JPH09512022A - 酵素阻害剤としてのメチオニンスルホンおよびs−置換システインスルホン誘導体 - Google Patents

酵素阻害剤としてのメチオニンスルホンおよびs−置換システインスルホン誘導体

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JPH09512022A
JPH09512022A JP7527181A JP52718195A JPH09512022A JP H09512022 A JPH09512022 A JP H09512022A JP 7527181 A JP7527181 A JP 7527181A JP 52718195 A JP52718195 A JP 52718195A JP H09512022 A JPH09512022 A JP H09512022A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はトロンビンまたはファクターXを阻害する化合物に関する。これらの化合物はアルデヒド官能基とメチオニンスルホンまたはS−置換システインスルホン残基を有する。これらの化合物およびそれらの医薬組成物は異常な血栓症に特有の症状を有すると疑われる哺乳動物の血栓症の防止に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 酵素阻害剤としてのメチオニンスルホンおよび S−置換システインスルホン誘導体 関連出願 この出願は米国特許出願第08/229,298号(1994年4月18日出 願)の一部継続出願である米国特許出願第08/234,811号(1994年 4月28日出願)の一部継続出願である。これらの特許出願の明細書(添付図面 も含む)の記載内容も本明細書の一部を成すものである。技術分野 一つの観点によれば、本発明は、トロンビンまたは因子Xaの有効な阻害剤で ある化合物に関する。別の観点によれば、本発明は新規なペプチドアルデヒド類 似体、該類似体の薬学的に許容され得る塩、およびこれらの化合物を含有する組 成物であって、生体外および哺乳類の生体内における血液凝固の有効な特異的阻 害剤として有用な薬学的に許容され得る組成物に関する。さらに別の観点によれ ば、本発明は異常な血栓症によって特徴づけられる哺乳類の疾患の治療剤として これらの阻害剤を使用する方法に関する。発明の背景 正常な止血は、クロットの形成過程(血液凝固)とクロットの溶解過程(線維 素溶解)の間の複雑なバランスの結果からもたらされる。血球、特異的血漿タン パク質および血管表面の間の複雑な相互作用によって、けがや止血がおこらない 限り、血液の流動性は保持される。 血液凝固は、血漿中のセリンプロテアーゼの数種の特異的酵素前駆体がタンパ ク質限定加水分解によって活性化される一連の増幅反応の完結である[ネマーソ ンおよびノッセル、Ann.Rev.Med.、第33巻、第479頁(1982年) 参照]。この一連の反応は、初期の止血栓の安定化に必要な不溶性フィブリンマ トリックスの形成をもたらす。活性化反応の相互作用と伝搬は、凝固の外因性お よび内因性経路を経ておこなわれる。これらの経路は、セリンプロテアーゼであ る因子Xaの形成においては、高度に相互依存的で収束的である。因子Xaは、血 液凝固多段階の最後から二番目の段階であって、セリンプロテアーゼトロンビン の形成段階に触媒作用をもたらす。この段階はプロトロンビナーゼ複合体のアセ ンブリーの次に起こる(該アセンブリーは因子Xa、非酵素的補因子Va、および 付着された活性化血小板の表面または全身を循環する膜質微粒子の表面に集合し た基質プロトロンビンから成る)。 酵素前駆体である因子Xのその酵素的に活性な形態(因子Xa)へのタンパク 分解活性は、内因性または外因性の凝固経路のいずれかによっておこなわれる。 内因性経路は本質的なものと呼ばれるが、その理由は、凝固に必要な全ての要因 が血中に存在するからである[サイトウの報文「正常な止血機構」、止血障害、第 27頁〜第29頁、グラン・アンド・ストラットン社発行(ラトノフおよびホル ベス編、1984年)参照]。この経路には、酵素前駆体セリンプロテアーゼ( 因子IXおよびXI)および非酵素的補因子(因子VIII)が含まれる。内因性経路の 開始によって、因子MからXIaへの活性化がもたらされる。因子XIaは、因子IXか ら因子IXaへの活性化に触媒作用を及ぼす。因子IXaは、適当なリン脂質表面上の 活性形態の因子VIIIと共にテナーズ(tenase)複合体の形成をもたらす。この複 合体は、酵素前駆体である因子Xからセリンプロテアーゼ(因子Xa)の形成に 触媒作用を及ぼし、該因子Xaは次いで凝塊を形成させる。 外因性経路は非本質的なものと呼ばれるが、その理由は、因子VIIに結合して その活性化を促進する組織因子が血液外からもたらされるからである(サイトウ の前記文献参照)。この経路に含まれる主要な成分は酵素前駆体セリンプロテア ーゼ(因子VII)および膜結合タンパク質(組織因子)である。後者は、この酵 素に対して不可欠な非酵素的補因子として作用する。この経路の開始は、痕跡量 の活性化因子VII(因子VIIa)による酵素前駆体因子VIIの活性化によってもたら される自触媒現象と考えられている。この場合、両方の因子は、血管の損傷部位 の膜表 面上に新たに出現する組織因子と結合する。因子VIIa/組織因子複合体は、酵素 前駆体(因子X)からのセリンプロテアーゼ(因子Xa)の形成に対して直接的 に触媒作用を及ぼす。損傷組織からの止血は、外因性経路による血液凝固を開始 させる。 トロンビンの形成は、触媒性のプロトロンビナーゼ複合体のアセンブリーに従 って因子Xaの触媒作用を受ける[マンらの報文「ビタミンK依存性酵素複合体の 表面依存性反応」、Blood、第76巻、第1頁〜第16頁(1990年)参照]。 この複合体は因子Xa、非酵素的補因子Vaおよび基質プロトロンビンから成り、 これらの成分は適当なリン脂質表面上で合体する。高分子複合体が効率的な触媒 作用に必要な要件を備えることにより、自然の抗凝固機構、例えば、ヘパリン− アンチトロンビンIIIで媒介される阻害等から因子Xaは保護される[タンテとロ ーゼンベルグの報文「ヘパリン−アンチトロンビン複合体による因子Xaの中和か らの保護」、J.Clin.Invest.、第71巻、第1383頁〜第1391頁(1 983年)参照]。さらに、プロトロンビナーゼ複合体中の因子Xaのキレート化 合物形成は、抗凝固効果を引き出すためにアンチトロンビンIIIも必要とする外 因性ヘパリン治療効果による阻害に対する耐性を該複合体にもたらす。 トロンビンは血栓形成の一次メディエイター(mediator)である。トロンビン は直接的に作用して、循環するフィブリノゲンから不溶性フィブリンを形成させ る。さらに、トロンビンは酵素前駆体因子XIIIを活性なトランスグルタミナーゼ 因子XIIIaに活性化し、該因子XIIIaは、増大する血栓をフィブリン線維の架橋に よって共有結合的に安定化させる作用をする[ローラントおよびコニシ、Arch. Biochem.Biohys.、第105巻、第58頁(1964年)参照]。フィブリン 含有量の多い凝塊の形成と安定化における直接的な役割のほかに、該酵素は、脈 管系と血液中の多数の細胞成分に対して大きな生体調節効果を及ぼすことが報告 されている[シューマン、Ann.NY Acad.Sci,、第405巻、第349頁 (1986年)参照]。 トロンビンは血小板活性の最も効果的なアゴニストであると考えられており、 また、トロンビンは、血小板依存性の動脈血栓形成の基本的な病態生理学的メデ ィエイターであることが証明されている[エディトら、J.Clin.Invest.、第 84巻、第18頁(1989年)参照]。トロンビンで媒介される血小板活性に よって、リガンドにより誘発される血小板間凝集がもたらされる。該血小板間凝 集は主として、付着性リガンド(例えば、フィブリノゲンおよびフィブロネクチ ン等)と血小板インテグリンレセプター(例えば、トロンビン活性を伴う活性な 立体配座を有する糖タンパク質等)との間の二価相互作用に起因する[ベルント およびフィリップス、「プレイトレッツ・イン・バイオロジー・アンド・パソロ ジー」、第43頁〜第74頁、エルセヴィーア/ノース・ホランド・バイオメデ ィカル・プレス(ゴードン編、1981年)参照]。トロンビンで活性化された 血小板は、それぞれ非酵素的補因子VおよびVIIIのトロンビン媒介活性を伴う完 全な活性血小板および血小板誘導微粒子の膜表面上における新たなプロトロンビ ナーゼおよびテナーゼ(因子IXa、因子VIIIaおよび因子X)の触媒性複合体のア センブリーを介してトロンビンの製造も促進する[タンスら、Blood、第77巻 、第2641頁(1991年)参照]。この正フィードバックプロセスによって 、血栓の近接部において高濃度のトロンビンが局部的に生成され、これによって 、血栓の増大と拡張が促進される[マンら、Blood、第76巻、第1頁(199 0年)参照]。 プロトロンビン効果とは異なり、トロンビンは止血に対して別の観点から影響 を及ぼすことが知られている。この種の作用には、生理学的に重要な抗凝固因子 としての作用が含まれる。トロンビンの抗凝固効果は、内皮細胞膜糖タンパク質 (トロンボモジュリン)に対するトロンビンの結合によって示される。この効果 によりトロンビンの基質特異性が変化し、これによって、トロンビンは循環性タ ンパク質Cを認識してこれをタンパク分解的に活性化させて活性化タンパク質C (aPC)を生成すると考えられている[ムスシら、Biochemistry、第27巻、 第769頁(1988年)参照]。aPCは、非酵素的補因子VaおよびVIIIaを選 択的に不活性化してそれぞれプロトロンビナーゼ触媒性複合体およびテナーゼ触 媒 性複合体によるトロンビン形成の下方調節をもたらすセリンプロテアーゼである [エスモン、Science、第235巻、第1348頁(1987年)参照]。トロン ボモジュリンの不存在下でのトロンビンによるタンパク質Cの活性化は劣る。 トロンビンはまた、血管の平滑筋細胞のような間葉起源の細胞を含む多種類の 細胞に対して有効な直接的分裂誘発因子としても知られている[ケンおよびブカ ナン、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第72巻、第131頁(1975 年)参照]。トロンビンと血管平滑筋との直接的相互作用によって血管収縮がも たらされる[バルツら、Proc.Soc.Expl.Biol.Med.、第180巻、第5 18頁(1985年)参照]。トロンビンは、組織プラスミノゲン活性化因子を 含む血管内皮細胞からの多数の生物活性物質の放出を誘発する直接的な分泌促進 剤としても作用する[レビンら、Thromb.Haemost.、第56巻、第115頁( 1986年)参照]。血管細胞に及ぼすこれらの直接的な効果のほかに、該酵素 は、トロンビン誘発活性化を伴う血小板α−顆粒からの類種の強力な成長因子( 例えば、血小板−誘導成長因子および表皮性成長因子等)の放出によって、血管 平滑筋細胞に対して強力な分裂誘発因子活性を間接的に誘発する[ロス、N.En gl.J.Med.第314巻、第408頁(1986年)参照]。 多くの重要な疾患は異常な止血に関連している。冠状動脈の血管系に関しては 、確立されたアテローム性動脈硬化性プラクの破裂に起因する異常な血栓形成は 急性心筋梗塞および不安定アンギナの主要な原因である。さらに、血栓融解治療 または経皮的な経内腔的冠状動脈形成術(PTCA)による閉塞性の冠状動脈血 栓の治療には、緊急の消散を必要とする冒された血管の急性血栓症的再閉鎖を伴 う場合が多い。静脈血管系に関しては、四肢の下部または腹部領域において大手 術を受ける患者の多くは、冒された四肢への血流の低減と肺塞栓症へ導く疾病素 質をもたらす静脈血管系に形成される血栓で患っている。散在性の血管内凝固障 害は、いずれの血管系においても、敗血性ショック、特定のウイルス性感染およ び癌で患っているときにみられ、また、該凝固障害は、凝固因子の急激な消費お よび広範囲に及ぶ器官不全症へ導く血管系内での生命の危険をもたらす血栓の形 成 によって特徴づけられる。 動脈血管系における病原性血栓症は、今日の医学の分野においては、臨床上重 大な関心事となっている。西欧諸国における主要な死因の一つである急性心筋梗 塞の主要な原因は病原性血栓症である。周期的に起こる動脈血栓症は、血栓融解 剤およびPTCAによってそれそれ治療される閉塞冠状動脈の酵素的および外科 的再疎通化によってもたらされる不全症の主要な原因の一つである[「トロンボシ ス・イン・カージオバスキュラー・ディスオーダー」(フルターおよびフェアス トレーテ編、サウンダース社(W.B.Saunders Co.)発行:1991年)の 第327頁に記載のロスの報文および第389頁に記載のガリフとウィラーソン の報文参照]。静脈血管系における血栓症の場合とは異なり、動脈血栓症は、血 液凝固多段によって形成されるフィブリンと細胞成分、特に血小板との複雑な相 互作用であって、高い確率で動脈血栓に導く相互作用の結果もたらされる。生体 内投与される臨床的な抗凝固剤として最も広く使用されているヘパリンは動脈血 栓症または再血栓症の治療または予防に対して一般的に有効であることは証明さ れていないからである[プリンスおよびヒルシュ、J.Am.Coll.Cardiol.、 第67巻、第3A頁(1991年)参照]。 PTCAの後で一般的に発生する予測できずに周期的に起こる血栓症的再閉塞 のほかに、この手術を受けた患者の30〜40%において、再疎通化血管に顕著 な再発狭窄症がみられる[カリフら、J.Am.Coll.Cardiol.、第17巻、第 28頁(1991年)参照]。これらの患者には、新たに生じた狭窄症を治療す るためにPTCAを繰り返すか、または冠状静脈バイパスを設ける手術が必要と なる。物理的な力によって損傷を受けた血管の狭窄症は血栓症的突起によるもの ではなく、周囲の平滑筋細胞における過剰増殖性応答の結果であり、該平滑筋細 胞は経時的に、筋肉マスの増加による冒された血管の内腔径の減少をもたらす( カリフらの上記文献参照)。動脈血栓症に関しては、物理的な再疎通化に伴う血 管の再発狭窄症を予防するのに有効な薬理学的処置は現在のところ知られていな い。 安全で有効な治療用抗凝固剤の必要性から、一つの観点においては、血液凝固 段階におけるセリンプロテアーゼトロンビンの役割が注目されている。 トロンビンに対する最も好ましい天然の基質は、P3認識サブサイトにおける 非荷電アミノ酸を含むとされている。例えば、以下に示すように、トロンビンに 対して生理学的に基本的な基質であるフィブリノゲンのAα鎖上のトロンビン開 裂サイトにはグリシン残基が含まれるが、Bβ鎖上の開裂サイトにはセリン残基 が含まれることが知られている: トロンビンの活性サイトに結合してフィブリノゲンのフィブリンへの変換と細 胞の活性化を阻害する非荷電残基をP3位に有するペプチジル誘導体が知られて いる。これらの誘導体はP1アミノ酸と結合したアルデヒド官能基、クロロメチ ルケトン官能基またはホウ酸官能基を有する。基質様ペプチジル誘導体、例えば 、D−フェニルアラニル−プロリル−アルギニナル(D−Phe−Pro−Arg−al) 、D−フェニルアラニル−プロリル−アルギニン−クロロメチルケトン(P−P ACK)およびアセチル−D−フェニルアラニル−プロリル−ボーロアルギニン (Ac−(D−Phe)−Pro-boroArg)がトロンビンの活性サイトに直接結合する ことによって該酵素を阻害することが知られている。例えば以下の文献参照: バジャスツ、Symposia Biologica Hungarica、第25巻、第277頁( 1984年);バジャスツら、J.Med.Chem.、第33巻、第1729頁(1 990年);バジャスツら、Int.J.Peptide Protein Res.、第12巻 、第217頁(1970年);ケットナーおよびショー、Methods Enzymol. 、第80巻、第826頁(1987年);ケットナーら、EP293,881号 明細書(1988年、12月7日発行);ケットナーら、J.Biol.Chem.、第 265巻、第18209頁(1990年)。これらの分子が、血小板を多く含む動 脈血栓症の予防において、有効な抗凝固剤であることが知られている[ケリーら 、Throm b.Haemostas.、第65巻、第736頁および第257頁(1991年)参照] 。トロンビンの阻害剤としてはその他のペプチジルアルデヒドが報告されている [ベイら、ヨーロッパ特許EP363,284号明細書(1990年4月11日) およびバラスブラマニアンら、ヨーロッパ特許EP526,877号明細書(1 993年2月10日)参照]。 トロンビンの活性サイトの阻害剤であるが、P3認識サブサイトに非荷電アミ ノ酸を有するペプチジル化合物とは構造が異なるペプチジル化合物が知られてい る。アルガトロバン(2R,4R−4−メチル−1−[N−2−(3−メチル−1, 2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルホニル)−L−アルギニナル]−2− ピペルジンカルボン酸とも呼ばれる)もトロンビンの活性サイトに直接結合する ので、該酵素の非ペプチジル阻害剤としては最も効果的で選択性のある化合物で あるとされている[オカモトら、Biochem.Biophys.Res.Commun.、第10 1巻、第440頁(1981年)参照]。アルガトロバンは、急性動脈血栓症の いくつかの実験的モデルにおいては、抗血栓症剤として有効であるとされている [ジャングら、Circulation、第81巻、第219頁(1990年)およびCir c.Res.、第67巻、第1552頁(1990年)参照]。 トロンビンの阻害剤であって、該酵素の活性サイトと他のサイトに結合すると 考えられているペプチジル化合物が知られている。ヒルジンとその特定のペプチ ジル誘導体は、トロンビンの活性サイトとエキソサイトまたはエキソサイトのみ に結合することによって、フィブリノゲンからフィブリンへの変換および血小板 の活性化を阻害すると言われている[マークワルト、Thromb.Haemostas.、第 66巻、第141頁(1991年)参照]。ヒルジンは、最初はヒルの唾液腺抽 出物から単離された65アミノ酸ポリペプチドであって、既知のトロンビン阻害 剤のうちで最も効能の高いものの一つであると言われている[マーキおよびワリ ス、Thromb.Haemostas.、第64巻、第344頁(1990年)参照]。この 化合物は、相互に異なって離れたアニオン結合性エキソサイトと触媒活性サイト の両方へ結合することによって、トロンビンを阻害すると言われている[ライデ ルら、Science、第249巻、第277頁(1990年)参照]。ヒルジンは生 体内で有効な抗血栓症剤であるとされている[マークワルトら、Pharmazie、第 43巻、第202頁(1988年)およびケリーら、Blood、第77巻、第1頁 (1991年)参照]。抗血栓症的効果のほかに、ヒルジンは、アテローム性動 脈硬化症を患うウサギの大腿動脈に物理的な損傷を与えたときにもたらされる平 滑筋の増殖とこれに関連する再発狭窄症を有効に阻害すると言われている[サレ ムボックら、Circulation、第84巻、第232頁(1991年)参照]。 ヒルゲンは、ヒルジンのアニオン性カルボキシ末端から誘導されるペプチドで あると言われている。ヒルゲンは、トロンビンのアニオン結合性エキソサイトの みに結合することによって、フィブリンの形成を阻害するが、該酵素の非ブロッ ク化活性サイトに接近する小さな合成基質の触媒的代謝回転は阻害しないと言わ れている[マラガノアら、J.Biol.Chem.、第264巻、第8692頁(19 89年)およびナスキら、J.Biol.Chem.、第265巻、第13484頁( 1990年)参照]。X線結晶学的分析によれば、ヒルゲンによって表現される ヒルジンの領域は、トロンビンのエキソサイトに直接的に結合すると言われてい る[スクルジプクザーク−ジャンクンら、Thromb.Haemostas.、第65巻、ア ブストラクト507、第830頁(1991年)参照]。さらに、ヒルゲンの結 合によって、特定の小さな合成基質のトロンビンによる触媒的代謝回転が促進さ れることも報告されており、このことは、酵素活性サイトにおける立体配座の変 化がエキソサイトの占有を伴うことを示す[リウら、J.Biol.Chem.、第26 6巻、第16977頁(1991年)参照]。ヒルゲンは、トロンビンによって 仲介される血小板の凝集をブロックすると言われている[ヤクボウスキおよびマ ラガノア、Blood、第75巻、第399頁(1990年)参照]。 ヒルログ(hirulog)は、トロンビンに対して好ましい基質認識サイトに基づ くペプチド(D−フェニルアラニル−プロリル−アルギニン)にグリシン−スペ イサー領域を介して結合されたヒルゲン様配列を含む一群の合成キメラ分子はヒ ルログ(hirulog)と呼ばれている[マラガノンら、米国特許第5,196,40 4号明細書(1993年3月23日)参照]。ヒルゲン様配列は、このペプチド のC−末端を介して該ペプチドに結合すると言われている[マラガノンら、Bioc hemistry、第29巻、第7095頁(1990年)参照]。ヒルログは、フィブ リンの多い血栓症および血小板の多い血栓症のいずれの予防においても有効な抗 血栓症剤となり得ると言われている[マラガノンら、Thromb.Haemostas.、第 65巻、アブストラクト17の第651頁(1991年)参照]。発明の要旨 本発明の一部は、インビトロおよびインビボにおいて抗血栓剤として有用な化 合物に関する。 本発明の好ましい化合物としては、式(I)で示されるペプチドアルデヒド: [式中、 (a)Xは-C(O)-、-(O)-C(O)-、-NH-C(O)-、-S(O2)-、-O-S(O2)- 、-NH-S(O2)-および-N(R')-S(O2)-からなる群から選ばれる、(式中、 R'は1から約4炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリール、ま たは約6から約15炭素原子のアラルキルである); (b)R1は以下: (1)約3から約10炭素原子のアルキル、 (2)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている1から 約3炭素原子のアルキル、 (3)約3から約6炭素原子のアルケニル、 (4)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている約3か ら約6炭素原子のアルケニル、 (5)約6から約14炭素原子のアリール、 (6)Y1にて置換されている約6から約14炭素原子のアリール、 (7)Y1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されている約6から約 14炭素原子のアリール、 (8)約6から約15炭素原子のアラルキル、 (9)アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原子のア ラルキル、 (10)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる約6から約15炭素原子のアラルキル、 (11)約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (12)アリール環がY1にて置換されている、約8から約15炭素原 子のアラルケニル、 (13)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる、約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (14)1から約12炭素原子のパーフルオロアルキル、 (15)約6から約14炭素原子のパーフルオロアリール、 (16)約4から約8炭素原子のトリメチルシリルアルキル、 )-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、-CH(C(O)-OH)-、-CH(C(O)-OR' )-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH(C(O)-NR'R")-、 -O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')- S(O2)-ではない)、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 -S(O2)-、メチレン、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、-CH(C(O) -OH)-、-CH(C(O)-OR')-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH(C(O)-NR 'R")-、 は-O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R') -S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 れている)で示される置換された基、この場合Xは-O-C(O)-、-NH-C(O)- 、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、および、 置換されている)で示される置換された基、この場合Xは-O-C(O)-、-NH-C (O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 (上記において、Y1、Y2およびY3はそれぞれ独立してブロモ、クロロ、フル オロ、-Z1、-OH、-OZ1、-NH2、-NHZ1、-NZ12、-NH-C(O)-Z1 、-N(Z1)-C(O)-Z2、-NH-C(O)-OZ1、-N(Z1)-C(O)-OZ2、-NH- C(O)-NH2、-NH-C(O)-NHZ1、-NH-C(O)-NZ12、-N(Z1)-C( O)-NHZ2、-N(Z1)-C(O)-NZ23、-C(O)-OH、-C(O)-OZ1、-C( O)-NHZ1、-C(O)-NZ12、-SH、-SZ1、-S(O)-Z1、-S(O2)-Z, 、-S(O2)-OH、-S(O2)OZ1、-S(O2)-NH2、-S(O2)NHZ1、-S(O2 )-NZ12および オロメチル、ペンタフルオロエチル、1から約12炭素原子のアルキル、約 6から約14炭素原子のアリールおよび約6から約15炭素原子のアラルキルか らなる群から選択される)である、R"は1から約4炭素原子のアルキル、約6か ら約14炭素原子のアラルキル、約6から約14炭素原子のアリールまたは約6 から約15炭素原子のアラルキルである、 A1は約6から約14炭素原子のアリール、Y1で置換されている約6から 約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキルまたはY1で 置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルである) からなる群から選択される; (c)R2は以下: (式中、mは1、2、3、4、5または6である;qは0、1または2である、 およびArは約6から約14炭素原子の2価アリール基である) からなる群から選択される;そして (d)nは1、2または3である] およびこれらの薬学上許容される塩を含む。 ペプチジルアルギニンアルデヒドが水溶液中において平衡構造にあることは報 告されている。バジャス(Bajusz,S.)ら、ジェイ・メド・ケム(J.Med.Chem),33:1 729(1990)。これらの構造は以下の、アルギニンアルデヒド、A、アルデヒド水 和物、B、および2つのアミノ環状形状(amino cyclol forms)、CおよびDを含 む。本発明のペプチドアルデヒドの定義の内には、これらのすべての平衡形状を 含む。 本発明はまた、治療有効量の本発明の化合物および薬学上許容される担体を含 有する医薬組成物に関する。 またさらに本発明は、本発明の化合物および医薬組成物を用いて、異常血栓生 成に特徴付けられる症状を有すると考えられる哺乳動物の血栓を、該動物へ本発 明の化合物または該化合物を含有する医薬組成物を投与することによって防止す る方法提供する。定義 本発明によってここで使用する下記の用語は、特に言及しない限り、次の様に 定義される。 「アルキル」は直鎖、分枝鎖および環状基を含む飽和脂肪族基を示す。 「アルコキシ」はR-O-(Rはアルキル基である)の構造を有する基を示す。 「アルケニル」は少なくとも1の炭素-炭素二重結合を有し、直鎖、分枝鎖お よび環状基を含む不飽和炭化水素基を示す。 「アルケニルオキシ」はR-O-(Rはアルケニル基である)の構造を有する基を 示す。 「アリール」は共役π電子系を有する少なくとも1個の環を有する芳香族基で あって、随意に置換されていてもよい炭素環式アリール基、ヘテロ環式アリール 基およびビアリール基が含まれる。 「アリールオキシ」はR-O-(Rはアリール基である)の構造を有する基を示す 。 「アラルキル」はアリール基によって置換されたアルキル基を示す。適当なア ラルキル基としては、随意に置換されていてもよいベンジル基およびピコリル基 等が含まれる。 「アラルコキシ」はR-O-(Rはアラルキル基である)の構造を有する基を示す 。 「アラルケニル」は1個のアリール基で置換されているアルケニル基を示す。 好ましいアラルケニル基には随意に置換されていてもよいスチレニル基等を含む 。 「アラルケニルオキシ」はR-O-(Rはアラルケニル基である)の構造を有する 基を示す。 「アルキレン」は2価の直鎖状または分枝鎖状の飽和脂肪族残基を示す。 「アルキレンカルボキシ」は基-alk-COOHを示す(alkはアルキレンである) 。 「アルキレンアリール」は基-alk-Arを示す(alkはアルキレンであり、Arは2 価アリール基である)。 「カルボキサミド」は基-C(=O)-NH2を示す。 「アルキレンカルボキサミド」は基-alk-C(=O)NH2(alkはアルキレンであ る)を示す。 「アルキレンヒドロキシ」は基-alk-OH(alkはアルキレンである)を示す。 「アミノ酸」は天然および非天然のアミノ酸であってL-型またはD-型のいず れかであるものを示す。天然のアミノ酸には、アラニン(Ala)、アルギニン( Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys )、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジ ン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチ オニン(Mety)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(S er)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およ びバリン(Val)を含む。非天然アミノ酸には例えば、アゼチジンカルボン酸、 2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、アミノプロピオン 酸、2-アミノブチル酸、4-アミノブチル酸、6-アミノカプロイン酸、2-アミ ノヘプタン酸、2-アミノイソブチル酸、3-アミノイソブチル酸、2-アミノピ メリン酸、2,4-ジアミノイソブチル酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリ ン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギ ン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4- ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン 、N-メチルイソロイシン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、オル ニチンおよびピペコール酸が含まれるが、これらに限定されない。 「アミノ酸残基」は-NH-CH(R)-CO-(式中、Rは各アミノ酸基で異なる 側鎖基を示す)で示される基である。環状アミノ酸においては、残基は (式中、xは1、2または3であり、それぞれアゼチジンカルボン酸、プロリン またはピペコール酸残基を示す)で示される基である。 「メチレン」は-CH2-を示す。 「パーフルオロアルキル」は各水素原子がフッ素に置換されているアルキル基 を示す。好ましいパーフルオロアルキル基にはパーフルオロメチル(CF3-の構 造を有する)およびパーフルオロエチル(CF3-CF2-の構造を有する)等が挙げ られる。 「パーフルオロアリール」は各水素がフッ素に置換されているアリール基を示 す。好ましいパーフルオロアリール基にはパーフルオロフェニル(構造は さらに、以下の略語は次の意義を有する。 「AIBN」は 「N-Boc-Ng-ニトロ-L-アルギニン」は下式の化合物を示す: 「Ala-al」は下式のL-アルギニナルを示す: 「Arg-ol」は下式のL-アルギニノールを示す: 「Azt」はL-2-アゼチジンンカルボン酸を示す。 「Bzl」はベンジルを示す。 「BzlSO2」はベンジルスルホニルを示す。 「Boc」はt-ブトキシカルボニルを示す。 「BOP」はベンゾトリアゾル-1-イルオキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホ スホニウム-ヘキサフルオロホスフェートを示す。 「ブライン(Brine)」は塩化ナトリウムの飽和水溶液を示す。 「BuSO2」は1-ブタンスルホニルを示す。 「d-カンファー-SO2」は下式のd-10-カンファースルホニルを示す: 「l-カンファー-SO2」は下式の-l-10-カンファースルホニルを示す: 「CDI」はカルボニルジイミダゾールを示す。 「CHN4」はテトラゾリルを示す。 「ChxCH2SO2」はシクロヘキシルメタンスルホニルを示す。 「ChxNHSO2」はN-シクロヘキシルアミノスルホニルを示す。 「2-CMPhSO2」は2-カルボメトキシ-1-フェニルスルホニルを示す。 「Cys[S-CH3]」は下式のS-メチル-L-システインを示す: 「Cys[S(O)-CH3]」は下式のS-メチル-L-システインスルホキシド を示す: 「Cys[S(O2)-CH3]」は下式のS-メチル-L-システインスルホンを示 す: 「Cys[S-CH2CO2H]」は下式のS-(カルボキシメチル)-L-システイ ンを示す: 「Cys[S(O)-CH2CO2H]」は下式のS-(カルボキシメチル)-L-シス テインスルホキシドを示す: 「Cys[S(O2)-CH2CO2H]」は下式のS-(カルボキシメチル)-L-シ ステインスルホンを示す: 「Cys[S-CH2CO2CH3]」は下式のS-(カルボメトキシメチル)-L- システインを示す: 「Cys[S(O)-CH2CO2CH3]」は下式のS-(カルボメトキシメチル)- L-システインスルホキシドを示す: 「Cys[S(O2)-CH2CO2CH3]」は下式のS-(カルボメトキシメチル) -L-システインスルホンを示す: 「Cys[(S-CH2Tzl]」は下式のS-(テトラゾル-5-イルメチル)-L- システインを示す: 「Cys[S(O)-CH2Tzl]」は下式のS-(テトラゾル-5-イル)-L-シ ステインメチルスルホキシドを示す: 「Cys[S(O2)-CH2Tzl]」は下式のS-(テトラゾル-5-イル)-L-シ ステインメチルスルホンを示す: 「DCC」は1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドを示す。 