JPH0949826A - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JPH0949826A
JPH0949826A JP7199739A JP19973995A JPH0949826A JP H0949826 A JPH0949826 A JP H0949826A JP 7199739 A JP7199739 A JP 7199739A JP 19973995 A JP19973995 A JP 19973995A JP H0949826 A JPH0949826 A JP H0949826A
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JP
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ball
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ultrasonic
probe
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JP7199739A
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English (en)
Inventor
Kikuaki Kamamura
企久彰 鎌村
Shigeru Endo
茂 遠藤
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2696Wheels, Gears, Bearings

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被検査体と超音波探触子との位置決めを高精度
に行い探傷精度を向上させると共に、異常発生箇所の特
定を容易に行い再検査時の効率向上を図る。 【解決手段】被検査体のボール3をボール保持台2cに
ボール吸引機構によって吸着させて保持し、この状態で
ボール3を回転させる。そして、ステッピングモータ2
a,5aに対する駆動情報をもとに、超音波探触子9に
よるボール3上の探傷部位を特定し、緯度経度からなる
位置情報と、この位置における超音波探傷器10からの
探傷情報とを対にしてメモリ11cに記憶すると共に、
表示装置11dにボール3の各緯度経度における探傷結
果を反射エコーの強さを色別にマトリクス表示する。そ
して、反射エコー異常の位置情報を表示画面上から読み
取り、これを制御装置11にキー入力し、超音波探触子
9を反射エコー異常箇所に対向させて、再検査を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、構造部材
用ボール等の表層面の欠陥を検出する超音波探傷装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波検査方法は、被検査体を破壊する
ことなく、その内部に存在する欠陥を調べることができ
る非破壊検査方法として広く用いられている。この超音
波検査方法を適用した超音波探傷装置では、超音波発信
子から被検査体に超音波を送信し、被検査体から反射し
てくる反射エコーを超音波受信子で受信し、これを電気
信号に変換して信号処理することによって、被検査体の
表面や表面近傍の内部に欠陥が存在するか否かを判断す
るようにしている。そして、この超音波探傷装置には、
超音波の送信及び受信を1つの探触子によって行うもの
と、複数の発信子と受信子とを組み合わせて探傷するも
のとがある。
【0003】このような超音波探傷装置によって、軸受
け部材,耐磨耗部材,摺動部材等に用いられている構造
部材用ボールの表面及び内部の欠陥を検査する構造部材
用ボールの超音波探傷装置としては、例えば、特開平3
−84456号公報に記載されたものが知られている。
これは、超音波伝達媒体として水を用い、回転軸方向と
垂直な断面が円形で、且つ、回転軸方向と垂直な断面の
外径が異なるローラを4個組み合わせて構成されるボー
ル駆動部に被検査体のボールを載置し、ローラを回転駆
動することによって、回転中心がずれていく回転運動を
ボールに与え、ボールの全周を自動的に探傷するように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超音波探傷装置においては、超音波伝達媒体として
水を用いているために、ローラと被検査体であるボール
との接触部に水が侵入し、ローラとボールとの間で偶発
的な滑りが生じることがある。そのため、ボールの回転
が不規則になって位置決め精度が低下し、その結果、探
傷精度が低下するという未解決の課題がある。
【0005】また、ボールをローラを介して回転運動さ
せておりボールの回転を人為的に制御していないため
に、反射エコーから欠陥が検出されてもボール上の欠陥
部位を特定することが困難である。一般に、反射エコー
から異常が検出された部位に対しては、電気的ノイズ等
によって異常反射エコーが生じる場合等があることか
ら、その部位に対して再検査を行い、実際に欠陥が生じ
ているか否かを再度確認する必要があり、実際に欠陥が
生じている場合には、その欠陥の発生状況を詳細に検査
する必要がある。
【0006】しかしながら、前述のように、異常発生部
位の特定が困難であるために、ボール全周にわたって、
或いは、異常発生部位と思われる部位周辺について再度
探傷を行わなければならず、異常発生部位が特定できる
ならば特定された箇所だけについて再検査すればよいも
のを、異常発生部位が特定できないことから、再度必要
以上の箇所に対して探傷を行うことになって検査効率が
