【発明の詳細な説明】
汚れ放出剤を含んでなる洗剤組成物
技術分野
本発明は、汚れ放出成分として有用なアニオン性エステル組成物を含んでなる
洗濯洗剤に関する。
発明の背景
洗濯、熱風衣類乾燥機での布帛乾燥などの家庭での布帛処理工程で用いられる
多種多様な汚れ放出剤(Soil release agents:s.r.a.′s)が、当該技術分野で知
られている。様々なs.r.a.′sが商品化されており、洗剤組成物や、布帛柔軟剤
/帯電防止製品および組成物に現在用いられている。このようなs.r.a.′sは、
典型的にはオリゴマー性エステルの「主鎖」と1個以上の「末端キャッピング」
単位とを含んでいる。
ノニオン性s.r.a.′sは文献で知られているが、商業上重要なs.r.a.′sの多く
はアニオン性である。このようなアニオン性s.r.a.′sは、典型的には、それ自
身場合によっては各種のアニオン性置換基を含むことができかつ通常はこれもま
たアニオン性の1個以上の末端キャッピング単位で終わるオリゴエステル主鎖を
含んでいる。例えば、スルホアロイル置換基で末端キャッピングした各種のオキ
シ−アルキレン/テレフタレート/スルホイソフタロイルオリゴマーは、洗濯洗
剤および布帛柔軟剤に用いられる既知で重要な種類のs.r.a.′sを含んでいる。
恐らくは、洗濯洗剤と布帛柔軟剤との間と同様に、消費者用洗濯製品に汚れ放
出剤を配合することがより困難であるのは洗濯用洗剤組成物、特に顆粒洗剤であ
る。汚れ放出剤の、特にこのような洗剤組成物に普通に含まれているアルカリ性
でアニオン性洗剤環境に対する適合性が、技術上の問題となる。
また、ある種のs.r.a.′sが用いられている布帛柔軟化環境とは異なり、消費
者用洗濯製品における汚れ放出剤は、通常は、アニオン性界面活性剤、アルカリ
性ビルダーなどの各種洗剤成分に暴露される。このような化合物は、汚れ放出剤
が布帛に付着するのを妨げ、その効果を減少させることがある。汚れ放出剤は、
洗剤成分の洗濯効果を相互に減少させることがある。「スルー・ザ・ウォッシュ
(thru-the-wash)」様式では、汚れ放出剤を包含する処方成分が洗濯液中で懸濁
された汚れの再付着を促進しないことが特に重要であり、これが洗濯を終えた布
帛の外観をくすんだものとする。
s,r.a.′sを洗剤組成物に用いる場合のもう一つの障害は、製品についての価
格が高くなることである。スルホアロイル末端キャップを有するs.r.a.′sの製
造は、スルホアロイル原料が高価であるため高くなる。従って、余り高価でない
種類のアニオン性末端キャッピング単位を見付けることは、アニオン性エステル
型s.r.a.′sの製造業者にとって極めて重要なことである。アニオン性末端キャ
ッピング単位がスルホイソフタロイル主鎖単位と適合することも、特に洗剤組成
物にとって重要である。主鎖にスルホイソフタレートを用いることによってエス
テルが安定化され、望ましい非晶質形態のオリゴマーが保存または使用中に溶解
度の低い結晶性形態に転換されるのが防止される。
エトキシル化またはプロポキシル化したヒドロキシエタンおよびプロパンスル
ホネート末端キャッピング単位、スルホイソフタロイル単位、オキシエチレンオ
キシ単位、および/またはオキシプロピレンオキシおよび場合によってはポリ(
オキシエチレン)オキシ単位を含んでなる汚れ放出剤は、洗剤組成物、特に顆粒
状洗剤の有効かつ効率的汚れ放出剤として用いることができることが見出された
。更に、この末端キャッピング単位は、アニオン性s.r.a.′sに現在用いられて
おりかつ主鎖のスルホイソフタロイル単位と適合するスルホアロイル末端キャッ
プの余り価格が高くない代替品となる。
本発明の目的は、顆粒状洗剤組成物のような消費者製品に効果的かつ製品適合
性の汚れ放出剤として用いることができる新規で余り価格が高くないs.r.a.′s
を提供することである。
これらおよび他の目的は、下記の開示内容から明らかになるように、本明細書
において確保される。
背景技術
1988年1月26日発行のGosselinkの米国特許第4,721,580号明
細書には、式NaO3S(CH2CH2O)n−を有する末端キャップを有するが、
本発明の主鎖エステル単位とは異なる単位を有する汚れ放出オリゴマー性エステ
ルおよびその混合物が開示されている。Scheibelらの米国特許第4,968,4
51号明細書も参照されたい。
1988年8月16日発行のTrinhの米国特許第4,764,289号明細書
には、アニオン性のポリマー性汚れ放出剤を用いた乾燥剤添加布帛製品が開示さ
れている。米国特許第4,818,569号明細書も参照されたい。
1989年10月31日発行のMaldonadoらの米国特許第4,877,896
号明細書には、テレフタル酸エステルを含んでなる洗剤組成物および布帛コンデ
ィショナー製品に汚れ放出剤として用いられる末端キャッピングしたエステルが
開示されている。
本明細書で用いられる合成および分析法の種類は、Odian著、Principle of Po
lymerization,Wiley,ニューヨーク、1981年に詳細に例示されており、こ
の文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用するものである。「工程
条件」という標題のOdianの文献の2.8章、102〜105頁には、ポリ(エ
チレンテレフタレート)の合成が詳細に記載されている。
発明の要約
本発明は、オリゴマー性の実質的に線状の、末端キャップしたエステルであっ
て、オキシエチレンオキシ単位、テレフタロイル単位およびスルホイソフタル酸
単位を含んでなる洗剤組成物を包含する。好ましいエステルは、更にオキシ−1
,2−プロピレンオキシ単位を含む。場合によっては、これらのエステルは、ポ
リ(オキシエチレン)オキシ単位(重合度は少なくとも2)も含んでいる。(こ
のようなエステルと反応副生成物などとの混合物は、それらが前記の線状末端キ
ャッピングしたエステルを少なくとも10重量%含むときには、布帛汚れ放出剤
としての有用性を保持している。)本発明のエステルは、分子量が比較的低く(
すなわち、通常は繊維形成性ポリエステルの範囲を下回り)、典型的には約50
0〜約8,000の範囲である。
最も広義の態様を採れば、本発明で用いられるs.r.a.′sは、オリゴマー性エ
ステル「主鎖」であって、その主鎖の一方または好ましくは両方が本質的な末端
キャッピング単位によって末端キャップされているものを包含する。
本発明の本質的な末端キャッピング単位は、エトキシル化またはプロポキシル
化ヒドロキシ−エタンとプロパンスルホン酸基とから誘導され、エステル結合に
よってエステルに結合しているアニオン性親水性基である。好ましい末端キャッ
ピング単位は、式(MO3S)(CH2)m(CH2CH2O)(RO)n−であって
、Mがナトリウムまたはテトラアルキルアンモニウムのような塩形成カチオンで
あり、Rはエチレン、プロピレンまたはそれらの混合物であり、nは0〜4であ
り、mは0または1であるものである。
ある種の帯電していない疎水性のアリールジカルボニル単位は、本発明のオリ
ゴエステルの主鎖単位に本質的である。好ましくは、これらはテレフタロイル単
位だけからなっている。イソフタロイルなどの他の帯電していない疎水性のアリ
ールジカルボニル単位も、所望ならば、エステルの汚れ放出特性(特にポリエス
テル直接性)が余り減少しないという条件で存在することもできる。
また、本質的な親水性単位も、エステルの主鎖単位に配合される。例えば、2
個のエステル結合を形成できるアニオン性の親水性単位を用いることができる。
この特定の種類の好適なアニオン性の親水性単位は、スルホン化ジカルボニル単
位、例えばスルホイソフタロイル、すなわち
−(O)C(C6H3)(SO3M)C(O)−であって、Mがアルカリ金属また
はテトラアルキルアンモニウムイオンのような塩形成カチオンであるものによっ
て十分に例示される。
一般的には、エステルの単位を改質することが所望ならば、追加の親水性単位
を用いるほうが、追加の帯電していない疎水性単位を用いることより好ましい。
従って、本発明のエステルは、
i) 式(MO3S)(CH2)m(CH2CH2O)(RO)n−(式中、Mはナ
トリウムまたはテトラアルキルアンモニウムのような塩形成カチオンであり、R
はエチレン、プロピレンまたはそれらの混合物であり、mは0または1であり、
nは0〜4である)を有する末端キャッピング単位約1〜約2モル、
ii) a) オキシエチレンオキシ単位、
b) オキシ−1,2−プロピレンオキシ単位、および
c) a)とb)との混合物
からなる群から選択される単位約0.5〜約66モル、
iii)ジ(オキシエチレン)オキシ単位0〜約50モル、
iv) 重合度が少なくとも3であるポリ(オキシエチレン)オキシ単位0〜
約50モル、
v) テレフタロイル単位約1.5〜約40モル、および
vi) 式−(O)C(C6H3)(SO3M)C(O)−(式中、Mはアルカ
リ金属またはテトラアルキルアンモニウムイオンのような塩形成カチオンであ
る)を有する5−スルホイソフタロイル単位0.05〜約26モル
を含んでなるが、但し、単位ii)、iii)およびiv)の総モル数は約0.
