JPH0950051A - エレクトロクロミック素子の駆動方法 - Google Patents

エレクトロクロミック素子の駆動方法

Info

Publication number
JPH0950051A
JPH0950051A JP7222787A JP22278795A JPH0950051A JP H0950051 A JPH0950051 A JP H0950051A JP 7222787 A JP7222787 A JP 7222787A JP 22278795 A JP22278795 A JP 22278795A JP H0950051 A JPH0950051 A JP H0950051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ecd
color
constant current
voltage
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7222787A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ishibashi
石橋  亮
Masaki Wakabayashi
雅樹 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK Corp filed Critical YKK Corp
Priority to JP7222787A priority Critical patent/JPH0950051A/ja
Publication of JPH0950051A publication Critical patent/JPH0950051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部より制御すべき因子を減らすことによ
り、エレクトロクロミック素子(ECD)の使用を簡便
化できる駆動方法を提供すると共に、ECDを駆動する
電圧範囲を拡大でき、発色及び色保持の為の操作を簡略
化する。 【解決手段】 ECDの発色、色保持を、定電流素子を
介して定電流により行う。定電流素子としては、ECD
に対してダイオードを逆方向接続して用いることができ
る。ECDの自己放電電流を逆方向接続したダイオード
から補うことで、ECDの発色保持時間を大幅に延長で
きる。また、定電流素子より流れ込む電流がECDの自
己放電電流より大きい場合、所定の間隔でECDの端子
を解放し、自己放電させることにより、過充電によるE
CDの劣化を防止できる。さらに、発色後、定電流素子
に接続する前に、ECDの端子を解放し、自己放電させ
ることにより、ECD電圧を低く抑えつつ、色の保持が
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロクロミ
ック素子の駆動方法および駆動に用いる電気回路に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】エレクトロクロミック素子(以下、ECD
と略称する)は、イオンの作用により発色する現象を利
用した表示素子であり、二つの電極の間に発色剤(エレ
クトロクロミック材料)、電解質、対極物質を挟み込ん
だ構造を持つ。この構造は蓄電池の構造と似ており、充
電により発色、放電により消色すると考えることが出来
る。従来、ECDの発色は、一定電圧を一定時間印加す
る、いわゆる定電圧法により行われてきた。これによ
り、ECDに必要な電荷量が蓄積され、発色剤とイオン
の作用により発色する。一方、消色は、ECDの両端子
を短絡する、または逆の電圧を印加することにより行わ
れる。ECDは、一旦充電すると発色状態を維持するこ
とができる。しかし、ECDの自己放電のため、次第に
電荷が抜け、やがて消色してしまう。そのため、発色を
維持するためには、消色する前に再度充電し、発色させ
る操作が必要である。
【0003】定電圧法においては、電圧と時間の2つの
要素を制御する必要がある。すなわち、保持用の電圧を
別途用意し、タイマ等により、印加時間、再充電の間隔
を制御する必要がある。また、適当な電源がない場合に
は、抵抗による分圧回路を必要とする。しかし、この場
合、分圧回路に流れる電流はECDの発色に関与しない
