JPH0949523A - 超電導磁気軸受装置の磁石部補強構造及びこれに用いる組立て治具 - Google Patents

超電導磁気軸受装置の磁石部補強構造及びこれに用いる組立て治具

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JPH0949523A
JPH0949523A JP20232995A JP20232995A JPH0949523A JP H0949523 A JPH0949523 A JP H0949523A JP 20232995 A JP20232995 A JP 20232995A JP 20232995 A JP20232995 A JP 20232995A JP H0949523 A JPH0949523 A JP H0949523A
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magnet
jig
ring assembly
multilayer
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JP20232995A
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Norio Ito
紀夫 伊東
Junichiro Shinozaki
順一郎 篠崎
Hiroshi Imaizumi
寛 今泉
Hisami Bessho
久美 別所
Fusao Akiyama
房夫 秋山
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NIPPON FUKUGOU ZAIRYO KK
Seiko Epson Corp
Original Assignee
NIPPON FUKUGOU ZAIRYO KK
Seiko Epson Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/0408Passive magnetic bearings
    • F16C32/0436Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part
    • F16C32/0438Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フープを磁石部の外周に装着する場合、圧入
装着に最適なフープの形状寸法やフープの装着を容易化
する磁石部補強構造と組立て治具を得ること。 【構成】 超電導磁気軸受装置の回転体部Bに装着され
る磁石部1において、磁石部は回転体部の軸心を同心と
する多層磁石リング組立体2を備え、組立体2の外周側
には、その内径が前記組立体の外径より小さいCFRP
製のリング状のフープ5を拡径して装着して、このフー
プにより前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮
し、フープの軸方向高さH及び内径Dと、当該フープの
周方向の引張り破壊応力σt、軸方向の圧縮破壊応力σ
z及び摩擦係数μとの間において、(H/D)<(1/
2μ)・(σz/σt)となる磁石部補強構造。多層磁
石リング組立体2を同心に載置するベース治具12と、
フープを所定の締め代分まで拡径する傾斜面を備えたガ
イド治具13とから構成される組立て治具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、高速回転を必
要とする流体機械や工作機械、余剰電力をフライホイー
ルの回転エネルギーに変換して貯蔵する電力貯蔵装置等
に用いられる超電導体を用いた超電導磁気軸受装置の、
磁石部を補強する構造及びこれに用いる磁石部の組立て
治具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導体を利用して、回転体(以
下、回転軸を含む意味で用いる。)を非接触状態で軸支
することにより高速回転を可能とした超電導磁気軸受装
置が開発されている。
【0003】この種の超電導磁気軸受装置は、固定体部
に装着される超電導体部と、回転体部に装着される永久
磁石を有する磁石部とを備え、超電導体部と磁石部とを
間隔を設けて向き合うように配設された構成が一般的と
されており、回転体部の回転動作時には、この回転体部
と共に磁石部が回転するように構成されている。
【0004】この磁石部の永久磁石としては、Pr−F
e−B−Cu系の熱間加工方法により製造された永久磁
石や、Nd−Fe−B系の焼結磁石が、一般的に用いら
れている。ところが、前者の引張強度は、24Kg/m
2を上限とし、後者の引張強度は、8Kg/mm2を上
限としており、比較的に磁石の引張強度は低い。他方、
これらの磁石の圧縮強度は、略100Kg/mm2とな
っており、極めて高い。従って、回転動作時に、磁石部
を回転破壊させないためには、回転遠心力により磁石に
生じる引っ張り力を、この引張強度内に収める必要があ
り、その結果回転数が制約されていた。特に、余剰電力
をフライホイールの回転エネルギーとして蓄積し電力負
荷を平準化する電力貯蔵装置においては、回転速度が増
加できれば、蓄積できるエネルギー容量が飛躍的に増大
するので、高回転化が望まれているが、この制約により
高性能化が阻害されているという問題を生じていた。
【0005】そこで、本発明者等は、磁石部を圧縮した
プレストレスを与えておいて、見掛け上の引張強度を向
上させることにより、高速回転を可能とした磁石部の補
強構造を既に提案している(特願平7−29490号、
同7−56208号、同7−74066号、同7−81
446号)。
【0006】すなわち、前述したように、回転体部に設
置される磁石は、その引張強度は比較的に低い一方、圧
縮強度は略100Kg/mm2と極めて高い。本発明者
等はこの点に着目し、磁石に予め圧縮力を付与しておく
ことを基本とし、そして、単にフープによる圧縮力の付
与のみならず、付与圧縮力つまりフープによって加えら
れた力が、回転の際の遠心力により減少させられるのを
可及的に阻止することができる構成(装置及び方法)を
提案した。
【0007】そして、このフープは、永久磁石よりも比
重が小さくて、回転時に自身に生じる回転遠心力の悪影
響を被ることが少なく、且つ引張破壊強度の大きい材料
により構成され、更に、このフープによる永久磁石の半
径方向及び周方向のそれぞれの圧縮力を、前記回転体部
の停止時に磁石の圧縮破壊応力より小さい最適に設定し
たものである。すなわち、最適な応力状態は、回転停止
時に、磁石部の磁石をフープにより限界の圧縮強度まで
圧縮すると共に、フープ自体には余裕が有るような引張
応力を持たせるようにすることが望ましい。つまり、こ
のフープの余裕量は、磁石が回転動作時の遠心力により
破壊される回転数において、フープ自体に作用する遠心
力による引張応力や磁石からの引張応力の合計より、大
きくなければならない。
【0008】このようにして、先に提案したものは、少
なくとも回転体部の磁石部は、回転体部の軸心を同心と
する永久磁石を備え、そして、前記永久磁石の外周側
に、当該永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮するリン
グ状のフープを装着した構成からなる装置及び方法であ
り、高速回転化に対応できるだけでなく、永久磁石の外
形状を大きくしても、磁石の機械的強度を向上させるこ
とができるので、載荷力の大きな超電導磁気軸受装置を
得ることができるものであった。
【0009】また、このフープ部材としては、磁石に比
べて比重が軽く、引張り強度が高い炭素繊維入り強化プ
ラスチック(CFRP)が用いられている。このCFR
Pは、基本的に炭素繊維を、芯となる所定寸法のマンド
レルに巻き付け、これをプラスチック成形により所定の
外径状に形成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
フープを磁石部に装着する作業が、困難であるという不
都合が生じていた。
【0011】すなわち、直接、炭素繊維を磁石部の外周
に張力を働かせながら巻き付け、巻き付け後に必要な応
力状態となっていることが理想的であるが、現状におい
ては、巻き付け作業の張力制御等が困難なので、実用的
でない。また、設計通りの応力状態に巻きつけたかを判
別するには、実際に回転動作させて回転破壊が生じない
か否かでないと決定することができない。
【0012】そこで、所定の圧縮応力を与える締め代を
確保するために、磁石部の外径よりも内径が小さいフー
プを拡径しながら圧入することになるが、このフープと
して用いられるCFRPは、極異方性材料として知ら
れ、その円周軸方向の引張強度は、極度に大きい一方、
これに対して横方向の応力には、比較的に弱い。このた
め、組立て時の圧入力によりフープ端面から崩壊した
り、フープを拡径する治具の傾斜角度によっては、フー
プの外周面にひびが入ったりして、フープ自体を損傷し
て、フープ圧入装着が不可能となる不都合があった。
【0013】従って、本発明は、これらの原因を、材料
力学的に厳密に考察することにより、先に提案したフー
プを磁石部の外周に装着した超電導磁気軸受装置及び方
法において、圧入装着に最適なフープの形状寸法や、フ
ープの装着を容易化する、磁石部補強構造とこれに用い
る組立て治具を提供すること目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、超電導磁気軸受装置の回転体部に装着される
