JPH0937463A - 電力系統制御装置 - Google Patents

電力系統制御装置

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JPH0937463A
JPH0937463A JP20522195A JP20522195A JPH0937463A JP H0937463 A JPH0937463 A JP H0937463A JP 20522195 A JP20522195 A JP 20522195A JP 20522195 A JP20522195 A JP 20522195A JP H0937463 A JPH0937463 A JP H0937463A
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孝夫 小俣
Junichi Yoshizawa
純一 吉澤
Yuji Hoshino
雄治 星野
Ryoichi Ichikawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の電力系統制御業務を総合的に最適化
し、設定した重みが制御結果に的確に反映されるように
する。 【構成】 系統状態量格納手段4内にあるデータを用い
て、目的関数算出手段5にて複数の電力系統制御業務の
目的関数を夫々求め、次に目的関数変換手段101にて前
記目的関数を線形変換し、更に統合目的関数算出手段10
2 にて統合目的関数を導出し、この統合目的関数に対し
て感度算出し、操作量決定手段7にて操作量を決定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、電力系統の制御装置に
係り、特に複数の電力系統制御間で互いに関連ある制御
の協調を図って、総合的に最適化することを可能とした
電力系統制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統における主要な制御としては、
有効電力制御,電圧・無効電力制御,定態安定度制御,
電圧安定度制御がある。ここで有効電力制御、即ち、経
済負荷配分制御は、発電機の出力を調整することによっ
て火力発電所の燃料費を最小にすることを目的とする制
御であり、電圧・無効電力制御は、変電所の調相設備の
投入量や変圧器のタップ比,発電機の端子電圧などを調
整することによって、電力系統の送電損失を最小にする
ことを目的としている。
【0003】又、定態安定度制御は、発電機の出力やP
SS(Power SystemStabilize
r)の調整,負荷の切替え操作などによって、系統の安
定性を表す定態安定度指標(固有値)を改善して、系統
の動揺抑制能力を向上させることを目的としている。
【0004】更に、電圧安定度制御は、変電所の調相設
備の投入量や変圧器のタップ比の調整,発電機の端子電
圧や出力の調整,負荷の切替え操作などによって、系統
の供給力余裕を表す電圧安定度指標を改善して、系統の
電力供給能力を向上させることを目的としている。
【0005】これらの電力系統制御の主要は、電力系統
の運用において各制御が共通の制御対象を持つために、
ある制御の結果が他の制御の対象を変化させるため、相
互の関連は大変密接である。
【0006】しかしながら、従来の電力系統制御は、電
力系統から得られる情報をもとに、各業務が独立して各
々の制御目標を満たすような制御を行ない、各制御間の
トレードオフを事前の最も厳しい条件で考慮した、かな
り控え目な(安全サイド)運用であった。
【0007】このような状況を改善するために提案され
たものに、例えば特願平6−66649号(以降、先願
技術と称する)がある。図13によって先願技術を説明す
る。図13において、11は電力系統制御手段、12は電力系
統、13は電力系統制御装置である。
【0008】なお、電力系統制御装置13は電力系統の状
態量を収集する系統状態量収集手段1と、電力系統の設
備データを格納する電力系統設備データ格納手段2と、
系統の状態量を算出する系統状態量算出手段3と、系統
状態量収集手段及び系統状態量算出手段の出力を格納す
る系統状態量格納手段4と、複数の電力系統制御の目的
関数を計算する目的関数算出手段5と、電力系統に接続
されている機器を操作したときに目的関数の変化の度合
である感度を算出する感度算出手段6と、その感度から
電力系統に接続されている機器の操作量を決定する操作
量決定手段7と、操作量決定手段により決定された操作
を行なった時に電力系統の状態が予め定めた制約条件に
違反しないかを判定する制約条件判定手段8と、電力系
統運用のための制約条件を格納する制約条件格納手段9
と、電力系統に接続されている機器に制御情報を出力す
る制御指令手段10とからなる。
【0009】図14は動作説明のフローチャートであり、
これによって処理内容を説明する。先ず、系統状態量収
集手段1及び系統状態量算出手段3より系統状態量が入
力され(ステップS401 )、次いで、各機器の操作に対
する各制御の目的関数の感度が感度算出手段6によって
求められる(ステップS402 )。操作量決定手段7は得
られた感度に基づいて、全ての目的関数を改善する操作
があるか否かを調べる(ステップS403 )。
【0010】ここで、全ての目的関数を改善する操作が
なければ(No)、現在の状態が最適解である。もし、
全ての目的関数を改善する操作があれば(Yes)、操
作量決定手段7はその操作によって運用制約に違反しな
いか、その操作は実際に操作可能か(ステップS405 )
を考慮して最終的な操作量を決定する(ステップS404
)。ここで言う運用制約とは、例えば送電線の潮流値
が指定値以下であること、及び母線電圧が指定された上
下限値内であること、等である。
【0011】又、実際に操作可能であるかについての制
約条件とは、例えば調相設備は設備量を越えて投入でき
ないこと、発電機出力は上下限値を越えて調整できない
こと、PSSゲインは上下限値を越えて調整できないこ
