JPH09512730A - 吸収性構造体の製造方法及びこの方法により製造された吸収性構造体を含む吸収性傷手当用品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品中に吸収性構造体を製造する方法であって、前記吸収性構造体はリール形態の吸収性材料を先ず離解したり次いでマットを形成したりすることなしに直接製品に使用することにより製造される。材料は良好な吸い上げ及び膨潤特性を有し、これらの特性は製品の機能にうまく適用され、とりわけ、高度な表面乾燥が得られる。セルロース繊維に加えて、吸収性構造体は、とりわけ、超吸収性材料及び／又は結合繊維を含むこともできる。パルプマットは非常に薄く、これにより製品を更に圧縮する必要がなくなる。ある製品用途に関して、材料は吸収性材料として使用する前に機械的に柔軟化される。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収性構造体の製造方法及びこの方法により製 造された吸収性構造体を含む吸収性傷手当用品背景 本発明は傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品に於ける吸収性構造体を製 造する方法に関する。 この種の吸収性物品の多くの異なる実施例は技術上周知である。従来的には、 これらの製品に使用される吸収体は、例えばリール、梱又はシートの形態で、含 有したセルロースパルプを乾燥離解(dry-defibering)し、パルプをフラッフ加工 された状態のパルプマットにすることにより製造され、時には所謂超吸収性材料 が混合されるが、前記超吸収性材料は自重の数倍の水又は体液を吸収できるポリ マである。パルプ体はパルプ体の嵩を減らすために、またその液体吸い上げ能力 を向上するためにしばしば圧縮される。 吸収体は他の成分、例えばその液体捕捉特性又はその液体吸い上げ特性を向上 し、又はその付着性、及び使用中の変形に耐える能力を増す成分を含むこともで きる。 傷手当用品の如き吸収性物品の後側は通常は液体不透過性ではないが、傷口が 呼吸できるように僅かに透液性になっている。通常は、不透過性の後側を含む製 品に於けるバクテリアの成長率は、後側をある程度透過性の材料から製造した製 品に於けるバクテリアの成長率よりも遥かに高い。故に、例えば疎水性にされた 不織材料から後側を形成した製品は傷手当用品としてより適しており、なぜなら 傷口が汚染される恐れが少ないからである。しかしながら、こ の種の傷手当用品の一つの重大な欠点は、製品がその全吸収容量が十分に利用さ れる遥か前に、しばしば漏洩することである。とりわけ、これは、排出された体 液が吸収性材料へ侵入して製品のそれまで未使用の部分へ広がることができず、 代わりに手当具の側部から又はその後側を通り漏洩するからである。吸収された 液体又は流体を全吸収体にわたり分散させるために使用される材料の能力は、こ のように極めて重要である。 他の問題は所謂再湿潤性にあり、即ち、既に観察された体液が、吸収体が外力 を受けた時、あるいは重力により、着用者の肌に押し返されることにある。使用 者の肌に近接して位置する物品の面は比較的に乾燥していることが一般に望まし い。傷手当用品は可及的に快適に着用できるように、多くの場合、薄い手当具が 所望される。 上記衛生物品の製造で製造業者により用いられる製造プラントの大部分は離解 装置、ニューマチック輸送システム及びマット形成装置から構成される。またこ の装置は製造プラントの誤動作及び製造誤差を生じる重大な源である。この装置 の下流には仕上げパルプマット又は仕上げ衛生製品の圧縮装置がしばしば含まれ る。 欧州特許ＥＰ０４４４０７３に於て、後で離解されるよう意図されたパルプウ ェブ、所謂乾燥形成されたリールパルプは乾燥形成工程により製造できることが 知られている。熱機械パルプ、化学熱機械パルプＣＴＭＰ、又はケミカル・ペー パパルプ、亜硫酸パルプ又は硫酸塩パルプから成り約８０％の乾燥度を有するフ ラッシュ乾燥ペーパパルプ 繊維は、ワイヤのまわりに装着された形成ヘッドへ、制御された流れで空気流に より送出され、それにより単位面積当り重量３００−１５００ｇ／ｍ²、密度５ ５０−１０００ｋｇ／ｍ³のウエブに形成される。