磁石部において、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を
同心とする、環状永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層
磁石リング組立体を備え、前記多層磁石リング組立体の
外周側には、その内径が前記多層磁石リング組立体の外
径より小さい炭素繊維入り強化プラスチック(CFR
P)製のリング状のフープを拡径して装着して、このフ
ープにより前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧
縮し、更に、前記フープの軸方向高さH及び内径Dと、
当該フープの周方向の引張り破壊応力σt、軸方向の圧
縮破壊応力σz及び摩擦係数μとの間において、 (H/D)<(1/2μ)・(σz/σt) で示される不等式を充足する構成の超電導磁気軸受装置
の磁石部補強構造である。
【0015】本願第2請求項に記載した発明は、超電導
磁気軸受装置の回転体部に装着される磁石部において、
前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
を備え、前記多層磁石リング組立体の外周側には、その
内径が前記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素
繊維入り強化プラスチック(CFRP)製のリング状の
フープを拡径して装着して、このフープにより前記環状
永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮し、更に、前記フ
ープ径方向の厚さtが、フープ軸方向の高さHよりも小
さく形成されている構成の超電導磁気軸受装置の磁石部
補強構造である。
【0016】本願第3請求項に記載した発明は、超電導
磁気軸受装置の回転体部に装着される磁石部を組立てる
治具において、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同
心とする、環状永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁
石リング組立体を備え、前記多層磁石リング組立体の外
周側には、その内径が前記多層磁石リング組立体の外径
より小さい炭素繊維入り強化プラスチック(CFRP)
製のリング状のフープを拡径して装着して、このフープ
により前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮す
るものであって、前記治具に前記フープを所定の締め代
分まで拡径する傾斜面を備え、フープを拡径する組立て
治具の傾斜ガイド部の傾斜角度θ(rad)が、フープ
の許容可能な剪断応力τと横弾性係数Gとから、 θ<τ/G で示される不等式を充足する構成の超電導磁気軸受装置
における磁石部の組立て治具である。
【0017】本願第4請求項に記載した発明は、前記請
求項3において、前記組立て治具の傾斜ガイド部と、軸
に平行な移行ガイド部とをつなぐつなぎ部の径方向断面
形状における丸み半径Rが、フープ径方向の厚みtと、
該丸み半径Rによりフープ外周面に生じる曲げ応力σt
zと、フープのヤング率EHとから、 R≧(t/2)・[(EH/σtz)−1] で示される不等式を充足する構成の超電導磁気軸受装置
における磁石部の組立て治具である。
【0018】本願第5請求項に記載した発明は、超電導
磁気軸受装置の回転体部に装着される磁石部を組立てる
治具において、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同
心とする、環状永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁
石リング組立体を備え、前記多層磁石リング組立体の外
周側には、その内径が前記多層磁石リング組立体の外径
より小さい炭素繊維入り強化プラスチック(CFRP)
製のリング状のフープを拡径して装着して、このフープ
により前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮す
るものであって、前記治具は、前記多層磁石リング組立
体を同心に載置するベース治具と、この多層磁石リング
組立体に同心に載置され、前記フープを所定の締め代分
まで拡径する傾斜面を備えたガイド治具とから構成され
る超電導磁気軸受装置における磁石部の組立て治具であ
る。
【0019】本願第6請求項に記載した発明は、前記請
求項5において、前記ベース治具及びガイド治具は、各
々の中央部に同心の位置決め用の筒状で且つ弾性状の基
準位置決め部が設けられている構成の超電導磁気軸受装
置における磁石部の組立て治具である。
【0020】本願第7請求項に記載した発明は、超電導
磁気軸受装置の回転体部に装着される磁石部を組立てる
治具において、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同
心とする、環状永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁
石リング組立体を備え、前記多層磁石リング組立体の外
周側には、その内径が前記多層磁石リング組立体の外径
より小さい炭素繊維入り強化プラスチック(CFRP)
製のリング状のフープを拡径して装着して、このフープ
により前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮す
るものであって、前記治具は、前記多層磁石リング組立
体を同心に載置するベース治具と、この多層磁石リング
組立体に同心に載置され、前記フープを所定の締め代分
まで拡径する傾斜面を備えたガイド治具とから構成さ
れ、更に、前記多層磁石リング組立体の外周側に、軸方
向の両端が当該多層磁石リング組立体の軸方向の上下面
から突出し且つその外周面が前記ガイド治具の前記傾斜
面に連なるリング状部材を装着した構成の超電導磁気軸
受装置における磁石部の組立て治具である。
【0021】本願第8請求項に記載した発明は、前記請
求項7において、前記ベース治具は、前記突出したリン
グ状部材の下端を収納する基準位置決め部たる円環状溝
を備え、この円環状溝の外周壁と前記リング状部材の外
周側とを同軸基準とした構成の超電導磁気軸受装置にお
ける磁石部の組立て治具である。
【0022】本願第9請求項に記載した発明は、超電導
磁気軸受装置の回転体部に装着される磁石部を組立てる
治具において、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同
心とする、環状永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁
石リング組立体を備え、前記多層磁石リング組立体の外
周側には、その内径が前記多層磁石リング組立体の外径
より小さい炭素繊維入り強化プラスチック(CFRP)
製のリング状のフープを拡径して装着して、このフープ
により前記環状永久磁石を半径方向及び周方向に圧縮す
るものであって、前記治具は、前記多層磁石リング組立
体を同心に載置するベース治具と、この多層磁石リング
組立体に同心に載置され、前記フープを所定の締め代分
まで拡径する傾斜面を備えたガイド治具とから構成さ
れ、更に、前記フープの内周に、冷やしばめの円板状部
材を予め挿嵌しておいて、前記フープ装着時に、前記円
板状部材を、前記ガイド治具に載置すると共に平温に戻
して当該フープを拡径する構成の超電導磁気軸受装置に
おける磁石部の組立て治具である。
【0023】
【作用】本願第1請求項に記載した発明によれば、フー
プを拡径して装着して、このフープにより前記環状永久
磁石を半径方向及び周方向に圧縮しているので、磁石部
は遠心破壊に対する耐性力が向上され、この磁石部を用
いた超電導磁気軸受装置は高回転能力を得ることができ
る。更に、前記不等式により、前記フープの軸方向高さ
H及び内径Dと、当該フープの周方向の引張り破壊応力
σt、軸方向の圧縮破壊応力σz及び摩擦係数μとの間
において、応力破壊を生じることのないフープの設定を
行うことができる。
【0024】本願第2請求項に記載した発明によれば、
前記請求項1と同様に、磁石部は遠心破壊に対する耐性
力が向上され、この磁石部を用いた超電導磁気軸受装置
は高回転能力を得ることができる。更に、フープの厚さ
tが、高さHよりも小さく設定されているので、多層磁
石リング組立体の外周に安定して装着され、内周の多層
磁石リング組立体に確実に圧縮力を供給できることにな
る。
【0025】本願第3請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、前記不等式により、フープが非破壊に
て変形可能な傾斜角度θを、フープの許容可能な剪断応
力τと、一定な横弾性係数Gとから、設定することがで
きることになる。
【0026】本願第4請求項に記載した発明によれば、
前記請求項3の発明に加えて、前記不等式により、フー
プを破壊することのない半径Rを持つ丸み部を設定する
ことができる。
【0027】本願第5請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、フープの装着が容易化される治具を得
ることができる。
【0028】本願第6請求項に記載した発明によれば、
前記請求項5の発明に加えて、これらの基準位置決め部
の外周と多層磁石リング組立体の内径孔との係合によ
り、これら三者が互いに同軸に位置される。更に、これ
らの基準位置決め部は弾性状であるため、弾性変形が可
