JPH0853553A - 摩擦材 - Google Patents
摩擦材Info
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- JPH0853553A JPH0853553A JP19026794A JP19026794A JPH0853553A JP H0853553 A JPH0853553 A JP H0853553A JP 19026794 A JP19026794 A JP 19026794A JP 19026794 A JP19026794 A JP 19026794A JP H0853553 A JPH0853553 A JP H0853553A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車のブレーキ装置等を構成する摩擦材の
摩擦摩耗特性の改良。 【構成】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形して
なる摩擦材において、基材として、チタン酸カルシウム
(CaTiO3 )の粉末または板状多結晶繊維を配合す
る。配合量は3〜50重量%である。公知の他種基材
(ポリアミド繊維,スチール繊維,炭素繊維等)や摩擦
調整剤(硫酸バリウム等)、その他の添加剤(潤滑剤,
防錆剤等)が必要に応じ適量配合される。
摩擦摩耗特性の改良。 【構成】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形して
なる摩擦材において、基材として、チタン酸カルシウム
(CaTiO3 )の粉末または板状多結晶繊維を配合す
る。配合量は3〜50重量%である。公知の他種基材
(ポリアミド繊維,スチール繊維,炭素繊維等)や摩擦
調整剤(硫酸バリウム等)、その他の添加剤(潤滑剤,
防錆剤等)が必要に応じ適量配合される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車,鉄道車両,航
空機,産業機械類等の制動装置におけるブレーキライニ
ング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等の摺動
面を構成する摩擦材に関する。
空機,産業機械類等の制動装置におけるブレーキライニ
ング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等の摺動
面を構成する摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】上記制動装置の摩擦材は、樹脂(フェノ
ール樹脂,エポキシ樹脂等)を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤(硫酸バリウ
ム等)を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、アスベスト繊維を基材とする
摩擦材は、摩擦面の高温化に伴つて摩耗損傷が著しく増
大すると共に、摩擦係数が急激に低下するフェード現象
を生じる欠点があり、またアスベスト繊維には発がん性
の問題も指摘されている。このため、アスベスト代替品
の開発が進められ、アルミナ・シリカ繊維、チタン酸カ
リウム繊維(代表的には六チタン酸カリウム繊維(K2
Ti6 O13))等を基材とする摩擦材の実用化が試みら
れている(例えば、特開昭61−191599号公報,
特開平1−294553号公報等)。
ール樹脂,エポキシ樹脂等)を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤(硫酸バリウ
ム等)を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、アスベスト繊維を基材とする
摩擦材は、摩擦面の高温化に伴つて摩耗損傷が著しく増
大すると共に、摩擦係数が急激に低下するフェード現象
を生じる欠点があり、またアスベスト繊維には発がん性
の問題も指摘されている。このため、アスベスト代替品
の開発が進められ、アルミナ・シリカ繊維、チタン酸カ
リウム繊維(代表的には六チタン酸カリウム繊維(K2
Ti6 O13))等を基材とする摩擦材の実用化が試みら
れている(例えば、特開昭61−191599号公報,
特開平1−294553号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】チタン酸カリウムは高
融点で、硬度もアスベスト繊維に近く(モース硬度約3
〜4)、相手材攻撃性が小さい等の好ましい性質を有す
る合成無機化合物であり、これを基材とする摩擦材は、
アスベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ摩擦摩耗
特性を示す。しかし、高温域(約300℃以上)におけ
る耐フェード特性、摩擦係数は未だ十分なものとはいえ
