JPH0935001A - 筆記文字認識方法および認識装置 - Google Patents

筆記文字認識方法および認識装置

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JPH0935001A
JPH0935001A JP7185265A JP18526595A JPH0935001A JP H0935001 A JPH0935001 A JP H0935001A JP 7185265 A JP7185265 A JP 7185265A JP 18526595 A JP18526595 A JP 18526595A JP H0935001 A JPH0935001 A JP H0935001A
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JP
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stroke
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stroke code
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Withdrawn
Application number
JP7185265A
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English (en)
Inventor
Kinya Endo
欽也 遠藤
Hideo Tanimoto
英雄 谷本
Shizuo Nagata
静男 永田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0935001A publication Critical patent/JPH0935001A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 文字を構成するストロークにコードを付与
し、少なくとも該付与されたストロークコードおよび登
録パタンのストロークコードのマッチングで得られる情
報に基づいて文字を認識する際に、認識率を向上できる
方法を提供する。 【構成】 ストロークコード同士の類似度を示すメンバ
ーシップ関数なるものを予め用意する。ストロークコー
ド間のマッチング処理の際に、筆記文字および登録パタ
ンの双方に、同じストロークコードであってそれが付与
されているストロークの本数が双方で異なっているスト
ロークコードが出現した場合は、該ストロークコードに
最も関連する他のストロークコードをメンバーシップ関
数に基づいて決める。このときのメンバーシップ関数に
基づいて筆記文字の曖昧さに起因する登録パタンとの類
似の程度を示す補助情報を得る。該補助情報をも加味し
たファジーな認識をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記文字を認識する方
法およびその実施に好適な筆記文字認識装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】筆記された文字を認識するための一般的
な方法としてパターンマッチング法がある。その一例と
して例えば特開昭62−229384号に開示の方法が
あった。この方法では、筆記された文字から得た筆記デ
ータ列に直線化処理を施す。この直線化処理された筆記
データ列から前記文字を構成するストロークの特徴を表
す特徴点を抽出する。この抽出された特徴点の位置関係
によって各ストロークに対してコード(ストロークコー
ド)を付与する。そして、少なくとも該付与されたスト
ロークコードおよび予め用意された登録パターンのスト
ロークコードのマッチングで得られる情報に基づいて筆
記された文字を認識している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の筆記文字認識方法では、以下のような改善すべき
点があった。
【0004】上述の従来の方法では、筆記された文字か
ら得たストロークコードの分布と予め登録してある登録
パターンのストロークコードの分布との距離値の算出を
することで、文字認識が行われる。図2にストロークコ
ードの幾つかの例を示す。
【0005】そこで、例えば”1”という文字が|と筆
記されたと仮定すると、ストロークコード化部では、こ
の筆記データ”1”についてのストロークに対し、図2
からも分かる様にS02というストロークコードを付与
する。ここで、”1”についてのストロークに対し予め
登録してあるパターンでのストロークコードが、S02
であったなら、筆記データ”1”と、登録してあるパタ
ーン”1”とはストロークコード認識においてお互いに
似ていると判断できる。しかし、1という文字を筆記の
際に”/”というようにやや斜めに筆記した場合、スト
ロークコード化部はこのやや斜めに筆記された”1”に
ついてのストロークに対しS03なるストロークコード
(図2参照)を付与する。これに対し予め登録してある
パターンでのストロークコードはS2であるので、筆記
データ”1”と登録データ”1”とはいずれも”1”で
あるにもかかわらず、似ていないと判断されてしまう。
このように、従来方法では文字の変形や筆記角度のばら
つきなどによっては、認識が出来ない場合があるので、
結果的に誤認識してしまう場合が生じる。ストロークコ
ードのマッチングを用いる文字認識方法であって文字の
変形や筆記角度の多少の変化があっても精度良く文字の
認識ができる方法およびその実施に好適な装置が望まれ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明によれば、筆記された文字(手書き文字)から得た
筆記データ列に直線化処理を施し、該直線化処理された
筆記データ列から前記文字を構成するストロークの特徴
を表す特徴点を抽出し、該抽出された特徴点の位置関係
によって各ストロークに対してコード(ストロークコー
ド)を付与し、少なくとも該付与されたストロークコー
ドおよび予め用意された登録パターンのストロークコー
ドのマッチングで得られる情報に基づいて前記筆記され
た文字を認識する筆記文字認識方法において、各ストロ
ークコード同士の関連性をこれらストロークコードが付
与されているストローク同士の類似の程度で表したメン
バーシップ関数なるものを、予め用意する。また、前記
ストロークコード間のマッチング処理の際に、前記筆記
された文字および登録パターンの双方に、同じストロー
クコードであってそれが付与されているストロークの本
数が双方で異なっているストロークコードが出現した場
合は、該ストロークコードに最も関連する他のストロー
クコードを前記メンバーシップ関数に基づいて決め、そ
の際のメンバーシップ関数に基づいて前記筆記された文
字の曖昧さに起因する登録パターンとの違いを考慮した
補助情報を得る。そして、該補助情報をも加味したファ
ジーな認識をする。
【0007】また、この出願の第二発明によれば、筆記