能であり、従って、フープを多層磁石リング組立体に装
着した後に、各治具から完成した磁石部の分離が容易と
なる。つまり、多層磁石リング組立体が縮径した場合
に、基準位置決め部も追随して弾性変形し縮径するの
で、多層磁石リング組立体が基準位置決め部に喰い付く
程度を軽減することができ、各基準位置決め部から多層
磁石リング組立体を容易に抜き取ることができる。
【0029】本願第7請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、フープの装着が容易化される治具を得
ることができる。更に、その軸方向の両端を多層磁石リ
ング組立体の上下面から突出して形成されるリング状部
材を用いているので、この突出部を用いて、フープ多重
装着による多層磁石リング組立体の内径変化に拘りな
く、各治具と多層磁石リング組立体2との同軸位置決め
が行われる。また、組立終了後には、外周側に位置する
各フープが内周側の多層磁石リング組立体に付与する圧
縮力が、このリング状部材により、多層磁石リング組立
体の外周面に均一化される。
【0030】本願第8請求項に記載した発明によれば、
ベース治具の基準位置決め部の外周壁と、リング状部材
の外周側を同軸基準としているので、フープの圧入後、
このフープからの圧縮力により多層磁石リング組立体が
中心方向に縮んでも、リング状部材の内側には基準位置
決め部の空間部が存在するので、当該基準位置決め部に
喰い付くことがない。更に、多重フープ圧入工程の基準
を一つのベース治具に作成しておくことができる。ま
た、ベース治具のイジェクト・リング部は不要になり、
加えて、各工程においてリング状部材の喰い付きを逃す
後工程が不要となるので、治具及び工程数も省力化でき
る。
【0031】本願第9請求項に記載した発明によれば、
フープの内周に、冷やしばめの円板状部材を予め挿嵌し
ているので、平温に戻せば当該フープは拡径され、従っ
て、治具製作が容易化され、更に、治具自体のコンパク
ト化が図れると共に、フープ装着時の拡径作業量を減少
することができ、これによりフープ自体の負担や装着作
業の軽減化を図ることができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を図1ないし図14に示す第
1実施例に基づいて説明する。
【0033】図1は、本実施例の超電導磁気軸受装置に
おける主要部の概略構成を示す一部破断した斜視図であ
る。この超電導磁気軸受装置は、固定体部Aに装着され
る超電導体部と回転体部Bに装着される磁石部1とを備
え、超電導体部と磁石部1が間隔を設けて向き合うよう
に配設される形式の超電導軸受装置である。
【0034】前記超電導体部は、従来公知の構造を備
え、図示を省略した冷却ケースに収納されている。この
冷却ケースの外径側には、銅又は他の金属材料により形
成された環状の支持体が固定され、この支持体の内部
に、超電導体が環状に埋設されている。また、この冷却
ケース内には、冷媒が循環通流されており、超電導状態
を維持できる所定の温度に、冷却ケース内を冷却してい
る。
【0035】前記超電導体部は、イットリウム系高温超
電導体、例えばYBa2Cu3xからなる基板の内部
に、常電導粒子Y2Ba1Cu11を均一に混在させて形成
されており、内部を流れる超電導電流により、磁石部1
が発生する磁束の侵入路を、拘束する性質を有してい
る。
【0036】更に、超電導体部は、磁石部1と、軸方向
において所定の距離を設けて、対面して配置されてい
る。すなわち、これらの両者の離間距離は、この磁石部
1からの磁束が所定量に侵入できると同時に、回転体部
Bが回転しても、侵入した磁束の分布状態が変化しない
距離となっている。
【0037】前記回転体部Bは、図示を省略した軸に嵌
着される中空軸を備えたハブ4と、このハブ4に固着さ
れた磁石部1とから構成されている。この磁石部1は、
回転体部Bの軸心を同心とし、且つ隣接する磁石の着磁
方向が相互に半径方向に反発する複数の環状永久磁石1
0,10を備えるとともに、各環状永久磁石10,10
間に環状の軟磁性体ヨーク4aを介在させて多層磁石リ
ング組立体2を構成している。
【0038】本実施例においては、前記環状永久磁石1
0として、例えば、Pr−Fe−B−Cu系の熱間加工
方法で製造された永久磁石を、また、環状の軟磁性体ヨ
ーク4aには純鉄等の軟鉄を用いて形成している。この
ような構造においては、2つの環状永久磁石10,10
のN極からの磁束は、環状の軟磁性体ヨーク4aを通過
して、それぞれの環状永久磁石10,10のS極に戻
る。従って、各環状永久磁石10,10からの磁束は、
環状軟磁性体ヨーク4aにより絞られ集中化されるの
で、前記超電導体部に作用する磁束密度は、大幅に増大
することができる。
【0039】このような超電導磁気軸受装置において
は、超電導体部が、冷却ケース内を循環する冷媒により
冷却され、超電導状態に維持される。この超電導状態に
おいては、回転体部Bの環状永久磁石10からの磁束
は、超電導体内に均一に混在された常電導粒子を選択的
に通るように侵入するとともに、この侵入した磁束の回
りを超電導電流が流れることによって、磁束の侵入路が
一定に固定される。従って、回転体部Bが環状永久磁石
10と共に、あたかも磁束を介して超電導体に拘束され
ているような状態(ピンニング現象)となる。しかし、
磁束密度が変化しない方向への磁石の移動は超電導体に
束縛されないので、軸対称な磁気回路により構成された
環状永久磁石10は、回転方向への束縛を受けずにスム
ーズに回転することができる。
【0040】尚、超電導軸受装置の軸受が大型化して、
単一の環状永久磁石を形成できず、複数の永久磁石を各
々接合して環状永久磁石10,10を形成した場合にお
いても、環状永久磁石10と環状軟磁性体ヨーク4aと
を交互に配置する構成によれば、各環状永久磁石10,
10を形成する磁石の接合面に生じる磁束むらを低減で
きるので、大規模な軸受装置を製作することが可能とな
る。
【0041】また、5は、この磁石部2の最外側に装着
された補強部材たるフープで、実施例では、炭素繊維入
り強化プラスチック(CFRP)により構成されたリン
グ状の部材である。そして、このフープ5により、回転
動作時の遠心力による磁石部2の引張り破壊を防止する
ようにしている。
【0042】本実施例の組立て治具11は、図2及び図
3に示すように、超電導磁気軸受装置の磁石部1を構成
する多層磁石リング組立体2を同心に載置するベース治
具12と、この多層磁石リング組立体2に同心に載置さ
れ、所定の外形状に形成されたガイド治具13とから構
成され、これらの間に、超電導磁気軸受装置の多層磁石
リング組立体2をセットし、前記CFRP製のリング状
のフープ5を、図示を省略した円筒形状の押圧治具を用
いて、ガイド治具13の上方から押し入れ、このガイド
治具13によりフープ5を破壊しないように所定の締め
代分だけ拡径しながら、フープ5を多層磁石リング組立
体2の外周に装着して、超電導磁気軸受装置の磁石部1
として完成するようにしている。従って、組立て完了後
には、この締め代分だけ拡径されて多層磁石リング組立
体2の外周に装着されたフープ5によって、内周側の多
層磁石リング組立体2に所定の圧縮力が供給され、磁石
部1は遠心破壊に対する耐性力が向上され、この磁石部
1を用いた超電導磁気軸受装置は高回転能力を得ること
ができる。
【0043】すなわち、上記多層磁石リング組立体2は
中空の円盤状に形成され、この多層磁石リング組立体2
の内径部は、所定の寸法に形成され、軸受装置の軸に装
着可能に設けられている。また、この多層磁石リング組
立体2の最外周には、リング状部材3が設けられてお
り、このリング状部材3により、この外周側に装着され
るフープ5によって多層磁石リング組立体2に供給され
る圧縮力を均一化するようにしている。更に、この多層
磁石リング組立体2の軸方向高さ寸法は、後述するフー
プ5の高さHと、同一に設定されている。尚、この多層
磁石リング組立体2の構成は、単一の磁石により形成さ
れてものや、径方向に反発着磁された環状磁石を透磁性
体ヨークを介して多重化したものでも良く、後述する各
実施例においては、基本的に同一構成とされるので、説
明を省略することにする。
【0044】この磁石部1の外周側に装着されるリング
状のフープ5は、炭素繊維入り強化プラスチック(CF
RP)により構成され、このCFRPの材料特性は、密
度[g/cm3]が1.6、ポアソン比が0.3、ヤン
グ率(E[×1011Pa])が1.72となっている。
また、本実施例のPr磁石は、密度[g/cm3]が
7.4、ポアソン比が0.24、ヤング率(E[×10
11Pa])が1.34である。
【0045】また、この多層磁石リング組立体2の外径
寸法に応じて、フープ5の内周径が設定されている。す
なわち、予めフープ5により与える応力に応じた締め代
分だけ、小さくなるように非応力状態のフープ5内周の
内径寸法が設定されている。従って、この締め代分だけ
拡径されて、多層磁石リング組立体2の外周に装着され
たフープ5は、内周側の多層磁石リング組立体2に所定
の圧縮力を供給できるようになっている。
【0046】更に、このCFRPは極異方性材料として
知られており、その円周軸方向の引張強度は、極度に大
きい一方、これに対して横方向の許容応力は、比較的に
弱い。すなわち、フープ5を多層磁石リング組立体2に
装着する際には、フープ5に対して横方向の圧入力を加
えて装着するので、この許容応力を越えない圧入力を用
いている。
【0047】すなわち、後述するガイド治具13によ