と、及びタップ比は上下限値を越えて調整できないこ
と、等である。以上のような手順を繰り返すことにより
複数の制御が互いに独立である場合の目的関数を同時に
最適化した系統状態が得られる。
【0012】上記記載内容から明らかなように、従来装
置は各電力系統制御間の関連を考慮した総合的な評価を
行なう統合目的関数を導入した制御装置である。この種
の制御方式によれば、例えば、各業務の目的関数の重み
付きの和で表した統合目的関数によって、制御間の関連
を考慮した評価を行なうことを可能にしたものである。
【0013】したがって全ての目的関数を同時に最適化
できない状況であっても、重みの値を決定することによ
ってパレート最適解を求めることが可能である。そして
各制御の重みの値を入力する機能を持たせることによ
り、運用者の意志を反映させた制御が可能である。しか
しながら先願技術は系統状態に応じた最適な重みの値を
選択することは、非常に困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、各目的関数の値の大きさは一般にばらつきがある。
簡単のため、2つの電力系統制御の場合で、1つの制御
(制御1)の目的関数の初期値が1000であり、他方
の制御(制御2)の目的関数の初期値が1である場合に
ついて説明する。又、このとき重みの値は(1) 式を常に
満たすとする。
【数1】w1 +w2 =1 …………………(1)
【0015】オペレータは電力系統の状態に応じて、重
みの値を決定するわけであるが、その際には、例えば各
制御への重みの値を0.1刻みで変化させて予めパレー
ト最適解を求めておき、オペレータの指向に合う解が得
られる重みのバランスを選択する。
【0016】上記の場合では、例えば表1のように重み
を変化させたときに初期状態の目的関数値は計算され
る。表1によると、各制御の目的関数値のオーダが離れ
ているので、制御2の重みの値w2 を0.9まで大きく
しても、統合目的関数における制御2の影響度、即ち、
目的関数の占める割合いは1%程度である。
【0017】
【表1】
【0018】したがって、重みのケース2〜10では統
合目的関数の変化は、制御1の目的関数の変化にほとん
ど等しい。つまり、制御1の目的関数を改善するが、制
御2の目的関数は悪化させるような操作Xは、重みの値
をケース1〜10のように変化させて制御2に重点をお
いた制御を行なおうとしても、操作Xによって統合目的
関数は変わらず改善されるので、制御操作として選択さ
れつづける。よって、ケース1から10では重みが変化
しても制御結果はほとんど変化しない。
【0019】以上のようなことから、従来技術のように
算出された各目的関数に重みの値を掛けた統合目的関数
を用いた制御装置にあっては、重みの値を変化させるこ
とによって、統合目的関数における各制御の目的関数の
影響度を調節することを目的としていたにも拘らず、重
みの値を変化させても各制御の影響度が制御結果に現れ
るほど変化しないという問題がある。
【0020】又、制御結果(パレート最適解)は、設定
された各制御への重みの値のバランスが異なれば、夫々
異なったものとなる。例えば、有効電力制御と電圧・無
効電力制御の重みの値を0.1に固定しておき、定態安
定度制御と電圧安定度制御の重みの変化を0.0〜0.
8の範囲で0.2ずつ変化させるという単純な場合を考
えると、各重みバランス毎の制御結果は図15のようにな
る。
【0021】このように重みの値を変化させることによ
って、各制御の重視度が変わり、制御結果として得られ
る状態(目的関数値)を変化させることが可能である。
しかし、重みの値の変化に対する制御結果の変化は単純
な線形の関係にはなく、図15は2つの制御間だけの関係
であるが、更に多くの制御間ではその関係はより複雑に
なる。
【0022】つまり、例えば、電圧安定度があまり良好
でない(供給力余裕が少ない)系統状態で、重みの値を
具体的にどのような値に設定すれば制御後に運用者が意
図するような十分な電圧安定性をもつ状態が得られるか
は明確には解らず、運用者の経験に頼るほかなかった。
【0023】以上のことから、従来技術のように運用者
の経験に頼って重みの値を決定するような電力系統制御
装置では、複雑な各制御の重みの値と制御結果の関係か
ら、電力系統の状態に応じた最適な重みの値の設定を行
なうことは非常に困難であり、設定された重みの値によ
る制御結果が、必ずしも運用者の意志を反映させた結果
にならないという問題があった。
【0024】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、複数の電力系統制御を総合的に最適化し、設定し
た重みが制御結果に的確に反映されると共に運用者の意
志を反映させた制御結果を得るための重みの値の設定を
可能とし、系統状態に応じた総合的な制御を可能とする
電力系統制御装置を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る電力系統制御装置は、電力系統の状態量を収集する
系統状態量収集手段と、電力系統の設備データを格納す
る電力系統設備データ格納手段と、電力系統の状態量を
算出する系統状態量算出手段と、前記系統状態量収集手
段と系統状態量算出手段から得られる系統状態量を格納
する系統状態量格納手段と、前記系統状態量格納手段に
格納されているデータから各制御の目的関数を算出する
目的関数算出手段と、各目的関数の線形変換を算出する
目的関数変換手段と、変換された各目的関数を総合的に
評価するための統合目的関数を算出する統合目的関数算
出手段と、電力系統に接続されている機器を操作したと
きの、前記統合目的関数の変化の度合である感度を算出
する感度算出手段と、前記感度の結果から電力系統に接
続されている機器の操作量を決定する操作量決定手段
と、前記操作量決定手段により決定された機器の操作を
行なったときに、電力系統の状態が予め定められた制約