媒体空気はワイヤの下に装着 された吸引箱を通じて吸引することにより除去される。ウェブは５０−３０％の 含水量を有するべきである。 ウエブは最終的に５５０−１０００ｋｇ／ｍ³の密度に圧縮するに先だって、 ウエブの嵩を僅かに減じるために予め加圧される。加圧されたウエブは貯蔵や輸 送の目的で巻き上げ又はシート形態で取り扱うことを可能にするのに十分な強度 を有する。パルプは容易に離解でき、またおむつ、衛生ナプキン及び同類製品の 吸収体の製造に用いるためにフラッフ形態で移送するよう意図される。 吸収性構造体の他の製造方法が欧州特許ＥＰ０１２２０４２に記載されており 、ここで親水性繊維と非水溶性ヒドロゲルの粒子との混合物が気流載置されてウ エブを形成し、圧縮されて約０．１５−１．０ｇ／ｃｍ³の密度になる。しかし ながら、この方法は多くの製造段階を含み、その製造段階に於て、梱又はシート リールの形態で通常含有されるセルロースパルプは先ずハンマミルで離解されて フラップパルプ形態のセルロース繊維が得られ、その後に繊維は成形ベルト上に 置かれ吸収性構造体を形成し、この吸収性構造体は次いで圧縮される。これらの 製造段階はこの工程を比較的複雑で高価なものにする。 衛生物品のある製品用途の場合、乾燥形成リールパルプ は吸収性材料として使用する前に柔軟化するのが適当である。前に述べたパルプ の良好な吸収特性、吸い上げ特性及び膨潤特性は柔軟化工程により大きくは影響 を受けない。吸収性シートを柔軟化する一つの方法は欧州特許ＥＰ０３６０４７ ２に記載されており、それによると圧縮された吸収性材料は部分切断ロール間で 加工されると共に柔軟化される。しかし、この方法は、とりわけ、柔軟化材料の 強度が減じられる結果となる。発明の要約 本発明の目的は冒頭で述べた種類の吸収性物品に於て、主に液体を材料内に分 散する能力に関して良好な吸収特性を呈する吸収性構造体を与えることである。 また材料は好ましくは低い再湿潤傾向を有し、非常に薄くすることができる。他 の目的は冒頭で述べた種類の吸収性物品の簡単化された製造方法を提供すること である。これは以下の製造方法を用いて本発明に従い実現される。即ち、８０− １００％、好ましくは少なくとも８５％、より好ましくは少なくとも９０％のフ ラッシュ乾燥されたセルロース繊維を含む粒状形態の材料は乾燥形成されて１０ ０−１０００ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有するウエブになり、更に０．１− ０．５ｇ／ｃｍ³の密度に圧縮され、ウエブは引き続いて離解及びフラッフ加工 されることなしに吸収性物品に吸収性構造体として組み込まれ、ここで吸収性物 品が撥液性であるが蒸気透過性の材料から作られた後側を有する。図面の簡単な説明 次に本発明を多くの模範実施例に就いてまた添付図面に 就いて更に詳述する。 図１は各種距離で離間されたロール間で加工した後の乾燥形成ＣＴＭＰ材料の 吸収特性を示す。ＣＴＭＰ及びケミカルパルプの従来法で形成、圧縮されたパル プマットを参照として使用した。 図２は柔軟化された乾燥形成ＣＴＭＰ材料の吸収特性を示す。ＣＴＭＰ及びケ ミカルパルプの従来法で形成、圧縮されたパルプマットを参照として使用した。 図３は乾燥形成されたＣＴＭＰから製造された芯を有する、超吸収性添加物を 持つ及び持たない、柔軟化されない及び柔軟化された吸収性構造体の再湿潤傾向 を示し、吸収される液体は血液である。 図４は乾燥形成されたＣＴＭＰから製造された芯を有する完全な吸収性物品の 再湿潤傾向を示し、吸収される液体は血液である。従来法で製造された対応組成 の製品を参照として用いた。 図５は疎水性にされた不織材料と不透過性ポリエチレンフィルムとから作られ た後側を有する試験製品、及び疎水性にされた不織材料から作られた後側を有す る試験製品に於ける各種微生物の成長率を示す。 図６は本発明の吸収性物品の構造を概略的に示す。 図７は柔軟化しない状態の材料の横断面の概略図である。 図８は柔軟化した状態の材料の横断面の概略図である。発明の説明 前述のように、吸収性傷手当用品又は同類物の如き、衛 生製品の製造に使用される材料の重要な特性はその吸収容量、吸収速度、吸い上 げ能力、流体排出能力、付着性、再湿潤傾向、柔軟性及び平滑性である。