JPH09500683A - 二価のシアリルルイスxサッカリド - Google Patents

二価のシアリルルイスxサッカリド

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JPH09500683A JP7505381A JP50538195A JPH09500683A JP H09500683 A JPH09500683 A JP H09500683A JP 7505381 A JP7505381 A JP 7505381A JP 50538195 A JP50538195 A JP 50538195A JP H09500683 A JPH09500683 A JP H09500683A
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シー.エー. ガエタ,フェデリコ
エー. デフリース,シャウン
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サイテル コーポレイション
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    • C07H3/06Oligosaccharides, i.e. having three to five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、セレクチンレセプターへの細胞の結合を阻害する2価のルルイスXサッカリド化合物に関する。式(I)の化合物を含んでなる製剤組成物およびそれを製造する方法および使用する方法が、また、開示される。化合物は下記の置換基を有する:Rは2価の単糖類の単位であり、YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択され、R2はC1−C6ヒドロカルビル、フェニルC1−C3アルキレン、およびアリールから成る群より選択され、前記アリールはハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、およびベンジルアミノでさらに置換されることができ、R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、Xはヒドロキシル、アシロキシ、ヒドロキシアシロキシ、ハロおよびアジドであり、Z1およびZ2はフコシルまたはHであり、そしてMはカチオンである。

Description

【発明の詳細な説明】 二価のシアリルルイスXサッカリド技術分野 本発明は、細胞の間の付着を阻害する化合物に関し、さらに詳しくは、このよ うな細胞の付着を阻害する2つのシアリルルイスX(SLex)部分を含有するサッ カリド化合物、それらを含有する組成物およびそれらの化合物を含有する組成物 および製造および使用する方法に関する。背景の技術 脈管の内皮細胞および血小板は、血流の中のある種の細胞、例えば、食作用の 白血球に選択的に結合することによって、ある数の生物学的反応において重要な 役割を演ずる。例えば、内皮細胞は炎症の反応において単球および顆粒球に優先 的に結合した後、血管壁を通して移動しそして取り囲む組織の中に入る。 ある種の炎症のトリガー化合物は脈管の内皮に直接作用して、血管壁への白血 球の付着を促進することが知られている。次いで、細胞は壁を通して動き、そし て損傷または感染の区域の中に入る。 脈管の内皮への細胞間の付着は、また、腫瘍の転移に関係するとと考えられる 。循環する癌細胞は明らかに体の正常の炎症機構を利用し、そして内皮が活性化 された血管壁の区域に結合する。 血小板は、また、同様な反応に関係する。血小板は止血作用の開始間に活性化 されるようになり、そして主要な形態学的、生化学的、および機能的変化(例え ば、急速な顆粒のエキソサイトーシス、または脱顆粒)を行うことが知られてお り、ここ血小板のアルファ 顆粒は外部の原形質膜と融合する。結局、新しい細胞表面のタンパク質が発現さ れようになり、これらのタンパク質は活性化された血小板に新しい機能、例えば 、他の活性化された血小板および他の細胞の両方に結合する能力を付与する。活 性化された血小板は増殖する血栓の中に動員されるか、または血液循環から急速 に除去される。活性化された血小板は、単球および好中球を包含する、食作用の 白血球に結合することが知られている。このプロセスにより仲介されると考えら れる病理学的および他の生物学的プロセスの例は、アテローム性動脈硬化、血液 凝固および炎症を包含する。 最近研究において、内皮細胞および血小板上の特殊化された細胞表面のレセプ ター(それぞれ、内皮白血球付着分子−1(ELAM−1)および顆粒膜タンパク質 −140(GMP-140)と表示する)は内皮および血小板による種々の循環する細胞の 認識に関係することが明らかにされた。例えば、ELAM−1は、多数の炎症反応に おける第1ステップである。内皮の白血球の付着を仲介することが示された。詳 しくは、ELAM−1はヒトの好中球、単球、好酸球、ある種のTリンハ球〔Graber ら、J.Immunol.,145:819(1990)〕、NK細胞、および前骨髄球の細胞系に結 合する。 ELAM−1は脈管内皮細胞上の誘発可能に発現される〔Bevilacquaら、Science ,243 :1160-1165(1989)およびHessionら、Proc.Natl.Acad.Sci.,87:167 3-1677(1990)〕。このレセプターは炎症性サイトカイン、例えば、インターロ イキンIβ(IL−Iβ)および腫瘍壊死因子α(TNF α)、ならびに細菌のエ ンドトキシン(リポ多糖類により誘導されることが証明された〔Bevilacquaら、Proc.Natl.Acad.Sci.,84 :9238-9242(1987)〕。これらの化合物は多形核 白血球(好中球)、および単球の付着を増強する〔Bevilacquaら、Proc.Natl. Acad.Sci.,84 :9238-9242(1987) 〕。 GMP-140(また、PADGEMとして知られている)は血小板および内皮細胞の表面 上に存在し、ここでそれは血小板−白血球および内皮の相互作用を仲介する〔Ge ngら、Nature,343:757-760(1990)〕。こうして、例えば、それらの表面上で GMP-140を発現する活性化された血小板は、単球および好中球〔Jungiら、Blood,67:629-636(1986)〕、およびまた単球様細胞系、例えば、HL60およびU937 〔Jungi ら、Blood,67:629-636(1986):Silversteinら、J.Clin.Invest. ,79: 867-874(1987)〕に結合することが知られている。 GMP-140は、血小板の剌激および顆粒の分泌のとき、活性化された血小板の表 面上で発現される分子量140,000のアルファ顆粒の膜タンパク質である〔Hsu-Lin ら、J.Clin.Chem.,259:6121-9126(1984):Stenberg ら、J.Cell Biol. ,101 :880-886(1985);Bermanら、J.Clin.Invest.,78:130-137(1986) 〕。また、それは巨核球の中に〔Becksteadら、Blood,67:285-293(1986)〕 、および内皮細胞の中に〔McEverら、Blood,70:335a(1987)〕ウェイベル− パレイド(Weibel−Palade)体内で〔Bonfantiら、Blood,73:1109-1112(1989 )〕発見された。Furieら、米国特許第4,783,330号は、GMP-140と反応性のモノ クローナル抗体を記載している。 第3レセプターはリンパ球ホーミングレセプター、MEL-14抗原またはLAM-1で ある〔Gallatinら、Nature,304:30-34(1983);Siegellmanら、Science,243 :1165-1172(1989);Rosen, Cell Biology,1:913-919(1989);およびLask yら、Cell,56:1045-1055(1989)〕。リンパ球ホーミングに加えて、MEL-14抗 原/LAM-1は内皮への好中球の結合において初期に機能すると信じられる。 用語「セレクチン」はレセプターの一般的クラスのために示唆され、それらの レクチン様ドメインおよびそれらの付着機能の選択的特質のために、ELAM−1お よびGMP-140およびMEL-14を包含する。セレクチンのレセプターの構造および機 能は、上のレセプターの各々をエンコードする全長のcDNAのクローニングおよび 発現により説明された〔Bevilacquaら、Science,243:1160-1165(1989),(E LAM−1);Gengら、Nature,343 : 757-760(1990),(GMP-140);およびLas kyら、Cell,56:1045-1055(1989),(MEL-14抗原)〕。 セレクチンの細胞外部分は、従来記載されたタンパク質に対する相同性に基づ いて3つのセグメントに分割することができる。N−末端領域(約120アミノ 酸)は、低い親和性のIgEレセプターCD23を包含するDrickamer,J.Biol.Chem. ,263 :9557-9560(1988)に記載されているようなC−型の哺乳動物レクチンの ファミリーに関係づけられる。ポリペプチドのセグメントが後に続き、これは表 皮の成長因子(EGF)のモチーフを含有するタンパク質に関係づけられる。最後に 、EGFドメインの後に、約60アミノ酸の1または2以上の直列の反復するモチー フが存在し、各々は相補的調節タンパク質のファミリーの中に見出されるものに 関係づけられる。 前述のセレクチンをここでE−,P−およびL−セレクチンと呼び、これらは 、それぞれ、ELAM−1,GMP-140およびMEL-14抗原/LAM-1に相当する。内皮細 胞への白血球の細胞の付着は、E−,P−およびL−セレクチンとそれらのそれ ぞれのレセプターとの相互作用を包含する。〔Paulson,J.C.,“Adhesion,It s role in Inflammatory Disease”,(Harlan,J.;Liu,D.編)W.H.Freem an、ニューヨーク,Chapt.2,p.19(1992);Springerら、Nature,349:196 (1991);Lasky,Science,258:964(1992);K obata ら、“Cell Surface Carbohydrates and Cell Development”,(Fukuda ,M.編),CRC Press、ロンドン、p.1(1992)〕。天然のリガンドは完全に は特性決定されてきていないが、E−およびP−セレクチンのためのリガンドの 部分的化学的構造は四糖類のシアリルルイスX(SLex)を含有するすることが示さ れた〔Phillipsら、Science,250:1130(1990);Walz ら、Science,250:11 32(1990);Lowe ら、Cell,63:475(1990);Polleyら、Proc.Natl.Acad. Sci.USA,88 :6224(1991);Zhou ら、J.Cell.Biol.,88:557(1991); 米国特許第5,079,353号および米国特許第5,296,594号〕が、シアリルルイスA型 の構造体はレセプターのリガンドとしても作用することができる。〔Bergら、Bi ochem.Biophys.Res.Commun.,184 :1048(1992);Bergら、J.Biol.Chem. ,23 :14869(1991);Handaら、Biochem.Biophys.Res.Commum.,181:1223 (1991)〕。シアリルLexグリカルは、また、E−セレクチンへの結合を阻害す ることが示された。」DeFreesら、J.Am.Chem.Soc.115:7549(1993)〕。 L−セレクチンのためのリガンドは、また、シアル酸がサルフェート基と置換 されたSLex型構造を含有することが提案された。〔Yuenら、Biochemistry,31: 9126(1992)〕。出願WO92/22564号は、シアリル基を欠如するが、サルフェート 、ホスフェートまたはカルボキシレートの置換基を欠如する誘導体を越えた、増 強された免疫抑制または寛容原性を提供すると言われている、ルイスXおよびル イスa化合物のサルフェート、ホスフェートまたはカルボキシレートの誘導体を 開示している。 公開国際出願WO91/19501号およびWO91/19502号は、下に示す五量体および六量 体の構造を含有するオリゴ糖類がリガンドを含有する細胞(下)とセレクチンレ セプターを含有する細胞との間の結合を 阻害すること、および五糖類および六糖類がSLexよりもよく阻害したことを開示 されている: および Mulliganら、Nature,364:148(19983)は、P−セレクチンのためのリガン ドであるSLexまたはSLex−ガラクトシドの注入が損傷を減少しそしてコブラ毒液 を注入したラットにおける好中球の蓄積を減少することを示した。米国特許第5, 143,712号はおよび出願WO92/22301号は、非還元性SLexまたはシアリル−LacNAc 基を有するLacNAc線状マルチマーが免疫応答の抑制において有用であることがあ ることを同様にかつ別々に開示している。 天然および合成の両方の遊離のオリゴ糖類は、一般に、多価の相互作用により しばしば克服される欠陥である、レクチンのレセプターへの弱い結合を示す。〔 Kingery-Woodら、Am.Chem.Soc.,114:7303(1992);Weisら、Nature,360: 127(1992);Sabesanら、J.Am.Chem.Soc.,114:8363(1992)〕。モノマー のSLexがE−およびP−セレクチンに弱く結合するという事実〔Nelsonら、J.C lin.Invest.91:1157(1993)〕は、最近の観察〔Moore ら、J.Cell Biol., 118 :445(1992)〕と組み合わせると、推定される糖タンパク質のリガンド上の SLex型構造体のクラスタリングがSLex−セレクチンの相互作用がin vivoでマル チマー的であるという概念を強化することを示唆する。天然のセレクチンリガン ド上のシアリルルイスX構造体はN−またはO−連鎖のオリゴ糖類として存在す ることができ〔Kobataら、“Cell Surface Carbohydratcs and Cell Devclopmen t”,(Fukuda,M.編),CRC Press、ロ ンドン、p.1(1992)〕そしてSLexの多数のコピーは密接な近位で単一のSLex 単位のクラスターとしてまたは多触角状のオリゴ糖の鎮上の多数のSLex構造体と して存在することができる。 後述する本発明は、E−セレクチンレセプターを含有する細胞とE−セレクチ ンリガンド、例えば、活性化された内皮細胞との間の結合を阻害するSLexグリコ トープの2コピーを含有する分岐したオリゴ糖の能力を例示し、そしてN−およ びO−グリカンの中に見出される構造体を模擬することができる、いくつかの2 価のSLexインヒビターを意図する。発明の簡単な要約 本発明は、2価のシアリルルイスX(SLex)サッカリド、ならびにそれを含有 する組成物およびセレクチンレセプター、例えば、E−セレクチンレセプターを それらの表面上に発現する細胞とSLexをそれらの表面上に発現する細胞との間の 付着を阻害するためにこのような化合物を使用する方法を意図する。意図する化 合物は、構造式 により描写することができる構造を有し、式中、 Rは直接に結合した2価の単糖類の単位であり、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザビドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキ シ、アミノ、モノ、C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1−C6アルキルアミノ、ベ ンジルアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノから成る群より選択される 置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである。 好ましい態様において、Rは から成る群より選択される構造を有し、式中、 R1は水素、C1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロカルビル、C1− C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレート、およびω−トリ(C1− C4アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群より選択され るか、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロ カルビルカルバメートを形成する。 特に好ましい態様において、Z1およびZ2はα−L−フコシルである。また、 好ましい態様において、YR2がサッカリド環のアミン基とアミド結合を形成する ように、Yはカルボニル基である。意図する2価のSLex化合物のマルチマーをま た意図する。 SLexをそれらの表面上に発現する細胞がセレクチンに結合するのを阻害するた めに十分な量の2価のSLexサッカリドを含有する組成物を、また、意図する。2 価のSLexサッカリドは、このような組成物の中の製薬上許容される希釈剤の中に 溶解または分散して いる。 また、セレクチンとSLexをそれらの表面上に発現する細胞との間の付着を阻害 する方法を意図する。その方法に従うと、SLexをそれらの表面上に発現する細胞 、セレクチンおよび付着阻害量の前述の2価のSLexサッカリドを水性媒質の中で 混合する。 意図する2価のSLexサッカリドについてのセレクチンとSLexを有する細胞との 間の結合または付着の阻害のIC50は、SLexそれ自体のそれと便利に比較される。 その比較は、固相支持体に結合したタンパク質のアミノ末端の527アミノ酸残基 を含有する組換えE−セレクチンを使用するin vitroのアッセイにおいて、SLex のIC50値/意図する化合物のIC50値の比として便利に表される。この比は意図す る化合物について2より大きい;すなわち、意図する化合物についてのIC50値は SLexについてのそれの1/2より小さい。図面の簡単な説明 この開示の一部分を形成する図面において、 第1図は、組換えの可溶性E−セレクチン被覆プレートへのHL−60細胞の阻害 を例示する。縦座標は陽性の結合した細胞の百分率の単位である。横座標はミリ モル(mM)のインヒビター濃度の単位である。アッセイした化合物は次の通りで あった:化合物23(白抜きの正方形)、化合物22(黒い正方形)、化合物21(白 抜きの三角形)、化合物20(黒い円)および化合物Z(白抜きの正方形)。発明の詳細な説明 A.化合物 本発明が意図する化合物は、通常SLex化合物と呼ぶ2つのグリコシド的に結合 したシアリルルイスX(SLex)部分を含有するサッ カリドまたはその類似体である。意図する化合物は、炎症の間に内皮細胞の表面 上に発現されるE−セレクチン(また、内皮白血球付着分子またはELAM−1と呼 ぶ)と、好中球の表面上で表示されるグリコト−プリガンド構造体、HL−60およ び他の細胞との間の結合を阻害する。 意図する化合物は、下記の式Iの構造を有する: 式中、 Rは直接に結合した2価の単糖類の単位であり、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザヒドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキ シ、アミノ、モノ、C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1 −C6アルキルアミノ、ベンジルアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノ から成る群より選択される置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである。 