JPH093787A - 細砕セルロース繊維材浸透方法および装置 - Google Patents

細砕セルロース繊維材浸透方法および装置

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JPH093787A
JPH093787A JP8112742A JP11274296A JPH093787A JP H093787 A JPH093787 A JP H093787A JP 8112742 A JP8112742 A JP 8112742A JP 11274296 A JP11274296 A JP 11274296A JP H093787 A JPH093787 A JP H093787A
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キッモ ケッツネン オウヴォ
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
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    • D21C3/22Other features of pulping processes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学セルロースパルプ(特にクラフトパル
プ)の強度特性を改良する方法の提供。 【解決手段】 従来の浸透法の代わりに低温浸漬浸透法
を用いることによって改良される。スチーム処理後、木
材チップをアルカリ液に温度は約80〜110℃、時間
は半時間〜72時間、圧力は約0〜15バールで浸漬
し、木材を少なくとも約8%溶解し、またリグニンを少
なくとも約15%溶解する。使用アルカリ液は、硫化物
を含んでいるのが好ましいが、アルカリ濃度NaOH約
1.0モル/リットルを有するアルカリはどんなもので
も好適である。次いで、木材チップを蒸解温度約145
〜180℃へ上げて蒸解し、セルロース化学パルプを製
造する。浸漬工程と蒸解温度への温度上昇工程との間に
中間工程、すなわち、木材チップを温度約110〜15
0℃で約10分間〜90分間加熱する工程を設けてもよ
い。木材チップを処理する本装置は、従来的な機器に加
えて低圧の浸漬槽(関連するポンプや他の移送手段とと
もに)を備えるだけでよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学セルロースパ
ルプの製造方法およびその装置に関し、特に製造の際の
チップ浸透法を改良し、強度が優れたパルプを製造する
方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クラフトセルロースパルプの製造におい
て、特に連続蒸解法では、木材チップ(又は細砕セルロ
ースセルロース材類似のもの)は、通常スチーム処理が
前処理として行われ、チップから空気が除かれ、約10
0〜120℃の温度に予熱される。リドホルム(Ryd
holm)著作の「パルププロセス」によれば、温度が
高いと炭水化物の加水分解と液の縮合とが共におこる引
き金になるといわれる。この後チップは、高圧フィーダ
関連のチップシュートへ入り、そこで温度約115〜1
30℃で蒸解液に混ぜ合わされ、蒸解カンの頂部,もし
くは別個の浸透槽へ輸送されながら、この温度で、普通
約15〜30分間蒸解液による浸透が行われる。その後
スラリーは、実際の蒸解のため温度約150〜170℃
に加熱される。実際の蒸解は蒸解カンの中で行われる。
世界にはこのようなやり方で運転されている連続蒸解カ
ンが約400基もあり、これらは蒸解用のチップを製造
し、次いで連続蒸解を行うのに適当な方法であるとして
長年受け入れられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討によれ
ば、この従来的で、広く受け入れられた、クラフト蒸解
に先立つチップ処理法は、実は製造されたパルプの強度
に悪影響があることが明らかとなった。これは特に通常
のカッパーNo.より低いパルプを製造するときにそう
である。業界の従来的知恵は次のような事実の認識を見
落としている。それは、チップが従来的浸透の際の温度
になっている時、加水分解反応を含む脱リグニンの際に
酸性物質が生成し、−−チップをアルカリで浸透中和す
る前に−−酸がチップ中に相当程度蓄積することが多々
あり、酸がチップ中のセルロースを侵したり、および/
またはリグニン縮合を起こさせたりするので、これらは
両者とも後段のパルプ化操作に悪影響があり、特に少な
くともセルロースを侵す酸はパルプ強度に悪影響がある
ということである。本発明によって認識されたことは、
木材チップへのアルカリの拡散は酸性物質を中和するに
は十分に早いとは言えず、従ってセルロース材の所与の
原料から最大の最終のパルプ強度を得ようと欲するなら
ば、異なるアプローチを取らなければならないというこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加水分
解や脱リグニンや他の化学反応が始まり(その結果酸が
生成する)温度範囲110〜130℃にチップを加熱す
