JPH0957089A - 衝撃波を用いた合成装置およびそれを用いた高圧相物質の合成方法 - Google Patents

衝撃波を用いた合成装置およびそれを用いた高圧相物質の合成方法

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JPH0957089A
JPH0957089A JP21925895A JP21925895A JPH0957089A JP H0957089 A JPH0957089 A JP H0957089A JP 21925895 A JP21925895 A JP 21925895A JP 21925895 A JP21925895 A JP 21925895A JP H0957089 A JPH0957089 A JP H0957089A
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Shigeru Ito
繁 伊東
Yutaka Kuroyama
豊 黒山
Kenji Ito
憲治 伊藤
Ikuo Sakakibara
育夫 榊原
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装填された爆薬を合成に有効に作用させるこ
とができるとともに、爆薬の起爆一回当たりの合成量を
大きくして生産性を向上させることができ、工業的に有
用な高圧相物質を安価に生産することができる衝撃波を
用いた合成装置およびそれを用いた高圧相物質の合成方
法を提供する。 【解決手段】 支持体11中心部の支持孔12には、長
さ方向に延びるように長尺状の爆薬13が嵌入支持され
ている。保持容器16内には爆薬13に対向するように
爆薬13に沿って配置された被衝撃体20が収容されて
いる。爆薬13と被衝撃体20との間における支持体1
1内には、収束手段としての両側壁21が爆薬13から
被衝撃体20に至るほど狭くなるようなテーパ状に形成
され、圧力媒体としての水22を収容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば爆薬の爆
轟波に基づく水中衝撃波により超高圧力を得ることがで
きる衝撃波を用いた合成装置およびそれを用いた高圧相
物質の合成方法に関するものである。さらに詳しくは、
超高圧力によりダイヤモンドや立方晶系窒化硼素のよう
な高硬度の高圧相物質を大量にしかも安価に合成した
り、それらの高圧相物質の焼結をしたり、高温では不安
定でその磁気特性が消失するアモルファス状の特殊合金
等の焼結をしたりできる衝撃波を用いた合成装置および
それを用いた高圧相物質の合成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】爆薬等を用いて、新しい材料を合成する
方法として円筒法が知られている。この方法に用いる装
置は、材料を円筒形容器に収納し、その外側に爆薬等を
巻くように配置したものである。そして、この爆薬等を
起爆し、爆薬等中に発生した衝撃波を容器内部へ伝搬
し、材料内部に超高圧力と高温状態を生じさせ、それら
の作用によって新しい機能を持つ材料の合成が行われ
る。
【0003】しかし、このような爆薬によって発生した
衝撃波を直接利用する方法では、圧力の作用時間が極め
て短く、有効な合成を行うのに十分な材料中の圧力や温
度を維持できない。このため、衝撃波により生成する材
料の収率が悪く、製造コストの上昇を招くという問題が
ある。
【0004】すなわち、円筒法では、爆薬中の爆轟波が
容器内の材料に入射し、その爆轟波によって高温高圧状
態が達成されるのであるが、爆薬を伝搬する爆轟波に比
べ、材料中の衝撃波の速度はかなり小さくなる。その結
果、発生する圧力をあまり高くすることは期待できな
い。しかも、材料の合成に必要な圧力、温度の作用時間
が長くないので、材料に過度の添加物等を入れて合成す
る必要がある。このため、その後に添加物等を取り除く
工程が必要となり、合成物の製造コストが上昇する。
【0005】また、一端が開放された容器に材料を充填
し、適当な蓋をし、その状態を保持する装置が知られて
いる。そして、この容器に高速飛翔体を衝突させ、材料
内部に高圧高温状態を発生させ、これにより新しい材料
が合成される。
【0006】この装置を使用した場合においても、衝突
によって発生した衝撃波の持続時間が極めて短い。その
ため、効率のよい合成を行おうとすると、装置が極めて
大きなものとなり、コスト高を招く。
【0007】このような問題点を解決するために、水中
衝撃波を利用した装置が提案されている。かかる装置と
して例えば、特開平3−234398号公報と特開平6
−198496号公報に記載されたものがある。前者の