2価の単糖類のR基は描写する2つのオリゴ糖類の基に直接に結合する。すな わち、単糖類の環または側鎖のサッカリドのヒドロキシル基の2つの酸素原子は 、スペーサーまたは他の結合基の介在なしに、各描写した三糖類または四糖類と グリコシド結合を形成する。 形成したグリコシド結合は、三糖類または四糖類への両者α−およびβ−結合 を意図することを示すために、波形線として示されている。波形線は下の典型的 な構造A−Hおよびここにおけるどこかにおいて同一の意味で使用される。 2価の単糖類は任意のC5−C6の環状糖類であることができるが、好ましくは ヘキソースであり、好ましくはピラノース構造を有する。典型的な2価の単糖類 は、リボース、アラビノース、リキソース、キシロース、グルコース、ガラクト ース、マンノース、フコース、フルクトース、アロース、アルトース、グロース 、イドースおよびタロースを包含する。上の糖類の2−ジオキシ形態、例えば、 2−ジオキシリボース、および2−ジオキシグルコース、ならびに2−ジオキシ −2−C1−C6アシルアミノ、例えば、N−アセ チルグルコサミンおよびN−アセチルガラクトサミンを意図する。 典型的な好ましい単糖類の単位は、下に構造A〜Hで例示する構造であり、2 価のガラクトシル単位は特に好ましい。 1は水素、C1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロカルビル、C1− C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレート、およびω−トリ(C1− C4アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群より選択され るか、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎖状、分技鎖状または環状のヒドロ カルビルカルバメートを形成する。 こうして、R1基はサッカライド環系をもつグリコシドおよび好ましくはβ− グリコシドを形成する。そのグリコシド結合は、簡単な直鎖状、分枝鎖状または 環状のC1−C18ヒドロカルビルアルコールから、ω−ヒドロキシカルボン酸エ ステルから、ω−ヒドロキシル化シリル化アルキル基からか、または単糖類また は二糖類から 形成することができるか、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎮状、分枝鎖状 または環状のヒドロカルビルカルバメートを形成する。C1−C18ヒドロカルビ ル基のうちで、C1−C6ヒドロカルビル基、例えば、メチルまたはエチル基、お よびC1−C6アルキレンアリール基、例えば、ベンジルまたはフェネチルは好ま しい。また、C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートは好ま しい。また、R1は水素であることができる。 簡単な前駆体のアルコール基から形成された典型的なR1基は、C1−C18直鎖 状、分枝鎖状または環状のヒドロカルビル基を包含する。このような基の例は、 C1−C6アルキル基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、s−ブ チル、ペンチルおよびヘキシル、ならびにそれらの不飽和の対抗物、例えば、ア リル、3−ブテニル、2−ブト−3−エニル、およびブト−3−イニル、ならび により長いおよび環状のヒドロカルビル基、例えば、ベンジル、4−メチルシク ロヘキシル、デカヒドロナフチル、ノニル、デシル(カプリル)、ドデシル(ラ ウリル)、ドデク−7−エニル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、オレイ ル、リノレイル、リノレニルおよびリシノレイルは好ましい。環状ヒドロカルビ ル基のうちで、アリールがフェニルまたは1または2−ナフチルである、C1− C6アルキレンアリール基のサブセットは好ましい。このような化合物の例は、 ベンジル、フェネチル、および1−および2−ナフトベンジル〔(C107)CH2 −〕である。 C1−C18ヒドロカルビルカルバメートは、前述のC1−C18ヒドロカルビル基 に相当するイソシアネートを還元性末端の糖のヒドロキシル基と結晶させること によって製造される。例えば、末端のグリコシル単位の1−ヒドロキシル基をエ チルイソシアネートと反応させて、対応するカルバメート(ウレタン)を生成す ることがで きる。カルバメートのカルボニル基は、ヒドロカルビルの炭素原子の数の中に含 めない。 C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートのR1基は、C2− C6ω−カルボン酸のC1−C5アルキルエステルである。このようなエステルは 前駆体のω−ヒドロキシカルボン酸C1−C6エステルから製造され、そのヒドロ キシル基を使用してグリコシド結合を形成する。ω−ヒドロキシカルボキシレー トの例は、メチル2−ヒドロキシアセテート、エチル3−ヒドロキシプロピオネ ート、t−ブチル4−ヒドロキシブチレート、ヘキシル5−ヒドロキシヘンタノ エートおよびメチル6−ヒドロキシヘキサノエートを包含する。こうして、ヒド ロキシルおよびカルボキシル基は鎖の末端に存在し、そして1〜5つのメチレン 基により分離されている。メチル6−ヒドロキシヘキサノエート酸は好ましい。 C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートは、意図する2価 のSLexサッカリドをリポソームの形成におけるようにして他の部分に結合するた めの、ならびにマルチマーの2価のSLexサッカリド化合物を形成するための手段 として使用できるので、特に有用なR1である。こうして、例えば、単一のテト ラマーは、2モルの2価のSLexサッカリド、例えば、化合物1を1モルのC2− C6直鎖状ジ−第一アミン、例えば、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミ ンまたは1,6−ヘキサンジアミンと反応させて、C1−C6エステル基を変位さ せかつそれらを2つの2価のSLexサッカリドを一緒に結合するアミドと置換する ことによって生成することができる。 こうして、理解されるように、意図する2価のSLexサッカリドのマルチマーの 形態がまた考えられ、そして容易に製造される。他の例示において、意図する2 価のSLexサッカリドC1−C6アル キルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートを過剰の上のジ−第一アミンと反 応させると、第一アミン末端の2価のSLexサッカリドが得られ、これをある数の 物質と反応させて2価の分子のマルチマーの形態を得ることができる。 例えば、このような第一アミン末端の分子をトリクロロトリアジンと完全に反 応させると、6SLex単位(2価の分子の3つの基)を含有する分子が得られる。 同様なヘキサ−SLexの結果は、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸クロライド との反応により得られる。このような第一アミン末端の2価のSLexサッカリドを ポリアクリル酸クロライドと反応させると、ポリマーの長さ(2000〜4,000,000 の平均分子量はアルドリッヒ・ケミカル・カンパニーから入手可能である)およ びこのような反応のためのよく知られている反応条件を使用してが得られる反応 度に依存して、平均約1〜約30から約100までの2価のSLexサッカリド基/ポリ マー鎖を得ることができる。同様な結果は、無水マレイン酸を含有するポリマー またはシクロプロピルメチルとの反応により、アミンを使用して無水物を開環し てアミドおよびカルボキシル基形成することによって得ることができる。 また、C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートを使用して 、複数の2価のSLexサッカリドをポリアミン、例えば、ポリエチレンイミン(PE I)、長鎖アルキル置換PEI〔JohnsonおよびKlotz,Macromolecules,7:149(1 974)〕または長鎖アルキル置換第四アンモニウムPEI〔Mirejovsky,J.Org.Ch em.,44 :4881-4886(1979)〕に結合することができる。ここで、典型的には、 アミド−エステル交換反応を使用して、アミン基を2価のSLexサッカリドに結合 する。 ω−トリ(C1−C4アルキル/フェニル)シリルC2−C4ア ルキレンのR1基は、そのトリ置換シリル基がヒドロキシル基と反対の鎖の末端 に存在する、対応する前駆体のアルコールから形成される。この分野においてよ く知られているように、置換シリル基はC1−C4アルキルおよびフェニル基の多 数の組み合わせ、例えば、トリ−C1−C6アルキル、ジ−C1−C4アルキルフェ ニル、C1−C4アルキルジフェニルおよびトリフェニルを含むことができる。そ れ自体、「(C1−C4アルキル/フェニル)」を使用して、アルキルおよびフェ ニル基の任意の組み合わせが存在できることを示す。置換シリル基の例は、トリ メチルシリル、トリフェニルシリル、ジ−t−ブチルメチルシリル、ジメチルフ ェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどである。 カルバメート以外のR1基で形成されるβ−グリコシル結合は、サッカリドお よび他のR1基の両方の前駆体とのよく知られている有機化学反応により、例え ば、炭酸銀(Ag2CO3)または銀トリフレートの存在下の1−ハロサッカライドを 所望のR1基の前駆体アルコールのヒドロキシルとの反応により、ならびにサッ カライドのためのグリコシルトランスフェラーゼを使用するような酵素的手段に より、形成することができる。 典型的な2価の直接結合した単糖類のR基をさらに詳しく説明すると、理解さ れるように、AおよびBのRは分枝鎖状のO−グリカンの中に存在するβ−ガラ クトシドおよびN−アセチルα−ガラクトシドの3,6−結合を有するが、Cお よびDのRは分枝鎖状のN−グリカンの中に存在するα−マンノシドの2,6− および2,4−結合を有する。残りの構造E〜Hはガラクトースに基づく異なる 結合構造を例示する;ガラクトシドは好ましい。式Iに示すSLex型部分とのグリ コシド結合を形成するR A〜Hの中に存在する酸素原子は、構造式Iの上およ び下の部分の中に示されており、開い た原子価は典型的なR構造の中に示されている。 また、立体化学を示すために不必要である炭素原子へ結合したホスゲンは、こ こにおける構造式のいずれにおいても示されていない。 前述したように、Yはある数の基の1つであることができる。YがC(O)で あるとき、R2Yはサッカリドのアミンの窒素原子とアミドが形成するようにアシ ル置換基である。YがSO2であるとき、R2Yはサッカリドのアミンの窒素原子とス ルホンアミドが形成するようにスルホニル置換基である。YがHNC(O)あるとき 、R2Yはサッカリドのアミンの窒素原子と尿素置換基が形成するようにアミノカ ルボニル置換基である。Yがオキシカルボニル、OC(O)、であるとき、サッカ リドのアミン窒素とウレタン置換基が形成されるが、Yがチオカルボニル、SC( O)、であるとき、チオウレタンが形成される。Y基は好ましくはカルボニル基 〔C(O)〕である。 R2置換基として存在するC1−C18脂肪族(アルキル、アルケニルまたはアル キニル)基の例は、直鎖状および分枝鎖状のアルキル、アルケニルおよびアルキ ニル基である。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、 ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デ シル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシルである。アル ケニル基の例は、エチレニル、2−プロピレニル(アリル)、4−ヘキセニルお よび前述の他のモノエチレン系不飽和C2−C18アルキルである。アルキニル基 の例は、アセチレニル、2−プロピレニル、5−ヘキシニルおよび上のC2−C1 8 アルキル基の同様なアルキニル類似体である。 アルケニルまたはアルキニル基であるC1−C18ヒドロカルビルは、二重結合 または三重結合の存在を可能とするC2−C18基でな くてはならない。C1−C6アルキル基は好ましく、メチルは特に好ましい。 R2基は、また、アリールまたは置換アリール基であることができる。意図す るアリール基は、1つの芳香族6員環または2つの融合芳香族6員環を含有する ものであり、そしてヒドロカルビル基、例えば、フェニルおよびナフチル、なら びに環の炭素原子を置換する1または2つの窒素原子を有するヒドロカルビル基 (モノ−またはジアザヒドロカルビル)を包含する。アリール基の例は、ピリジ ル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノイル、キ ノキサリニル、ナフトリジニル、フタラジニルおよびキナゾリニルである。それ らのアリール基の各々は非置換であることができるか、または各々はハロ、トリ フルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、アミノ、モ ノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1−C6アルキルアミノおよびC1−C6アル キルベンジルアミノから成る群より選択される置換基を有することができる。 フェニルC1−C3アルキレン基の例は、ベンジル、フェネチル、および(β− メチル)フェネチルである。 上のアルキル、アルケニル、非置換および置換のアリールR2基はこの分野に おいてよく知られており、そして各々はよく知られている化学を使用してサッカ リドの窒素原子に結合させることができる。したがって、アリールヒドロカルビ ル基、この基の例として、フェニルおよびナフチルについて下に説明するが、理 解されるように、他の列挙したアリールおよび置換アリールR2基を実質的に同 様な化学を使用して利用することができる。 R2がフェニルであるとき、塩化ベンゾイルまたは安息香酸無水物を使用して 好ましいアミド結合を形成することができる。YがSO 2 である場合、ハロゲン化ベンゼンスルホニル、例えば、塩化ベンゼンスルホニ ルを同様に使用することができる。YがOC(O)である場合、フェニルクロロホ ルメートを使用するが、YがSC(O)である場合、フェニルクロロチオホルメー トを使用する。 特別に意図する置換基フェニルR2基は、置換基が環の任意の位置で置換され るものを包含し、メタおよびパラ位が好ましい。モノ置換R2フェニル基はジ置 換基よりも好ましい。 意図するハロ置換基はフルオロ、ブロモおよびヨード基を包含し、p−フルオ ロフェニル、m−クロロフェニル、m−ヨードフェニル、p−ブロモフェニルお よびo−フルオロフェニルは典型的なものである。また、ジハロ置換フェニルR2 基、例えば、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−ク ロロ−4−フルオロフェニルおよび3−ブロモ−4−フルオロフェニルが考えら れる。 R2アリール基の意図するC1−C6アルキル置換基は、前述のものと同一であ る。好ましいR2基の例は、o−,m−およびp−トリル(メチルフェニル)お よびp−t−ブチルフェニル基ならびに3,4−ジメチルフェニルおよび3,5 −ジメチルフェニル基である。 典型的なC1−C6アルコキシ基はC1−C6アルキル基を含有するエーテルであ る。ここにおいてメトキシは好ましい。好ましいR2基の例は、o−,m−およ びp−アニシル(メトキシフェニル)、ならびに3,4−ジメトキシフェニルお よび3,5−ジメトキシフェニルである。 ニトロフェニルR2基は3−または4−ニトロフェニルクロライドを使用する アシル化により容易に製造される。3,4−および3,5−ジニトロベンゾイル クロライドを使用してアシル化すると、 対応する3,4−および3,5−ジニトロフェニルR2基が得られる。3−また は4−トリフルオロメチルベンゾイルクロライドを使用してアミドを形成すると 、同様に3−または4−トリフルオロメチルフェニルR2基が得られる。 置換フェニルR2基は、また、アミノ、モノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ− C1−C6アルキルアミノ、ベンジルアミノまたはC1−C6アルキルベンジルアミ ノ置換基を含有することができ、ここでC1−C6アルキル置換基は前述した通り である。 アミノフェニルR2基は、前述したように、アミド結合の形成後、前述の対応 するニトロフェニルR2基からニトロ基の接触還元により最も容易に製造される 。こうして、例えば、アミド結合を形成するために3−または4−ニトロベンゾ イルクロライドを使用して、パラジウム担持炭素により還元すると、対応する3 −または4−アミノフェニルR2基が形成する。同様に3,4−または3,5− ジニトロベンゾイルクロライドを使用すると、還元後に対応する3,4−または 3,5−ジアミノフェニルが得られる。 いくつかのジ−C1−C6アルキルアミノ安息香酸、例えば、4−ジエチルアミ ノ安息香酸および3−および4−ジメチルアミノ安息香酸は商業的に購入しそし て適当なハロゲン化ベンゾイルまたは無水物を形成してR2を含有するアミドを 生成することができる。残りのジ−C1−C6アルキルアミノ安息香酸および2つ のジアルキルアミノ基を有する化合物は、よく知られているアルキル化技術を使 用して、また、商業的に入手可能な対応するアミノ安息香酸またはジアミノ安息 香酸から製造することができる。 アミノ−C1−C6アルキルアミノR2基は対応するモノ−C1−C6アルキルア ミノベンゾイルハライドから製造することができ、その残りの窒素の原子価は容 易に除去可能なブロッキング基、例 えば、酸で除去できるt−Bocまたは、必要に応じて、パラジウム担持炭素を使 用して、水素化により除去できるベンジル基によりブロックされる。こうして、 N−ベンジル−N−プロピルアミノベンジルクロライドを使用してアシル化を実 施することができ、N−ベンジル基を接触水素化により除去してモノ−C1−C6 アルキルアミノフェニルR2を除去する。もちろん、ベンジル基を必ずしも除去 することは必要ではなく、これによりC1−C6アルキル化ベンジルアミノ基を得 る。 前述のフェニルまたは置換フェニル置換基の各々は、よく知られているアミド 形成反応により製造することができる。典型的な反応は、以後詳細に例示するよ うに、適当なベンゾイルハライドまたは無水物、例えば、p−フルオロベンゾイ ルクロライドまたは安息香酸無水物を、そうでなければ保護されたサッカライド の未保護のアミン基と反応させる。 1−および2−ナフチルR2基の両方が考えられ、2−ナフチルは特に好まし い。これらの化合物は、また、上のような標準のアミド形成技術を使用して、例 えば、塩化ナフトイルを前述したように適当なサッカリドのアミンと反応させる ことによって生成することができる。 同様な置換基はアザ−およびジアザヒドロカルビルアリール基上に存在するこ とを理解すべきである。例えば、3つのプリリジンカルボキシルクロライド、ク イナルド酸クロライド、3−キノリンカルボン酸クロライド、2−キノキサロイ ルクロライドなどの任意のものを利用してアシル化反応を実施することができる 。 同様に、YがSO2である場合、対応するスルホニルハライドを使用する。例え ば、ベンゼンスルホニルクロライド、トルエンスルホニルクロライド、8−キノ リンスルホニルクロライド、1−または 2−ナフタレンスルホニルクロライドなどを利用してスルホンアミドを形成する ことができる。 