5〜約66モルであり、かつ単位iii)およびiv)の総量は単位ii)、i
ii)およびiv)の総量の75%以下であり、かつiii)およびiv)の重
量%はオリゴマーエステルの総重量の50%以下である。
これらのエステルに用いられる末端キャッピング単位は、好ましくはi)にお
けるような2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸ナトリウム、2−
[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスルホン酸、または3−[
2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エトキシ]プロパンスルホン酸ナトリウムで
ある。本発明の好ましい末端キャップしたエステルは、本質的には二箇所で末端
キャップした形態であり、前記エステル1モル当たり前記末端キャッピング単位
約2モルを含んでいる。
本発明の汚れ放出剤のエステル「主鎖」は、定義によれば、末端キャッピング
単位以外の総ての単位を含み、エステルに配合された総ての単位はエステル結合
によって相互に結合している。従って、簡単な態様では、エステル「主鎖」はテ
レフタロイル単位、オキシエチレンオキシ単位および5−スルホイソフタロイル
単位を含んでおり、オキシ−1,2−プロピレンオキシ単位を配合する他の好ま
しい態様では、エステル「主鎖」はテレフタロイル単位、5−スルホイソフタロ
イル単位、オキシエチレンオキシ、およびオキシ−1,2−プロピレンオキシ単
位を含み、後者の2種類の単位のモル比は約0.5:1〜約10:1の範囲であ
る。
他の好ましい態様では、エステル「主鎖」は、テレフタロイル単位、5−スル
ホイソフタロイル単位、オキシエチレンオキシ、オキシ−1,2−プロピレンオ
キシ単位、およびジ(オキシエチレン)オキシ単位を含む。
更に他の好ましくは態様では、エステル「主鎖」は、テレフタロイル単位、5
−スルホイソフタロイル単位、オキシエチレンオキシ、オキシ−1,2−プロピ
レンオキシ単位、ジ(オキシエチレン)オキシ単位、およびポリ(オキシエチレ
ン)オキシ単位を含む。エステルの溶解速度を助けかつ溶融粘度を減少させるポ
リ(オキシエチレン)オキシ単位は、典型的にはポリ(オキシエチレン)オキシ
単位の重合度およびエステル主鎖の長さによって、エステル当たり総オキシアル
キレンオキシ単位0〜約75モルとなる。
本発明によって提供される汚れ放出剤は、実験式
(SIP)q(式中、(CAP)は前記末端キャッピング単位i)のナトリウム塩
の形態を表わし、(EG/PG)は前記オキシエチレンオキシおよびオキシ−1
,2−プロピレンオキシ単位ii)を表わし、(DEG)は前記ジ(オキシエチ
レン)オキシ単位iii)を表わし、(PEG)は前記ポリ(オキシエチレン)
オキシ単位iv)を表わし、(T)は前記テレフタロイル単位v)を表わし、(
SIP)は前記5−スルホイソフタロイル単位vi)のナトリウム塩の形態を表
わし、xは約1〜2であり、y′は約0.5〜約66であり、y″は0〜約
〜約66となり、zは約1.5〜約40であり、qは約0.05〜約26であり
、
する単位の平均モル数を表わす)を有するエステル約25重量%〜約100重量
%を含んでなるものによって詳細に例示される。優れた汚れ放出剤は、前記エス
テルの少なくとも約50重量%が、分子量が約500〜約5,000であるもの
である。
本発明の汚れ放出剤において更に好ましくは、オキシエチレンオキシ:オキシ
−1,2−プロピレンオキシのモル比が約0.5:1〜約10:1であり、xは
約2であり、y′が約2〜約27であり、zが約2〜約20であり、qが約
0.4〜約8である。これらの汚れ放出剤の最も好ましいものでは、xが約2で
あり、y′が約5であり、zが約5であり、qが約1である。
本発明は、前記汚れ放出剤と、そして洗剤用界面活性剤を少なくとも約1%、
好ましくは約1%〜約99.9%、最も好ましくは約5%〜約80%を含んでな
る顆粒状洗剤組成物を包含する。この洗剤組成物は、場合によっては、洗剤ビル
ダーおよび他の通常の洗剤成分を含むことができる。汚れ放出剤は、典型的には
顆粒状洗剤の少なくとも約0.1重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重
量%、最も好ましくは約0.2重量%〜約3.0重量%を構成する。
布帛を洗濯し、布帛に汚れ放出仕上を施す方法も、本発明に包含される。洗濯
の好ましい方法は、布帛を洗剤組成物の汚れ放出剤を含む洗濯水溶液と約5分〜
約1時間接触させることを含む。次いで、布帛を水で濯いで、ライン−または回
転−乾燥することができる。
本明細書における総ての百分率、比率および割合は、特に断らない限り重量基
準である。総ての引用文献については、その内容をその開示の一部として本明細
書に引用する。
発明の詳細な説明
本発明は、汚れ放出剤を含んでなる新規な顆粒状洗濯洗剤組成物を包含する。
この組成物の本質的成分は、ある種の本質的な末端キャッピング単位並びに他の
本質的単位が特定の割合でありかつ後記のような構造的配置を有するものを特徴
とする特定の種類のエステルである。
下記の構造は、本発明のエステル分子の好ましい構造の例示のためのものであ
り、限定的なものではない。
エステルは、本明細書では、実質的に線状のエステル「主鎖」と、エトキシル
化またはプロポキシル化したヒドロキシ−エタンおよびプロパンスルホン酸モノ
マー、特に2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸、またはエトキシ
ル化した3−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸モノマー、特に3−[2−(2−
ヒドロキシエトキシ)エトキシ]プロパンスルホン酸である末端キャッピング単
位とを含んでなるオリゴマーとして単純に特徴付けることができる。エステル主
鎖を含んでなる構造単位を適切に選択し、スルホン化した末端キャッピング単位
を十分な量で使用することにより、これらの材料の所望な汚れ放出特性が得られ
る。オリゴマー性エステル
本発明の汚れ放出剤は、樹脂状で高分子量の高分子ま
たは繊維形成ポリエステルではなく、代わりに、比較的分子量が低く、ポリマー
としてよりはオリゴマーとしてより適当に記載される分子種を含んでいることを
理解すべきである。末端キャッピング単位を含む本発明の個々のエステル分子は
、も約500〜約8,000の範囲の分子量を有することができる。グリコール
−テレフタル酸の繊維状ポリエステル紛子量が典型的には平均して15,000
以上)との比較の目的で問題とされるものは、分子量が約500〜約5,000
であり、この範囲内に、本質的な単位を配合している本発明の好ましいエステル
の分子が一般的に見いだされる。従って、本発明の汚れ放出剤は、繊維状ポリエ
ステルのような高重合体を表わすのに普通に用いられる用語の口語的表現では「
ポリエステル」よりはむしろ「オリゴマー性エステル」と表わされる。分子の形状
本発明のエステルは総て、2個を上回るエステル結合形成部位を
有する単位の構造中に配合されるため、著しく分岐または架橋していないという
意味において「実質的に線状」である。(対照的に、本発明のエステルの定義に
おいて除外されるポリエステルの分岐または架橋の典型的な例については、19
85年11月19日発行のSinkerらの米国特許第4,554,328号明細書を
参照されたい。)更に、環状エステルは本発明の目的には本質的ではないが、エ
ステル合成の際の副反応の結果として低濃度で本発明の組成物に含まれていても
よい。環状エステルは組成物の約2重量%を上回らないのが好ましく、環状エス
テルは組成物に全く含まれないのが最も好ましい。
前記とは異なり、本発明のエステルに適用される「実質的に線状」という用語
は、エステル形成またはエステル交換反応では反応しない側鎖を含む材料を特に
包含する。例えば、オキシ−1,2−プロピレンオキシ単位は非対称置換型のも
のであり、それらのメチル基はポリマー技術で「分岐」と通常見なされるものを
構成せず(Odian著、Principles of Polymerization,Wiley,ニューヨーク、1
981年、18〜19頁を参照されたい。本発明における定義はこの文献と完全
に一致している)、またエステル形成反応では反応しない。本発明のエステルに
おける任意の単位も同様に、同じ不反応性の基準と一致する場合には、側鎖を有
する。分子構造
下記の構造は、前記の好ましい態様に当てはまるエステル分子の構
造を例示したものであり、単位の結合の仕方を示している。
a) 本質的単位i)、ii)、v)およびvi)からなる2か所で末端キャ
ッピングしたエステル分子
b) 本質的単位i)、ii)、v)およびvi)からなる1か所で末端キャ
ッピングしたエステル分子
c) 本質的単位i)、ii)、v)およびvi)からなる2か所で末端キャ
ッピングしたエステル分子(本明細書では「ハイブリッド主鎖」エステル分子と
呼ぶ)。単位ii)は、下記の例ではオキシエチレンオキシとオキシ−1,2−
プロピレンオキシ単位との、2:1のモル比での混合物である(本明細書で例示
されるような個々の分子とは異なりエステル組成物では全体として、平均して、
約1:0.5〜約10:1の範囲の比率が好ましい)
本明細書に開示されたエステル分子の構造に関しては、本発明は分子レベルで
の単位の配置だけでなく、反応図から生じかつ所望な範囲の組成および特性を有
するエステルの全混合物をも包含することを認めるべきである。従って、モノマ
ー単位の数または単位の比率が与えられるときには、これらの数は汚れ放出剤の
オリゴマーに含まれるモノマー単位の平均量を表わす。エステル主鎖
上記の構造に例示したように、本発明のエステルにおいて、主
鎖は、アリールジカルボニルおよびオキシアルキレンオキシ単位と交互に結合し
た5−スルホイソフタロイル単位、テレフタロイル単位、オキシエチレンオキシ
、またはオキシエチレンオキシ、オキシプロピレンオキシ、ジ(オキシエチレン
)オキシおよびポリ(オキシエチレンオキシ)単位の混合物によって形成される
。エステル主鎖の末端における基
同様に、「本発明のエステル」とは、本明細
書に開示された新規な2か所および1か所で末端キャッピングした化合物、その
混合物、および幾つかのキャッピングされていない分子種を必ず含むことがある
前記末端キャップした材料の混合物を包含する用語である。しかしながら、後者
の濃度は、極めて好ましい組成物の全てにおいてはゼロであるかまたは最小限と
なる。従って、本明細書で単に「エステル」と表わすときには、定義により、い
ずれかの単一の製造から生じるスルホン化してキャッピングしたおよびキャッピ
ングしていないエステル分子の混合物を集合的に表わすものとする。
末端キャッピング単位で完全に、すなわち2か所で末端キャッピングされてい
ない本発明の組成物に含まれる任意のエステル分子は、エトキシル化またはプロ
ポキシル化されていないヒドロキシエタンおよびプロパンスルホン酸末端キャッ
ピング単位ではない単位で終わらなければならない。これらの末端基は、典型的
にはヒドロキシル基であるかまたは単位形成反応物に起因する他の基である。例
えば、前記の構造b)では、−Hが結合している鎖の末端位置は、ヒドロキシル
基を形成する。構築することができる他の構造では、−(O)CC6H4C(O)
−OCH3のような単位を末端位置に見いだすことができる。しかしながら、上
記のように、総ての極めて好ましいエステル分子は、2個のスルホン化した末端
キャッピング単位を有するが、末端位置を占める主鎖単位を持たない。対称性
オキシ−1,2−プロピレンオキシ単位も含まれているエステルでは
、オキシ−1,2−プロピレンオキシ単位は、隣接する−CH2−水素原子の一
つと無作為に交互になっているメチル基を有するので、エステル鎖の対称性が低
下することがあることを理解すべきである。従って、オキシ−1,2−プロピレ
ンオキシ単位は、−OCH2CH(CH3)O−配向または反対の−OCH(CH3
)CH2O−配向を有するものとして表わすことができる。メチル基が結合して
いるオキシ−1,2−プロピレン単位における炭素原子もまた非対称、すなわち
