JPH0952091A - 廃液処理方法 - Google Patents

廃液処理方法

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JPH0952091A
JPH0952091A JP21076895A JP21076895A JPH0952091A JP H0952091 A JPH0952091 A JP H0952091A JP 21076895 A JP21076895 A JP 21076895A JP 21076895 A JP21076895 A JP 21076895A JP H0952091 A JPH0952091 A JP H0952091A
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JP
Japan
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waste liquid
concentration
tank
hexavalent chromium
light
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Application number
JP21076895A
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English (en)
Inventor
Kunitaka Sugano
邦孝 菅野
Katsuro Dejima
勝郎 出島
Yoshihisa Tanemoto
敬久 種本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液中の6価クロムを3価クロムに還元する
処理を行う廃液処理において、従来、還元槽に設けられ
る還元電位計では正確な6価クロム濃度の変化を検出で
きないため、運転監視員による廃液の色やフロックの形
成状態の目視観察に基づいて還元剤注入量が決定されて
いる。このため、還元剤の過剰投入になりがちで、効率
的な廃液処理が行われない。 【解決手段】 還元槽4に送られてくる廃液中の6価ク
ロム濃度を検出して濃度信号を出力するCr濃度計30
を設け、このCr濃度計30からの出力信号に基づいて
還元槽4への還元剤の注入量を制御する。これにより、
直接検出される廃液中の6価クロム濃度に応じて、還元
処理に必要な薬剤の適正注入量が定められるので、監視
員の省力化・薬剤使用量の低減が可能となり、廃液処理
効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃液中の6価クロ
ムを3価クロムに還元処理する廃液処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、自動車、電子産業等ではクロムメ
ッキが多用される。これらメッキ工場からの廃液に含ま
れる6価クロムは人体に有害であり、これを公共水域に
放流する際の濃度は、水質汚濁防止法によって環境基準
値0.05mg/リットル(0.05ppm)以下に規制されている。
【0003】このような6価クロムを含む廃液の処理プ
ロセスについて、図9を参照して説明する。各メッキ工
場からの通常数百〜数千ppm の高濃度の6価クロムを含
む廃液は、まず廃液受入れ槽81に溜められ、その後、一
次pH調整槽82に送られて硫酸が添加されpHが調整され
る。次いで、還元槽83に送られ、ここで、還元剤として
の重亜硫酸ソーダが注入されて、6価クロムが無害な3
価クロムに還元される。その後、二次・三次pH調整槽84
・85にて注入される水酸化ナトリウムで中和処理が行わ
れ、3価クロムは水に不溶性の水酸化クロムとなる。こ
れが、次の沈澱槽86にて沈降分離される。
【0004】分離されたクロムは、その他の亜鉛や鉄な
どの金属と共にスラッジ貯槽(図示せず)に回収される
一方、沈澱槽86の上澄水が次段の集合原水槽(図示せ
ず)に送られ、最終的な濃度の確認を行ったうえで放流
される。このような廃液処理プロセスにおいて、還元槽
83への還元剤の注入量を制御するために、従来、還元槽
83に還元電位計(ORP計)87 が設置されている。6価クロ
ムの還元処理に応じて変化する還元電位を上記の電位計
87で測定し、その検出電位が予め設定した値になるよう
に、還元剤の注入量が制御される。
【0005】しかしながら、上記した還元槽83に流入す
る廃液中には、鉄イオンや亜鉛イオン等の他の金属イオ
