JPH09326265A - 電力貯蔵用電池の放熱装置 - Google Patents

電力貯蔵用電池の放熱装置

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JPH09326265A
JPH09326265A JP14394896A JP14394896A JPH09326265A JP H09326265 A JPH09326265 A JP H09326265A JP 14394896 A JP14394896 A JP 14394896A JP 14394896 A JP14394896 A JP 14394896A JP H09326265 A JPH09326265 A JP H09326265A
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heat
heat pipe
heat dissipation
pipe
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JP14394896A
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Kenya Kawabata
賢也 川畑
Masahiro Kotani
正浩 小谷
Jun Niekawa
潤 贄川
Kenji Watanabe
健次 渡辺
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Furukawa Electric Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/06Control arrangements therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
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    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続的な微調整が可能で、電池モジュールの専
有体積を小さくし得る電力貯蔵用電池の放熱装置を提供
する。 【解決手段】 作動流体と不凝縮性ガスが封入され端部
にガス溜め部25を有する第1のヒートパイプ20と、
第1のヒートパイプの凝縮部24に設けられた放熱手段
26とを備えた電力貯蔵用電池の放熱装置であり、放熱
手段26に第2のヒートパイプ30が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウム−硫黄
電池(NaS電池)などの電力貯蔵用電池の放熱装置に
関し、特に放熱能力が連続的に可変である不凝縮性ガス
入りヒートパイプを用いた電力貯蔵用電池の放熱装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電気の使用量は、昼夜間や季節によって
大きな差があるため、この負荷変動を平準化するため
に、ナトリウム−硫黄電池などを用いて電力を貯蔵する
ことが試みられている。この種のナトリウム−硫黄電池
は、NaS単電池を集合化して断熱容器に収納し、電池
モジュールとして使用されるが、化学反応を利用する高
温型電池であるため、300℃以上の温度に加熱するこ
とが必要とされる。一方、高温になるほど電池の劣化が
大きく短期間で本来の蓄電量を保持できなくなるので、
最高でも350℃以下に抑制することが好ましい。すな
わち、300〜330℃の温度に保持して使用すること
が好ましいとされる。
【0003】このような電力貯蔵用電池の温度保持に
は、従来よりヒータなどを用いた加熱とヒートパイプを
用いた放熱(冷却)とが併用され、制御機器を用いて3
00〜330℃の範囲に調節することが提案されてい
た。従来の電力貯蔵用電池においては、ヒータを用いて
電池を加熱して立ち上げ、300℃以上にするととも
に、運転時には、ヒートパイプを用いて最高でも350
℃以下に電池温度を抑制する。しかしながら、従来のヒ
ートパイプには放熱量の調節機能がなく、しかもヒート
パイプは小さな温度差でも大量の熱を搬送するので、過
放熱となることもあって、運転時(蓄放電時)において
もヒータを作動させる必要があった。このため、ヒート
パイプに開閉弁を設け、この開閉弁を開閉させることに
より放熱フィンの有効面積を段階的に調節するようにし
たものも提案されている(例えば、特開昭63−17