悪いという問題もある。
【0007】そこで、この発明は上記従来の未解決の課
題に着目してなされたものであり、ボールの探傷精度を
向上させることができると共に、反射エコー異常の検出
部位の特定を容易確実に行うことのできる超音波探傷装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超音波探傷装置は、被検査体に対して
超音波探傷用探触子を相対的に位置決めし、前記被検査
体の欠陥を検出する超音波探傷装置において、前記被検
査体を、当該被検査体との相対位置関係を一定としたま
ま保持する保持手段と、当該保持手段を回転駆動する被
検査体駆動手段と、前記超音波探傷用探触子を前記被検
査体の周囲に旋回させる探触子旋回手段と、前記被検査
体駆動手段及び前記探触子旋回手段の駆動情報をもとに
前記被検査体の探傷位置を検出し、当該探傷位置の位置
情報と当該探傷位置に対する前記探傷用探触子による探
傷情報とを対応づけて管理する探傷情報管理手段と、を
備えることを特徴としている。
【0009】よって、被検査体は保持手段により、被検
査体と保持手段との相対位置関係が一定となるように保
持されているから、保持手段を回転駆動した場合でも被
検査体と保持手段との相対位置関係は変化せず、被検査
体と超音波探傷用探触子との相対位置関係は、被検査体
駆動手段及び探触子旋回手段の駆動状態のみに依存す
る。したがって、被検査体駆動手段及び探触子旋回手段
を高精度に駆動制御することにより、被検査体と超音波
探傷傷探触子とは高精度に位置決めされる。
【0010】また、被検査体駆動手段及び探触子旋回手
段の駆動情報から被検査体と超音波探傷用探触子との相
対位置関係、すなわち、超音波探傷用探触子による探傷
位置を特定することができ、この探傷位置の位置情報
と、超音波探傷用探触子の検出情報とが対応づけられて
探傷情報管理手段で管理されるから、この管理情報を参
照すれば、被検査体の異常検出箇所を容易に認識するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明における超音波探傷装置の第1
の実施の形態の一例を示す要部の概略構成図である。図
中、1は超音波伝達媒体としての水が貯水された直方体
形状の水槽であって、水槽1には超音波伝達媒体として
水が貯水されてされており、水槽1の底面には、ステッ
ピングモータ2aによって回転駆動されるスピンドル2
bが設けられている。そして、スピンドル2bの回転軸
の上部に被検査体としてのボール3の大きさによって決
まる円錐座を有するボール保持台2cが取り付けられて
いる。前記ステッピングモータ2aとスピンドル2bと
ボール保持台2cとでボール駆動部2を形成している。
【0012】ここで、ボール保持台2cが保持手段に対
応し、ステッピングモータ2a及びスピンドル2bが被
検査体駆動手段に対応している。そして、前記ボール保
持台2cには、円錐座の底面と連通する真空吸引孔が形
成され、この真空吸引孔を介して、真空ポンプ等により
形成された図示しないボール吸引機構によってボール3
を吸引することによって、ボール保持台2c上にボール
3を固定保持し、スピンドル2bの回転によるボール3
の回転軸のぶれを回避するようになっている。
【0013】一方、水槽1の側面の1つには、ステッピ
ングモータ5aによって回転駆動されるスピンドル5b
が設けられて、ステッピングモータ5aとスピンドル5
bとで、探触子旋回手段としての探触子駆動部5を形成
している。このスピンドル5bの回転軸にはアーム6の
一端が固定され、アーム6の他端にはXYZステージ7
を介して、アーム6と対向する位置に探触子固定柱8が
固定されている。この探触子固定柱8の先端には、超音
波探傷用探触子としての超音波探触子9が取り付けられ
ている。
【0014】このとき、前記スピンドル2bの回転軸と
スピンドル5bの回転軸とが直交するように配設され、
且つ、前記超音波探触子9が前記ボール保持台2cに載
置されたボール3と対向するように配置されている。ま
た、ボール保持台2cにボール3を載置したときのボー
ル3及び、超音波探触子9が水槽1内に貯水された水面
下に位置するように配置されている。
【0015】前記XYZステージ7には、前記アーム6
と前記探触子固定柱8との相対位置関係を、図1に矢印
X,Y,Zで示すXYZ方向に微調整が可能なX軸用マ
イクロメータ7x,Y軸用マイクロメータ7y,Z軸用
マイクロメータ7zが設けられている。これらマイクロ
メータ7x,7y,7zを操作してアーム6と探触子固
定柱8との相対位置関係を微調整することによって、超
音波探触子9とボール保持台2cに載置されたボール3
との位置関係を微調整するようになっている。
【0016】前記超音波探触子9は超音波探傷器10に
接続され、超音波探触子9は超音波探傷器10からの電
圧信号に応じて超音波パルスを発生すると共に、その反
射エコーを受信しこれを電圧信号に変換して超音波探傷
器10に送信する。超音波探傷器10は制御装置11と
接続され、制御装置11からの指令に基づいて超音波探
触子9に電圧信号からなる指令信号を送信すると共に、
送信した指令信号と受信した信号とをもとに、送信パル
ス及び反射エコーの送受信タイミング及びその振幅から
なる探傷情報を制御装置11に送信する。
【0017】そして、ステッピングモータ2aを駆動し
てスピンドル2bを回転させることによってボール保持
台2cに載置されたボール3が回転し、超音波探触子9
に対向するボール3の経度が変化する。また、ステッピ
ングモータ5aを駆動することによってスピンドル5b
が回転し、これと共にアーム6,探触子固定柱8が回動
