JPH09512743A - 溶液中に有機物及び塩類を含む液の脱塩法 - Google Patents
溶液中に有機物及び塩類を含む液の脱塩法Info
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Abstract
(57)【要約】
溶解した有機物と無機塩類を含有している液の脱塩方法。この液は、それを一価カチオン強イオン交換樹脂(1)へ浸透させ、前の工程からの液の所定のバッチとこの液からイオンを受け取るための高濃度塩水を、複数のアニオン膜(A)と間に挿入された複数のカチオン膜(C)とを含む二つの区画室を含む少なくとも一つの電気透析器(8)にループ状に通し、そしてイオン交換樹脂(1)を90〜110g/lの塩濃度を有する高濃度塩水で再生する。
Description
【発明の詳細な説明】
溶液中に有機物及び塩類を含む液の脱塩法
本発明は、溶液中に有機物質を含有している液を脱塩するための方法に関する
。
食品産業の多数の部門に、無機物と有機物、例えばタンパク質、糖類、有機酸
類及びそれらの塩類、アミノ酸……といったもの、の両方を溶液中に含有してい
る液体の製品又は廃液が存在している。
有機物はそのような液の有用な部分を構成する一方で、無機の塩類は抽出する
ことを必要とする無用な部分を構成する。
そのような塩類を抽出すること、又は脱塩することは、理論的に言えばあるい
は実験室の条件では困難ではない。ところが、同じ原理を実行する工業的な設備
はまた、経済的な必要条件を満たさなくてはならず且つ、環境への配慮や汚染に
関する規制といったような外的な制約に従わなくてはならない。
そのような液を脱塩するための既知の技術のうちで、イオン交換樹脂(カチオ
ン又はアニオン樹脂)、沈殿(熱による、アルカリ性にすることによる、……)
、不溶化(例えばタンパク質やラクトースをメチルアルコールで)、透析、電気
透析、この目的用の膜を通してのろ過を使用すること、そして物理的及び浸透性
の平衡の利用、……を挙げることができる。
工業的プロセスは必然的に、生産のこれこれの側面がこれこれの別の側面にと
って有利であるかどうかに応じて選定の基準を構成するそれぞれの利点と欠点の
あるいくつかのそのような技術を使用して、いずれにしても何らかの特定の経済
的成果を生じさせる。
実例として、例えば、樹脂によるイオン交換の技術は非常に高度
の脱塩のなされることを可能にするが、極めて汚染性の廃棄物を生じさせ、有機
物の無視できない損失のもととなり、そして大量の薬剤と水を消費することに言
及することができる。
有機物を含有している液の電気透析は、部分的な脱塩のみを、主として一価の
塩類の脱塩のみを、行うことができ、処理しようとする液がアルカリ土類金属(
カルシウム、マグネシウム、……)を含む場合には多数の欠点をもたらす。これ
らは有機物と結合し、膜を詰まらせる要因を構成して、脱塩のため電荷の数が減
少することと関連して装置の電気抵抗を上昇させ、こうしてその電力消費量を増
大させる。同様に、この方法はたくさんの水を消費し、頻繁な清掃を必要とする
。各清掃作業は、水を使って製品を除去することを必要とし、こうしてそれを希
釈し及び/又は処理された製品を損失する。場合によっては、それはまた膜の詰
まりを除くのに水圧及び電圧の反転を必要とする。
連続の脱塩と清掃のサイクルを実施するのに適した設備は、多数の弁、ポンプ
、及び配管で複雑になる。
ろ過、特にナノろ過は、一価イオンに関し特に有効な特別の膜を使用する。浸
透性の平衡のため、この実施の簡単な技術により行われる脱塩は処理しようとす
る液中に最初から存在する塩類のうちの30〜35%に制限される。
本発明は、脱塩方法に関し、この方法においては、
・水と薬剤の消費を最小限に減らし、
・エネルギー消費も最小限にされ、
・廃棄物の量を減らす一方で、それにもかかわらず単純な設備とすることを可
能にして、それにより投下資本を節約し、そして現在市場に出回る製品(よくて