5,355号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開閉弁
による放熱量の調節では、そもそも開閉弁が必要とな
り、それ以外にも制御機器等が必要となるので、コスト
アップにつながるという問題がある。また、開閉弁によ
る放熱量の調節では、ヒートパイプの一部が作動不能と
なるので、電池モジュール内で温度分布が生じる可能性
がある。さらに、弁の開閉制御であるために、制御が段
階的(ディジタル的)になり、アナログ的な微調整が困
難であるとともに、頻繁に弁が開閉して、いわゆるハン
チング現象が生じるおそれもある。
【0005】一方、電力貯蔵用電池は多数の電池モジュ
ールが並設されたり積層されたりして使用され、その電
力貯蔵能力は単位体積あたりで評価されるため、放熱装
置の占める体積がきわめて重要な問題となっている。ま
た、放熱量の増減にともなって放熱フィンなどからの放
熱能力をも調節する必要もある。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、制御機器を用いることなく連続的な放熱
量の制御が可能で、しかも電池モジュールの専有体積を
小さくし得る電力貯蔵用電池の放熱装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置は、電力貯蔵用
電池モジュールに取り付けられる放熱装置であって、作
動流体と不凝縮性ガスが封入され凝縮部の端部にガス溜
め部を有する第1のヒートパイプと、当該第1のヒート
パイプの凝縮部に設けられた放熱手段とを備えた電力貯
蔵用電池の放熱装置において、前記放熱手段に第2のヒ
ートパイプが設けられていることを特徴とする。 本発
明の電力貯蔵用電池の放熱装置では、作動流体と不凝縮
性ガスが封入された第1のヒートパイプを有しているの
で、この第1のヒートパイプが作動すると、管内の蒸気
流によって不凝縮性ガスは凝縮部の端に押し込まれる。
ここで、不凝縮性ガスは、環境温度に支配され、また、
作動流体の飽和圧力の温度依存性は、不凝縮性ガスに比
べて著しく大きいので、温度が上昇すると、作動流体と
不凝縮性ガスとの界面が、厳密には多少の拡散効果があ
るものの、凝縮部側に移動することになる。したがっ
て、この界面の位置を最低保持温度(ナトリウム−硫黄
電池では約300℃)付近で蒸発部の凝縮部側に、最高
保持温度(ナトリウム−硫黄電池では330〜350
℃)付近で凝縮部とガス溜めとの境界位置になるように
不凝縮性ガスを封入すると、最低保持温度に達するまで
の温度では、ヒートパイプとしての機能が抑制される。
一方、これ以上の温度になると作動流体領域が凝縮部側
に移動するので、実質的に凝縮部が拡大され放熱量が増
加することとなる。そして、最高保持温度に達すると、
不凝縮性ガスは凝縮部の端のガス溜めに収納されるの
で、最も大きい放熱効果を発揮することとなる。
【0008】このように本発明の電力貯蔵用電池の放熱
装置では、開閉弁などの機器を設けなくても、作動流体
の実質的な存在領域を電池温度に応じて可変とすること
ができるので、開閉弁は勿論のこと、これに伴う制御機
器なども省略することができる。また、電池温度に応じ
て自動的に放熱量が制御されるので、温度センサなどの
電子機器が不要となる。したがって、制御が段階的にな
ることなく、しかもハンチング現象を引き起こすことな
く、放熱量の微調整が可能となる。その結果、一定温度
以上に加熱された後は、第1のヒートパイプのみによっ
て電池温度を制御することができ、ランニングコストの
低減および制御機器の削減を達成できる。これと同時
に、制御機器等が不要となるので電池モジュールの専有
体積を実質的に小さくできる。
【0009】このように、第1のヒートパイプにより電
池からの熱を放散させることができるが、第1のヒート
パイプの凝縮部からの発熱量が変動すると、放熱手段に
おける放熱面積も増加させる必要がある。特に放熱手段
として放熱フィンなどを採用すると、第1のヒートパイ
プに直接接触している部分とそうでない部分との温度勾
配が大きくなり、放熱量の増加に対応することが困難と
なる。
【0010】しかしながら、本発明の電力貯蔵用電池の
放熱装置では、第1のヒートパイプの凝縮部に設けられ
た放熱手段に第2のヒートパイプが設けられているの
で、放熱手段における温度勾配の抑制、すなわち均熱化
を実現することができ、放熱フィンなどの放熱面積を有
効に活用することができる。
【0011】本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置におい