することによって、超音波探触子9がボール3に対して
その緯度方向に回動し、超音波探触子に対向するボール
3の緯度が変化する。つまり、ステッピングモータ2a
及び5aを駆動することによって超音波探触子9に対向
するボール3の緯度及び経度が変化するから、一つの超
音波探触子9でボール3の探傷を行うことができるので
ある。
【0018】図2は、図1における超音波探傷装置10
0のブロック図を示したものである。前記制御装置11
は、例えばパーソナルコンピュータ等から構成され、少
なくとも、インタフェースボード11aと、演算装置1
1bと、メモリ11cとカラーCRTディスプレイ等の
表示装置11dとから構成されている。演算装置11b
は、インタフェースボード11aを介して前記超音波探
傷器10と接続されると共に、ステッピングモータ2
a,5aを駆動するモータドライバ12と接続されてい
る。
【0019】そして、制御装置11は、モータドライバ
12を制御してステッピングモータ2a及び5aを回転
駆動制御することによって、前記超音波探触子9により
ボール3の探傷を行うと共に、その駆動情報から前記超
音波探触子9とボール3との相対位置関係、すなわち、
超音波探触子9によるボール3の探傷位置を表す緯度,
経度データからなる位置情報を求め、この位置情報と前
記超音波探傷器10からの探傷情報とを対応させてメモ
リ11cに記憶する(探傷情報管理手段)。
【0020】また、制御装置11は、例えば、横軸を経
度,縦軸を緯度とし、ボール3の回転ピッチ及び超音波
探触子9の回転ピッチに応じたマトリクス表示を行い、
超音波探傷器10からの探傷情報をもとに、反射エコー
の強さに応じて例えば10段階に色分けし、これに対応
する位置情報で特定される緯度経度に該当するマトリク
ス上の位置を反射エコーの強さに応じた色で表示装置1
1dに表示する。また、必要に応じてこのマトリクス表
示をカラープリンタ,或いはカラープロッタ等に出力す
るようになっている。
【0021】これによって、オペレータはボール3の各
探傷部位における探傷情報を一目で認識できるようにな
っている。前記モータドライバ12は制御装置11から
の指令信号に基づいてステッピングモータ2a,5aを
回転駆動する。また、前記超音波探触子9と前記超音波
探傷器10とはプリアンプ10aを介して接続され、超
音波探触子9の検出信号がプリアンプ10aで増幅され
て超音波探傷器10に供給されるようになっている。
【0022】次に、上記第1の実施の形態の動作を説明
する。まず、初めに初期調整を行い、アルコールやアセ
トン等の揮発性の溶液の中で充分に超音波洗浄した被検
査体のボール3をボール保持台2cに載置し、ボール吸
引機構を作動してボール3をボール保持台2cに吸着さ
せる。次に、制御装置11を操作してモータドライバ1
2を駆動し、ステッピングモータ2a及び5aを駆動し
て、超音波探触子9及びスピンドル2bをそれぞれ予め
設定した機械的原点に合わせる。
【0023】次に、超音波探触子9から超音波を発信さ
せる。これによって、その反射エコーが超音波探傷器1
0を介して制御装置11に入力され、表示装置11d
は、超音波の送信タイミング,その反射エコーの受信タ
イミング及びその振幅を表示装置11dに表示する。こ
のとき、オシロスコープを接続し表示させるようにして
もよい。
【0024】そして、オペレータは、表示された反射エ
コーを参照しながら、X軸及びZ軸のマイクロメータ7
x,7zを手動操作し、反射エコーが最大となる位置を
検索し、超音波探触子9から発信される超音波が、ボー
ル3の表面球体に対し垂直に入射するように調整する。
次に、Y軸、すなわち、旋回半径方向のマイクロメータ
7yを操作し、表示装置11d上から測定した、送信し
た超音波に対する反射エコーを受信するまでの時間と、
水中の音速とをもとに、被検査体であるボール3の表面
と超音波探触子9との間の距離を調整する。そして、必
要に応じて、X軸のマイクロメータ7xを操作し、X軸
方向に所定量γだけオフセットする。このオフセット
は、超音波探触子9により探傷する深さdを所望の深さ
に設定するために行うものであり、オフセット量γは、
次のようにして設定する。
【0025】探傷深さdと、超音波伝達媒体である水か
ら被検査体のボール3に入射する際の屈折角βと、測定
条件により定まる路程長さLとの間には次式(1)の関
係がある。 d=L・sinβ ……(1) また、水中の音速V1 ,ボール3の球体中での横波の音
速をV2 ,ボール3への超音波の入射角をαとすると、
次式(2)が成り立つ。
【0026】 sinβ/V2 =sinα/V1 ……(2) ここで、ボール3の球体直径をDとした場合、ボール3
への入射角αが零に調整されている状態から、所定量γ
だけX軸方向に超音波探触子9をオフセットすると、こ
のとき所定量γとボール3への入射角αとの間には、次
式(3)が成り立つ。
【0027】 sinα=2γ/D ……(3) したがって、上記(1)〜(3)式から、所定量γは次
式(4)と表すことができる。 γ=(V1 ・D・d)/(2・V2 ・L) ……(4) よって、上記(4)式を参照して探傷深さdを満足する
所定量γを求め、X軸のマイクロメータ7xを操作して
所定量γだけオフセットする。これによって初期調整が
終了する。
【0028】次に、この初期状態から、ステッピングモ
ータ2a,5aを所定のピッチで回転駆動させると共
に、超音波探触子9から所定のタイミングで超音波を発
信させる。まず、ステッピングモータ2aを、予め設定
した経度方向のスキャンピッチに応じたピッチ分だけ回
転駆動し、ボール3を経度方向に回転させる。そして、