公報には爆薬の爆発エネルギーにより発生した超高圧の
水中衝撃波を利用した粉末圧搾体の製造方法が開示され
ている。後者の公報には水中で爆薬を爆発させて衝撃波
を発生させ、それを収束させることにより生ずる超高圧
を作用させる粉末の衝撃固化方法および装置が開示され
ている。
【0008】すなわち、図3に示すように、爆薬31は
有蓋円筒状の容器32内に収容され、その上端にはリー
ド線33が接続された電気雷管34が挿入されている。
円筒状の水槽35はこの容器32の下に配置され、その
中心には逆円錐台状の収容部36を備えている。この収
容部36には水37が満たされている。有底円筒状の粉
末充填部38は水槽35の下に配置され、内部にはセラ
ミックス粉末などの粉末39が充填されている。小孔4
0は粉末充填部38の中心に形成され、粉末39内の空
気を抜くようになっている。
【0009】そして、電気雷管34に通電して爆薬31
を起爆すると、発生する衝撃波により水中衝撃波が得ら
れる。この水中衝撃波を粉末39に伝搬することによ
り、粉末39を固化して衝撃圧搾体を得ることができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの公
報に開示されている装置では、爆薬31が電気雷管34
側の端面から水37に向かって順に爆発してゆくため、
起爆の初期に発生する衝撃波は直接水37には作用しに
くく、終期になって発生する衝撃波が水37に作用す
る。このため、装填した爆薬31の全量に対して粉末3
9を衝撃固化するために働く有効な爆薬量が少なく、起
爆一回当たりの合成量が少ないという問題があった。
【0011】しかも、爆薬31の直径部分の大きさのみ
が粉末39の衝撃固化に有効となるため、衝撃波により
合成される材料の総量を増加させるには、爆薬31の直
径を増すことが必要であり、装置が極めて大型化すると
ともに、経済的に不利になるという問題があった。
【0012】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、装填された爆薬を合成に有効に作用させる
ことができるとともに、爆薬の起爆一回当たりの合成量
を大きくして生産性を向上させることができ、工業的に
有用な高圧相物質を安価に生産することができる衝撃波
を用いた合成装置およびそれを用いた高圧相物質の合成
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明の衝撃波を用いた合成装置では、支持
体内に所定方向に延びるように支持された長尺状の爆薬
と、保持容器内に収容され、前記爆薬に対向するように
爆薬に沿って配置された被衝撃体と、爆薬と被衝撃体と
の間に介在される圧力媒体と、爆薬による爆轟波を圧力
媒体を介し衝撃波として被衝撃体に収束させる収束手段
とを備えている。
【0014】第2の発明では、第1の発明において、前
記圧力媒体は爆薬による爆轟波により衝撃波を伝搬する
水であり、収束手段は爆薬と被衝撃体との間に設けら
れ、圧力媒体を収容するとともに、爆薬から被衝撃体に
至るほど狭くなるようなテーパ状に形成された側壁であ
る。
【0015】第3の発明の高圧相物質の合成方法では、
支持体内に所定方向に延びるように支持された長尺状の
爆薬を配置し、保持容器内に前記爆薬に対向し爆薬に沿
うように被衝撃体を収容し、爆薬と被衝撃体との間に圧
力媒体を介在し、爆薬による爆轟波を圧力媒体を介し衝
撃波として被衝撃体に収束させる収束手段を備え、爆薬
を一端から点火して起爆させ、その爆轟波により圧力媒
体中に衝撃波を発生させ、その衝撃波を収束手段により
被衝撃体に収束させるものである。
【0016】従って、第1および第3の発明では、長尺
状の爆薬を一端から点火して起爆させると、その爆轟波
により爆薬に対向する圧力媒体中に順次衝撃波が発生す
る。その衝撃波を収束手段により被衝撃体に対して順に
収束させる。このようにして、被衝撃体に超高圧および
高温を順次作用させて所望の成形体を得ることができ
る。
【0017】このため、長尺状の爆薬全体を有効に利用
でき、爆薬の起爆一回当たりの合成量を大きくして生産
性を上げることができるとともに、装填された爆薬量を
できるだけ合成に有効に作用させることができる。
【0018】第2の発明では、圧力媒体は水であるた
め、爆薬による爆轟波により水中衝撃波を伝搬させるこ
とができる。また、収束手段は爆薬から被衝撃体に至る
ほど狭くなるようにテーパ状に形成された側壁であり、
側壁間に水が収容されていることから、水中衝撃波が側
壁と干渉して収束されて増強され、被衝撃体に作用す
る。
【0019】この際の水中衝撃波は、装填された爆薬か
らの直接的な衝撃波のみではなく、爆薬付近の支持体か