関連す る液体は、血液及び傷からの流体である。 本発明の目的は、傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品に於て、主に材料 全体にわたり液体を拡散する能力に関して、極めて良好な吸収特性を有する吸収 性構造体を提供することである。材料は好ましくは低い再湿潤傾向を有し、非常 に薄く且つ柔軟にすることができるものとする。また製造工程を簡単化すること も目的である。材料を離解することなしに使用できるリール形態の仕上げられた 吸収性材料は先に述べた離解装置、ニューマチック輸送システム及びマット形成 装置の必要性を一部減じ、故にこの性質の吸収性材料が要求されている。 本発明の上記目的は、８０−１００重量％、好ましくは少なくとも８５重量％ 、より好ましくは少なくとも９０重量％のフラッシュ乾燥されたセルロース繊維 から成る粒子形態の材料を乾燥形成して１００−１０００ｇ／ｍ²の単位面積当 り重量を有するウエブとし、このウエブを圧縮して０．２−０．５ｇ／ｃｍ³の 密度とし、ウエブを引き続いて離解したりフラッフ加工することなしに吸収性構 造体として吸収性物品に組み入れ、また吸収性物品の後側を撥液性であるが蒸気 透過性の材料から構成する製造方法により達成される。 本発明を実践するとき、機械パルプ又は化学熱機械パルプ（ＣＴＭＰ）から製 造された乾燥形成製品、あるいは所 謂ケミカル・セルロースパルプである、亜硫酸パルプ又は硫酸塩パルプから製造 された対応製品が、使用される。化学的に剛化させたセルロース繊維もまた使用 できる。乾燥形成された製品は、例えば超吸収剤、熱可塑性結合繊維及び他の種 類の繊維の如き、他の粒状成分を組み込むこともできる。 乾燥形成されたリールパルプは、未加工状態にあるとき、非常に良好な吸収性 、吸い上げ特性及び膨潤特性を有し、材料を直接離解することなしに衛生物品の 吸収性材料として使用できることが判明している。乾燥形成されたリールパルプ の良好な吸い上げ特性の故に、吸収性構造体で従来通りに使用される吸収性材料 よりも透過性のある材料を物品の後側で使用できることも判明している。これは 傷口の手当及び治癒にとって有益である。前記材料を吸収性傷手当用品に於て使 用できるように、何らかの方法で材料を柔軟化することが適当である。材料を柔 軟化する一つの方法を以下で述べる。 乾燥形成リールパルプは付着性が良好であり、即ち、超吸収性材料を使用する 場合、それらを吸収性構造体へ効果的に結合でき、故に吸収性衛生物品の継続製 造中にプラントの機械の周囲に広がらない。 乾燥形成されたセルロースパルプは例えば、欧州特許ＥＰ０４４４０７３に記 載の方法によりフラッシュ乾燥ペーパパルプ繊維のウエブを形成することにより 製造できる。 セルロースパルプ繊維は、繊維の湾曲を明示する所謂カール値を有する。カー ル値は１９８６年４月のPapper och 述べられた方法により測定することができる。材料の柔軟化 材料に柔軟性を与えることができ、この柔軟性は例えば波形ロールの間で乾燥 形成リールパルプを加工することにより、材料を吸収性傷手当用品の吸収性材料 として使用するのに非常に適したものにする程度のものである。材料は、各種型 のロール間で、且つ各種のロール間隔又はニップ寸法で、加工することにより、 相互に異なる程度まで柔軟化することができる。上記良好な吸収特性は柔軟化工 程により大きくは影響を受けない。 柔軟化工程に於て、材料は一部分離した複数個の薄い繊維層を形成するように 離層される。これは図７及び図８で概略的に示される。柔軟化されていない状態 の材料６１は通常、材料の厚み全体にわたり均一な高密度を有する。柔軟化工程 により、材料は離層されて複数個の一部分離６３した薄い繊維層６２を形成する 。柔軟化及び離層工程により材料の全体密度がある程度減じられるが、原密度は 各個々の層で本質的に保持される。非常に高い密度が個々の層で保持されるから 、材料の良好な吸い上げ特性は材料の柔軟化と共に生じる嵩の増加に拘らずに保 持される。