も70〜80%まで脱塩されている)よりもはるかに良好な品質の製品が得られ
る。
このために、本発明は、溶液中に有機物と無機塩類を含有している液を脱塩す
るための方法であって、当該液の処理が下記の工程を含むものを提供する。それ
らの工程とは、
・強カチオンイオン交換樹脂に当該液を浸透させる工程、
・上記の工程からの液のバッチとその液からイオンを受け取るためのブライン
の両方を、複数のカチオン膜の間に挿入された複数のアニオン膜を含む少なくと
も一つの「二区画室」電気透析器を通しループ状に循環させる工程、そして
・塩濃度が80グラム/リットル(g/l)〜140g/lの範囲にあるブラ
インを使ってイオン交換樹脂を再生する工程、
である。
この単純な基本プロセスにより、経済の点から非常に大きな利点が得られ。N
a+あるいはK+といった一価のイオンをつけた樹脂に浸透する液は、イオン交換
樹脂カラムからの出口における物質がCa++あるいはMg++といったような二価
のカチオンを特に除去された液であるように、その二価のカチオンを当該一価イ
オンと交換する。それは、水が軟化されるように、すなわちそのカルシウムが除
去されるように、及び同様の技術を利用して、「軟化された」液を構成する。
このアルカリ土類イオンの存在しないことは、当該「軟化された」液が入る電
気透析器がはるかに良好に働くことを意味する。それは一価イオンを含有するだ
けであるから、脱塩ははるかに容易に且つ迅速に行われる。膜上に析出物はもは
や認められず、そのためそれらは詰まらない。もはや、電気透析槽をきれいにす
るため頻繁に水圧及び電圧の反転を行う必要はない。水は、清掃作業(有機媒体
中に二価の塩類が存在している通常使用される電気透析器で反転を行う間隔より
も15〜20倍長い間隔での)の際に物質を押し出す
のに使用されるだけである。このように、製品の希釈が少なくなり、損失が少な
くなり、そして水の消費量が少なくなる。
その上、且つこれが最も有益なことであるが、この一価イオンのみを含有して
いるブラインは、濃度が上昇すると急速に析出する不適当な性質を持つ二価イオ
ンを含有しているブラインが濃縮できるよりも10〜15倍濃縮することができ
る。
電気透析器を流れるブラインは、リットル当たり80〜140gの塩を含有し
ている溶液でよい。そのような状況下では、塩濃度が5〜6g/l程度である液
を処理する場合において産業目的にとって十分に信頼できない電気透析器を制御
することは困難になる。
従って、困難である、少なくとも現在においてはそうである、この問題を解決
するために、二つの工業的選択肢が提案される。
第一のものは、物質を予備濃縮して(水の初期容積の2/3又は3/4を抽出
して)、電気透析により処理される物質中の塩の濃度を約25g/lまで上昇さ
せるものである。その後、設備にとって申し分のない安全な条件下で、濃度90
〜100g/lのブラインを使って第一段階の電気透析を始めることが可能であ
る。この第一段階の間に、この非常に濃縮されたブラインの容積は、イオンの移
動のためそしてその塩濃度が35g/lのブラインを加えることにより調節され
るために、増加する。過剰のブラインはタンクに貯蔵され、そして強カチオン樹
脂を再生するために使用される。
処理された物質の塩濃度はこうして低下し、それによりブラインの塩濃度に対
する差が増大して、電気透析器の制御をより困難にし且つファラデー効率の低下
を招く。従って、ブラインの塩濃度を、その後例えばほぼ35〜40g/lに維
持するように水を加えることによって低下させる一方で、処理される液の塩濃度
は2.5g/lに達することができる。この濃度変更を行う時機は、連続的に監
視される電気透析器の運転パラメーターの値に関係するものとして決定される。
脱塩が所望の限界値に達したなら、処理を停止し、そしてリットル当たり35
〜40gの塩のブラインが次のバッチを処理するための出発ブラインを構成する
。
