JPH09505141A - 機敏な可変スペクトル分解フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 機敏な可変スペクトル分解フィルタは、機械的な動きを必要としない直ちに調整可能なスペクトル分解能および迅速に調整可能な中心波長を有する。中心波長の調整は、信頼性のあるピエゾ電気アクチュエータ（３，４）によって達成される。スペクトル分解能の調整はシステムの細かさを変えることによって達成され、細かさは面（８，１０）の反射によって決定される。面の１つを電気的可変反射率を示すようにすることにより、システムの細かさは直刻の変化が可能となり、スペクトル分解能も直刻に変化可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】 機敏な可変スペクトル分解フィルタ 発明の背景 １．発明の分野 本発明は、分光学の分野に関し、特に、分散分光計用の機敏な可変スペクトル 分解フィルタに関する。 ２．従来技術の説明 分光学は、放射エネルギの相互作用（通常、吸収または放射）の測定に関する 分析技術である。分散分光計は、分光の目的のために放射エネルギの波長を測定 するものであり、一般に放射の源、分散装置、および検出器を必要とする装置で ある。 多くの分析目的のためには、広いスペクトル分解能で探索を始め、関係する範 囲に来た時にスペクトル分解能を狭くするように分光計のスペクトル分解能を変 えることが望ましい。しかしながら、時間的に変化するサンプルに対しては、ス ペクトル分解能は、非常に迅速に狭くされなければならない。通常の分散分光計 は可変スペクトル分解能を持つことができるが、スペクトル分解能の変化はゆっ くりであり、空間的な分解能の変化によって達成されるのでこの目的のためには 適切ではない。 その他の既知の分光計も、このような時間的に変化するサンプルのスペクトル 分析には不適切である。例えば、フーリ エ変換分光計は空間的イメージを維持している間可変スペクトル分解能を有する ことができるが、それらは、信号が変えられない、またはスペクトルのゆがみが 生じるであろう間、限定された長さの時間を必要とする。一方、ファブリーペロ ーフィルタを使用している分光計は可変中心波長および空間的イメージを有する ことができるが、固定したスペクトル分解能に制限される。それ故、既知のタイ プの分光計のどれもが、空間的なイメージを維持しながら可変中心波長および迅 速な可変スペクトル分解能の両方を得ることはできない。さらに、ファブリーペ ロー分光計を除いた既知のタイプの各分光計は、大気圏外空間における長期の使 用のような、多くの適用には不利であり得る動く部分を有する。 本発明は、ファブリーペロー分光計に使用されるものと同じ光学装置を使用し て、動く部分を必要とすること無しに迅速に中心波長の調整を可能にし、それに もかかわらず同時に直ちに調整可能なスペクトル分解能を得ることによってこれ らの問題を解決する。これは、他の通常のファブリーペローフィルタの少なくと も１つの内側表面に電気的可変反射率被覆を付けることによって達成される。 電気的可変反射率の利用は、当然知られている。例えば光ファイバに配置され る可変反射率光学的タブを開示するTaylor氏による米国特許出願第 4,923,273号 明細書に示されている。光学的タブは、ファブリーペロー干渉計においてミラー として作用する。しかしながら、この装置は、本質的にイメージを生成できない １次元的装置であり、単一の波長のみに 使用されるものである。それ故、この装置は、以下に説明され、請求されたタイ プの可変分解能波長フィルタまたは分光計には対応していない。 発明の概要 本発明の第１の目的は、直ちに調整可能なスペクトル分解能を有する機敏な可 変スペクトル分解フィルタを提供することである。 本発明の第２の目的は、直ちに調整可能なスペクトル分解能および迅速に調整 可能な中心波長の両方を有する機敏な可変スペクトル分解フィルタを提供するこ とである。 本発明の第３の目的は、機械的動きを必要としない直ちに調整可能なスペクト ル分解能、および信頼性のあるピエゾ電気アクチュエータを使用する迅速に調整 可能な中心波長の両方を有する機敏な可変スペクトル分解フィルタを提供するこ とである。 これらの目的を達成したものは、通常の分光計に関して上述された問題点を回 避し、さらに２次元のイメージの焦点面の前で使用されることができる機敏な可 変スペクトル分解フィルタを有する長所を有するが、通常の分散分光計は１次元 の線イメージに限定される。 本発明の目的は、中心波長がピエゾ電気アクチュエータを使用して自由スペク トルの範囲を変化させることと、空間的分解能を得るためにフィルタの後ろにモ ザイクイメージ焦点面を位置させることと、特に、可変スペクトル分解能を得る ためにシステムの細かさを変える手段を提供することとによ って整調されるファブリーペロー分光計のものに似た光学装置を使用することに よって達成される。 ファブリーペローの細かさはその面の反射率によって支配されており、それ故 に本発明の特に好ましい実施例によれば、本発明の目的は１方または両方の内側 の面に電気的可変反射率を持たせることによって達成される。 