JPH09500040A - 注入可能な多糖類−細胞組成物 - Google Patents

注入可能な多糖類−細胞組成物

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Abstract

(57)【要約】 ゆっくりと重合する多糖類ヒドロゲルは、多数の単離された細胞を注入によって導入する手段として有用であることが示された。このゲルは、移植片化を促進し、新細胞の成長のための3次元の鋳型を提供する。得られる組織は、天然に生じる組織と組成的にも構造的にも同じである。この方法は、3次元組織障害に対する再構築のための細胞移植の注文成型、および一般的な組織移植を含む種々の再構築手法に用いられ得る。実施例は、筋肉および軟骨組織の構築を示し、それは、逆流および失禁のような障害を修復するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 注入可能な多糖類-細胞組成物 発明の背景 本発明は、一般に、内科的医療の分野における多糖類ヒドロゲル-細胞組成物 を用いる領域に関する。より特定すれば、膀胱尿管逆流現象、失禁、および他の 欠陥を矯正する方法に関する。 頭蓋骨顔面輪郭奇形 外傷性、先天性、または整形のためのものを問わず、頭蓋骨顔面輪郭奇形を矯 正するには、現時点では、侵襲的な外科的方法を必要とする。さらに、増強を必 要とする奇形の場合は、しばしば無生物材料人工装具の使用が必要であり、これ には感染および突出という問題がある。付加的な自原性(autogenous)の軟骨また は骨を頭蓋骨顔面の骨格に加える、侵襲性の最も小さい方法であれば、外科的外 傷も最低限に抑えられ、また無生物材料人工装具を用いる必要もない。注入によ る移植を行い、単離された細胞を大量に植え付けることができれば、広域な外科 手術を行わずに、頭蓋骨顔面の骨−軟骨骨格を自原性組織で増強し得る。 残念ながら、分離した細胞を皮下注射により注入するか、または腹膜のような 体の領域内に分離した組織を移植する企 ては未だ成功していない。細胞は、恐らくは食作用および細胞死によって比較的 速く除去される。 Vacantiらの米国特許第5,041,138号に記載されているように、細胞をポリマー マトリックス上に移植し、また移植して軟骨構造を形成し得る。しかし、これに は、所望の解剖学的構造を形成するために、移植前に、マトリックスを外科的に 移植し、またマトリックスを成形する必要がある。 膀胱尿管逆流現象 膀胱尿管逆流現象は、胚の発生および生育中に尿管芽(ureteral bud)が膀胱に 入るため尿管芽が異常発達する状態である。膀胱の筋肉組織を通る尿管の経路が 短くなるため、尿管抵抗が減少し、尿が膀胱溜めから尿管および腎臓まで逆流す る結果となる。この状態では、逆行尿道移送により膀胱内に時折存在し得るバク テリアが腎臓に達し、再発性腎盂腎炎を引き起こし得る。さらに、尿の腎杯(cal yces)および腎錐体(renal pyramids)中への一定の逆圧により、腎臓実質(renal parenchyma)に機械的な損傷が生じる結果となる。AtalaおよびCasale、Infecti ons in Urology (泌尿器科学における感染)、39-43(1990年3/4月号) によって検討されたように、未治療のままでおくと、尿の膀胱尿道逆流現象は腎 臓実質の損失、および、場合によっては、腎不全を引き起こし得る。1960年 には、腎不全患者の70%が膀胱尿道逆流現象が主要な病因であると記載された 。新しい診断および治療法の 登場により、膀胱尿道逆流現象の患者は、現在では、腎不全患者集団の1%以下 である。 過去において、膀胱尿道逆流現象は、通常は、子供が腎盂腎炎を繰り返し発症 した後、排尿時膀胱造影により診断された。AtalaおよびCasaleによって報告さ れているように、出生前および出生後の音波検査器(sonography)が頻繁に使用さ れるようになったため、水腎症(hydronephrosis)がより検出可能になり、さらに 、放射線医学による精密検査および初期の検出が促進されている。膀胱尿道逆流 現象は重症度により等級に分けられている。グレード1の逆流は、尿が膀胱から 尿管までのみ逆流するのが認められる場合である;グレード2の逆流では、尿は 尿管および腎杯拡張まで逆流する。グレード4および5の逆流はさらに重く、各 々、尿管のねじれ、そしてさらに腎杯の鈍化(blunting)および拡張を示す。 膀胱尿道逆流現象の治療は過去10年間でかなり確立されている。最初は、逆 流の患者のすべてが外科手術を必要とすると信じられていた。やがて、抗生物質 による内科的医療のみで十分であるとする別の処理方法が提案された。現在では 、逆流の治療は、逆流の重症度、関連する先天性異常、および子供の社会的な状 況(内科的治療への両親の応諾)を含む多くの要因に依ることが十分に確立され ている。内科的医療は、通常は、グレード1および2の逆流の患者に対して推奨 される。この場合は、通常は、成長にともない膀胱/尿管形状が変化するに従っ て自ずと解決される。グレード3の逆流は、 一般には、これが持続しない場合、または抗生物質による抑制状態にある一方で 現状打破の感染が起こらない場合は、内科的医療で管理される。外科的処理は、 通常グレード4およびグレード5逆流について必要である。 内科的医療とは、患者が毎日の抑制性抗生物質を用いて治療されることを意味 する。このような患者には、一般に、3カ月に一度のカテーテルによる尿培養、 6カ月に一度の超音波検査と血清分析、年に一度の蛍光透視鏡または核による排 尿時膀胱尿道造影、および2年に一度のDMSA腎臓スキャンよりなる綿密な追跡調 査が必要である。外科的治療は、下腹部を切開し、膀胱に入り、尿管を移動させ て新しい尿管の粘膜下組織トンネルを形成する開腹手術よりなる;これにより、 尿管の筋肉の支えが延長され、それらの抵抗が増大する。このような患者には、 4〜5時間の手術中の全身の気管内麻酔、手術中および術後の苦痛コントロール のための硬膜外カテーテル、排尿用膀胱カテーテル、嚢胞周囲(perivesical)排 出、および5〜6日の入院が必要である。術後に抗生物質治療および膀胱鎮痙薬 が必要である。 逆流矯正のための開腹(open)外科手術は熟練外科医の手によって優れた結果を もたらすが、これは、下腹部切開の苦痛および固定、膀胱痙攣、血尿、および、 特定の子供では、術後の頻尿を含むよく知られた病的状態を引き起こす。Matous chek, E.:Die Behandlung des vesikorenalen Refluxes durch transueterale Einspritzung von polytetrafluoroethy lenepast、Urologe、20:263 (1981)に報告されているように、開腹外科手術を避 けるために、1984年、Matouschekの臨床経験によって、尿管下へのTeflonTM (ポリテトラフルオロエチレン)ペーストの内視鏡注入への興味が広まった。この 方法によれば、膀胱鏡(cystoscope)を膀胱内に挿入し、膀胱鏡を通して針を挿入 して、粘膜下空間の逆流する尿管の下に直接の観察の下に置き、開いた尿管口の 形状が半月状のスリットに変化するまでペーストを注入する。内視鏡により注入 されたTeflonTMペーストは、尿管抵抗を増大させるバルク材料として作用するこ とによって逆流を矯正する。しかし、この治療の導入後まもなく、TeflonTMペー ストの使用に関する論争が起きた。Maliziaら、「ポリマー(ポリテトラフルオ ロエチレン)の尿道周囲注入後の移動および肉芽腫症」、JAMA、251:3277 (1984 )は、動物での研究で、肉芽腫の形成、および脳、肺、リンパ節への粒子の移動 を示した。ポリテトラフルオロエチレンの移動および肉芽腫の形成はまた、Clae sら、「尿失禁のための尿道周囲へのポリテトラフルオロエチレン注入後の肺を おかす移動」、J. Urol.、142:821 (1989)によって、ヒトにおいても報告されて いる。ヒトへの使用に対するTeflonTMの安全性が問題にされ、従ってペーストは FDAによって禁止された。 しかし、内視鏡による膀胱尿管逆流現象の治療には明瞭な利点がいくつかある 。Atalaら、「自発離脱可能なバルーンシステムによる膀胱尿管逆流現象の内視 鏡治療」、J. Urol.、 148:724 (1992)によって報告されているように、この方法は簡単であり、15分 以内で完了することができる。罹病率が低く85%以上の成功率を有し、また、 外来患者に行うことができる。これを研究しているものにとっての目標は、ヒト への使用に対して安全な他の移植材料を見つけることである。 ウシの皮膚コラーゲン調製物が内視鏡により逆流を治療するために使用されて いる。しかし、Leonardら、「膀胱尿管逆流現象の矯正のためのグルタルアルデ ヒド架橋ウシ皮膚コラーゲンの内視鏡注入」、J. Urol.、145:115 (1991)によっ て記載されているように、1年後の追跡調査で患者の58.5%しか治癒してい なかった。コラーゲン移植体積は時間と共に減少し、その結果、3年以内に90 %以上という高い割合で逆流が再発する。この物質による失敗率が高いため、不 注意な患者が治療後腎臓の損傷を起こす危険性が高い。 Buckleyら、「注入可能なシリコーン微粒子による膀胱尿管逆流現象の内視鏡 矯正」、J. Urol.、149:259A (1993)によって報告されているように、ヨーロッ パでのある研究では、ヒドロゲル内に懸濁されたシリコーンの織り込み(texture )微粒子よりなるペーストが、逆流を矯正するために尿管下に注入されており、 91%の初期成功率を有している。しかし、Henlyら、「尿道周囲への注入で用 いるための粒子シリコーン:局所組織効果の研究および移動の探求」、J. Urol. 、147:376A (1992)によって報告されているように、動物モデルにおいて離れた 位置への粒子の移動が観察されている。シリコーン 粒子の約30%が100μm以下の直径を有する。