ない。耐フェード特性等を更に高める目的で、チタン酸
カリウム繊維とアルミナ・シリカ繊維を複合配合するこ
とも提案されているが、アルミナ・シリカ繊維はモース
硬度約7と硬質であるため、複合配合に伴つて相手材攻
撃性が強くなってしまう。また、チタン酸カリウムは、
結晶中のKイオンが溶出することによるアルカリ・アタ
ック(結着剤である樹脂と反応し、樹脂を分解変質させ
る現象)の問題がある。そこで、本発明は、従来の摩擦
材に付随する問題を解消し、高温域における摩擦摩耗特
性を安定に維持し得る、耐フェード特性に優れた摩擦材
を提供しようとするものである。
融点で、硬度もアスベスト繊維に近く(モース硬度約3
〜4)、相手材攻撃性が小さい等の好ましい性質を有す
る合成無機化合物であり、これを基材とする摩擦材は、
アスベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ摩擦摩耗
特性を示す。しかし、高温域(約300℃以上)におけ
る耐フェード特性、摩擦係数は未だ十分なものとはいえ
ない。耐フェード特性等を更に高める目的で、チタン酸
カリウム繊維とアルミナ・シリカ繊維を複合配合するこ
とも提案されているが、アルミナ・シリカ繊維はモース
硬度約7と硬質であるため、複合配合に伴つて相手材攻
撃性が強くなってしまう。また、チタン酸カリウムは、
結晶中のKイオンが溶出することによるアルカリ・アタ
ック(結着剤である樹脂と反応し、樹脂を分解変質させ
る現象)の問題がある。そこで、本発明は、従来の摩擦
材に付随する問題を解消し、高温域における摩擦摩耗特
性を安定に維持し得る、耐フェード特性に優れた摩擦材
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦材は、樹脂
中に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材に
おいて、基材として、チタン酸カルシウム(CaTiO
3 )の粉末または板状多結晶繊維が3〜50重量%配合
されていることを特徴としている。
中に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材に
おいて、基材として、チタン酸カルシウム(CaTiO
3 )の粉末または板状多結晶繊維が3〜50重量%配合
されていることを特徴としている。
【0005】
【作用】チタン酸カルシウム(CaTiO3 )は、ペロ
ブスカイトと称される高融点(約1970℃以上)およ
び高硬度(モース硬度約5.5)を有する結晶であり、
その粉末または板状多結晶繊維を基材とする本発明の摩
擦材は、高温域において高い摩擦係数と耐摩耗性を有す
る。その摩擦係数は高温になる程高くなる傾向を示す。
また、基材にアルミナ・シリカ繊維等を使用した場合の
ような相手材攻撃性はなく、かつ基材はKイオンを含ま
ないので、チタン酸カリウム繊維の場合のようなアルカ
リ・アタックの懸念もない。本発明の摩擦材の摩擦係数
が、高温になる程高くなる原因は未だ明らかではない
が、チタン酸カルシウム特有の性質によるものと考えら
れる。また、基材であるチタン酸カルシウムとして、粉
末(粒状物)を使用した摩擦材と、板状多結晶繊維を使
用した摩擦材の摩擦摩耗特性を対比すると、前者は高摩
擦係数を有する点で後者を凌ぎ、後者は耐摩耗性の点に
おいて前者にまさる特性を示す。
ブスカイトと称される高融点(約1970℃以上)およ
び高硬度(モース硬度約5.5)を有する結晶であり、
その粉末または板状多結晶繊維を基材とする本発明の摩
擦材は、高温域において高い摩擦係数と耐摩耗性を有す
る。その摩擦係数は高温になる程高くなる傾向を示す。
また、基材にアルミナ・シリカ繊維等を使用した場合の
ような相手材攻撃性はなく、かつ基材はKイオンを含ま
ないので、チタン酸カリウム繊維の場合のようなアルカ
リ・アタックの懸念もない。本発明の摩擦材の摩擦係数
が、高温になる程高くなる原因は未だ明らかではない
が、チタン酸カルシウム特有の性質によるものと考えら
れる。また、基材であるチタン酸カルシウムとして、粉
末(粒状物)を使用した摩擦材と、板状多結晶繊維を使
用した摩擦材の摩擦摩耗特性を対比すると、前者は高摩
擦係数を有する点で後者を凌ぎ、後者は耐摩耗性の点に
おいて前者にまさる特性を示す。
【0006】本発明における基材であるチタン酸カルシ
ウムの配合割合を3〜50重量%に限定したのは、3重
量%より少ないと、その配合効果が不足し、他方50重
量%をを越えると、摩擦・摩耗特性の改善効果は飽和
し、それ以上に増量する利益がないからである。チタン
酸カルシウムは粉末または板状多結晶繊維として配合さ
れる。粉末を使用する場合、粉末粒径が微細に過ぎる
と、樹脂中への均一分散混合が困難となり好ましくな
い。分散混合の均一性を確保すると共に、補強効果とし
て摩擦摩耗特性の改善効果を十分に発現させるために、
粒径約1〜20μmの範囲のものが適当である。他方、
