JPH0955707A - 多重超音波による水中超音波伝送装置及び超音波伝送方法 - Google Patents

多重超音波による水中超音波伝送装置及び超音波伝送方法

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JPH0955707A
JPH0955707A JP22476595A JP22476595A JPH0955707A JP H0955707 A JPH0955707 A JP H0955707A JP 22476595 A JP22476595 A JP 22476595A JP 22476595 A JP22476595 A JP 22476595A JP H0955707 A JPH0955707 A JP H0955707A
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ultrasonic wave
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和弥 情野
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睦男 高嶋
Hideyuki Shibata
秀幸 柴田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 超音波による水中データ伝送は、海面反射に
起因する鏡像干渉による不感領域(ヌル領域)の発生で
受波装置の機能が著しく阻害され、受信データの確実性
に劣る欠陥がある。 【解決手段】 所要の複数の超音波発信源を備え、目的
の送信データをデジタル・コードに変換し、このデータ
を信号変換部で複数の超音波でそれぞれ変調して伝送信
号を作成し電力増幅の後、送波器から海水中に放射する
送波装置と、離隔した他の位置で、これらの送信信号を
受波器で受信し、増幅の後、送信周波数と同じ周波数、
同じチャネル数の検出部で、それぞれ独立して検波し、
当該周波数の信号を取り出し、同期部で、各周波数チャ
ンネルに分割された共通信号ビット対して、時間同期の
調整を行った上、信号処理部で、同期化された各周波数
の共通信号ビットについて論理和判定を受信信号ビット
ごとに繰り返し、結果でえられたデータを受信データと
して取得する受波装置とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波が海面と海底
間で反射を繰り返しながら伝搬可能な深さ、一般的には
水深50m程度の海水中で使用される超音波伝送装置及
びその伝送方法に関する。さらには、センサー等により
得た海水中又は海底の環境状況、例えば、水温、水圧、
塩分、潮汐流等の観測データ、魚群等の水中監視デー
タ、海底地質調査データ等のアナログ・データをデジタ
ル・データに変換し、複数の異なる周波数の超音波を使
用して海上に伝達するためのデジタル・データの超音波
伝送装置及びその伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海水中で情報を伝達するため、超
音波を利用したデジタル・データ超音波伝送装置が使用
されている。例えば、超音波送波装置を海底に設置し、
超音波受波装置を海面に浮かせて設置することにより、
海水中のデータを海上に伝達する目的で使用される。
【0003】以下、従来のデジタル・データの超音波伝
送装置について図を用いて説明する。図5は従来の超音
波伝送装置において超音波送波装置を海底に、超音波受
波装置を海上に設置した場合の超音波の伝達を説明する
ための説明図、図6は従来の超音波送波装置の回路構成
を示すブロック図、図7は従来の超音波受波装置の回路
構成を示すブロック図、図8は従来のデジタル・データ
の構成例を示す説明図、図9は従来の受波器から送波器
を見た俯角に対する受波器の受信強度との関係を曲線で
表した説明図である。
【0004】従来の超音波伝送装置は、図6に示す超音
波送波装置10及び図7に示す超音波受波装置20とに
より構成される。
【0005】図6に示すように、超音波送波装置10は
センサー部11から得た種々の水中の環境情報をデジタ
ル・データに変換するA/D変換器12と、超音波変調
周波数発振器14から発振する超音波周波数でデータを
変調し、伝送信号に変換する信号変換器13と、前記信