これは、シリコーン粒子の3 0%がマクロファージ系により離れた器官へ移動する可能性を有することを示唆 する。この技術の製造業者はFDAの認可を得るために努力したが成功せず、そ の結果倒産した。 腹腔鏡による逆流の矯正は、動物モデル(Atalaら、「膀胱尿管逆流現象の腹 腔鏡による矯正」、J. Urol.、150:748 (1993)」およびヒト(Atala、「膀胱尿 管逆流現象の腹腔鏡による治療」、Dial. Ped. Urol.、14:212 (1993)」の両方 で試みられ、技術的には実行可能である。しかし、腹腔鏡に熟練した少なくとも 2人の外科医が必要であり、手術時間は開口手術より長い。手術は腹膜外から腹 膜内アプローチへと切り替えられる。また、手術時間が長いのと、使い捨ての腹 腔鏡装置の費用が高いため、コストがより高い。 TeflonTMの論争以来10年以上が過ぎたにも関わらず、この領域の研究はほと んど進展していない。逆流の内視鏡治療に対する理想的な物質は、注入可能で、 非抗原性、非移動性、容量的に安定し、ヒトへの使用に対して安全である(Atal aら、1992)ことである。 尿失禁 尿失禁は、全てのGU疾患の中で、最も一般的で、そして最も治りにくい。尿失 禁、または尿を保持しそして知らないうちに尿を排泄し得ないことは、2セット の筋肉の相互作用に 依存する。1つは、排尿筋で、それは膀胱の外側の筋肉のコーティングを形成し ている縦方向の繊維の複合体である。排尿筋は、副交感神経によって活性化され る。第2の筋肉は、平滑/横紋筋である膀胱括約筋である。排尿作用には、括約 筋を随意に弛緩させるのと同時に膀胱の排尿筋を収縮させることが必要である。 人間が加齢するに従って、括約筋を随意に制御する能力は、総体的な筋肉の状態 が年齢と共に低下するのと同じように失われる。このことはまた、下半身麻痺(p araplegia)のような急激な事象が副交感神経系を「切断」し、括約筋の制御を失 わせるような場合にも起こり得る。別の患者においては、尿失禁は異なるレベル の重篤度を示し、そしてレベルに応じて分類される。 最も一般的な失禁は、特に年輩の人間においては、切迫失禁(urge incontinen ce)である。このタイプの失禁は、著しく短い徴候とそれに続く迅速な排尿であ る。このタイプの失禁は、活動過多の排尿筋によって引き起こされ、そして通常 は「トイレットトレーニング」または投薬によって処置される。 他方、反射失禁は、徴候を示さず、そして通常、脊髄損傷のような副交感神経系 の障害の結果である。 ストレス失禁は、年輩の女性には最も一般的であるが、どの年代の女性にも見 られ得る。それはまた妊娠女性にも一般的に見られる。このタイプの失禁は、失 禁の総数の半分以上である。これは、男性にも見られるが、あまり多くない。ス トレス失禁は、くしゃみをしたり、笑ったり、あるいは肉体 的に運動したりといったストレス条件の下で尿が漏れることを特徴とする。スト レス失禁の重篤度には5つの認識されるカテゴリーがあり、タイプ0、1、2a 、2b、および3といわれる。タイプ3は、最も深刻で、そして内因性括約筋不 全(intrinsic Sphincter Deficiency)、すなわちISDの診断を必要とする(Contem porary Urology、1993年3月)。よく行われる多くの処置は、体重の減量、運動 、投薬、および極端な場合は外科的介入を含む。最も一般的な2つの外科的手法 は、漏れを防ぐために膀胱の首を持ち上げるか、または患者自身の身体の組織ま たはPTFEのような補てつ用物質由来の内層を構築して尿道に圧力を与えるかのど ちらかを包含する。別の方法は、人工膀胱のような補てつ装置を膣内バルーンま たは陰茎鉗子のような外部装置に用いることである。タイプ3のストレス失禁の 処置に関しては、括約筋の周辺の領域を「増強、(beef up)」し、筋肉状態を改 善するために、TeflonTMまたはコラーゲンペーストを括約筋の周辺に注入すると いう方法が、最近の動向としてある。しかし、上記の処置方法はいずれも、1年 以上の期間にわたって非常に効果的であるというものではない。 過剰(overflow)失禁は、膀胱における解剖学的障害または不活発な排尿筋によ って引き起こされる。それは頻繁な尿の漏れにつながる膨張した膀胱を特徴とす る。このタイプの失禁は、短期的にはカテーテル法によって、そして長期的には 薬剤療法によって処置される。遺尿症または夜尿症は、小児 における問題であり、種々のアラーム装置およびセンサーを有するパッドにより 制御される。遺尿症は、それが4、5歳を超えて続かない限り、深刻な問題とは 考えられない。最終的には、運動機能または精神機能のいずれかに慢性的な障害 を有する患者に起こる真に機能的な失禁が残る。このような患者は、通常、ダイ アパー(diaper)、失禁用パッドまたは連続的なカテーテル法により処置される(B BI、1985 Report 7062)。 従って、細胞性の組織および軟骨性の構造を形成するための細胞注入の方法お よび組成物を提供することが本発明の目的である。 本発明のさらなる目的は、後に分解され除去されて組織学的にも化学的にも天 然に産生された組織または軟骨と同じ組織または軟骨を残すような、非細胞性物 質を含む細胞性組織および軟骨構造を形成する組成物を提供することである。 本発明の別の目的は、膀胱尿管逆流、失禁、および他の障害を処置する方法お よび物質であって、前記障害を自然に、永久に治療することになる方法および物 質を提供することである。 本発明のさらなる目的は、膀胱尿管逆流、失禁、および他の障害を処置する方 法および物質であって、迅速、簡便、安全、そして比較的非侵襲性である方法お よび物質を提供することである。 本発明の要旨 ゆっくりと重合し、生体適合性であり生物分解性であるヒドロゲルが、多数の 単離細胞を患者に導入して、器官等価物または軟骨のような組織を生成する手段 として有用であることが示された。このゲルは、移植片化を促進し、そして新細 胞の生育のために3次元の鋳型(template)を提供する。得られた組織は、天然に 生じた組織と組成的にも組織学的にも同じである。一つの実施態様においては、 細胞はヒドロゲル溶液に懸濁され、そして患者の部位に直接注入される。ここで 、ヒドロゲルは硬化してマトリックスを形成し、マトリックス内部に細胞が分散 されている。第2の実施態様において、細胞をヒドロゲル溶液に懸濁し、それを 型に流し込むかまたは注入して所望の解剖学的形状を有するようにし、次いで、 硬化してマトリックスを形成し、このマトリックスは、内部に細胞が分散されて おり患者に移植される。最終的には、そのヒドロゲルは分解され、生じた組織の みが残される。 この方法は、3次元の組織欠損を再構築するための細胞移植片の注文成型、お よび一般的な組織移植を含む種々の再構築手法に用いられ得る。 膀胱尿管逆流、失禁および他の障害の処置方法が記載される。ここで、膀胱筋 細胞は、液体ポリマー性物質と混合され、細胞懸濁液を形成し、それは障害を治 す組織を得るのに効果的な量で障害のある領域に注入され、例えば、それにより 尿の通過に必要な制御を提供する。実施例に記載されるように、 ヒトの膀胱筋試料または軟骨細胞を入手し、そしてプロセスし、その細胞をアル ギネート(alginate)と混合する。それをカルシウム塩(calcium salt)と接触させ た場合に制御された速度で凝固するように設計し、次いでその細胞を、それらが 増殖し障害を治す所望の部位に注入する。実施例は、マウスおよびブタにおける 効果を示す。 図面の簡単な説明 図1a〜1dは、ポリマー−軟骨細胞懸濁液を、膀胱尿管逆流の対照として尿 管の開口部のある領域に注入するか、または失禁を管理するために尿管周囲の領 域に注入するスキームを示す;フォトミクログラフにより、アルギネート(algin ate)ポリマー懸濁液、その懸濁物の注入に続いて形成される新しい軟骨、および ポリマーの非存在下で注入される軟骨細胞対照を示す。 発明の詳細な説明 生体適合性ポリマーの足場(scaffold)を使用する組織工学(tissue engineerin g)の技術は、頭蓋顎顔面(craniomexillofacial)外科で、現在使用されている補 てつ材料の代替物を作製する手段、ならびに同時に、疾病の、欠損、または損傷 した組織を置換する器官等価物(organ equivalent)の形成の手段として有望であ る。しかし、これらの足場を作製するために使用されるポリマー、例えば、ポリ 酢酸(polyactic acid)、ポリオルトエステル(polyorthoester)、およびポリ無水 物(polyanhydride)のようなポリマーは、成型が困難であり、かつ疎水性である ので、その結果、細胞付着性に劣る。さらに、これらのポリマーの操作はすべて 、このポリマー性材料の移植に先立って行われなければならない。 アルギン酸カルシウム(calcium alginate)およびある種の他のポリマーは、イ オン性のヒドロゲルを形成し得、これは展性があり、かつ細胞をカプセル化する ために使用し得る。本明細書に記載される好ましい実施態様においては、このヒ ドロゲルはアルギン酸(alginic acid)、海草から単離された炭水化物ポリマー、 のアニオン性塩をカルシウムカチオン(calucium cation)で架橋することによっ て製造され、この強度はカルシウムイオン濃度またはアルギネート(alginate)濃 度のいずれかを増加させることによって増大する。アルギネート溶液を移植する 細胞と混合し、アルギネート懸濁液を形成 する。次いで、1つの実施態様においては、この懸濁液を硬化させる前に、患者 に直接、懸濁液を注入する。次いで、この懸濁液は、短時間で硬化する。第2の 実施態様においては、懸濁液は型に注入または注ぎ入れられ、ここで硬化して、 細胞がその中に分散した、所望の解剖学的形態を形成する。 細胞の供給源 細胞は、直接ドナーから、ドナーからの細胞の細胞培養から、あるいは確立さ れた細胞培養株から得られ得る。