余分な電流となり、本来、ECDが特徴とする小電力性
を損なうものであった。また、ECDの温度が変化する
と色保持特性が変化するため、温度により再充電の間隔
を変化させる必要があった。これらの因子を全て最適に
制御するには複雑な回路を必要とし、さらに、本来EC
Dが消費する電力以上の電力を必要とした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の基本
的な目的は、外部より制御すべき因子を減らすことによ
り、上記のような複雑な制御方法を改め、ECDの使用
を簡便化できる駆動方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、ECDを駆動する電圧範囲を拡大し、抵
抗による分圧回路を省略し、ECDの発色および色保持
の為の操作を簡略化することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、ECDに対して実質的に一定電流
を流す方式、いわゆる定電流法によりECDの発色を行
い、また、ECDの色保持も定電流法により行うことを
特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法が提供
される。ECDに対する定電流の供給は、定電流素子を
介して、例えばECDに対して逆方向に接続されたダイ
オードの逆方向電流特性を利用して行うことができる。
【0006】さらに本発明の他の側面によれば、定電流
素子よりECDにECDの自己放電電流より少ない電流
を流すと共に、所定時間毎にECDに電荷を注入し、再
発色させることを特徴とするECDの色保持方法も提供
される。好適な態様においては、ECDに電荷を注入す
る前に、又は注入した直後に、所定時間、ECDの電圧
を低下させ、例えばECDの端子を解放して自己放電さ
せることによりECD電圧を低くし、ECDの発色状態
の固定を回避する。
【0007】
【発明の実施の形態】前記のように、ECDは充電によ
り発色、放電により消色する蓄電池と考えることが出来
る。そのため、ECDを発色させる方法としては、蓄電
池に充電する場合と同様に、定電圧により発色する方法
と、定電流により発色する方法の2つの場合が考えられ
る。定電圧により発色する方法は、一定の電圧を所定の
時間、ECDに印加することにより、所定の電荷量をE
CDに流し込み、発色させる方法である。しかし、この
方法においては、ECDの起電力が低い初期において、
ECDに大量の電荷が流れ込み、発色剤とイオンの反応
が急激に起こることになる。このような急激な反応はE
CDの寿命を著しく損なう。従来、これを避け、初期の
電流を減少させるために、ECDと電源の間に直列に抵
抗を挿入し、突入電流を減少させる方法が採用されてき
た。しかし、この方法では充電後期の電流も減少させて
しまう。そのため、十分に突入電流を抑えた場合には、
発色に必要な時間が延びる欠点がある。さらに、所定の
電圧を必要とするため、電源電圧が所定の電圧より高い
場合には、抵抗による分圧回路を用い、適当な電圧を作
り出す必要がある。分圧回路に流れる電流はECDの発
色には関与せず、余分な電流である。従って、このよう
な方法はECDの特徴である小電力性を損なうものであ
る。
【0008】本発明においては、前記のような定電圧法
による駆動上の問題点を取り除き、ECDのより簡便な
使用法を提供するものである。すなわち、ECDの発色
及び色保持を、定電流素子を介して定電流により行う。
ECDを定電流で駆動する場合、電源電圧はECDの発
色電圧以上であれば何Vであってもかまわず、ECDを
駆動する電圧範囲を拡大できる。また、ECDの駆動に
定電流方式を採用することにより、定電圧法のような急
激な初期の突入電流がなく、ECDの負荷が小さくな
り、繰り返し寿命が大幅に伸びる。さらに、従来のよう
に抵抗による突入電流の抑制方法と異なり、発色後期の
電流が少なくなることもないため、発色時間を短縮する
ことができる。
【0009】前記定電流素子としては、例えばECDに
対して逆方向に接続したダイオードを好適に用いること
ができる。ダイオードに逆方向電圧を印加した場合、降
伏電圧までの間に定電流動作をする領域がある。ダイオ
ードの降伏電圧は素子により異なり、降伏電圧付近では
急激に電流が増加し始める。0Vから、この急激に電流
