JPH09314364A - 部材の肉盛り溶接方法 - Google Patents
部材の肉盛り溶接方法Info
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- JPH09314364A JPH09314364A JP8138381A JP13838196A JPH09314364A JP H09314364 A JPH09314364 A JP H09314364A JP 8138381 A JP8138381 A JP 8138381A JP 13838196 A JP13838196 A JP 13838196A JP H09314364 A JPH09314364 A JP H09314364A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 蒸気タービンの動翼のような、損耗の激しい
部材に対する耐磨耗性金属による被覆を、母材に熱影響
を及ぼすことなく簡単確実に行う。 【解決手段】 母材A上に、ノズル5によって耐磨耗性
金属粉を供給すると共に、レーザ発振器1からのレーザ
光をその焦点位置をずらして照射し、照射されたレーザ
光によって耐磨耗性金属粉を溶融しそして凝固させ、母
材Aに耐磨耗性金属の肉盛り部Bを形成する。
部材に対する耐磨耗性金属による被覆を、母材に熱影響
を及ぼすことなく簡単確実に行う。 【解決手段】 母材A上に、ノズル5によって耐磨耗性
金属粉を供給すると共に、レーザ発振器1からのレーザ
光をその焦点位置をずらして照射し、照射されたレーザ
光によって耐磨耗性金属粉を溶融しそして凝固させ、母
材Aに耐磨耗性金属の肉盛り部Bを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、飽和蒸
気中で使用される蒸気タービンの低圧段動翼のような、
損耗の激しい回転部材に対する肉盛り溶接方法に関する
ものである。
気中で使用される蒸気タービンの低圧段動翼のような、
損耗の激しい回転部材に対する肉盛り溶接方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、蒸気タービンを構成する複数段
の動翼は、9〜12%Cr鋼からなっているが、最終段
の動翼の先端部付近は、蒸気の凝集により生じた水滴の
衝突によるエロージョンのために、損耗および腐食が激
しい。
の動翼は、9〜12%Cr鋼からなっているが、最終段
の動翼の先端部付近は、蒸気の凝集により生じた水滴の
衝突によるエロージョンのために、損耗および腐食が激
しい。
【0003】上述した動翼に生ずる損耗を防止するため
に、従来、動翼のもっとも損耗しやすい先端部を、耐磨
耗性に優れた金属例えばステライトによって被覆し保護
することが行われている。
に、従来、動翼のもっとも損耗しやすい先端部を、耐磨
耗性に優れた金属例えばステライトによって被覆し保護
することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】動翼用に使用される材
料としては、一般に、9〜12%Cr系のマルテンサイ
トまたはフェライトの材料組織を有する鋼が使用されて
いる。このような組織の材料は、遠心力や回転による力
を受けるために、高強度で且つある程度の靱性を必要と
することから、焼入れおよび焼戻しの熱処理が施され、
これによって、始めて必要とされる機械的強度が得られ
ている。
料としては、一般に、9〜12%Cr系のマルテンサイ
トまたはフェライトの材料組織を有する鋼が使用されて
いる。このような組織の材料は、遠心力や回転による力
を受けるために、高強度で且つある程度の靱性を必要と
することから、焼入れおよび焼戻しの熱処理が施され、
これによって、始めて必要とされる機械的強度が得られ
ている。
【0005】上述した動翼先端部のステライトによる被
覆は、従来、動翼先端部にステライト板をろう付けする
ことによって行われているが、このようなステライト板
のろう付けによる被覆には、次のような問題がある。
覆は、従来、動翼先端部にステライト板をろう付けする
ことによって行われているが、このようなステライト板
のろう付けによる被覆には、次のような問題がある。
【0006】(1) 動翼に対するステライト板のろう付け
温度は、使用するろうによっても異なるが、通常600
〜700℃であり、上述の母材に対し行っている焼き戻
し温度に近い。そのために、ろう付けの際に加熱を行い
過ぎると、焼き鈍しと同じような状態になり、母材の強
度が低下する問題が生ずる。
温度は、使用するろうによっても異なるが、通常600
〜700℃であり、上述の母材に対し行っている焼き戻
し温度に近い。そのために、ろう付けの際に加熱を行い
過ぎると、焼き鈍しと同じような状態になり、母材の強
度が低下する問題が生ずる。
【0007】(2) ステライト板のろう付け作業は、ろう
付け部分に気泡等の非密着部分が生じないように、ろう
