JPH09507157A - フィルタ挿入体を製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ほぼジグザグの連続した折畳み体に配置された、フィルタ材料（２）製の複数の折り壁を有する、流体を濾過するためのフィルタ挿入体（１）を製造する方法であって、この場合隣接した折り壁が少なくとも部分的に接着剤・スペーサ（６）によって互いに結合されていて、かつ互いに対して支持されており、このようなフィルタ挿入体の製造に際して、フィルタ材料（２）のウェブに、折り縁の位置をあらかじめ規定するエンボス加工部を形成し、完成したフィルタ挿入体において隣接する折り壁に相当するフィルタ材料区分のうちの少なくとも各１つに、接着剤層を塗布し、材料ウェブを、折り縁をあらかじめ規定するエンボス加工部において、２つの部分ステップで折り畳み、この場合材料ウェブを第１の部分ステップにおいて、小さな折り襞間隔が得られるように折り畳み、次いで折り襞を第２の部分ステップにおいて、その高さの少なくとも１区分において、再びあらかじめ規定された値だけ互いに引き離し、その際に接着剤層の少なくとも一部が、折り縁に対して垂直な方向において一定でない高さを有するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】 フィルタ挿入体を製造する方法 本発明は、請求項１の上位概念に記載のフィルタ挿入体を製造する方法及びこ の方法を実施する装置に関する。 請求項１の上位概念に記載の形式のフィルタ挿入体は、フィルタを貫流する流 体（特に空気又は工業ガス、基本的にはしかしながら液体も含む）から汚染物質 を分離させるために働く。エアフィルタにおいては現在主として、マイクロ・繊 維フリース特にガラス繊維から成るフィルタエレメントが使用される。 フィルタエレメント又はフィルタ範囲を形成するエアフィルタの流入面積に対 して、有効なフィルタ面積を増大させるために、フィルタ媒体はジグザグに折り 畳まれており、この結果折り縁を介して互いに接続している複数の折り襞が生ぜ しめられ、これらの折り襞は、折畳み体の壁に対して鋭角的な角度で、かつこの 場合折り縁の方向に対して垂直な方向で、浄化すべき媒体によって貫流される。 フィルタの流入側における物質の沈積、特に大きな粒子の沈積、流入する流体 における渦流形成、折畳み体のわずかな不規則性などによって、フィルタの貫流 時に流体の流れに不均一性が発生し、これによって折 り襞配置形式は機械的な強い交番負荷にさらされ、かつ変形の生じることがある 。 折り襞を相互の間における規定された間隔をおいて保持するため及びフィルタ 挿入体の折り襞配置形式を機械的に形状安定化させるために、例えば米国特許第 ３５３１９２０号明細書又はドイツ連邦共和国特許出願公開第４１２６１２６号 明細書に記載されているように、折り襞は、折り壁の平面から突出した突出部を 備えており、そしてこの場合互いに隣接した折り壁におけるこれらの突出部は互 いに接触し、かつ折り壁を相互に支持するようになっている。折り壁が流入する 流体に対して傾けられて方向付けられるようにするために、つまり折り襞層がほ ぼ三角形の横断面を有するようにするためには、突出部もまたほぼ三角形の又は 台形状の横断面を有することが必要である。 これらの配置形式は、比較的密な折畳みパッケージにおいて折り襞高さほぼ１ ００ｍｍまでのフィルタ挿入体のために有利である。これらの折り襞の向こう側 にかつ大きな折り襞間隔において、必要なエンボス加工深さはしかしながらかな り大きくなり、汎用のフィルタ材料においては貫通孔の生じるおそれがあり、ひ いては歩留まりが悪くなってしまう。 ドイツ連邦共和国特許第４０３８９６６号明細書に基づいて公知の構成では、 同じ機能を備えた別体のスペーサが折り壁に装着されているか、もしくは折り壁 に挿入されている。スペーサは、前記刊行物において可能性として記載されてい るように、又はドイツ連邦共和国特許出願公開第３０３７０１９号明細書に開示 されているように、特に糸形状の接着剤凝集塊であってもよい。このような接着 剤凝集塊は、スペーサとして働くのみならず、付加的に折り壁を結合する作用を も有しており、これによってフィルタ挿入体の強度を付加的に高める。 