JP2816906B2 - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、鉄道車輪、航
空機、産業機械類等における制動装置を構成するブレー
キライニング、ディスクパッド、クラッチフェーシング
等の摺動部材として有用な摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記制動装置における代表的な摺動部材
として、従来よりアスベスト繊維を基材繊維とし、これ
を有機系または無機系結合剤に分散させて結着成型した
摩擦材が使用されてきたが、耐熱性等の摩擦特性の向上
に関する自動車業界等の要請、更にはアスベスト繊維に
指摘されている発ガン問題などの環境衛生上の見地か
ら、代替品の開発が強く要請されている。
【0003】その要請に対し、アスベスト繊維に代えて
チタン酸カリウム繊維を基材繊維とする摩擦材が提案さ
れている(特開昭61−191599号公報、特開平1−294553
号公報等)。チタン酸カリウム繊維は、六チタン酸カリ
ウム繊維(K2Ti613)に代表される合成無機繊維であ
る。チタン酸カリウム繊維は耐熱性にすぐれ、フェード
現象の防止・摩擦特性の安定化に有効で、また繊維の硬
さがモース硬度4付近であり相手材攻撃性が小さいこ
と、吸湿性がなく水と反応しないので、ブレーキの異常
効き等の防止に有効である等の好ましい性質を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】チタン酸カリウム繊維
の一般的形状は微細針状繊維(断面径:約0.1 〜1μ
m、長さ:約5〜15μm)であるが、前記特開平1−29
4553号公報では、比較的粗大なフレーク状多結晶繊維
(断面径:5μm以上、長さ:50μm以上)の使用によ
り、摩耗抵抗性や摩擦係数等の改善効果が得られる旨開
示されている。本発明は、チタン酸カリウム繊維を基材
繊維とする摩擦材の摩擦特性を更に改善することを目的
としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、基
材繊維を有機系または無機系結合剤で結着成型してなる
摩擦材において、基材繊維として、断面径5〜10μ
m、アスペクト比3〜7の繊維の占める割合が50重量%
以上であるチタン酸カリウム繊維が3〜50重量%配合さ
れていることを特徴としている。
【0006】本発明に使用されるチタン酸カリウム繊維
には、六チタン酸カリウム(K2Ti613)、四チタン酸
カリウム(K2Ti49 )、八チタン酸カリウム(K2
Ti8 17)が挙げられる。これらの繊維は、いずれか
1種を単独で使用してもよく、また任意の2種以上を複
合使用することもできる。
【0007】チタン酸カリウム繊維のサイズについて、
断面径5〜10μmで、アスペクト比3〜7の繊維の占
める割合を50重量%以上と規定したのは、摩擦特性向上
効果を発現させるためであり、その配合割合を3重量%
以上としたのは、それより少ないと、改善効果が十分に
得られないからであり、50重量%を上限としたのは、そ
れを越えて多量配合することの利益がないからである。
【0008】本発明の摩擦材は基材繊維として、上記チ
タン酸カリウム繊維と共に、他種繊維、例えばアラミド
繊維等の樹脂繊維、スチール繊維、炭素繊維、ガラス繊
維、セラミック繊維、ロックウール、木質パルプ等を摩
擦材の補強等のために複合的に使用することができる。
これらの他種繊維の配合量は、約1〜60重量%の範囲に
おいて適宜決めればよい。これらの各基材繊維は、原料
組成物の調製に先立って、必要に応じ、分散性および結
合剤との接着性の向上等を目的として、シラン系カップ
リング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、メタアクリ
ロキシラン、メルカプトキシラン等)、あるいはチタネ
ート系カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、ジ(ジオクチルパイロホスフェート)
エチレンチタネート等) による表面処理が施される。
【0009】本発明の摩擦材は、上記チタン酸カリウム
繊維、またはこれと他種繊維の混合物を基材繊維として
使用する点を除き、特別の条件や工程の付加を必要とし
ない。すなわち、まず基材繊維を、結合剤中に分散し、
必要に応じ摩擦・摩耗調整剤、あるいは防錆剤、潤滑
剤、研削剤等を適量配合して原料組成物を調製し、つい
で金型成形等により加熱加圧下に結着成型を行い、また
は、原料組成物を、水等に分散懸濁させ、抄き網上に抄
き上げ、搾水して紙状体ないしシート状に抄造したの
ち、加熱加圧下に結着成型し、しかるのち、結着成形物
に適宜機械加工、研磨加工を加えて目的とする摩擦材を
得る。
【0010】上記原料組成物の調製における結合剤の例
として、フェノール樹脂、ホルムアルデビド樹脂、エポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂、またはこれらの変性(カシ
ュー油、乾性変性など)熱硬化性樹脂、天然ゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ニトリルゴム等のゴム系樹脂等が
挙げられる。
【0011】摩擦・摩耗調整剤としては、加硫または末
加硫の天然・合成ゴム粉末、カシュー樹脂粉粒体、レジ
ンダスト、ゴムダスト等の有機物粉末、または天然・人
造黒鉛、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム等の無機質粉末、銅、アルミニウム、亜鉛、鉄等の
