JPH09503759A - 抗体のリターゲッティング - Google Patents

抗体のリターゲッティング

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Abstract

(57)【要約】 抗体を、それが正常な環境のもとでは機能特異性をもたない標的に対してリターゲッティングさせる。標的に対する結合特異性及び抗−抗体結合特異性を有する多価結合性物質を利用する。この結合性物質はイムノグロブリン抗原結合性部位を含んで成ってよく、そして「ダイアボディー」であってよい。結合した抗体に依存して、エフェクター機能、例えば補体、ADCC及び免疫ブロッキングのその標的に対する作用が補強される。in vivo及びin vitro用途、例えば腫瘍細胞の溶解及び赤血球の凝集を例示する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗体のリターゲッティング 本発明は、正常な環境のもとではそれに対する機能特異性を有さない部位又は 抗原に対する抗体のリターゲッティング(retargetting:再標的設定)に関する 。2つの特異性(一方は標的部位に対する特異性、他方は抗体分子の一部に対し て結合できる特異性)を有する抗原特異的結合性物質を採用する方法を述べる。 このようにして、抗原標的に対する特異性を有さない抗体は、この抗原特異的結 合性物質を介してこの抗原に近づけることができる。この原理は、循環系の中の 抗体が、身体内の疾患部位、例えば腫瘍、又はウィルス、細菌もしくは寄生虫感 染部位、又はそれらの組合せに対してリターゲッティングするのに好都合である 。この原理は自己免疫疾患又は過敏反応により代表される不適切な免疫応答を阻 止するのにも適用されうる。リターゲッティングは慣用の二価抗体、例えば化学 的もしくはハイブリドバイブドーマより作られたものにより、又は新規の二価抗 体フラグメント、ダイアボディー(diabodies)(P.Holligerら、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 90 6444-6448,1993及びPCT/GB93/02492)を用いて達成できう る。 抗体は脊椎動物の免疫系の特異的な武装において重要な役割を果たすため、B −リンパ球により作成される。これは莫大な種類の抗原構造に結合するその総合 的な能力に由来し、個々の抗体分子はその同系抗原に対して精密に特異的に結合 可能である。抗体集団のバルクは血液及び間隙流体の中で豊富であることが見い 出されており、マイナーなタイプは腸内腔の如くの粘膜の表層に位置している。 外来生物又は腫瘍細胞に対して結合した抗体は、それを、免疫系の うちの抗体がコードするエフェクター機能による崩壊のための目標にする。崩壊 は補体カスケードによって、又は抗体依存性細胞媒介式細胞障害(ADCC)のいづ れかによって及ぼされうる。ADCCは、例えばマクロファージ、好酸球、K細胞の みならず、好塩基球及びマスト細胞上のそのFcレセプターに対する抗体のFc領域 の結合を通じて媒介される。Fcレセプターとの相互作用は細胞溶解のみならず、 食作用及び免疫浄化も媒介する。Igアイソタイプは、それが補強する(recruiti ng)エフェクター機能のスペクトルにおいて著しく相違し合う。 この免疫系は自然検査を司り、そしてそのホスト、いわゆる「自己抗原」に対 する特異性を有する抗体の産生を阻止するようにバランスをとる。しばしば、こ の系は破綻し、自己免疫疾患の原因となる。自己寛容が、なぜ免疫系が腫瘍及び その他の悪性疾患を破壊しないかの一の理由であり、なぜならこれらの疾患はホ ストの異常に増殖する細胞に由来するからである。 身体の外部で製造した抗体を用い、医療行偽において抗体を利用することが可 能であることが証明された。B−リンパ球の不死化のための技術は、科学及び人 間の健康管理における商業的利用性の分野のためのモノクローナル抗体の製造を 可能にした(Clinical Applications of Monoclonal Antibodies,E.S.Lennox ,Ed.British Medical Bulletin 1984.Churchill-Livingstone)。更に、抗体 の遺伝子及び物理構造の理解は、分子生物学技術の利用、特にファージ・ディス プレー技術の利用を介する免疫系の外部での製造を可能にした(WO 92/01047;WO 92/20791;WO 93/06213;WO 93/11236;WO 93/19172;WO 94/13804)。 構造上最も単純な抗体(IgG)はジスルフィド結合によって相互に連結した4本 のポリペプチド鎖を含んで成る。その軽鎖はカッパー (κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2種類の形態で存在している。各鎖は定常領 域(C)と可変領域(V)とを有する。各鎖は一式のドメインへと一体化してい る。軽鎖は2本のドメインを有し、一方はC−領域(CL)に、そして他方はV− 領域(VL)に相当する。重鎖は4本のドメインを有し、一本はV−領域ドメイン (VH)であり、そして3本はC−領域ドメイン、即ちCH1,CH2及びCH3である 。塩基性IgG抗体はY型である;その2本のアーム(Yの先端;それぞれ「Fab」 領域に属している)は互いと結合し合っているVH及びVLドメインを含む。このV −領域のペアーが抗体同志で異なり合い(アミノ酸配列のバリエーションに基づ く)、且つ一緒になって抗原の認識を司り、そして抗原結合性部位(ABS)を担う 部分である。より詳しくは、各V−領域(重鎖であろうと軽鎖であろうと)は4 つのフレームワーク領域(FR)によって分断された3つの相補性決定領域(CDR) より成る。これらのCDRは可変領域のうちの最も可変的な部分であり、そしてそ れらは重要な結合機能を担う。このCDR領域は組換、突然変異及び選別を包括す る複雑な工程を介して数多くの潜在的な生殖細胞配列から誘導される。 抗原に結合する機能は完全抗体のフラグメントにより司られうることが示され た。例示的な結合性フラグメントは(i)VL,VH,CL及びCH1ドメインより成る Fabフラグメント;(ii)VH及びCH1ドメインより成るFdフラグメント;(iii) 一本鎖抗体のVL及びVHドメインより成るFvフラグメント;(iv)VHドメインより 成るdAbフラグメント(Ward,E.S.ら、Nature 341,544-546(1989));(v) 単離されたCDR領域;(vi)F(ab′)2フラグメント、即ち、2本の連結され たFabフラグメントを含んで成る二価フラグメント(vii)二価の一本鎖Fv二量体 (PCT/US92/09965)、並びに(viii)ダイアボディー、即ち、遺伝子融合により 構築された二価フラグメン ト(P.Holligerら、前掲;WO 94/13804)である。ダイアボディーは以降に更に説 明する。二価フラグメントが本発明に特によく適する。 V−ドメイン(及びV−ドメイン含有フラグメント)は抗原との相互作用のほ とんどを司り、C−ドメインはエフェクター機能を補強する。補強されたエフェ クター機能のタイプはC−ドメインのクラスにより主として支配されている(ア イソタイプ;M. Bruggemannら、J.Exp.Med.166 1351 1987;L.Riechmannら 、Nature 332 323 1988;J.Greenwoodら、Eur.J.Immunol.23 1098-11041993 )、このようにして、病原体と戦うように進化した抗体はその病原体上に結合し 、そしてこのようにして侵略体を破壊することを狙いとする適切な免疫応答を開 始させる。例えば、IgG1(γ1)アイソタイプのC−ドメインは細胞表層におい て補体カスケートを誘引し、溶解をもたらすことにより、又はADCCを介する特定 の食作用細胞及びキラー細胞上にC−ドメインレセプター(Fcレセプター)を結 合させることを通じて細胞を殺すことができうる。他方、IgG4アイソタイプ(γ 4)の抗体は反応を活発にブロッキングするようである。本願において、このブ ロッキングは特定の標的に対して補強されることのできるエフェクター機能と考 えられる。補体及びFcレセプターにとっての結合部位はCH2ドメインに位置し、 種々のアイソタイプのCH2ドメイン間の配列のバリエーションは補体及びFcレセ プターとの相互作用の様々な強さをもたらす。IgEを除くアイソタイプの全ては 、C−ドメインが適正にグリコシル化されていることを要する。 V−領域と一定のC領域アイソタイプとの結合を介して、適切な免疫応答はそ の抗体が抗原に結合したときに誘引されうる。このタイプの免疫応答はこのアイ ソタイプにより支配されるため、人工の 抗体には、腫瘍細胞を破壊する等のように、治療的に利用するため、適当な定常 領域を施してよい(Hale,ら、Lancet ii,1394-1399(1988))。 