る代わりに、チップに対しては「低温」浸透を行う。す
なわち、酸を生成する化学反応を十分に遅くし、浸透液
からのアルカリの拡散は十分に速くし、酸がセルロース
を侵したり、および/またはリグニン縮合を起こしたり
する前に、生成した酸をアルカリが中和するように浸透
を行うのである。化学反応が起こらなければ、アルカリ
が細胞へ拡散する時間が十分にあり、酸が生成したら、
これを中和するためにアルカリが即座に利用できるとい
うわけである。本発明によれば、アルカリ濃度が比較的
低くともこれらの結果が満足裡に達成され、従来の浸透
法によって製造されたパルプに比較して強度が向上した
パルプが最終的に得られることが判明したことは驚くべ
きである。
【0005】本発明の一つの態様によれば、細砕セルロ
ース繊維材(例えば、広葉樹チップであるが、多岐にわ
たる他のセルロース材、例えば、針葉樹チップ、バガ
ス、および農業廃材も含む)を浸透する方法において、
順次的連続的に行う以下の諸工程、すなわち、(a)細
砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温以上に予熱す
る工程、(b)アルカリ液(好ましくは硫化物含有のア
ルカリ液)に上記セルロース材を浸漬し、その際の温度
は、酸がそもそも生成するにしても、反応が十分にゆっ
くり起こり、生成した酸が、セルロース材を損傷した
り、あるいはリグニン縮合を起こさせたりし得る前に、
アルカリによって中和されるような温度であり、その際
の液のアルカリ濃度は生成した酸をすべて中和するに十
分な濃度で、その際の時間はセルロース材にアルカリを
完全に浸透させるに十分な時間で行う工程、および
(c)アルカリ浸透のセルロース材を蒸解温度に上げ、
これを連続蒸解し、セルロースパルプを生成する工程を
包含する細砕セルロース繊維材の浸透法が提供される。
蒸解は、通常より低いカッパーNo.(例えば、クラフ
ト蒸解に対してはカッパーNo.25未満、あるいはカ
ッパーNo.20未満)にするのが好ましい。
【0006】上記の方法を行うに際しては、工程(a)
は普通、従来的なやり方で予備的スチーム処理を行うこ
とによって実施される。ただし、チップがスチーム処理
される最高温度は約110℃である。チップを予熱し、
空気を除去する予備的スチーム処理は、約80〜110
℃(より望ましくは90〜105℃、最も望ましくはお
そらく約90〜100℃)にて約5〜60分間(普通は
約10〜30分間)行われる。このスチーム処理の際に
アルカリを存在させておくと有利である(しかし、必ず
しも必須ではない)。この場合は、スチーム処理の際に
生成する凝縮液はアルカリ性となる。アルカリは、灰分
または粉体、白液、黒液などの形でスチーム処理の前、
もしくはその最中に添加することができる。工程(c)
は連続蒸解カン中で蒸解温度約145〜180℃にて行
われるのが好ましい。
【0007】工程(b)は、これこそ本発明の特徴であ
るが、大部分のセルロース繊維材に対して温度約80〜
110℃、望ましくは約90〜105℃、または80〜
100℃で行われる。処理時間は普通は少なくとも30
分間であるが、この処理時間は、この処理態様の極めて
ゆっくりな進行がパルプ工場で許容される限り、またセ
ルロース材(普通は比較的穏和なアルカリ液中にはある
ことはまずない)に悪影響がない限り、実質的には無限
の長さといってもよい。実際のところは、処理時間が7
2時間を超えることは滅多になく、最も望ましくは約1
〜4時間であり約2〜3時間が最適である。浸漬は高圧
である必要がない。実際のところ大気圧より高い圧力を
そもそも用いる唯一の理由は、気泡が発生すればこれを
つぶし、チップが沈み易くすることである。従来的浸透
では圧力は約10〜20バールであるが、一方本発明で
は工程(b)は0〜15バール、好ましくは0〜5バー
ルまたは1〜5バールで行われる。
【0008】工程(b)は、木材を少なくとも約8%
(好ましくは約10〜20%)溶解し、またリグニンを
少なくとも約15%、普通は約20〜40%溶解するよ
うに実施されるのが普通である。溶解されたリグニン
(およびヘミセルロースのような他の有機固形物)の実
質的に全部、または少なくとも大部分は工程(c)の前
で除去することができ、これは最終的全処理工程シーケ
ンスでは有利な点である。
【0009】工程(b)と工程(c)との間に、セルロ
ース材を温度約110〜150℃に約10〜90分間
(好ましくは120〜140℃に約10〜30分間)加
熱する工程を更に設けて差し支えない。工程(b)の実
施の際には、高アルカリ濃度を用いることは差し支えな
いが、NaOH約1.0モル/リットル(他のアルカリ
の場合はその当量)を超える濃度のアルカリを使う必要
はなく、実際のところは、NaOH約0.75モル/リ
ットル以下の濃度のアルカリが十分効果的である。
【0010】本発明の別の態様によれば、木材チップを
浸透する方法において、順次に行う以下の諸工程、すな
わち、(a)チップを脱気し、これを温度約80〜10
0℃に加熱するためにスチーム処理する工程、(b)ア
ルカリ液(好ましくは硫化物含有のアルカリ液)に上記
チップを温度約80〜110℃(好ましくは80〜10
5℃)にて約1〜72時間浸漬し、チップにアルカリを