キラルであり、すなわち4個の同等でない化学的存在が結合している。
本発明における本質的な帯電していないアリールジカルボニル単位は、エステ
ルのポリエステル布帛−直接性(polyester fabric-substantivity)が著しく損な
われない限り、必ずしもテレフタロイル単位だけである必要はない。従って、例
えば異性体性の帯電していないジカルボニル単位であるイソフタロイルなどの少
量をエステルに配合することができる。また、アジポイルのような脂肪族ジカル
ボニル単位の少量を、エステルの汚れ放出特性を著しく減少させない濃度で含む
こともできる。ジ(オキシジエチレン)単位
本発明のエステルを含んでなる任意のジ(オキ
シエチレン)オキシ単位は、含まれているオキシアルキレンオキシ単位の総量の
0〜約75モル%を構成することができる。好ましくは、主鎖単位が8以上のテ
レフタロイル単位を有するときには、ジ(オキシエチレン)オキシ単位が含まれ
ているが、1.5程度のテレフタロイル単位と共に少なくとも幾つかのジ(オキ
シエチレン)オキシ単位が存在することができる。ポリ(オキシエチレン)オキシ単位
本発明のエステルを含んでなる任意のポ
リ(オキシエチレン)オキシ単位の重合度は少なくとも3であり、好ましくは約
3〜約200であり、更に好ましくは約3〜約100であり、含まれている総オ
キシアルキレンオキシ単位の0〜約75モル%を構成することができる。汚れ放
出剤組成物中のジ(オキシエチレン)オキシ単位およびポリ(オキシエチレン)
オキシ単位の総平均重量%は、オリゴマーの総重量の約50%を下回らなければ
ならず、かつこの薬剤の所望な物性を保持しながら許容可能な溶融粘度を与える
ように調節しなければならない(すなわち、230℃では約40,000cPs
を下回り、200℃では約160,000cPsを下回る)。同様に、濃度は、
冷却、またはその後の保存または使用時に、主鎖セグメントの結晶化の過度の促
進を回避するように選択しなければならない。高比率のオキシアルキレンオキシ
単位がオキシエチレンオキシであるときには、このことは特に重要である。ジ−
および/またはポリ(オキシエチレン)−オキシ単位をエステル組成物に配合す
るときには、総平均重量%は、エステル当たり平均して約2.5〜約5個のアニ
オン性単位を有するアニオン性の汚れ放出剤組成物に対して約1〜約25%であ
る。
主鎖に含まれるポリ(オキシエチレン)オキシ単位の量は、重合度に関係して
いる。例えば、オキシエチレンオキシエチレンオキシエチレンオキシ単位(トリ
エチレングリコールから形成される)は、重合度が3であり、主鎖中の総オキシ
アルキレンオキシ単位の0〜75モル%を構成することができる。もう一つの例
では、ポリ(オキシアルキレン)オキシ単位(重合度が22のPEG−1000
から形成された)は、主鎖に含まれる総オキシオルト機オキシ単位の0〜約33
モル%を構成することができる。末端キャッピング単位
末端キャップ単位は、洗濯液のような水性媒質にエス
テルを分散させると、アニオン性に帯電した部位を提供する。この末端キャップ
は、水性媒質中の輸送を助け、エステル分子上に親水性部位を提供する働きをす
る。
本発明の末端キャッピング単位は、下記の式を有する。
(MO3S)(CH2)m(CH2CH2O)(RO)n−
(式中、Mはアルカリ金属またはテトラアルキルアンモニウムイオンのような塩
形成カチオンであり、Rはエチレン、プロピレンまたはそれらの混合物であり、
mは0または1であり、nは0〜4である。)酸型を除外しようとするものでは
ないが、大抵の場合には、本発明のエステルは、ナトリウム塩として、他のアル
カリ金属の塩として、窒素含有カチオン(特にテトラアルキルアンモニウム)と
の塩として、または水性環境において解離したイオンとして用いられる。
末端キャッピング基の例としては、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エ
トキシ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−{2−[2−(2−ヒドロキシエト
キシ)エトキシ]エトキシ}エタンスルホン酸ナトリウム、2−{2−[2−(
2−{2−ヒドロキシエトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エタンスルホ
ン酸ナトリウム、3−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−プロパン
スルホン酸、およびα−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ−(オキシ
−1,2−エタンジイル)ナトリウムであって、平均エトキシル化度1〜2の
もの、およびそれらの混合物が挙げられる。
モルに基づけば、本発明の汚れ放出剤は、好ましくはエステル1モル当たり末
端キャッピング単位約1〜約2モルを含む。最も好ましくは、このエステルは2
か所で末端キャップされており、すなわち、エステル1モル当たり末端キャッピ
ング単位2モルが含まれる。重量組成の観点からは、エステルの分子量に対する
末端キャッピング単位の寄与率は、エステル主鎖の分子量が増加するに従って減
少することは明らかであろう。末端キャップしたエステルの製造法
本発明のエステル汚れ放出剤は、数種類
の択一的な一般的反応の種類であって、それぞれ当該技術分野で周知であるもの
の任意の一つまたは組み合わせを用いて製造することができる。多くの様々な出
発材料および広汎な周知の実験および分析技術を、合成に用いることができる。
機械的には、本発明のエステルを製造するための好適な一般的反応の種類は、
下記のように分類できるものが挙げられる。
1. ハロゲン化アシルのアルコール分解、
2. 有機酸のエステル化、
3. エステルのアルコール分解(エステル交換)、および
4. アルキレンカーボネートと有機酸との反応。
上記の内、反応型2〜4は、高価な溶媒およびハロゲン化反応物を用いる必要
がなくなるので、極めて好ましい。反応型2および3は、極めて経済的であるの
で、特に好ましい。
本発明のエステルを製造するのに好適な出発材料または反応物は、反応型1〜
4に従って組み合わせることができる任意の反応物(特にエステル化可能なまた
はエステル交換可能な反応物)またはその組み合わせであって、エステルの前記
単位(i)〜(iv)の正確な比率を有するエステルを提供するものである。このよ
うな反応物は「単純な」反応物、すなわちエステルを製造するのに必要な単位の
1種類のみを提供することができるだけのものとして、またはエステルを製造す
るのに必要な単位の2種類以上を含むだけの単純な反応物の誘導体として分類す
ることができる。単純な種類の反応物の例は、テレフタロイル単位だけを提供す
ることができるテレフタル酸ジメチルである。これとは異なり、テレフタル酸ビ
ス(2−ヒドロキシプロピル)は、テレフタル酸ジメチルと1,2−プロピレン
グリコールとから製造することができ、かつ本発明のエステルを製造するため2
種類の単位、すなわちオキシ−1,2−プロピレンオキシおよびテレフタロイル
を提供するのに好ましく用いることができる反応物である。
原則として、オリゴエステル、またはポリ(エチレンテレフタレート)のよう
なポリエステルを本発明の反応物として用い、分子量を減少しながら末端キャッ
ピング単位の配合を目的としてエステル交換を行なうこともできる。しかしなが
ら、更に好ましい手順は、(本発明によって供給される限定された範囲での)分
子量増加および末端キャッピングを伴う方法で、最も単純な反応物からエステル
を製造することである。
「単純な」反応物は、極めて好ましくかつ好都合に用いられるものであるので
、この種の反応物を更に詳細に例示するのに有用である。従って、2−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)エタンスルホン酸を、本発明の本質的な末端キャッピング単
位の供給源として用いることができる。金属カチオンは、このカチオンがオリゴ
マーの結晶化を促進し過ぎずかつ合成中は反応しないという条件で、カリウムま
たは窒素含有カチオン、例えばテトラアルキルアンモニウムによって置換するこ
とができることに留意されたい。本発明エステルのいずれかを合成後にカチオン
交換を行なうことによって、エステル組成物中に更に難解な(esoteric)または反
応性の高いカチオンを導入する手段を提供することができることは勿論である。
適当なグリコールまたはその環状カーボネート誘導体を用いて、オキシ−1,
2−アルキレンオキシ単位を提供することができ、従って、1,2−プロピレン
グリコールまたは(出発カルボキシル基が酸型に含まれる場合には)環状カーボ
ネート(III)
が本発明で用いられるオキシ−1,2−プロピレンオキシ単位の好適な供給源で
ある。
オキシエチレンオキシ単位は、エチレングリコールによって最も好都合に供給
される。遊離のカルボン酸基をエステル化しようとするときには、別の方法とし
て、エチレンカーボネートを用いることができる。
オキシジエチレンオキシ単位は、エチレングリコールによって最も好都合に供
給される。ポリ(オキシエチレン)オキシ単位は、トリエチレングリコール、テ
トラエチレングリコール、高級ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物
によ最も好都合に提供される。また、少量のポリ(オキシエチレン)オキシが、
エステル合成の副反応として形成されることがある。
アリールジカルボン酸またはそれらの低級アルキルエステルを用いて、本質的
なアリールジカルボニル単位を提供することができ、従ってテレフタル酸または
テレフタル酸ジメチルはテレフタロイル単位の好適な供給源である。
エステルの他の単位は、公知かつ容易に同定可能な試薬によって提供され、例
えば5−スルホイソフタル酸ジメチルは、本発明のエステルに場合により配合す
るための5−スルホイソフタロイル単位を供給することができる試薬の一例であ
る。
前記のような極めて単純な反応物を用いて出発すると、全般的合成は通常は多
段階であり、初期のエステル化またはエステル交換(エステル互換としても知ら
れている)段階の後、オリゴマー化段階のような少なくとも2段階を含み、エス
テルの分子量が、本発明によって提供されるような限定された範囲までだけ増加
する。
反応型2および3でのエステル結合の形成は、水(反応2)または単純なアル
コール(反応3)のような低分子量副生成物の除去を含んでいる。反応混合物か
ら後者を完全に除去することは、一般的に前者の除去よりも幾分容易である。し
かしながら、エステル結合形成反応は通常は可逆的であるので、いずれの場合に
もこれらの副生成物を除去することによって反応を「進行させる」必要がある。
実際的条件では、第一段階(エステル互換)において反応物を適当な割合で混
合して、加熱して、(好ましくは、窒素またはアルゴンのような不活性ガスの)
大気圧または若干過圧で溶融体を提供する。水および/または低分子量アルコー
ルを遊離させ、約200℃までの温度で反応装置から蒸留する。(約150〜2
00℃の温度範囲が、通常はこの段階には好ましい。)
第二(すなわちオリゴマー化)段階では、第一段階におけるより幾分高い真空
および温度を適用し、揮発性副生成物および過剰の反応物の除去を、通常の分光
学的手法によって観察しながら、反応が完結するまで継続する。連続的に適用し
た真空、典型的には約10mmHg以下を用いることができる。
前記の反応段階のいずれにおいても、一方では(望ましくないことには、汚い
色や副生成物を生じることがある)熱分解を避けるための必要に対して、速やか
かつ完全な反応(高温および短時間の方が好ましい)のための要求を釣り合わせ
る必要がある。特に、反応装置のデザインが過熱または「ホット・スポット(hot
spots)」を最小限にするときには、通常は高い反応温度を用いることが可能で
あり、また、エチレングリコールが含まれているエステル形成反応は更に耐高温
性である。従って、オリゴマー化に好適な温度は、最も好ましくはEG/PGの
比率が高いときには約150℃〜約260℃の範囲にあり、(反応装置のデザイ
ンについてなど、熱分解を制限するために何んら特別な注意が払われないと仮定
