
動体4を制御するためのデータを生成し、そのデータを
移動体4へ送信する入力装置8と、所定位置に設置され
て移動体4による描画状況を撮影する、撮影手段として
のカメラ10と、カメラ10によって撮影された映像を
表す画像信号を送信する、画像信号送信手段としての画
像信号送信装置12と、入力装置8の近傍に設けられ、
画像信号送信装置12から送信された画像信号を受信す
る画像信号受信装置14と、同じく入力装置8の近傍に
設けられ、画像信号受信装置14によって受信された画
像信号の表す画像を表示するモニタ6と、から構成され
ている。尚、本実施例では、画像信号受信装置14及び
モニタ6が表示手段に相当している。
【0033】入力装置8は、入力ペンPiを互いに直交
するx軸方向,y軸方向,及びz軸方向に移動可能に保
持するxyz3軸テーブル16と、xyz3軸テーブル
16からの情報に基づき入力ペンPiの移動状態を検出
し、その検出結果に基づき上記データを生成するための
処理を始めとする様々な制御処理を実行するコンピュー
タ18と、コンピュータ18によって生成されたデータ
を移動体4へ送信すると共に、移動体4との間で無線に
よるデータ通信を行うための、データ送信手段としての
データ送受信装置20とから構成されている。
【0034】ここで、xyz3軸テーブル16は、図3
に示すように構成されている。尚、図3(A)は、xy
z3軸テーブル16の構成を概念的に表すものであり、
図3(B)は、xyz3軸テーブル16の概略構成を表
す平面図である。また、下記のxyz3軸テーブル16
に関する説明において、上下及び左右の方向は、図3
(B)に基づくものであり、左右方向がx軸方向に、上
下方向がy軸方向に、図3(B)の紙面に対して垂直な
鉛直方向がz軸方向に、夫々相当している。
【0035】図3に示すように、xyz3軸テーブル1
6は、四角形の平面ボード22と、平面ボード22の上
下両側縁に設けられた支持部24a,24bに両端が支
持され、平面ボード22の面上において上下方向(y軸
方向)に平行な状態で左右方向(x軸方向)に移動可能
な可動バー26と、可動バー26に沿ってy軸方向に移
動可能に設けられると共に、入力ペンPiを平面ボード
22に対して垂直な鉛直方向(z軸方向)に移動可能に
保持する保持部材28とを備えている。
【0036】尚、本実施例において、平面ボード22の
表面には描画紙(図示省略)が置かれている。そして、
入力ペンPiのz軸方向の基準位置は、入力ペンPiの
先端が上記描画紙から1cm上方に配置される位置に設
定されている。そして、このxyz3軸テーブル16に
は、可動バー26のx軸方向の位置を検出するための位
置検出センサ29と、保持部材28の可動バー26にお
けるy軸方向の位置を検出するための位置検出センサ3
0と、入力ペンPiの保持部材28におけるz軸方向の
位置を検出するための位置検出センサ32と、作業者W
が入力ペンPiを移動させる際に入力ペンPiに加えら
れるx軸方向の力(操作圧力)を検出する圧力センサ3
4と、同じく作業者Wによって入力ペンPiに加えられ
るy軸方向の力(操作圧力)を検出する圧力センサ36
と、作業者Wが入力ペンPiを操作する際に、コンピュ
ータ18からの指令に基づき可動バー26のx軸方向へ
の移動速度を制御するための力を発生させるアクチュエ
ータ38と、同じくコンピュータ18からの指令に基づ
き保持部材28のy軸方向への移動速度を制御するため
の力を発生させるアクチュエータ40と、が設けられて
いる。尚、本実施例では、アクチュエータ38,40が
移動速度調整手段に相当している。
【0037】このように構成されたxyz3軸テーブル
16においては、作業者Wが入力ペンPiを握って所望
の方向へ動かせば、可動バー26が平面ボード22に対
してx軸方向へ移動すると共に、保持部材28が可動バ
ー26に対してy軸方向へ移動し、更に入力ペンPiが
保持部材28に対してz軸方向へ移動することにより、
入力ペンPiは、平面ボード22に対してx軸方向、y
軸方向及びz軸方向の3次元方向へ移動する。
【0038】そして、コンピュータ18は、上記3つの
位置検出センサ29,30,32からの検出信号に基づ
き、入力ペンPiの3次元位置(x,y,z座標)を検
出すると共に、圧力センサ34,36からの検出信号に
基づき、作業者Wによって入力ペンPiに加えられた平
面方向(x軸方向及びy軸方向)の操作圧力を検出し、
それらの検出結果に基づき後述する処理を実行すること
で、移動体4を制御すると共に、xyz3軸テーブル1
6のアクチュエータ38,40を駆動する。
【0039】一方、図2に示すように、移動体4は、当
該移動体4を移動させるための3個のモータMを有す
る、移動手段としての移動機構42と、上述した描画ペ
ンPdと、描画ペンPdを移動体4が移動する平面上に