された文字から得た筆記データ列に直線化処理を施す前
処理部と、該直線化処理された筆記データ列から前記文
字を構成するストロークの特徴を表す特徴点を抽出する
特徴点抽出部と、該抽出された特徴点の位置関係によっ
て各ストロークに対してコード(ストロークコード)を
付与するストロークコード化部とを具える筆記文字認識
装置において、各ストロークコード同士の関連性をこれ
らストロークコードが付与されているストローク同士の
類似の程度で表したメンバーシップ関数なるものを出力
するメンバーシップ関数部と、前記付与されたストロー
クコードおよび予め用意された登録パターンのストロー
クコード間のマッチングをして前記筆記された文字と登
録パターンとの一致の程度を示す情報を得、該情報を得
る処理の際に、前記筆記された文字および登録パターン
の双方に、同じストロークコードであってそれが付与さ
れているストロークの本数が双方で異なっているストロ
ークコードが出現した場合は、該ストロークコードに最
も関連する他のストロークコードを前記メンバーシップ
関数に基づいて決め、その際のメンバーシップ関数に基
づいて前記筆記された文字の曖昧さに起因する登録パタ
ーンとの違いを考慮した補助情報を得、該補助情報をも
加味したファジーな認識をするストロークコードファジ
ーマッチング部とをさらに具えたことを特徴とする。
【0008】
【作用】この第一発明の構成によれば、次の様な作用が
得られる。筆記された文字がこれに対応する登録パター
ンと実質的に同じ形であるなら、双方から得られるスト
ロークコードの種類や各ストロークコード毎のストロー
ク数はそれぞれ同じ(実質的に同じ場合も含む)になる
はずである。これに対し、筆記された文字が一部変形し
ている場合は、変形した部分に起因してストロークコー
ドの種類やストローク毎のストローク数が、登録パター
ンのものとそれぞれ相違してくる危険性が高い。具体例
で説明すれば、筆記文字が登録パターンに対しほぼ同じ
形状で書かれた場合、筆記文字および登録パターン共
に、例えばストロークコードの種類がA,B,C,Dの
4種類でありかつ、各ストロークコード毎のストローク
本数がa,b,c,dになるところ、筆記された文字が
一部変形しているためにストロークコードの種類がA,
B,C,D,Eの5種類に代わり、また、各ストローク
コード毎のストローク本数がストロ〜クコードA〜Eの
順でいってa,b,c,d−1,1というように変わっ
てくる。ここで、単にストロークコードの種類と各スト
ロークコード毎のストローク本数とについて、筆記され
た文字および登録パターン間でマッチングしたのでは、
両者は相違すると判断される場合が多くなる。
【0009】ところが、この第一発明では、ストローク
コードが同じであるがストローク本数が異なるストロー
クコードについて、上記例であればストロークコードD
について、メンバーシップ関数なるものを用い他のスト
ロークコードとの類似性を考慮した補助情報を得、この
補助情報をも加味して文字認識をすることとしている。
ここで、文字の変形に起因して本来付与されるべきスト
ロークコードとは異なるストロークコードに分類されて
しまったストロークは、本来付与されるべきストローク
コードと関連の深いストロークコードが付与される可能
性が高い。したがって、この第一発明では、筆記された
文字に一部変形がある場合でも変形がない文字との関連
を示す情報が補助情報として考慮されるといえるから、
正確な認識処理がなされ易い。
【0010】また、この出願の第二発明の文字認識装置
によれば、第一発明の方法の実施を容易にする。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照してこの出願の第一発明お
よび第二発明の実施例について併せて説明する。なお、
説明に用いる各図において、同様な構成成分については
同一の番号を付してあり、その重複する説明を省略する
こともある。
【0012】1.第1の実施例 1−1.認識装置の構成の説明 図1は第1の実施例の筆記文字認識装置10の機能ブロ
ック図である。この第1の実施例の筆記文字認識装置1
0は、タブレット11、前処理部13、特徴抽出部1
5、ストロークコード化部17、大分類部19、中分類
部21、部分パターンQ値マッチング部23、メンバー
シップ関数部25およびストロークコードファジーマッ
チング部27を具える。なお、図1において29は認識
結果を出力するための出力端子である。前処理部13、
特徴抽出部15、ストロークコード化部17、大分類部
19、中分類部21、部分パターンQ値マッチング部2
3、メンバーシップ関数部25およびストロークコード
ファジーマッチング部27それぞれは、例えば集積回路
を用いた個別回路、あるいはデジタル・シグナル・プロ
セッサ(DSP)等のプログラム制御などによって構成
できる。以下、各構成成分について説明する。
【0013】先ず、タブレット11は、文字を筆記入力
するための手段の一例として用いている。この第1の実
施例のタブレット11は、これに筆記入力された文字に
ついての筆記データ列{(Xij、Yij)、i=1、2、
・・・nj}jを抽出し前処理部13に送るものであ
る。筆記入力が例えば「ロ」である場合にこのタブレッ
ト11で抽出される筆記データ列の例を、図3(A)に
示した。もちろん、筆記文字の入力手段はタブレットに
限られず、筆記データ列が得られるものであれば他のも
のでも良い。
【0014】また、前処理部13は、タブレット11か
ら送られてきた筆記データ列に対し直線化処理を行なう
ものである。また、画数をも抽出する。具体的には筆記
データ列に対しノイズ除去処理、移動平均処理、或は平
滑化処理、を行うことにより直線化処理をするものであ
る。図3(A)に示した「ロ」についての筆記データ列
を直線化処理した例を図3(B)に示した。この前処理
部13で得られた直線化処理された筆記データ例は、特
徴抽出部15へ送られる。
【0015】また、特徴抽出部15は、直線化処理され
た筆記データ列から前記筆記文字を構成するストローク
の特徴を表す特徴点を抽出するものである。この特徴抽
出部15は種々の構成のものとできるが、ここでは1例
として直線化処理された筆記デ−タ列{(Xij
ij),i=1,2,・・・nj}jのデ−タ間のx,
y方向のサイン(正、負、0の符号)を算出し、サイン
の状態の変化点を特徴点として抽出するものとしてい
る。具体的には、デ−タ間のx,y方向のサインXS
i,YSiを XSi=Sign(Xi−Xi−1) YSi=Sign(Yi−Yi−1) ・・・・ (1) で求め、+、0、−で表現する。このようにして求めら
れた各デ−タ間のx方向、y方向のサインを前デ−タ間
のサインと比較し、同じであれば特徴点として登録せ
ず、異なった場合は状態が変わったとして特徴点として
登録する。「ロ」についての上記のようにして求められ
た特徴点(ただし始点や終点をも加えた特徴点)を、図
3(C)に示した。一般には、この特徴点抽出処理を直
線近似化と称する場合もある。また、この特徴点間を以
