JPH0935000A - 手書き文字認識方法及び装置 - Google Patents

手書き文字認識方法及び装置

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JPH0935000A
JPH0935000A JP7182882A JP18288295A JPH0935000A JP H0935000 A JPH0935000 A JP H0935000A JP 7182882 A JP7182882 A JP 7182882A JP 18288295 A JP18288295 A JP 18288295A JP H0935000 A JPH0935000 A JP H0935000A
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JP
Japan
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feature vector
handwriting
stroke
pattern
character
Prior art date
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Application number
JP7182882A
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English (en)
Inventor
Ikuhiko Nishio
郁彦 西尾
Kimiyoshi Yoshida
公義 吉田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手書き文字の認識が高い認識率で出来るよう
にする。 【解決手段】 入力筆跡を示すストローク列データか
ら、筆跡ストロークをビットマップパターンに描画し、
この描画されたビットマップパターンから特徴ベクタを
生成し、生成された特徴ベクタと予め用意された認識可
能な文字の特徴ベクタとの類似度を検出し、この検出で
所定レベル以上の類似が検出されたとき、該当する文字
を認識したと判断する手書き文字認識方法において、ビ
ットマップパターンをウェーブレット変換して特徴ベク
タを生成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種データ処理装
置の文字データ入力部に適用して好適な手書き文字認識
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タッチパネル上をペン等でなぞっ
て文字などを手書きして、その文字を入力させる手書き
入力機能を備えたデータ処理装置が各種開発されてい
る。例えば、電子手帳などのように、文字入力用のキー
ボードを配置するスペースのない携帯用の小型データ処
理装置に、この手書き入力機能を付加して、高度な文字
入力処理が簡単にできるようにしたものがある。
【0003】この手書き文字入力を実現するためには、
手書きされた文字を正確に認識処理する必要がある。そ
の認識処理の一つとして、ビットマップパターン文字認
識と称される認識処理がある。この認識処理は、手書き
された形状を、画素の有無の情報としてのパターンデー
タとし、予め用意された認識可能文字の標準パターンと
の比較を行い、一致した標準パターンがあったとき、そ
の文字が入力されたと判断する。
【0004】ところで、手書きされる文字の形状は、同
じ文字であっても実際には常時同じ形状に手書きされる
ものではないので、手書きされたパターンの正規化処
理、ぼかし処理、モザイク化などを行って、ある程度同
じ状態で標準パターンと比較できるように処理する必要
がある。
【0005】また、別の認識処理として、ビットマップ
パターンそのものの特徴より認識するのではなく、ビッ
トマップパターンを周波数的な変換であるフーリエ変換
したデータを使用して認識処理を行う方法もある。この
フーリエ変換による認識処理では、文字パターンの持つ
周波数的な特徴が抽出されて、この特徴が標準パターン
の特徴と一致するか否か比較されて、文字認識されるも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したそ
れぞれの文字認識処理には、種々の問題点があった。即
ち、ビットマップパターンそのものを認識処理に使用す