当接及び離間可能に保持する、切換手段としての描画モ
ード切換機構44と、入力装置8との間で無線によるデ
ータ通信を行うための、データ受信手段としてのデータ
送受信装置46、及び当該移動体4を制御するための制
御処理を実行する、描画動作制御手段としてのコンピュ
ータ48を有する制御部50と、を備えている。
【0040】そして、制御部50のコンピュータ48
は、上記各モータMに夫々設けられたエンコーダEから
の検出信号に基づき各モータMの回転速度(延いては後
述する球Tの回転速度)を検出し、後述するように各モ
ータMを制御することで移動体4を自律移動(自律走
行)させる。また、コンピュータ48は、入力装置8か
ら通信によって送られてくる切換データに基づき描画モ
ード切換機構44を作動させて、移動体4が移動する平
面上に描画ペンPdが当接する描画モードと、その平面
から描画ペンPdが離間する非描画モードとを切り換え
る。
【0041】次に、移動体4の機械的構造について、図
4〜図6を用いて説明する。まず、図4は、移動体4の
構造を表した斜視図である。同図において、平板状の基
板52の上には、3個のハウジング54が基板52と一
体に配置されている。そして、基板52上において各ハ
ウジング54の内部には、夫々、当該移動体4を移動さ
せるための上記モータMと、モータMの出力軸に固定さ
れて駆動力を伝達する円板状のロータRと、ロータRに
接触してロータRからの回転駆動力を受ける回転体であ
る球Tと、ロータRとは球Tに対して反対側に配置さ
れ、球TとロータRの間で摩擦力が生じるように球Tを
押しつける回転体であるアイドラAと、が設けられてい
る。
【0042】また、各ハウジング54には、球Tがロー
タRとアイドラAとの間から抜けないように、球Tを上
側から押さえるステイ56が設けられている。そして、
各ハウジング54内に夫々設けられた3個の球Tは、基
板52と平行な平面方向において、図5に示すように配
置されている。即ち、3個の球Tは、各球Tの中心が三
角形を形成し、且つロータRと球Tの接点と球Tの中心
を結んだ線3本が三角形を形成するように配置されてい
る。尚、図5において、T1〜T3及びR1〜R3は、
各ハウジング54内に夫々設けられた球T及びロータR
を示している。
【0043】次に、上記各ハウジング54内に夫々設け
られた3組のロータR、球T、及びアイドラAの高さ関
係について、図4におけるB−B断面を表す図6を用い
て説明する。図6に示すように、移動体4は、当該移動
体4が走行する平面(例えば、道路面や床面等であり、
以下、移動平面という)Hに対して上記3個の球Tによ
って支えられている。各球Tは基板52に設けられた開
口部58から突出して移動平面Hと接している。球Tは
基板52が持ち上げられても開口部58から落ちないよ
うに、基板52に対して球Tが下がった時に、少なくと
も3個の回転体であるベアリング60によって支えられ
るようになっている。但し、移動平面Hと球Tとが接し
ている間は、球Tとベアリング60は離れている。
【0044】そして、ロータR、球T、及びアイドラA
の高さの位置関係は、球Tの中心の高さと等しい位置に
ロータRとアイドラAの中心があるように構成されてい
る。そして更に、アイドラAの押しつけ力は、球Tと移
動平面Hの間の摩擦力に打ち勝つ力となるように設定さ
れている。
【0045】尚、図6において、62は、球Tを上側か
ら押さえるためにステイ56に固定されたベアリングで
あり、64は、ステイ56に固定された少なくとも3個
の回転体である長さ調節自在なキャスタである。そし
て、このキャスタ64は、通常は球Tとは接しておら
ず、球Tが上部方向に動いた時に球Tと接する構成を有
しており、これにより、ベアリング60やベアリング6
2が突発的に動いたとしても、ロータRと球Tとアイド
ラAとの適正な位置関係が保たれるようになっている。
また、図6において、66は、アイドラAを回転自在に
支持する支持体であり、68は、アイドラAを球Tに押
し付けるために支持体66を球Tの方へ付勢するスプリ
ングである。
【0046】このように構成された移動体4において
は、各ハウジング54に設けられた3組のモータM,ロ
ータR,球T,及びアイドラAによって移動機構42が
形成されており、モータMの出力軸に固定されたロータ
Rにより回転駆動力が与えられる3個の球Tの回転速度
が夫々制御されることで、当該移動体4は前後/左右/
回転の全方向に移動する。
【0047】一方、図4に示すように、移動体4の基板
52において、各球Tの中心から等距離にある位置(図
5におけるo点)には、描画ペンPdが基板52を垂直
に貫通するように配置されている。そして、基板52の
上側へ突出した描画ペンPdの上端付近には、ラック7
0が形成されており、このラック70は、3個のハウジ
ング54のうちの1つのハウジング54内に設けられた