して)EG/PGの比率が低いときには、約150℃〜約240℃の範囲にある
。テトラアルキルアンモニウムカチオンが含まれているときには、縮合温度は好
ましくは150〜240℃である。
前記の手順において、連続混合を用いて反応物同士が常に良好に接触している
ようにすることが非常に重要であり、極めて好ましい手順は、前記の温度範囲に
おいて十分に攪拌した反応物の均質な溶融体の形成を含む。特に、オリゴマー化
段階において真空または不活性ガスに暴露されている反応混合物の表面積を最大
にして、揮発性物質の除去を促進することも極めて好ましく、良好な気−液接触
を生じる高剪断渦形成型の混合装置は、この目的に最適である。
エステル化エステル交換、オリゴマー化およびそれらの組み合わせに適当な触
媒および触媒濃度は、全てポリエステル化学において周知であり、本発明におい
て一般的に用いられるものであり、前記のように、単一の触媒で十分である。好
適な触媒金属は、Chemical Abstracts,CA83:178505vに報告されており、エチレ
ングリコールによるカルボキシベンゼンスルホン酸KおよびNaの直接エステル
化の際に遷移金属イオン触媒活性は、Sn(最高)、Ti、Pb、Zn、Mn、
Co(最低)の順に減少する。
反応は、確実に完結させるのに十分な時間継続することができ、または各種の
通常の分析的観察手法を用いて前進反応の進行を観察することができ、このよう
な観察によって手順を幾分加速しかつ最小限度の許容可能な組成を有する生成物
が形成されたならば直ちに反応を停止することができる。一般的には、テトラア
ルキルアンモニウムカチオンが含まれているときには、ナトリウムカチオン形態
に比較して反応が完全に完結する前に停止して、熱不安定性の可能性を減少させ
るのが好ましい。
適当な観察手法としては、相対および固有粘度、ヒドロキシル数、1Hおよび13
C核磁気共鳴(n.m.r.)スペクトル、毛細管ゾーン電気泳動、および液
体クロマトグラムの測定が挙げられる。
最も好都合には、揮発性反応物(例えば、グリコール)と比較的不揮発性の反
応物(例えば、テレフタル酸ジメチル)との組み合わせを用いるときには、反応
を過剰のグリコールの存在下で開始する。Odian(上記引用)によって報告され
たエステル互換反応の場合と同様に、「この工程の第二段階の最後の段階で、化
学量論的バランスが本来的に達成される。」過剰のグリコールは、蒸留によって
反応混合物から除去することができ、正確な使用量は重要ではない。
エステル組成物の最終的な化学量論が反応混合物に保持されておりかつエステ
ルに配合される反応物の相対的比率によって変化する限り、グリコール以外の反
応物を効果的に保持しそれらが蒸留または昇華するのを防止するやり方で縮合を
行なうのが望ましい。テレフタル酸ジメチル、およびこれより程度は低いがテレ
フタル酸の単純グリコールエステルは、十分な揮発性を有し、反応装置の低温部
に対して「昇華」を示すことがある。所望な化学量論を確実に達成するには、こ
の昇華物を反応混合物に戻し、あるいは昇華損失を小過剰量のテレフタル酸を用
いることによって補償するのが望ましい。一般的には、テレフタル酸ジメチルな
どの昇華型の損失は、1)装置デザインによって、2)反応温度を徐々に上昇さ
せて、高い反応温度に到達する前にテレフタル酸ジメチルの大部分を揮発性の低
いグリコールエステルに転換させることによって、3)低〜中圧下で(特に効果
的であるのは、真空を適用する前にメタノールの理論収率の少なくとも約90%
を発生するのに十分な時間反応させる手順である)エステル交換の初期相を行な
うことによって、4)縮合中に真空を制御して、テレフタル酸の大部分がモノマ
ー段階を終了する点まで縮合が進行するまで約20mmHgを下回る圧の使用を
回避することによって、最小限にすることができる。一方、本発明で用いられる
「揮発性」のグリコール成分は、過剰量を用いようとするときには真に揮発性で
なければならない。一般に、大気圧で沸点が約350℃を下回る低級グリコール
またはその混合物が本発明で用いられ、これらは十分な揮発性を有し、典型的な
反応条件下で実際に除去される。
本発明において典型的には、用いられる反応物の相対モル比を計算するときに
は、反応物である2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスル
ホン酸ナトリウム(A)、エチレングリコール(B)、テレフタル酸ジメチル(c)、お
よび5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(D)の組み合わせについて例示
されている下記の常法を行なう。
1. 所望な末端キャッピング度を選択し、本発明の実施例については、本
発明による最も好ましい値2を用い、
2. 所望なエステルの主鎖におけるテレフタロイル単位の平均的計算値を
選択し、本発明の実施例については、本発明による最も好ましい範囲にある値5
を用い、
3. 所望なエステルの主鎖における5−スルホイソフタロイル単位の平均
的計算値を選択し、本発明の実施例については、本発明による最も好ましい範囲
にある値1を用い、
4. 従って、(A)対(C)対(D)のモル比は2:5:1となり、これに対応し
て反応物(A)、(C)および(D)の量を採取し、
5. 適当な過剰量のグリコールを選択し、典型的には、スルホイソフタル
酸ジメチルとテレフタル酸ジメチルとのモル数の和の2〜10倍が好適である。
使用したグリコールは、エステル結合により全ての他の単位を相互結合するの
に十分な量で計算する。好都合な過剰量を添加すると、グリコールの総相対量は
通常は互いに加えたグリコール以外の有機反応物各1モルに対して約1〜約10
モルの範囲となる。汚れ放出剤の結晶化
イセチオン酸ナトリウム、2−[2−ヒドロキシエトキ
シ]エタンスルホン酸ナトリウムまたは3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロパ
ンスルホン酸ナトリウムの末端キャップ単位を有するエステルを含む汚れ放出剤
は、合成中または洗濯液に導入するとき、特にオキシエチレンオキシ:オキシ−
1,2−プロピレンオキシの比率が約1を上回る場合には、望ましくない結晶化
を起こすことがある。アルキルベンゼンスルホン酸またはトルエンスルホン酸の
ようなスルホン酸型ヒドロトロープ剤または安定剤を、エステルの合成中に反応
物と混合して、結晶化の問題を減少させることができる。典型的には、安定剤を
、汚れ放出剤の約0.5重量%〜約20重量%を汚れ放出剤に添加する。
本発明の汚れ放出剤の典型的な合成を、下記に説明する。
実施例I 2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスルホン酸ナトリウム の合成
磁気撹拌子、改良Claisenヘッド、冷却器(蒸留用のセット)、温度計、およ
び温度制御装置(Therm-O-Watch(商品名)、I2R)を備えた1リットルの三つ
口丸底フラスコに、イセチオン酸のナトリウム塩(Aldrich、100.0g、0.
675モル)および蒸留水(約90ml)を加える。溶解後、過酸化水素(Aldr
ich、30重量%水溶液)1滴を加えて、微量の重亜硫酸塩を酸化する。溶液を
1時間撹拌する。過酸化物試験紙、極めて弱い陽性試験を示す。水酸化ナトリウ
ムペレット(MCB、2.5g、0.0625モル)を加えた後、ジエチレングリ
コール(Fisher、303.3g、2.86モル)を加える。溶液を、アルゴン雰
囲気下で190℃で一晩加熱し、水を反応混合物から蒸留する。13C−NMR(
DMSO−d6)は、約53.5ppmおよび約57.4ppmのイセチオンサ
ンのピークが消失することによって反応が完結していることを示している。溶液
を室温まで冷却し、p−トルエンスルホン酸一水和物をジエチレングリ
コールに溶解した16.4%溶液57.4gで中和してpH7とする。生成物の13
C−NMRスペクトルは、約51ppm(−CH2SO3Na)、約60ppm
(−CH2OH)、および残りの4個のメチレンについて約69ppm、約72
ppmおよび約77ppmに共鳴を示している。中和の際に形成されたp−トル
エンスルホン酸ナトリウムに対して小さな共鳴も見られる。反応は、2−[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスルホン酸ナトリウムをジエチレ
ングリコールを溶解した35.3%溶液451gを生じる。一塩基性リン酸カリ
ウム(Aldrich)0.8モル%を緩衝剤として加え、150℃のKugelrohr装置(
Aldrich)で、約1mmHgで3時間加熱することによって、過剰のジエチレン
グリコールを除去し、所望な2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]
エタンスルホン酸ナトリウムを極めて粘稠な油状生成物またはガラス状生成物と
して得る。
実施例II 平均エトキシル化度が3であるα−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ −(オキシ−1,2−エタンジイル)ナトリウムの合成
攪拌機、および冷却器を備えた500mlの三つ口丸底フラスコに、重亜硫酸
ナトリウム(Baker、70.1g、0.675モル)および水250mlを加え
る。総ての塩が溶解した後、水酸化ナトリウム(Aldrich、6.24g、0.1
56モル)を加え、次いでα−2−プロペニル−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ
−1,2−エタンジイル)(100.0g、0.526モル、平均エトキシル化
度3)(アリルアルコールをエトキシル化して平均エトキシル化度が約2.6と
した後、エトキシル化されていないアリルアルコールをストリッピングすること
によって製造)、過硫酸ナトリウム(Aldrich、6.4g、0.027モル)、
および硫酸鉄七水和物(Aldrich、0.15g、0.00054モル)をそれぞ
れ加える。溶液を2時間撹拌した後、過硫酸ナトリウムを更に7.3g(0.0
31モル)
を加え、溶液を室温で一晩撹拌する。13C−NMR(D2O)は、約117pp
mおよび約134.5ppmにアリルエトキシレートについての残留ピークの存
在を示している。更に6.3g(0.026モル)の過硫酸ナトリウムを加える
。この時点で溶液は赤色になり、pHは約3まで減少した。反応混合物を水酸化
ナトリウム(50%水溶液)で調整してpHを約7とし、更に3時間撹拌する。1 3
C−NMR(D2O)は、アリルエトキシレートピークが消失し、約24.6p
pm(CH2CH2SO3Na)および約48.2ppm(CH2SO3Na)に生
成物ピークが出現し、約60.8ppm(CH2OH)のピークが保持されてい
ることによって、反応が完結したことを示している。スルフィネート−スルホネ
ート官能性[−OCH2CH(SO2Na)CH2SO3Na]についての小さなピ
ークも、約44.4ppmおよび約62.9ppmに見える。過酸化水素(Aldr
ich、30%水溶液39.7g、0.35モル)を溶液に加えて、少量のスルフ
ィネート−スルホネートをジスルホネートヘ、また過剰の重亜硫酸塩を重硫酸塩
に酸化する。溶液は酸性(pH5)になり、水酸化ナトリウムで中和する。溶液
を、室温で一晩撹拌する。13C−NMR(D2O)は、約44.3ppmの小さ
なスルフィネート−スルホネートピークが消失し、約56.9ppmに小さなジ
スルホネートピークが現れたことを示している。過酸化物試験紙は、過剰の過酸
化水素を示している。少量の酸化白金(IV)を加え、溶液を室温で3日間撹拌して
、過剰の過酸化物を分解する。反応混合物を次に重力濾過し、水を約60℃でロ
ータリーエバポレーター上でアスピレーター真空下にて除去して無機塩を沈澱さ
せる。メタノール(約1容)を混合しながら加えて、スラリーを形成させ、混合
物を濾過する。濾液を約60℃でロータリーエバポレーター上で4時間加熱して
、所望なスルホプロパノールジエトキシレート125gを白色ワックス状固形生
成物として得る。これを、更に精製することなくポリマー製造用のキャッピング
モノマ
ーとして用いる。