「DCM」はジクロロメタンを示す。 「DIEA」はジイソプロピルエチルアミンを示す。 「DMF」はN,N-ジメチルホルムアミドを示す。 「EDC」はエチル-3-(3-ジメチルアミノ)-プロピルカルボジイミド塩酸塩 を示す。 「HBTU」は2-(1Hベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3,3,-テト ラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート 「HOBt」は1-ヒドロキシベンゾトリアゾルモノヒドレートを示す。 「MeOH」はメタノールを示す。 「Met[S(O)]」は下式のL-メチオニンスルホキシドを示す: 「Met[S(O2)]は下式のL-メチオニンスルホンを示す: 「MgSO4」は無水硫酸マグネシウムを示す。 「MeOH」はメタノールを示す。 「1-NpSO2」は1-ナフチルスルホニルを示す。 「2-NpSO2」は2-ナフチルスルホニルを示す。 「NMP」はN-メチルピペリジンを示す。 「NMM」は4-メチルモルホリンを示す。 「Ph」はフェニル基を示す。 「Pip」はL-ピペコール酸を示す。 「Pro」はL-プロリンを示す。 「2-PrPen」は2-プロピルペンタノイルを示す。 「TBTU」は2-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル ウロニウムテトラフルオロボーレートを示す。 「TEA」はトリエチルアミンを示す。 「TFA」はトリフルオロ酢酸を示す。 「THF」はテトラビトロフランを示す。図面の簡単な説明 図1は本発明の化合物を製造する際に用い得る固相試薬を調製するための方法 の反応スキームを説明する図である。この図面において、Bzlはベンジルを示 し、t-Buはt-ブチルを示し;Bocはt-ブトキシカルボニルを示す。 図2は本発明のペプチドアルデヒドを調製するための好ましい溶液相合成ルー トの反応スキームを説明する図である。この図において、Bocはt-ブトキシ カルボキシルを示し、Etはエチルを示し、Meはメチルを示し、そしてR1、 R2およびXは式(I)にて定義したものである。この図面において、(i)から(xii )は以下の反応条件、試薬および/または溶媒を示す(i)N-メチルピペリジン、 イソブチルクロロホルメート、5℃;(ii)N-メチル-O-メチルヒドロキシルア ミンハイドロクロライド、N-メチルピペリジン、5℃;(iii)リチウムアルミニ ウムハイドライド、テトラヒドロフラン、−60℃;(iv)重硫酸カリウム、-3 0℃;(v)塩酸、エタノール;(vi)エタノール、塩化水素(g);(vii)ジメチル ホルムアミド/アセトニトリル、HBTU、HOBT、0℃;(viii)4-メチル- モルホリン;(ix)メタノール/水/酢酸、水素化触媒(例、Pd/C);(x)アセ トニトリル/水、塩酸、0℃;(xi)酢酸ナトリウム水溶液;および(xii)テトラ ヒドロフラン、ピペリジン。 図3は実施例27の化合物、BzlSO2-Met[S(O2)-Pro-Arg-a lの抗凝固作用を、クエン酸添加ラット(1)およびヒト(m)血漿において、活性 化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を用いて測定したものである。化合物 濃度の増加に伴うAPTTの上昇を、コントロールのラット血漿(19.75秒) およびヒト(28.3秒)血漿の時間を1と定めて相対値として示した。発明の詳細な説明 1. 好ましい化合物 本発明は、以下の式(IA)にて示されるペプチドアルデヒド化合物に関する: [式中、 (a)Xは-C(O)-、-(O)-C(O)-、-NH-C(O)-、-S(O2)-、-O-S(O2)- 、-NH-S(O2)-および-N(R')-S(O2)-からなる群から選ばれる、(式中、R 'は1から約4炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリール、また は約6から約15炭素原子のアラルキルである); (b)R1は以下: (1)約3から約10炭素原子のアルキル、 (2)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている1から 約3炭素原子のアルキル、 (3)約3から約6炭素原子のアルケニル、 (4)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている約3か ら約6炭素原子のアルケニル、 (5)約6から約14炭素原子のアリール、 (6)Y1にて置換されている約6から約14炭素原子のアリール、 (7)Y1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されている約6から約 14炭素原子のアリール、 (8)約6から約15炭素原子のアラルキル、 (9)アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原子のア ラルキル、 (10)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる約6から約15炭素原子のアラルキル、 (11)約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (12)アリール環がY1にて置換されている、約8から約15炭素原 子のアラルケニル、 (13)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる、約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (14)1から約12炭素原子のパーフルオロアルキル、 (15)約6から約14炭素原子のパーフルオロアリール、 (16)約4から約8炭素原子のトリメチルシリルアルキル、 -C(O)-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、-CH(C(O)-OH)-、-CH(C(O) -OR')-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH(C(O)-NR'R")-、 -O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')- S(O2)-ではない)、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 -S(O2)-、メチレン、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、-CH(C(O) -OH)-、-CH(C(O)-OR')-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH(C(O)-NR 'R")-、 Xは-O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R ')-S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 れている)で示される置換された基、この場合Xは-O-C(O)-、-NH-C(O)- 、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、および、 置換されている)で示される置換された基、この場合Xは-O-C(O)-、-NH-C (O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 (上記において、Y1、Y2およびY3はそれぞれ独立してブロモ、クロロ、フ ルオロ、-Z1、-OH、-OZ1、-NH2、-NHZ1、-NZ12、-NH-C(O)- Z1、−N(Z1)-C(O)-Z2、-NH-C(O)-OZ1、-N(Z1)-C(O)-OZ2、- NH-C(O)-NH2、-NH-C(O)-NHZ1、-NH-C(O)-NZ12、-N(Z1) -C(O)-NHZ2、-N(Z1)-C(O)-NZ23、-C(O)-OH、-C(O)-OZ1、 -C(O)-NHZ1、-C(O)-NZ12、-SH、-SZ1、-S(O)-Z1、-S(O2)- Z1、-S(O2)-OH、-S(O2)OZ1、-S(O2)-NH2、-S(O2)NHZ1、-S( O2)-NZ12および オロメチル、ペンタフルオロエチル、1から約12炭素原子のアルキル、約6か ら約14炭素原子のアリールおよび約6から約15炭素原子のアラルキルからな る群から選択される)である、 R"は1から約4炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアラル キル、約6から約14炭素原子のアリールまたは約6から約15炭素原子の アラルキルである、 A1は約6から約14炭素原子のアリール、Y1で置換されている約6から 約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキルまたはY1で 置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルである) からなる群から選択される; (c)R2は以下: (式中、mは1、2、3、4、5または6である;qは0、1または2である、 およびArは約6から約14炭素原子の2価アリール基である) からなる群から選択される;そして (d)nは1、2または3である] およびこれらの薬学上許容される塩を含む。 式(IA)の化合物は、P2がL-2-アゼチジンカルボン酸、L-プロリンまた はL-ピペコール酸であるものを含む。好ましい化合物には、P2がL-アゼチジ ンカルボン酸またはL-プロリンのものを含む。特に好ましい化合物には、P2 がL-プロリンであるものである。 式(IA)の化合物はP3が:(1)硫黄原子がメチル、1から約6炭素原子の直 鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールにて置換されているL-システイン(該 直鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールは-C(O)-OH、-C(O)-OR'、- C(O)-NH2、-C(O)-NHR'、-C(O)-NR'R"またはテトラゾル-5-イル にて置換されている(式中、R'およびR"は独立して1から約4炭素原子のアル キル、約6から約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキ ルからなる群から選択される基である));(2)硫黄原子がメチル、1から約6炭 素原子の直鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールにて置換されているL-シ ステインスルホキシド(該直鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールは-C(O) -OH、-C(O)-OR'、-C(O)-NH2、-C(O)-NHR'、-C(O)-NR'R"ま たはテトラゾル-5-イルにて置換されている);(3)硫黄原子がメチル、1から 約6炭素原子の直鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールにて置換されている L-システインスルホン(該直鎖状アルキレンまたはアルキレンアリールは-C(O ) -OH、-C(O)-OR'、-C(O)-NH2、-C(O)-NHR'、-C(O)-NR'R"ま たはテトラゾル-5-イルにて置換されている);(4)L-メチオニン;(5)S-メ チル基が1から約6炭素原子の直鎖状アルキレン、アルキレンアリールまたは2 価アリールにて置換されているL-メチオニン(該直鎖状アルキレン、アルキレン アリールまたは2価アリールは-C(O)-OH、-C(O)-OR'、-C(O)-NH2、 -C(O)-NHR'、-C(O)-NR'R"またはテトラゾル-5-イルにて置換されて いる);(6)L-メチオニンスルホキシド;(7)S-メチル基が1から約6炭素原 子の直鎖状アルキレン、アルキレンアリールまたは2価アリールにて置換されて いるL-メチオニンスルホキシド(該直鎖状アルキレン、アルキレンアリールまた は2価アリールは-C(O)-OH、-C(O)-OR'、-C(O)-NH2、-C(O)-NH R'、-C(O)-NR'R"またはテトラゾル-5-イルにて置換されている);(8)L -メチオニンスルホンまたは;(9)S-メチル基が1から約6炭素原子の直鎖状ア ルキレン、アルキレンアリールまたは2価アリールにて置換されているL-メチ オニンスルホン(該直鎖状アルキレン、アルキレンアリールまたは2価アリール は-C(O)-OH、-C(O)-OR'、-C(O)-NH2、-C(O)-NHR'、-C(O)- NR'R"またはテトラゾル-5-イルにて置換されている)であるものを含む。 好ましい化合物は、P3のアミノ酸残基が(1)硫黄原子がメチル、1から約3 炭素原子の直鎖状アルキレンにて置換されているL-システイン(該直鎖状アルキ レンは-C(O)-OH、-C(O)-O-CH3、-C(O)-O-CH2CH3、-C(O)-O- CH2CH2CH3またはテトラゾル-5-イルにて置換されている);(2)硫黄原子 がメチル、1から約3炭素原子の直鎖状アルキレンにて置換されているL-シス テインスルホキシド(該直鎖状アルキレンは-C(O)-OH、-C(O)-O-CH3、- C(O)-O-CH2CH3、-C(O)-O-CH2CH2CH3またはテトラゾル-5-イル にて置換されている);(3)硫黄原子がメチル、1から約3炭素原子の直鎖状ア ルキレンにて置換されているL-システインスルホン(該直鎖状アルキレンは-C( O)-OH、-C(O)-O-CH3、-C(O)-O-CH2CH3、-C(O)-O-CH2-CH2 CH3またはテトラゾル-5-イルにて置換されている);(4)L-メチオニン;( 5)S-メチル基が1から約3炭素原子の直鎖状アルキレンにて置換さ れているL-メチオニン(該直鎖状アルキレンは-C(O)-OH、-C(O)-O-CH3 、-C(O)-O-CH2CH3、-C(O)-O-CH2CH2CH3またはテトラゾル-5- イルにて置換されている);(6)L-メチオニンスルホキシド;(7)S-メチル基 が1から約3炭素原子の直鎖状アルキレンにて置換されているL-メチオニンス ルホキシド(該直鎖状アルキレンは-C(O)-OH、-C(O)-O-CH3、-C(O)- O-CH2CH3、-C(O)-O-CH2CH2CH3またはテトラゾル-5-イルにて置 換されている);(8)L-メチオニンスルホン;または(9)S-メチル基が1から 約3炭素原子の直鎖状アルキレンにて置換されているL-メチオニンスルホン(該 直鎖状アルキレンは-C(O)-OH、-C(O)-O-CH3、-C(O)-O-CH2CH3 、-C(O)-O-CH2CH2CH3またはテトラゾル-5-イルにて置換されている) を含む。 また好ましい化合物は、アミノ酸残基P3が硫黄原子に結合しているアルキレ ンアリール置換基を有し、該アルキレンアリール基が-C(O)-OH、-C(O)-O R'、-C(O)-NH2、-C(O)-NHR'または-C(O)-NR'R"にて置換されて いるものを含む。特に好ましい置換アルキレンアリールは、アルキレン部分が- CH2-または-CH2CH2-であり、Arが2価のフェニル基であるものを含む。 特に好ましい化合物は、P3がL-メチオニンスルホン、S-メチル-L-システ インスルホン、S-(カルボキシメチル)-L-システインスルホン、S(カルボメト キシメチル)-L-システインスルホン、S(カルボエトキシメチル)-L-システイ ンスルホンまたはS-(カルボプロピルオキシメチル)-L-システインスルホンで あるものを含む。 式(IA)の化合物はP4がR1-C(O)-、R1-S(O2)-、R1-O-S(O2)-、R1 -NH-S(O2)-、またはR1-N(R')-S(O2)-であるものを含む。 好ましい化合物は、R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8 炭素原子の環状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6 から約14炭素原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子 のアリール;Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール ;約6から約15炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約 6から約15炭素原子のアラルキル;アリール環がY1およびY2で置換されてい る約6から約15炭素原子のアラルキル; であるものを含む。 R1として好ましいアルキルとしては1-プロピル、2-メチル-1-プロピル、 2,2'-ジメチル-1-プロピル、2-プロピル、2-メチル-2-プロピル、1-ブチ ル、2-ブチル、3-ブチル、3-メチル-1-ブチル、1-ペンチル、シクロペンチ ル、1-ヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメ チル、1-ヘプチル、4-ヘプチル、オクチル、ノナニル、ドデカニル、アダマン チルまたはアダマンチルメチルを含む。好ましい環状アルキルにはシクロペンチ ル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、アダマン チル、およびアダマンチルメチルを含む。R1として好ましいアリール基にはフ ェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル、2-インダニル 、2-インデニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-チエニル、2-ピロリルまた は2-フリルを含む。好ましいアラルキル基はベンジル、ジフェニルメチル、ビ フェニルメチル、ナフチルメチル、アルファ-フェニルメチルフェニルおよび2- フェニルエチレンを含む。特に好ましい化合物はP4がR1-S(O2)-またはR1- C(O)-であるものを含む。 P3がL-メチオニンスルホンである場合、好ましい式(IA)の化合物はP4 がR1-S(O2)-、R1-O-S(O2)-、R1-NH-S(O2)-またはR1-C(O)-であ るものを含む。 P4がR1-S(O2)-である場合、好ましい化合物はR1が約3から約10炭素 原子のアルキル、約5から約8炭素原子の環状アルキルで置換されている1から 約3炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリール、Y1で置換され ている約6から約14炭素原子のアリール、Y1およびY2で置換されている約6 から約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキル、アリー ル環がY1で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキル、またはアリ ール環がY1およびY2で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルで あるものを含む。特に好ましい化合物は、R1が約6から約14炭素原子のアリ ールであるかまたはY1で置換されている約6から約14炭素原子のアリールで あるものを含む。さらにより好ましい化合物は、R1がフェニル、2-カルボキシ フェニル、2-カルボメトキシフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルである ものを含む。 P4がR1-C(O)-である場合、好ましい化合物はR1が約3から約10炭素原 子のアルキル、約5から約8炭素原子の環状アルキルで置換されている1から約 3炭素原子のアルキル、約6から約15炭素原子のアラルキル、アリール環がY1 で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキル、またはアリール環が Y1およびY2で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルであるもの を含む。特に好ましい化合物はR1が約3から10炭素原子のアルキルであるも のである。より好ましい化合物にはR1が1-ブチル、1-ヘプチルまたは4-ヘプ チルであるものを含む。 または、P3がS-メチル-L-システインスルホンの場合、好ましい式(IA) の化合物には、P4がR1-S(O2)-、R1-NH-S(O2)-またはR1-C(O)-であ るものを含む。特に好ましい化合物にはP4がR1-S(O2)-であるものを含む。 P4がR1-S(O2)-である場合、好ましい化合物はR1が約3から約10炭素 原子のアルキル、約5から約8炭素原子の環状アルキルで置換されている1から 約3炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリール、Y1で置換され ている約6から約14炭素原子のアリール、Y1およびY2で置換されている約6 から約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキル、アリー ル環がY1で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキル、またはアリ ール環がY1およびY2で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルで あるものを含む。特に好ましい化合物は、R1が約6から約14炭素原子のアリ ールであるかまたはY1で置換されている約6から約14炭素原子のアリールで あるものを含む。さらにより好ましい化合物は、R1がフェニル、2-カルボキシ フェニル、2-カルボメトキシフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルである ものを含む。 または、P3がS-(カルボキシメチル)-L-システインスルホン、S-(カルボ メトキシメチル)-L-システインスルホン、S-(カルボエトキシメチル)-L-シス テインスルホンまたはS-(カルボプロピルオキシメチル)-L-システインスルホ ンである場合、式(IA)の好ましい化合物にはP4がR1-S(O2)-、R1-NH- S(O2)-またはR1-C(O)-であるものを含む。特に好ましい化合物はP3がS- (カルボキシメチル)-L-システインスルホンまたはL-(カルボメトキシメチル)- L-システインスルホンであり、P4がR1-S(O2)-またはR1-C(O)-である化 合物である。 P3がS-(カルボキシメチル)-L-システインスルホンまたはL-(カルボメト キシメチル)-L-システインスルホンであり、P4がR1-S(O2)-である場合、 好ましい化合物にはR1が約3から約10炭素原子のアルキル、約5から約8炭 素原子の環状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル、約6か ら約14炭素原子のアリール、Y1で置換されている約6から約14炭素原子の アリール、Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール、 約6から約15炭素原子のアラルキル、アリール環がY1で置換されている約6 から約15炭素原子のアラルキルまたはアリール環がY1およびY2で置換されて いる約6から約15炭素原子のアラルキルであるものを含む。特に好ましい化合 物にはR1が約6から約14炭素原子のアリールまたはY1にて置換されている約 6から約14炭素原子のアリールである化合物である。よりさらに好ましい化合 物にはP3がS-(カルボキシメチル)-L-システインスルホンであり、R1がフェ ニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルである化合物を含む。よりさらに好ましい 化合物としてはまた、P3がS-(カルボメトキシメチル)-L-システインスルホ ンであり、R1がフェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニ ル、1-ナフチルまたは2-ナフチルである化合物が含まれる。 P3がS-(カルボキシメチル)-L-システインスルホンまたはL-(カルボメト キシメチル)-L-システインスルホンでありP4がR1-C(O)-である場合、好ま しい化合物にはR1が約3から約10炭素原子のアルキル、約5から約8炭素原 子の環状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル、約6から約 15炭素原子のアラルキル、アリール環がY1で置換されている約6から約15 炭素原子のアラルキル、またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6 から約15炭素原子のアラルキルであるものを含む。特に好ましい化合物には、 R1が約3から約10炭素原子のアルキルであるものを含む。さらに好ましい化 合物には、R1が1-ブチル、1-ヘプチルまたは4-ヘプチルである化合物を含む 。 本発明の好ましい化合物の具体例としては、以下のものを含む: P3アミノ酸の硫黄原子に結合した置換アルキレンアリール基を有する化合物 も好ましい。特に好ましい化合物には実施例139および144の化合物が含ま れる。 2.好ましい化合物の調製 本発明による化合物は固相法または液相法のいずれによって合成してもよい。 特定の条件下では、本明細書に記載の液相法が好ましい。 いずれの方法においても使用する多くの出発原料は化学薬品メーカー、例えば 、アルドリッチ(Aldrich)社、シグマ(Sigma)社およびノバ・バイオケミカルズ (Nova Biochemicals)社等からの市販品として容易に入手し得る。 これらの化合物の合成工程において、これらの方法において用いるアミノ酸誘 導体の官能基を保護基によって保護し、カップリング反応中における交差反応を 防止する。適当な保護基の例とこれらの用法は次の文献に記載されており、該記 載内容は本明細書の一部を成すものである。「ザ・ペプタイズ:アナリシス、シン セシス、バイオロジー」、アカデミックプレス、第3巻(グロスおよびマイエンホ ーファー編、1981年)および第9巻(ウデンフリエンドおよびマイエンホーフ ァー編、1987年)。 本発明によるペプチドアルデヒド誘導体は後述の文献に記載の方法によって合 成してもよく、あるいは、ウェッブによる米国特許第5,283,293号明細書 (1994年2月1日発行)および1991年12月13日付の米国特許出願第0 7/807,474号明細書に記載されて固相合成試薬と合成法によるアミノ酸 誘導体の逐次的化学結合法によって合成してもよい(該明細書の当該開示内容も 本明細書の一部を成す)。 図1にウェッブの固相試薬の合成法を示す。この試薬は本発明による化合物を 調製するためのウェッブの固相法に用いるのに好ましいものである。この試薬の 詳細な調製法は実施例1〜7に示す。 実施例8は本発明による化合物を合成するための好ましい固相法に関する。こ の方法においては、所望の最終的化合物の構造を有するアミノ酸もしくはアミノ 酸誘導体の逐次的カップリング反応(BOPまたはTBTUとHOBtを併用する )によって、保護形態の化合物を固相樹脂上で合成する。この化合物は、フッ化 水素酸/アニソールを用いる処理によって脱保護されたセミカルバゾン形態で固 相から脱離させる。この処理によって、該化合物をセミカルバゾンとして樹脂か ら脱離させると共に、O−t−ブチルおよびN−ニトロ保護基をアミノ酸または アミノ酸の側鎖基から脱離させて脱保護をおこなう。脱保護されたセミカルバゾ ンは、酢酸、テトラヒドロフランおよび水との混合物(pH1)中においてエチル アセトアセテートを用いる加水分解によって本発明による化合物に変換される。 実施例11、18、21、24、27、40、43、46、49、56、59、 66および69においてはこの固相合成法についてさらに説明する。 本発明によるペプチドアルデヒドは溶液相法によって合成してもよい。1つの 好ましい方法を実施例28〜33に示す。この方法の手順は次の通りである。 (i)N−Boc−Ng−ニトロ−L−アルギニンをボラン−テトラヒドロフラン錯 体を用いてN−Boc−Ng−ニトロ−L−アルギニノールに変換する。(ii)N− Boc−Ng−ニトロ−L−アルギニノールを塩酸を用いてNg−ニトロ−L−アル ギニノールに変換する。(iii)遊離のN−末端アミノ基を有するNg−ニトロ−L −アルギニノールを、遊離のC−末端カルボキシル基とブロック化N−末端アミ ノ基を有する予備合成したジペプチドにカップリングさせることによってジペプ チド−Ng−ニトロ−L−アルギニノールを調製し、これをカーボン担持Pdを用 いる水素化によってジペプチド−L−アルギニノールに変換する。(iv)ジメチル スルホキシド/トルエン中においてジペプチド−L−アルギニノールのアルコー ル部分をジクロロ酢酸とEDCを用いてアルデヒドに酸化することによってジペ プチド−L−アルギニノールを本発明による化合物(ジペプチド−L−アルギニ ナール)に変換する。 ペプチドアルデヒドを調製するための別の溶液相法は米国特許出願第08/2 61,380号明細書(1994年6月17日出願:ペプチドアルキニナール類の 合成法)に記載されており、該記載内容も本明細書の一部を成すものである。 本発明によるペプチドアルデヒドを調製するための好ましい溶液相法を図2に 示し、その調製例を実施例123〜144に示す。この方法によれば、N−α− t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−アルギニンはNg−ニトロ−L−アルギ ニナールエチルシクロール塩に変換される。環状アルギナールの遊離のα−アミ ノ基を、遊離のC−末端カルボキシル基とブロック化N−末端アミノ基を有する 予備合成したジペプチドとカップリングさせることによってジペプチド−ニトロ アルギニナールエチルエーテルを調製し、これを適当な水素化触媒(例えば、カ ーボン担持Pd触媒)を用いる水素化によってジペプチドシクロアルギニナールエ チルエーテルに変換する。環状アルギニナール環の加水分解によってペプチドア ルギニナール生成物が得られる。 図2に示すように、N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アル ギニン(A1)は2段階法によって対応するN−α−t−ブトキシカルボニル−Ng −ニトロ−アルギニン−(N−メチル,N−メトキシアミド)(A1)に変換される 。溶剤(好ましくはテトラヒドロフラン)にA1を溶解した溶液を冷却し、N−メ チルピペリジンを添加した後、イソブチルクロロフォーメートを添加する。得ら れた混合物に、N−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン遊離塩基の遊離塩基 溶液をゆっくりと添加する。この遊離塩基溶液は、溶剤(好ましくはメチレンク ロリド)中のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミンヒドロクロリドの冷却 混合物をN−メチルピペリジンで処理することによって予め調製しておく。全て の操作手順は窒素雰囲気下でおこなう。反応は約−5℃でおこなうのが好ましい 。薄層クロマトグラフィーによって反応が完結したことを確認した後、生成物A 2 を常套法、例えば、濾過、真空濃縮およびカラムクロマトグラフィー等において 単離する。 中間体A2は2段階でN−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−ア ルギニナールA3に変換される。溶剤(好ましくはテトラヒドロフラン)中のA2 の冷却混合物に、還元剤(好ましくは水素化リチウムアルミニウム)と溶剤の混合 物を添加する。この添加と反応は低温(好ましくは−60℃以下)でおこなうのが 好ましい。反応の完結後、混合物を0℃まで暖め、反応の終了したことを、例え ばTLCによって確認する。混合物を約−70℃まで再び冷却した後、硫酸水素 ナトリウム溶液をゆっくりと添加する。添加中は温度を−30℃以下に保持する 。反応終了後、反応混合物を約0℃までゆっくりと暖める。生成物A3を常套法 、例えば、濾過、真空濃縮、水洗、抽出およびクロマトグラフィー等によって単 離する。 中間体A3は、A3のエタノール溶液を塩酸を用いて処理することによって対 応するN−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナールエチ ルシクロールA4に変換する。この反応は通常は室温でおこなう。このエチルシ クロール生成物A4は常套法、例えばカラムクロマトグラフィーおよび真空蒸発 によって単離する。 エチルシクロール中間体A4は塩の形態、好ましくはトリフルオロアセテート 、より好ましくはヒドロクロリドに変換するのが好ましい。この変換は、例えば 、前者の場合にはトリフルオロ酢酸/メチルクロリドを用いておこない、後者の 場合には塩酸の飽和エタノール溶液を用いておこなう。 エチルシクロール塩A5はN−保護ジペプチド中間体A6とカップリングさせ る。適当なジペプチド中間体の調製とFMOC−保護中間体A10の脱保護によ って、遊離のカルボニル基を有する化合物A6を調製する方法を実施例128〜 136、140および141において説明する。中間体A6とA5のカップリン グは、溶剤(好ましくはDMF/アセトニトリル)にA6、HBTUおよびHOB Tを加えた冷却溶液(約0℃)にA5と4−メチルモルホリンを添加することによ っ ておこなう。この反応は室温でおこなってもよい。生成物A7は常套法、例えば 、真空蒸発、水洗、抽出、乾燥およびクロマトグラフィー等によって単離する。 化合物A7は適当な水素化触媒(例えば、カーボン担持Pd触媒)を用いる接触 水素化によってA8に変換させる。化合物A8は常套法、例えば濾過、真空蒸発 および凍結乾燥等によって単離する。 化合物A8は、アルギニナールシクロールのアルギニナールへの加水分解によ って化合物A9に変換される。好ましい加水分解法としては酸の水溶液を用いる 方法が例示される。好ましい酸としては塩酸、HPF6、メタンスルホン酸、過 塩素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびトルエ ンスルホン酸等が例示される。