天然のエフェクター機能の補強を必要とする状況において抗体を利用するなら 、抗体(IgEアイソタイプを除く)はそのタンパク質がグリコシル化されるため に真核細胞の中で製造されねばならない。残念ながら、グリコシル化のタイプ及 び程度は真核細胞のタイプ及び培養条件により変わり(Borys,M.C.ら、Biotec hnology 11,720-725(1993))、そしてこのことは循環系の中でのその寿命を著 しく短くする、及びエフェクター機能の補強に有害な影響を及ぼしてしまう。不 適切にグリコシル化された抗体は免疫原性となりうるという更なる危険性があり 、治療時間を制約する。 適正にグリコシル化された定常領域の必要性から逃げる一の方法は、少なくと も2種類の抗原結合性部位を含んで成る抗体を製造することにある。これらは二 価抗体として知られ、そして様々な方法で製造されうる(Holliger,P.and Win ter G.Current Opinion Biotechnol.4,446-449(1993))。ここでも腫瘍の殺 傷を例として、一の抗原結合性部位は腫瘍マーカーに対して特異的であり、一方 、他方はエフェクター細胞タイプ上にある抗原に対して特異的であってよい。T −細胞の共通レセプターCD3に対する特異性の組込まれた二価抗体は腫瘍の増殖 を阻止する(Titus,J.A.ら、J.Immunol.138,4018-4022(1987))及びリンパ腫 を治療する(BrissinckJ.ら、J.Immunol.174,4019-4026(1991))ことが示され ている。これにより、Fc領域とエフェクター細胞との相互作用は抗原結合性部位 の一つとエフェクターとの直接的な相互作用に置き換えられる。癌胎児性抗原( CEA;ヒト腫瘍細胞マーカー)及びCD16(ヒトTリンパ球上)に対して特異的な ダイアボディーは、末梢血液リンパ 球の付加に基づくヒト腫瘍細胞の溶解を媒介することが示されている(WO 94/138 04)。 本出願人は、抗体分子のC−領域とエフェクターとの間での直接的な相互作用 は免疫系の制約された活性化しかもたらさないこと、及び一定の標的に対する免 疫応答をはるかに高い程度にまで活性化する(又は事実上封じてしまう)ことが 好都合であろうことを認定した。本出願人は更に、かかる変調は天然の抗体を、 それが必然的に特異性をもっていない部位又は標的に対して特異性を向け直すこ とによって達し得ることを認定した。本出願人は更にこの原理は2以上の特異性 を有する結合性物質の利用を通じて実施することができうることを認定した。数 多くの例の一つは二価抗体であり、これは別の抗体の特異性を含んでいる。腫瘍 細胞及び例えばIgG1定常領域に対する特異性を有する抗体は腫瘍にin situで結 合し、そして循環系の中にあるIgG1抗体を蓄積させ、これによりIgG1特異性エフ ェクター機能が腫瘍部位において奏される。個体の血清中の抗体はその者にとっ て天然であり、それ故補体又はADCCを活性化するうえで機能的であろう。間接的 な補強の原理は、いくつかの主たる理由のため、エフェクター細胞との直接的な 相互作用よりも優れている。 第一に、免疫系における抗体ネットワークの存在についての証拠があり、それ においては天然の抗−抗体の特異性は標的部位に複合化した抗体の上及びまわり の抗体の分岐した塊を構築する(A.S.Perelson Immunol.Rev.110 5-36 1989 ;抗体のネットワークはN.J.Calvanico Dermatol.Clin.11 379-389 1993に 記載されている)。このことは、数個の抗体分子を標的に結合させる作用を増幅 することを担うものと考えられ、これにより弱い特異的結合能がそれとつり合わ ないほどに強いエフェクター応答を誘引しうる。この ことは、エフェクター細胞に対する直接的な結合又は補体の誘引とは対照的であ り、なぜならその状況においては結合能は剰法的ではなく、化学理論量的である からである(最大で一抗原当り一抗体)。 この設定が有利である第二の理由は血清半減期の制御に関係する。適切にグリ コシル化された抗体はかなり信頼できる血清浄化率を有し、その代謝回転率はア イソタイプの違いにより相違する。例えば、IgG1は21日程度の血清半減期を有し 、他方、IgG3及びIgEは1〜2日ほどで代謝回転する。治療効果の期間は投与し た二価抗体、例えばダイアボディーの半減期によって調節されうる。その半減期 は標的とする抗体及び抗原に対する結合親和力(及び反応速度)並びに抗体標的 の血清濃度に依存しがちである。 第三に、この手法は部位特異的免疫抑制において利用できうる。ある種の抗体 、例えばIgG4はエピトープをブロッキングすることによって免疫応答を活発に阻 止する。事実、一部の寄生虫は免疫攻撃から逃れるためにこの特性を発揮するこ とで知られ(A.Gapronら、Mem.Inst.Oswaldo Cru2 87 Suppl.5 1-9 1992) 、それらの抗原は適正な特異性をもつが殺傷を誘導できないC−領域アイソタイ プをもつ抗体の産生を誘導する。この原理は、本発明の範囲において、リウマチ 様関節炎及び筋無力症の如くの自己免疫疾患の緩和等の用途にまで広げることが できる。この場合、二価抗体は標的エピトープ及び例えばIgG4に対する特異性を 有する。しかしながら、患者は、そのイムノグロブリンIgG4がエフェクター機能 を補強する能力についてスクリーニングにかけられる必要がある場合があり、な ぜならこれを成し遂げるためのその能力は個体間で異なるようであるからである (Greenwoodら、前掲)。 第四に、in vivoで、個体の天然のアイソタイプは補強されるた め、個体の及び治療抗体のアロタイプのマッチングについての必要性はない。 当業者にとって、この原理を実用化するための数多くの方法があることが明ら かであろう。例えば、抗体以外の天然又は遺伝子操作にかけた結合性物質を本明 細書記載の多価物質に組込んでよい。その例にはレクチン、Fc−結合性タンパク 質、例えばプロテインA又はプロテインG、レセプター、例えばFcレセプター、 及び補体系由来の成分が挙げられる。小分子、例えばペプチド、核酸、又は天然 、半合成もしくは合成化学品も使用できうる。以上は、治療、診断及び科学研究 において利用するための本明細書記載の多価物質を作り上げるために任意の順序 、回数及び組合せで利用できうる。しかしながら、抗体又はそのフラグメントの 利用が好ましい。特に好ましいのは抗体フラグメント、例えば以下に説明する理 由のため、Fc領域を欠く(Fab)2及びダイアボディーである。また、何らかのこと わりのない限り、本明細書において(そして一般に当業界において)用いられて いる語「抗体」は合成及び天然の両方の抗体フラグメント、即ちイムノグロブリ ン結合性ドメインを含んで成る分子を含むものと理解されるべきである。 好適な態様において、本明細書記載の多価物質は適当な抗体アイソタイプに結 合できる二価抗体である。「ダイアボディー」がこの目的のために極めて好都合 であることがあり、なぜならそれらは簡単に構築でき、そしてE.コリ(E.coli )の中で発現されるからである。適切な結合特異性を有するダイアボディーはラ イブラリー由来のファージディスプレー(WO 94/13804)を用いて容易に選別でき うる。例えばもしダイアボディーの一方のアームをイムノグロブリン軽鎖に対し て特異的な定常的なものとする場合、ライブラリーを作り、他方のアームを可変 的にし、そして適切な特異性の抗体を選 択できる。 抗体をリターゲッティングするためにあらゆるタイプの二価抗体分子を使用す ることができるが、完全抗体よりも(Fab)2、scFv二量体又はダイアボディーを利 用することの方が好ましい。完全抗体におけるFcの存在は非特異的な部位、特に Fcレセプターに対する特異性に由来するin vivoでの複雑さをもたらしうる。ダ イアボディーはFcを使うことなく、可変性ドメインのみを用いて構築でき、この 潜在的な問題は回避される。in vitroにおいて、二価完全抗体とは異なる二価ダ イアボディーの作製の簡単さは、それを選り抜きの抗体とする。 本発明の一の観点は標的に対する抗体媒介式エフェクター機能を補強する方法 を提供し、この方法は抗−抗体結合特異性及び標的に対する結合特異性を有する 多価結合性物質を採用する。これを図1に示す。標的及び抗体に対する多価結合 性物質の結合能は、標的に対する抗体媒介式エフェクター機能を補強する。この 結合性物質は抗体及び標的に結合し、そこでそれは抗体のエフェクター機能を媒 介する。一般に、このエフェクター機能は結合抗体の天然の一機能である(例え ば前述の如く、ADCC、補体固定又はブロッキング)。この抗体は、一体化したエ フェクター機能の補強のための任意のアイソタイプ、例えばIgG1,IgG2,IgG3, IgG4,IgM,IgA,IgD,IgEであってよい。好ましくは、この結合性物質の抗−抗 体結合特異性は、1又は複数種のアイソタイプの抗体の定常領域に対する特異性 である。アイソタイプ特異性の抗−抗体結合特異性の利用は補強するエフェクタ ー機能の選択を可能にする。 