全体の嵩は、３００％まで増加するが、通常は、柔軟化工程により、 適用される方法及び材料が柔軟化される程度に依存して１−１００％増加する。 前述の材料柔軟化方法は単に例として示されており、また対応する結果を達成 するために他の方法も適用できる。 これに関して使用できる他の方法の例は、超音波プロセス、マイクロ波、湿潤化 、又は化学添加物の助けによる柔軟化である。材料特性の調査 以下で述べる如く、各種試験機器を用いて材料の吸収特性を評価した。方法１．傾斜面での吸収特性 長方形試料体が材料から押し抜かれ、試料体の短い一端から１１ｃｍの点で試 料体を横切って線が引かれた。液体を入れた容器が実験用秤りに隣接して置かれ 、秤りと液体容器の両方は水平姿勢に調整した。プレキシガラスプレートが３０ 度の角度で秤りに置かれ、プレートの一つの自由縁を下方に容器へ延入させた。 前記プレートの下縁から１１ｃｍの点でプレートを横切って線が引かれていた。 試料液体（０．９％のＮａＣｌ溶液）が容器に注入され、プレキシガラスプレー トの部分２０ｍｍが液体の表面下に位置するようにした。試料体は試料体上の線 がプレート上の線と一致するようにプレート上に固定され、一方、試料体の下部 分が試料液と接触しないように折り畳まれた。時計を試料体がプレキシガラスプ レートに置かれると同時にスタートさせた。試料体はプレート上に置かれ、試料 体をプレキシガラスプレートと同じ深さまで同溶液へ延入させた。試料体の重量 の増加を時間と共に記録した。方法２．血液吸収性及び再湿潤性の測定 寸法６５×２００ｍｍの試料体が材料から押し抜かれた。５ｍｌの試料液体（ ０．９％のＮａＣｌ溶液）が試料体 の湿潤点に付与された。約３０分後に液体の分散が測定された。更なる５ｍｌの 試料液体（０．９％のＮａＣｌ溶液）が付加され、液体分散が更に約３０分後に 測定された。この最終付加の後で、８枚の濾紙が湿潤点を覆うように置かれ１５ 秒間４．８７５ｋｇの負荷が付与された。濾紙が負荷の付与の前後で秤量され再 湿潤が記録された。方法３．バクテリア成長率の測定 二種類の試験製品が作られた。試験製品は従来の如く、寸法１０×１０ｃｍの 離解されたセルロースパルプの吸収体から成り、３００ｇ／ｍ²の単位面積当り 重量と０．１５ｇ／ｍ³の密度を有し、また柔軟な２０ｇ／ｍ²の不織材料から作 られた透液性頂部シートと裏当てシートとの間に包被された。不織材料及び裏当 てシートは吸収体を越えて延びた部分を有し、これらの部分で共に接合された。 試料Ｂは疎水性にされた材料を後側に有し、試料Ａは疎水性にされた不織材料と 吸収体との間に不透過性ポリエチレンフィルムを有した。それぞれ、黄色ブドウ 球菌、緑膿菌、及びスポロゲネス菌を含んだバクテリア懸濁液と、カンジダアル ビカンスを含んだ酵母菌懸濁液とが用意され、各懸濁液から、それぞれ、黄色ブ ドウ球菌及びスポロゲネス菌のバクテリア懸濁液を約１０００ＣＦＵ／用量(dos age)、及び緑膿菌のバクテリア懸濁液を約５００ＣＦＵ／用量、及びカンジダア ルビカンスの酵母菌懸濁液を約５０ＣＦＵ／用量、を含有した各用量１０ｍｌが 採取された。用量１０ｍｌの各懸濁液がそれぞれＡ及びＢタイプの各試験製品へ 付加され、その後これらの製品は３０℃で４０時間、培 養された。次いで試料に於けるバクテリアの数を測定した。 試料Ａ 疎水性にされた不織材料と不透過性ポリエチレンフィルムとから作ら れた後側を有する試験製品 試料Ｂ 疎水性にされた不織材料から作られた後側を有する試験製品。試験結果 柔軟化 各種ロール間隔の柔軟化ローラ間で柔軟化されることにより如何に材料が影響 を受けるかを立証する意図で、材料は各種の柔軟化条件下で試験された。材料を 柔軟化するとき、例えば９００ｇ／ｍ²の単位面積当り重量と０．６３ｇ／ｃｍ³ の密度を有する乾燥形成ＣＴＭＰ材料の場合、適当なロール間隔は０．７−２． ４ｍｍであり、また材料はこの範囲内の各種ロール間隔では殆ど大きな影響は受 けない。図１は各種ロール間隔での吸収特性を示す。その結果は方法１により測 定される。 Ａ ロール間隔１．７ｍｍの本発明による材料 Ｂ ロール間隔２．０ｍの本発明による材料 Ｃ ロール間隔２．４ｍｍの本発明による材料 Ｄ ２回柔軟化したロール間隔２．０ｍｍの本発明による材料 Ｅ ４回柔軟化したロール間隔２．