JPH09329336A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH09329336A
JPH09329336A JP14888896A JP14888896A JPH09329336A JP H09329336 A JPH09329336 A JP H09329336A JP 14888896 A JP14888896 A JP 14888896A JP 14888896 A JP14888896 A JP 14888896A JP H09329336 A JPH09329336 A JP H09329336A
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JP
Japan
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flame propagation
gas turbine
propagation tube
air
turbine combustor
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Pending
Application number
JP14888896A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Hirata
義隆 平田
Shohei Yoshida
正平 吉田
Hiroshi Inoue
洋 井上
Tomoki Koganezawa
知己 小金沢
Masaya Otsuka
雅哉 大塚
Tomoya Murota
知也 室田
Bunji Moriwaki
文治 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Pre-Mixing And Non-Premixing Gas Burner (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】隣接する燃焼器を連結する火炎伝播管の冷却性
能を考慮し、燃焼器点火時の火炎伝播性能に優れたガス
タービン燃焼器を提供する。 【解決手段】隣接する燃焼器3a,3bは、火炎伝播管
8で内筒5が連絡され、火炎伝播管8には、圧縮空気1
1を流入させるための冷却孔16が設けられ、冷却孔1
6に、温度によって開閉するカバー17を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン燃焼器
に係り、特に燃料を空気と共に燃焼させる複数個の燃焼
器が火炎伝播管を介して結合されるガスタービン燃焼器
に関する。
【0002】
【従来の技術】普通、ガスタービンは、複数個の燃焼器
を備えており、その各々の中で燃料と圧縮空気を反応さ
せて、高温ガスを発生する。
【0003】燃焼器はガスタービンの周長に沿った円上
に配置されており、隣接する全ての燃焼器は連結パイプ
によって結合され、この連結パイプの内部に火炎伝播管
が設置されている。この火炎伝播管は管状となってお
り、接続された燃焼器の圧力差によってこの中を燃焼ガ
スが通ることのできる構造となっている。
【0004】始動の際、ガスタービンは、外部エネルギ
によって点火回転数まで回転数を上昇し、その後、全て
の燃焼器に燃料と空気を導入する。一つ以上の燃焼器に
設置した点火プラグをスパークさせて、燃焼反応を開始
させる。燃焼器内で燃焼反応が始まると、高温ガスが発
生するため、燃焼器内部の圧力が上昇する。隣の燃焼器
が未点火な場合、点火した燃焼器との差により、高温の
燃焼ガスが未点火の燃焼器へ流入する。こうして一つ以
上の燃焼器に設置された点火栓から始まって、隣接する
各々の燃焼器が点火される。
【0005】理論的には、一旦全ての燃焼器が点火され
たら、それらの圧力は等しくなり、火炎伝播管を通る燃
焼ガスの流れは止まる。しかし、実際のガスタービンで
は、隣合った燃焼器の形状,空気及び燃料流量の違いに
