JPH0931214A - 摩擦材 - Google Patents
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- JPH0931214A JPH0931214A JP18872695A JP18872695A JPH0931214A JP H0931214 A JPH0931214 A JP H0931214A JP 18872695 A JP18872695 A JP 18872695A JP 18872695 A JP18872695 A JP 18872695A JP H0931214 A JPH0931214 A JP H0931214A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】自動車のブレーキ装置等を構成する摩擦材の摩
擦特性の改良。 【構成】樹脂に基材を配合した混合物を結着成形してな
る摩擦材において、基材として、六チタン酸アルカリ金
属〔M2 Ti6 O13〕( Mはアルカリ金属) の結晶粒と
チタニア(TiO2 )の結晶粒とが結合した球状粒子か
らなる六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末を配合す
る。粉末の六チタン酸アルカリ金属結晶とチタニア結晶
との混相比率(TiO2 /M2 Ti6 O13)は、1/1
0〜20/1(モル比)である。粒径は好ましくは約1
0〜100μmである。
擦特性の改良。 【構成】樹脂に基材を配合した混合物を結着成形してな
る摩擦材において、基材として、六チタン酸アルカリ金
属〔M2 Ti6 O13〕( Mはアルカリ金属) の結晶粒と
チタニア(TiO2 )の結晶粒とが結合した球状粒子か
らなる六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末を配合す
る。粉末の六チタン酸アルカリ金属結晶とチタニア結晶
との混相比率(TiO2 /M2 Ti6 O13)は、1/1
0〜20/1(モル比)である。粒径は好ましくは約1
0〜100μmである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車,鉄道車
両,航空機,産業機械類等の制動装置におけるブレーキ
ライニング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等
の摺動面を構成する摩擦材に関する。
両,航空機,産業機械類等の制動装置におけるブレーキ
ライニング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等
の摺動面を構成する摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記制動装置の摩擦材は、樹脂(フェノ
ール樹脂,エポキシ樹脂等)を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤(硫酸バリウ
ム等)を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、その摩擦材は、摩擦面の高温
化に伴い摩耗損傷が著しく増大すると共に、摩擦係数の
急激な低下・フェード現象を生じ易い。またアスベスト
繊維には発がん性の問題も指摘されている。このため、
アスベスト代替品の開発が進められ、その基材として、
M2 TinO2n+1〔式中,MはK,Na,Li,Rb等
のアルカリ金属,n=2〜6〕で示されるチタン酸アル
カリ金属粉末〔代表的には六チタン酸カリウム(K2 T
i6O13)〕の実用化が試みられている。そのチタン酸
アルカリ金属粉末は、主としてウィスカないし多結晶繊
維形状を有するものが使用されているが、樹脂中の均一
分散や、摩擦材の変形(反り・歪み)の低減・寸法精度
改善等の観点から、繊維形状のものに代え、球形状のも
のを使用することも提案されている(特開平7−532
14号公報)。
ール樹脂,エポキシ樹脂等)を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤(硫酸バリウ
ム等)を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、その摩擦材は、摩擦面の高温
化に伴い摩耗損傷が著しく増大すると共に、摩擦係数の
急激な低下・フェード現象を生じ易い。またアスベスト
繊維には発がん性の問題も指摘されている。このため、
アスベスト代替品の開発が進められ、その基材として、
M2 TinO2n+1〔式中,MはK,Na,Li,Rb等
のアルカリ金属,n=2〜6〕で示されるチタン酸アル
カリ金属粉末〔代表的には六チタン酸カリウム(K2 T
i6O13)〕の実用化が試みられている。そのチタン酸
アルカリ金属粉末は、主としてウィスカないし多結晶繊
維形状を有するものが使用されているが、樹脂中の均一
分散や、摩擦材の変形(反り・歪み)の低減・寸法精度
改善等の観点から、繊維形状のものに代え、球形状のも
のを使用することも提案されている(特開平7−532
14号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車用ブレーキ装置
の小型化、軽量化等の要請に対処するには、高い摩擦係
数をもち、広い温度域で高摩擦係数を安定に維持し得る
摩擦材が要求される。上記六チタン酸カリウム等のチタ
ン酸アルカリ金属粉末は、強度,耐熱性,耐摩耗性,補
強性等にすぐれ、かつ摩擦材として適度の硬度を有する