０ｍｍの本発明による材料 Ｆ 密度０．１２５ｇ／ｃｍ³のＣＴＭＰパルプ Ｇ 密度０．１２５ｇ／ｃｍ³のケミカル硫酸塩パルプ吸収性構造体の吸収特性 図２は、従来通りに離解したマット形成ＣＴＭＰの対応パルプ芯及び対応ケミ カルパルプの吸収特性と比較された９００ｇ／ｍ²の単位面積当り重量と０．６ ３ｇ／ｃｍ³の密度を有する本発明のＣＴＭＰ材料の吸収特性を示す。超吸収性 材料が存在しないときの吸収容量は吸収性材料１ｇにつき液体約９ｇである。そ の結果は方法１により測定される。 Ａ 本発明の材料 Ｂ 密度０．１２５ｇ／ｃｍ³のＣＴＭＰパルプ Ｃ 密度０．１２５ｇ／ｃｍ³のケミカル硫酸塩パルプ血液吸収特有の再湿潤性測定 血液吸収に関して、本発明の柔軟化したＣＴＭＰ材料から成る製品は柔軟化さ れていない製品よりも良好な再湿潤値を有することが判明した。またこの結果は 、超吸収性材料を含有しない血液吸収用製品は超吸収性材料を含有した材料より も低い再湿潤値を呈することを示す。また超吸収性材料を含有しない材料は、血 液を遥かにより良好に分散する。この結果は図３及び図４に示されている。対照 製品は市場でよく見られる二つの異なる製品から構成された。結果は方法２によ り測定される。この効果を達成するためには、パルプマットの少なくとも一つの 層に超吸収性材料が無いことが必要であるが、このことは、かかる材料が吸収性 物品の他の部分に存在することを除外しない。 図 ３ Ａ 本発明の材料３５０ｇ／ｍ² Ｂ 本発明の材料３５０ｇ／ｍ²、柔軟化済み Ｃ 本発明の材料３５０ｇ／ｍ² ＋ 超吸収剤５％ Ｄ 本発明の材料３５０ｇ／ｍ² ＋ 超吸収剤５％、柔軟化済み 図 ４ Ａ 対照製品１ Ｂ 対照製品２ Ｃ 本発明の材料を含有する製品バクテリア成長 試験された全ての微生物に於て、不透過性の後側から成る試料に於けるバクテ リアの成長は、疎水性不織材料から成る後側を有する試料に於けるよりも遥かに 大きい。結果は図５に示される。前記結果は方法３により測定された。その結果 は、後側が専ら疎水性不織材料から構成された製品の方が傷手当用品としての使 用に適することを示し、なぜならそれらの方が傷口を汚染する恐れがより少ない からである。 試料Ａ 疎水性にされた不織材料と不透過性ポリエチレンフィルムとから作ら れた後側を有する試験製品。 試料Ｂ 疎水性にされた不織材料から作られた後側を有する試験製品。ネットワーク強度 乾燥形成リールパルプのマット強度は通常、ここで意図される製品の用途に対 して十分な強度である。もしある製 品用途に於てネットワーク強度が不十分であると判明すれば、補強繊維、結合繊 維又は結合剤をセルロース繊維混合物に付加することにより、ある適当な態様で 構造体を強化してネットワーク強度を増加させることができる。またネットワー ク強度は、例えばプラスチック、不織布、ネット又は糸の補強層を吸収性構造体 に挿入することにより、あるいは補強シート又は表面シートを材料の片側又は両 側に取り付けることにより向上させることができる。密度及び単位面積当り重量 柔軟化されたパルプマットは未だ非常に薄く、故に多くの場合、マットを吸収 性物品に使用する前に更に圧縮する必要はない。適当な密度は０．１０−０．５ ０ｇ／ｃｍ³であり、好ましくは０．２０−０．４５ｇ／ｃｍ³、より好ましくは ０．３０−０．４０ｇ／ｃｍ³である。適当な単位面積当り重量は１００−１０ ００ｇ／ｍ²であり、好ましくは１５０−８００ｇ／ｍ²、より好ましくは２００ −７００ｇ／ｃｍ²である。密度を算出するとき材料の厚みを測定するためにミ ツトヨ(Mitutoyo)厚み計が使用された。模範実施例の説明 図６は本発明の傷手当用品の模範実施例を示す。傷手当用品は従来の如く、適 当には柔軟な不織材料、パーホレーション付きプラスチックフィルム又は同類物 から成り且つ使用中に着用者の近傍に位置する透液性頂部シート１２と撥液性底 部又は裏当てシート１３との間に包被された吸収体１１を含む。シート１２、１ ３は吸収体１１を越えて延 びる部分を有し、シート１２、１３はこれらの部分で共に接合される。例えば不 織材料から作られる、透液性層又はシート（図示せず）は頂部シート１２と吸収 体１１との間に配置できる。