接着剤塗布は、フィルタ材料を折り畳む前に平らなウェブに対して行われ、折 り壁の接着は、折り畳まれる際における接着剤糸相互の接触によって行われる。 この解決策はしたがって、極めて密な折畳みパッケージのためにしか適していな い。さらにこのようにして形成された折り襞層は蛇行状の横断面形状を有してお り、これによって最適な流れ特性を得ることはできない。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第３９０３７３０号明細書に記載の構成では、 折畳み後に縁部範囲に塗布されることができて折り襞層を互いに結合しかつ安定 化させる接着剤糸は、折り壁におけるエンボス加工部と組み合わせられている。 この解決策は、機械的に極めて形状安定的なフィルタ挿入体を生ぜしめるが、し かしながら得られる折り襞高さ及び折り襞間隔に関しては、接着剤塗布されない 解決策と実質的に同じ制限を受ける。 ドイツ連邦共和国特許第４２０６４０７号明細書に記載の構成では、既に折り 畳まれたフィルタ材料ウェブの折り縁範囲は、細かな接着剤糸網によって覆われ ており、これによって折り襞を互いに結合させ、かつフィルタ挿入体を安定化さ せることができる。この解決策もまた、大きな折り襞間隔のためにはもはや実際 に使用不能である。それというのは、細かい接着剤糸網は、互いに大きく離れて 位置している折り縁を十分安定的な結合することはできず、しかも接着剤糸網は 、（特に製造過程において上に位置している折畳みウェブに下から塗布する場合 には）垂れ下がって、折り縁に対する規定された位置をもはや占めることができ ないからである。 ヨーロッパ特許出願公開第３７７４１９号明細書から公知の配置形式では、形 成すべき折り壁配置形式の頂部範囲及びソール範囲に配置された種々異なった大 きさの（頂部範囲においては大きな、ソール範囲においては小さな）接着剤凝集 塊によって、折り壁の接着は、ほぼ三角形の折り襞横断面が生じるように、実現 され得る。大きな折り襞間隔ひいては折り襞高さは、しかしながらこのようにし て実現不可能である。なぜならば、このためには極めて嵩張った接着剤凝集塊が 必要となり、このような大量の接着剤凝集塊は有効フィルタ面積を著しく減じて しまうからである。 ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の方法を 改良して、大きな高さ及び／又は大きな折り襞間隔を備えたフィルタ挿入体を実 現することができる方法を提供すること、並びにこの方法を実施する装置を提供 することである。 この課題を解決するために本発明の方法では、請求項１の特徴部分に記載のよ うにした。また上記課題を解決するための本発明による装置は、請求項１６の特 徴部分に記載のように構成されている。 本発明は以下に記載の思想、すなわち、隣接した２つの折り壁を結合及び硬化 するために一方の折り壁に塗布された接着剤凝集塊を、まず初めに他方の折り壁 に密に接近させて、該他方の折り壁と結合させるという思想、もしくは両方の折 り壁に塗布された２つの接着剤ポイント又は接着剤糸を同様に互いに密に接触さ せて、両方の接着剤を１つの接着剤凝集塊に混ざり合わせるという思想を、含む ものである。その後で、隣接した折り壁に固着するもしくは結合された接着剤凝 集塊は、該接着剤凝集塊が固着している折り壁を互いに離れる方向に引っ張るこ とによって、横断面で見て折り壁に対して垂直な方向に引っ張られ（これにより 引き延ばされ、最終的には引き延ばされた状態つまり折り壁の比較的大きな間隔 に相当する状態において、完全に硬化させられる。次いで完全に硬化した後で、 折り壁は互いに所望の間隔をおいて固定され、つまり互いに結合されると同時に 不動の間隔をおいて互いに 支持されることになる。 このことは、製造時にいずれにせよ行われる、フィルタ材料及び折り畳まれた フィルタ挿入体の送り運動の枠内において、有利に実施することができる。すな わち本発明の有利な方法では、第１の部分ステップにおいて（比較的小さな折り 襞間隔をもって）前形成された折畳みパッケージを、第２の部分ステップにおい て、第１の部分ステップにおける送り速度に対して高められた速度で送るように した。 