り、フープ5が締め代分だけ拡径されると、この装着手
順中において最大にフープ5は拡径されるので、フープ
5自体に最大の内部応力が生じることになる。従って、
フープ5を多層磁石リング組立体2の方向にスライド移
動させる圧入力と、フープ5自体の材料的な強度限界と
から、フープ5を移動する軸方向の高さHは、ある限界
値を持つことが推測されるが、厳密には検討されていな
かった。そこで、このように圧入するフープ5の限界高
さHを、材料力学を用いて、理論的に考察してみること
にする。
【0048】まず、フープ5が圧入可能であるというこ
とは、フープ5を圧入する力が、この圧入に抵抗する力
より、大きいことを意味することは明白である。すなわ
ち、図4に示すように、フープ5軸方向の端面に加えら
れ該フープ5を圧入する力F1と、ガイド治具13の外
周面と、フープ5の内周面とが摩擦により滑るときに、
フープ5自体に作用する抵抗力F2とは、以下の関係を
満たす必要がある。
【0049】
【数1】
【0050】次に、各F1,F2を、各条件に従って、
展開していくことにする。
【0051】まず、圧入力F1は、本実施例において
は、フープ5を拡径しながら圧入するので、この拡径に
フープ5が強度的に耐えることができる材料的な強度限
界以下に制限されることになる。すなわち、フープ5自
体が圧入装着時に、ガイド治具13により拡径されるこ
とに対して、強度的に耐えることができる力、すなわち
フープ5を圧入する力F1は、図4及び図5(a)〜
(c)に示すように、フープ5に固有な軸方向の圧縮破
壊応力σzに、フープ5径方向の全端面断面積S1を乗
算したものよりも小さくなければならないので、以下の
式により表わされる。
【0052】
【数2】
【0053】また、フープ5の径方向断面積の合計S1
は、フープ5の内径D(mm)と厚さt(mm)とか
ら、以下の式により近似される。
【0054】
【数3】
【0055】従って、数式2に数式3を代入して、以下
の式が得られる。
【0056】
【数4】
【0057】すなわち、展開した後に、tの2乗を含む
項は、微小として切捨てることができるので、最右辺に
示される式となる。
【0058】次に、圧入に抵抗する力F2は、フープ5
の内径Dと高さHとから計算される内周面面積(πD
H)に、ガイド治具13による拡径によりフープ5内周
面に受ける内圧Pと、フープ5が持つ摩擦係数μとから
決定され、以下の式により表わされる。
【0059】
【数5】
【0060】ここで、材料力学において、内圧Pを受け
る内径D、厚さtを備えた薄肉円筒の周方向の引張り破
壊応力σtは、次式により与えられので、これを本条件
のフープ5に適用することにする。
【0061】
【数6】
【0062】この式を、内圧Pに着目して、変形させる
と下式となる。
【0063】
【数7】
【0064】この数式7を、数式5に代入して、以下の
式8を得る。
【0065】
【数8】
【0066】従って、これらの式4及び式8を、式1に
代入すると、以下の不等式9が成立し、更に、これを、
高さHに着目して、移項し整理すると式10が得られ
る。
【0067】
【数9】
【0068】
【数10】
【0069】または、この式10を、高さHと内径Dと
の関係に着目して、移項し整理すると式11が得られ
る。
【0070】
【数11】
【0071】すなわち、式10によれば、フープ5の高
さHは、フープ5に固有な材料強度限界を示す周方向の
引張り破壊応力σt及び軸方向の圧縮破壊応力σtの比
率と、フープ5自体の内径Dにより制約されることが理
解できる。すなわち、フープ5の軸方向高さHが増大す
ると、ガイド治具13と接触する面積が増えるので、圧
入に抵抗する応力が増加し、このフープ5端面から崩壊
してしまい、圧入が不可能になることを意味している。
また、フープ5の厚みtは、上式の展開途中に消去され
てしまい、フープ5の高さH及び内径Dとは、関連性が
無いことが示されている。
【0072】例えば、実際に、あるフープ5の材料的な
強度特性の、σzが20(Kg/mm2)、σtが30
(Kg/mm2)、μが0.2であり、Dが240(m
m)の場合には、上式により、H<37.5(mm)及
びH/D<0.156が導き出される。
【0073】これは、現状においては、磁石部1を構成
する多層磁石リング組立体2及びフープ5の高さは、こ
の数値内に収まっているが、将来的に大規模化して高さ
が限界数値を越えた場合には、多段構造にする等の別途
の対策が必要なことを示唆している。すなわち、磁石部
1の高さは、超電導体部との磁気回路的な要請により決
定されているが、逆に、本フープ5によるプレストレス
構造を用いる場合には、この制限により磁石部1の高さ
設計や全体構成等が阻害されるおそれがあることにな
る。
【0074】また、上記条件の場合には、H<37.5
(mm)及びH/D<0.156となるが、μを0.1
とすると、H<75(mm)及びH/D<0.3とする
ことができる。
【0075】従って、これは、可能な限り圧入時にフー
プ5内周面の摩擦係数μを減少させれば、圧入時の破壊
を回避することができ、または、フープ5の高さ寸法を
増大することができることを意味している。最も、実用
的には、ガイド治具13やフープ5の形状的及び材質的
な製造誤差の余裕を見ておく必要があるので、この限界
値まで使用することはないと思われる。
【0076】次に、上述した式10及び式11により限
定されなかったフープ5の厚さtについては、前述した
条件式の前提として、内径Dに比べて十分に小さいこと
と、後述するガイド治具13の拡径ガイド部の傾斜面か
ら移行する丸みR半径との関連性から、高さHよりも小
さくなるように、以下の条件式を満たす必要がある。
【0077】
【数12】
【0078】従って、フープ5の厚さtが、高さHより
も小さく設定されているので、多層磁石リング組立体2
の外周に安定して装着され、内周の多層磁石リング組立
体2に確実に圧縮力を供給できることになる。
【0079】このように高さ寸法H及び厚さtが限定さ
れたフープ5において、損傷すること無く多層磁石リン
グ組立体2の外周に締め代分だけ拡径しながら装着する
ためには、後述するように、更に、フープの材料強度特
性に応じた材料力学的な配慮をしたガイド治具13を用
いる必要がある。
【0080】すなわち、再び図2及び図3に示すよう
に、上記ガイド治具13及びベース治具12には、多層
磁石リング組立体2をセット固定すると共に、各部を同
軸上に位置決めをする基準位置決め部16,17と、フ
ープ装着後に完成した磁石部1と治具の分離を補助する
イジェクト・リング部18,19とが、それぞれ、設け
られている。
【0081】すなわち、上記ガイド治具13及びベース
治具12の中心には、円筒状の基準位置決め部16,1
7が設けられ、これらの基準位置決め部16,17は、
多層磁石リング組立体2と接触する端面から所定高さ突
出されている。また、これらの基準位置決め部16,1
7の外径寸法は、多層磁石リング組立体2の内径寸法と
等しく設定されている。従って、ベース治具12の基準
位置決め部16に多層磁石リング組立体2の内径を挿嵌
してセットし、更に、この多層磁石リング組立体2の内
径にガイド治具13の基準位置決め部17を挿嵌してセ
ットすることにより、これらの基準位置決め部16,1
7の外周と多層磁石リング組立体2の内径孔との係合に
より、これら三者が互いに厳密な同軸に位置するように
している。
【0082】また、これらの基準位置決め部16,17
は、薄肉状に形成され、基端側に切欠部が設けられてお
り、弾性変形が可能となっていると共に、この基準位置
決め部16,17の外周には、該基準位置決め部16,
17と多層磁石リング組立体2との間に作用する摩擦角
に相当するテーパー面が形成され、フープ5を多層磁石
リング組立体2に装着した後に、各治具12,13から
完成した磁石部1を分離することを容易にしている。す
なわち、多層磁石リング組立体2には拡径したフープ5
が装着されるので、このフープ5により多層磁石リング
組立体2に外方から内方に向って圧縮力が作用し、多層
磁石リング組立体2の内径が、例えば17〜50μm
程、縮径し、多層磁石リング組立体2が各治具12,1
3の基準位置決め部16,17に喰い付くことになる。
従って、このように多層磁石リング組立体2が縮径した
場合には、基準位置決め部16,17が追随して弾性変
形し縮径するので、多層磁石リング組立体2が基準位置
決め部16,17に喰い付く程度を軽減できることにな
る。また、各基準位置決め部16,17の外周部には、
多層磁石リング組立体2との間に働く摩擦角に相当する
テーパー面が形成されているので、各基準位置決め部1
6,17から多層磁石リング組立体2を容易に抜き取る
ことができる。
【0083】また、図6に示すように、各治具12,1
3の突出された基準位置決め部16,17を、その周上
に間隔的に切欠部を設けてスリ割り構造とし、より弾性
変形しやすくするようにしても良い。
【0084】また、このように基準位置決め部16,1
7を弾性変形可能に設けても、フープ装着後に、各治具
12,13と完成した磁石部1とを分離することは、人
力では困難なので、前述したイジェクト・リング部1
8,19を用いて、容易に取外せるようにしている。
【0085】すなわち、再び図2及び図3に示すよう
に、上記イジェクト・リング部18,19は、厚肉且つ
幅広の中空円盤状に形成され、多層磁石リング組立体2
との接触面積が大きく設定され、この外形状に応じて形
成された各治具の切欠部内に収納されている。従って、
収納時には、多層磁石リング組立体2に面したイジェク