ンも含まれており、これら他の金属イオン濃度にも還元
電位計87の検出電位は大きく依存する。このため、還元
電位計87では6価クロム濃度のみの変化を正確には検出
できず、例えば、処理中の廃液における他の金属イオン
濃度がそれ以前の濃度に比べて変動した場合、6価クロ
ムの還元処理が完了する前に、還元電位計87の検出電位
が設定値に達するおそれが生じる。
【0006】そこで従来は、運転監視員が還元槽83にお
ける廃液の色や処理後のフロックの形成状態等を目視で
観察して還元処理の良否を判断し、上記の設定電位の変
更や注入量の補正を行っている。なお、上記のような廃
液処理は、廃液受入れ槽81内に、各工場からの廃液をあ
る程度溜めて廃液の成分を平均化し、その後、一次pH調
整槽82・還元槽83へと順次廃液を移し替えて処理するバ
ッチ処理にて行われ、例えば一日当たり10〜12回の処理
が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、前記したように最終的な廃液の処理条件を運転員の
目視観察に頼っているため、絶えず運転員の監視が必要
となる。さらに、監視員の感覚で薬剤注入量が決まるた
めに過剰注入が行われがちになり、このため、廃液処理
コストが高くなるという問題を生じている。
【0008】また、廃液処理を前記のようにバッチ処理
で行う場合、単位時間当たりの廃液処理能力を上げるた
めには廃液受入れ槽81やその他の処理槽の容量をそれぞ
れ大きくして構成することが必要であり、これによって
も設備費が高くなって廃液処理コストが上昇するという
問題を有している。本発明は、上記した従来の問題点に
鑑みなされたものであって、その目的は、監視要員の省
力化を図り得ると共に、廃液処理効率を向上することが
可能な廃液処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の廃液処理方法は、還元槽内の
廃液に還元剤を注入し、廃液中の6価クロムを3価クロ
ムに還元する処理を行う廃液処理方法であって、還元槽
に送られてくる廃液中の6価クロム濃度を検出して濃度
信号を出力するCr濃度計を設け、このCr濃度計からの出
力信号に基づいて還元槽への還元剤の注入量を制御する
ことを特徴としている。
【0010】このように、本発明法では、Cr濃度計で廃
液中の6価クロム濃度を直接検出し、その検出信号に応
じて還元剤の注入量を制御する。これにより、廃液中に
おける6価クロム以外の金属イオン濃度等に影響される
ことなく、還元処理に必要な薬剤の適正注入量を定める
ことができる。この結果、監視員の監視頻度の低減、な
らびに、薬剤使用量の低減が可能となり、廃液処理効率
が向上する。
【0011】請求項2の廃液処理方法は、上記Cr濃度計
が4000ppm までの6価クロム濃度の測定範囲を備えてい
ることを特徴としている。このように、測定範囲が4000
ppm までのCr濃度計を設けることにより、通常の廃液に
おける6価クロム濃度の変動範囲全体にわたって、直接
的な濃度検出が可能である。すなわち、測定範囲の上限
を超えると予測される場合には、廃液をサンプリングし
て測定範囲内に入るように適度に希釈して濃度を測定す
るなどの操作が別途必要となるが、上記では測定範囲の
上限を超えることが殆どなく、廃液中の6価クロム濃度
が直接測定されて薬剤の注入量が求められ、濃度検出の
ための余分な操作を必要としないので、処理効率が向上
する。
【0012】請求項3の廃液処理方法は、上記Cr濃度計
を廃液中に浸漬して廃液中の6価クロム濃度を連続測定
しながら、その検出信号に応じて還元槽への還元剤の注
入量を逐次調整することを特徴としている。このよう
に、廃液中の6価クロム濃度を連続測定しなが、逐次還
元剤の注入量を調整することにより、還元槽へ廃液を連
続的に送りながらこの還元槽に流入する廃液中の6価ク
ロム濃度の変化に見合った還元剤の注入量を逐次求めて
調整することができる。これにより連続処理が可能とな
るので、例えば還元槽の前段での廃液受け入れ槽等の容
量をより小さくすることが可能になり、全体の設備費を
より安価になし得るので、これによっても、全体的な廃
液処理コストを低減することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1に、本発明が適用される廃液
処理設備の一例を示している。同図は、各種鋼材等を製
造する鉄鋼所での廃液処理設備の構成を示すもので、こ
の廃液処理設備では、多くの表面処理工場や冷延工場か