特に大きな折り襞間隔を実現するために本発明の別の有利な方法では、折り壁 の少なくとも一部の平面に、折畳み体を硬化させることを目的として凹設部及び ／又は隆起部をエンボス加工して、隣接した折り壁の凹設部及び／又は隆起部が 少なくとも部分的に、別体のスペーサ（接着剤凝集塊）を介して互いに間隔をお いて保持されかつ互いに結合されるようにした。しかしながらこのことは必ずし も必要なことではない。つまり折り壁間の間隔保持は、別体のスペーサ特に塗布 された接着剤だけによって、行うことも可能である。 本発明の別の有利な方法では、接着剤層にその全長の少なくとも１区分におい て、隣接した折り壁の平面に対して垂直な方向で、該平面に対して平行な方向に おけるその平均的な寸法（幅）よりも大きな寸法（高さ）が与えられており、こ の場合さらに有利には、折り襞の横断面が狭まるのと同方向で、接着剤層を、折 り襞の先端に向かってより扁平に形成するようにした。このために、単位長さ当 たりフィルタ材料ウェブに塗布される接着剤量を次のように、すなわち接着剤凝 集塊がその長手方向において一定でない接着剤量を単位長さ当たりで有するよう に、つまり接着剤量が後の折り襞先端に向かって減じられるように、制御するこ とができる。 フィルタ出力のためには、接着剤塗布が、フィルタ材料の可能な限り小さな面 積において、特にほぼ直線的に、つまり接着剤層の長さに対して小さな幅で、行 われると有利である。 また、折り壁が互いの間に大きな間隔を有することが望ましい、折畳み体の範 囲にのみ、かなりの高さを有する接着剤層を設け、これに対して折り襞先端に近 い範囲においては接着を行わないことも、可能である。 凹設部もしくは隆起部がフィルタ材料に設けられている場合には、これらの凹 設部もしくは隆起部を一方では、その深さもしくは高さをその長手方向において ほぼ一定であるように、つまりフィルタ材料におけるほぼ連続した溝の形式で、 構成することが可能であり、かつ他方では、その深さもしくは高さが後の折り襞 先端に向かって減少するように、構成することも可能である。いずれにせよ重要 なことは、折り壁の相互間隔がフィルタ材料自体へのエンボス加工によって最初 に規定されるのではなく、付加的なスペーサによって規定される、ということで ある。フィルタ材料のエンボス加工部は、しかしながらまず初めにフィルタ材料 を製造中に硬化させひいては形状安定化させるために役立つことができる。 本発明による方法によって、特に、直方体又は中空円筒形の形状を有する構成 体を形成するフィルタ挿入体を製造することができ、このようなフィルタ挿入体 は例えば、天然ガス及び石油工業、エネルギ産業、通気及び空調技術、又は自動 車工業において、エアフィルタもしくはガスフィルタとして必要である。 材料の単位長さ当たりに塗布される接着剤量は、有利には、単位時間当たり塗 布装置から供給される接着剤量の変化によって、変化させることができる。しか しながらまた付加的に又は択一的に、接着剤層を構成するために設けられた範囲 において、該範囲の長さの一部において、複数の接着剤塗布を互いに上下に行う ことも、可能である。さらに、材料の単位長さ当たり塗布される接着剤量を、材 料ウェブと塗布装置の流出開口との間における相対速度の変化によって、変化さ せることも可能である。 本発明の別の有利な方法では、折畳み工程の第２の部分ステップを、つまり折 り襞間隔の拡大を、第１の部分ステップの後に休止時間を挟んで実施し、この場 合休止時間が、接着剤のあらかじめ規定された予備硬 化もしくは漸進的な架橋が行われるように、設定されている。 ちなみに、本明細書において用いられている「フィルタ材料」という概念は、 汎用のもしくは特定の流体のために使用可能なすべてのフィルタ材料、特にセル ローズ、ガラス繊維、鉱物繊維又はセラミックス繊維製の繊維フリースや、防水 加工された又は防水加工されていないファインメッシュ織布等を意味し、かつ「 接着剤」という概念は、このような材料を素材結合によって結合するために使用 可能な材料、特に狭義の接着剤を意味するのみならず、フィルタ材料に固着する 熱可塑性又は発泡材料又はこれに類したものを意味する。 