JPH09503899A - 高効率静電モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、組のコンデンサで構成されたロータ（２，３，４，５，６）を包含し、前記コンデンサが、回転軸（３）のまわりで半径方向に配置され且つ絶縁材料（６）内に埋設された金属板（２，２′）で構成され、半分の金属板（２）が高電圧源の陽極に接続されるとともに、他の半分の金属板（２′）が高電圧源の陰極に接続されている静電モータに関しており、この静電モータは、前記金属板（２，２′）が前記回転軸のまわりに不均一な態様で分配されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】 高効率静電モータ 本発明は、非常に高い効率で作動できる静電モータに関する。モータは、自動 車、航空機、船舶、鉄道車両等のすべての種類の乗物を駆動するように多種の分 野で用いることができる。従って、本発明の適用分野は、動力供給が必要とされ るすべての分野に及ぶ。 この型式のモータが作動する原理は、通常の電磁力の特殊の使用に基づく。 エネルギー及び運動量の保存の法則は、関連した力が同等且つ対抗する反作用 を有するあらゆる作用でのニュートンの第３の法則を満足させるような閉システ ムのみに適用される。関連する力が電磁気のローレンツ力の場合のようにこの力 の式における磁気の項の存在のためにニュートンの第３の法則を満足し得ない場 合には、当然開システムが可能であることになる。 一対の相互作用する荷電粒子は、外力の補助なしに自発的に運動を行うことが できなければならないことになる。同様に、高電圧まで充電されたコンデンサは 、自力で動作できなければならない。コンデンサで遂行した多数の経験がこの現 象を実際に証明している。 特に、T.T.Brownに対し１９２８年に登録した英国特許第３００,３１１号は、 この原理を利用する直線 及び円運動モータを開示している。しかしながら、T.T.Brownはこれをコンデン サの分極から単に起こる抗重力作用に帰するとしているのに対し、実際には発生 した力は通常の電磁力間の相互作用の結果に過ぎない。 上記文献に記載したモータの一実施例では、導電板の形状のコンデンサは軸線 のまわりで半径方向に規則正しく且つ均一な態様で配置されている。しかしなが ら、この配置は、発生した力から最大の効果を得ることを可能にするものではな い。コンデンサがBrownにおけるように均一に分配された場合、−，＋，−の順 に充電される３つの連続した板は、略完全に相殺する力を生じさせるのである。 それに加え、Brownのモータでは、ロータの回転速度を調整する手段がない。 本発明の目的は、この電磁気現象を最適に利用するとともに、回転速度を完全 に制御できるモータを明示することにある。 この目的を達成するため、本発明は、組のコンデンサで構成されたロータを包 含し、前記コンデンサが、回転軸のまわりで半径方向に配置され且つ絶縁材料内 に埋設された金属板で構成され、半分の金属板が高電圧源の陽極に接続されると ともに、他の半分の金属板が高電圧源の陰極に接続されている静電モータにおい て、前記金属板が前記回転軸のまわりに不均一な態様で分配されていることを特 徴とする静電モータを提供 している。このようにコンデンサで発生された場によって誘導される総電磁力は 、ゼロではない成分である。用語“不均一”は、多数の半径方向に配置した磁性 板が一定ではない角距離間隔にあるという意味に理解すべきである。 有益的には、ロータは、回転軸の軸線に一致する対称軸線を有するソレノイド で構成されたステータによって囲繞され、前記ソレノイドは可逆電流を伝える。 好ましくは、金属板は対の反対電圧の板として分配されている。 有益な実施例では、金属板は一定の厚さのものであり、各対は略円錐形断面の 絶縁材料の層によって隔離されている。 変形例では、金属板は略円錐形断面のものであり、各対は一定の厚さの絶縁材 料の層によって隔離されている。 本発明は、非限定的な例として本発明の実施例を示す添付図面を参照して以下 に説明されている。 図面において、 図１は本発明のモータのためのロータの概略斜視図である。 図２は本発明によるモータの第１実施例の断面図である。 図３は本発明のモータの第２実施例の断面図である。 図１に関し、絶縁スリーブ４により囲繞された回転 軸３を有する円筒形ロータ１が示されている。絶縁スリーブ４は回転軸３に沿っ て半径方向に延びる複数の金属板２，２′を受ける。半分の板２は高電圧源（図 示しない）の陽極に接続される一方、他の半分の板２′は同高電圧源の陰極に接 続される。高電圧源の陽極に接続される多数の板２は、シリンダの一端部を構成 し且つこのシリンダに固定した陽電荷板を有する導電ディスク５を介して接続さ れている。次に、ディスク５が高電圧源の陽極に接続されている。同じことが、 図１に示すように、端部ディスク５′を介して接続された陰電荷板２′にも当て はまる。板２及び２′は組のコンデンサを生起するように回転軸３のまわりで交 互に配置されている。 高電圧はロータのコンデンサに２つの異なる方法で、すなわちディスク５及び ５′の各々に配置した接点を摺動させることにより、あるいはディスク５及び５ ′の可動金属板とこれらディスクに面して高電圧源に接続した固定金属板とで構 成された２つの火花ギャップを介して、供給されてよい。