材料であり、これを基材として製作された摩擦材は、ア
スベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ摩擦摩耗特
性を示す。しかし、高温域における耐フェード特性、摩
擦係数は十分でなく、改良すべき余地がある。本発明は
上記問題を解決するための改良された摩擦材を提供しよ
うとするものである。
の小型化、軽量化等の要請に対処するには、高い摩擦係
数をもち、広い温度域で高摩擦係数を安定に維持し得る
摩擦材が要求される。上記六チタン酸カリウム等のチタ
ン酸アルカリ金属粉末は、強度,耐熱性,耐摩耗性,補
強性等にすぐれ、かつ摩擦材として適度の硬度を有する
材料であり、これを基材として製作された摩擦材は、ア
スベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ摩擦摩耗特
性を示す。しかし、高温域における耐フェード特性、摩
擦係数は十分でなく、改良すべき余地がある。本発明は
上記問題を解決するための改良された摩擦材を提供しよ
うとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦材は、樹脂
に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材にお
いて、基材として、チタニア/六チタン酸アルカリ金属
の量比が、1/10〜20/1(モル比)である、六チ
タン酸アルカリ金属結晶粒とチタニア結晶粒とが結合し
た球状粒子からなる粉末が配合されていることを特徴と
している。
に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材にお
いて、基材として、チタニア/六チタン酸アルカリ金属
の量比が、1/10〜20/1(モル比)である、六チ
タン酸アルカリ金属結晶粒とチタニア結晶粒とが結合し
た球状粒子からなる粉末が配合されていることを特徴と
している。
【0005】上記複合化合物粉末における六チタン酸ア
ルカリ金属は、式:M2 Ti6 O13(式中、Mは、K,
Na,Li,Rb等のアルカリ金属元素)で表される。
この複合化合物粉末は、六チタン酸アルカリ金属の結晶
粒とチタニアの結晶粒とが結合した混相効果および球状
粒子である形状効果として、摩擦材にチタン酸アルカリ
金属単相粉末の使用では得られない摩擦特性を付与し、
低速度域から高速度域にわたって高摩擦係数を安定に維
持することを可能にする。上記複合化合物粉末におけ
る、チタニア/六チタン酸アルカリ金属の量比(モル
比)を、1/10〜20/1としているのは、1/10
より低い複合比率では、両者の混相効果としての摩擦特
性改善効果が不足し、他方20/1を越えると、相手材
攻撃性が顕著となるからである。
ルカリ金属は、式:M2 Ti6 O13(式中、Mは、K,
Na,Li,Rb等のアルカリ金属元素)で表される。
この複合化合物粉末は、六チタン酸アルカリ金属の結晶
粒とチタニアの結晶粒とが結合した混相効果および球状
粒子である形状効果として、摩擦材にチタン酸アルカリ
金属単相粉末の使用では得られない摩擦特性を付与し、
低速度域から高速度域にわたって高摩擦係数を安定に維
持することを可能にする。上記複合化合物粉末におけ
る、チタニア/六チタン酸アルカリ金属の量比(モル
比)を、1/10〜20/1としているのは、1/10
より低い複合比率では、両者の混相効果としての摩擦特
性改善効果が不足し、他方20/1を越えると、相手材
攻撃性が顕著となるからである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の摩擦材を構成する複合化
合物粉末の樹脂中の配合割合は、約3〜50重量%の範
囲が適当である。約3重量%より少ないと、その配合効
果が少なく、他方50重量%をを越えると、摩擦・摩耗
特性の改善効果は飽和し、それ以上に増量する利益がな
いからである。粉末粒度は、約10〜100μm程度の
粒度を有するものであってよい。
合物粉末の樹脂中の配合割合は、約3〜50重量%の範
囲が適当である。約3重量%より少ないと、その配合効
果が少なく、他方50重量%をを越えると、摩擦・摩耗
特性の改善効果は飽和し、それ以上に増量する利益がな
いからである。粉末粒度は、約10〜100μm程度の
粒度を有するものであってよい。
【0007】本発明の摩擦材は、基材として、上記複合
化合物粉末と共に、公知の他材種のものを混合使用する
こともできる。例えばポリアミド(ナイロン)繊維,ア
ラミド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,銅繊維,
黄銅繊維,炭素繊維,ガラス繊維,アルミナ・シリカ繊
維,ロックウール,木質パルプ等が挙げられる。これら
はその1種ないし2種以上が任意に選択される。配合量
は特に限定されないが、複合チタン化合物粉末との合計
量で約10〜65重量%となる範囲で配合してよい。基
材成分は、必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性
の向上等を目的として、シラン系カップリング剤(アミ
ノシラン,ビニルシラン,エポキシシラン,メタアクリ
ロキシラン,メルカプトキシラン等)、またはチタネー
ト系カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート,ジ(ジオクチルパイロホスフェート)エ
チレンチタネート等)による表面処理(カップリング処
理)が常法に従って施されて使用される。
化合物粉末と共に、公知の他材種のものを混合使用する