ヒトIgG1,IgG3及びIgMは補体の固定化のために極めて有用であり、そしてIgG 1及びIgG3はADCCのために極めて有用である。そして、多価結合性物質はアイソ タイプの定常領域に対する結合特異性を 有するであろう。IgM分子は凝集アッセイにおいて極めて有用である。IgG4は抗 体のブロッキングに最適なアイソタイプであり、なぜならこれは一般に抗体依存 性細胞障害能又は補体を補強しないからである。ある場合においては、毒素応答 を阻止するほどに補体を活性化することのできないアイソタイプを使用すること が有用でありうる。食作用の補強にとって、IgG1は極めて適当でありうる。マス ト細胞はIgE抗体を介して補強されうる。このことは、それが癌細胞を殺傷する のに有用なものとするが、しかしその他の用途は制約されうる(WO 92/11031)。 軽鎖に対する特異性は、補体又はADCCを活性化するもの等の抗体アイソタイプ のスペクトルの補強を可能にする。 抗−イディオタイプ特異性を利用できうる。幅広く見い出されているイディオ タイプに対する特異性、例えば慣用されているDP-47V遺伝子生殖細胞系により供 されうるものに対する特異性を、そのイディオタイプが成熟抗体においても未だ 認識可能である任意の抗体を補強するために用いることができる。特異的な抗体 のイディオタイプに対する特異性は、凝集アッセイにそのイディオタイプを表示 している抗体を用いることによって有用である。例えばダイアボディーを利用す るのに、細胞表層マーカー及び抗体のイディオタイプに特異的なダイアボディー 分子は、一個の細胞をこの抗体に橋渡しするであろう。第二ダイアボディー分子 は、この抗体の上の別の抗原結合性部位及び第二細胞に結合でき、それ故それら を橋渡しするであろう。IgM分子はこれのために特に適し、なぜならそれらは1 分子当り10個の抗原結合性部位を有するからである。 多価結合性物質は二価であってよい。それは二価の抗体又は抗体フラグメント であってよい(前述)。好ましくは、それは「ダイアボディー」、即ち、ポリペ プチドの多量体(例えば二量体)であり 、ここで各ポリペプチドはイムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで 成る第一ドメインと、イムノグロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る 第二ドメインとを有し、その2つのドメインは連結しているが、会合して抗原結 合性部位を形成することはない。この連結は−1から約10個のアミノ酸(例えば 5個)のペプチドリンカーを介しうる。これらのポリペプチドは多量体へと会合 し、ここでは一のポリペプチドの第一ドメインは別のポリペプチドの第二ドメイ ンと会合して抗原結合性部位を形成する。本発明において利用するための「ダイ アボディー」についての更なる情報及び形態の可能性についてはWO 94/13804を 参照のこと。また、scFv二量体も好ましく、それにおいては各ポリペプチドは重 鎖及び軽鎖可変領域結合性領域を含んで成り、それらは分子内会合して抗原結合 性部位を形成でき(ダイアボディーとは反する)、なぜなら各ポリペプチド内の 2つのドメインを連結するペプチドリンカーは十分に長いからである。更に(Fab )2も好ましい。 本発明に係る方法はin vitro又はin vivoで実施してよく、それは抗体媒介式 エフェクター機能の補強が有利又は有利のようである個体の症状の処置の方法で あってよい。個体への投与は任意の標準的な技術を利用してよく、技術の選定及 び投与量の選定、投与の頻度等の基準は当業者に公知である。抗体の投与は例え ばHaleら、Lancet ii,1394-1399(1988),Simmonsら、Circulation,89,596- 603(1994)及びRiethmullerら、Lancet,343,1177-1183(1994)に記載されて いる。 in vitroにおいては、患者から取り出した標的細胞/組織を処置するための抗 体エフェクター機能を補強するのに、多価結合性物質、例えば二価抗体、例えば ダイアボディーを抗体のリターゲッティングにおいて利用できうる。例えば、白 血病を患う患者由来の骨髄 を取り出し、そしてその細胞をex vivoで、腫瘍細胞に特異的なマーカー及びイ ムノグロブリンIgG1定常領域に対して特異的な二価ダイアボディーとIgG1抗体及 び補体とで処理してよい。すると腫瘍細胞は特異的に溶解し、そして残っている 完全細胞を採取し、次いで患者に戻してよい。他方、ADCCを利用してよく、結合 性物質(例えばダイアボディー)をIgG1及びキラー細胞調製物と一緒に骨髄細胞 に加えて腫瘍細胞を溶解させ、次いで残留細胞を患者に戻す。 同様に、例えば補体溶解を利用するなら、エフェクター機能の補強を、血液の 如くのサンプルに存在している腫瘍特異的抗原の如くの特定のマーカーを発現す る多種の細胞の診断アッセイにおいて利用することができる。溶解度は存在して いる細胞数を反映するであろう。抗−IgM結合性物質(例えばダイアボディー) 及びIgMを利用するなら、増強した補体溶解力は、非常に少ない数の細胞表層マ ーカーしか発現しない腫瘍細胞の検出感度を高めるであろう。 エフェクター機能の媒介は本発明を実施する条件に従って行える又は可能であ りうる。例えば、in vitro媒介はエフェクター系の必須成分(例えば補体)を培 地に加えることにより起こりうる。しかしながら、血清中では、例えばin vitro 又はin vivoのいづれにおいても、エフェクター機能の必須成分は全て当初から 存在していることがあり、標的及び抗体に対する多価結合性物質の結合に基づい てエフェクター機能が発揮される。 本発明の更なる観点は標的に対する抗体媒介式エフェクター機能の補強におけ る多価結合性物質の利用を提供し、この結合性物質は抗−抗体結合特異性及び標 的に対する結合特異性を有する。本発明により供される任意の方法においてこの 多価結合性物質を使用できうる。その用途は、抗体媒介式エフェクター機能が有 利又は有利のようである症状の処置等のためのその補強用医薬品の製造でありう る(上記参照)。 開示した多価結合性物質を含んで成る薬理組成物及びかかる組成物の利用も本 発明により提供する。かかる薬理組成物は任意の薬理学的に許容される賦形剤を 含んで成りうる。 本発明の別の観点は、多価(例えば二価)結合性物質、例えば抗−抗体結合特 異性(及び標的に対する結合特異性)を有する「ダイアボディー」(開示の通り )を提供する。かかる多価結合性物質は、抗−抗体結合特異性を有する結合性部 位及び標的に対する結合特異性を有する結合性部位を有し、そしてポリペプチド の多量体を含んで成り、各ポリペプチドはイムノグロブリン重鎖可変領域の結合 性領域を含んで成る第一ドメイン及びイムノグロブリン軽鎖可変領域の結合性領 域を含んで成る第二ドメインを含んで成り、その結合性部位はこの多量体におけ る一のポリペプチドの第一ドメインとこの多量体における別のポリペプチドの第 二ドメインとの会合により形成されている。ダイアボディーにおいて、各ポリペ プチドの第一ドメインはそのポリペプチドの第二ドメインと会合して抗原結合性 部位を形成することができない。かかる多量体を含んで成る組成物、例えば薬理 学的に許容される賦形剤を含みうる薬理組成物も本発明により提供される。この ダイアボディーはポリペプチドダイマーであってよい。 上記に開示した方法及び組成物における用途に加えて、かかる多価結合性物質 は本発明の更なる観点、即ち、一体化したエフェクター機能を伴って又は伴わな いで、特異性のない標的に対して抗体をターゲッティングさせる又は補強する一 般的な方法に有用である。例えば、多価(例えば二価)ダイアボディーを凝集ア ッセイに利用してよい。 多価結合性物質、例えば適当なダイアボディー(例えば二価の) は細胞、細菌又はウィルスの凝集のため、多価相互作用させることを介し、赤血 球の凝集診断アッセイにおいて、例えば血液型を決定するために使用できうる。 抗体分子に対して特異的な一本のアームを有するダイアボディーは、図2に示す 通り、細胞を組合させ合うための様々な方式において利用できうる。 例えば、ダイアボディー又はその他の多価結合性物質であって細胞表層抗原に 特異的な一本のアーム及びIgMに対して特異的な別のアームを有するものを利用 できうる。IgMの多価の性質は、2以上のダイアボディー分子がIgM分子に結合し 、それ故異なる血球を架橋することを意味する。このIgMは追加試薬として加え ることができ、又は試験した血液サンプルの中に存在するIgMを凝集を促進する ために利用することが可能でありうる。 一方のアームは細胞表層抗原に特異的であってよく、そして他方は抗体分子に おいて一般に見い出せるイディオタイプ、例えばDP-47 VH遺伝子(ヒト抗体にお いて一般に利用されている遺伝子セグメント)(Tomlinsonら、J.Mol.Biol.2 27 776-798(1992))の要素に特異的な抗体に対して特異的である。このイディオ タイプをもつIgM分子が極めて有用であろう。 