また「ほぼジグザグの連続した折畳み体」というのは、折り縁に対して垂直な 方向における折り襞横断面がほぼ台形である折り襞配置形式や、又は折り縁が丸 く形成されている折り襞配置形式をも含んでいる。 次に図面につき本発明の有利な実施例を説明する。 第１ａ図及び第１ｂ図は、本発明によって製造されたフィルタ挿入体の各１つ の実施例を示す斜視図である。 第２図は、本発明による方法を実施する装置の１実施例を示す概略図である。 第３ａ図〜第３ｆ図はそれぞれ、本発明の方法によって製造されたフィルタ挿 入体の種々異なる折り襞配 置形式を、折り縁に対して垂直な方向で断面して示す図である。 第４ａ図及び第４ｂ図は、本発明の方法によって製造された折り襞配置形式を 、折り縁に対して平行な方向で断面して示す図である。 第１ａ図には、外側形状がほぼ直方体形状のフィルタ挿入体１Ａが示されてお り、このフィルタ挿入体１Ａは、合成樹脂を含浸されたガラス繊維フィルタフリ ース２から成っていて、このガラス繊維フィルタフリース２は、片側にエンボス 加工された押込み成形部状の凹設部３を備えていて、かつ（幾分丸く構成された ）上側及び下側の折り縁４ａ，４ｂをもってほぼジグザグに折り畳まれており、 この結果、互いに隣接した各２つの折り壁５におけるエンボス加工された凹設部 ３は互いに向かい合って位置している。凹設部もしくは押込み成形部３は、下側 の折り縁４ｂに向かって、つまり折り襞の開放幅が増大するに連れて、増大する 高さを有している。 折畳み体の折り襞間隔は、（規定された挿入体パラメータを得るために）次の ような大きさに、すなわち互いに向かい合って位置している凹設部３の頂面が互 いに接触しないような大きさに、選択されている。 各頂面３ａには、下側の折り縁４ｂに向かって肉厚になる接着剤層６が塗布さ れている。互いに向かい合っている凹設部３における接着剤凝集塊は、互いに結 合されており、これによって（接着剤の硬化状態においては）それぞれ互いに向 かい合っている凹設部３ひいては、該凹設部３がエンボス加工されている折り壁 ５は、互いに堅く結合され、かつ実質的に剛性的に互いに支持し合うことになる 。これによって、機械的に著しく抗圧性のフィルタ挿入体１Ａが形成される。 第１ｂ図には、第１ａ図に対する変化実施例としてのフィルタ挿入体１Ｂが示 されており、このフィルタ挿入体１Ｂでは各折り壁５の両側に、押込み成形部３ ａ；３ｂ及びスペーサ（接着剤凝集塊）６ａ；６ｂが設けられている。これにつ いては後で第３ｄ図に対する記載においても触れる。 第２図には、第１図に示された形式の折り畳まれたフィルタ挿入体を形成する ための主要なステップと、そのために使用される装置における重要な構成エレメ ントとが概略的に示されている。 フィルタ材料２の（いわば無端の）ウェブは、ローラ区間Ｚを介してまず初め に、後の折畳み体の折り襞形成に役立つ折り線と硬化作用を有する押込み成形部 ３とを押込み成形するための、複数のエンボス加工ローラを有するエンボス加工 装置Ｐに、供給され、その後で、中央に接着剤供給部を有する接着剤塗布装置Ｋ を備えた複数の高温接着剤塗布モジュールに供給される。この高温接着剤塗布モ ジュールもしくは接着剤塗布装置Ｋにおいて押込み成形部３の頂面には、ペース ト状の高温接着剤６．１が糸状に塗布される。高温接着剤は幾分フィルタ材料内 に浸入し、これによってフィルタ材料と結合する。 速度Ｖ₁で走行する第１のベルトシステムＦ１への材料ウェブ２の引渡しと共 に、材料ウェブ２は密に折り畳まれ、この際に隣接した折り壁５における押し込 み成形部３は、互いに向かって運動させられ、互いに隣接した押込み成形部３に おけるまだ硬化していない接着剤層６は、緊密に接触させられ、この結果接着剤 層６は互いに混ざり合って接着剤凝集塊６．２を形成する。このようにして小さ な折り襞間隔を備えた１次折畳みパッケージ１．１が生ぜしめられ、この折畳み パッケージ１．１の折り襞はしかしながらなお固定されていない。 その後でこの折畳みパッケージ１．１は、第２のベルトシステムＦ２に引き渡 され、このベルトシステムＦ２は、第１の速度Ｖ₁を上回る速度Ｖ₂で走行するの で、これによって個々の折り襞の間においては引張り力が生ぜしめられ、そして 間にある接着剤６．