付け後、レントゲン等でろう付け部の内部チェックを全
数に対して行わなければならず、ろう付けによる密着が
適正でなく気泡が存在していると、その部分からステラ
イト板が剥離する危険性がある。このように、ろう付け
作業には多くの手間および熟練が必要とされている。
付け部分に気泡等の非密着部分が生じないように、ろう
付け後、レントゲン等でろう付け部の内部チェックを全
数に対して行わなければならず、ろう付けによる密着が
適正でなく気泡が存在していると、その部分からステラ
イト板が剥離する危険性がある。このように、ろう付け
作業には多くの手間および熟練が必要とされている。
【0008】ステライト板のろう付けに代わる手段とし
て、ステライト材を溶接により固着する即ち肉盛り溶接
することが考えられる。溶接による接合は、母材と肉盛
り金属の一部とが溶融するために、ろう付けよりも強い
接合が得られる。しかしながら、前述したように、母材
がマルテンサイトまたはフェライト組織を有しているた
めに熱影響を受けやすく、通常の溶接(例えばTIG溶
接)では、母材に対する入熱が大きくなり過ぎて、焼入
れと同じような状態になる結果、溶接された部分の組織
が変化し、材質特に靱性が低下する問題が生ずる。
て、ステライト材を溶接により固着する即ち肉盛り溶接
することが考えられる。溶接による接合は、母材と肉盛
り金属の一部とが溶融するために、ろう付けよりも強い
接合が得られる。しかしながら、前述したように、母材
がマルテンサイトまたはフェライト組織を有しているた
めに熱影響を受けやすく、通常の溶接(例えばTIG溶
接)では、母材に対する入熱が大きくなり過ぎて、焼入
れと同じような状態になる結果、溶接された部分の組織
が変化し、材質特に靱性が低下する問題が生ずる。
【0009】上述した問題は、プラズマ溶接等の方法に
おいても同様であり、特に、タービン動翼の先端部のよ
うに、その厚さが4〜10mm程度で薄いものに対しては
顕著に生じ、場合によっては、厚さ全体が焼入れされた
と同様の状態になってしまうことがある。
おいても同様であり、特に、タービン動翼の先端部のよ
うに、その厚さが4〜10mm程度で薄いものに対しては
顕著に生じ、場合によっては、厚さ全体が焼入れされた
と同様の状態になってしまうことがある。
【0010】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、例えば蒸気タービンの動翼のような損耗の激
しい回転部材に対する耐磨耗性金属による被覆を、母材
に熱影響を及ぼすことなく簡単且つ確実に行うことがで
きる方法を提供することにある。
を解決し、例えば蒸気タービンの動翼のような損耗の激
しい回転部材に対する耐磨耗性金属による被覆を、母材
に熱影響を及ぼすことなく簡単且つ確実に行うことがで
きる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決し、損耗の激しい回転部材に対する、ステラ
イトのような耐磨耗性金属による被覆を、母材に熱影響
を及ぼすことなく簡単且つ確実に行うことができる方法
を開発すべく鋭意研究を重ねた。
問題を解決し、損耗の激しい回転部材に対する、ステラ
イトのような耐磨耗性金属による被覆を、母材に熱影響
を及ぼすことなく簡単且つ確実に行うことができる方法
を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0012】その結果、高エネルギー密度で金属同士を
溶融し接合すれば、母材に対する熱影響を低く抑えるこ
とができ、また、溶融される金属として、従来の棒状、
ワイヤー状、フィラー状のものを使用せず、粉状のもの
を使用すれば、肉盛り幅を細くすることができるので、
入熱量が小さくなり、母材に悪影響を及ぼすことなく母
材表面を耐磨耗性金属で肉盛り被覆することができるこ
とを知見した。
溶融し接合すれば、母材に対する熱影響を低く抑えるこ
とができ、また、溶融される金属として、従来の棒状、
ワイヤー状、フィラー状のものを使用せず、粉状のもの
を使用すれば、肉盛り幅を細くすることができるので、
入熱量が小さくなり、母材に悪影響を及ぼすことなく母
材表面を耐磨耗性金属で肉盛り被覆することができるこ
とを知見した。
【0013】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、高エネルギー密度で金属同士を溶融する
手段としてレーザ光を使用し、部材の損耗しやすい箇所
に、耐磨耗性金属粉を供給すると共に、レーザ光をその
焦点位置をずらして照射し、金属粉を溶融させ得る一定
のエネルギー密度を有する面を形成し、このエネルギー
密度を有する面によって、供給された耐磨耗性金属粉を
母材と共に溶融しそして凝固させ、前記部材の損耗しや
すい箇所を前記耐磨耗性金属によって肉盛りすることに
特徴を有するものである。
ものであって、高エネルギー密度で金属同士を溶融する