モータ72の回転軸に固定されたピニオンギア74と噛
み合っている。
【0048】つまり、移動体4では、描画ペンPdのラ
ック70,モータ72,及びピニオンギア74によって
描画モード切換機構44が形成されており、モータ72
への通電方向に応じて、描画ペンPdを基板52に対し
て上下に移動させることができる。そして、描画ペンP
dを基板52に対して下方へ移動させると、描画ペンP
dの先端(下端)が移動平面Hに当接して、移動平面H
に描画するモード(描画モード)となり、逆に描画ペン
Pdを基板52に対して上方へ移動させると、描画ペン
Pdの先端が移動平面Hから離間して、移動平面Hに描
画しないモード(非描画モード)となる。
【0049】尚、図4には図示されていないが、基板5
2上には、移動機構42の3個のモータMと描画モード
切換機構44のモータ72とを制御するための、上述し
た制御部50が配置されている。次に、上記のように構
成された移動体4を遠隔操作するために入力装置8のコ
ンピュータ18が実行する制御処理について、図7のフ
ローチャートを用いて説明する。尚、この処理は、図示
されないキーボード等を介してコンピュータ18に所定
の開始コマンドが入力されると、その実行が開始され
る。
【0050】図7に示すように、コンピュータ18が制
御処理の実行を開始すると、まず、ステップ(以下、単
にSと記す)110にて、描画動作の開始を指令するた
めの開始信号を移動体4へ送信する。そして、続くS1
20にて、xyz3軸テーブル16に設けられた位置検
出センサ29,30からの検出信号に基づき、入力ペン
Piの現在の平面位置(x,y座標)を検出し、続くS
130にて、S120で検出した平面位置を入力ペンP
iの平面方向の原点位置として設定することにより、原
点位置のリセットを行う。
【0051】そして、S130の処理が終了するとS1
40に進むのであるが、以後はS140〜S200の処
理を、所定のサンプリング時間dt(本実施例ではdt
=1ms)毎に繰り返して実行する。即ち、まずS14
0では、3つの位置検出センサ29,30,32からの
検出信号に基づき、入力ペンPiの現在の3次元位置
(x,y,z座標)を検出する。そして、続くS150
にて、S140で検出したx,y座標の時間差分を下記
の式(1),(2)に基づき算出することにより、入力
ペンPiの平面方向の移動速度(vx,vy)を求め
る。尚、式(1),(2)において、nは第n番目のサ
ンプリング時刻を表しており、x(n)及びy(n)は
第n番目にサンプリングした入力ペンPiのx,y座標
を表している。
【0052】
【数1】 vx(n)=(x(n+1)−x(n))/dt …(1)
【0053】
【数2】 vy(n)=(y(n+1)−y(n))/dt …(2) そして、続くS160にて、S150で算出した入力ペ
ンPiの移動速度(vx,vy)に基づき、移動体4の
目標移動速度(VX,VY)を、下記の式(3),
(4)によって算出し、続くS170にて、S160で
算出した移動体4の目標移動速度(VX,VY)を表す
データを、移動体4の移動方向及び移動量を表す移動デ
ータとして移動体4へ送信する。尚、式(3),(4)
において、kは入力ペンPiと移動体4との移動量の
比、即ち描画拡大率であり、本実施例ではk=1000
に設定されている。
【0054】
【数3】VX=k×vx …(3)
【0055】
【数4】VY=k×vy …(4) そして更に、続くS180にて、S140で検出した入
力ペンPiのz軸方向の位置(z座標)に基づき、移動
体4に描画を行わせる描画モードであるか、或いは移動
体4に描画を行わせない非描画モードであるかの判定を
行う。尚、S180では、入力ペンPiのz座標が、上
述した基準位置から0.5cm以上下方(描画紙側)に
あれば描画モードと判定し、そうでなければ非描画モー
ドと判定する。即ち、z座標<−0.5cmであれば描
画モードと判定し、z座標≧−0.5cmであれば非描
画モードと判定する。
【0056】そして、続くS190にて、S180の判
定結果に基づき、描画モード又は非描画モードの何れか
を移動体4に指示するための切換データを送信し、続く
S200にて、移動体4の遠隔操作を終了するか否かの
判定を行う。尚、S200の判定は、作業者Wによりコ
ンピュータ18へ図示されないキーボード等を介して所
定の終了コマンドが入力されたか否かを判定することに
よって行われる。
【0057】そして、S200で終了しないと判定した
場合には、S140へ戻り、逆にS200で終了すると
判定した場合には、S210に進んで、終了判定信号を
移動体4へ送信した後、当該制御処理を終了する。尚、
本実施例では、コンピュータ18が実行する処理のう
ち、S140〜S170が移動データ作成手段としての