て、放熱手段の具体的構成は特に限定されないが、第1
のヒートパイプに接する基板部と、第1のヒートパイプ
の軸方向に沿って基板部に複数設けられた放熱フィンと
を有し、第2のヒートパイプが、第1のヒートパイプの
軸方向に対して放熱フィンに略直角に並設されているこ
とが好ましい。放熱フィンを第1のヒートパイプの軸方
向に沿って並設することにより自然空冷に有効となり、
また第2のヒートパイプを第1のヒートパイプの軸方向
に対して略直角に並設することにより、放熱フィンの均
熱化が図られるからである。
【0012】本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置におい
て、第2のヒートパイプを放熱手段の全域に設けること
も可能であるが、放熱手段のガス溜め部側の一部に設け
ることが好ましい。また、放熱手段を第1のヒートパイ
プの凝縮部で第1のヒートパイプの軸方向に熱的に分割
し、第2のヒートパイプを当該分割された放熱手段のう
ちのガス溜め部側に設けることが好ましい。電池の発熱
量の増加にともない、蒸発部と凝縮部との界面が移動
し、この界面が放熱手段に達すると、ここで一度放熱能
力が増加するが、本発明のように第2のヒートパイプを
放熱手段のガス溜め部側の一部に設けることにより、前
記界面が第2のヒートパイプが設けられた位置に達した
ときに再び放熱能力が増加することとなる。したがっ
て、放熱能力の制御自由度を可変とすることができ、電
池の温度コントロール性が向上する。このような作用効
果は、放熱手段を熱的に分割し、第2のヒートパイプを
分割された放熱手段のガス溜め部側に設けると、さらに
顕著となる。例えば300C°以下で放熱をさせたくな
い時に、フィン部の伝導が良いと、その時の放熱量が増
えてしまうが、このようにすることで、完全にちかい形
で抑制できる。
【0013】本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置におい
て、前記第1のヒートパイプの蒸発部の横断面が偏平管
形状であることが好ましい。第1のヒートパイプの蒸発
部を偏平管形状にすることで、管の流路断面積を極端に
小さくすることなく、しかも必要十分な伝熱面積を確保
した状態で、第1のヒートパイプの蒸発部が取り付けら
れる均熱板などの厚さを薄くすることができる。結果的
に、電池モジュールの容積の低減および軽量化を図るこ
とができる。同時に、第1のヒートパイプの本数を低減
することができ、加工性や製造コストの面から有利にな
る。
【0014】本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置におい
て、第2のヒートパイプの蒸発部の横断面が偏平管形状
であることが好ましい。偏平管形状にすることで、管の
流路断面積を極端に小さくすることなく、しかも必要十
分な伝熱面積を確保した状態で、第2のヒートパイプが
取り付けられる放熱手段の厚さを薄くすることができ
る。結果的に、電池モジュールの容積の低減および軽量
化を図ることができる。同時に、第2のヒートパイプの
本数を低減することができ、加工性や製造コストの面か
ら有利になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1(A)は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の実施
形態を示す正面縦断面図、図1(B)は平面横断面図、
図1(C)は(B)のC−C線に沿う断面図であり、断
熱材で形成されたモジュールケース1内に、円筒状のナ
トリウム−硫黄単電池2が複数立設して収納されてい
る。本実施形態では、縦25基、横12基の単電池2が
収納されているが、本発明では特に限定されることはな
い。
【0016】この断熱モジュールケース1の底部には、
熱伝導性に優れた均熱板3が取り付けられており、この
均熱板3の長手方向に沿ってヒートパイプ20の蒸発部
22が延在して設けられている。本実施形態のヒートパ
イプ20は、真空の管内に作動流体と不凝縮性ガスを封
入したもので、作動流体としては特に限定されないが、
制御する温度範囲に応じて、水、ナフタリンやビフェニ
ールなどの芳香族、サームエス(商品名,新日鉄化学)
などを例示することができる。また、不凝縮性ガスとし
ては、特に限定されないが、安定性に優れ、作動流体に
対して溶解し難い気体が好ましく、アルゴン、キセノ
ン、窒素などを例示することができる。
【0017】ヒートパイプ20の蒸発部22は、既述し
たように均熱板3に埋設して設けられているが、他端側