号を増幅する電力増幅部15と、増幅された信号を送波
する送波器16とにより構成されている。
【0006】図7に示すように、超音波受波装置20は
送波信号を受波する受波器21と、この受波器21で受
波した信号を増幅する電力増幅部22と、この電力増幅
部22に接続される信号検出器23と、この信号検出器
23に接続し、同期信号を発生させる同期信号発生部2
4及びこの信号検出器23に接続される信号処理部26
とにより構成されている。
【0007】以下、超音波伝送装置の動作について説明
する。
【0008】図6で示すセンサー部11で得た水温等の
アナログ情報は、A/D変換器12により、例えば、図
8に示す1フレーム33で構成するデジタル・データに
変換する。この1フレーム33は、同期部31及びデー
タ部32の部分に別れたバイナリデジットの信号で形成
され、同期部31は7ビットからなり、信号フレームの
終了、開始及びデータ送信の発動、同期時期を知らせる
クロック情報で、例えば、111110のように設定さ
れている。データ部32は9ビットからなり、各ビット
にアナログ情報の数値を対応させたものである。
【0009】例えば、アナログ情報が水温の場合には、
第一番目のビットは±、第二番目のビットは1/4とい
うように定め、0.25°Cの精度で64.75°Cま
での計測信号を伝送する場合の信号構成例を示してい
る。
【0010】ここで、センサー部11で得たアナログ情
報が、例えば、+21.5°Cであったときは、A/D
変換器12は101101010というバイナリデジッ
ト信号として変換することとなる。バイナリデジット信
号を使用するのは、超音波による振幅変調等の信号波形
の伝送では、水中伝搬中に外乱を受け易くその波形が崩
れてしまうため、再成形が困難のためである。
【0011】以上のようにして変換されたデジタル・デ
ータは、信号変換器13で、超音波変調周波数発振器1
4が発振し、変調波及び搬送波となる周波数35kHz
の超音波で周波数変位変調(FSK)され、さらに電力
増幅器15で増幅され、送波器16から超音波音響信号
として海中へ発射される。
【0012】この送波信号は、図7に示す超音波受波装
置20の受波器21で受波し、電力増幅部22で増幅
し、信号検出器23で検出される。デジタル・データの
信号が送信されているか否かについては、この同期信号
フレームの終了を同期信号発生器24で検出し信号の同
期を合わせ、信号処理部26によりデジタル・データ信
号を処理し、目的とする情報が伝達される。
【0013】この情報は、例えば、図7に示すように信
号処理部26に接続された無線送信機27のアンテナ2
8を介して所定の場所へ空中経由で無線送信することが
できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のデジタ
ル・データによる超音波伝送では、伝送媒体が自然界の
海水であるため、波浪等の環境の変化による外乱を受け
易く、伝送波である超音波は送波器16から直接伝達す
る直接波と、海面で反射して伝達される海面反射波とが
相互に干渉する鏡像干渉現象が起きる。
【0015】即ち、図9に表された曲線で示されるよう
に直接波と海面反射波が打ち消しあい、受信音響レベル
が急速に落ち込み、負の無限大となり、受信することが
できないヌル領域39と、逆に、直接波と海面反射波が
合成されて受信音響レベルが6dB増大し、最強受信点
38が発生する。このためヌル領域39では受信できな
い状態となる。
【0016】ここで期待できる受信可能領域は、受信強
度6dBから3dBの範囲であり、図9の横軸で示され
る俯角の範囲に制限される問題点がある。
【0017】以下に、問題点となる鏡像干渉現象の発生
要因等について説明する。
【0018】図5に示すように超音波伝送装置におい
て、送波器16の設定水深をD2、海面上の受波器21
の設定水深をD1、送波器16と受波器21の直接波の
伝送距離をRd、海面反射波の伝送距離をRr、受波器
21から送波器16を見た海面に対する俯角をθ、伝送
波の波長をλ、周波数をF、角速度をω、水中音速をC
とする。
【0019】受波器21は、経路ABとする直接波と海
面P点で反射され、経路APBを経由する海面反射波を
受波する。従って、伝送波は直接波及び海面反射波の経