YがHNC(O)である場合、前述のカルボン酸に相当するイソシアネートは便利 な反応成分である。このような誘導体は酸ハライドからアシルアジドを形成する アジドとの反応により容易に製造することができ、この反応は加熱のときクルチ ウス転位を行ってイソシアネートを生成する。いくつかの意図するイソシアネー ト、例えば、フェニル、エチル、メチル、t−ブチルおよびn−ブチルイソシア ネートは商業的に入手可能である。 YがOC(O)またはSC(O)である場合、ヒドロキシルまたはメルカプト置換 アリールR2基をホスゲンと反応させてクロロホルメートまたはクロロチオホル メートを生成し、これをサッカリドのアミンと反応させてR2へのウレタンまた はチオウレタン結合を形成することができる。これらの物質のいくつかは、例え ば、メチル、エチルおよびフェニルクロロホルメートである。 フェニルC1−C3アルキレンR2基は、それ自体フェニル基で、好ましくは末 端のヒドロカルビル基の炭素において、置換されているC1−C3アルキレン基で ある。こうして、このR2C(O)基は2〜4炭素原子の鎖に結合したフェニル環を 含有する。C(O)R2アルキレン基の例は、2−フェニルアセトイル、3−フ ェニルプロピオニルおよび4−フェニルブタノイル〔それぞれ、φCH2C(O), φCH2CH2C(O)およびφ(CH2)3C(O)、ここでφ=フェニル〕である。これら の化合物は、上のようにして適当な酸ハライドまたは無水物をサッカライドのア ミンと反応させることによって製造することができる。水素およびパラジウム担 持炭素を使用する接触還元を使用して、不飽和ヒドロカルビル鎖から飽和アルキ レン基を形成することができる;飽和ヒドロカルビル鎖は好ましい。 前述のYR2基の各々は、前述したように、よく知られているアシル化反応によ り製造することができる。YR2基は、通常、以後の反応の概要1の工程eに類似 する段階で導入される。典型的なアシル化において、Yが好ましいカルボニル基 である場合、酸クロライドまたは無水物、例えば、塩化ベンゾイルまたは塩化p −フルオロベンゾイルまたは安息香酸無水物を、後に例示するように、サッカリ ドの未保護のアミン基と反応させて、化合物12に類似するパーアシル化化合物を 生成する。O−結合アシル基を除去すると、化合物13に類似する化合物が得られ る。 X置換基はC1−C6アシルオキシ、すなわち、その位置における前駆体ヒドロ キシル基のC1−C6アシルエステル、前述したように、C2−C6ヒドロキシアシ ルオキシ基、ヒドロキシル基、ハロ基、またはアジド基であることができる。X 置換基は好ましくはヒドロキシルである。典型的なC1−C6アシル(ヒドロカル ビル)基は既に述べた通りであり、そしてC1−C6アシルオキシ基はアシル基の カルボニル炭素原子に結合した追加の酸素原子をさらに含むC1−C6アシル基で ある。C2−C6ヒドロキシアシルオキシ基は、置換基のヒドロキシル基をさらに 含む前述のC1−C6アシルオキシ基である。C2−C6ヒドロキシアシルオキシ基 の例は、ヒドロキシアセテート、ラクテート、3−ヒドロキシブチレート、2− ヒドロキシイソバレレートおよび2−ヒドロキシカプロエートである。X置換基 は、通常、後述するように、シアリル化およびフコシル化の両方を実施しないか ぎり、C1−C6アシルオキシまたはC2−C6ヒドロキシアシルオキシ以外である 。 X置換基を含有するシアル酸誘導体の合成は、1992年10月1日に公開された公 開国際出願WO92/16640号に開示されている。サッカリドをシアリル化から形成さ れる化合物の使用は、また、その公開国 際出願に開示されている。 R3基は、描写したカルボニル基〔C(O)〕R3と一緒にN−アセチルまたは N−ヒドロキシアセチル基を形成するように、メチルまたはヒドロキシメチルで ある。いずれかのR3基を含有するシアル酸誘導体は、ここに記載するように、 酵素的シアリル化において使用できる。 Z1およびZ2基は好ましくは両方共α−L−フコシル基である。しかしながら 、Z1またはZ2の一方は、また、水素であることができる。1つのみのフコシル 基を含有する意図する2価のインヒビターは、標準の化合物、例えば、SLexより もすぐれた細胞の付着の阻害を提供することが発見された。しかしながら、2つ のα−L−フコシル基を含有する2価のインヒビターは、典型的には、細胞の付 着のなおよりすぐれたインヒビターである。 構造式Iの化合物のシアル酸部分は保護された形態で、または反応の概要2に 示すようにカルボキシレートのような塩の形態で存在できることに注意すべきで ある。カルボキシレートとして存在するとき、カチオンMはしばしば示さないが 、水溶性または水分散性の化合物を形成する、任意の製薬上許容されるカチオン 、例えば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、 鉄、アルミニウムなどであることができる。追加の製薬上許容されるアニオン、 例えば、塩素、臭素、酢酸などのアニオンはカチオンMの原子価と平衡化させる ために存在することもできる。 こうして、構造式Iは意図するインヒビターの一般的構造を表すが、Z1また はZ2の両方でなく、他方が水素であるインヒビターがまた考えられる。このよ うな化合物の構造式を構造式IIおよびIIIによりドに例示する。Z1またはZ2の 両方がα−L−フコシルである最も好ましい構造を、また、以後構造式IVの化合 物として示す 。基R,R2,R3およびXは前述した通りである。Yがカルボニルである好まし い化合物についての構造式を、以後、それぞれ、構造式IIA,IIIAおよびIVA として示す。 好ましい式IIA,IIIAおよびIVAに相当する2価のSLexサッカリドの例を、 それらの化合物の番号と一緒に下記に例示する。 B.化合物の合成 オリゴ糖類の酵素的合成における最近の進歩〔Ichikawaら、J.Am.Chem.Soc .,114 :9283(1992):Ball ら、J.Am.Chem.Soc.,114:5449(1992);Pa lcic ら、Carbohydr.Res.,190:1(1989)〕は、化合物1がその典型である いくつかの2価のSLexガラクトシドの合成を可能とした。化合物1は、SLexが3 −および6−結合を介してガラクトシドにカップリングされている分枝鎖状のO −グリカン後にモデル化された化合物である。 2価のSLexガラクトシドの化合物1の例証的な製造は、組み合わせられた化学 的および酵素的〔Ichikawaら、J.Am.Chem.Soc.,114:9283(1992);Ballら 、J.Am.Chem.Soc.,114:5449(1992);Palcicら、Carbohydr.Res.,190: 1(1989)〕アプローチを利用し、ここでシアル酸およびフコースは合成の最終 の2つ の工程の間に酵素的に導入される。この組み合わせられた方法を使用すると、大 規模で使用するために変更可能である。複雑なオリゴ糖類の構造体を製造する効 率よい、経済的な手段が得られる。 化合物1の合成は下の反応の概要1に示されており、そしてトリフルオロメチ ルスルホン酸銀(AgOTf)およびコリジンを使用する2−デオキシ−2−フタル イミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−β−グルコピラノシルブロミド〔Le mieuxら、ACS Symp.Ser.,39:90(1976)〕との工程bにおける反応により、 保護されたガラクトシドアルコール化合物6を二糖類の化合物8へ変換すること によって開始される。化合物6は、工程aにおいて、化合物5から文献の方法〔 Wallcnfclsら、Justus Liebigs Ann.Chem.,635:166(1960);Lemieuxら、Ca n.J.Chem.,60 :68(1981)〕を使用して製造した。合成の後の段階において 所望のR1基を付加することに比較して、化合物5のような化合物を製造すると き、前述のR1基を付加することが好ましい。化合物6中の2−ベンゾエートの 位置は、NMR試料(CDCl3)にトリクロロアセチルイソシアネートを添加して化合 物7を生成することによって評価された。スペクトルはガラクトースのH−3に 典型的な二重項の二重項を4.27ppm(J=8.0および2.3Hz)に含有した。水中の80 %酢酸を使用する工程cにおける脱保護、および工程dにおけるAgOTfおよびコ リジンを使用する、回収されたジオール化合物9と2−デオキシ−2−フタルイ ミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−β−グルコピラノシルブロミドとのカ ップリングにより、三糖類の化合物10が得られた。〔Lemicuxら、ACS Symp.Ser .,39 :90(1976)〕。 化合物10をトリクロロアセチル−イソシアネートとNMR管(CDCl3)中で反応させ て化合物11を生成することによって、置換位置を評価した。2つの小さいカップ リング定数(J=2.1Hz)をもつ5.39pp mへの新しいピークのダウンフィールドのシフトが観察され、エチルガラクトシ ドの4−位のプロトンが非置換であることが示された。工程eにおける加水素分 解およびアシル化により、化合物10が得られた。工程fにおける水中の25%メタ ノール中のナトリウムメトキシドを使用する化合物10の脱アセチル反応により、 脱ブロックされた三糖類の化合物13が得られた。〔Bundleら、Can.J.Chem.,5 7 :662(1979);Lemieuxら、Can.J.Chem.,69:76(1981);Olvoortら、Syn thesis,305 (1981)〕、その構造はNMRにより確証された。アセチル以外のR2 を利用するとき、そのR2基はこの工程(e)において酢酸無水物を前述の適当 なR2無水物または酸ハライド、ピロカーボネート(またはクロロホルメート) 、塩化スルホニル、イソシアネートまたはクロロチオホルメートのアシル化剤と 置換することによって導入することができる。 下の反応の概要2は、この典型的な合成の酵素的合成工程を例示する。こうし て、化合物13を二重に酵素的ガラクトシル化〔Mooreら、J.Cell.Biol.,118: 445(1992);Ichikawaら、J.Am.Chem.Soc.,114:9283(1992);Ball ら、J.Am.Chem.Soc.,1 14 :5449(1992);Palcicら、Carbohydr.Res.,190:1(1989)〕(EC 2. 4.1.22およびEC 5.1.3.2)すると、工程aにおいて五糖類の化合物 14が得られた。工程bにおける化合物15を生成するシアル酸の転移は、反応を完 結(80%の単離された収率)に誘導する化学量論的〔Palcicら、Carbohydr.Res .,190 :1(1989)〕量のCMP-シアル酸を使用するN−型α(2,3)−シアリ ルトランスフェラーゼ〔Ichikawaら、J.Am.Chem.Soc.,114:9283(1992)〕 により触媒された。TLCにより反応を監視すると、第1シアル酸の取り込みは急 速であるが、第2シアル酸の付加はゆっくり進行することが示唆された。生成物 のホスホエステルCMPを加水分解するためのアルカリ性ホスファターゼの添加は 、反応の完結への誘導を促進した。また、ヒドロキシル基以外のシアリル9−位 にX置換基を含有する式Iのシアル酸類似体の導入を、前述したように、この工 程において実施する。 化学量論的量のGDP-フコースを使用するフコシルトランスフェラーゼV〔Ichi kawaら、J.Am.Chem.Soc.,114:9283(1992)〕により触媒される工程cにお ける化合物15のフコシル化により、化合物1がアンモニウム塩として得られた( 84%の単離された収率)。化合物1は構造を2D COESY NMRにより評価された。 異なるように結合したR基を有する化合物15のいくつかの類似体の酵素的フコ シル化はただ1つのフコシル基を付加し、上の化合物22および23のような化合物 を生ずることが発見された。それらの化合物はそれにもかかわらずすぐれたイン ヒビターであり、細胞の付着を阻害するそれらの能力はモル基準でSLexそれ自体 の能力より2倍大きかった。 反応の概要1および2に例示する合成法は、化合物1または他の意図する化合 物を製造する唯一の方法でないことを理解すべきである。例えば、五糖類の化合 物16は、下の反応の概要3に示すように、塩化N−フタルイミドパーアセチルラ クトサミンβ(化合物17)を化合物6と反応させることによって製造することが できる。化合物17それ自体は、ラクトサミンをフタル酸無水物と反応させ、引き 続いて酢酸無水物でアシル化し、次いで生ずるフタルイミドパーアセチル化合物 をジクロロメタン中で塩化アルミニウムと反応させることによって製造すること ができる。次いで、反応の概要1の工程b〜fに従って化合物16を製造する。化 合物16のR2基は一般的に示されており、そして工程cにおいて加水分解後に脱 アシル中間体に添加して、フタルイミド(Phth)およびアセチル(Ac)基を除去 する。窒素原子をアシル化するとき生成するエステルを、工程fのナトリウムメ トキシドの処理により除去した。その後、化合物16を反応の概要2に記載するよ うにシアリル化しそしてフコシル化する。 シアリル化は好ましくは酵素的に実施されるが、シアリル化およびフコシル化は 非酵素的、有機化学的手段により実施することもできる。フコシル化を有機化学 的反応により実施する場合、シシアリル化化合物のヒドロキシルおよびカルボキ シル基をまずブロックする。このブロッキング工程は酢酸無水物との広範な反応 により容易に実施され、これは利用可能なヒドロキシルのの1つを除外してすべ て上にアセテート基およびシアリルカルボキシルとヒドロキシル基との間でラク トンを形成する。このラクトンをC1−C6アルコール、例えば、メタノールと反 応させてアシル化ヒドロキシエステルを生成し、次いでその残りのヒドロキシル を、例えば、酢酸無水物でアシル化する。 アシル化ジエステルを氷酢酸とメタノール:水中で反応させると、アセチル基 は3−位からグルコサミド単位の2−アミノ置換基に選択的に転移されて、フコ ース単位とグリコシル結合を形成するための遊離のヒドロキシル基が得られる。 次いで、溶媒としてジクロロエタン中で4オングストロームのモレキュラーシー ブ、テトラメチル尿素、SnCl2およびAgClO4の存在下にトリ−O−ベンジルフコ シルフルオライドを使用して、フコシル化を実施することができる。次いで、ベ ンジル基をフコシル化生成物から加水分解により除去することができ、そしてア セチル基およびメチルエステルをメタノール/水中のメトキシドイオンとの反応 により除去して、式Iの脱ブロックされた2価の化合物を得ることができる。 シアリル化および/またはフコシル化を酵素的手段以外により実施するとき、 C1−C6アシルオキシおよびC2−C6ヒドロキシアシルオキシであるX置換基は 合成における種々の保護(ブロッキング)および脱保護(脱ブロッキング)工程 の間に失われることがあることに注意すべきである。こうして、ヒドロキシル、 ハロおよ びアジドであるX置換基は好ましく、ヒドロキシルは特に好ましい。 C.細胞付着の阻害のアッセイ法 リガンド−レセプターの相互作用のインヒビターをin vitroでスクリーニング する多数の直接的および間接的方法は入手可能であり、そして当業者に知られて いる。例えば、特定のセレクチンを発現する細胞へのSLexを有する細胞の付着を 阻害する能力を決定することができる。 前述したように、いくつかのセレクチンレセプター遺伝子がクローニングされ てきており、こうして、遺伝子を広範な種類の細胞、例えば、ここにおいて使用 するようなCOS細胞、CHO細胞、アデノウイルス形質転換ヒト腎細胞などの中に挿 入しそして発現させることができので、後述するように、組換えセレクチンレセ プター、例えば、rELAM(組換えELAM−1またはソル−E−セレクチン)は、それ を固体の支持体、例えば、プラスチックのマイクロタイタープレートのウェルに 結合したとき、アッセイにおいて使用することができる。この発現された組換え 体は水性媒質の中に可溶性であり、527アミノ末端アミノ酸残基を含有し、そし て天然の分子のトランスメンブレンのドメインを欠如する。 上の組換え体の使用は細胞の付着(結合)の阻害をアッセイするために好まし い。実質的に同様なアッセイの使用は、E−セレクチンレセプターを発現する細 胞を使用する結果とよく相関することが報告された〔Lobbら、J.Immunol.,147 :124-129(1991)〕。 さらに、常態でSLexを発現しない細胞は、形質転換された細胞にリガンドを合 成する能力を付与する1または2以上のグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子で 形質転換することができる〔参照、例えば、Loweら、Cell,63:475-484(1990 )〕。いくつかのアッセ イにおいて、インヒビター化合物または因子を、固体の表面上に固定化された標 識化SLex担持細胞および細胞表面のセレクチンまたは組換えセレクチンを発現す る活性化された細胞とインキュベートする。次いで、細胞の付着の阻害は、適当 な洗浄後に表面に結合した標識を検出することによって決定できる。 典型的には、意図する2価のSLexサッカリド化合物のin vitroアッセイは、そ れらの表面上にSLexを発現する細胞へのセレクチンの結合を競合的に阻害する意 図する化合物の能力を検出する競合アッセイである。前述のソル−E−セレクチ ンの使用はこれらの競合アッセイにおいて好ましいが、セレクチンを発現する細 胞を使用することもできる。セレクチンを発現する細胞は典型的には活性化され た血小板または活性化された内皮細胞であり、組換えセレクチンは同様に有用で あるが、SLex担持細胞は通常好中球またはHL−60細胞である。 意図する2価のSLexサッカリドは、固相結合ソル−E−セレクチンへのSLex担 持細胞、例えば、HL−60細胞のin vitroの結合を、等モル量のSLexそれ自体より も2倍以上阻害する。換言すると、SLexのIC50値/意図する2価のSLexサッカリ ドのIC50値の比は、このようなin vitroアッセイにおいて、2より大きい。こう して、意図する2価のSLexサッカリドは、in vitroアッセイにおいて、SLexが示 すIC50値の1/2より小さいIC50値を示す。その比は好ましくは約3〜約100で ある。また、ソル−E−セレクチンを使用するin vitroアッセイについて詳細に 後述する。 他のアッセイフォーマットは、相互作用から生ずるSLexリガンド担持細胞また はセレクチン担持細胞における種々の病理学的変化の存在または不存在の検出を 包含する。適当なアッセイの例は、結合により誘導された転写活性の変化の測定 (参照、例えば、PCT公 開第3712820号)、種々の細胞仲介細胞外作用の検出(参照、例えば、PCT公開第 90/00503号)、および個体細胞の膜ポテンシャルの変化の検出(参照、例えば、 米国特許第4,343,782号)(それらのすべてをここに引用によって加える)を包 含する。また、単離されたレセプターまたはリガンドのコンフォメーションの変 化を検出できる;参照、例えば、米国特許第4,859,609号(これをここに引用に よって加える)。なおさらに、セレクチンを発現する細胞を支持体結合セレクチ ンに結合させ、結合した細胞を溶解し、そして結合した細胞の中にはじめて存在 することができたタンパク質についてアッセイすることができる。 リガンド、セレクチンレセプター、または2価のSLexサッカリド化合物を包含 するアッセイの任意の成分を固体の表面に結合させることができる。固体の表面 上に生体分子を固定化する多数の方法はこの分野において知られている。例えば 、固体の表面は膜(例えば、ニトロセルロース)、マイクロタイター皿(例えば 、PVCまたはポリスチレン)またはビーズであることができる。所望の成分は非 特定の結合を通して共有結合または非共有結合で取り付けることができる。 