好ましい実施態様においては、同種の、そして 好ましくは免疫学的プロファイルが同じ細胞を、バイオプシーによって、患者か ら、または近親から得、次いでこれを、標準的条件(例えば下記の実施例1のよ うな)を用いて、培養物がコンフルエントになるまで培養し、そして必要に応じ て使用する。免疫学的に異なる個体からのヒト筋肉細胞のような免疫反応を誘発 しやすい細胞を用いる場合、受容者は必要に応じて、例えば、ステロイドおよび サイクロスポリン(cyclosporine)のような他の免疫抑制剤を計画的に使用して、 免疫抑制され得る。しかし、最も好ましい実施態様において、細胞はオートロガ ス(autologous)である。 好ましい実施態様においては、細胞は、直接ドナーから得られ、洗浄され、そ してポリマー性材料と組み合されて直接移植される。細胞は、組織培養の分野の 当業者に公知の手法を用いて培養される。 バイオプシーによって得られた細胞は、集められ、そして、混入した細胞除去 の必要性に応じて継代しながら、増殖される。軟骨細胞および筋肉細胞の単離を 実施例で示す。 細胞の付着性および生存率は、走査電子顕微鏡、組織学、およびラジオアイソ トープによる定量評価によって、評価され得る。移植細胞の機能は、上記手法お よび機能性アッセイの組合せを用いて決定し得る。例えば、肝細胞の場合、イン ビボの肝臓の機能の研究は、カニューレを受容者の通常の胆管に入れることによ って行われ得る。次いで、胆汁は、増加して集められ得る。胆汁色素は、高速液 体クロマトグラフィーによって、誘導体化されていないテトラピロール(tetrapy rrol)を調べることによって、あるいはジアゾ化されたアゾジピロール類のエチ ルアントラニレート(azodipyrroles ethylanthranilate)とP-グルクロニダーゼ( p-glucuronidase)による処理ありまたはなしでの反応によってアゾジピロール類 に転換された後に薄層クロマトグラフィーによって分析され得る。二結合(dicon jugated)および単結合(monoconjugated)ビリルビン(bilirubin)はまた、結合し た(conjugated)胆汁色素のアルカリメタノール分解の後の薄層クロマトグラフィ ーによっても測定し得る。一般に、機能している移植した肝細胞の数が増加する につれて、結合したビリルビンのレベルが増大する。単純な肝機能テストは、血 液試料、例えばアルブミン産生、によっても行われ得る。移植の後の細胞の機能 の程度を測定するための必要に応じて、同様の器官の機能の研究 が当業者に公知の手法を用いて行われ得る。例えば、適切なインスリンの分泌に よってグルコースの調節を達成して糖尿病を治療するために、膵臓のランゲルハ ンス島細胞(islet cell)を、肝細胞の移植に特に用いられた方法と同様の方法で 、導入し得る。他の内分泌組織もまた移植し得る。ポリマーの足場上の細胞の量 を定量するために、標識したグルコースを用いた研究、ならびにタンパク質アッ セイを用いた研究を行い得る。次いで、これらの細胞の量の研究を細胞の機能の 研究と関連づけて適切な細胞の量を決定する。軟骨細胞の場合、機能は、周囲の 付着した組織に適切な構造支持を提供することとして定義される。 これらの手法は、遺伝的に改変された細胞を包含する複数の細胞型を、新しい 組織または組織等価物を作製する目的のための、多数の細胞の効率的な移動およ び移植(transplant engraftment)の促進のための三次元の足場内に提供するため に、使用され得る。これはまた、新しい組織または組織等価物が増殖する間、宿 主の免疫系を排除することによる、細胞移植片の免疫防御(immunoprotection)の ためにも使用され得る。 本明細書で記載されるように移植され得る細胞の例としては、軟骨細胞および 軟骨を形成する他の細胞、骨芽細胞および骨を形成する他の細胞、筋肉細胞、繊 維芽細胞、および器官細胞が包含される。本明細書では、「器官細胞」は、肝細 胞、ランゲルハンス島細胞、腸由来の細胞、腎臓由来の細胞、 および他の、主として物質を合成および分泌しまたは代謝するために作用する細 胞を包含する。 ヒドロゲルへの生物学的に活性な物質の添加 細胞の移植とグラフト化(transplantation and engraftment)を促進するため に、ポリマー性マトリックスは液性因子と組み合わされ得る。例えば、ポリマー 性マトリックスは、血管新生促進因子、抗生物質、消炎鎮痛剤、成長因子、分化 を誘導する化合物、および細胞培養の分野の当業者に公知の他の因子と組み合わ され得る。 例えば、液性因子は、移植片(implant)または移植物(transplantation)を形成 する前に、徐放性形態で、細胞−アルギネート懸濁液と混合し得る。あるいは、 単離された細胞懸濁液と組み合わされる前に、ヒドロゲルは改変されて体液性因 子またはシグナル認識配列に結合され得る。 ポリマー溶液 本明細書中で記載する好ましい実施態様において、展性のある、アルギン酸カ ルシウム(calcium alginate)およびイオン性ヒドロゲルを形成し得るある種の他 のポリマーが、細胞をカプセル化するために用いられる。このヒドロゲルはアル ギン酸(alginic acid)、海草から単離された炭水化物ポリマー、のアニオン性塩 をカルシウムカチオン(calcium cation)で架橋することによって製造され、この 強度はカルシウムイ オン濃度またはアルギネート(alginate)濃度のいずれかを増加させることによっ て増大する。アルギネート溶液(alginate solution)を移植する細胞と混合し、 アルギネート懸濁液(alginate suspension)を形成する。次いで、この懸濁液を 硬化させる前に、患者に直接、懸濁液を注入する。次いで、この懸濁液は、イン ビボの生理学的濃度のカルシウムの存在に依存して、短時間で硬化する。 体内への移植のための細胞と混合されるポリマー性材料はヒドロゲルを形成す べきである。ヒドロゲルは、有機ポリマー(天然または合成)が、共有結合、イ オン結合、または水素結合によって架橋したときに、水分子を取り込んでゲルを 形成する三次元の開放格子構造を形成する物質として定義される。ヒドロゲルを 形成するために使用され得る材料の例としては、アルギネート(alginate)のよう な多糖類、ポリホスファジン(polyphosphazine)、およびポリアクリレート(poly acrylate)(これらはイオン的に架橋する)、あるいはPluronicsTMまたはTetron icsTM、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレングリコール(polyethylene oxide -polypropylene glycol)ブロックコポリマーのような、ブロックコポリマー(こ れらは温度またはpHによって架橋する)が包含される。他の材料には、フィブリ ン(fibrin)のようなタンパク質、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone) 、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、およびコラーゲンのようなポリマーが包含 される。 一般に、これらのポリマーは、水、緩衝塩溶液、または水性アルコール溶液の ような水性溶液に、少なくとも一部可溶であり、荷電した側基(side group)、ま たはこれらの1価のイオン性塩を有している。カチオンと反応し得る酸性の側基 を有するポリマーの例は、ポリ(ホスファゼン)類(poly(phosphazenes))、ポリ (アクリル酸)類(poly(acrylic acids))、ポリ(メタクリル酸)類(poly(metha crylic acids))、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、ポリ(酢酸ビニル) (poly(vinyl acetate))、およびスルホン化ポリスチレン(sulfonated polystyre ne)のようなスルホン化ポリマーである。アクリル酸またはメタクリル酸とビニ ルエーテルモノマーまたはポリマーとの反応によって形成される、酸性側基を有 するコポリマーもまた使用し得る。酸性基の例は、カルボン酸基、スルホン酸基 、ハロゲン化(好ましくはフッ素化)アルコール基、フェノール性OH基、および 酸性OH基である。 アニオンと反応し得る塩基性基を有するポリマーの例は、ポリ(ビニルアミン )(poly(vinyl amines))類、ポリ(ビニルピリジン)(poly(vinyl pyridine))、 ポリ(ビニルイミダゾール)(poly(vinyl imidazole))、およびいくつかのイミ ノ置換ポリホスファゼン類(imino substituted polyphosphazenes)である。これ らのポリマーのアンモニウム塩または四級塩も、骨格の窒素またはペンダントイ ミノ基から形成され得る。塩基性側基の例は、アミノ基およびイミノ基である。 アルギネート(alginate)は、水中、室温で、2価カチオン によってイオン的に架橋し得、ヒドロゲルマトリックスを形成し得る。これらの 穏和な条件のために、アルギネートは、ハイブリドーマ細胞のカプセル化のため に最も普通に使用されている(例えば、Limの米国特許第4,452,883号)。Limの プロセスにおいては、カプセル化される生物学的物質を含む水性溶液が、水溶性 ポリマーの溶液中に懸濁され、この懸濁液が小滴を形成し、この小滴が、多価カ チオンと接触することによって個々のマイクロカプセルを構成し、次いでこのマ イクロカプセルの表面がポリアミノ酸によって架橋して、カプセル化された物質 の周囲に半透膜が形成される。 ポリホスファゼンは、単結合および二重結合で交互に隔てられた窒素(nitroge n)およびリン(phosphorous)から構成される骨格を有するポリマーである。各リ ン原子は、2つの側鎖(「R」)と共有結合している。ポリホスファゼンの繰り返 し単位は一般構造(1)を有し: ここで、nは整数である。 