路の違いによる行路差ΔRに要因して、受波した伝送波
に位相差ΔΦが生ずることとなり、その値は以下の近似
式から得られる。
【0020】海面反射波の伝送距離Rrは、 Rr=APB=(Rd2+4D2 2+4D2Rd・SINθ)1/2 =Rd+2D2・SINθ (式1) 行路差ΔRは、 ΔR=APB−AB=Rr−Rd=2D2・SINθ (式2) 位相差ΔΦは、 ΔΦ=4πD2・SINθ/λ=4πD2・F・SINθ/C (式3) 次に受波器21で受ける伝送波の受信音響レベルについ
ては、任意の経過時間をt、海面反射波の受信点音圧を
Pr、直接波の受信点音圧をPd、送信音圧をPo、海
水の密度をρ、海面反射率μとすれば、直接波の受信点
音圧Pdは、 Pd=PoEXP(jωt) (式4) 海面反射波の受信点音圧Prは、 Pr=−μPoEXP(jωt+ΔΦ) (式5) で表される。
【0021】Pd及びPrにより合成された受信音響レ
ベル(インテンシティ)をIとすれば、 I=(Pd+Pr)2/ρC =Po2EXP(j2ωt)・{1−μEXP(ΔΦ)}2/ρC =Po2EXP(j2ωt)・ [{1−2μCOS(ΔΦ)+μ2{1−2SIN2(ΔΦ)}− j2μ・SIN(ΔΦ){1−μCOS(ΔΦ)}]/ρC (式6) ここで、SIN2(ΔΦ)<<1であるため無視するこ
とができ、受信音響の有効レベル(有効インテンシテ
ィ)RIは、振幅の実数部をとり、次式で近似化するこ
とができる。
【0022】 RI={Po2/ρC}{1+μ2−2μCOS(ΔΦ)} ={Po2/ρC}{1+μ2−2μCOS(4πD2FSINθ/C)} (式7) 従って、受信音響レベルIは、鏡像干渉の発生しない場
合を基準とすると、 IdB=10LOG[1+μ2−2μCOS(4πD2・F・SINθ/C)] (式8) で示される。以上の(式7)と(式8)から以下の
(1)(2)(3)の結果が得られる。
【0023】(1)ヌル領域39及び最強受信点38は
送波器16及び受波器21の位置関係によって変化する
が、俯角θをパラメターとして最強受信点38及びヌル
領域39を表すことができる。即ち、最強受信点38の
俯角θ1(単位は度)は次式で表せる。
【0024】 θ1=(180/π)ARCSIN{C(2N−1)/4D2F}(式9) また、ヌル領域39の俯角θ2は次式で表せる。
【0025】 θ2=(180/π)ARCSIN{C(N−1)/2D2F} (式10) (2)ル領域39及び最強受信点38は伝送周波数に
よって変化する。
【0026】(3)海面が静穏であれば、海面反射率μ
の絶対値は1に近接し、ヌル領域39は一層深くなる
が、反射損失が少なくなり、受信音響レベル(インテン
シティ)、即ち、受信可能領域の音響強度は増加する。
【0027】最強受信点39の音響強度は、鏡像干渉が
発生しない場合を基準として6dB程度増加する。海面
が荒れ、波浪が高ければ、海面反射率μの絶対値は0に
近接し、ヌル領域39は発生しなくなるが、音響強度が
減少する問題点がある。
【0028】以上のことから、超音波によるデジタル・
データの超音波伝送装置は、超音波受波装置20又は超
音波送波装置10が海面近くに設定されると直接波と海
面反射波が鏡像干渉現象を生じやすく、ヌル領域39と
音響受信可能領域は受波器21から送波器16を見る俯
角の関数により干渉縞を形成する。これは、海面状況、
送波器16と受波器21の位置関係及び伝送超音波の周
波数の値に影響されることがわかる。
【0029】海面が完全に静穏であれば超音波は、海面
で入射角と反射角が等しく反射し、反射損失は、海水と
空気の音響インピーダンス値から超音波が水面に垂直に
入射しても空中に透過する音の強さは0.11%以下で
極めて少なく、海面での反射時点で位相が180°反転
することとなり、海面反射率μは−1とされる。
【0030】海面反射率が−1であれば、受信可能領域
の音の強さレベル、即ち、最強受信の音響強度はほぼ6
dBまでに増強される反面、ヌル領域39は急速に落ち
込み負の無限大となり鏡像干渉現象が著しく受信に影響
を与えることとなる。
【0031】逆に、波浪が高く激しくなるにつれて音響
の海面反射は入射角と反射角が異なってきて反射損失が
増大するので海面反射率μが減少する結果となる。
【0032】その極限において、海面反射率μの値が0
となるとヌル領域39は発生しなくなるが、海面では超
