JPH09482A - 洗剤貯溜式たわし - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて簡単な構成でタンク内に溜めた洗剤を少
量ずつ徐々に吐出し、タンク内の洗剤に水分等が混ざら
ない、常に初期の成分の洗剤を保持できる。 【構成】洗剤を入れるチューブ状の第１タンク１と略固
定形状の第２タンク２とを連設し、上記第１タンク１と
第２タンク２とを連絡する筒状開口部３を設け、この筒
状開口部３に開閉自在な常閉型の栓４を嵌め、第２タン
ク２内に上記栓４を常時押圧するバネ８を設け、第２タ
ンク２の他端には第１開口部９及び第２開口部１０を設
け、これらの各開口部９、１０にバネにより常に閉口し
たヒンジ式の第１弁１１及び第２弁１２を設け、これら
の第１弁１１は第２タンク２の内側にのみ開き、第２弁
１２は外側にのみ開く構成とし、これらの第１開口部９
及び第２開口部１０を囲む一定長のガイド筒体１３を設
け、少なくとも上記第２タンク２及びガイド筒体１３の
外周を多孔質の樹脂体１８で被った。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は内部に洗剤を貯溜し、
適宜の被洗浄物の洗浄の際、押圧することにより洗剤が
吐出して洗浄できる洗剤貯溜式たわしに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来適宜の被洗浄物を洗浄する際、スポ
ンジ等から成るたわしを用いてこれらをこすり、時折た
わしに洗剤をつけて洗っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
洗剤を用いる場合、いちいち洗浄を中断して洗剤をたわ
しにつけなければならず、極めて作業能率が悪い。そこ
で予めたわし内に設けたタンクに洗剤を入れ、これを洗
浄の際出して使用することも考えられる。またホース等
で洗剤を他所からたわしに導入する方法も考えられる。
しかしながら前者では一度に洗剤が多量に出てしまい、
多数回にわたって洗剤を用いることは難しい。また後者
では装置が大がかりとなり、コストも高いものとなって
しまう。

【０００４】そこでこの発明は、極めて簡単な構成でタ
ンク内に溜めた洗剤を少量ずつ徐々に吐出し、タンク内
の洗剤に水分等が混ざらない、常に初期の成分の洗剤を
保持できる洗剤貯溜式たわしを提供し、上記課題を解決
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、洗剤を入れ
る変形自在なチューブ状の第１タンクと略固定形状の第
２タンクとを連設し、上記第１タンクと第２タンクとを
連絡する筒状開口部を設け、この筒状開口部に開閉自在
な常閉型の栓を嵌め、第２タンク内に上記栓を常時押圧
するバネを設けている。またこの第２タンクの他端には
第１開口部及び第２開口部を有し、これらの各開口部に
バネにより常に閉口したヒンジ式の第１弁及び第２弁を
設け、これらの第１弁は第２タンクの外側にのみ開き、
第２弁は内側にのみ開く構成としている。またこれらの
第１開口部及び第２開口部を有する第２タンクの外側面
に、これらの第１開口部及び第２開口部を囲む一定長の
ガイド筒体を設け、少なくとも上記第２タンク及びガイ
ド筒体の外周を多孔質の樹脂体で被った洗剤貯溜式たわ
しとした。

【０００６】

【作用】第１タンクに洗剤を満たしても、筒状開口部の
栓はバネの力で閉鎖されている。そこで第１タンクを外
方から手で押すと、バネの力に抗して栓が開き、洗剤が
第２タンクの中に入っていく。その際第２タンク内の空
気が第１弁を押し、第１弁はバネの力に抗して動き、第
１開口部が開き、当該箇所から排気される。この状態で
は第２弁は空気に押されても当該第２弁が閉じる方向に
荷重がかかり第２開口部は開かない。そして上記第１タ
ンクの外方からの押圧を止めると、バネの力により直ち
に栓が筒状開口部を塞ぐ。また同時に上記第２タンクの
第１弁もバネの力で第２開口部を閉じる。

【０００７】そしてこのたわしを水中に一旦漬けると、
水がガイド筒体内に入り、この当該ガイド筒体を外方か
ら押すと、水圧によりバネの力に抗して第２弁が動き、
第２開口部が開き、第２タンク内に水が入ってきて洗剤
と混ざる。そしてまた第２タンクの圧力により第１弁も
バネの力に抗して第１開口部を開くことと成る。この様
にして水で薄められた洗剤がガイド筒体から外周の多孔
質の樹脂体に浸透する。そしてこのたわしを水中から引
き上げて被洗浄物に押し当ててこすり付けながら洗う。
これにより適度に洗剤液がたわしからでる。