架橋に適したポリホスファゼンは、酸性で、2価または2価のカチオンによっ て塩架橋(salt bridge)を形成し得る側鎖を主として有する。好ましい酸性側基 の例は、カルボン酸基およびスルホン酸基である。加水分解に安定なポリホスフ ァゼンは、カルボン酸側基を有するモノマーから形成され、 Ca2+またはAl3+のような2価または3価のカチオンによって架橋される。加水分 解によって分解するポリマーは、イミダゾール(imidazole)側基、アミノ酸エス テル(amino acid ester)側基、またはグリセロール(glycerol)側基を有するモノ マーを取り入れることによって合成され得る。例えば、ポリアニオン性のポリ[ ビス(カルボキシラトフェノキシ)]ホスファゼン(poly[bis(carboxylatophenoxy) ]phosphazene)(PCPP)が合成され得、これは、室温またはそれ以下で、水性媒体 に溶解した多価カチオンによって架橋し、ヒドロゲルマトリックスを形成する。 生腐食性(bioerodible)ポリホスファゼンは、少なくとも2種の異なるタイプ の側鎖、すなわち多価カチオンと塩架橋を形成し得る酸性側基、およびインビボ 条件下で加水分解される側基(例えば、イミダゾール基、アミノ酸エステル、グ リセロール、およびグルコシル(glucosyl))を有する。生腐食性または生分解性 という用語は、本明細書中では、温度が約25℃と38℃との間のpH6〜8の生理学 的溶液に一旦さらされると、所望の用途(通常、インビボ治療)において許容可 能な期間内(約5年未満、そして最も好ましくは約1年未満)に、溶解または分 解され得るポリマーを意味する。側鎖の加水分解によりポリマーの腐食が起こる 。加水分解される側鎖の例は、非置換および置換のイミジゾール(imidizole)な らびにアミノ酸エステルであり、ここでこれらの基は、アミノ結合を通じてリン 原子に結合している(両方のR基がこの様式 で結合しているポリホスファゼンポリマーは、ポリアミノホスファゼン(polyami nophosphazene)として知られる)。ポリイミダゾールホスファゼン(polyimidazo lephosphazene)については、ポリホスファゼン骨格上の「R」基のうちのいくつ かがイミダゾール環であり、環の窒素原子を通して骨格のリンに結合している。 他の「R」基は加水分解に関与しない有機残基(例えば、メチルフェノキシ(met hyl phenoxy)基、またはAllcockら、Macromolecule 10:824-830(1977)の科学論 文に示された他の基)であり得る。 種々のタイプのポリホスファゼンの合成および分析のための方法は、 に記載され、これらの手法は、本明細書中に参考として特に援用される。 他の上記ポリマーの合成法は、当業者に公知である。例えば、Concise Encycl opedia of Polymer Science およびPoly meric Amines and Ammonium Salts 、E. Goethals編(Pergamen Press, Elmsford, NY 1980)を参照。ポリ(アクリル酸)のような多くのポリマーが市販されてい る。 荷電した側基を有する水溶性ポリマーは、このポリマーと、反対に荷電した多 価イオン(ポリマーが酸性側基を有する場合は多価カチオンであり、ポリマーが 塩基性側基を有する場合は多価アニオンである)を含む水性溶液との反応によっ て架橋する。酸性側基を有するポリマーを架橋してヒドロゲルを形成するために 好ましいカチオンは、銅(copper)、カルシウム(calcium)、アルミニウム(alumin um)、マグネシウム(magnesium)、ストロンチウム(strontium)、バリウム(barium )、およびスズ(tin)のような2価または3価のカチオンであるが、 うな2、3または4官能性の有機カチオンもまた使用し得る。これらのカチオン の塩の水性溶液をポリマーに添加し、軟質で、高度に膨潤したヒドロゲルおよび 膜を形成する。カチオンの濃度が高い程、または価数が高いほど、ポリマーの架 橋度は高くなる。0.005Mという低濃度からポリマーを架橋させることが示されて いる。高濃度は、塩の溶解度によって規定される。 ポリマーを架橋してヒドロゲルを形成するために好ましいアニオンは、低分子 量ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸(terepthalic acid)、硫酸イオン(sulfa te ion)、および炭酸イオン(carbonate ion)のような、2価および3価のアニオ ン である。カチオンについて記載したように、これらのアニオンの水性溶液をポリ マーに添加し、軟質で、高度に膨潤したヒドロゲルおよび膜を形成する。 ポリマーヒドロゲルを複雑(complex)にし、そしてそのことによってポリマー ヒドロゲルを、半透性の表面膜に安定化させるために、種々のポリカチオンが使 用され得る。使用され得る材料の例は、アミン基またはイミン基のような塩基性 の反応基を有するポリマーであって、好ましい分子量が3,000と100,000との間で ある、ポリエチレンイミン(polyethylenimine)およびポリリシン(polylysine)の ようなポリマーである。これらは市販されている。1つのポリカチオンはポリ( L-リシン)(poly(L-lysine))である。合成ポリアミンの例は、ポリエチレンイミ ン(polyethyleneimine)、ポリ(ビニルアミン)(poly(vinylamine))、およびポ リ(アリルアミン)(poly(allyl amine))である。これらはまた、多糖類、キト サン(chitosan)のような天然ポリカチオンである。 ポリマーヒドロゲル上の塩基性表面基との反応によって半透膜を形成するため に用いられ得るポリアニオンとしては、アクリル酸、メタクリル酸、および他の アクリル酸誘導体のポリマーおよびコポリマー、スルホン化ポリスチレンのよう な、ペンダントSO3H基を有するポリマー、およびカルボン酸基を有するポリスチ レンが包含される。 細胞懸濁液 好ましくはこのポリマーを、水溶液、好ましくは0.1Mリン 酸カリウム溶液に、生理学的なpHで、ポリマーのヒドロゲルを形成する濃度まで 、例えば、アルギネート(alginate)については、0.5から2重量%の間、好ましく は1%の濃度で溶解する。単離細胞を、このポリマー溶液に1百万と5千万細胞/ml との間、最も好ましくは1千万と2千万細胞/mlとの間の濃度に懸濁する。 移植の方法 本明細書中に記載した技法は、異なる多くの細胞タイプを導入し、異なる組織 構造を達成するために使用し得る。好ましい実施態様においては、細胞を、ヒド ロゲル溶液と混合し、そしてヒドロゲルの硬化の前に細胞を移植することが望ま れる部位に直接注入する。しかし、このマトリックスはまた、特定の適用形態に 適するように成型され、そして身体の1またはそれ以上の異なる領域に移植され 得る。この適用は、特に、特定の構造的設計が望まれる場合、あるいは細胞が移 植されるべきの領域が特定の構造または支持を有しないような場所で細胞の成長 および増殖を促進させる場合に適切である。 細胞が移植されるべき部位、または複数部位は、個々の要求に基づいて決定さ れ、必要な細胞数も同様である。器官機能を有する細胞、例えば肝細胞または膵 島細胞について、この混合物は、腸間膜、皮下組織、腹膜、腹腔内空間、および 筋内空間に注入され得る。軟骨の形成については、細胞は、軟骨形成が望まれる 部位に注入される。また、外部での鋳型を利用して注入される溶液を成型し得る 。加えて、重合の速度を制御することにより、粘土を成型するように細胞−ヒド ロゲルを注入された移植組織を成型し得る。 あるいは、この混合物は鋳型に注入され得、ヒドロゲルは硬化し得、次いでこ の材料は移植され得る。 この懸濁液は、注射筒および注射針により、充填剤が望まれる特定の領域、す なわち、先天性または後天性疾病に起因するあるいは外傷、火傷などの二次的な 筋萎縮領域を観察される軟部組織奇形部に、直接注入され得る。神経障害の二次 的な筋萎縮を有する患者の上部胴体(torso)へのこの懸濁液の注入は、このこと の1例であろう。 この懸濁液は、また、硬部組織欠損、例えば骨または軟骨欠損、先天性または 後天性疾病状態、あるいは外傷、火傷などの二次的な硬部組織欠損に対して、充 填剤として注入され得る。骨奇形部が外傷の二次的に存在する頭蓋周辺領域への この懸濁液の注入は、このことの1例であろう。これらの例における注入は、局 所または全身麻酔下で、注射針および注射筒を用いて、必要とされる領域に直接 なされ得る。 この懸濁液は、また、ダイレクトパルペイション(directpalpation)により、 例えば注射針を精管内部に留置することにより経皮的に注入され得、そして注入 された充填物で精管を閉塞し、したがって患者を不妊にし得る。懸濁液はまた、 蛍光透視型または音波ホログラフィー型のコンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像 あるいは放射線医学的案内(guidance)を用いて、カテーテルまたは注射針により 注入され得る。このことは、特定の器官または身体の他の組織領域、充填剤が必 要とされる任意の場所への血管性接近または経皮的接近による、この物質の配置 または注入を可能にする。 さらに、この物質は、腹腔鏡、胸腔鏡により任意の腹腔内または腹腔外または 胸部の器官に注入される。例えば、この懸濁液は、胃食道の逆流の治療のための 胃食道移行部に注入され得る。これは、胸腔鏡を用いてこの物質を、胃食道領域 の食道部分に注入するか、または腹腔鏡によりこの物質を、胃食道領域の胃部分 に注入することにより、あるいは組み合わせたアプローチにより行われる。 膀胱尿管逆流は、子供において、その人口の約1%が冒される最も一般的な先天 性欠損の1つである。全ての患者が外科的治療を必要としないにもかかわらず、 外科的治療は、なおも、子供において行われる最も一般的な処置の1つである。 