適当には底部シート１３は、例えば疎水性にされた 不織材料の如き、適当な撥液性材料から成る。頂部及び底部シートは、本発明の 範囲内で、他の周知の材料から形成できることは理解されよう。 図示の吸収体１１は単一層だけを含む。この層は本発明による乾燥形成された 材料から成ることができ、比較的に密度の低い比較的に開いた繊維構造を有する ことができ、また０−１０％の超吸収材料を含むことができる。吸収体１１の場 合の適当な密度範囲は０．２０−０．５０ｇ／ｃｍ³であり、適当な単位面積当 り重量は２００−７００ｇ／ｍ²である。吸収体１１が黄色又は茶色がかった色 を有するＣＴＭＰ材料又は他の材料から成るとき、任意には白色のケミカルパル プの被覆層を吸収体に適用できる。 本発明は図示された模範実施例に限定されず、以下の請求の範囲内で他の実施 例を適用できることは理解されよう。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年２月２２日 【補正内容】 請求の範囲 １．傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品中に吸収性構造体を製造する方 法であって、ここに於て吸収性物品が撥液性であるが蒸気透過性の材料から成る 後側（１３）を有する吸収性構造体を製造する方法に於て、フラッシュ乾燥され たセルロース繊維から成る粒状材料を乾燥形成して８０−１０００ｇ／ｍ²の単 位面積当り重量を持つウエブとし、このウエブを圧縮して０．１０−０．５０ｇ ／ｃｍ³の密度とし、ウエブを引き続いて離解したりフラッフ加工することなし に吸収性構造体として吸収性物品に組み入れることを特徴とする方法。 ２．前記ウエブは圧縮されて０．２０−０．４５ｇ／ｃｍ³、好ましくは０． ３０−０．４０ｇ／ｃｍ³の密度になることを特徴とする請求の範囲第１項記載 の吸収性構造体を製造する方法。 ３．ウェブを吸収性物品に組み入れる前に、ウエブを機械的に柔軟化してこれ により前記ウェブを離層し、複数個の一部分離された薄い繊維層を形成すること を特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体を製造する方法。 ４．請求の範囲第１項ないし第３項に記載の方法により製造されたことを特徴 とする吸収性構造体。 ５．構造体の単位面積当り重量は１５０−８００ｇ／ｍ²、好ましくは２００ −７００ｇ／ｍ²であることを特徴とする請求の範囲第４項記載の吸収性構造体 。 ６．セルロース繊維は化学熱機械的に製造されたパルプ の繊維から本質的に成ることを特徴とする請求の範囲第４項又は第５項記載の吸 収性構造体。 ７．化学熱機械パルプ繊維は０．２０ないし０．４０のカール値を有すること を特徴とする請求の範囲第６項記載の吸収性構造体。 ８．繊維の少なくとも一部は化学的に剛化されたセルロース繊維であることを 特徴とする請求の範囲第４項ないし第７項の何れか一項記載の吸収性構造体。 ９．構造体は乾燥状態の構造体の全重量に基づいた計算で、多くとも２０重量 ％、好ましくは多くとも１０重量％、より好ましくは多くとも５重量％の超吸収 性材料を含むことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体 。 10．構造体は補強剤、例えば、結合剤、補強繊維又は熱可塑性結合繊維を含む ことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体。 11．構造体は例えば不織布、ティッシュ、プラスチック又はネットの補強層を 含むことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体。 12．傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品であって、透液性頂部シート（ １２）、撥液性の底部又は裏当てシート（１３）、及び前記シート間に包被され た吸収体（１１）から成る吸収性物品に於て、吸収体は請求の範囲第４項ないし 第１１項の何れか一項記載の吸収性構造体を含むことを特徴とする吸収性物品。 13．