らの反射衝撃波にもよるものもある。さらに、長尺状の
爆薬に沿って配置された被衝撃体の大きな容積にわたっ
て、水中衝撃波を作用させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて詳細に説明する。爆薬は円柱状などの長尺状に形成
され、支持体内に支持される。支持体は直方体などの形
状に形成され、爆薬はその内部に通常長さ方向に延びる
ように支持される。被衝撃体は保持容器内に爆薬に対向
するように爆薬に沿って配置されている。圧力媒体は爆
薬と被衝撃体との間に介在される。この圧力媒体は、低
せん断応力物質であることが必要である。圧力媒体とし
ては、水、アルコール、石油系のオイル等が挙げられ
る。これらの圧力媒体のうち、有害ではなく、安価でか
つ作業性に優れている水が良い。
【0021】そして、爆薬が起爆されると、その爆轟波
により圧力媒体中に衝撃波が発生する。収束手段はその
衝撃波を被衝撃体に向かって収束させる。例えば収束手
段としての側壁は、爆薬から被衝撃体に至るほど狭くな
るようにテーパ状に形成され、衝撃波を収束させて増強
させる。そして、この衝撃波が圧力媒体中を伝搬して被
衝撃体に作用し、高圧相物質への相転換、焼結等が達成
される。
【0022】このように、収束手段としての側壁を有す
る支持体と、被衝撃体である材料を収容する保持容器と
を分割して構成することにより装置の操作性を向上させ
ることができる。
【0023】通常、爆薬を水中で爆轟させたとき水中衝
撃波が発生するが、この衝撃波は爆轟生成ガスの膨張に
よって発生した膨張波とたちまち干渉し、その強さが急
激に弱まる。そのため、支持体には、爆薬の支持と、発
生した水中衝撃波の収束並びに爆薬の爆轟によって発生
した爆轟生成ガスからの膨張波の影響によって伝搬する
水中衝撃波の減衰が大きくならないように収束手段によ
り反射の役割をもたせる。このことによって、持続時間
の長い水中衝撃波が得られる。
【0024】なお、被衝撃体としての材料が充填される
保持容器の外側には、質量の大きなモーメンタムトラッ
プを配置し、材料中を通過した衝撃波が保持容器の外側
界面から反射し、衝撃波として返ってきて、高圧相物質
の合成中に膨張波の影響がでないようにするのが望まし
い。このモーメンタムトラップを配置すれば、材料中を
通過した衝撃波がモーメンタムトラップを押すように作
用し、反射して戻るのが防止される。
【0025】以上のように、この実施形態によれば、次
のような利点を有する。 (1) 長尺状の爆薬の起爆に伴ってその一端から順に圧力
媒体に衝撃波を発生させることにより、装填された爆薬
を合成に有効に作用させることができ、工業的に有用な
高圧相物質を安価に生産することができる。 (2) 爆薬を一端から順に起爆させて長尺状の爆薬を一端
から他端まで全体的に有効に利用できることから、爆薬
の起爆一回当たりの高圧相物質の合成量を大きくするこ
とができ、生産性を向上させることができる。
【0026】従って、この合成装置を使用すれば、相転
換によってダイヤモンドや立方晶系窒化硼素(cBN)
のような硬質の高圧相物質を大量に、しかも安価に得る
ことができる。また、非常に高硬度なダイヤモンドやc
BNの焼結および高温では不安定でその磁気特性が消失
するアモルファス状の特殊合金等の焼結を行うことがで
きる。 (3) 爆薬から被衝撃体に至るほど狭くなるようなテーパ
状に形成された収束手段としての側壁により、水中衝撃
波を干渉させて収束させることによって被衝撃体に作用
させる水中衝撃波を増強させることができる。 (4) 水中衝撃波は、装填された爆薬からの直接的な衝撃
波によるもののみではなく、爆薬を収容する支持体の内
面からの反射衝撃波にもよるものもあり、より高圧、高
温の衝撃波を得ることができる。 (5) 爆薬による爆轟波に基づいて圧力媒体である水中に
衝撃波を発生させることにより、超高圧や、高温の作用
時間を長く維持することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)以下に、この発明を具体化した実施例1に
ついて説明する。
【0028】まず、この実施例で用いた衝撃波による合
成装置を図1および図2に従って説明する。直方体状を
なすステンレススチール製の支持体11は、その中心に
長さ方向に貫設された支持孔12を有している。この支
持体11は、この実施例では長さ100mm、幅90mm、
高さ75mmである。円柱状の爆薬13はこの支持孔12
内に嵌入支持されている。この爆薬13は、爆速780
0m/min 、直径30mm、長さ100mm、仮比重1.5
である。電気雷管14はこの爆薬13の端面に取付けら