ト・リング部18,19の端面と、各治具12,13の
端面とが同一平面となる。また、多層磁石リング組立体
2との接触面積が大きく設定されているので、後述する
ようにフープ5を装着した磁石部1の大部分を無理なく
押圧して、各治具12,13から取外せるようにしてい
る。
【0086】また、各治具12,13のイジェクト・リ
ング部18,19の背面側には、このイジェクト・リン
グ部の周上に沿って所定の間隔を設けて、ネジ溝が形成
された押出しネジ用のネジ孔18a,19aが複数形成
され、このネジ孔18a,19aに押出しネジ18b,
19bを装着(図9参照)することにより、イジェクト
・リング部18,19をガイド治具13又はベース治具
12の接触面から突出することができるようにしてい
る。また、図7に示すように、ガイド治具13には、こ
れらの押出しネジ孔18a,19aの間に、イジェクト
・リング部19の脱落防止用の固定用ネジ19cが設け
られ、通常時にはイジェクト・リング部19をガイド治
具13に固定するようになっている。従って、図8に示
すように、ガイド治具13を用いて、フープ5を多層磁
石リング組立体2に装着した後には、図9(a)及び
(b)に示すように、これらの押出しネジ18b,19
bを用いて、イジェクト・リング部をガイド治具13又
はベース治具12の接触面から突出させ、フープ5が装
着された磁石部1の損傷を防止しながら容易に取外すこ
とができる。
【0087】上記ガイド治具13の外周面は、図10に
示すように、多層磁石リング組立体2に向って下方に拡
径され所定の傾斜角度θを有する、傾斜ガイド部たる拡
径ガイド面部13Aと、磁石部より僅かに径が大きく設
定された垂直な移行ガイド部13Cと、この両者をなめ
らかにつなぐ、径方向の断面形状において所定の半径R
を有する、つなぎ部13Bとから構成されている。そし
て、順次、拡径ガイド面部13A、つなぎ部13B、移
行ガイド部13Cを経て、リング状フープ5が移動し、
これによりフープ5を損傷すること無く、所定の締め代
まで拡径して、磁石部の外周に装着できるようにしてい
る。
【0088】上記ガイド治具13の拡径ガイド面部13
Aは、上端の外径寸法が、非応力状態のフープ5の内径
よりも小さく設定されると共に、下端は、つなぎ部13
Bを介して、所定の締め代分だけ径が大きく、且つ、多
層磁石リング組立体2の外径よりも僅かに大きい移行ガ
イド部13Cに連続している。また、この拡径ガイド面
部13Aの垂直軸線から傾斜した傾斜角度θは、フープ
5の材料強度特性に応じて、フープ5を非破壊に拡径可
能な最適な値に設定されている。
【0089】この拡径ガイド面部13Aの傾斜角度θ
は、以下の条件を満たすように設定され、この傾斜角度
θによって変形したフープ5に生じる剪断応力τによ
り、フープ5自体を破壊することを回避している。
【0090】すなわち、図11に示すように、フープ5
の径方向断面形状において、通常の直方体形状から、傾
斜角度θを有する平行四辺形状に変形した場合には、フ
ープ5に剪断応力τが生じる。この剪断応力τは、材料
力学の定義から、この傾斜角度θとフープ5の横弾性係
数Gとを用いて、以下の式により表わされる。
【0091】
【数13】
【0092】この場合は、フープ5に生じる剪断応力τ
は、そのフープ5の材料的な限界強度より小さくなけれ
ば、フープ5を破壊してしまう。また、横弾性係数G
も、フープ毎の材料特性によって一定である。従って、
フープ5が非破壊に変形可能な傾斜角度θは、このフー
プ5の剪断応力τの強度限界により制限され、前式を変
形させた、次式の条件を満たす必要がある。
【0093】
【数14】
【0094】すなわち、これは、フープ5が非破壊にて
変形可能な傾斜角度θは、フープ5の許容可能な剪断応
力τと、一定な横弾性係数Gとにより、ある値未満に制
限されることを意味している。従って、この傾斜角度に
フープ5を変形するガイド治具13の拡径ガイド面部
は、そのテーパー傾斜角度θを、この値未満に設定する
必要があることになる。
【0095】例えば、実際に、あるフープ5の材料的な
強度特性の、τが7(Kg/mm2)、Gが550(K
g/mm2)の場合には、上式により、θ<0.73
(度)が導き出される。そして、これは、実際のガイド
治具13に、十分に実現できる数値となっている。
【0096】次に、ガイド治具13のつなぎ部は、フー
プ5を破壊しないような半径Rを持つ丸み部により形成
されている。
【0097】すなわち、図12に示すように、装着途中
のフープ5が、このつなぎ部に差しかかると、径方向断
面において、フープ5の外周面に曲げ応力σtzが生じ
ることになる。
【0098】この曲げ応力σtzは、材料力学から、フ
ープ5の歪み率εとヤング率EHを用いて、以下の式に
より表わされる。
【0099】
【数15】
【0100】そして、この歪み率εは、フープ5の中立
軸ρを用いて、厚さtとの関連から以下のように表わさ
れる。
【0101】
【数16】
【0102】すなわち、図13において、高さl及び長
さρの2辺から構成された2等辺三角形と、この三角形
の一辺を延長すると共に、この延長線と中立軸の交点か
ら、他辺に平行な補助平行線を引いて、高さΔ及び底辺
t/2から構成された微小三角形を仮定すると、この微
小三角形と前記三角形とは、相似関係となるので、以下
の比例関係が成立する。
【0103】
【数17】
【0104】従って、この式から次式が得られる。
【0105】
【数18】
【0106】このようにして、ε自体の定義からε=Δ
/lとなるので、上式を整理すると、式16が得られ
る。
【0107】また、中立軸ρは、その定義から、以下の
式が導き出される。
【0108】
【数19】
【0109】従って、この式19を、式16に代入し、
次に、代入した式16を、式15に代入し、更に、Rに
着目して整理すると以下の式が得られる。
【0110】
【数20】
【0111】すなわち、この式は、つなぎ部の丸み半径
Rは、フープ5の厚みtにより決定され、主に厚みtの
影響を受けることを意味する。すなわち、フープ5の厚
みtが、小さく薄ければ、丸み半径Rが小さくて済むと
いうことになる。従って、薄いフープ5を多重化した構
造の方が、小さな丸み半径Rを有するガイド治具13に
より組立てできることになるので、治具製作の手間が簡
略化され、コンパクト且つ容易にガイド治具13を製作
することができることになる。
【0112】尚、同式中の(−1)は、上述した式を正
確に展開したので表われたものであり、実用上は省略し
ても差し支えない。
【0113】例えば、実際に、あるフープ5の材料的な
強度特性が、σtzが4(Kg/mm2)、EHが100
0(Kg/mm2)であり、tが10(mm)の場合に
は、上式により、R≧1245(mm)が導き出され
る。そして、これは、実際のガイド治具13に、十分に
実現できる数値となっている。
【0114】また、このようにして求められた丸み半径
Rを有するつなぎ部の高さhは、上述した拡径ガイド面
部の傾斜角度θと、この半径Rにより容易に求められ
る。すなわち、図14に示すように、まず、R部とθ傾
斜部の交点から傾斜角度θに沿って補助線L1を延長
し、同様に交点から垂直線L0を垂下すると、拡径ガイ
ド面部の傾斜角度θと対角θ0は等しいことは自明であ
り、この補助線L1上に形成される対角θ0と直角とか
ら規定される角度θaを共有する直角三角形の角度θ1
は、θと等しいことになる。従って、Rを底辺とする三
角形の角度θ1は、傾斜角度θと等しいので、つなぎ部
の高さhは、以下の式により求めることができる。
【0115】
【数21】
【0116】例えば、実際に、上述したように半径Rが
1245(mm)、傾斜角度θ=0.73(度)の場合
には、つなぎ部の高さhは、約48(mm)となる。こ
れは、十分に実現可能で実用的な値となっている。
【0117】また、ガイド治具13の下端に位置する移
行ガイド面部の直径は、多層磁石リング組立体2の直径
よりも、極く僅かに大きく設定されている。すなわち、
両者の径差による段差を、実際の加工により可能な限り
に最小な値としている。例えば、加工精度として10ミ
クロンの精度が期待できるならば、この段差がゼロから
10ミクロンの範囲になるように設定している。従っ
て、フープ5がガイド治具13から多層磁石リング組立
体2に乗移るとき及び移行中に、この段差による応力が
可能な限り小さくなるようにしている。また、移行中に
は、フープ5により多層磁石リング組立体2が圧縮され
て段差が拡大するが、これによる悪影響も最小限とする
ことができる。
【0118】このようにしてフープ5は、ガイド治具1
3を用いて、不要に損傷すること無く所定に拡径され
て、多層磁石リング組立体2の外周にスライド移動され
て装着される。
【0119】以上説明したように、本実施例によれば、
フープの材料強度特性に応じた形状に形成されたガイド
治具を用いてフープ装着作業を行っていることにより、
フープの損傷を確実に防止しながら、所定の締め代を確
保して、フープを多層磁石リング組立体に圧入装着する
ことができ、このフープにより磁石部に予め圧縮力を付
与することにより、磁石部としての回転破壊耐性を向上
させることができる。
【0120】次に、本発明を図15ないし図17に示す
第2実施例に基づいて説明する。
【0121】本実施例の組立て治具11は、図15
(a)及び(b)に示すように、上記実施例と同様に、
多層磁石リング組立体2を載置するベース治具12と、
この多層磁石リング組立体2に同心に載置され、所定の
外形状に形成されてフープ5拡径しながら多層磁石リン