ら排出されるメッキ廃液を受け入れ、その中に含まれる
有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元して沈澱さ
せる処理が行われる。このために、まず、受け入れ槽と
して、6価クロム濃度が1000ppm を超える高濃度の廃液
を溜める濃厚メッキ廃水槽1と、6価クロム濃度が100p
pm程度の廃液を溜める一般メッキ廃水槽2とが設けられ
ている。濃厚メッキ廃水槽1中の廃液は、少量ずつ一般
メッキ廃水槽2中に送られ、この廃水槽2中の廃液で希
釈されて、この廃液と共に以降の処理が行われる。
【0014】一般メッキ廃水槽2からの廃液はまず一次
pH調整槽3に送られ、この槽3にて、後述する還元反応
促進のために硫酸が添加されてpHが2〜3程度に調整さ
れる。次いで、還元槽4に送られ、ここで、還元剤とし
ての重亜硫酸ソーダが注入され、下記の反応式に示す
ように、6価クロムが3価クロムに還元される。 4H2CrO4+6NaHSO3 +3H2SO4→2Cr2(SO4)3+3Na2SO4
+10H2O 還元後、二次・三次pH調整槽5・6にて注入される水酸
化ナトリウム等のアルカリ剤で中和処理が行われ、下記
式で示すように、3価クロムは水に不溶性の水酸化ク
ロムとなる。
【0015】 Cr2(SO4)3+6NaOH →2Cr(OH)3+3Na2SO4 この析出物を除去するための助剤をさらに注入して次の
沈澱槽7に送ることにより、上記の水酸化クロムはこの
沈澱槽7にて沈降分離される。沈降したクロム化合物
は、その他の亜鉛や鉄などの金属と共にスラッジ貯槽に
回収される一方、沈澱槽7の上澄水が次段の集合原水槽
に送られ、最終的な濃度の確認を行ったうえで放流され
る。
【0016】なお、上記の一次pH調整槽3と、二次・三
次pH調整槽5・6とにはそれぞれpH計8・9・10が設置
され、これらpH計8・9・10での検出値に応じて、一次
pH調整槽3への硫酸供給量、二次・三次pH調整槽5・6
へのアルカリ剤供給量が制御される。すなわち、硫酸タ
ンク11からの硫酸供給ラインと、アルカリ剤貯溜タンク
12からのアルカリ剤供給ラインとに各々介設されている
流量調節弁13・14・15の開度が、各調節計16・17・18を
介して上記各pH計8・9・10での検出値に応じて制御さ
れる。
【0017】一方、一次pH調整槽3には後述するCr濃度
計30がさらに設置されている。還元剤貯溜タンク21から
の還元剤供給ラインに介設されている流量調節弁22は、
上記の濃度計30での廃液中の6価クロム濃度の検出値に
応じて、調節計23を介して行われるようになっており、
これによって、還元槽4には6価クロム濃度に見合った
量の重亜硫酸ソーダが逐次注入される。
【0018】ところで、上記の一次pH調整槽3に流入す
る廃液の6価クロム濃度は千ppm を超える広い範囲で変
動する。したがって、この槽3に設置された前記のCr濃
度計30は広い検出範囲を備えると共に、さらに、メッキ
廃液に含まれる亜鉛や鉄などの他の金属イオンや錯イオ
ン等に影響されない検出の信頼性が必要である。このよ
うな性能を有するべく構成されている上記のCr濃度計30
について、次に説明する。
【0019】図2には、還元槽4に送られてくる廃水に
対する光の吸光度の調査結果を示している。これは、図
3に示すように、厚さ寸法(廃液中の光路長)dが例え
ば5mmの所定形状のガラス製の測定セル25に廃水26を入
れ、この測定セル25に照射する光の波長を変化させたと
きの透過光の強度変化を測定したものである。また、図
2に示すように、還元剤を注入する前の受入れ廃水、す
なわち、6価クロム濃度“大”の廃水と、濃度“中”の
還元処理中の廃水と、濃度“小”の還元処理済みの廃水
との三種について測定した結果である。
【0020】同図のように、6価クロム濃度大の廃水で
は、波長 260nm近傍と、340 〜350nm の近紫外近傍とに
それぞれ吸光度のピークを有しているが、260nm 近傍の
波長の光では、6価クロム濃度が小さくなっても他の金
属イオン等の影響が大きく、6価クロム濃度に対する吸
光度の変化はあまり認められない。これに対し、340〜3
50nm にピークを有して 500nmまでの広がりをもつ吸収
帯では、この領域に吸収帯をもつ物質が前記したような
メッキ廃液中には含まれないことから、6価クロム濃度
のみに対応した吸光度変化が現れている。
【0021】そこで、前記のCr濃度計30では、上記の吸
