【発明の詳細な説明】
カルシウムチャネル拮抗剤活性を有するキノリジジン
本発明は公知および新規なアザ二環式誘導体の治療における、特にカルシウム
チャネル拮抗剤としての使用、新規化合物その物、アザ二環式誘導体の製法、お
よび該化合物を含有する医薬組成物に関する。
日本国特許第374142号は、特に子宮に対して筋肉収縮特性を有するとす
る、フェノキシアルキル−3−キノリジジンの製法を記載する。
米国特許第4,689,329号およびEPA241292はある種のアラルキ
ル置換オクタヒドロインドリジジンを記載する。
EPA210883はペネム誘導体を製造するための中間体として置換フェニ
ルチオ−および置換ベンジルチオ−アザビシクロヘプタンを記載する。
種々のアリール−およびヘテロアリール−アミノアルキル置換キノリジジンが
、例えば、ファルマコ(エジジオン・サイエンティフィカ)(Farmaco.Ed.Sci.
)1968、23(4)344−59;ケム・ファーム・ブル(Chem.Pharm.Bul
l.)(東京)7、1083−9(1959);およびインディアン・ジャーナル
・オブ・ケミストリー(セクトB)(Indian J.Chem.Sect.B)1985、24B
(6)636−8に記載されている。
本発明者らはある種の置換キノリジジンがカルシウムチャネル拮抗剤としての
活性を示すことを見いだした。かくして、該化合物はカルシウムチャネルの遮断
が適用される障害、特に哺乳動物の脳細胞におけるカルシウム蓄積に関連する障
害の治療にて有用である。
したがって、本発明は、第一の態様にて、カルシウムチャネル拮抗剤が適用さ
れる障害の治療用の医薬の製造における、式(I):
[式中、
pおよびqは、各々、独立して3〜5の整数;
nは0〜6;
mは0〜6;
Aは結合、−CH=CH−、−C≡C−、酸素、硫黄またはNR1;
R1は水素、C1-8アルキルまたはフェニルC1-4アルキル;および
Arはアリールまたはヘテロアリール(各々、所望により置換されていてもよ
い)を意味する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
前記の式(I)において、(CH2)nA(CH2)mAr鎖が橋頭炭素原子位置にて
結合できないことを明らかにするために、H原子をその炭素原子上に示す。
pおよびqは、好ましくは、独立して3または4であり、最も好ましくはpお
よびqは共に4である。
mおよびnの数値は、(CH2)nA(CH2)m鎖が、少なくとも1個、好ましくは
2個の炭素原子を含有するように選択されるべきである。一般に、(CH2)nA(
CH2)m鎖長は炭素原子2ないし6である。nおよびmについての好ましい数値
はA基に依存する。すなわち、例えば、Aが酸素である場合、n+mの合計は、
好ましくは1ないし5であり、例えば、nは1、2、3、4または5であり、m
は0、1、2または3であってもよい。Aが結合である場合、n+mの合計は少
なくとも1でなければならない。
Aは好ましくは酸素または結合であり、最も好ましくはAは酸素である。
Arがアリールである場合、適当な基は、例えば、フェニル、ナフチル、テト
ラヒドロナフチル、フルオレン、フルオレノン、ジベンゾスベレンおよびジベン
ゾスベレノンのような、炭素数15までの不飽和一環式および不飽和または部分
飽和二環式および三環式環系を包含する。
アリール基は、C1-2アルキレンジオキシ基により置換されていもよく(例、
3,4−メチレンジオキシ基で置換されたフェニル)、またはハロゲン、C1-4ア
ルコキシ、ニトロ、SC1-4アルキル、NR2aR2b(ここに、R2aおよびR2bは
、独立して、HまたはC1-4アルキルとすることができる)、OCF3、C1-6ア
ルキル、トリフルオロメチル、CN、所望により置換されていてもよいフェニル
、所望により置換されていてもよいフェノキシ、所望により置換されていてもよ
いベンゾイル、所望により置換されていてもよいフェニルC1-4アルキルおよび
所望により置換されていてもよいC1-4アルコキシからなる群より選択される1
ないし3個の置換基により置換されていてもよい。
所望により置換されていてもよい適当なフェニルC1-4アルキル基は、例えば
、ベンジルを包含する。所望により置換されていてもよい適当なフェニルC1-4
アルコキシ基は、例えば、ベンジルオキシ基を包含する。
かかる所望により置換されていてもよいフェニル、フェノキシ、ベンゾイル、
フェニルC1-4アルキルおよびフェニルC1-4アルコキシ基に関する適当な置換基
は、例えば、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ニトロおよびトリフ
ルオロメチル基を包含する。
好ましくは、アリール基は、1または2個の置換基により、特にフェニル、フ
ェニル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンゾイルまたはフェニルC1-4アルコ
キシ基により、または特にフェニル環の3−および4−位にて2個のクロロ原子
により置換されたフェニル環である。
Arがヘテロアリールである場合、適当な基は、例えば、少なくとも1個のヘ
テロ原子を含有する不飽和または部分飽和性二環式および三環式環系である。二
環式環系は、好ましくは、キノリニル、テトラヒドロキノリニルまたはベンゾフ
ラニルのような8ないし10個の環原子を含有する。三環式環系は、好ましくは
、11ないし15個の環原子を含有し、最も好ましくは、構造式:
[式中、Y1はY(CH2)s;YはO、SまたはNR3(ここに、R3は水素または
C1-4アルキル);Zは(CH2)rまたはCH=CH;rは0、1または2;およ
びsは0または1を意味する]
で示される環または対応するデヒドロ環系である。三環式ヘテロアリール基は、
例えば、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾール、N−メチルカル
バゾール、アクリジンおよびジベンズオキセピンを包含する。
かかるヘテロアリール環の関する適当な置換基は、例えば、ハロゲン、トリフ
ルオロメチル、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、フェニル、フェニルC1-4ア
ルキルおよびフェニルC1-4アルコキシから選択される1ないし3個の置換基を
包含する。
式(I)の化合物にあるアルキル基は、それ単独で、または別の基の一部とし
て、直鎖または分枝鎖とすることができる。したがって、C1-4アルキル基は、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルあるいはイソプロピルまた
はt−ブチルのようなその分枝した基である。
医薬における用途として、化合物(I)の塩は医薬上許容されるであろう。医
薬上許容される塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸
塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、
メタンスルホン酸塩のような無機および有機酸付加塩または類似する医薬上許容
される無機または有機酸付加塩を包含する。医薬上許容できない他の塩は、例え
ば、最終生成物の単離にて用いてもよく、本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、式(IA):
[式中、
pおよびqは、各々、独立して3ないし5の整数;
Aは結合、−CH=CH−、−C≡C−、酸素、硫黄またはNR1;
R1は水素、C1-8アルキルまたはフェニルC1-4アルキル;
naは0〜6であり、maは0〜6であり、ただし、AがSまたは結合以外の
基である場合、(CH2)naA(CH2)ma鎖長は少なくとも炭素原子2であり、Aが
Sまたは結合である場合、少なくとも炭素原子3であり;
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、その各々は、所望により置換さ
れていてもよい;
ただし、
a)Aが結合である場合、−(CH2)naA(CH2)ma基はアザ二環式の窒素原子
に対してα−位以外の位置にあり;
b)Aが酸素であり、pおよびqが共に3または4であり、naが0〜6であ
り、maが0または1である場合、Arは非置換フェニル以外の基であり;
c)AがNHである場合、pおよびqは共に4であることはない]
で示される新規化合物を提供する。
式(IA)の化合物において、A、Ar、pおよびqの好ましい例は、式(I
)について前記したとおりであり、naおよびmaの好ましい例は、式(I)の
nおよびmについて前記したとおりである。
式(IA)の化合物において、最も好ましくは、
pおよびqは、各々、4であり;
Aは酸素であって、その場合、naは1ないし5であり、maは0〜3である
か;
またはAは結合であって、その場合、na+maの合計は0〜3であり;
Arは置換フェニル基であるか、または前記したように所望により置換されて
いてもよい二環式または三環式ヘテロアリール基であり;
−(CH2)naA(CH2)maAr基はアザ二環式の窒素原子に対してα−位以外の
位置にある]
で示される新規化合物およびその塩を提供する。
置換フェニルおよび所望により置換されていてもよい二環式ヘテロアリールま
たは三環式ヘテロアリール基は、前記の式(I)について記載したとおりである
。好ましくは、フェニル基は、ベンジル、ベンゾイル、ベンジルオキシ、フェニ
ルオキシまたはハロゲンで置換されている。二環式アリール基は、好ましくは、
所望によりフェニルにより置換されていてもよい、ベンゾフラニルである。三環
式アリール基は、好ましくは、ジベンゾフラニルである。
新規であると思われる本発明の個々の化合物は、以下の化合物を包含する:
(±)(3α,9aα)−3−(4−ベンジルオキシフェノキシメチル)キノリ
ジジン、
(±)(3α,9aα)−3−(3,4−ジクロロフェノキシメチル)キノリジジ
ン、
(±)(1α,9aα)−1−(4−ベンジルオキシフェノキシメチル)キノリ
ジジン、
(±)(1α,9aα)−1−(3,4−ジクロロフェノキシメチル)キノリジジ
ン、
(±)(2β,9aα)−2−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル
]キノリジジン、
(±)(2β,9aα)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)エチル]
キノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[5−(2−ジベンゾフラニルオキシ)ペンチル
]キノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[5−(2−ジベンゾフラニルオキシ)ペンチル
]キノリジジン、
(±)(2β,9aα)−2−[2−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)エチル
]キノリジジン、
(±)(3α,9aα)および(3β,9aα)−3−(3,4−ジクロロベンジ
ルオキシメチル)キノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル
オキシメチル]キノリジジン、
(±)(1α,9aα)−1−[4−(フェノキシ)フェノキシメチル]キノリ
ジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[6−(4−フェノキシフェニル)ヘキシル]キ
ノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[6−(4−フェノキシフェニル)ヘキシル]キ
ノリジジン、
(±)(1α,9aα)−1−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
、
(±)(3α,9aα)−3−[5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチ
ル]キノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチ
ル]キノリジジン、
(±)(1α,9aα)−1−[5−(2−フェニルベンゾ[b]フラニルオキ
シ)メチル]キノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル
]キノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル
]キノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)プロピ
ル]キノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)プロピ
ル]キノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル
]キノリジジン、
(±)(3β,9aα)−3−[2−(ベンジルオキシフェノキシ)エチル]キ
ノリジジン、
(±)(3α,9aα)−3−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
、
(±)(3β,9aα)−3−(4−ベンゾイルフェノキシメチル)キノリジジ
ン、
(±)(3β,9aα)−3−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
、
およびその塩。
式(I)の化合物が1またはそれ以上の不斉中心を有してもよいことは認識で
きるであろう。このような化合物は光学異性体(エナンチオマー)として存在す
る。両方の純粋なエナンチオマー、ラセミ混合物(各エナンチオマー50%)お
よび2種のエナンチオマーの不等な混合物は本発明の範囲内に含まれる。さらに