が増加し始めるまでの領域では、ほぼ一定の電流が流れ
る。また、この一定電流の大きさはダイオードの特性と
温度によって決まる。ダイオード両端の電圧の変化によ
り、小さな傾きをもって電流が増加するが、その傾きは
小さく、概ね定電流素子として機能する。例えば、ダイ
オード1SS176は図1に示すような特性を持ち、E
CDに対して逆方向に接続することにより定電流素子と
して機能する。
【0010】また、市販の定電流ダイオード、トランジ
スタの逆接続でも同様な特性が得られる。トランジスタ
のベース−エミッター、ベース−コレクタ間はダイオー
ドとみなすことができる。そのため、ダイオードに替え
て、トランジスタの逆接続を用いることもできる。トラ
ンジスタのベースに定電流を流した場合にも、定電流素
子として用いることができる。さらにはFETの5極管
特性を利用してゲート電圧を一定として用いる場合も、
同様な定電流素子として用いることができる。
【0011】ECDは発色剤と対向電極の間に電解質を
挟んで構成されるが、この電解質に流れる電流は面積に
比例する。電解質としては液体、固体のいずれも使用で
きるが、実用的には固体電解質が液漏れ防止等の点から
望ましい。電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム
を1モル/リットル溶解したプロピレンカーボネイトを
アクリルゴムに含浸させた固体電解質を好適に使用でき
る。発色剤は特に限定されるものではないが、酸化タン
グステン等の無機酸化物、ポリチオフェン、ポリアニリ
ン等の導電性高分子、ビオロゲン等の有機低分子化合物
等を好適に使用できる。対向電極としては、対極物質
(発色剤がポリチオフェン、電解質が過塩素酸リチウム
の場合、リチウムイオンを吸収できる例えば酸化タング
ステン、グラファイト等の電気化学的作用物質)を坦持
させた金属電極、ITO、高分子導電体を好適に使用で
きる。なお、対向電極による対極物質の坦持は必須では
ない。
【0012】図2のように電源2から直接ECD1を接
続した場合、電源電圧とECDの電圧の差がダイオード
3の電圧となる。前記したように、ダイオードは定電流
素子として機能するため、電源電圧はダイオードの耐圧
以下であれば、何Vであってもかまわない。例えば、
3.6Vのリチウム電池を電源とする場合、ECDの電
圧は概ね1Vであることから、ダイオードには2.6V
の電圧がかかる。ダイオード1SS176の25℃にお
ける端子間電圧2.6Vの時の逆方向電流は、実測値よ
り2.8nAである。過塩素酸リチウムを1モル/リッ
トル溶解したプロピレンカーボネイトをアクリルゴムに
含浸させた、厚み0.6mm、面積7×7mmの平板状
固体電解質の安定電流は3.6nAであった。ECDに
電圧を印加した時、当初、発色剤(あるいはさらに前記
対極物質)の反応により大きな電流が流れる。この大き
な電流は次第に減少し、発色剤が全て反応すると、電解
質の安定電流だけが素子に流れる電流となる。以後、こ
れをECDの漏れ電流と呼ぶ。
【0013】ダイオードの逆方向電流とECDの自己放
電電流は、温度に対してアーレニウスプロットにより直
線関係が得られる。図3に、ダイオード1SS176、
1SS184、1SS294の端子間電圧2.6V時の
逆方向電流と前述の平板状固体電解質を用いたECDの
端子間電圧1V時の自己放電電流のアーレニウスプロッ
トを示す。アーレニウスプロットには横軸に絶対温度の
逆数、縦軸に電流をとって示した。ECDの自己放電電
流と1SS176の逆方向電流は34℃に相当する点で
交わり、34℃以上では1SS176の逆方向電流がE
CDの自己放電電流より大きく、34℃以下ではECD
の自己放電電流が1SS176の逆方向電流より大き
い。ダイオードを選択することにより、この交点をシフ
トすることができる。例えば、1SS184では交点は
28℃に移動する。
【0014】一方、1SS294の逆方向電流は、図3
に示す範囲では常にECDの自己放電電流を上回る。こ
のような、ECDの自己放電電流以上の定電流を流す定
電流素子を接続することにより、ECDを発色させるこ
とができる。この場合、発色のためにECDに流れる電
流は常に一定で、時間を制御することで注入電荷量を制
御できる。また、電源の電圧は定電流素子の耐圧以内で