より、燃焼器間に圧力差が発生し、燃焼器を結合してい
る火炎伝播管内部を燃焼ガスが連続的に流れることが考
えられる。火炎伝播管は高温場ガスが発生する部分に設
置されており、そのガス温度は最高1500℃程度にな
る。このため、火炎伝播管の中を燃焼ガスが連続的に流
れると、火炎伝播管を急速に破壊することがある。
【0006】火炎伝播管の連続的なガスの流れを抑える
一つの方法は、特開昭62−200112号公報のように火炎伝
播管に冷却孔を設けるものである。燃焼器及び火炎伝播
管が設置されている高圧室内の圧縮空気が、冷却孔から
火炎伝播管内に流入し、燃焼ガスを冷却するとともに、
隣接する燃焼器間の差圧をなくす様に作用する。差圧が
減少するため、火炎伝播管内を流れる燃焼ガス量が低減
し、火炎伝播管の温度上昇を防止することが可能にな
る。また、冷却孔から流入した空気によって、火炎伝播
管を冷却するため信頼性が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記燃焼器において、
火炎伝播管に冷却孔を設けた場合、高温ガスが発生する
負荷運転時では、冷却孔から流入した空気によって、燃
焼ガスを冷却するとともに、燃焼器間の差圧を減少し、
火炎伝播管に流入する燃焼ガス量を低減して、火炎伝播
管の温度上昇を防止するのに有効である。しかし、燃焼
器の点火時においては、冷却空気によって火炎を伝播す
るための燃焼ガス温度を低下させたり、また、燃焼器間
の差圧が小さくなり、伝播する燃焼ガス量が少なくなる
場合があり、火炎を伝播させる本来の目的を妨げること
が考えられる。
【0008】本発明の目的は、ガスタービン燃焼器の点
火時の火炎伝播管を通る燃焼ガスの温度を下げることな
く、且つ、負荷運転時では、火炎伝播管の焼損を防止で
きる、ガスタービン燃焼器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のガスタービン燃焼器の第一の特徴は、燃料を
噴出する燃料ノズルと、燃焼ガスを生成する内筒と、そ
の内筒の外側に圧縮空気の流路を形成する外筒とから構
成される燃焼器が複数個配置され、これら隣接する燃焼
器の内筒間を連絡する火炎伝播管と、前記火炎伝播管の
外側に隣接する燃焼器の外筒間を連絡する連結パイプを
設置し、前記火炎伝播管の火炎伝播管内部に空気を導入
する手段を有するガスタービン燃焼器において、ガスタ
ービン燃焼器の点火時には前記火炎伝播管内部に空気が
導入しないように構成し、燃焼器の点火終了後、前記火
炎伝播管内部に空気が導入するように構成したことにあ
る。
【0010】また、本発明の第二の特徴は、前記火炎伝
播管に火炎伝播管内部に空気の導入する複数の冷却孔を
設け、前記冷却孔の開閉を可能とするカバーを設置した
ことにある。
【0011】更に、第三の特徴は、前記カバーは形状記
憶合金を用いたものとし、ガスタービン燃焼器の点火時
のメタル温度で冷却孔を閉塞し、負荷運転時のメタル温
度で冷却孔を開放する構造にしたことにある。
【0012】更にまた、第四の特徴は、第一の特徴にあ
るガスタービン燃焼器において、火炎伝播管に火炎伝播
管内部に空気の導入する複数の冷却孔を設けるととも
に、前記火炎伝播管の外側にあって火炎伝播管の軸方向
に摺動可能で、且つ、冷却孔を開閉するカバーリングを
設置したことにある。
【0013】更にまた、第5の特徴は、前記カバーリン
グは形状記憶合金製のコイル部材を駆動源とし、ガスタ
ービン燃焼器のメタル温度変化でカバーリングを軸方向
に摺動させ、点火時には冷却孔を閉塞し、負荷運転時に
は冷却孔を開放する構造にしたことにある。
【0014】更にまた、第六の特徴は、前記カバーリン
グにベローズを設置し、ガスタビン燃焼器の点火時及び
負荷運転時における外筒内部の圧力と大気圧の差圧、あ
るいは外筒内部と内筒内部との差圧で、カバーリングを
軸方向に摺動させ、点火時には冷却孔を閉塞し、負荷運
転時には冷却孔を開放する構造にしたことにある。
【0015】更にまた、第七の特徴は、上記第一の特徴