板状多結晶繊維を使用する場合においても、繊維サイズ
が微細に過ぎると、補強効果が十分に発現されず、逆に
粗大に過ぎると、原料調製における混合過程で繊維の破
損を生じ、板状多結晶繊維形態の特質が損なわれる。か
かる観点から、多結晶板状繊維は、長さ約50〜200
μm、幅約10〜50μm,厚さ約5〜10μm,アス
ペクト比(長さ/幅)約3〜7のものが好適に使用され
る。
ウムの配合割合を3〜50重量%に限定したのは、3重
量%より少ないと、その配合効果が不足し、他方50重
量%をを越えると、摩擦・摩耗特性の改善効果は飽和
し、それ以上に増量する利益がないからである。チタン
酸カルシウムは粉末または板状多結晶繊維として配合さ
れる。粉末を使用する場合、粉末粒径が微細に過ぎる
と、樹脂中への均一分散混合が困難となり好ましくな
い。分散混合の均一性を確保すると共に、補強効果とし
て摩擦摩耗特性の改善効果を十分に発現させるために、
粒径約1〜20μmの範囲のものが適当である。他方、
板状多結晶繊維を使用する場合においても、繊維サイズ
が微細に過ぎると、補強効果が十分に発現されず、逆に
粗大に過ぎると、原料調製における混合過程で繊維の破
損を生じ、板状多結晶繊維形態の特質が損なわれる。か
かる観点から、多結晶板状繊維は、長さ約50〜200
μm、幅約10〜50μm,厚さ約5〜10μm,アス
ペクト比(長さ/幅)約3〜7のものが好適に使用され
る。
【0007】本発明の摩擦材は、基材として、上記チタ
ン酸カルシウムと共に、公知の他材種のものを複合的に
配合することもできる。例えばポリアミド(ナイロン)
繊維,アラミド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,
銅繊維,黄銅繊維,炭素繊維,ガラス繊維,アルミナ・
シリカ繊維,ロックウール,木質パルプ等が挙げられ
る。これらはその1種〜2種以上が任意に選択され、配
合量は特に限定されないが、チタン酸カルシウムとの合
計量で約10〜65重量%となる範囲で配合してよい。
基材は必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性の向
上等を目的として、シラン系カップリング剤(アミノシ
ラン,ビニルシラン,エポキシシラン,メタアクリロキ
シラン,メルカプトキシラン等)、またはチタネート系
カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート,ジ(ジオクチルパイロホスフェート)エチレ
ンチタネート等)による表面処理(カップリング処理)
が常法に従って施されて使用される。
ン酸カルシウムと共に、公知の他材種のものを複合的に
配合することもできる。例えばポリアミド(ナイロン)
繊維,アラミド繊維,スチール繊維,ステンレス繊維,
銅繊維,黄銅繊維,炭素繊維,ガラス繊維,アルミナ・
シリカ繊維,ロックウール,木質パルプ等が挙げられ
る。これらはその1種〜2種以上が任意に選択され、配
合量は特に限定されないが、チタン酸カルシウムとの合
計量で約10〜65重量%となる範囲で配合してよい。
基材は必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性の向
上等を目的として、シラン系カップリング剤(アミノシ
ラン,ビニルシラン,エポキシシラン,メタアクリロキ
シラン,メルカプトキシラン等)、またはチタネート系
カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート,ジ(ジオクチルパイロホスフェート)エチレ
ンチタネート等)による表面処理(カップリング処理)
が常法に従って施されて使用される。
【0008】本発明の摩擦材は、所望により、公知の摩
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,三硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(例えば20〜70重量%)配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合(例えば
50重量%以下)されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末,カシュー樹脂粉粒体,レジンダスト,ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛,二硫化モリブ
デン,三硫化アンチモン,硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅,アルミニウム,亜鉛,鉄等の金
属粉末、アルミナ,シリカ,酸化クロム,酸化銅,三酸
化アンチモン,酸化チタン,酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる1種ないし2種以上の成分が、摩擦摩耗特性