第二の可能性は、処理しようとする液を予備濃縮することが望ましくない場合
に考えることができる。この場合、ブラインの塩濃度は、処理しようとする液中
の塩の濃度(例えばホエーについては5〜6g/l)を仮定して、電気透析器を
最適に運転するのを可能にするような値(35〜40g/l)に調節される。同
時に、もう一つの電気透析器において又はもとの電気透析器の区画室のうちの一
部分において、ブラインはそれ自体が脱塩されて濃度が約100g/lのもう一
つのブラインになる。
この濃縮されたブラインは、その濃縮度が高い(80〜140g/l)ことか
ら少なくとも一つの追加の利点を有する。それは、強カチオン樹脂を再生するた
めの薬剤としていかなる処理も行わずに使用するのに適したNa+及びK+カチオ
ンに富んだ溶液である。樹脂により保持される二価イオン(カルシウム、マグネ
シウム、……)は、ブラインの一価イオン(ナトリウム、カリウム)により追い
出される。抽出された塩に加えて再生剤からやってくる塩が除かれるほかの方法
(例えば塩酸と苛性ソーダを用いて再生する場合)と違って、処理される液から
抽出された塩以外に除かれるものはないことが理解されよう。
本発明の方法は、水と薬剤の必要がないことによって現在知られている通常の
方法と相違し、そしてそれはかなりの節約を伴い、また現在知られているものよ
り明らかに高い品質の最終製品をもたらす。
電気透析器から出てゆく製品はその無機塩類の約90〜95%が取り除かれて
おり、且つそれは予備濃縮されていて、これは同じ性能について既知の方法の経
費よりかなり安い経費でなされる。
このような脱塩を、特に電気透析の前の予備濃縮なしに行う場合において、更
に改良するために、二価イオンが樹脂により前もって除去されているということ
により可能にされる追加のナノろ過工程によって物質を処理することが可能であ
る。透過物は、当該物質中になおも存在する一価イオンを含んだ水からなる。こ
の段階中に抽出することができる水の量は、ナノフィルターから出てくるものが
リットル当たり約220gの乾燥物質になるまで濃縮されるようなものであり、
これは特別な困難なしに達成される。
ナノろ過工程からやってくるこれらの一価イオンを含む水は、樹脂カラムを洗
浄するための水として都合よく使用することができ、そしてそれは電気透析器へ
注入することができて、この透析器の電流の方向は同時に反転される。これは、
膜が清浄にすることなく15〜20の運転サイクルの間保持していることができ
る任意の有機不純物を除去するのに役立つ。ここでも、清浄のために必要な物質
の消費量はかなり低下する。水はまた、ブラインのための出発物質を構成するこ
ともできる。
最後に、変形した態様において、処理を開始する際のカチオン樹脂カラムを強
カチオン樹脂と強アニオン樹脂の混合物を含むカラムと取り替えることが可能で
ある。このようにすることの利点は、処理の第一段階の間に有機アニオンのうち
の一部を除去し、それらを無機アニオンと交換する可能性から生じる。これは、
電気透析とナノろ過の次の段階の邪魔になるリン酸塩や硫酸塩の存在を減少させ
る。それにもかかわらず、このようにすることにはちょっとした欠点があり、す
なわち硫酸塩とリン酸塩は樹脂内に析出する。再生の
際のこのような析出をなくすための満足な解決策は、析出物を溶解するためブラ
イン又は洗浄液をわずかに酸性にすることにある。
このほかの特徴と利点は、添付の図面を参照して行う以下の本発明の態様の説
明から明らかになる。添付の図面において、
第1図は予備濃縮を利用する態様において本発明の方法の種々の工程を実施す
るための設備を示しており、
第2図は電気透析に先立つ予備濃縮を行わない設備を示している。
説明のために、カゼインを抽出したミルクからのホエーを脱塩すべき液の例と
して使用する。
強カチオン樹脂のカラム1には、脱塩しようとするホエーのための入口2、再
生薬剤のための入口3、そして洗浄液のための入口4があり、おのおのにはこれ