は、可能なすべてのジアステレオマー形(純粋なエナンチオマーおよびその混合
物)も本発明の範囲内にある。加えて、Aが−CH=CH−である場合、化合物
は幾何異性体として存在し、本発明はこのようなすべての異性体およびその混合
物を包含する。
取り決めによれば、本明細書にて用いる(+)および(−)の符号は、化合物
による平面偏光の回転方向を示す。接頭辞(+)は異性体が右旋性(またdと称
することもできる)であることを示し、接頭辞(−)は左旋性異性体(また、l
と称することもできる)を示す。置換基の相対的配向は橋頭水素原子の配向に関
して定められる。キノリジジン環の場合、橋頭水素原子は9aと番号付けられる
。α−符号はキノリジジン核の平面下に突出する原子または基をいい、β−符号
はキノリジジン核の平面上に突出する原子または基をいう。
本発明の化合物は、当該分野において公知の方法に類似する方法により調製で
きる。したがって、本発明は、さらなる態様にて、
(a)AがO、SまたはNR1である式(I)の化合物の場合、式(II):
[式中、p、qおよびnは式(I)の記載と同意義であり、A1はO、Sまたは
NR1を意味する]
で示される化合物を、式:
L(CH2)mAr1
[式中、mは式(I)の記載と同意義であり、Ar1はArまたはそれに変換可能
な基を表し、Lは脱離基を意味する]
で示される化合物と反応させ、その後、要すれば、Ar1基をAr基に変換し;
(b)AがO、SまたはNR1である式(I)化合物の場合、式(III):
[式中、p、qおよびnは式(I)の記載と同意義であり、L1は求核物質によ
り置換可能な基を意味する]
で示される化合物を、式:
HA1(CH2)mAr1
[式中、m、A1およびAr1は前記と同意義である]
で示される化合物と反応させ;
(c)AがNR1である式(I)の化合物の場合、式(IV):
[式中、R4は、基:−(CH2)nN(R1)C(O)(CH2)m-1Ar1または−(CH2)n -1
C(O)N(R1)(CH2)mAr1を表し、p、q、n、mおよびAr1は前記と同意
義である]
で示される化合物を還元し;
(d)Aが結合である式(I)の化合物の場合、式(V):
[式中、L1、p、q、mおよびnは前記と同意義である]
で示される化合物を、式:
X1Ar1
[式中、Ar1は前記と同意義であり、X1はアルカリ金属を意味する]
で示される化合物と反応させ;
(e)Aが−CH=CH−である化合物の場合、式(VI):
[式中、n、pおよびqは前記と同意義である]
で示される化合物を、=C(CH2)mAr1基の導入に供する試薬と反応させ;
(f)置換基−(CH2)nN(CH2)mAr1が窒素原子に対してβ位にある式(I
)の化合物を調製するには、式(VII):
[式中、p、q、m、n、AおよびAr1は前記と同意義である]
で示される化合物を還元し;
(g)式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に相互変換し、例えば、Aが
−CH=CH−である化合物を、Aが−CH2CH2−である化合物に還元するか
、または基Ar1をArに変換し、
所望により、前記したいずれかの方法の後に、式(I)の塩を形成してもよいこ
とからなる式(I)の化合物の製法を提供する。
方法(a)にて、式(II)の化合物と、化合物:L(CH2)mAr1の間の反応は
、基Lの特性およびmの数値に関連する条件下で起こり得る。例えば、mが0で
あり、Lが好ましくはフルオロである場合、反応は、水素化ナトリウムのような
強塩基の存在下、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドのような極
性有機溶媒中にてなされるのが好ましい。この場合、アリール基はベンゾイル、
CHO、CF3またはNO2のような活性化基で置換されているのが好ましい。m
が0以外の数値であるある場合、Lは、例えば、ハロゲンまたは好ましくはスル
ホン酸残基、例えば、トシレートまたはメシレートであり、溶媒中、所望により
塩基の存在下、標準条件下で反応を行うことができる。この場合、溶媒および塩
基は、要すれば、前記した溶媒等から選択してもよい。
式(III)と、式:HA1(CH2)mAr1(方法b)の化合物の間の反応は、L1
お
よびAの特性に関連する条件下で起こり得る。例えば、L1がヒドロキシルであ
り、mが0であり、A1が酸素または硫黄である場合、アゾジカルボン酸ジエチ
ルおよびトリフェニルホスフィンの存在下で反応はなされる。このような反応は
ミツノブ反応(Mitsunobu reaction)(シンセシス(Synthesis)1981,1
に記載)として知られている。また、脱離基L1は、例えば、ハロゲン基または
スルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスル
ホニルオキシであってもよく、その場合、化合物(III)は、例えば塩酸塩のよ
うな酸塩として保護されているのが好ましい。反応は、溶媒の存在下または不在
下、0ないし200℃の範囲の温度でなされ、好ましくは、塩基の存在下で行わ
れる。
方法(c)による式(IV)の化合物の還元は、当該分野における公知方法、例
えば、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤を用いて行うことができる。
都合よくは、式(IV)の化合物を調製し(例えば、以下の実施例に記載するよう
に)、化合物(IV)その物を単離することなく、「ワン・ポット(one-pot)」
反応にて還元する。
方法(d)における式(V)の化合物と、式:X1Ar1の化合物の反応は、炭
素−炭素結合の形成について当業者に公知の標準条件下で起こり得る。
方法(e)は、市販されているか、または公知方法により製造できるジエチル
ホルホネートのような式:Ar1(CH2)m+1P(O)(OAlk)2のワドワース−エモ
ンス(Wadsworth−Emmons)試薬、または式:Ar1(CH2)m+1PPh3X-(X-は
アニオン)のウィッティッヒ試薬を用いて行うことができる。該反応は、所望に
よりクラウンエーテル、例えば15−クラウン−5、または18−クラウン−6
を含有してもよいテトラヒドロフランのような溶媒中、水素化ナトリウムまたは
カリウムt−ブトキシドのような強塩基の存在下、行ってもよい。
方法(f)に関する化合物(VII)の還元は、溶媒(例、エーテルまたはテト
ラヒドロフランあるいはその混合液)溶媒中、還元剤(例、水素化アルミニウム
リチウム)を用いて行ってもよい。式(VII)の化合物は、以下の記載に従って
製造され、それ自身がアキシアルおよびエクアトリアル性ジアステレオマーの混
合物として存在する。これらは還元前にクロマトグラフィーにより分離してもよ
く、
式(I)の個々のジアステレオマーを付与する有利な方法を提供する。
方法(g)による相互変換反応は、当該分野にてよく知られた方法により行う
ことができる。例えば、式(I)の化合物(Aは−CH=CH−)の式(I)の
化合物(Aは−CH2−CH2−)の変換は接触還元により行ってもよい。Ar基
に変換可能なAr1基は、例えば、ベンゾイルまたはカルボキシアルデヒドにより
置換されたフェニルであり、その置換基は、例えば、トリフルオロ酢酸中水素化
ホウ素ナトリウムで還元することにより、各々、ベンジルまたはメチルに変換で
きる。Ar1基の変換は、方法(a)に従って行うことが好ましい。
式(II)の化合物(nは1〜6であり、A1は酸素である)は、式(VIII):
[式中、p、qおよびnが前記と同意義であり、AlkはC1-6アルキル基、例え
ば、エチルを意味する]
で示される対応するエステルを還元することにより製造してもよい。還元は、溶
媒(例、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)中、還元剤(例、水素化
アルミニウムリチウム)を用いて行ってもよい。式(VIII)のエステル(nは1
)は、対応するシアノ化合物を酸または塩基加水分解し、つづいてエステル化す
ることにより製造できる。核がキノリジジンである場合、塩基加水分解(例えば
、ヤマダ(Yamada)ら、アグル・バイオール・ケム(Agr.Biol.Chem.)、197
1、35、285の方法に従って、水性ジエチレングリコール中、還流下で水酸
化カリウムを用いて)に付すとエクアトリアル形の生成物が優先的に得られ、一
方、酸加水分解に付すと、一般に、異性体の混合物が得られ、その割合は用いる
厳密な反応条件に依存する。トシルメチルイソシアニドと反応させることにより
、対応するケトンよりシアノ中間体その物を製造してもよい。式(VIII)に対応
するケ
トンは、文献(例えば、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ(J.Chem.S
oc.)、1931、437およびジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソ
サイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1956、78、3457)記載の方法により
製造できる。nが1より大きいエステルエステルは、nが1であるエステルを対
応するN−メチル−N−メトキシカルボキシアミドに変換し、ついでそれを水素
化ジイソブチルアルミニウムを用いてアルデヒドに還元することにより製造でき
る。該アルデヒドを、例えばEPA363,085の記載に従って、さらにシア
ノメチル誘導体に変換し、つづいて酸加水分解、およびエステル化に付し、nが
2であるエステルを形成する。この順序を繰り返し、より高級な相同物を形成し
てもよい。
また、式(II)の化合物は、対応するアルデヒドまたはケトンをトリエチルホ
スホノアセテートまたはトリエチルホスホノクロトネートと反応させ、つづいて
接触水素添加に付してエトキシカルボニルアルキル誘導体を得、それをさらに例
えば、水素化アルミニウムリチウムを用いて所望のヒドロキシアルキル化合物に
還元することにより製造してもよい。トリエチルホスホノアセテートの使用は2
−炭素同族化をもたらし、一方、トリエチルホスホノクロトネートは4−炭素同
族化を付与することがわかるであろう。
式(II)の化合物(A1はSまたはNR1)は、例えば、ハロゲン化アルキルの
形成、つづいて適当なアミンまたはチオール試薬との反応を介する標準操作によ
り対応するヒドロキシ化合物から製造してもよい。
化合物、L(CH2)mAr1は当該分野における公知方法により製造してもよい。
例えば、Ar1が置換フェニル(例、3,4−ジクロロフェニル)であり、mが1
で、Lがトシル基である場合、そのような化合物は、コチ(Kochi)ら、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1953、75、
3443の方法により製造できる。
式(III)の化合物(L1はOH)は、式(II)の化合物について記載したよう
に製造でき、式(III)の化合物(L1はハロゲン原子あるいはメシルオキシまた
はトシルオキシ)は、常套手段にて対応するアルコールより製造できる。
式(IV)の化合物(R4は基−(CH2)nN(R1)C(O)(CH2)m-1Ar1)は、式
(II)の化合物(A1はNR1)を、基−(CH2)mAr1に対応するアシル化剤、例
えば、酸クロリドClOC(CH2)m-1Ar1と反応させることにより製造できる。
式(IV)の化合物(R4は基−(CH2)n-1C(O)N(R1)(CH2)mAr1)は、例
えば、対応する化合物(R4は−(CH2)n-1CO2Hまたは酸ハライド、エステル
または無水物のようなその活性化誘導体)を、式:HN(R1)(CH2)mAr1のア
ミンと反応させることにより製造できる。酸それ物を用いる場合、アミンとの反
応はカップリング剤の存在下でなされるべきである。カルボン酸その物は、例え
ば、対応するアルコール、すなわち、式(II)の化合物(A1は酸素であり、n
は0以外の数である)を酸化することにより製造できる。
式(V)の化合物は、式(III)の化合物と同様の方法にて製造してもよい;
必要ならば、当該分野における周知方法に従って鎖長を増加させることができる
。
式(VI)の化合物は、例えば、式(II)の化合物(A1は酸素)を酸化するか
、または対応するエステルを変換する、例えば塩化チオニルおよびN,O−ジメ
チルヒドロキシルアミンと反応させ、つづいて得られたN−メチル−N−メトキ
シカルボキシアミドを還元する常法により製造してもよい。式(VI)の化合物(
nは1)は、種々の方法により対応する化合物(nは0)より製造できる。例え
ば、アルデヒド(nは0)を、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムク
ロリドおよびカリウムt−ブトキシドで、つづいて強酸(例、濃硫酸)で処理し
、アルデヒド(nは1)を得ることができる。別法として、アルデヒドを、EP
A363085の記載に従って、対応するシアノメチル誘導体に変え、つづいて
酸加水分解し、N−メチル−N−メトキシカルボキシアミドに変え、還元しても
よい。さらに、これらの操作を用いて高級同族体を形成してもよい。
式(VII)の化合物は、式(IX):
で示される化合物を、化合物:L2(CH2)nA(CH2)mAr1(ここに、L2はハロ
、例えばブロモのような脱離基あるいはトシレートまたはメシレートのようなス
ルホン酸残基である)でアルキル化することにより製造してもよい。該反応は、
例えば、溶媒(例、テトラヒドロフラン)中、リチウムジイソプロピルアミドを
用いる強塩基性条件下、実施することが好ましい。
式(IX)の化合物(pおよびqは共に4である)は、文献における公知方法、
例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.