(摩擦係数,摩耗抵抗性,振動特性,ナキ等)の改善を
目的として適量(例えば20〜70重量%)配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合(例えば
50重量%以下)されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
【0009】結合剤である樹脂成分は、通常使用される
材種、例えばフェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂,
エポキシ樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性等)熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム,ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
材種、例えばフェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂,
エポキシ樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性(カシュー油変性,乾性変性等)熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム,ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
【0010】本発明の摩擦材を製造するための原料混合
物の調製は、基材としてチタン酸カルシウムの粉末また
は板状多結晶繊維が使用される点を除いて、従来一般の
摩擦材と異ならず、またその製造工程にも特別の条件な
いし制限は課せられない。すなわち、基材を結合剤樹脂
中に分散し、必要に応じて配合される摩擦摩耗調整剤、
および防錆剤,潤滑剤,研削剤等を添加し、均一に混合
して原料組成物を調製し、予備成形についで金型成形等
により、加熱・加圧下(加圧力約10〜40MPa,温
度約150〜200℃)に結着成形を行い、型から取り
出した後、所望により加熱炉内で熱処理(温度約150
〜200℃,保持時間約1〜12Hr)を施し、しかる
後その成形体に機械加工、研磨加工を加えて所定の形状
を有する摩擦材に仕上げる。別法として、原料組成物
を、水等に分散懸濁させ、抄き網で抄きあげ、搾水して
シートを抄造し、その適当枚数を重ね、加熱・加圧下に
結着成形する工程を経由し、その成形体を機械加工,研
磨加工して所定の摩擦材を得ることもできる。
物の調製は、基材としてチタン酸カルシウムの粉末また
は板状多結晶繊維が使用される点を除いて、従来一般の
摩擦材と異ならず、またその製造工程にも特別の条件な
いし制限は課せられない。すなわち、基材を結合剤樹脂
中に分散し、必要に応じて配合される摩擦摩耗調整剤、
および防錆剤,潤滑剤,研削剤等を添加し、均一に混合
して原料組成物を調製し、予備成形についで金型成形等
により、加熱・加圧下(加圧力約10〜40MPa,温
度約150〜200℃)に結着成形を行い、型から取り
出した後、所望により加熱炉内で熱処理(温度約150
〜200℃,保持時間約1〜12Hr)を施し、しかる
後その成形体に機械加工、研磨加工を加えて所定の形状
を有する摩擦材に仕上げる。別法として、原料組成物
を、水等に分散懸濁させ、抄き網で抄きあげ、搾水して
シートを抄造し、その適当枚数を重ね、加熱・加圧下に
結着成形する工程を経由し、その成形体を機械加工,研
磨加工して所定の摩擦材を得ることもできる。
【0011】
〔実施例1〕 (原料組成物の調製) 基材:チタン酸カルシウム板状多結晶繊維(後記参考例
1による) 長さ200 μm,幅50μm,厚さ10μm,アスペクト比4,
(平均) 配合割合: 基 材 …30重量%
. 結合剤樹脂(フェノール樹脂) …20重量% 摩擦調整剤(硫酸バリウム) …50重量% (摩擦材の成形)上記原料組成物を予備成形(加圧力:
14.7MPa=150Kg /cm 2 ,温度:常温,時間:1 分
間)の後、金型による結着成形(加圧力:14.7MPa=
150Kg/cm 2,温度:170 ℃, 加圧保持時間:5 分間)を
行い、成形後、離型して乾燥炉で熱処理(180 ℃に3 時
間保持) を施す。その後、所定寸法に切断し、研磨加工
を加えて供試摩擦材( ディスクパッド) を得る。この摩
擦材をA1とする。
1による) 長さ200 μm,幅50μm,厚さ10μm,アスペクト比4,
(平均) 配合割合: 基 材 …30重量%
. 結合剤樹脂(フェノール樹脂) …20重量% 摩擦調整剤(硫酸バリウム) …50重量% (摩擦材の成形)上記原料組成物を予備成形(加圧力:
14.7MPa=150Kg /cm 2 ,温度:常温,時間:1 分
間)の後、金型による結着成形(加圧力:14.7MPa=