処理に相当し、S180及びS190が切換データ作成
手段としての処理に相当している。
【0058】ここで、上記S170及びS190の実行
によって入力装置8側から送信される移動データと切換
データは、移動体4の制御部50に設けられたデータ送
受信装置46によって受信される。そして、移動体4側
においては、制御部50のコンピュータ48が、上記移
動データと切換データに基づき図11に示す制御処理を
実行することによって、移動機構42の各モータMを制
御して移動体4を平面方向に移動させると共に、描画モ
ード切換機構44のモータ72を制御して描画モードと
非描画モードとを切り換える。
【0059】そこで、移動体4側のコンピュータ48が
実行する制御処理(図11)を説明する前に、移動体4
を平面方向に移動させるための移動機構42の制御概要
について説明する。(参考文献:社団法人日本機械学会
論文集−60巻−576号−C編) まず、移動体4の移動機構42に固定した座標系(以
下、移動機構座標系という)を、図8に示すように定義
する。即ち、各球T1〜T3の移動平面Hとの接点(以
下、接地点という)から等距離dにある点を原点oと
し、原点oから球T1の接地点の方向にy軸をとり、こ
れと直交する方向にx軸をとる。尚、3個の球Tの番号
は、球T1から時計周りの方向に球T2、球T3とす
る。
【0060】次に、各球T1〜T3に対する座標系(以
下、球座標系という)を、図9に示すように定義する。
即ち、各球Tiの接地点を原点oiとし、ロータRiの
中心から球Tiの接地点に向かう方向にyi軸をとり、
これと直交する方向にxi軸をとる。尚、図9及び以下
の説明において、添え字iは、3個の球Tの番号(i=
1,2,3)を表しており、また、各球座標系の移動機
構座標系からの回転角度をθi[rad]とする。
【0061】すると、図9に示すように、移動機構座標
系での各球Tiの接地点oiの座標は、原点oからの距
離が一定値dであるため、原点oと接地点oiとを結ぶ
線(o−oi)とy軸の成す角度(反時計周り方向を正
とする)で表すことができる。ここでは、上記角度は各
球座標系の回転角度θiを用いて、(θi+φi)とお
く。尚、この場合、移動機構42が原点oを中心として
反時計周りに回転したときの速度ベクトルとyi軸の成
す角度がφi[rad]となる。
【0062】そして、図10に示すように、移動機構4
2の座標原点oの並進速度のx軸方向成分をVX[m/
s]とし、y軸方向成分をVY[m/s]とし、更に原
点o周りの回転角速度(ヨーレイト)をr[rad/
s]とすると、各球Tiの接地点oiでの移動機構速度
の球回転方向成分、即ち各球Tiの目標回転速度Wi*
は、下記の式(5)によって求めることができる。
【0063】
【数5】 Wi* =−VXsinθi+VYcosθi+d×rcosφi …(5) ここで、本実施例の移動体4に設けられた移動機構42
は、前後/左右/回転の3自由度を持った全方位移動機
構として構成されているが、移動体4の向きは変えずに
前後/左右の並進移動のみを行わせるものとする。
【0064】よって、移動機構42の原点周りの回転を
無視することができるため、上記式(5)のヨーレイト
rを0[rad/s]とすると、式(5)は下記の式
(6)によって表すことができる。
【0065】
【数6】
【0066】そこで、移動体4側のコンピュータ48
は、上記式(6)のVX,VYに、入力装置8から送信
されてきた移動データが表す目標移動速度(VX,V
Y)を代入することによって、各球T1〜T3の目標回
転速度W1* ,W2* ,W3* を算出すると共に、各球
T1〜T3の実際の回転速度W1,W2,W3をエンコ
ーダEからの検出信号に基づき検出し、それら各値と下
記の式(7)に基づき、各球T1〜T3を夫々回転させ
る各モータMの発生トルクTL1,TL2,TL3を算
出する。尚、式(7)において、Kp1,Kp2,Kp3は比
例ゲインであり、KI1,KI2,KI3は積分ゲインであ
る。
【0067】
【数7】
【0068】そして、コンピュータ48は、各モータM
の発生トルクが上記算出した値TL1,TL2,TL3
となるように各モータMへ通電することで、各球T1〜
T3の実際の回転速度W1,W2,W3が目標回転速度
W1* ,W2* ,W3* となるようにフィードバック制
御を行い、これによって、移動体4は、入力装置8から
送信されてきた移動データ(VX,VY)が表す移動方
向及び移動量で移動することとなる。
【0069】次に、上述した移動機構42のフィードバ
ック制御、及び描画モード切換機構44の制御を行うた
めに、移動体4側のコンピュータ48が実行する制御処
理について、図11のフローチャートを用いて説明す
る。尚、この処理は、当該移動体4に電源が投入される
と実行が開始される。
【0070】図11に示すように、コンピュータ48