凝集アッセイにおいて利用するためには一方のアームはIgM以外のアイソタイ プに対して特異的であってよいが、このような他の抗体は小さいため、それらは 細胞凝集の効率が低いことがある。 本発明の任意の態様において、この標的は例えば細菌、ウィルス、菌類、原虫 の任意の抗原、又は細胞(癌細胞)の表層上の抗原であってよく、これらの抗原 を表示する標的(例えば細菌、ウィルス、寄生虫又は腫瘍細胞)に対する天然抗 体コード化エフェクター機能の補強を、その抗原に対する結合特異性及び抗−抗 体結合特異性を有する多価結合性物質を介して可能とする。 本発明の更なる観点は当業者に明らかであろう。 以下の実施例は本明細書は開示の原理をどのようにして実施に移すことができ るかを例示する。当業者は本明細書に開示の発明を逸脱することなく改良及び変 更を容易に施すことができうることを理解しているであろう。 本明細書に挙げる文献は全て引用することで本明細書に組入れる。 図1は、IgG1又はIgMの如くの抗体を細胞表層マーカーに向け直させ、補体を 誘引するための二価ダイアボディーの利用を示す。 図2は、血液細胞抗原及び2以上の同一のエピトープを有するIgMの如くの抗 体に対して特異的な二価ダイアボディーを用いる赤血球の凝集を示す。1個のダ イアボディー分子が血液細胞抗原及びIgM分子に結合している。第二ダイアボデ ィー分子がこのIgM分子に結合し、そして第二血液細胞上の抗原に結合し、それ 故血液細胞を架橋及び凝集させている。 実施例1:二価抗−2−フェニルオキサゾール−5−オン、抗−マウスラムダ軽 鎖ダイアボディーの調製及び特性決定 0アミノ酸リンカーを有する2−フェニル−5−オキサゾロン及びマウスの1 軽鎖に対して特異的な二価ダイアボディーをコードするクローンを、ハイブリド ーマNQ11に由来する2−フェニル−5−オキサゾロンに特異的な抗体をコードす るDNA(抗−2−フェニルオキサゾール−5−オン;C. Berekら、Nature 316 412 -418,1985;P.Holligerら前掲)及びマウスのラムダ軽鎖に特異的なハイブリド ーマLS136由来のDNAから、WO 94/13804のexample 1に本質的に記載の方法論を 利用して調製した。マウスのラムダ軽鎖に特異的な二価ダイアボディーは中間段 階として調製した。 LS136はマウス抗体の1軽鎖に特異的なネズミハイブリドーマで ある。これはファージミドベクターpUC119SfiNotmycの中で5残基のリンカーをV H-GGGGS-VLの配向で利用して、ダイアボディーフォーマットでクローニングした 。そのリンカー配列を、プライマー(VkCbaLink5BstEII)及びVKの5′末端を増 幅するのに用いたプライマー4(表1)の中に組込んだ。プライマー4はVKの5 ′末端にSacI制限部位も導入する。BstEIIのための制限部位をプライマーVkCba Link5BstEII及びプライマー4のリンカー配列の5′側に、そして更にVH1-FOR-2 (E.S.Ward,D.Gussow,A.D.Griffiths,P.T.Jones and G.Winter,Nat ure 341,544-546 1989)の3′末端に組込んだ。これは、VH及びリンカー−VL フラグメントが3方向ライゲーション反応において発現ベクターpUC119SfiNotmy cの中にクローニングされるようにする。 RNAをLS136ハイブリドーマ細胞から抽出し、そしてcDNAを調製するのに用いた 。LS136 VH及びVLドメインDNAを、プライマーペアーVH3AbaとVH1FOR-2及びVkCba Link5BstEIIとVK4FOR(T.Clackson,H.R.Hoogenboom,A.D.Griffiths and G .Winter,Nature 352,624-628,1991)のそれぞれを用い、標準の条件を利用し てcDNAからPCRにより増幅させ、そしてVH3AbaSfiとVH1for-2(VH用)及びプラ イマー4(P.Holligerら、前掲)とVK4foNot(VK用)を用いて再増幅させた。V HのPCR反応生成物を制限酵素SfiI及びBstEIIで消化し、そしてVK PCR反応生成 物を制限酵素NotI及びBstEIIで消化した。VH及びVLドメインDNAをSfiI/NotI 消化したpUC119SfiNotmycの中に3:3:1(VH:VL:pUC119SfiNotmyc又はpCan tab6)のモル比で同時にライゲーションし、そして得られるライゲーション混合 物をE.コリTG1細胞を形質転換するのに用いた。VH及びVLドメインDNAもSfiI /NotI消化したpCANTAB6ベクターの中に同じようにしてライゲーションし、そし てE.コリHB2151細胞に形 質転換させた。ベクターpUC119SfiNotmycにおける組換体のためにプライマーLMB 2及びLMB3を、又はベクターpCANTAB6における組換体のためにはLMB3及びfdSeqを 用い、適正サイズのインサートについて組換体をスクリーニングした。L136ダイアボディーの発現 可溶性ダイアボディーはpUC119SfiNotmycクローンを37℃で増殖させることに より発現させた。2mlの2YT/0.1%のグルコース/100μgml-1のアンピシリン 中の対数増殖期の細胞を、IPTGを1mMのIPTGの最終濃度にまで加えることにより 誘導し、そして22℃で3時間増殖させた。その細胞を遠心し(1000gで10分)、 そして細胞ペレットを100μlの氷冷PBS/1mMのEDTAの中に再懸濁し、そして氷 の上に60分放置した。その細胞懸濁物を遠心し(1000gで10分)、そしてダイア ボディー含有上清液を下記のELISAに用いた。 50μlのペリプラズマ上清液及び50μlの3%のBSA/PBSを、マウスIgMλ又は マウスIgG2aλ(両方ともSigmaから)(PBS中10μgml-1)でコートされ、3% のBSA/PBSでブロッキングされたELISAウェルに加えた。標準のELISAプロトコー ルを(H.R.Hoogenboomら、Nucl.Acids Res.19,4133-4137 1991)、モノクロ ーナル抗体9E10、並びに西洋ワサビペルオキシダーゼのコンジュゲートされた抗 マウスIgG(IgMλ用)、ビオチニル化抗マウスκ鎖、及びペルオキシダーゼ−ビ オチン−ストレプトアビジン複合体(両方ともAmersham)(IgG2aλ1用)によ るmyc−タグの検出を利用して行った。10分後のELISA測定値は1.0より高かった 。二価ダイアボディー LS136/NQ11/5及び二価ダイアボディーLS136/NQ11/0 の構築 2種類の抗体特異性体LS136(抗−マウスλ抗体軽鎖)及びNQ11(抗−phOx) を、そのVH及びVLを5アミノ酸リンカ−VH-GGGGS-VLに よって、又はOリンカーで直接VH−−VLの配向においてファージミドpUC119SfiN otmycの中で融合させることによって二価ダイアボディーフォーマットに組立て た。このリンカー配列は、VKの5′末端を増幅するのに用いるプライマー4及び 3(表1)の中に、並びにVHの3′末端を増幅するのに用いるプライマー7及び 6(表1)の中に組込んだ。BstEIIの制限部位をプライマー3のリンカー配列の 5′に組込み、そしてSacIの制限部位をプライマー6のリンカー配列の5′に 組込んだ。これは集成したVH−リンカー及びリンカー−VLフラグメントが3方向 ライゲーション反応において、発現ベクターpUC19LS136/5BstEII/SacIの中 にクローニングされるようにするであろう。二価ダイアボディーLS136/NQ11/5(5アミノ酸リンカー)の構築 鋳型としてfd-DOG-1の中にクローニングしたscFvNQ11を用い、VHNQ11をプライ マー2及び7(表1)で増幅し、VKNQ11をプライマー1及び4で増幅した。VH P CR反応の生成物を制限酵素AscI及びSacIで消化し、そしてVL PCR反応生成物を 制限酵素AscI及びBstEIIで消化した。ダイアボディーLS136/5(上記参照)の ベクターフラグメントをBstEII/SacIで切り、そしてVH及びVLドメインのDNAを 3:3:1(VH:LV:pUC119-LS136/5)のモル比でそれに同時にライゲーショ ンした。得られるライゲーション混合物をE.コリのTG1細胞を形質転換するの に用いた。組換体を、組換体のコロニーのPCR増幅のためのプライマーLMB2及びL MB3を用いて適正サイズのインサートについてスクリーニングした。二価ダイアボディーLS136/NQ11/0(ゼロアミノ酸リンカー)の構築 鋳型としてfdDOG-1にクローニングしたscFvNQ11を用いてVHNQ11 をプライマー2及び6(表1)で増幅し、VKNQ11をプライマー1及び3で増幅し た。VH PCR反応生成物を制限酵素AscI及びSacIで消化し、そしてVL PCR反応生 成物を制限酵素AscI及びBstE IIで消化した。