Soc.)、1919、71、879に記載の方法により製造できる。
L2(CH2)nA(CH2)mAr1化合物は常法により製造できる。例えば、L2がハ
ロゲン原子であり、Aが酸素、mが0である場合、そのような化合物は、例えば
触媒としてベンジルトリエチルアンモニウムブロミドを用いる相移動条件下、適
当なフェノールをジブロモアルカンと反応させることにより製造してもよい。A
が結合である場合、式:L2(CH2)nA(CH2)mAr1の化合物は、化合物Ar1を
フリーデル−クラフト(Friedel-Crafts)アシル化反応に付し、つづいて、所望
により中間体ケトンを単離することなく還元して製造してもよい。
式(I)の化合物がエナンチオマー混合物として得られる場合、これらの化合
物は、分割剤の存在下、結晶化、または例えば、キラルHPLCカラムを用いる
クロマトグラフィーのような常法により分離してもよい。
式(I)の化合物は、例えば、ニューロンにて、高カルシウム流入遮断活性を
示すことが見いだされた。そのように、該化合物は、哺乳動物、特にヒトの脳細
胞におけるカルシウム蓄積に関連する症状および疾患を治療する療法にて有用で
あると考えられる。例えば、該化合物は、無酸素症、虚血症、例えば発作、片頭
痛、内臓痛、癲癇、外傷性頭部損傷、AIDS関連痴呆症、神経退化疾患、例え
ばアルツハイマー病および老人性記憶障害;モード障害および薬物嗜癖禁断症状
、例えばエタノール嗜癖禁断症状の治療にて有用であると考えられる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、哺乳動物の脳細胞におけるカ
ルシウムの蓄積に関連する(例えば、誘起または悪化する)症状または疾患の治
療法であって、その治療を必要とする対象に有効量の式(I)の化合物またはそ
の医薬上許容される塩を投与することからなる方法を提供する。かくして、例え
ば、本発明は、無酸素症、虚血症、例えば発作、片頭痛、内臓痛、癲癇、外傷性
頭部損傷、AIDS関連痴呆症、神経退化疾患、例えばアルツハイマー病および
老人性記憶障害;モード障害および薬物嗜癖禁断症状、例えばエタノール嗜癖禁
断症状の治療方法であって、その治療を必要とする対象に有効量の式(I)の化
合物またはその医薬上許容される塩を投与することからなる方法を提供する。
医薬にて用いる場合、式(I)の化合物は、通常、標準的医薬組成物にて投与
される。したがって、本発明は、さらなる態様にて式(I)の新規化合物または
その医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体または賦形剤とからなる医薬
組成物を提供する。
式(I)の化合物は、例えば、経口、非経口、口腔、経直腸または経皮投与に
より、すなわち医薬組成物を適用するのに都合のよい方法にて投与してもよい。
経口投与した場合に活性である式(I)の化合物またはその医薬上許容される
塩は、液体または固体、例えば、シロップ、懸濁液またはエマルジョン、錠剤、
カプセルおよびロゼンジとして処方できる。
液体処方は、一般に、該化合物または医薬上許容される塩の、沈殿防止剤、保
存剤、フレーバー剤または着色剤を有する、適当な流体担体、例えば、エタノー
ル、グリセリン、非水性溶媒、例えばポリエチレングリコール、油または水中懸
濁液または溶液からなる。
錠剤形である組成物は、固体処方の製造に慣用的に用いられるいずれか適当な
医薬担体を用いて製造できる。このような担体の例は、ステアリン酸マグネシウ
ム、デンプン、ラクトース、シュークロースおよびセルロースを包含する。
カプセル形である組成物は、慣用的カプセル化操作を用いて製造できる。例え
ば、活性成分含有のペレットを標準担体を用いて調製し、ついで硬ゼラチンカプ
セルに充填することができる;別法として、いずれか適当な医薬担体、例えば、
水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を用いて分散液または懸濁液を調製
し、ついで該分散液または懸濁液を軟ゼラチンカプセルに充填できる。
本発明の化合物はまた、ボーラス注射または点滴により非経口投与してもよい
。典型的な非経口用組成物は、該化合物または医薬上許容される塩の滅菌水性担
体または非経口的に許容される油中、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油中溶液または懸濁液からなる
。別法として、該溶液を凍結乾燥し、ついで投与直前に適当な溶媒で復元しても
よい。
液体および固体の組成物は共に製薬分野にて知られている他の成分、例えば、
シクロデキストリンを含有してもよい。
該組成物は錠剤、カプセルまたはアンプルのような単位投与形であるのが好ま
しい。
経口投与用の各投与単位は、1〜250mg(非経口投与では、好ましくは0
.1〜60mg)の式(I)の化合物または遊離塩基として換算したその医薬上
許容される塩を含有するのが好ましい。
成人患者の場合、一日の投与量は、例えば、式(I)の化合物または遊離塩基
として換算したその医薬上許容される塩が、1mg〜500mg、好ましくは1
mg〜250mg、例えば、5〜200mgの経口用量、あるいは0.1mg〜
100mg、好ましくは0.1mg〜60mg、例えば1〜40mgの静脈内、
皮下または筋肉内用量であり、それを一日に1〜4回投与する。また、本発明の
化合物を、好ましくは、一日当たり400mgまでの用量で連続的静脈内注入に
より投与してもよい。かくして、経口投与による一日の全用量は、1〜2000
mgの範囲にあり、非経口投与による一日の全用量は0.1〜400mgの範囲
にある。適当には、該化合物を連続的治療の期間中、例えば、1週間またはそれ
以上の期間投与する。
生物学的データ
Ca2+電流測定
細胞調製物
背根神経節からの感覚ニューロンをラット(1日齢)より分離した(フォルダ
(Forda)ら、デベロップメンタル・ブレイン・リサーチ(Developmental Brain
Research)、22(1985)、55−65)。細胞をカバーグラス上に置き
、3日以内に用いて、Ca2+電流の有効電圧のクランプを可能とした。
溶液
ピペット(内部溶液)(mM)は、CsCl,130;HEPES,10;EGT
A,10;MgCl2,4;ATP,2を含有し、CsOHでpH7.2に緩衝化した。
浸漬溶液がCa2+電流の単離を可能とする溶液に変化する際を記録し、全細胞を
確立する前に、細胞を標準チロイド溶液に浸した。Ca2+チャネル電流を記録す
るための外溶液(mM)は:BaCl2,10;TEA−Cl,130;グルコース,
10;HEPES,10;MgCl2,1を含有し、TEA−OHでpH7.3に緩衝
化した。この電流単離を補助するために電荷キャリアーとしてバリウムを用い、
電流のカルシウム依存性不活性化を回避した。化合物をDMSOに溶かし、20
mMのストック溶液を調製した。使用薬剤濃度で、ビヒクル(0.1%)はCa2+
電流に対する有意な効果を何ら有しなかった。すべての実験は21〜24℃で行
った。全細胞電流をList EPC−7増幅器を用いて記録し、以前(ベンナム&
シエン(Benham&Tsien)、ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Journal of Phys
iology)(1988)、404、767−784)に記載のものに類似するPC
ベースのソフトウェアーを用いて後の分析のために保存し、数値化した。
結果
Ca2+電流
背根神経節ニューロン由来の10nAまでのCa2+チャネル電流を制御するピ
ーク電圧を、電荷キャリアーとして10mM Ba2+を用いて記録した。電流は1
5秒毎にを−80mVの保持電位から0または+10mVの試験電位に誘起され
た。この試験電位が電流電圧関係のピークであって、保持電位のドリフトによる
誤差が減少するこの時点でブロックを評価する。ある細胞は、Ca2+電流を記録
する際に通常見られるような電流のゆっくりした低下を示した。この低下速度を
対照条件にて測定し、薬剤投与の期間を通して推定し、薬剤作用の電流に関連す
る対照値を誘導した。20μM薬剤によるブロックが薬剤投与の3分後に評価さ
れた。
本発明の化合物は71〜99%の範囲にあるCa2+電流の阻害%を付与した。
医薬処方
以下の記載は本発明の代表的医薬処方を示すものであり、標準的方法により調
製した。
静脈内注入
式(I)の化合物 1−40mg
バッファー pH約7まで
溶媒/複合化剤 100mlまで
ボーラス注射
式(I)の化合物 1−40mg
バッファー pH約7まで
共溶媒 5mlまで
バッファー:適当なバッファーは、クエン酸塩、リン酸塩、水酸化ナトリウム/
塩酸
溶媒:典型的には、さらにシクロデキストリン(1〜100mg)を含有しても
よい水、およびプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとアルコ
ールのような共溶媒
錠剤
化合物 1−40mg
希釈剤/充填剤* 50−250mg
結合剤 5−25mg
崩壊剤* 5−50mg
滑沢剤 1−5mg
シクロデキストリン 1−100mg
*:さらにシクロデキストリンを含有してもよい
希釈剤:例、微結晶セルロース、ラクトース、澱粉
結合剤:例、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
崩壊剤:例、ナトリウム澱粉グリコレート、クロスポビドン
滑沢剤:例、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム
経口用懸濁液
化合物 1−40mg
沈殿防止剤 0.1−10mg
希釈剤 20−60mg
保存剤 0.01−1.0mg
バッファー pH約5−8まで
共溶媒 0−40mg
フレーバー 0.01−1.0mg
着色剤 0.001−0.1mg
沈殿防止剤:例、キサンチンガム、微結晶セルロース
希釈剤:例、ソルビトール溶液、典型的には水
保存剤:例、安息香酸ナトリウム
バッファー:例、クエン酸塩
共溶媒:例、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、シ
クロデキストリン
以下に示す限定するものでない実施例は、式(I)の化合物の調製を示す:
調製例1
(±)1−シアノキノリジジン
新たに蒸留したキノリジジン−1−オン(ジー・アール・クレモおよびジー・