手段としてレーザ光を使用し、部材の損耗しやすい箇所
に、耐磨耗性金属粉を供給すると共に、レーザ光をその
焦点位置をずらして照射し、金属粉を溶融させ得る一定
のエネルギー密度を有する面を形成し、このエネルギー
密度を有する面によって、供給された耐磨耗性金属粉を
母材と共に溶融しそして凝固させ、前記部材の損耗しや
すい箇所を前記耐磨耗性金属によって肉盛りすることに
特徴を有するものである。
【0014】耐磨耗性金属粉としてはステライト粉が使
用され、このようなステライト粉は不活性ガスによって
部材に供給される。このように供給された耐磨耗性金属
粉をレーザ光によって溶融しそして凝固させることによ
り、肉盛り層を重ね合わせまたは多層に形成することが
できる。
用され、このようなステライト粉は不活性ガスによって
部材に供給される。このように供給された耐磨耗性金属
粉をレーザ光によって溶融しそして凝固させることによ
り、肉盛り層を重ね合わせまたは多層に形成することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明の方法を図面を参
照しながら説明する。図1は、この発明の方法を実施す
るための装置の一例を示す説明図である。図面に示すよ
うに、レーザ発振器1によって発振されたレーザ光は、
照射セル2に取り付けられた反射ミラー3および集光レ
ンズ4を通して、肉盛りすべき母材Aの表面上に照射さ
れる。その際、照射されたレーザ光の焦点が母材Aの表
面上に位置しないように、焦点位置をずらし即ちデ・フ
ォーカスして照射されるように、焦点位置を制御する。
照しながら説明する。図1は、この発明の方法を実施す
るための装置の一例を示す説明図である。図面に示すよ
うに、レーザ発振器1によって発振されたレーザ光は、
照射セル2に取り付けられた反射ミラー3および集光レ
ンズ4を通して、肉盛りすべき母材Aの表面上に照射さ
れる。その際、照射されたレーザ光の焦点が母材Aの表
面上に位置しないように、焦点位置をずらし即ちデ・フ
ォーカスして照射されるように、焦点位置を制御する。
【0016】照射セル2には、これに近接し、母材Aの
レーザ光照射位置に向けたノズル5が所定角度で取り付
けられており、容器6内に設けられたホッパ8に収容さ
れているステライト粉末Cが、ノズル5を通し導管7に
よって肉盛りすべき母材Aの表面上に、キャリアガスに
より定量的に供給されるようになっている。9は、ホッ
パ8の排出口に設けられたステライト粉の流量制御用デ
ィスクである。
レーザ光照射位置に向けたノズル5が所定角度で取り付
けられており、容器6内に設けられたホッパ8に収容さ
れているステライト粉末Cが、ノズル5を通し導管7に
よって肉盛りすべき母材Aの表面上に、キャリアガスに
より定量的に供給されるようになっている。9は、ホッ
パ8の排出口に設けられたステライト粉の流量制御用デ
ィスクである。
【0017】上述した装置により、肉盛りすべき母材A
の表面上に、ノズル5を通しステライト粉末をキャリア
ガスにより供給すると共に、レーザ発振器1によって発
振されたレーザ光を、ステライト粉末の供給箇所に、そ
の焦点位置をずらしデ・フォーカスさせて照射する。
の表面上に、ノズル5を通しステライト粉末をキャリア
ガスにより供給すると共に、レーザ発振器1によって発
振されたレーザ光を、ステライト粉末の供給箇所に、そ
の焦点位置をずらしデ・フォーカスさせて照射する。
【0018】このデ・フォーカスして照射されたレーザ
光により、ステライト粉末は溶融しそして凝固する。従
って、照射セル2およびノズル5を共に一定速度で移動
させることにより、母材Aの表面上に、ステライトによ
る肉盛り層Bを形成することができる。このようにし
て、母材Aの表面上に形成されるステライトの肉盛り層
Bは、重ね合わせ形成することが可能であり、また、必
要に応じて2層以上の多層盛りに形成することができ
る。
光により、ステライト粉末は溶融しそして凝固する。従
って、照射セル2およびノズル5を共に一定速度で移動
させることにより、母材Aの表面上に、ステライトによ
る肉盛り層Bを形成することができる。このようにし
て、母材Aの表面上に形成されるステライトの肉盛り層
Bは、重ね合わせ形成することが可能であり、また、必
要に応じて2層以上の多層盛りに形成することができ
る。
【0019】母材Aに照射されるレーザ光の焦点は、母
材Aの表面上に位置しないようにデ・フォーカスさせ、
且つ、母材A上に供給されたステライト粉末を、照射さ
れたレーザ光の径内において十分に溶融させ得る位置と
することが必要である。
材Aの表面上に位置しないようにデ・フォーカスさせ、
且つ、母材A上に供給されたステライト粉末を、照射さ
れたレーザ光の径内において十分に溶融させ得る位置と
することが必要である。
【0020】例えば、レーザ光の出力が2KWのときに
の、レーザ光焦点距離(F) は250mm、デ・フォーカス
距離(a) は10mm、照射位置のレーザ光径 (φ2)は1.