下セグメントと称し、特徴点を{(Xi,Yi),i=
1,2,・・・lj}jで表すことにする。特徴抽出部
15で抽出された特徴点は、ストロークコード化部17
に出力される。
【0016】また、ストロークコ−ド化部17は、特徴
点抽出部15で抽出された特徴点の位置関係によって各
ストロークに対しコード(ストロークコード)を付与す
るものである。このストロークコード化部17は種々の
構成のものとできるが、ここでは例えば、セグメントの
X、Yサイン、セグメントの角度、及びセグメント間の
回転角度により分類し、コード化(コード付与)を行う
ものとしている。コード自体は例えば図2を用いて既に
説明したようなコードとできる。ストロークコードが付
与される対象例が例えば図4に示したようなもの(スト
ロークが略稲妻状に連続したもの)の場合、θ1、θ
2、θ3がセグメントの角度(+x方向となす角度)を
示し、θa、θbが隣り合うセグメント間の回転角度を
示す。このような角度等を図2のコードに照らして、各
ストロークにストロークコードを付与する。コード化さ
れたストロークデータは、この第1の実施例の場合、大
分類部19およびストロークコードマッチング部27へ
出力される。
【0017】また、大分類部19は、筆記された文字
(対象文字)の認識に当たり必要以上に候補文字が使用
されることを極力減らすためのものである。この場合
は、ストロークコード化部17からストローク数に関す
る出力を受け、このストローク数によって対象文字に対
する大分類を行うものとしてある。具体的には、大分類
部19は、予め画数(ストローク数)毎の文字辞書を有
した構成としてある。そして、筆記入力された文字パタ
ーンのストローク数が例えば10画であった場合、文字
辞書に格納されている文字の内、図5に示すような10
画となり得る文字”唖”、”挨”、”逢”・・・を候補
文字として選択する。
【0018】また、中分類部21は大分類部19にて画
数により大分類して選択した候補文字を、部分パターン
間ベクトルにより更に中分類するものである。ここで、
部分パターンとは、1つの文字のうち筆記上一連のもの
として筆記する部分をいうものとし、部分パターン間ベ
クトルとは、1つの部分パターンの重心と別の部分パタ
ーンの重心とをそれぞれ始点、終点とするベクトルをい
うものとする(図6参照。詳細は後述する。)。
【0019】また、部分パターンQ値マッチング部23
は、中分類部21における部分パターン間ベクトルによ
る中分類で残った候補文字について部分パターンQ値を
算出しこれと部分パターン辞書中の部分パターンQ値と
マッチングを行なうものである。なお、部分パターンQ
値とは、各セグメントの長さ、方向および位置を表す特
徴パラメータをいう。この部分パターンQ値マッチング
部23の詳細は後述の認識方法の説明の項において説明
する。
【0020】また、メンバーシップ関数部25は、この
発明の特徴部分の1つであり、各ストロークコード同士
の関連性を示すメンバーシップ関数なるものを予め格納
しているものである(詳細は後の認識方法の説明におい
て説明する。)。
【0021】また、ストロークコードファジーマッチン
グ部27は、この発明の特徴部分の1つであり、従来の
ストロークコードマッチングのみでなく筆記された文字
の変形などをも考慮した補助情報を得、この補助情報も
加味したファジーな認識をするものである(詳細は後の
認識方法の明において説明する。)。
【0022】1−2.文字認識方法の説明 次に、第1の実施例の文字認識方法について説明する。
タブレット11に文字が筆記入力されるとそこで筆記デ
ータ列が抽出される。ここでは、タブレット11に
「逢」の文字が入力された例を考える。この筆記データ
列は前処理部13に送られそこで直線化処理される。直
線化処理された筆記データ列は特徴抽出部15に入力さ
れる。特徴抽出部15では既に説明した様に、デ−タ間
のx,y方向のサイン(正、負、0の符号)を利用して
特徴点を抽出しこれをストロークコード化部17に出力
する。ストロークコード化部17は既に説明した様に、
各ストロークを各セグメントのX,Yサイン、セグメン
トの角度およびセグメント間の回転角度により分類しコ
ード化(コード付与)する。次に大分類部19は、既に
説明した様に、文字辞書に格納されている文字のうち、
筆記入力文字「逢」と同じ画数の文字、”亜””埃””
逢”・・・を候補文字として選択する(図5参照)。
【0023】次に、中分類部21は大分類部にて選択し
た候補文字を部分パターン間ベクトルによりさらに中分
類する。部分パターン間ベクトルの算出法は種々のもの
と出来るが、ここでは以下に述べる方法で行なう。部分
パターン中の各セグメントのx,y成分を(dxi,d
yi)とすると、部分パターンの重心座標(Xw,Y
w)は、 dli=(dxi2 +dyi21/2 ・・・(2) で表される。また、文字幅HX、HYで除算することに
より正規化した各セグメントの中心座標を(xi* ,y
* )とすると、部分パターンの重心座標(Xw,Y
w)は XW =(Σ(xi* ・dli))/(Σdli) YW =(Σ(yi* ・dli))/(Σdli) ・・・(3) で求められる。以上の方法で各部分パターンの重心を求
め、1つの部分パターンの重心と別の部分パターンの重
心とをそれぞれ始点、終点として部分パターン間ベクト
ルを求める。なお、ここでは部分パターン間ベクトルは
x方向とy方向についてそれぞれ考えるものとする。
【0024】この部分パターン間ベクトルの理解のた
め、具体例を図6に示す。ここでは、文字”唖”の部分
パターン”口”、”亜”と、それらの重心G1,G2
と、部分パターン間ベクトルBx(口,亜)、By
(口,亜)との関係を示す。ただし、、Bはベクトルを
示す。
【0025】中分類部21では前記部分パターンベクト
ルにより、大分類部19で選択された候補文字を絞りこ
んで中分類を行うわけであるが、ここでは”逢”が筆記
入力された場合を考え、以下この入力文字に対する中分
類の手順を説明する。
【0026】筆記された文字”逢”は10画であるの
で、図5に示す文字辞書の10画部分を参照する。する
と、ここには文字”唖”が第1番目に配置されており、
その欄には”唖”を構成する部分パターン、部分パター
ンの筆記順、各部分パターンのストローク数情報(以
下、カット位置と称する)、及び登録パターンより予め
算出した各部分パターン間ベクトル値が示されている。
以下順に”挨”、”逢”の文字について同様の情報が並
んでおり、中分類部21はこの文字順に従いこれら文字
を候補文字とすべきか否かをそれぞれ判定し、次のよう
に中分類を行う。
【0027】まず、筆記入力した文字が”唖”であると
して、部分パターン間ベクトルのマッチング距離dvec
を求める。図5の文字辞書に書かれているように、”
唖”はカット位置が(3、7)、すなわち第1ストロー
ク〜第3ストロークで”口”が形成され、第4ストロー
ク〜第10ストロークで”唖”が形成されるが、本例で
は入力パターンが”逢”であるので、このカット位
置(”唖”のカット位置)で”逢”について部分パター