アール・ラメージ(G R ClemoおよびG R Ramage)、ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサイエティ(J.Chem.Soc.)、1931、437)(4.59g、0.03
モル)、p−トルエンスルホニルメチルイソシアニド(7.61g、0.039モ
ル)および無水エタノール(3.0ml、0.05モル)含有の乾燥ジメトキシエ
タン(150ml)中溶液を0℃以下に冷却した。カリウムt−ブトキシド(8
.4g、0.075モル)を温度を0℃以下に維持しながら少しずつ添加した。
ついで、反応物を35ないし40℃で0.75時間加熱した。混合物を濾過し、
沈殿物をエーテルで洗浄した。合した濾液および洗浄液を再び濾過し、真空下で
濃縮して油状物を得、それをペンタン中にて抽出した。不溶性の不純物を除去し
た
レオマー混合物含有の淡黄色油状物として標記化合物(3.94g)を得た。
調製例2
キノリジジン−1−カルボン酸(±)(1α,9aα)および(1β,9aα)メ
チル
方法A
1−シアノキノリジジン(3.9g、0.023モル、ジアステレオマーの混合
物)の6M塩酸(60ml)中溶液を12時間加熱還流した。この時点で、薄層
クロマトグラフィー(溶出液としてクロロホルムを用いる中性アルミナ)は、高
速移動性ニトリル成分はすでに消滅したことを示したのに対して、低速移動性ニ
トリル先駆体の大部分は消費されないままであった。反応物を真空下で濃縮し、
ついでトルエンで再蒸留した。ジエチルエーテルでトリチュレートした後、残渣
を真空乾燥して吸湿性泡沫物を得、それをメタノールに溶かし、炭酸水素ナトリ
ウム(6.0g、0.069モル)で処理した。混合物を室温で5時間撹拌し、つ
いで真空下で濃縮した。残渣をエーテルで洗浄し、未反応ニトリルを除去し、エ
ーテル不溶性物質をメタノール(150ml)に溶かし、エーテル性塩化水素(
1M溶液(40ml))で処理し、5時間還流した。反応物を真空下で濃縮し、
飽和水性炭酸カリウムで処理し、クロロホルム中に抽出した。合した有機抽出液
を
装置を用いて蒸留し(0.2mmHgで沸点約140℃)、エクアトリアルおよ
びアキシアルなエステルの混合物(5:1)含有の無色液体として、標記化合物
(1.6g)を得た。
方法B
(±)1−シアノキノリジジン(ジアステレオマーの混合物)を水性ジエチレ
ングリコール中、水酸化カリウムで加水分解し、つづいてエステル化し(ワイ・
ヤマダ、ケイ・ハタノおよびエム・マツイ(Y.Yamada、K.HatanoおよびM.Matsui)
、アグル・バイオール・ケム(Agr.Biol.Chem.)、1971、35、285)、
キノリジジン−1−カルボン酸(±)(1α,9aα)メチルを得た。
調製例3
(±)(1α,9aα)および(1β,9aα)−1−ヒドロキシメチルキノリジ
ジン
窒素下、氷冷温度で撹拌した、水素化アルミニウムリチウム(0.61g、1
6.2ミリモル)の乾燥エーテル(25ml)中懸濁液に、キノリジジン−1−
カルボン酸(±)(1α,9aα)および(1β,9aα)メチル(1.6g、8.
1ミリモル)の同一乾燥溶媒(40ml)中溶液を滴下した。室温で4時間撹拌
した後、エーテルを、つづいて水を添加することにより反応物をクエンチした。
沈殿物を濾過により除去し、2%メタノール含有のエーテルで十分に洗浄した。
合した濾液および洗浄液を真空下で濃縮し、標記アルコールの各75:25混合
物からなる無色固体(1.33g)を得た。
同様にして、キノリジジン−1−カルボン酸(±)(1α,9aα)メチルを
(±)(1α,9aα)−1−ヒドロキシメチルキノリジジンに変えた。
調製例4
(±)E,Z 2−(カルボエトキシメチレン)キノリジジン
トリエチルホスホノアセテート(23.1g、0.01モル)の乾燥ジメトキシ
エタン(80ml)中溶液をカリウムt−ブトキシド(10.51g、0.094
モル)で処理した。室温で20分間撹拌した後、混合物を氷浴中にて冷却し、キ
ノリジジン−2−オン(エヌ・ジェイ・レオナード、アール・ダブリュ・フルマ
ーおよびエイ・エス・ハイ(N J Leonard,R W FulmerおよびA S Hay)、ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1956、
78、3457)(8.0g、0.052モル)のジメトキシエタン(80ml)
中溶液で15分間にわたって滴下処理した。混合物を一夜撹拌し、ついで真空下
で濃縮した。固体残渣を酢酸エチル(100ml)と5M塩酸(200ml)の
間に分配した。水層を酢酸エチルでさらに3回洗浄し、pHを炭酸カリウムで約
10に調整した。得られた混合物をジエチルエーテル(3x150ml)で抽出
し、真空下で濃縮し、黄色油状物として標記化合物(9.4g)を得、それをさ
らに精製することなく用いた。
実施例5
(±)(2β,9aα)−2−(エトキシカルボニルメチル)キノリジジン
(±)E,Z 2−(カルボエトキシメチレン)キノリジジン(7.0g、0.0
31モル)および酢酸(10ml)のエタノール(100ml)中溶液を、10
%Pd/C(1.0g)上、室温および200psiの圧力で14時間水素化した
。触媒をKieselguhrを介する濾過により除去した。濾液を真空下で濃縮し、残渣
を水性炭酸カリウムで処理し、酢酸エチル(2x100ml)で抽出した。合し
た有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して黄色油状物として標
記化合物(6.70g)を得た。
調製例6
(±)(2β,9aα)−2−(2−ヒドロキシエチル)キノリジジン(3.0g
、0.013モル)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)中溶液を、窒素下、
室温で水素化アルミニウムリチウム(0.5g、0.013モル)の乾燥テトラヒ
ドロフラン(40ml)中撹拌懸濁液に加えた。1時間撹拌した後、反応物を氷
中にて冷却し、水(0.5ml)、10%水酸化ナトリウム(0.5ml)、最後
に水(1.5ml)で処理した。Kieselguhrを介して濾過した後、濾液を真空下
で
沸点約120℃)、無色油状物として標記化合物(2.2g)を得た。
調製例7
臭化4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル
4−ベンジルオキシフェノール(10.0g、0.05モル)、1,4−ジブロ
モブタン(53.9g、0.25ミリモル)および臭化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム(0.57g、0.0025モル)のジクロロメタン(30ml)中混合物
を水酸化ナトリウム水溶液(3.0gを水75mlに溶かした)で処理し、その
混合物を一夜加熱還流した。反応物をジクロロメタンで希釈し、水層を分離した
。有機相を水(3x100ml)で、つづいてブライン(100ml)で洗浄し
、ついで硫酸ナトリウムで乾燥した。該溶液をトルエンとの共沸蒸留により真空
下で濃縮し、揮発物を除去した。残渣をペンタンで処理し、沈殿した固体を収集
し、標記化合物(13.5g)を得た。融点73℃(ジエチルエーテル/ペンタ
ンから結晶化)。
以下の化合物を同様にして調製した:
臭化5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチル;
臭化3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)プロピル;
臭化2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル;
2−(5−ブロモペンチルオキシ)ジベンゾフラン
調製例8
臭化6−[4−(フェノキシ)フェニル]ヘキシル
塩化アルミニウム(12.5g、0.094モル)の乾燥ジクロロメタン(20
0ml)中懸濁液に、塩化6−ブロモヘキサノイル(20.0g、0.094モル
)を20分間にわたって加えた。得られた溶液を、窒素下、30分間にわたって
、ジフェニルエーテル(30.0g、0.17モル)の乾燥ジクロロメタン(15
0ml)中撹拌溶液に加えた。混合物を室温で一夜撹拌し、ついでトリエチルシ
ラン(32.0ml、0.2モル)で30分間にわたって処理した。反応物を3時
間撹拌し、さらにこの間にトリエチルシラン(10.0ml、0.063モル)を
加えた。反応物を氷/水/ジエチルエーテルの混合液中に注いだ。有機層を水お
よびブラインで洗浄し、ついで硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮して油
状
とにより除去し、0.01mmHgで約175℃で蒸留するフラクションを収集
した。さらに、溶出液としてヘキサンを用いるシリカ上のクロマトグラフィーに
5.7g)を得た。
調製例9
3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノール
3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノール(2.5g、16.4ミリ
モル)の炭酸カリウム(5.9g、42.75ミリモル)を含有するアセトン(4
0ml)中溶液を臭化ベンジル(2.54ml、21.35ミリモル)で処理し、
3時間還流した。混合物を真空下で濃縮し、水(50ml)とクロロホルム(5
0ml)の間に分配した。水相をさらにクロロホルム(2x50ml)で抽出し
、合した有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。溶出液とし
て
クロロホルム中0〜8%メタノールを用いるシリカ上のクロマトグラフィーに付
して精製し、無色固体として標記化合物(3.92g、99%)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.36(1H,s)、1.85(2H,m)、2.6
3(2H,t,J=7Hz)、3.65(2H,t,J=7Hz)、5.04(2H,s)
、6.91(2H,d,J=8Hz)、7.11(2H,d,J=8Hz)、7.27−
7.50(5H,m)。
調製例10
p−トルエンスルホン酸3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル
3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノール(4.15g、17.