収帯での吸光度変化を検出してCr濃度を測定することを
前提に、さらに、測定濃度範囲を0から数千ppm まで広
げるために、ピーク波長域340 〜350nm からずらして、
波長450nm の青色光で廃水中の6価クロム濃度を検出す
る方式を採用し、上記波長にピークを有する高輝度の青
色発光ダイオードを第1光源(以下、青LED ともいう)
として用いている。
【0022】さらに、廃水中には粉塵等も含まれてお
り、これによって廃水中を透過する光が散乱し透過光強
度の低下が生じることから、これによる検出精度の低下
を防止するために、さらに参照光を別途照射する二色検
出方式を採用している。この参照光は、図2に示されて
いるように、500nm 以上の波長の光では、6価クロム濃
度の変化に吸光度が影響されないことから、波長850nm
の近赤外域の光を参照光として採用し、この波長域にピ
ークを有する発光ダイオードを第二光源(以下、赤LED
ともいう)として用いている。
【0023】図4に、上記した青LED と赤LED との各発
光スペクトル分布を示す。さらに、前記の廃水処理設備
ではCr濃度計30が屋外で使用されることが前提であり、
このとき、図5に示すように、さらに外乱光が上記各光
源からの光に混入するおそれがある。そこで、この外乱
光による検出精度の低下を防止するため、赤LED には10
kHz 、青LED には3kHz の高周波電源をそれぞれ印加し
て点滅させ、これら点滅光の透過光強度をそれぞれ検出
する方式を採用している。
【0024】図6に、上記各方式を採用して構成したCr
濃度計30のセンサヘッド部31を示している。このセンサ
ヘッド部31は、投光ハウジング32と受光ハウジング33と
を備え、両ハウジング32・33は、同図(b) に示すよう
に、略水平なベース板34上に所定の間隔を置いて固定さ
れている。直方体ブロック形状の投光ハウジング32に
は、受光ハウジング33側の外壁面から内方に略水平に凹
入する凹入穴32aが形成されており、この凹入穴32aの
内方端に、前記した第1光源(青LED)35と、第2光源
(赤LED)36とが配設されている。
【0025】これら光源35・36は、各々の光の出射方向
を受光ハウジング33側に水平に向けて、相隣接させて固
定されている。そして、受光ハウジング33側の外壁面に
は、上記凹入穴32aの開口端を覆うように透明な石英ガ
ラス37が気密に取付けられている。さらに、上記凹入穴
32a内には、石英ガラス37の内側に集光レンズ38が配設
され、この集光レンズ38により、両光源35・36から出射
される光がほぼ平行光になって、受光ハウジング33側へ
と出射される。
【0026】一方、投光ハウジング32よりも形状を大き
くして形成されている受光ハウジング33は、同図(a) に
示すように、側壁板33aにシールパッキン33bを介して
箱形容器33cを組み付けて構成され、全体がほぼ直方体
形状をなすように形成されている。そして、同図(b) に
示すように、投光ハウジング32に対面する壁面には、そ
の底部側に、前記凹入穴32aと同軸状の貫通穴33dが穿
設されており、この貫通穴33dの開口端を覆うように上
記の壁面に沿って透明な石英ガラス39が気密に取付けら
れている。また、貫通穴33d内に、順次、散乱板40と集
光レンズ41とが配設されている。
【0027】受光ハウジング33の内部には、その底部側
に、上記の壁面に内側から接する受光部ブロック42が固
定されている。この受光部ブロック42には、上記貫通穴
33dと同軸上を水平に貫通する水平穴42aと、この水平
穴42aの中途位置から上方に貫通する垂直穴42bとが形
成されている。そして、両穴42a・42bの交差位置にハ
ーフミラー43が設けられると共に、両穴42a・42bの各
開口端に、それぞれホトダイオードから成る第1受光素
子44・第2受光素子45が取付けられている。これによ
り、投光ハウジング32側から石英ガラス39を通して受光
ハウジング33内に入射する光は、散乱板40と集光レンズ
41とを順次透過した後、ハーフミラー43を透過してその
まま水平に直進する光と、ハーフミラー43で反射して上
方に向かう光とに分割され、一方の光は第1受光素子44
に、他方の光は第2受光素子45にそれぞれ入射するよう
になっている。
【0028】なお、第1受光素子44の前面には赤外光カ
ットフィルタ46が設けられており、これによって、第1
受光素子44には、前記青色発光ダイオードから成る第1
光源35からの光が入射し、その入射光の強度に応じた信