る方法では、パターンのずれの正規化やぼかし処理を行
っても、そのずれを完全に吸収するのは困難で、標準パ
ターンとの比較(パターン同士の重ね合わせ)に失敗す
る可能性が高く、認識率を低下させる要因となってい
た。また、フーリエ変換による認識処理では、文字パタ
ーン全体をフーリエ変換して周波数的特徴のデータを生
成させるために、文字パターンの各部での局所的な特徴
が失われてしまい、文字パターンの情報を有効に活用し
ているとは言えず、認識率を低下させる要因となってい
た。
【0007】本発明はこれらの点に鑑み、手書き文字の
認識が高い認識率で出来るようにすることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の手書き文字認識
方法は、ビットマップパターンをウェーブレット変換し
て特徴ベクタを生成するようにしたものである。
【0009】また本発明の手書き文字認識装置は、ビッ
トマップパターンをウェーブレット変換するウェーブレ
ット変換手段を備えたものである。
【0010】本発明の手書き文字認識方法によると、小
領域に分割された筆跡ビットマップパターンから、各分
割領域の近傍における周波数的な特徴を抽出する等のウ
ェーブレット変換処理が行われて特徴ベクタが生成され
るので、文字パターンの各部での局所的な特徴を生かし
た特徴ベクタが生成される。
【0011】また本発明の手書き文字認識装置による
と、小領域に分割された筆跡ビットマップパターンか
ら、各分割領域の近傍における周波数的な特徴を抽出す
る等のウェーブレット変換処理が行われるウェーブレッ
ト変換処理手段を備えることで、詳細な特徴ベクタを得
ることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
図6を参照して説明する。
【0013】図1は、本例の手書き文字認識処理が実行
される手書き文字認識装置の構成を示す図で、手書き文
字入力部1は、タッチパネルを備え、このタッチパネル
上をペン等でなぞることで、その筆跡に対応したストロ
ーク列データを出力する。このストローク列データは、
入力文字の一画の始点から終点までを折れ線近似した座
標点列で表されている。そして、この手書き文字入力部
1が出力するストローク列データを、線形正規化回路2
に供給する。この線形正規化回路2は、供給されるスト
ローク列データを、一定範囲の大きさの文字の筆跡に相
当するデータとする線形正規化処理(即ち大きさを整え
る処理)を行う回路である。
【0014】そして、この線形正規化回路2での処理で
補正されたストローク列データを、非線形正規化回路3
に供給する。この非線形正規化回路3は、供給されるス
トローク列データのバランスを整える非線形正規化処理
を行う回路である。ここでの非線形正規化処理として
は、例えば特願昭62−185826号に記載されたパ
タン正規化処理が適用できる。そして、この非線形正規
化回路3での処理で補正されたストローク列データを、
筆跡ビットマップ描画回路11,12,13,14に供
給する。
【0015】このそれぞれの筆跡ビットマップ描画回路
11,12,13,14は、供給される正規化されたス
トローク列データから、設定された方向のストローク列
データを抽出して、その方向の筆跡のストローク列デー
タよりビットマップパターンを描画して出力する。ここ
で、各描画回路11〜14に設定された方向について説
明すると、描画回路11は水平方向(図2に示すX方
向)の筆跡のストローク列を抽出して描画するX方向筆
跡ビットマップ描画回路としてあり、描画回路12は垂
直方向(図2に示すY方向)の筆跡のストローク列を抽
出して描画するY方向筆跡ビットマップ描画回路として
あり、描画回路13は左下から右上に傾斜した方向(図
2に示すXY方向)の筆跡のストローク列を抽出して描
画するXY方向筆跡ビットマップ描画回路としてあり、
描画回路14は左上から右下に傾斜した方向(図2に示
すYX方向)の筆跡のストローク列を抽出して描画する
YX方向筆跡ビットマップ描画回路としてある。
【0016】なお、ここで各ビットマップ描画回路11
〜14で描画するビットマップは、例えば水平方向64
画素×垂直方向64画素(図2参照)の1画面4096
画素で構成されるビットマップとする。そして、各画素
は濃淡のデータ(例えば256階調)を持ち、画素の濃