1ミリモル)の無水クロロホルム(30ml)中溶液を氷冷し、ピリジン(3.
92ml、48.5ミリモル)で、つづいて塩化p−トルエンスルホニル(6.1
6g、32.3ミリモル)で処理した。混合物をゆっくりと室温まで加温し、一
夜放置した。ジエチルエーテル(90ml)で希釈した後、溶液を1Mオルトリ
ン酸(50ml)で、つづいて飽和水性炭酸水素カリウム(50ml)および水
(50ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ついで溶出液とし
てメタノール中0〜8%メタノールを用いるシリカ上のクロマトグラフィーに付
して精製し、無色固体として標記化合物(5.1g、75%)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.92(2H,q,J=7Hz)、2.45(3H,s
)、2.57(2H,t,J=7Hz)、4.01(2H,t,J=7Hz)、5.02
(2H,s)、6.83(2H,d,J=8Hz)、6.97(2H,d,J=8Hz)
、7.30−7.47(7H,m)、7.78(2H,d,J=8Hz)。
調製例11
2−フェニル−5−ヒドロキシベンゾ[b]フラン
2−フェニル−5−メトキシベンゾ[b]フラン[ケイ・ケイ・トマスおよび
エム・エム・ボラジア(K K ThomasおよびM M Bokadia)、ジャーナル・オブ・
インディアン・ケミカル・ソサイエティ(J Indian Chem.Soc.)、1966、4
3、713)(0.5g、2.23ミリモル)の無水クロロホルム(4ml)中溶
液をヨウ化トリメチルシリル(0.44ml、3.09ミリモル)で処理し、50
℃で48時間加温した。この間に、新たな量(0.22ml)のヨウ化トリメチ
ルシリルを加えた。反応混合物をメタノール(20ml)で希釈し、ブライン(
40ml)で処理し、ジエチルエーテル(2x40ml)にて抽出した。合した
抽出液を水性メタ亜硫酸水素ナトリウムで、つづいてブライン(40ml)で洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で濃縮した後、残渣を蒸留し、無色固
体として標記化合物(0.41g、88%)(沸点250℃、0.1mmHg
実施例1
(±)(3α,9aα)−3−(4−ベンジルオキシフェノキシメチル)キノリ
ジジン塩酸塩
乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中に(±)3−ヒドロキシメチルキノリ
ジジン(ジアステレオマー混合物)(エッチ・アール・ルイスおよびシー・ダブ
リュ・ショッペ(H R LewisおよびC W Shoppee)、ジャーナル・オブ・ケミカル
・ソサイエティ(J.Chem.Soc.)1956、313)(0.51g、3.0ミリモ
ル)を含有する溶液を、窒素下、トリフェニルホスフィン(0.87g、3.3ミ
リモル)および4−ベンジルオキシフェノール(0.66g、3.3ミリモル)で
処理した。アゾジカルボン酸ジエチル(0.52ml、3.3ミリモル)の乾燥テ
トラヒドロフラン中溶液を30分間にわたって滴下し、反応物を一夜撹拌した。
この時点で、薄層クロマトグラフィー(溶出液としてクロロホルム/エタノール
(19/1)を用いる中性アルミナ)は、低速移動性アルコール先駆体の優先的
反応を示した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をクロロホルム(100ml)と
水(100ml)の間に分配した。有機層を水(2X100ml)で洗浄し、つ
いで硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルおよ
びペンタンの混合液にて抽出し、不溶性物質を除去した。溶媒を蒸発させた後、
残渣をペンタンにて抽出し、エーテル性塩化水素で処理し、標記の塩酸塩(0.
22g)
を得た。融点240−241℃(メタノール/ジエチルエーテルより)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.48(1H,m)、1.63(1H,m)、1.8
0(1H,m)、1.80−2.00(5H,m)、2.05−2.28(2H,m)
、2.42(1H,m)、2.52−2.75(3H,m)、2.96(1H,m)、
3.40−3.50(2H,m)、3.77(1H,dd,J=9.6,3.8Hz)、
3.90(1H,dd,J=9.6,4.6Hz)、5.01(2H,s)、6.78(
2H,m)、6.90(2H,m)、7.29−7.46(5H,m)。
実施例2
(±)(3α,9aα)−3−(3,4−ジクロロフェノキシメチル)キノリジジ
ン塩酸塩
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)−3−ヒドロキシメチルキ
ノリジジン(0.51g、3.0ミリモル)、3,4−ジクロロフェノール(0.4
9g、3.0ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.79g、3.0ミリモル
)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.47ml、3.0ミリモル)より調製し
た。室温で2時間の反応時間の経過後、混合物を実施例1に記載のように後処理
した。ペンタン抽出液を溶出液としてクロロホルム中0−1%メタノールを用い
る中性アルミナ上のカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。低速移
動性主成分含有のフラクションをプールして結晶化する油状物を得、それを標記
の塩酸塩(0.17g)に変えた。融点235−237℃(分解)(メタノール
/アセトン/ジエチルエーテルから)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.35−1.70(2H,m)、1.75−2.50
(8H,m)、2.55−2.80(3H,m)、2.92−3.10(1H,m)、
3.45(2H,m)、3.78(1H,dd,J=9,6Hz)、3.92(1H,d
d,J=9,4Hz)、6.70(1H,dd,J=8,2Hz)、6.95(1H,d
,J=2Hz)、7.30(1H,d,J=8Hz)。
実施例3
(±)(1α,9aα)−1−(4−ベンジルオキシフェノキシメチル)キノリ
ジジン塩酸塩
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)1−ヒドロキシメチルキノ
リジジン(エクアトリアルおよびアキシアル異性体の混合物(75:25))(0
.21g、1.24ミリモル)、4−ベンジルオキシフェノール(0.25g、1.
24ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.33g、1.24ミリモル)およ
びアゾジカルボン酸ジエチル(0.2ml、1.24ミリモル)より調製した。反
応物を室温で一夜撹拌し、ついで混合物を実施例1に記載のように後処理し、標
記の塩酸塩(0.15g)を得た。融点227−2529℃(メタノール/アセ
トン/ジエチルエーテルから)。1
H NMR(CDCl3)δ:1.45(1H,m)、1.72−2.15(7H,m
)、2.30−2.75(5H,m)、2.98(1H,m)、3.42(2H,m)
、3.78(1H,ddJ=8,1Hz)、4.06(1H,dd,J=8,3Hz)
、5.00(2H,s)、6.80(2H,d,J=8Hz)、6.89(2H,d,J
=8Hz)、7.35(5H,m)。
実施例4
(±)(1α,9aα)−1−(3,4−ジクロロフェノキシメチル)キノリジジ
ン塩酸塩
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)1−ヒドロキシメチルキノ
リジジン(エクアトリアルおよびアキシアル異性体の混合物(75:25))(0
.51g、3.0ミリモル)、3,4−ジクロロフェノール(0.54g、3.3ミ
リモル)、トリフェニルホスフィン(0.87g、3.3ミリモル)およびアゾジ
カルボン酸ジエチル(0.52ml、3.3ミリモル)より調製した。2時間の反
応時間の経過後、薄層クロマトグラフィー(溶出液としてクロロホルム中2.5
%エタノールを用いる中性アルミナ)は、低速移動性主アルコール先駆体の優先
的反応が生じたことを示した。反応物を実施例1に記載のように後処理し、標記
の塩酸塩(0.57g):融点179−181℃(メタノール/アセトン/ジエ
チ
ルエーテルから)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.50(1H,m)、1.70−2.18(7H,m
)、2.32−2.88(5H,m)、3.00(1H,m)、3.50(2H,m)
、3.88(1H,dd,J=9,2Hz)、4.14(1H,dd,J=9,3Hz)
、6.80(1H,dd,J=9,3Hz)、7.02(1H,d,J=3Hz)、7.
40(1H,d,J=9Hz)。
実施例5
(±)(2β,9aα)−2−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル
]キノリジジン塩酸塩
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)(2β,9aα)−2−(
2−ヒドロキシエチル)キノリジジン(0.32g、1.75ミリモル)、4−ベ
ンジルオキシフェノール(0.46g、2.3ミリモル)、トリフェニルホスフィ
ン(0.60g、2.3ミリモル)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.36m
l、2.3ミリモル)より調製した。室温で一夜撹拌した後、実施例1の記載と
同様に反応物を後処理し、標記の塩酸塩(0.33g):融点199−202℃
(メタノール/ジエチルエーテルから)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.48(1H,m)、1.70−2.85(15H,
m)、3.45(2H,m)、3.95(2H,m)、5.03(2H,s)、6.7
8(2H,d,J=8Hz)、6.90(2H,d,J=8Hz)、7.35(5H,m)
。
実施例6
(±)(2β,9aα)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)エチル]
キノリジジン塩酸塩
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)(2β,9aα)−2−(
2−ヒドロキシエチル)キノリジジン(0.28g、1.5ミリモル)、3,4−
ジクロロフェノール(0.32g、2.0ミリモル)、トリフェニルホスフィン(
0.52g、2.0ミリモル)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.32ml、
2.