号を出力する。一方、第2受光素子45の前面には可視光
カットフィルタ47が設けられ、これにより、第2受光素
子45には赤外光発光ダイオードから成る第2光源36から
の光が入射し、その入射光の強度に応じた信号を出力す
る。
【0029】一方、受光ハウジング33内における上部側
には、後述する高周波電源等を構成する回路素子が組み
付けられた回路基板48が配設されている。なお、この受
光ハウジング33および前記投光ハウジング32の各上端面
にはそれぞれ防水コードコネクタ49・50が取付けられ、
これらコネクタ49・50を通して上方に延びる防水コード
51・52を介して、外部からの電源の供給や検出信号の出
力が行われる。また、受光ハウジング33における前記石
英ガラス39上部の壁面に、このセンサヘッド部31の全体
を、前記した一次pH調整槽3の廃液中に浸漬させ、所定
の高さ位置で保持するための上方に延びる操作パイプ53
が取付板54を介して固定されている。
【0030】このように、上記のセンサヘッド部31は、
その全体を廃液中に浸漬させて6価クロム濃度の測定を
行う浸漬型として構成されている。このため、各ハウジ
ング32・33はそれぞれ水密構造で作製され、さらに、内
蔵する各光学部品に結露を生じないように、シリカゲル
などの乾燥剤を封入して構成されている。なお、上記構
成のセンサヘッド部31の具体的な形状寸法を例示すれ
ば、図中Lで示す長さ寸法は 120mm、Wで示す幅寸法は
70mm、Hで示す高さ寸法は 135mmであり、また、前記し
た両石英ガラス37・39間の距離、すなわち、廃液中の光
路長dは5〜15mmに設定されている。
【0031】受光ハウジング33内の前記回路基板48に
は、図7に示すように、3kHz電源61や10kHz 電源62等を
構成する回路素子が組み付けられている。外部から供給
される商用電源が、これら高周波電源61・62により、各
々、所定の発光ダイオード動作電圧に降圧されると共に
高周波電圧に変換され、第1・第2光源35・36に印加さ
れる。これにより、前述したように、第1光源35からは
3kHzで点滅する青色光が、また、第2光源36からは10kH
z で点滅する赤外光がそれぞれ出射される。
【0032】これら出射光は、それぞれ第1受光素子44
・第2受光素子45に入射し、入射光の強度に応じた信号
が各受光素子44・45から出力される。そして、これら出
力信号は信号処理装置63に送られる。この信号処理装置
63には、第1・第2バンドパスフィルタ64・65が設けら
れている。第1バンドパスフィルタ64は、第1受光素子
44からの出力信号における3kHzの周波数成分を通過させ
るものであり、したがって、このフィルタ64通過後の信
号Aは、第1光源35から出射されて廃液中を透過してき
た光の強度に対応した信号となり、外乱光の影響が除去
されたものとなる。同様に、第2バンドパスフィルタ65
は、第2受光素子45からの出力信号における10kHz の周
波数成分を通過させ、したがって、このフィルタ65通過
後の信号Bは、第2光源36から出射されて廃液中を透過
してきた光の強度に対応した信号となる。
【0033】これら両信号A・Bから、廃液中の6価ク
ロム濃度Cが算出される。すなわち、第1光源35から出
射される青色光の強度をS、廃液中の光路長をdとする
と、信号Aについては、 log(A/S)=−εCd ここで、ε:モル吸光係数 の関係が成立する。
【0034】一方、第2光源36から出射される赤外光の
強度Rと、これが廃液を通過後に第2受光素子45で検出
されるときの強度Bとの間には、廃液中の6価クロム濃
度Cには影響されずに、廃液中の光路長dに依存して減
衰する関係式が導かれ、これらから、結局、6価クロム
濃度Cが、 C=k1+k2・log(A/B) ……(1) 但し、k1,k2 は定数 で算出される。
【0035】上記(1) 式に基づく演算を行うように、前
記の信号処理装置63に、各フィルタ64・65を通過した信
号A・Bの比A/Bを演算する割算器66と、その出力信
号の対数を演算して(1) 式に基づく計算を行う対数変換
器67とが設けられている。この対数変換器67から、廃液
中の6価クロム濃度に対応した電圧信号Voが出力され
る。図8には、この電圧信号(以下、センサ出力とい
う)Voと、6価クロム濃度との関係を測定した結果を示
している。同図のように、センサ出力Voは、0ppmから5
00ppm程度まで急峻な変化を示した後、さらに濃度が上
昇すると変化勾配が徐々に緩やかになるが、4000ppm を