ンおよび部分パターン間ベクトルを考えると、図7のよ
うになる。すなわち部分パターンは図7中のP1部分と
P2部分との2つになり、部分パターン間ベクトルはB
x * 、By * となる。このように求められた入力パター
ンの部分パターン間ベクトルBx * (口、亜)、By *
(口、亜)と、辞書に書かれている部分パターン間ベク
トルBx (口、亜)、By (口、亜)との差が、マッチ
ング距離dvec であり、次式で算出される。
【0028】 dvec =|Bx *(口、亜)−Bx (口、亜)|+|By *
(口、亜)−By (口、亜)|・・・(4) 一般に、筆記した文字の部分パターン数が複数の場合、
部分パターン数BPNで正規化を行うので、マッチング
距離dvec は、 dvec =〔Σi=1 BPN-1{|Bx *i−Bx i|+|By *
−By i|}〕/(BPN−1)・・・(5) にしたがって算出される。ここであるしきい値VECR
EJを設定し、算出したdvec がVECREJより大き
いか否かを判定する。そしてdvec >VECREJのと
きは、入力パターンは参照した文字(この場合”唖”)
でないとして、次の文字の部分パターンベクトルのマッ
チングを行う。dvec ≦VECREJのときは、入力パ
ターンは”唖”らしいとして、次に説明する部分パター
ンQ値の算出及びマッチングを行う。
【0029】部分パターンQ値マッチング部23では、
中分類部21における部分パターン間ベクトルによる中
分類で残った候補文字について部分パターンQ値を算出
し図8、図9にそれぞれ示す部分パターン辞書中の部分
パターンQ値とマッチングを行う。この部分パターン辞
書の部分パターンQ値は、登録パターンより予め作成さ
れ、格納されているものである。ここで、部分パターン
Q値とは、各セグメントの長さ、方向及び位置を表す特
徴パラメータを言う。オンライン文字認識では、筆記す
るペンの動きとして、X、Y方向、+または−の方向が
重要な情報として得られ、この情報を有効に使用したの
がこの部分パターンQ値である。
【0030】まず、部分パターンQ値の算出方法を説明
する。なお、次式(6)〜(13)において、Σは全ス
トローク、全セグメントに関する加算、HX、HYは文
字幅を示す。
【0031】+x方向成分のx方向位置 Q1={Σ(Xi 2−Xi-1 2)}/(2HX2 ) ・・・(6) −x方向成分のx方向位置 Q2={Σ(Xi-1 2−Xi 2)}/(2HX2 ) ・・・(7) +y方向成分のy方向位置 Q3={Σ(Yi 2−Yi-1 2)}/(2HY2 ) ・・・(8) −y方向成分のy方向位置 Q4={Σ(Yi-1 2−Yi 2)}/(2HY2 ) ・・・(9) +x方向成分のy方向位置 Q5={Σ(Xi −Xi-1 )(Yi-1 +Yi )}/(2
HX・HY)・・・(10) −x方向成分のy方向位置 Q6={Σ(Xi-1 −Xi )(Yi-1 +Yi )}/(2
HX・HY)・・・(11) +y方向成分のx方向位置 Q7={Σ(Yi −Yi-1 )(Xi-1 +Xi )}/(2
HX・HY)・・・(12) −y方向成分のx方向位置 Q8={Σ(Yi-1 −Yi )(Xi-1 +Xi )}/(2
HX・HY)・・・(13) (6)〜(13)の式の場合は、原点を左下に設定した
ときの各方向位置の値であるが、このとき原点近くにあ
るものは乗算に供すると0となってしまう。そのため0
となるのを防ぐため、原点を入れ替え、原点を右上に設
定したときの各方向位置の値Q9〜Q16についても同
様に記述し、Q1〜Q16の合計16個の値により、対
象文字の各ストロークのセグメントの長さ、方向及び位
置を表すものとする。部分パターンQ値マッチング部2
3では、部分パターン間ベクトルによる分類により残っ
たものに対して、前記部分パターンQ値を算出するので
あるが、例えば”逢”を筆記入力して”挨”が部分パタ
ーンベクトルによる分類に残ったとする。この場合、”
挨”のカット位置は図5に示すように(3、2、5)で
あり、部分パターンは
【0032】
【外1】
【0033】であるので、”逢”を入力パターンカット
位置(3、2、5)でカットし、各Q1* 〜Q16*
算出する。
【0034】この時、”逢”の書き順は図10に示すよ
うに(1) 〜(10)の順であるので、”逢”と”挨”との間
では、
【0035】
【外2】
【0036】にそれぞれ対応することになる。
【0037】各々算出した部分パターンQ値Q1* 〜Q
16* と、図8,図9の部分パターン辞書にある部分パ
ターンQ値との、マッチングを行う。このマッチングで
は、まず、
【0038】
【外3】
【0039】で算出したQ1* 〜Q16* と、部分パタ
ーン辞書
【0040】
【外4】
【0041】のQ1〜Q16をマッチングさせる。次
に、”ニ”で算出したQ1* 〜Q16*と部分パターン
辞書”ム”のQ1〜Q16をマッチングさせ、さらに”
辻”で算出したQ1* 〜Q16* と部分パターン辞書”
矢”のQ1〜Q16をマッチングさせる。これらのマッ
チングにおける差を合計したものをマッチング距離dBP
とする。
【0042】このとき、距離dBPは入力パターン”逢”
が”挨”にどれだけ近いかを表す。一般には、各部分パ
ターンのストローク数BSjにより、次式(14)のよ
うに重み付けを行い、それをマッチング距離dBPとす
る。
【0043】 dBP=Σj=1 BPNΣi=1 16 (|Q1(j)−Q1* (j)
|・BSj/N)・・・(14) 但し、Q1(j)は、第j部分パターンQj値である。
【0044】以上のように求めた距離dBPと、前ステッ
プで求めた部分パターン間ベクトルのマッチングにより
得られたdvec にαvec で重み付けをしたものとを加算
した距離d1を求める。
【0045】 d1=αvec ・dvec +dBP・・・(15) 前式のαvec は、ここでは筆記文字のストローク数が2
〜3ストロークの時はαvec =1/2、4〜25ストロ
ークの時はαvec =1、1ストロークの時はαvec =0
とする。
【0046】以上の操作を部分パターン間ベクトルによ
る分類で残った全ての候補文字について行い、d1によ
るソーティングを行う。そしてこれらデータをこの実施
例ではストロークコードファジーマツチング部27に出
力する。
【0047】次に、この発明に係るストロークコードフ
ァジーマッチング処理に移る。このストロークコードフ
ァジーマッチング処理の手順について、図11に示すフ
ローチャートを参照して行なう。
【0048】ところで、このストロークファジーマッチ
ング処理ではメンバーシップ関数なるものを用いるの
で、先ず、メンバーシップ関数について説明する。メン
バーシップ関数はストロークコード同士の関連性をこれ
らストロークコードが付与されているストローク同士の
類似の程度で表したものである。図12(A)、(B)
にその一例を示す。(A)図は、ストロークコード01
の、他のストロークコードに対するメンバーシップ値
(類似度)を示し、(B)図は、ストロークコード02