加水分解反応は酢酸ナトリウム溶液の添加によっ て停止させ、生成物は常套法、好ましくは逆相HPLCによって単離する。 ペプチドアルデヒドを溶液合成する別の方法は、例えば、次の文献に記載され ている:マッコネルらの前記文献、第87頁および該文献の引用文献、バジャス ツら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー第33巻、第1729頁 (1990年)、カワムラら、Chem.Pharm.Bull.、第17巻、第1902頁 (1969年)、およびソメノら、Chem.Pharm.Bull.、第34巻、第174 8頁(1986年)。 本発明の別の観点によれば、本発明は式(IA)で表される化合物の薬学的に許 容される塩に関する。「薬学的に許容される塩」には、該式で表される本発明によ る化合物と有機酸または無機酸から誘導される塩類が包含される。実際上は、塩 形態の化合物の使用は塩基形態の化合物の使用となる。本発明による化合物は遊 離の塩基形態でも塩形態でも有用であり、いずれの形態の化合物も本発明の範囲 内に包含される。これらの塩類としては、酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、 酢酸またはベンゼンスルホン酸の塩およびその他の適当な酸付加塩が例示される 。 3.好ましい化合物の選択 本発明による化合物は以下に説明するように、トロンビンもしくは因子Xaお よびプラスミンの阻害能によって選抜される。特定の好ましい化合物はトロンビ ンを阻害するが、プラスミンを実質的に阻害しないことによって区別される。ト ロンビンとプラスミンに関して、「実質的に阻害しない」とは、所定の化合物のプ ラスミンに対するIC50(またはKi)がトロンビンに対するIC50(またはKi)よ りも大きいかまたはこれと等しいことを意味する。あるいは、特定の好ましい化 合物は因子Xaを阻害するが、プラスミンを実質的に阻害しないことによって区 別される。因子Xaとプラスミンに関して、「実質的に阻害しない」とは、所定の 化合物のプラスミンに対するIC50(またはKi)が因子Xaに対するIC50(また はKi)よりも大きいかまたはこれと等しいことを意味する。 本発明による化合物を緩衝液中に溶解させて、アッセイ濃度が0〜100μM の溶液を調製する。トロンビンおよびプラスミンに対するアッセイにおいては、 発色性の合成基質を、被験化合物と問題となる酵素を含有する溶液に添加し、該 酵素の残余の触媒活性を分光光度法によって測定する。同様に、因子Xaおよび プラスミンに対するアッセイにおいては、発色性の合成基質を被験化合物と問題 となる酵素を含有する溶液に添加し、該酵素の残余の触媒活性を分光光度法によ って測定する。本発明による化合物のIC50は特異的な被測定酵素によって引き 起こされる基質の代謝回転速度から決定される。IC50は、基質の代謝回転速度 の50%を阻害する被験化合物の濃度である。同様に、本発明による化合物のK iは、種々の濃度で測定される特異的酵素によって引き起こされる基質の代謝回 転速度から決定される。Kiは、基質の代謝回転速度の50%を阻害する被験化 合物の濃度である。実施例AおよびBにおいては本発明による化合物を選択する のに用いた生体外アッセイを例示的に説明する。 本発明による好ましい化合物はトロンビンアッセイにおいて0.001〜20 0nMのIC50(またはKi)を有し、また、プラスミンに対するIC50(またはKi )はトロンビンに対するIC50(またはKi)よりも小さくないのが好ましい。トロ ンビンアッセイにおけるIC50(またはKi)が0.001〜100nMの化合物が より好ましい。特に好ましい化合物は、トロンビンアッセイにおけるIC50(ま たはKi)が約0.001〜20nMであり、(プラスミンに対するIC50)/(トロ ンビンに対するIC50)の商または(プラスミンに対するKi)/(トロンビンに対 するKi)の商が約2〜100,000、好ましくは10〜100,000、より好 ましくは100〜100,000である化合物である。 あるいは、本発明による好ましい化合物は、因子XaアッセイにおけるIC50( Ki)が0.001〜200nMの化合物であり、また、プラスミンに対するIC50 (Ki)は因子Xaに対するIC50(Ki)よりも小さくないのが好ましい。因子Xaア ッセイにおけるIC50(Ki)が0.001〜100nMである化合物がより好まし い。特に好ましい化合物は、因子XaアッセイにおけるIC50(Ki)が約0.00 1〜20nMであり、(プラスミンに対するIC50)/(因子Xaに対するIC50)の 商または(プラスミンに対するKi)/(因子Xaに対するKi)の商が約2〜100, 000、好ましくは10〜100,000、より好ましくは100〜100,00 0である化合物である。 4.医薬組成物 他の観点から本発明は、本発明の化合物の治療有効量および薬学的に許容され る担体を含有する保存または投与のための医薬組成物を包含する。 本発明の化合物の「治療有効量」は、投与経路、被処置哺乳類の種類、および処 置する特定の哺乳類の身体的特徴等によって変化する。これらの要因および投与 量を決定する該要因との関係は、医学の分野における当業者にとっては周知であ る。用量および投与方法は、最適な効果が得られるよう調整されるが、体重、食 餌、併用する薬物および医学における当業者に認識されているその他の要因に基 づいて変化する。 本発明の化合物の「治療有効量」は所望の効果と治療上の徴候によって広い範囲 にわたる。典型的には、用量は体重1kgあたり約0.01mgから100mg、より 好ましくは1kgあたり0.01mgから10mgである。 治療用途に用いる「薬学的に許容される担体」は製薬業界においてよく知られて おり、例えば「レミングトンズ・ファーマシュウティカル・サイエンシズ」、マッ ク・パブリッシング社(A.R.ジェナーロ編、1985年)に記載されている。 例えば、殺菌した生理的食塩水および生理的pHを有するリン酸塩緩衝化食塩水 を用いてもよい。保存剤、安定剤、色素およびフレーバー剤を医薬組成物に添加 してもよい。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安 息香酸エステルを保存剤として添加してもよい(同、第149頁参照)。さらに抗 酸化剤および沈澱防止剤を添加してもよい(同所参照)。 本発明の医薬組成物は経口投与用には錠剤、カプセル剤またはエリキシル剤と して、直腸内投与用には坐薬として、注射投与用には無菌溶液または懸濁液とし て製剤化して使用してもよい。投与量および投与方法は最適な効能が得られるよ うに調整してればよいが、体重、食餌、同時投薬および医学の分野における当業 者が認識している他の因子によって変化する。 毎日の主薬として静脈内投与する場合等、非経口投与で投与する場合、注射し 得る医薬組成物は常套の処方で製造すればよく、溶液や懸濁液の液体、投与前に 液体中に溶液もしくは懸濁液にするのに適した固体あるいはエマルションであっ てもよい。好ましい賦形剤としては例えば水、生理的食塩水、デキストロース、 マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、 およびシステイン塩酸塩等が挙げられる。さらに所望により、注射し得る医薬組 成物には、湿潤剤およびpH緩衝剤等の少量の非毒性助剤を添加してもよい。所 望により、吸収強化性調製剤(たとえばリポソーム)を利用してもよい。 5.用途および方法 上述のようにして選択される本発明による化合物は生体外および生体内におけ るトロンビンの有効な阻害剤として有用である。あるいは、上述のようにして選 択される本発明による化合物は生体外あるいは生体内における因子Xaの有効な 阻害剤として有用である。同様に、これらの化合物は血液凝固を防止する生体外 診断剤および異常な血栓によって特徴づけられる症状の疑いのある哺乳類の血栓 症を防止する生体内医薬として有用である。 本発明の化合物は血液採取管内で血液が凝固するのを防止するための生体外診 断剤としても有用である。静脈穿針により得られる血液を採血管内に導入する、 ストッパーを有し、管内が真空である採血管は当業者によく知られている。キャ ステン著、スペシメン・コレクション、「ラボラトリー・テスト・ハンドブック」 第2版、(レキシコンプ・インコーポレイテッド、クリーブランド)、第16〜1 7頁(ヤコブスら編、1990年)。凝血防止のための添加剤を含まない吸引式採 血管は、哺乳類の血清を血液から単離する場合に有用である。これに対して、凝 血防止添加剤(ヘパリン塩、EDTA塩、クエン酸塩またはシュウ酸塩等)を含有 する場合には、哺乳類の血液から血漿を単離するのに有用である。本発明の化合 物は因子Xaまたはトロンビンの有効な阻害剤であり、該化合物を血液採取管内 に注入すれば、該管内に吸引された哺乳類の血液の凝血を防止できる。 本発明の化合物は単独もしくは併用するか、または他の公知の凝血阻害剤と組 み合わせて採血管内で使用される。該化合物の採血管への添加量は、該採血管内 に哺乳類の血液が導入された際に、当該血液が凝固するのを防止するのに十分な 量である。採血管への該化合物の添加は、例えば、該化合物を含有する液体組成 物、固体組成物または液体組成物を凍結乾燥した固体等として、当業者によく知 られた方法で行えばよい。本発明の化合物は採血管内へ、哺乳類の血液2〜10 mlと混合した場合の凝血を防止するのに十分な濃度になる量で添加する。典型的 には、必要な濃度は約1〜1000nMであり、10〜100nMが好ましい。 本発明による化合物は異常な血栓によって特徴づけられる症状の疑いのある哺 乳類の血栓症の予防用医薬として有用である。 異常な血栓形成によって特徴付けられる症状は医学の分野においては周知であ り、哺乳類の動脈および静脈血管系内の両方の血栓症が含まれる。冠動脈血管系 に関しては、異常な血栓形成は急性心筋梗塞および不安定アンギナの主要な原因 となる確立されたアテローム性動脈硬化性プラグの破裂を引き起こし、並びに血 栓融解療法またはPTCAの結果もたらされる閉塞性の冠状血栓形成によって特 徴づけられる。静脈管系に関しては、異常な血栓形成は、大手術を受けた患者の 四肢の下部または腹部領域において認められる。該患者は冒された四肢への血流 の低減と肺塞栓症へ導く疾病素質を引き起こす静脈血管系に形成される血栓によ っ て特徴づけられる。異常な血栓形成はまた、敗血症ショック、特定のウイルス性 感染および癌で患っている場合に、両方の血管系においてみられる散在性の血管 内凝固障害を引き起こすが、この症状は凝固因子の急激な消費および生命の危機 をもたらす広範囲に及ぶ器官不全へとつながる微小血管内の全身性血栓形成によ って特徴づけられる。 本発明はさらに哺乳類の異常な血栓によって特徴づけられる症状の疑いのある 哺乳類の疾患の予防のために、該哺乳類へ本発明の化合物または医薬組成物を治 療有効量投与する方法も含む。 本発明による化合物または医薬組成物は通常は哺乳類、好ましくはヒトに生体 内投与される。 生体内投与する場合には、該化合物または医薬組成物を種々の方法、例えば、 非経口投与法、静脈内投与法、皮下投与法、筋肉内投与法、結腸内投与法、直腸 内投与法、鼻腔内投与法または腹腔内投与法等によって、種々の投与形態で投与 すれはよい。好ましい投与法は、非経口投与法、例えば、静脈内投与を毎日おこ なう。 本発明の方法を実施するに際しては、上記の化合物または医薬組成物を単独で 使用してもよく、あるいは併用してもよく、さらに、他の治療剤または生体内診 断剤と併用してもよい。 当業者には明らかなように、本発明による化合物または医薬組成物の治療有効 量は処置される哺乳類の年令、体重および種類、使用する化合物の種類、投与方 法、所望の治療効果および治療上の徴候によって左右される。この治療有効量を 決定するためのこれらの要因と関連性は当該分野においては周知であるので、有 効投与量、即ち、所望の効能を得るのに必要な投与量の決定法は当業者の技術的 範囲内の事項である。典型的には、化合物の投与量を比較的低い量から始め、生 体内での血栓形成を防止する所望の効能が得られる量、即ち有効投与量が得られ るまで増量して決定される。 本発明の化合物または医薬組成物の成分としての用量は、約0.01mg/kg(体 重)〜100mg/kg(体重)、好ましくは約0.01〜10mg/kg(体重)である。 本発明の理解を容易にするために、本発明を以下の実施例によって説明する。 以下の実施例は本発明に関するものであるが、本発明を限定するものではなく、 現在または将来開発される本発明の改変のうち、当業者が本明細書と請求の範囲 の記載から本発明に含有されると考えるものは本発明の範囲に入る。 実施例 実施例1 アルファ−N−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロアルギニナールの調製 A.方法1: 標題化合物、アルファN−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロアルギニナー ルの以下の合成方法はBoc−アミノ酸アルデヒト類の一般的な合成方法の1例で ある(パーテルら、バイオケム、バイオヒス、アクタ(Biochem.Biophys.Acta. )、748、321−330(1983)参照)。 乾燥THF200ml中にBoc−Ng−ニトロアルギニン12.7g(40ミリモ ル)およびカルボキシルジイミダゾール7.0g(CDI;43ミリモル)を室温で 加え、30分間撹拌した。この反応混合物を−78℃に冷却し、LiAlH4(TH F中1M)の35mlを30分間かけて滴下した。反応を−78℃でさらに1時間 撹拌して行った。次いで、アセトン18mlを加え、この混合物を迅速に1N H Cl 400mlに加えた。混合物を酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチ ル洗浄液を合わせ、次いで水100ml飽和NaHCO3 100mlおよび飽和NaC l 100mlでそれぞれ2回洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥し泡状に濃縮し た。この粗標題化合物の重量6,36g(21ミリモル); 収率52%であった。 B.方法2: フェーレンツ,ジェイ・エイおよびカストロ,ビー,シンセシス(Synthesis) ,676(1983)の方法に変更を加えて合成した。 N−メチルピペリジン11.4mlをN,O−ジメチル−ヒドロキシルアミン塩 酸塩8.42g(94ミリモル)を約0℃に冷却したジクロロメタンの撹拌懸濁液 中にゆっくりと加えた。この溶液を20分間撹拌し、遊離のヒドロキシルアミン を得、次の工程で使用するために冷却した。 別のフラスコでBoc−Ng−ニトロアルギニンの30.0g(94ミリモル)をT HF約1400ml中で加熱することにより溶解し、次いで混合物を窒素雰囲気下 、0℃に冷却した。N−メチルピペリジン11.4mlおよびイソブチルクロロホ ルメート12.14ml(94ミリモル)を加え、この混合物を10分間撹拌した。 上述のごとくして調製した遊離ヒドロキシルアミンを同時にすべて加え、反応混 合物を室温に加温し、次いで一夜撹拌した。 得られた沈澱物を濾過し、THF200mlで洗浄した。濾液を真空条件下で約 150mlに濃縮した後、酢酸エチル200mlを加え、次いでこの溶液を氷冷した 。冷却した酢酸エチル層を0.2N塩酸75mlで2回、0.5N水酸化ナトリウ ム溶液75mlで2回、塩水75mlで1回で洗浄し、次いで有機層をMgSO4で乾 燥した。真空濃縮によって固体状のBoc−Ng−ニトロアルギニンN−メチル− O−メチルカルボキシアミド22.7g(収率:70%)を回収した。9:1 ジ クロロメタン/メタノール(シリカゲル)で薄層クロマトグラフィーにかけ、一つ のスポットが確認された。 フラスコを−50℃に冷却し、窒素雰囲気下に置き、次いでTHF中1Nリチ ウムアルミニウムハイドライド70ml(70ミリモル)70mlと乾燥THF500 mlを入れた。Boc−Ng−ニトロアルギニンN−メチル−O−メチルカルボキシ アミド66ミリモルを含む乾燥THF溶液50mlを、混合物の温度を−50℃に 維持しながらゆっくりと加えた。冷媒を除去することによって反応混合物を0℃ にした後、−30℃に再冷却し、その温度で2N硫酸水素カリ100ml(0.2 モル)を撹拌下、約10〜15分間かけて添加した。反応混合物を次いで室温で 2時間撹拌した。沈澱物を濾過した後、濾液を真空下100mlに濃縮した。濃縮 物を酢酸エチル800ml中に注ぎ、次いで1N塩酸50mlで2回、飽和炭酸水素 ナトリウム50mlで2回、塩水50mlで1回洗浄した。水性抽出液を合わせ、酢 酸エチル100mlで3回抽出した。酢酸エチル洗浄液のすべてを合わせMgSO4 で乾燥した。混合物を真空下濃縮し、標題化合物18.5g(95%)を得た。 実施例2 トランス−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸 ベンジルエステ ルパラ−トルエンスルホネート塩の調製 トランス−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸50g(0.318 モル)、p−トルエンスルホン酸61.7g(0.324モル)、ベンジルアルコー ル250ml(2.4モル)およびトルエン250mlを合わせ、撹拌した。この混合 物を24時間還流し、生成する水をジ−ン−スターク装置を用い共沸により除去 した。5時間還流した後、透明な溶液が得られた。この溶液を室温に冷却し、反 応生成物を晶出させた。この混合物を真空で濾過し、エーテルで洗浄した後、真 空で乾燥し、128.12g(収率96%)を得た。文献: グリーンスタイン、エ ッセ・ピー.;ウイニッツ、ミルトン ケミストリー・オブ・ザ・アミノ・アシ ッド.(Chemistry of the Amino Acids)第2巻(1986)、942。 1H NMR(CD3OD)d1.05(m,2H)、1.43(m,2H)、1.59(m,1H )、1.85(m,2H)、2.03(m,2H)、2.33(m,1H)、2.35(s,3H)、 2.75(d,2H)、5.09(s,2H)、7.23(d,2H)、7.32(m,5H)、7. 69(d,2H)。M.P.154−156℃。 実施例3 1−t−ブトキシカルボニル−セミカルバジジル−トランス−4−メチル−シ クロヘキサンカルボン酸ベンジルエステルの調製 カルボニルジイミダゾール(CDI)3.24g(0.02モル)をジメチルホル ムアミド(DMF)45mlに窒素雰囲気下室温で溶解した。t−ブチルカーバゼイ ト2.48g(0.02モル)のDMF(45ml)溶液を滴加した。次いで実施例2 の固体状ベンジルエステル8.38g(0.02モル)を加え、次いでトリエチル アミン(TEA)3.06mlを30分間かけて滴下した。反応を窒素雰囲気下室温 で1時間撹拌しながら行った。水(100ml)を加え、この混合物を酢酸エチル5 0mlで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせ、1N HCl 75ml、H2O、N aHCO3、NaClでそれぞれ2回抽出し、MgSO4で乾燥した。この混合物を濾 過し、この溶液を濃縮して油状物を得た。この物質を再結晶により酢酸エチル/ ヘキサン(M.P.=106−108℃)から再結晶することにより精製するか、あ るいは次のステップに直接使用した。 1H NMR(CDCl3)d 0.94(m,2H)、1.42(m,2H)、1.45(s,9H )、1.81(m,2H)、2.02(m,2H)、2.27(m,1H)、3.17(t,2H)、 5.09(s,2H)、5.51(t,1H)、6.46(s,2H)、7.34(m,4H)。 実施例4 1−t−ブトキシカルボニル−3−セミカルバジジル−トランス−4−メチル シクロヘキサンカルボン酸の調製 実施例3の粗Boc−ベンジルエステルにメタノール(MeOH)250mlおよび 炭素上10%パラジウム500mg加えた。5psiで1時間ハイドロゲネータ上で 振盪した後混合物を微細な陶磁器製フィルターを通してセライトで濾過した。こ の溶液を泡状に濃縮しジクロロメタンを加え、沈澱を形成させた。この混合物を 5℃で65時間維持した。結晶をエーテルで濾過し、粗生成物4.0gを得た。 12.7ミリモル:収率62%(実施例2の化合物に基づく)。 1H NMR(CD3OD)、d 0.96(m,2H)、1.42(m,2H)、1.46(s, 9H)、1.82(m,2H)、1.97(m,2H)、2.18(m,1H)、3.0(t,2H) ・M.P.=185−189℃。 実施例5 セミカルバジジル−トランス−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸トリフル オロアセテート塩 実施例4の混合物315mg(1ミリモル)をトリフルオロ酢酸(TFA)10mlに 0℃で加え、得られた溶液を30分間撹拌した。その後、この溶液をジエチルエ ーテル75mlに滴加した。沈澱を形成させ、混合物を濾過し、ジエチルエーテル で洗浄した。粗生成物の重量は254mg、0.77ミリモル、収率77%であっ た。 1H NMR(CD3OD)、d 1.0(m,2H)、1.38(m,2H)、1.43(m,1 H)、1.84(m,2H)、2.01(m,2H)、2.22(m,1H)、3.04(d,2H) 。M.P.=154−156℃。 実施例6 アルファ−N−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロアルギニナール−セミカ ルバゾニル−トランス−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸の調製 実施例5の化合物13.7g(41.6ミリモル)、実施例1の粗化合物18. 0g(59ミリモル)の水45mlを含むエタノール135ml溶液を酢酸ナトリウム( NaOAc)9.41g(69ミリモル)で処理し、1時間還流した。この溶液を冷却 し、次いで0.1N HCl に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わ せ、水で洗浄し、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮により減量した。この 濁った混合物を5℃に1晩置き、生成物を沈澱させ、さらに濾過により単離し、 減圧で乾燥した。9.9gが得られ、使用した実施例5の化合物の量に基づいて 収率47%であった。 1H NMR(CD3OD)d 1.0(m,2H)、1.43(s,9H)、1.45−2.2 0(m,13H)、3.09(d,2H)、3.30(m,2H)、4.18(bs,1H)、7.1 0(d,1H)。M.P.=162−163℃。 実施例7 カルバゾーン固体相の合成 標題樹脂、固相試剤を、実施例6の化合物をメチルベンズヒドラールアミン( MBHA)樹脂にカップリングすることによって調製した。 MBHA樹脂(0.8g、0.5ミリモル アミノ基)を反応容器中に入れ、次 いでDCMで1回、DMFで3回、10%DIEA/DMFで2回およびDMF で4回洗浄した。各洗浄は樹脂に対し溶剤10mlを加え、混合物を1〜2分間振 盪し、溶剤を排液することにより行った。洗浄したMBHA樹脂を反応容器に入 れ、DMF5mlを加えた。この混合物にNMM(0.102ml、1ミリモル)、B OP(443mg、1ミリモル)および実施例6(500mg、1ミリモル)の化合物を 加えた。この混合物を次いで回転車上で16時間混合した。その後、樹脂を濾別 し、DMFで3回、10%DIEA/DMFで2回およびDMFで3回洗浄した 。この樹脂を次いでDCMで1回、メタノールで1回、ジエチルエーテルで1回 洗浄し、標題樹脂を得た。樹脂に溶剤10mlを加え、混合物を1〜2分間振盪す ることにより、各洗浄を繰り返し、次いで溶剤を乾燥した。標題樹脂はニンヒド リンによるカップリング収率98−99%を示した。この収率はMBHA出発樹 脂に基づくアミノ基のミリモル/グラムに基づいて計算した。 実施例8 固相合成 本発明化合物は本実施例に記載したごとき固相合成法によって行ってもよい。 この合成方法は3段階−カップリング、開裂および加水分解を実施することによ り行う。 樹脂の洗浄はこの方法における一般的な工程である。従って、特に特定しない 限り洗浄は樹脂に対して特定の溶媒を5〜10mlを加え、混合物を1〜2分振盪 し、次いで溶剤を樹脂から除くことによって行うことを意味する。 A.カップリング 本方法の第1段階において特定の中間体を以下の方法に従って実施例7の樹脂 にカップリングした: 1.実施例7の樹脂(0.5g、α−アミノ基0.25ミリモル)を反応容器に 入れ、DCMで3回洗浄した。 2.樹脂のα−アミノ基を50%TFAのDCM溶液にまず5分間、次いで3 0分間の2回浸漬することにより保護基を外した。この樹脂を次いでDMFで2 回、DCMで2回およびDMFで2回洗浄した。 3.保護基を外した樹脂をDIEA5%を含むDMF溶液5〜10ml中に樹脂 を7分間浸漬することにより中和した。この樹脂をDMFで2回、DCMで2回 およびDMFで2回洗浄した。 4.保護基を外した樹脂をDMF 5mlと、次いでアミノ酸、アミノ酸同族体 、ペプチドまたはペプチド同族体(これは遊離のC末端カルボキシル基を有し、 Boc基によって保護されるか、あるいはさもなくばN−末端アミノ基においてブ ロックされ、適当にすべての反応基において保護されている)の1.0ミリモル 、TBTU(0.321mg、1.0ミリモル)、HOBt(0.135mg、1.0ミ リモル)、NMM(0.11ml、1.0ミリモル)およびDMF 3mlと合わせ、混 合物を3時間撹拌した。BOP(0.442mg、1.0ミリモル)はTBTUで置 き換えてもよい。 5.さらにアミノ酸、アミノ酸同族体、ペプチド類またはペプチド同族体を、 続いてカップル化するべきときはステップ2−4を所望の化合物が得られるまで 繰り返す。 6.この樹脂をDMF溶液から分離し、DMFで3回、DCMで3回、メタノ ールで3回およびジエチルエーテルで3回洗浄する。この樹脂を次いで真空で乾 燥する。 B.開裂 本方法の第2の段階においてセルカルバゾーン中間体の形で所望の化合物を樹 脂から開裂させる。工程Aからのこの乾燥樹脂(0.5g)を反応容器に入れ、ア ニソール(0.5ml)を加える。チオクレゾール(0.1ml)をさらに本発明のある 特定の化合物の開裂のために加える。反応容器を−20℃に冷却した後、ガス状 のフッ化水素酸(12.0ml)を反応混合物中に撹拌しながら蒸留させる。 −20℃で30分間撹拌した後、反応混合物を−10℃に暖め、さらに2時間 この温度で撹拌した。その後、反応混合物を0℃に暖め、フッ化水素酸を窒素流 の留去した。樹脂を次いでジエチルエーテルで2回洗浄した。 樹脂を0.1M重炭酸アンモニウム(50ml)および水100mlで続けて洗浄し 、両者を合わせ、ジエチルエーテルで各抽出に対して溶剤25mlを用い3回抽出 した。この抽出した水溶液を凍結乾燥し、標題生成物の粗セミカルバゾーンを得 た。 C.加水分解 本方法の第3の工程においてセミカルバゾーン中間体を加水分解して本発明の 化合物を得る。 工程Bからの粗セミカルバゾーン(0.25ミリモル)を反応容器に入れ、酢酸 6ml、THF12mlおよび水6ml(トリフルオロ酢酸でpH1に調製)を加える。 撹拌開始し、エチルアセトアセテート1mlづつをセミカルバゾーンが加水分解さ れて、標題化合物となるまで1〜8時間毎に加える。反応混合物を真空下で乾燥 し、粗標題化合物を得る。 この粗標題化合物を合計300オングストロームの孔径を有する、10ミクロ ンサイズのゲル粒子から合成されるC−18樹脂を含む逆相カラムを用いた高圧 液体クロマトグラフィーによって精製する。このカラムは濃度を変えた水−アセ トニトリル(両者ともトリフルオロ酢酸0.1%を含む)で溶出する(この濃度勾 配はアセトニトリル5%〜40%)。このカラムフラクションを逆相C−18カ ラムおよび上記と同じ濃度勾配システムを用いた分析用高圧液体クロマトグラフ ィ ーにより分析する。純粋な生成物を含むフラクションをプールし、次いで凍結乾 燥して標題化合物を得る。 実施例9 L−メチオニンスルホン−L−プロリン−ベンジルエステル塩酸塩の製造 A.方法1: N−Boc−L−メチオニンスルホン−L−プロリン−O−ベンジルエステルを N−Boc−L−メチオニンスルホン(14.0g、50.0ミリモル)のジクロロ メタン(150ml)溶液に0℃で、HOBt(10.1g、75ミリモル)、およびさ らにDCC(11.33g、55.0ミリモル)加えることにより調製した。この 混合物を10分間撹拌し、次いでプロリンベンジルエステル塩酸塩(50.0ミ リモル、12.0g)を加え、さらにNMM(100ミリモル、10.9ml)を加え た。得られた反応混合物を氷浴で撹拌し、室温に12時間かけて戻した。混合物 を濾過し、ジシクロヘキシル尿素を除去し、酢酸エチル(300ml)を加えた。有 機層を分液漏斗に加え、飽和重炭酸塩水溶液、塩水および次いで1M HCl水溶 液で洗浄した。有機層をマグネシウムで乾燥し、次いで濾過した。有機層を次い でロータリーエバポレータで真空で蒸留し、高い真空度で微量の溶剤を除去し、 白色固体23.5gを得た(100%)。Rf=0.34(シリカ、5:95メタノー ル/クロロホルム)。 N−Boc−L−メチオニンスルホン−L−プロリン−O−ベンジルエステル( 23.5g、50ミリモル)の乾燥ジオキサン(300ml)の溶液に4M HCl/ジ オキサン溶液100mlを加えた。この混合物を次いで室温で1時間、出発物質が 薄層クロマトグラフィー(シリカ、メタノール中10%クロロホルム)によって確 認 されなくなるまで撹拌した。ジエチルエーテルをこの混合物に加え、標題化合物 を白色塩酸塩として沈澱させた。この混合物をブフナー漏斗上で濾過し、固体分 を高い真空度で乾燥し、標題化合物20.16g(100%)を白色固体として得 た。 B.方法2: 代わりに標題化合物を以下の方法によって合成した。 N−Boc−L−メチオニンスルホン(5g、20ミリモル)の乾燥DMF 80ml 溶液にL−プロリン−O−ベンジルエステル塩酸塩(4.8g、20ミリモル)を 加え、次いでBOP(8.9g、20ミリモル)およびNMM(5.5ml、20ミリ モル)を加えた。この混合物を16時間室温で撹拌した。反応混合物を酢酸エチ ル600mlに溶解し、水、1M HCl水溶液、水、飽和重炭酸ソーダ水溶液およ び塩水各200mlで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、お よび溶剤を真空下で除去し油状物を得た。 得られた油状物のジクロロメタン20ml溶液に4M HClジオキサン溶液1 00mlを加えた。16時間撹拌した後、溶剤を真空で除去した。得られた油状物 をジエチルエーテルを用いて沈澱させ、濾過し、真空で乾燥して標題化合物7. 49g(収率86%)を白色固体として得た。標題化合物は薄層クロマトグラフィ ー分析により、Rf=0.1(シリカ、1:9メタノール/ジクロロメタン)の単一 スポットを示した。 実施例10 N−(1−ブタンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリンの製造 実施例9の化合物6.0g(12.4ミリモル)を1−ブタン−スルホニルクロ リド2.07ml(16ミリモル)とトリエチルアミン5.0ml(36ミリモル)のジ クロロメタン溶液を0℃から室温で反応させた。反応混合物を飽和重炭酸塩水溶 液中に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を塩水と1M HCl 水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空 で留去し、粘稠な油状物5.73gを得た。この油状物質を2M 水酸化カリウ ム(20ml)およびメタノール100mlと室温で2時間混合した。メタノールを真 空で除去し、水溶液をエーテル(2×50ml)で洗浄し、次いで1M HClでpH 1にした。この水溶液を次いでエチルアセテート(2×100ml)で抽出し、硫酸 マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空で減圧し、標題化合物2.85gを粘稠な 泡状の固体として得た。全体の収率は60.5%であった。 実施例11 N−(1−ブタンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン−L− アルギニナールの調製 標題化合物を実施例8と同様にして調製した。 実施例10の化合物を実施例7の樹脂に結合させた。樹脂から保護されたセミ カルバゾーンとしての標題化合物の開裂の後、セミカルバゾーンを加水分解して 標題化合物を得た。ファスト・アトム・ボンバートメント・マス・スペクトロメ トリにより理論分子量が538.2であることを確認した。 実施例12 シクロヘキシルメチルスルホネートナトリウム塩の製造 重炭酸ソーダ(32g、307ミリモル)水(200ml)溶液にシクロヘキシルメ チルブロミド(21ml、150ミリモル)を加えた。この混合物を次いで加熱48 時間還流しながら激しく撹拌した。室温に冷却し、白色沈澱物を形成させた。こ の沈澱物をブフナー漏斗上に回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、残留するシク ロヘキシルメチルブロミドを除去した。白色板状固体高い真空条件で一晩乾燥し 、標題化合物11.8g(39%)を得た。これは融点400℃以上を有していた 。 実施例13 シクロヘキシルメチルスルホニルクロリドの製造 実施例12の化合物(4.0g、20ミリモル)の化合物にPOCl3(15ml)を 加え、この混合物を100℃で48時間加熱した。室温に冷却し、混合物を砕氷 上に注ぎ、次いで水槽を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機抽出層を合 わせ、重炭酸ソーダ飽和水溶液(2×50ml)、塩水で洗浄し、次いで硫酸マグネ シウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で蒸留し、標題化合物3.46gを明るい 黄色油状物として得た。標題化合物の薄層クロマトグラフィー分析(シリカ、4: 1ヘキサン/酢酸エチル)はRf=0.53単一スポットを示した。 実施例14 N−Boc−L−メチオニンスルホン−O−ベンジルエステルの調製 N−Boc−L−メチオニンスルホン(50g、170ミリモル)を予め0℃に冷 却した乾燥THF(500ml)の溶液にカルボニルジイミダゾール(34.6g、2 14ミリモル)を少量づつ加えた。30分後、混合物をCO2の発生が完全に止ま るまで2時間室温にあげた。この後、ベンジルアルコール(27.6ml、267 ミリモル)を加え、反応物を12時間撹拌した。 この反応混合物を次いで真空で減量した後、得られた残渣を酢酸エチル(50 0ml)で希釈した。有機層を次いで飽和重炭酸塩(1×100ml)、塩水(100ml )、次いでくえん酸飽和水溶液(1×100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾 燥し、濾過し、溶剤を真空で除去し、白色固体を得た。