２が今なお完全に硬化していない折り襞は、再び幾分互いに 引き離される。これによって、両側において堅くフィルタ材料２に固着している 接着剤糸６．２は折畳みパッケージの走行方向において、ひいては折り縁の延在 方向に対してほぼ垂直な方向に引き延ばされ、この結果接着剤糸の横断面は、方 形のもしくはダブルＴ字 形の（又は骨状の）形状を有することになる。 このような形状もしくは構成において接着剤糸は完全に硬化され（このことは 波形の矢印によって象徴的に示されている）、その後で押込み成形部３は相応な 間隔をおいて、硬化した接着剤層によって互いに支持され、ひいては折り壁５も また固定される。このようにして、所望の大きさの折り襞間隔を備えた折畳みパ ッケージ１が完成する。 第３ａ図には、第１ａ図に示されたフィルタ挿入体１Ａの折り襞配置形式が、 スペーサの長手方向に対して平行に断面されて示されている。この第３ａ図から は、押込み成形部（凹設部）３及び接着剤層６の高さもしくは厚さが、上側の折 り縁から下側の折り縁に向かって増大している様子が、はっきりと分かる。 第３ｂ図に示されたフィルタ挿入体１Ａ′の択一的な構成では、第３ａ図に似 た基本配置形式で折り壁が、全長にわたってほぼ一定の高さを有する押込み成形 部３′を備えた壁５′として構成されており、これに対して接着剤層６′の厚さ は上側の折り縁範囲４ａ′から下側の折り縁範囲４ｂ′に向かって増大しており 、この場合折り角度は、第３ａ図に示された配置形式とほぼ同じである。 第３ｃ図には別の実施例に基づくフィルタエレメント１′′が示されており、 このフィルタエレメント１′′では折畳み体の横断面は台形であり、この場合互 いに連続する折り壁５′′の間には、各２つの折り線４ａ′′（上側の折り縁） ；４ｂ′′（下側の折り縁）が設けられている。折り壁５′′はそれぞれエンボ ス加工された押込み成形部３′′を有しており、これらの押込み成形部３′′は 、上側の折り縁４ａ′′から下側の折り縁４ｂ′′にまで延びていて、その全長 にわたって一定の高さを有している。上側部分に押込み成形体３′′は、各１つ の比較的小さな接着剤ポイント６．２を有しており、かつ下側の折り縁４ｂ′′ に隣接した下端部の近傍に、そこにおける大きな折り襞間隔に相応して、大量の 半球形状の接着剤凝集塊６．３を有している。互いに隣接した折り壁の押込み成 形部３′′における個々の接着剤凝集塊６．２；６．３は、それぞれ互いに混ざ り合っているので、この結果折り壁５′′は互いに堅く結合されている。 第３ｄ図には、第１ｂ図に示されたフィルタエレメント１Ｂが横断面図で示さ れており、このフィルタエレメント１Ｂに設けられている折り壁は、それぞれ両 側に押し込み成形部３ａ；３ｂを、つまり凹設部と隆起部とを有している。（第 １ａ図もしくは第３ａ図からのその他の符号は簡単化のために維持された。）互 いに向かい合っている隆起部もしくは凹設部３ａ，３ｂはそれぞれ、第３ａ図に おけるように、まとめられた接着剤凝集塊を介して互いに結合されており、そし てこの場合隣接した折り壁の全面的な結合によって、 押圧力及び引張り力に対してハイレベルな形状安定性を有するフィルタパッケー ジが、ひいては渦流成分を伴う強い流れや時間的な大きな圧力変化においても極 めて形状安定的なフィルタパッケージが得られる。 各折り壁の両側に設けられた押込み成形部と接着剤凝集塊とを備えた同様な構 成は、第３ｂ図及び第３ｃ図に示された配置形式においても可能である。このよ うな構成は第３ｅ図もしくは第３ｆ図に示されており、この場合類似の部材に対 する符号は、先行する図面における符号に相当しており、したがって第３ｅ図及 び第３ｆ図についての特別な説明は省くことができる。 第４ａ図には、第３ｄ図に示された折畳み体の２つの折り襞が、折り縁区分に 対して平行な平面で（第３ｄ図の線Ａ−Ａに沿った面で）横断面して示されてお り、この第４ａ図からは、押込み成形部の頂面に平らに載っている接着剤凝集塊 がその中央部分において幅を減じられている様子が分かる。 第４ｂ図にはこの配置形式の変化実施例が示されており、この場合折り壁１５ における押込み成形部１３ａ，１３ｂは、中央に長手方向溝１６ａを有するよう に成形されている。