吸収性構造体は化学熱機械的に製造されたパルプの 繊維を本質的に含み、また前記構造体は乾燥状態の構造体の全重量に基づいた計 算で、０−１０重量％の超吸収性材料を含むことを特徴とする請求の範囲第１２ 項記載の吸収性物品。 14．吸収性構造体はその一方の側にケミカルパルプの完全被覆層を備えること を特徴とする請求の範囲第１２項及び第１３項の何れか一項記載の吸収性物品。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品中に吸収性構造体を製造する方 法に於て、フラッシュ乾燥されたセルロース繊維から成る粒状材料を乾燥形成し て８０−１０００ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を持つウエブとし、このウエブを 圧縮して０．１０−０．５０ｇ／ｃｍ³の密度とし、ウエブを引き続いて離解し たりフラッフ加工することなしに吸収性構造体として吸収性物品に組み入れ、吸 収性物品は撥液性であるが蒸気透過性の材料から成る後側（１３）を有すること を特徴とする方法。 ２．前記ウエブは圧縮されて０．２０−０．４５ｇ／ｃｍ³、好ましくは０． ３０−０．４０ｇ／ｃｍ³の密度になることを特徴とする請求の範囲第１項記載 の吸収性構造体を製造する方法。 ３．前記ウエブを圧縮する時に、構造体の全重量に基づいた計算で、３−２０ 重量％、好ましくは４−１８重量％、より好ましくは１１−１６重量％の水分含 有量を有することを特徴とする請求の範囲第１項又は第２項に記載の吸収性構造 体を製造する方法。 ４．ウェブを吸収性物品に組み入れる前に、ウエブを機械的に柔軟化してこれ により前記ウェブを離層し、複数個の一部分離された薄い繊維層を形成すること を特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体を製造する方法。 ５．請求の範囲第１項ないし第４項に記載の方法により製造されたことを特徴 とする吸収性構造体。 ６．構造体の単位面積当り重量は１５０−８００ｇ／ｍ²、好ましくは２００ −７００ｇ／ｍ²であることを特徴とする請求の範囲第５項記載の吸収性構造体 。 ７．セルロース繊維は化学熱機械的に製造されたパルプの繊維から本質的に成 ることを特徴とする請求の範囲第５項又は第６項記載の吸収性構造体。 ８．化学熱機械パルプ繊維は０．２０ないし０．４０のカール値を有すること を特徴とする請求の範囲第７項記載の吸収性構造体。 ９．セルロース繊維は化学的に製造されたパルプの繊維から本質的に成ること を特徴とする請求の範囲第５項ないし第６項の何れか一項記載の吸収性構造体。 10．繊維の少なくとも一部は化学的に剛化されたセルロース繊維であることを 特徴とする請求の範囲第５項ないし第９項の何れか一項記載の吸収性構造体。 11．構造体は乾燥状態の構造体の全重量に基づいた計算で、多くとも２０重量 ％、好ましくは多くとも１０重量％、より好ましくは多くとも５重量％の超吸収 性材料を含むことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体 。 12．構造体は補強剤、例えば、結合剤、補強繊維又は熱可塑性結合繊維を含む ことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体。 13．構造体は例えば不織布、ティッシュ、プラスチック又はネットの補強層を 含むことを特徴とする請求の範囲前項の何れか一項記載の吸収性構造体。 14．傷手当用品及び同類物品の如き吸収性物品であって、透液性頂部シート（ １２）、撥液性の底部又は裏当てシート（１３）、及び前記シート間に包被され た吸収体（１１）から成る吸収性物品に於て、吸収体は請求の範囲第５項ないし 第１３項の何れか一項記載の吸収性構造体を含むことを特徴とする吸収性物品。 15．吸収性構造体は化学熱機械的に製造されたパルプの繊維を本質的に含み、 また前記構造体は乾燥状態の構造体の全重量に基づいた計算で、０−１０重量％ の超吸収性材料を含むことを特徴とする請求の範囲第１４項記載の吸収性物品。 16．吸収性構造体はその一方の側にケミカルパルプの完全被覆層を備えること を特徴とする請求の範囲第１４項及び第１５項の何れか一項記載の吸収性物品。