にあるガスタービン燃焼器において、前記火炎伝播管を
二重管構造とし、その内側壁に空気の流入する複数の冷
却孔を設けるとともに、外側壁には空気導入孔を設け、
その外側壁の空気導入孔の開閉を可能とするカバーを設
置したことにある。
【0016】本発明の第一の特徴に依れば、燃焼器の点
火時に、火炎伝播管内に空気が流入しないため火炎伝播
を行うのに有効な燃焼ガスの温度を低下することがな
く、また、空気が流入しないことにより点火燃焼器と未
点火燃焼間の差圧が十分に確保されるため、その差圧に
よって火炎伝播に必要な燃焼ガスが未点火燃焼器に流れ
ることになり火炎伝播性能が向上する。
【0017】一方、負荷運転時には火炎伝播管内に流入
した空気によって、燃焼ガスを冷却するとともに、燃焼
器間の差圧を減少し、火炎伝播管に流入する燃焼ガス量
を低減して、火炎伝播管の温度上昇を防止するのに効果
がある。
【0018】本発明の第二,第三の特徴に依れば、火炎
伝播管の冷却孔部に設置した、形状記憶合金製の冷却孔
開閉カバーが、ガスタービン燃焼器の点火時の常温状態
では冷却孔を閉塞するよう設置されているため、火炎伝
播管内への空気の流入を防止することが可能となる。ま
た、負荷運転時の高温状態では開閉カバーが冷却孔を開
放するように変形するため火炎伝播管内へ空気を導入す
ることが可能となり、第一の特徴と同様の作用を得る。
【0019】本発明の第四,第五の特徴に依れば、冷却
孔を開閉するカバーリングが、形状記憶合金製のコイル
部材によって摺動するように構成されており、ガスター
ビン燃焼器の点火時の常温状態では冷却孔を閉塞する位
置に配置されるため、火炎伝播管内への空気の流入を防
止する。また、負荷運転時の高温状態ではカバーリング
が冷却孔を開放するように移動するため、火炎伝播管内
へ空気を流入することが可能となり、第一の特徴と同様
の作用を得る。
【0020】本発明の第四,第六の特徴に依れば、冷却
孔を開閉するカバーリングにベローズあるいはコイル部
材を設置し、ガスタービン燃焼器の点火時には、外筒内
部と大気圧あるいは外筒内部と内筒内部との差圧によっ
てカバーリングを冷却孔を閉塞する位置に移動させるた
め、火炎伝播管内への空気の流入を防止する。また、負
荷運転時には外筒内部の圧力と大気圧あるいは外筒内部
と内筒内部との差圧によってカバーリングを冷却孔を開
放する位置に移動させるため火炎伝播管内へ空気を流入
することが可能となり、第一の特徴と同様の作用を得
る。
【0021】本発明の第七の特徴に依れば、火炎伝播管
を二重構造とし、その内側壁に空気の流入する複数の冷
却孔を設けるとともに、外側壁には空気導入孔を設け、
その外側壁の空気導入孔の開閉を可能とするカバーを設
置したことにより、燃焼器点火時に空気導入孔を閉塞
し、火炎伝播管内への空気の流入を防止する。また、負
荷運転時には空気導入孔を開放し火炎伝播管内へ空気を
流入することが可能なため、第一の特徴と同様の作用を
得る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。図1は、本発明の燃焼器を備えたガスタ
ービンプラントの要部が示されている。このガスタービ
ンプラントは、主としてガスタービン2と、ガスタービ
ン2に連結され、燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機1と、
複数の燃焼器3a,3bとより構成されており、圧縮機
1より吐出された圧縮空気11は燃焼器3a,3bに導
かれ燃焼器ライナ5の内部に形成されている燃焼室9で
燃料とともに燃焼する。燃焼によって生成された燃焼ガ
ス12は、トランジションピース10を経てガスタービ
ン2に噴射されガスタービン2を駆動する。そして図示
してはいないが、一般にガスタービンに連結されている
発電機によって発電するように構成されている。
【0023】燃焼器3aの主な構成は、燃焼ガスを生成
する内筒5と、燃料を供給する燃料ノズル6と、燃焼器