浸透させ、少なくとも木材を約8%溶解する工程、およ
び(c)上記チップを蒸解温度に上げ、これを連続蒸解
し、セルロースパルプを生成する工程を包含する木材チ
ップ浸透法が提供される。
【0011】また、本発明は新規のクラフトパルプに関
するが、本発明のパルプは、本発明の低温浸漬法とは異
なる従来的浸透法を用いる他は全く同じ方法で製造され
たクラフトパルプに比較して、改良された強度を有す
る。すなわち、本発明の別の態様では、改良された強度
を有するクラフトパルプが、以下の諸工程、すなわち、
(a)細砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温以上
の温度に予熱する工程、(b)アルカリ液(好ましくは
硫化物含有のアルカリ液)に上記セルロース材を浸漬す
る工程であって、その際の温度は、酸がそもそも生成す
るにしても、反応が十分にゆっくり起こり、生成した酸
が、セルロース材を損傷したり、あるいはリグニン縮合
を起こさせたりする前に、アルカリによって中和される
ような温度であり、その際の液のアルカリ濃度は生成し
た酸をすべて中和するに十分な濃度で、その際の時間は
セルロース材にアルカリを完全に浸透させるに十分な時
間であるような工程、および(c)アルカリ浸透のセル
ロース材を蒸解温度に上げ、これを連続蒸解し、工程
(b)による浸透とは異なるやり方で浸透された他は全
く同じに処理されたセルロース材に比較して改良された
セルロースパルプを生成する工程を順次的連続的に行う
ことによって製造・提供される。工程(c)は、約15
0〜180℃で行われ、連続蒸解カンでクラフトパルプ
が製造されるのが好ましい。
【0012】また、本発明はセルロース繊維材を処理し
て化学パルプを製造する装置に関する。本装置は以下の
構成要素を包含する。すなわち、細砕セルロース繊維材
を脱気し、これを常温以上の温度に予熱する手段;上記
脱気手段から得られた細砕セルロース繊維材を浸漬する
第一槽であって、約5バール以下の圧力、および約11
0℃未満の温度のアルカリ液にのみ耐えることができる
第一槽;第一槽からのセルロース繊維材を蒸解する連続
蒸解カン;および 第一槽から蒸解カンへセルロース繊
維材を移送する手段である。本蒸解カンは、連続蒸解カ
ンであることが好ましく、また移送手段は、移送中のセ
ルロース材を加圧するものでもある(例えば、従来的高
圧フィーダーを備えるものでもよい)。少なくとも一基
の浸透槽を、特に旧来の運転を行う場合には、上記第一
槽と蒸解カンとの間に設けることができるが、低温浸漬
は、単一槽式加圧型蒸解カンの場合はその頂部(例え
ば、浸透ゾーン)で行うこともできる。また、本装置に
は第一槽から第一液を抜き出す手段を更に備えることが
できる。この第一液は溶解したリグニン/固形物を含む
が、第一槽の第一液は、溶解リグニン/固形物濃度が第
一液よりも低い第二液(例えば、洗浄液や漂白装置濾
液)で置換される。本発明の教示を用いると、連続クラ
フト装置において従来的な高圧フィーダーを無くしてし
まうことさえ可能である。例えば、脱気手段は、スチー
ム吹き込み管付きのチップ貯槽で行ってよいが、この際
チップ貯槽と第一槽とは移送手段の上にあるので、該移
送手段は地面より上にあり、従ってこれは実質的にポン
プの役目を果たす(すなわち、高圧フィーダーが要らな
い)ということである。
【0013】本発明の主な目的は、化学パルプ、特に連
続蒸解によって製造される化学パルプの強度を簡単では
あるが効果的に増加することである。本発明のこの目的
および他の目的は、本発明の詳細な説明よく吟味し、添
付の特許請求の範囲を読めば一層明白となろう。
【0014】さて、添付図面を詳細に説明する。上記の
発明の概要で記載されているように本発明は、細砕セル
ロース繊維材に浸透を行う方法において、順次的連続的
に細砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温以上に
(普通はスチーム処理によって温度約80〜110℃、
好ましくは約90〜105℃、または90〜100℃に
て約5〜60分間、好ましくは約10〜30分間)予熱
し、アルカリ液に上記セルロース材を低温浸漬し、アル
カリをセルロース材に浸透させ、次いでアルカリ浸透の
セルロース材を蒸解温度に上げて、最終的にこれを蒸解
し、化学セルロースパルプを生成する細砕セルロース繊
維材浸透法に関する。
【0015】本発明では、低温浸漬が提供され、その
際、セルロース材はアルカリに浸漬されるが、その時の
温度は、酸生成化学反応(例えば、加水分解)がそもそ
も起こるにしても、反応が十分にゆっくり起こり、生成
した酸がセルロース材を損傷したり、あるいはリグニン
損傷を起こさせたりし得る前に、該酸が浸漬されたアル
カリによって中和されるような温度となるようにする。
化学反応が起こらなければ、アルカリが細胞へ拡散する
時間が十分にあり、酸が生成したら、これを中和するた
めにアルカリが直ちに利用できることになる。浸透液の
アルカリ濃度は、生成した酸を中和するに十分な濃度と
し、浸漬は、セルロース材にアルカリを実質的に完全に
浸透させるに十分な時間行う。以下の実施例は、−−図
1〜図4のグラフを参照しつつ−−実験室試験を記載す