150Kg/cm 2,温度:170 ℃, 加圧保持時間:5 分間)を
行い、成形後、離型して乾燥炉で熱処理(180 ℃に3 時
間保持) を施す。その後、所定寸法に切断し、研磨加工
を加えて供試摩擦材( ディスクパッド) を得る。この摩
擦材をA1とする。
【0012】〔実施例2〕 基材:チタン酸カルシウム粉末(後記参考例2による) 粒径約10μm(平均) 上記基材を使用した点を除いて前記実施例1と同一の製
造条件により供試摩擦材を得る。この摩擦材をA2とす
る。
造条件により供試摩擦材を得る。この摩擦材をA2とす
る。
【0013】〔比較例1〕 基材:アスベスト繊維(6クラス) 上記基材を使用した点を除いて前記実施例1と同一の製
造条件により供試摩擦材を得る。この摩擦材をBとす
る。
造条件により供試摩擦材を得る。この摩擦材をBとす
る。
【0014】〔比較例2〕 基材:六チタン酸カリウム(K2 Ti6 O13)多結晶繊
維 長さ150μm,幅30μm,アスペクト比5 ,(平
均) 上記基材を使用した点を除いて前記実施例1と同一の製
造条件による供試摩擦材を得る。この摩擦材をCとす
る。
維 長さ150μm,幅30μm,アスペクト比5 ,(平
均) 上記基材を使用した点を除いて前記実施例1と同一の製
造条件による供試摩擦材を得る。この摩擦材をCとす
る。
【0015】〔摩擦摩耗試験〕上記発明例の摩擦材A1
(実施例1),A2(実施例2),摩擦材B(比較例
1)、および摩擦材C(比較例2)のそれぞれについ
て、JIS D4411 「自動車用ブレーキライニング」に規定
の定速度摩擦摩耗試験により、摩擦係数および摩耗率
(cm3 /N・m)を測定し、図1および図2に示す結
果を得た〔図1:摩擦係数,図2:摩耗率〕。 ディスク摩擦面:FC25ねずみ鋳鉄、 面圧:10Kg/cm 2 、 摩擦速度:7m/s。
(実施例1),A2(実施例2),摩擦材B(比較例
1)、および摩擦材C(比較例2)のそれぞれについ
て、JIS D4411 「自動車用ブレーキライニング」に規定
の定速度摩擦摩耗試験により、摩擦係数および摩耗率
(cm3 /N・m)を測定し、図1および図2に示す結
果を得た〔図1:摩擦係数,図2:摩耗率〕。 ディスク摩擦面:FC25ねずみ鋳鉄、 面圧:10Kg/cm 2 、 摩擦速度:7m/s。
【0016】図1(摩擦係数)および図2(比摩耗率)
に示したように、摩擦材B(基材繊維:アスベスト繊
維)は、低温域および高温域での摩擦係数が低く、特に
300℃を越える高温域での低下が顕著であり、耐摩耗
性も、高温化に伴なって急激に低下している。摩擦材C
(基材繊維:六チタン酸カリウム多結晶繊維)は、上記
摩擦材Bに比べ、高温度域における摩耗損傷は軽微で、
高温化に伴う摩擦係数の低下も少ないが、高温域におけ
る耐フェード特性,耐摩耗性は十分でない。これに対
し、発明例の摩擦材A1(実施例1)およびA2(実施
例2)は、高温域においても、高摩擦係数を失わず、む
しろその摩擦係数は高温になるにつれ高くなり、また耐
摩耗性も、低温域はむろん、300℃を越える高温域で
も極めて軽微であり、その摩擦・摩耗特性の改善効果は
歴然である。
に示したように、摩擦材B(基材繊維:アスベスト繊
維)は、低温域および高温域での摩擦係数が低く、特に
300℃を越える高温域での低下が顕著であり、耐摩耗
性も、高温化に伴なって急激に低下している。摩擦材C
(基材繊維:六チタン酸カリウム多結晶繊維)は、上記
摩擦材Bに比べ、高温度域における摩耗損傷は軽微で、
高温化に伴う摩擦係数の低下も少ないが、高温域におけ
る耐フェード特性,耐摩耗性は十分でない。これに対
し、発明例の摩擦材A1(実施例1)およびA2(実施
例2)は、高温域においても、高摩擦係数を失わず、む
しろその摩擦係数は高温になるにつれ高くなり、また耐
摩耗性も、低温域はむろん、300℃を越える高温域で
も極めて軽微であり、その摩擦・摩耗特性の改善効果は
歴然である。
【0017】〔参考例1〕(チタン酸カルシウム多結晶
板状繊維の製造) (1)原料調製:精製アナターゼ粉末(TiO2 )と工業
用炭酸カリウム粉末(K2 CO)を、TiO2 / K2 O
のモル比が約2となる割合に混合。 (2)加熱溶融および溶融生成物の冷却凝固:上記原料を
白金るつぼに入れ、温度1100℃で40分間加熱溶融。溶融
生成物を冷却して塊状物(繊維状二チタン酸カリウム結
晶〔K2 Ti2 O5 〕を含む)を得る。 (3)脱カリウム・解繊処理:塊状物を50倍(重量比) の
水に一夜浸漬した後、工業用硫酸(62.5 %) を、塊状物
と同量添加し、プロベラ攪拌下、Kの全量を溶出すると
共に繊維を分離(解繊)し、水和チタン酸の多結晶繊維
を得る。 (4)カルシウム化合物との反応:上記水和チタン酸の多
結晶繊維の粉末に、炭酸カルシウム(CaCO3 )、お
よびフラックスとして塩化ナトリウム(NaCl)と塩