この白色固体をジエチル エーテル/ヘキサンの1:1混合物(300ml)で洗浄し、ブフナー漏斗上で濾過 し、標題化合物50.0g(92%)を得た。標題化合物の薄層クロマトグラフィ ー分析(シリカ、3:2ヘキサン/エチルアセテート)はRf=0.18の単一スポ ットを示した。 実施例15 L−メチオニンスルホン−O−ベンジルエステル塩酸塩の製造 実施例14の化合物(50.0g)に4M HClのジオキサン溶液200mlを加 えた。化合物を2時間かけて最終的に完全に溶解し、薄層クロマトグラフィーに より出発物質が観察されなかった。この溶液をみて真空下で減量し、得られた固 形物をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物55.0g(100%)を白色固体 状で得た。 実施例16 N−シクロヘキシルメタンスルホニル−L−メチオニンスルホン−O−ベンジ ルエステルの調製 実施例15の化合物(4.6g、15ミリモル)を氷浴中で0℃で冷却した乾燥 CH3CN(35ml)に分散させた懸濁液に実施例13の化合物(N−シクロヘキシ ルメタンスルホニルクロリド3.46g、17.6ミリモル)をCH3CN(10ml )の溶液として加え、次いでピリジン(3.8ml、45ミリモル)を加えた。反応 物を氷浴中で15時間ゆっくり室温に上昇させながら撹拌した。溶媒を真空下て 蒸留し残渣を得た。 残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解し、溶液を重炭酸塩飽和水溶液(50ml)、 塩水(50ml)、くえん酸飽和水溶液(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し た。この溶液を濾過し、減圧下で蒸留し、黄色油状物3.3gを得た。この粗生 成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標題化合物1 .63g(25%)を透明な粘稠油状物質として得た。標題化合物の薄層クロマト グラフィー分析の(シリカ、3:2酢酸エチル/ヘキサン)はRf=0.29を有す る単一スポットを示した。 実施例17 N−シクロヘキシルメタンスルホニル−L−メチオニンスルホンの調製 実施例16の化合物(1.6g、3.7ミリモル)のCH3OH(50ml)の溶液に 炭素上10%パラジウム250mgを加えた。この混合物を室温で12時間大気条 件下で水素添加した。反応混合物をセライトのパットで濾過し、溶剤を真空で除 去し、標題化合物1.06g(88%)を白色固体状で得た。標題化合物の薄層ク ロマトグラフィー分析(シリカ、9:1クロロホルム/メタノール)はRf=0.2 の単一スポットを示した。 実施例18 N−シクロヘキシルメタンスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−プロリ ン−L−アルギニナールの製造 標題化合物を実施例8に記載と同様の方法で調製した。 N−Boc−L−プロリンをまず実施例7の樹脂に結合させ、次いで実施例17 の化合物で処理した。樹脂から保護カルバゾーンとしての標題化合物を開裂した 後、このセミカルバゾーンを加水分解して標題化合物を得た。 ファスト・アトム・ポンダーンドメント・マス・スペクトロメトリーにより理 論分子量578.2を確認した。 実施例19 N−(1−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− O−ベンジルエステルの製造 実施例9の化合物(3g、6.9ミリモル)の乾燥アセトニトリル70ml溶液に 1−ナフチレンスルホニルクロリド(2.3g、10.3ミリモル)を加え、次い で乾燥ピリジン(4.1ml、34.4ミリモル)を加えた。室温で16時間撹拌し た後、溶剤を真空下で除去し、得られた油状物質を500ml酢酸エチルで溶解し 、水、1M HCl水溶液、水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩水各10 0mlで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶剤を真空で除 去して油状物を得た。 この油状物をシリカ(50g)のパットで濾過し、ジクロロメタン500mlで2 回、次いで1:9メタノール/ジクロロメタン500mlで3回洗浄した。適当な フラクションを真空下で濃縮し、標題化合物3.8g(収率99%)を得た。標題 化合物の薄層クロマトグラフィー分析(シリカ、1:9メタノール/ジクロロメタ ン)はRf=0.5を有する単一スポットを有した。 実施例20 N−(1−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリンの 製造 実施例19の化合物(3.8g、6.8ミリモル)のTHF 10mlおよびメタノ ール250mlの溶液に窒素雰囲気下、炭素(2g)上10%パラジウムを加えた。 この混合物を1気圧下で16時間水素添加した。この混合物を次いで濾過し、真 空下で濃縮し、標題化合物3g(96%収率)を白色固体状物質として得た。この 標題化合物の薄層クロマトグラフィー分析(1:9メタノール/ジクロロメタン) はRf=0.2を有する単一スポットを示した。 実施例21 N−(1−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− L−アルギニナールの製造 標題化合物を実施例8に記載と同様の方法により調製した。 実施例20の化合物を実施例7の樹脂に結合した。樹脂からの保護セミカルバ ゾーンとしての標題化合物を開裂した後、セミカルバゾーンを加水分解して標題 化合物を得た。ファスト・アトム・ボンバートメント・マススペクトロメトリー は理論分子量608.2であることを確認した。 実施例22 N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− O−ベンジルエステルの製造 実施例9の化合物3g(6.878ミリモル)をアセトニトリル69mlに加えた 。この混合物に2−ナフチレンスルホニルクロリド2.34g(10.3ミリモル 、1.5当量)およびピリジン4.20g(4.12ml、34.4ミリモル、5当 量)を加え、混合物を10時間撹拌した。この混合物をさらに真空で濃縮し、酢 酸エチル(500ml)で希釈し、1M HCl、水、重炭酸ソーダ水溶液、および 塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮した。薄 層クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン中10%メタノール)は2−ナフ チルスルホニルクロリドを示した。この混合物を次いでシリカのプラグを通して 濾過し、ジクロロメタン(100ml)、次いで10%メタノール/ジクロロメタン (200ml)で溶出させた。集めたフラクションから溶媒を真空で除去し、標題化 合物3.96gを得た。実施例23 N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリンの 調製 実施例22の化合物の一部3.96g(7.088mmol)を微量のTHF含有の メタノール250mlに溶解した。この溶液に炭素上10%パラジウム2gを窒素 ブランケット(blanket)下で添加した。その後、この混合物を大気圧にて水素 ガス雰囲気下で10時間撹拌した。この後、薄層クロマトグラフィー(シリカ、 ジクロロメタン中10%メタノール)により出発原料は示されなかった。そして この溶液をナイロンフィルターで濾過し、減圧下で濃縮して標記化合物3.2g( 96%)を得た。実施例24 N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− L−アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例23の化合物を実施例7の樹脂と結合させた。上記樹脂からの標記化合 物の保護セミカルバゾンとしての分離後、そのセミカルバゾンを加水分解して標 記化合物を得た。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量608.2を確認した。実施例25 N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−プロリン−O−ベンジ ルエステルの調製 実施例9の化合物(20.0mmol、8.08g)の0℃まで冷却した乾燥アセト ニトリル(100ml)溶液に、アルファ−トルエンスルホニルクロライド(20 .0mmol、3.8g)を添加し、すぐにピリジン(50.0mmol、4.2ml)を添加 した。その後、その混合物を氷浴中にて結局は室温まで温めながら12時間撹拌 した。 上記反応混合物を減圧下で残渣になるまで濃縮した。その残渣を酢酸エチル( 300ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブライン、1M HCl 水溶液(100ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発さ せて、標記化合物8.8g(100%)を泡状金色固体として得た。標記化合物 の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.31でのシングルスポットが示 された(シリカゲル、95:5クロロホルム/メタノール)。水素化前に、溶離 液として酢酸エチルを用いて上記固体をシリカゲル(50g)のプラグ(plug) で濾過し、硫黄関連の不純物をできるだけ除去した。実施例26 N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−プロリンの調製 実施例25の化合物(8.8g、20mmol)のメタノール(300ml)溶液に、 炭素上10%パラジウム1.0gを添加した。その後、この混合物を大気圧の水素 ガス雰囲気下、室温にて12時間撹拌しながら水素化した。その後、混合物を濾 過し、有機相を減圧下で濃縮して標記化合物8.0g(100%)を白色泡状固 体として得た。実施例27 N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−プロリン−L−アルギ ニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例26の化合物を実施例7の樹脂と結合させた。上記樹脂からの標記化合 物の保護セミカルバゾンとしての分離後、そのセミカルバゾンを加水分解して標 記化合物を得た。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量572.2を確認した。実施例28 N−Boc−Ng−ニトロ−アルギニノールの調製 Boc−Ng−ニトロ−アルギニン(370g、1.15mol)の−78℃乾燥TH F6リットル中懸濁液に、ボラン・THF複合体1.0M(2.6リットル)をゆ っくり添加した。反応温度は60℃を越えないよう制御した。上記の添加が完了 した後、反応物を冷凍庫中、−20℃にて一晩中放置した。 翌日、その緑色系黄色反応混合物を−78℃まで冷却し、無水メタノール3リ ットルでゆっくり急冷した。この急冷2時間後、この混合物を25℃まで加温し 、さらに2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(360g)を 得た。この中間体をカップリング反応でそのまま用いる。主生成物は薄層クロマ トグラフィーでは、Rf=0.28(シリカ、90:10ジクロロメタン/メタ ノール)であった。実施例29 N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− O−ベンジルエステルの調製 実施例9の化合物(88.06g、0.178mol)、2−プロピルペンタン酸 (33.45ml、0.2136mol)、BOP(94.5g、0.2136mol)およ び乾燥DMF 600mlの15℃の溶液に、NMM(117ml、1.068mol) をゆっくり添加した。この反応混合物を25℃までゆっくり加温し、その後一晩 中撹拌した。 翌日、上記反応混合物に水1リットルを添加し、酢酸エチル500mlで3回抽 出した。有機抽出液を合わせて、1.0N HCl(3−300ml)、飽和炭酸水 素ナトリウム(3−300ml)およびブライン(1−100ml)で洗浄した。そ の後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶媒を除 去して、標記化合物84.6g(96%)を得た。標記化合物の薄層クロマトグ ラフィー分析では、Rf=0.35でのシングルスポットが示された(シリカゲ ル、95:5ジクロロメタン/メタノール)。実施例30 N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリンの 調製 実施例29の化合物(37g、0.07495mol)およびメタノール500ml の溶液に、ジクロロメタンで湿潤させた炭素上10%パラジウム3.7gを添加し た。この混合物をパール・ヒドロゲネーター(Parr Hydrogenator)中、25psi にて7時間水素化し、その後、混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去して標記化 合物29.71g(98%)を白色固体として得た。標記化合物の薄層クロマトグ ラフィー分析では、Rf=0.15でのシングルスポットが示された(シリカ、 85:15ジクロロメタン/メタノール)。実施例31 N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− g−ニトロ−アルギニノールの調製 実施例28の化合物(34g、0.1117mol)の0℃のメタノール500ml 溶液に、飽和HCl/メタノール溶液1.2リットルを添加した。30分後、氷 浴を取り去り、反応混合物を2時間撹拌した。この後、溶媒を減圧下で除去し、 その結果得られた固体を、さらなる精製なしでそのまま用いた。 その結果得られた固体をアセトニトリル1リットル中で溶解した。この溶液に 、実施例30の化合物(49.56g、0.1225mol)およびBOP(59.1 1g、0.1337mol)を添加し、次いでNMM(73.5ml、0.668mol) をゆっくり添加した。その混合物を室温にて一晩中撹拌した。この後、溶媒を減 圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供して100:0〜90 :10勾配のジクロロメタンおよびメタノールで溶出させた。採取したフラクシ ョンの溶媒を蒸発させて、白色固体として標記化合物40.5gを単離した。標 記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.38でのシングルスポ ットが示された(シリカゲル、95:5ジクロロメタン/メタノール)。実施例32 N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− L−アルキニノールの調製 実施例31の化合物(6g、0.0101mol)、酢酸3mlおよびメタノール1 00mlの溶液に、ジクロロメタンで湿潤させた炭素上10%パラジウム0.6gを 添加した。この混合物をパール・ヒドロゲネーター(Parr Hydrogenator)中、 45psiにて16時間水素化した。この後、混合物を濾過し、有機相を減圧下で 除去して標記化合物4.7g(77%)をガラスとして得た。標記化合物の薄層ク ロマトグラフィー分析では、Rf=0.17でのシングルスポットが示された( シリカゲル、85:15ジクロロメタン/メタノール)。実施例33 N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L−プロリン− L−アルギニナールの調製 実施例32の化合物(5.4g、9.9mmol)、ジクロロ酢酸(4.07ml、4 9.5mmol)、ジメチルスルホキシド75mlおよびトルエン75mlの0℃の溶液 に、EDC(18.93g、99mmol)をゆっくり添加した。5分後、氷浴を取 り去り、反応物を室温まで1.5時間加温した。この後、トルエンを減圧下で除 去し、その結果得られた溶液をHPLCグレードの水750mlで希釈し、濾過し た。その後、この溶液を、0.1%トリフルオロ酢酸含有の100:0〜60: 40のHPLCグレード水/アセトニトリルからなる30分勾配を用いるC−1 8逆相カラムを用いたクロマトグラフィーに供した。フラクションを合わせて、 凍結乾燥させ、標記化合物4.47g(83.5%)を得た。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量544.3を確認した。実施例34 S−メチル−L−システインの調製 市販(アルドリッチ)のL−システインハイドロクロライドモノハイドレート (50.0g、284.5mmol)およびバリウムヒドロキシドオクタハイドレート (94.24g、298.7mmol)の室温の水溶液1.49リットルを、ジメチル スルフェート(37.32g、295.9mmol)を40分間かけて滴下して処理し た。さらに2時間撹拌した後、脱イオン水100ml中に溶解させた濃硫酸(29 .27g、298.7mmol)を分けて添加した。そのスラリーを濾過し、濾液を減 圧下40℃にて70mlまで濃縮した。その溶液を濃アンモニウムヒドロキシドで pH5〜6(pH試験紙)に調整したところ、その結果沈澱物が形成された。ス ラリー(140ml水性体積(aqueous volume))をエタノール240mlで希釈し、 撹拌して、3℃に冷却した。白色固体を濾過し、冷2:1エタノール/水(50 ml)で洗浄し、高減圧下、室温にて乾燥させ、標記化合物33.3g(86.6% 収率)を得た。実施例35 N−Boc−S−メチル−L−システインの調製 実施例34の化合物(15.0g、110mmol)を飽和炭酸水素ナトリウム( 約1.1M)130ml中で懸濁させた。ジ−t−ブチルジカーボネート(26.4 g、121mmol)のTHF60ml溶液を添加し、室温にて18時間激しく撹拌し た。 反応混合物をジエチルエーテル(100ml)で抽出した。その結果得られた水 性層を酢酸エチル(200ml)で積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙)に酸 性化した。その水性層を酢酸エチル(3×200ml)でさらに抽出した。有機抽 出液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発 させて標記化合物21.2mgを透明オイルとして得た(81.9%粗収率)。標記 化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.5でのシングルスポット が示された(シリカ;90:10:2ジクロロメタン/メタノール/酢酸)。実施例36 N−Boc−S−メチル−L−システイン−L−プロリン−O−ベンジルエステル の調製 実施例35の化合物(14.64g、62.2mmol)およびL−プロリン−O− ベンジルエステルハイドロクロライド(15.04g、62.2mmol)をアセトニ トリル135ml中0℃にて懸濁させ、その後BOP(27.51g、62.2mmol )およびNMM(18.9g、186.6mmol)を添加した。30分後氷浴を取り 去り、反応物を室温にて18時間撹拌した。 上記反応混合物溶媒を減圧下、25℃にて蒸発させてオイルを得、このオイル を酢酸エチル(250ml)で溶解した。この溶液を連続的に1N塩酸(1×50 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ml)およびブライン(1×50ml)で 洗浄し、MgSO4で乾燥させた。この溶液を減圧下で蒸発させて、粗生成物を 得た。 粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより、1:1ヘキサン /酢酸エチルで溶出させて精製した。カラムフラクションから溶媒を減圧下で蒸 発させて、標記化合物21.9g(83.3%収率)を非晶質固体として単離した 。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.53でのシングル スポットが示された(シリカ、3:2酢酸エチル/ヘキサン)。実施例37 N−Boc−S−メチル−L−システインスルホン−L−プロリン−O−ベンジル エステルの調製 実施例36の化合物(16.13g、38.18mmol)を氷酢酸200mlに溶解 し、ソジウムペルボレートテトラハイドレート(sodium perborate tetrahydrate )(29.37g、190.9mmol)を添加し、その混合物を55℃まで加熱した。 この温度にて2.5時間後、反応溶液をブライン800mlで希釈し、水性層を酢 酸エチル(3×250ml)で抽出し、合わせた有機抽出液をMgSO4で乾燥さ せた。この溶液を濾過し、減圧下で蒸発させて、残渣を得、これを減圧下にてト ルエン(200ml)と繰り返して共沸させて酢酸を除去した。残渣スラリーを酢 酸エチル(200ml)中で懸濁させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて標記化 合物17.4g(100%収率)を白色固体として得た。標記化合物の薄層クロ マトグラフィー分析では、Rf=0.25でのシングルスポットが示された(3 :2酢酸エチル/ヘキサン)。実施例38 N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L−プ ロリン−O−ベンジルエステルの調製 実施例37の化合物(2.0g、4.4mmol)を4N無水塩酸/ジオキサン12 ml中溶解し、全ての出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌した。その後、 この塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させてオイルを得た。このオイルをア セトニトリルに溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行った。 オイルをアセトニトリル17ml中に懸濁させ、氷浴温度まで冷却し、その後1 −ブタンスルホニルクロライド(0.69g、4.4mmol)およびピリジン(1. 04g、13.2mmol)を添加した。30分後反応物を氷浴から取り出し、室温 にて18時間撹拌した。上記反応混合物を減圧下で蒸発させてオイルを得た。こ のオイルを酢酸エチル200mlに溶解し、連続的に1N塩酸(1×50ml)、飽 和炭酸水素ナトリウム(1×50ml)およびブライン(1×50ml)で洗浄した 。MgSO4で乾燥させた後、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。 この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、1:99メタノ ール/ジクロロメタンで溶出させて精製した。カラムフラクションから溶媒を除 去して標記化合物1.25g(59.8%収率)を固体として得た。標記化合物の 薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.59でのシングルスポットが示さ れた(シリカ;95:5ジクロロメタン/メタノール)。実施例39 N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L−プ ロリンの調製 実施例38の化合物(1.55g、2.45mmol)をTHF(50ml)に溶解し 、炭素上10%パラジウム0.5gを添加し、混合物を大気圧での水素ガス雰囲気 下で18時間撹拌した。 反応混合物を濾過して触媒を濾別した後、減圧下で溶媒を除去して、その結果 得られたオイルを飽和炭酸水素ナトリウム溶液に溶解した。その後、この溶液を 酢酸エチル(1×150ml)で抽出し、有機層をデカントした。残りの水性層を 酢酸エチル100mlで積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙)まで酸性化した 。相分離後、有機層を溜めておき、その後水性層を酢酸エチル(3×100ml) でさらに抽出した。 有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減 圧下で蒸発させて標記化合物0.77g(収率82.9%)を泡状固体として得た 。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.3でのシングルス ポットが示された(シリカ;90:10:2ジクロロメタン/メタノール/酢酸 )。実施例40 N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L−プ ロリン−L−アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例39の化合物を実施例7の樹脂と結合させた。上記樹脂からの標記化合 物の保護セミカルバゾンとしての分離後、そのセミカルバゾンを加水分解して標 記化合物を得た。チオクレゾール0.1mlをアニソール−HF分離混合物にさら に添加した。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量524.2を確認した。実施例41 N−(2−プロピルペンタノイル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリン−O−ベンジルエステルの調製 実施例37の化合物(3.0g、4.66mmol)を4N無水塩酸/ジオキサン1 2ml中で溶解した。この溶液を全ての出発原料が消費されるまで室温で数時間撹 拌した。この塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させた。このオイルをアセト ニトリル中で溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行った。 オイルをアセトニトリル25ml中で懸濁させ、氷浴温度まで冷却し、その後2 −プロピルペンタン酸(0.95g、6.6mmol)、BOP(2.92g、6.6mmol) およびNMM(2.0g、19.8mmol)を添加した。30分後反応物を氷浴から 取り出し、室温にて18時間撹拌した。アセトニトリルを減圧下で蒸発させ、オ イルを酢酸エチル(200ml)に溶解し、連続的に1N塩酸(1×50ml)、飽 和炭酸水素ナトリウム(1×50ml)およびブライン(1×50ml)で洗浄した 。MgSO4で乾燥させた後、酢酸エチルを減圧下て蒸発させて、粗生成物を得 た。 この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.5: 98.5メタノール/ジクロロメタンで溶出させた。カラムフラクションから溶 媒を減圧下で蒸発させて標記化合物2.0g(63.0%収率)をオイルとして得 た。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf=0.43でのシング ルスポットが示された(シリカ;95:5:1ジクロロメタン/メタノール/酢 酸)。実施例42 N−(2−プロピルペンタノイル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリンの調製 実施例41の化合物(1.75g、3.64mmol)をTHF(50ml)に溶解し 、炭素上10%パラジウム0.5gを添加し、混合物を大気圧での水素ガス雰囲気 下で18時間撹拌した。 反応混合物を濾過して触媒を濾別した後、減圧下で溶媒を除去し、その結果得 られたオイルを飽和炭酸水素ナトリウム溶液に溶解した。その後、この溶液を酢 酸エチル(1×150ml)で抽出し、有機層をデカントした。残りの水性層を酢 酸エチル100mlで積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙)まで酸性化した。 相分離後、有機層を溜めておき、その後水性層を酢酸エチル(3×100ml)で さらに抽出した。 有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減 圧下で蒸発させて標記化合物0.90g(63.1%収率)を泡状固体として得た 。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、Rf 0.3でのシングルス ポットが示された(シリカ;90:10:2ジクロロメタン/メタノール/酢酸) 。実施例43 N−(2−プロピルペンタノイル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリン−L−アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例42の化合物を実施例7の樹脂と結合させた。上記樹脂からの標記化合 物の保護セミカルバゾンとしての分離後、そのセミカルバゾンを加水分解して標 記化合物を得た。チオクレゾール0.1mlをアニソール−HF分離混合物にさら に添加した。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量530.3を確認した。実施例44 N−(2−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリン−O−ベンジルエステルの調製 実施例37の化合物(3.0g、6.6mmol)を4N無水塩酸/ジオキサン12 ml中で溶解した。この溶液を全ての出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌 した。この塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させた。その結果得られたオイ ルをアセトニトリル中で溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行った。 残りのオイルをアセトニトリル20ml中で懸濁させ、氷浴温度まで冷却し、そ の後2−ナフタレンスルホニルクロライド(0.1.49g、6.6mmol)および ピリジン(1.57g、19.8mmol)を添加した。30分後反応物を氷浴から取 り出し、室温にて18時間撹拌した。反応混合物をオイルになるまで減圧下で体 積減少させた。そのオイルを酢酸エチル200mlに溶解し、連続的に1N塩酸( 1×50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ml)およびブライン(1×5 0ml)で洗浄した。MgSO4で乾燥させた後、酢酸エチルを減圧下で蒸発させ て、粗生成物を得た。 この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、0.8:99.2 メタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製し、標記化合物2.2g(60.6 %収率)を固体として得た。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、R f=0.50でのシングルスポットが示された(シリカ;90:10:2ジクロ ロメタン/メタノール/酢酸)。実施例45 N−(2−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリンの調製 実施例44の化合物(1.95g、3.58mmol)をTHF(50ml)に溶解し 、炭素上10%パラジウム0.5gを添加し、混合物を大気圧での水素ガス雰囲気 下で18時間撹拌した。 反応混合物を濾過して触媒を濾別した後、減圧下で溶媒を除去し、その結果得 られたオイルを飽和炭酸水素ナトリウム溶液に溶解した。その後、この溶液を酢 酸エチル(1×150ml)で抽出し、有機層をテカントした。残りの水性層を酢 酸エチル100mlで積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙)まで酸性化した。 相分離後、有機層を溜めておき、その後水性層を酢酸エチル(3×100ml)で さらに抽出した。 有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減 圧下で蒸発させて0.95gの固体(収率58.3%)を得た。単離された物質を 薄層クロマトグラフィーに供したところ、Rf0.3であった(シリカ、90: 10:2ジクロロメタン/メタノール/酢酸)。実施例46 N−(2−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリン−L−アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例45の化合物を実施例7の樹脂と結合させた。上記樹脂からの標記化合 物の保護セミカルバゾンとしての分離後、そのセミカルバゾンを加水分解して標 記化合物を得た。 高速原子衝撃質量分析により、理論分子量594.2を確認した。実施例47 N−(1−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリン−O−ベンジルエステルの調製 実施例37の化合物(3.0g、6.6mmol)を4N無水塩酸/ジオキサン12 ml中で溶解した。この溶液を全ての出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌 した。この塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させてオイルを得た。このオイ ルをアセトニトリル中で溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行った。 残りのオイルをアセトニトリル20ml中で懸濁させ、氷浴温度まで冷却し、そ の後1−ナフタレンスルホニルクロライド(0.1.49g、6.6mmol)および ピリジン(1.57g、19.8mmol)を添加した。30分後反応物を氷浴から取 り出し、室温にて18時間撹拌した。反応混合物をオイルになるまで減圧下で体 積減少させた。そのオイルを酢酸エチル200mlに溶解し、連続的に1N塩酸( 1×50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ml)およびブライン(1×5 0ml)で洗浄した。MgSO4で乾燥させた後、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗 生成物を得た。 この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、0.8:99.2 メタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製し、標記化合物1.61g(45 %収率)を固体として得た。