ボール3が所定位置に移動したとき超音波探触子9から
超音波を発信させ、超音波探触子9と対向するボール3
の部位に対する探傷を行う。よって、例えば、初期状態
における超音波探触子9とボール3との位置関係におけ
る超音波探触子9によるボール3の探傷位置の緯度,経
度を(X0 ,Y0 )とし、経度方向のスキャンピッチを
ΔX,緯度方向のスキャンピッチをΔYとすると、(X
0 +ΔX,Y0 )の部位の探傷を行ったことになる。
【0029】そして、この超音波に対する反射エコーが
超音波探触子9で受信されて、これが超音波探傷器10
を介して探傷情報として制御装置11に送信される。制
御装置11では、受信した探傷情報を、ステッピングモ
ータ2a及び5aの駆動情報からボール3の(X0 +Δ
X,Y0 )における探傷情報として認識し、この位置情
報と探傷情報とを対にしてメモリ11cの所定の記憶領
域に記憶する。また、表示装置11dに、ボール3の表
面の各位置を、緯度,経度方向にそれぞれスキャンピッ
チ毎にマトリクス表示する。そして、位置情報で指定さ
れた緯度,経度に該当する表示画面上の位置を、探傷情
報に基づく反射エコーの強さに応じて10段階に色分け
して表示する。これによって、ボール3の(X0 +Δ
X,Y0 )に対する探傷に対する処理が終了する。
【0030】次に、制御装置11では、上記と同様にし
てモータドライバ12を介してステッピングモータ2a
をスキャンピッチに応じた量だけ回転させる。これによ
って、超音波探触子9に対向するボール3の経度がずれ
て、超音波探触子9はボール3の(X0 +2ΔX,
0 )に対向することになる。そして、上記と同様にし
て超音波探傷器10を駆動して超音波を発生させ、その
反射エコーを受信する。そして、上記と同様に、表示装
置11dへの表示処理,及びメモリ11cへの記憶処理
を行う。そして、この操作を繰り返し行い、スピンドル
2bを1回転させたとき、初期状態の緯度Y0 における
ボール3の経度全周について探傷が行われたことにな
る。
【0031】次に、スピンドル2bが1回転した時点
で、今度はステッピングモータ5aを予め設定した緯度
方向のスキャンピッチに応じた量だけ回転駆動し、スピ
ンドル5bをスキャンピッチΔYに応じた量だけ回転さ
せる。これによって、超音波探触子9が図1において上
方に旋回し、超音波探触子9と対向するボール3の緯度
が上方にずれ、超音波探触子9はボール3の(X0 ,Y
0 +ΔY)の位置に対向することになる。
【0032】そして、この状態から上記と同様にステッ
ピングモータ2aを所定のピッチ量ずつ順次回転させ、
経度全周について探傷を行い、順次その探傷結果を表示
装置11dに表示すると共に、メモリ11cに記憶す
る。そして、ボール3をスキャンピッチΔX毎に一回転
させた時点で、超音波探触子9をスキャンピッチΔYだ
け上方に旋回させるという操作を繰り返し行い、超音波
探触子9が初期状態Y0 +95度の位置に対向するまで
の範囲について探傷を行ったとき、探傷処理を終了し、
ステッピングモータ2a,5aを駆動してスピンドル2
bと超音波探触子9とを機械的な原点に戻す。
【0033】ここで、緯度の探傷は赤道上から極までの
90度の範囲について行えばよいが、余裕分を考慮して
95度の範囲について探傷を行っている。なお、この余
裕分を極側及び赤道側の両側に設け、例えば、−2.5
度から+92.5度の範囲について探傷を行うようにす
ることも可能である。また、余裕分は5度に限らず任意
に設定することができる。
【0034】そして、この時点で、ボール3の上半球の
表面及びその表面近傍の探傷がくまなく行われたことに
なる。よって、表示装置11dには、ボール3の上半球
の表面の探傷結果がその反射エコーの強さに応じて色分
けされて表示され、また、上半球の各緯度経度における
探傷上方がメモリ11cに格納される。ここで、緯度方
向及び経度方向のそれぞれのスキャンピッチΔX,ΔY
の設定は次のように行う。
【0035】まず、予め、欠陥として検出しようとする
最小の欠陥を有するボールを、例えば、人口欠陥を埋め
込む等によって形成する。そして、この欠陥ボールにつ
いて探傷を行い、欠陥に対する反射エコー(以下、欠陥
エコーという。)の振幅が最大となる位置を検索する。
そして、超音波探触子9が欠陥エコーの強さが最大とな
る位置に対向する状態から、まずステッピングモータ5
aを駆動して超音波探触子9を緯度方向に移動させ、そ
の振幅が所定量,例えば6〔dB〕下がるまでの緯度方
向の変位量を検出しこれを緯度方向のスキャンピッチΔ
Yとする。同様にして、超音波探触子9が欠陥エコーの
強さが最大となる位置に対向する状態から、欠陥ボール
を経度方向に回転させ、その振幅が例えば、6〔dB〕
下がるまでの経度方向の変位量を検出してX軸方向のス
キャンピッチを求めるが、X軸方向のスキャンピッチに
ついては以下のように補正する。すなわち、制御装置1
1では、ステッピングモータ2a,5aに対して角度制
御を行っているため、経度方向に関してはボール3上で
の赤道付近と極付近とではスキャンピッチが異なり、同
一角度毎に探傷を行っても、赤道付近は極付近に比較し
てスキャンピッチが粗くなることになって、この値をそ
のまま経度方向のスキャンピッチとして設定することが
できない。よって、実際に欠陥のある位置(緯度)にお
いて、上記のようにして検出した経度方向のスキャンピ
ッチを、欠陥位置(緯度)をもとに欠陥ボールに形成し
た欠陥が赤道状に形成された場合に換算した値を経度方
向のスキャンピッチΔXとして設定する。このようにす
れば、少なくとも、欠陥ボールに形成した欠陥程度以上
の欠陥については確実に検出することができる。