0ミリモル)より調製した。室温で6時間撹拌した後、実施例1の記載と同様に
反応物を後処理し、標記の塩酸塩(0.3g):融点189−191℃(メタノ
ール/ジエチルエーテルから)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.48(1H,m)、1.70−2.88(15H,
m)、3.45(2H,m)、3.95(2H,m)、6.72(1H,dd,J=9,
3Hz)、6.95(1H,d,J=3Hz)、7.31(1H,d,J=9Hz)。
実施例7
(±)(3α,9aα)−3−[5−(2−ジベンゾフラニルオキシ)ペンチル
]キノリジジン塩酸塩(E7a)(エクアトリアル異性体)および(±)(3β
,9aα)−3−[5−(2−ジベンゾフラニルオキシ)ペンチル]キノリジジ
ン塩酸塩(E7b)(アキシアル異性体)
段階1
ジイソプロピルアミン(0.57g、5.66ミリモル)の乾燥テトラヒドロフ
ラン中撹拌溶液を、窒素下、−65℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン
中1.6M溶液、3.3ml、5.28ミリモル)で処理した。混合物を−20℃
に加温し、ついで−65℃に冷却した。キノリジジン−4−オン(ブイ・ベーケ
ルハイドおよびエス・ロスチルド(V.BoekelheideおよびS.Rothchild)、ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、1949、71、879)(0.51g
、3.3ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(3ml)中溶液を、温度を−6
0℃以下に維持しながら滴下した。反応物をさらに10分間撹拌し、ついで2−
(5−ブロモペンチルオキシ)ジベンゾフラン(1.66g、5.0ミリモル)の
乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中溶液で処理した。反応混合物をゆっくりと
室温まで加温し、ついで一夜撹拌した。反応物を氷酢酸(0.8ml)でクエン
チし、ついで真空下で濃縮した。残渣を飽和水性炭酸カリウム(20ml)とク
ロロホルム(25ml)の間に分配した。水相をさらにクロロホルム(2x25
ml)で抽出し、合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。
残渣を石油エーテル中20%ジエチルエーテルないし純粋ジエチルエーテルの勾
配溶出、
つづいてジエチルエーテル中1〜2%メタノールを用いるシリカゲル上のカラム
クロマトグラフィーに付して精製した。固体の高速移動性成分(0.69g)を
単離し、低速移動性成分を油状物(0.55g)として得た。
段階2
高速移動性成分(0.6g、1.48ミリモル)の乾燥ジエチルエーテル(10
ml)中溶液を、窒素下、水素化アルミニウムリチウム(0.32g、8.42ミ
リモル)の乾燥ジエチルエーテル中懸濁液に滴下した。室温で1時間撹拌した後
、反応物を湿式ジエチルエーテルで、つづいて微量の水でクエンチした。混合物
を濾過し、沈殿物をジエチルエーテル中5%メタノールで洗浄した。合した濾液
および洗浄液を真空下で濃縮した。残渣を飽和水性炭酸カリウムで処理し、クロ
ロホルム(3x20ml)で抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し
、真空下で濃縮した。クロロホルム中2〜5%エタノールの勾配溶出を用いる中
性アルミナ上のフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、冷却すると固化
する油状物(0.35g)を得、標記の塩酸塩(E7a);融点205−207
℃(メタノール/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(DMSO−d6)δ:1.05−1.63(10H,m)、1.65−
1.85(8H,m)、1.90(1H,m)、2.55(1H,m)、2.81(1
H,m)、3.25(2H,m)、4.07(2H,t,J=7Hz)、7.08(1H
,dd,J=6,1.5Hz)、7.37(1H,t,J=7Hz)、7.50(1H,t
,J=7Hz)、7.58(1H,d,J=7Hz)、7.72(1H,d,J=1.5H
z)、8.13(1H,d,J=7Hz)。
低速移動性成分(0.3g、0.74ミリモル)を水素化アルミニウムリチウム
(0.14g、3.68ミリモル)で還元し、前記のように後処理して油状物(0
.23g)を得、それを溶出液としてクロロホルムを用いる中性アルミナ上のク
ロマトグラフィーに付して精製し、ついで標記の塩酸塩(E7b);融点124
−127℃(メタノール/ジエチルエーテルから)に変えた。
遊離塩基の1H NMR(CDCl3)δ:1.18−1.76(18H,m)、1.7
8−1.96(3H,m)、2.10(1H,dd,J=10,2Hz)、2.61(
1
H,d,J=11Hz)、2.67(1H,d,J=11Hz)、4.05(2H,t,J
=7Hz)、7.03(1H,dd,J=7,1Hz)、7.25−7.58(5H,m
,重複シグナル)、7.90(1H,d,J=6Hz)。
実施例8
(±)(2β,9aα)−2−[2−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)エチル
]キノリジジン塩酸塩(E8)
(±)(2β,9aα)−2−(2−ヒドロキシエチル)キノリジジン(0.1
8g、1.0ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中溶液を
水素化ナトリウム(油中80%分散液、33mg、1.1ミリモル)で処理し、
窒素下、50℃で2時間撹拌した。この溶液にp−トルエンスルホン酸3,4−
ジクロロベンジル(0.33g、1.0ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド(1ml)中溶液を滴下した。一夜撹拌した後、反応物をトルエンと共沸蒸留
して真空下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルおよび酢酸エチルの混合液に抽
出し、水、つづいてブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真
空下で濃縮した。溶出液としてクロロホルム中0〜20%エタノールを用いるシ
リカゲル上のクロマトグラフィーに付して油状物(90mg)を得、それをペン
タンで抽出し、標記の塩酸塩(E8);融点170−172℃(アセトン/ジエ
チルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.45(1H,m)、1.51−2.18(11H,
m)、2.30−2.75(4H,m)、3.42(2H,brd,J=12Hz)、
3.50(2H,t,J=6.5Hz)、4.42(2H,s)、7.13(1H,dd,
J=7,1Hz)、7.42(2H,m)。
実施例9
(±)(3α,9aα)および(3β,9aα)−3−(3,4−ジクロロベンジ
ルオキシメチル)キノリジジン塩酸塩(E9)
(±)3−ヒドロキシメチルキノリジジン(ジアステレオマー混合物)(1.
0g、5.9ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(30ml)中溶液
を水素化ナトリウム(油中80%分散液、0.16g、6.5ミリモル)で処理し
、窒素下、40−50℃で2時間撹拌した。50−60℃に昇温し、p−トルエ
ンスルホン酸3,4−ジクロロベンジル(1.29g、3.9ミリモル)のN,N−
ジメチルホルムアミド(6ml)中溶液を3.5時間にわたって滴下した。この
段階で、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム中20%エタノー
ル)は、低速移動性エクアトリアル異性体の大部分は消滅したことを示した。反
応物をトルエンと共沸蒸留して真空下で濃縮した。残渣を水およびジエチルエー
テルの間に分配し、水層をジエチルエーテルでさらに抽出した。合した有機抽出
液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して褐色シロップ(1.5g)を得た。溶出
液としてクロロホルム中0〜20%エタノールを用いる中性アルミナ上のクロマ
トグラフィーに付して油状物を得、それを標記の塩酸塩(E9);融点128−
135℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。NMRによればエクア
トリアルとアキシアルの異性体(4:1)の混合物からなっていた。1
H NMR(DMSO−d6)δ:1.30−3.20(14H,m)、3.23−
3.70(4H,m)、4.40(1H,d,J=14Hz)および4.48(1H,d
,J=14Hz)(主異性体)、4.55(1H,d,J=12Hz)および4.86
(1H,d,J=12Hz)(副異性体)、7.13(1H,d,J=7Hz)(主異
性体)、7.26(1H,d,J=7Hz)(副異性体)、7.42(2H,m)。
実施例10
(±)(3α,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル
オキシメチル]キノリジジン塩酸塩(E10)
(±)3−ヒドロキシメチルキノリジジン(ジアステレオマー混合物)(1.
0g、5.9ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(30ml)中溶液
を水素化ナトリウム(油中80%分散液、0.16g、6.5ミリモル)で処理し
、窒素下、40℃で2時間撹拌した。50−60℃に昇温し、p−トルエンスル
ホン酸3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピル(1.42g、3.9ミリモ
ル)
のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中溶液を6時間にわたって滴下した
。この温度でさらに2時間撹拌を続けた。反応物を実施例9の記載と同様に後処
理した。溶出液としてクロロホルム中0〜1%エタノールを用いる中性アルミナ
上のクロマトグラフィーに付し、薄層クロマトグラフィー(中性アルミナ、クロ
ロホルム中1%エタノール)によれば2つのほとんど同じ速度の成分からなる油
状物(1.17g)を得た。混合物を塩酸塩に変え、ジエチルエーテル/アセト
ンからの分別結晶操作により精製した。最初の収穫母液を結晶化し、標記の塩酸
塩(E10);融点105−108℃(アセトン/ジエチルエーテルから)を得
た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.30−2.85(21H,m)、3.20−3.5
5(3H,m)、5.05(2H,s)、6.90(2H,d,J=8Hz)、7.09
(2H,d,J=8Hz)、7.23−7.55(5H,m)。
実施例11
(±)(1α,9aα)−1−[4−(フェノキシ)フェノキシメチル]キノリ
ジジン塩酸塩(E11)
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)(1α,9aα)−1−ヒ
ドロキシメチルキノリジジン(0.2g、1.18ミリモル)、4−フェノキシフ
ェノール(0.4g、2.15ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.43g
、1.65ミリモル)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.26ml、1.65
ミリモル)より調製した。室温で一夜撹拌した後、実施例1の記載と同様に反応
物を後処理し、標記の塩酸塩(E11):融点223−225℃(メタノール/
アセトン/ジエチルエーテルから)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.48(1H,m)、1.75−2.20(7H,m
)、2.25−2.80(5H,m)、3.00(1H,m)、3.45(2H,br
t,J=11Hz)、3.82(1H,dd,J=8,1.5Hz)、4.12(1H,
dd,J=8,2Hz)、6.80−7.15(7H,m)、7.32(2H,d,J=
8Hz)。
実施例12
(±)(3α,9aα)−3−[6−(4−フェノキシフェニル)ヘキシル]キ
ノリジジン塩酸塩(12a)(エクアトリアル異性体)および(±)(3β,9
aα)−3−[6−(4−フェノキシフェニル)ヘキシル]キノリジジン塩酸塩
(12b)(アキシアル異性体)
段階1
ジイソプロピルアミン(0.78g、7.7ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラ
ン(30ml)中撹拌溶液を、窒素下、−65℃に冷却し、温度を−60℃以下
に保持しながらn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、4.5ml、7.