それ故、本発明は、２次元の空間的イメージを作る能力を保持しながら、可変 スペクトル分解能および中心波長を別々に生成するために、ファブリーペロー分 光計型の光学装置と電気的可変反射率表面との組合せを提供する。好ましい機敏 な可変スペクトル分解フィルタの使用は、モザイク焦点面、未知の化学的種の遠 隔検出および識別、工程制御、すなわち未知の汚染物の検出および識別、および 未知のレーザラインの遠隔識別が組み合わされるときにイメージ分光計を含む。 図面の簡単な説明 図面は、本発明の好ましい実施例の原理によって構成される機敏な可変スペク トル分解フィルタを示す。 実施例 図面に示されるように、好ましい機敏な可変スペクトル分解フィルタはファブ リーペロー分光計と同様であるが、直ちに調整可能なスペクトル分解能を有する 光学装置に基づいている。好ましいフィルタは、磨き仕上げ透過前面窓１、磨き 仕上げ透過後部窓２、およびフィルタの自由なスペクトル領域、すなわち窓１と ２との間の距離を変えることによってピエゾ電気アクチュエータを中心波長の調 整をさせるように既 知の方法で制御システムに電気接続５によって接続される１対のピエゾ電気アク チュエータ３および４を含む。 各窓１および２は、その外側表面上に反射防止被覆６を含む。窓の１つの内側 表面には、ある程度の反射をする被覆８が含まれている。反射防止被覆およびあ る程度の反射をする被覆の両者は既知のタイプであり、通常ファブリーペローフ ィルタに使用されている。 しかしながら、ユニークなやり方として、フィルタの細かさおよび従ってスペ クトル分解能を変化させるため、フィルタはさらに、窓の１つの１つの表面上に 、電気的可変反射率を有する材料10、および前記材料の電気的可変反射率を制御 する電気接続11を含むことが好ましい。１つの適切な被覆は、Taylor氏による米 国特許第 4,923,273号明細書に記載されたタイプの光学タップに以前から使用さ れていた酸化バナジウムである。他の適切な電気的可変反射率被覆も使用される ことができる。 最後に、当業者が正しく認識するように、単一の表面ではなく、両方の内部窓 表面が電気的可変反射率被覆および適切な電気接続を具備することができる。 本発明の特定の実施例が詳細に説明されたように、上記開示に基づいた本発明 を実行するそれらは、本発明を実行するが様々な方法で前記記述から逸脱し得る ことが認識されるであろう。従って、それは上記説明および図面によって限定さ れるものではなく、請求の範囲のみによって規定されるものである。

【手続補正書】特許法第１８４条の７第１項 【提出日】１９９５年３月８日 【補正内容】 請求の範囲 １．機敏な可変スペクトル分解フィルタにおいて、 電磁放射を少なくとも部分的に透過させる１対の窓（１，２）と、 前記窓間の間隔を調整し、それによってフィルタの中心波長を変える調整手段 とを具備し、 その改善において、前記フィルタが、前記フィルタのスペクトル分解を変える ためにフィルタの細かさを変える細かさ変更手段を含む、フィルタ。 ２．前記細かさ変更手段が、 前記窓の１つにおける部分的反射をさせる被覆（８）と、 前記部分的反射をさせる被覆（10）に面するもう１つの前記窓の表面における 電気的可変反射率材料と、 前記フィルタのスペクトル分解能を変化させるために前記電気可変反射率材料 の反射率を電気的に制御するための手段（11）とを具備することを特徴とする請 求項１記載のフィルタ。 ３．前記調整手段が、ピエゾ電気アクチュエータ（３，４）および前記アクチュ エータに印加される電圧を制御する手段（５）を具備することを特徴とする請求 項２記載のフィルタ。 ４．前記電気可変反射率材料が酸化バナジウムであることを特徴とする請求項２ 記載のフィルタ。 ５．前記第１および第２の表面に対向する前記窓の表面上の反射防止被覆（６） によって特徴付けられる請求項２記載の フィルタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電磁放射を少なくとも部分的に透過させる１対の窓（１，２）と、 前記窓間の間隔を調整するための調整手段（３，４）とを具備する機敏な可変 スペクトル分解フィルタであり、 前記フィルタのスペクトル分解能を変えるためにフィルタの細かさを変える細 かさ変更手段（８，１０）によって特徴付けされるフィルタ。 ２．前記細かさ変更手段が、 前記窓の１つにおける部分的反射をさせる被覆（８）と、 前記部分的反射をさせる被覆（10）に面するもう１つの前記窓の表面における 電気的可変反射率材料と、 前記フィルタのスペクトル分解能を変化させるために前記電気可変反射率材料 の反射率を電気的に制御するための手段（11）とを具備することを特徴とする請 求項１記載のフィルタ。 ３．前記調整手段が、ピエゾ電気アクチュエータ（３，４）および前記アクチュ エータに印加される電圧を制御する手段（５）を具備することを特徴とする請求 項２記載のフィルタ。 ４．前記電気可変反射率材料が酸化バナジウムであることを特徴とする請求項２ 記載のフィルタ。 ５．前記第１および第２の表面に対向する前記窓の表面上の反射防止被覆（６） によって特徴付けられる請求項２記載のフィルタ。