【0036】また、このとき、緯度の変化に応じてボー
ル3を回転駆動するステッピングモータ2aの角度制御
量を変更し、ボール3上でのスキャンピッチΔXの平均
化を図るようにし、極付近では角度制御量を大きくし、
赤道付近では角度制御量を小さく設定するようにしても
よい。したがって、表示装置11dには、ボール3に対
する探傷結果が色分け表示されているから、これを参照
することによってボール3の探傷結果が一目でわかり、
例えば、反射エコーの強さが予め設定した所定の基準値
よりも大きい場合には、まず、ボール3の表面に汚れや
気泡が付着していないかどうかを、肉眼、或いは拡大鏡
等によって確認する。そして、表示装置11d上から異
常発生箇所の位置を読み取って、これを処理装置11に
おいてキー入力し、再度探傷検査を行う範囲を特定す
る。
【0037】これによって、演算装置11では、キー入
力されたボール3上の位置に超音波探触子9が対向する
位置関係となるようボール3及び超音波探触子9を移動
させる指令信号を形成し、これをモータドライバ12に
出力する。これによって、ステッピングモータ2a及び
5aが所定量だけ駆動され、キー入力により特定したボ
ール3上の位置に超音波探触子9が対向する位置関係と
なり、この状態から上記と同様にして、ステッピンング
モータ2a,5a,超音波探傷器10を駆動すれば、異
常発生箇所付近の再検査を容易に行うことができる。
【0038】そして、異常発生原因が電気的なノイズ等
の影響による場合には、再検査の探傷情報としては前回
よりも小さな反射エコーしか測定されないから、ノイズ
の影響によるものと判定することができる。したがっ
て、例えば、前述した方法で予め設定したスキャンピッ
チ以下で、スキャンピッチを粗く設定して全周に対して
探傷を行い、異常発生箇所、すなわち、反射エコーの強
さが予め設定した基準値よりも大きい部位についてはそ
の部位周辺についてよりスキャンピッチを細かく設定
し、詳細に探傷を行うようにすれば、効率よく探傷を行
うことができ探傷に要する時間を短縮することができ
る。
【0039】また、ボール3に転がり運動をさせないよ
うにしているので、水中でも偶発的な滑り等が生じにく
い。さらに、ボール3はボール保持台2cに吸引機構に
よって吸着されているので、これらボール3及びボール
保持台2cが水中にあっても、ボール3及びボール保持
台2cとの間への水の侵入によってずれが生じることは
なく、よって、スピンドル2bと一体となってボール3
が回転するのでより安定した状態となる。したがって、
ボール3の回転が不規則になることはなく、ボール3と
超音波探触子9との位置決めを高精度に行うことがで
き、確実に所定のスキャンピッチでボール3の探傷を行
うことができるから、探傷精度の低下を防止することが
できる。
【0040】したがって、探傷精度を低下させることな
く、探傷に要する時間を短縮することができる。また、
上記第1の実施の形態においては、XYZステージ7を
介してアーム6と探触子固定柱8とが固定されているか
ら、XYZステージ7を調整することによりボール3に
対する超音波探触子9の相対位置の微調整を容易に行う
ことができ、よって、微調整を行うことによって最適な
位置関係で探傷を行うことができるから高精度に探傷検
査を行うことができる。また、X軸方向の微調整を容易
に行うことができるから、超音波の入射角を容易に変更
することができ、よって、探傷深さdを任意に設定する
ことができる。
【0041】そして、このようにしてボール3の半球に
の測定が終了したら必要に応じてボール3を180度上
下に反転し、上記と同様に処理することによって、残り
の半球についても測定を行うことができる。次に、上記
発明の第2の実施の形態を説明する。図3は、第2の実
施の形態における超音波探傷装置100の概略構成を示
したものである。この第2の実施の形態は上記第1の実
施の形態において、被検査体であるボール3を180度
反転する反転装置15を設け、自動的にボール3の全表
面にわたって探傷を行うことができるようにしたもので
あり、反転装置15が追加されたこと以外は上記第1の
実施の形態と同様であるので、同一部分の詳細な説明は
省略する。
【0042】図3において、16は載置台であって、中
空の直方体状に形成されている。載置台16の上面の中
央やや右よりには、超音波伝達媒体としての水が貯水さ
れた水槽1が載置されている。そして、上記第1の実施
の形態で説明したように、この水槽1の下面にボール駆
動部2が載置台16を貫通して配設され、また、水槽1
の側面の1つに、探触子駆動部5が配設されている。
【0043】そして、この探触子駆動部5が配設された
水槽1の側面と対向する側面に隣接する位置に、載置台
16を貫通して反転装置15が取り付けられている。こ
の反転装置15は、ガイド付きエアシリンダからなるシ
リンダ部17と、このシリンダ部17によって上下方向
に移動されるチャック部18とから構成されている。シ
リンダ部17は、前述の制御装置11によって駆動制御
されるエアシリンダ19と、エアシリンダ19から進退
自在に突出するロッド20とを備えており、ロッド20
の両端には円板状のフランジ20u,20dが固定され
ている。そして、エアシリンダ19が水槽1の側面に隣
接して載置台16に鉛直方向に固定され、ロッド20が
載置台16を貫通して上下方向に移動可能に形成されて
いる。
【0044】一方、前記チャック部18は、図4に示す
ように、制御装置11によって駆動制御されるエアチャ
ック21と、エアチャック21により駆動される挟持部
22とから構成され、エアチャック21に固定された取
り付け部材21aと、前記シリンダ部17のフランジ2