5mmである。φ2 のエネルギー密度を適正にすることが
必要であり、φ2 を大きくしたければ、デ・フォーカス
をずらし、レーザ光の出力を上げればよいが、入熱は増
加することになる。
の、レーザ光焦点距離(F) は250mm、デ・フォーカス
距離(a) は10mm、照射位置のレーザ光径 (φ2)は1.
5mmである。φ2 のエネルギー密度を適正にすることが
必要であり、φ2 を大きくしたければ、デ・フォーカス
をずらし、レーザ光の出力を上げればよいが、入熱は増
加することになる。
【0021】なお、母材Aに対する入熱が少なく、しか
もある程度の溶け込みが得られるようにするためには、
上述したデ・フォーカス距離によって照射位置のレーザ
光径を適切に定めると共に、レーザ光の移動速度を適正
にすることが必要である。
もある程度の溶け込みが得られるようにするためには、
上述したデ・フォーカス距離によって照射位置のレーザ
光径を適切に定めると共に、レーザ光の移動速度を適正
にすることが必要である。
【0022】母材Aに対するステライト粉末の供給量
は、ステライトによる所定厚さの肉盛り層Bが形成され
得る量であればよく、例えば15g/min 以上とすること
が好適である。ステライト粉末は、ノズル5によって、
できるだけ直角に近い角度で送給することが好ましい。
ステライト粉末の供給角度が寝ていると母材の凹凸によ
って必要部分にステライト粉末が供給されない場合が生
ずる。
は、ステライトによる所定厚さの肉盛り層Bが形成され
得る量であればよく、例えば15g/min 以上とすること
が好適である。ステライト粉末は、ノズル5によって、
できるだけ直角に近い角度で送給することが好ましい。
ステライト粉末の供給角度が寝ていると母材の凹凸によ
って必要部分にステライト粉末が供給されない場合が生
ずる。
【0023】ステライト粉末を供給するためのキャリア
ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性
ガスが使用される。このようなキャリアガスの流量は、
供給されるステライト粉末の飛散が激しくなく、安定し
て供給される量である必要がある。また、不活性ガスを
使用することにより、一部シールドガスとしての効果も
期待できる。
ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性
ガスが使用される。このようなキャリアガスの流量は、
供給されるステライト粉末の飛散が激しくなく、安定し
て供給される量である必要がある。また、不活性ガスを
使用することにより、一部シールドガスとしての効果も
期待できる。
【0024】図2は、この発明の方法により、レーザ光
を利用してステライトの肉盛りを行ったときの、母材部
および溶着金属の入熱の影響を示す図である。図2に示
すように、母材に生じた熱影響部の深さは約0.2〜
0.8mmであり、一般的な入熱の少なく溶接(TIG溶
接等)またはプラズマ溶接に比較して極めて僅かであっ
て、母材の材質特に靱性等に劣化が生ずることはない。
を利用してステライトの肉盛りを行ったときの、母材部
および溶着金属の入熱の影響を示す図である。図2に示
すように、母材に生じた熱影響部の深さは約0.2〜
0.8mmであり、一般的な入熱の少なく溶接(TIG溶
接等)またはプラズマ溶接に比較して極めて僅かであっ
て、母材の材質特に靱性等に劣化が生ずることはない。
【0025】上述した説明においては、耐磨耗性金属粉
としてステライト粉を使用した例について述べたが、ス
テライト粉に限られるものではなく、同様の効果を有す
る他の耐磨耗性金属粉を使用してもよい。また、肉盛り
補修すべき部材は、蒸気タービンの動翼に限られるもの
ではなく、例えばポンプの羽根車等、損耗の激しい各種
回転部材等に適用し同様の効果が得られる。
としてステライト粉を使用した例について述べたが、ス
テライト粉に限られるものではなく、同様の効果を有す
る他の耐磨耗性金属粉を使用してもよい。また、肉盛り
補修すべき部材は、蒸気タービンの動翼に限られるもの
ではなく、例えばポンプの羽根車等、損耗の激しい各種
回転部材等に適用し同様の効果が得られる。
【0026】
【実施例】蒸気タービンを構成する、表1に示す成分組
成の11.5%Cr系マルテンサイト鋼からなる動翼の
先端部に、図1に示す装置を使用し、下記条件により、
ノズル5を通して、表2に示す成分組成のステライト粉
末を、キャリアガスとしてのアルゴンガスにより供給
し、ステライト粉末供給位置にセル2によってレーザ光
を照射することにより、ステライトを2層盛りした。
成の11.5%Cr系マルテンサイト鋼からなる動翼の
先端部に、図1に示す装置を使用し、下記条件により、
ノズル5を通して、表2に示す成分組成のステライト粉