は、まず、S310にて、入力装置8からの開始信号を
受信するまで待機する。そして、開始信号を受信する
と、続くS320にて、当該移動体4の移動平面Hにお
ける現在位置を原点位置として設定することにより、原
点位置のリセットを行う。
【0071】そして、続くS330にて、入力装置8か
ら送信された移動データとしての目標移動速度(VX,
VY)を受信し、続くS340にて、入力装置8から送
信された描画モードを指示するための切換データを受信
する。続くS350では、S340で受信した切換デー
タに応じて、描画モード切換機構44のモータ72を作
動させることにより、描画モードと非描画モードとの切
り換えを行う。尚、S350の処理は、切換データが描
画モードを指示するものであれば、描画ペンPdの先端
が移動体4の移動する移動平面H上に当接するようにモ
ータ72へ通電し、逆に、切換データが非描画モードを
指示するものであれば、描画ペンPdの先端が移動平面
Hから離間するようにモータ72へ通電する、といった
手順で実行される。
【0072】そして、続くS360にて、S330で受
信した入力装置8からの目標移動速度(VX,VY)に
基づき、上述した式(6)を用いて、各球T1〜T3の
目標回転速度W1* ,W2* ,W3* を算出し、続くS
370にて、各モータMに設けられたエンコーダEから
の検出信号に基づき、各球T1〜T3の実際の回転速度
W1,W2,W3を検出する。そして、続くS380に
て、S360の算出結果とS370の検出結果に基づ
き、上述した式(7)を用いて、各モータMの発生トル
クTL1,TL2,TL3を算出し、続くS390に
て、各モータMへ、その発生トルクがS380で算出し
た値TL1,TL2,TL3となるように通電する。
【0073】そして、続くS400にて、入力装置8か
らの終了判定信号が受信されたか否かを判定することに
より、描画作業を終了するか否かを判定し、終了判定信
号を受信していないと判定した場合には、描画作業を継
続するとしてS330に戻る。一方、S400にて、終
了判定信号を受信したと判定した場合には、描画作業を
終了するとして当該制御処理を終了し、次に入力装置8
からの開始信号を受信するまで待機する。
【0074】尚、本実施例では、コンピュータ48が実
行する図11の制御処理が、描画動作制御手段としての
処理に相当している。以上のように構成された本実施例
の描画装置2においては、作業者Wが入力装置8の入力
ペンPiを平面ボード22の平面方向(x,y軸方向)
へ動かせば、入力装置8から移動体4へ、入力ペンPi
の移動速度(vx,vy)を所定の描画拡大率k倍した
目標移動速度(VX,VY)を表す移動データが送信さ
れる。
【0075】また、作業者Wが入力ペンPiを平面ボー
ド22の面側へ押さえつければ、入力装置8から移動体
4へ、描画を行う描画モードを指示する切換データが送
信され、逆に、入力ペンPiを平面ボード22の面に対
して上方(z軸方向)へ持ち上げれば、入力装置8から
移動体4へ、描画を行わない非描画モードを指示する切
換データが送信される。
【0076】そして、移動体4側では、移動体4が入力
装置8からの移動データ、即ち上記目標移動速度(V
X,VY)で移動するように、移動機構42が制御され
ると共に、入力装置8からの切換データに応じて描画モ
ード切換機構44が作動され、これにより、描画ペンP
dが移動体4の移動平面Hに当接する描画モードと、描
画ペンPdが移動平面Hから離間する非描画モードとが
切り換えられる。
【0077】よって、本実施例の描画装置2によれば、
入力装置8の入力ペンPiを平面ボード22の面側に押
さえつけながら動かして、入力ペンPiにより平面ボー
ド22上の描画紙に所望の絵模様を描けば、その絵模様
を上記描画拡大率k倍した大きさの絵模様が、移動体4
の移動平面H上に描かれることとなる。尚、この場合、
入力ペンPiを、平面ボード22の面に対して上方へ持
ち上げながら動かせば、移動体4は描画ペンPdを移動
平面Hから離間させた状態で移動するため、絵模様を成
す線を任意の場所から引き始めることができる。
【0078】このように、本実施例の描画装置2によれ
ば、入力装置8の入力ペンPiを操作することで移動体
4をリアルタイムに遠隔操作でき、その移動体4に入力
ペンPiの動きと同じ絵模様を描かせることができるた
め、作業者Wは非常に大きな領域にでも簡単に描画を行
うことができる。
【0079】しかも、本実施例の描画装置2において
は、カメラ10によって移動体4による描画状況を撮影
し、その映像を入力装置8の近傍に設けられたモニタ6
に映すようにしている。従って、本実施例の描画装置2
によれば、移動体4が作業者Wから目視できない程に遠
く離れた場所にまで移動していたり、また、作業者Wが
移動体4を直接見ることのできない場所に居る場合にで