度は線分の方向に従って決定される。また、各ビットマ
ップ描画回路11〜14で描画されたビットマップは、
各回路内でのフィルタリング処理によってぼかし処理を
行い、このぼかし処理されたビットマップパターンデー
タを出力する。
【0017】ここまでの処理状態を、実際に文字を入力
させた場合を例にして図3で説明すると、例えば手書き
文字入力部1のタッチパネル上に図3のAに示すように
若干斜めに傾斜した文字「田」を手書きで入力させたと
き、この手書きパターンを折れ線近似したストローク列
データの大きさが線形正規化回路2で正規化されて図3
のBに示す形状のストローク列データとされる。さら
に、このストローク列データのバランスを整える非線形
正規化処理が、非線形正規化回路3で行われ、図3のC
に示すデータとされる。そして、このストローク列デー
タが、各筆跡ビットマップ描画回路11〜14でX方向
(図3のD),Y方向(図3のE),XY方向(図3の
F),YX方向(図3のG)に分解される。
【0018】図1の説明に戻ると、X方向筆跡ビットマ
ップ描画回路11が出力するビットマップパターンデー
タを、X方向特徴ベクタ生成回路21に供給し、ビット
マップパターンからX方向の特徴ベクタを生成させる。
同様に、Y方向筆跡ビットマップ描画回路12,XY方
向筆跡ビットマップ描画回路13,YX方向筆跡ビット
マップ描画回路14が出力するビットマップパターンデ
ータを、それぞれY方向特徴ベクタ生成回路22,XY
方向特徴ベクタ生成回路23,YX方向特徴ベクタ生成
回路24に供給し、それぞれ対応した筆跡方向の特徴ベ
クタを生成させる。
【0019】本例の場合、それぞれの特徴ベクタ生成回
路21〜24では、ウェーブレット変換(Wavele
t変換)を利用して、それぞれの方向に対して64次元
の特徴ベクタを生成させる。その生成処理の詳細につい
ては後述する。
【0020】そして、一つの方向毎に64次元で生成さ
れた全ての方向の特徴ベクタデータを、特徴ベクタ記憶
回路4に供給し、記憶させる。従って、この特徴ベクタ
記憶回路4では4方向(X方向,Y方向,XY方向,Y
X方向)合わせて256次元の特徴ベクタが記憶される
ことになる。そして、この特徴ベクタ記憶回路4に記憶
された256次元の特徴ベクタデータを、特徴ベクタ比
較回路5に供給し、参照パターンデータベース6に記憶
された特徴ベクタデータと比較する。
【0021】参照パターンデータベース6は、この装置
で認識できる文字の基準となる特徴ベクタデータが記憶
された記憶手段で、1文字毎に256次元の特徴ベクタ
データが記憶させてある。この基準となる特徴ベクタデ
ータは、例えばその文字のサンプル筆跡の平均より算出
されたデータである。そして、このデータベース6に記
憶された全ての文字の基準特徴ベクタデータを、順次読
出して特徴ベクタ比較回路5に供給する。
【0022】そして、特徴ベクタ比較回路5での比較と
しては、各次元の特徴ベクタ毎に、入力筆跡の特徴ベク
タデータと基準特徴ベクタデータとの距離差を算出し、
算出した距離差が小さいと判断したとき(例えば全ての
次元の距離差が所定値以下であるとき)、その文字の文
字コードデータ(データベース6に基準特徴ベクタデー
タと共に記憶される)を、そのときの比較に使用したデ
ータと共に候補列記憶回路7に記憶させる。
【0023】そして、候補列記憶回路7に記憶されたデ
ータの中で、特徴ベクタの距離差が最も小さい文字候補
を判断して、その文字コードデータを認識結果出力端子
8から出力させる。
【0024】次に、特徴ベクタ生成回路21〜24での
特徴ベクタの生成に使用するウェーブレット変換につい
て説明すると、ウェーブレット変換は水平,垂直位置的
に局在した基本ウェーブレット関数をスケール変換,シ
フト変換して得られる関数列を基底関数とした関数展開
である。入力された筆跡を表すビットマップパターン
は、二次元関数として見なすことができ、これを二次元
離散ウェーブレット変換によって直交ウェーブレット空
間に変換したときの関数展開の係数を特徴量とする。水
平的及び垂直的に局在した基本ウェーブレット関数によ
り、筆跡パターンの局所的な周波数特徴を生成すること
ができる。
【0025】ここで本例のウェーブレット関数の詳細に
ついて説明すると、入力筆跡をパターンのサイズをNx
Nとして、 p(x,y) (0≦x<N,0≦y<N) とする。p(a,b)は、ビットマップパターン上の座