化カリウム(KCl)を配合し、水中に分散して攪拌混
合の後、脱水乾燥する。 水和チタン酸粉末 …70g 炭酸カルシウム …131.55g フラックス(塩化ナトリウム) …20.23g (塩化カリウム) …51.62g (5)焼成処理:上記混合物を温度を800 ℃で、1時間加
熱保持。 (6)焼成物の洗浄処理:焼成物の50倍(重量比)の水に
塩酸を添加した酸性水溶液〔pH 3,液温 60 ℃〕に焼成
物を投入して攪拌し、未反応の炭酸カルシウム、および
フラックス成分を除去。繊維を液中から回収し、脱水乾
燥して下記の繊維を得る。 繊維組成:CaTiO3 (ペロブスカイト)〔X線回
折〕 繊維サイズ(平均):長さ200 μm、幅50μm、厚さ10
μm、アスペクト比(長さ/幅)4〔走査型電子顕微
鏡〕。
板状繊維の製造) (1)原料調製:精製アナターゼ粉末(TiO2 )と工業
用炭酸カリウム粉末(K2 CO)を、TiO2 / K2 O
のモル比が約2となる割合に混合。 (2)加熱溶融および溶融生成物の冷却凝固:上記原料を
白金るつぼに入れ、温度1100℃で40分間加熱溶融。溶融
生成物を冷却して塊状物(繊維状二チタン酸カリウム結
晶〔K2 Ti2 O5 〕を含む)を得る。 (3)脱カリウム・解繊処理:塊状物を50倍(重量比) の
水に一夜浸漬した後、工業用硫酸(62.5 %) を、塊状物
と同量添加し、プロベラ攪拌下、Kの全量を溶出すると
共に繊維を分離(解繊)し、水和チタン酸の多結晶繊維
を得る。 (4)カルシウム化合物との反応:上記水和チタン酸の多
結晶繊維の粉末に、炭酸カルシウム(CaCO3 )、お
よびフラックスとして塩化ナトリウム(NaCl)と塩
化カリウム(KCl)を配合し、水中に分散して攪拌混
合の後、脱水乾燥する。 水和チタン酸粉末 …70g 炭酸カルシウム …131.55g フラックス(塩化ナトリウム) …20.23g (塩化カリウム) …51.62g (5)焼成処理:上記混合物を温度を800 ℃で、1時間加
熱保持。 (6)焼成物の洗浄処理:焼成物の50倍(重量比)の水に
塩酸を添加した酸性水溶液〔pH 3,液温 60 ℃〕に焼成
物を投入して攪拌し、未反応の炭酸カルシウム、および
フラックス成分を除去。繊維を液中から回収し、脱水乾
燥して下記の繊維を得る。 繊維組成:CaTiO3 (ペロブスカイト)〔X線回
折〕 繊維サイズ(平均):長さ200 μm、幅50μm、厚さ10
μm、アスペクト比(長さ/幅)4〔走査型電子顕微
鏡〕。
【0018】〔参考例2〕(チタン酸カルシウム粉末の
製造) (1)原料調製 精製アナターゼ粉末と炭酸カルシウム粉末とを、TiO
2 /CaOのモル比が1.0 となる割合に配合し、ミキサ
ーで乾式混合した後、プレス成形(加圧力5.1MPa)
する。 (2)焼成処理 前記焼成体を、温度1450℃で3Hrを要して焼成処理
する。 (3)焼成物の粉砕処理 焼成物をハンマで粉砕後、水を加え家庭用ミキサで湿式
粉砕処理を行い、脱水乾燥して下記の粉末を得る。 粉末組成:CaTiO3 (ペロブスカイト)〔X線回
折〕 粉末粒径(平均):10μm〔走査型電子顕微鏡〕。
製造) (1)原料調製 精製アナターゼ粉末と炭酸カルシウム粉末とを、TiO
2 /CaOのモル比が1.0 となる割合に配合し、ミキサ
ーで乾式混合した後、プレス成形(加圧力5.1MPa)
する。 (2)焼成処理 前記焼成体を、温度1450℃で3Hrを要して焼成処理
する。 (3)焼成物の粉砕処理 焼成物をハンマで粉砕後、水を加え家庭用ミキサで湿式
粉砕処理を行い、脱水乾燥して下記の粉末を得る。 粉末組成:CaTiO3 (ペロブスカイト)〔X線回
折〕 粉末粒径(平均):10μm〔走査型電子顕微鏡〕。
【0019】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、改良された摩擦係数
と耐摩耗性とを有し、高温域においても優れた耐フェー
ド特性,耐摩耗性を示す。従って、自動車,車両,航空
機,各種産業機械類の制動装置を構成するブレーキライ
ニング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等とし
て有用であり、制動装置の小型化・軽量化等への対応を
可能とし、制動機能の向上・安定化、耐久性の改善等の
効果が得られる。
と耐摩耗性とを有し、高温域においても優れた耐フェー
ド特性,耐摩耗性を示す。従って、自動車,車両,航空
機,各種産業機械類の制動装置を構成するブレーキライ
ニング,ディスクパッド,クラッチフェーシング等とし
て有用であり、制動装置の小型化・軽量化等への対応を
可能とし、制動機能の向上・安定化、耐久性の改善等の
効果が得られる。
【図1】摩擦摩耗試験による摩擦係数の測定結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図2】摩擦摩耗試験による摩耗率の測定結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