標記化合物の薄層クロマトグラフィー分析では、R f=0.50でのシングルスポットが示された(シリカ;90:10:2ジクロ ロメタン/メタノール/酢酸)。実施例48 N−(1−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システインスルホン−L −プロリンの調製 実施例47の化合物(1.6g、2.94mmol)をTHF(50ml)に溶解し、 炭素上10%パラジウム0.5gを添加し、混合物を大気圧での水素ガス雰囲気下 で18時間撹拌した。 反応混合物を濾過して触媒を濾別した後、減圧下で溶媒を除去し、その結果得 られたオイルを飽和炭酸水素ナトリウム溶液に溶解した。その後、この溶液を酢 酸エチル(1×150ml)で抽出し、有機層をデカントした。残りの水性層を酢 酸エチル100mlで積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙)まで酸性化した。 相分離後、有機層を溜めておき、その後水性層を酢酸エチル(3×100ml)で さらに抽出した。 有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減 圧下で蒸発させて標記化合物1.07g(80%収率)を得た。標記化合物の薄層 クロマトグラフィー分析では、Rf=0.3でのシングルスポットが示された( シリカ;90:10:2ジクロロメタン/メタノール/酢酸)。実施例 49 N-(1-ナフタレンスルホニル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-プロリ ン-L-アルギニナルの調製 標題化合物を実施例8に記載したと同じ方法で調製した。 実施例48の化合物〔N-(1-ナフタレンスルホニル)-S-メチル-L-システ インスルホン-L-プロリン〕を実施例7の樹脂に取り付けた。セミカルバゾン保 護形態である標題化合物を樹脂から切り離したのち、セミカルバゾンを加水分解 して標題化合物を得た。0.1mLのチオクレゾールをアニソール−HFで切り 離した混合物に加えた。 高速原子衝撃質量分析法により理論分子量である594.2を確認した。実施例 50 S-(t−ブチルアセテート)-L-システインの調製 市販(アルドリッチ社製)のL-システインハイドロクロライドモノハイドレ ート(60.0g、341.7ミリモル)と水酸化ナトリウム(27.33g、6 83.4ミリモル)の水溶液360mLを、室温で、130mLのジオキサン中 にt-ブチルブロモアセテート(72.3g、370.6ミリモル)を含む溶液で 30分間以上処理した。反応を18時間撹拌して行い、その間に濃厚な沈殿が生 成した。固体を濾別し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄して、高真空下 40℃で乾燥し、82.5gの標題化合物(無機塩を吸蔵して粗収率103.8% )を得た。実施例 51 N-Boc-S-(t−ブチルアセテート)-L-システインの調製 実施例50の化合物(82.5g、341.7ミリモル)および重炭酸ナトリウ ム(33.96g、404ミリモル)を脱イオン水600mL中に懸濁した。3 50mLのジオキサン中にジ-t-ブチルジカーボネート(80.88g、370 ミリモル)を含む溶液を加えて、スラリーを18時間撹拌した。 スラリーをジエチルエーテルで抽出した(2×100mL)。酢酸エチル(2 00mL)を加えてスラリーを2層に分離し、1Nの塩酸でpH2(pH試験紙 使用)の酸性にした。生成した有機層を保存し、残った水層を更に酢酸エチルで 抽出した(2×200mL)。有機層抽出物を合体してブラインで洗浄し、Mg SO4で乾燥して、溶媒を真空下で蒸発して84.3gの標題化合物を透明油状物 として得た(収率74.6%)。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ ゲル;90:10:2のジクロロメタン/メタノール/酢酸)で分析したところ 、Rf=0.55の単一スポットを示した。実施例 52 N-Boc-S−(t−ブチルアセテート)-L-システイン-L-プロリン-O-ベン ルエステルの調製 実施例51の化合物(31.89g、95.06ミリモル)とL-プロリン-O- ベンジルエステルハイドロクロライド(22.98g、95.06ミリモル)を1 40mLのアセトニトリルと120mLのDMF中に0℃で懸濁し、次いでBO P(42.0g、95.06ミリモル)とNMM(28.84g、285.18ミリ モル)を加えた。30分後に氷浴を取り除き、反応物を室温で18時間撹拌した 。反応混合物を減圧下25℃で体積を減じて、油状物を得た。油を酢酸エチル( 250mL)に溶解し、次いで1N塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウ ム(1×50mL)およびブライン(1×50mL)で連続して洗浄した。有機 層をMgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発して粗生成物を得た。 粗生成物を、溶離剤として55:45のヘキサン/酢酸エチルを用いて、シリ カゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、油状の標題化合物27. 91g(収率57.9%)を得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリ カ;3:2酢酸エチル/ヘキサン)で分析したところRf=0.65の単一スポ ットを示した。実施例 53 N-Boc-S-(t−ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L-プロリン- O-ベンジルエステルの調製 実施例52の化合物(27.9g、55.07ミリモル)を300mLの氷酢酸 に溶解し、過硼酸ナトリウム4水和物(42.36g、275.35ミリモル)を 加えて、混合物を55℃に加熱した。この温度に2.5時間置いた後、反応混合 物を1リットルのブラインで希釈して、水層を酢酸エチルで抽出し(4×250 mL)、有機の抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。この溶液を濾過し、真 空下で蒸発したのち、トルエン(200mL)と真空下で繰り返し共沸して酢酸 を除去した。残ったスラリーを酢酸エチル(200mL)に溶解し、濾過し、濾 液を蒸発して29.7gの標題化合物を白色固体として得た(収率100%)。 標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;3:2酢酸エチル/ヘキサン) で分析したところRf=0.60の単一スポットを示した。実施例 54 N-ベンジルスルホニル-S(t−ブチルアセテート)-L-システインスルホン- L-プロリン-O-ベンジルエステルの調製 モレキュラーシーブで乾燥した酢酸エチル105mL中に溶解した実施例53 の化合物(5.0g、9.28ミリモル)の溶液を調製した。これに(アセチルク ロライドとメタノールから生じたままの)5.7Nの無水塩酸/酢酸エチル26 mLを加えた。この混合物を、出発物質のすべてが消費されるまで室温で数時間 撹拌した。混合物を真空下で蒸発させ、得られた油状物をアセトニトリルに溶解 してこれを真空蒸発させた。これを3回行った。 残留油状物を35mLのアセトニトリルに懸濁させ、氷浴温度に冷却して、そ れからベンジルスルホニルクロライド(2.12g、11.14ミリモル)および ピリジン(2.93g、37.12ミリモル)を加えた。30分後反応物を氷浴か ら取り出し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空下において体積減少さ せ油状物とした。油を200mLの酢酸エチル中に入れて1N塩酸(1×50m L)、飽和重炭酸ナトリウム(1×50mL)およびブライン(1×50mL) で連続して洗浄した。MgSO4で乾燥した後、有機層を真空下で蒸発させて粗 生成物を得た。 粗生成物を、溶離剤として3:2のヘキサン/酢酸エチルを用いて、シリカゲ ル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体の標題化合物2.85g (収率51.8%)を得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;3 :2酢酸エチル/ヘキサン)で分析したところRf=0.30の単一スポットを 示した。実施例 55 N-ベンジルスルホニル-S−(t−ブチルアセテート)-L-システインスルホン -L-プロリンの調製 実施例54の化合物(3.85g、4.81ミリモル)をTHF(50mL)に 溶解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧下 の水素ガス雰囲気中で18時間撹拌した。 反応混合物から触媒を濾過して除去した後、真空下で溶媒を除去し、得られた 油状物を飽和重炭素ナトリウム中に入れた。次にこの溶液を酢酸エチル(1×1 50mL)で抽出し、有機層を傾斜法で取り除いた。残った水層に100mLの 酢酸エチルを加えて層を形成し、1N塩酸でpH2の酸性にした(pH試験紙を 使用)。層分離させた後、有機層を保存し、水層は更に酢酸エチル(3×100 mL)で抽出した。 有機層抽出物を一緒にしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して 、真空下で蒸発させて標題化合物2.1g(収率86.9%)を気泡を有する固体 として得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;90:10:2ジ クロロメタン/メタノール/酢酸)で分析したところRf=0.35の単一スポ ットを示した。実施例 56 N-ベンジルスルホニル-S(カルボキシメチル)-L-システインスルホン-L-プ ロリン-L-アルギニナルの調製 標題化合物を実施例8に記載したと同じ方法で処理して調製した。 実施例55の化合物を実施例7の樹脂に取り付けた。保護形態セミカルバゾン としての標題化合物を樹脂から切り放し、セミカルバゾンを加水分解して標題化 合物を得た。 高速原子衝撃質量分析法により理論分子量602を確認した。実施例 57 N-(2−プロピルペンタノイル)-S-(t−ブチルアセテート)-L-システイ ンスルホン-L-プロリン-O-ベンジルエステルの調製 モレキュラーシーブで乾燥した酢酸エチル105mL中に溶解した実施例53 の化合物(5.0g、9.28ミリモル)の溶液を調製した。これに(アセチルク ロライドとメタノールから生じたままの)5.7Nの無水塩酸/酢酸エチル26 mLを加えた。この混合物を、出発物質のすべてが消費されるまで室温で数時間 撹拌した。混合物を真空下で蒸発させ、得られた油状物をアセトニトリルに溶解 してこれを真空蒸発させた。これを3回行った。 残留油状物を35mLのアセトニトリルに懸濁させ、氷浴温度に冷却して、そ れから2-プロピルペンタン酸(1.60g、11.4ミリモル)、BOP(4.1 0g、9.28ミリモル)およびNMM(3.75g、37.1ミリモル)を加え た。30分後反応物を氷浴から取り出し、室温で18時間撹拌した。反応混合物 を真空下において体積減少させ油状物とした。油を200mLの酢酸エチル中に 入れて1N塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×50mL)およ びブライン(1×50mL)で連続して洗浄した。MgSO4で乾燥した後、有 機層を真空下で蒸発させて粗生成物を得た。 粗生成物を、溶離剤として3:2のヘキサン/酢酸エチルを用いて、シリカゲ ル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体の標題化合物1.81g (収率34.5%)を得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;3 :2酢酸エチル/ヘキサン)で分析したところRf=0.50の単一スポットを 示した。実施例 58 N-(2−プロピルペンタノイル)-S-(t−ブチルアセテート)-L-システイン スルホン-L-プロリンの調製 実施例57の化合物(1.81g、3.2ミリモル)をTHF(50mL)に溶 解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧下の 水素ガス雰囲気中で18時間撹拌した。 反応混合物から触媒を濾過して除去した後、真空下で溶媒を除去し、得られた 油状物を飽和重炭素ナトリウム中に入れた。次にこの溶液を酢酸エチル(1×1 50mL)で抽出し、有機層を傾斜法で取り除いた。残った水層に100mLの 酢酸エチルを加えて層を形成し、1N塩酸でpH2の酸性にした(pH試験紙を 使用)。層分離させた後、有機層を保存し、水層は更に酢酸エチル(3×100 mL)で抽出した。 有機層抽出物を一緒にしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して 、真空下で蒸発させて標題化合物1.30g(収率85.6%)を気泡を有する固 体として得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;90:10:2 ジクロロメタン/メタノール/酢酸)で分析したところRf=0.35の単一ス ポットを示した。実施例 59 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-(カルボキシメチル)-L-システインスル ホン-L-プロリン-L-アルギニナルの調製 標題化合物を実施例8に記載したと同様にして調製した。 実施例58の化合物を実施例7の樹脂に取り付けた。保護セミカルバゾンとし ての標題化合物を樹脂から切り離し、セミカルバゾンを加水分解して標題化合物 を得た。 高速原子衝撃質量分析法により理論分子量574を確認した。実施例 60 S-(メチルアセテート)-L-システインの調製 市販(アルドリッチ社製)のL-システインハイドロクロライドモノハイドレ ート(25.0g、140ミリモル)と水酸化ナトリウム(11.2g、280ミ リモル)の水溶液70mLを、室温で、70mLのジオキサン中にメチルブロモ アセテート(25.7g、168ミリモル)を含む溶液で30分間以上処理した 。18時間撹拌した後、溶液をジエチルエーテルで抽出(2×50mL)し、3 5℃の真空下で蒸発させて、固体状の標題化合物を得た。これを精製しないで次 の反応に用いた。実施例 61 N-Boc-S-(メチルアセテート)-L-システインの調製 実施例60の化合物(27.0g、140ミリモル)を飽和重炭酸ナトリウム の155mL(約1.1モル)中に懸濁した。75mLのTHF中にジ-t-ブチ ルジカーボネート(35.15g、161ミリモル)を含む溶液を加えて、混合 物を室温で18時間激しく撹拌した。 反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で抽出し、有機層を傾斜法によ り除いた。次いで水層は酢酸エチル(200mL)を加えて2層に分離し、1N の塩酸でpH2(pH試験紙使用)の酸性にした。層分離したのち、有機層を保 存し、水層を酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。有機抽出物を一緒にし てブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥して、溶媒を真空下で蒸発して20.66 g(粗収率50%)の標題化合物を透明油状物として得た。標題化合物を薄層ク ロマトグラフィー(シリカゲル;90:10:2のジクロロメタン/メタノール /酢酸)で分析したところ、Rf=0.5の単一スポットを示した。実施例 62 N-Boc-S-(メチルアセテート)-L-システイン-L-プロリン-O-ベンジル エステルの調製 実施例61の化合物(20.69g、70.5ミリモル)とL-プロリン-O-ベ ンジルエステル塩酸塩(16.92g、70.5ミリモル)を140mLの0℃の アセトニトリル中に懸濁させ、つぎにBOP(30.96g、70.5ミリモル) とNMM(21.2g、211ミリモル)を加えた。30分後に氷浴を取り除き 、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を25℃の真空下で体積を 減じて油状物を得た。油状物を酢酸エチル(250mL)に溶解し、次いで1N 塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×50mL)およびブライン (1×50mL)で連続して洗浄した。MgSO4で乾燥した後、有機層を真空 下で蒸発させて粗生成物を得た。 この粗生成物を、溶離剤として99:1のジクロロメタン/メタノールを用い て、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物15 .6g(収率46.0%)を油状物として得た。標題化合物を薄層クロマトグラフ ィー(シリカ;95:5ジクロロメチタン/メタノール)で分析したところRf =0.50の単一スポットを示した。実施例 63 N-Boc-S-(メルアセテート)-L-システインスルホン-L-プロリン-O-ベ ンジルエステルの調製 実施例62の化合物(15.16g、31.55ミリモル)を165mLの氷酢 酸に溶解し、過硼酸ナトリウム4水和物(24.27g、157.75ミリモル) を加えて、混合物を55℃に加熱した。この温度に2.5時間置いた後、反応溶 液を700mLのブラインで希釈して、水層を酢酸エチルで抽出し(3×250 mL)、有機層の抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。この溶液を濾過し、 真空下で蒸発したのち、トルエン(200mL)と真空下で繰り返し共沸して酢 酸を除去した。残ったスラリーを酢酸エチル(200mL)に溶解し、濾過し、 濾液を真空下で蒸発して15.95g(収率98.6%)の標題化合物を油状物と して得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;3:2酢酸エチル/ ヘキサン)で分析したところRf=0.30の単一スポットを示した。実施例 64 N-ベンジルスルホニル-S-(メチルアセテート)-L-システインスルホン-L- プロリン-O-ベンジルエステルの調製 実施例63化合物(5.66g、10.9ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサ ン18mLに溶解した。出発物質のすべてが消費されるまで室温で数時間この溶 液を撹拌した。塩酸/ジオキサン溶液を真空下で蒸発させ油状物を得た。油状物 をアセトニトリルに溶解してこれを真空蒸発させた。これを3回行った。 残留油状物を25mLのアセトニトリルに懸濁させ、氷浴温度に冷却して、そ れからベンジルスルホニルクロライド(2.5g、13.1ミリモル)とピリジン (2.6g、32.8ミリモル)を加えた。30分後反応物を氷浴から取り出し、 室温で18時間撹拌した。アセトニトリルを真空下で蒸発させ、得られた油状物 を200mLの酢酸エチル中に入れて1N塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナ トリウム(1×50mL)およびブライン(1×50mL)で連続して洗浄した 。MgSO4で乾燥した後、溶媒を真空下で蒸発させて粗生成物を得た。 粗生成物を、溶離剤として1:1のヘキサン/酢酸エチルを用いて、シリカゲ ル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体の標題化合物2.9g( 収率46.9%)を得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;3: 2酢酸エチル/ヘキサン)で分析したところRf=0.27の単一スポットを示 した。実施例 65 N-ベンジルスルホニル-S-(メチルアセテート)-L-システインスルホン-L- プロリンの調製 実施例64の化合物(2.9g、5.12ミリモル)をTHF(50mL)に溶 解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧下の 水素ガス雰囲気中で18時間撹拌した。 反応混合物から触媒を濾過して除去した後、真空下で溶媒を除去し、得られた 油状物を飽和重炭素ナトリウム中に入れた。次にこの溶液を酢酸エチル(1×1 50mL)で抽出し、有機層を傾斜法で取り除いた。残った水層に100mLの 酢酸エチルを加えて層を形成し、1N塩酸でpH2の酸性にした(pH試験紙を 使用)。層分離させた後、有機層を保存し、水層は更に酢酸エチル(3×100 mL)で抽出した。 有機層抽出物を一緒にしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して 、真空下で蒸発させて標題化合物2.17g(収率88.9%)を気泡を有する固 体として得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;90:10:2 ジクロロメタン/メタノール/酢酸)で分析したところRf=0.40の単一ス ポットを示した。実施例 66 N-ベンジルスルホニル-S-(メチルアセテート)-L-システインスルホン-L- プロリン-L-アルギニナルの調製 標題化合物を実施例8に記載したと同様にして調製した。 実施例65の化合物を実施例7の樹脂に取り付けた。セミカルバゾン保護形態 の標題化合物を樹脂から切り離し、セミカルバゾンを加水分解して標題化合物を 得た。実施例 67 N-(2−ナフチレンスルホニル)-S-(メチルアセテート)-L-システインス ルホン-L-プロリン-O-ベンジルエステルの調製 実施例63化合物(4.8g、9.37ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサン 18mLに溶解した。出発物質のすべてが消費されるまで室温で数時間この溶液 を撹拌した。塩酸/ジオキサン溶液を真空下で蒸発させ油状物を得た。油状物を アセトニトリルに溶解してこれを真空蒸発させた。これを3回行った。 残留油状物を35mLのアセトニトリルに懸濁させ、氷浴温度に冷却して、そ れから2-ナフチレンスルホニルクロライド(2.55g、11.2ミリモル)と ピリジン(2.2g、28.1ミリモル)を加えた。30分後反応物を氷浴から取 り出し、室温で18時間撹拌した。アセトニトリルを真空下で蒸発させ、得られ た油状物を200mLの酢酸エチル中に入れて1N塩酸(1×50mL)、飽和 重炭酸ナトリウム(1×50mL)およびブライン(1×50mL)で連続して 洗浄した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を真空下で蒸発させて粗生成物を得た 。 粗生成物を、溶離剤として99.25:0.75のジクロロメタン/メタノール を用いて、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体の標 題化合物3.9g(収率69.0%)を得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィ ー(シリカ;3:2酢酸エチル/ヘキサン)で分析したところRf=0.35の 単一スポットを示した。実施例 68 N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(メチルアセテート)-L-システインスル ホン-L-プロリンの調製 実施例67の化合物(3.90g、6.47ミリモル)をTHF(50mL)に 溶解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧下 の水素ガス雰囲気中で18時間撹拌した。 反応混合物から触媒を濾過して除去した後、真空下で溶媒を除去し、得られた 油状物を飽和重炭素ナトリウム中に入れた。次にこの溶液を酢酸エチル(1×1 50mL)で抽出し、有機層を傾斜法で取り除いた。残った水層に100mLの 酢酸エチルを加えて層分離し、1N塩酸でpH2の酸性にした(pH試験紙を使 用)。層分離させた後、有機層を保存し、水層は更に酢酸エチル(3×100m L)で抽出した。 有機層抽出物を一緒にしてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して 、真空下で蒸発させて標題化合物2.84g(収率85.8%)を気泡を有する固 体として得た。標題化合物を薄層クロマトグラフィー(シリカ;90:10:2 ジクロロメタン/メタノール/酢酸)で分析したところRf=0.40の単一ス ポットを示した。実施例 69 N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(メチルアセテート)-L-システインスル ホン-L-プロリン-L-アルギニナルの調製 標題化合物を実施例8に記載したと同様にして調製した。 実施例68の化合物〔N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(メチルアセテー ト)-L-システインスルホン-L-プロリン〕を実施例7の樹脂に取り付けた。セ ミカルバゾン保護形態の標題化合物を樹脂から切り離した後、セミカルバゾンを 加水分解して標題化合物を得た。 高速原子衝撃質量分析法により理論分子量652を確認した。実施例 70 S-(シアノメチル)-L-システインの調製 市販(アルドリッチ社製)のL-システインハイドロクロライドモノハイドレ ート(60.0g、341.7ミリモル)と水酸化ナトリウム(27.33g、6 83.4ミリモル)の水溶液360mLを、室温で、130mLのジオキサン中 にブロモアセトニトリル(44.5g、370.6ミリモル)を含む溶液で30分 間以上処理した。反応を18時間撹拌して行い、その間に濃厚な沈殿が生成した 。固体を濾別し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄して、高真空下40℃ で乾燥して標題化合物を得た。実施例 71 N-Boc-S-(シアノメチル)-L-システインの調製 実施例70の化合物(54.7g、341.7ミリモル)および重炭酸ナトリウ ム(33.96g、404ミリモル)を脱イオン水600mL中に懸濁した。3 50mLのジオキサン中にジ-t-ブチルジカーボネート(80.88g、370 ミリモル)を含む溶液を加えて、スラリーを18時間撹拌した。 スラリーをジエチルエーテルで抽出した(2×100mL)。酢酸エチル(2 00mL)を加えてスラリーを2層に分離し、1Nの塩酸でpH2(pH試験紙 使用)の酸性にした。生成した有機層を保存し、残った水層を更に酢酸エチルで 抽出した(2×200mL)。有機層抽出物を合体してブラインで洗浄し、Mg SO4で乾燥して、溶媒を真空下で蒸発して標題化合物を得た。実施例 72 N-Boc-S-(シアノメチル)-L-システイン-L-プロリン-O-ベンジルエス テルの調製 実施例71の化合物(24.72g、95.06ミリモル)とL-プロリン-O- ベンジルエステル塩酸塩(22.98g、95.06ミリモル)を0℃の140m Lのアセトニトリルおよび120mLのDMF中に懸濁させ、つぎにBOP(4 2.0g、95.06ミリモル)とNMM(28.84g、285.18ミリモル) を加えた。30分後に氷浴を取り除き、室温で18時間撹拌して反応をおこなっ た。反応混合物を25℃の真空下で体積を減じて残渣を得た。残渣を200mL の酢酸エチル中に入れて、次いで1N塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリ ウム(1×50mL)およびブライン(1×50mL)で連続して洗浄した。M gSO4で乾燥した後、溶媒を真空下で蒸発させて標題化合物を得た。実施例73:N−Boc−S−(シアノメチル)−L−システインスルホン−L −プロリン−O−ベンジルエステルの調製 実施例72の化合物(23.96g、55.07ミリモル)を、氷酢酸300m Lに溶解して、ペルオキシホウ酸ナトリウム4水和物(42.36g、275.3 5ミリモル)を添加し、混合物を55℃に加熱する。この温度で2.5時間後、 反応混合物をブライン1Lで希釈し、水相を酢酸エチル(4×250mL)で抽 出し、合わせた有機抽出液をMgSO4で乾燥する。この溶液を濾過し、真空蒸 発させた後、真空下でトルエン(200mL)と一緒に繰り返し共沸させて酢酸 を除去する。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、濾過し、濾液を真空下 で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例74:N−ベンジルスルホニル−S−(シアノメチル)−L−システイン スルホン−L−プロリン−O−ベンジルエステルの調製 篩分け乾燥させた(sieved-dried)酢酸エチル105mL中の実施例73の化 合物(4.3g、9.28ミリモル)の溶液を調製する。これに、5.7N無水塩 化水素/酢酸エチル(塩化アセチルとメタノールから調製中に生じたもの)26 mLを加える。この混合物を、撹拌している全ての物質が消費されるまで、室温 で数時間撹拌する。混合物を真空下で蒸発させ、残渣をアセトニトリル中に溶解 した後、真空下で蒸発させる。このことを3回行って、さらに残渣を得る。 残渣をアセトニトリル35mLに懸濁させ、氷浴温度に冷却した後、ベンジル スルホニルクロライド(2.12g、11.14ミリモル)とピリジン(2.93 g、37.12ミリモル)を加える。30分後、反応を氷浴から外して、室温で 18時間撹拌させる。反応混合物の体積を残渣まで真空下で減少させて、酢酸エ チル200mLに溶解し、1N塩酸(1×50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム (1×50mL)、およびブライン(1×50mL)で連続的に洗浄する。Mg SO4で乾燥させた後、溶媒を真空下で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例75:N−ベンジルスルホニル−S−(テトラゾル−5−イル)−L−シ ステインメチルスルホン−L−プロリン−O−ベンジルエステルの調製 THF20mL中に溶解した実施例74の化合物(5.3g、10.0ミリモル )にトリブチル錫アジド(4.71g、15.0ミリモル)を加える。反応混合物 を3日間還流する。反応混合物を冷却させて、揮発分を真空除去する。残渣を飽 和炭酸水素ナトリウム50mL中に溶解し、酢酸エチル(3×25mL)で洗浄 する。次に、水相を1N塩酸を用いてpH3まで酸性化した後、酢酸エチル(3 ×75mL)で抽出する。合わせた有機抽出液をMgSO4で乾燥し、溶媒を真 空除去して表題の化合物を得る。実施例76:N−ベンジルスルホニル−S−(テトラゾル−5−イル)−L−シ ステインメチルスルホン−L−プロリンの調製 実施例75の化合物(2.77g、4.81ミリモル)をTHF(50mL)中 に溶解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを添加して、混合物を大気 圧で水素ガス下において18時間撹拌する。 触媒を反応混合物から濾別した後、溶媒を真空除去し、得られた残渣を飽和炭 酸水素ナトリウム溶液中に溶解する。次に、この溶液を酢酸エチル(1×150 mL)で抽出し、有機相をデカンタして分ける。残った水相を酢酸エチル100 mLで重層し、1N塩酸でpH2まで(pH試験紙)酸性化する。相分離させた 後、有機相を除き、次いで、水相をさらに酢酸エチル(3×100mL)で抽出 する。 有機抽出液を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、真空下で蒸 発させて表題の化合物を得る。実施例77:N−ベンジルスルホニル−S−(テトラゾル−5−イル)−L−シ ステインメチルスルホン−L−プロリン−L−アルギニナルの調製 実施例8に記載の方法と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例76の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。実施例78:N−Boc−L−2−アゼチジンカルボン酸の調製 L−2−アゼチジンカルボン酸(34.5g、341.7ミリモル)と炭酸水素 ナトリウム(33.96g、404ミリモル)を脱イオン水600mL中に懸濁 させる。ジ−t−ブチル二炭酸エステル(80.88g、370ミリモル)のジ オキサン350mL溶液を添加してスラリーを18時間撹拌する。 スラリーをジエチルエーテル(2×100mL)で抽出する。酢酸エチル(2 00mL)でスラリーを重層し、1N塩酸を用いてpH2まで酸性化する(pH 試験紙)。得られた有機層を除き、残った水相をさらに酢酸エチル(2×200 mL)で抽出する。有機抽出液を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾 燥させ、溶媒を真空下で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例79:N−Boc−L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステ ルの調製 0℃に冷却した実施例78の化合物(178ミリモル)の乾燥THF(500 mL)溶液に、カルボニルジイミダゾール(34.6g、214ミリモル)を小 分けして加える。30分後、全てのCO2の発生が終了するまで、混合物を2時 間で室温まで温める。この後、ベンジルアルコール(27.6mL、267ミリ モル)を加えて、反応を12時間撹拌する。 反応混合物の体積を真空下で減少させ、残渣を酢酸エチル(500mL)で希 釈する。有機層を飽和炭酸水素塩(1×100mL)、ブライン(100mL) 、飽和クエン酸水溶液(1×100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過 して、溶媒を真空除去し、表題の化合物を得る。実施例80:L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステル塩化水素塩 の調製 実施例79の化合物(50.0g)を4MのHClのジオキサン溶液200m L中に溶解する。反応混合物を2時間撹拌する。溶液の体積を真空下で減少させ る。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄して表題の化合物を得る。実施例81:L−メチオニンスルホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベ ンジルエステル塩化水素塩の調製 .