グ組立体2の外周にスライド移動させるガイド治具13
とから構成され、多層磁石リング組立体2の外周にフー
プ5を拡径しながら装着することによって、内周側の多
層磁石リング組立体2に所定の圧縮力を供給し、磁石部
1としての遠心破壊に対する耐性力を向上するようにし
ている。また、この多層磁石リング組立体2を治具11
にセットする際には、フープ5の内周側に位置する多層
磁石リング組立体2に、軸方向の両端が多層磁石リング
組立体2軸方向の上下面から突出されたリング状部材3
を予め装着しておき、このリング状部材3の突出部と、
これに対応して各治具12,13に設けられた基準位置
決め部との当接により、多層磁石リング組立体2に対す
る同軸位置決めを容易にすると共に、フープ5の多重化
を図れるようにしている。尚、本実施例のガイド治具1
3において、フープ5を拡径ガイドする外周面の形状
は、上述した第1実施例と同様なものが用いられている
ので、説明を省略することにする。
【0122】そして、フープを多重化した場合は、 フ
ープ5を多層磁石リング組立体2に装着する毎に、多層
磁石リング組立体2の内径が僅かでも小さく変化し続け
るので、上述した第1実施例のように、この内径をもっ
て正確な同軸位置決めの基準とすることは好ましくな
い。
【0123】そこで、本実施例においては、組立て途中
の多層磁石リング組立体の最外周のリング状部材を、そ
の軸方向の両端を多層磁石リング組立体2の上下面から
突出して形成し、この突出部を用いて、フープ多重装着
による多層磁石リング組立体の内径変化に拘りなく、各
治具12,13と多層磁石リング組立体2との同軸位置
決めを行うようにしている。また、これと共に、組立終
了後には、外周側に位置する各フープ5…が内周側の多
層磁石リング組立体2に付与する圧縮力が、各リング状
部材3…により、多層磁石リング組立体2の外周面に均
一になるようにしている。
【0124】上記ベース治具12及びガイド治具13の
基準位置決め部21,22は、前記リング状部材に対応
して、各治具12,13に切欠溝状に形成されている。
そして、この基準位置決め部の内角コーナーと、リング
状部材の内周縁部を互いに当接させることにより、多層
磁石リング組立体2を両治具に、同心状に位置決めする
ようにしている。
【0125】また、この基準位置決め部21,22内の
内周側壁には、内周方向に傾斜したテーパー角度が設定
されている。フープ5を装着した後には、図16(a)
及び(b)に示すように、このフープ5からの圧縮力に
より多層磁石リング組立体2が中心方向に縮むので、位
置決めに用いたリング状部材の両突出端縁部は、この縮
み分だけ曲げられ、外方にむしられることになる。そし
て、このように変形した場合にも、基準位置決め部に傾
斜面を設けているで、多層磁石リング組立体2本体に対
する悪影響を減少することができる。また、この際に、
先端側が変形しても、この先端側は削除されて不要とな
るので、同様に、不都合は生じない。
【0126】そして、第1のフープ5を多層磁石リング
組立体2に装着すると、第1実施例と同様に各治具のイ
ジェクト・リングを用いて、多層磁石リング組立体2を
治具から取外す。次いで、この多層磁石リング組立体2
に装着されたフープ5の外周側に、図17に示すよう
に、別のリング状部材3を装着し、更に、別のベース治
具12及びガイド治具13にセットし、この部材の外周
側に、次のリング状の第2のフープ5を圧入して装着す
る。このとき、前記と同様に、ガイド治具13により不
慮の損傷を確実に防止して圧入装着が行われる。このフ
ープ5が装着されると、前記と同様な手順により、多層
磁石リング組立体2を治具から取外し、フープ5が多重
に装着されて所定数になるまで、これらの手順が繰返さ
れる。
【0127】尚、イジェクト・リング部18,19に
は、多層磁石リング組立体2がリング状部材3を介して
各治具12,13に喰い付くことを回避する逃し部18
d,19dが設けられている。これは、外周にフープ5
が装着され、リング状部材3を含む内周側の多層磁石リ
ング組立体2全体が中心方向に圧縮された場合に、多層
磁石リング組立体2がリング状部材3を介して各治具1
2,13に喰い付くことを回避するためのものである。
【0128】最後に、所定のフープ5を多重に装着した
後には、各リング状部材3の突出部を、多層磁石リング
組立体2及びフープ5の上下面に沿って削除し、上下面
を平坦にして、単一の磁石部として製作を完了する。
【0129】尚、ベース治具12のイジェクト・リング
部を大型化且つ交換可能に構成することにより、ベース
治具自体は、基本的に同一のもので共用するようにして
もよい。すなわち、ベース治具12のイジェクト・リン
グ部を、フープ装着の各段階に応じた異なるものを予め
用意し、そして、各フープ5の装着完了後に、イジェク
ト・リング部を交換することで、同一なベース治具12
及び、ベース治具12関連の機材を用いることができ
る。従って、上述した図15ないし図17に示す実施例
と同様な効果を奏すると共に、組立て治具11の設置及
びそれを用いる作業スペースが少なくて済むことにな
る。
【0130】また、図17に示すように、ハブ4を中央
部が外側に突出して設けるとともに、これに対応して各
治具12,13に凹部を形成するようにした場合は、こ
れらの部位において位置合わせを行うことができる。
【0131】以上説明したように、本第2実施例によれ
ば、上記第1実施例と同様な効果を奏するのみならず、
フープの多重化に対応することができる。
【0132】また、本実施例においては、フープ5を多
重に装着している。このように、フープ5を多重に装着
した場合は、各フープ5の締め代を小さくして、組み込
むことができるので、上述したガイド治具の拡径ガイド
面部の傾斜角度や、全体の高さ寸法を短縮したりしてコ
ンパクト化を図ることができると共に、治具製作を容易
化することができる。
【0133】更に、このフープ5の多重化により、磁石
に対する圧縮応力分布を均一化することができる。従っ
て、磁石に対する圧縮応力分布の均一化は、付与される
圧縮応力のバラツキを回避することが可能となり、つま
り万遍なく圧縮応力が付与されるので、応力付与の局所
的な不均一に起因する磁石の回転破壊を阻止することが
でき、装置の安全性と信頼性を向上させることができ
る。
【0134】次に、本発明を図18ないし図19に示す
第3実施例に基づいて説明する。
【0135】本第3実施例においては、組立て治具を用
いる前に、予めフープ5を補助的に拡径しておくことに
より、ガイド治具13の製作容易化やコンパクト化を図
るものである。すなわち、予めフープ5の内周に、冷や
しばめの補助鉄芯31を挿嵌し、この補助鉄芯31によ
りフープ5を補助的に拡径することにより、この拡径さ
れたフープ5に対応して、上述したガイド治具13より
も本実施例のガイド治具13の傾斜角度や高さ寸法を減
少することができる。
【0136】上述した各実施例に用いているフープ5
(CFRP)の線膨張係数は、負の温度特性を持ってお
り、冷却してもほとんど変化しない。これに対して、鉄
はある程度の線膨張係数を有している。そこで、両者の
膨張率の違いを利用して、治具によりフープを拡径する
前に、予め補助鉄芯31を冷やしばめすることにより、
フープ5を補助的に拡径することができる。
【0137】この補助鉄芯31は、図18(a)に示す
ように、計算通りに確実に拡縮径するような中実の円盤
形状に形成すると共に、この鉄芯31の平温時の外径寸
法を、フープ5の内径よりも所定に大きく設定してい
る。すなわち、この補助鉄芯31の外径寸法は、フープ
5の内径寸法に、平温から冷却する温度差によって鉄が
縮径する値を加えた寸法に設定されている。そして、例
えば、同図(b)に示すように、液体窒素中に、両者を
移動して極低温状態にすると、芯鉄が縮径する一方、フ
ープ5はそれほど縮径しないので、芯鉄をフープ5の内
周に挿嵌することができる。次に、芯鉄をフープ5に挿
嵌したまま、液体窒素中から取出し平温に戻すと、同図
(c)に示すように、鉄芯31が膨張し、鉄芯31によ
りフープ5が拡径される。
【0138】このように補助鉄芯31により拡径された
フープ5を、図19に示すように、予め拡径された分だ
け拡径ガイド面部の傾斜角度θを減少させたガイド治具
32や、同様に、図20に示すように、拡径された分だ
け拡径ガイド面部33Aを削除したガイド治具33や、
これら両者を適宜組合せたものの所定位置に移動し、フ
ープ5をガイド治具32,33に乗移らせて、更に、圧
入拡径しながら、多層磁石リング組立体2に装着する。
また、これらの場合にも、既にフープ5自体には、補助
鉄芯31により拡径されテンションが掛かっており、引
張り応力状態になっているが、ガイド治具32,33に
乗移らせることは、ガイド治具32,33の斜面上を移
動させることよりも容易なので、不具合はない。
【0139】従って、既にいくぶんかの締め代が確保さ
れているので、ガイド治具32,33によって行われる
締め代が減少し、この見掛けの締め代が減ることによっ
て、圧入作業が容易になる。また、拡径された分だけ削
除したガイド治具33によれば、ガイド治具33に沿っ
てフープ5が移動するストロークを、上述した各実施例
よりも短縮することができるので、作業が更に容易にな
ると共に、移動ストローク中にフープ自体が損傷するこ
とを最小限に留めることができる。
【0140】例えば、実際に、ある内径dが180(m
m)位のフープ5の締め代として、1.5(mm)が必
要であったとすると、補助鉄芯の材料的な線膨張係数α