あれば何Vであってもかまわない。
【0015】ECDの色を保持する目的においては、定
電流素子からECDに流れ込む電流は、ECDの自己放
電電流より若干少ない電流が望ましい。ECDの自己放
電電流以上の電流を供給した場合、ECDには次第に電
荷が蓄積し、変色がより深い方向へ進行する。やがてE
CDは過充電状態に達する。長時間、過充電状態でEC
Dを放置した場合、元の色へ戻らなくなる。一方、EC
Dの自己放電電流より若干少ない電流を供給した場合、
ECDの色は変色前の色へと次第に変化する。この場
合、所定時間毎に再充電することで、変色状態を保持で
きる。このように、ECDの自己放電電流より少ない電
流を定電流素子からECDに連続的に供給し、所定時間
毎に電荷を注入し、発色を保持することにより、過充電
を防止し、ECDの寿命を延ばすことができる。
【0016】このような色保持方法においても、長期に
わたってECDの発色状態を維持した場合には、次第に
色が抜けにくくなり、発色状態で固定されてしまう。こ
れを回避するためには、定期的にECDの端子間を短絡
するか、逆電圧を印加して、発色前の状態へ戻し、再び
発色させる必要がある。しかし、この方法では、ECD
が一旦元の色へ戻るため、表示用の素子としてはふさわ
しくない。本発明においては、ECDの自己放電を利用
して余剰な電荷を放出させ、再び電荷を注入して発色さ
せることにより、元の色に戻すことなく、ECDの発色
状態での固定を回避する方法が開示される。
【0017】前述の定電流素子を用いた色保持方法にお
いても、定電流素子から供給される電流が大きい場合に
は、ECDは次第に過充電状態へと変化する。特に、図
3のダイオードとECDの自己放電電流の交点以上の高
温ではダイオードの逆方向電流はECDの自己放電電流
を上回り、次第に過充電状態へと向かう。このような条
件では電荷の再注入を行う必要はなく、むしろ余剰な電
荷の放出が問題となる。また、ダイオードの逆方向電流
がECDの自己放電電流より小さい場合であっても、充
電状態で発色剤に取り込まれたイオンはより深い結合状
態へ変化する傾向があり、長期に発色を保持した場合に
は、過充電の場合と同様に発色の固定が起こる。これを
防ぐためには、過充電の場合と同様に電荷を放出させる
必要がある。
【0018】発色状態の色を大きく変えることなく、余
剰な電荷を減少させるためには、ECDの端子間を所定
時間開放し、ECDの自己放電により余剰な電荷を次第
に減少させる方法が好ましい。この方法は、ダイオード
の逆方向電流が小さい場合にも有効である。自己放電さ
せる時間は、ECDの自己放電特性により決められ、自
己放電の小さなECDは時間を長くし、自己放電の大き
なECDは時間を短くする。また、自己放電時間は色に
よっても決められる。自己放電時間中は次第に元の色へ
変化するため、どこまで色の変化を許容するかによって
も自己放電時間は決められる。ただし、ダイオードの逆
方向電流が小さい場合には、ECDの端子間を所定時間
解放し、ECDの自己放電により余剰な電荷を放出させ
た後、再度電荷を注入する操作が必要である。ダイオー
ドの逆方向電流が大きい場合には、電荷の再注入は必要
なく、再度ダイオードに接続することにより、次第に深
い発色状態へと変化させることができる。
【0019】このような電荷の放出は、再度電荷を注入
する直前に行う方が効果的である。ECDの端子を解放
にする間に色は次第に元の色へと変化する。そのため、
発色時の色と微妙に異なる色を示すことになる。このよ
うな異なる色を示す時間はできるだけ短くする方が表示
が鮮明となる。そのため、直後に再充電により、発色時
の色に復帰させ、発色の鮮明さを確保する方が望まし
い。また、ECDの電圧は再度電荷を注入する直前が最
も低くなっており、ECDから電荷を放出させる効果も
大きく、放出後のECDの電圧も低くなる。
【0020】また、ECDの発色状態の固定を回避する
には、低い電圧で色を保持することが望ましい。電荷を
注入し、発色させた直後に時間をおかずに定電流素子に
接続し、発色を維持した場合、発色時の高い電圧から次
第にバランス点へ向けて電圧が低下する。一方、発色し
た後、ECDの電圧を低下させた後に定電流素子に接続
した場合、より低い電圧から次第にバランス点へ向けて
電圧が上昇する。ECDの色は、このような操作の違い