こともできる。例えばポリアミド(ナイロン)繊維,ア
ラミド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,銅繊維,
黄銅繊維,炭素繊維,ガラス繊維,アルミナ・シリカ繊
維,ロックウール,木質パルプ等が挙げられる。これら
はその1種ないし2種以上が任意に選択される。配合量
は特に限定されないが、複合チタン化合物粉末との合計
量で約10〜65重量%となる範囲で配合してよい。基
材成分は、必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性
の向上等を目的として、シラン系カップリング剤(アミ
ノシラン,ビニルシラン,エポキシシラン,メタアクリ
ロキシラン,メルカプトキシラン等)、またはチタネー
ト系カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート,ジ(ジオクチルパイロホスフェート)エ
チレンチタネート等)による表面処理(カップリング処
理)が常法に従って施されて使用される。
【0008】本発明の摩擦材は、所望により、公知の摩
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,三硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(例えば20〜70重量%)配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合(例えば
50重量%以下)されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,三硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(例えば20〜70重量%)配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合(例えば
50重量%以下)されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
【0009】結合剤である樹脂成分は、通常使用される
材種、例えばフェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂,
エポキシ樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性等)熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム,ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
材種、例えばフェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂,
エポキシ樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性等)熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム,ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
【0010】本発明の摩擦材の原料混合物の調製は、基
材として上記複合化合物粉末が使用される点を除いて、
従来一般の摩擦材と異ならず、またその製造工程にも特
別の条件ないし制限は課せられない。すなわち、基材を
結合剤樹脂中に分散し、必要に応じて配合される摩擦摩
耗調整剤、および防錆剤,潤滑剤,研削剤等を添加し、
均一に混合して原料組成物を調製し、予備成形についで
金型成形等により、加熱・加圧下(加圧力約10〜40
MPa,温度約150〜200℃)に結着成形を行い、
型から取り出した後、所望により加熱炉内で熱処理(温
度約150〜200℃,保持時間約1〜12Hr)を施
し、しかる後その成形体に機械加工、研磨加工を加えて
所定の形状を有する摩擦材に仕上げる。
材として上記複合化合物粉末が使用される点を除いて、
従来一般の摩擦材と異ならず、またその製造工程にも特
別の条件ないし制限は課せられない。すなわち、基材を
結合剤樹脂中に分散し、必要に応じて配合される摩擦摩
耗調整剤、および防錆剤,潤滑剤,研削剤等を添加し、
均一に混合して原料組成物を調製し、予備成形についで
金型成形等により、加熱・加圧下(加圧力約10〜40
MPa,温度約150〜200℃)に結着成形を行い、
型から取り出した後、所望により加熱炉内で熱処理(温
度約150〜200℃,保持時間約1〜12Hr)を施
し、しかる後その成形体に機械加工、研磨加工を加えて
所定の形状を有する摩擦材に仕上げる。
【0011】なお、基材成分としての上記複合化合物粉
末は、後記参考例に示すように、TiO2 (または加熱
によりTiO2 を生成するチタン化合物))と、M2 O
〔Mはアルカリ金属〕(または加熱によりM2 Oを生成
するアルカリ金属化合物)とを、TiO2 /M2 O(モ
ル比)が、6.1〜26となる割合に配合した粉末混合
物を造粒し、温度700〜1300℃で焼成処理するこ
とにより製造される。得られる複合化合物粉末を構成す
る結晶相の量比は、原料粉末混合物の組成(TiO2 /
M2 O)により任意に制御される。
末は、後記参考例に示すように、TiO2 (または加熱
によりTiO2 を生成するチタン化合物))と、M2 O
〔Mはアルカリ金属〕(または加熱によりM2 Oを生成
するアルカリ金属化合物)とを、TiO2 /M2 O(モ