ダイアボディーLS136/5(前述 参照)のベクターフラグメントをBstEII/SacIで切り、そしてVH及びVLドメイン のDNAを3:3:1(VH:VL:pUC119-LS136/5)のモル比でそれに同時にライ ゲーションした。得られるライゲーション混合物をE.コリTG1細胞を形質転換 するために用いた。組換体を、組換体のコロニーのPCR増幅のためのプライマーL MB2及びLMB3を用いて適正サイズのインサートについてスクリーニングした。二価ダイアボディーLS136/NQ11/5及び二価ダイアボディーLS136/NQ11/0の 発現 可溶性ダイアボディーを37℃での増殖により発現させた。2mlの2YT/0.1% のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数増殖期の細胞を、IPTGを1m MのIPTG最終濃度となるまで加え、そして22℃で3時間増殖させることによって 誘導した。その細胞を遠心し(1000gで10分)、そしてその細胞ペレットを100 μlの氷冷PBS/1mMのEDTAの中に再懸濁し、そして氷の上に60分放置した。その 細胞懸濁物を遠心し(1000gで10分)、そしてダイアボディー含有上清液をλ軽 鎖については上記の通り、又はphOxについてはWO 94/13804のexample 1に記載 の通りにしてELISAに用いた。1.0より大きいELISAシグナルが10min後に得られた 。 実施例2:二価抗−ニワトリの卵のリゾチーム、抗−マウスラムダ軽鎖ダイアボ ディーの調製及び特性決定、並びに補体溶解の実例 ニワトリの卵のリゾチーム(HEL)及びマウスのλ軽鎖に対して特異的な二価ダ イアボディーと5及び0アミノ酸リンカーとをコードするクローンを、抗−HEL 抗体 HyHEL10由来のV遺伝子(T.B.La voie,W.B.Drohan and S.J.Smith-Gill J.Immunol.148 503-513 1992;Sa ndra Smith-Gillの贈呈品)から誘導したニワトリの卵のリゾチーム(HEL)に対す る一本鎖Fv抗体フラグメントをコードするDNA及びマウスのラムダ軽鎖に特異的 なハイブリドーマLS136由来のDNAから、実施例1及びP.Holligerら(1993前掲 )に本質的に記載の方法論を利用して調製した。実施例1に本質的に記載のマウ スラムダ軽鎖に特異的な二価ダイアボディーを中間段階として利用した。 このダイアボディーのVH及びVLドメインをコードするDNAをWO 94/13804のexam ple 1にまさに記載の通りにして調製し、そして消化した。VH及びVLドメインDN AをSfiI/Not消化したpCANTAB5-E(Pharmacia)の中に3:3:1のモル比で同時 にライゲーションし、そして得られるライゲーション混合物をE.コリHB2151細 胞に形質転換するのに用いた。組換体をプライマーfdSeq及びLMB3を用いて適正 サイズのインサートについてスクリーニングした。L136ダイアボディーの発現 可溶性ダイアボディーを37℃で増殖させることにより発現させた。2mlの2YT /0.1%のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数増殖期の細胞を、IP TGを1mMのIPTGの最終濃度にまで加えることにより誘導し、そして22℃で3時間 増殖させた。その細胞を遠心し(1000gで10分)、そして細胞ペレットを100μ lの氷冷PBS/1mMのEDTAの中に再懸濁し、そして氷の上に60分放置した。その細 胞懸濁物を遠心し(1000gで10分)、そしてダイアボディー含有上清液を下記の ELISAに用いた。 50μlのペリプラズマ上清液及び50μlの3%のBSA/PBSを、マウスIgMλ又は マウスIgG2aλ(両方ともSigmaから)(PBS中10μgml-1)でコートされ、3% のBSA/PBSでブロッキングされたEL ISAウェルに加えた。標準のELISAプロトコールを(H.R.Hoogenboomら、Nucl.A cids Res.19,4133-4137 1991)、HRPにコンジュゲートしたモノクローナル抗− Eダク抗体によるE−ダク検出を利用した。10分後のELISA測定値は1.0より高か った。二価ダイアボディーLS136/NyHEL10/5及び二価ダイアボディーLS136/NyHEL10 /0の構築 2種類の抗体特異性体LS136(抗−マウスλ抗体軽鎖)及びNyHEL10(抗−リゾ チーム)を、そのVH及びVLドメインを5アミノ酸リンカーVH-GGGGS-VLによって、 又はOリンカーで直接VH−−VLの配向においてファージミドベクターpCANTAB5-E (Pharmacia)の中で融合させることによって二価ダイアボディーフォーマットに 組立てた。このリンカー配列は、VKの5′末端を増幅するのに用いるプライマー 4及び3(表1)の中に、並びにVHの3′末端を増幅するのに用いるプライマー 7及び6(表1)の中に組込んだ。BstEIIの制限部位をプライマ13及び4のリ ンカー配列の5′に組込み、そしてSacIの制限部位をプライマー6及び7のリ ンカー配列の5′に組込んだ。これは集成したVH−リンカー及びリンカー−VLフ ラグメントが3方向ライゲーション反応において、発現ベクターpCANTAB5-E LS1 36/5BstEII/SacIの中にクローニングされるようにするであろう。二価ダイアボディーLS136/NyHEL10/5(5アミノ酸リンカー)の構築 鋳型としてpUC119の中にクローニングしたscFvHEL10を用い、VHHyHEL10をプラ イマー2及び7(表1)で増幅し、VkHyHEL10をプライマー1及び4で増幅した 。VH PCR反応の生成物を制限酵素AscI及びSacIで消化し、そしてVL PCR反応生 成物を制限酵素AscI及びBstE IIで消化した。ダイアボディーLS136/5(上記 参照)の ベクターフラグメントをBstEII/SacIで切り、そしてVH及びVLドメインのDNAを 3:3:1(VH:LV:pCANTAB5-E LS136/5)のモル比でそれに同時にライゲー ションした。得られるライゲーション混合物をE.コリHB2151細胞を形質転換す るのに用いた。組換体を、組換体のコロニーのPCR増幅のためのプライマーfdSeq 及びLMB3を用いて適正サイズのインサートについてスクリーニングした。二価ダイアボディーLS136/HyHEL10/0(ゼロアミノ酸リンカー)の構築 鋳型としてpUC1119にクローニングしたscFvHyHEL10を用いてVHHyHEL10をプラ イマー2及び6(表1)で増幅し、VkHyHEL10をプライマー1及び3で増幅した 。VH PCR反応生成物を制限酵素AscI及びSacIで消化し、そしてVL PCR反応生成 物を制限酵素AscI及びBstEIIで消化した。ダイアボディーLS136/5(前述参照 )のベクターフラグメントをBstEII/SacIで切り、そしてVH及びVLドメインのDN Aを3:3:1(VH:VL:ppCANTAB5-E-LS136/5)のモル比でそれに同時にライ ゲーションした。得られるライゲーション混合物をE.コリHB2151細胞を形質転 換するために用いた。組換体を、組換体のコロニーのPCR増幅のためのプライマ ーfdSeq及びLMB3を用いて適正サイズのインサートについてスクリーニングした 。二価ダイアボディーLS136/HyHEL10/5及び二価ダイアボディーLS136/HyHEL10 /0の発現 可溶性ダイアボディーを37℃での増殖により発現させた。2mlの2YT/0.1% のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数増殖期の細胞を、IPTGを1m MのIPTG最終濃度となるまで加えることによって誘導し、そして22℃で3時間増 殖させた。その細胞を遠心し(1000gで10分)、そしてその細胞ペレットを100 μlの氷冷PBS/1mMのEDTAの中に再懸濁し、そして氷の上に60分放置した。その 細胞懸濁物を遠心し(1000gで10分)、そしてダイアボディー含有上清液をλ軽 鎖については上記の通り、又はニワトリの卵のリゾチームについてはP.Hollige rら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 906444-6448)に記載の通りにしてELISAに用い た。1.0より大きいELISAシグナルが10min後に得られた。精製及び補体溶解アッセイのためのLS136/NyHEL10/5ダイアボディーの発現 可溶性ダイアボディーを37℃での増殖により発現させた。2mlの2YT/0.1% のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数増殖期の細胞をIPTGを1mM のIPTG濃度にまで加えることにより誘導し、そして22℃で24時間増殖させた。そ の細胞を遠心し(1000gで10分)、そして細胞ペレットを再懸濁し、次いで上清 液を0.16μmのフィルターで濾過し、そして交流濾過(フィルターのカッオフ値 10KD)により濃縮した。