れ、リード線15を介して通電されることにより爆薬1
3を起爆させる。電気雷管14として、この実施例では
6号電気雷管を用いた。
【0029】保持容器16は一対の保持体17がそれら
の下部において板状のダミー18が挟持されて構成さ
れ、両保持体17間の上部に収容凹部19が形成され
る。この収容凹部19は、前記爆薬13に対向するよう
に爆薬13に沿って配置されている。ダミー18として
は、100メッシュパスのSUS304をかさ比重を真
密度に対し57%としたものを用いた。被衝撃体20と
しての天然グラファイトの粉体は、その収容凹部19内
に充填されている。この衝撃加圧される材料は、平均粒
度2μmの天然グラファイト4重量%と100メッシュ
パスの球状銅粉96重量%の混合物であり、厚さ30mm
で、かさ比重を真密度に対し55%で装填した。
【0030】収束手段としての前記支持体11内の両側
壁21は、爆薬13から被衝撃体20に至るほど狭くな
るようなテーパ状に形成されている。圧力媒体としての
水22は、両側壁21間の空間に満たされている。そし
て、爆薬13による爆轟波が水中衝撃波を発生させ、こ
の衝撃波が両側壁21により被衝撃体20に収束され
る。係合凸部23は保持容器16の上面に長さ方向に延
びるように形成され、支持体11の下面に形成された係
合凹部24と係合して支持体11を保持容器16に対し
て位置決め固定する。
【0031】直方体をなし質量の大きいモーメンタムト
ラップ25は、保持容器16の下部に配置され、被衝撃
体20やダミー18が保持容器16から抜け出すのを防
止するとともに、被衝撃体20中を伝搬した衝撃波が合
成後の材料中に膨張波として返ってくることを防止す
る。
【0032】この合成装置を組付ける場合、モーメンタ
ムトラップ25上に被衝撃体20としての粉体が収容さ
れた保持容器16を載置する。一方、円柱状の爆薬13
が支持孔12に収容された支持体11を保持容器16上
に載せる。このとき、支持体11の係合凹部24を保持
容器16の係合凸部23に係合させることにより、支持
体11を保持容器16に位置決め固定することができ
る。このようにして積層された連結体を水中に浸漬する
ことにより、支持体11の両側壁21間に圧力媒体とし
ての水22を満たす。最後に、爆薬13の端面に雷管1
4を取付ける。
【0033】さて、電気雷管14により爆薬13をその
一端から起爆する。そうすると支持体11により支持さ
れた爆薬13がその長手方向に爆轟して爆轟波を発生す
る。それと同時に、その爆轟波により水中に衝撃波が生
じ、その水中衝撃波が被衝撃体20に向かう際に、支持
体11の両側壁21と干渉して収束し、強められる。こ
の収束された水中衝撃波が保持容器16内の材料に極め
て大きな衝撃圧力と、高温を作用させる。
【0034】衝撃加圧後、保持容器16より衝撃加圧材
料を回収した。それを、30%希硝酸に入れて銅を除去
した。これを水洗後、乾燥した。それに一酸化鉛を混合
し、生成ダイヤモンドと未転換黒鉛を分離するために4
20℃、12時間加熱処理を行った。回収物は、濃い灰
色であった。X線回折分析によると、これは立方晶系ダ
イヤモンドのみからなるものであることが分かった。ダ
イヤモンドへの転換率は25%、収量は0.95gであ
った。 (実施例2)次に、この発明を具体化した実施例2につ
いて説明する。
【0035】この実施例では、実施例1と同様なアセン
ブリーを使用した。衝撃加圧される材料として、平均粒
度80μmのフレーク状磁性合金(Fe14Nd2 B)を
用いた。これを実施例1と同様の保持容器16内に、磁
性合金のかさ密度を真密度に対し62%になるように装
填した。
【0036】水中衝撃波を作用させて得られた磁性合金
塊状体は、クラックや巣のないものであった。硬度はビ
ッカース硬度Hv=680Kg/mm2 であり、密度は、
7.49g/mm3 と、真密度に対し99.89%であっ
た。この成形体を外径8.0mm、内径6.0mm、厚さ
1.0mmのリング状に加工して、磁気特性を測定した結
果、B10〔磁場10KOe(エルステッド)のときの磁
束密度〕=6.5KG(ガウス)、HC(保磁力)=
5.55KOeとなり、磁性金属成形体として大変に良
好な結果を得た。 (比較例1)図3に示す従来の円筒アセンブリーで衝撃
加圧処理を行った。そして、被衝撃体として実施例1と
同様な配合比の黒鉛と球状銅粉の混合体を用い、実施例
1と同様な爆薬を同量使用して衝撃加圧処理を行った。
実施例1と同様に、銅粉を除去し、生成ダイヤモンドと
未転換黒鉛の分離を行った。ダイヤモンドへの転換率は
18%で、収量は、0.045gであった。
【0037】なお、この発明は以下のように構成を変更