手順1: 0℃において、N−Boc−L−メチオニンスルホン(14.0g)50.0ミ リモル)のジクロロメタン(150mL)溶液にHOBt(10.1g、75ミ リモル)を添加した後、DCC(11.33g、55.0ミリモル)を添加するこ とにより、N−Boc−L−メチオニンスルホンL−2−アゼチジンカルボン酸 −O−ベンジルエステルを調製する。混合物を10分間撹拌した後、実施例80 の化合物(50.0ミリモル)を添加し、次いでNMM(100ミリモル、10. 9mL)を加える。得られた混合物を氷浴中で撹拌し、その後、12時間かけて 室温に戻す。混合物を濾過してジクロロヘキシルウレアを除去し、酢酸エチル( 300mL)を添加する。次に、有機層を分液ロートに入れて、飽和炭酸水素ナ トリウム、ブライン、およびその後1M HCl水溶液で洗浄する。有機層を硫 酸マグネシウムで乾燥した後、濾過する。有機層を真空下でロータリーエバポレ ーターによって減量し、次に高真空ラインにおいて、残留溶媒を取り除いてN− Boc−L−メチオニンスルホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジ ルエステルを得る。 N−Boc−L−メチオニンスルホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−O− ベンジルエステル(50ミリモル)の乾燥ジオキサン(300mL)溶液に、4 M HCl/ジオキサン溶液100mLを加える。次いで、混合物を、出発物質 が消失するまで室温で1時間撹拌する。ジエチルエーテルを混合物に加えて、表 題の化合物を沈殿させる。混合物をブフナーロートで濾別し、高真空下で乾燥さ せて表題の化合物を得る。B:手順2 また、表題の化合物は、以下の方法によっても合成される。 N−Boc−L−メチオニンスルホン(5g、20ミリモル)の乾燥DMF8 0mL溶液に、実施例80の化合物(20ミリモル)を添加し、次いでBOP( 8.9g、20ミリモル)とNMM(5.5mL、20ミリモル)を添加する。混 合物を室温で16時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル600mLに溶解し、 水、 HCl水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、およびブライン各200m Lで洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空除去し て残留物を得る。 残留物のジクロロメタン(20mL)溶液に、4MのHClのジオキサン溶液 100mLを加える。16時間撹拌した後、溶媒を真空除去する。得られた残渣 をジエチルエーテルを用いて沈殿させ、濾過し、真空乾燥させて表題の化合物を 得る。実施例82:N−(1−ブタンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−2 −アゼチジンカルボン酸の調製 実施例81の化合物(12.4ミリモル)を1−ブタンスルホニルクロライド 2.07mL(16ミリモル)およびジクロロメタン中のトリエチルアミン5.0 mL(36ミリモル)と0℃〜室温で反応させる。反応混合物を飽和炭酸水素塩 水溶液に流し入れ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。有機層をブライ ンと1M HCl水溶液で洗浄する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥 させ、濾過し、真空下で減量させて残渣を得る。 残渣を2M水酸化カリウム(20mL)およびメタノール100mLと室温で 2時間混合する。メタノールを真空除去した後、水溶液をエーテル(2×50m L)で洗浄し、次いで1MHClを用いてpH1まで中和する。水溶液を酢酸エ チル(2×100mL)で抽出し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で減量 して表題の化合物を得る。実施例83:N−(1−ブタンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L−2 −アゼチジンカルボン酸−L−アルギナルの調製 実施例8の記載と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例82の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。実施例84:N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例81の化合物(6.9ミリモル)をアセトニトリル69mLに加える。 この混合物に、2−ナフチレンスルホニルクロライド2.34g(10.3ミリモ ル、1.5当量)とピリジン4.2g(4.12mL、34.4ミリモル、5当量) を加え、混合物を10時間撹拌する。次に、混合物を真空下で濃厚化し、酢酸エ チル(500mL)で希釈して、1M HCl、水、炭酸水素ナトリウム水溶液 、 およびブラインで洗浄する、有機層をMgSO4で乾燥させ、真空下で濃厚化し て残渣を得る。その後、残渣をシリカカラムを通して濾過し、ジクロロメタン( 100mL)、次に10%メタノール/ジクロロメタン(200mL)で溶離し て表題の化合物を得る。実施例85:N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸の調製 実施例84の化合物(7.1ミリモル)を少量のTHFを含むメタノール25 0mL中に溶解する。この溶液に、窒素ブランケット下において、炭素に担持し た10%パラジウム2gを加える。次に、混合物を、大気圧で水素下において1 0時間撹拌する。混合物をナイロンフィルターを通して濾過し、真空下で濃厚化 して表題の化合物を得る。実施例86:N−(2−ナフチレンスルホニル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸−L−アルギナルの調製 実施例8の記載と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例85の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。実施例87:N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−2−アゼ チジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 0℃に冷却した実施例81の化合物(20.0ミリモル)の乾燥アセトニトリ ル(100mL)溶液に、α−トルエンスルホニルクロライド(20.0ミリモ ル、3.8g)を一度に全部加え、次いでピリジン(50.0ミリモル、4.2m L)を加える。その後、混合物を氷浴中で12時間撹拌しながら、その間に混合 物を室温まで温めさせる。 反応混合物を真空下で残渣まで減量する。残渣を酢酸エチル(300mL)に 溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブライン、1M HCl水溶液(10 0mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させて表題の化 合物を得る。固体を、加水分解する前に、溶離剤として酢酸エチルを用いてシリ カゲルカラムを通して濾過し、硫黄関連不純物を出来る限り取り除く。実施例88:N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−2−アゼ チジンカルボン酸の調製 実施例87の化合物(20.0ミリモル)のメタノール(300mL)溶液に 、炭素に担持した10%パラジウム1.0gを加える。次に、混合物を水素ガス 1気圧において室温で12時間撹拌しながら水素化する。混合物を濾過し、真空 下で減量して表題の化合物を得る。実施例89:N−ベンジルスルホニル−L−メチオニンスルホン−L−2−アゼ チジンカルボン酸−L−アルギナルの調製 実施例8の記載と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例88の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。実施例90:N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例81の化合物(4.66ミリモル)を4N無水塩化水素/ジオキサン1 2mL中に溶解する。出発物質全てが消費されるまで、溶液を室温で数時間撹拌 する。塩酸/ジオキサン溶液を真空下で蒸発させて残渣を得る。残渣をアセトニ トリルに溶解し、真空下で蒸発させる。このことを3回繰り返して、残渣を得る 。 残渣をアセトニトリル25mL中に懸濁し、氷浴温度に冷却した後、2−プロ ピルペンタン酸(0.95g、6.6ミリモル)、BOP(2.92g、6.6ミリ モル)、およびNMM(2.0g、19.8ミリモル)を加える。30分後、反応 を氷浴から外して、室温で18時間撹拌する。アセトニトリルを真空下で蒸発さ せ、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解させて、1N塩酸(1×50mL) 、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50mL)、およびブライン(1×50mL) で連続的に洗浄する。MgSO4で乾燥させた後、酢酸エチルを真空下で蒸発さ せて粗生成物を得る。 粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の 化合物を得る。実施例91:N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸の調製 実施例90の化合物(3.64ミリモル)を、THF(50mL)に溶解し、 炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧で水素ガス 下において18時間撹拌する。 触媒を反応混合物から濾過した後、溶媒を真空除去し、残渣を飽和炭酸水素ナ トリウム溶液に溶解する。次に、この溶液を酢酸エチル(1×150mL)で抽 出し、有機層をデカンタして分離する。残った水相を酢酸エチル100mLで重 層し、1N塩酸を用いてpH2まで(pH試験紙)酸性化する。相分離した後、 有機層を除き、次いで水相をさらに酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。 有機抽出液を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して真 空下で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例92:N−(2−プロピルペンタノイル)−L−メチオニンスルホン−L −2−アゼチジンカルボン酸−L−アルギナルの調製 実施例8の記載と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例91の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。さらに、アニソール−HF離層混合物にチオクレゾール0.1m Lも加える。実施例93:N−Boc−S−メチル−L−システイン−L−2−アゼチジンカ ルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例35の化合物[N−Boc−S−メチル−L−システイン](14.6 4g、62.2ミリモル)と実施例80の化合物[L−2−アゼチジンカルボン 酸−O−ベンジルエステル](62.2ミリモル)を、0℃においてアセトニト リル135mL中に懸濁した後、BOP(27.51g、62.2ミリモル)とN MM(18.9g、186.6ミリモル)を加える。30分後、氷浴を外して反応 を室温で18時間撹拌する。 反応混合物からの溶媒を、真空下、25℃で蒸発させ、残渣を得て、それを酢 酸エチル(250mL)中に溶解する。この溶液を、1N塩酸(1×50mL) 、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50mL)、およびブライン(1×50mL) で連続的に洗浄した後、MgSO4で乾燥させる。溶媒を真空下で蒸発させて粗 生成物を得る。 粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の 化合物を得る。実施例94:N−Boc−S−メチル−L−システインスルホン−L−2−アゼ チジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例93の化合物(38.2ミリモル)を、氷酢酸200mL中に溶解し、 ペルオキシホウ酸ナトリウム4水和物(29.37g、190.0ミリモル)を添 加し、混合物を55℃に加熱する。2.5時間後、この温度で反応溶液をブライ ン800mLで希釈し、水相を酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、合わせ た有機抽出液をMgSO4で乾燥する。この溶液を濾過し、真空下で蒸発させて 残渣を得て、それをトルエン(200mL)と一緒に真空下で繰り返し共沸させ て酢酸を除去する。残留スラリーを酢酸エチル(200mL)に懸濁させ、濾過 し、溶媒を真空下で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例95:N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスル ホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例94の化合物(4.4ミリモル)を、4N無水塩化水素/ジオキサン1 2mL中に溶解し、全ての出発物質が消費されるまで、室温で数時間撹拌する。 次に、塩化水素/ジオキサン溶液を真空下で蒸発させて残渣を得る。この残渣を アセトニトリル中に溶解させて、真空下で蒸発させる。このことを3回行って、 さらに残渣を得る。 残渣をアセトニトリル17mLに懸濁させ、氷浴温度まで冷却した後、1−ブ タンスルホニルクロライド(0.69g、4.4ミリモル)とピリジン(1.04 g、13.2ミリモル)を加える。30分後、反応を氷浴から外して、室温で1 8時間撹拌する。反応混合物を真空下で蒸発させて残渣を得る。残渣を酢酸エチ ル200mL中に溶解させ、1N塩酸(1×50mL)、飽和炭酸水素ナトリウ ム(1×50mL)、およびブライン(1×50mL)で連続的に洗浄する。M gSO4で乾燥させた後、溶媒を真空下で蒸発させて粗生成物を得る。 粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の 化合物を得る。実施例96:N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスル ホン−L−2−アゼチジンカルボン酸の調製 実施例95の化合物(1.55g、2.45ミリモル)を、THF(50mL) に溶解し、炭素に担持した10%パラジウム0.5gを加えて、混合物を大気圧 で水素ガス下において18時間撹拌する。 触媒を反応混合物から濾過した後、溶媒を真空除去し、残渣を飽和炭酸水素ナ トリウム溶液に溶解する。次に、この溶液を酢酸エチル(1×150mL)で抽 出し、有機層をデカンタして分離する。残った水相を酢酸エチル100mLで重 層し、1N塩酸を用いてpH2まで(pH試験紙)酸性化する。相分離した後、 有機層を除き、次いで水相をさらに酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。 有機抽出液を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して真 空下で蒸発させて表題の化合物を得る。実施例97:N−(1−ブタンスルホニル)−S−メチル−L−システインスル ホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−L−アルギナルの調製 実施例8の記載と同様にして、表題の化合物を調製する。 実施例96の化合物を実施例7の樹脂と結合させる。表題の化合物を、保護化 セミカルバゾンとして樹脂から離層する。セミカルバゾンを加水分解して表題の 化合物を得る。さらに、チオクレゾール0.1mLもアニソール−HF離層混合 物に加える。実施例98:N−(2−ナフタレンスルホニル)−S−メチル−L−システイン スルホン−L−2−アゼチジンカルボン酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例94の化合物(6.6ミリモル)を、4N無水塩化水素/ジオキサン1 2mL中に溶解する。全ての出発物質が消費されるまで、溶液を室温で数時間撹 拌する。塩化水素/ジオキサン溶液を真空下で蒸発させる。残渣をアセトニトリ ル中に溶解させて、真空下で蒸発させる。このことを3回行って、さらに残渣を 得る。 残渣をアセトニトリル20mLに懸濁させ、氷浴温度まで冷却した後、2−ナ フタレンスルホニルクロライド(0.1.49g、6.6ミリモル)とピリジン( 1.57g、19.8ミリモル)を加える。30分後、反応を氷浴から外して、室 温で18時間撹拌する。アセトニトリルを真空下で蒸発させて残渣を得て、それ を酢酸エチル(200mL)に溶解させ、1N塩酸(1×50mL)、飽和炭酸 水素ナトリウム(1×50mL)、およびブライン(1×50mL)で連続的に 洗浄する。溶液をMgSO4で乾燥させた後、真空下で蒸発させて粗生成物を得 る。 粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の 化合物を得る。実施例99 N-(2-ナフタレンスルホニル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸の調製 実施例98の化合物(3.58ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解し、パラ ジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰囲気下で 大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て残渣を得た。上記残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取り、酢酸エチル( 1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた。残りの 水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH試験紙) に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エチル(3 ×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例100 N-(2-ナフタレンスルホニル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例99の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカルバ ゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化合 物を得た。実施例101 N-(2-ナフタレンスルホニル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例94の化合物(6.6ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサン12ミリリットル に溶解した。その溶液を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌した。 上記塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させた。その残渣をアセトニトリルに 溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行って更に残渣を得た。 上記残渣をアセトニトリル20ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いでアルファ-トルエンスルホニルクロリド(0.149g、6.6ミリモル)およびピ リジン(1.57g、19.8ミリモル)を加えた。30分後その反応物を上記氷浴から取 り出し、室温で18時間撹拌した。上記アセトニトリルを減圧下で蒸発して残渣を 得、それを酢酸エチル(200ミリリットル)中に取り、1N塩酸(1×50ミリリ ットル)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリットル)およびブライン(1 ×50ミリリットル)で連続的に洗浄した。上記溶液をMgSO4で乾燥し、減圧下 で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例102 N-ベンジルスルホニル-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチジンカ ルボン酸の調製 実施例101の化合物(1.95g、3.58ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解 し、パラジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰 囲気下で大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例103 N-ベンジルスルホニル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチジンカ ルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例102の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。実施例104 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例94の化合物(3.0g、4.66ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサン12ミリ リットルに溶解した。その溶液を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹 拌した。上記塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させて残渣を得た。その残渣 をアセトニトリルに溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行って更に残渣を 得た。 上記残渣をアセトニトリル25ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いで2-プロピルペンタノン酸(0.95g、6.6ミリモル)、BOP(2.92g、6.6ミ リモル)およびNMM(2.0g、19.8ミリモル)を加えた。30分後その反応物を上 記氷浴から取り出し、室温で18時間撹拌した。上記アセトニトリルを減圧下で蒸 発して残渣を得、それを酢酸エチル(200ミリリットル)中に取り、1N塩酸( 1×50ミリリットル)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリットル)およ びブライン(1×50ミリリットル)で連続的に洗浄した。上記溶液をMgSO4で 乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例105 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸の調製 実施例104の化合物(1.75g、3.64ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解 し、パラジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰 囲気下で大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例106 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-メチル-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例105の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。チオクレゾール0.1ミリリットルを更にアニソール-HF層分離混合 物に加えた。実施例107 N-Boc-S-(t-ブチルアセテート)-L-システイン-L-2-アゼチジンカルボン酸- O-ベンジルエステルの調製 実施例51の化合物(31.89g、95.06ミリモル)および実施例80の化合物(95.06 ミリモル)を0℃のアセトニトリル140ミリリットル中およびDMF120ミリリッ トルに懸濁し、次いでBOP(42.0g、95.06ミリモル)およびNMM(28.84g、 285.18ミリモル)を加えた。30分後上記氷浴を除去し、その反応物を室温で18時 間撹拌した。上記アセトニトリルを減圧下で蒸発して残渣を得、それを酢酸エチ ル(200ミリリットル)中に取り、1N塩酸(1×50ミリリットル)、飽和炭酸 水素ナトリウム(1×50ミリリットル)およびブライン(1×50ミリリットル) で連続的に洗浄した。上記溶液をMgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗生 成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例108 N-Boc-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L-2-アゼチジンカル ボン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例107の化合物(55.0ミリモル)を氷酢酸300ミリリットルに溶解し、過ホ ウ酸ナトリウム三水和物(42.36g、275.35ミリリットル)を加えて、上記混合物 を55℃で加熱した。この温度で2.5時間後、その反応混合物をブライン1リット ルで稀釈し、その水性層を酢酸エチル(4×250ミリリットル)で抽出し、その 組合せた有機抽出物をMgSO4で乾燥した。上記溶液を濾過し、減圧下で蒸発さ せ、次いで減圧下でトルエン(200ミリリットル)で繰り返し共沸して、酢酸を 除去した。上記残渣を酢酸エチル(200ミリリットル)に溶解し、濾過し、その濾 液を蒸発させて、標記化合物を得た。実施例109 N-ベンジルスルホニル-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L-2 -アゼチジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 篩-乾燥した(sieve-dried)酢酸エチル105ミリリットル中に実施例108の化合 物(9.28ミリモル)を含む溶液を調製した。これに、5.7N無水塩酸/酢酸エチル (塩化アセチルおよびメタノールから現場で生成した)26ミリリットルを加えた 。この混合物を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌した。上記混合 物を減圧下で蒸発させ、その残渣をアセトニトリルに溶解し、この溶媒を減圧下 で除去した。これを3回行って更に残渣を得た。 上記残渣をアセトニトリル35ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いで塩化ベンジルスルホニル(2.12g、11.14ミリモル)およびピリジン(2.93 g、37.12ミリモル)を加えた。30分後その反応物を上記氷浴から取り出し、室温 で18時間撹拌した。上記アセトニトリルを減圧下で蒸発して残渣を得、それを酢 酸エチル(200ミリリットル)中に取り、1N塩酸(1×50ミリリットル)、飽 和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリットル)およびブライン(1×50ミリリッ トル)で連続的に洗浄した。上記溶液をMgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発させて 、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例110 N-ベンジルスルホニル-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L-2 -アゼチジンカルボン酸の調製 実施例109の化合物(4.81ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解し、パラ ジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰囲気下で 大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例111 N-ベンジルスルホニル-S-(カルボキシメチル)-L-システインスルホン-L-2- アゼチジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例110の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。実施例112 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホ ン-L-2-アゼチジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 篩-乾燥した(sieve-dried)酢酸エチル105ミリリットル中に実施例108の化合 物(9.28ミリモル)を含む溶液を調製した。これに、5.7N無水塩酸/酢酸エチル (塩化アセチルおよびメタノールから現場で生成した)26ミリリットルを加えた 。この混合物を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌した。上記混合 物を減圧下で蒸発させ、その残渣をアセトニトリルに溶解し、次いでこの溶媒を 減圧下で除去した。これを3回行って更に残渣を得た。 上記残渣をアセトニトリル35ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いで2-プロピルペンタノン酸(1.60g、11.4ミリモル)、BOP(4.10g、9.28 ミリモル)およびNMM(3.75g、37.1ミリモル)を加えた。30分後その反応物 を上記氷浴から取り出し、室温で18時間撹拌した。上記反応混合物を減圧下で体 積減少して残渣を得た。その残渣を酢酸エチル(200ミリリットル)中に取り、 1N塩酸(1×50ミリリットル)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリット ル)およびブライン(1×50ミリリットル)で連続的に洗浄した。MgSO4で乾 燥後、上記溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例113 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホ ン-L-2-アゼチジンカルボン酸の調製 実施例112の化合物(1.81g、3.2ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解し 、パラジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰囲 気下で大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例114 N-(2-プロピルペンタノイル)-S-(カルボキシメチル)-L-システインスルホン- L-2-アゼチジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例113の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。実施例115 N-Boc-S-(メチルアセテート)-L-システイン-L-2-アゼチジンカルボン酸-O- ベンジルエステルの調製 実施例61の化合物(20.69g、70.5ミリモル)および実施例80の化合物(70.5ミ リモル)を0℃のアセトニトリル140ミリリットル中に懸濁し、次いでBOP(3 0.96g、70.5ミリモル)およびNMM(21.2g、211ミリモル)を加えた。30分後 上記氷浴を除去し、その反応物を室温で18時間撹拌した。上記反応混合物を減圧 下25℃で体積を減少して残渣を得た。その残渣を酢酸エチル200ミリリットル中 に取り、1N塩酸(1×50ミリリットル)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミ リリットル)およびブライン(1×50ミリリットル)で連続的に洗浄した。Mg SO4で乾燥後、上記溶液を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例116 N-Boc-S-(メチルアセテート)-L-システインスルホン-L-2-アゼチジンカルボ ン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例115の化合物(31.55ミリモル)を氷酢酸165ミリリットルに溶解し、過 ホウ酸ナトリウム三水和物(24.27g、157.75ミリリットル)を加えて、上記混合 物を55℃で加熱した。この温度で2.5時間後、その反応混合物をブライン700ミリ リットルで稀釈し、その水性層を酢酸エチル(3×250ミリリットル)で抽出し 、その組合せた有機抽出物をMgSO4で乾燥した。上記溶液を濾過し、減圧下で 蒸発させ、次いで減圧下でトルエン(200ミリリットル)で繰り返し共沸して、 酢酸を除去した。上記残渣を酢酸エチル(200ミリリットル)に溶解し、濾過し、 その濾液を蒸発させて、標記化合物を得た。実施例117 N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2- アゼチジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例116の化合物(4.8g、9.37ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサン18ミリ リットルに溶解した。