るものであるが、本発明の方法の有効性を証明するもの
である。
【0016】
【実施例】異なる厚さの針葉樹チップを(スチーム処理
を先ず行わずに)、約1.0モル/リットルの濃度のN
aOHアルカリ液に温度約100℃で浸漬し、アルカリ
(NaOH)消費量を測定した。この実施例では硫黄を
含まない液を用いたが、浸漬/浸透に用いるアルカリ液
は、硫化水素、硫化物イオン、または硫化ナトリウムを
含むのが好ましい。図1の棒10はチップ厚さが約3m
mの時の結果を(異なる時間に対して)示し、棒11は
チップ厚さが約4〜6mmの時の結果を、棒12はチッ
プ厚さが約6〜8mmの時を示す。図1に示されるよう
に、図に示される特定のチップ厚さに対しては1時間と
いう時間は完全なアルカリ浸透には不十分であるが、約
2時間後は、そして確かに約3時間後は、浸透と拡散と
の際のアルカリ消費は安定化し、この時間(約2〜3時
間)の後は加熱と蒸解を行ってもよいことを示してい
る。(チップをスチームで予備処理した場合は、上記の
効果的なスチーム処理に要する時間は、少し短くなるは
ずと信じられている。)図1のグラフの結果から、並び
に他の利用できる情報から、特定のセルロース材、正確
な温度、材料の厚さ、などなどに左右されるけれども、
本発明のアルカリ浸漬は約1〜72時間、好ましくは約
1〜4時間、普通は約2〜3時間となるはずである。
【0017】図2は上記に論議した結果を確認するもの
である。図2は、図1と同じようなグラフ表示である
が、この図では棒15〜17はそれぞれ棒10〜12の
厚さの木材チップに対応する。図2は吸収されたアルカ
リ量を示す。すなわち、アルカリ消費量に加えるにチッ
プに入った液中のアルカリ量である。
【0018】図3は本発明の低温浸透の際に木材チップ
の有意な量が溶解することを示す。棒21〜23はそれ
ぞれ図1の棒10〜12に対応し、同じ厚さの木材チッ
プに対するものである。図3のグラフ、並びに他の利用
できる情報が示すのは、本発明の初期処理の際に木材チ
ップの約15〜20%が溶解するということである。浸
透液中のリグニン含有量は、リグニンが溶解するので増
加する。図3の情報から、並びに他の利用できる情報か
ら、本発明の浸透操作の際木材については少なくとも約
8%、好ましくは約10〜20%、リグニンについては
普通は少なくとも約15%、好ましくは約20〜40%
溶解することが望ましい。この木材量とリグニン量と
は、繊維に損傷を与える危険を冒さずに本発明の「低
温」浸透の際に溶解することができる。
【0019】図4のグラフは、約100℃での前処理の
際のアルカリ濃度の効果を示す。棒26〜28はそれぞ
れグラフの棒10〜12と同じ厚さのチップに対応す
る。左の棒に対するアルカリ強度は、約0.75モル/
リットル(NaOHで表示された全アルカリ強度、また
は当量)で、一方真ん中の棒に対するアルカリ強度は約
1.0モル/リットルで、右側の棒は約1.5モル/リ
ットルである。図4のグラフ表示結果が示すところは、
アルカリ強度は有意な効果がなく、従って酸性領域を形
成し、繊維の特性を損なう恐れのある酸性副生物を中和
するのに必要なアルカリを存在させておき、アルカリを
効果的中和のために木材チップ細胞中に利用可能にして
おくことだけが必要であるということである。実際の蒸
解の際に必要なアルカリは、従ってこの前処理後にも、
および/または蒸解の際にも添加し得るということであ
り、すなわち、高濃度のアルカリは浸透の際には必要が
ないということである。実際、図4からの情報、並びに
他の利用できる情報を用いれば、本発明では低温浸透の
際アルカリ濃度は、NaOH約1.0モル/リットル以
下で、実際に約0.75モル/リットル以下が望まし
い。
【0020】上に記載の実施例からのデータ、並びに他
の利用できる情報を用いて、本発明では約110℃以下
の温度にある時にチップの浸透を行うのが望ましいこと
が分かった。本発明の低温浸透が行われる典型的な温度
は、約80〜110℃で、より望ましくは約90〜10
5℃、または約80〜100℃である。時間は、少なく
とも30分間が好ましく、最も望ましくは約1〜4時間
で、最適は約2〜3時間である。圧力は0〜15バール
がよく、好ましくは0〜5バールで、より好ましくは1
〜5バールであり、圧力をかける唯一の理由は、少し圧
力をかけると、チップの中に気泡が発生すればこれを押
しつぶし、チップが沈むのが容易になるからであるの
で、圧力をかけることは、気泡の大きさを小さくするこ
とを除いては必ずしも必須ではない。従って、本発明に
よれば、高圧を用いる必要がないからコストの安い装置
や槽を使用することができる。
【0021】また、本発明によれば、蒸解反応を開始す
るためにアルカリを更に加え、それから蒸解温度までチ
ップを次第に上げていくことが望ましくもあるが、それ
は、低温浸透と蒸解温度達成ステップとの間にステップ
を一つ置くことによって行うことができる。この場合セ
ルロース材は、約110〜150℃(好ましくは約12
0〜140℃)の温度へ約10〜90分間(好ましくは
約10〜30分間)かけて昇温される。
【0022】本発明は、特にクラフト/ソーダ連続蒸解
プロセスに適用されるが、他の化学蒸解プロセスにも適
用性を有し得る。