広範な種類の天然および合成の有機および無機のポリマーを、固体の表面のた めの材料として使用することができる。例示的ポリマーは、ポリエチレン、ポリ プロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタアクリレート 、ポリ(エチレンテレフタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレ ート)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、酢酸セルロース、ニ トロセルロースなどである。使用できる他の材料は、紙、ガラス、セラミック、 金属、メタロイド、半導体材料、サーメットなどを包含する。さらに、ゲルを形 成する物質、例えば、タンパク質、例え ば、ゼラチン、リポ多糖類、シリケート、アガロースおよびポリアクリルアミド またはいくつかの水性相を形成するポリマー、例えば、デキストラン、ポリアル キレングリコール(2〜3個の炭素原子のアルキレン)または界面活性剤、例え ば、両親媒性化合物、例えば、リン脂質、長鎖(12〜24個の炭素原子)アルキル アンモニウム塩などが包含される。固体の表面が多孔質である場合、系の特質に 依存して種々の孔大きさを使用できる。 表面の調製において、複数の異なる物質を、特にラミネートとして、使用して 種々の性質を得ることができる。例えば、タンパク質のコーティング、例えば、 ゼラチンを使用して、非特異的結合を回避し、共有結合の接合を簡素化し、シグ ナルの検出を増強するなどが可能である。 化合物と表面との間の共有結合を望む場合、表面は多官能性であるか、または 多官能性とすることができる。表面上に存在しそして結合に使用できる官能基は 、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基 、メルカプト基などを包含することができる。広範な種類の化合物を種々の表面 に結合する方法はよく知られており、そして文献の中に詳細に例示されている。 参照、例えば、Immobilized Enzymes,Inchiro Chibata,Halsted Press、ニュ ーヨーク(1978)、およびCuatrecasas,J.Biol.Chem.,245:3059(1970)( これをここに引用によって加える)。 共有結合に加えて、アッセイ成分を非共有結合的に結合する種々の方法を使用 することができる。非共有結合の結合は、典型的には、表面への化合物の非特異 的吸収である。典型的には、表面を第2化合物でブロックして、標識化アッセイ 成分の非特異的結合を防止する。また、表面はそれが1つの成分に非特異的に結 合するが、他に有意に結合しないように設計される。例えば、レクチン、例えば 、コンカナバリンAを担持する表面は、化合物を含有する炭水化物に結合するが 、グリコシル化を欠如する標識化タンパク質に結合しない。アッセイ成分の非共 有結合的取り付けにおいて使用する種々の固体の表面は、米国特許第4,447,576 号および米国特許第4,254,082号(これらをここに引用によって加える)に概観 されている。 前述の標識はこの分野においてよく知られている方法に従いアッセイの所望の 成分に直接または間接的にカップリングさせることができるか、または結合した 細胞に対して内因性のタンパク質であることができる。広範な種類の標識を使用 できる。成分はいくつかの方法の任意の1つにより標識化することができる。検 出の最も普通の方法は、3H,125I,35S,14C、または32P標識化化合物など を用いるオートラジオグラフィーの使用である。放射性同位元素の選択は、合成 の容易さのための研究の採択、安定性の変動、および選択したアイソトープの半 滅期に依存する。他の非放射性標識は、標識化抗体に結合するリガンド、発蛍光 団、化学発光剤、酵素、および標識化リガンドのための特異的結合対構成員とし て働くことができる抗体を包含する。標識の選択は、要求される感度、化合物と の接合の容易さ、安定性の要件、および入手可能な計装に依存する。 非放射性標識はしばしば間接的手段により取り付けられる。一般に、リガンド 哺乳動物細胞(例えば、ビオチン)は分子に共有結合的に結合される。次いで、 リガンドは固有に検出可能であるか、またはシグナル系に共有結合で結合する抗 リガンド(例えば、ストレプトアビジン)分子、例えば、検出可能な酵素、蛍光 化合物、または化学発光化合物に結合する。リガンドおよび抗リガンドは広く変 化させることができる。リガンドが天然の抗リガンド、例えば、ビオチン、チロ キシン、およびコルチゾールを有する場合、それは標 識化した天然に存在する抗リガンドと組み合わせて使用できる。また、任意のハ プテンまたは抗原性化合物を抗体と組み合わせて使用できる。 前述の標識は、また、その付着を阻害すべき細胞の中に存在する酵素または他 のタンパク質であることができる。これにより、その酵素の量は標識として使用 して結合の量を決定することができる。ミエロペルオキシダーゼはHL−60細胞の 中に存在する1つのこのようなタンパク質であり、後述する結合阻害の研究にお ける標識として有用である。 2価のSLexサッカリド分子は、また、例えば、C1−C6アルキルC1−C5アル キレンω−カルボキシレートのR1基を介する酵素または発蛍光団との接合によ り、シグナル発生化合物に直接接合することができる。標識として問題の酵素は 、主としてヒドロラーゼ、特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグルコシダ ーゼ、またはオキシドリダクターゼ、特にペルオキシダーゼである。蛍光化合物 は、フルオレセインおよびその)誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシ ル、ウベリフェロンなどを包含する。化学発光化合物は、ルシフェリン、および 2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールを包含する。使用でき る種々のシグナル生成系の概観については、米国特許第4,391,904号(これをこ こに引用によって加える)を参照のこと。 D.製剤組成物 また、製薬上許容される希釈剤の中に溶解または分散した前述の2価のSLexサ ッカリドを含んでなる製剤組成物を意図する。このような製剤組成物は、細胞付 着阻害量で2価のSLexサッカリド化合物を含有する。 下記の開示から理解されるように、細胞付着阻害量は広く変化す ることができる。しかしながら、その量はセレクチン、特にE−セレクチン(EL AM−1)へのシアリルLeXをそれらの表面上に発現する細胞の結合を約1/2ま たはそれ以上だけ阻害するために十分である。典型的な細胞付着阻害量は約5〜 約60mg/kgである。 意図する製剤組成物は、ある数の障害に関連する細胞の付着をブロックまたは 阻害するために使用できる。例えば、ある数の炎症性障害は、脈管の内皮細胞お よび血小板上で発現されるセレクチンに関連する。ここにおいて、用語「炎症」 は特異的および非特異的な両方の防御系の反応を呼ぶ。特異的防御系は抗原に対 する特異的免疫系の反応である。特異的防御系の例は、抗原、例えば、ウイルス に対する抗体の反応、および遅延型過敏を包含する。非特異的防御系は、免疫学 的記憶を一般に行うことができない白血球により仲介される炎症の反応である。 このような細胞はマクロファージ、好酸球および好中球を包含する。非特異的反 応の例は、ミツバチの剌傷後の直ちの腫れ、および細菌感染部位における末梢単 核(PMN)白血球の集合(例えば、細菌性肺炎における肺の浸潤および膿瘍にお ける膿の形成)である。 他の処置可能な疾患は、例えば、慢性関節リウマチ、虚血後の白血球仲介の組 織損傷(再灌流の障害)、凍傷の障害またはショック、急性の白血球仲介の肺の 障害(例えば、大人の呼吸窮迫症候群)、ぜん息、外傷ショック、敗血症性ショ ック、腎炎、および急性および慢性の炎症、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、 および炎症性腸疾患である。種々の血小板仲介病理学、例えば、アテローム性動 脈硬化症および凝固を処置することもできる。さらに、腫瘍の転移は循環する癌 細胞の付着を阻害することによって抑制または予防することができる。例は結腸 癌および黒色腫である。 例えば、再灌流の障害は意図する製剤組成物による処置が特に可 能である。GMP-140セレクチン−リガンドの相互作用を阻害する組成物は、再灌 流の障害の処置または予防のために特に有用である。意図する製剤組成物は、心 臓手術の前に使用して手術後の回復を増強することができる。 GMP-140は血小板のウェイベル−パレイド(Weibel−Parade)体および内皮細 胞の中に貯蔵され、そしてトロビンにより活性化されると解放されて好中球およ び単球の付着を仲介するので、GMP-140-リガンドの相互作用のインヒビターは、 血栓性疾患をしばしば伴う組織の損傷を最小とするとき殊に有用である。例えば 、このようなインヒビターは、最近、発作、心筋梗塞、深静脈血栓症、肺動脈塞 栓症などを経験した患者において治療価値を有することがある。化合物は血栓崩 壊前の治療において殊に有用である。 意図する組成物は、敗血症性ショックまたは汎発性血管内凝固症候群(DIC)の 二次作用の処置において特に使用される。敗血症性ショックまたはDICの間の組 織の中への白血球の遊出は、病理学的組織の破壊を生ずる。さらに、これらの患 者は広く広がった微小循環の血栓および拡散性炎症を有することがある。ここに おいて提供される治療組成物は、これらの部位における白血球の遊出を抑制しそ して組織の損傷を緩和する。 セレクチン−リガンドの相互作用のインヒビターは、また、外傷のショックお よびそれに関連する急性組織障害の処置において有用である。セレクチンは障害 部位への白血球の漸増においてある役割を演ずるので、特に急性障害および炎症 の場合においてELAM−1、そのインヒビターは局所的または全身的に投与してこ のような障害に関連する組織の損傷を抑制することができる。そのうえ、炎症部 位に対するこのようなインヒビターの特異性のために、例えば、ELAM−1レセプ ターが発現される場合、これらの組成物は、伝統的抗 炎症剤と比較したとき、いっそう有効でありそして合併症を引き起こす可能性が より少ない。 こうして、本発明は、また、前述の状態を処置するとき使用できる製剤組成物 を提供する。意図する製剤組成物は、SLexリガンドとセレクチンレセプターとの 間の相互作用を阻害する前述の2価のSLexサッカリド化合物から構成されており 、2価のSLexサッカリド化合物は製薬上許容される希釈剤の中に溶解または分散 されている。意図する製剤組成物は種々の薬物送出し系において使用するために 適当である。現在の薬物送出し法の簡単な概観については、Langer,Science,2 49 :1527-1533(1990)を参照のこと。 哺乳動物における炎症反応の複雑さに照らして、当業者は容易に認識するよう に、意図する製剤組成物は他の細胞付着分子の機能を妨害することが知られてい る他の化合物をさらに含むことができる。例えば、付着分子のインテグリンのフ ァミリーの構成員は、感染点における白血球の管外遊出においてある役割を演ず ると考えられる。セレクチンレセプターを包含する、細胞間付着反応の概観およ びそれらの役割の免疫機能については、Springer,Nature,346:425-434(1990 )を参照のこと。さらに、意図する製剤組成物を使用する有望な処置は、また、 処置すべき状態の進展状態により決定することができる。異なる付着分子は障害 または状態の過程の間の種々の因子に応答して上下に調節することができるので 、当業者は容易に認識するように、異なる炎症状態の処置のために異なる製剤組 成物が要求されることがある。 他の態様において、製剤組成物の前述の2価のSLexサッカリドは、常用の抗炎 症薬物または他の因子を組織の障害の特定の部位にターゲティングするために使 用できる。このような化合物を使用して薬物を、例えば、脈管内皮細胞上の、セ レクチンレセプターにタ ーゲティングすることによって、このような薬物は障害部位においてより高い濃 度を達成することができる。常用の抗炎症の化学療法剤からの副作用はより低い 投与量、障害部位において薬物の局在化および/または送出し前の薬物のカプセ ル化により実質的に軽減することができる。 ターゲティング成分、すなわち、セレクチンに結合する2価のSLexサッカリド は、化学療法剤に直接または間接的にカップリングすることができる。カップリ ングは一般にこの分野において知られている手段により実行でき、レセプターに 結合するリガンドの能力を実質的に阻害すべきでなく、また化学療法剤の活性を 実質的に減少してはならない。種々の化学療法剤をターゲティングのためにカッ プリングすることができる。例えば、カップリングすることができる抗炎症剤は 、免疫調節因子、血小板活性化因子(PAF)拮抗物質、シクロオキシゲナーゼイン ヒビター、リポキシゲナーゼ阻害剤、およびロイコトリエン拮抗物質を包含する 。いくつかの好ましい部分は、シクロスポリンA、インドメタシン、ナプロキセ ン、FK-506、マイコフェノール酸などを包含する。同様に、酸化防止剤、例えば 、スーパーオキシドジスムターゼは、意図するサッカライド化合物でターゲティ ングするとき、再灌流の障害を処置するとき有用である。同様に、2価のSLexサ ッカリドを化学療法剤にカップリングすることによって、抗癌剤をターゲティン グすることができる。カップリングすることができる因子の例は、ダウノマイシ ン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ブレオマイシンなどである。ここで、再 び、C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートR1基をカップ リングのために使用できる。 セレクチンレセプターのターゲティングは、また、両親媒性物質、または水溶 液の中に凝集物として存在する二重の特性の分子(極 性:非極性)を介して達成することができる。両親媒性物質は、非極性脂質、極 性脂質、モノ−およびジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、 サポニン、胆汁酸および塩類を包含する。これらの分子は乳濁液および泡沫、ミ セル、不溶性単層、液晶、リン脂質分散液および層状層として存在することがで きる。これらをここにおいて全体的にリポソームと呼ぶ。これらの製剤において 、送出すべき薬物は、セレクチンレセプターに結合する2価のSLexサッカリドと 組み合わせてリポソームの一部分として混入される。 R1基がC12−C18ヒドロカルビル基である意図する2価のSLex化合物は、こ のようなリポソーム製剤において特に有用である。こうして、所望の化学療法剤 を充填したリポソームは、セレクチン−2価のSLexサッカリドの相互作用により 組織の障害部位に向けることができる。影響を受けた細胞の近位にリポソームを 存在させるとき、リポソームは選択した治療組成物を送出す。 本発明のリポソームは標準の小胞形成性脂質から形成され、このような脂質は 一般に中性および負に帯電したリン脂質およびステロール、例えば、コレステロ ールを包含する。脂質の選択は、一般に、例えば、リポソームの大きさおよび血 流中のリポソームの安定性により左右される。 典型的には、リポソーム中の主要な脂質成分は、ホスファチジルコリン、変動 する鎖長の種々のアシル鎖および飽和度を有するホスファチジルコリンであるか 、またはよく知られている技術により単離または合成することができる。一般に 、低い飽和度のホスファチジルコリンは、滅菌濾過の目的のために、特にリポソ ームが約0.3ミクロン以下の大きさでなくてはならないとき、いっそう容易に大 きさで分類される。リポソームを大きさで分類しそして滅菌濾過す る方法は後述されている。リン脂質のアシル鎖の組成は、また、血液中のリポソ ームの安定性に影響を与えることがある。1つの好ましいホスファチジルコリン は部分的に水素化された卵のホスファチジルコリンである。 種々のターゲティング因子(例えば、リガンド、レセプターおよびモノクロー ナル抗体)のリポソームのターゲティングはこの分野においてよく知られている 。(参照、例えば、米国特許第4,957,773号および米国特許第4,603,044号、それ らの両方をここに引用によって加える)。種々の分子量の糖タンパク質およびグ リコリピドをターゲティング因子として使用できる。典型的には、約300,000ダ ルトンより小さい、好ましくは約40,000〜約250,000、より好ましくは約75,000 〜約150,000ダルトンの分子量を有する糖タンパク質を使用する。約10,000ダル トンより小さい、好ましくは約600〜約4,000ダルトンの分子量のグリコリピドを 使用する。 リポソームにターゲティング因子をカップリングさせる標準の方法を使用する ことができる。これらの方法は、一般に、このようなカップリングのための2価 のSLexサッカリドを使用することに加えて、脂質成分、例えば、ホスファチジル エタノールアミンをリポソームの中に組み込むことを含み、このような脂質成分 は、ターゲティング因子の取り付けのために活性化することができるか、または 誘導化脂質親和性化合物、例えば、脂質誘導化ブレオマイシンであることができ る。 ターゲティング機構において、一般に、標的因子がセレクチンレセプターとの 相互作用のために利用可能であるような方法で、リポソームの表面上に位置する ことが必要である。典型的には、膜の形成時に膜の中にコネクター部分が最初に 取り込まれるような方法で、リポソームは形づくられる。コネクター部分は、膜 の中にしっか り埋め込まれかつ定着される脂質親和性部分をもたなくてはならない。それは、 また、リポソームの水性表面上に化学的に利用可能である親水性部分をもたなく てはならない。親水性部分は、それが後に添加されるターゲティング因子と安定 な化学結合を形成するために化学的に適当であるように選択される。したがって 、コネクター分子は、脂質親和性アンカーおよび親水性の反応性基の両方をもた なくてはならならず、そしてこのような反応性基は標的因子と反応し、標的因子 をその正しい位置に保持するために適当であり、そしてリポソーム表面から伸び ている。ある場合において、標的因子をコネクター分子に直接取り付けることが 可能であるが、ほとんどの場合において、化学的架橋として作用し、こうして膜 の中に存在するコネクター分子を小胞表面から3次元的に伸びている標的因子と 結合させる第3分子を使用することが最も適当である。 リポソームの電荷は血液からのリポソームの除去において重要な因子であり、 負に帯電したリポソームは細網状内皮系によりいっそう急速に吸収され〔Julian o,Biochem.Biophys.Res.Commun.,63:651(1975)〕こうして血流の中でよ り短い半滅期を有する。延長した循環の半減期を有するリポソームは、典型的に は、治療および診断の使用に望ましい。血流の中に8,12、または24時間まで維 持することができるリポソームは、本発明のセレクチン−リガンドのインヒビタ ーの持続放出を提供するか、または細網状内皮系により除去される前に、所望の 部位へのインヒビター(これは標識化するか、またはin vivoの診断の影像を提 供することができる)のターゲティングを促進することができる。 典型的には、約5〜15モル%の負に帯電したリン脂質、例えば、ホスファチジ ルグリセロール、ホスファチジルセリンまたはホスファチジルイノシトールを有 するリポソームを製造する。添加した負 に帯電したリン脂質、例えば、ホスファチジルグリセロールは、また、自発的リ ポソームの凝集を防止し、こうして小形のリポソームの凝集物の形成の危険を最 小する働きをする。膜剛性化剤、例えば、スフィンゴミエリンまたは飽和中性脂 質は、少なくとも約50モル%、および5〜15モル%のモノシアリルガングリオシ ドの濃度において、米国特許第4,837,028号(これをここに引用によって加える )に一般に記載されているように、血流中のリポソーム製剤の循環を増加するこ とができる。 