らの物質を選択的に入れることを可能にするための特定の弁がある。カラムから
の出口5は、廃棄するため6から取り出されるか、さもなければ予備濃縮器7(
例えば蒸発により運転する)へ注入される。濃縮器7からの出口では、ホエーは
、隔室9のおのおのが通常のようにカチオン膜Cとアニオン膜Aとによって確定
される「二区画室」電気透析器8を含む回路13へ注入される。これに関して、こ
れらの膜は一価イオン用の特別のものであること、先頭膜(head membrane)(
先頭電極(head electrode)を取り囲む電解液を隣接する隔室から分離している
もの)は商品名NAFIONで知られる材料から作られることを認めるべきである。〔
電気透析器8の隔室9の7で、それぞれは通常のようにしてカチオン膜Cとアニ
オン膜Aにより確定されている〕
隔室9のおのおのはマニホールド10につながれ、これは電気透析器8をタンク
11に通じさせ、それからの管12がタンク11と電気透析器8の間の閉鎖ループをめ
ぐってホエーが循環するのを可能にして
、出口14を持つ回路13を形成する。
ホエーが通過する隔室9に隣接している電気透析器8の隔室18はそれら自体が
、タンク20を含むループ19をめぐって流れる濃縮溶液(ブライン)を通し、この
タンクからはブラインを貯蔵のため導管21を通して(例えばオーバーフローによ
り)タンク22に抜き出してから樹脂カラムの再生用入口3へ供給することができ
る。供給路15は、ループ19に水かあるいは低濃度のブラインを供給するためルー
プ19のために設けられる。
最後に、第1図は、電気透析器8に供給電圧を供給するための装置に相当する
電気反転スイッチ23を示している。
イオン交換樹脂の存在することは、本発明の方法の第一段階におけるバッチ操
作を強要し、すなわち液は所定の容量のうちの一部分でもって処理される。二つ
のバッチの間においては、樹脂の再生サイクルが行われ、そして規則的な間隔で
(例えば10〜12時間ごと)設備全体が清浄にされる。通常のようにして、工
業的な設備には、一つの回路が液を処理する一方で他のものが再生されあるいは
清浄にされるように並列につながれた、図に大まかに示した種類の回路が少なく
とも二つ含まれる。
第1図において、物質を設備を循環させるための手段とそれを制御するのに必
要な弁及び構成機器は、この分野において普通のものであるので省略されている
。
処理サイクルの開始時には、強カチオン樹脂1にナトリウム及びカリウムによ
り主として構成される一価カチオンをつける。入口2を通して注入されたホエー
がこの樹脂に浸透する間に、それは主としてカルシウムとマグネシウムである二
価イオンを一価イオンと交換する。これに関しては、樹脂が二価イオンを捕捉す
るときにホエーは二つの一価イオンを与えられ、そのためカラムからの出口にお
いてホエーに含まれている電荷は全体として溶液中にあり、従って、有機物に部
分的に結合されるCa++イオンと違ってホエーにより良好な導電性を付与するの
で、それらの電荷の性質は異なる、ということを認めるべきである。この性質は
、ホエーを注入しようとする電気透析器8の良好な運転にとって非常に都合がよ
い。
ホエーは濃縮器7で予備濃縮にかけられ(ここでそれはその水の2/3から3
/4を失う)、そしてそれはそこから30〜40℃の範囲にある温度、好ましく
は36℃の温度で出てくる。
次いで、ホエーはループ13へ注入され、その一方約35g/lに濃縮された
ブラインがループ19へ注入される。ホエーはブラインへ脱塩され、ブラインの塩
濃度は100g/lまで急速に上昇する。それは、35g/lに濃縮されたブラ
インを供給路15を通して加えることによって、導電率計で測定されるこの値を保
つように調整される。過剰のブラインはループ19から抜き出され、そして樹脂1
の再生用にタンク22に貯蔵される。
予備濃縮されたホエー中の無機物の濃度は、例えば23g/l又は24g/l