の、他のストロークコードに対するメンバーシップ値
(類似度)を示している。例えば、ストロークコード0
【0049】
【外5】
【0050】に対してストロークコード02”↓”はメ
ンバーシップ値0.2を持っている。このメンバーシッ
プ値はここでは0から1までの10段階で表しており、
0に近いほどストロークどうしが似ているということに
なる。つまり、ストロークコード01
【0051】
【外6】
【0052】とストロークコード02”↓”はかなり似
ているということになり、ストロークコード01
【0053】
【外7】
【0054】と
【0055】
【外8】
【0056】とはまったく似ていないということにな
る。このメンバーシップ関数は既存のストローク数分予
め設定されていてそれぞれメンバーシップ関数部25に
格納してある。
【0057】一方、ストロークコードファジーマッチン
グ部27は、先ず、中分類部21により絞られた候補文
字につき、部分パターンストロークコード分布を求め、
この分布と登録パターンにより予め作成された図8およ
び図9に示した部分パターン辞書に格納されている部分
パターンストロークコード分布とのマッチングを行い、
さらに上位候補の順位付けを行う。
【0058】この順位付けを行う対象は、例えばd1の
ソーティングで得られた第1候補の距離d1との比率で
決まる。すなわち、dj/d1≦ZRATEの候補文字
までを、対象文字として順位付けを行う。
【0059】次に、部分パターンストロークコード分布
の算出方法について説明する。一例として、入力パター
ンが”逢”で第1候補として選ばれた文字が”逢”であ
ったとする。図5の文字辞書より、候補文字”逢”のカ
ット位置は(3、4、3)であるので部分パターンは
【0060】
【外9】
【0061】であることが分かるから、この位置で入力
パターン”逢”をカットする。カットして得た部分パタ
ーンは文字辞書の内容と同じであるが、それぞれの部分
パターン毎に、ストロークコード化部17により得られ
たストロークコードの本数の分布を算出する。
【0062】先ず、
【0063】
【外10】
【0064】の部分パターンのマッチング変数
【0065】
【外11】
【0066】を初期化する(図11のステップS1)。
次に、
【0067】
【外12】
【0068】のストロークは、
【0069】
【外13】
【0070】であるから、”01”が1本、”03”が
1本、”05”が1本というストロークコード分布が求
められる。このようにして算出された部分パターンスト
ロークコード分布は、予め数個の登録パターンから同様
な手順により算出し、平均化して作成しておいた図8の
部分パターン辞書の部分パターンストロークコード分布
と、マッチングされる。本例の場合、まず、以上のよう
にして算出した
【0071】
【外14】
【0072】の部分パターンストロークコード分布と、
図8の部分パターン辞書の
【0073】
【外15】
【0074】のストロークコード分布との差を、マッチ
ングにより求める(図11のステップS2)。
【0075】すなわち、両者のストロークコード分布は
【0076】
【表1】
【0077】であるので、この時の上記マッチングの結
果として残った入力パターン部分および部分パターン辞
書は次の様になる。
【0078】
【表2】
【0079】この例では、同じストロークコードであっ
てそれが付与されたストロークの本数が入力パターン
(筆記された文字)および部分辞書パタン(登録パター
ン)で異なっているストロークコード、すなわち01,
02,03,04の各ストロークコードがあるので次の
処理(この発明でいう補助情報をも加味したファジーな
認識処理)に進む。しかし、もしここで入力パターンお
よび部分パターン辞書にストロークコードが残っていな
ければ(入力パターンおよび部分辞書パターン双方に同
じストロークコードでかつストローク数が同じストロー
クコードしかない場合、すなわち両者が一致の場合)は
【0080】
【外16】
【0081】を求める(図10のステップS3,S
6)。もちろん、ストロークコードが残っていない場合
【0082】
【外17】
【0083】となる。
【0084】これに対し本例の様にストロークコードが
残っている場合は、入力パタン内でストロークの本数が
一番多いストロークコードとそれに対してのメンバーシ
ップ値が一番小さい部分パターン辞書内のストロークコ
ードとの距離を求める。この場合は、入力パターンのス
トロークの本数が一番多いストロークコードは03であ
りかつストローク本数は0.6であり、そしてこれに対
してのメンバーシップ値が一番小さい部分パターン辞書
内のストロークコードは、メンバーシップ値を図13
(B)のように設定してあると考えた場合、04のコー
ドとなりかつメンバーシップ値は0.2になる。また、
この場合、入力パターンにおけるストロークコード03
と部分パターン辞書におけるストロークコード04のス
トローク本数による距離はお互いのストローク本数が
0.6本なので、0.6となる。この本数0.6にメン
バーシップ値0.2をかけた距離をdssと定義しこの
dssを求める(図11のステップS4).この場合は
dss=0.6×0.2=0.12となる。ここで求め
られたdssを上述の距離dsに加算する(図11のス
テップS5)。この場合はこの段階では、
【0085】
【外18】
【0086】となる。
【0087】他にもストロークコードが残っている場合
は順次に上記ステップS4,S5の処理を繰り返す。こ
の例の場合は
【0088】
【表3】
【0089】がまだ残っているので、上記と同じように
dssを求める。この場合メンバーシップ値を図13
(A)のように設定してあると考えた場合、ストローク
コード01に対しメンバーシップ値が最も小さいストロ
ークコードは02となりかつメンバーシップ値は0.2
になる。また、この場合、入力パターンにおけるストロ
ークコード01と部分パターン辞書におけるストローク
コード02のストローク本数による距離はお互いのスト
ローク本数が0.1本なので、0.1となる。したがっ
て、dss=0.1×0.2=0.02となり、これは
【0090】
【外19】
【0091】に加算されるので、
【0092】
【外20】
【0093】になる。
【0094】同様に、
【0095】
【外21】
【0096】についてストロークコードファジーマッチ
ング処理をそれぞれ行ない
【0097】
【外22】
【0098】を得る。そして、これらを各部分パターン
ストロークコード数BSjにより正規化し、正規化され
た各部分パターンのマッチング距離の合計を次式(1
6)に従い算出する。
【0099】
【数1】
【0100】ここで順位付けされた候補文字を認識結果
として出力端子29(図1参照)から図示しない出力装
置(表示器やプリンタ等)に出力する。
【0101】上述の説明から明らかな様に、この発明に
よれば、ストロークコードの類似度を考慮した補助情報
としてのdssなる情報が加味されて筆記文字認識がな
される。このため、筆記の際の文字変形や筆記角度のず