実施例III 2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスルホン酸ナトリウム 、テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩、エ チレングリコール、およびプロピレングリコールのオリゴマーの合成
磁気撹拌子、改質Claisenヘッド、冷却器(蒸留用セット)、温度計および温
度調節装置(Therm-O-Watch(商品名)、I2R)を備えた250mlの三つ口丸
底フラスコに、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタンスルホ
ン酸ナトリウム(10.3g、0.044モル、実施例1と同様にして製造)、
テレフタル酸ジメチル(Aldrich、21.2g、0.109モル)、5−スルホ
イソフタル酸ジメチルのナトリウム塩(Aldrich、6.5g、0.022モル)
、エチレングリコール(Baker、20.3g、0.327モル)、プロピレング
リコール(Baker、23.2g、0.305モル)、水和したモノブチルスズ酸
化物(M&T Chemicals、0.16g、総反応重量の0.2%)、酢酸ナトリウム
(MCB、0.04g、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩の2モル
%)を加える。この混合物を180℃に加熱して、この温度でアルゴン下に一晩
保持して、メタノールおよび水を反応容器から蒸留する。材料を1000mlの
一つ口丸底フラスコに移し、約0.5mmHgでKugelrohr装置(Aldrich)中で
約20分間かけて徐々に240℃まで加熱して、その温度に2時間保持する。次
に、反応フラスコを真空下にて室温付近まで極めて速やかに空冷する(約30分
)。反応により、所望なオリゴマー29gを橙色ガラス状生成物として得る。13
C−NMR(DMSO−d6)は、約63.2ppmに−C(O)OCH 2CH2O
(O)C−についての共鳴(ジエステル)を示す。約59.4ppmに−C(O
)OCH2CH2OHについての共鳴(モノエステル)も検出可能である。ジエス
テルピーク対モノエステルピークの高さの比率は、
10と測定される。スルホエトキシキャッピング基(−CH2SO3Na)を表わ
す約51.0ppmの共鳴も、存在する。1H−NMR(DMSO−d6)は、ス
ルホイソフタル酸の芳香族水素を表わす約8.4ppmの共鳴、およびテレフタ
ル酸の芳香族水素を表わす約7.9ppmの共鳴を示す。約4.7ppmのエチ
レングリコールのジエステルのメチレン基のピーク対約5.4ppmのプロピレ
ングリコールのジエステルのメチレン基のピークの面積の比率を測定する。これ
から、配合されるエチレン/プロピレングリコール(E/P比)は、1.8:1
と計算される。溶解度を、少量の材料を2個のバイアルに秤量し、これを圧潰し
、十分な量の蒸留水を加えて5重量%および10重量%溶液を作成し、バイアル
を激しく撹拌することによって試験する。この材料は、これらの条件下では可溶
性である。
実施例IV α−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイ ル)ナトリウムであって、平均エトキシル化度が3のもの、テレフタル酸ジメチ ル、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩、エチレングリコール、プ ロピレングリコール、およびジエチレングリコールのオリゴマーの合成
磁気撹拌子、改質Claisenヘッド、冷却器(蒸留用セット)、温度計および温
度調節装置(Therm-O-Watch(商品名)、I2R)を備えた250mlの三つ口丸
底フラスコに、α−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,
2−エタンジイル)ナトリウムであって、平均エトキシル化度が3のもの(15
.3g、0.052モル、実施例IIと同様にして製造)、テレフタル酸ジメチル
(Aldrich、55.5g、0.286モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチル
のナトリウム塩(Aldrich、15.4g、0.052モル)、エチレングリコー
ル(Baker、24.8g、0.400モル)、プロピレングリコール(Baker、2
7.7g、0.364モル)、ジエチレングリコール(Fisher、
6.6g、0.0624モル)、水和したモノブチルスズ酸化物(M&T Chemical
s、0.19g、総反応重量の0.2%)、酢酸ナトリウム(MCB、0.09g、
5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩の2モル%)を加える。この混
合物を180℃に加熱して、この温度でアルゴン下に一晩保持して、メタノール
および水を反応容器から蒸留する。材料を1000mlの一つ口丸底フラスコに
移し、約0.5mmHgでKugelrohr装置(A1drich)中で約20分間かけて徐々
に240℃まで加熱して、その温度に3時間保持する。次に、反応フラスコを、
真空下にて室温付近まで極めて速やかに空冷する(約30分)。反応により、所
望なオリゴマー73gを褐色ガラス状生成物として得る。13C−NMR(DMS
O−d6)は、約63.2ppmに−C(O)OCH 2CH2O(O)C−につい
ての共鳴(ジエステル)を示す。約59.4ppmの−C(O)OCH2CH2O
Hについての共鳴(モノエステル)は検出されず、ジエステルの少なくとも20
分の1である。スルホプロポキシポリエトキシキャッピング基(−CH2SO3N
a)を表わす約48.0ppmの共鳴も存在する。1H−NMR(DMSO−d6
)は、約8.4ppmにスルホイソフタル酸の芳香族水素を表わす共鳴と、約7
.9ppmにテレフタル酸の芳香族水素を表わす共鳴を示す。約4.7ppmに
おけるエチレングリコールのジエステルのメチレン基についてのピーク対約5.
4ppmにおけるプロピレングリコールのジエステルのメチンプロトンのピーク
の面積の比率を測定する。これから、配合されたエチレン/プロピレングリコー
ルのモル比(EG/PG比)は2:1と計算される。ポリマーの試料を加水分解
し、ガスクロマトグラフィ分析を行なうと、ジエチレングリコールがポリマー中
に5重量%配合されていることを示している。これは、総ての配合されたグリコ
ールの和の約12モル%に相当する。溶解度を、少量の材料を2個のバイアルに
秤量し、十分な量の蒸留水を加えてそれぞれ5重量%および10重量%溶液を作
成し、バイ
アルを激しく撹拌することによって試験する。この材料は、これらの条件下では
ほとんど可溶性である。
実施例V テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメチル、エチレングリコール 、およびα−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エ タンジイル)ナトリウムであって平均エトキシル化度が3であるもののオリゴマ ーの合成
磁気撹拌子、改質Claisenヘッド、冷却器の蒸留用セット、温度調節装置(The
rm-O-Watch(商品名)、I2R)を有する温度計を備えた250mlの三つ口丸
底フラスコに、α−3−スルホプロピル−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,
2−エタンジイル)ナトリウムであって平均エトキシル化度が3であるもの(9
g、0.0306モル、実施例IIと同様にして製造)、テレフタル酸ジメチル(
22.9g、0.118モル、Aldrich)、5−スルホイソフタル酸ジメチルの
ナトリウム塩(Aldrich、7g、0.0236モル)、エチレングリコール(4
1.7g、0.673g、MCB)、酢酸ナトリウム(MCB、0.04g)、および
水和したブチルスズ酸化物(M&T Chemicals、0.16g)を加える。この混合
物を不活性雰囲気下で180℃で一晩加熱して、メタノールを反応混合物から留
去する。次に、混合物を500mlの一つ口丸底フラスコに移し、約0.3mm
HgでKugelrohr装置(Aldrich)で240℃で約1.5時間加熱する。反応混合
物を、室温まで極めて速やかに冷却し、所望なオリゴマーを明るい褐色のガラス
状固形生成物として得る。13C−NMR(DMSO−d6)スペクトルは、約6
3.4ppmにエチレングリコールのジエステルについてのピーク[−C(O)
OCH 2CH2OC(O)−]および約59.6ppmにエチレングリコールの残
留モノエステルについての小さなピーク[−C(O)OCH2CH2OH]を示す
。これらのピークの高さの比は、完了
係数(Completion Index)13については13:1である。溶解度を、少量の材料
を1個のバイアルに秤量し、十分な量の蒸留水を加えて5重量%溶液を作成し、
バイアルを激しく撹拌することによって試験する。この材料は、これらの条件下
では溶解して透明な溶液を生じる。
実施例VI 2−(ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸ナトリウム、テレフタル酸ジメチ ル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、エチレングリコール、および ポリ(エチレングリコール)のオリゴマー
磁気撹拌子、内部温度計、Therm-O-Watch(商品名)(I2R)温度調節装置不
活性ガス取入口、および改質Claisenヘッドを備えた一つ口丸底フラスコに、テ
レフタル酸ジメチル(30.6g、0.156モル、Aldrich)、エチレングリ
コール(44g、0.7モル、Baker)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジ
メチル(7.4g、0.025モル、Aldrich)、ポリ(エチレングリコール)
MW=200(5.0g、0.025モル、Aldrich)、およびFascat-4100(商
品名)(0.5g、M&T Chem.Co.)を加える。これに、実施例Iと同様にして
性蔵した2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸ナトリウム(10.
0g、0.05モル)を加える。この混合物を陽性の不活性ガス雰囲気下で18
0℃で20時間加熱して、メタノールを系から蒸留する。生成する物質の13C−
NMR(DMSO)では、約54ppmの共鳴が消失していることによって、メ
チルエステルが完全に転換していることを示している。
この材料を、約1mmHgでKugelrohr装置(Aldrich)中で240℃に1時間
加熱する。次に、反応フラスコを、室温まで極めて速やかに冷却して、ガラス状
固形生成物を得る。この物質の13C−NMR(DMSO)分析では、エチレング
リコールのモノエステルまたはエステル化されていない2−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−エタンスルホン酸ナトリウムに対応する約59〜61ppm領域の
ピークが全く存在しないことによって、所望なオリゴマーに高度に転換している
ことが示されている。ガラス状オリゴマーの小さな圧潰した試料は、室温で蒸留
水と共に激しく攪拌すると、5%固形物濃度で良好に溶解する。
実施例VII イセチオン酸ナトリウム、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸ナ トリウム、テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウ ム塩、およびエチレングリコールのオリゴマーの合成
磁気撹拌子、改質Claisenヘッド、冷却器(蒸留用セット)、温度計および温
度調節装置(Therm-O-Watch (商品名)、I2R)を備えた250mlの三つ口
丸底フラスコに、イセチオン酸のナトリウム塩(Aldrich、4.7g、0.03
2モル)、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタンスルホン酸ナトリウム(6.