さらに、リポソーム懸濁液は、貯蔵時の遊離基および脂質の過酸化的損傷に対 して脂質および薬物成分を保護する、脂質保護因子を含むことができる。脂質親 和性遊離基のクエンチング剤、例えば、アルファトコフェロールおよび水溶性鉄 特異的キレート剤、例えば、フェリオキシアニンは好ましい。 リポソームを製造するいくつかの方法は、例えば、Szokaら、Ann.Rev.Biohy s.Bioeng.,9 :467(1980)、米国特許第4,235,871号、米国特許第4,501,728 号および米国特許第4,837,028号(これらをここに引用によって加える)に記載 されているように、利用可能である。1つの方法は不均質の大きさの多層状の小 胞を生成する。この方法において、小胞形成脂質を適当な有機溶媒または溶媒系 の中に溶解し、そして真空または不活性ガス下に乾燥して薄い脂質フィルムを形 成する。必要に応じて、フィルムを適当な溶媒、例えば、第3ブタノールの中に 再溶解し、次いでいっそう容易に水和される粉末様の形態である、いっそう均質 な脂質混合物を形成することができる。このフィルムをターゲッテッド薬物およ びターゲティング成分の水溶液でカバーしそして、典型的には、15〜60分かけて 撹拌しながら、水和させる。生ずる多層状の小胞の大きさの分布は、いっそう激 しい撹拌の条件下に脂質を水和するか、または可溶 化洗浄剤、例えば、デオキシコレートを添加することによって、より小さい大き さのシフトさせることができる。 水和媒質は、最終のリポソーム懸濁液中のリポソームの内部の体積において望 む濃度で、ターゲッテッド薬物を含有する。典型的には、薬物溶液は緩衝化生理 食塩水の中に10〜100mg/mlを含有する。セレクチンに結合するターゲティングS LX分子または模倣体の濃度は、一般に、約0.1〜20mg/mlである。 リポソームの製造後、リポソームを大きさで分類して、所望の大きさの範囲お よびリポソームの大きさの比較的狭い分布を達成することができる。好ましい大 きさの範囲は約0.2〜0.4ミクロンであり、これにより常用のフィルター、典型的 には0.22ミクロンのフィルターを通す濾過によりリポソーム懸濁液を滅菌するこ とができる。リポソームが約0.2〜0.4ミクロンまで小さく大きさで分類された場 合、フィルターの滅菌法は高い処理量で実施することができる。 リポソームを所望の大きさに分類するいくつかの技術が利用可能である。1つ の大きさで分類する方法は米国特許第4,737,323号(これをここに引用によって 加える)に記載されている。浴またはプローブによりリポソーム懸濁液を超音波 処理すると、約0.05ミクロンより小さい大きさの小さい単層の小胞まで大きさは 漸進的に減少する。均質化は、大きいリポソームをより小さいものに断片化する ために剪断エネルギーに頼る他の方法である。典型的なホモジナイゼーション方 法において、多層の小胞を、選択した大きさ、典型的には約0.1〜0.5ミクロンが 観察されるまで、標準の乳濁液のホモジナイザーを通して再循環させる。両方の 方法において、常用のレーザービームの粒度判別により、粒度分布をモニターす ることができる。 小さい孔のポリカーボネート膜または非対称セラミック膜を通すリポソームの 押出は、また、リポソームの大きさを比較的よく規定された大きさ分布に減少す るために有効である。典型的には、所望のリポソーム大きさ分布が達成されるま で、懸濁液を膜を通して1または2回以上循環させる。リポソームを連続的によ り小さい孔の膜を通して、リポソーム大きさの段階的減少を達成する。 最も効率よいカプセル化法においてさえ、初期の大きさで分類されたリポソー ム懸濁液は50%またはそれ以上の薬物およびターゲティング剤を遊離の(非カプ セル化)形態で含有する。したがって、リポソームのターゲッテッド薬物の利点 を最大するために、遊離の薬物およびターゲティング剤を最終の注射可能な懸濁 液から除去することが重要である。 非捕捉化合物をリポソーム懸濁液から除去するいくつかの方法が利用可能であ る。1つの方法において、懸濁液中のリポソームは高速度の遠心によりペレット 化して、懸濁液の中に遊離の化合物および非常に小さいリポソームを残す。他の 方法は限外濾過により懸濁液を濃縮し、次いで濃縮されたリポソームを薬物不含 置換媒質の中に再懸濁させることを包含する。また、ゲル濾過を使用して大きい リポソーム粒子を溶質分子から分離することができる。 遊離の薬物および/またはターゲティング剤を除去するための処理後、リポソ ーム懸濁液を静脈内投与において使用するために所望の濃度にする。これはリポ ソームを適当な体積の注射媒質の中に再懸濁させることを含み、ここでリポソー ムは、例えば、遠心または限外濾過、または懸濁液の濃縮により細胞周期時間さ れており、ここで薬物除去工程は合計の懸濁液の体積を増加した。次いで、懸濁 液を前述したように濾過により滅菌する。リポソーム−リガンドの製剤は非経口 的または局所的に投与することができ、投与量は、例 えば、投与方法、送出される薬物、処置される特定の障害に従い変化する。 セレクチンレセプターに結合する2価のSLexサッカリド化合物を含んでなる製 剤組成物について、この化合物の投与量は、例えば、特定の化合物、投与方法、 処置する特定の障害およびその程度、患者の全体の健康および状態、および処方 する医師の判断に従い変化することがある。例えば、再灌流の障害の処置におい て、投与量は70kgの患者について約60μgから2,000mg/日の範囲である。理想 的には、治療の投与は心筋梗塞または他の障害後にできるだけ早く開始しなくて はならない。予防および/または治療の処置のために、非経口的、局所的、経口 的または局所の投与、例えば、エーロゾルによるまたは経皮的投与のための製剤 組成物を意図する。製剤組成物は、投与方法に依存して、種々の単位投与形態で 投与することができる。例えば、経口的投与のために適当な単位投与形態は、粉 末、錠剤、丸剤、カプセル剤および薬物を包含する。 好ましくは、製剤組成物は静脈内に投与される。こうして、製薬上許容される 希釈剤(担体)、好ましくは水性担体の中に溶解または分散した2価のSLexサッ カリド化合物の溶液を含んでなる、静脈内投与のための製剤組成物が設けられて いる。種々の水性担体、例えば、水、緩衝化水、0.4%の生理食塩水などを使用 することができる。これらの組成物は、常用の、よく知られている滅菌技術によ り滅菌できるか、または滅菌濾過することができる。生ずる水溶液はそのまま使 用するために包装できるか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥した製剤 は投与前に無菌の水溶液と組み合わせられる。組成物は製薬上許容される補助物 質、例えば、pH調節剤および緩衝剤、張度調節剤、湿潤剤など、例えば、酢酸ナ トリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム 、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートなどを必要に応 じて含有して、生理学的状態に近似させることができる。 製剤組成物において利用される2価のSLexサッカリド化合物の濃度は、通常少 なくとも約1重量%から10〜30重量%まででありそして、選択した投与の特定の モードに従い、主として流体の体積、粘度などにより選択される。前述したよう に、組成物の成分はリポソーム製剤を介して送出すことができる。 こうして、本発明の典型的な製剤組成物は、250mlの無菌のリンゲル溶液、お よび25mgの2価のSLexサッカリド化合物を含有するように構成することができる 。非経口的に投与可能な化合物を製造する実際の方法は当業者に既知であるか、 または明らかであり、そして、例えば、Remington's Pharmaceutical Science、 第17版、Mack Publishing Company、ペンシルベニア州イーストン(1985)(こ れをここに引用によって加える)にいっそう詳細に記載されている。 固体の組成物について、常用の無毒の固体の希釈剤(担体)を使用することが でき、これらは、例えば、製剤学的等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、ス テアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルク、セルロース、グルコ ース、スクロース、炭酸マグネシウムなどである。経口的投与のために、製薬上 許容される無毒の組成物は、任意の通常使用される賦形剤、例えば、前に列挙し た担体、および一般に10〜95%、好ましくは約20%、の活性成分、すなわち、前 述の2価のSLexサッカリド化合物を混入することによって形成される(参照、Re mington's 、前掲)。 エーロゾルの投与のために、2価のSLexサッカリド化合物は好ましくは微細な 形態で界面活性剤および噴射剤と一緒に供給される 。2価のSLexサッカライド化合物の典型的な百分率は、約0.5〜約30重量%、好 ましくは約1〜約10重量%である。界面活性剤は、もちろん、無毒でなくてはな らず、そして好ましくは噴射剤の中に可溶性である。このような界面活性剤の代 表例は、6〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えば、カプロン酸、オクタン 酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレ ステリン酸およびオレイン酸と脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物、例 えば、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、アラビトール、マ ンニトール、ソルビトール、ソルビトールから誘導されたヘキシトール無水物と のエステルまたは部分的エステル、およびこれらのエステルのポリオキシエチレ ンおよびポリオキシプロピレンの誘導体である。混合エステル、例えば、混合ま たは天然のグリセリドを使用できる。界面活性剤は組成物の約0.1〜約20重量% 、好ましくは約0.25〜約5重量%を構成する。組成物の残部は通常の噴射剤であ る。液化噴射剤は典型的には周囲条件下に気体であり、そして圧力下に凝縮する 。適当な液化噴射剤の例は、5個までの炭素原子を含有する低級アルカン、例え ば、ブタンおよびプロパン、および好ましくはフッ素化およびフルオロ塩素化ア ルカンである。エーロゾルの製造において、適当な弁を装備した容器に、微細な 化合物および界面活性剤を含有する噴射剤を充填する。こうして、弁の作用によ り放出されるまで、成分は高い圧力下に維持される。 2価のSLexサッカリド化合物を含有する製剤組成物は、予防および/または治 療の処置のために投与することができる。治療的応用において、組成物は、前述 したように、既に障害に悩む患者に、セレクチンを発現する細胞と好中球または HL−60細胞との間の付着を阻害するために十分な量で投与される;すなわち、障 害およびそ の合併症の症状を治癒または少なくとも部分的阻止する。これを達成するために 適切な量は、「治療的に有効な投与量」または「細胞の付着阻害量」として定義 される。この使用のために有効な量は障害の程度および患者の体重および全体的 状態に依存するが、70kgの患者について一般に約0.5mg〜約2,000mgの2価のSLex サッカリド化合物/日の範囲であり、約5mg〜約200mgの化合物/日は普通に使 用される。 予防的応用において、意図する化合物を含有する特定の障害に対して感受性で あるか、またはそうでなければその危険にある患者に投与される。このような量 は「予防的に有効な投与量」であると定義され、そして再び細胞の付着阻害量で ある。この使用において、正確な量は再び患者の健康状態および体重に依存する が、一般に約0.5mg〜約2,000mg/70kgの患者、より普通に約5mg〜約200mg/70kg の患者の範囲である。 組成物の単一または多数回の投与を、処置する医師が選択する投与量のレベル およびパターンで実施することができる。いずれの場合においても、製剤組成物 は患者を有効に処置するために十分な量の2価のSLexサッカライド化合物を提供 すべきである。 意図するSLexサッカリド化合物は、また、診断試薬として使用を見出すことが できる。例えば、標識化化合物を使用して、炎症を有することが疑われる患者に おける炎症または腫瘍の転移の区域を捜し出すすることができる。この使用のた めに、化合物を125I,14C、またはトリチウムで標識化することができる。本発明を実施する最良の方法 0.25mmのワットマン(Whatman)シリカゲルのプレート(60F-254)上で実施す る薄層クロマトグラフィーにより、紫外線および展開剤 としてアニスアルデヒド試薬〔Gordonら、“The Chemists Companion”,A.Wil ey-Intrscience Publication、ニューヨーク、p.377(1972)〕を使用して、す べての反応を監視した。E.Merckシリカゲル(60、粒度0.040-0.063mm)をフラッ シュクロマトグラフィーに使用した。 すべての反応は、特記しない限り、アルゴン雰囲気下にアルドリッヒ・ケミカ ル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)(ウイスコンシン州ミルウォーキー) からの無水溶媒をを使用して実施した。特記しない限り、収率はクロマトグラフ ィー的にかつ分光分析的に(1H NMR)均質な物質を意味する。NMRスペクトルは30 0MHz ジェネラル・エレクトリック・(General Electric)QE-300 NMRで記録し た。 UDP-グルコース、CMP-シアル酸、ウリジン5’−ジホスホガラクトース4−エ ピメラーゼおよびガラクトシルトランスフェラーゼをシグマ・ケミカル・カンパ ニー(Sigma Chemical Co.)(ミゾリー州セントルイス)から購入した。GDP− β−フコースはオックスフォード・グリコシステムス(Oxford Glycosystems)か ら購入した。N−型α(2,3)−シアリルトランスフェラーゼおよびフコシル トランスフェラーゼV酵素は、サイテル・コーポレーション(Cytel Corporatio n)(カリフォルニア州サイディエゴ)において製造された〔Ichikawaら、J.Am .Chem.Soc.,114 :9283(1992)〕。 実施例1: エチル4,6−O−ベンジリデン−2−O−ベンゾイル−β−D− ガラクトピラノシド(6)およびエチル4,6−O−ベンジリデン −3−O−(トリクロロアセチル−N−カルバモイル)−2−O− ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシド(化合物7) 〔反応の概要1、工程(e)〕 エチル4,6−O−ベンジリデン−β−D−ガラクトピラノシド化合物5〔Wa llenfelsら、Justus Liebigs Ann.Chem.,635:(1960)〕(2.9g,9.8mmol) をCH2Cl2(29ml)およびピリジン(5.4ml)中に溶解し、そしてアルゴン雰囲気 下に−65℃に冷却した。次いでクロロ酢酸無水物(0.82ml,10.3mmol)を添加し 、そして反応混合物を−65℃において2時間撹拌した。反応の第1段階はこの時 において完結し、次いで塩化ベンゾイル(1.36ml,11.78mmol)を−65℃におい て添加した。反応混合物を室温に加温し、一夜(約18時間)撹拌し、CH2Cl2(10 0ml)で希釈し、そして1Mクエン酸(100ml)、水(50ml)、飽和NaHCO3(50ml )、水(50ml)、および飽和NaCl(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4) し、濾過しそして濃縮すると、粗製の2−ベンゾイル−3−クロロアセチル生成 物が得られた。 次いで、粗生成物をメタノール(50ml)中に溶解し、そして−30℃に冷却した 。メタノール(6.0ml)中の2MのNH3の溶液を添加し、そして反応混合物を−3 ℃において4時間撹拌したクロロアセチル基を選択的に切り放した。生ずる混合 物をCH2Cl2(100ml)中に注ぎ、そして水(100ml)、飽和NaHCO3(100ml)、水 (100ml)、および飽和NaCl(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、 濾過し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(シリカ、80%酢酸エチル/ヘキサ ン)にかけると、1.7g(48%)の化合物6が白色固体として得られた。Rf=0.3 (シリカ、酢酸エチル/ヘキサン);1H NMR(CDCl3)δ8.07(d,J=7.5Hz ,2H、芳香族),7.55(m,3H、芳香族),7.46(d,J=7.5Hz,2H、 芳香族),7.38(m,3H、芳香族),5.59(s,1H、ベンジリデン),5.36 (dd,J=10.07,8.2Hz,1H,H−2),4.64(d,J=8.2Hz,1H,H− 1),4.39(dd,J=12.5,1.1Hz,1H,H−6),4.28(d ,J=4.0Hz,1H,H−4),4.12(dd,J=1.5,12.5Hz,1H,H−6), 3.99−3.86(多重ピーク、2H,OCH 2CH3,H−3),3.61(m,1H,OCH 2CH3 ),3.56(bs,1H,H−5),2.63(d,J=9.0Hz,1H,OH),1.21(t ,3H,CH 3)。次いで、トリクロロアセチルイソシアネートをNMR試料に添加し て化合物7を形成した。新しい低いフィールド信号がガラクトースのH−3に典 型的な5.27ppm(J=3.1,9.7Hz)において観測された。これにより、生成物のH −3位が非置換であることが確証された。 実施例2 エチル4,6−O−ベンジリデン−2−O−ベンゾイル−3−O−( 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド −β−D−ガラクトピラノシド)−β−D−ガラクトピラノシド(化 合物8) 〔反応の概要1、工程b〕 モレキュラーシーブ(4Aオングストローム、1g)、CH2Cl2(10ml)、コリ ジン(0.167ml,1.26mmol)、銀トリフレート(0.3g,1.16mmol)およびアルコ ール化合物6(0.71g,0.974mmol)の懸濁液をアルゴン雰囲気下に1時間撹拌 した。次いで、反応混合物を−20℃に冷却し、そしてCH2Cl2(1ml)中の2−デ オキシ−2−フタルイミド−3,4,6−トリ−O−アセチルーβ−D−グルコ ピラノシルブロミド〔Lemieuxら、ACS Symp.Ser.,39:90(1976)〕(0.53g,1 .07mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−20℃30分間撹拌し、室温に加温し そしてセライトを通して濾過した。濾液を酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(5 0ml)、1Mクエン酸(100ml)、水(50ml)、飽和NaHCO3(100ml),水(50ml )および飽和NaCl(50ml)で洗浄しそして乾燥(Na2SO4)した。濃縮しそしてク ロマトグラフィー(シリカ、40%酢酸エチル/トルエン)にかけると、0.967g (86%)の化合物8が白色固体として得られた。Rf=0.4( シリカ、70%酢酸エチル/ヘキサン);1H NMR(CDCl3)δ7.65(dd,J=7.5 Hz,2H、芳香族),7.54(dd,J=2.9,1.8Hz,2H、芳香族),7.50(dd, J=7.0,7.0,2H、芳香族),7.45−7.31(m,6H、芳香族),7.28(d, J=9.7Hz,1H、芳香族),7.25(d,J=7.1Hz,1H、芳香族),5.65(dd ,J=9.4,10.8Hz,1H,,H−3 Glc),5.61(d,J=8.6Hz,1H,β −アノマー Glc),5.57(s,1H、ベンジリデン),5.38(dd,J=8.0,10. 