【0023】また、本発明の態様の一つによれば、前処
理の後であるが、蒸解の前に溶解リグニンおよび/また
は他の有機固形物(例えば、ヘミセルロース)を−−少
なくとも部分的に−−置換し、蒸解の際の溶解物質の濃
度を最小限にすることが有利である(この有利な理由に
ついては1993年5月4日出願の米国特許出願第08
/056、211号)に記載されており、この開示内容
を本明細書に参考文献として引用するものとする)。第
一濃度のリグニンを有するリグニン/固形物含有液を、
より低濃度のリグニン/固形物を有する液で置換するの
は、白液、希釈された白液、黒液(例えば、図6の下段
スクリーン52からのもの)、漂白プラント廃液、パル
プ洗浄廃液などなどを用いて行うことができる。溶解さ
れたリグニン/固形物を少なくとも大部分除去すれば、
実際の蒸解の際に溶解されるリグニン/固形物の量を、
従来法に比較して30〜50%少なくでき、蒸解の際に
リグニン縮合の危険を少なくすることが、本発明によっ
て確かに可能となる。
【0024】本発明を行うためのアルカリ液の実際の源
は特に有意ではないが、少なくともある程度は硫化物を
含んでいるのが望ましい。黒液、緑液、白液、アルカリ
性漂白プラント廃液、またはこれらの混合液(特に白液
と黒液との混合液)が使用できる。これらの液に添加
物、例えばポリサルファイド、アントラキノン、または
錯体形成剤(キレート剤)を加えることもできる。高濃
度の硫化ナトリウムを有する液(例えば、図6のスクリ
ーン51からのもの)を使うのが望ましい。浸漬の際、
または浸漬と蒸解の間に硫化物含有の液を添加しても差
し支えない。
【0025】図5は、本発明の例示的装置に用いること
が出来る各種機器を概略的に示すもので、これらを用い
て上記の方法を実施し、本発明の強度強化パルプを得る
ことができる。図5において参照数字30は、予備的ス
チーム処理を行う従来的チップビンを示すが、別法とし
てはこのチップびんは30は、ニューヨーク州のグレン
フォール(Glens Falls)のアールストロム
カミヤー(Ahlstrom Kamyr)社販売のダ
イヤモンドバック(登録商標DIAMONDBACK)
を用いることができる。この形式のビンは1994年2
月1日出願の米国特許出願第08/189、546号に
記載されており、この開示内容を本明細書に参考文献と
して引用するものとする。このビン30は、大気圧で操
作されてもよく、約0.1〜3バールのわずかの加圧で
もよく、そして普通スチーム処理が行われ、チップが8
0〜100℃に10〜30分間加熱される。
【0026】ビン30からのスチーム処理されたチップ
は、次いで−−従来的チップポンプ31(または低圧も
しくは高圧フィーダーなど)を用いてライン32を経由
して−−本発明に従い浸漬/浸透槽33の頂部へ供給さ
れる。槽33は、圧力槽である必要はなく、すなわち、
本発明の浸透プロセスは槽33で大気圧で行うことがで
きる。しかし、槽の33の圧力は少し加圧、普通は約1
〜5バールであることが望ましい。気泡を圧縮すると、
チップが沈むのが容易になるからである。従って、槽3
3は、約10〜20バールの圧力を要する従来的浸透槽
に較べて安価になるはずである。
【0027】チップビン30と前処理槽33とは合体さ
せて一つの槽にすることが可能である。槽の上部で大気
圧のスチーム処理が行なわれ、槽に維持された液の所
で、前処理が開始される。チップを液に浸漬させておく
ことが必要ならばこの槽を加圧にすることもできる。
【0028】浸漬/浸透槽33には第一ゾーン34と第
二ゾーン35を設けることができるし、あるいは、もっ
と多くのゾーンを設けることさえ可能である。これら異
なるゾーン34、35には浸透の際に異なる液を用いる
ことができる。このことについては、1995年3月1
4日出願の米国特許出願第08/403、932号に記
載されており、この開示内容を本明細書に参考文献とし
て引用するものとする。第二ゾーン35で使われる液
は、第一ゾーン34で使われる液よりも高温で、かつ硫
黄分をより多く含むものでよい。ゾーン34の温度は普
通80〜110℃の間で、好ましくは80〜100℃
で、セルロース材は少なくとも30分間、普通は約1〜
4時間はゾーン34に保持される。ゾーン35では温度
は約110〜150℃、例えば120〜140℃に上
げ、セルロース材は、約10〜90分間普通は約10〜
30分間ゾーン35に保持することもできる。別法とし
ては、両ゾーン34、35で温度は共通に110℃未満
で、両ゾーン34、35を合わせた全浸透時間が約2〜
4時間とすることもできる。
【0029】また、図5は従来的スクリーン配置−−参
照番号36で総称−−も示しているが、このスクリーン
は、ゾーン34後の被浸透チップの回りにある、高濃度
の溶解リグニン/固形物含有液をある程度取り出すもの
である。この液は、槽33の所望の点に添加された置換
液と置き換えることができるが、この置換液は、ライン
37を経てスクリーン36から抜き出される液よりも非
常に低い溶解リグニン/固形物濃度を有している液のな
ので、パルプ中の溶解リグニン/固形物濃度は、連続蒸
解カン40に達した時には、従来的連続蒸解カン装置に
較べて約30〜40%も低くなる。
【0030】槽33の底部からライン41に排出された