も、モニタ6に表示される映像を見ることで、移動体4
による描画状況を確認することができる。よって、この
描画装置2によれば、非常に大きな領域に、より簡単に
描画を行うことができる。
【0080】また、本実施例の描画装置2では、入力装
置8をxyz3軸テーブル16を用いて構成しているた
め、装置構成を非常に簡単なものにすることができる。
また更に、本実施例の描画装置2においては、移動体4
を自律走行させるための移動機構42として、3個の球
Tを備えた全方位移動機構を採用しているため、3個の
球Tを夫々回転させるという非常に簡単な構成にも関わ
らず、移動体4の移動方向を短時間に変えることがで
き、これによって、複雑な形状の絵模様を短縮時間に描
くことができる。
【0081】ところで、本実施例の描画装置2におい
て、入力装置8のコンピュータ18は、上述した図7の
制御処理と並行して、図12に示す駆動処理を実行して
いる。そして、コンピュータ18は、この駆動処理を実
行することによって、xyz3軸テーブル16の圧力セ
ンサ34,36からの検出信号に基づき、作業者Wによ
って入力ペンPiに加えられた平面方向の操作圧力を検
出すると共に、その検出結果と図7のS150で算出し
た入力ペンPiの平面方向の移動速度(vx,vy)と
に基づき、xyz3軸テーブル16のアクチュエータ3
8,40を駆動する。そして、これにより、作業者Wが
入力ペンPiを操作する際に、入力ペンPiの移動状態
と移動体4の移動状態とに差が生じないようにしてい
る。
【0082】そこで以下、入力装置8のコンピュータ1
8が実行する駆動処理について、図12を用いて説明す
る。尚、この駆動処理は、図7に示した制御処理のS1
40〜S200と同じ実行サイクルで繰り返し実行され
ている。図12に示すように、駆動処理の実行が開始さ
れると、まず、S510にて、圧力センサ34,36か
らの検出信号に基づき、作業者Wによって入力ペンPi
に加えられたx軸方向の力exとy軸方向の力eyを検
出する。
【0083】そして、続くS520にて、図7に示した
制御処理のS150で算出した入力ペンPiの平面方向
の移動速度(vx,vy)を読み込み、続くS530に
て、S510での検出結果(ex,ey)とS520で
読み込んだ移動速度(vx,vy)とに基づき、下記の
式(8),(9)を用いて、アクチュエータ38に発生
させるべき力axとアクチュエータ40に発生させるべ
き力ayとを夫々算出する。尚、式(8),(9)にお
いて、cx,dx,cy,dyは、夫々実験等により調
節されるパラメータである。
【0084】
【数8】ax=−cx×vx−dx×ex …(8)
【0085】
【数9】ay=−cy×vy−dy×ey …(9) そして、続くS540にて、各アクチュエータ38,4
0の発生力が、S530で算出した値ax,ayとなる
ように、各アクチュエータ38,40を駆動し、その
後、当該駆動処理を一旦終了する。
【0086】すると、入力ペンPiのx,y方向の実際
の移動速度vx,vyは、下記の式(10)のようにな
る。尚、式(10)において、mは入力ペンPiの慣性
質量である。
【0087】
【数10】
【0088】尚、式(8),(9)からも分かるよう
に、パラメータcx,cyをゼロとした場合には、作業
者Wが入力ペンPiを移動させようとして与えた力を減
少させるように、アクチュエータ38,40の発生力a
x,ayが作用する。また、パラメータdx,dyをゼ
ロとした場合には、入力ペンPiの移動速度に比例して
粘性摩擦抵抗となるように、アクチュエータ38,40
の発生力ax,ayが作用する。そして、パラメータc
x,dx,cy,dyが正の場合には、作業者Wによる
入力ペンPiの操作感覚を重くして入力ペンPiの移動
速度を遅くするように、アクチュエータ38,40の発
生力ax,ayが作用する。
【0089】ここで、本実施例の描画装置2において、
移動体4が移動すべき描画領域が、入力ペンPiの移動
可能領域(入力領域)に比べて極めて大きい場合には、
移動体4が描画に要する時間が相対的に大きくなるた
め、移動体4の実際の移動速度が入力ペンPiの移動速
度に追従できずに、作業者Wに違和感を与える可能性が
ある。
【0090】そこで、このような場合に本実施例の描画
装置2では、上記パラメータcx,dx,cy,dyの
値を大きく設定して、入力ペンPiの移動速度を遅くら
せるようにしており、これによって、作業者Wが違和感
を感じることなく描画入力を行えるようにしている。
【0091】また逆に、本実施例の描画装置2におい
て、移動体4の描画領域が入力ペンPiの入力領域より
も小さい場合には、移動体4が描画に要する時間が相対
的に小さくなるため、上記パラメータcx,dx,c
y,dyの値を負の値に設定して、入力ペンPiの移動