この長手方向溝１６ａにはそれぞれ比較的小さな幅を有する 接着剤糸１６が装入されており、この接着剤糸１６は、溝壁によって正確に規定 された、断面で見てほぼ半円形の、押込み成形部に対 する接触面を有している。この場合互いに向かい合っている押込み成形部を結合 するためには、（後の）折畳み工程の結果互いに隣接する溝１６ａのうちの各１ つに、糸１６の形をした接着剤を塗布するだけである。最終的に骨状の横断面を 有するスペーサによって、その結果として、この糸は第２図に示された方向に基 づいてまず初めに互いに向かい合う溝と接触させられ、そして接着させられ、次 いでなお塑性の状態において横方向に引き延ばされる。 成形された押込み成形部を備えた第４ｂ図に示された配置形式には、次のよう な利点がある。すなわちこの配置形式では、正確に規定された横方向における小 さな長さをもって、接着剤を塗布することができるので、この結果フィルタ材料 における接着剤のはみ出し汚れを回避すること及び有効フィルタ面積を最大限に 確保することができる。 上に述べたような構成は、中空円筒形のフィルタ挿入体のためにも同様に使用 可能であり、この場合には第２図に略示された方法を変更して、接着剤凝集塊の 硬化前に、折畳みパッケージの中空円筒形に閉鎖された形状が生ぜしめられねば ならない。このことは有利には次のことによって、すなわち折畳み工程の第２の ステップが、中空円筒形形状への（第１のステップの後でなお直方体形状の）折 畳みパッケージの形状変化つまり扇状の展開(Auffaecherung)のステップとして 、実施されるもしくはこの工程を終了することによって、行われる。 本発明は図示及び記載の実施例に制限されるものではない。特に、フィルタ材 料へのエンボス加工部とフィルタ材料における塗布層とのコンビネーション及び 幾何学形状に関しては、種々様々な多数の変化実施例が可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，Ｅ Ｅ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，Ｕ Ａ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に、直方体形状又は中空円筒形の外側形状を有する、流体フィルタのため のフィルタ挿入体（１；１Ａ；１Ｂ；１Ａ′；１Ｂ′；１Ａ′′；１Ｂ′′）を 製造する方法であって、フィルタ挿入体が、ほぼジグザグの連続した折畳み体に 配置された、フィルタ材料（２；２′；２′′）製の複数の折り壁（５；５′； ５′′；１５）を有しており、この場合隣接した折り壁が少なくとも部分的に接 着剤・スペーサ（６；６′；６ａ，６ｂ；６ａ′，６ｂ′；６．２，６．３；６ ．２ａ，６．２ｂ；６．３ａ，６．３ｂ；１６）を介して互いに結合されていて 、かつ互いに対して支持されており、このようなフィルタ挿入体の製造に際して 、フィルタ材料のウェブに、折り縁（４ａ，４ｂ；４ａ′，４ｂ′；４ａ．１， ４ａ．２，４ｂ．１，４ｂ．２）の位置をあらかじめ規定するエンボス加工部を 形成し、完成したフィルタ挿入体において隣接する折り壁に相当するフィルタ材 料区分のうちの少なくとも各１つに、接着剤・スペーサを塗布し、材料ウェブを 、折り縁をあらかじめ規定するエンボス加工部において折り畳む形式の方法にお いて、 フィルタ挿入体の外側形状を規定するためのフィルタ材料の折畳みのステッ プを、２つの部分ステッ プにおいて実施し、この場合材料ウェブを第１の部分ステップにおいて、小さな 折り襞間隔が得られるように折り畳み、次いで折り襞を第２の部分ステップにお いて、その高さの少なくとも１区分において、再びあらかじめ規定された値だけ 互いに引き離し、その際に接着剤・スペーサの少なくとも一部が、折り縁に対し て垂直な方向において一定でない高さを有するようにすることを特徴とする、フ ィルタ挿入体を製造する方法。 ２．ほぼ直方体形状のフィルタ挿入体を形成するために、第１の部分ステップに おいて形成された折畳みパッケージ（１．