条件を満足するか否かを判定する制約条件判定手段と、
前記制約条件判定手段で用いられる制約条件を格納する
制約条件格納手段と、電力系統に接続されている機器に
制御情報を出力する制御指令手段とを備えた。
【0026】本発明の[請求項2]に係る電力系統制御
装置は、[請求項1]において、目的関数変換手段が各
目的関数を夫々の初期値で正規化するようにした。
【0027】本発明の[請求項3]に係る電力系統制御
装置は、[請求項1]において、目的関数変換手段が各
目的関数を夫々の初期値と各業務を単独で最適化したと
きの最適値との差で正規化するようにした。
【0028】本発明の[請求項4]に係る電力系統制御
装置は、電力系統の状態量を収集する系統状態量収集手
段と、電力系統の設備データを格納する電力系統設備デ
ータ格納手段と、電力系統の状態量を算出する系統状態
量算出手段と、前記系統状態量収集手段と系統状態量算
出手段から得られる系統状態量を格納する系統状態量格
納手段と、前記系統状態量格納手段に格納されているデ
ータから各制御の目的関数を算出する目的関数算出手段
と、各目的関数の線形変換の算出する目的関数変換手段
と、変換された各目的関数を総合的に評価するための統
合目的関数を算出する統合目的関数算出手段と、前記統
合目的関数における各制御への重みの値を予め決められ
た方法で変化,設定する重み設定手段と、電力系統に接
続されている機器を操作した時の前記統合目的関数の変
化の度合である感度を算出する感度を算出する感度算出
手段と、前記感度の結果から電力系統に接続されている
機器の操作量を決定する操作量決定手段と、前記操作量
決定手段により決定された機器を操作した時に電力系統
の状態が予め定められた制約条件を満足するかを判定す
る制約条件判定手段と、前記制約条件判定手段で用いら
れる制約条件を格納する制約条件格納手段と、前記重み
設定手段が設定する重みバランス毎に操作量決定手段が
決定した操作データと制御結果を格納する操作量・制御
結果格納手段と、運用者からの制御情報の入力や制御結
果の出力を行なう入出力手段と、電力系統に接続されて
いる機器に制御情報を出力する制御指令手段とを備え
た。
【0029】本発明の[請求項5]に係る電力系統制御
装置は、[請求項4]において、入出力手段から入力さ
れた各目的関数の目標値を格納する目標値格納手段を備
え、前記重み設定手段がその目標値をもとに各制御の重
みの値を算出するようにした。
【0030】本発明の[請求項6]に係る電力系統制御
装置は、[請求項4]において、入出力手段の重みの値
の入力機能と、入力された重みパターンをもとに計算さ
れた制御結果を出力する機能と、実際の制御指令に用い
る重みパターンを選択する機能を持つことにより、制御
指令を出す前に、オペレータが対話的に重みを選択,修
正できるようにした。
【0031】本発明の[請求項7]に係る電力系統制御
装置は、[請求項4]又は[請求項6」において、入出
力手段の重みの値の入力機能をもち、入力された重みパ
ターンをもとに計算された制御結果が目標値格納手段に
格納された目標値を達成できるかどうかを入出力手段か
ら出力することにより、オペレータの重み決定を支援す
る機能を備えた。
【0032】本発明の[請求項8]に係る電力系統制御
装置は、[請求項7]において、時間帯に応じた重みの
変化パターンを格納する重み変化パターン格納手段を備
え、重み設定手段がその変化パターンにしたがって重み
の値を変化させるようにした。
【0033】本発明の「請求項9]に係る電力系統制御
装置は、[請求項8」において、電力需要を予測する需
要予測手段を備え、重み設定手段が需要の変化に応じて
重みの値を変化させる機能をもつようにした。
【0034】本発明の[請求項10]に係る電力系統制
御装置は、[請求項8」又は「請求項9」において、入
出力手段が次の制御周期で用いられる重みの値を事前に
出力し、運用者が重みの値を調整する機能を備えた。
【0035】本発明の[請求項11]に係る電力系統制
御装置は、[請求項5]又は[請求項7]又は[請求項
8]又は[請求項9]又は[請求項10]において、各
制御の目的関数が目標値格納手段に格納された各制御の
目標値を越えた場合に、該当する目的関数の重みを0に
する機能を備えた。
【0036】
【作用】本発明の[請求項1]に係る電力系統制御装置
は、線形変換により各業務の目的関数を正規化すること
ができる。これにより、各制御の重みの影響を平均化で
きる。
【0037】本発明の[請求項2]に係る電力系統制御
装置は、各業務の目的関数を初期値で正規化することに
より、各業務への重みの影響を平均化できる。
【0038】本発明の[請求項3]に係る電力系統制御
装置は、各業務の目的関数を初期値と個別に最適化した
場合の最適値との差で正規化することにより、各業務へ
の重みの影響を平均化できる。
【0039】本発明の[請求項4]に係る電力系統制御
装置は、実際に制御指令を出す前に複数の重みバランス
での最適化計算を行なって制御結果を比較することがで
きる。したがって、比較検討された重みバランスによる
制御が実施できるので、系統状態に応じた最適な制御を
行ない、運用者の意志を反映した系統状態を得ることが
できる。
【0040】本発明の[請求項5]に係る電力系統制御
装置は、入力された目標値をもとに重みの値を算出する
ので、最適化計算を繰り返し行なうことなく、運用者の
意志を反映させた系統状態を得るための重みバランスを
計算できる。
【0041】本発明の[請求項6]に係る電力系統制御
装置は、入力された重みバランスでの制御結果を実際に
制御指令を出す前に表示することにより、運用者が逐次
重みの値を修正することができる。これにより、運用が
系統状態に応じた重みバランスを選択することが可能と
なり、系統状態に応じた制御を実施して、運用者の意志
を反映した系統状態を得ることができる。
【0042】本発明の[請求項7]に係る電力系統制御
装置は、設定された重みバランスで制御した場合に、制