によっても大きく異なることはなく、色の差は軽微であ
る。ECDの電圧を低下させる方法としては、ECDの
端子を解放状態として自己放電により電圧を低下させる
方法、短時間、ECDの端子を短絡または逆電圧とする
方法等がある。自己放電による方法が、回路的には最も
単純であり、ECDにも負担が少なく、望ましい。前記
したように、自己放電させる時間はECDの自己放電特
性により決められ、自己放電の小さなECDは時間を長
くし、自己放電の大きなECDは時間を短くする。
【0021】以上のように、本発明は、ECDの発色お
よび色保持に関し、駆動法を定電流駆動とすることによ
り、電源電圧の範囲を広げ、ECDの寿命を延ばし、駆
動回路を簡便化するものである。これまで電圧と時間を
制御してECDを発色させていたが、これを定電流駆動
することにより時間の制御のみに置き換えることができ
る。また、定電流素子としてダイオードをECDに対し
て逆方向に接続して用いることにより、微小電流の定電
流素子としてダイオードを使用し、安価に定電流機能を
実現することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定される
ものでないことはもとよりである。
【0023】実施例1 発色剤にポリチオフェン、固体電解質として、過塩素酸
リチウムを1モル/リットル溶解したプロピレンカーボ
ネイトをアクリルゴムに含浸させた、厚み0.6mm、
面積7×7mmの平板状固体電解質、対向電極としてカ
ーボンブラックを充填したポリプロピレンを備えるEC
Dを作製した。作製直後のECDの色はYxy系で(1
8.9,0.5351,0.3752)であった。発色
後のYxyは(17.8,0.3003,0.327
9)であった。発色後、ECDの両端子を解放状態と
し、(1)自己放電により消色する様子を観察した。同
じECDを一旦逆電圧をかけ、完全に消色した後、再度
発色させた。その時のYxyは(19.5,0.308
4,0.3333)であった。(2)この発色状態でE
CDにダイオード、1SS176を逆方向に接続して、
3.6Vのリチウム電池に接続し、消色の様子を観察し
た。図4は横軸に時間(秒)、縦軸にデルタxyをとっ
て示した。デルタxyは下記数1のように定義される。
【数1】 図4に示すように、逆方向のダイオードを介してリチウ
ム電池に接続した場合には、消色が遅く、長時間色を保
持した。
【0024】実施例2 実施例1と同様に、発色剤にポリチオフェン、固体電解
質として、過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解し
たプロピレンカーボネイトをアクリルゴムに含浸させ
た、厚み0.6mm、面積7×7mmの平板状固体電解
質、対向電極としてカーボンブラックを充填したポリプ
ロピレンを備えるECDを作製した。作製した直後のE
CDは赤色であった。このECDに1SS176を逆接
続し、3.6Vのリチウム電池を電源として50℃のオ
ーブンの中に放置した。ECDは約8時間後に発色し、
青色に変化した。
【0025】実施例3 実施例1と同様に、発色剤にポリチオフェン、固体電解
質として、過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解し
たプロピレンカーボネイトをアクリルゴムに含浸せた、
厚み0.6mm、面積7×7mmの平板状固体電解質、
対向電極としてカーボンブラックを充填したポリプロピ
レンを備えるECDを作製した。作製した直後のECD
は赤色であった。図5に示すように、トランジスタ4
(2SC1815)のベースにダイオード3(S550
0G)を接続し、トランジスタのベースを定電流駆動し
た。トランジスタのコレクタへ印加する電圧を10、2
0、30、40、50Vと変化させても、ECD1が青
色に発色する時間は常に2分であった。
【0026】実施例4 実施例1と同様に、発色剤にポリチオフェン、固体電解
質として、過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解し
たプロピレンカーボネイトをアクリルゴムに含浸させ
た、厚み0.6mm、面積7×7mmの平板状固体電解
質、対向電極としてカーボンブラックを充填したポリプ
ロピレンを備えるECDを作製した。このECDを1.