を点火させるための点火栓4を外筒7で密閉している。
燃焼器3aと隣接する燃焼器3bは、火炎伝播管8で内
筒5が連絡されており、その外側には外筒7を連絡する
連結パイプ13が設置されている。燃焼器3aにある点
火栓4によって、燃料と空気の混合気に点火を行う。点
火栓4を持つ燃焼器3aの圧力上昇により、火炎伝播管
8で連絡された燃焼器3bとの間に圧力差が生じ、この
圧力差によって燃焼ガス14が燃焼器3bへ送り込ま
れ、燃料と圧縮空気の混合物に点火する。こうして全て
の燃焼器に火炎が点火される。燃焼器点火後の各々の燃
焼器に流入する空気流量あるいは、燃料流量の相違によ
って、隣接する燃焼器3a,3bの間に差圧が生じ、火
炎伝播管8の内部を燃焼ガスが連続的に流れ、高温の燃
焼ガスによって火炎伝播管8を焼損することがある。こ
のため、火炎伝播管8には冷却孔16が設けられてお
り、冷却孔16から圧縮空気11の一部が、火炎伝播管
8の内部に流入して、火炎伝播管8内部の燃焼ガスの流
れを妨げるとともに、火炎伝播管8自体をも冷却する。
【0024】本発明による第一の実施例は、火炎伝播管
8の冷却孔16に形状記憶合金製のカバー17を設置
し、火炎伝播管8に流入する圧縮空気11の流量を制御
するものである。
【0025】圧縮機1から流出した圧縮空気11の空気
温度は、燃焼器の点火時にはほぼ常温であるが、その温
度はガスタービン負荷とともに上昇し、定格負荷時では
350〜380℃に達する。本実施例は、この点火時と
負荷運転時の圧縮空気11の温度変化に着目し、温度に
よって形状を変化させる形状記憶合金を利用して、火炎
伝播管8に流入する圧縮空気流量を制御する。
【0026】図2は火炎伝播管8部分の詳細構造を示し
たもので、図2に示すように火炎伝播管8は、隣接する
内筒5に挿入され、ストッパ23によって支持されてい
る。この火炎伝播管8に形成した複数の冷却孔16に、
二方向性の形状記憶合金製カバー17を設置し、形状記
憶効果によりカバー17を変形して、冷却孔16を開閉
するように構成した。形状記憶合金製のカバー17は燃
焼器点火時の常温状態T1で、火炎伝播管8の冷却孔1
6を閉塞する形態で取付けられており、圧縮空気11が
冷却孔16から火炎伝播管8の内部に流入するのを妨げ
る。その結果、前述したように燃焼器点火時の火炎伝播
特性能を向上させる。
【0027】一般に、形状記憶合金は、変形を開始する
転移温度をある範囲で設定することが可能である。図3
は温度変化に対する形状記憶合金の変形量を示した。本
実施例ではカバー17に使用する形状記憶合金の転移温
度Tsを点火時の常温T1と、負荷運転時のメタル温度
T2との中間温度に設定する。すなわち、常温T1では
図4に示すように冷却孔16を閉塞する。ガスタービン
負荷の上昇に伴いメタル温度が上昇して転移温度Tsに
到達するとカバー17は変形を開始し、負荷運転時のメ
タル温度T2では図5に示すように、冷却孔16が開放
された状態となる。この結果、冷却孔16より圧縮空気
11が火炎伝播管8の内部に流入し、前述したように高
温の燃焼ガスによる火炎伝播管8の温度上昇を防止す
る。
【0028】また、本実施例のようなガスタービン燃焼
器では、起動,停止を繰り返すため、カバー17は、図
4,図5に示した変形動作を繰り返すことが要求され
る。このため、カバー17に用いる形状記憶合金は、二
方向性のものが好ましく、中でも、転移温度の設定範囲
が比較的広く、また、変形力に優れた、Ni−Ti合金
などが望ましい。
【0029】次に、本発明による第二の実施例を図6を
用いて説明する。第二の実施例では、火炎伝播管8以外
の主要構成部品は、第一の実施例と同様である。本実施
例では、図6に示すように、火炎伝播管8には、軸方向
に摺動可能なカバーリング21が取り付けられており、
このカバーリング21を形状記憶合金製コイル22の伸
縮によって軸方向に摺動させ、冷却孔16を開閉する構
造にした。更に詳しく説明すると火炎伝播管8には、ス
トッパ19が設置され、ストッパ19とカバーリング2