から12g/lへ低下する。このレベルでは、電流の特性とファラデー効率は、
ブラインの塩濃度を変えることが必要なほど低下していることが認められる。水
15を加えることにより、この濃度は35〜40g/lまで低下され、そして予備
濃縮されたホエーが所望の程度まで脱塩されるまでこの値に維持される。過剰の
ブラインは同様に貯蔵される。次いで、この生成物はループ13から出口14を通し
て抜き出される。
次に、予備濃縮されたホエーの新しいバッチをループ19で塩が35〜40g/
lのブラインを使って処理し、そしてその濃度は、上記のように安定化される1
00g/lに素早く達して、過剰のブラインはタンク22に回収する。ブラインを
100g/lに調節するの
に、上述のように、35g/lのブラインも役立つ。
この濃縮度は、第一には溶液が樹脂カラム1を再生するための薬剤として直接
使用するのに十分ナトリウムカチオンとカリウムカチオンに富んだブラインを構
成することから、そして第二には浸透平衡のために、いくつかの点で有利であり
、それは隔室9を通って循環するホエーに含まれる水のうちの一部分を抽出する
ための手段を構成する。ブラインはこうして連続的に電気透析器により作られ、
そのため電気透析のこの第一の段階の間におけるその運転は水を少しも消費しな
い。
電気透析器8は、バッチ様式で運転してもよくあるいは連続式に運転してもよ
い。連続式に運転する場合、それには、次々にそれにつながれた並列の複数の上
流樹脂カラムにより、電気透析器を連続して循環しそしてそれから連続的に抜き
出される製品が供給される。
第2図は、ホエーを予備濃縮することが可能でないかあるいは望ましくな0状
況に特別に適合する、第1図の変形を構成する設備の図である。この場合ホエー
は通常、リットル当たり5〜6gの塩を含有している。第2図には、第1図を参
照して既に説明した構成要素が含まれており、それらには同じ参照符号が与えら
れている。
カラム1からのホエーはループ13をめぐって循環する。リットル当たりの塩が
35〜40gのブラインのループ19は、先に説明した隔室18に加えて、同じ電気
透析器8内にあってもよくあるいは別の電気透析器内にあってもよく、そしてよ
り高い塩濃度(100g/l)の他のブラインを流す隣接の隔室9Aへ塩を抽出
するためのブライン隔室を構成する隔室18Aを含む。上記の他のブラインは、そ
の濃度を調節するためのタンク20Aを含む閉鎖ループ19Aをめぐって循環し、そ
れからの過剰物はタンク22Aに貯蔵される。こうして
、既知のやり方でもって、ホエーは希釈され(deconcentrated)、同時にブライ
ンは濃縮される。
出口14において、ホエーは90〜95%まで脱塩されており、そしてタンク11
から抜き出すことができる。本発明によれば、この脱塩を更に行おうとする場合
には、ホエーをナノろ過装置24へ注入し、そしてそこから、99%まで脱塩しそ
して部分的に濃縮して(リットル当たりほぼ220gの乾燥物質まで)から、25
でホエーを抜き出す。ナノろ過の透過液は、水と低含有量のナトリウムイオン及
びカリウムイオンにより本質的に構成され、そしてそれは緩衝タンク26へ送るこ
とができ、これから廃棄するため抜き出すことができあるいは樹脂カラムの入口
4又はループ19Aの入口15へ送ることができる。このわずかにイオンを含む水は
、樹脂にとって完全に受け入れることができる洗浄液を構成し、そしてまた、カ
ラムからの出口において、電気透析器がその運転を電気的に反転することで清浄
にするのを必要とする場合に電気透析器のためのブラインをも構成する。
本発明の方法は、特に水の消費量を低減しそして再生器を用いないことに関し
て、そしてまた電気透析器の運転を大いに改善して複雑な清浄作業及びそのよう
な清浄作業と脱塩処理の工程とを交替するための複雑な設備を無用にすることに
関しても、かなりの節約を可能にする。この方法のために必要とされる運転費と
投下資本は、従来の方法と比べてかなり低下する。その上、汚染と廃棄物に及ぼ