パルプは、次いで−−好ましくは従来的高圧フィーダー
42(これはセルロースのスラリーの移送と加圧の両機
能を有するものである)によって−−連続蒸解カン40
の頂部へ送られる。本発明によればある種の状況下にあ
っては高圧フィーダー42をチップポンプで置き換える
ことができる。いずれにしろ、蒸解カン40の頂部の圧
力は、蒸解温度が約145〜180℃の蒸解液の沸騰を
防止するために、少なくとも約5〜10バールでなけれ
ばならない。本発明では槽33において2段のポンプ
(ポンプまたは段31、42)が用いられるので、高圧
フィーダーの代わりに段42の所でチップポンプを用い
るならば、槽33の所の頂部の圧力は、3〜8バールと
なることであろう。
【0031】蒸解カン40としては、ニューヨーク州の
グレンフォールのカミヤー社販売の従来的連続蒸解カ
ン、例えば、MCC(登録商標)蒸解カン、EMCC
(登録商標)蒸解カン、またはローソリッド(登録商標
Lo−Solids)蒸解カンが好ましい。蒸解は、普
通はゾーン44で行われ、一方、洗浄はゾーン45で行
われ、その後、製造された高強度の化学パルプ(好まし
くはクラフトパルプ)がライン46を経て抜き出され
る。(蒸解カン40は、完全に並流としてもよい。)抽
出スクリーンが、参照数字47と総称されて設けられて
いる。スラリーは、槽33と40との間で間接熱交換を
行うことによって槽33と40との間で加熱される。ス
クリーン47からの抽出液中の熱を用いて、白液(また
は他の蒸解液)が蒸解カン40に添加される前、つまり
蒸解カン40の手前で、白液を予熱することによって、
熱経済を改良することができる。
【0032】図6の装置は、図5の装置と同様なもので
あるが、唯一の違いは、すでに浸透槽を有している既設
(すなわち、新たに建設されるものでない)の装置に対
するものであることである。この態様では図5のものに
対応する構造は、同じ参照数字で、頭に「1」を付けて
示される。
【0033】図6の態様では、パルプ工場の既設の浸透
槽は槽50である。本発明の低温浸透法は槽133(最
高温度は約110℃)で行われ、一方槽50では中間処
理が行われ、ここではチップの温度は次第に、例えば、
約110〜150℃、好ましくは120〜140℃まで
に上げられるので、蒸解条件も蒸解カン140では、よ
り温和であり、液をゾーン51、52で取り出したり、
置換したり、あるいは蒸解カン50に入る前に取り出し
たりする場合は、蒸解の際に存在する溶解木材さえも少
なくなる。槽50に関連して、別のチップポンプも設け
られる。もっとも、このチップを、蒸解カン140頂部
からの戻り液によってスラリー化することもできる。既
存の高圧フィーダー142は槽133と150との間に
設けられる。
【0034】図5および図6に示されている装置の別法
の装置として、同時係属出願の米国特許出願第08/2
67、171号(この開示内容を本明細書に参考文献と
して引用するものとする)、または1995年4月25
日出願の米国特許出願第08/428、302号(この
開示内容を本明細書に参考文献として引用するものとす
る)に記載されているような装置を用いることができ
る。例えば、米国特許出願第08/267、171号の
図4〜図9、または米国特許出願第08/428、30
2号の図1に示されている装置を用いることができ、こ
の際チップは、高圧フィーダーまたはポンプの前の槽
に、本発明に従って十分な時間(例えば、1〜4時間)
保持される。このようにして、そして本発明の教示に従
って、特にチップビンとスラリーの塔の加圧がポンプの
上に維持されている場合、かつ蒸解カンが完全に並流
で、もしくは少なくとも向流の洗浄ゾーンを有しない場
合、および/またはチップビンと浸漬槽が上の方に位置
しており、地面よりは蒸解カンの頂部に近い場合には、
連続クラフト製造装置に通常は用いられる高圧フィーダ
ーをなくしてしまうことが可能となり得る。
【0035】
【発明の効果】従って本発明によって、強度が向上した
化学(特にクラフト)パルプを製造するための有利な方
法および装置が提供されることが明らかである。強度の
向上は、クラフト蒸解法を用いる時は特に重要である。
低温浸透法を用いることにより、酸性副生物が少なくな
り、セルロース繊維材が損傷されない。全体的に低圧で
操作可能となり、装置の経済性が向上する。
【0036】本発明については、最も実際的でかつ好ま
しい態様であると現在考えられたものを本明細書に示
し、かつ説明したものであるので、多くの部分的改変点
が本発明の範囲内で当業者には明らかになろう。従っ
て、本発明の特許請求の範囲については、すべての等価
の方法、パルプおよび装置を含むように最も広く解釈す
べきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の可能性を示す試験においてア
ルカリ消費量を時間の関数として示すグラフである。
【図2】 図1のものと同じようなグラフであるが、ア
ルカリ吸収量を示すものである。
【図3】 本発明の方法の可能性を示す試験において木
材チップの溶解量を示すグラフである。
【図4】 本発明の場合の約100℃での予熱の際のア
ルカリ濃度の影響を示すグラフである。
【図5】 本発明の例示的装置に用いることができるい