は、モジュールケース1の側面で立ち上がり、ここに凝
縮部24が形成され、この凝縮部24には、熱伝導性に
優れた銅やアルミニウムあるいは加工性に優れた真鍮か
らなる基板26aおよび放熱フィン26bが設けられて
自然空冷による放熱が行われる。また、ヒートパイプ2
0の凝縮部24の端部には、不凝縮性ガスを溜めるため
のガス溜め25が形成されている。本実施形態では、ヒ
ートパイプ20の外径15mmに対してガス溜め部25
の外径を30mmとしている。
【0018】なお、ヒートパイプ20に作動流体と不凝
縮性ガスとを封入するにあたり、次の点に留意する。す
なわち、詳細は後述するが、本実施形態では、蒸発部2
2の温度に応じて作動流体と不凝縮性ガスとの界面が移
動することを利用して、実質的な蒸発部22および凝縮
部24の長さを可変とするので、この界面の位置が、最
低保持温度(ナトリウム−硫黄電池では約300℃)付
近では蒸発部22のうちの凝縮部24側に、最高保持温
度(ナトリウム−硫黄電池では330〜350℃)付近
では凝縮部24とガス溜め25との境界位置になるよう
に、不凝縮性ガスを封入する。
【0019】ヒートパイプ20の凝縮部24に設けられ
た放熱手段26は、具体的には、縦400mm,横20
0mm,厚さ5mmのアルミニウム製基板26aと、こ
の基板26aから高さ10mmで突出した厚さ0.5m
mの放熱フィン26bとからなり、図1(B)に示すよ
うに、ヒートパイプ20が基板26aに挟まれるように
して設けられている。この放熱フィン26bは自然冷却
が円滑に行われるために、ヒートパイプ20の軸方向に
沿って並設されている。また、図1(C)に示すよう
に、この基板26aの間には、直径3mm,長さ120
mmのヒートパイプ30が水平方向に延在して、かつ放
熱フィン26bの上下方向に対して略等間隔に、左右対
称に合計10本設けられている。このヒートパイプ30
は、パイプ内に作動流体のみを封入したものであり、ヒ
ートパイプ20の凝縮部24から伝わる熱を基板26a
および放熱フィン26bに均一化するために設けられて
いる。なお、図1(C)に示すように、ヒートパイプ2
0の左右にヒートパイプ30を設ける以外にも、基板2
6aを貫通して左右1本のヒートパイプ30とすること
もできる。こうすることにより、ヒートパイプ30の本
数を削減できるのでコスト的にも有利である。また、上
述した具体的数値は適宜変更可能な値である。
【0020】上述したヒートパイプ20は、図1(B)
に示すように、一つのモジュールケース1に3組設けら
れている。次に作用を説明する。本実施形態の電力貯蔵
用電池の放熱装置では、作動流体と不凝縮性ガスが封入
されたヒートパイプ20を有している。したがって、ヒ
ートパイプ20が作動すると、管内の蒸気流によって不
凝縮性ガスは凝縮部24の端、すなわちガス溜め25側
に押し込まれる。
【0021】ここで、不凝縮性ガスは、環境温度に支配
され、また、作動流体の飽和圧力の温度依存性は、不凝
縮性ガスに比べて著しく大きいので、温度が上昇する
と、作動流体と不凝縮性ガスとの界面が、厳密には多少
の拡散効果があるものの、凝縮部24側に移動すること
になる。
【0022】したがって、この界面の位置を、図1
(A)に示すように、ナトリウム−硫黄電池の最低保持
温度である300℃付近では蒸発部22のうちの凝縮部
24側A位置に、最高保持温度である330〜350℃
付近では凝縮部24とガス溜め25との境界位置B位置
になるように不凝縮性ガスを封入する。これにより、最
低保持温度300℃に達するまでの温度では、作動流体
は不凝縮性ガスの圧力に押されて、モジュールケース1
の均熱板3部分にのみ存在することになるので、ヒート
パイプ20としての機能が抑制される。一方、これ以上
の温度になると、作動流体の圧力が不凝縮性ガスの圧力
に打ち勝って、作動流体と不凝縮性ガスとの界面が凝縮
部24側に移動するので、実質的に凝縮部24が温度上
昇にともなって徐々に拡大される。これにより、放熱量
がアナログ的に増加し、最高保持温度330〜350℃
に達すると、不凝縮性ガスは凝縮部24の端のガス溜め
25に収納されるので、最も大きい放熱効果を発揮する
こととなる。
【0023】ここで、作動流体と不凝縮性ガスとの界面
が基板26aおよび放熱フィン26bが設けられた位置
に達すると、ヒートパイプ20の凝縮部24からの熱は
基板26aおよび放熱フィン26bを介して放熱される
ことになるが、本実施形態では、基板26aおよび放熱
フィン26bの水平方向に当該熱を均一化させるための