御結果が目標値を越えるかどうかを事前に表示すること
により、運用者の重み決定を支援し、運用者の意志を反
映した系統状態に応じた制御を行なうことを可能にす
る。
【0043】本発明の[請求項8]に係る電力系統制御
装置は、時間帯毎の重みの変化方法にしたがって、重み
設定手段が重みの値を自動的に変化させることにより、
運用者が制御周期毎に重みの値を設定する必要がなくな
り、自動的な制御が可能になる。
【0044】本発明の[請求項9]に係る電力系統制御
装置は、需要予測手段が電力の需要変化を予測し、重み
設定手段が予測結果をもとに各制御の重みの値を調整す
ることにより、事前に予想しきれなかった需要変化にも
対応した、より最適な制御を行なうことを可能とする。
【0045】本発明の[請求項10]に係る電力系統制
御装置は、事前に決められた、もしくは、需要予測結果
から求められた時間帯毎の重みの値を入出力手段から運
用者が修正できることによって、事前には予測しにくい
系統の変化にも対応して、運用者の意志を反映した制御
が可能になる。
【0046】本発明の[請求項11]に係る電力系統制
御装置は、各制御の目的関数の目標値を達成した制御の
重みの値を0にすることによって、目標値を達成した制
御目的の積極的な改善を行なわずに、他の目標値に達し
ていない制御の目的関数をより積極的に改善するように
した。これにより、必要以上の目的関数の改善を防ぐこ
とが可能になり、運用者の意志を反映したより最適な制
御が可能になる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して実施例を説明
する。図1は本発明の[請求項1]に係る電力系統制御
装置の一実施例の構成図である。図1において、図3と
同一部分及び相当部分については同一符号を付して説明
を省略する。なお、今回新たに付加したものは目的関数
を線形変換する目的関数変換手段101 と、変換した目的
関数から統合目的関数を、例えば各目的関数の重み付き
の和の形で算出する統合目的関数算出手段102 である。
【0048】図2は本発明の[請求項1]に係る電力系
統制御装置の処理内容を説明するフローチャートであ
る。先ず、系統状態量収集手段1及び系統状態量算出手
段3より各母線電圧や送電線の潮流値,位相角などの系
統状態量が入力される(ステップS401 )。次いで、各
機器の操作に対する各制御制御の目的関数の変化量が目
的関数算出手段5によって求められる(ステップS201
)。
【0049】目的関数は例えば有効電力制御における火
力発電所燃料費であれば、各発電機の燃料費特性から計
算され、電圧・無効電力制御における送電損失であれば
潮流計算から、定態安定度制御の目的関数である定態安
定度指標であれば固有値解析を行なうことによって、
又、電圧安定度制御における電圧安定度指標であれば安
定限界の総需要値を計算することによって夫々求められ
る。
【0050】これらの目的関数は、目的関数変換手段10
1 によって線形変化され(ステップS202 )、その値を
もとにして統合目的関数値が、例えば各目的関数の重み
付きの和として、統合目的関数算出手段102 によって求
められる(ステップS203 )。
【0051】そして、統合目的関数の感度が感度算出手
段6によって求められ(ステップS204 )、操作量決定
手段7は得られた感度に基づいて、統合目的関数を改善
する操作があるか否かを調べる(ステップS205 )。
【0052】ここで、統合目的関数を改善する操作がな
ければ現在の状態が最適解である。もし、統合目的関数
を改善する操作があれば、操作量決定手段7はその操作
によって運用制約に違反しないか、その操作は実際に操
作可能かを考慮して最適な操作量を決定する(ステップ
S404 ,S405 ,S406 )。
【0053】以上のような手順を繰り返すことにより、
トレードオフの関係にある複数の制御を総合的に取り扱
い、重みの値に対応したパレート最適解を得ることがで
きる。又、このときに、目的関数のオーダを合わせるた
めに各制御毎に線形変換を行なうことによって、設定さ
れた重みを的確に制御結果に反映されることが可能とな
る。なお、ここでいうトレードオフとは、ある制御の目
的関数を改善するために電力系統の供給を操作すると、
他の制御の目的関数が悪化してしまうような制御間の関
係をいう。
【0054】次に、本発明の[請求項2]の一実施例を
説明する。前述のように、各制御の目的関数を線形変換
することによってオーダを合わせることができるが、こ
のとき各目的関数を夫々の初期値をもって正規化するこ
とによって、初期状態の目的関数値を規格化して1に揃
えることができる。
【0055】次に、本発明の[請求項3」の一実施例を
説明する。前述のように、各制御の目的関数を線形変換
することによってオーダを合わせることができるが、こ
のとき各目的関数の初期値と夫々独立に最適化した場合
の最適値との差を用いて正規化することによって、各目
的関数が改善可能な変化量を規格化して1に揃えること
ができる。
【0056】図3は本発明の[請求項4]に係る電力系
統制御装置の一実施例の構成図である。図3において図
13及び図1と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。
【0057】本実施例において新たに追加されたもの
は、統合目的関数算出手段102で用いる各制御への重み
の値を、例えば一定の値毎に変化させることにより異な
る重みバランスでの最適化結果を得ることを可能にした
重み設定手段103と、前記重み設定手段103が設定する重
みバランス毎に制御システム内で最適化計算を行なうこ
とによって操作量決定手段7が決定した操作データとそ
の操作を行なった場合の制御結果を格納する操作量・制
御結果格納手段104と、例えば、前記操作量・制御結果
格納手段104の格納する重みバランス毎の制御結果を表
示し、その中からオペレータが現状の電力系統に対する