が11×10-6(1/℃)、直径dが180(mm)で
あり、温度差Tを200℃とした場合には、これによっ
て得られる締め代Δd(mm)は、以下の式により算出
される。
【0141】
【数22】
【0142】すなわち、Δd=0.4(mm)が導き出
される。従って、この補助鉄芯による締め代0.4(m
m)により、全体の締め代1.5(mm)の1/5から
1/4を確実に補助することができ、十分に実用的な数
値となっている。
【0143】また、同様に、ガイド治具13の傾斜角度
θが、例えば0.73(度)の場合には、この補助され
た0.4mm分の高さ寸法、すなわち約13mmをガイ
ド治具13の拡径ガイド面部の高さ寸法から削減するこ
とができる。
【0144】以上説明したように、本第3実施例によれ
ば、予め補助鉄芯によりフープを拡径しているので、治
具製作が容易化され、更に、治具自体のコンパクト化が
図られると共に、フープ装着時の拡径作業量を減少する
ことができるので、フープ自体の負担や装着作業の軽減
化が図られる。
【0145】次に、本発明を図21に示す第4実施例に
基づいて説明する。
【0146】本第4実施例においては、前記第2実施例
のように、多層磁石リング組立体2を載置するベース治
具12と、この多層磁石リング組立体2に同心に載置さ
れ、所定の外形状に形成されてフープ5拡径しながら多
層磁石リング組立体2の外周にスライド移動させるガイ
ド治具13とから構成され、多層磁石リング組立体2の
外周にフープ5を拡径しながら装着することによって、
内周側の多層磁石リング組立体2に所定の圧縮力を供給
し、磁石部1としての遠心破壊に対する耐性力を向上す
るようにしている。
【0147】本実施例では、フープを多重化する場合、
前記第2実施例とは異なり、ベース治具12にイジェク
ト・リング部を設けていない。そして、上記ベース治具
12及びガイド治具13の基準位置決め部21,22
は、前記リング状部材に対応して、各治具12,13に
切欠溝状に形成されているが、ベース治具12の基準位
置決め部21の外周壁と、リング状部材3の外周側を同
軸基準として用いるものである。
【0148】このように、ベース治具12の基準位置決
め部21の外周壁と、リング状部材3の外周側を同軸基
準としているので、フープ5の圧入後、このフープ5か
らの圧縮力により多層磁石リング組立体2が中心方向に
縮んでも、リング状部材3の内側には基準位置決め部2
1の空間部が存在するので、当該基準位置決め部21に
喰い付くことがない。更に、多重フープ圧入工程の基準
を一つのベース治具に作成しておくことができる。ま
た、ベース治具のイジェクト・リング部は不要になる。
【0149】本第4実施例によれば、以上のように、前
記第2実施例と同様な効果を奏するのみならず、ベース
治具の簡易化を図ることができ、治具製作を容易化する
ことができる。更に、本実施例の場合は、各工程におい
てリング状部材3の喰い付きを逃す後工程が不要となる
ので、工程数も省力化できることになる。
【0150】以上説明したように、本発明の各実施例に
よれば、フープを損傷すること無く確実に磁石部外周に
装着して、磁石部に圧縮力を付与できるので、磁石部の
回転破壊耐性力を向上することができる。従って、特
に、大重量フライホイールを高速回転させ、この回転エ
ネルギーによって電力貯蔵する電力貯蔵装置に用いる超
電導磁気軸受装置には、本実施例は最適な構成である。
【0151】また、磁石にはPr−Fe−B−Cu系磁
石を使用した例を示したが、本発明はこれに限らず、フ
ェライト、アルニコ、或はネオジウム系、サマリウム系
等、他の全ての永久磁石を使用することができることは
勿論である。更に、超電導体についても、イットリウム
高温超電導体を始めとして、例えば希土類系の元素を含
む(RE−Ba−Cu−O)系等全ての超電導体が適用
可能である。尚、ここで、REはY,Sm,Eu,G
d,Dy,Ho,Er,Ybからなる元素群から選ばれ
た1又は2以上の元素を表わす。
【0152】更に、実施例において、フープによる周巻
き圧縮力が、回転体部Bの非回転時において100Kg
/mm2以下となるように設定したが、本発明はこれに
限られずに、用いられる磁石が有する圧縮破壊の限界応
力を超えない圧縮力を付与するものである。また、磁石
のフープとしては、CFRPのほかにも、例えばグラス
ファイバー強化プラスチック(GFRP)を用いる等、
磁石よりも比重が小さく、且つ引張破壊の限界強度が大
きい材料を適宜に用いることができるものである。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
記載した発明によれば、フープを拡径して装着して、こ
のフープにより前記環状永久磁石を半径方向及び周方向
に圧縮しているので、磁石部は遠心破壊に対する耐性力
が向上され、この磁石部を用いた超電導磁気軸受装置は
高回転能力を得ることができる。更に、前記不等式によ
り、前記フープの軸方向高さH及び内径Dと、当該フー
プの周方向の引張り破壊応力σt、軸方向の圧縮破壊応
力σz及び摩擦係数μとの間において、応力破壊を生じ
ることのないフープの設定を行うことができる。
【0154】本願第2請求項に記載した発明によれば、
前記請求項1と同様に、磁石部は遠心破壊に対する耐性
力が向上され、この磁石部を用いた超電導磁気軸受装置
は高回転能力を得ることができる。更に、フープの厚さ
tが、高さHよりも小さく設定されているので、多層磁
石リング組立体の外周に安定して装着され、内周の多層
磁石リング組立体に確実に圧縮力を供給できることにな
る。
【0155】本願第3請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、前記不等式により、フープが非破壊に
て変形可能な傾斜角度θを、フープの許容可能な剪断応
力τと、一定な横弾性係数Gとから、設定することがで
きることになる。
【0156】本願第4請求項に記載した発明によれば、
前記請求項3の発明に加えて、前記不等式により、フー
プを破壊することのない半径Rを持つ丸み部を設定する
ことができる。
【0157】本願第5請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、フープの装着が容易化される治具を得
ることができる。
【0158】本願第6請求項に記載した発明によれば、
前記請求項5の発明に加えて、これらの基準位置決め部
の外周と多層磁石リング組立体の内径孔との係合によ
り、これら三者が互いに同軸に位置される。更に、これ
らの基準位置決め部は弾性状であるため、弾性変形が可
能であり、従って、フープを多層磁石リング組立体に装
着した後に、各治具から完成した磁石部の分離が容易と
なる。つまり、多層磁石リング組立体が縮径した場合
に、基準位置決め部も追随して弾性変形し縮径するの
で、多層磁石リング組立体が基準位置決め部に喰い付く
程度を軽減することができ、各基準位置決め部から多層
磁石リング組立体を容易に抜き取ることができる。
【0159】本願第7請求項に記載した発明によれば、
フープを装着して遠心破壊に対する磁石部の耐性力を向
上させる場合に、フープの装着が容易化される治具を得
ることができる。更に、その軸方向の両端を多層磁石リ
ング組立体の上下面から突出して形成されるリング状部
材を用いているので、この突出部を用いて、フープ多重
装着による多層磁石リング組立体の内径変化に拘りな
く、各治具と多層磁石リング組立体2との同軸位置決め
が行われる。また、組立終了後には、外周側に位置する
各フープが内周側の多層磁石リング組立体に付与する圧
縮力が、このリング状部材により、多層磁石リング組立
体の外周面に均一化される。
【0160】本願第8請求項に記載した発明によれば、
ベース治具の基準位置決め部の外周壁と、リング状部材
の外周側を同軸基準としているので、フープの圧入後、
このフープからの圧縮力により多層磁石リング組立体が
中心方向に縮んでも、リング状部材の内側には基準位置
決め部の空間部が存在するので、当該基準位置決め部に
喰い付くことがない。更に、多重フープ圧入工程の基準
を一つのベース治具に作成しておくことができる。ま
た、ベース治具のイジェクト・リング部は不要になり、
加えて、各工程においてリング状部材の喰い付きを逃す
後工程が不要となるので、治具及び工程数も省力化でき
る。
【0161】本願第9請求項に記載した発明によれば、
フープの内周に、冷やしばめの円板状部材を予め挿嵌し
ているので、平温に戻せば当該フープは拡径され、従っ
て、治具製作が容易化され、更に、治具自体のコンパク
ト化が図れると共に、フープ装着時の拡径作業量を減少
することができ、これによりフープ自体の負担や装着作
業の軽減化を図ることができる。
【0162】このように、本発明によれば、圧入装着に
最適なフープの形状寸法が得られ、そして、フープを損
傷すること無く確実に磁石部外周に装着して、磁石部に
圧縮力を付与できるので、磁石部の回転破壊耐性力を向
上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係り、超電導磁気軸受装置の
主要部を示す一部破断した概略斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係り、磁石部及び治具の概略
全体構成を示す分解斜視図である。
【図3】本実施例の組立て治具の主要部を示す縦断面図
である。
【図4】治具とフープの摺接状態を示す図である。
【図5】(a)はフープを治具を介して多層磁石リング
組立体に装着する状態を示す縦断面図、(b)はフープ