金属粉末、アルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化チタ
ン、酸化鉄等の酸化物粉末等が挙げられる。これらは、
製品に要求される摩擦特性、例えば、摩擦係数、耐摩耗
性、振動特性、ナキ等に応じて、単独でまたは二種以上
を組み合わせて配合してよい。
【0012】上記原料組成物におけるそれぞれの添加剤
の配合量は、摩擦材の用途、要求性能等に応じて適宜決
められるが、例えば、結合剤は10〜40重量%、摩擦・摩
耗調整剤は、20〜80重量%、その他の補助剤は0〜60重
量%とすることができる。
【0013】
【実施例】
(1)供試材 チタン酸カリウム繊維(断面径:5〜10μm,アスペ
クト比:5,後記参考例による繊維)を基材繊維とする
下記組成物を、予備成形(加圧力: 300kgf/cm2 ,温
度:常温,時間:1分間)の後、金型による結着形成
(加圧力:150kgf/cm2 ,温度:170 ℃,時間:5分
間)を行い、成形後、熱処理(180 ℃で3時間保持)を
施す。金型から取出したのち、研磨加工を施して供試デ
ィスクパッド(発明例)を得る。これを供試材Aとす
る。 基材繊維 30重量部 結合剤(フェノール樹脂) 20重量部 摩擦調整剤(硫酸バリウム) 50重量部
【0014】比較材として、基材繊維を変えたほかは上
記と同じ組成配合割合および成形条件により下記供試デ
ィスクパッドB〜Dを制作した。 供試材B…アスベスト繊維(6クラス)使用 供試材C…粗大サイズの六チタン酸カリウム繊維(断面
径:20〜50μm,長さ:100〜300μm)使用 供試材D…微細針状六チタン酸カリウム繊維(断面径:
0.2 〜0.5μm,長さ:5〜10μm)使用
【0015】(2)摩擦試験 各供試ディスクパッドA〜Dについて、JIS D4411 「自
動車用ブレーキライニング」の規定に準拠した定速式摩
擦摩耗試験(ディスク摩擦面:FC25ねずみ鋳鉄,面
圧:10kgf /cm2 ,摩擦速度:7m/秒)を行って摩耗
率(cm3 /kgm)および摩擦係数(μ)を測定した。図
1および図2にその測定結果を示す(図1:摩耗率,図
2:摩擦係数)。
【0016】上記試験結果から明らかなように、供試材
A(発明例)は、低温域から高温域に亘り、アスベスト
繊維を基材繊維とする供試材Bに比べて耐摩耗性にすぐ
れている。また摩擦係数も温度変化に対し比較的よく安
定している。微細針状チタン酸カリウム繊維を使用した
供試材Dは高い摩擦係数を有し、かつ温度による変化も
少なく安定性にすぐれているが、温度上昇に伴って摩耗
抵抗性の急速な劣化を生じている。粗大サイズのチタン
酸カリウム繊維を使用した供試材Cは、供試材Aを凌ぐ
安定な摩耗抵抗性を有しているが、摩擦係数の熱的安定
性の点で供試材Aが優位にある。
【0017】参考例(チタン酸カリウム繊維の製造) 天然ルチルサンド(オーストラリア産,純度95.6%)と
工業用炭酸カリウム(純度99.5%)を混合して出発原料
とし、下記工程により六チタン酸カリウム繊維を製造し
た。
【0018】(1)溶融反応 原料粉末混合物(TiO2 /K2 Oのモル比:2.0 )を
白金るつぼに入れ、1100℃×40分間加熱溶融。
【0019】(2)急冷処理 溶融物を金属双ロール(ロール径:80mm,ロール間隔:
0.3mm ,回転速度:100rpm)に流下し、フレーク状凝固
物を得る。
【0020】(3)水洗処理 上記凝固物を150 倍(重量)の水に浸漬しプロペラ攪拌
下に8時間処理することによりK+ イオンの溶出と粉状
化を行う。回収される粉状物はTiO2 /K2 Oのモル
比が約6の水和チタン酸カリウムの多結晶粉体(断面
径:約5〜15μm)。
【0021】(4)焼成処理 粉状物を脱水乾燥後、アルミナるつぼに入れ、炉中で、
900 ℃に3時間保持して六チタン酸カリウム多結晶体繊
維を得る。断面径:5〜10μm,長さ:20〜50μm。
【0022】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、低温から高温の広い
温度域に亘って、すぐれて安定した摩擦効果と耐摩耗性
を有している。従って、自動車、車輌、航空機、各種産
業機械類の制動装置におけるブレーキライニング、クラ
ッチフェーシング、ディスクパッド等として使用するこ
とにより、制動機能の向上・安定化、耐用寿命の改善効
果等が得られる。特に高摩擦係数を必要としないクラッ
チフェーシングには最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】定速摩擦摩耗試験による摩耗率測定結果を示す
グラフである
【図2】定速摩擦摩耗試験による摩擦係数測定結果を示
すグラフである
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−275743(JP,A) 特開 昭63−107848(JP,A) 特開 昭60−206838(JP,A) 特開 平1−294553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 32/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材繊維を有機系または無機系結合剤で
    結着成型してなる摩擦材において、 基材繊維として、断面径5〜10μm、アスペクト比3
    〜7の繊維の占める割合が50重量%以上であるチタン酸
    カリウム繊維が3〜50重量%配合されていることを特徴
    とする摩擦材。
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