制御として最も適していると考える重みバランスの制御
操作を選択できるようにした入出力手段105とである。
【0058】図4は本発明の[請求項4]に記載の電力
系統制御装置の処理内容を説明するフローチャートであ
る。先ず、系統状態量収集手段1及び系統状態量算出手
段3より各母線電圧や送電線の潮流値,位相角などの系
統状態量が入力され(ステップS301),次に重み選定
手段103により、各制御への重みの値が選定される(ス
テップS302)。このときは、例えば、重みの和が1と
なるように正規化された形で設定される。
【0059】次いで、各制御の目的関数値が目的関数算
出手段5によって求められる(ステップS303).これ
らの目的関数は、目的関数変換手段101によって線形変
換され(ステップS304)、その値をもとにして統合目
的関数値が、例えば各目的関数の重み付きの和として、
統合的目的関数算出手段によって求められる(ステップ
S305)。
【0060】そして、各制御操作に対する統合目的関数
の感度が感度算出手段6によって求められ(ステップS
306)、操作量決定手段7は得られた感度に基づいて、
統合目的関数を改善する操作があるか否かを調べる(ス
テップS307)。ここで、統合目的関数を改善する操作が
なければ現在の状態が最適解である。もし、統合目的関
数を改善する操作があれば、操作量決定手段7はその操
作によって運用制約に違反しないか、その操作は実際に
操作可能かを考慮して最適な操作量を決定する(ステッ
プS308,S309,S310,S311)
【0061】以上のような手順を繰り返すことにより、
トレードオフの関係にある複数の制御を総合的に取り扱
い、重みの値に対応したパレート最適解を得ることがで
きる。最終的に最適解が得られたならば、採用された操
作群と制御結果が操作量・制御結果格納手段104に格納
される(ステップS312)。次に、重み設定手段103は予
め決められた重みの変化方法によって全てのバランスの
制御結果を求めたかを判断して(ステップS313)、更
に他の重みバランスでの制御結果を求めるのであれば、
重みの値を変化させて(ステップS301)前述の手順を
繰り返す。
【0062】もし、決められた全ての重みバランスでの
操作量と制御結果が得られたなら、入出力装置105にそ
の結果を表示し(ステップS314)、運用者は系統状態
に応じて最も適当と考えられる制御結果を選択する(ス
テップS315)。制御指令手段10は運用者が選択した重
みバランスに対応する制御操作群を電力系統制御装置11
に対して指令として送る(ステップS316)。以上のよ
うにして、系統状態に応じた最適な制御を行ない、運用
者の意志を反映した系統状態を得ることができる。
【0063】図5は本発明の[請求項5]に係る電力系
統制御装置の一実施例の構成例である。図5において、
図1,図3と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。本実施例の構成において特徴部分は、目標
値格納手段106を設けて、入出力手段105から入力される
各制御の目的関数の目標値を格納し、重み設定手段103
が目標値格納手段106に格納されている情報を基にし
て、重みの値を算出するようしたことである。即ち、運
用者は目標とする目的関数値を入力することによって、
その意志を制御結果に反映させることができる。
【0064】図6は本発明の[請求項5]に係る電力系
統制御装置の一実施例を説明するフローチャートであ
る。先ず、系統状態量収集手段1及び系統状態量算出手
段3より初期系統状態量が入力される(ステップS50
1)と、目的関数算出手段5によって初期目的関数値が
算出される(ステップS502)。この状態から、各制御
を単独で最適化を行なった場合の目的関数値である個別
最適化値を求める(ステップS503)。
【0065】運用者は、ステップS501で求められた初
期状態の値とステップS503で求められた個別最適化値
から、制御結果として目標とする値を各目的関数に対し
て設定する(ステップS504)。このようにして設定さ
れた目標値をもとに、(1)式のようにして各制御の重み
の値を求める(ステップS505)。
【数2】
【0066】目的関数f1を最小化するとし、(2)式を満
足するときwiは(1)式の値とし、(3)式を満足するとき
iを0とする。
【数3】 このようにして求められた重みでの最適運用状態を求め
る。そこで、初期状態から目標値への改善方向ベクトル
と、初期状態から最終的に得られた状態の目的関数値へ
の改善方向ベクトルを比較すると、ほとんど同じ向きと
なる。
【0067】つまり、運用者が目標値によって示した方
向へと系統状態が移行するのである。以上のように、複
数の重みバランスでの最適化計算を繰り返し行なうこと
なく、目標値から設定した重みの値を用いることによ
り、運用者の意志を反映させた系統状態を得ることがで
きる。
【0068】図7は本発明の[請求項6]に係る電力系
統制御装置の他の処理内容の実施例を説明するフローチ
ャートである。本実施例では、運用者が入出力手段105
から入力した重みの値での最適化結果を入出力手段105
から出力するようにし(ステップS609)、更に、運用
者がその制御結果の採用/不採用を入出力手段105で決
定できるようにした(ステップS610)。不採用の場合
には、運用者は代わりの重みの値を入出力手段105から
入力することにより(ステップS602)、運用者は最適
な重みの値を対話的に決定することができるので、運用
者の意志を反映した系統制御を行なうことができる。
【0069】本発明の[請求項7]に係る電力系統制御
装置の他の実施例を説明する。本実施例では重みバラン
ス毎に求められた制御結果が、目標値格納手段106に格
納されている目標値を越えることができるかどうかを入
出力手段105によって運用者に知らせることによって、
運用者が重みの値を決定する際の指針とすることが可能
となり、運用者は容易にその意志を制御結果に反映させ