ル比)が、6.1〜26となる割合に配合した粉末混合
物を造粒し、温度700〜1300℃で焼成処理するこ
とにより製造される。得られる複合化合物粉末を構成す
る結晶相の量比は、原料粉末混合物の組成(TiO2 /
M2 O)により任意に制御される。
【0012】
(1)原料組成物の調製 表2参照。表中、基材欄の記号は表1のとおりである
(基材の製造は後記参考例参照)。粉末はいずれも、球
状粒子(平均粒径:約40μm)からなる。基材A1 〜
A4 は、六チタン酸アルカリ金属とチタニアの複合粉
末、基材BおよびCは、六チタン酸アルカリ金属単相粉
末である。また、基材D及びEは、六チタン酸アルカリ
金属とチタニアの混相を有する複合粉末ではあるが、混
相の量比が本発明の規定から外れている例である。
(基材の製造は後記参考例参照)。粉末はいずれも、球
状粒子(平均粒径:約40μm)からなる。基材A1 〜
A4 は、六チタン酸アルカリ金属とチタニアの複合粉
末、基材BおよびCは、六チタン酸アルカリ金属単相粉
末である。また、基材D及びEは、六チタン酸アルカリ
金属とチタニアの混相を有する複合粉末ではあるが、混
相の量比が本発明の規定から外れている例である。
【0013】
【表1】 基材 結晶構成(モル比) A1 : 六チタン酸カリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / K 2 Ti6 O13=1/1) A2 : 六チタン酸カリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / K 2 Ti6 O13=3/1) A3 : 六チタン酸カリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / K 2 Ti6 O13=6/1) A4 : 六チタン酸ナトリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / Na2 Ti6 O13=6/1) B : 六チタン酸カリウム(K 2 Ti6 O13)単相粉末 C : 六チタン酸ナトリウム(Na2 Ti6 O13)単相粉末 D : 六チタン酸カリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / K 2 Ti6 O13=1/20) E : 六チタン酸カリウム−チタニア複合粉末 (TiO 2 / K 2 Ti6 O13=25/1)
【0014】(2)摩擦材の製作 原料組成物を予備成形(加圧力:14.7MPa=150kg/cm
2,温度:常温,時間:1 分間)の後、金型による結着
成形(加圧力:14.7MPa=150kg/cm 2,温度:170
℃, 加圧保持時間:5 分間)を行い、成形後、離型して
乾燥炉で熱処理(180 ℃に3 時間保持) を施す。その
後、所定寸法に切断し、研磨加工を加えて供試摩擦材(
ディスクパッド) を得る。
2,温度:常温,時間:1 分間)の後、金型による結着
成形(加圧力:14.7MPa=150kg/cm 2,温度:170
℃, 加圧保持時間:5 分間)を行い、成形後、離型して
乾燥炉で熱処理(180 ℃に3 時間保持) を施す。その
後、所定寸法に切断し、研磨加工を加えて供試摩擦材(
ディスクパッド) を得る。
【0015】(3)摩擦試験 各供試摩擦材について、JASO C 406 乗用車ブレーキ装
置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第2効力試験を
行うと共に、摩擦試験の後の相手材表面の摩耗損傷状況
(表面粗さ測定)から対面損傷性を評価する。 (試験条件) 制動初速度: 50km / h ,100km / h。 減速度 : 0.3G 相手材材種:FC 250鋳鉄材 表2に試験結果を示す。表中、「対面損傷欄」の記号は
次のとおりである。 ◎…損傷皆無 ○…損傷殆ど無し ×…損傷発生。
置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第2効力試験を
行うと共に、摩擦試験の後の相手材表面の摩耗損傷状況
(表面粗さ測定)から対面損傷性を評価する。 (試験条件) 制動初速度: 50km / h ,100km / h。 減速度 : 0.3G 相手材材種:FC 250鋳鉄材 表2に試験結果を示す。表中、「対面損傷欄」の記号は
次のとおりである。 ◎…損傷皆無 ○…損傷殆ど無し ×…損傷発生。
【0016】
【表2】
【0017】表2に示したように、基材Bおよび基材C
(六チタン酸アルカリ金属単相粉末)を使用したディス
ク・パッド(比較例1,比較例2)に比べて、基材A1
〜A 4 を使用した発明例の摩擦材(実施例1〜4)は、
制動初速度が比較的低い使用条件から、摩擦面の著しい
昇温を伴う高い制動初速度の領域に亘つて高い摩擦係数
を有し、かつその対面損傷性も良好である。なお、比較
例3および4は、六チタン酸アルカリ金属とチタニアの
複合化合物粉末を基材としているが、比較例3(複合化
合物粉末のチタニア結晶の複合比率不足)では、摩擦係
数の改善効果がなく、他方比較例4(チタニア結晶の複
合比率過剰)は相手材攻撃性が強く、対面損傷性に劣っ
ている。
(六チタン酸アルカリ金属単相粉末)を使用したディス
ク・パッド(比較例1,比較例2)に比べて、基材A1
〜A 4 を使用した発明例の摩擦材(実施例1〜4)は、
制動初速度が比較的低い使用条件から、摩擦面の著しい
昇温を伴う高い制動初速度の領域に亘つて高い摩擦係数
を有し、かつその対面損傷性も良好である。なお、比較