A1:発明例(基材:チタン酸カルシウム板状多結晶繊
維)、 A2:発明例(基材:チタン酸カルシウム粉末)、 B :比較例(基材:アスベスト繊維,6クラス)。 C :比較例(基材:六チタン酸カリウム多結晶繊
維)、
維)、 A2:発明例(基材:チタン酸カルシウム粉末)、 B :比較例(基材:アスベスト繊維,6クラス)。 C :比較例(基材:六チタン酸カリウム多結晶繊
維)、
Claims (1)
- 【請求項1】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形
してなる摩擦材において、基材として、チタン酸カルシ
ウム(CaTiO3 )の粉末または板状多結晶繊維が3
〜50重量%配合されていることを特徴とする摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19026794A JPH0853553A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19026794A JPH0853553A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0853553A true JPH0853553A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16255310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19026794A Pending JPH0853553A (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0853553A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5962551A (en) * | 1997-01-31 | 1999-10-05 | Kubota Corporation | Powder of titanium compounds |
JP2002104876A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-10 | Otsuka Chem Co Ltd | 導電性板状チタニア及び導電性組成物 |
JP2007113642A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Advics:Kk | 摩擦対および摩擦材 |
EP2607335A1 (en) * | 2010-08-17 | 2013-06-26 | Nanjing Taiwei Technology Co., Ltd. | Copper-free ceramic friction material and preparation method thereof |
-
1994
- 1994-08-12 JP JP19026794A patent/JPH0853553A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5962551A (en) * | 1997-01-31 | 1999-10-05 | Kubota Corporation | Powder of titanium compounds |
JP2002104876A (ja) * | 2000-09-27 | 2002-04-10 | Otsuka Chem Co Ltd | 導電性板状チタニア及び導電性組成物 |
JP4672125B2 (ja) * | 2000-09-27 | 2011-04-20 | 大塚化学株式会社 | 導電性板状チタニア及び導電性組成物 |
JP2007113642A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Advics:Kk | 摩擦対および摩擦材 |
EP2607335A1 (en) * | 2010-08-17 | 2013-06-26 | Nanjing Taiwei Technology Co., Ltd. | Copper-free ceramic friction material and preparation method thereof |
EP2607335A4 (en) * | 2010-08-17 | 2014-03-05 | Nanjing Taiwei Technology Co Ltd | COPPER-FREE CERAMIC FRICTION MATERIAL AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
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