その溶液を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹 拌した。上記塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させて残渣を得た。その残渣 をアセトニトリルに溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行って更に残渣を 得た。 上記残渣をアセトニトリル35ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いで2-ナフチレンスルホニルクロリド(2.55g、11.2ミリモル)およびピリジ ン(2.2g、28.1ミリモル)を加えた。30分後その反応物を上記氷浴から取り出し 、室温で18時間撹拌した。上記残渣を酢酸エチル200ミリリットル中に取り、1 N塩酸(1×50ミリリットル)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリットル )およびブライン(1×50ミリリットル)で連続的に洗浄した。MgSO4で乾燥 後、上記溶液を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例118 N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2- アゼチジンカルボン酸の調製 実施例117の化合物(6.47ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解し、パラ ジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰囲気下で 大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例119 N-(2-ナフチレンスルホニル)-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2- アゼチジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例118の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。実施例120 N-ベンジルスルホニル-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-O-ベンジルエステルの調製 実施例116の化合物(10.9ミリモル)を4N無水塩酸/ジオキサン18ミリリット ルに溶解した。その溶液を、全出発原料が消費されるまで室温で数時間撹拌した 。上記塩酸/ジオキサン溶液を減圧下で蒸発させて残渣を得た。その残渣をアセ トニトリルに溶解し、減圧下で蒸発させた。これを3回行って更に残渣を得た。 上記残渣をアセトニトリル25ミリリットル中に懸濁し、氷浴温度まで冷却し、 次いで塩化ベンジルスルホニル(2.5g、13.1ミリモル)およびピリジン(2.6g、 32.8ミリモル)を加えた。30分後その反応物を上記氷浴から取り出し、室温で18 時間撹拌した。上記反応混合物を減圧下で体積減少し、残渣を得た。その残渣を 酢酸エチル(200ミリリットル)中に取り、1N塩酸(1×50ミリリットル)、 飽和炭酸水素ナトリウム(1×50ミリリットル)およびブライン(1×50ミリリ ットル)で連続的に洗浄した。上記溶液をMgSO4で乾燥後、上記溶液を減圧下 で蒸発させて、粗生成物を得た。 上記粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記 化合物を得た。実施例121 N-ベンジルスルホニル-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2-アゼチジ ンカルボン酸の調製 実施例120の化合物(5.12ミリモル)をTHF(50ミリリットル)に溶解し、パラ ジウム10%を含有するカーボン0.5gを加えて、上記混合物を水素ガス雰囲気下で 大気圧で18時間撹拌した。 上記反応混合物から触媒を濾過して取り除いた後、上記溶媒を減圧下で除去し て、その残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に取った。その溶液を次いで酢酸 エチル(1×150ミリリットル)で抽出し、その有機層をデカントして取り除いた 。残りの水性層に酢酸エチル100ミリリットルを積層し、1N塩酸でpH2(pH 試験紙)に酸性化した。相分離後、有機層を除去し、次いで水性層を更に酢酸エ チル(3×100ミリリットル)で抽出した。 上記有機抽出物を組合せ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減 圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。実施例122 N-ベンジルスルホニル-S-(酢酸メチル)-L-システインスルホン-L-2-アゼチ ジンカルボン酸-L-アルギニナールの調製 標記化合物を実施例8に記載の方法と同様に調製した。 実施例121の化合物を実施例7の樹脂と結合した。標記化合物を保護セミカル バゾンとして上記樹脂から分離した。上記セミカルバゾンを加水分解して標記化 合物を得た。実施例123 N-アルファ-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニンラクタムの調製 N-アルファ-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロアルギニン(2.00g、6.3ミリ モル)をTHF(100ミリリットル)に、その溶液を50℃に加熱することにより溶解 した。上記溶液を室温まで冷却した。N-メチルピペリジン(0.84ミリリットル 、6.9ミリモル)を加え、その溶液を氷浴中で冷却した。イソブチルクロロホル メート(0.83ミリリットル、6.3ミリモル)を加え、その反応混合物を0℃で6 時間撹拌した。上記反応混合物を、ジュアー瓶中の氷を一晩溶融しながら、18時 間 撹拌した。上記溶剤を減圧下で除去した。上記粗生成物を、20%酢酸エチル/ジ クロロメタン(10ミリリットル)中に溶解し、溶離剤としての20%酢酸エチル/ ジクロロメタンを用いてシリカゲルの3×5cmカラムを通過させるフラッシュ(f lash)クロマトグラフィーによって精製した。上記溶離剤125ミリリットルを回収 した。上記溶剤を減圧下で除去して、白色発泡体としての標記化合物1.39g(粗 収率74%)を得た。Rf=0.44(シリカゲル、95:5、ジクロロメタン:イソプロ パノール)。不純物としてのイソブタノールが存在した。この化合物を更に、ジ クロロメタン/ヘキサンまたはエタノール/水から再結晶した。 実施例124 N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナールの合成 (a)操作1 氷浴中で冷却された、テトラヒドロフラン中LiAlH4の撹拌溶液(3.8mL の1.0M溶液、3.8ミリモル)に、テトラヒドロフラン(5mL)中酢酸エチル (0.43mL、3.8ミリモル)を滴下した。この溶液を0℃で30分間撹拌す ることにより、LiAlH2(OEt)2を予備調製した。 このLiAlH2(OEt)2の溶液を、テトラヒドロフラン(5mL)中実施例123 の化合物(0.92g、3.1ミリモル)の撹拌溶液に滴下した。30分後、1. 0N塩酸水溶液/テトラヒドロフラン(2mLの1:1混合物)を用いて反応をク エンチした。1.0N塩酸水溶液(20mL)を加え、この溶液を酢酸エチル(それ ぞれ20mL)で3回抽出した。収集した有機層を水(5mL)、飽和炭酸水素ナト リウム(5mL)および食塩水2回(2×5mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去することにより0.94g(収率1 00%)の標題の化合物を灰白色の固体として与えた。 (b)操作2 これに代えて、以下の操作により標題の化合物を調製した。 (i)N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニン−(N,O −ジメチル)ヒドロキシルアミドの調製 オーバーヘッド撹拌装置を備えた12リットル四口丸底フラスコを窒素の強い 気流の元で燃焼乾燥させた。フラスコが冷却した後に、120.0gのN−α−t −ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニン(376ミリモル、1当量 ) を窒素雰囲気下に加え、カニューラを通して6リットルの無水テトラヒドロフラ ン(アルドリッヒ、シュアシール(sure−seal))を加えた。ついで、このフラスコ に温度計を取り付け、得られる懸濁体を撹拌しながらヒートガンを用いて50℃ に加熱した。反応混合物を氷浴で5℃に冷却し、さらに氷/アセトン浴で−5℃ にさらに冷却した。 この溶液が−5℃に達するまでに要する時間に、500mLフラスコ中に36 .66gのN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(376ミリモル 、1.0当量)を秤量し、300mLのジクロロメタン中に懸濁させた。この懸濁 体を窒素で5分間スパージし、0℃に冷却し、そして46mLのN−メチルピペ リジン(1.0当量)をシリンジを用いて窒素下で添加した。この混合物を短時間 超音波に当てて溶解/遊離塩基形成を確実とし、そして窒素下に保ったまま氷浴 中で0℃に再度冷却した。得られる遊離塩基の溶液はその後用いた。 上述のアルギニン溶液が−5℃に達したときに、45mLのN−メチルピペリ ジンをシリンジを用いて添加し、5分後にシリンジを用いて46mLのイソブチ ルクロロホルメート(0.95当量)を加えた。得られた溶液を−5℃で15分間 撹拌した。この時間の後に、上で調製したN,O−ジメチルヒドロキシルアミン の遊離塩基溶液をカニューラを用いて約15分間で添加した。−5℃においてさ らに1.5時間撹拌を続け、その際に、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、 1:10:90の酢酸/メタノール/ジクロロメタン)により反応の終了が示さ れた。まだ冷たいうちに反応混合物を濾過し、塩を400mLの冷テトラヒドロ フランで洗浄し、そして濾液をロータリーエバポレータで減圧濃縮して黄色泡状 物を得た。 粗製中間体を300mLのジクロロメタンに取り、シリカゲルのカラム(70〜 230メッシュ、7×50cm)に入れた。このカラムをまず2リットルのジクロ ロメタンで、ついで2リットルの、ジクロロメタン中2%メタノールの溶液で溶 出した。その後、すべての生成物が溶出されるまでジクロロメタン中5%メタノ ールの溶液で溶出した(溶出液はUV活性を調べ、このUV活性がみられた場合 は1リットルのフラクションを5個集めた)。純粋な生成物を含有するフラクシ ョ ンを集め、減圧下で濃縮し、そして高真空下一晩放置することにより、120. 1g(収率88%)のN−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギ ニン−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミド)を淡黄色泡状物として得た。この 泡状物を300mLのジクロロメタン、300mLのトルエンに取り、揮発成分を 再び減圧下で除去することにより残留水またはメタノールを除去した。 (ii)N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナールの調 120.1gのN−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニ ン−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミド)(工程(i)の生成物(331.4ミリモ ル)を2.8リットルの乾燥(アルドリッヒ、シュアシール)テトラヒドロフラン 中に取り、メカニカルスターラおよび低温温度計を備えた乾燥5リットル四口丸 底フラスコに移した。ドライアイス/アセトン浴でこの溶液を−70℃に冷却し 、テトラヒドロフラン中1MのLiAlH4300mLを100mLのアルドリッヒ 、シュアシールボトルから直接カニューラを用いて加えた。追加のテトラヒドロ フラン中1MのLiAlH450mLをシリンジを用いて加えた(合計331mL)。 添加の間、反応温度は−60℃未満に保った。反応物を−70℃において0.5 時間撹拌し、冷却浴を除去し、そして0℃まで徐々に暖めた(約2.5時間)。− 30℃〜−20℃の間に濃厚なスラリーが得られた。反応混合物が0℃になった 際に、少量を除去し、酢酸エチル/2M硫酸水素カリウムの間に分けた。ついで 、有機層を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)により分析した。 反応完了と判断した際に、これを−70℃に冷却し、2Mの硫酸水素カリウム 503mLを滴下ロートを用いて反応温度を−30℃未満に保つ十分に遅い速度 で加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を2時間かけて0℃に戻し、その後、白 色の沈澱物を濾別した。固形物は500mLの冷テトラヒドロフランで洗浄した 。濾液を減圧下でロータリーエバポレータで濃縮してテトラヒドロフランをほぼ 除去した。残留した白色の沈澱物はほぼ水溶性であった。粗生成物を1.5リッ トルの酢酸エチル中に取り、0.2M塩酸で洗浄した(2×200mL)。塩酸抽 出物を400mLの酢酸エチルで逆抽出し、有機物を収集し、飽和炭酸水素ナト リ ウムで抽出した(2×200mL)。この炭酸水素塩抽出物を400mLの酢酸エチ ルでさらに逆抽出した。ついで、有機物を収集し、食塩水(200mL)で洗浄し 、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、ロータリーエバポレ ータで減圧下濃縮し、そして高真空下で一晩放置することにより粗製の標題の化 合物の白色固体(89.0g)を得た。これをシリカゲル上でクロマトグラフし、 ジクロロメタン中0〜10%メタノールのグラディエントを用いて溶出した。純 粋なフラクションを収集し、そして蒸発させることにより標題の化合物を白色固 体として得た(75g、74%)。 実施例125 N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナールエチルシ クロールの合成 (a)調製A N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナール(実施例 124の化合物)(41.60g、0.137モル)をエタノール(200mL)中に 溶解させ、濃塩酸(1mL)を加えた。TLC(シリカゲル、ジクロロメタン中10 %メタノール)において反応が完結した後、溶媒を減圧下除去した。ジクロロメ タン中0〜10%の酢酸エチルを溶出液として用い、シリカゲル(230〜40 0メッシュ)のカラムを通すフラッシュクロマトグラフィーによりこの粗生成物 を精製した。フラクションを収集することにより36.88g(81%)の標題の 化合物を淡黄色泡状物として得た。Rf=0.62(シリカゲル、95:5のCH2 Cl2:メタノール)であった。 (b)調製B N−α−t−ブトキシカルボニル−Ng−ニトロ−L−アルギニナール(実施例 124の化合物)(170g、0.561モル)および3リットルの無水エタノール の溶液に、3mLの濃塩酸を加えた。反応混合物を25℃で一晩撹拌した。溶液を 減圧下で除去し、得られた固体を塩化メチレン/酢酸エチル、100:0〜85: 15の緩やかなグラディエントを用いてシリカゲル(70〜239メッシュ)上で クロマトグラフした。純粋なフラクションを収集し、減圧下で濃縮することによ りNg−ニトロ−L−アルギニナールエチルシクロールの白色泡状物(100.4 8g、64%)、および58.20gの少量の不純物を有する固定フラクションを 得た。純粋化合物のTLCにおいて、塩化メチレン/酢酸エチル、85:15中 2種類の異性体生成物が示された。 実施例126 g−ニトロ−L−アルギニナールエチルシクロールトリフルオロアセテート 塩の調製 g−ニトロ−L−アルギニナールエチルシクロール(実施例125の化合物) の一部(1.26g)を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10mL)で3 5分間処理した。この溶液を撹拌しながらジエチルエーテル(100mL)に滴下 した。得られる沈澱物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。淡黄色粉状物を 真空下で乾燥し、標題の化合物(1.20g、91%)を得た。 実施例127 g−ニトロ−L−アルギニナールエチルシクロール塩酸塩の調製 500mLの無水エタノール中Ng−ニトロ−L−アルギニナールエチルシクロ ール(実施例125の化合物)(35g)の溶液に、HCl(g)で飽和させた無水エタ ノール500mLを0℃において徐々に加えた。この混合物を25℃に加温し、 反応の進行を薄層クロマトグラフィーで追跡した。非常に極性の生成物が現れた ら、それが所望の化合物である。HClのほとんどを乾燥窒素流で除去し、有機 溶媒を減圧下で除去した。33gの標題の化合物が黄白色固体として得られ、こ れはさらに精製しなかった。 実施例128 p−ブロモベンジルトルイル酸の調製 市販の(アルドリッヒ)p-トルイル酸(20.0g、146.9ミリモル)および AIBN(110mg、触媒量)の四塩化炭素溶液500mLを、250ワットのフ イリップスR加熱ランプに露出しながら3時間還流させた。四塩化炭素を減圧下 で除去することにより粗生成物を得た。この粗生成物はさらに精製することなく 実施例129の化合物の合成に用いた。NMR分析により、出発材料はほぼ完全 に存在しないことが示された(>95%)。標題の化合物の薄層クロマトグラフィ ー分析により、Rf=0.34に標題の化合物のスポットが示された(シリカ、9 5:5:1のジクロロメタン/メタノール/酢酸)。 実施例129 p−ブロモベンジルトルイル酸−O−ベンジルエステルの調製 実施例128由来の粗製物質(合計50g、約34gの生成物を含有、158ミ リモル)を525mLのテトラヒドロフラン中に溶解させ、ジシクロヘキシルカー ボジイミド(35.9g、173.8ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(5 .8g、47.4ミリモル)およびベンジルアルコール(51.3g、474ミリモ ル)を加えた。この反応物を室温で18時間撹拌した。得られるスラリーを濾過 し、テトラヒドロフランを減圧下蒸発させた。 40:60の酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲル上におけるカラムク ロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、19.8g(収率44.2%)の白色 固体を得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0.7 3の単一スポットが示された(シリカ、40:60の酢酸エチル/ヘキサン)。 実施例130 S−(p−トルイル酸−O−ベンジルエステル)−L−システインの調製 市販の(アルドリッヒ)L−システインヒドロクロリドモノヒドレート(11. 4g、64.9ミリモル)および水酸化ナトリウム(5.19g、129.8)の水 溶液90mLを、室温で、170mLのジオキサン中p−ブロモトルイル酸−O− ベンジルエステル(19.8g、64.9ミリモル)の溶液で30分間処理した。 この反応物を室温で3日間撹拌し、その間に、濃厚な沈澱物が生成した。固形物 を濾別し、2:1のジオキサン/水で洗浄し、40℃において高真空下で乾燥さ せることにより、17.8g(吸収された塩を含有する粗収率78.9%)の標題 の化合物を与えた。 実施例131 N−Boc−S−(p−トルイル酸−O−ベンジルエステル)−L−システインの 合成 実施例130の化合物(17.4g、50.1ミリモル)を30mLの脱イオン水 中飽和炭酸水素ナトリウム70mL中に懸濁させた。125mLのジオキサン中ジ −tert−ブチルジカルボネート(11.2g、51.4ミリモル)の溶液を加え、 このスラリーを室温で2日間撹拌した。このスラリーをジエチルエーテルで抽出 した(2×100mL)。このスラリーを酢酸エチル(200mL)で層形成し、3N の塩酸でpH2に酸性化した(pH紙で測定)。得られた有機層をとり、残った水層 をさらに酢酸エチルで抽出した(2×200mL)。有機抽出物を収集し、食塩水 で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして減圧下で溶媒を蒸発させることにより、 19.0g(収率84.6%)の標題の化合物を透明油状物として得た。標題の化 合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0.30の単一スポットが示 された(シリカ、95:5:1のジクロロメタン/メタノール/酢酸)。 実施例132 L−プロリン−O−FMOCヒドロクロリドの調製 Boc−L−プロリン(49.8g、231.5ミリモル)を含有するジクロロメ タン溶液850mLをカルボニルジイミダゾール(37.5g、231.5ミリモ ル)で処理し、室温で45分間撹拌した。試薬9−フルオレンメタノール(50g 、254.7ミリモル)を加え、反応物を一晩室温で撹拌した。反応溶液を1N 塩酸(1×350mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×350mL)そして食塩水( 1 ×350mL)で洗った。有機層はMgSO4で乾燥させ、濾過した。 有機層をジオキサン中4NのHCl100mLで処理し、室温で一晩撹拌した。 さらにジオキサン中4NのHCl100mLを反応不完全なため加え、室温で一晩 撹拌した。有機層を減圧下体積200mLに濃縮し、400mLのエチルエーテル で層形成した。非混和性層を撹拌し、エーテル層を流出させた。この連続操作を 2回以上繰り返した。アセトニトリル(100mL)をジクロロメタン層に加え、 溶媒を減圧下蒸発させて油状物を残した。一晩放置することにより半固体が形成 された。この固体をエチルエーテルで微細化し(3×150mL)、濾過し、減圧 下で乾燥させて63.6g(収率83.3%)の上述の化合物を得た。NMR分析 において所望の化合物と一致した。 実施例133 N−Boc−L−システイン−S−(p−トルイル酸−O−ベンジルエステル)− L−プロリン−FMOC 実施例131の化合物(18.4g、41.3ミリモル)を含有するジメチルホ ルムアミド溶液165mLを、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(8.4g、6 2.0ミリモル)およびエチル−3−(3−ジメチルアミノ)−プロピルカルボジ イミドヒドロクロリド(11.9g、62.0ミリモル)で処理した。反応物が溶 解した後に、反応溶液に2,4,6−コリジン(25.0g、260.5ミリモル) およびL−プロリン−FMOCヒドロクロリド(13.6g、41.2ミリモル) を加え、18時間室温で撹拌した。 反応スラリーを600mLの酢酸エチル中に溶かし、ついで1Nの塩酸(1×2 00mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×200mL)そして食塩水(4×100m L)で洗浄した。有機層はMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発さ せた。 40:60の酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲル上のカラムクロマトグ ラフィーにより粗生成物を精製し、15.5g(収率52.0%)の白色泡状物を 得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0.50の単 一スポットが示された(シリカ、40:60の酢酸エチル/ヘキサン)。 実施例134 N−Boc−L−システイン−S−スルホン−(p−トルイル酸−O−ベンジルエ ステル)−L−プロリン−FMOCの調製 40mLの四塩化炭素、40mLのアセトニトリル、および80mLの、実施例 6の化合物(14.6g、20.2ミリモル)を含有する脱イオン水の2相溶液を 、過ヨウ素酸ナトリウム(13.0g、60.6ミリモル)およびルテニウムトリ クロリドヒドレート(0.03g、0.14ミリモル)で処理した。この混合物を 室温で4時間激しく撹拌した。 この混合物を水(600mL)およびエチルエーテル(600mL)中に分離させた 。エーテル層を飽和炭酸水素ナトリウム(150mL)、食塩水(150mL)で洗浄 し、MgSO4で乾燥させ、そして減圧下で蒸発させることにより、15.2g(収 率100%)の白色固体を得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析に より、Rf=0.21の主要スポットが示された(40:60の酢酸エチル/ヘキ サン)。 実施例135 N−ベンジルスルホンアミド−L−システイン−S−スルホン−(p−トルイル 酸−O−ベンジルエステル)−L−プロリン−FMOCの調製 5mLのジクロロメタン溶媒、および13mLの、実施例134の化合物(6. 5g、8.6mole)を含有するジオキサン中4NのHClを、室温で4時間撹拌し た。溶媒を減圧下で蒸発させ、ついで、残渣をアセトニトリルから蒸発させた。 このアミンヒドロクロリド塩を25mLのジメチルホルムアミド/アセトニト リル(1:2)中に溶解させ、0℃に冷却し、そしてベンジルスルホニルクロリド( 2.0g、10.4ミリモル)および2,4,6−コリジン(4.2g、34.5ミリ モル)を加えた。氷浴を除去し、反応物を3日間撹拌した。25℃において反応 混合物の体積を減少させ、油状物を与えた。この油状物を酢酸エチル(300mL )中に溶解させ、ついで1Nの塩酸(1×100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム( 1×100mL)、そして食塩水(1×100mL)で洗浄した。有機層はMgSO4 で乾燥させ、減圧下で蒸発させることにより粗生成物を与えた。 97:3のジクロロメタン/酢酸エチルで溶出するシリガゲル上のカラムクロ マトグラフィーにより粗生成物を精製し、4.6g(収率69.8%)の標題の化 合物を固体として得た。 標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0.50の単一ス ポットが示された(シリカ、3:2の酢酸エチル/ヘキサン)。 実施例136 N−ベンジルスルホンアミド−L−システイン−S−スルホン(p−トルイル酸 −O−ベニルエステル)−L−プロリンの調製 実施例135の化合物(4.05g、5.0ミリモル)およびピペリジン(4.1 g、48.0ミリモル)を含有するテトラヒドロフラン溶液50mLを室温で1. 5時間撹拌した。この反応物を減圧下で濃縮し、脱イオン水(70mL)中に取っ た。水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出して反応副生成物を除去し、つい で酢酸エチル(100mL)で層形成し、そして3Nの塩酸でpH2に酸性化した(p H紙で測定)。酢酸エチル層を除去し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出 した。生成物を含有する収集した有機抽出物を食塩水(100mL)で洗い、MgS O4で乾燥させた。酢酸エチルを減圧下除去し、2.7g(収率86.8%)の固体 を得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0.50の 単一スポットが示された(シリカ、90:10:2のジクロロメタン/メタノール /酢酸)。 実施例137 N−ベンジルスルホンアミド−L−システイン−S−スルホン(p−トルイル酸 −O−ベンジルエステル)−L−プロリン−ニトロ−シクロアルギナール(OEt) の調製 実施例136の化合物(1.0g、1.6ミリモル)、HBTU(0.91g)2. 4ミリモル)およびHOBT(0.33g、2.4ミリモル)を含有するDMF/ア セトニトリル(40:60)の溶液6.5mLを0℃で20分間撹拌し、Ng−ニト ロ−L−アルギニナールエチルシクロールヒドロクロリド(実施例127の化合 物)(0.56g、2.1ミリモル)およびNMM(0.89g、8.8ミリモル)を 加えた。氷浴を除去し、反応物を室温で2日間撹拌した。 25℃において反応物混合物の体積を減少させて油状物を与えた。この油状物 を酢酸エチル(250mL)中に溶解させ、ついで1N塩酸(1×50mL)、飽和炭 酸水素ナトリウム(1×50mL)、そして食塩水(3×50mL)で洗浄した。有機 層をMgSO4で乾燥させ、減圧下て蒸発させて粗生成物を与えた。 95:5(ジクロロメタン/メタノール)で溶出するシリカゲル上のカラムクロ マトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.77g(収率57%)の標題の化合 物を固体として得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf =0.36の単一スポットが示された(シリカ、4/1/4のジクロロメタン/ メタノール/ヘキサン)。 実施例138 N−ベンジルスルホンアミド−L−システイン−S−スルホン(p−トルイル 酸)−L−プロリン−シクロアルギナール(OEt)TFA塩の調製 実施例137の化合物(0.74g、0.88ミリモル)および10%Pd/C触 媒(0.35g)を含有するメタノール/水/酢酸(50:10:3)の溶液63mL をパー(Parr)シェーカーを用いて40PSI水素ガスにおいて3日間室温で水 素添加した。中間点において、反応物を濾過し、新鮮な触媒を加えた。スラリー を濾過し、減圧下で固体に濃縮した。この材料を逆相HPLC(C−18、アセ トニトリル/0.1%TFAグラディエント)でクロマトグラフすることにより 不純物を除去した。目的物の収集されたフラクションを貯蔵し、凍結乾燥するこ とにより0.3g(収率41.6%)の上記化合物を白色固体として得た。 実施例139 N−ベンジルスルホンアミド−L−システイン−S−スルホン−(p−トルイル 酸)−L−プロリン−アルギナールアルデヒドの調製 実施例138の化合物(0.3g、0.37ミリモル)を含有する0℃に冷却さ れたアセトニトリル/脱イオン水の溶液12mLに、12Nの冷塩酸12mLを加 えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、ついで室温に暖め、合計4時間撹拌した 。反応混合物を0℃に冷却して2.5M酢酸ナトリウム(100mL)でクエンチ することにより、pH5とした(pH紙で測定)。標題の化合物を逆相HPLC(C −18、アセトニトリル/0.1%TFA)で単離し、凍結乾燥により目的の貯 蔵されたフラクションから回収した。迅速原子衝撃(fast atom bombardment)マ ス分光分析により、678の理論分子量を確認した。 実施例140 N−2−プロピルペンチルアミド−L−システイン−S−スルホン−(p-トル イル酸−O−ベンジルエステル)−L−プロリン−FMOCの調製 実施例134の化合物(6.5g、8.6ミリモル)を含有するジクロロメタン 5mLおよびジオキサン中4Nの塩酸13mLの溶液を室温で4時間撹拌した。溶 媒を減圧下蒸発させ、残渣をアセトニトリルから蒸発させた。 2−プロピルペンタン酸(1.86g、12.9ミリモル)およびBOP(3.8 g、8.6ミリモル)を含有するジメチルホルムアミド/アセトニトリル(1:2) の溶液25mLを0℃で30分間撹拌した。上述のアミンヒドロクロリドを最小 量のアセトニトリル/DMF(約5mL)中に溶解し、2,4,6−コリジン(4.2 g、34.5ミリモル)と共にこの活性化した酸に加えた。氷浴を除去し、反応物 を室温で3日間撹拌した。25℃において反応混合物の体積を減少させ、油状物 を与えた。この油状物を酢酸エチル(300mL)に溶解させ、ついで1N塩酸(1 ×100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×100mL)、そして食塩水(1×1 00mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させることに より粗生成物を与えた。 65:35のヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のカラムクロマト グラフィーにより粗生成物を精製し、4.4g(収率65.4%)の標題の化合物 を固体として得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf= 0.52の単一スポットが示された(シリカ、3:2の酢酸エチル/ヘキサン)。 実施例141 N−2−プロピルペンチルアミド−L−システイン−S−スルホン−(p−トル イル酸−O−ベンジルエステル)−L−プロリンの調製 実施例140の化合物(4.0g、5.2ミリモル)およびピペリジン(4.2g 、49.5ミリモル)を含有するテトラヒドロフラン溶液50mLを室温で1.5 時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、脱イオン水(70mL)中に取った。水 層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出することにより反応副生成物を除去し、 ついて、酢酸エチル(100mL)で層形成し、そして3N塩酸でpH2(pH紙で測 定)に酸性化した。酢酸エチル層を除去し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で 抽出した。生成物を含有する収集した有機抽出物を食塩水(100mL)で洗浄し 、 MgSO4で乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で除去し、2.8g(収率89.7% )の固体を得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分析により、Rf=0. 50の単一スポットが示された(シリカ、90:10:2のジクロロメタン/メタ ノール/酢酸)。 実施例142 N−2−プロピルペンチルアミド−L−システイン−S−スルホン(p−トルイ ル酸−O−ベンジルエステル)−L−プロリン−ニトロ−シクロアルギナール(O Et)の調製 実施例141の化合物(1.2g、3.0ミリモル)、HBTU(1.15g、3 .0ミリモル)およびHOBT(0.41g、3.0ミリモル)を含有するDMF/ アセトニリトル(20:80)の溶液7.4mLを0℃で20分間撹拌し、Ng−ニ トロ−L−アルギナールエチルシクロールヒドロクロリド(実施例127の化合 物)(0.71g、2.6ミリモル)およびNMM(1.2g、11.6ミリモル)を 加えた。