1g、0.032モル、実施例1と同様にして製造)、テレフタル酸ジメチル(
27.6g、0.142モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム
塩(Aldrich、9.4g、0.032モル)、エチレングリコール(Baker、55
.9g、0.900モル)、水和したモノブチルスズ酸化物(M&T Chemicals、
0.21g、総反応重量の0.2%)、酢酸ナトリウム(MCB、0.05g、5
−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩の2モル%)、およびドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム(Siponate LDS-10(商品名)、3.0g、最終オ
リゴマー重量の6%)を加える。この混合物を180℃に加熱して、この温度で
アルゴン下に一晩保持して、メタノールおよび水を反応容器から蒸留する。この
材料を1000mlの一つ口丸底フラスコに移し、約0.5mmHgでKugelroh
r装置(Aldrich)中で約20分間かけて徐々に240℃まで加熱して、その温度
に1時間保持する。Kugelrohr工程中に生じる発泡により、材料を幾らか損失す
る。次に、反応フラスコを、真空下にて室温付近まで極めて速やかに空冷する(
約30分)。この反応により、褐色不透明な固
形生成物として、所望なオリゴマー10.4gを得る。13C−NMR(DMSO
−d6)は、約63.2ppmに−C(O)OCH 2CH2(O)C−についての
共鳴(ジエステル)を示す。約59.4ppmの−C(O)CH2CH2OHにつ
いての共鳴(モノエステル)も検出される。ジエステルピーク対モノエステルピ
ークの高さの比率は、12.8と測定される。2個のスルホエトキシキャッピン
グ基(−CH2SO3Na)を表わす約49.8ppmおよび約51.0ppmの
共鳴も存在する。1H−NMR(DMSO−d6)は、約8.4ppmにスルホイ
ソフタル酸の芳香族水素を表わす共鳴および約7.9ppmにテレフタル酸の芳
香族水素を表わす共鳴を示している。
溶解度を、少量の材料を2個のバイアルに秤量し、これを圧潰し、十分な量の
蒸留水を加えて5重量%および10重量%溶液を作成し、バイアルを激しく撹拌
することによって試験する。この試料の大半は、これらの条件下では可溶性であ
る。試験法
下記の試験法を用いて、本発明のs.r.a.′sの「完了係数」を測定す
ることができる。
1. s.r.a.を溶融体として十分に混合して、代表的な試料採取を確実に行な
い、融点を上回る温度からガラス化温度をかなり下回る温度、例えば45℃以下
まで速やかに冷却する。
2. バルクs.r.a.の固形試料を採取する。
3. 1%(容積/容積)テトラメチルシラン(Aldrich Chemical Co.)を含む
(メチルスルホキシド)−d6にs.r.a.を溶解した10%溶液を作成する。必要
ならば、90〜100℃まで加温して、s.r.a.を実質的に完全に溶解する。
4. 溶液を180×5mmNMR管(Wilmad Scientlfic Glass,507-pp-7Ro
yal Imperial薄壁5mmNMR試料管、8″)に入れる。
5. 13C NMRスペクトルを下記の条件下で得る。
a. General Electric QE-300 NMR装置
b. プローブ温度=25℃
c. 1パルス順序(one pulse sequence)
d. パルス幅=6.00マイクロ秒
=30°
e. 取得時間=819.20ミリ秒
f. リサイクル時間=1.00秒
g. 取得回数=5000
h. データーサイズ=32768
i. ライン・ブロードニング=3.00Hz
j. スピン速度=13rps
k. 観察:
頻度=75.480824MHz
スペクトル幅=20,000Hz
ゲイン=60*8
l. デカップラー:
標準幅広バンド、64変調
頻度=4.000ppm
出力=2785/3000
m. プロットスケール:
510.64Hz/cm
6.7652ppm/cm
225.00〜−4.99ppm
6. 63.0〜63.8ppmの領域に見られる最高の共鳴の高さ(「63
ピーク」と表わされ、エチレングリコールのジエステルと関連した)を測定する
。(これは、特定の条件下では単一ピークとして観察されることが多いが、余り
分割されていない多重線として現われることがある。)
7. 約5.89ppm(「60ピーク」と表わされる)に見られかつエチレ
ングリコールのモノエステルと関連した共鳴の高さを測定する。(これがベース
ラインから区別できるほど十分に大きいときには、これは特定の条件下では通常
は単一ピークとして現われる。)
8. 完了係数を、「60ピーク」に対する「63ピーク」についての高さの
比として計算する。汚れ放出剤としての本発明のエステルの使用
本発明のエステルは、顆粒状の
洗濯洗剤に見られるような通常の洗剤成分を用いる洗濯に適合する種類の汚れ放
出剤として特に有用である。また、これらのエステルは、本質的な汚れ放出剤お
よび任意の洗剤成分を含んでなる洗濯用の添加または前処理組成物に有用である
。本発明により提供されるような汚れ放出剤は、典型的には洗剤組成物の少なく
とも約0.1重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましく
は約0.2重量%〜約3.0重量%を構成する。洗剤用界面活性剤
本発明によって提供される完全に処方された洗剤組成物に
含まれる洗剤用界面活性剤の量は、使用される特定の界面活性剤および所望な効
果によって洗剤組成物約1重量%〜約99.8重量%の範囲で変化することがで
きる。好ましくは、洗剤用界面活性剤は、組成物の約5重量%〜約80重量%で
ある。
洗剤用界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、両性、双性イオン性、または
カチオン性であることができる。これらの界面活性剤の混合物を用いることもで
きる。好ましい洗剤組成物は、アニオン性の洗剤用界面活性剤、またはアニオン
性界面活性剤と他の界面活性剤、特にノニオン性界面活性剤との混合物を含む。
本発明で用いられる界面活性剤の非制限的例としては、通常のC11〜C18アル
キルベンゼンスルホン酸、および第一、第二およびランダムアルキル硫酸、C10
〜C18アルキルアルコキシ硫酸、C10〜C18アルキルポリグリコシド、およびそ
れらの対応する硫酸化ポリグリコシド、C12〜C18−α−スルホン化脂肪酸エス
テル、C12〜C18アルキルおよびアルキルフェノールアルコキシレート(特にエ
トキシレートおよび混合エトキシ/プロポキシ)、C12〜C18ベタインおよびス
ルホベタイン(「スルタイン」)、C10〜C18アミンオキシドなどが挙げられる
。他の通常の有用な界面活性剤は、標準的な教科書に記載されている。
本発明の洗剤組成物に特に有用なノニオン性界面活性剤の一つの種類は、エチ
レンオキシドと、平均的親水性−親油性バランス(HLB)が5〜17、好まし
くは6〜14、更に好ましくは7〜12の範囲にある界面活性剤を提供する疎水
性残基との縮合物である。疎水性(親油性)残基は、脂肪族または芳香族性であ
ることがある。任意の特定の疎水性基と縮合するポリオキシエチレン基の長さは
、容易に調節して、親水性および疎水性要素の間に所望な程度のバランスを有す
る水溶性化合物を得ることができる。
この種類の特に好ましいノニオン性界面活性剤は、アルコール1モル当たりエ
チレンオキシド3〜8モルを含むC9〜C15第一アルコールエトキシレート、特
にアルコール1モル当たりエチレンオキシド6〜8モルを含むC14〜C15第一ア
ルコール、アルコール1モル当たりエチレンオキシド3〜5モルを含むC12〜C15
第一アルコール、およびそれらの混合物である。
ノニオン性界面活性剤のもう一つの好適な種類は、下記の式を有するポリヒド
ロキシ脂肪酸アミドを含む。
(式中、R1はH、C1〜C8ヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒド
ロキシプロピル、またはそれらの混合物であり、好ましくはC1〜C4アルキル、
更に好ましくはC1またはC2アルキルであり、最も好ましくはC1アルキル(す
なわち、メチル)であり、R2はC5〜C32ヒドロカルビル残基であり、好ましく
は直鎖状のC7〜C19アルキルまたはアルケニルであり、更に好ましくは直鎖状
のC9〜C17アルキルまたはアルケニルであり、最も好ましくは直鎖状のC11〜
C19アルキルまたはアルケニルであるか、またはそれらの混合物であり、Zは鎖
に直接結合した少なくとも2個のヒドロキシル(グリセルアルデヒドの場合)、
または少なくとも3個のヒドロキシル(他の還元糖の場合)を有する線状のヒド
ロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル残基であるか、またはその
アルコキシル化(好ましくは、エトキシル化またはプロポキシル化)誘導体であ
る。Zは、好ましくは還元的アミノ化反応において還元糖から誘導され、更に好
ましくは、Zはグリシチル残基である。好適な還元糖としては、グルコース、フ
ルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースおよびキシロ
ース、並びにグリセルアルデヒドが挙げられる。原料としては、高デキストロー
スコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、および高マルトースコーン
シロップ、並びに前記の個々の糖を用いることができる。これらのコーンシロッ
プは、Zの糖成分の混合物を生じることがある。このことは、他の好適な原料を
除外しようとするものではないことを理解すべきである。Zは、好ましくは−C
H2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH)−(CHOH)n-1−C
H2OH、−CH2−(CHOH)2(CHOR′)(CHOH)−CH2OHから
なる群から選択され、但しnは1〜5の整数であり、R′はH、または環状
の単糖類または多糖類、およびそれらのアルコキシル化誘導体である。最も好ま
しいものは、nが4であるグリシチルであり、特に−CH2−(CHOH)4−C
H2OHである。
式(I)において、R1は、例えばN−メチル、N−エチル、N−プロピル、N−
イソプロピル、N−ブチル、N−イソブチル、N−2−ヒドロキシエチル、また
はN−2−ヒドロキシプロピルであることができる。起泡性を最高にするには、
R1は好ましくはメチルまたはヒドロキシアルキルである。低い起泡性が所望な
場合には、R1は好ましくはC2〜C8アルキル、特にn−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、および2−エチルヘキシル
である。
R2−CO−N<は、例えばココアミド、ステアルアミド、オレアミド、ラウ
ルアミド、ミリストアミド、カプリクアミド、パルミトアミド、獣脂アミドなど
であることができる。洗剤ビルダー
本発明に用いられる任意の洗剤成分は、無機硬度の制御を容易
にする無機および/または有機の洗剤用ビルダーを含む。使用する場合には、こ
れらのビルダーは、洗剤組成物の約5重量%〜約80重量%となる。
無機洗剤ビルダーとしては、ポリリン酸(例えば、トリポリリン酸、ピロリン
酸、およびガラス状のポリマー性メタリン酸)、ホスホン酸、フィト酸、ケイ酸
、炭酸(重炭酸およびセスキカーボネートを含む)、硫酸およびアルミノケイ酸
のアルカリ金属、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩が挙げられる
が、これらに限定されない。しかしながら、リン酸以外のビルダーが幾つかの場
合には必要である。
ケイ酸ビルダーの例は、アルカリ金属ケイ酸塩、特にSiO2:Na2Oの比率
が1.6:1〜3.2:1の範囲にあるもの、および層状ケイ酸、例えば198
7年5月12日にH.P.Rieckに発行された米国特許第4,664,839
号明細書に記載され、Hoechstから「SKS」の商標で発売されている層状ケイ
酸ナトリウムであり、SKS−6は特に好ましい層状ケイ酸ビルダーである。
アルミノケイ酸ビルダーは、本発明において特に有用である。好ましいアルミ
ノケイ酸は、下記の式を有するゼオライトビルダーである。
Naz[(AlO2)z(SiO2)y]・xH2O