音波が散乱現象を起こして音響エネルギーの損失が大き
くなってくるため伝送可能距離が短くなる。
【0033】また、波浪等により海面上にある超音波受
波装置20が動揺すると、受波器21への入射角度、即
ち、俯角θが変化することとなり、受波器21がヌル領
域39と受信可能領域の入出を繰り返すことになる。こ
こで、ビーム幅で表される受信可能領域▽B°は、▽B
°=45C/(πD2F)で表すことができ、伝送周波
数が高くなれば、受信可能領域▽B°が狭くなることが
分かる。
【0034】なお、超音波の最も有利な最低周波数F=
20kHz,受波器深度=1mの場合について計算する
と、ビーム幅▽Bは1.1°、また、別途計算式でヌル
領域幅は1.0°を得るので、1°毎に受信可能領域と
ヌル領域39が発生することになる。また、超音波受波
装置21が振幅5°、周期10秒で動揺すれば1秒ごと
に、振幅10°で動揺すれば2秒ごとに受信が断続する
ことになる。
【0035】超音波伝送は、以上の理由で、静穏、荒天
のいずれの海面状況においても使用上受信困難を生じ
る。このため、超音波送波装置10及び超音波受波装置
20の関係を思考錯誤によって設定位置を変えながら最
良位置を決めたり、1個の送波器16に対して数個の受
波器21を準備し、それぞれの距離を変えて設定しなけ
ればならない等の問題点がある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、水中データ伝
送における鏡像干渉による不感領域を補正するため、所
要のバイナリ・デジット・データを多重超音波周波数に
よって周波数変位変調(FSK)又は位相変位変調(P
RK)した伝送方式であるが、この際、(0)(1)信
号にそれぞれ異周波数を付与し伝送するのが実用的であ
る。
【0037】本発明も、この方式を採用しているが、動
作分析、機能説明が複雑多岐にわたり混乱を招くので、
本発明の基本原理説明に重点をおき、(1)信号のみF
SKを行い、(0)信号は無信号とする簡便な伝送方式
で説明する。
【0038】本発明の超音波伝送では、超音波が海面と
海底間で反射を繰り返しながら伝搬可能な深さの海水中
で使用されるデジタル・データの超音波伝送装置におい
て、2種以上の異なる周波数の発振器を設け、この2種
以上の周波数を用いた信号を送信する超音波送波装置を
構成し、この送波信号に対応して、2種以上の周波数を
それぞれ検出する2個以上の信号検出器を設け、この2
個以上の信号検出器間を接続し、同期信号を発生させる
同期信号発生部と、この2個以上の信号検出器に接続さ
れる信号処理部とで超音波受波装置を構成したものであ
る。
【0039】超音波送波装置から、超音波受波装置に送
波される超音波を、周波数の異なる第一周波数F1(以
下「F1」という。)と第二周波数F2(以下「F2」
という。)とを使用し、同一信号についてF1とF2と
を略同時に変調して発射し、このF1が超音波受波装置
において受信不能のヌル領域を発生する際の海水面との
俯角に対して、最強受信点となるよにこのF2を選択
し、このF1のヌル領域にこのF2の最強受信点が畳重
するように周波数の異なる2つの超音波を組み合わせて
送波することにより、俯角に対する受信可能領域とヌル
領域を畳重させて、相互の受信音響レベルの谷と山によ
って、受信音響レベル(インテンシティ)の低下してい
る範囲を最強受信点で補うことにより鏡像干渉による受
信不感度領域を著しく減少させたものである。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0041】図1は本発明の実施の形態における超音波
送波装置の回路構成を示すブロック図、図2は本発明の
実施の形態における超音波受波装置の回路構成を示すブ
ロック図、図3は本発明の受波器から送波器を見た俯角
に対する受波器の受信強度との関係を曲線に表した説明
図、図4は本発明の送波器から送波した信号と受波器で
受波する信号の処理方法を説明するためのタイム・チャ
ートである。
【0042】なお、従来技術に示す図6、図7、図8と
同一又は同等の構成要素には、同一の符号を付し、その
重複した説明は省略する。
【0043】本発明の超音波伝送装置は、図1に示すよ
うにセンサー部11から得た種々の水中の環境情報をデ
ジタル・データに変換するA/D変換器12と、F1発