1Hz,1H,H−2 Gal),5.16(dd,J=9.6,9.6Hz,1H,H−4 Glc) ,4.52(d,J=8.0Hz,1H,β−アノマー Gal),4.42−4.31(m,4H) ,4.15(dd,J=3.6,12.3Hz,1H,H−6 Glc),4.11(dd,J=1.2,12. 4Hz,1H,H−6 Gal),3.96(dd,J=3.6,10.1Hz,1H,H−6 Glc) ,3.87−3.77(m,2H),3.48−3.43(m,2H,OCH 2CH3およびC−5 Gal ),2.07(s,3H,OAc),2.01(s,3H,OAc),1.76(s,3H,OAc) ,0.951(t,3H,CH2CH 3)。 実施例3 エチル2−O−ベンゾイル−3−O−(3,4,6−トリ−O−アセ チル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル )−β−D−ガラクトピラノシド(化合物9)〔反応の概要1、工程 c〕 ベンジリデン化合物8(1.0g,1.22mmol)を水(20ml)中の酢酸の80%溶液 中に溶解し、そして反応混合物を80℃に30分間加熱した。次いで、反応混合物を 飽和NaHCO3(200ml)の溶液中に注ぎ、そして固体のNaHCO3をpH値が中和となる まで添加した。この溶液を酢酸エチル(100ml)で抽出し、そして有機層を水( 2×100ml)および飽和NaCl(20ml)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、 濃縮しそしてクロマトグラフィー(シリカ、85%酢酸エチル/ヘキサン)にか けると、0.716g(80%)のジオール化合物9が白色固体として 得られた。Rf=0.23(シリカ、80%酢酸エチル/ヘキサン);1H NMR(CDC l3)δ7.58(d,J=7.9Hz,2H、芳香族),7.43−7.25(bm,5H、芳香族 ),7.18(d,J=7.7Hz,1H、芳香族),7.15(d,J=7.7Hz,1H、芳香 族),5.66(dd,J=10.5,9.3Hz,1H,H−3 Glc),5.59(d,J=8.5H z,1H,β−アノマーのGlc),5.29(dd,J=9.3,9.3Hz,1H,H−2 Ga l),5.11(dd,J=9.6,9.6Hz,1H,H−4 Glc),4.46(d,J=8.0Hz ,1H,β−アノマー Gal),4.38−4.32(m,2H),4.29−4.14(m,2 H),4.01−3.75(多重ピーク,5H),3.61(bt,J=5.6Hz,1H,H−5 Glc),3.45(m,1H,OCH 2CH3),2.12(s,3H,OAc),2.01(s,3 H,OAc),1.76(s,3H,OAc),0.96(t,3H,CH2CH 3)。 実施例4 エチル3,6−ビス−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2− デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−2−O −ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシド(化合物10)およびエチ ル3,6−ビス−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオ キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−4−O−( トリクロロアセチル−N−カルバモイル)−2−O−ベンゾイル−β −D−ガラクトピラノシド(化合物11)〔反応の概要1、工程d〕 モレキュラーシーブ(4Aオングストローム、1g)、CH2Cl2(10ml)、コリ ジン(0.167ml,1.26mmol)、銀トリフレート(0.3g,1.16mmol)およびジオー ル化合物9(0.71g,0.974mmol)の懸濁液をアルゴン雰囲気下に1時間撹拌し た。次いで、反応混合物を−20℃に冷却し、そしてCH2Cl2(1ml)中の2−デオ キシ−2−フタルイミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ ラノ シルブロミド(0.53g,1.07mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−20℃30分 間撹拌し、次いで室温に加温しそしてセライトを通して濾過した。濾液を酢酸エ チル(100ml)で希釈し、水(50ml)、1Mクエン酸(100ml)、水(50ml)、飽 和NaHCO3(100ml),水(50ml)および飽和NaCl(50ml)で洗浄しそして乾燥(N a2SO4)した。濃縮しそしてクロマトグラフィー(シリカ、40%酢酸エチル/ト ルエン)にかけると、0.967g(86%)の化合物10が白色固体として得られた。 Rf=0.22(シリカ、40%酢酸エチル/ベンゼン);1H NMR(CDCl3)δ7.95 −7.76(bd,3H),7.53(dd,J=7.0,1.1Hz,2H、フタルイミド),7.41 (m,2H、ベンゾイル),7.35(m,3H、ベンゾイル),7.15(dd,J=7. 9,7.9Hz,1H、フタルイミド),7.12(dd,J=7.9,7.9Hz,2H、フタルイ ミド)、5.76(dd,J=9.2,10.5Hz,1H,,H−3 Glc),5.55(dd,J= 9.2,10.5Hz,1H,H−3 Glc),5.47(d,J=8.5Hz,1H,β−アノマ ー、Glc),5.34(d,J−8.5Hz,1H,β−アノマー Glc),5.18(dd,J =8.8,9.7Hz,2H,H−4 Glc,H−4 Glc),5.01(t,J=9.6Hz,1 H,H−2 Gal),4.38−4.06(m,8H),3.94(d,J=2.8Hz,1H,H −4 Gal),3.87(m,2H,H−6 Gal),3.67(dd,J=3.1,9.7Hz,1 H,H−3 Gal),3.54(m,1H,H−5 Glc),3.49−3.42(m,1H, H−5 Gal),3.37(m,1H,OCH 2Me),3.14(m,1H,OCH 2Me),2.13 (s,3H,OAc),2.09(s,3H,OAc),2.03(s,3H,OAc),2.01( s,3H,OAc),1.85(s,3H,OAc),1.75(s,3H,OAc),0.75(t ,J=7.1H,3H,CH2CH 3)。次いで、トリクロロアセチルイソシアネートをN MR試料に添加して化合物11を形成し、そしてガラクトースの4−位の水素を5.39 (d,J=2.1Hz,1H)ppmのシフトさせた。 実施例5 エチル3,6−ビス−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2− デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−2,4 −ジ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(化合物12) 〔反応の概要1、工程e〕 三糖類化合物10(0.9g,0.785mmol)、ヒドラジン1H2O(1.52ml,31.4mmol) およびエタノール(30ml)の溶液を8時間還流させた。反応混合物を濃縮し、そ して残留物をピリジン(40ml)中に溶解した。次いで酢酸無水物(20ml)を添加 し、そして反応混合物を24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして残留物を CH2Cl2(100ml)中に溶解した。この溶液を飽和NaHCO3(100ml)で洗浄した。水 性層を再びCH2Cl2(50ml)で洗浄した。そして一緒にした有機層を乾燥(Na2SO4 )した。濃縮しそしてクロマトグラフィー(シリカ、3% MeOH/酢酸エチル) にかけると、0.57g(76%)の化合物12が白色固体として得られた。Rf=0.33 (シリカ、5% MeOH/酢酸エチル);1H NMR(CDCl3)δ5.43−5.31(m, 3H),5.08−4.99(m,3H),4.95(d,J=8.1Hz,1H,β−アノマー Glc),4.77(d,J=8.3Hz,1H,β−アノマー Glc),4.37(d,J=8 .0Hz,β−アノマー Gal),4.31(dd,J=1.2,12.7Hz,1H,CH 2OAc),4. 24(dd,J=4.2,12.4Hz,1H,CH 2OAc),4.13−4.05(m,2H),3.89−3 .78(m,4H),3.73−3.64(m,3H),3.59−3.43(m,2H),3.41( m,1H,OCH 2CH3),2.10(s,3H,OAc),2.09(s,3H,OAc),2.08 (s,3H,OAc),2.07(s,3H,OAc),2.01(s,9H,OAc),2.00( s,3H,OAc),2.95(s,3H,NHAc),1.90(s,3H,NHAc),1.17( t,J=7.0Hz,3H,CH2CH 3)。 化合物6 エチル3,6−ビス−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β− D−グルコピラノシル)−β−D−ガラクトピラノシド(化合物13) 〔反応の概要1、工程f〕 ナトリウムメトキシド(0.1ml,MeOH中の25%溶液)をMeOH)(40ml)中の三 糖類化合物12(0.366g,0.38mmol)の溶液に添加した。反応混合物を20時間撹 拌し、その間沈澱が形成した。固体のすべてが溶解してしまうまで、水(約5ml )を添加し、次いで前もって洗浄したバイオゲル(Biogel)AG 50W-X8(水素型 )を、pH値が中和となるまで、反応混合物に添加した。次いで、反応混合物を濾 過し、そして濾液を濃縮した。残留物を水(10ml)中に溶解し、C−18セプ・パ ック(Sep Pack)(ワットマン(Whatman))を通して濾過し、そして濾液を濃縮 すると、0.167g(70%)の化合物12が白色固体として得られた。Rf=0.47(シ リカ、30%の1MのNH4OAc/イソプロパノール);1H NMR(D2O)δ4.64(d ,J=8.4Hz,1H、β−アノマー Glc),4.48(d,J=8.4Hz,1H、β− アノマー Glc),4.32(d,J=7.7Hz,1H,β−アノマー Gal),4.06( d,J=3.3Hz,1H,H−4 Gal),3.99(d,J=8.2Hz,1H),3.91−3 .83(m,3H),3.74−3.61(m,8H),3.59−3.38(m,7H),1.99( s,3H,NHAc),1.98(s,3H,NHAc),1.19(t,J=7.0Hz,3H,CH2 CH 3);13C NMR(D2O)δ175.0(=O),174.4(=O),102.7(β−ア ノマー),102.4(β−アノマー),101.4(β−アノマー),82.1,75.8,75.7 ,73.8,73.6,73.4,69.9,69.7,69.6,69.4,68.6,66.1,60.7,60.5,55.5 ,55.5,22.2(2C,CH3C=O),14.3(CH 2CH3);MS(LSIMS+)C24422 16Csについての計算値:747.4840、実測値:747.4845。 実施例7 ブチル3,6−ビス−O−〔β−D−グルコピラノシル(1→4)− 2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−β −D−ガラクトピラノシド(化合物14)〔反応の概要2、工程a〕 ガラクトシルトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.22,6U)およびウリジ ン5’−ジホスホガラクトース4’−エピメラーゼ(EC 5.1.3.2,8U )を、ナトリウムカコジレート(pH7.5,1M,0.4ml)、水(3.8ml)、BSA(5 %溶液、88μl)、MnCl2(1M,40μl)、アルカリ性ホスファターゼ(EC 3.1.3.1,1U/μl,44μl)、ウリジンジホスホグルコース2ナトリ ウム塩(161mg,0.285mmol)および三糖類化合物13(70mg,0.114mmol)を含有 する溶液に添加した。反応混合物を数回倒立させ、次いで室温に72時間放置した 。濾過しそして濾過をクロマトグラフィー(バイオゲルP−2,0.1MのNH4HCO3 )にかけると、凍結乾燥後、100mg(93%)の化合物14が白色固体として得られ た。Rf=0.25(シリカ、30%の1MのNH4OAc/イソプロパノール);1H NMR (D2O)δ4.65(d,J=7.8Hz,1H、β−アノマー Glc),4.49(d,J=7 .6Hz,1H、β−アノマー Glc),4.42(d,J=7.6Hz,1H,β−アノマー Gal),4.41(d,J=7.8Hz,1H,β−アノマー Gal),4.30(d,J=7 .8Hz,1H,β−アノマー架橋Gal),4.05(d,J=3.2Hz,1H,H−4 Ga l),3.99−3.43(m,31H),1.97(s,6H,OAc),1.18(t,3H,CH2CH 3 );13C NMR(D2O)δ174.9(C=O),174.4(C=O),102.9(β−ア ノマー),102.8(β−アノマー),102.6(β−アノマー),102.3(β−アノ マー),101.3(β−アノマー),82.2,78.4,78.1,75.4(2C),74.7,74. 6,73.4,72.5(2C),72.4,72.2,70.1(2C),69.71,69.67,69.4,68. 5(2C),66.0,61.0(2C),60.0,59.8,55.3,55.0,22.2(CH3C=O) ,17.0(CH 3C=O),14.3(CH3);MS(鉄スプレー)C366226について の計算値:938、実測 値:962(M+Na+),977(M+K+)。 実施例8 ブチル3,6−ビス−O−〔(アンモニウム5−アセトアミド−3, 5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピ ラノシロネート酸)−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1 →4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシ ル〕−β−D−グルコピラノシド(化合物14) 〔反応の概要2、工程b〕 N−型α(2,3)−シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.6,1 U)を、シチジン−5’−モノホスフェート−シアル酸(0.116g,0.166mmol) 、BSA(5%溶液、0.12ml)、ナトリウムカコジレート(pH6.5,1M,1.8ml) 、水(5.1ml,MnCl2(1M,0.6ml)、アルカリ性ホスファターゼ(EC 3.1 .3.1,1U/μl,30μl)、および五糖類化合物14(52mg,55μmol)の 溶液に添加した。反応混合物を4日間傾斜させた。反応はTLCにより完結しなか ったので、付加のシチジン−5’−モノホスフェート−シアル酸(0.116g,0.1 66mmol)、アルカリ性ホスファターゼ(1U/μl,30μl)、MnCl2(1M,0 .2ml)およびN−型α(2,3)−シアリルトランスフェラーゼ(1U)を添加 し、そして反応混合物をさらに5日間傾斜させた。濾過しそして濾過をクロマト グラフィー(バイオゲルP−2,0.1MのNH4HCO3)にかけると、凍結乾燥後、75 mg(86%)の化合物15が白色固体として得られた。Rf=0.15(シリカ、30%の 1MのNH4OAc/イソプロパノール);1H NMR(D2O)δ4.66(d,J=7.8Hz, 1H、β−アノマー Glc),4.51(bd,3H,Glc,Gal,Galのβ−アノマー) ,4.32(d,J=7.8Hz,1H,β−アノマー、架橋Gal),4.1−3.5(m,45H ),2.71(dd,J=12.3,4.3Hz,,2H,H−3(eq)シアル酸),1.99(s, 12H ,NHAc),1.76(dd,J=12.5Hz,2H,H−3(ax)シアル酸),1.19(t, 3H,CH2CH 3);MS(鉄スプレー)C5893442についての計算値:1520、 実測値:1512(〔M−H+〕−),759(〔M−2H+2-)。 実施例9 エチル3,6−ビス−O−〔(アンモニウム5−アセトアミド−3, 5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピ ラノシロネート)−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1→ 4)−(α−L−フコピラノシル−(1→3))−2−アセトアミド −2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−β−D−2−デオキ シ−β−D−グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシド(化合 物1) 〔反応の概要2、工程c〕 フコシルトランスフェラーゼV(ビーズ取り付けられた100mU)をナトリウ ムカコジレート(pH6.5,1M,0.5ml)、水(4.5ml),MnCl2(1M,0.2ml) 、アルカリ性ホスファターゼ(32U)、GDP-フコース2ナトリウム塩(0.11g, 0.18mmol)および七糖類化合物15(56mg,36μmol)を含有する溶液に添加した 。反応混合物を48時間傾斜させた。付加の酵素(100mU)およびMnCl2(1M,0. 2ml)を添加し、そして反応混合物をさらに4日間傾斜させた。濾過しそして濾 過をクロマトグラフィー(バイオゲルP−2,0.1MのNH4HCO3)にかけると、凍 結乾燥後、40mg(60%)の化合物1が白色固体として得られた。Rf=0.38(シ リカ、40%の1MのNH4OAc/イソプロパノール);1H NMR(D2O,500MHz)δ5 .13(d,J=3.5Hz,1H,α−アノマー Fuc),5.12(d,J=3.5Hz,1H ,α−アノマー Fuc),4.72(d,j=8.0Hz,1H,β−アノマー Glc),4 .59−4.51(多重ピーク、3H,β−アノマーのGlc,GalおよびGal),4.37(d ,J=8.0Hz,1H,β−アノマー架橋Gal),4.10(d,J=2.9H z,1H,H−3 Gal),4.10(d,J=2.9Hz,1H,H−3 Gal),4.03− 3.47(m,54H),2.77(dd,J=12.4,4.4Hz,2H,H−3(eq)シアル酸 ),2.03(s,6H,NHAc),2.01(s,6H,NHAc),1.81(dd,J=12.4, 12.4Hz,2H,H−3(ax)シアル酸),1.24(t,3H,CH2CH 3),1.18(d ,J=6.5Hz,6H,CH 3−フコース);HRMS(LSlMS−)C70117502(M −H+)についての計算値:1811.6579、実測値:1811.6693。 化合物20〜23を化合物1の製造において使用した方法に類似する方法で製造し 、反応の概要2の化合物6に相当するブロックしたガラクトシドは製造の間で異 なった。化合物についての20〜23についてのH−NMRデータを下に記載する。 