標(a,b)の画素値である。基本ウェーブレット関数
を次式〔数1〕のように設定する。
【0026】
【数1】
【0027】この〔数1〕式のような関数をハール関数
と称する。ハール関数Φ(t)からスケール変換,シフ
ト変換によって生成される関数列を次式〔数2〕とす
る。
【0028】
【数2】Φj,k(t)=(√2)^j*Φ{2^j*(t−
2*N*k/2^j)}
【0029】この〔数2〕式より次式〔数3〕をj,
k,l,mを変化させて求める。
【0030】
【数3】Cjklm=ΣX ΣY Φj,k(x)*Φl,m(y)*p(x,y)
【0031】このハール関数による具体的な特徴量の生
成処理例を図4に示す。例えば、図4のAに示すよう
に、或る方向(例えばX方向)において所定間隔で画素
値P1,P2 が検出され、その画素値P1 ,P2 の間隔
よりも短い周期Tのハール関数の検出窓aで特徴量を生
成させたとすると、画素値P1 がそのまま特徴量として
生成される。これに対し、図4のBに示すように、周期
Tのハール関数の検出窓aよりも短い間隔で画素値
3 ,P4 ,P5 が検出された場合には、画素値P3
プラス方向に検出し、画素値P4 をマイナス方向に検出
するため、両画素値P 3 4 の値が等しい場合、特徴量
は(P3 −P4 )となって、結局0となる。
【0032】実際の特徴量の検出処理では、このハール
関数の周期T及びハール関数の存在する位置を変えて、
各方向毎に64次元の特徴量を生成させる。
【0033】次に、各方向別の特徴ベクタ生成回路21
〜24での二次元離散ウェーブレット変換による特徴ベ
クタの生成を図5に具体的に示す。この図5において、
符号111〜118,121〜128,131〜13
8,141〜148,151〜158,161〜16
8,171〜178,181〜188を付して示す各パ
ターンは、一つの方向毎に検出される64次元の特徴ベ
クタの生成基底を示すもので、1つのビットマップパタ
ーンを図2に示すように水平方向8分割,垂直方向8分
割して、合計64分割した各分割エリアの設定状態を示
す。そして、各分割エリアの内で、ダブルハッチングで
示すエリア(両方向の斜線でクロスさせて示すエリア)
は、プラス方向に画素値を検出するエリアで、片方向の
ハッチングで示すエリアは、マイナス方向に画素値を検
出するエリアで、両エリアの差が特徴ベクタとなる。そ
して、各次元毎に、その検出エリアのパターンを変化さ
せる。なお、各ビットマップパターン内でハッチングを
付与してないエリアは、特徴ベクタの検出に使用しな
い。
【0034】本例では、入力されたビットマップパター
ンから(j,k) を以下の8通りに変化させる。 (j,k)=(0,0),(1,0),(2,0),(2,1),(3,0),(3,1),(3,2),
(3,3) 同様に(l,m) についても以下の8通りに変化させる。 (l,m)=(0,0),(1,0),(2,0),(2,1),(3,0),(3,1),(3,2),
(3,3)
【0035】このそれぞれの8通りの変化で、図5に示
すような合計64通りのCjklmが求まり、これに基づい
て図5に示すように設定されたパターンで特徴ベクタを
生成して出力する。
【0036】例えば、符号111で示すパターンの場
合、(j,k,l,m)=(3,3,3,3)であり、
次式〔数4〕で特徴ベクタ成分が求まる。
【0037】
【数4】
【0038】以上のようにして特徴ベクタを生成させる
ことで、小領域に分割された筆跡ビットマップパターン
から、各分割領域の近傍における周波数的な特徴を抽出
する処理にてウェーブレット変換されて、特徴ベクタが
生成される。このようにして生成された特徴ベクタは、
各分割領域の近傍における周波数的な特徴が含まれてい
るので、局所的な周波数特徴が特徴ベクタに含まれてい
て、パターンそのものの濃度の比較による認識処理に比
べ、手書き文字の認識率を向上させることができる。
【0039】ここで、以上説明したウェーブレット変換
処理を適用した手書き文字の認識処理を、コンピュータ
内に設定されたソフトウエアに従った演算処理で実現さ
せる場合の処理を、図6のフローチャートに従って説明
する。まず、入力ストローク列データを線形正規化処理
し(ステップS11)、この線形正規化処理されたスト
ローク列データを非線形正規化処理する(ステップS1