す効果はかなりのものであり、そして本発明の方法の経済的な成果とはかかわり
なく、それらは環境の保護と汚染物質の排出に関する規制の要件をはるかに適切
なやり方でもって満たす。
最後に、図示していない別の態様において、樹脂カラム1は、電気透析器の運
転にとってそれらが存在することがやはりやっかいで
あるリン酸又は硫酸タイプのアニオンの少なくとも一部分をなくすことによりこ
の方法の運転を更に改良するように、強カチオン樹脂と強アニオン樹脂の混合物
を含むことができる。上述のブラインは、カラム内に析出することがある硫酸塩
又はリン酸塩を溶解するために少量の酸を加える必要があること除いて、アニオ
ンの観点とカチオンの観点の両方からそのようなカラムを再生するのに完全に適
している。洗浄液を酸性にすることが一層有利である。
電気透析器の運転を電気的に反転するための手段23は極めて簡単で且つ安価で
あることが認められよう。
最後に、この方法の別の実施態様には、(アニオン又はカチオン)イオン交換
樹脂27及び28を通過する(ナノろ過に取って代わって)最終工程を含めることが
できる。そのような仕上げ処理に適した樹脂は、“Resindition”からの商品名R
ELITE SKIBで知られるカチオン樹脂及び三菱化成社からのアニオン樹脂A 345で
あり、両方とも非常に微孔質である。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
B01J 49/00 9538−4D B01J 49/00 F
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.溶液中に有機物と無機塩類を含有している液を脱塩する方法であって、当 該液の処理が、 ・一価イオン用の強カチオンイオン交換樹脂(1)に当該液を浸透させる工程 、 ・上記の工程からの液のバッチとその液からイオンを受け取るためのブライン の両方を、複数のカチオン膜(C)の間に挿入された複数のアニオン膜(A)を 含む少なくとも一つの「二区画室」電気透析器(8)を通しループ状に循環させ る工程、そして ・塩濃度が80〜140g/lの範囲にあるブラインを使って上記イオン交換 樹脂(1)を再生する工程、 を含むことを特徴とする脱塩法。 2.前記浸透工程と電気透析工程の間で、前記液を予備濃縮し、電気透析を2 段階で行って、第一の段階では塩濃度が80〜140g/lの範囲に維持される ブラインを使用する一方で処理される当該液の塩濃度は定められた限界値より高 く、そして第二の段階では所望の脱塩限界値に達するまで塩濃度が30〜40g /lの範囲に維持されるブラインを使用することを特徴とする、請求の範囲第1 項記載の方法。 3.前記ブラインを電気透析により濃縮する工程を含むことを特徴とする、請 求の範囲第1項記載の方法。 4.前記浸透工程後に、前記液を30〜40℃の範囲の温度に維持することを 特徴とする、請求の範囲第1項から第3項までのいずれかに記載の方法。 5.前記液を前記予備濃縮工程により加熱することを特徴とする、請求の範囲 第2項及び第4項記載の方法。 6.アニオン及びカチオンイオン交換樹脂(27、28)により脱塩する追加の工 程を含むことを特徴とする、請求の範囲第1項から第5項までのいずれかに記載 の方法。 7.更に脱塩を行い且つ脱塩された液を濃縮するためのナノろ過(24)の追加 工程を含むことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の方法。 8.前記ナノろ過の透過液を前記ブラインのための原料として使用することを 特徴とする、請求の範囲第7項記載の方法。 9.前記強カチオン樹脂の代わりに、使用する樹脂が強カチオン樹脂と強アニ オン樹脂の混合物であることを特徴とする、請求の範囲第1項記載の方法。
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