超えるまで、センサ出力Voは6価クロム濃度の上昇に伴
って漸増する。したがって、0〜4000ppm の広い範囲に
わたって、センサ出力Voから6価クロム濃度を一義的に
求めることが可能となっている。
【0036】以上のように、上記のCr濃度計30は、高輝
度の青色発光ダイオード(中心波長:450nm)と、近赤外
発光ダイオード(中心波長:850nm)とを組合せた2波長
吸光度測定方式を採用した濃度計として構成され、特
に、6価クロム溶液の吸光度がピークになる波長からず
らして測定波長を設定することにより、広範囲の濃度測
定が可能となっている。
【0037】また、光源として発光ダイオードを用いる
ことにより、軽量かつコンパクトに構成されると共に耐
久性が向上し、さらに、直接浸漬型として構成されて連
続計測が可能である。また、光源そのものを点滅させる
ことで変調を行い、透過光を検波することで外乱光の影
響を除去し、精度の高い測定を行うことが可能となって
いる。
【0038】このようなCr濃度計30が、図1に示すよう
に一次pH調整槽3に設置され、この槽3の廃液中の6価
クロム濃度が検出される。そして、この濃度信号に基づ
いて、還元槽4への重亜硫酸ソーダの注入量が調整され
る。これにより、廃液中における6価クロム以外の金属
イオン濃度等に影響されることなく、還元処理に必要な
薬剤の適正注入量が定められる。この結果、監視員の監
視頻度の低減、ならびに、薬剤使用量の低減が可能とな
り、廃液処理効率が向上する。
【0039】また、上記のCr濃度計30は4000ppm までの
6価クロム濃度の測定範囲を備えている。このため、通
常の廃液では6価クロム濃度が測定範囲の上限を超える
ことは殆どなく、これにより、薬剤注入量の自動的な制
御を安定して継続することができる。この結果、例えば
測定範囲を逸脱したときに処理を中断させるなどの操作
を殆ど必要としないので、これによっても、処理効率が
向上する。
【0040】なお、上記Cr濃度計30での検出濃度に応じ
て、単位時間当たりの処理量を制御するようにすること
も可能である。すなわち、一次pH調整槽3で検出される
6価クロム濃度が低い場合には、例えば濃厚メッキ廃水
槽1から一般メッキ廃水槽2への廃液の送り出し量や、
一般メッキ廃水槽2から一次pH調整槽3への廃液の送り
出し量を多くする制御、或いは逆に、検出濃度が過大な
場合には一般メッキ廃水槽2からの廃液量を絞る制御
を、流量調整弁27・28によって行うようにすることが可
能である。これにより、設備の処理能力に見合った稼働
状態を維持して運転を継続することができる。
【0041】一方、上記のようなCr濃度計30での検出値
に基づく廃液処理は、Cr濃度計30で6価クロム濃度の変
化を連続的に測定することが可能であることから、一般
メッキ廃水槽2から一次pH調整槽3・還元槽4へと廃液
を連続的に送り出しながら処理するように構成すること
も可能である。このとき、一般メッキ廃水槽2からの送
り出し量、すなわち、単位時間当たりの処理量と、Cr濃
度計30で検出される6価クロム濃度とに基づいて、還元
槽4への重亜硫酸ソーダの注入量が逐次算出され、この
算出結果に基づいて、還元剤供給ラインの流量調整弁22
の開度が調整される。
【0042】このような連続処理方式とすることによ
り、一般メッキ廃水槽2や、他の処理槽の容量を小さく
しても、従来のバッチ処理と同様の単位時間当たりの処
理量を確保することができる。この結果、設備費用がよ
り安価なものとなるので、処理コストを低減することが
できる。なお、上記では、Cr濃度計30を一次pH調整槽3
に設置した例を挙げて説明したが、Cr濃度計30の設置箇
所は、例えば一次pH調整槽3から還元槽4への廃液移送
ライン中、或いは還元槽4内における廃液流入箇所な
ど、適宜の部位を選定することができる。また、上記で
は、連続処理方式で廃液処理を行うように構成したが、
本発明における請求項1・2の範囲においては、一般メ
ッキ廃水槽2内に所定量の廃液が溜まる毎に、一次pH調
整槽3・還元槽4へと順次廃液を移し替えて処理する従
来同様のバッチ処理方式で廃液の処理を行うようにする
ことも可能である。
【0043】さらに、上記では鉄鋼製造所での廃液処理
設備を例に挙げたが、例えば自動車や家電部品メッキ工
場などの廃液処理設備や、その他のメッキプロセスなど
にも本発明を適用することが可能であり、これによっ
て、廃液処理効率を大きく向上することができる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の請求項1