0uとが、アーム23を介して固定され、ロッド20の
上下移動に伴い、チャック部18がロッド20と一体と
なって上下方向に移動するようになっている。
【0045】そして、エアチャック21の下面には一対
の可動部材24が配設され、エアチャック21を駆動制
御することによって、可動部材24がこれら間の中間点
を基準として共に同量だけ互いに反対方向に移動し、可
動部材24間の間隔が調整されるようになっている。ま
た、各可動部材24には、それぞれ挟持部材25及び2
8が取り付けられている。
【0046】図4は、ロッド20が下方(図3に二点鎖
線で示す。)に位置決めされた状態を示しており、前記
各挟持部材25及び28には、それぞれ、内側が逆円錐
状に形成された円筒状の保持部材26が互いに対向して
配設され、このとき、保持部材26間を結ぶ直線とボー
ル保持台2cの回転軸とが、保持部材26間を結ぶ直線
の中点で直交するように配設されている。
【0047】そして、一方の挟持部材25には、制御装
置11によって駆動制御されるエアロータリアクチュエ
ータ27が設けられ、エアロータリアクチュエータ27
の回転軸27aに保持部材26が固定されている。ま
た、他方の挟持部材28に回転可能に軸支された回転軸
28aに保持部材26が固定されている。そして、ボー
ル保持台2cに載置されたボール3を保持部材26によ
って両側から挟んだ状態で、エアロータリアクチュエー
タ27を回転駆動することにより、保持部材26と一体
となってボール3が回転するようになっている。
【0048】図5は、図3における超音波探傷装置10
0のブロック図を示したものであり、図2に示す上記第
1の実施の形態におけるブロック図において反転装置1
5及び電磁弁群29が追加されている。そして、制御装
置11は、上記第1の実施の形態と同様に、モータドラ
イバ12を介してステッピングモータ2a,5aを駆動
制御すると共に、超音波探傷器10を駆動制御し、ま
た、超音波探傷器10からの探傷情報に対して所定の処
理を行う。また、電磁弁群29を駆動制御して、反転装
置15のエアシリンダ19,エアチャック21,エアロ
ータリアクチュエータ27を駆動制御する。
【0049】次に、上記第2の実施の形態の動作の説明
をする。なお、初期状態では、チャック部18はエアシ
リンダ19でロッド20を最大限上昇させた位置にある
ものとし、また、保持部材26はエアチャック21で可
動部材24間の間隔を最大とした位置にあるものとす
る。今、上記第1の実施の形態で説明したように操作を
行い、ボール保持台2cに載置したボール3の上半球に
ついての探傷が終了したものとする。ここで、この時点
でのボール3の上半球を半球Aとし、下半球を半球Bと
する。
【0050】制御装置11では、まず、ボール保持台2
cに設けられた図示しないボール吸引機構によるボール
3の吸着を解除させる。次に、エアシリンダ19を駆動
してロッド20を下降させ、保持部材26をボール3を
挟持可能な位置まで移動させ、エアチャック21を駆動
して保持部材26間の間隔を狭くし、保持部材26によ
りボール3を掴ませる。この状態で、エアシリンダ19
によりロッド20を所定量(ボール3を緯度方向に回転
させることの可能な量)上昇させ、エアロータリアクチ
ュエータ27を駆動して、回転軸27aを180度回転
させる。これによって、保持部材26と共にボール3も
180度回転される。
【0051】そして、エアシリンダ19によりロッド2
0を下降させて、ボール3をボール保持台2cに載置
し、エアチャック21を駆動して保持部材26間の間隔
を広げ、この状態でエアシリンダ19を駆動してチャッ
ク部18を上昇させる。これによって、ボール3は18
0度回転されてボール保持台2cに載置されたことにな
る。
【0052】そして、この状態で再度、ボール吸引機構
を作動させてボール3をボール保持台2cに吸着した状
態で、制御装置11によりボール駆動部2及び探触子駆
動部5を所定のタイミングで駆動してボール3及び超音
波探触子9を回転させ、前記と同様の手順を繰り返すこ
とによって、ボール保持台2cに載置されたボール3の
半球Bの探傷が行われたことになり、先に半球Aの探傷
を行ったからボール3の全球面に対して探傷が行われた
ことになる。
【0053】したがって、上半球の探傷が終了した時点
でボール3を反転させて、下半球についての探傷を行う
ようにする場合には、反転時の誤差によって探傷もれが
生じることのないように、この誤差分を考慮して緯度方
向の探傷を所定の探傷範囲よりも広い範囲にわたって探
傷を行う必要があるが、反転装置15によりボール3を
反転させることによって、ボール3を高精度に180度
回転させることができるから、誤差分に伴う探傷範囲の
増加分をより小さく設定することができる。
【0054】次に、上記発明の第3の実施の形態につい
て説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態におけ
る超音波探傷装置100のブロック図を示したものであ
り、図5に示す上記第2の実施の形態における超音波探
傷装置100のブロック図において、XYZステージ7
のマイクロメータ7xを駆動するステッピングモータ3
1を追加したこと以外は同一である。
【0055】ステッピングモータ31は、前述のモータ
ドライバ12を介して制御装置11によって回転駆動さ
れるようになっている。そして、ステッピングモータ3
1の回転軸と、マイクロメータ7xの回転部材とが固定
され、ステッピングモータ31が回転することによって
マイクロメータ7xが回転駆動され、超音波探触子9が
図1において矢印X方向に移動可能に形成されている。