その濃縮物をHEL-Sepharoseアフィニティーカラムで精 製した。そのカラムを10カラム容量のPBS,5カラム容量の0.5MのNaCl/0.1mM のトリス、pH8.5で洗い、そしてタンパク質を100mMのトリエチルアミンにより氷 冷の1MのトリスpH7.5の中に溶出させ、そしてPBS/0.2mMのEDTAに対して徹底 的に透析した。補体溶解アッセイ LS136/NyHEL10/5ダイアボディーが抗体をリターゲッティングする能力及び そのエフェクター機能を、補体溶解アッセイを利用して決定した。リゾチームコートした赤血球の調製 ヒト赤血球(RBC)をこの技術に利用した。赤血球からバッフィーコートを取り 除いて廃棄したら、それらを洗い、遠心し、そしてPBSで4回再懸した(その際 、名時上清液を廃棄した)。この洗浄段 階の前に別の血液集団の細胞が混ざり合わないことが重要である。この最終洗浄 及び遠心の後、充密となったRBCにタンパク質を、RBCとコート用タンパク質溶液 (PBS中の10mg/mlのリゾチーム)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ ロピル)カルボジイミド(EDAC;PBS中100mg/ml)とを1:4:1(v/v)の 比で混合することによって、コートした。この混合物を回転式プラットホーム上 で4℃で1.5時間回転させ、その後RBCを遠心し、そして上清液を取り除いて廃棄 した。次に、その細胞を約10mlのPBSの中で5回洗い(更なる溶血がなくなるま で)、次いですぐに利用できるように最終容量10mlのPBSの中に再懸濁した。補体溶解アッセイ 10mg/mlのHELでコートした赤血球を補体固定用希釈液(Oxoid,Basingstoke )で3回洗い、そして1%の懸濁物50μlを96穴マイクロタイタープレートのウ ェルに加えた。精製したダイアボディーLS136/NyHEL10/5(1mg/ml〜10ng/ ml;50μl)希釈物を加え、そして室温で20分インキュベートした。その細胞を 2000rpmで5分遠心し、そして上清液を廃棄した。その細胞を、このアッセイに おける抗原(ミエローマMOPC 104E)に特異的でないラムダ軽鎖(IgMλ)をもつイ ムノグロブリン希釈物の中に再懸濁し、そして室温で20分インキュベーションし た。その細胞を再び2000rpmで5分の遠心によりペレット化し、そしてその上清 液を廃棄した。ここで細胞ペレットを補体固定用希釈液で1回洗い、そしてその 細胞を再びペレットにし、そして1/20に希釈したギニアピッグ補体(ギニアピ ッグ血清から、赤血球の凝血を経て調製)に再懸濁し、そして37℃で30分インキ ュベートした。細胞塊を4000rpmで5分の遠心によりペレット化し、そしてその 上清液を別のマイクロタイタープレートに移し、そして405nmの吸収を測定した 。 溶解度はLS136/HYHEL10/5ダイアボディー及びミエローマMOPC 1O4E IgMλ の両方の希釈率に比例することが見い出された。50μg/mlのIgMλと10ng/ml のダイアボディーとの組合せは、HELコート化赤血球の50%の最大溶解をもたら すことが見い出された。非コート化もしくはphOx-BSAコート化赤血球を用いたと き、又はダイアボディーもしくはIgMλのいづれかを省いたとき、溶解は認めら れなかった(バックグランド溶解を除き)。 似たような結果が、再標的IgG2aλに対するダイアボディー及び全血由来の抗 体の能力を補体溶解アッセイを利用して決定したときに得られた。50ng/mlのLS 136/HyHEL10/5ダイアボディー及びこのアッセイにおける抗原(ミエローマHO PC−1)(100μg/ml)に対して特異的でないラムダ軽鎖を有するイムノグロ ブリンIgG2a(IgG2aλ)を利用して同じ標準アッセイを行った。ダイアボディーは この場合、効率的な補体誘導式溶血を誘導することが認められた。 補体アッセイを、単に抗原コート化赤血球、ダイアボディー及びIgMλを、補 体固定用希釈液の中で1/5に希釈した150μlの容量のギニアピッグ補体と混 合することによっても行った。ここでも効率的な溶血が、37℃で30分のインキュ ベーション後に観察された。ダイアボディー抜きで設定したこのアッセイは若干 のバックグランド溶血をもたらした。 従って我々は、このダイアボディーは、細胞表層上に抗原を有する抗体に対し て、その抗原に特異的でない抗体の抗体エフェクター機能をリターゲッティング させるのに有効であると考えた。 実施例3:抗−CEA、抗−マウスラムダ軽鎖ダイアボディーの調製及び特性決定 、並びに腫瘍細胞の補体媒介式溶解の実例 癌胎児抗原(CEA)及びマウスのλ軽鎖に対して特異的な二価ダイ アボディーと5アミノ酸リンカーとをコードするクローンを、腫瘍特異性抗原の 癌胎児抗原(CEA)に結合するネズミ抗−CEA 抗体MFE23に由来する可変領域をコ ードするDNA及びマウスのラムダ軽鎖に特異的なハイブリドーマLS136由来のDNA から、実施例1及びP.Holligerら(1993前掲)に本質的に記載の方法論を利用 して調製した。実施例1及び2に記載のマウスラムダ軽鎖に特異的な二価ダイア ボディーを構築の中間段階として利用した。二価ダイアボディーLS136/MFE23/5の構築 2種類の抗体特異性体LS136(抗−マウスλ抗体軽鎖)及びMFE23(抗−CEA)を、 そのVH及びVLドメインを5アミノ酸リンカーVH-GGGGS-VLによって、ベクターpCA NTAB5-E(Pharmacia)の中で融合させることによって二価ダイアボディーフォーマ ットに組立てた。このリンカー配列は、VKの5′末端を増幅するのに用いるプラ イマー4の中に、及びVHの3′末端を増幅するのに用いるプライマー7の中に組 込んだ。BstEIIの制限部位をプライマー4のリンカー配列の5′に組込み、そし てSacIの制限部位をプライマー7のリンカー配列の5′に組込んだ。これは集 成したVH−リンカー及びリンカー−VLフラグメントが3方向ライゲーション反応 において、発現ベクターpCANTAB5-E LS136/5BstEII/SacIの中にクローニン グされるようにするであろう。 PCT/GB93/02492に記載のMFE23抗CEA scFvクローンをまずVLドメインの中の内 在BstEII部位を除くためにオリゴヌクレオチドCEA23−BstE(表1)及びSculpto rキット(Amersham International)を用いるin vitro突然変異誘発によって突 然変異させた。鋳型として突然変異させてMFE23抗−CEA scFvを用い、5アミノ 酸リンカーダイアボディーLS136/MFE23/5のために、VHMFE23をプライマー2 及び7(表1)で増幅させ、そしてVKMF23をプライマー1及び4 で増幅させた。VH PCR反応の生成物を制限酵素AscI及びSacIで消化し、そして VL PCR反応生成物を制限酵素AscI及びBstEIIで消化した。ダイアボディーLS136 /5(上記参照)をコードするベクターpCANTAB-5E DNAをBstEII/SacIで切り、 そしてVH及びVLドメインのDNAを3:3:1(VH:LV:pCANTAB5-E LS136/5) のモル比でそれに同時にライゲーションした。得られるライゲーション混合物を E.コリHB2151細胞を形質転換するのに用いた。組換体を、組換体のコロニーの PCR増幅のためのプライマーfdSeq及びLMB3を用いて適正サイズのインサートにつ いてスクリーニングした。このダイアボディーをコードするSfiI-NotIフラグメ ントを発現のためにベクターpUC119 SfiNot-hismycの中にサブクローニングした 。二価ダイアボディーLS136/MFE23/5の発現 可溶性ダイアボディーを37℃での増殖により発現させた。2mlの2YT/0.1% のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数増殖期の細胞を、IPTGを1m MのIPTG最終濃度となるまで加えることによって誘導し、そして22℃で3時間増 殖させた。その細胞を遠心し(1000gで10分)、そしてその細胞ペレットを100 μlの氷冷PBS/1mMのEDTAの中に再懸濁し、そして氷の上に60分放置した。その 細胞懸濁物を遠心し(1000gで10分)、そしてダイアボディー含有上清液をλ軽 鎖については実施例1及び2に記載の通り、又はCEAについてはA.D.Griffiths ら(EMBO J.12 725-734,1993)に記載の通りにしてELISAに用いた。1.0より大 きいELISAシグナルが10min後に得られた。精製及び補体溶解アッセイのためのLS136/MFE23/5ダイアボディーの発現 可溶性ダイアボディーを37℃での増殖により発現させた。2mlの2YT/0.1% のグルコース/100μgml-1のアンピシリン中の対数 増殖期の細胞をIPTGを1mMのIPTG濃度にまで加えることにより誘導し、そして22 ℃で24時間増殖させた。