2)。そして、X方向,Y方向,XY方向,YX方向の
各方向のビットマップの描画を各ビットマップ描画回路
11〜14で行う(ステップS13,S14,S15,
S16)。
【0040】次に、描画されたそれぞれのビットマップ
に基づいて特徴ベクタを生成させる(ステップS1
7)。このときには、上述したウェーブレット変換処理
を行って、1方向毎に64次元、合計256次元の特徴
ベクタを生成させる。そして次に、認識結果の候補を表
す集合体を空集合に初期化し(ステップS18)、認識
可能文字の基準となる特徴ベクタが記憶された参照パタ
ーンデータベースからの特徴ベクタの読出し位置につい
ても初期化する(ステップS19)。
【0041】そして、参照パターンデータベースから1
文字(1レコード)ずつ順に特徴ベクタのデータを読出
し(ステップS20)、ステップS17で生成された特
徴ベクタとの距離の差を算出する(ステップS21)。
そして、算出された距離の差に応じて(即ち差が少ない
場合)、認識結果の候補を表す集合体に、その文字を追
加する(ステップS22)。
【0042】そして、参照パターンデータベースからの
読出し位置が最終レコード(最終の文字候補)であるか
否か判断し(ステップS23)、最終候補でない場合に
は、参照パターンデータベースからの読出し位置を1レ
コード(1文字)進めて(ステップS24)、ステップ
S20の特徴ベクタ読出し処理に戻る。
【0043】そして、ステップS23で最終レコードで
あると判断したとき、処理を終了し、認識結果の候補を
表す集合体体の中で、最も距離の差の少ない候補を手書
きされた文字として認識する。
【0044】このように処理を進めることで、本例の手
書き文字認識処理は、ソフトウエアで実現することもで
きる。
【0045】なお、特徴ベクタを生成させるために、ビ
ットマップパターンを直交空間に分解する方法は、他の
方法によっても実現できる。例えば図7に示すように、
符号264で示すパターン(図中の最上部のパターン)
では、全体の画素値の総計を特徴量とする。そして、そ
の下に示すパターン263では、左右に2分割して〔左
半分のエリアの画素値の総計〕−〔右半分のエリアの画
素値の総計〕を特徴量とする。そして、このパターン2
63で分割した左半分を上下に2分割したエリアから特
徴量を得るパターン261と、パターン263で分割し
た右半分を上下に2分割したエリアから特徴量を得るパ
ターン262とを設定する。このようにして順に特徴量
を得るエリアを順に半分に変化させることで、図7に示
すように、最終的にパターン201〜232で示すよう
に、隣接する上下の1エリアずつの差を特徴量とする処
理が順に行われ、合計で64次元の特徴ベクタデータが
得られる。なお、図7でダブルハッチングで示すエリア
は、プラス方向に画素値を検出するエリアで、片方向の
ハッチングで示すエリアは、マイナス方向に画素値を検
出するエリアで、両エリアの差より特徴ベクタを生成さ
せるものである。
【0046】そして、この64次元の特徴ベクタデータ
を、X方向,Y方向,XY方向,YX方向の4方向でそ
れぞれ得ることで、合計256次元の特徴ベクタデータ
が得られ、図4に示した例と同様に詳細な特徴ベクタデ
ータが得られる。
【0047】また、図8に示す処理によって、ビットマ
ップパターンを直交空間に分解しても良い。即ち、この
図8の例でも、ダブルハッチングで示すエリアは、プラ
ス方向に画素値を検出するエリアで、片方向のハッチン
グで示すエリアは、マイナス方向に画素値を検出するエ
リアで、両エリアの差より特徴ベクタを生成させるもの
であるが、その検出する方向を変えたものである。即
ち、符号364で示すパターン(図中の最上部のパター
ン)では、全体の画素値の総計を特徴量とする。そし
て、その下に示すパターン363では、上下に2分割し
て〔上半分のエリアの画素値の総計〕−〔下半分のエリ
アの画素値の総計〕を特徴量とする。そして、このパタ
ーン363で分割した上半分を左右に2分割したエリア
から特徴量を得るパターン361と、パターン363で
分割した下半分を左右に2分割したエリアから特徴量を
得るパターン362とを設定する。このようにして順に
特徴量を得るエリアを順に半分に変化させることで、図
8に示すように、最終的にパターン301〜332で示
すように、隣接する左右の1エリアずつの差を特徴量と
する処理が順に行われ、合計で64次元の特徴ベクタデ