振器14a及びF2発振器14bから発振する周波数で
データを変調し、伝送信号に変換処理する信号変換器1
3と、この信号を増幅する増幅器15と、増幅された信
号を送波する送波器16とにより構成される超音波送波
装置10と、図2に示すように、送信信号を受信する受
波器21と、この受波器21で受信した信号を増幅する
電力増幅器22と、この電力増幅器22に接続されるF
1信号検出器23a及びF2信号検出器23bと、この
F1信号検出器23a及びF2信号検出器23bに接続
し、同期信号を発生させる同期信号発生部24と、この
F2信号検出器23aを直接接続し、F1信号検出器2
3bを遅延回路25を介して接続する信号処理部26を
具備する超音波受波装置20により構成される。
【0044】本発明の伝送方法は、超音波送波装置から
超音波受波装置に送信される超音波を、周波数の異なる
F1とF2とを使用して同一信号についてF1変調に対
してF2を1/2ビット幅遅れで変調して発射し、F1
が超音波受波装置において受信不能のヌル領域を発生す
る際の海水面との俯角に対して、最強受信点となるよに
F2を選択し、F1のヌル領域にF2の最強受信点が畳
重するように周波数の異なる2の超音波を組み合わせて
送波するようにしたものである。
【0045】次に、本発明に係る超音波伝送方法につい
て、F1及びF2の異なる2種類の周波数を用いた場合
の鏡像干渉現象について説明する。
【0046】受波器16は、F1及びF2の直接波及び
海面反射波の4種の伝送波を受波する。同一周波数にお
いては点音源として球面波伝搬となるため、直接波に対
する海面反射波の受信音響レベルの変化量は、伝搬距離
の3乗に反比例して減少するので無視することができ、
直接波と海面反射波の伝送距離の差による位相変化につ
いて説明する。
【0047】従来技術で説明したように、本発明のF
1、F2による鏡像干渉現象は単一周波数を用いた場合
と同様に式6、式7及び式8が成立し、F1及びF2の
各伝送波についてそれぞれ独立して鏡像干渉現象が発生
する。
【0048】F1及びF2の伝送波が干渉して合成され
た受信音響レベル(インテンシティ)は、後述する式1
8のとおり、各周波数の音圧の2乗と、両周波数音圧の
積のCOS{2π(F2−F1)}の和に対し、鏡像干
渉の振幅との積となる。
【0049】即ち、両者の周波数差(F1−F2)の位
相変化が時間経過及び伝搬距離とともに変化する振幅を
有することになる。2波のF1及びF2の音源音圧を伝
搬中の拡散、吸収損失等を無視した模似式それぞれP10
及びP20で表せば、1の直波の音圧P1d、海面反
射波の音圧P1rは、 P1d=P10EP1d(jω1t) (式11) P1r=−μP10EXP(jω1t+jΔΦ (式12) F2の直接波の音圧P2d、海面反射波の音圧P2rは、 P2r=P20EP(jω2 (式13) P2r=−μP20EXP(jω2t+jΔΦ (式14) F1の直接波の音圧P1dと海面反射波の音圧P1rの合
成音圧P1は、 1=P1d+P110EP(ω1t){1μP10EXPjΔΦ)} 式15) F2の直接波の音圧P2dと海面反射波の音圧P2rの合
成音圧P2は、 2=P2d+P2=P20Ejω2)(1μP20EXPjΔΦ) (式16) F1及びF2の合成総合音圧Ptは、 Pt=P1+P2={1−μEXPjΔΦ)}{P10EXP(jω1t) +P20EX(jω2t)} 式17) 合音インテンシィIは、 I={1−μEXP(jΔΦ)}2{P10EXP(jω1t +P20EX(jω2t)}2ρc (式18) 実数部インテンシィRIは、 RI={1+μ2−2μCOS(ΔΦ)}P102+P202 +2 10P20C S{2π(F1)t}]/ρc (式19) RIは、一種の「うなり現象」を示しているが、伝送波
に超音波を使用しているので、最小周波数20kHz
(波長7.5cm)以上の周波数に対しては、周波数差
(F2−F1)を10kHz以下に選んでおけば、波長
は、新規にできる周波数10kHz(波長さ15cm)
以下の可聴音波の領域となり、超音波受波装置20にお
けるF1及びF2の各信号検出器によって、超音波の伝
送周波数と新規に発生する可聴周波(F2−F1)は厳
密に検出選別されるので、可聴周波数の音響が超音波受
波装置20に支障を起こすことはない。