マサチューセッツ州ボストンのChildren's Hospitalでは、毎年600を超える尿管 再移植が行われる。このことを言い換えると、本明細書中に記載された内視鏡治 療が切開手術の代わりに使用されると、この施設だけで1年に3600日の入院患者 の入院日数(hospital day)がおおよそ節約されることになる。 逆流の内視鏡治療のための使用に加えて、注入可能なオートロガスの筋肉細胞 の系はまた、他の医学的状態、例えば尿失禁および直腸性失禁、発声障害、形成 術による復元(plastic reconstruction)、ならびに注入可能な恒久性の生体適合 材料が必要とされる任意の状態の治療にも適用可能である。 本明細書中に記載されるように、筋肉細胞または軟骨細胞 のための運搬媒体としての注入可能な生物分解性ポリマーは、逆流および失禁の 治療に有用である。好ましい実施態様において、生検材料を、膀胱尿管逆流患者 から麻酔下に得て、単離細胞をアルギネートと混合し、そしてこの細胞−アルギ ネート溶液を、図1aに示すように、内視鏡下で尿管下(sub-ureteral)領域に注入 して逆流を治療する。アルギネート−細胞溶液の凝固までの時間は、カルシウム 濃度および細胞をアルギネートに添加する温度を変化させることにより操作し得 る。オートロガス細胞の使用は、免疫反応を排除する。アルギネートの凝固は、 それが分解されるまで、その移動を妨げる。懸濁液は、例えば膀胱尿管逆流また は尿失禁の治療のために、膀胱鏡を用いて問題の領域に直視的に接近が可能であ る膀胱鏡の注射針により注入され得る。逆流および失禁の治療に対する細胞−ポ リマー懸濁液の使用に加えて、この懸濁液はまた、復元手術に適用し得、生体適 合性の恒久性の注入可能材料が必要である人体の任意の部位にも同様に適用され 得る。この懸濁液は、内視鏡下に注入され得る。例えば、発声障害治療のための 声帯への注入に対しては喉頭鏡により、あるいは患者を不妊にする方法としての 輸卵管への注入に対しては子宮鏡により注入され得、あるいは直腸周囲の括約筋 領域へのこの物質の注入に対しては直腸鏡により注入され、それにより括約筋の 抵抗が増大し、そして患者が排便を制御できるようになる。 この技法は、他の目的にも使用し得る。例えば、注文成型 される細胞移植組織を、三次元的組織欠損の復元に使用し得る。例えばヒトの耳 の鋳型を作り得、そして軟骨細胞−ヒドロゲルの複製(replica)を形成および移 植して失った耳を復元し得る。細胞は、また、注入により運搬され得る三次元構 造の形態で移植され得る。 本発明は、以下の制限のない実施例に言及することでさらに理解される。 実施例1:カルシウム-アルギネート-軟骨細胞混合物の調製、および軟骨構造を 形成するためのマウスへの注入 アルギン酸カルシウム(calcium alginate)混合物を、硫酸カルシウム(貧溶解 性のカルシウム塩)を0.1Mリン酸カリウム緩衝液液(pH 7.4)に溶解された1%ア ルギン酸ナトリウムと合わせることによって得た。この混合物を4℃で30分間〜 45分間、液体状態で保持した。子牛の前肢の関節表面から単離された軟骨細胞を 、混合物に添加して、1×107/mlの最終細胞密度(ヒト児童の関節軟骨の約10% の細胞密度を表す)を生成させた。 アルギン酸カルシウム-軟骨細胞混合物を、ヌードマウス背中のパンヌス疥癬 トンネル(pannus cuniculus)下に100μlのアリコートの22ゲージ針により注入し た。 ヌードマウスを術後24時間後に調べ、そして全ての注入部位が触診に対して混 合物の明らかな拡散がなくしっかりしていた。12週間のインビボインキュベーシ ョンの後、検体を採 取した。全体検査では、アルギン酸カルシウム-軟骨細胞検体は、真珠状乳白色 を示し、そして触診に対してしっかりしていた。検体は、0.11±0.01gの重さで あった(開始重量0.10g)。検体からは、周囲組織が容易に解剖して取り除かれ、 そして炎症反応は最小であった。組織学的に、検体をヘマトキシリン(hematoxyl in)およびエオシン(eosin)で染色し、そして塩基親和性の下漬剤ガラス物質(bas ophilic ground glass substance)内に裂孔が示された。 軟骨細胞のないアルギン酸カルシウムの対照検体は、注入12週間後は練り粉状 の堅さを有し、そして軟骨形成の組織学的な証拠はなかった。 この研究は、注入可能なアルギン酸カルシウムマトリックスが、移植および軟 骨細胞の植え付けが成功するための三次元的足場(scaffold)を提供し得ることを 示す。この方法で移植された軟骨細胞は、インビボインキュベーションの12週間 後、最初に注入された軟骨と同様の体積の軟骨を形成する。 実施例2: 軟骨形成に対する細胞密度の影響 子牛の前肢の関節表面から単離された軟骨細胞の数を変えて、1.5%アルギン 酸ナトリウム溶液と混合し、0.0、0.5、1.0、および5.0×106軟骨細胞/mlの最終 細胞密度(ヒト児童の関節軟骨の約0.0、0.5、1.0、および5.0%の細胞密度)を 生成させた。軟骨細胞-アルギネート溶液のアリコートを直径9mmの円形の型(mol d)に移し、そして型の底の半透膜を通じて 塩化カルシウム(calcium chloride)溶液の拡散によって、室温で重合させた。ゲ ルは、高さ2mmおよび直径9mmの寸法のディスクを形成した。 アルギン酸ナトリウム濃度および塩化カルシウム溶液のモル濃度を変化させた 、固定細胞密度5×106細胞/mlのディスクをまた形成した。 全てのディスクをヌードマウスの背中の皮下ポケットに置いた。サンプルを8 および12週間で採取し、そして軟骨形成の全体的および組織学的な証拠について 調べた。 8および12週間後の検体の検査によって、最低限度の細胞密度、5×106軟骨 細胞/mlが移植後12週間のみで観察された軟骨形成に必要であることを示した。 全体的な検査では、検体は、円板状の形状であり、そして0.13±0.01g(開始重 量0.125g)の重さであった。検体からは、周囲組織が容易に解剖して取り除か れ、そして炎症反応は最小であった。組織学的に、検体を、ヘマトキシリンおよ びエオシンで染色し、そして塩基親和性の下漬剤ガラス物質内に裂孔が示された 。 軟骨形成は、ゲル重合に用いられる塩化カルシウム濃度に依存しない。0.5% から4.0%に変化させたアルギネート濃度を用いた検体で軟骨を観察した;しか し、試験された最低のアルギネート濃度(0.5%)では、顕微鏡検査でしか軟骨が 見られなかった。 軟骨は、皮下ポケットにおいて支持マトリックスとしてアルギン酸カルシウム を用い、12週で所定のディスク形状に生 長し得る。軟骨形成は、高カルシウム濃度での重合または高アルギネート濃度の 存在のいずれによっても阻害されないが、最低限度の細胞密度、5×106細胞/ml を必要とする。 所定の形状で、アルギン酸カルシウム-軟骨細胞ゲルを作成する能力は、この 技術を注文デザインに対して用い、そして頭蓋骨顔面の再構築のための軟骨足場 を生長させ得ることを示す。このような足場は、現在使用されている人工装具装 置の多くを置換し得る可能性を有する。 実施例3: 移植可能な予備成型された細胞-ポリマー混合物の調製 単離された軟骨細胞懸濁液の250μlのアリコートを、750μlの2%(w/v)アル ギン酸ナトリウム溶液(0.1M K2HPO4、0.135M NaCl、pH 7.4)と混合した。125 μlのアリコートを、孔径0.45μmの半透膜を有する直径9mmの細胞培養注入物中 に置いた。細胞-アルギネート混合物を、30mM CaCl2の浴に接触させ、そして37 ℃で90分間重合させた。90分後、細胞-アルギネートゲル構築物を型から取り出 し、そしてそれは直径9mmおよび高さ2mmを有していた。ディスクを24ウェル組 織培養プレートのウェルに入れ、そして5%CO2の存在下、HammのF-12培養培地( Gibco、Grand Island、N.Y.)および10%子ウシ胎児血清(Gibco、Grand Island、 N.Y.)を含む0.5mlの溶液で、L-グルタミン(L-glutamine)(292μg/ml)、ペニシリ ン(penicillin)(100U/ml)、ストレプトマイシン(streptomycin)(100μ g/ml)およびアスコルビン酸(ascorbic acid)(5μg/ml)と共に、48時間、37℃で インキュベートした。 この方法を用いて、ウシ軟骨細胞-アルギネートディスクを調製し、次いで、 標準の無菌技術を用いて無胸腺マウスの背面皮下ポケットに移植した。1ヶ月、 2ヶ月、および3ヶ月後に、無胸腺マウスを屠殺し、そしてゲル/軟骨細胞構築 物を取り出し、重量を測定しそして適切な固定液に入れた。細胞-ポリマー複合 体を組織学的分析によって調べた。 軟骨形成を、5×106細胞/mlの開始軟骨細胞密度で3ヶ月のインビボインキュ ベーションの後に組織学的に観察した。 上記のプロトコルを、所定のCaCl2濃度範囲およびアルギン酸ナトリウム濃度 範囲を用いることによって改変した。軟骨形成を15mM、20mM、30mM、および100m M CaCl2浴および0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、および4.0%のアルギン酸ナトリ ウム溶液を用いて観察した。 細胞-アルギネート構築物を作成する型を変えることによって、移植物の形状 を注文に応じて作り得る。さらに、型に入れる前に、カルシウムイオンを、直接 、細胞-アルギネート溶液と混合され得るように型は半透性である必要はない。 重要な特徴は、構築物が移植前に、所定の形状に形作られ得ることである。 実施例4: 注入可能な骨芽細胞ヒドロゲル混合物の調製 上述の方法論を用いて、ウシ骨芽細胞を軟骨細胞に代用し、 そしてヒドロゲルマトリックスを用いて動物に注入した。 12週間のインビボインキュベーションの後、組織学的に初期の骨形成の存在を 示した。 