(式中、zおよびyは、少なくとも6の整数であり、z対yのモル比は1.0〜
約0.5の範囲にあり、xは約15〜約264の整数である。)
有用なアルミノケイ酸イオン交換材料は、市販されている。これらのアルミノ
ケイ酸は構造が結晶性または非晶質であることができ、天然に存在するアルミノ
ケイ酸または合成的に誘導されるものであることもできる。アルミノケイ酸イオ
ン交換材料の製造法は、1976年10月12日発行のKrummelらの米国特許第
3,985,669号明細書および1986年8月12日発行のCorkillらの米
国特許第4,605,509号明細書に開示されている。本発明で用いられる好
ましい合成の結晶性アルミノケイ酸イオン交換材料は、Zeolite A、Zeolite P(B
) (EPO384,070号明細書に開示されているものを含む)、およびZeo
ite Xの名称で発売されている。好ましくは、アルミノケイ酸の粒度は、直径が
約0.1〜10ミクロンのものである。
本発明の目的に好適な有機洗剤ビルダーとしては、多種多様なポリカルボキシ
レート化合物、例えば1964年4月7日発行のBergの米国特許第3,128,
287号明細書、および1972年1月18日発行のLambertiらの米国特許第3
,635,830号明細書に開示されているオキシジスクシネートなどのエーテ
ルポリカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。1987年5
月5日にBushらに発行された米国特許第4,663,071号明細書記載の「T
MS/TDS」ビルダーも参照されたい。
他の有用な洗剤用ビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレー
ト、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1
,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、およびカル
ボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸およびニトリロトリ酢酸
のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩
、並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン
1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、およびそれら
の可溶性塩などのポリカルボン酸が挙げられる。
クエン酸ビルダー、例えばクエン酸およびその可溶性塩(特に、ナトリウム塩
)は、顆粒状組成物に、特にゼオライトおよび/または層状ケイ酸ビルダーと組
み合わせて用いることもできる好ましいポリカルボン酸ビルダーである。
また、3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート、お
よび1986年1月28日発行のBushの米国特許第4,566,984号明細書
に開示されている関連化合物も、本発明の洗剤組成物に好適である。
リン酸を基材とするビルダーを用いることができる場合、および特に手洗い作
業に使用されるバーの処方では、周知のトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸
ナトリウムおよびオルトリン酸ナトリウムなどの各種のアルカリ金属リン酸塩を
用いることができる。エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸および他
の既知のホスホン酸のようなホスホン酸ビルダーを用いることもできる(例えば
、米国特許第3,159,581号、第3,213,030号、第3,422,
021号、第3,400,148号および第3,422,137号明細書を参照
されたい)。任意の洗剤添加剤
好ましい態様としては、本発明で用いられる通常の洗剤成
分は、洗剤用界面活性剤および洗剤用ビルダーなどの典型的洗剤組成物成分から
選択することができる。場合によっては、洗剤成分は、クリーニング性能を助け
または増大させ、クリーニングを行なう基材の処理、または洗剤組成物の美観を
改良するための1種類以上の他の洗剤添加物または他の材料を含むことができる
。洗剤組成物の通常の洗剤添加剤としては、Baskervilleらの米国特許第3,9
36,537号明細書に記載の成分が挙げられる。本発明で用いられる洗剤組成
物に通常の当該技術分野で確立された使用濃度(通常は、洗剤成分の0%〜約2
0%、好ましくは約0.5%〜約10%)で添加することができる添加剤として
は、酵素、特にプロテアーゼ、リパーゼおよびセルラーゼ、カラー・スペックル
ス(color speckles)、起泡増進剤、起泡抑制剤、防曇および/または腐食防止剤
、汚れ懸濁剤、染料、充填剤、蛍光増白剤、殺菌剤、アルカリ性供給源、ヒドロ
トロープ剤、酸化防止剤、酵素安定剤、香料、溶剤、可溶化剤、粘土汚れ除去/
際付着防止剤、ポリマー性分散助剤、ポリビニルピロリドン、およびN−ビニル
イミダゾールおよびN−ビニルピロリドンのコポリマーなどのポリアミンN−オ
キシドを含む色素移り抑制剤、加工助剤、布帛柔軟性分、帯電防止剤などが挙げ
られる。漂白剤
場合によっては、本発明で用いられる洗剤組成物は、1種類以上の通
常の漂白剤、活性剤、または安定剤、特に、ペルオキシ酸であって、本発明の汚
れ放出組成物と反応しないものを含むことができる。一般的には、処方者は、用
いる漂白化合物が洗剤処方物と適合するようにするであろう。個別のまたは完全
に処方した成分の存在下にて保存する際の漂白活性の試験のような通常の試験を
、この目的に用いることができる。
ペルオキシ酸は、予備成型したペルオキシ酸であるか、または無機過塩(persa
lt)(例えば、過ホウ酸ナトリウムまたは過炭酸ナトリウム)と有機ペルオキシ
酸前駆物質であって、過塩と前駆物質との組み合わせを水に溶解するときにペル
オキシ酸に転換されるものとの組み合わせであることができる。有機ペルオキシ
酸前駆物質は、当該技術分野では漂白活性剤と呼ばれることが多い。
好適な有機ペルオキシ酸の例は、1983年2月15日発行のBossuの米国特
許第4,374,035号明細書、1987年7月21日発行のHardyらの米国
特許第4,681,592号明細書、1987年1月6日発行のBurnsらの米国
特許第4,634,551号明細書、1987年8月11日発行のBurnsの米国
特許第4,686,063号明細書、1986年8月19日発行のBurnsの米国
特許第4,606,838号明細書、および1987年6月9日発行のHartman
の米国特許第4,671,891号明細書に開示されている。過ホウ酸漂白剤お
よびその活性剤を含む洗濯用漂白剤に好適な組成物の例は、1983年11月発
行のChungおよびSpadiniの米国特許第4,412,934号明細書、1985年
8月20日発行のHardyらの米国特許第4,536,314号明細書、1987
年7月21日発行のDivoの米国特許第4,681,695号明細書、および19
85年9月3日発行のThompsonらの米国特許第4,539,130号明細書に開
示されている。
本発明で配合することができる好ましいペルオキシ酸の具体例としては、ジペ
ルオキシドデカンジオン酸(DPDA)、ペルオキシコハク酸のノニルアミド(
NAPSA)、ペルオキシアジピン酸のノニルアミド(NAPAA)、およびデ
シルジペルオキシコハク酸(DDPSA)が挙げられる。ペルオキシ酸は、好ま
しくは上記の米国特許第4,374,035号明細書に記載の方法によって可溶
性顆粒に配合される。好ましい漂白剤顆粒は、発熱調節剤(例えば、ホウ酸)を
、重量で1%〜50%、ペルオキシ酸に適合する界面活性剤(例えば、C13L
AS)1%〜25%、1個以上のキレート化剤安定剤(例えば、ピロリン酸ナト
リウム)0.1%〜10%、および水溶性加工塩(例えば、Na2SO4)10
%〜70%を含む。
ペルオキシ酸漂白剤は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5
%、最も好ましくは約1%〜約4%の利用可能な酸素(AvO)の量を提供する
濃度で用いられる(%は総て組成物の重量による)。
典型的な洗濯液、例えば16°〜60℃の水65リットルを含むものに用いら
れる本発明の組成物の単位投与量当たりのペルオキシ酸漂白剤の有効量は、利用
可能な酸素(AvO)約1ppm〜約150ppm、更に好ましくは約2ppm
〜約20ppmを提供する。洗濯液は、また効果的なペルオキシ酸漂白のために
はpHが約7〜約11、好ましくは約7.5〜約10.5となるべきである。米
国特許第4,374,035号明細書の第6欄、1〜10行目を参照されたい。
あるいは、組成物は、水溶液中でアルカリ性過酸化水素と反応すると、前記ペ
ルオキシ酸の一つを生成する好適な有機前駆物質を含むことができる。過酸化水
素の供給源は、水溶液に溶解して過酸化水素を生成する任意の無機過酸素化合物
、例えば過ホウ酸ナトリウム(一水和物および四水和物)および過炭酸ナトリウ
ムであることができる。
本発明の組成物中の過酸素漂白剤の濃度は、約0.1%〜約95%であり、好
ましくは約1%〜約60%である。本発明の漂白組成物も完全に処方された洗剤
組成物であるときには、過酸素漂白剤の濃度は約1%〜約20%であるのが好ま
しい。
本発明の組成物中の漂白活性剤の濃度は、約0.1%〜約60%であり、好ま
しくは約0.5%〜約40%である。本発明の漂白組成物も完全に処方された洗
剤組成物であるときには、漂白活性剤の濃度は約0.5%〜約20%である。
本発明のペルオキシ酸および汚れ放出エステルは、好ましくはペルオキシ酸対
汚れ放出エステルによって供給される利用可能な酸素の重量比が約4:1〜約1
:30、更に好ましくは約2:1〜約1:15、最も好ましくは約1:1〜約1
:7.5で含まれる。この組み合わせは、完全に処方した独立型生成物に配合す
ることができ、またはこれを洗濯洗剤と組み合わせて用いられる添加剤として処
方することができる。セルラーゼ酵素
場合によっては、本発明で用いられる洗剤組成物は、本発明
の汚れ放出組成物と反応しない1種類以上の通常の酵素を含むことができる。特
に好ましい酵素は、セルラーゼである。本発明で用いられるセルラーゼは、最適
pHが5〜9.5であるいずれの細菌性または真菌性セルラーゼであってもよい
。好適なセルラーゼは、1984年3月6日発行のBarbesgoardらの米国特許第
4,435,307号明細書に開示されており、Humicola insolensの一菌株、
特にHumicolaの菌株DSM 1800、またはAeromonas属に属するセルラーゼ212産
生菌によって産生される真菌性セルラーゼ、および海産性ムロスク(mullosk)(Do
labella Auricula Solander)の肝膵臓から抽出されるセルラーゼが開示されてい
る。好適なセルラーゼは、GB−A−2,075,028号、GB−A−2,0
95,275号およびDE−OS−2,247,832号明細書にも開示されて
いる。
好ましいセルラーゼは、国際特許出願WO91/17243号明細書に記載さ
れているものである。例えば、本発明の組成物に用いられるセルラーゼ製剤は、
本質的に均質なエンドグルカナーゼ成分からなることができ、これはHumicola i
nsolens,DSM 1800由来の高度に精製した43kDのセルラーゼに対して生じる
抗体と免疫反応性を有し、またはこの43kDのエンドグルカナーゼと同一源で
ある。
酵素は、通常は洗剤組成物1グラム当たり活性酵素を重量で約50mgまで、
更に典型的には約0.01mg〜約10mg供給するのに十分な濃度で配合され
る。あるいは、本発明で典型的に用いられる酵素の有効量は、洗剤組成物の少な
くとも約0.001重量%、好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、更に
好ましくは約0.001重量%〜約1重量%、最も好ましくは約0.01重量%
〜約1重量%である。
本発明の汚れ放出剤は、約1〜約50ppm、更に好ましくは約2.5〜約3
0ppmの範囲の布帛洗濯水溶液中の濃度では、典型的な顆粒状洗剤成分の存
在下で、水性の、好ましくはアルカリ性(pH範囲約7〜約11、更に好ましく
は約7.5〜約10.5)環境で洗浄されるポリエステル、ポリエステル−綿混
紡、および他の合成布帛に対して効果的なクリーニングおよび汚れ放出の協同処