8Vの定電圧電源装置に15秒間接続し、青色に発色さ
せた。ECDの端子間電圧を増幅アンプを介してペンレ
コーダーに記録した。図6に示すように、ECDの端子
間電圧は自己放電のために時間とともに低下した。ダイ
オードを逆接続すると、ダイオードから流れ込む電流と
自己放電がバランスする電圧に次第に近づいた。発色直
後に逆接続した1SS176を介して、3.6Vの電源
へ接続した場合、高い電圧からバランス電圧へ向けて次
第に電圧は低下した。一方、30分間ECDの両端子を
解放し、自己放電させた後に、同様に、逆接続した1S
S176を介して3.6Vの電源へ接続した場合、低い
電圧からバランス電圧へ向けて電圧は上昇した。図6よ
り明らかなように、発色後にECDの端子間を解放する
時間を設け、その後ダイオードを逆接続することによ
り、低い電圧でECDの発色を保持できた。
【0027】実施例5 実施例1と同様に、発色剤にポリチオフェン、固体電解
質として、過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解し
たプロピレンカーボネイトをアクリルゴムに含浸させ
た、厚み0.6mm、面積7×7mmの平板状固体電解
質、対向電極としてカーボンブラックを充填したポリプ
ロピレンを備えるECDを作製した。このECDに1.
8Vを15秒間印加し、青色に発色させた。発色後、E
CDに1SS176を逆接続し、3.6Vのリチウム電
池を電源として50℃のオーブンの中に放置した。EC
Dの色は次第に深い青へ変化し、4日後には変色機能を
失い、元の赤へ戻らなくなった。一方、4時間ごとに1
時間、ECDの両端子を解放し、自己放電させ、再度、
逆接続したダイオードに接続するシーケンスにより、色
保持を行ったところ、10日を過ぎても発色消色機能に
異常はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイオード1SS176の逆方向電流特性を示
すグラフである。
【図2】ダイオードの逆方向接続の例を示す回路図であ
る。
【図3】ECDの自己放電電流と種々のダイオードの逆
方向電流との関係を示すグラフである。
【図4】ECDのデルタxyの変化を示すグラフであ
る。
【図5】実施例3で用いたECDの定電流駆動回路図で
ある。
【図6】実施例4におけるECDの端子間電圧の変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 エレクトロクロミック素子(ECD) 2 電源 3 ダイオード 4 トランジスタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定電流により発色を行うことを特徴とす
    るエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 定電流により色保持を行うことを特徴と
    するエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記定電流をエレクトロクロミック素子
    の自己放電電流以上の電流値とする請求項1に記載のエ
    レクトロクロミック素子の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記定電流をエレクトロクロミック素子
    の自己放電電流以下の電流値とする請求項2に記載のエ
    レクトロクロミック素子の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記定電流が定電流素子より供給される
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエレクトロクロ
    ミック素子の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記定電流がダイオードの逆方向電流特
    性を利用するものである請求項1乃至4のいずれか一項
    に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  7. 【請求項7】 定電流素子よりエレクトロクロミック素
    子にエレクトロクロミック素子の自己放電電流より少な
    い電流を流すと共に、所定時間毎にエレクトロクロミッ
    ク素子に電荷を注入し、再発色させることを特徴とする
    エレクトロクロミック素子の色保持方法。
  8. 【請求項8】 エレクトロクロミック素子に電荷を注入
    する前に所定時間、エレクトロクロミック素子の電圧を
    低下させる請求項7に記載のエレクトロクロミック素子
    の色保持方法。
  9. 【請求項9】 エレクトロクロミック素子の電荷を注入
    した直後に所定時間、エレクトロクロミック素子の電圧
    を低下させる請求項7に記載のエレクトロクロミック素
    子の色保持方法。
  10. 【請求項10】 前記定電流素子が、エレクトロクロミ
    ック素子に対して逆接続されたダイオードからなる請求
    項7乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミッ
    ク素子の色保持方法。
JP7222787A 1995-08-09 1995-08-09 エレクトロクロミック素子の駆動方法 Pending JPH0950051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7222787A JPH0950051A (ja) 1995-08-09 1995-08-09 エレクトロクロミック素子の駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7222787A JPH0950051A (ja) 1995-08-09 1995-08-09 エレクトロクロミック素子の駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0950051A true JPH0950051A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16787897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7222787A Pending JPH0950051A (ja) 1995-08-09 1995-08-09 エレクトロクロミック素子の駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0950051A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032911A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc エレクトロクロミック表示素子