ータが得られる。
【0048】そして、この64次元の特徴ベクタデータ
を、X方向,Y方向,XY方向,YX方向の4方向でそ
れぞれ得ることで、合計256次元の特徴ベクタデータ
が得られ、図4や図7に示した例と同様に詳細な特徴ベ
クタデータが得られる。
【0049】なお、図7又は図8に示すパターンで特徴
ベクタを生成させる場合において、パターン261,2
62で〔(プラス方向に画素値を検出するエリアの画素
数の総計)−(マイナス方向に画素値を検出するエリア
の画素数の総計)〕*√2を特徴ベクタデータとし、以
下分割されたエリアの面積が半分になる毎に、√2を乗
算したものを特徴ベクタデータとするようにしても良
い。例えば、パターン257〜260では、特徴量計算
の対象領域の面積が1/4なので、√2*√2=2を
〔(プラス方向に画素値を検出するエリアの画素数の総
計)−(マイナス方向に画素値を検出するエリアの画素
数の総計)〕に乗算した値を特徴ベクタデータとする。
また、パターン201〜232では、特徴量計算の対象
領域の面積が1/32なので、√2*√2*√2*√2
*√2=4√2を〔(プラス方向に画素値を検出するエ
リアの画素数の総計)−(マイナス方向に画素値を検出
するエリアの画素数の総計)〕に乗算したものを特徴ベ
クタデータとする。このようにして得た特徴ベクタデー
タによっても、良好に手書き文字認識ができる。
【0050】さらに、検出する方向によって、特徴ベク
タを生成させるパターンを変化させるようにしても良
い。例えば、X方向の検出に関しては図7に示すパター
ンで特徴ベクタを生成させ、Y方向の検出に関しては図
8に示すパターンで特徴ベクタを生成させるようにし
て、各方向で特徴の生成しやすい分割方向を選ぶように
しても良い。このようにすることで、より良く特徴ベク
タを生成させることができる。
【0051】また、図4,図7,図8以外のパターンで
特徴ベクタを生成させるようにしても良い。
【0052】また、上述したそれぞれの例では、基本ウ
ェーブレット関数Φ(t)としてハール関数を使用した
が、他の関数を使用しても良い。例えば、図9に示すよ
うないわゆるメキシカンハット型の関数を使用して、特
徴ベクタを生成させるようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】本発明の手書き文字認識方法によると、
ウェーブレット変換処理が行われて特徴ベクタが生成さ
れるので、文字パターンの各部での局所的な特徴を生か
した特徴ベクタが生成され、良好な文字認識が可能にな
り、認識率を向上させることができる。
【0054】この場合、ウェーブレット変換処理とし
て、小領域に分割された筆跡ビットマップパターンか
ら、各分割領域の近傍における周波数的な特徴を抽出す
る処理を行うことで、効果的にウェーブレット変換処理
が行われ、特に良好に特徴ベクタが生成されるようにな
る。
【0055】また、入力筆跡を示すストローク列データ
に、このストローク列の大きさ及びバランスを補正する
処理を施した後、この補正処理が施されたストローク列
のデータより、筆跡ストロークをビットマップパターン
に描画するようにしたことで、ウェーブレット変換処理
により特徴ベクタを生成させる前の段階で、ストローク
列データが変換処理し易いデータに補正処理され、より
良好に文字認識ができるようになる。
【0056】また本発明の手書き文字認識装置による
と、ウェーブレット変換処理手段でウェーブレット変換
処理が行われて特徴ベクタが生成されるので、文字パタ
ーンの各部での局所的な特徴を生かした特徴ベクタの生
成処理が行われ、認識率の高い良好な文字認識ができる
手書き文字認識装置が得られる。
【0057】この場合、ウェーブレット変換処理手段
で、小領域に分割された筆跡ビットマップパターンか
ら、各分割領域の近傍における周波数的な特徴を抽出す
る処理を行うことで、効果的にウェーブレット変換処理
が行われ、特に良好に特徴ベクタが生成されるようにな
る。
【0058】また、ストローク列データの大きさを一定
範囲に補正する線形正規化手段と、ストローク列データ
のストローク位置のバランスを補正する非線形正規化手
段とを備えたことで、ウェーブレット変換処理手段で処
理されるストローク列データが、一定状態の良好なデー
タとなり、より良好に文字認識処理が行われる認識装置