して具体化してもよい。 (イ)長尺状の爆薬13を楕円柱状や角柱状に構成する
こと。 (ロ)前記実施例1において、長尺状の爆薬13の先端
が支持体11中の中間に位置するように構成すること。 (ハ)前記実施例1において、長尺状の爆薬13の先端
を塞いでおくこと。 (ニ)支持体11に設けた係合凹部24と保持容器16
に設けた係合凸部23を圧力媒体である水22を跨ぐ部
分以外の部分に設けること。 (ホ)収束手段としての側壁21を保持容器16側に設
けること。 (ヘ)側壁21のテーパの角度を必要とされる圧力が大
きい場合には大きく設定し、必要とされる圧力が小さい
場合には小さく設定したり、外側または内側に湾曲する
ように形成したりすること。
【0038】また、前記実施形態より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1)支持体を直方体状に形成し、長尺状の爆薬を支持
体の長さ方向に延びるように支持体に支持した請求項1
に記載の衝撃波を用いた合成装置。このように構成すれ
ば、支持体を有効に利用して効率良く高圧相物質の合成
を行うことができる。 (2)支持体と保持容器とを連結し、支持体内には爆薬
から保持容器内の被衝撃体へ向かう部分に収束手段とし
て爆薬から被衝撃体に至るほど狭くなるようなテーパ状
に形成された側壁を設けた請求項1に記載の衝撃波を用
いた合成装置。このように構成すれば、支持体内におい
て爆薬の起爆に基づく衝撃波を側壁により収束させて被
衝撃体に効果的に作用させることができる。 (3)支持体と保持容器とには凹凸の関係で係合する係
合部を設けた請求項1に記載の衝撃波を用いた合成装
置。この構成によれば、支持体と保持容器とを所定位置
に確実に位置決め固定することができる。 (4)保持容器の支持体とは反対側にモーメンタムトラ
ップを配置した請求項1に記載の衝撃波を用いた合成装
置。この構成により、被衝撃体が保持容器から抜け出す
のを防止できるとともに、被衝撃体中を伝搬した衝撃波
が合成後の材料中に膨張波として返ってくることを防止
できる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、第1および第3の
発明の衝撃波を用いた合成装置によれば、装填された爆
薬を合成に有効に作用させることができるとともに、爆
薬の起爆一回当たりの合成量を大きくして生産性を向上
させることができ、工業的に有用な高圧相物質を安価に
生産することができる。
【0040】また、第2の発明によれば、爆薬による爆
轟波により水中衝撃波を伝搬させることができるととも
に、水中衝撃波を側壁と干渉させて収束させ、増強され
た水中衝撃波を被衝撃体に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の衝撃波を用いた合成装置を示す斜
視図。
【図2】 同じく衝撃波を用いた合成装置を示す分解斜
視図。
【図3】 従来の合成装置を示す部分破断斜視図。
【符号の説明】
11…支持体、13…爆薬、16…保持容器、20…被
衝撃体、21…収束手段としての側壁、22…圧力媒体
としての水。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体内に所定方向に延びるように支持
    された長尺状の爆薬と、 保持容器内に収容され、前記爆薬に対向するように爆薬
    に沿って配置された被衝撃体と、 爆薬と被衝撃体との間に介在される圧力媒体と、 爆薬による爆轟波を圧力媒体を介し衝撃波として被衝撃
    体に収束させる収束手段とを備える衝撃波を用いた合成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力媒体は爆薬による爆轟波により
    衝撃波を伝搬する水であり、収束手段は爆薬と被衝撃体
    との間に設けられ、圧力媒体を収容するとともに、爆薬
    から被衝撃体に至るほど狭くなるようなテーパ状に形成
    された側壁である請求項1に記載の衝撃波を用いた合成
    装置。
  3. 【請求項3】 支持体内に所定方向に延びるように支持
    された長尺状の爆薬を配置し、保持容器内に前記爆薬に
    対向し爆薬に沿うように被衝撃体を収容し、爆薬と被衝
    撃体との間に圧力媒体を介在し、爆薬による爆轟波を圧
    力媒体を介し衝撃波として被衝撃体に収束させる収束手
    段を備え、爆薬を一端から点火して起爆させ、その爆轟
    波により圧力媒体中に衝撃波を発生させ、その衝撃波を
    収束手段により被衝撃体に収束させる高圧相物質の合成
    方法。
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