ろいろな機器の第一例示的態様を示す概要図である。
【図6】 図5のような図であるが、本発明で使用でき
る他の態様の機器を示すものである。
【符号の説明】
10〜28…棒グラフの指示値、30…チップビン、3
1…ポンプ、32、46…ライン、33、50…槽、3
4…上部ゾーン、35…下部ゾーン、3、47、51、
52…スクリーン、37…ライン、40…蒸解カン、4
2…高圧フィーダー、44…蒸解ゾーン、45…洗浄ゾ
ーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アキ ハンヌ ビルッポネン フィンランド国、48600 カーヒュラ、カ ーヒュンカツ 14 エフ 24 (72)発明者 ハンヌ オラヴィ ラマーク フィンランド国、48310 コッカ、ウーテ ランティエ 1 ビー 8 (72)発明者 オウヴォ キッモ ケッツネン フィンランド国、48600 カーヒュラ、マ ッリンムッカ 2 エフ 53 (72)発明者 シー. バーティル ストロンベルグ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 12801、 グレンス フォールス、エディソン ロー ド 4

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細砕セルロース繊維材を浸透する方法に
    おいて、順次的連続的に行う以下の諸工程、すなわち、
    (a)細砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温以上
    に予熱する工程、(b)アルカリ液に上記セルロース材
    を浸漬する工程であって、その際の温度は、酸生成反応
    がそもそも起こるにしても、反応が十分にゆっくり起こ
    り、生成した酸がセルロース材を損傷したり、あるいは
    リグニン縮合を起こさせたりし得る前に、アルカリによ
    って中和されるような温度であり、その際の液のアルカ
    リ濃度は生成した酸をすべて中和するに十分な濃度で、
    その際の時間はセルロース材にアルカリを完全に浸透さ
    せるに十分な時間であるような工程、および、(c)ア
    ルカリ浸透のセルロース材を蒸解温度に上げ、これを連
    続蒸解し、セルロースパルプを生成する工程、を包含す
    る細砕セルロース繊維材浸透方法。
  2. 【請求項2】 工程(b)が、温度約80〜110℃で
    約30分間〜72時間の間、圧力約0〜15バールで行
    われることを特徴とする請求1記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(b)が、木材の少なくとも約8
    %、リグニンの少なくとも約15%を溶解するように行
    われることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(b)が、温度約90〜105℃で
    約1時間〜4時間の間、圧力約1〜5バールで行われる
    ことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(b)が、木材の約10〜20%を
    溶解するように行われることを特徴とする請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 工程(c)が、セルロース繊維材を温度
    約145〜180℃に加熱して行われることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程(b)と工程(c)との間に、セル
    ロース繊維材を温度約110〜150℃に約10〜90
    分間加熱して行う工程(d)を更に包含することを特徴
    とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 工程(d)が、温度約120〜140℃
    で約10〜30分間行われることを特徴とする請求項7
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程(b)が、アルカリ濃度がNaOH
    約1.0モル/リットル以下であるように行われること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 工程(b)が、アルカリ濃度がNaO
    H約0.75モル/リットル以下で、かつその際アルカ
    リ液が硫化物も含むように行われることを特徴とする請
    求項4記載の方法。
  11. 【請求項11】 工程(b)の後で、しかもセルロース
    材を実際に蒸解する前に、この材から溶解リグニンと他
    の有機固形物とを少なくともある程度は取り除く工程
    (e)を更に包含することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 工程(b)が、アルカリ液として、黒
    液、緑液、アルカリ性漂白プラント廃液、白液、または
    これらの混合液を用いて行われることを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(b)が、温度約80〜100℃