その細胞を遠心し(1000gで10分)、そして細胞ペレッ トを再懸濁し、次いで上清液を0.16μmのフィルターで濾過し、そして交流濾過 (フィルターのカッオフ値10KD)により濃縮した。その濃縮物をニッケル−NTA アガロースゲル(Qiagen cat.no.30210)を用いる固定化金属アフィニティーク ロマトグラフィー(IMAC)により、その製造者の仕様書に従って精製し、そして PBS/EDTAに対して徹底的に透析した。補完溶解アッセイ LS136/MFE23/5ダイアボディーが抗体を再標的とする能力及びそのエフェク ター機能をクロム(51Cr)放出を利用する補完溶解アッセイを利用して決定した 。 2×106のLS 174T標的細胞(ATCC CL 188、米国特許第 4,288,236号)を脱着 させた後、10%の胎児牛血清を含むRPMI 1640培地で洗った。細胞の遠心後、そ のペレットを51Cr(200μCi)で37℃で1時間ラベルした。RPMI 1640培地で2回洗 った後、その標的細胞(アッセイ当り5000細胞)を培養ウェルに小分けした。 精製したダイアボディーLS136/MFE23/5(1mg/ml〜10ng/ml;50μl)希 釈物を加え、そして室温で20分インキュベートした。その細胞を2000rpmで5分 遠心し、そして上清液を廃棄した。その細胞を、このアッセイにおける抗原(ミ エローマMOPC 104E)に特異的でないラムダ軽鎖(IgMλ)を有するイムノグロブリ ンIgM希釈物の中に再懸濁し、そして室温で20分インキュベーションした。 その細胞を再び2000rpmで5分の遠心によりペレット化し、そしてその上清液を 廃棄した。ここで細胞ペレットを補体固定用希釈液で1回洗い、そしてその細胞 を再びペレットにし、そして1/20に希釈したギニアピッグ補体(ギニアピッグ 血清から、赤血球の凝血を 経て調製)に再懸濁し、そして37℃で30分インキュベートした。細胞塊を4000rp mで5分の遠心によりペレット化し、そしてその上清液を別のマイクロタイター プレートに移した。その細胞を遠心し、そして上清液の半分(100μl)を集め、 そしてクロム放出をガンマーカウンターで決定した。サンプリングはトリプリケ ートで行い、そして比溶解率は以下の通りに計算した: 100×(平均サンプル放出量−自発放出量)/(最大放出量−自発放出量) 自発放出量はアッセイ培地のみの中の標的細胞から測定し、そして最大放出量 はIMのHCl中の対応の数の標的細胞の溶解後に測定した。 溶解度はLS136/MFE23/5ダイアボディー及びミエローマMOPC 104E IgMλの 両方の希釈率に比例する(titrate)することがわかった。ダイアボディーもしく はIgMλのいづれを省いても、又は腫瘍細胞の代わりにphOx-BSAコート化赤血球 コントロールを用いても、溶解は認められなかった(バックグランド溶解を除き )。 実施例4:CEA及びマウスラムダ軽鎖に特異的なダイアボディーによって誘導さ れた抗体依存性細胞媒介式細胞障害による腫瘍細胞の溶解 ADCCは抗体Fc領域のFcレセプターへの結合によってもたらされる天然抗体がコ ードするエフェクター機能である。抗体によりコートされた細胞は一連の単核細 胞による溶解を介して殺傷される。 単核細胞をFicoll勾配によりBalb/cマウスの脾臓から単離し、そしてRPMI( Russel Park Memorial Institute)/10%の胎児牛血清(FCS)の中で、マイトジ ェン抗−CD3抗体により予備処理した組織培養フラスコ(例えばPBS中の50μg /mlの2C11で24時間予備処理し、そして未結合抗体を除去するためにPBSで4回 洗浄)におい て37℃で3日間増殖させた。次いでそれらを未処理のフラスコに移し、RPMI/5 %のFCS及び10単位/mlの組換インターロイキン2(IL−2)の中で37℃で3〜 7日間繁殖させた。 2×106のLS 174T標的細胞(ATCC CL 188、米国特許第4,288,236号)を脱着後 回収し、そして10%の胎児牛血清を含むRPMI 1640培地で洗った。細胞の遠心後 、そのペレットを51Cr(200μCi)で37℃で1時間ラベルした。RPMI 1640培地で2 回洗った後、標的細胞(アッセイ当り5000細胞)を培養ウェルに小分けした。 精製したダイアボディーLS136/MFE23/5の希釈物(1mg/mlから10ng/ml; 50μl)を加え、そして室温で20分インキュベートした。その細胞を2000rpmで 5分の遠心によりペレット化し、そして上清液を廃棄した。細胞をこのアッセイ における抗原(Myeloma3C52′CL)に対して特異的でないラムダ軽鎖を有するイ ムノグロブリンIgG1(IgG1λ)(抗−4−ヒドロキシ−3−フェニルアセチル(N IP))の希釈物の中に再懸濁し、そして室温で20分インキュベートした。その細 胞を再び2000rpmで5分の遠心によりペレットにし、そして上清液を廃棄した。 K−細胞を洗ってIL−2を除去し、次いで50:1〜10:1のエフェクター:標 的(K−細胞:LS 174T)の比となるように加え、そして37℃で4hインキュベー トした。その細胞を遠心し、そして上清液の半分(100μl)を集め、そしてクロ ム(51Cr)放出をガンマーカウンターで決定した。各サンプリングはトリプリケ ートで行い、そして比溶解率は以下の通りに計算した: 100×(平均サンプル放出量−自発放出量)/(最大放出量−自発放出量) 自発放出量はアッセイ培地のみの中の標的細胞から測定し、そして最大放出量 は1MのHClの中での対応の数の標的細胞の溶解後に 測定した。溶解度はLS136/MFE23/5ダイアボディー及びミエローマ3C52′CL IgG1λの両方の希釈率に比例することが見い出された。ダイアボディーもしくは IgG1λのいづれか抜きでは、又は腫瘍細胞の代わりにphOx-BSAコート化赤血球を 用いると、溶解は認められなかった(バックグランド溶解を除き)。 従って、このダイアボディーは、IgG1λ抗体により誘導されるADCC活性を、こ のダイアボディーの一方のアームが特異的となっている抗原をコードする腫瘍細 胞に向けさせることができる。 実施例5:回転代謝溶解を媒介させるための抗体のin vivoリターゲッティング 二価ダイアボディーLS136/MFE23/5はヌードマウスの異種移植したCEA+アデ ノ癌腫LS174Tの処置に有用である。 ヌードマウスはT細胞を欠き、そして異種外植したヒト腫瘍の増殖を可能にす る。しかしながら、それらは正常なB細胞及び正常な血清Igレベルを有し、そし てそれらは正常なT非依性免疫応答、例えば一定の抗体応答を示す。 in vivo用途のため、ダイアボディーを実施例3に記載の通りに発現及び精製 し、そしてエンドトキシン(LPS)を除くために更にPharmacia Superdex7(商標 )16/60で精製した。 Balb/cヌードマウスに有意義な数のLS174T腫瘍細胞(例えば5000個)を1日 目に注射し(例えばi.v.)、そしてその後リン酸緩衝食塩水(PBS)中の所望 量のダイアボディー(例えば100μg)の一回又は数回のi.v.注射で処置し た。この設定において、血清Igはダイアボディーに対して過剰であり、その結果 Igの大半は一個のダイアボディーにしか複合しないであろう。 別のプロトコールにおいては、複数個のダイアボディーを血清Igの任意の物質 と複合させ、標的抗原に対する高い所望の結合性の利 点を得る。 これは注射前に血清Igとインキュベートしておくことにより達し得る。マウス からの好適な量の血清を取り出した後(例えば100μl;幼若なBalb/cマウス の総血清Igλ濃度は<1mg/mlである)、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の所望量の ダイアボディー(例えば100μg)を加え、in vitroで混合し、そしてその血清 とダイアボディーとをインキュベーションし、ダイアボディーを血清Igに結合さ せ、次いでマウスに再注入する。 二価LS136/MFE23/5ダイアボディーは、総血清Igの<5%を占めるIgをもつ λ軽鎖を標的とする。しかしながら、血清IgλのレベルはT−細胞非依存性応答 を誘引する一定の抗原、例えばデキストランによる感作によって大幅に増強され る。処置法(上記)の効率は、Igλレベルがダイアボディーの投与前に何らかの 方法で増強されている場合、向上しうる。 強化された抗体特異性は標的抗原に対しては特異的でないことにも注目すべき であり、なぜなら免疫は無関係な抗原により行われたものであるからである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年11月9日 【補正内容】 請求の範囲 1.抗原性標的に対する抗体媒介式エフェクター機能を補強するための方法で あって、抗−抗体結合特異性と標的に対する非共有結合特異性とを有する多価結 合性物質を抗体及び前記標的に結合させて、この結合した抗体にそのエフェクタ ー機能を媒介させる方法。 