1の間にコイル20が装着され、それぞれが固定されて
いる。また、火炎伝播管8の両端部に設置された、スト
ッパ23とカバーリング21の間には、形状記憶合金製
コイル22が装着され、それぞれが固定されている。
【0030】次にカバーリング21の動作について説明
する。図6は、燃焼器の点火時の状態を示した。燃焼器
の点火時の圧縮空気の温度は、常温T1となるため、火
炎伝播管8のメタル温度もほぼ常温T1となり、形状記
憶合金性コイル22は縮んだ状態となる。更に、コイル
20は、伸びようとする力を持っているため、この二つ
の力によって、カバーリング21が火炎伝播管8の端部
に移動し、冷却孔16が閉塞状態になる。このため、冷
却孔16から圧縮空気11が火炎伝播管8内部に流入す
ることがなく、良好な火炎伝播特性が得られる。また、
負荷運転時には、圧縮空気11の温度が上昇することに
より、火炎伝播管8のメタル温度も上昇し、形状記憶合
金製コイル22の転移温度Tsを越えると形状記憶合金
製コイル22は、予め設定された形状記憶効果により伸
びる力を得る。形状記憶合金製コイル22の伸びる力
が、コイル20の伸びる力より大きくなることで、カバ
ーリング21が火炎伝播管8の中心部の所定の位置へ移
動し、冷却孔16が開放状態になる。このため、第一の
実施例と同様な効果を得ることが可能となる。また、こ
こでは、火炎伝播管8に穿く冷却孔16は円形の孔で示
してあるが、カバーリング21の軸方向の移動量を考慮
して、円周方向に伸びるスリット状であってもいい。
【0031】更に、本実施例のようなガスタービン燃焼
器では、起動,停止を繰り返すため、冷却孔16の開閉
動作を繰り返すことが要求される。形状記憶合金は、温
度上昇による変形後、再び温度が下がると形状は変わら
ないが、形状記憶合金自体が軟らかくなるという性質が
ある。このことから、ガスタービン燃焼器停止時には、
圧縮空気11の温度は下がり、火炎伝播管8のメタル温
度も下がるため、形状記憶合金製コイル22は軟化し
て、コイル20の伸びる力により、形状記憶合金製コイ
ル22は縮んだ状態となり、カバーリング21は火炎伝
播管8の端部に移動し、点火時の状態に戻ることが可能
となる。
【0032】次に本発明による第三の実施例を図7を用
いて説明する。本実施例の基本構成部品は、第二の実施
例と同様であるが、カバーリング21の駆動方式が第二
の実施例とは異なっている。本実施例では、図7に示す
ように、軸方向に摺動可能なカバーリング21を大気圧
に対する点火時と負荷運転時の差圧で軸方向に摺動さ
せ、冷却孔16を開閉させるよう構成した。更に詳しく
説明すると、火炎伝播管8の外側にパイプ28が設置さ
れており、パイプ28の内周壁にはストッパ25が形成
されている。ストッパ25とカバーリング21の間に
は、ベローズ26が装着されており、ストッパ25とカ
バーリング21及びカバーリング21とベローズ26
は、圧縮空気11が漏洩しないようそれぞれが固定され
ている。また、カバーリング21の内周壁には、シール
部材29が設置されておりシール部材29を介して、カ
バーリング21が火炎伝播管8の外周面を摺動できるよ
う支持されている。また、パイプ28,連結パイプ13
には火炎伝播管8とパイプ28で形成された空気15
と、大気とを連通する連通孔27が設けられており、空
間15は常に大気圧となる。
【0033】次にカバーリング21の動作について説明
する。燃焼器点火時において、火炎伝播管が配置された
圧縮空気流路18の圧力は、0.1〜0.2atg 程度で
あり、その結果、カバーリング21には、大気圧との差
圧が作用し、カバーリング21には、火炎伝播管8の軸
方向中心部へ向かう力が作用する。しかし、燃焼器の点
火時には、ベローズ26のばね力によって、カバーリン
グ21をパイプ28の端部に設けたストッパ24に押し
付けるよう移動させ、この結果、冷却孔16はカバーリ
ング21によって閉塞され、第一の実施例と同様に火炎
伝播特性を向上できる。また、負荷運転時には、圧縮空