実施例5: 移植される細胞の周囲に免疫防御マトリックスを形成するためのヒ ドロゲルの使用 上記のように細胞−アルギネート構築物を作製することによって、ヒドロゲル マトリックスを用いてカプセル化された細胞を宿主の免疫系から立体化学的に(s terically)単離し得、そのようにして、同種異系細胞の移植片で、免疫抑制なし で、新しい組織または器官を形成することが可能となる。 アルギネート懸濁液中のウシ軟骨細胞を、正常な免疫能力のマウスに移植した 。6週間後のインビボインキュベーションの組織学は、軟骨形成の存在を示す。 この検体の全体検査は、軟骨の特徴を示さなかった。アルギネートを用いない、 同様の軟骨細胞の異種移植片では軟骨が形成されないことが文献に述べられてい る。 以下の実施例は、ヒト膀胱筋細胞−アルギネート懸濁液が、注入可能で、非移 動性であり、そしてその体積を保持するようであること、ならびにオートロガス 筋肉細胞が膀胱尿道逆流の内視鏡的治療において有用であることを示す。 実施例6: インビトロで増殖させたヒト膀胱筋細胞の単離および特徴付け 細胞培養: ヒト組織由来。 ヒト膀胱組織検体を、ボストンのChildren's Hospitalにお ける外科的除去から得、そして1時間以内に処理した。検体は1cm2から4cm2の 範囲で大きさが異なっていた。検体を、10mMのHEPESおよびI00KIUのアポタンパ ク質を含むハンクスの平衡塩溶液に移した。 平滑筋細胞。 直径約0.5mmまで刻んだ排尿筋の小片から筋肉細胞を得、そし てこれらを、10%ウシ胎児血清を補充した10mLのDMEMを入れた100mmの組織培養 皿中で、体外移植片として用いた。同様の大きさの約30個の体外移植片を、各皿 に加えた。培地を1週間に2回変えた。体外移植片を培養中に置いてから72時間 後に、成長(outgrowth)をルーチンで観察した。培養物が80%コンフルエントに なった時点で、細胞をトリプシン処理し、そして継代した。細長い、横紋のある 細胞が高度に濃縮された細胞集団を、この方法を用いてルーチンで得た。細胞株 をa-アクチン抗体によって染色し、それらの筋肉表現型を確認した。 結果。 紡錘状の、横紋のある細胞集団が、膀胱のバイオプシー検体から、そ の筋肉層を切開し、次にこの筋肉片を10%ウシ血清を補充したDMEM中で体外移植 片培養することによって得られ得た。a-アクチンを特異的に認識するモノクロー ナル抗体による免疫染色によって、この筋肉の表現型を確認した。これらのデー タは、小さなバイオプシー検体から、高度に増殖した平滑筋の集団が得られ得る ことを示す。この筋 肉細胞はまた、無血清の規定培地中で一時的に培養され得、これによりこの細胞 はいかなる不純物も含まないようになる。 実施例7:マウスへの細胞懸濁液の注入 22ゲージの針を用いて、20匹のヌードマウスに、筋肉細胞およびアルギネ ート溶液を500μl注入した。各マウスは、対照用および1ccのアルギネート当た り1000万個のヒト膀胱細胞溶液用(32注入部位)からなる2つの注入部位を有し た。アルギネート単独または膀胱筋細胞単独の注入を対照とした。移植後2、4 、6、および8週目に動物を屠殺した。注入領域の組織学的試験は、筋肉/アル ギネート注入部位における筋肉形成の証拠を示した。抗desmin抗体を用いる免疫 組織学的分析は、その細胞が筋肉分化のプログラムを維持していたことを示した 。時間を経た注入部位の検査は、アルギネートが漸進的に筋肉によって置き換わ ることを示した。筋肉−アルギネート複合体の大きさは、均一で安定しているよ うであった。2つの対照グループ(アルギネート単独および筋肉細胞単独)にお いては、筋肉細胞は明らかではなかった。離れた器官の組織学的分析は、膀胱筋 細胞またはアルギネートの移動、または肉芽腫の形成の証拠を示さなかった。 実施例8:アルギネートゲルで移植された膀胱筋細胞を用いたブタにおける膀胱 尿管逆流の矯正 材料および方法 膀胱尿管逆流の動物モデル ブタとヒトとの間の膀胱および腎臓の類似性により、ブタをこの研究に用いた 。Hanford mini-pigを、その小さいサイズという簡便さの故に用いた。開腹(ope n)膀胱技法を用いて両側面の膀胱尿管逆流を4匹のミニブタに作製した。この技 法は、Vacantiらによる「軟骨細胞が接種された合成ポリマーは、新しい軟骨形 成の鋳型を提供する」、Plastic and Recon.Surg. 88:753(1991)に記載されたよ うに、全ての膀胱内部の尿管の覆いをはがすことからなる。 この手法の3ヶ月後、両側面の逆流の存在は、ヨウ素化された造影剤を用いる 従来の膀胱X線造影により、および音波処理されたアルブミンを用いる超音波検 査により、Vacantiら、「軟骨細胞を接種した合成ポリマーを用いるヒト耳の成 形における新しい軟骨の組織加工された成長」Mat.Res.Soc.Proc.252:367(1992) に記載されたようにして評価した。排泄尿路造影を行って、障害の任意の証拠を 検出した。 細胞の採取 膀胱筋肉切片を各動物から得た。筋肉細胞を採取し、インビトロで別々にプレ ート化した。増殖の後、その細胞を個々に定量し、そして1cc当たり20×106細 胞に濃縮した。 オートロガス膀胱筋細胞−アルギン酸カルシウム懸濁液 2%w/vアルギン酸ナトリウム(0.1M K2PO4、0.135M NaCl、 pH7.4、Protan、Portsmouth、NH)を作製し、エチレンオキサイド(ethylene oxi de)中で滅菌した。20×106細胞/mlの膀胱筋細胞懸濁液の1.5mlのアリコートを 、最終アルギネート濃度が1%になるように同容量のアルギン酸ナトリウムに添 加した。膀胱筋細胞−アルギン酸ナトリウムの懸濁液を32℃に保持した。注入直 前に硫酸カルシウム(0.2g/ml)を膀胱筋細胞−アルギン酸ナトリウム懸濁液に添 加した。この混合物をボルテックスして混合し、そして注入まで氷中に保持した 。ゲル化プロセスは、硫酸カルシウムの添加により開始し、その懸濁液は約40分 間の間液体状態にある。 実験研究 ミニブタに筋肉内注射により25ml/kgケタミン(ketamine)、および1 ml/kgアシルプロマジン(acylpromazine)で麻酔した。別の麻酔は25mg/kgケタミ ンおよび10mg/kgキシラジン(xylazine)の筋肉内投与により得た。動物を仰向け においた。15.5 French膀胱鏡を膀胱に挿入し、21ゲージ針を右側の逆流尿管の 尿管下領域に挿入した。約2〜3mlのオートロガス膀胱筋細胞−アルギネート懸 濁液(40〜60×106膀胱筋細胞)を、尿管開口部を持ち上げながら内視鏡により 視て、針を通じて注入した。左側の尿管開口部は処置しないままにし、対照とし た。一連の膀胱造影、膀胱鏡、および排泄尿路造影研究を、屠殺まで8週間間隔 で行った。ミニブタを、処置後の8週目(1)、16週目(1)および26週目(2 )に屠殺した。膀胱注入部位を切除し、肉眼でおよび顕微鏡で検査 した。検体をヘマトキシリン(hematoxylin)およびエオシン(eosin)、およびpH1. 0および2.5のアルシアンブルーで染色した。膀胱尿管、局所リンパ節、腎臓、肝 臓、および脾臓の組織学的分析を行った。 結果 4匹のミニブタが両側面の逆流を受けた。4匹全てが、処理の3ヶ月後で障害 の証拠がなく両側面の逆流を有することが見出された。膀胱筋細胞は、それぞれ の各ミニブタに由来し、インビトロで増殖された。次いでこの動物を、注入可能 なオートロガス膀胱筋細胞−アルギネートゲル溶液を用いて逆流の内視鏡的修復 を右側のみに行った。 膀胱鏡およびX線造影検査は、処置の2、4、および6ヶ月後に行った。膀胱 鏡検査は滑らかな膀胱壁を示した。膀胱造影は、処置された側に逆流の証拠を示 さず、そして全ての動物において矯正されなかった対照尿管における持続する逆 流の証拠を示した。全ての動物は、排泄尿路造影において、水腎症の証拠を示さ ずに修復された尿管における逆流の成功した治癒を受けた。 屠殺時における膀胱注入部位の全体検査は、尿管下領域における膀胱筋細胞− アルギネート複合体の存在を示した。注入部位周辺の組織の顕微鏡分析は炎症を 示さなかった。膀胱、尿管、リンパ節、腎臓、肝臓、および脾臓の組織切片は、 アルギネート移動および肉芽腫形成の証拠を示さなかった。 実験データの要約 オートロガス膀胱筋細胞は、容易に採集され、インビトロで増殖され、そして 膀胱鏡的に注入され得る。この細胞は生存し、そして非免疫原性の筋肉核(muscl e nidus)を形成する。 この系は、いかなる障害の証拠も示さずに、逆流を矯正し得る。 以下の実施例は、軟骨細胞−ポリマー懸濁液が、注入可能であり、非移動性で あり、そしてその容量を保持するように見えること、そして膀胱尿管逆流の内視 鏡的治療に有用であることを示す。実施例1で示したように、アルギネート−ウ シ軟骨細胞異種移植片は、無胸腺マウスに移植した後、90日間もの長期に渡って 、生存軟骨細胞を含むことが見い出された。形成された新規軟骨は、注入された 鋳型のおおよその形状および寸法を保持する。遊離の軟骨細胞またはアルギネー トを単独で注入すると、軟骨形成が起こらないので、細胞−ポリマー構築物が必 須である。 実施例9:アルギネートゲル中の軟骨細胞のマウスへの移植材料および方法 ヒアリン軟骨を仔ウシの肩の関節表面から得、そして軟骨細胞を採取した。軟 骨細胞懸濁液を20、30、および40×106細胞/ccまで濃縮し、そして乾燥アルギネ ート粉末と混合し、ゲルを形成した。12匹の無胸腺マウスに、軟骨細胞/アルギ ネート溶液を皮下注射した。各マウスは、対照、10、15、およ び20×106軟骨細胞からなる4つの注入部位を有した(48注入部位)。マウスを、 注入後2、4、6、および12週で屠殺した。 注入部位の組織学的検査は、36の実験注入部位のうち34で軟骨の形成の証拠を 示した。増殖期の注入部位の全体検査は、ポリマーゲルが、累進的に軟骨により 置換されることを示した。形成された軟骨の最終的なサイズは、注射した最初の 軟骨細胞の濃度に関連し、そして各カテゴリー内で均一および安定であるようで あった。12匹の対照中では、軟骨形成の証拠がなかった。離れた器官の組織学的 分析は、軟骨またはアルギネートゲル移動または肉芽腫形成の証拠を示さなかっ た。