JP2018146834A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社リコー Ec素子駆動システム
WO2020175209A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 国立研究開発法人科学技術振興機構 スパイク生成回路、情報処理回路、電力変換回路、検出器および電子回路

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032911A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc エレクトロクロミック表示素子
JP2018146834A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社リコー Ec素子駆動システム
WO2020175209A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 国立研究開発法人科学技術振興機構 スパイク生成回路、情報処理回路、電力変換回路、検出器および電子回路
US11444605B2 (en) 2019-02-28 2022-09-13 Japan Science And Technology Agency Spike generation circuit, information processing circuit, power conversion circuit, detector, and electronic circuit
US11671077B2 (en) 2019-02-28 2023-06-06 Japan Science And Technology Agency Detector and power conversion circuit
US11757433B2 (en) 2019-02-28 2023-09-12 Japan Science And Technology Agency Electronic circuit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110032019B (zh) 电致变色器件及其控制方法、电子设备和存储介质
US8218223B2 (en) Process and apparatus for switching large-area electrochromic devices
US5763119A (en) Non-aqueous electrolyte secondary cell having shuttle agent
US20130335802A1 (en) Electrochromic display device
CN101083402B (zh) 可充电电池的充电方法和用于可充电电池的保护电路
JP2016541020A (ja) エレクトロクロミックデバイスの制御のための方法及び装置
JP3884802B2 (ja) リチウムイオン電池の充電方法
US20040032237A1 (en) Battery charging method
US5073011A (en) Electrochromic device with a reference electrochromic element
US5903136A (en) Method for charging secondary batteries
Kaneto et al. Cycle life, stability, and characteristics of color switching cells utilizing polythiophene films
JPH0950051A (ja) エレクトロクロミック素子の駆動方法
CA2587367A1 (en) Display driver
Chen et al. A complementary electrochromic system based on Prussian blue and indium hexacyanoferrate
JPH0919073A (ja) 二次電池の急速充電方法
JPS59110B2 (ja) エレクトロクロミツク表示装置
US11011784B2 (en) Method for charging a non-aqueous metal air battery using constant currents or constant voltages, and corresponding device
JPS63115139A (ja) エレクトロクロミツク素子の駆動方式
Lin et al. Electrochromic devices composed of polyaniline and tungsten trioxide thin films with succinonitrile/polyethylene glycol solid-state composite electrolyte
US11588190B2 (en) Electric battery recharge method
KR101509323B1 (ko) 선형 레귤레이터를 이용한 2차 전지 충전회로
JPH09117075A (ja) リチウムイオン2次電池の充電方法
JPH0152736B2 (ja)
JP6812774B2 (ja) 素子制御装置及び素子制御方法
JPS58115764A (ja) 鉛蓄電池の電極活物質