末を、キャリアガスとしてのアルゴンガスにより供給
し、ステライト粉末供給位置にセル2によってレーザ光
を照射することにより、ステライトを2層盛りした。
【0027】 レーザ光出力 : 2KW レーザ光径 (φ1) : 40mm 照射位置のレーザ光径 (φ2): 1.5mm レーザ光焦点距離(F) :250mm ディフォーカス距離(a) : 10mm ノズル傾斜角度(θ) : 5° アルゴンガス流量 : 10 l/min ステライト粉末供給量 : 22.5g/min
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 その結果、動翼の先端部に厚さ0.9mmのステライトを
肉盛りすることができ、ステライト肉盛り部の硬度は、
ビッカース硬さで600HV以上であった。また、肉盛
り部における熱影響部の深さは約0.3mmであり、その
材質特に靱性等の劣化が生ずることはなかった。
肉盛りすることができ、ステライト肉盛り部の硬度は、
ビッカース硬さで600HV以上であった。また、肉盛
り部における熱影響部の深さは約0.3mmであり、その
材質特に靱性等の劣化が生ずることはなかった。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
例えば蒸気タービンの動翼のような損耗の激しい回転部
材に対するステライトによる被覆を、母材に熱影響を及
ぼすことなく簡単且つ確実に行うことができる、工業上
有用な効果がもたらされる。
例えば蒸気タービンの動翼のような損耗の激しい回転部
材に対するステライトによる被覆を、母材に熱影響を及
ぼすことなく簡単且つ確実に行うことができる、工業上
有用な効果がもたらされる。
【図1】この発明の方法を実施するための装置の一例を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図2】ステライト肉盛り時の入熱の影響を示す図であ
る。
る。
1 レーザ発振器 2 セル 3 反射ミラー 4 集光レンズ 5 ノズル 6 容器 7 導管 8 ホッパ 9 流量制御用ディスク A 母材 B 肉盛り部 C ステライト粉末
Claims (4)
- 【請求項1】 部材の損耗しやすい箇所に、耐磨耗性金
属粉を供給すると共に、レーザ光をその焦点位置をずら
して照射し、照射されたレーザ光によって前記耐磨耗性
金属粉を溶融しそして凝固させ、前記部材の損耗しやす
い箇所を前記耐磨耗性金属によって肉盛りすることを特
徴とする、部材の肉盛り溶接方法。 - 【請求項2】 前記耐磨耗性金属粉としてステライト粉
を使用する、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記耐磨耗性金属粉を不活性ガスによっ
て供給する、請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記供給された耐磨耗性金属粉をレーザ
光により溶融しそして凝固させることにより、肉盛り層
を重ね合わせまたは多層に形成する、請求項1から3の
何れか1つに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8138381A JPH09314364A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 部材の肉盛り溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8138381A JPH09314364A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 部材の肉盛り溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09314364A true JPH09314364A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15220616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8138381A Pending JPH09314364A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 部材の肉盛り溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09314364A (ja) |
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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