ることができる。
【0070】図8は本発明の[請求項8]に係る電力系
統制御装置の一実施例の構成図である。図8において図
13及び図5と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。
【0071】本実施例において特徴部分は、重み変化パ
ターン格納手段107を設けたことである。例えば図9の
ように時間帯毎に、深夜の需要が少ない時間帯では定態
安定度の重みを大きくし、需要が増大する昼間の時間帯
では電圧安定度を重視するように重みを大きくするよう
な変化パターンを重み変化パターン格納手段107が格納
し、重み設定手段103が各制御の重みの値を夫々にした
がって変化させる。これにより、運用者が制御周期毎に
重みの値を設定する必要がなく、時間帯毎に適した制御
が行なわれる。
【0072】図10は本発明の[請求項9]に係る電力系
統制御装置の一実施例の構成図である。図10において図
13,図1と同一部分については、同一符号を付して説明
を省略する。本実施例において特徴部分は、需要予測手
段108を設けて、電力需要の変化をオンラインで予測し
て、図9のような重み変化パターン格納手段107に格納
された変化パターンを調整することにより、事前には予
測できないような変化にも対応して、常に状態に応じた
最適な運用状態を得ることができる。
【0073】次に、本発明の[請求項10]に各る電力
系統制御装置の一実施例を説明する。前述のように、重
み変化パターン格納手段107に格納された変化パターン
によって重みの値を変化させる場合に、制御周期毎に系
統状態量や目的関数値、次の制御周期で用いる重みの値
などを入出力手段105から出力し、その情報から運用者
が重みの値を調整することを可能とした。
【0074】図11は本発明の[請求項11]に係る電力
系統制御装置の他の処理内容の実施例を説明するフロー
チャートである。本実施例では設定された重みバランス
で最適化を行なう過程で、夫々の目的関数が目標値を達
成した場合に、その重みの値を0に変えることにより、
運用者が設定した目標値を越えてからの不要な改善を抑
制できる。
【0075】例えば、有効電力制御(経済負荷配分制
御),定態安定度制御,電圧安定度制御の3つの制御を
考えがえ、夫々の重みの値をw1,w2,w3、定態安
定度制御の目標値をa、電圧安定度制御の目標値をbと
して、有効電力制御による経済性の改善は安定性を確保
したうえで、できる限り行ないたいという運用者の意図
があるとする。
【0076】このような場合には、図10の実施例のよう
な手順にしたがった最適化過程は図11のようになる。図
12の実線は本発明の実施例の最適化過程であり、破線は
重みを0にしない場合である。本実施例では、目標値を
越えたところで該当の制御の重みの値が0になるので、
それ以降、不要な改善が行なわれなくなり、最終的には
目標値を越えた安定性と経済性とを両立させた運用状態
を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば複
数の電力系統制御の目的関数を夫々求めると共に、この
目的関数を線形変換して統合目的関数を導出し、この統
合目的関数に対して感度算出するようにしたので、各業
務の目的関数のオーダが大きくなる場合にも、設定した
重みを制御結果に的確に反映させることができる。又、
重みの値と制御結果の関係がはっきりわからない場合に
も、系統状態に応じた最適な重みの値を設定することが
でき、運用者の意志を制御結果に的確に反映させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】図1の処理内容を示すフローチャート。
【図3】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図4】図3の処理内容を示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施例のブロック図。
【図6】図5の処理内容を示すフローチャート。
【図7】本発明の処理内容の他の実施例を示すフローチ
ャート。
【図8】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図9】電力需要と時間との関係及び重みとの関係を示
す図。
【図10】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図11】図9の処理内容を示すフローチャート。
【図12】電圧安定度と定態安定度及び制御の目標値との
関係を示す図。
【図13】従来装置の構成例図。
【図14】図13の処理内容を示すフローチャート。
【図15】従来の技術を説明する図。
【符号の説明】
1 系統状態量収集手段 2 電力系統設備データ格納手段 3 系統状態量算出手段 4 系統状態量格納手段 5 目的関数算出手段 6 感度算出手段 7 操作量決定手段 8 制約条件判定手段 9 制約条件格納手段 10 制御指令手段 11 電力系統制御手段 12 電力系統 13 電力系統制御装置 101 目的関数変換手段 102 統合目的関数算出手段 103 重み設定手段 104 操作量・制御結果格納手段 105 入出力手段 106 目標値格納手段 107 重み変化パターン格納手段 108 需要予測手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本発明の[請求項6]に係る電力系統制御
装置は、入力された重みバランスでの制御結果を実際に
制御指令を出す前に表示することにより、運用者が逐次
重みの値を修正することができる。これにより、運用者
が系統状態に応じた重みバランスを選択することが可能
となり、系統状態に応じた制御を実施して、運用者の意
志を反映した系統状態を得ることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】図2は本発明の[請求項1]に係る電力系