速度を速くするようにしており、これにより、作業者W
が違和感を感じることなく描画入力を行えるようにして
いる。
【0092】このように本実施例の入力装置8によれ
ば、アクチュエータ38,40によって、入力ペンPi
の外部操作による平面方向の移動速度を調整できるた
め、入力ペンPiを操作する作業者Wに対して違和感を
与えることなく、移動体4による描画を実行させること
ができる。
【0093】尚、上記実施例の描画装置2において、入
力装置8側に、データ保存手段としてのメモリを設けて
おき、そのメモリに、コンピュータ18によって生成さ
れた移動データ及び切換データを順次保存させるように
構成してもよい。そして、このように構成された描画装
置によれば、入力装置8を用いて作成した移動データ及
び切換データを、繰り返して使用することができるた
め、同じ描画を描く場合に非常に便利である。尚、メモ
リに保存されたデータを使用する場合には、そのデータ
を移動体4へ送信すればよい。
【0094】また、上記実施例の描画装置2は、入力装
置8と移動体4とが、無線によってデータ通信を行うも
のであったが、有線によるデータ通信を用いてもよい。
また更に、上記実施例では、移動体4を自律走行させる
ための移動機構42として、3個の球Tを備えた全方位
移動機構を用いたが、移動機構42としては、このよう
な機構に限らず、自動車のような左右2輪駆動式のもの
等、あらゆる移動機構を用いることができる。
【0095】一方、上記実施例では、入力装置8におい
て、入力ペンPiが平面ボード22に垂直な所定の高さ
位置よりも下方に操作されている場合に、描画モードで
あると判定するように構成されていたが、入力ペンPi
が所定圧力以上の力で下方(平面ボード22の面側)へ
操作されている場合に、描画モードと判定するように構
成してもよい。
【0096】また、上記実施例では、xyz3軸テーブ
ル16を主要部として入力装置8を構成したが、入力装
置8は、入力ペンPiのx,y平面方向の位置を非接触
で検出可能なカメラ,レーザ,超音波等を用いた非接触
式の位置検出装置と、描画モード及び非描画モードの検
出が可能な圧力センサ等とを、組み合わせて構成するこ
ともできる。
【0097】一方更に、上記実施例の描画装置2は、入
力装置8によって移動体4をリアルタイムに遠隔操作す
るものであったが、移動体4の制御部50に、データ記
憶手段としてのメモリを設けておくと共に、そのメモリ
に描画動作に必要な移動データと切換データを予め格納
しておき、コンピュータ48が上記メモリに格納された
データに基づき、移動機構42及び描画モード切換機構
44を制御するように構成してもよい。そして、この場
合には、上述したように入力装置8で作成されて保存さ
れた移動データ及び切換データを、移動体4側のメモリ
に格納させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の描画装置の構成を表す概念図であ
る。
【図2】 実施例の描画装置の構成を表すブロック図で
ある。
【図3】 描画装置の入力装置を構成するxyz3軸テ
ーブルを説明する説明図である。
【図4】 描画装置の移動体の構造を表す斜視図であ
る。
【図5】 移動体の移動機構を構成する3個の球の配置
状態を説明する説明図である。
【図6】 図4におけるB−B断面図である。
【図7】 入力装置のコンピュータが実行する制御処理
を表すフローチャートである。
【図8】 移動体の移動機構に固定した座標系(移動機
構座標系)を説明する説明図である。
【図9】 移動機構の各球に対する座標系(球座標系)
を説明する説明図である。
【図10】 移動機構の各球の目標回転速度の算出方法
を説明する説明図である。
【図11】 移動体のコンピュータが実行する制御処理
を表すフローチャートである。
【図12】 入力装置のコンピュータが実行する駆動処
理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2…描画装置 4…移動体 6…モニタ 8…入
力装置 Pi…入力ペン Pd…描画ペン 10…カメラ 12…画像信号送信装置 14…画像信号受信装置 16…xyz3軸テーブル 18,48…コンピュー
タ 20,46…データ送受信装置 22…平面ボード
26…可動バー 28…保持部材 29,30,32…位置検出センサ 34,36…圧力センサ 38,40…アクチュエー
タ 42…移動機構 44…描画モード切換機構 50…制御部 52…
基板 54…ハウジング 58…開口部 T(T1,T
2,T3)…球 R(R1,R2,R3)…ロータ A…アイドラ