【0056】そして、制御装置11は、上記第2の実施
の形態における制御装置11と同様に、ステッピングモ
ータ2a,5a,超音波探傷器10,反転装置15の駆
動制御処理を行うと共に、探傷情報に対する表示処理及
び記憶処理を行う。また、キー入力された被検査体のボ
ールの直径D,水中の音速V1 ,ボールの球体中での横
波の音速V2 ,探傷深さdの偏差量Δd,路程長さL等
の入力データと、前述の式(4)とに基づいて、オフセ
ット量γを算出し、算出したオフセット量γだけ超音波
探触子9を移動させるマイクロメータ7xの回転量に応
じた制御信号を形成し、これをモータドライバ12に出
力する。そして、この操作をボール3の全球面について
探傷を行う毎に、偏差量Δd毎に探傷深さdを変化さ
せ、ボール3について偏差量Δd間隔の探傷深さにおけ
る探傷を自動的に行う。
【0057】次に、上記第3の実施の形態の動作を説明
する。まず、上記第1の実施の形態と同様にして、初期
調整を行い、アルコールやアセトン等の揮発性の溶液の
中で充分に超音波洗浄した被検査体のボール3をボール
保持台2cに載置し、ボール吸引機構を作動してボール
3をボール保持台2cに吸着させ、超音波探触子9及び
スピンドル2bをそれぞれ予め設定した機械的原点に合
わせる。
【0058】そして、超音波探触子9から超音波を発信
させ、オペレータが、この反射エコーを参照しながら、
マイクロメータ7x,7y,7zを手動で操作し、超音
波探触子9とボール3との位置関係を調整する。そし
て、この状態で、制御装置11において、被検査体のボ
ールの直径D,水中の音速V1 ,ボールの球体中での横
波の音速V2 ,探傷深さdの偏差量Δd,路程長さLを
キー入力する。
【0059】これによって、制御装置11ではメモリ1
1cに格納している前記(4)式の演算処理を行って、
まず、予め設定した探傷深さの初期値d0 に対するオフ
セット量γを演算し、このオフセット量γを満足するス
テッピングモータ31に対する指令信号を形成してこれ
をモータドライバ12に出力する。これによって、ステ
ッピングモータ31が回転駆動され、マイクロメータ7
xが操作されてオフセット量γ分だけ超音波探触子9と
ボール3との位置関係が緯度方向にずれる。
【0060】そして、この状態から、上記第1及び第2
の実施の形態と同様にして、ステッピングモータ2a,
5aをそれぞれ所定量ずつ所定のタイミングで回転駆動
し、まず、ボール3の半球Aについての探傷を行うと共
に、探傷データをもとに探傷結果を表示装置11dに順
次マトリクス表示し、また、メモリ11dに記憶する。
【0061】そして、ボール3の半球Aについて探傷が
終了したとき、反転装置15を駆動してボール3を反転
させて半球Bを上方にしてボール保持台2cに載置し、
同様にして半球Bについて探傷を行う。これによって、
探傷深さd0 についてボール3の全球面について探傷が
行われたことになる。次に、再度反転装置15を駆動し
て再度半球Aを上方にしてボール保持台2cに載置す
る。そして、探傷深さの初期値d0 に増加量Δdを加算
した探傷深さdについて、上記(4)式に基づいてオフ
セット量γを算出し、これを満足するステッピングモー
タ31への指令信号を形成してモータドライバ12に出
力する。これによって、超音波探触子9とボール3との
位置関係が緯度方向にさらにずれる。そして、上述と同
様にして、半球A,半球Bについてそれぞれ全周に対し
て探傷することにより、探傷深さd0 +Δdについてボ
ール3の全球面について探傷が行われたことになる。
【0062】この操作を繰り返し行うことによって、自
動的に、X軸方向のオフセット量γが算出されて、ボー
ル3と超音波探触子9との位置関係が調整され、入射角
が変更されるから、超音波探触子9により探傷深さd0
から順にΔd毎に深い探傷深さにおける探傷が行われる
ことになる。
【0063】したがって、オペレータは、上記第1の実
施の形態と同様にして予め設定したスキャンピッチ以下
の粗いピッチで探傷した各探傷深さにおける探傷結果を
参照し、欠陥が生じている可能性がある箇所について例
えば範囲を特定する等によって、再度より細かいピッチ
で探傷するようにすれば、探傷精度の低下を招くことな
く、探傷に要する時間を大幅に削減することができる。
なお、このとき、各探傷深さ毎に異常検出箇所について
再探傷を行うようにしてもよい。
【0064】また、所定の数値をキー入力することによ
って超音波探触子9の位置調整が行われるから、入射角
の調整を容易確実に行うことができ、また、所望の探傷
深さを任意に設定することが容易にできる。なお、上記
第3の実施の形態では、マイクロメータ7xをステッピ
ングモータによって駆動することによってX軸方向のオ
フセットを行うようにした場合について説明したが、例
えば、マイクロメータ7xに替えてピエゾアクチュエー
タをアーム6と探触子固定柱8との間に設け、ピエゾア
クチュエータを駆動制御することによってX軸方向の調
整を行うようにすることも可能である。
【0065】また、上記第3の実施の形態では、マイク
ロメータ7xのみをステッピングモータによって駆動す
る場合について説明したが、マイクロメータ7y,7z
についても、同様に、ステッピングモータによって駆動
するようにしてもよく、また、これらについてピエゾア
クチュエータを適用することも可能である。また、上記
第3の実施の形態では、ある探傷深さにおける全球面の
探傷が終了した時点で探傷深さを変更して、再度全球面
について探傷を行うようにした場合について説明した
が、例えば、ボール3の半球Aに対して順次探傷深さを
変更して探傷を行い、所定の探傷が終了した時点で反転