統制御装置の処理内容を説明するフローチャートであ
る。先ず、系統状態量収集手段1及び系統状態量算出手
段3より各母線電圧や送電線の潮流値,位相角などの系
統状態量が入力される(ステップS401 )。次いで、各
機器の操作に対する各制御の目的関数の変化量が目的関
数算出手段5によって求められる(ステップS201 )。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】以上のような手順を繰り返すことにより、
トレードオフの関係にある複数の制御を総合的に取り扱
い、重みの値に対応したパレート最適解を得ることがで
きる。又、このときに、目的関数のオーダを合わせるた
めに各制御毎の線形変換を行なうことによって、設定さ
れた重みを的確に制御結果に反映されることが可能とな
る。なお、ここでいうトレードオフとは、ある制御の目
的関数を改善するために電力系統の機器を操作すると、
他の制御の目的関数が悪化してしまうような制御間の関
係をいう。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】次いで、各制御の目的関数値が目的関数算
出手段5によって求められる(ステップS303 )。これ
らの目的関数は、目的関数変換手段101 によって線形変
換され(ステップS304 )、その値をもとにして統合目
的関数値が、例えば各目的関数の重み付きの和として、
統合目的関数算出手段102 によって求められる(ステッ
プS305 )。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】以上のような手順を繰り返すことにより、
トレードオフの関係にある複数の制御を総合的に取り扱
い、重みの値に対応したパレート最適解を得ることがで
きる。最終的に最適解が得られたならば、採用された操
作群と制御結果が操作量・制御結果格納手段104 に格納
される(ステップS312 )。次に、重み設定手段103は
予め決められた重みの変化方法によって全ての重みバラ
ンスの制御結果を求めたかを判断して(ステップS313
)、更に他の重みバランスでの制御結果を求めるので
あれば、重みの値を変化させて(ステップS302 )前述
の手順を繰り返す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】もし、決められた全ての重みバランスでの
操作量と制御結果が得られたなら、入出力手段105 にそ
の結果を表示し(ステップS314 )、運用者は系統状態
に応じて最も適当と考えられる制御結果を選択する(ス
テップS315 )。制御指令手段10は運用者が選択した重
みバランスに対応する制御操作群を電力系統制御手段11
に対して指令として送る(ステップS316 )。以上のよ
うにして、系統状態に応じた最適な制御を行ない、運用
者の意志を反映した系統状態を得ることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】運用者は、ステップS501 で求められた初
期状態の値とステップS503 で求められた個別最適化値
から、制御結果として目標とする値を各目的関数に対し
て設定する(ステップS504 )。このようにして設定さ
れた目標値をもとに、(2) 式のようにして各制御の重み
の値を求める(ステップS505 )。
【数2】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】目的関数fi を最小化するとし、(3) 式を
満足する時wi は(1) 式の値とし、(4) 式を満足する時
i を0とする。
【数3】 このようにして求められた重みでの最適運用状態を求め
る。そこで、初期状態から目標値への改善方向ベクトル
と、初期状態から最終的に得られた状態の目的関数値へ
の改善方向ベクトルを比較すると、ほとんど同じ向きと
なる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】次に、本発明の[請求項10]に係る電力
系統制御装置の一実施例を説明する。前述のように、重
み変化パターン格納手段107 に格納された変化パターン
によって重みの値を変化させる場合に、制御周期毎に系
統状態量や目的関数値、次の制御周期で用いる重みの値
などを入出力手段105 から出力し、その情報から運用者
が重みの値を調整することを可能とした。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】例えば、有効電力制御(経済負荷配分制
御),定態安定度制御,電圧安定度制御の3つの制御を
考え、夫々の重みの値をw1,w2,w3、定態安定度
制御の目標値をa、電圧安定度制御の目標値をbとし
て、有効電力制御による経済性の改善は安定性を確保し
たうえで、できる限り行ないたいという運用者の意図が
あるとする。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】このような場合には、図11の実施例のよう
な手順にしたがった最適化過程は図12のようになる。図
12の実線は本発明の実施例の最適化過程であり、破線は
重みを0にしない場合である。本実施例では、目標値を
越えたところで該当の制御の重みの値が0になるので、
それ以降、不要な改善が行なわれなくなり、最終的には
目標値を越えた安定性と経済性とを両立させた運用状態
を得ることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】 図10の処理内容を示すフローチャート。
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 雄治 神奈川県横浜市鶴見区江ケ崎町4番1号 東京電力株式会社システム研究所内 (72)発明者 市川 量一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の状態量を収集する系統状態量