気11の圧力が上昇し、圧縮空気流路18の圧力は、5
〜15atg 程度に上昇する。この時、空間15、すなわ
ち大気圧との差がベローズ26のばね力に打ち勝って、
カバーリング21を火炎伝播管8の中心部へ移動させ
る。この結果冷却孔16が開放となり、第一の実施例と
同様に高温の燃焼ガスによる火炎伝播管8の温度上昇を
防止することができる。
【0034】次に本発明の第四の実施例を図8を用いて
説明する。本実施例の主要構成部品は第三の実施例と同
様である。本実施例では、火炎伝播管8に空間15と連
通する、連通孔30を形成した。燃焼器の点火時は、圧
縮空気流路18と空間15すなわち、火炎伝播管8の差
圧は小さく、ベローズ26のばね力によって、カバーリ
ング21をストッパ24に押し付けて、冷却孔16を閉
塞し、第一の実施例と同様に火炎伝播特性を向上する。
負荷運転時では、圧縮空気流路18と空間15の差圧が
大きくなり、ベローズ26のばね力に打ち勝って、カバ
ーリング21が火炎伝播管8の中心部に移動し、その結
果、冷却孔16が開放され、第一の実施例と同様に高温
の燃焼ガスによる火炎伝播管8の温度上昇を防止でき
る。
【0035】また、本実施例では第三の実施例のよう
に、大気と連通する部分がないため、燃焼器外部への圧
縮空気11あるいは燃焼ガスの14の漏洩がなく信頼性
が向上する。
【0036】次に本発明による第五の実施例を図9を用
いて説明する。本実施例の基本構成部品は、第一の実施
例とほぼ同様である。本実施例では図9に示すように、
火炎伝播管8の外側をパイプ31で覆い二重管構造にし
た。外側のパイプ31の両端は、圧縮空気11が流入し
ないように閉塞してあり、外側のパイプ31には、火炎
伝播管8に形成した全ての冷却孔16の面積よりも大き
な面積の空気導入孔32が形成してある。空気導入孔3
2には二方向性の形状記憶合金のカバー17が設置して
あり、カバー17は形状記憶効果により変形して、空気
導入孔32を開閉するように構成した。以上により、空
気導入孔32に設置したカバー17の開閉動作だけで、
火炎伝播管8内に流入する圧縮空気11の流量を制御で
きるため、第一の実施例の効果に加え、コスト及び信頼
性の面で有効である。
【0037】更に、本実施例では、空気導入孔32を開
閉する方法として第一の実施例で説明した方法を用いた
が、この方法として第二,第三,第四の実施例の方法を
用いても何ら問題は無い。
【0038】次に本発明による第六の実施例を図10を
用いて説明する。本実施例の構成部品は、第五の実施例
と同様である。本実施例では、火炎伝播管8とパイプ3
1の空間15に冷却空気を供給する手段を設けたもので
あり、燃焼器の点火時には、遮断弁33を閉じ、空間1
5への冷却空気の供給を停止し、負荷運転時には、遮断
弁33を開け空気供給源34から冷却空気を供給するこ
とにより、第一の実施例と同様の効果を得ることが可能
である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、着火時には、火炎伝播
管の冷却孔を閉止することで、火炎伝播管内を圧縮空気
が流入しなくなり、火炎伝播性能を向上させる効果があ
る。また、負荷運転時には、火炎伝播管の冷却孔が開く
ことで、火炎伝播管内を圧縮空気が流入し、高温の燃焼
ガスによる火炎伝播管8の温度上昇を防止させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の説明図。
【図2】本発明の第一実施例の説明図。
【図3】温度変化に対する二方向性形状記憶合金の変形
量の説明図。
【図4】本発明の第一実施例の二方向性形状記憶合金の
変形前の状態の説明図。
【図5】本発明の第一実施例の二方向性形状記憶合金の
変形後の状態の説明図。
【図6】本発明の第二実施例の説明図。
【図7】本発明の第三実施例の説明図。
【図8】本発明の第四実施例の説明図。
【図9】本発明の第五実施例の説明図。