化合物についての20〜23 NMRデータ 5−メトキシカルボニルペンチル2,6−ビス−O−〔(5−アセトアミド−3 ,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロ ン酸)−イル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L −フコピラノシル−(1→3))−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシド(化合物20) 1 H NMR(D2O,500MHz)δ5.09(d,J=3.5Hz,2H,H−1 Fuc),4.55 −4.48(m,3H,3×H−1),4.42(d,J=7.4Hz,1H,H−1 Gal) ,4.10−3.42(m,56H),2.76(dd,J=12.4,4.4Hz,2H,H−3(eq)N euAc),2.42(t,2H、アルキル),2.02(s,9H,NHAc),2.00(s,3 H,NHAc),1.79(dd,J=12.4,12.4Hz,2H,H−3(ax)NeuAc),1.63 (bm,4H、アルキル),1.40(bm,2H、アルキル),1.15(d,J=6.5Hz ,6H,H−6Fucs)。 5−メトキシカルボニルペンチル4,6−ビス−O−〔(5−アセトアミド−3 ,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロ ン酸)−イル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L −フコピラノシル−(1→3))−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕β−D−グルコピラノシド(化合物21) 1 H NMR(D2O,500MHz)δ5.10(d,J=3.5Hz,2H,H−1 Fuc),5.09 (d,J=3.5Hz,,1H,H−1Fucs),4.73−4.62(m,2H,2×H−1) ,4.50(m,3H),4.28(m,J=8.0Hz,1H,H−1 Gal),4.10−3.48 (m,56H),3.30(dd,J=8.8Hz,1H,OCH),2.75(dd,J=12.4,4.4H z,2H,H−3(eq)NeuAc),2.40(t,2H、アルキル),2.01(s,9H ,NHAc),1.98(s,3H,NHAc),1.78(dd,J=12.4,12.4Hz,2H,,H −3(ax)NeuAc),1.60(bm,4H、アルキル),1.38(bm,2H、アルキル ),1.15(d,J=6.5Hz,6H,H−6Fucs)。 5−メトキシカルボニルペンチル3−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデ オキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イ ル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L−フコピラ ノシル−(1→3))−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラ ノシル〕−4−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ セロ −D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β− D−グルコピラノシル−(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D −グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシドおよび5−メトキシカルボニ ルペンチル4−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ セロ −D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β− D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L−フコピラノシル−(1→3)) −2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−〔 (5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト− 2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル −(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシド(化合物22) 1 H NMR(D2O,500MHz)δ5.15(d,H−1 Fuc),5.08(d,H−1 Fuc ),5.12(d,J=3.5Hz,1H,H−1 Fuc),4.67−4.45(m,H−1), 4.30(d,H−1),4.12−3.45(m),2.75(dd,J=12.4,4.4Hz,H−3 (eq)NeuAc),2.39(t、アルキル),2.02(s,12H),1.77(dd,J−12.4 ,12.4Hz,H−3(ax)NeuAc),1.62(m、アルキル),1.36(アルキル),1 .14(d,H−6Fucs)。 5−メトキシカルボニルペンチル3−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデ オキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イ ル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L−フコピラ ノシル−(1→3))−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラ ノシル〕−2−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ セロ −D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β− D−グルコピラノシル−(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D −グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシドおよび5−メトキシカルボニ ルペンチル2−O−〔(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ セロ −D−ガラクト−2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β− D−グルコピラノシル−(1→4)−(α−L−フコピラノシル−(1→3)) −2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−〔 (5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト− 2−ノヌロ−ピラノシロン酸)−イル−(2→3)−β−D−グルコピラノシル −(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル〕−β−D−グルコピラノシド(化合物23) 1 H NMR(D2O,500MHz)δ5.085(d,H−1 Fuc),5.08(d,H−1 Fuc),5.12(d,J=3.5Hz,1H,H−1 Fuc),4.67−4.45(m、複数の H−1),4.12−3.45(m),2.75(dd,J=12.4,4.4Hz,H−3(eq)NeuAc ),2.39(t、アルキル),2.07,2.04,2.00(s,12H),1.77(dd,J=12 .4,12.4Hz,H−3(ax)NeuAc),1.62(m、アルキル)、1.36(アルキル) 、1.14(d,H−6Fucs)。細胞の結合のアッセイ 簡単なかつ高度に再現性ある方法を得るために、修飾された組換え可溶性E− セレクチン/HL−60細胞の付着のアッセイを開発し、これを使用して2価のSLex サッカリド化合物のE−セレクチンブロッキングポテンシャルを比較した。この アッセイにおいて、組換え可溶性E−セレクチン(rELAM)を96ウェルのELISAプ レートのプラスチック表面に結合させる。アッセイすべき2価のSLexサッカリド 化合物の希釈物をウェルに添加し、次いでE−セレクチンのためのリガンド担持 するHL−60細胞に添加する。細胞をE−セレクチン被覆アッセイプレートに付着 させ、そしてプレートを自動化プラスミド洗浄装置で洗浄して非付着細胞を除去 した。細胞の酵素のミエロペルオキシダーゼを測定して、結合した細胞を定量し た。遊離のSLexまたは類似体により阻害されるように対照の付着の50%の阻害を 達成するために要求される、アッセイした2価のSLexサッカリドのモル濃度を使 用して、意図する類似体を効力について比較 する。HL-60細胞およびELAM−1(E−セレクチン)レセプターを含有する細胞 に結合する他の細胞を結合するために基質として、ELAM−1の同様な結合した組 換え可溶性部分を使用する効能は、Lobbら、J.Immunol.,147:124-129(1991 )により証明された。 材料および方法:材料 ELISAプレート、イムロン(Immulon)2(ダイナテク・ラボラトリーズ〔Dyna tec Laboratories〕)(フィッシャー〔Fisher〕14-245-61) 0.2mフィルターユニット(ナルジーン〔Nalgene〕#150-0020) アフィニティー精製rELAM(組換え修飾ELAM−1)は、次のようにして製造し た。rELAMの各バッチを機能的に試験して、アッセイにおいて使用するために適 当な濃度を決定した。標準として化合物Z(後述する)による阻害を使用して、 バッチを1〜5μg/mlの範囲にわたって滴定した。次いで、小さいアリコート を調製し、ドライアイス・アセトン浴の中で急速凍結し、そして−70℃において 貯蔵した。各アリコートをただ1回だけ開き、次いで廃棄するか、または他のタ イプのアッセイにおいて使用するために取って置いた。 ここにおいて使用したE−セレクチンの可溶性の形態(rELAMまたはソル−E −セレクチン)は、cDNAからのトランスメンブレンドメインを欠失させることに よって操作した。この組換えcDNAを補乳動物の発現ベクターpCDNA1〔pCDM8の誘 導体;Seed,Nature,329:840(1987)〕(これはキメラのサイトメガロウイルス /ヒト免疫不全ウイルスのプロモーターを含有する)の中にクローニングしたア デノウイルス形質転換ヒト腎細胞系293の中に導入したとき、CMVプロモーターの 発現は、完全には描写されてきていない機構によ り、E1遺伝子産物により効率よく活性化される。pCDNA1−ソル−E−セレクチン の構成体を、リン酸カルシウム仲介遺伝子転移を介して、239細胞の中に導入し 、そして高いレベルのソル−E−セレクチンを発現する安定な細胞系が発生した 。これらの細胞により生産されたソル−E−セレクチンを、抗E−セレクチンモ ノクローナル抗体プロテイン−Aセファローズのカラム上のイムノアフィニティ ークロマトグラフにより精製した。 さらに詳しくは、アデノウイルス形質転換ヒト腎細胞系293はATCC(CRL-1573 )から入手した。293細胞はDMEMの中で付着性培養物として増殖し、このDMEMは ウィッテイカー・バイオプロダクツ(Whittaker Bioproducts)(マリイランド 州ワークスヴィレ)から入手し、10%胎仔ウシ血清(FBS)(JRHバイオケミカル 〔Biochemical〕(カンサス州レネクサ)から入手した)を補充されていた。 プラスミドpCDNA1,pCDM8の誘導体〔Seed,Nature,329:840(1987)〕を、イ ンビトロゲン(Invitrogen)(カリフォルニア州サンディエゴ)から入手した。 プラスミドpBluescript IIはストラタジーン(Stratagene)(カリフォルニア州 サンディエゴ)から入手した。プラスミドpSV2-neo〔Southernら、J.Mol.Appl .Gen.,1 :327(1982)〕は、アミノグリコシド3’−リン酸転移酵素の遺伝子 をエンコードする大腸菌(E.coli)遺伝子を含有する。pSV2-neoを哺乳動物細 胞の中に導入したとき、トランスフェクションされた細胞は抗生物質G418に対し て耐性である。 E−セレクチンのための切形構造遺伝子をエンコードする1.67kbpのDNA断片を 、IL−1活性化ヒト内皮細胞から単離したメッセンジャーRNAから誘導されたcDN Aのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の増幅により単離した。5’−アンプリマーは 、E−セレクチン構造遺伝子の開始コドンから28ヌクレオチド上流に独特CspI 制限部位を 挿入した。3’−アンプリマーは、成熟E−セレクチンのアミノ酸番号527後に 終止コドンTGAを挿入し、次いで独特XhoI制限部位を挿入した。ソル−E−セレ クチンのカルボキシ末端は第6コンセンサス反復要素のカルボキシ末端に位置し 、これによりトランスメンブレンのドメインを欠失する。1.67KbpのPCR断片をCs pIおよびXhoI制限エンドヌクレアーゼと同時消化し、そしてコーディングベク ターpBluescript IIのCspIおよびXhoI制限部位の中にサブクローニングし、ベ クターpBS11−ソル−E−セレクチンを得た。発現された可溶性−E−セレクチ ンは長さが527アミノ酸の残基であり、そして11の潜在的N−グリコシル化部位 を含有する。 ソル−E−セレクチンcDNAを含有する1.67kbpのDNA断片をpBS11−ソル−E− セレクチンから単離し、そして発現ベクターpCDNAIのEcoRVおよびXhoI位の中 にサブクローニングした。 pCDNA1−ソル−E−セレクチンをpSV2-neoと、リン酸カルシウム技術〔Kriegl er,Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual,W.H.Freeman、ニ ューヨーク州ニューヨーク(1991)〕により、293細胞の中に共トランスフェク ションした。トランスフェクションから48時間後、トランスフェクションされた 293細胞をトリプシン処理し、そしてDMEN,10%胎仔ウシ血清および600μg/ml (効力)のG418(Geneticin、シグマ〔Sigma〕)の中にプレトした。安定なG418 耐性集団が確立されるまで、選択培地を3日毎に交換した。 G418耐性細胞の単一のクローンをシリンダーをクローニングすることによって 単離した。一次抗体としてCY1787と表示する抗安定な発現モノクローナル抗体を 利用する酵素結合イムノアッセイ(ELISA)により、単離されたクローンをソル− E−セレクチンの合成についてスクリーニングした。陽性のクローンを106細胞 /100mm皿に おいてプレートた。それらを24時間後〔35S〕−メチオニンで5時間代謝的に標 識化した。標識化ソル−E−セレクチンを培地から抗E−セレクチンモノクロー ナル抗体CY1787で沈澱させ、そして10%PAGEゲルを通して電気泳動させ、ゲル乾 燥し、そしてオートラジオグラフィーにかけた。最大量の110-Kdソル−E−セレ クチンタンパク質/細胞を生産する安定な細胞として、クローン293#3を選択 した。 10チャンバーのNuc細胞ファクトリー(Cell Factory)(6250cm2の合計の表面 積、Nunc)に、5%FBSを補充したDMENの中の850mlの2.78×108細胞(クローン2 93#3)を接種し、そして37℃において72時間インキュベートした。培地を収穫 し、そして850mlのDMEN5%FBSと置換した。細胞ファクトリーを37℃において48 時間インキュベートした後、培地を第2回目に収穫し、そして850mlのDMEN,5 %FBSと置換した。細胞ファクトリーを37℃において48時間インキュベートした 後、培地を第3回(最終)目に収穫した。 各収穫後に、0.02%のアジ化ナトリウムを培地に添加した。培地を遠心(5000 ×g)により清浄化し、0.2μmのフィルターに通しそして、さらに精製するま で、4℃において貯蔵した。 本質的にSchneiderら、J.Biol.Chem.,257:10766(1982)に記載されている ように、モノクローナル抗体CY1787をプロテイン−Aに接合した。簡単に述べる と、PBSの中の28mgのモノクローナルCY1787(5mg/ml)を、5mlのプロテイン −Aセファローズ(Sepharose)と室温において30分間混合した。次いで、ビーズ を25mlの0.5Mのホウ酸塩緩衝液pH5.2と遠心することによって4回洗浄し、次い で10mlの0.2MのトリエタノールアミンpH8.2で2回洗浄した。次いで、樹脂を40 mlの0.02Mのジメチルピメルイミデートを含有する0.2Mのトリエタノールアミ ン緩衝液pH8.2の中に懸濁させた 。回転器上で室温において45分間反応させた後、樹脂を0.2Mのトリエタノール アミンpH8.2で2回洗浄し、次いで10mlの0.2Mのホウ酸塩緩衝液pH8.2で洗浄し た。0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5で溶離することによって、結合しない抗 体を除去した。適用した抗体のうちで、89%はプロテイン−Aセファローズに接 合した。 CY1787−プロテイン−Aセファローズの1.5cm×3cmのアフィニティーカラム に直列に接続されたプロテイン−Aセファローズの0.7cm×1.5cmの前カラムに、 組織培養上澄み液(2550ml)を20ml/時の流速で通過させた。次いでカラムを分 離し、そしてCY1787含有アフィニティーカラムを150mMのNaClおよび2mMのCaCl2 を含有する20mMのTris緩衝液、pH7.5で、溶出液の280nmにおける吸収がゼロにな るまで、洗浄した。結合したE−セレクチンは、1mMのCaCl2を含有する0.1Mの 酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5で重力流れにより溶離した。画分(1ml)を300μl の2MのTris,pH10の中に集めた。タンパク質を含有する画分をプールし、そし てDPBSに対して透析した。タンパク質濃度がほぼ1mg/mlになるまでアミコン・ セントリプレプ(Amicon Centriprep)30の濃縮後、精製したE−セレクチンの アリコートを取り、そして−80℃において貯蔵した。純度はSDS-PAGEにより90% より大きかった。合計10mgのE−セレクチンを2550mlの細胞培地から精製した。 ダルベッコのPBS(ダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水;DPBS)(ウィッタカー 〔Wittaker〕,17-513B) HL−60細胞のHL−60(ATCC CRL 240)Aの大きいバッチを成長させ、アッセイ において機能について試験し、そしてマイコプラズマ不含と評価された。細胞を −180℃で10% DMSO,10%胎児仔ウシ血清、80%RPMI 1640(ウィッタカー)の 中で15×106細胞/バイアルにおいて2mlのクライオバイアルの中で凍結させた 。凍結は速 度制御のフリザーを使用して実施した。 化合物Zの標準のSLex五糖類−OEt: NeuAcα−2→3Gal β1→4〔Fuc α1→3〕GlcNAcβ1→3Gal βOEt 化合物Zの標準はDPBSの中の10mMの溶液として製造した。この溶液を−20℃に おいて貯蔵した。 好中球洗浄緩衝液(NWB): 10×HBSS(ハンクの平衡化塩溶液; ギブコ〔Gibco〕,310-4065) 20ml 1MのHEPES(ギブコ、380-5630) 2ml Super Q H2O 178ml D−グリコース(シグマ、G 7021) 0.4g 200ml 毎日新しくするか、または滅菌した溶液を4℃で貯蔵した。pHを7.2〜7.4にし 、濾過滅菌した(0.2μ)。 