が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の認識処理が行われる構成を
示す構成図である。
【図2】一実施例のビットマップ形成状態を示す説明図
である。
【図3】一実施例による文字パターンの処理状態を示す
説明図である。
【図4】一実施例の特徴量生成処理を示す説明図であ
る。
【図5】一実施例の特徴量の生成処理パターンを示す説
明図である。
【図6】一実施例による文字認識処理を示すフローチャ
ートである。
【図7】本発明の他の実施例によるウェーブレット変換
処理を示す説明図である。
【図8】本発明の更に他の実施例によるウェーブレット
変換処理を示す説明図である。
【図9】ウェーブレット関数の他の例を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
1 手書き入力部 2 線形正規化回路 3 非線形正規化回路 4 特徴ベクタ記憶回路 5 特徴ベクタ比較回路 6 参照パターンデータベース 7 候補列記憶回路 8 認識結果出力端子 11 X方向筆跡ビットマップ描画回路 12 Y方向筆跡ビットマップ描画回路 13 XY方向筆跡ビットマップ描画回路 14 YX方向筆跡ビットマップ描画回路 21 X方向特徴ベクタ生成回路 22 Y方向特徴ベクタ生成回路 23 XY方向特徴ベクタ生成回路 24 YX方向特徴ベクタ生成回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力筆跡を示すストローク列データか
    ら、筆跡ストロークをビットマップパターンに描画し、 この描画されたビットマップパターンから特徴ベクタを
    生成し、 生成された特徴ベクタと予め用意された認識可能な文字
    の特徴ベクタとの類似度を検出し、 この検出で所定レベル以上の類似が検出されたとき、該
    当する文字を認識したと判断する手書き文字認識方法に
    おいて、 上記ビットマップパターンをウェーブレット変換して上
    記特徴ベクタを生成するようにした手書き文字認識方
    法。
  2. 【請求項2】 上記ウェーブレット変換として、小領域
    に分割された筆跡ビットマップパターンから、各分割領
    域の近傍における周波数的な特徴を抽出するようにした
    請求項1記載の手書き文字認識方法。
  3. 【請求項3】 入力筆跡を示すストローク列データに、
    このストローク列の大きさ及びバランスを補正する処理
    を施した後、この補正処理が施されたストローク列のデ
    ータより、上記筆跡ストロークをビットマップパターン
    に描画するようにした請求項1記載の手書き文字認識方
    法。
  4. 【請求項4】 入力筆跡を示すストローク列データか
    ら、筆跡ストロークをビットマップパターンに描画する
    筆跡ビットマップ描画手段と、 該描画手段で描画されたビットマップパターンから特徴
    ベクタを生成する特徴ベクタ生成手段と、 認識可能な文字の特徴ベクタのデータが記憶された文字
    データ記憶手段と、 上記生成手段で生成された特徴ベクタと上記文字データ
    記憶手段に記憶された特徴ベクタとの類似度を検出する
    特徴ベクタ比較手段と、 該特徴ベクタ比較手段での類似度の検出結果に基づいて
    文字認識を行う認識手段とを備えた手書き文字認識装置
    において、 上記描画手段で描画されたビットマップパターンを、ウ
    ェーブレット変換手段でウェーブレット変換し、このウ
    ェーブレット変換された結果を上記特徴ベクタ生成手段
    に供給して特徴ベクタを生成するようにした手書き文字
    認識装置。
  5. 【請求項5】 上記ウェーブレット変換手段でのウェー
    ブレット変換として、小領域に分割された筆跡ビットマ
    ップパターンから、各分割領域の近傍における周波数的
    な特徴を抽出するようにした請求項4記載の手書き文字
    認識装置。
  6. 【請求項6】 ストローク列データの大きさを一定範囲
    に補正する線形正規化手段と、 ストローク列データのストローク位置のバランスを補正
    する非線形正規化手段とを備えた請求項4記載の手書き
    文字認識装置。
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