れなどに起因するマッチング誤差を従来より低減できる
ので、認識率を向上させることができる。
【0102】2.第2の実施例 2−1.認識装置の構成の説明 図14は第2の実施例の筆記文字認識装置30の機能ブ
ロック図である。この第2の実施例の筆記文字認識装置
30は、第1の実施例の文字認識装置10の構成に加
え、画数判定部31およびストロークコードマッチング
部33を具えている。ここで、画数判定部31はタブレ
ット11に筆記された文字の画数(ストローク数)を判
定し、そのストローク数が所定値以下の場合はストロー
クコードファジーマッチング部27の動作を有効としそ
れ以外の場合はストロークコードマッチング部33の動
作を有効とするものである。また、ストロークコードマ
ッチング部33は、筆記入力された文字と登録パターン
との一致の程度を示す情報を得るものである(詳細は後
述する。)。
【0103】2−2.文字認識方法の説明 次に、文字認識方法の第2の実施例について説明する。
なお、タブレット11、前処理部13、特徴抽出部1
5、ストロークコード化部17、大分類部19、、中分
類部21、部分パターンQ値マッチング部23、メンバ
ーシップ関数部25おのおの動作は、第1の実施例の場
合と同様であるのでその説明は省略する。また、ストロ
ークコードファジーマッチング部27の動作はこれが動
作するか否かが画数判定部31により制御される点を除
けば第1の実施例と同様である。そこで、以下において
は画数判定部31およびストロークコードマッチング部
33での各処理動作について主に説明する。
【0104】画数判定部31は前処理部13より出力さ
れる筆記文字に関する画数Kstrについて、Kstr
≧βstrの式に従い判定をする。ここで、βstrは
画数に関する閾値(ある所定値)であり、これに限られ
ないがこの場合6としている。画数判定部31は、Ks
trがβstrより小さい場合はストロークコードファ
ジーマッチング部27の動作を有効とする様に制御す
る。具体的には、この場合は、部分パターンQ値マッチ
ング部23の情報をストロークコードファジーマッチン
グ部27に送る。また、Kstrがβstr以上の場合
はストロークコードマッチング部33の動作を有効とす
る様に制御する。具体的には、この場合は、部分パター
ンQ値マッチング部23の情報をストロークコードマッ
チング部33に送る。筆記文字においては低画数の文字
の方が筆記の際の文字変形や筆記角度ばらつきが生じ易
くこれの手当が必要となるので、ここではβstrより
小さい場合にファジーマッチング処理を行なうようにし
ている。
【0105】また、ストロークコードマッチング部33
はこの場合次の様な動作をする。第1の実施例において
図11のステップS1およびS2において説明した動作
を先ずする。この場合、処理対象が第1の実施例と同
様、”逢”の部分パターン
【0106】
【外23】
【0107】であるとすると、入力パターンおよび部分
パターン辞書おのおののストロークコードおよびストロ
ーク数は第1の実施例と同様に下記のようになる。
【0108】
【表4】
【0109】そこで、ストロークコードマッチング部3
3では、入力パターンおよび部分パターン辞書の同じス
トロークコード同士のストローク数の差を求める。そし
てこれらの差の総和を以下の様に求める。
【0110】
【外24】
【0111】同様にして
【0112】
【外25】
【0113】についてマッチングを行ない、そして
【0114】
【外26】
【0115】を求める。そして、これらを各部分パター
ンストロークコード数BSjにより正規化し、正規化さ
れた各部分パターンのマッチング距離の合計を上記(1
6)式に従い算出する。そして、ここで順位付けされた
候補文字を認識結果として出力端子29(図1参照)か
ら図示しない出力装置(表示器やプリンタ等)に出力す
る。
【0116】なお、この第2の実施例ではあたかもスト
ロークコードマッチング部33とストロークコードファ
ジーマッチング部27とが分離独立しているごとく説明
しているが(もちろんそれでも良いが)、入力パターン
および部分パターン辞書それぞれのストロークコード分
布(表1や表4に示したもの)を求めるところまでは両
者の共通処理部とし、その後の距離dsの算出処理を画
数判定部からの信号に応じ異ならせる(ファジー処理と
するか否か)こととした場合もこの発明の範囲に含まれ
る。
【0117】3.第3の実施例 3−1.認識装置の構成の説明 図15は第3の実施例の筆記文字認識装置40の機能ブ
ロック図である。この第3の実施例の筆記文字認識装置
40は、第1の実施例の文字認識装置10の構成に加
え、文字種判定部41およびストロークコードマッチン
グ部33を具えると共に、第1の実施例で用いたタブレ
ット11の代わりに文字種選択機能をも有したタブレッ
ト43を具える。
【0118】ここで、文字種判定部41は、筆記入力さ
れた文字の文字種が所定の文字種ここでは漢字以外の少
なくともカタカナ、ひらがな、英字、数字および記号の
場合ストロークコードファジーマッチング部27の動作
を有効とし、それ以外の場合はストロークコードマッチ
ング部33の動作を有効とするものである(詳細は後述
の認識方法の項で説明する。)。
【0119】また、タブレット43は図16に示したよ
うに、文字種選択枠43aとデータ入力枠43bとを具
えたものとしてある。また文字種選択枠43aは図17
に示した様に、その枠内をひらがな、カタカナ、数字、
英字、記号、漢字の各選択枠に区分けしてある。このタ
ブレット43では、文字種選択枠43aに対しタップ
(ペンをタブレットに触れた後、素早くタブレットから
離す動作)することで文字種を選択でき、また、データ
記入枠43bに対し筆記入力をすることで文字を文字認
識装置40に入力できる。具体的には、図17に示すフ
ォーマットのタブレット43にタップ入力があったとき
のデ−タの最初の座標点(Xf1,Yf1)が文字種選
択枠43aの範囲内、つまり次式(17)を満たしたと
き、(Xf1,Yf1)を文字種判定部41に出力す
る。
【0120】 XMmin≦Xf1≦XMmax and YMmin
≦Yf1≦Ymax・・・ (17) 一方このタブレット43に対しタップ入力ではなく筆記
入力され、しかも筆記入力された筆記データの最初の座
標点(Xf1,Yf1)がデ−タ入力枠43bの範囲
内、つまり、次式(18)を満たしたときは、筆記され
る文字の筆記データ列{(Xij,Yij),i=1,2,
・・・nj}jが抽出され、前処理部13へ送られる。
もちろん、このタブレット43を上記の第1、第2の各
実施例の文字認識装置で用いデータ入力枠43bのみ用
いても良い。
【0121】 XDmin≦Xf1≦XDmax and YDmin
≦Yf1≦Ymax・・・ (18) 3−2.文字認識方法の説明 次に、文字認識方法の第3の実施例について説明する。
なお、前処理部13、特徴抽出部15、ストロークコー
ド化部17、大分類部19、、中分類部21、部分パタ
ーンQ値マッチング部23、メンバーシップ関数部25
おのおの動作は、第1の実施例の場合と同様であるので