【0050】従って、本発明の超音波伝送方法では、伝
送波の多重周波数によって超音波受波装置20は影響を
受けることはない。
【0051】鏡像干渉現象による音響レベルの強、弱
(山、谷)のパターンは、受波器21から送波器16を
見る俯角の関数に基づく干渉縞を形成するから、発生し
た多数のヌル領域39又は受信可能領域を水面に近い方
から順番に、例えば、1,2,3……と領域番号を付
け、F1のN1番目のヌル領域39とF2の最強受信点
38のN2番目とが同じ俯角で一致するように選択すれ
ば、両波の間に成立する次の関係を利用することができ
る。
【0052】 (2×N2−1)/(N1−1)=2(F2/F1) (式20) F1及び送波器16と受波器21の位置が設定されれ
ば、式20によって、受波器21から送波器16を見る
俯角が決まり、N1とN2が決まるのでF2を容易に決
定することができる。
【0053】同一俯角において、F1の周波数を30k
Hzとし、そのヌル領域39にF2の周波数を35kH
zとして、その最強受信点38を畳重する場合、式20
において、N1=N2=Nとして、それぞれの周波数を
代入すれば、 (2N−1)/(N−1)=2(35×103/30×
103) から=4を得る。 これはF1について水平面から4つ
目のヌル領域39、F2についても4つ目の最強受信点
38が同一の俯角で一致していることを示している。
【0054】この俯角は、式9及び式10からそれぞれ
計算することができ、俯角θは4.301°となり、両
波の俯角が一致していることが分かる。
【0055】次に、鏡像干渉による各周波数に対する単
一波伝送のビーム幅は、3dBレベル線に音波強度曲線
が交わる曲線の幅であり、前述したように以下の△Bで
計算される。
【0056】従って、F1(30kHz)の単独の受信
可能領域△Bは、 △B=45C/(πD2F)=45×1500/(π3×104) =0.76° 同様にF2(35kHz)の単独の受信可能領域△B
は、 △B=0.614° となる。
【0057】ここで、本発明のF1とF2による受信可
能領域について図3及び表を用いて説明する。
【0058】表1及び表2は、受波器10の深度D2
(1m)、静穏な海面(海面反射率μ=−1)におい
て、F1を30kHz、F2を35kHzとした場合、
理論計算によって、受信点において鏡像干渉が発生しな
い場合を基準とする音響レベルで、発生時の音響の強さ
について次の主要点を受波器21から送波器16を見る
俯角(度単位)で表した。−∞(ヌル点)0,3,6
(最大強度),3,0dBのように山と谷が周期的に繰
り返されるので、繰り返し順序回数をヌル発生番号とし
た。
【0059】
【表1】
【表2】 図3で示すように、F1ヌル位置へF2の最大強度位置
を畳重させた場合の受信可能領域は、求めた畳重俯角θ
を中心として、両波の音響強度曲線が継続して3dBレ
ベル線以上を越える範囲が受信可能領域となり、計算値
の数字では表1及び表2の塗りつぶした範囲、即ち、F
1は、2.87から5.50、F2は、2.76から
5.84で示すように、ビーム幅(4.3°±1.54
°ビーム)と同じ効果を持つことになる。
【0060】よって、図3に示すように約3.08°が
有効な受信領域(合成ビーム幅)となり、受信強度が最
も有効な範囲となり、従来の伝送方法の受信可能領域よ
りも約4〜5倍に拡大されたことになる。
【0061】次に、本発明の超音波伝送方法について図
面を用いて説明する。
【0062】図1に示す超音波送波装置10は、従来技
術と同様にセンサー部11で周辺の海水温度を測定した
アナログ情報(電圧)をA/D変換器12でデジタル量
に変換し、図4(a)に示すデジタル・データとして信
号変換器13へ送る。
【0063】信号変換器13では、F1発振器14a及
びF2発振器14bからF1及びF2の2波の超音波周
波数によつて、図4(b)のとおり、1ビットを2分割
にして、それぞれ1/2ビットごとにF1及びF2の伝
送超音波で変調し、送信信号の原形を作成して、電力増
幅部15へ伝送する。
【0064】F1及びF2の2つの周波数で変調を受け
た信号は電力増幅部15で所要の送信電力までに増幅
し、図4(b)に示す伝送信号として送波器16から無
指向性で海中へ放射される。
【0065】海面に浮上しているの超音波受波装置20
は、超音波送波装置10から2重波の超音波信号F1及