ヒートパイプ30が設けられているので、放熱手段26
における放熱面積が実質的に増加し、凝縮部24に伝わ
った熱を効率よく放熱させることができる。
【0024】このように本実施形態の電力貯蔵用電池の
放熱装置では、放熱量を連続的に可変とすることがで
き、したがって、制御が段階的になることなく、しかも
ハンチング現象を引き起こすことなく、放熱量の微調整
が可能となる。その結果、一定温度以上に加熱された後
は、ヒートパイプ20のみによって電池温度を制御する
ことができ、ランニングコストの低減および制御機器の
削減を達成できる。
【0025】また、作動流体および不凝縮性ガス自体が
電池温度を感温し、この電池温度に応じて自動的に放熱
量が制御されるので、温度センサなどの電子機器が不要
となる。さらに、本実施形態の電力貯蔵用電池の放熱装
置では、開閉弁などの機器を設けなくても、作動流体の
実質的領域を電池温度に応じて可変とすることができる
ので、開閉弁は勿論のこと、これに伴う制御機器なども
省略することができる。
【0026】また、放熱手段26にヒートパイプ30を
設けているので、基板26aや放熱フィン26bを大き
くすることなく、放熱面積を増加できるので、温度コン
トロールの自由度が向上し、またモジュールケース1の
小型化も実現できる。第2実施形態 なお、本実施形態は種々に改変することができる。例え
ば、図2(A)は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の
他の実施形態を示す平面横断面図、図2(B)は(A)
のB−B線に沿う断面図であり、放熱手段26が一対の
基板26aと放熱フィン26bとからのみ構成されてい
る点、および放熱手段26におけるヒートパイプ30が
ガス溜め部25側にのみ設けられている点が上記実施形
態と相違し、その他の構成は同じである。上述した第1
実施形態では、放熱手段26を2対の基板26aおよび
放熱フィン26bで構成したが、図2(A)に示すよう
に1対の基板26aおよび放熱フィン26bでも構成す
ることができる。
【0027】また、放熱手段26におけるヒートパイプ
30をガス溜め部25側にのみ設けると、ヒートパイプ
20の作動流体と不凝縮性ガスとの界面が、図2(B)
に示すC1位置からC2位置に移動したときに、一度放
熱能力が増加し、さらにこの界面がC2位置からC3位
置に移動したときに、さらに大きい放熱能力を発揮す
る。したがって、放熱能力を複数段階に制御することが
でき、温度コントロールの自由度が増すこととなる。例
えば、本実施形態では、放熱させたくない300C°以
下で、フィンの伝導の良さが災いして放熱が増大してし
まうことがない。 第3実施形態 本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置はさらに改変するこ
とができる。図3は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置
の第3実施形態を示す断面図であり、図2(A)のB−
B線断面に相当する断面図である。本実施形態では、放
熱手段26の基板26aを上下に2分割し、熱的に分離
して構成している。そして、ヒートパイプ30は分割さ
れた基板26aのガス溜め部25側の基板26aにのみ
設けている。また、ヒートパイプ30は水平ではなく、
外側端部を上向きに並設されているが、その余の構成は
同じである。
【0028】このように、放熱手段26を熱的に分割す
ると、上述した第2実施形態と同様に、放熱能力を複数
段階に制御できるが、これに加えて、電池の発熱量が小
さく、ヒートパイプ20における作動流体と不凝縮性ガ
スとの界面が図3においてD位置にある場合、凝縮部2
4からの熱は分割された下側の基板26aおよび放熱フ
ィン26bにのみ伝わってここから放熱されるだけであ
り、上側の基板26aには伝わらないので、所定温度以
下での放熱を抑制できるという利点がある。
【0029】また、ヒートパイプ30をヒートパイプ2
0側を下に、他端を上に向けることで、ヒートパイプ3
0の蒸発部から凝縮部への流体移動が重力の作用と相俟
って円滑になり、より均熱化を達成することができる。第4実施形態 本実施形態では、図1,2に示す実施形態において、ヒ
ートパイプ20の蒸発部22を、図4に示すように、偏
平管形状にしている。ヒートパイプ20の蒸発部22以
外の部分は、偏平管形状であってもなくても良い。図4
に示すように、偏平の度合を示す管の長径aに対する短
径bの比b/aは、好ましくは0.5〜0.3程度であ