その説明は省略する。また、ストロークコードファジー
マッチング部27の動作およびストロークコードマッチ
ング部33の動作は、これらが動作するか否かが文字種
判定部41により制御される点を除けば第1の実施例、
第2の実施例と同様である。そこで、以下においては文
字種判定部41およびタブレット43での各処理動作に
ついて主に説明する。
【0122】文字種判定部41は、タブレット43より
タップ座標の始点(Xf1,Yf1)の出力を受ける
と、タップ座標値(Xf1,Yf1)が文字種選択枠4
3a内のどの位置に当たるかを以下の(19)〜(2
4)の条件式により判定し、それぞれ、文字種変数Mk
indの値を設定する。
【0123】 XMmin≦Xf1<XM1 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=1 ・・・(19) XMmin≦Xf1<XM2 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=2 ・・・(20) XMmin≦Xf1<XM3 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=3 ・・・(21) XMmin≦Xf1<XM4 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=4 ・・・(22) XMmin≦Xf1<XM5 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=5 ・・・(23) XMmin≦Xf1<XM6 and YMmin≦Y
f1≦YMmaxの時 Mkind=6 ・・・(24) つまり、Mkind=1(ひらがな)、Mkind=2
(カタカナ)、Mkind=3(数字)、Mkind=
4(英字)、Mkind=5(記号)、Mkind=6
(漢字)となる。
【0124】この後、文字種判定部41はANK文字
(カタカナ、ひらがな、英字、数字、或は記号)が、筆
記の際の変形や筆記角度ずれを起こし易いということか
ら、選択された文字種が、ひらがな(Mkind=
1)、カタカナ(Mkind=2)、数字(Mkind
=3)、英字(Mkind=4)、記号(Mkind=
5)の時、ストロークコードファジーマッチング部27
の動作を有効とする。具体的には、部分パターンQ値マ
ッチング部23より出力された情報をストロークコード
ファジーマッチング部27に出力する。また、文字種
が、漢字(Mkind=6)の時、部分パターンQ値マ
ッチング部7より出力された情報をストロークコードマ
ッチング部33に出力する。ストロークコードファジー
マッチング部27およびストロークコードマッチング部
33のうちの動作が有効とされた方は、既に説明した手
順でマッチング処理をする。
【0125】なお、この第3の実施例ではあたかもスト
ロークコードマッチング部33とストロークコードファ
ジーマッチング部27とが分離独立しているごとく説明
しているが(もちろんそれでも良いが)、入力パターン
および部分パターン辞書それぞれのストロークコード分
布(表1や表4に示したもの)を求めるところまでは両
者の共通処理部とし、その後の距離dsの算出処理を文
字種判定部41からの信号に応じ異ならせる(ファジー
処理とするか否か)こととした場合もこの発明の範囲に
含まれる。
【0126】4.第4の実施例 上記の第2の実施例および第3の実施例の文字認識装置
の両者の機能を具えた装置としても良い。すなわち、第
2の実施例の構成に加え文字種判定部41をさらに設け
た構成である(図示せず)。
【0127】5.第5の実施例 上述の第1〜第4の実施例それぞれでは、メンバーシッ
プ関数部25に用意するメンバーシップ値を、筆記され
た文字の画数ごとに異ならせて設定しても良い。そうし
た方が、文字変形や筆記角度のばらつきに起因するマッ
チング誤差を低減し易くなる場合があるからである。図
18(A)〜(C)にストロークコード01
【0128】
【外27】
【0129】についての筆記文字が1画、2画、3画の
場合それぞれにおけるメンバーシップ値の設定例を示し
た。これら異なるメンバーシップ値はメンバーシップ関
数部25に予め容易しておくものとし、そして、いずれ
のメンバーシップ値(表)を用いるかを前処理部13で
判定された筆記文字の画数の情報によって選択するよう
にする。
【0130】
【発明の効果】上述した説明から明らかな様にこの出願
の第一発明の筆記文字認識方法によれば、筆記文字から
得た筆記データ列に直線化処理を施し、該筆記データ列
から前記文字を構成するストロークの特徴を表す特徴点
を抽出し、該特徴点の位置関係によって各ストロークに
対してストロークコードを付与し、少なくとも該付与さ
れたストロークコードおよび予め用意された登録パタン
のストロークコードのマッチングで得られる情報に基づ
いて前記筆記された文字を認識する手書き文字認識方法
において、所定のメンバーシップ関数なるものを予め用
意し、そして、前記ストロークコード間のマッチング処
理の際に、前記筆記された文字および登録パタンの双方
に、同じストロークコードであってそれが付与されてい
るストロークの本数が双方で異なっているストロークコ
ードが出現した場合は、該ストロークコードに最も関連
する他のストロークコードを前記メンバーシップ関数に
基づいて決め、その際のメンバーシップ関数に基づいて
前記筆記された文字の曖昧さに起因する登録パタンとの
類似の程度を示す補助情報を得、該補助情報をも加味し
たファジーな認識をする。このため、筆記文字の筆記時
の変形や筆記角度の違い等に起因ずるマッチング誤差を
従来より減らすことが出来るのでその分認識率が高い文
字認識方法となる。
【0131】また、この出願の第二発明の文字認識装置
によれば、所定のメンバーシップ関数部と所定のストロ
ークコードファジーマッチング部とを具えたので、第一
発明の実施を容易とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の説明図であり、第1の実施例の
文字認識装置の構成を示した図である。
【図2】ストロークコード説明図である。
【図3】筆記データ列の処理の様子を示す図である。
【図4】ストロークコード化部の説明図である。
【図5】文字辞書、部分パターン間ベクトルの説明図で
ある。
【図6】部分パターン間ベクトルの説明図である。
【図7】「逢」について「唖」のカット位置で考えた部
分パターン間ベクトルの説明図である。
【図8】部分パターン辞書の説明図(その1)である。
【図9】部分パターン辞書の説明図(その2)である。
【図10】部分パターンQ値算出の説明図である。
【図11】ストロークコードファジーマッチング処理の
説明図である。
【図12】メンバーシップ値設定例の説明図(その1)
である。
【図13】メンバーシップ値設定例の説明図(その2)
である。
【図14】第2の実施例の説明図であり、第2の実施例
の文字認識装置の構成を示した図である。