火花ギャップを形成す る固定及び可動金属板の各々の間の距離は、ロータのコンデンサを充電できるよ うにする短絡を形成するように選択される。 本発明によると、多数の板２及び２′は対として配置されている。陰電荷板２ ′は、一緒にコンデンサを形成する陽電荷板２からよりも、隣接するコンデンサ の陽電荷板２から大きい角距離間隔にある。板は対として不均一な態様で配置さ れ、従って２つの隣接する板間の角距離間隔は一定ではない。コンデンサ組立体 で発生された力からゼロ以外の全成分を得ることを可能にするため、この特徴は 不可欠である。 多数の板２及び２′はまた、問題の作用を強める目的のため、ロータの剛性を 確保するため、そして高電圧供給時におけるコンデンサの絶縁破壊の危険性を低 減させるために、絶縁材料６内に埋設されている。 図２及び図３はモータの２つの異なる実施例を示している。図２の実施例にお いて、板２及び２′は一定の厚さのものであり、断面において円錐形状をなす絶 縁材料の層によって隔離されている。円錐形絶縁層の寸法（“厚さ”）は１つの 対の板と他の対の板とでは異なっている。 図３の実施例において、板２及び２′は断面において円錐形であって、これら 板間の絶縁層は一定の厚さのものである。 一定の厚さの板を取付けたモータ（図２）は、使用する板を商業的に入手可能 であるため製造が非常に簡単であり、モータの製造コストを相当低減できる。対 照的に、円錐形断面の板を取付けたモータ（図３）は、モールド成形又は特殊な 押出し加工をしなければならない板の特殊な形状のため製造がより難しい。それ にもかかわらず、これは良い結果を達成する実施例であ り、選んだ理由である。絶縁材料の層の厚さが一定に保たれ且つ非常に小さいた め、効率は高い。このようなコンデンサで発生された力は、コンデンサの板間の 距離に反比例する関係のため驚くほどのものである。 ロータはまた、電流を送るソレノイドであるステータ７によって囲繞されてお り、このステータの対称軸線はロータの回転軸３の軸線に一致する。ソレノイド ７を付設する目的は、ロータの回転速度を制御することにある。ソレノイド内で の電流の方向に因り、金属板２及び２′において遠心力を受ける電子が付加の力 を受けることとなり、この結果これら電子が電流の方向に因り問題の作用に付加 されたりこの作用から減じられるのである。 ２つの板間で発生された力をおおよそ研究すると、力の推定値を次の式 Ｆ_G＝２Ｎ²ｑ²（Ｕ・Ｖ）Ｒ／（ｃ²Ｒ³） で与えることができ、ここでＮは関係する荷電粒子の数、Ｕは３次元でのイオン の速度、Ｖはイオンに対する電子の速度、及びＲ＝ｒ_i−ｒ_cはコンデンサの各で の電子とイオンとの間の距離である。上記式は、発生した力Ｆ_Gが陰電荷から陽 電荷の方向に指向されることを示している。 上記式から、ロータを加速して適宜の速度を得るためには５０ｋＶを越える高 電圧を組のコンデンサに印加することが必要である。経験により確認されている 理論的研究によると、以下の理由のため、モータが一定の印加電圧で相当の速度 を達成できることが示されている。 すなわち、遠心力とソレノイドから来る付加の力とが時間の関数として作用し て、発生される力の作用に関与する電子の数を増加させ、従ってこの力が時間の 関数として増加する（電子の数が増加すると、イオンの数も増加する）；そして ロータの回転速度が３次元でのイオンの速度Ｕに付加されて、発生される力を 強めるからである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 組のコンデンサで構成されたロータ（２，３，４，５，６）を包含し、前記 コンデンサが、回転軸（３）のまわりで半径方向に配置され且つ絶縁材料（６） 内に埋設された金属板（２，２′）で構成され、半分の金属板（２）が高電圧源 の陽極に接続されるとともに、他の半分の金属板（２′）が高電圧源の陰極に接 続されている静電モータにおいて、前記金属板（２，２′）が前記回転軸のまわ りに不均一な態様で分配されていることを特徴とする静電モータ。 ２ 請求項１記載の静電モータにおいて、ロータ（２，３，４，５，６）が、回 転軸（３）の軸線に一致する対称軸線を有するソレノイドで構成されたステータ （７）によって囲繞され、前記ソレノイド（７）が可逆電流を伝えることを特徴 とする静電モータ。 ３ 請求項１又は２記載の静電モータにおいて、発電機により印加される高電圧 が５０ｋＶよりも大きいことを特徴とする静電モータ。 ４ 請求項１ないし３のいずれか１項に記載の静電モータにおいて、金属板（２ ，２′）が対の反対電圧の板として分配されていることを特徴とする静電モータ 。 ５ 請求項１ないし４のいずれか１項に記載の静電モータにおいて、金属板（２ ，２′）は一定の厚さのものであり、各対は略円錐形断面の絶縁材料（６）の層 によって隔離されていることを特徴とする静電モータ。 ６ 請求項１ないし４のいずれか１項に記載の静電モータにおいて、金属板（２ ，２′）は略円錐形断面のものであり、各対は一定の厚さの絶縁材料（６）の層 によって隔離されていることを特徴とする静電モータ。