2ミリモル)で処理した。15分後、反応物をN,N,N1,N1−テトラメチルエ
チレンジアミン(0.84g、7.2ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(2m
l)溶液で処理した。混合物を−20℃に加温し、ついで−65℃に戻した。キ
ノリジジン−4−オン(ブイ・ベーケルハイドおよびエス・ロスチルド、ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、1949、71、879)(0.85g
、5.5ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(4ml)中溶液を、温度を−6
0℃以下に維持しながら滴下した。反応物をさらに15分間撹拌し、ついで臭化
6−[4−(フェノキシ)フェニル]ヘキシル(2.4g、7.2ミリモル)の乾
燥テトラヒドロフラン(4ml)中溶液で滴下処理した。反応混合物をゆっくり
と室温まで加温し、ついで一夜撹拌した。反応物を氷酢酸(0.86ml)でク
エンチし、ついで真空下で濃縮した。残渣を水(20ml)とジエチルエーテル
(25ml)の間に分配した。水相をジエチルエーテル(2x25ml)でさら
に抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下
で濃縮した。残りの褐色油状物(2.7g)を石油エーテル中20〜90%ジエ
チルエーテルの勾配溶出を用いてシリカゲル上で精製した。固体の高速移動性成
分(0.80g)を単離し、さらに低速移動性成分を油状物(0.38g)として
得た。
段階2
高速移動性成分(0.74g、1.8ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(2
0
ml)中溶液を、窒素下、水素化アルミニウムリチウム(0.35g、9.1ミリ
モル)の乾燥ジエチルエーテル(50ml)中懸濁液に滴下した。室温で0.5
時間撹拌した後、反応物を湿式ジエチルエーテルで、つづいて微量の水でクエン
チした。混合物を濾過し、沈殿物をジエチルエーテル中5%メタノールで洗浄し
た。合した濾液および洗浄液を真空下で濃縮して無色油状物を得、それをペンタ
ン中に抽出し、標記の塩酸塩(E12a)(0.51g);融点131−133
℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:0.98−2.75(26H,m)、3.28(1H,
brd,J=10Hz)、3.40(1H,brd,J=10Hz)、6.78−7.4
5(9H,m)。
低速移動性成分(0.4g、1.0ミリモル)を水素化アルミニウムリチウム(
0.19g、5.0ミリモル)で還元し、前記のように後処理して油状物を得、そ
れをペンタン中に抽出し、ついで標記の塩酸塩(E12b)(0.36g);融
点149−149.5℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。
遊離塩基の1H NMR(CDCl3)δ:1.10−1.65(22H,m)、1.9
0(1H,m)、2.08(1H,brd,J=11Hz)、2.45−2.75(2
H,t,J=7Hz±2H,m)、6.80−7.40(9H,m)。
実施例13
(±)(1α,9aα)−1−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
塩酸塩(E13)
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)(1α,9aα)−1−ヒ
ドロキシメチルキノリジジン(0.17g、1.0ミリモル)、4−ベンジルフェ
ノール(0.24g、1.3ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.34g、
1.3ミリモル)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.21ml、1.3ミリモ
ル)より調製した。室温で6時間撹拌した後、反応物を真空下で濃縮した。残渣
をクロロホルムと水の間に分配し、水層のpHを炭酸水素ナトリウムで9に調整
した。水相をクロロホルムでさらに抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、
硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をペンタン中に抽出し、標
記の塩酸塩(E13)(0.14g):融点158−161℃(アセトン/ジエ
チルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.42(1H,m)、1.65−2.15(7H,m
)、2.25−2.80(5H,m)、2.96(1H,m)、3.45(2H,m)
、3.80(1H,dd,J=8,1Hz)、3.93(2H,s)、4.10(1H,
dd,J=8,3Hz)、6.80(1H,d,J=8Hz)、7.02-7.40(7
H,m)。
実施例14
(±)(3α,9aα)−3−[5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチ
ル]キノリジジン塩酸塩(E14a)(エクアトリアル異性体)および(±)(
3β,9aα)−3−[5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチル]キノ
リジジン塩酸塩(14b)(アキシアル異性体)
段階1
リチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン中溶液を、ジイソプロピ
ルアミン(0.565g、5.6ミリモル)、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1
.6M溶液、3.25ml、5.2ミリモル)およびN,N,N1,N1−テトラメチル
エチレンジアミン(0.78ml、5.2ミリモル)より生成した。この溶液に、
実施例12に記載の操作に従って、キノリジジン−4−オン(0.61g、4.0
ミリモル)を、つづいて臭化5−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ペンチル(1
.73g、5.2ミリモル)を加えた。一夜撹拌した後、反応物を氷酢酸(0.6
3ml)でクエンチし、ついで実施例12の記載に従って後処理して明褐色シロ
ップを得、それを石油エーテル40/60中30%ジエチルエーテルないし純粋
ジエチルエーテルの勾配溶出を用いてシリカゲルカラム上で精製した。高速移動
性成分を無色固体(0.64g);融点78.5−79℃を単離し、低速移動性成
分を油状物(0.62g)として得た。
段階2
高速移動性成分(0.52g、1.29ミリモル)を、実施例12の記載に従っ
て、乾燥テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウム(0.1g、2.5
9ミリモル)で処理した。室温で1時間経過後、反応物を実施例12の記載に従
って後処理し、ついで溶出液としてクロロホルム中1−5%エタノールを用いて
シリカゲル上で精製した。純粋なフラクションをプールして固体(0.36g)
を得、それを標記の塩酸塩(E14a);融点155−157℃(メタノール/
ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:0.98−2.70(22H,m)、3.30(1H,
d,J=11Hz)、3.40(1H,d,J=11Hz)、3.90(2H,t,J=
7Hz)、5.00(2H,s)、6.80(2H,d,J=9Hz)、6.90(2H
,d,J=9Hz)、7.28−7.50(5H,m)。
低速移動性成分(0.59g、1.46ミリモル)を乾燥ジエチルエーテル中の
水素化アルミニウムリチウム(0.11g、5.0ミリモル)で還元し、実施例1
2の記載に従って後処理した。生成物を溶出液としてジエチルエーテルを用いて
シリカゲル上で精製した。主要非移動性生成物を含有するフラクションをプール
し、無色固体(0.4g)を得、それを塩酸塩(E14b);融点158−16
1℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。
遊離塩基の1H NMR(CDCl3)δ:1.20−1.83(20H,m)、1.8
9(2H,dt,J=12,3Hz)、2.09(1H,dd,J=12,3Hz)、
2.59(1H,d,J=12Hz)、2.66(1H,d,J=12Hz)、3.90
(2H,t,J=6.5Hz)、5.01(2H,s)、6.82(2H,d,J=8Hz
)、6.88(1H,d,J=8Hz)、7.28−7.45(5H,m)。
実施例15
(±)(1α,9aα)−1−[5−(2−フェニルベンゾ[b]フラニルオキ
シ)メチル]キノリジジン塩酸塩(E15)
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)(1α,9aα)−1−ヒ
ドロキシメチルキノリジジン(0.1g、0.59ミリモル)、5−ヒドロキシ−
2−フェニルベンゾ[b]フラン(0.15g、0.77ミリモル)、トリフェニ
ルホスフィン(0.2g、0.77ミリモル)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0
.12ml、0.77ミリモル)より調製した。室温で一夜撹拌した後、反応物を
実施例13の記載に従って後処理した。粗生成物をジエチルエーテル/ペンタン
中に抽出した。溶出液としてクロロホルム中0−15%エタノールを用いてシリ
カゲルカラム上で精製して無色固体(0.1g)を得、それを標記の塩酸塩(E
15):融点244−246℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.46(1H,m)、1.75−2.20(7H,m
)、2.30−2.80(5H,m)、3.02(1H,m)、3.46(2H,m)
、3.88(2H,d,J=8Hz)、4.17(1H,dd,J=8,1.5Hz)、
6.83(1H,dd,J=8,1Hz)、6.98(2H,d,J=8Hz)、7.3
0−7.53(4H,m)、7.86(2H,d,J=7Hz)。
実施例16
(±)(3α,9aα)−3−[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル
]キノリジジン塩酸塩(16a)(エクアトリアル異性体)および(±)(3β
,9aα)−3−[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル]キノリジジ
ン塩酸塩(16b)(アキシアル異性体)
段階1
リチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン中溶液を、ジイソプロピ
ルアミン(0.49g、4.9ミリモル)、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.
6M溶液、2.84ml、4.55ミリモル)およびN,N,N1,N1−テトラメチ
ルエチレンジアミン(0.685ml、4.55ミリモル)より生成した。この溶
液に、実施例12に記載の操作に従って、キノリジジン−4−オン(0.535
g、3.5ミリモル)を、つづいて臭化4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)
ブチル(1.45g、4.55ミリモル)を加えた。一夜撹拌した後、反応物を氷
酢酸(0.57ml)でクエンチし、ついで実施例12の記載に従って後処理し
て黄色固体を得、それを溶出液として石油エーテル40/60中30〜90%ジ
エチルエーテルを用いてシリカゲルカラム上で精製した。高速移動性成分を無色
固体(0.34g)として単離した。低速移動性成分を油状物(0.32g)とし
て得、放置して固化させた。
段階2
高速移動性成分(0.32g、0.79ミリモル)を、実施例12の記載に従っ
て、乾燥テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウム(0.14g、3.
9ミリモル)で処理した。室温で0.75時間経過後、反応物を実施例12の記
載に従って後処理し、ついで溶出液としてジエチルエーテルを用いてシリカゲル
カラム上で精製した。主要非移動性生成物を含有する純粋なフラクションをプー
ルして無色固体(0.15g)を得、それを標記の塩酸塩(E16a);融点1
71−172℃(アセトン/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.10(1H,m)、1.15−1.60(5H,m
)、1.62−1.85(5H,m)、1.87−2.28(5H,m)、2.83−
2.65(4H,m)、3.30(1H,brd,J=12Hz)、3.40(1H,b
rd,J=12Hz)、3.89(2H,t,J=6.5Hz)、5.01(2H,s)
、6.82(2H,d,J=8Hz)、6.88(2H,d,J=8Hz)、7.28−
7.47(5H,m)。
低速移動性成分(0.31g、0.76ミリモル)を乾燥ジエチルエーテル中の
水素化アルミニウムリチウム(0.14g、3.8ミリモル)で還元した。反応物
を実施例12の記載に従って後処理し、生成物を標記の塩酸塩(E16b)(0
.23g);融点148.5−149.5℃(アセトン/ジエチルエーテルから)
に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.05−3.35(21H,m)、3.45(1H,
m)、3.92(2H,m,重複シグナル)、5.00および5.01(配座異性体
)(2H,s)、6.82および6.84(配座異性体)(2H,d,J=9Hz)、
6.90および6.92(配座異性体)(2H,d,J=9Hz)、7.29−7.5
0(5H,m)。
実施例17
(±)(3α,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)プロピ
ル]キノリジジン塩酸塩(E17a)(エクアトリアル異性体)および(±)(
3β,9aα)−3−[3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)プロピル]キノ
リジジン塩酸塩(E17b)(アキシアル異性体)
段階1
リチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン中溶液を、ジイソプロピ
ルアミン(0.49g、4.9ミリモル)、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.