2.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求項1記載の方 法。 3.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項2記載の方法。 4.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る先の請求 項のいづれか1項記載の方法。 5.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項4記載の方法。 6.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項5記載の方法。 7.前記標的がヒト細胞である、先の請求項のいづれか1項記載の方法。 8.抗原標的に対する抗体媒介式エフェクター機能の補強における多価結合性 物質の利用であって、この結合性物質が抗−抗体結合特異性と標的に対する非共 有結合特異性とを有する、前記利用。 9.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求 項8記載の利用。 10.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項9記載の利用。 11.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る請求項8 〜10のいづれか1項記載の利用。 12.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項11記載の利用。 13.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項12記載の利用。 14.前記標的がヒト細胞である、請求項8〜13のいづれか1項記載の方法。 15.多価結合性物質であって、抗−抗体結合特異性を有する結合性部位と抗原 性標的に対する非共有結合特異性を有する結合性部位とを有し、且つポリペプチ ドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドはイムノグロブリン重鎖可変領域の結 合性領域を含んで成る第一ドメインをイムノグロブリン軽鎖可変領域の結合性領 域を含んで成る第二ドメインとを有し、その結合性部位はこの多量体における一 のポリペプチドの第一ドメインとこの多量体における別のポリペプチドの第二ド メインとの会合により形成されるものである、前記多価結合性物質。 16.前記ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメインと 会合して抗原結合性部位を形成することができない、 請求項15記載の方法。 17.抗体をその抗体が結合特異性を有していない標的に対して結合させる方法 であって、請求項15又は16記載の多価結合性物質を抗体及び前記標的に結合させ ることを含んで成る方法。 18.標的に対する抗体媒介式エフェクター機能の補強のための医薬品の製造に おける、抗−抗体結合特異性とこの抗原性標的に対する非共有結合特異性とを有 する多価結合性物質の利用。 19.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求項19記載の利 用。 20.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項19記載の利用。 21.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る請求項18 〜20のいづれか1項記載の利用。 22.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項21記載の利用。 23.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項22記載の利用。 24.前記標的がヒト細胞である、請求項18〜23のいづれか1項記載の利用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9412166.2 (32)優先日 1994年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的に対する抗体媒介式エフェクター機能を補強するための方法であって 、抗−抗体結合特異性と標的に対する結合特異性とを有する多価結合性物質を抗 体及び前記標的に結合させて、この結合した抗体にそのエフェクター機能を媒介 させる方法。 2.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求項1記載の方 法。 3.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項2記載の方法。 4.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る先の請求 項のいづれか1項記載の方法。 5.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項4記載の方法。 6.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項5記載の方法。 7.前記標的がヒト細胞である、先の請求項のいづれか1項記載の方法。 8.標的に対する抗体媒介式エフェクター機能の補強における多価結合性物質 の利用であって、この結合性物質が抗−抗体結合特異性と標的に対する結合特異 性とを有する、前記利用。 9.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求 項8記載の利用。 10.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項9記載の利用。 11.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る請求項8 〜10のいづれか1項記載の利用。 12.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項11記載の利用。 13.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項12記載の利用。 14.前記標的がヒト細胞である、請求項8〜13のいづれか1項記載の方法。 15.多価結合性物質であって、抗−抗体結合特異性を有する結合性部位と標的 に対する結合特異性を有する結合性部位とを有し、且つポリペプチドの多量体を 含んで成り、各ポリペプチドはイムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含 んで成る第一ドメインをイムノグロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成 る第二ドメインとを有し、その結合性部位はこの多量体における一のポリペプチ ドの第一ドメインとこの多量体における別のポリペプチドの第二ドメインとの会 合により形成されるものである、前記多価結合性物質。 16.前記ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメインと 会合して抗原結合性部位を形成することができない、 請求項15記載の方法。 17.抗体をその抗体が結合特異性を有していない標的に対して結合させる方法 であって、請求項15又は16記載の多価結合性物質を抗体及び前記標的に結合させ ることを含んで成る方法。 18.標的に対する抗体媒介式エフェクター機能の補強のための医薬品の製造に おける、抗−抗体結合特異性と標的に対する結合特異性とを有する多価結合性物 質の利用。 19.前記抗−抗体結合特異性がアイソタイプ特異性である、請求項19記載の利 用。 20.前記抗−抗体結合特異性が1又は複数種のアイソタイプの定常領域に対す る特異性である、請求項19記載の利用。 21.前記結合性物質がイムノグロブリン結合性ドメインを含んで成る請求項18 〜20のいづれか1項記載の利用。 22.前記結合性物質がポリペプチドの多量体を含んで成り、各ポリペプチドは イムノグロブリン重鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第一ドメインとイムノ グロブリン軽鎖可変領域の結合性領域を含んで成る第二ドメインとを有し、この 多量体内での第一ドメインと第二ドメインとの会合が抗原結合性部位を形成して いる、請求項21記載の利用。 23.前記各ポリペプチドの第一ドメインが、そのポリペプチドの第二ドメイン と会合して抗原結合性部位を形成することができない、請求項22記載の利用。 24.前記標的がヒト細胞である、請求項18〜23のいづれか1項記載の利用。
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