氷浴を除去し、反応物を室温で2日間撹拌した。25℃において反応混 合物の体積を減少させ、油状物を与えた。この油状物を酢酸エチル(250mL) 中に溶解させ、ついで、1N塩酸(1×50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(1× 50mL)、そして食塩水(3×50mL)で洗浄した。有機層はMgSO4で乾燥さ せ、減圧下蒸発させることにより粗生成物を与えた。 4:1:4のジクロロメタン/メタノール/ヘキサンで溶出するシリカゲル上の カラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製して、1.3g(収率79.9% )の標題の化合物を固体として得た。標題の化合物の薄層クロマトグラフィー分 析により、Rf=0.50の単一スポットが示された(シリカ、4:1:4のジクロ ロ メタン/メタノール/ヘキサン)。 実施例143 N−2−プロピルペンチルアミド−L−システイン−S−スルホン−(p−トル イル酸)−L−プロリン−シクロアルギナール(OEt)TFA塩の調製 実施例142の化合物(1.3g、1.6ミリモル)および10%Pd/C触媒( 0.6g)を含有するメタノール/水/酢酸(75:15:3)の溶液93mLをパー シェカーを用いて40PSIの水素ガスにおいて10日間室温で水素添加した。 中間点において、反応物を濾過し、新鮮な触媒を添加した。スラリーを濾過し、 減圧下濃縮して固体とした。この物質を逆相HPLC(C−18、アセトニトリ ル/0.1%TFAグラディエント)でクロマトグラフすることにより不純物を 除去した。目的の収集したフラクションを貯蔵し、凍結乾燥することにより0. 12g(収率15.1%)の白色固体を得た。 実施例144 N−2−プロピルペンチルアミド−L−システイン−S−スルホン(p−トルイ ル酸)−L−プロリン−アルギナールアルデヒド 実施例143の化合物(0.35g、0.44ミリモル)を含有する0℃に冷却 されたアセトニトリル/脱イオン水(50/50)の溶液10mLに、10mLの冷 12N塩酸を加えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、室温に暖めて合計4時間 撹拌した。反応物を0℃に冷却し、2.5M酢酸ナトリウム(100mL)でクエ ンチすることによりpH5(pH紙で測定)とした。標題の化合物を逆相HPLC( C−18、アセトニトリル/0.1%TFA)により単離し、凍結乾燥により目 的の貯蔵したフラクションから回収した。迅速原子衝撃マス分光分析により、6 50の理論分子量を確認した。 実施例1〜122の操作を引き続き行うことにより、以下の化合物が作製され る: 実施例A インビトロ・トロンビン阻害アッセイにおける、選択した化合物の反応速度ア ッセイ 1.IC50の測定 本発明化合物の、トロンビンおよびプラスミン触媒活性阻害能を、精製ヒト酵 素を用いて、酵素活性を50%阻害する濃度(IC50)の測定によって評価した。 アッセイに使用した緩衝液は、HBSA(10mM HEPES、pH7.5、1 50mM塩化ナトリウム、0.1%ウシ血清アルブミン)であった。 IC50測定アッセイは、次のようにして行った:コーニング(Corning)マイク ロタイタープレートの適当なウェル中で、HBSA(50μl)、HBSAで希釈 した特定濃度(広い濃度範囲にわたる)の試験化合物[または、V0(非阻害速度)測 定のためにはHBSAのみ](50μl)、およびHBSAで希釈した酵素(50μl )を合した。周囲温度で30分間インキュベート後、後述の特定濃度の基質(50 μl)をウェルに加えて、最終的な全量200μlとした。色素生成基質加水分解 の初速度を、加えた基質の5%未満が使用される5分間にわたって、テルモ・マ ックス(Thermo Max、商標)カイネティック・マイクロプレート・リーダー( Kinetic Microplate Reader)を用いて405nmにおける吸光度変化によっ て測定した。加水分解初速度を50%低下する阻害剤濃度を、IC50値と定義し た。 トロンビンアッセイ トロンビン触媒活性は、色素生成基質ペファクロム(Pefachrome)t-PA[ペン タファーム社(Pentapharm Ltd.)から入手したCH3SO2−D−ヘキサヒド ロチロシン−グリシル−L−アラニン−p−ニトロアニリン]を使用して測定した 。この基質に脱イオン水を加えた後、HBSAで希釈してからアッセイに使用し た。アッセイにおいて、その最終濃度は300μM(Kmの約10倍)であった。 精製ヒトα−トロンビンは、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ社(Enzyme Research Laboratories,Inc.)から入手した。この酵素は、HBSAで希 釈してアッセイに使用し、アッセイにおける最終濃度は0.25nMであった。 因子Xaアッセイ 因子Xa触媒活性はカビ・ダイアグノスティカ(Kabi Diagnostica)から入手 した基質S2765(N−α−ベンジルオキシカルボニル−D−アルギニニル− L−グリシル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド・ジヒドロクロリド)を使用 して測定した。この基質に脱イオン水を加えた後、HBSAで希釈してからアッ セイに使用した。アッセイにおいて、その最終濃度は250μM(Kmの約5倍) であった。ヒト因子Xaは、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズから入手し た精製ヒト因子Xから、ボック,ピー・イー(Bock,P.E.)ら、アーカイブ ズ・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Archives of Biochem.Biophys.)273:375(1989)に記載の方法に従って調製した 。この酵素は、HBSAで希釈してアッセイに使用し、アッセイにおける最終濃 度は0.5nMであった。 プラスミンアッセイ プラスミン触媒活性は、カビ・ダイアグノスティカから入手した色素生成基質 S2251[D−バリル−L−ロイシル−L−リジン−p−ニトロアニリド・ジヒ ドロクロリド]を使用して測定した。この基質に脱イオン水を加えた後、HBS Aで希釈してからアッセイに使用した。アッセイにおいて、その最終濃度は30 0μM(Kmの約5倍)であった。精製ヒト・プラスミンは、エンザイム・リサー チ・ラボラトリーズ社から入手した。この酵素はHBSAで希釈してアッセイに 使用し、アッセイにおける最終濃度は1.0nMであった。 本発明の選択した試験化合物の、トロンビンおよびプラスミンに対するIC50 値を、下記第I表に示す。 2.阻害定数Kiの測定 本発明化合物のトロンビン触媒活性阻害能を、阻害定数Kiの測定によって評 価した。 酵素活性を測定するために、ペンタファーム社から入手した色素生成基質ペフ ァクロムtPA(CH3SO2−D−ヘキサヒドロチロシン−グリシル−L−アルギ ニン−p−ニトロアニリン)を使用した。この基質を、脱イオン水で再構成してか ら使用した。精製ヒトα−トロンビン(比活性3000U/mg)は、エンザイム・ リサーチ・ラボラトリーズ社から入手した。アッセイに使用した緩衝液は、HB SA(10mM HEPES、pH7.5、150mM塩化ナトリウム、0.1%ウシ 血清アルブミン)であった。 Ki測定アッセイは、次のようにして行った:コーニング・マイクロタイター プレートの適当なウェル中で、HBSA(50μl)、HBSAで希釈した特定濃 度の試験化合物[またはV0(非阻害速度)測定のためにはHBSAのみ](50μl) 、および色素生成基質(50μl)(250μM、5×Km)を合した。時間0におい て、HBSAで希釈したα−トロンビン(5μl)をウェルに加えて、全量200 μl中、最終濃度0.5nMとした。40分間にわたって、色素生成基質加水分解 の速度を、テルモ・マックス・カイネティック・マイクロプレート・リーダーを 用いて405nmにおける吸光度変化によって測定した。 試験化合物のKi値は、40分間にわたって測定した定常状態速度(Vs)を用い て、ウィリアムズ(Williams)およびモリソン(Morrison)、メソッズ・イン・エ ンザイモロジー(Methods in Enzymology)、63:437(1979)に示され た関係式に従って求めた。基質加水分解の程度は、このアッセイ全体を通して5 %未満であった。 選択した試験化合物のKi値を、下記第2表に示す。データは、ヒトα−トロ ンビンの有効なインビトロ阻害剤として試験化合物を使用する可能性を示唆して いる。 実施例B BzlSO2−Met[S(O2)]−Pro−Arg−alの、ラットおよびヒト血漿におけ るエクスビボ(ex vivo)抗凝固活性 プールした正常ヒトおよびラット血漿を用い、広い濃度範囲にわたって阻害剤 を加えて、活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thrombo-p lastin time;APTT)の延長を測定することによって、BzlSO2−Met[S( O2)]−Pro−Arg−alのエクスビボ抗凝固活性を評価した。新鮮冷凍、クエン 酸塩添加およびプールした正常ヒト血漿を、カンザス州オーバーランド・パーク のジョージ・キング・バイオメディカル(George King Biochemical)から入 手した。プールした正常ラット血漿は、標準的な方法によって、麻酔ラットから 採取したクエン酸塩添加全血から調製した。この血漿を急速冷凍し、使用時まで −80℃で保存した。APTT測定は、Coag−A−Mate RA4自動凝固計[ オクラホマ州オクラホマ・シティーのジェネラル・ダイアグノスティクス,オー ガノン・テクニカ(General Diagnostics,Organon Technica)]を使用して 行い、この製造者の指示に従い、凝血開始剤としてオートメーテッド(Automate d)APTT試薬(ノースカロライナ州デュラムのオーガノン・テクニカ)を使用 した。 アッセイは、急速解凍した皿漿中で試験化合物を連続希釈した後、アッセイの ウェルに200μl加えることによって行った。 この活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイによって、クエン 酸塩添加ラット(●)およびヒト(○)血漿において測定したBzlSO2−Met[S( O2)]−Pro−Arg−alの抗凝固活性を第2図に示す。対照凝血時間(ラット血漿 では19.75秒、ヒト血漿では28.3秒で、これを1.0の値と定める)に対し て、化合物濃度上昇によるAPTT延長を表す。BzlSO2−Met[S(O2)]−Pr o−Arg−alが、ラットおよびヒト血漿のいずれにおいても、用量依存的にAP TTを延長する(どちらの動物種においても同様の抗凝固作用を示すことを示唆 する)ことが、データから明らかである。 実施例C BzlSO2−Met[S(O2)]−Pro−Arg−alの、血栓症の実験ラットモデルに おける抗血栓活性の評価 ラットおよびヒトのクエン酸塩添加血漿においてBzlSO2−Met[S(O2)]− Pro−Arg−alが抗凝固作用を有することがわかったので、この化合物はラット 血栓症の実験モデルにおいて有効な抗血栓作用を示す可能性がある。これを調べ るために、この化合物の抗血栓(血栓形成防止)活性を、次のような確立された急 性血管血栓症実験モデルを使用して評価した。 FeCl3誘発血小板依存性動脈血栓症のラットモデル これは、直接的トロンビン阻害剤のような有効抗血栓化合物の評価において用 いられている、血小板依存性動脈血栓症の充分特徴付けられたモデルである[ク ルズ,ケイ・ディ(Kurz,K.D.)、メイン,ビー・ダブリュ(Main,B.W. )およびサンダスキー,ジー・イー(Sundasky,G.E.)、スロンボシス・リサ ーチ(Thromb.Res.)、60:269−280(1990)]。このモデルにおい ては、濾紙片に吸収させた新しいFeCl3溶液で局所的に処理したラット頸動脈 のセグメント内に、血小板の豊富な閉塞性血栓を形成する。FeCl3は、処理し た動脈セグメントに浸透し、その血管表面の脱内皮化を起こすと考えられる。そ の結果、血液が内皮下の層の構造にさらされ、それにより血小板の付着、トロン ビ ン生成および血小板凝集が起こり、結果的に閉塞性血栓が生成する。FeCl3適 用後の閉塞性血栓形成に対する試験化合物の活性は、超音波流速測定法(ultra-s onic flowtometry)によってモニターし、一次終点として用いる。頸動脈血流測 定のための流速測定法の使用は、血餅形成の熱検出を行った元来の方法を改変し たものである[クルズ,ケイ・ディ、メイン,ビー・ダブリュおよびサンダスキ ー,ジー・イー、トロンボシス・リサーチ、60:269−280(1990)]。 雄のハーラン・スプラーグ・ダウレー(Harlan Sprague Dawley)ラット( 420〜450g)を使用前少なくとも72時間慣らした後、手術前12時間、水 は自由に摂取させながら絶食させた。動物を準備し、ネンブタール(Nembutal) で麻酔した後、血圧モニタリング、薬物および麻酔剤投与のためのカテーテルを 挿入した。左頸動脈を分離するのに、中心線頸部切開し、鈍的剥離および展開法 によって、頸動脈鞘から2cmの血管セグメントを分離した。分離した血管の近位 および遠位端の下に絹縫合糸を挿入して、血管近位端付近に超音波流速プローブ [トランソニック(Transonic)]の配置のための間隙を設けた。次いで、プローブ を静止アームで固定した。 手術後、動物を、対照(生理食塩液)、または試験化合物(BzlSO2−Met[S( O2)]−Pro−Arg−al)による処置群に無作為に分けた。各用量に対し、少なく とも6匹の動物の群を用いた。試験化合物の投与は、流速プローブの配置後、F eCl3血栓形成刺激(t=0)の5分前に、1個の静脈内丸薬として第3表に示す用 量で投与した。t=0において、新しいFeCl3の35%溶液(水で調製)10μl をしみこませた濾紙[ワットマン(Whatman)#3]の直径3mm片を、分離した頸動 脈セグメントの流速プローブに対して遠位に適用した。血圧、血流、心拍数およ び呼吸を、60分間モニターした。 閉塞の発生(血流量ゼロへの到達として定義)を、一次終点として記録した。 このインビボ・モデルにおいて血栓形成を抑制する抗血栓剤としてのBzlSO2 −Met[S(O2)]−Pro−Arg−alの効果が、下記第3表に示すように、血栓性 閉塞の発生率低下によって示された。 このモデルにおいて血栓性閉塞を50%抑制する処置有効量(用量)(ED50)は 、閉塞発生率を投与量に対してプロットすることによって、上記データから求め ることができる。これにより、BzlSO2−Met[S(O2)]−Pro−Arg−alの抗 血栓効果を、前記モデルにおいて評価した他の抗血栓剤の効果と直接比較するこ とが可能となる。第4表には、いくつかのよく知られた抗凝固剤と、本発明化合 物との、前記モデルにおけるED50値を比較して示す。 第4表に示すデータから明らかなように、前記実験モデルにおける閉塞性血栓 形成の抑制に、BzlSO2−Met[S(O2)]−Pro−Arg−alが有効である。前記 実験モデルにおいて同じ方法で評価され、臨床的に血栓形成抑制に有効であるこ とが示された(下記文献参照)第4表中の他の抗凝固剤と比較することによって、 本発明化合物のデータから、本発明化合物がヒト血栓症抑制に有効であることを 推測することができる[ヘパリン−ヒルシュ,ジェイ・エヌ・イングル(Hirsh, J.N.Engl.)、ジャーナル・オブ・メディシン(J.Med)、324:1565 −1574(1992)、およびケアンズ,ジェイ・エイ(Cairns,J.A.)ら 、チェスト(Chest)、102:456S−481S(1992);アルガトロバン −ゴールド,エイチ・ケイ(Gold,H.K.)ら、ジャーナル・オブ・アメリカ ン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J.Am.Coll.Cardiol.)、21: 1039−1047(1993);並びにヒルログ−シャーマ,ジー・ブイ・アー ル・ケイ(Sharma,G.V.R.K.)ら、アメリカン・ジャーナル・オブ・カー ディオロジー(Am.J.Cardiol.)、72:1357−1360(1993)、お よびリ 88:1495−1501(1993)]。 BzlSO2−Met[S(O2)]−Pro−Arg−alと、臨床的に有効な抗血栓剤であ るヘパリン、アルガトロバンおよびヒルログとを、同じ唱歯類実験血栓症モデル においてインビボで比較したこと、更に、前記実施例Bに記載のようにBzlSO2 −Met[S(O2)]−Pro−Arg−alの抗凝固作用をラットおよびヒトの血漿にお いて示したことにより、この本発明化合物がヒトにおける有効な抗血栓剤であり 得ることが明らかに示唆される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ナット,ラス・フォールシェ アメリカ合衆国92122カリフォルニア州 サン・ディエゴ、ショアライン・ドライブ 7160番 アパートメント4307

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下式の化合物: (a)Xは-C(O)-、-O-C(O)-、-NH-C(O)-、-S(O2)-、-O-S(O2)-、- NH-S(O2)-および-N(R')-S(O2)-からなる群から選ばれる、(式中、R'は 1から約4炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリール、または約 6から約15炭素原子のアラルキルである); (b)R1は以下: (1)約3から約10炭素原子のアルキル、 (2)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている1から 約3炭素原子のアルキル、 (3)約3から約6炭素原子のアルケニル、 (4)約5から約8炭素原子の環状アルキルにて置換されている約3か ら約6炭素原子のアルケニル、 (5)約6から約14炭素原子のアリール、 (6)Y1にて置換されている約6から約14炭素原子のアリール、 (7)Y1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されている約6から約 14炭素原子のアリール、 (8)約6から約15炭素原子のアラルキル、 (9)アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原子のア ラルキル、 (10)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる約6から約15炭素原子のアラルキル、 (11)約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (12)アリール環がY1にて置換されている、約8から約15炭素原 子のアラルケニル、 (13)アリール環がY1とY2、またはY1とY2とY3にて置換されて いる、約8から約15炭素原子のアラルケニル、 (14)1から約12炭素原子のパーフルオロアルキル、 (15)約6から約14炭素原子のパーフルオロアリール、 (16)約4から約8炭素原子のトリメチルシリルアルキル、 -C(O)-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、-CH(C(O)-OH)-、-CH(C(O) -OR')-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH(C(O)-NR'R")-、 -O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')- S(O2)-ではない)、 C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 -S(O)-、-S(O2)-、メチレン、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(OA1)-、- CH(C(O)-OH)-、-CH(C(O)-OR')-、-CH(C(O)-NHR')-、-CH( C(O)-NR'R")-、 の場合Xは-O-C(O)-、-NH-C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または -N(R')-S(O2)-ではない、 -C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 -C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 -C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 れている)で示される置換された基、この場合、Xは-O-C(O)-、-NH-C(O) -、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、および、 置換されている)で示される置換された基、この場合、Xは-O-C(O)-、-NH- C(O)-、-O-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-N(R')-S(O2)-ではない、 (上記において、Y1、Y2およびY3はそれぞれ独立してブロモ、クロロ、フ ルオロ、-Z1、-OH、-OZ1、-NH2、-NHZ1、-NZ12、 -NH-C(O) -Z1、-N(Z1)-C(O)-Z2、-NH-C(O)-OZ1、-N(Z1)-C(O)-Z2、-N H-C(O)-NH2、-NH-C(O)-NHZ1、-NH-C(O)-NZ12、-N(Z1)- C(O)-NHZ2、-N(Z1)-C(O)-NZ23、-C(O)-OH、-C(O)-OZ1、- C(O)-NHZ1、-C(O)-NZ12、-SH、-SZ1、-S(O)-Z1、-S(O2)- Z1、-S(O2)-OH、-S(O2)OZ1、-S(O2)-NH2、-S(O2)NHZ1、-S( O2)-NZ12および 3はそれぞれ独立して、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1から 約12炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアリールおよび約6から 約15炭素原子のアラルキルからなる群から選択される)である、 R"は1から約4炭素原子のアルキル、約6から約14炭素原子のアラル キル、約6から約14炭素原子のアリールまたは約6から約15炭素原子の アラルキルである、 A1は約6から約14炭素原子のアリール、Y1で置換されている約6から 約14炭素原子のアリール、約6から約15炭素原子のアラルキルまたはY1で 置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルである) からなる群から選択される; (c)R2は以下: (式中、mは1、2、3、4、5または6である;qは0、1または2である、 およびArは約6から約14炭素原子の2価アリール基である) からなる群から選択される;そして (d)nは1、2または3である] またはこれらの薬学上許容される塩。 2. nが2である、第1項の化合物。 3. R2が-CH2-S(O2)-CH3である、第2項の化合物。 4. Xが-S(O2)-または-C(O)-である、第3項記載の化合物。 5. Xが-S(O2)-である、第4項記載の化合物。 6. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環状 アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約14炭素 原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;Y1 およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;約6から約1 5炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15炭 素原子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6か ら約15炭素原子のアラルキルである、第5項の化合物。 7. R1が約6から約14炭素原子のアリールまたはY1にて置換されている約 6から約14炭素原子のアリールである、第6項の化合物。 8. R1がフェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル、 1-ナフチルまたは2-ナフチルである、第7項の化合物。 9. R1がフェニルである、第8項の化合物。 10. R1が2-カルボキシフェニルである、第8項の化合物。 11. R1が2-カルボメトキシフェニルである、第8項の化合物。 12. R1が1-ナフチルである、第8項の化合物。 13. R1が2-ナフチルである、第8項の化合物。 14. Xが-C(O)-である、第4項の化合物。 15. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約15炭 素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原 子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6から約 15炭素原子のアラルキルである、第14項の化合物。 16. R1が約3から約10炭素原子のアルキルである、第15項の化合物。 17. R1が1-ブチル、1-ヘプチルまたは4-ヘプチルである、第16項の化 合物。 18. R1が1-ブチルである、第16項の化合物。 19. R1が1-ヘプチルである、第16項の化合物。 20. R1が4-ヘプチルである、第16項の化合物。 21. R2が-S(O2)-CH3である、第2項の化合物。 22. Xが-S(O2)-、-NH-S(O2)-または-C(O)-である、第21項の化 合物。 23. Xが-S(O2)-である、第22項の化合物。 24. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約14炭 素原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子のアリール; Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;約6から約 15炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15 炭素原子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6 から約15炭素原子のアラルキルである、第23項の化合物。 25. R1が約6から約14炭素原子のアリールまたはY1にて置換されている 約6から約14炭素原子のアリールである、第24項の化合物。 26. R1がフェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル 、1-ナフチルまたは2-ナフチルである、第25項の化合物。 27. R1がフェニルである、第26項の化合物。 28. R1が2-カルボキシフェニルである、第26項の化合物。 29. R1が2-カルボメトキシフェニルである、第26項の化合物。 30. R1が1-ナフチルである、第26項の化合物。 31. R1が2-ナフチルである、第26項の化合物。 32. R2が-S(O2)-CH2-C(O)-OHである、第2項の化合物。 33. Xが-S(O2)-または-C(O)-である、第32項の化合物。 34. Xが-S(O2)-である、第33項の化合物。 35. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約14炭 素原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子のアリール; Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;約6から約 15炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15 炭素原子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6 から約15炭素原子のアラルキルである、第34項の化合物。 36. R1が約6から約14炭素原子のアリールまたはY1にて置換されている 約6から約14炭素原子のアリールである、第35項の化合物。 37. R1がフェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル 、1-ナフチルまたは2-ナフチルである、第36項の化合物。 38. R1がフェニルである、第37項の化合物。 39. R1が2-カルボキシフェニルである、第37項の化合物。 40. R1が2-カルボメトキシフェニルである、第37項の化合物。 41. R1が1-ナフチルである、第37項の化合物。 42. R1が2-ナフチルである、第37項の化合物。 43. Xが-C(O)-である、第33項の化合物。 44. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約15炭 素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原 子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6から約 15炭素原子のアラルキルである、第43項の化合物。 45. R1が約3から約10炭素原子のアルキルである、第44項の化合物。 46. R1が1-ブチル、1-ヘプチルまたは4-ヘプチルである、第45項の化 合物。 47. R1が1-ブチルである、第46項の化合物。 48. R1が1-ヘプチルである、第46項の化合物。 49. R1が4-ヘプチルである、第46項の化合物。 50. R2が-S(O2)-CH2-C(O)-OR'である、第2項の化合物。 51. R'がメチル、エチルまたはプロピルである、第50項の化合物。 52. R'がメチルである、第51項の化合物。 53. Xが-S(O2)-または-C(O)-である、第52項の化合物。 54. Xが-S(O2)-である、第53項の化合物。 55. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約14炭 素原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子のアリール; Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;約6から約 15炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15 炭素原子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6 から約15炭素原子のアラルキルである、第54項の化合物。 56. R1が約6から約14炭素原子のアリールまたはY1にて置換されている 約6から約14炭素原子のアリールである、第55項の化合物。 57. R1がフェニル、2-カルボキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル 、1-ナフチルまたは2-ナフチルである、第56項の化合物。 58. R1がフェニルである、第57項の化合物。 59. R1が2-カルボキシフェニルである、第57項の化合物。 60. R1が2-カルボメトキシフェニルである、第57項の化合物。 61. R1が1-ナフチルである、第57項の化合物。 62. R1が2-ナフチルである、第57項の化合物。 63. Xが-C(O)-である、第53項の化合物。 64. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約15炭 素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素原 子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2で置換されている約6から約 15炭素原子のアラルキルである、第63項の化合物。 65. R1が約3から約10炭素原子のアルキルである、第64項の化合物。 66. R1が1-ブチル、1-ヘプチルまたは4-ヘプチルである、第65項の化 合物。 67. R1が1-ブチルである、第66項の化合物。 68. R1が1-ヘプチルである、第66項の化合物。 69. R1が4-ヘプチルである、第66項の化合物。 70. 以下の群から選択される、第2項の化合物: 71. Xが-S(O2)-または-C(O)-である、第2項の化合物。 72. R2が、 である、第71項の化合物。 73. R1が約3から約10炭素原子のアルキル;約5から約8炭素原子の環 状アルキルで置換されている1から約3炭素原子のアルキル;約6から約14炭 素原子のアリール;Y1で置換されている約6から約14炭素原子のアリール; Y1およびY2で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;Y1、Y2お よびY3で置換されている約6から約14炭素原子のアリール;約6から約15 炭素原子のアラルキル;アリール環がY1で置換されている約6から約15炭素 原子のアラルキル;またはアリール環がY1およびY2、もしくはY1、Y2および Y3で置換されている約6から約15炭素原子のアラルキルである、第72項の 化合物。 74. 薬学上許容される単体とともに第1、2、3、21、32、52又は7 0項いずれかの化合物の治療有効量を含有する、異常血栓生成に特徴付けられる 症状を有する疑いのある哺乳動物の血栓症予防のための医薬組成物。 75. 異常血栓生成に特徴付けられる症状を有する疑いのある哺乳動物へ、薬 学上許容される単体とともに第1、2、3、21、32、52又は70項いずれ かの化合物の治療有効量を投与することを含む、異常血栓生成に特徴付けられる 症状を有する疑いのある哺乳動物の血栓症予防方法。 76. 異常血栓生成に特徴付けられる症状を有する疑いのある哺乳動物へ、第 74項の医薬組成物を治療有効量を投与することを含む、異常血栓生成に特徴付 けられる症状を有する疑いのある哺乳動物の血栓症予防方法。
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