る。この比が余りに小さすぎると、流路抵抗が大きく成
りすぎ好ましくなく、この比が余りに大きすぎる(1に
近づく)と、偏平でなくなり、偏平とすることによる効
果が小さくなる。
【0030】本実施形態では、電池モジュールケース1
からの熱が伝達される部分であるヒートパイプ20の蒸
発部22を偏平管形状にすることで、管の流路断面積を
極端に小さくすることなく、しかも必要十分な伝熱面積
を確保した状態で、ヒートパイプ20の蒸発部22が取
り付けられる均熱板3の厚さを薄くすることができる。
結果的に、電池モジュールケース1の容積の低減および
軽量化を図ることができる。同時に、ヒートパイプ20
の本数を低減することができ、加工性や製造コストの面
から有利になる。第5実施態様 本実施形態では、図1,2および3に示す実施形態にお
いて、第1のヒートパイプ20の蒸発部22と、第2の
ヒートパイプ30の横断面を、図4に示すように、偏平
管形状にしている。第1のヒートパイプ20の蒸発部2
2以外の部分は、偏平管形状であってもなくても良い。
第2のヒートパイプ30の横断面は、長手方向全体にわ
たり偏平であることが好ましい。
【0031】図4に示すように、偏平の度合を示す管の
長径aに対する短径bの比b/aは、前記第4実施形態
と同様である。本実施形態では、第1のヒートパイプ2
0の蒸発部22の横断面を偏平管形状にすることで、管
の流路断面積を極端に小さくすることなく、しかも必要
十分な伝熱面積を確保した状態で、均熱板3の厚さを薄
くすることができる。また、第2のヒートパイプ30の
横断面を偏平管形状にすることで、管の流路断面積を極
端に小さくすることなく、しかも必要十分な伝熱面積を
確保した状態で、放熱手段26の厚さを薄くすることが
できる。結果的に、電池モジュールケース1の容積の低
減および軽量化を図ることができる。同時に、ヒートパ
イプ20および30の本数を低減することができ、加工
性や製造コストの面から有利になる。
【0032】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電力貯蔵用
電池の放熱装置によれば、作動流体と不凝縮性ガスが封
入されたヒートパイプにより、放熱量を連続的に可変と
することができ、開閉弁などの機器を設けなくても、作
動流体の実質的な存在領域を電池温度に応じて可変とす
ることができるので、開閉弁は勿論のこと、これに伴う
制御機器なども省略することができる。また、電池温度
に応じて自動的に放熱量が制御されるので、温度センサ
などの電子機器が不要となる。これと同時に、制御機器
等が不要となるので電池モジュールの専有体積を実質的
に小さくすることができる。
【0034】また、本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置
によれば、第1のヒートパイプの凝縮部に設けられた放
熱手段に第2のヒートパイプが設けられているので、放
熱手段における温度勾配の抑制、すなわち均熱化を実現
することができ、放熱フィンなどの放熱面積を有効に活
用することができる。
【0035】本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置におい
て、第2のヒートパイプを放熱手段のガス溜め部側の一
部に設ける、あるいは、放熱手段を第1のヒートパイプ
の凝縮部で第1のヒートパイプの軸方向に熱的に分割
し、第2のヒートパイプを当該分割された放熱手段のう
ちのガス溜め部側に設けると、放熱能力の制御自由度を
可変とすることができ、電池の温度コントロール性が向
上する。また、放熱手段を熱的に分割し、第2のヒート
パイプを分割された放熱手段のガス溜め部側に設ける
と、所定温度以下における放熱能力を抑制することがで
きる。
【0036】本発明において、ヒートパイプの蒸発部、
第1のヒートパイプの蒸発部あるいは第2のヒートパイ
プの横断面形状を、偏平管形状にすることで、管の流路
断面積を極端に小さくすることなく、しかも必要十分な
伝熱面積を確保した状態で、ヒートパイプの蒸発部が取
り付けられる均熱板や放熱手段などの厚さを薄くするこ
とができる。結果的に、電池モジュールの容積の低減お
よび軽量化を図ることができる。同時に、ヒートパイプ
の本数を低減することができ、加工性や製造コストの面
から有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の
第1実施形態を示す図であり、(A)は正面縦断面図、
(B)は平面横断面図、(C)は(B)のC−C線に沿
う断面図である。