の斜視図、(c)はフープの平面図である。
【図6】本発明の実施例に係り、組立て治具の主要部を
示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係り、組立て治具の主要部を
示す平面図である。
【図8】本発明の実施例に係り、組立て治具の主要部を
示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施例に係り、組立て治具の主要部を
示す縦断面図である。
【図10】本発明の実施例に係り、組立て治具の主要部
を示す拡大縦断面図である。
【図11】治具とフープの摺接状態を示す図である。
【図12】治具とフープの摺接状態を示す図である。
【図13】治具とフープの摺接状態を示す図である。
【図14】治具とフープの摺接状態を示す図である。
【図15】本発明の他の実施例に係り、(a)は組立て
治具の主要部を示す縦断面図、(b)は要部拡大図であ
る。
【図16】本発明の他の実施例に係り、(a)は組立て
治具の主要部を示す縦断面図、(b)は要部拡大図であ
る。
【図17】本発明の他の実施例に係り、組立て治具の主
要部を示す縦断面図である。
【図18】補助鉄芯とフープを示す斜視図である。
【図19】本発明の他の実施例に係り、組立て治具の主
要部を示す縦断面図である。
【図20】本発明の他の実施例に係り、組立て治具の主
要部を示す縦断面図である。
【図21】本発明の他の実施例に係り、組立て治具の主
要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】 A 固定体部 B 回転体部 1 磁石部 2 多層磁石リング組立体 3 リング状部材 4 ハブ 4a 軟磁性体ヨーク 5 フープ 10 環状永久磁石 11 組立て治具 12 ベース治具 13 ガイド治具 13A ベース治具の拡径ガイド面部 13B ベース治具のつなぎ部 13C ベース治具の移行ガイド部 14 押圧治具(図示省略) 16 ベース治具の基準位置決め部 17 ガイド治具の基準位置決め部 18 ベース治具のイジェクト・リング部 18a 押出しネジ用孔 18b 押出しネジ 18d 逃し部 19 ガイド治具のイジェクト・リング部 19a 押出しネジ用孔 19b 押出しネジ 19c 通常固定用ネジ 19d 逃し部 21 ベース治具の基準位置決め部(多重フープ用) 22 ガイド治具の基準位置決め部(多重フープ用) 31 補助鉄芯 32 拡径傾斜角度を減少したガイド治具 33 高さ寸法を減少したガイド治具 σt フープの周方向の引張り破壊応力 σz フープの軸方向の圧入時の圧縮破壊応力 σtz フープの外周面の曲げ応力 P フープの内面にかかる面圧 H フープの軸方向の高さ t フープの半径方向の厚さ D フープの内径 μ フープと被圧入物の摩擦係数 ρ フープの中心の曲げ半径 θ ガイド治具の拡径ガイド部の傾斜角度 R ガイド治具のつなぎ部の丸み半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今泉 寛 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 別所 久美 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 日 本複合材料株式会社横浜研究所内 (72)発明者 秋山 房夫 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 日 本複合材料株式会社横浜研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮し、 更に、前記フープの軸方向高さH及び内径Dと、当該フ
    ープの周方向の引張り破壊応力σt、軸方向の圧縮破壊
    応力σz及び摩擦係数μとの間において、 (H/D)<(1/2μ)・(σz/σt) で示される不等式を充足することを特徴とする超電導磁
    気軸受装置の磁石部補強構造。
  2. 【請求項2】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮し、 更に、前記フープ径方向の厚さtが、フープ軸方向の高
    さHよりも小さく形成されていることを特徴とする超電
    導磁気軸受装置の磁石部補強構造。
  3. 【請求項3】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部を組立てる治具において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮するものであって、 前記治具に前記フープを所定の締め代分まで拡径する傾
    斜面を備え、フープを拡径する組立て治具の傾斜ガイド
    部の傾斜角度θ(rad)が、フープの許容可能な剪断
    応力τと横弾性係数Gとから、 θ<τ/G で示される不等式を充足することを特徴とする超電導磁
    気軸受装置における磁石部の組立て治具。
  4. 【請求項4】 前記組立て治具の傾斜ガイド部と、軸に
    平行な移行ガイド部とをつなぐつなぎ部の径方向断面形
    状における丸み半径Rが、フープ径方向の厚みtと、該
    丸み半径Rによりフープ外周面に生じる曲げ応力σtz
    と、フープのヤング率EHとから、 R≧(t/2)・[(EH/σtz)−1] で示される不等式を充足することを特徴とする請求項3
    記載の超電導磁気軸受装置における磁石部の組立て治
    具。
  5. 【請求項5】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部を組立てる治具において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮するものであって、 前記治具は、前記多層磁石リング組立体を同心に載置す
    るベース治具と、この多層磁石リング組立体に同心に載
    置され、前記フープを所定の締め代分まで拡径する傾斜
    面を備えたガイド治具とから構成されることを特徴とす
    る超電導磁気軸受装置における磁石部の組立て治具。
  6. 【請求項6】 前記ベース治具及びガイド治具は、各々
    の中央部に同心の位置決め用の筒状で且つ弾性状の基準
    位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項5
    記載の超電導磁気軸受装置における磁石部の組立て治
    具。
  7. 【請求項7】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部を組立てる治具において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮するものであって、 前記治具は、前記多層磁石リング組立体を同心に載置す
    るベース治具と、この多層磁石リング組立体に同心に載
    置され、前記フープを所定の締め代分まで拡径する傾斜
    面を備えたガイド治具とから構成され、 更に、前記多層磁石リング組立体の外周側に、軸方向の
    両端が当該多層磁石リング組立体の軸方向の上下面から
    突出し且つその外周面が前記ガイド治具の前記傾斜面に
    連なるリング状部材を装着したことを特徴とする超電導
    磁気軸受装置における磁石部の組立て治具。
  8. 【請求項8】 前記ベース治具は、前記突出したリング
    状部材の下端を収納する基準位置決め部たる円環状溝を
    備え、この円環状溝の外周壁と前記リング状部材の外周
    側とを同軸基準としたことを特徴とする請求項7記載の
    超電導磁気軸受装置における磁石部の組立て治具。
  9. 【請求項9】 超電導磁気軸受装置の回転体部に装着さ
    れる磁石部を組立てる治具において、 前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする、環状
    永久磁石と環状ヨークを嵌合した多層磁石リング組立体
    を備え、 前記多層磁石リング組立体の外周側には、その内径が前
    記多層磁石リング組立体の外径より小さい炭素繊維入り
    強化プラスチック(CFRP)製のリング状のフープを
    拡径して装着して、このフープにより前記環状永久磁石
    を半径方向及び周方向に圧縮するものであって、 前記治具は、前記多層磁石リング組立体を同心に載置す
    るベース治具と、この多層磁石リング組立体に同心に載
    置され、前記フープを所定の締め代分まで拡径する傾斜
    面を備えたガイド治具とから構成され、 更に、前記フープの内周に、冷やしばめの円板状部材を
    予め挿嵌しておいて、前記フープ装着時に、前記円板状
    部材を、前記ガイド治具に載置すると共に平温に戻して
    当該フープを拡径することを特徴とする超電導磁気軸受
    装置における磁石部の組立て治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002027204A1 (de) 2000-09-26 2002-04-04 Siemens Aktiengesellschaft Magnetlager
CN109129267A (zh) * 2018-10-13 2019-01-04 中国航发常州兰翔机械有限责任公司 一种环形箍带装配用工装及其工作方法

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