びF2の伝送信号を受信することになるが、海面の波浪
による動揺、反射損失又は鏡像干渉のため、送信された
とおりの信号を正しく受信できない。
【0066】即ち、1ビット信号に対してF1、F2両
波の信号とも受信、F1又はF2のいずれか1波のみ受
信、F1、F2両波とも受信できない(この場合は、受
信無しと判定するが、2波の受信をミスしたのかも知れ
ない危険がある。)。
【0067】以上の4つの事象が発生する。
【0068】本発明の実施の形態において、受波器21
は、図4(c)に示すデータ信号を受信したものと想定
すると、受信信号は、電力増幅部22で、検波レベルに
増幅され、各信号データの1ビット到来ごとに、それぞ
れF1信号検出器23a及びF2信号検出器23bで1
/2ビツト分割された信号が検出される。
【0069】同期信号発生部24は、図8の伝送信号の
構成で示すように同期部31において、超音波送波装置
10から伝送初頭にデータの付加されて送信されてくる
同期信号を受信し、超音波送波装置10のデータを時間
的に正しく読み込むため、図4(g)に示す同期信号
(クロック信号)のとおり伝送時間に対応する超音波受
波装置内部の同期信号を発生するものである。
【0070】F1信号検出器23aからの出力信号は、
F2信号検出器23bのからの号よりも1/2ビットの
秒時だけ進んでいるため、遅延回路25で遅延をかけF
2信号検出器23bからの信号と同期をとるためのもの
である。
【0071】その出力は、図4(e)に示している。F
2信号検出器23bからの出力信号は、そのまま信号処
理部26へ伝達される。
【0072】信号処理部26においては、同期を取るた
めの同期信号(クロック信号)、遅延されたF1出力信
号及びF2出力信号を受信し、同期信号(クロック信
号)を受信した時点におけるF1及びF2出力信号の論
理和を取ることによって、受信データを作成することと
なる。
【0073】本発明の一実施例では、F1及びF2につ
いて畳重させる場合について説明したが、さらに第三周
波数F3をF1及びF2の周波数に畳重させ1ビットご
とに3分割して送受信することにより受信可能領域をさ
らに拡大することが可能である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波伝
送装置及び伝送方法は、異なる2種以上の周波数を使用
し、鏡像干渉現象を利用して第一周波数により生ずるヌ
ル領域を第二周波数で生ずる最強受信点でカバーするよ
うにしたことによって、受信可能領域を著しく拡大する
ことができる。
【0075】従って、海上に設置された超音波受波装置
の動揺による受信角度の変化に伴う受信不能の領域は極
めて小さくなり、安定した確実なデータの伝送がえられ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超音波送波装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における超音波受波装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の受波器から送波器を見た俯角と受波器
の受信強度との関係を曲線に表した説明図である。
【図4】本発明の送波器から送波した信号と受波器で受
波する信号の処理方法を説明するためのタイム・チャー
トである。
【図5】従来の超音波伝送装置において超音波送波装置
を海底に、超音波受波装置を海上に設置した場合の、超
音波の伝達を説明するための説明図である。
【図6】従来の超音波送波装置の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】従来の超音波受波装置の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】従来のデジタル・データ信号の構成例を示す説
明図である。
【図9】従来の受波器から送波器を見た俯角と受波器の
受信強度との関係を曲線に表した説明図である。
【符号の説明】