【図10】本発明の第六実施例の説明図。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…ガスタービン、3…燃焼器、4…点火
栓、5…燃焼器ライナ、6…燃焼ノズル、7…外筒、8
…火炎伝播管、10…トランジションピース、11…圧
縮空気、12…燃焼ガス、16…冷却孔、17…形状記
憶合金製カバー。
フロントページの続き (72)発明者 小金沢 知己 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 大塚 雅哉 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 室田 知也 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 森脇 文治 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を噴出する燃料ノズルと、燃焼ガスを
    生成する内筒と、前記内筒の外側に圧縮空気の流路を形
    成する外筒とから構成される燃焼器が複数個配置され、
    これら隣接する前記燃焼器の前記内筒間を連絡する火炎
    伝播管と、前記火炎伝播管の外側に隣接する前記燃焼器
    の前記外筒間を連絡する連結パイプを設置し、前記火炎
    伝播管の内部に空気を導入する手段を有するガスタービ
    ン燃焼器において、前記ガスタービン燃焼器の点火時に
    は前記火炎伝播管内部に空気が導入しないように構成
    し、前記燃焼器の点火終了後、前記火炎伝播管内部に空
    気が導入するように構成されていることを特徴とするガ
    スタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記火炎伝播管の内部
    に空気の導入する複数の冷却孔を設け、前記冷却孔の開
    閉を可能とするカバーを設置したガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記カバーは形状記憶
    合金を用いたものとし、前記ガスタービン燃焼器の点火
    時のメタル温度で冷却孔を閉塞し、負荷運転時のメタル
    温度で冷却孔を開放するガスタービン燃焼器。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記火炎伝播管の内部
    に空気の導入する複数の冷却孔を設け、前記火炎伝播管
    の外側にあって火炎伝播管の軸方向に摺動可能で、冷却
    孔を開閉するカバーリングを設置したガスタービン燃焼
    器。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記カバーリングは形
    状記憶合金製のコイル部材を駆動源とし、前記ガスター
    ビン燃焼器のメタル温度変化で前記カバーリングを軸方
    向に摺動させ、点火時には冷却孔を閉塞し、負荷運転時
    には冷却孔を開放する構造であるガスタービン燃焼器。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記カバーリングにベ
    ローズを設置し、前記ガスタービン燃焼器の点火時及び
    負荷運転時における外筒内部の圧力と大気圧の差圧、あ
    るいは外筒内部と内筒内部との差圧で、前記カバーリン
    グを軸方向に摺動させ、点火時には冷却孔を閉塞し、負
    荷運転時には冷却孔を開放する構造であるガスタービン
    燃焼器。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記火炎伝播管を二重
    管構造とし、その内側壁に空気の流入する複数の冷却孔
    を設け、外側壁には空気導入孔を設け、前記外側壁の空
    気導入孔の開閉を可能とするカバーを設置したガスター
    ビン燃焼器。
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