【０００８】またこのたわしを水中に一旦漬けてすぐに
引き上げると、水がガイド筒体内に入る。従ってこれを
水中から引上げた後、当該たわしの上記ガイド筒体外周
箇所を被洗浄物に押し当てると、ガイド筒体内の水の圧
力によりバネの力に抗して第２弁が押されて第２開口部
が開き、第２タンク内に水が入って洗剤と混ざる。そし
てまた第２タンクの圧力により第１弁もバネの力に抗し
て動き第１開口部も開くことと成る。この様にして水で
薄められた洗剤がガイド筒体から外周の多孔質の樹脂体
に浸透する。そしてこのたわしを被洗浄物に押し当てて
こすり付けながら洗う。これにより適度に洗剤液がたわ
しからでる。

【０００９】

【実施例】以下この発明の実施例を図について説明す
る。内部に洗剤を入れた、合成樹脂等から成る変形自在
な不定形のチューブ状の第１タンク１と、同じく合成樹
脂等の弾性体から成る小容積の略箱型の第２タンク２と
を連設し、第１タンク１と第２タンク２とを連絡する筒
状開口部３を設けている。この筒状開口部３は内周がテ
ーパー状となった剛性の筒状体から成り、この筒状開口
部３には開閉自在なくさび形状の栓４を嵌めている。こ
の栓４は外端面から中心軸上に長孔５を穿ち、一端を第
２タンク２内に設けた支持体６の一側に固定したガイド
棒７の他端を上記長孔５内に遊通し、この支持体６の一
側と栓４の外端面との間のガイド棒７の外周にバネ８を
巻き付け、このバネ８の力により上記栓４を常時筒状開
口部３内に押圧付勢している。

【００１０】この第２タンク２の他端には二つの第１開
口部９及び第２開口部１０を有し、これらの各開口部９
又は１０には夫々ヒンジ式の第１弁１１及び第２弁１２
を夫々設けている。これらのうち第１弁１１は第２タン
ク２の外側にのみ開き、第２弁１２は内側にのみ開く構
成としている。またこれらの第１開口部９及び第２開口
部１０を有する第２タンク２の外側面に、これらの開口
部９及び１０を囲む一定長のガイド筒体１３を設け、こ
のガイド筒体１３の中は上記第１開口部９及び第２開口
部１０に相応して第１小室１４及び第２小室１５に分か
れ、夫々一端が開口している。

【００１１】また上記第１開口部９の第１弁１１を常時
閉鎖するよう付勢したバネ１６をこの第１小室１４内に
設けている。また上記第２タンク２内には第２開口部１
０の第２弁１２を常時閉鎖するよう付勢したバネ１７を
設けている。また上記第１タンク１、第２タンク２及び
ガイド筒体１３の外周を多孔質のポリエステルの樹脂体
１８で被ったものである。なお図示は省略したが上記第
１タンク１には洗剤の注入口を設けてもよい。また図は
構成を明確にするため第２タンク２及びガイド筒体１３
を第１タンク１と同等の大きさにしているが、実際は第
１タンク１に比べて小さなものである。

【００１２】この実施例の場合第１タンク１内には予め
洗剤が入っているが、栓４はバネ８の力に押されて筒状
開口部３を閉鎖している。そこで第１タンク１を樹脂体
１８の外側から手で押すと、図２に示すごとく第１タン
ク１はへこみ、第１タンク１内の圧力が栓４をバネ８の
力に抗して押し、筒状開口部３が開く。これに連動して
第２タンク２内の空気が圧迫されて第１弁１１をバネ１
６の力に抗して押し、第１開口部９がわずかに開く。そ
こで第１タンク１内の洗剤が第２タンク２内に入る。

【００１３】そして第１タンク１への外部からの押圧を
止めると、上記栓４はバネ８の力で筒状開口部３に嵌ま
る。その際栓４はガイド棒７によってスムーズに筒状開
口部３内に嵌まる。またこれにより第１弁１１はバネ１
６の力によりただちに第１開口部９を塞ぐ。従ってこの
状態では第２タンク２内は密閉される。また上記第１タ
ンク１はチューブ式のため押圧して中の洗剤を第２タン
ク２に入れていくと、次第にへこんでいくものである。

【００１４】そしてこのたわしを水中に一旦漬けると、
水がガイド筒体１３内に入り、この当該ガイド筒体１３
の第２小室１５を樹脂体１８の上から押すと、水圧によ
りバネ１７の力に抗して第２弁１２が押されて第２開口
部１０が開き、第２タンク２内に水が入ってきて洗剤と
混ざる。その際この実施例では第２小室１５の開口部を
図示の如く小径にしているため、第２小室１５内の水は
ほとんど第２弁１２を押す。そしてまた上記第２小室１
５からの押圧で第１弁１１がバネ１６の力に抗して押さ
れて第１開口部９が開き、第２タンク２内の水で薄めら
れた洗剤がガイド筒体１３の第１小室１４から外周の多
孔質の樹脂体１８に浸透する。そしてこのたわしを水中
から引き上げて被洗浄物に押し当ててこすり付けながら
洗う。これにより適度に洗剤液がたわしからでる。