１）を第２の部分ステップにおいて、 第１の部分ステップにおける送り速度（Ｖ₁）に対して高められた速度（Ｖ₂）で 送る、請求項１記載の方法。 ３．ほぼ中空円筒形のフィルタ挿入体を形成するために、第１の部分ステップに おいて形成された折畳みパッケージを、第２の部分ステップにおいて円環状に扇 のように展開させる、請求項１記載の方法。 ４．折畳み体を硬化させることを目的として折り壁（５；５′；５′′；１５） の少なくとも一部の平面に、凹設部及び／又は隆起部（３；３′；３′′；３ａ ，３ｂ；３ａ′，３ｂ′；３ａ′′，３ｂ′′；１３ａ，１３ｂ）をエンボス加 工して、隣接した折り壁の凹設部及び／又は隆起部が少なくとも部分 的に接着剤・スペーサを介して互いに結合されるようにする、請求項１から３ま でのいずれか１項記載の方法。 ５．接着剤・スペーサにその全長の少なくとも１区分において、その平均的な幅 よりも大きな高さを与える、請求項１から４までのいずれか１項記載の方法。 ６．折り襞の横断面が狭まるのと同方向で、接着剤・スペーサを、各接着剤・ス ペーサによって互いに結合された折り壁を共通に有している折り縁に向かってよ り扁平に形成する、請求項１から５までのいずれか１項記載の方法。 ７．折り壁が互いの間に大きな間隔を有している、折畳み体の範囲にのみ、接着 剤・スペーサを設ける、請求項１から６までのいずれか１項記載の方法。 ８．凹設部もしくは隆起部を、フィルタ材料のエンボス加工によって構成して、 該凹設部もしくは隆起部の深さもしくは高さがその長手方向においてほぼ一定に なるようにする、請求項４から７までのいずれか１項記載の方法。 ９．凹設部もしくは隆起部を、互いに支持し合う各２つの折り壁に相当する材料 ウェブ区分において、次のように、すなわち凹設部もしくは隆起部の深さもしく は高さが前記区分を互いに結合する折り線に向かって減じるように、構成する、 請求項４から７ま でのいずれか１項記載の方法。 10．単位長さ当たりフィルタ材料ウェブに塗布される接着剤量が、各接着剤層を 介して互いに結合される２つの折り壁に共通の折り縁をあらかじめ規定するエン ボス加工部に向かって、連続的に減じられるように制御する、請求項１から９ま でのいずれか１項記載の方法。 11．接着剤をほぼ直線的に、つまり接着剤層の長さに比べて小さな幅で、塗布す る、請求項１から１０までのいずれか１項記載の方法。 12．材料の単位長さ当たりに塗布される接着剤量を、単位時間当たり塗布装置か ら供給される接着剤量の変化によって、変化させる、請求項１０又は１１記載の 方法。 13．接着剤層を形成するために設けられている範囲において、該範囲の長さの一 部において、複数の接着剤塗布を互いに上下に行う、請求項１０から１２までの いずれか１項記載の方法。 14．材料の単位長さ当たり塗布される接着剤量を、材料ウェブと塗布装置の流出 開口との間における相対速度の変化によって、変化させる、請求項１０から１３ までのいずれか１項記載の方法。 15．折畳み工程の第２の部分ステップを、第１の部分ステップの後に休止時間を 挟んで実施し、この場合休止時間が、接着剤・スペーサのあらかじめ規定さ れた初期硬化もしくは漸進的な架橋が行われるように、設定されている、請求項 １から１４までのいずれか１項記載の方法。 16．請求項１から１５までのいずれか１項記載の方法を実施する装置であって、 フィルタ材料供給装置（Ｚ）と接着剤塗布装置（Ｋ）と折畳み兼引張り装置（Ｆ ）とを備えている形式のものにおいて、 折畳み兼引張り装置（Ｆ）が、フィルタ材料の折畳み及び搬送のために働く 第１の装置（Ｆ１）と、折り畳まれたフィルタ材料（１．１）の更なる搬送及び ／又は扇形展開のため、及び初期の折り襞幅の拡大のために働く第２の装置（Ｆ ２）とを有していることを特徴とする、フィルタ挿入体を製造する装置。 17．第１の装置（Ｆ１）が第１の速度（Ｖ１）で走行する第１のベルト装置であ り、かつ第２の装置（Ｆ２）がより高い第２の速度（Ｖ２）で走行する第２のベ ルト装置である、請求項１６記載の装置。 18．接着剤塗布装置（Ｋ）に、フィルタ材料（２）に凹設部及び／又は隆起部（ ３）をエンボス加工するためのエンボス加工装置（Ｐ）が前置されている、請求 項１６又は１７記載の装置。