10 超音波送波装置 11 センサー部 12 A/D変換器 13 信号変換器 14 超音波変調周波数発振器 14a F1発振器 14b F2発振器 15 電力増幅部 16 送波器 20 超音波受波装置 21 受波器 22 電力増幅部 23a F1信号検出器 23b F2信号検出器 24 同期信号発生部 25 遅延回路 26 信号処理部 27 無線送信機 28 アンテナ 31 同期部 32 データ部 33 1フレーム 38 最強受信点 39 ヌル領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 薫 神奈川県横浜市港北区新吉田町781番地ジ ェイ・アール・シー特機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波が海面と海底間で反射を繰り返し
    ながら伝搬可能な深さの海水中で使用されるデジタル・
    データの超音波伝送装置において、センサー部で得た情
    報をデジタル・データ信号に変換するA/D変換器と、
    2個以上の発振器から発振する2種以上の異なる周波数
    をキャリヤとして1ビットの信号を形成するようにデー
    タを変調し伝送信号に変換する信号変換器と、前記信号
    を増幅する電力増幅部と、増幅された2種以上の異なる
    周波数を用いた信号を送信する送波器とを具備する超音
    波送波装置と、該超音波送波装置からの送信信号を受波
    する受波器と、該受波器から得られる2種以上の周波数
    を用いた信号を増幅する電力増幅部と、該電力増幅部に
    接続される2個以上の信号検出器と、該2個以上の信号
    検出器に接続して、同期信号を発生させる同期信号発生
    部と、前記2個以上の信号検出器を信号処理部に接続
    し、前記2個以上の信号検出器のうち一の信号検出器が
    遅延回路を介して前記信号処理部に接続される超音波超
    音波受波装置とにより構成されることを特徴とする水中
    超音波伝送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された超音波送波装置か
    ら、請求項2に記載された超音波受波装置に送信される
    超音波を、周波数の異なる第一周波数F1と第二周波数
    F2と搬送波として同一のビット信号について前記第一
    周波数F1の変調に対して1/2ビット幅の遅れで前記
    第二周波数F2を変調して発射し、前記第一周波数F1
    が超音波受波装置において受信不能のヌル領域を発生す
    る際の海水面との俯角に対して、最強受信点となるよう
    に前記第二周波数F2を選択し、前記第一周波数F1の
    ヌル領域に前記第二周波数F2の最強受信点が畳重する
    ように周波数の異なる2つの超音波を組み合わせて送波
    することを特徴とするデジタル・データの水中超音波伝
    送方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された超音波伝送方法に
    おいて、伝送信号を構成するバイナリ・デジット・デー
    タ(1)、(0)の信号に関して前記(1)の信号に
    は、請求項2に記載した周波数の異なる第一周波数F1
    と第二周波数F2とキャリヤとして同一ビットの信号を
    略同時に変調して発射し、前記(0)の信号に対しても
    第三周波数F3と第四周波数F4を付与し、当該第一周
    波数F1から第四周波数F4の4波をもって相互に変調
    キャリヤとして送波器から発射し、当該4波の受信信号
    についてそれぞれ検出、信号処理を行い前記(1)の信
    号の裏信号として(0)の信号を利用し受信信号の確認
    を行うことを特徴とする水中超音波伝送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010035135A (ja) * 2008-05-09 2010-02-12 Seiko Epson Corp 超音波信号送受信装置、通信装置、ダイバー用通信装置、通信システム、および通信方法
JP2015511136A (ja) * 2012-01-26 2015-04-16 アライヴコア・インコーポレーテッド 生物学的パラメータの超音波デジタル通信
CN114924329A (zh) * 2022-03-10 2022-08-19 夏惠义 一种光学导引头

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