【００１５】またこのたわしを水中に一旦漬けてただち
に引き上げると、水がガイド筒体１３内に入る。従って
これを水中から引上げた後、当該たわしの上記ガイド筒
体１３の第２小室１５に相応する樹脂体１８の外周箇所
を被洗浄物に押し当てると、第２小室１５内の水の圧力
によりバネ１７の力に抗して第２弁１２が押されて第２
開口部１０が開き、第２タンク２内に水が入って洗剤と
混ざる。そして第１弁１１もバネ１６の力に抗しておさ
れ、第１開口部９開くことと成る。この様にして水で薄
められた洗剤が第２タンク２及びガイド筒体１３の第１
小室１４から外周の多孔質の樹脂体１８に浸透する。そ
してこのたわしを被洗浄物に押し当ててこすり付けなが
ら洗う。これにより適度に洗剤液がたわしからでる。

【００１６】なお上記実施例では、第１タンク１を外部
から押すと、内部の圧力によりバネ８の力に抗して栓４
が動き筒状開口部３が開くが、万一開口部３が開きにく
い場合は樹脂体１８の上から栓４を直接押すこともでき
る。そのため上記実施例では栓４の一端を第１タンク１
の中まで突出させている。また上記実施例では予め洗剤
を第１タンク１内に入れているが、これに限らず第１タ
ンク１に栓を有する注入口を設け、使用時に洗剤を入れ
ても良い。

【００１７】また上記実施例では多孔質の樹脂体１８を
第１タンク１及び第２タンク２及びガイド筒体の外周に
被って設けたが、これに限らず、第１タンク１を外部に
露出させ、第２タンク及びガイド筒体のみを当該樹脂体
１３で被っても良い。また上記栓４は上記の如くガイド
棒７を設けてこのガイド棒７に沿って摺動するがこの構
成に限るものではない。常時栓４で筒状開口部３を塞ぐ
よう栓４を付勢するバネであれば良い。また第１弁及び
第２弁を常時閉鎖するバネ１６及び１７も上記の構成に
限るものではない。

【００１８】

【発明の効果】この発明は以上の構成であり、第１タン
クの外周を押して第２タンクに洗剤を移し、そこで第２
タンクを開けて洗剤を樹脂体内に出していくことができ
るため、当該たわしの使用者はたわしを持ったまま、た
わしの内部のタンクから洗剤を少量づつ吐出させて、被
洗浄物を洗うことができる。従って従来の如く、いちい
ち洗浄を中断してたわしに洗剤を付けなくても良く、作
業効率が上がる。しかも樹脂体内に吐出される洗剤の量
は少量づつであり、何回も使用できる。また第１タンク
は押圧を止めると、バネの力で強制的に栓が筒状開口部
を塞ぎ、それ故水等の不純物がタンク内に入って洗剤と
混ざることがない。さらに第１タンクに洗剤の注入口を
設けたものはタンク内の洗剤が無くなった時は容易に洗
剤を補充することができる。またこのたわしはピクニッ
クや飯盒炊飯等の際の携帯に便利であり、水さえあれば
洗剤を用いた洗浄ができ、衛生上好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の断面図である。

【図２】この発明の実施例の第１タンクを押圧した状態
の断面図である。

【図３】この発明の実施例のガイド筒体の第２小室を押
圧した状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 第１タンク ２ 第２タンク ３ 筒状開口部 ４ 栓 ８ バネ ９ 第１開口部 １０ 第２開口部 １１ 第１弁 １２ 第２弁 １３ ガイド筒
体 １４ 第１小室 １５ 第２小室 １６ バネ １７ バネ １８ 樹脂体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗剤を入れるチューブ状の第１タンクと
   略固定形状の第２タンクとを連設し、上記第１タンクと
   第２タンクとを連絡する筒状開口部を設け、この筒状開
   口部に開閉自在な常閉型の栓を嵌め、第２タンク内に上
   記栓を常時押圧するバネを設け、第２タンクの他端には
   第１開口部及び第２開口部を設け、これらの各開口部に
   バネにより常に閉口したヒンジ式の第１弁及び第２弁を
   設け、これらの第１弁は第２タンクの内側にのみ開き、
   第２弁は外側にのみ開く構成とし、これらの第１開口部
   及び第２開口部を有する第２タンクの外側面にこれらの
   第１開口部及び第２開口部を囲む一定長のガイド筒体を
   設け、少なくとも上記第２タンク及びガイド筒体の外周
   を多孔質の樹脂体で被ったことを特徴とする、洗剤貯溜
   式たわし。