6M溶液、2.84ml、4.55ミリモル)およびN,N,N1,N1−テトラメチ
ルエチレンジアミン(0.685ml、4.55ミリモル)より生成した。この溶
液に、実施例12に記載の操作に従って、キノリジジン−4−オン(0.535
g、3.5ミリモル)を、つづいて臭化3−(4−ベンジルオキシフェノキシ)
プロピル(1.39g、4.55ミリモル)を加えた。一夜撹拌した後、反応物を
氷酢酸(0.57ml)でクエンチし、ついで実施例12の記載に従って後処理
した。溶出液として石油エーテル40/60中40〜90%ジエチルエーテルを
用いてシリカゲルカラム上で精製して、高速移動性成分を無色固体(0.29g
)として、低速移動性成分を油状物(0.27g)として得た。
段階2
高速移動性成分(0.28g、0.71ミリモル)を、実施例12の記載に従っ
て、乾燥テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウム(0.135g、
3.56ミリモル)で処理し、後処理した。溶出液としてジエチルエーテルを用
いてシリカゲルカラム上で精製して無色固体(90mg)を得、それを標記の塩
酸塩
(E17a)(75mg);融点182−183.5℃(メタノール/アセトン
/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.12(1H,m)、1.28−1.53(3H,m
)、1.68−1.89(5H,m)、1.90−2.17(4H,m)、2.23(
1H,q,J=10Hz)、2.35−2.70(4H,m)、3.32(1H,brd
,J=
12Hz)、3.41(1H,brd,J=12Hz)、3.90(2H,t,J=6.
5Hz)、5.01(2H,s)、6.80(2H,d,J=8Hz)、6.88(2H
,d,J=8Hz)、7.28−7.50(5H,m)。
低速移動性成分(0.27g、0.69ミリモル)を乾燥ジエチルエーテル中の
水素化アルミニウムリチウム(0.135g、3.55ミリモル)で還元した。反
応物を実施例12の記載に従って後処理し、生成物を標記の塩酸塩(E17b)
(0.17g);融点159−160.5℃(メタノール/アセトン/ジエチル
エーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.10−3.38(19H,m)、3.48(1H,
m)、3.82−4.10(2H,m,重複シグナル)、5.00および5.02(配
座異性体)(2H,s)、6.82および6.84(配座異性体)(2H,d,J=
9Hz)、6.89および6.91(配座異性体)(2H,d,J=9Hz)、7.2
8−7.50(5H,m)。
実施例18
(±)(3α,9aα)−3−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル
]キノリジジン塩酸塩(E18a)(エクアトリアル異性体)および(±)(3
β,9aα)−3−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]キノリジ
ジン塩酸塩(E18b)(アキシアル異性体)
段階1
リチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン中溶液を、ジイソプロピ
ルアミン(0.43g、4.3ミリモル)、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.
6M溶液、2.5ml、4.0ミリモル)およびN,N,N1,N1−テトラメチルエ
チレンジアミン(0.6ml、4.0ミリモル)より生成した。この溶液に、実施
例12に記載の操作に従って、キノリジジン−4−オン(0.47g、3.07ミ
リモル)を、つづいて臭化2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル(1.
22g、4.0ミリモル)を加えた。一夜撹拌した後、反応物を氷酢酸(0.46
ml)でクエンチし、ついで実施例12の記載に従って後処理した。溶出液とし
て石油エーテル40/60中50〜100%ジエチルエーテルを用いてシリカゲ
ル上で精製して、高速移動性成分を無色固体(0.43g)として、低速移動性
成分を無色固体(0.45g)として得た。
段階2
高速移動性成分(0.30g、0.79ミリモル)を、実施例12の記載に従っ
て、乾燥テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウム(0.15g、3.
9ミリモル)で処理し、後処理した。溶出液としてクロロホルム中1〜5%エタ
ノールを用いてシリカゲルカラム上で精製して淡黄色固体(90mg)を得、そ
れを標記の塩酸塩(E18a);融点192−195℃(メタノール/アセトン
/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.25(1H,m)、1.45(1H,m)、1.6
2−1.85(5H,m)、1.88−2.20(4H,m)、2.40(2H,m)
、2.50−2.75(3H,m)、3.41(2H,brd,J=12Hz)、3.9
8(2H,t,J=7Hz)、5.00(2H,s)、6.80(2H,d,J=9Hz
)、6.90(2H,d,J=9Hz)、7.30−7.45(5H,m)。
低速移動性成分(0.44g、1.16ミリモル)を乾燥ジエチルエーテルおよ
び乾燥ジエチルエーテルの混合液中の水素化アルミニウムリチウム(0.135
g、3.55ミリモル)で還元した。反応物を実施例12の記載に従って後処理
して無色固体(0.41g)を得、それを標記の塩酸塩(E18b):融点14
7−149℃(アセトンから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.20−3.38(17H,m)、3.45(1H,
m)、3.95−4.18(2H,m)、5.00およひ5.02(配座異性体)(
2H,s)、6.78および6.80(配座異性体)(2H,d,J=9Hz)、6.
88および6.90(配座異性体)(2H,d,J=9Hz)、7.30−7.48(
5H,m)。
実施例19
(±)(3α,9aα)−3−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
塩酸塩(E19)(エクアトリアル異性体)
標記化合物を、実施例1と同様の方法にて、(±)3−ヒドロキシメチルキノ
リジジン(エクアロリアルおよびアキシアル異性体の混合物(75:25))(
0.32g、1.90ミリモル)、4−ベンジルフェノール(0.35g、1.90
ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.5g、1.90ミリモル)およびアゾ
ジカルボン酸ジエチル(0.30ml、1.90ミリモル)より調製した。室温で
6時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィー(アルミナ;クロロホルム中5%メ
タノール)は、大部分の低速移動性エクアロリアルアルコールが消費され、アキ
シアル異性体は大部分が残ったままであることを示した。該反応物を実施例13
の記載に従って後処理した。粗生成物をペンタン中に抽出し、標記の塩酸塩(E
19)(0.18g):融点179−181℃(アセトン/ジエチルエーテルか
ら)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.47(1H,m)、1.63(1H,m)、1.7
0−2.28(7H,m)、2.40(1H,m)、2.55−2.75(3H,m)
、2.95(1H,m)、3.42(2H,m)、3.79(1H,dd,J=9.6,
4.8Hz)、3.90(3H,m,重複シグナル)、6.77(2H,d,J=2Hz
)、7.09(2H,d,J=8.8Hz)、7.16(3H,m)、7.27(2H,
t,J=7.2Hz)。
実施例20
(±)(3β,9aα)−3−(4−ベンゾイルフェノキシメチル)キノリジジ
ン塩酸塩(E20)(アキシアル異性体)
(±)(3β,9aα)−3−ヒドロキシメチルキノリジジン(0.57g、3
.37ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシド(10ml)中溶液を、アルゴン
下、水素化ナトリウム(油中80%分散液、0.12g、4.04ミリモル)で処
理し、混合物を室温で2時間撹拌した。4−フルオロベンゾフェノン(0.81
g、4.04ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシド(10ml)中溶液をゆっ
くりと加え、ついで撹拌混合物を30分間にわたって75℃に加温し、この温度
をさらに
45分間維持した。氷冷後、反応物を氷酢酸(0.5ml)でクエンチした。該
混合物をキシレンと共沸蒸留することにより真空下で濃縮した。残渣を水および
クロロホルムの間に分配した。水相を炭酸カリウムで飽和させ、その後、クロロ
ホルムで抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し
た。溶出液としてクロロホルム中0〜1%エタノールを用いる中性アルミナ上の
クロマトグラフィーに付し、淡黄色油状物(1.2g)を得た。この物質の一部
を標記の塩酸塩(E20);融点191−193℃(アセトン/ジエチルエーテ
ルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.40−2.30(9H,m)、2.42−3.00
(4H,m)、3.10−3.60(3H,m)、3.93(1H,dd,J=9.5,
6Hz)および4.04(1H,dd,J=9.5,4Hz)(副配座異性体)、4.
62(1H,dd,J=10,6.5Hz)および4.68(1H,dd,J=10,
10Hz)(主配座異性体)、6.93(2H,d,J=9Hz)(副配座異性体)
、7.10(2H,d,J=9Hz)(主配座異性体)、7.42−7.88(7H,
m)。
実施例21
(±)(3β,9aα)−3−(4−ベンジルフェノキシメチル)キノリジジン
塩酸塩(E21)(アキシアル異性体)
(±)(3β,9aα)−3−(4−ベンゾイルフェノキシメチル)キノリジ
ジン(0.84g、24ミリモル)のトリフルオロ酢酸(15ml)含有の乾燥
ジメチルスルホキシド(10ml)中氷冷溶液に、ペレット状の水素化ホウ素ナ
トリウム(0.4g)を加えた。反応物を氷温度で6時間、ついで室温で一夜撹
拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウムペレット(0.4g)を氷冷しながら加
え、混合物を室温で一夜撹拌した。反応物を氷冷し、水(20ml)で処理し、
ペレット状の水酸化ナトリウムで塩基性化した。ジエチルエーテル(4x30m
l)中に抽出した後、合した有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮
した。溶出液としてジエチルエーテルを用いるシリカゲル上のクロマトグラフィ
ーに付して淡黄色油状物(0.69g)を得、それを放置して固化し、標記の塩
酸塩(E21)(0.5g);融点212−214℃(分解)(メタノール/ア
セトン/ジエチルエーテルから)に変えた。1
H NMR(CDCl3)δ:1.40−2.30(9H,m)、2.35−3.55
(7H,m)、3.81(1H,dd,J=10,5.5Hz)および3.92(1H,
dd,J=10,4Hz)(副配座異性体)、3.90および3.92(2H,s)
(配座異性体)、4.45(1H,dd,J=10,6Hz)および4.55(1H,
dd,J=10,10Hz)(主配座異性体)、6.79(2H,d,J=11Hz)
(副配座異性体)、6.95(2H,d,J=11Hz)(主配座異性体)、7.0
5−7.30(7H,m)。
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LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ
,TT,UA,US,UZ,VN
【要約の続き】
およびqが共に4であることはない]で示される新規化
合物。