M,72…モータ 70…ラック 74…ピニオンギア H…移動平面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 まなぶ 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 井戸垣 孝治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の方向へ自らを移動させるための移
    動手段を有する移動体を備えると共に、 前記移動体には、 該移動体が移動する移動面に描画を行うための描画具
    と、 該描画具による前記移動面への描画と非描画を切り換え
    る切換手段と、 該移動体の移動方向及び移動量を表す移動データに応じ
    て前記移動手段を作動させることにより該移動体を前記
    移動データに応じた方向へ移動させると共に、前記描画
    具による描画と非描画を指示する切換データに応じて前
    記切換手段を作動させる描画動作制御手段と、 該描画動作制御手段が用いる前記移動データ及び前記切
    換データを記憶するデータ記憶手段と、 が設けられていることを特徴とする描画装置。
  2. 【請求項2】 任意の方向へ自らを移動させるための移
    動手段を有する移動体を備えると共に、 前記移動体には、 該移動体が移動する移動面に描画を行うための描画具
    と、 該描画具による前記移動面への描画と非描画を切り換え
    る切換手段と、 該移動体の移動方向及び移動量を表す移動データに応じ
    て前記移動手段を作動させることにより該移動体を前記
    移動データに応じた方向へ移動させると共に、前記描画
    具による描画と非描画を指示する切換データに応じて前
    記切換手段を作動させる描画動作制御手段と、 外部から送信される前記移動データ及び切換データを受
    信して前記描画動作制御手段へ出力するデータ受信手段
    と、 が設けられていることを特徴とする描画装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の描画装置において、 作業者の外部操作によって所定領域内を移動される操作
    部材と、 該操作部材の平面方向の移動状態に基づき、前記移動デ
    ータを作成する移動データ作成手段と、 前記操作部材の前記平面方向に直交する方向の移動状態
    又はその方向の操作圧力に基づき、前記切換データを作
    成する切換データ作成手段と、 前記移動データ作成手段及び前記切換データ作成手段に
    より作成されたデータを、前記移動体へ送信するデータ
    送信手段と、 を備えた入力装置が、前記移動体とは別に設けられてい
    ること、 を特徴とする描画装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の描画装置において、 前記移動体による描画状況を撮影する撮影手段と、 該撮影手段によって撮影された映像を表す画像信号を送
    信する画像信号送信手段とを備えると共に、 前記入力装置の近傍に、前記画像信号送信手段から送信
    された前記画像信号を受信して、該受信した画像信号の
    表す画像を表示する表示手段を設けたこと、 を特徴とする描画装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の描画装置
    において、 前記移動データ作成手段及び前記切換データ作成手段に
    より作成されたデータを保存するデータ保存手段を備え
    たこと、 を特徴とする描画装置。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし請求項5の何れかに記載
    の描画装置において、 前記入力装置は、前記操作部材の外部操作による移動速
    度を調整可能な移動速度調整手段を備えていること、 を特徴とする描画装置。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし請求項6の何れかに記載
    の描画装置において、 前記入力装置は、前記操作部材を互いに直交するx軸方
    向,y軸方向,及びz軸方向に移動可能に保持するxy
    z3軸テーブルとして構成されていること、 を特徴とする描画装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7に記載の描画装
    置において、 前記移動手段は、 前記移動体に回転自在に支持されて該移動体が移動する
    移動面に当接する3個の球を有し、該3個の球を夫々回
    転させることにより前記移動面上で任意方向へ移動可能
    に構成された全方位移動機構であること、 を特徴とする描画装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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