【図2】 図2は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の
第2実施形態を示す図であり、(A)は平面横断面図、
(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】 図3は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の
第3実施形態を示す図2(A)のB−B線相当断面図で
ある。
【図4】 図4は本発明の電力貯蔵用電池の放熱装置の
その他の実施形態を示すヒートパイプの横断面図であ
る。
【符号の説明】
1…モジュールケース 2…単電池 3…均熱板 20…不凝縮性ガス入りヒートパイプ(第1のヒートパ
イプ) 22…蒸発部 24…凝縮部 25…ガス溜め 26…放熱手段 26a…基板 26b…放熱フィン 30…ヒートパイプ(第2のヒートパイプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 贄川 潤 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 健次 神奈川県横浜市鶴見区江ケ崎町4−1 東 京電力株式会社エネルギー・環境研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力貯蔵用電池モジュールに取り付けら
    れる放熱装置であって、作動流体と不凝縮性ガスが封入
    され凝縮部の端部にガス溜め部を有する第1のヒートパ
    イプと、当該第1のヒートパイプの凝縮部に設けられた
    放熱手段とを備えた電力貯蔵用電池の放熱装置におい
    て、 前記放熱手段に第2のヒートパイプが設けられているこ
    とを特徴とする電力貯蔵用電池の放熱装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のヒートパイプの凝縮部は前記
    モジュールの側面に設けられ、前記放熱手段が、前記第
    1のヒートパイプに接する基板部と、前記第1のヒート
    パイプの軸方向に沿って前記基板部に複数設けられた放
    熱フィンとを有し、前記第2のヒートパイプが、前記第
    1のヒートパイプの軸方向に対して前記放熱フィンに略
    直角に並設されていることを特徴とする請求項1記載の
    電力貯蔵用電池の放熱装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のヒートパイプが、前記放熱手
    段の前記ガス溜め部側の一部に設けられていることを特
    徴とする請求項1または2記載の電力貯蔵用電池の放熱
    装置。
  4. 【請求項4】 前記放熱手段が、前記第1のヒートパイ
    プの凝縮部で前記第1のヒートパイプの軸方向に熱的に
    分割され、前記第2のヒートパイプが、当該分割された
    放熱手段のうちの前記ガス溜め部側に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の電力貯蔵用
    電池の放熱装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のヒートパイプの蒸発部の横断
    面が、偏平管形状である請求項1〜4の何れかに記載の
    電力貯蔵用電池の放熱装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のヒートパイプの横断面が、偏
    平管形状である請求項1〜5の何れかに記載の電力貯蔵
    用電池の放熱装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007053993A1 (en) * 2005-11-08 2007-05-18 Byd Company Limited A heat dissipating device for a battery pack, and a battery pack using the same
CN106571503A (zh) * 2016-11-11 2017-04-19 华中科技大学 一种电动汽车电池模组热失控安全消防系统及方法
CN115309202A (zh) * 2022-07-12 2022-11-08 东风汽车集团股份有限公司 一种热量模拟装置及其控制方法

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