【図15】第3の実施例の説明図であり、第3の実施例
の文字認識装置の構成を示した図である。
【図16】タブレット入力フォーマット例の説明図であ
り、文字種選択機能を有したタブレット例の説明図であ
る。
【図17】タブレットにおける文字種選択枠、文字種設
定例の説明図である。
【図18】筆記文字(対象文字)のストローク数(画
数)別メンバーシップ値設定例の説明図である。
【符号の説明】
10:第1の実施例の文字認識装置 11:タブレット 13:前処理部 15:特徴抽出部 17:ストロークコード化部 25:メンバーシップ関数部 27:ストロークコードファジーマッチング部 29:出力端子 30:第2の実施例の文字認識装置 31:画数判定部 33:ストロークコードマッチング部 40:第3の実施例の文字認識装置 41:文字種判定部 43:タブレット(文字種選択機能付き)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記された文字から得た筆記データ列に
    直線化処理を施し、該直線化処理された筆記データ列か
    ら前記文字を構成するストロークの特徴を表す特徴点を
    抽出し、該抽出された特徴点の位置関係によって各スト
    ロークに対してコード(ストロークコード)を付与し、
    少なくとも該付与されたストロークコードおよび予め用
    意された登録パターンのストロークコードのマッチング
    で得られる情報に基づいて前記筆記された文字を認識す
    る手書き文字認識方法において、 各ストロークコード同士の関連性をこれらストロークコ
    ードが付与されているストローク同士の類似の程度で表
    したメンバーシップ関数なるものを、予め用意し、 前記ストロークコード間のマッチング処理の際に、前記
    筆記された文字および登録パターンの双方に、同じスト
    ロークコードであってそれが付与されているストローク
    の本数が双方で異なっているストロークコードが出現し
    た場合は、該ストロークコードに最も関連する他のスト
    ロークコードを前記メンバーシップ関数に基づいて決
    め、その際のメンバーシップ関数に基づいて前記筆記さ
    れた文字の曖昧さに起因する登録パターンとの違いを考
    慮した補助情報を得、 該補助情報をも加味したファジーな認識をすることを特
    徴とする筆記文字認識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の筆記文字認識方法にお
    いて、 前記筆記された文字のストローク数を判定し、該ストロ
    ーク数が所定の値以下の文字について、請求項1に記載
    の補助情報をも加味したファジーな認識を実施すること
    を特徴とする筆記文字認識方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の筆記文字認識方法にお
    いて、 前記筆記された文字の文字種を判定し、該文字が所定の
    文字種である場合に、請求項1に記載の補助情報をも加
    味したファジーな認識を実施することを特徴とする筆記
    文字認識方法。
  4. 【請求項4】 筆記された文字から得た筆記データ列に
    直線化処理を施す前処理部と、該直線化処理された筆記
    データ列から前記文字を構成するストロークの特徴を表
    す特徴点を抽出する特徴点抽出部と、該抽出された特徴
    点の位置関係によって各ストロークに対してコード(ス
    トロークコード)を付与するストロークコード化部とを
    具える筆記文字認識装置において、 各ストロークコード同士の関連性をこれらストロークコ
    ードが付与されているストローク同士の類似の程度で表
    したメンバーシップ関数なるものを出力するメンバーシ
    ップ関数部と、 前記付与されたストロークコードおよび予め用意された
    登録パターンのストロークコード間のマッチングをして
    前記筆記された文字と登録パターンとの一致の程度を示
    す情報を得、該情報を得る処理の際に、前記筆記された
    文字および登録パターンの双方に、同じストロークコー
    ドであってそれが付与されているストロークの本数が双
    方で異なっているストロークコードが出現した場合は、
    該ストロークコードに最も関連する他のストロークコー
    ドを前記メンバーシップ関数に基づいて決め、その際の
    メンバーシップ関数に基づいて前記筆記された文字の曖
    昧さに起因する登録パターンとの違いを考慮した補助情
    報を得、該補助情報をも加味したファジーな認識をする
    ストロークコードファジーマッチング部とをさらに具え
    たことを特徴とする筆記文字認識装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の筆記文字認識装置にお
    いて、 前記付与されたストロークコードおよび予め用意された
    登録パターンのストロークコード間のマッチングをして
    前記筆記された文字と登録パターンとの一致の程度を示
    す情報を得るストロークコードマッチング部と、 前記筆記された文字のストローク数を判定し、該ストロ
    ーク数が所定の値以下の文字の場合は前記ストロークコ
    ードファジーマッチング部の動作を有効としそれ以外の
    場合は前記ストロークコードマッチング部の動作を有効
    とする制御をする画数判定部とをさらに具えたことを特
    徴とする筆記文字認識装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の筆記文字認識装置にお
    いて、 前記画数判定部の代わりに、筆記された文字の文字種を
    判定し、該文字が所定の文字種である場合は前記ストロ
    ークコードファジーマッチング部の動作を有効としそれ
    以外の場合はストロークコードマッチング部の動作を有
    効とする制御をする文字種判定部を具えたことを特徴と
    する筆記文字認識装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の筆記文字認識装置にお
    いて、 請求項6に記載の文字種判定部を併せて具えたことを特
    徴とする筆記文字認識装置。
JP7185265A 1995-07-21 1995-07-21 筆記文字認識方法および認識装置 Withdrawn JPH0935001A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7359551B2 (en) 2001-10-15 2008-04-15 Silverbrook Research Pty Ltd Method and apparatus for decoding handwritten characters
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