材料および方法 動物−若い成熟無胸腺nu/nuマウスを細胞受容体として用いた。動物は、個々 に飼育され、所望のとおり食糧および水に接近でき、そして12時間の照明および 暗闇の間隔で維持した。 麻酔を麻酔吸入器投与によりメトキシフルラン(methoxyflurane)で行った。 ポリマー−乾燥アルギネート圧搾粉末(Dentsply International; Milford, DE )を送達ビヒクルとして用いた。アルギネートは、グルロン酸(gluronic acid)お よびマンヌロン酸(mannuronic acid)のコポリマーであり、制御された速度でカ ルシウム塩類および水と混合されたときのゲルを意味する。リン酸カルシウムお よび硫酸カルシウムは、純粋なポリマー粉末で含有され、ゲル化動力学を制御す る。粉末をエチレンオ キシド(ethylene oxide)中で滅菌し、そして注入までアルミ泊中にシールした。 細胞採取−ヒアリン軟骨を屠殺後6時間以内に仔ウシの肩の関節表面から得た 。肩をプロビジン−ヨウ素(providine-iodine)の10%溶液中で洗浄し、そして軟 骨細胞を、Klagsbrun,「大スケールの軟骨細胞の調製」Methods in Enzymology , 58:560(1979)に記載の技術を用いて滅菌条件下で採取した。単離した細胞を血 球計を用いて定量し、そして軟骨細胞懸濁液を20、30、および40×106細胞/ccま で濃縮した。 細胞送達−軟骨細胞懸濁液を乾燥アルギネート粉末と混合し、ゲルを形成した 。21ゲージの針を用いて、12匹のヌードマウスに600マイクロリットルの軟骨細 胞/アルギネート溶液を注入した。各マウスは、対照、10、15、および20×106 軟骨細胞からなる4つの注入部位を有した(48の注入部位)。アルギネートゲル単 独の注入を、6匹のマウスで対照として供した。他の対照として、6匹のマウス を、同じ領域内に10、15、および20×106の軟骨細胞単独を含み、アルギネート を含まない600マイクロリットルの細胞懸濁液を皮下注入した。 移植片回収−マウスを、注入後2、4、6、および12週で屠殺した。移植片は 、周辺の組織から容易に移植片を分離する組織平面に従って切り出され、重量を 測定し、10%の中性緩衝化ホルマリンで固定され、そしてパラフィンで包埋され た。組織切片はまた、局所リンパ節、腎臓、膀胱、尿管、肺、脾臓、および肝臓 から得た。組織切片をヘマトキシリンおよ びエオシンで染色した。全体および組織学検査を行った。 結果 図1aは、用いた一般方法の概略図である。注入部位の組織学的検査は、36の 軟骨細胞/アルギネート移植片のうち34で軟骨形成の証拠を示した。軽い炎症応 答は、4週間までに解消しているようであった。これは、急性期のおよび慢性の 異物身体反応を示す炎症応答からなった。線維芽細胞浸潤は、注入後2週間まで 見られた。増殖期の注入部位の全体検査は、ポリマーゲルが、累進的に軟骨によ り置換されることを示した。全体検査は、正常に見える、ゴム状から硬質の軟骨 構造を示した。形成された軟骨の最終サイズは、注入された最初の容量および軟 骨細胞の濃度に関連するようであり、そして各カテゴリー内で均一であるようで あった。回復した軟骨構造の重量は、持続的に安定であるようであった。6つの ポリマーゲル対照注入では(軟骨細胞を含まない)、軟骨形成の目に見える証拠は なかった。第二の対照グループでは(軟骨細胞懸濁液単独)、軟骨形成は、どこの 部分でも明らかでなかった。注入周辺部位および離れた器官の組織学的分析は、 軟骨の証拠またはアルギネートゲル移動を示さなかった。 実施例10:アルギネートゲルで移植された軟骨細胞を用いるブタでの膀胱尿管逆 流の矯正 材料および方法 膀胱尿管逆流の動物モデル。ブタとヒトとの膀胱および腎臓の間の類似性によ り、ブタをこの研究に用いた。Hanfordミニブタをそのより小さなサイズの便利 さにより用いた。両側面の膀胱尿管逆流が、開腹膀胱技術を用いて4匹のミニブ タで作られた。その技術は、Vacantiら、「軟骨細胞を接種した合成ポリマーは 、新たな軟骨形成の鋳型を提供する」Plastic and Recon. Surg. 88:753(1991) に記載のように、膀胱内尿管の全体の覆いを取ることからなる。 処置後3カ月で、両側面の逆流の存在が、Vacantiら、「軟骨細胞を接種した 合成ポリマーを用いて、ヒトの耳の形成における新たな軟骨の加工された組織成 長」Mat. Res. Soc. Proc. 252:367(1992)に記載のように、ヨウ素造影剤を用い る従来の膀胱X線造影法および超音波処理アルブミンを用いる超音波検査により 評価された。排泄尿路造影法を行い、障害の任意の証拠を検出した。 細胞の採取。ヒアリン軟骨を各ミニブタからの耳表面から得た。耳をプロビジ ン−ヨウ素の10%溶液で洗浄し、そして軟骨細胞を、Atalaら、「自己脱離可能 なバルーンシステムを用いる膀胱尿管逆流の内視鏡による処置」J. Urol.,148: 724(1992)に記載の技術を用いて滅菌条件下で採取した。 単離した細胞を、10%ウシ胎児血清(Gibco)、5マイクログラム/mlアスコルビ ン酸(ascorbic acid)、292マイクログラム/mlグルタミン(glutamine)、100マイ クログラム/mlストレプ トマイシン、40ナノグラム/mlビタミンD3および100単位/mlペニシリンを含むH amms F-12培地(Gibco, Grand Island, NY)の溶液中インビトロで増殖させた。細 胞を5%CO2の存在下で37℃でインキュベートした。最初の採取後5〜8週間で 、軟骨細胞をトリプシン処理し、そして血球計を用いて定量した。各ミニブタ由 来の軟骨細胞懸濁液を最小必須培地-199(Gibco)中に40×106細胞/mlまで濃縮し た。 オートロガス軟骨細胞アルギン酸カルシウム懸濁液。2w/v%のアルギン酸ナ トリウム(0.1M K2PO4, 0.135M NaCl, pH7.4, Protan, Portsmouth, NH)を作成し 、そしてエチレンオキシド中で滅菌した。40×106細胞/ml軟骨細胞懸濁液の1.5m lのアリコートを等量のアルギン酸ナトリウム溶液に、最終アルギネート濃度が 1%となるように添加した。軟骨細胞−アルギン酸ナトリウム懸濁液を32℃で維 持した。注入の直前に、硫酸カルシウム(0.2g/ml)を軟骨細胞−アルギン酸ナト リウム懸濁液に添加した。混合物をボルテックスにより混合し、そして注入まで 氷中で保存した。ゲル化プロセスは、硫酸カルシウムの添加とともに開始し、懸 濁液は、約40分間液体の状態である。 実験研究。ミニブタは、25ml/kgケタミンおよび1ml/kgアシルプロマジンの筋 肉内注射で麻酔した。別の麻酔を25ml/kgケタミンおよび10mg/kgのキシラジンの 筋肉内投与で得た。動物 を仰向けの状態で置く。膀胱に導入された15.5 French膀胱鏡を用い、22ゲージ の針を右の逆流尿管の尿管下領域に挿入した。内視鏡で見て尿管口を持ち上げな がら約2〜3mlのオートロガス軟骨−アルギネート懸濁液(40〜60×106軟骨細胞 )を針を通じて注入した。左の尿管口は未処理のままにし、そして対照として供 した。一連の膀胱造影、膀胱鏡検査、および排泄尿路造影研究を屠殺まで8週間 間隔で行った。ミニブタを処置後8週(1)、16週(1)、および26(2)週で屠殺した 。膀胱の注入部位を切除し、そして肉眼および顕微鏡で検査した。検体をヘマト キシリンおよびエオシンで染色し、そしてpH1.0および2.5でアルシアンブルーで 染色した。膀胱、尿管、局部リンパ節、腎臓、肝臓、および脾臓の組織学的分析 を行った。 結果 4匹のミニブタは、両側面の逆流の生成を経験した。4匹全ては、処理後3カ 月で障害の証拠なしに両側面の逆流を有することが見出された。軟骨細胞を各ミ ニブタの左耳表面から採取し、そしてインビトロで5〜8週間増殖させ、動物1 匹につき50〜150×106生存細胞の最終濃度とした。次いで、動物は、右側だけを 注射可能なオートロガス軟骨細胞−アルギネートゲル溶液を用い、内視鏡を用い て逆流の修復を受けた。 膀胱鏡検査およびX線造影検査を処置後2、4、および6 カ月で行った。膀胱鏡検査は、滑らかな膀胱壁を示した。膀胱造影は、全ての動 物において、処置した側で逆流がなく、そして未矯正の対照尿管で持続的な逆流 の証拠を示した。全ての動物は、排泄尿路造影で水腎症の証拠なしに、修復され た尿管の成功した治癒を有した。 屠殺時の膀胱注入部位の全体検査は、尿管下領域で良好に規定されたゴム状か ら硬質の軟骨構造を示した。ヘマトキシリンおよびエオシン染色を用いたこれら の検体の組織学的検査は、軟骨形成の証拠を示した。ポリマーゲルは、時間の経 過とともに軟骨により累進的に置換された。アルデヒドフシンアルシアンブルー (aldehyde fuschinalcian blue)染色は、コンドロイチン硫酸塩の存在を示唆し た。注入部位の周辺組織の顕微鏡分析は炎症を示さなかった。膀胱、尿管、リン パ節、腎臓、肝臓および脾臓由来の組織切片は、軟骨細胞またはアルギネート移 動、もしくは肉芽腫形成の証拠を示さなかった。実験データの要約 軟骨細胞は、容易に成長し得そして培養液で増殖し得る。新規軟骨形成は、合 成生分解性ポリマー上で培養された軟骨細胞を用いてインビトロおよびインビボ で達成され得る。これらの実験では、軟骨マトリックスは、生分解される多糖類 ポリマーとしてアルギネートを置換した。6匹のミニブタは、両側面の逆流作成 を経験した。6匹全てが処理後3カ月で障 害の証拠なく両側面の逆流を有することを見出された。軟骨細胞を各ミニブタの 左耳表面から採取し、そして動物1匹につき50〜150×106生存細胞の最終濃度ま で増殖させた。次いで動物は、右側だけ注入可能なオートロガス軟骨細胞−アル ギネートゲル溶液を用い、内視鏡を用いて逆流の修復を受けた。 膀胱鏡検査およびX線造影を処置後2、4、および6カ月で行った。膀胱鏡検 査は、滑らかな膀胱壁を示した。膀胱造影は、全ての動物において、処置した側 で逆流がなく、そして未矯正の対照尿管で持続的な逆流の証拠を示した。