理を提供する。意外なことには(特に、pHおよびアニオン性界面活性剤に関す
る限り)、上記洗剤成分は、その技術分野で開示された濃度で洗浄水中に存在し
、例えば布帛などのクリーニングおよび漂白についてのその通常の仕事を行なう
ことができ、エステルの汚れ放出特性には悪影響を与えないのである。
従って、本発明は、布帛の洗濯の方法と同時に、布帛に汚れ放出仕上を提供す
る方法を包含する。この方法は、単に前記の布帛を、上記の通常の洗剤成分並び
に汚れ放出剤の前記の有効濃度(すなわち、本発明のエステルを少なくとも10
重量%含んでなるオリゴマー性組成物約1〜50ppm)を含む洗濯水溶液と接
触させることからなっている。この方法は、pHおよび含まれる界面活性剤の種
類などの因子に関して特に制限されないが、布帛の最良のクリーニングには、洗
濯工程において通常の線状アルキルベンゼンスルホン酸のようなアニオン性界面
活性剤を使用し、また前記で定義したような高いpH範囲を用いることも極めて
望ましいことが多いことを理解すべきである。これらの界面活性剤およびpH範
囲を用いても、意外なことには本発明のエステルが汚れ放出剤として効果的に作
用するのを妨げない。従って、本発明によって提供されるクリーニングおよび汚
れ放出仕上の最適な組み合わせの好ましい方法は、下記の総てを用いて構成され
る。
−汚れ放出剤の好ましい濃度(2.5〜30ppm)、
−アニオン性界面活性剤、
−約7〜約11のpH、および汚れ放出剤による本発明の好ましい組成物、例え
ばエトキシル化またはプロポキシル化したヒドロキシ−エタンおよびプロパンス
ルホン酸末端キャップ、テレフタル酸ジメチル、スルホイソフタル酸ジメチル、
エチレングリコール、プロピレングリコールおよびジエチレングリコールからな
る化合物の反応のオリゴマー性生成物。
好ましい方法では、ポリエステル、ポリエステル−綿混紡、および他の合成布
帛が用いられ、これらに対して最高の汚れ放出効果が得られるが、他の種類の布
帛が含まれていてもよい。
クリーニングおよび汚れ放出の同時処理の最も好ましい方法は、「複−サイク
ル」法であり、一回だけの洗濯/使用サイクルのような僅かの処理の後でも、意
外なことには効果が得られるが、下記の順序の段階からなる2以上のサイクルを
用いると最高の結果が得られる。
a) 前記の布帛を、通常の自動洗濯機でまたは手洗いによって、前記の洗濯
水溶液と約5分〜約1時間接触させ、
b) 前記布帛を水で濯ぎ、
c) 前記布帛をラインまたは回転乾燥し、
d) 前記布帛を、通常の着衣または家事使用により汚れに暴露する。
この「複−サイクル」法は、汚れ放出処理段階(a)を2回以上用いる場合には
、段階(a) 〜(d)のいずれから出発する方法も包含するということが理解される
であろう。場合によっては、更に「浸漬」段階を、洗濯/使用サイクルに含める
こともできる。典型的には、使用者は、前記布帛を前記洗濯水溶液と接触させる
ことによって5分間程度から一晩以上まで洗濯物を浸漬または予備浸漬する。
上記において、段階(a)は、時間、温度、布帛積載量、水量、および洗濯生成
物濃度の通常の条件下で、手洗いまたは米国、日本または欧州での洗濯機操作の
いずれも包含する。また、段階(c)では、言及されている「回転乾燥」は、特に
通常の布帛積載量、温度および作業時間を用いる通常の家庭用のプログラミング
可能な洗濯乾燥機(これらは洗濯機と一体になっていることがある)の使用を包
含している。
下記の非制限的な実施例により、本発明の典型的なエステル組成物(実施例II
Iのもの)を汚れ放出剤として使用して、ポリエステル布帛へスルー・ザ・ウォ
ッシュ(thru-the-wash)での適用を説明する。
実施例VIII〜XI
下記の成分を含んでなる顆粒状洗剤組成物を製造する。
100%までの残部としては、例えば、蛍光増白剤、香料、起泡抑制剤、汚れ
分散剤、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キレート化剤、色素移り抑制剤
、追加水、およびCaCO3、タルク、ケイ酸塩および粘土などの充填剤のよう
な少量成分が挙げられる。
洗剤組成物の熱およびアルカリに安定な成分の水性クラッチャー混合物を製造
して噴霧乾燥し、他の成分を混合して、表に記載された成分を、示された濃度で
含むようにする。実施例IIIの汚れ放出剤を粉砕して、洗剤組成物と共に0.5
重量%の濃度で使用するのに十分な量で混合する。
汚れ放出剤を含む洗剤顆粒を、予め洗濯を行なった布帛6ポンドの積載量(積
載組成:10重量%ポリエステル布帛/50重量%ポリエステル−綿混紡/40
重量%綿布帛)と共に、Sears KNMORE洗濯機に入れる。洗剤およびエステル組成
物の実際の重量は、17ガロン(65リットル)注水量(water- fill)洗濯機で
前者が995ppmの濃度、後者が5ppmの濃度になるように秤量する。使用
した水は、硬度が7グレイン/ガロンであり、洗剤およびエステル組成物を添加
する前はpHが7〜7.5(添加後は、約9〜約10.5)である。
布帛を、全サイクル(12分)について35℃(95°F)で洗濯を行ない、
21℃(70°F)で濯ぎを行なう。次に、布帛をライン乾燥し、(着衣または
制御した適用により)各種の汚れに暴露する。洗剤組成物のそれぞれについて、
洗濯および汚れ付着の全サイクルを数回繰り返す。別の布帛の組を、洗剤組成物
のそれぞれで使用するために取って置く。総てのポリエステル含有布帛は、本発
明のエステルに暴露しなかった布帛と比較して、洗濯中に汚れ(特に親油性の種
類の汚れ)の除去が著しく向上している。
本発明の汚れ放出剤は、顆粒状洗剤または洗濯バーで典型的に見られるような
通常の洗濯洗剤組成物で特に有用である。1965年4月13日発行のOkenfuss
の米国特許第3,178,370号明細書には洗濯洗剤バーおよびその
製造法が記載されている。1980年9月23日発行のAndersonのフィリピン国
特許第13,778号明細書には、合成洗剤洗濯バーが記載されている。各種の
押出法による洗濯洗剤バーの製造法は、当該技術分野で周知である。
実施例XII
汚れの付着した布帛を手洗いするのに好適な洗濯バーは、標準的な押出法によ
って製造され、下記の成分を含んでいる。
洗剤洗濯バーを、当該技術分野で普通に用いられているような通常の石鹸また
は洗剤バー製造装置で加工する。実施例IIIの汚れ放出剤を粉砕して、洗剤組成
物と共に0.5重量%の濃度で使用するのに十分な量で混合する。試験は、実施
例VIII〜XIの試験法に従って行なう。総てのポリエステル含有布帛は、本発明の
エステルに暴露しなかった布帛と比較して、洗濯中に汚れ(特に親油性の種類の
汚れ)の除去が著しく向上している。任意のノニオン性界面活性剤加工剤
場合によっては、洗濯液での溶融粘度を
低下させかつ溶解を更に容易にするため、ノニオン性界面活性剤を汚れ放出剤反
応物に加えることができる。合成中に、汚れ放出剤、特にイセチオン酸ナトリウ
ム、2−[2−ヒドロキシエトキシ]エタンスルホン酸ナトリウムまたは3−(
2−ヒドロキシエトキシ)プロパンスルホン酸ナトリウムの末端キャップ単位を
含み、ジ−および/またはポリ(オキシエチレン)オキシ単位を僅かしかまたは
全く配合していない2か所で末端キャッピングしたエステルは、粘性が高く、従
って撹拌し、ポンプ輸送することが困難である。更に、このような汚れ放出剤は
、洗濯液に導入されると溶解が遅くなりがちである。これらの難点を回避するた
め、エトキシル化度が約3〜約50、好ましくは約5〜約11の獣脂アルコール
エトキシレートのようなエトキシル化したノニオン性界面活性剤を、汚れ放出剤
と混合することができる。このノニオン性界面活性剤は、オリゴマー化段階の終
点近くの任意の時間に加えることができるが、このノニオン性界面活性剤と汚れ
放出オリゴマーとのエステル交換はできるだけ少なくなるようにすべきである。
好ましくは、ノニオン性界面活性剤は、汚れ放出剤の溶融粘度が最大になる時点
の直前に加えるべきである。ノニオン性界面活性剤は、オリゴマー化段階の直後
に、オリゴマーが未だ溶融状態にあるうちに汚れ放出剤と十分に混合することも
できる。ノニオン性界面活性剤は、洗濯液に導入されると、汚れ放出剤の溶融粘
度を低下させ、汚れ放出剤の溶解の容易さを増加させる。典型的には、ノニオン
性界面活性剤を、汚れ放出剤の約0.05重量%〜約25重量%、好ましくは約
0.1重量%〜約10重量%の量で、汚れ放出剤に加えられる。
実施例XIII イセチオン酸ナトリウム、テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメ チルのナトリウム塩、エチレングリコール、およびプロピレングリコールのオリ ゴマーの合成
磁気撹拌子、改質Claisenヘッド、冷却器(蒸留用セット)、温度計および温
度調節装置(Therm-O-Watch(商品名)、I2R)を備えた250mlの三つ口丸
底フラスコに、イセチオン酸のナトリウム塩(Aldrich、7.7g、0.052
モル)、テレフタル酸ジメチル(55.5g、0.286モル)、5−スルホイ
ソフタル酸ジメチルのナトリウム塩(Aldrich、15.4g、0.052モル)
、エチレングリコール(Baker、24.2g、0.390モル)、プロピレング
リコール(Baker、28.7g、0.377モル)、ジエチレングリコール(Ald
rich、6.6g、0.0624モル)、水和したモノブチルスズ酸化物(M&T Ch
emicals、0.17g、総反応重量の0.2%)、酢酸ナトリウム(MCB、0.0
9g、スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩の2モル%)、クメンスルホ
ン酸ナトリウム(Ruetgers-Nease、3.3g、最終ポリマー重量の4%)、キシ
レンスルホン酸ナトリウム(Ruetgers-Nease、3.3g、最終ポリマー重量の4
%)を加える。この混合物を180℃に加熱して、この温度でアルゴン下に一晩
保持して、メタノールおよび水を反応容器から蒸留する。材料を1000mlの
一つ口丸底フラスコに移し、約2mmHgでKugelrohr装置(Aldrich)中で約2
0分間かけて徐々に240℃まで加熱して、その温度に3時間保持する。次に、
反応フラスコを、真空下にて室温付近まで極めて速やかに
空冷する(約30分)。この反応により、黄色のパリパリしたガラス状固形生成
物として所望なオリゴマー49gを得る。13C−NMR(DMSO−d6)は、
約63ppmに−C(O)OCH 2CH2(O)C−についての共鳴(ジエステル
)を示す。約59.4ppmの−C(O)OCH2CH2OHについての共鳴(モ
ノエステル)は検出されず、ジエステルピークの少なくとも40分の1である。
約51.0ppmのスルホエトキシキャッピング基(−CH2SO3Na)を表わ
す共鳴も存在する。1H−NMR(DMSO−d6)は、約8.4ppmにスル
ホイソフタル酸の芳香族水素を表わす共鳴および約7.9ppmにテレフタル酸
の芳香族水素を表わす共鳴を示している。約4.7ppmのエチレングリコール
のジエステルのメチレン基に対するピーク対約5.4ppmのプロピレングリコ
ールのジエステルのメチンプロトンについてのピークの面積の比率を測定する。
これから、配合されたエチレン/プロピレングリコールのモル比(E/P比)は
、1.75:1と計算される。溶解度を、少量の材料を2個のバイアルに秤量し
、これを圧潰し、十分な量の蒸留水を加えて5重量%および10重量%溶液を作
成し、バイアルを激しく撹拌することによって試験する。この材料は、これらの
条件下では部分的にしか可溶性でない。
真空縮合の2時間50分後に溶融ポリマーに、エトキシル化獣脂アルコール(
エトキシル化度=9)10gを加えて、実験を繰り返す。ノニオン性界面活性剤
を溶融ポリマーと激しく混合し、真空縮合条件を更に5分間継続する。ポリマー
とノニオン性界面活性剤とのブレンドを、次に冷却して、ガラス状固形生成物を
得る。この固形生成物は、ノニオン性界面活性剤を配合せずに作成した試料より
も室温で水に良好に溶解する。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L
K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO
,RU,SD,SK,UA,UZ,VN
(72)発明者 ホール,ロビン ギブソン
イギリス国 ニューキャッスル‐オン‐タ
イン、ヒートン、カーティントン、テラ
ス、192