    で約2時間〜4時間の間行われ、NaOH約1.0モル
    /リットル以下の強度を有するアルカリを用いて、木材
    の約10〜20%を溶解するように行われることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 工程(a)が、セルロース繊維材を温
    度約80〜100℃で約5分間〜60分間予熱するよう
    にスチーム処理によって行われることを特徴とする請求
    項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(c)が、カッパーNo.25未
    満までセルロース繊維材を連続クラフト蒸解するように
    行われることを特徴とする請求項2記載の方法。
  16. 【請求項16】 改良された強度を有するクラフトパル
    プにおいて、順次的連続的に行う以下の諸工程、すなわ
    ち、(a)細砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温
    以上に予熱する工程、(b)アルカリ液に上記セルロー
    ス材を浸漬する工程であって、その際の温度は、酸生成
    反応がそもそも起こるにしても、反応が十分にゆっくり
    起こり、生成した酸がセルロース材を損傷したり、ある
    いはリグニン縮合を起こさせたりし得る前に、アルカリ
    によって中和されるような温度であり、その際の液のア
    ルカリ濃度は生成した酸をすべて中和するに十分な濃度
    で、その際の時間はセルロース材にアルカリを完全に浸
    透させるに十分な時間であるような工程、および(c)
    アルカリ浸透のセルロース材を連続クラフト蒸解温度に
    上げ、これを連続クラフト蒸解し、工程(b)の浸透と
    は異なるやり方で浸透した他は同一に処理したセルロー
    ス材に比較して向上した強度を有するクラフトパルプを
    生成する工程、によって製造された改良強度を有するク
    ラフトパルプ。
  17. 【請求項17】 セルロース繊維材を処理して化学パル
    プを連続的に製造する装置において、前記システムが、
    細砕セルロース繊維材を脱気し、これを常温以上の温度
    に予熱する手段、上記脱気手段から得られた細砕セルロ
    ース繊維材を浸漬する第一槽であって、約5バール以下
    の圧力、および約110℃未満の温度のアルカリ液にの
    み耐えることができる第一槽、前記第一槽からのセルロ
    ース繊維材を蒸解する連続蒸解カン、および前記第一槽
    から前記蒸解カンへセルロース繊維材を移送する手段、
    を備えた化学パルプ連続的製造装置。
  18. 【請求項18】 前記第一槽と前記蒸解カンとの間に少
    なくとも一つの浸透槽を更に備えたことを特徴とする請
    求項17記載の化学パルプ連続的製造装置。
  19. 【請求項19】 前記第一槽から、溶解リグニンおよび
    他の有機固形物を含有する第一液を取り出し、第一槽中
    の第一液を、第一液より低濃度の溶解リグニンおよび他
    の有機固形物を有する第二液で置換する手段を更に備え
    たことを特徴とする請求項17記載の化学パルプ連続的
    製造装置。
  20. 【請求項20】 前記移送手段が、セルロース繊維材
    を、前記第一槽から前記蒸解カンへ移送し、その移送の
    間に害セルロース繊維材を加圧する手段を備えたことを
    特徴とする請求項17記載の化学パルプ連続的製造装
    置。
  21. 【請求項21】 前記脱気手段が、スチーム処理付きチ
    ップビンを構成要素とし、その際前記チップビンと第一
    槽とが前記移送手段の上に位置し、かつ、前記移送手段
    が地面の上に位置し、実質的にポンプから成り、高圧フ
    ィーダーをなくしてしまうことを特徴とする請求項17
    記載の化学パルプ連続的製造装置。
  22. 【請求項22】 木材チップを浸透する方法において、
    順次的連続的に行う以下の諸工程、すなわち、(a)木
    材チップをスチームで脱気し、これを温度約80〜11
    0℃に加熱する工程、(b)アルカリ液に上記チップを
    約30分間〜72時間の間、温度約80〜110℃にて
    浸漬し、チップにアルカリ液を浸透させ、木材の少なく
    とも8%を溶解させる工程、および(c)前記木材チッ
    プを蒸解温度に上げ、これを連続蒸解し、セルロースパ
    ルプを生成する工程、を包含する木材チップ浸透法。
  23. 【請求項23】 工程(b)が、硫化物を含有するアル
    カリ液を用いて温度約80〜100℃で約1時間〜4時
    間行われることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 工程(c)が、木材チップをクラフト
    蒸解するように行われることを特徴とする請求項23記
    載の方法。
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