の廃液処理方法は、Cr濃度計で廃液中の6価クロム濃度
を直接検出し、その検出信号に応じて還元剤の注入量を
制御するので、6価クロム以外の金属イオン濃度等に影
響されることなく、還元処理に必要な薬剤の適正注入量
を定めることができる。この結果、監視員の監視頻度の
低減、ならびに、薬剤使用量の低減が可能となる。
【0045】請求項2の廃液処理方法は、測定範囲が40
00ppm までのCr濃度計を設けているので、通常の廃液に
おける6価クロム濃度の変動範囲全体にわたって測定範
囲の上限を超えることが殆どなく、これによって、廃液
中の6価クロム濃度が直接測定されて薬剤の注入量が求
められるので、濃度検出のための余分な操作を必要とし
ない。この結果、廃液処理効率が向上する。
【0046】請求項3の廃液処理方法は、廃液中の6価
クロム濃度を連続測定しながら、逐次還元剤の注入量を
調整するので連続処理が可能となり、これによって、例
えば還元槽の前段での廃液受け入れ槽等の容量をより小
さくして構成することが可能になるなど、全体の設備費
をより安価になし得るので、これによっても、全体的な
廃液処理コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における廃液処理設備の構
成を示す模式図である。
【図2】上記廃液処理設備における廃液の吸光度測定結
果を示すグラフである。
【図3】上記吸光度の測定方法を示す模式図である。
【図4】上記廃液処理設備に設置されているCr濃度計に
おける光源としての青LED と赤LED との発光スペクトル
分布を示すグラフである。
【図5】上記Cr濃度計における測定方式を説明するため
の説明図である。
【図6】上記Cr濃度計のセンサヘッド部を示すものであ
って、同図(a) は一部切欠側面図、同図(b) は一部切欠
正面図である。
【図7】上記Cr濃度計の構成を示すブロック図である。
【図8】上記Cr濃度計におけるセンサ出力と6価クロム
濃度との関係を示すグラフである。
【図9】従来の廃液処理設備の構成を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 濃厚メッキ廃水槽 2 一般メッキ廃水槽 3 一次pH調整槽 4 還元槽 5 二次pH調整槽 6 三次pH調整槽 7 沈澱槽 21 還元剤貯溜タンク 22 流量調節弁 23 調節計 30 Cr濃度計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元槽内の廃液に還元剤を注入し、廃液
    中の6価クロムを3価クロムに還元する処理を行う廃液
    処理方法であって、 還元槽に送られてくる廃液中の6価クロム濃度を検出し
    て濃度信号を出力するCr濃度計を設け、このCr濃度
    計からの出力信号に基づいて還元槽への還元剤の注入量
    を制御することを特徴とする廃液処理方法。
  2. 【請求項2】 上記Cr濃度計が4000ppmまでの
    6価クロム濃度の測定範囲を備えていることを特徴とす
    る請求項1記載の廃液処理方法。
  3. 【請求項3】 上記Cr濃度計を廃液中に浸漬して廃液
    中の6価クロム濃度を連続測定しながら、その検出信号
    に応じて還元槽への還元剤の注入量を逐次調整すること
    を特徴とする請求項3記載の廃液処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002239563A (ja) * 2001-02-20 2002-08-27 Kurita Water Ind Ltd 6価クロム含有排水の処理方法、及び処理装置
JP2004267814A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Kurita Water Ind Ltd 6価クロム含有排水の亜硫酸水素塩による処理方法、及び処理装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5321078A (en) * 1976-08-11 1978-02-27 Hitachi Ltd Treating method for waste liquid for electrolytic processing

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