    収集手段と、電力系統の設備データを格納する電力系統
    設備データ格納手段と、電力系統の状態量を算出する系
    統状態量算出手段と、前記系統状態量収集手段と系統状
    態量算出手段から得られる系統状態量を格納する系統状
    態量格納手段と、前記系統状態量格納手段に格納されて
    いるデータから各制御の目的関数を算出する目的関数算
    出手段と、各目的関数の線形変換を算出する目的関数変
    換手段と、変換された各目的関数を総合的に評価するた
    めの統合目的関数を算出する統合目的関数算出手段と、
    電力系統に接続されている機器を操作したときの、前記
    統合目的関数の変化の度合である感度を算出する感度算
    出手段と、前記感度の結果から電力系統に接続されてい
    る機器の操作量を決定する操作量決定手段と、前記操作
    量決定手段により決定された機器の操作を行なったとき
    に、電力系統の状態が予め定められた制約条件を満足す
    るか否かを判定する制約条件判定手段と、前記制約条件
    判定手段で用いられる制約条件を格納する制約条件格納
    手段と、電力系統に接続されている機器に制御情報を出
    力する制御指令手段とを備えたことを特徴とする電力系
    統制御装置。
  2. 【請求項2】 目的関数変換手段が各目的関数を夫々の
    初期値で正規化することを特徴とする請求項1記載の電
    力系統制御装置。
  3. 【請求項3】 目的関数変換手段が各目的関数を夫々の
    初期値と各制御を単独で最適化したときの最適値との差
    で正規化することを特徴とする請求項1記載の電力系統
    制御装置。
  4. 【請求項4】 電力系統の状態量を収集する系統状態量
    収集手段と、電力系統の設備データを格納する電力系統
    設備データ格納手段と、電力系統の状態量を算出する系
    統状態量算出手段と、前記系統状態量収集手段と系統状
    態量算出手段から得られる系統状態量を格納する系統状
    態量格納手段と、前記系統状態量格納手段に格納されて
    いるデータから各制御の目的関数を算出する目的関数算
    出手段と、各目的関数の線形変換の算出する目的関数変
    換手段と、変換された各目的関数を総合的に評価するた
    めの統合目的関数を算出する統合目的関数算出手段と、
    前記統合目的関数における各制御への重みの値を予め決
    められた方法で変化,設定する重み設定手段と、電力系
    統に接続されている機器を操作した時の前記統合目的関
    数の変化の度合である感度を算出する感度を算出する感
    度算出手段と、前記感度の結果から電力系統に接続され
    ている機器の操作量を決定する操作量決定手段と、前記
    操作量決定手段により決定された機器を操作した時に電
    力系統の状態が予め定められた制約条件を満足するかを
    判定する制約条件判定手段と、前記制約条件判定手段で
    用いられる制約条件を格納する制約条件格納手段と、前
    記重み設定手段が設定する重みバランス毎に操作量決定
    手段が決定した操作データと制御結果を格納する操作量
    ・制御結果格納手段と、運用者からの制御情報の入力や
    制御結果の出力を行なう入出力手段と、電力系統に接続
    されている機器に制御情報を出力する制御指令手段とを
    備えたことを特徴とする電力系統制御装置。
  5. 【請求項5】 入出力手段から入力された各目的関数の
    目標値を格納する目標値格納手段を備え、前記重み設定
    手段がその目標値をもとに各制御の重みの値を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の電力系統制御装置。
  6. 【請求項6】 入出力手段の重みの値の入力機能と、入
    力された重みパターンをもとに計算された制御結果を出
    力する機能と、実際の制御指令に用いる重みパターンを
    選択する機能を持つことにより、制御指令を出す前に、
    オペレータが対話的に重みを選択,修正できることを特
    徴とする請求項4記載の電力系統制御装置。
  7. 【請求項7】 入出力手段の重みの値の入力機能をも
    ち、入力された重みパターンをもとに計算された制御結
    果が目標値格納手段に格納された目標値を達成できるか
    どうかを入出力手段から出力することにより、オペレー
    タの重み決定を支援する機能を備えた請求項4又は請求
    項6記載の電力系統制御装置。
  8. 【請求項8】 時間帯に応じた重みの変化パターンを格
    納する重み変化パターン格納手段を備え、重み設定手段
    がその変化パターンにしたがって重みの値を変化させる
    ことを特徴する請求項7記載の電力系統制御装置。
  9. 【請求項9】 電力需要を予測する需要予測手段を備
    え、重み設定手段が需要の変化に応じて重みの値を変化
    させる機能をもつことを特徴するする請求項8記載の電
    力系統制御装置。
  10. 【請求項10】 入出力手段が次の制御周期で用いられ
    る重みの値を事前に出力し、運用者が重みの値を調整す
    る機能を備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9
    記載の電力系統制御装置。
  11. 【請求項11】 各制御の目的関数が目標値格納手段に
    格納された各制御の目標値を越えた場合に、該当する目
    的関数の重みを0にする機能を備えたことを特徴とする
    請求項5又は請求項7又は請求項8又は請求項9又は請
    求項10記載の電力系統制御装置。
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