100mMのCaCl2原溶液: 塩化カルシウム、無水(ベイカー〔Baker〕、 1308) 1.1g Super Q H2O 100ml 濾過滅菌した(0.2m) 100ml 好中球洗浄緩衝液+1mMのCaCl2+0.1%のBSA(NWB/Ca/BSA): ウシ血清アルブミン(シグマ、A−6918) 10g 100mMのCaCl2原溶液 100ml NWBを添加して 1000ml pH 7.2〜7.4にした。濾過滅菌(0.2μ)し、4℃で貯蔵した。 ブロッキング緩衝液: DPBS(ウィッタカー、17−513B 100ml ウシ血清アルブミン(シグマ、A−6918) 1g 100ml pH 7.2〜7.4にした。濾過滅菌(0.2μ)し、4℃で貯蔵した。 クエン酸溶液、0.1M: クエン酸、無水、遊離酸(シグマ、C−0579) 10.5g Super Q H2Oを添加して 500ml 体積測定またはメスシリンダーの中で調製した。室温において貯蔵した。 リン酸ナトリウム溶液、0.2M: リン酸ナトリウム、二塩基性、無水(Na2HPO4) (シグマ、S−0876) 14.2g Super Q H2Oを添加して 500ml 体積測定またはメスシリンダーの中で調製した。室温において貯蔵した。 クエン酸塩/リン酸塩緩衝液: クエン酸溶液(0.1M) 24.3ml リン酸ナトリウム溶液(0.2M) 25.7ml Super Q H2Oを添加して 50ml 100ml 室温において貯蔵した。 細胞溶解緩衝液: ノニデットP40(NP-40) (シグマ、N−6507 0.1g 0.1Mのクエン酸塩 24.3ml リン酸ナトリウム、二塩基性、 25.7ml Super Q H2O 50.0ml 100.0ml 室温において貯蔵した。 OPDA(o−フェニレンジアミン): クエン酸塩−リン酸塩緩衝液 10ml o−フェニレンジアミン二塩酸塩 (シグマ、P 8287) 10mg H2O2(シグマ、H 1009) 10ml 10ml 使用直前に調製した。過酸化水素は10℃で暗所で貯蔵した。 H2SO4停止緩衝液、4N 硫酸、18M(フィッシャー、 A3000a−212) 110ml Super Q H2Oを添加して 500ml 方法 1.アッセイは96ウェルのイムノラン(Immunolan)2プレート(ダイナテク・ラ ボラトリーズ・インコーポレーテッド、バージニア州チャンチリイ;カタログ# 011-0103655)の中で実施した。rELAM(ソル−E−セレクチン)を現在のバッチの ために適当な濃度に希釈した。これらのアッセイのために、rELAMを2.5または3. 0μg/mlの濃度で使用した;ウェルの被覆は室温において実施した。マルチチ ャンネルのピペットを使用して、50μl/ウェルを1つのELISAプレートの下記 のウェルに添加した:E1−E6,F1−F6、およびG1−G6。DPBS(50μl)を対照と して使用するためのウェルH1,H2、およびH3に添加した。このプレートを前試験 プレートと呼ぶ。 1つの追加のアッセイプレートをアッセイすべきすべての3つの未知の試料の ために被覆した。再び、マルチチャンネルのピペットを使用して、希釈したrELA Mをプレートの下記のウェルに添加した:B1-B12,C1-C12,D1-D12,E1-E12,F1- F12,G1-G12。DPBS(50μ l)を対照として使用するためのウェルH1,H2、およびH3に添加した。これらの プレートを箔でカバーし、そして室温において3時間インキュベートした。 2.プレートを200mlのブロッキング緩衝液で3回洗浄した。ウェルに200μl のブロッキング緩衝液を再充填し、箔でカバーし、そして室温において1時間イ ンキュベートした。 3.すべての2つの調製した試料のために、凍結したHL−60細胞の3つのバイ アルを融解した。バイアルを37℃の水浴の中で急速融解した。10mlの氷冷NWB1% BSAを含有する15mlの遠心管の中に、細胞をピペットで入れた。細胞を4℃の遠 心機の中で1200rpmで7分間遠心し、そしてNWB/BSAの中で2回洗浄した。細胞を 血球計で計数し、そしてNWB+1%BSA+1mM CaCl2の中に107/mlに再懸濁させ た。 4.細胞を洗浄している間、標準およびアッセイ化合物の溶液を調製した。ア ッセイすべき2価のSLexサッカリド化合物を1.5mlエッペンドルフ管の中に秤量 して入れ、そしてその分子量に従い各試料を10mMの溶液とするために十分なDPBS を添加した。各試料の6μlのアリコートを取り出し、そして2μlをpH試験片 のaの各正方形上に点在させた。試料がpH7〜7.4でなかった場合、pH値をその 範囲に調節するか、または化合物をアッセイしなかった。アッセイは使用すべき 各化合物の10mMの溶液の180μl、および試験プレートを含む実験すべき各プレ ートのための化合物Z標準の10mMの溶液の180μlを必要とする。10mMの溶液か らNWB中の希釈により、インヒビターの系統的希釈物を調製した。 5.ブロックしたELISAプレートを倒立させそして軽打し、そして紙タオル上 で激しく軽く叩くことによってブロットして、すべての液体をウェルから除去し た。次いで、40μlのNWB+1%BSA+ 1mMのCa+2をマルチチャンネルのピペットにより各ウェルに添加した。 6.液体のすべてを前試験プレートのウェルE6およびG6から除去した。40μl の化合物Zの10mMのアリコートを空のウェルの各々に、ならびにウェルE5および G5に添加した。40μlにおいてp200ピペットマンで10回上下にピペッティングす ることによって、ウェルE5の中の溶液を混合した。溶液の40μlのアリコートを ウェルから除去し、そしてプレートを系統的に横切ってウェルE4、次いでE3およ び次いでE2において希釈し、各回10回混合した。40μlのアリコートを最後のウ ェルから取り出し、そして廃棄した。この手順を行G4〜G2について反復した。 7.マルチチャンネルのピペットを使用してHL−60細胞(2×105)を20μlで 各ウェル(H1を除外する)に添加した。プレートをプレート震盪器上に5秒間配 置し、そして室温において15分間放置した。 8.遅い液体の送り出しに調節しかつ3回洗浄/ウェルにセットしたモレキュ ラー・ディバイシズ・マイクロプレート(Molecular Devices Microplate)洗浄 装置(#4845−20型)を使用して、洗浄溶液としてNWB+1%BSA+1mM CaCl2で プレートを洗浄した。 9.細胞溶解緩衝液(50μl/ウェル)を添加し、そしてプレートをプレート 震盪器上に室温において5分間配置した。 10.50μlのアリコート/ウェルのOPDA溶液を添加し、そしてプレートをプレ ート震盪器上に室温において10分間配置して、HL−60細胞から解放されたミエロ ペルオキシダーゼの生産についてアッセイした。 11.10分後、40μl/ウェルのH2SO4停止緩衝液の添加により発色反応を停止 させ、そしてプレートのウェルについて光学密度(O .D.)をタイターテックス(TiterTex)プレートリーダーで492nmにおいて読 み、ブランクとしてウェルH1を減じた。 12.ウェルH2およびH3のためのO.D.値を平均することによって、陰性の対 照を決定した。これは「E−セレクチンなしの陰性の結合の対照」である。「陽 性の結合の対照」を標準曲線についてウェルE1,F1,F2,F3,F4,F5,F6、およ びG1の平均として計算した。「E−セレクチンなしの陰性の結合の対照」が平均 の「陽性の結合の対照」の10%より大きい場合、アッセイを続けなかった。その 値が平均の「陽性の結合の対照」の10%より小さいか、またはそれに等しい場合 、試料の二重反復実験(E6,G6),(E5,G5),(E4,G4),(E3,G3)および (E2,G2)を平均した。各二重反復実験の平均を平均の「陽性の結合の対照」値 で割って、アッセイした化合物の各濃度について陽性の結合の百分率を得た。「 陽性の結合の対照」の百分率をインヒビターの対数濃度に対してプロットした。 50%の阻害点をこのグラフから決定した。この点は0.5と1.5mMとの間で存在すべ きであり、そして存在しない場合、アッセイを続けなかった。 13.前試験プレートの標準曲線が許容される限界内に存在した場合、アッセイ の残りを進行させた。標準の化合物Zをステップ6におけるように各試料プレー ト上で希釈した。アッセイした化合物を同様に希釈した。アッセイした2価のSL exサッカリド化合物を下記の鋳型に従いプレート上に配置した: 14.すべてのアッセイ試料をプレート上で希釈したとき、HL−60細胞を上のス テップ7におけるように添加し、そして手順は上のようなステップ11に従った。 15.平均の「陽性の結合の対照」をアッセイ#1についてウェルB2,C1〜6お よびD2から;アッセイ#2についてウェルB12,C7〜12およびD12から;そして アッセイ#3についてウェルE12,F7〜12およびG12から計算した。各アッセイ の各希釈物についての陽性の結合の百分率をグラフにし、そして50%の阻害点を このグラフから決定した。各2価のSLexサッカリド化合物についての活性は、標 準化合物Zについての50%の結合値/アッセイした2価のSLexサッカリドの試料 についての50%の結合値の比として決定した。SLexそれ自体についての値を同様 に決定した。 SLexそれ自体およびいくつかの意図する2価のSLexサッカリド化合物について の化合物Zの比についての値を、下記表1に記載する。SLexに関して補正すべき IC50値の比は、示した値を0.76で割ることによって決定する。 上のデータを検査すると示されるように、SLexのIC50値の比/典型的なサッカ ライドの各々のそれは2より大きかった。化合物1についてのその比は約3.5〜 5であるが、化合物50についてのその比は約3.5であった。 第1図は、化合物1,20,21,22および23ならびに化合物Zを使用して、濃度 のある範囲にわたって実施した結合の阻害の研究の結果を示す。その図面から理 解されるように、化合物1は最も活性であり、次いで化合物23および22は化合物 21より活性であり、化合物21それ自体は化合物20より活性であった。二量体のす べての5(2価のSLexサッカリド化合物)は五糖類の化合物Zよりも非常にわず かに活性であった。ラットにおける肺の損傷に対する保護のためにSLexを使用す るin vivoの研究は、in vivoのIC50値が約1μMであることを示す。Mulliganら 、Nature,364:149(1993)。 スクリップス研究所(The Scripps Research Institute)(カリフォルニア州 ラジョラ)の化学部のChi-Huey Wong博士および共同研究者らにより実施された 、1H NnRを使用する化合物1ならびに化合物20および21の詳細なコンフォメー ションの分析により、二量体の各々のSLexのドメインはモノマーのSLexと基本的 に同一のコンフォメーションで存在することが示された。二量体の活性の差は、 SLexのドメインの間の相対的向きおよび距離の差から誘導される可能性が最も強 い。 以上の説明および実施例は例示を意図し、そして限定として解釈すべきではな い。本発明の精神および範囲内のなお他の変化は可能であり、そして当業者にと って明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BG,CA,CN,CZ,FI, HU,JP,KR,MN,NO,NZ,PL,RO,R U,SK,UA,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記構造式: 〔式中、 Rは直接に結合した2価の単糖類の単位であり、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザヒドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキ ン、アミノ、モノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1−C6アルキルアミノ、ベ ンジルアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノから成る群より選択される 置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである〕を有する化合 物。 2.Z2が水素である請求の範囲第1項記載の化合物。 3.Z1が水素である請求の範囲第1項記載の化合物。 4.両方のZ1およびZ2がα−L−フコシルである請求項1に記載の化合物。 5.Rが から成る群より選択される構造を有し、 R1が水素、C1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロカ ルビル、C1−C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレート、およびω −トリ(C1−C4アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群 より選択されるか、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎖状、分技鎮状または 環状のヒドロカルビルカルバメートを形成する、請求項1に記載の化合物。 6.下記一般式: 〔式中、Rは から成る群より選択され、 R1は水素、C1−C18直鎖状、分枝鎮状または環状のヒドロカルビル、C1− C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレートおよびω−トリ(C1−C4 アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群より選択される か、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎮状、分枝鎖状または環状のヒドロカ ルビルカルバメートを形成し、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザヒドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6 アルコキシ、アミノ、モノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1−C6アルキルア ミノ、ベンジフレアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノから成る群より 選択される置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである〕で表わされる 化合物。 7.Yがカルボニルである請求の範囲第6項記載の化合物。 8.下記式: に相当する構造を有する請求の範囲第7項記載の化合物。 9.Rが2価のガラクトシドである請求の範囲第8項記載の化合物。 10.下記式: に相当する請求の範囲第9項記載の化合物。 11.下記式: に相当する構造を有する請求の範囲第7項記載の化合物。 12.Rが2価のガラクトシドである請求の範囲第11項記載の化合物。 13.下記式: に相当する請求の範囲第12項記載の化合物。 14.下記式: に相当する構造を有する請求の範囲第7項記載の化合物。 15.Rが2価のガラクトシドである請求の範囲第14項記載の化合物。 16.下記式: に相当する請求の範囲第15項記載の化合物。 17.下記式: に相当する請求の範囲第15項記載の化合物。 18.下記式: に相当する請求の範囲第15項記載の化合物。 19.シアリルLeXをそれらの表面上に発現する細胞がセレクチンに結合するの を阻害するために十分な量の2価のシアリルルイスXサッカリドを含んでなり、 前記2価のシアリルルイスXサッカリドは製薬上許容される希釈剤の中に溶解ま たは分散しており、そして下記構造式: 〔式中、 Rは直接に結合した2価の単糖類の単位であり、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザヒドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキ シ、アミノ、モノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1 −C6アルキルアミノ、ベンジルアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノ から成る群より選択される置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである)を有する化合 物。 20.Z2が水素である請求の範囲第19項記載の製剤組成物。 21.Z1が水素である請求の範囲第19項記載の製剤組成物。 22.両方のZ1およびZ2がα−L−フコシルである請求の範囲第19項記載の製 剤組成物。 23.Rが から成る群より選択される構造を有し、 R1が水素、C1−C18直鎖状、分技鎮状または環状のヒドロカルビル、C1− C6アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレート、およびω−トリ(C1-4 アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群より選択されるか 、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロカル ビルカルバメートを形成する、請求の範囲第19項記載の製剤組成物。 24.セレクチン、およびシアリルLeXをそれらの表面上に発現する細胞を水性 媒質中で付着阻害量の2価のSLeXサッカリド化合物と混合することからなり、前 記サッカリド化合物は、下記一般式: 〔式中、 Rは直接に結合した2価の単糖類の単位であり、 YはC(O),SO2,HNC(O),OC(O)およびSC(O)から成る群より選択さ れ、 R2はC1−C18脂肪族、アリール、置換アリールおよびフェニルC1−C3アル キレン基から成る群より選択され、ここでアリール基は1つの6員の芳香族環ま たは2つの融合した6員の芳香族環を有し、前記環はヒドロカルビル、モノアザ ヒドロカルビル、またはジアザヒドロカルビルの環であり、そして置換アリール 基はハロ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキ シ、アミノ、モノ−C1−C6アルキルアミノ、ジ−C1−C6アルキルアミノ、ベ ンジルアミノおよびC1−C6アルキルベンジルアミノから成る群より選択される 置換基を有する前述のアリール基であり、 R3はメチルまたはヒドロキシメチルであり、 Xはヒドロキシル、C1−C6アシロキシ、C2−C6ヒドロキシアシロキシ、ハ ロおよびアジドから成る群より選択され、 Z1およびZ2はα−L−フコシルまたは水素(H)であるが、Z1およびZ2の 少なくとも一方はα−L−フコシルであり、そして Mはプロトン(H+)または製薬上許容されるカチオンである〕有する、セレ クチンとシアリルLeXをそれらの表面上に発現する細胞との間の付着を阻害する 方法。 25.Rが から成る群より選択される構造を有し、 R1が水素、C1−C18直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロカルビル、C1− C6 アルキルC1−C5アルキレンω−カルボキシレート、およびω−トリ(C1 −C4アルキル/フェニル)シリルC2−C4アルキレン基から成る群より選択さ れるか、またはOR1は一緒になってC1−C18直鎮状、分枝鎖状または環状のヒド ロカルビルカルバメートを形成する、請求の範囲第24項記載の方法。 26.両方のZ1およびZ2がα−L−フコシルである請求の範囲 第24項記載の方法。 27.前記セレクチンが天然のE−セレクチンのアミノ末端の527アミノ酸残基 を含有し、そしてその分子のトランスメンブレンのドメインを欠如する組換えE −セレクチンであり、前記組換えセレクチンが固体の支持体に結合されている請 求の範囲第24項記載の方法。
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