装置15によりボール3を反転させ、今度は半球Bにつ
いて順次探傷深さを変更して探傷を行うようにすること
も可能である。
【0066】なお、上記第1から第3の実施の形態で
は、各緯度毎にその緯度における各経度での探傷を行う
ようにした場合について説明したが、例えば、ボール3
のある経度における緯度方向の探傷が全て終了したとき
に、ボール3を所定のピッチ分だけ経度方向に移動する
というように、各経度毎にその経度における各緯度での
探傷を行うようにすることも可能である。また、ボール
3が1回転する間に、超音波探触子9を所定のピッチ分
だけ緯度方向に動かすことによって、ボール3を螺旋状
に探傷するようにすることも可能である。
【0067】
【実施例】以下に、上記発明の実施例を説明する。被検
査対象として、直径が9/16〔インチ〕,窒化けい素
を焼結する際に、大きさが約30〔μm〕の鉄粉を表面
から深さ500〔μm〕の位置に埋め込んだ、人工的に
欠陥を形成したセラミックボールについて、図1に示す
超音波探傷装置100で探傷を行った。
【0068】このとき、上記の条件では、前記(4)式
において、水中の音速V1 =1480〔m/sec〕,
ボール3の球体中での横波の音速V2 =6250〔m/
sec〕,探傷深さd=0.5〔mm〕,路程長さL=
0.75〔mm〕,ボール3の球体直径D≒14.28
75〔mm〕であったので、これらをもとにオフセット
量γ(≒1,128〔mm〕)を求めた。
【0069】その結果、表示装置11dに表示されたマ
トリクス表示の反射エコーの強さ別の色分け表示から、
予め埋め込んだ人口欠陥に該当する位置の反射エコーが
基準値よりも強く現れており、人口欠陥が確実に探傷さ
れることが確認された。また、マトリクス表示からその
欠陥位置を特定することができるので、再度特定された
位置近辺を再探傷するこによってより具体的に欠陥の状
態を確認することができた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る超音
波探傷装置によれば、被検査体駆動手段の駆動状況に関
わらず、被検査体と保持手段との相対位置関係は一定に
保持されるから、被検査体と超音波探傷用探触子とを高
精度に位置決めすることができ、探傷精度を向上させる
ことができる。また、超音波探傷用探触子による探傷位
置の位置情報と、この位置における超音波探傷用探触子
の検出情報とが対応づけられて探傷情報管理手段で管理
されるから、この管理情報を参照すれば、被検査体の異
常検出箇所を容易に認識することができ、よって、再検
査を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波探傷
装置の一例を示す要部の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における超音波探傷
装置のブロック図でである。
【図3】本発明の第2の実施の形態における超音波探傷
装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】反転装置のチャック部の詳細を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における超音波探傷
装置のブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における超音波探傷
装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 水槽 2 ボール駆動部 2a ステッピングモータ 2b スピンドル 2c ボール保持台 3 ボール 5 探触子駆動部 5a ステッピングモータ 5b スピンドル 6 アーム 7 XYZステージ 7x,X軸用マイクロメータ 7y,Y軸用マイクロメータ 7z,Z軸用マイクロメータ 8 探触子固定柱 9 超音波探触子 10 超音波探傷器 11 制御装置 12 モータドライバ 15 反転装置 16 載置台 17 シリンダ部 18 チャック部 19 エアシリンダ 20 ロッド 21 エアアクチュエータ 22 挟持部 26 保持部 27 エアロータリアクチュエータ 29 電磁弁群 31 ステッピングモータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体に対して超音波探傷用探触子を
    相対的に位置決めし、前記被検査体の欠陥を検出する超
    音波探傷装置において、前記被検査体を、当該被検査体
    との相対位置関係を一定としたまま保持する保持手段
    と、当該保持手段を回転駆動する被検査体駆動手段と、
    前記超音波探傷用探触子を前記被検査体の周囲に旋回さ
    せる探触子旋回手段と、前記被検査体駆動手段及び前記
    探触子旋回手段の駆動情報をもとに前記被検査体の探傷
    位置を検出し、当該探傷位置の位置情報と当該探傷位置
    に対する前記探傷用探触子による探傷情報とを対応づけ
    て管理する探傷情報管理手段と、を備えることを特徴と
    する超音波探傷装置。
JP7199739A 1995-08-04 1995-08-04 超音波探傷装置 Pending JPH0949826A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111896628A (zh) * 2020-06-30 2020-11-06 洛阳轴承研究所有限公司 一种氮化硅陶瓷球超声波无损检测方法

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