例3および4は、六チタン酸アルカリ金属とチタニアの
複合化合物粉末を基材としているが、比較例3(複合化
合物粉末のチタニア結晶の複合比率不足)では、摩擦係
数の改善効果がなく、他方比較例4(チタニア結晶の複
合比率過剰)は相手材攻撃性が強く、対面損傷性に劣っ
ている。
【0018】
(基材粉末の製造)精製アナターゼ(TiO2 )粉末
と、炭酸カリウム(K2 CO3 )粉末または炭酸ナトリ
ウム(Na2 CO3 )粉末とを混合し、これに水(粉末
重量の2倍量)を加えてスラリーとし、湿式粉乾燥機
(スプレードライヤー)で処理して造粒粉(平均粒径:
約45μm)とする。造粒粉を、焼成処理(1000℃
×2Hr)に付し、焼成処理後、その生成物を振動ふる
いにかけ、解砕された粉末を得る。表3に、原料粉末の
配合組成(モル比)および製品粉末の結晶構成(モル
比)を示す。製品粉末はいずれも球状粒子からなる(平
均粒径: 約40μm)。
と、炭酸カリウム(K2 CO3 )粉末または炭酸ナトリ
ウム(Na2 CO3 )粉末とを混合し、これに水(粉末
重量の2倍量)を加えてスラリーとし、湿式粉乾燥機
(スプレードライヤー)で処理して造粒粉(平均粒径:
約45μm)とする。造粒粉を、焼成処理(1000℃
×2Hr)に付し、焼成処理後、その生成物を振動ふる
いにかけ、解砕された粉末を得る。表3に、原料粉末の
配合組成(モル比)および製品粉末の結晶構成(モル
比)を示す。製品粉末はいずれも球状粒子からなる(平
均粒径: 約40μm)。
【0019】
【表3】 原料粉末配合 製品粉末の混相構成 参考例A1 TiO 2 / K 2 O =7 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=1 参考例A2 TiO 2 / K 2 O =9 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=3 参考例A3 TiO 2 / K 2 O =12 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=6 参考例A4 TiO 2 / Na2 O =12 TiO 2 / Na2 Ti6 O 13=6 参考例B TiO 2 / K 2 O =6 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=0 参考例C TiO 2 / Na2 O =6 TiO 2 / Na2 Ti6 O 13=0 参考例D TiO 2 / K 2 O =6.05 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=0.05 参考例E TiO 2 / K 2 O =31 TiO 2 / K 2 Ti6 O 13=25
【0020】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、六チタン酸アルカリ
金属複合化合物の球状粒子からなる粉末の配合効果とし
て、改良された摩擦特性を有し、低速度域から高速度域
に亘つて高摩擦係数を安定に維持することができ、自動
車,車両,航空機,各種産業機械類の制動装置を構成す
るブレーキライニング,ディスクパッド,クラッチフェ
ーシング等として有用であり、制動装置の小型化・軽量
化等への対応を可能とし、制動機能の向上・安定化、耐
久性の改善等の効果が得られる。
金属複合化合物の球状粒子からなる粉末の配合効果とし
て、改良された摩擦特性を有し、低速度域から高速度域
に亘つて高摩擦係数を安定に維持することができ、自動
車,車両,航空機,各種産業機械類の制動装置を構成す
るブレーキライニング,ディスクパッド,クラッチフェ
ーシング等として有用であり、制動装置の小型化・軽量
化等への対応を可能とし、制動機能の向上・安定化、耐
久性の改善等の効果が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形
してなる摩擦材において、基材として、チタニア/六チ
タン酸アルカリ金属の量比が、1/10〜20/1(モ
ル比)である、六チタン酸アルカリ金属結晶粒とチタニ
ア結晶粒とが結合した球状粒子からなる粉末が配合され
ていることを特徴とする摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18872695A JPH0931214A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18872695A JPH0931214A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931214A true JPH0931214A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16228710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18872695A Pending JPH0931214A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931214A (ja) |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18872695A patent/JPH0931214A/ja active Pending
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