全ての 動物は、排泄尿路造影で水腎症の証拠なく、修復した尿管で成功した治癒を有し た。採取した耳は、軟骨細胞修復の1カ月以内に軟骨の再成長の証拠を有した。 屠殺時の膀胱注入部位の全体検査は、尿管下領域で良好に規定されたゴム状か ら硬質の軟骨構造を示した。ヘマトキシリンおよびエオシンを用いたこれらの検 体の組織学的検査は、正常な軟骨形成の証拠を示した。ポリマーゲルは、時間の 経過とともに軟骨により累進的に置換された。アルデヒドフシンアルシアンブル ー染色は、コンドロイチン硫酸塩の存在を示唆した。注入部位の周辺組織の顕微 鏡分析は炎症を示さなかった。膀胱、尿管、リンパ節、腎臓、肺、肝臓および脾 臓由来の組織切片は、軟骨細胞またはアルギネート移動、もしくは肉芽腫形成の 証拠を示さなかった。 本発明の組成物および方法の修飾および改変は、先の詳細 な記載から当業者に明らかであり得る。このような修飾および改変は、以下の請 求の範囲内にあることを意図する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 229,464 (32)優先日 1994年4月29日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 グリフィス−シーマ,リンダ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02173,レキシントン,バーリントン ス トリート 28 (72)発明者 アタラ,アンソニー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02167,ニュートン,ラグランジ ストリ ート 14 (72)発明者 バカンティ,チャールズ エイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02173,レキシントン,ブッシュネル ド ライブ 5 (72)発明者 ペイジ,キース ティー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02146,ブルックリン,エヌオー.1,ペ リー ストリート 37

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.組織を動物に移植する方法であって、 水分子を捕捉してゲルを形成する3次元開放格子(open-lattice)構造を作製す るために、共有結合、イオン結合または水素結合を介して架橋され得る生物分解 性、生体適合性の天然のまたは合成の有機ポリマーと、軟骨を形成する軟骨細胞 および他の細胞、骨を形成する骨芽細胞および他の細胞、筋肉細胞、線維芽細胞 および器官細胞からなる群から選択される分離した細胞とを混合する工程、およ び 細胞−ポリマー溶液を、該ポリマー溶液を架橋して、内部に細胞を分散させて 有する3次元開放格子構造を形成する条件下で動物に移植する工程、を包含する 方法。 2.前記ポリマー溶液が、動物への移植の前に架橋されてゲルを形成する、請求 項1に記載の方法。 3.前記ポリマー溶液が、細胞懸濁液として前記動物に注入され、次いでそれが 架橋されてヒドロゲルを形成する、請求項1に記載の方法。 4.前記ポリマーが、アルギネート(alginate)、ポリホスファジン(polyphospha zine)、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレングリコールブロックコポリマ ー(polyethylene oxide-polypropylene glycol block copolymer)、ポリ(アク リル 酸)(poly(acryllc acid))、ポリ(メタクリル酸)(poly(methacrylic acid))、 アクリル酸(acrylic acid)およびメタクリル酸(methacrylic acid)のコポリマー 、ポリ(酢酸ビニル)(poly(vinyl acetate))、およびスルホン化されたポリマ ー(sulfonated polymer)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 5.前記ポリマー溶液が、イオン、pH変化、および温度変化からなる群から選 択される因子に曝すことにより架橋される、請求項4に記載の方法。 6.前記ヒドロゲルが、銅(copper)、カルシウム(calcium)、アルミニウム(alum inum)、マグネシウム(magnesium)、ストロンチウム(strontium)、バリウム(bari um)、スズ(tin)、ならびに二官能性、三官能性、および四官能性有機カチオンか らなる群から選択されるカチオン;ならびに低分子量のジカルボン酸(dicarboxy lic acid)、硫酸イオン(sulfate ion)、および炭酸イオン(carbonate ion)から なる群から選択されるアニオンからなる群から選択されるイオンと相互作用する ことにより架橋される、請求項5に記載の方法。 7.前記ヒドロゲルが、ポリイオンを用いた架橋により、さらに安定化されてい る、請求項4に記載の方法。 8.前記細胞が、軟骨を形成する軟骨細胞および他の細胞、骨を形成する骨芽細 胞および他の細胞、筋肉細胞、線維芽細胞および器官細胞からなる群から選択さ れる、請求項1に記載の方法。 9.前記ヒドロゲルが、移植の前に成型されて、特定の形を形成する、請求項2 に記載の方法、 10.前記ヒドロゲルが、前記細胞との混合および前記動物への移植の後に成型 されて特定の形を形成する、請求項1に記載の方法。 11.動物内に新しい組織を形成するための組成物であって、 水分子を捕捉してゲルを形成する3次元開放格子構造を作製するために、共有 結合、イオン結合または水素結合を介して架橋され得る生物分解性、生体適合性 の天然のまたは合成の有機ポリマーと、軟骨を形成する軟骨細胞および他の細胞 、骨を形成する骨芽細胞および他の細胞、筋肉細胞、線維芽細胞および器官細胞 からなる群から選択される分離した細胞とが混合されて形成された溶液であって 、該ポリマー−細胞懸濁液を動物に注入して、3次元開放格子構造を形成する手 段と組み合わせて動物へ移植して組織を形成するために適した溶液を包含する、 組成物。 12.前記ポリマーが、細胞懸濁液として前記動物に注入され、次いでそれが架 橋される、請求項11に記載の組成物。 13.前記ポリマーが、アルギネート、ポリホスファジン、ポリエチレンオキサ イド−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポ リ(メタクリル酸)、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(酢酸 ビニル)、およびスルホン化されたポリマーからなる群から選択される、請求項 11に記載の組成物。 14.前記ポリマー溶液が、注入の後に該ポリマーが架橋するのに効果的な量の イオン、pH変化および温度変化からなる群から選択される因子と組み合わされ る、請求項13に記載の組成物。 15.前記ポリマーが、銅、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ストロ ンチウム、バリウム、スズ、ならびに二官能性、三官能性、および四官能性有機 カチオンからなる群から選択されるカチオン;ならびに低分子量のジカルボン酸 、硫酸イオン、および炭酸イオンからなる群から選択されるアニオンとからなる 群から選択されるイオンと共に投与される、請求項14に記載の組成物。 16.前記細胞が、軟骨を形成する軟骨細胞および他の細胞、 骨を形成する骨芽細胞および他の細胞、筋肉細胞、線維芽細胞および器官細胞か らなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。 17.動物内に新しい組織を形成するための組成物であって、 共有結合、イオン結合または水素結合を介して架橋され得る生物分解性、生体 適合性の天然のまたは合成の有機ポリマーから形成される3次元開放格子構造で あって、水分子を捕捉してゲルを形成する構造と混合して、その内部に分散され た、軟骨を形成する軟骨細胞および他の細胞、骨を形成する骨芽細胞および他の 細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、および器官細胞からなる群から選択される、動物 内に移植して組織を形成するのに適した細胞とを含む組成物。 18.前記ポリマーが、アルギネート、ポリホスファジン、ポリエチレンオキサ イド−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポ リ(メタクリル酸)、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(酢酸 ビニル)、およびスルホン化されたポリマーからなる群から選択される、請求項 17に記載の組成物。 19.前記ポリマーが、イオン、pH変化、および体温からなる群から選択され る因子により架橋される、請求項17に記載の組成物。 20.前記ポリマーが、銅、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ストロ ンチウム、バリウム、スズ、ならびに二官能性、三官能性、および四官能性有機 カチオンからなる群から選択されるカチオン;ならびに低分子量のジカルボン酸 、硫酸イオン、および炭酸イオンからなる群から選択されるアニオンとからなる 群から選択されるイオンにより架橋される、請求項19に記載の組成物。 21.前記細胞が、軟骨を形成する軟骨細胞および他の細胞、骨を形成する骨芽 細胞および他の細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、および器官細胞からなる群から選 択される、請求項17に記載の組成物。
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