JPH09312145A - 電子管 - Google Patents

電子管

Info

Publication number
JPH09312145A
JPH09312145A JP12872396A JP12872396A JPH09312145A JP H09312145 A JPH09312145 A JP H09312145A JP 12872396 A JP12872396 A JP 12872396A JP 12872396 A JP12872396 A JP 12872396A JP H09312145 A JPH09312145 A JP H09312145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor element
opening
electron
anode electrode
photocathode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12872396A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohiro Suyama
本比呂 須山
Suenori Kimura
末則 木村
Tetsuya Saito
哲哉 斉藤
Tetsuya Morita
哲家 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP12872396A priority Critical patent/JPH09312145A/ja
Priority to US08/847,259 priority patent/US5874728A/en
Priority to DE69729820T priority patent/DE69729820T2/de
Priority to EP97303049A priority patent/EP0805477B1/en
Publication of JPH09312145A publication Critical patent/JPH09312145A/ja
Priority to US09/192,516 priority patent/US6297489B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、長期に亙って安定した動作を可能
にする電子管を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明による電子管において、アノード
電極60の開口部61の開口面積は、半導体素子40の
電子入射面44aの入射面積より小さく形成され、半導
体素子40は、導電型がp型の電子入射面44aと導電
型がn型の基板41とを有すると共に、n型の基板41
を電気的にステム31に接続し、アノード電極60とス
テム31とを同電位にし、半導体素子40に逆バイアス
を印加する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微弱な光を定量的
に計測するための光検出器として利用され、特に、光電
面より放出された電子を増倍して出力する半導体素子を
もった電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光の入射によって光電面より放出
された電子を、電子レンズで加速・収束した後、半導体
素子に入射して高いゲインを得る電子管が知られてい
る。この電子管は、例えば、特開平5−54849号公
報、特開平6−318447号公報、特開平7−320
681号公報、US5475227号公報などに開示さ
れている。特に、US5475227号公報には、半導
体素子に入射する電子によって半導体素子の電子入射面
に吸着したガス分子がイオンとなり、これが光電面に向
けて加速されてフィードバックし、光電面を著しく劣化
させる現象に対して、これを防止するための構造が開示
されている。具体的には、半導体素子の直前に半円筒状
のイオン偏向電極を配置し、半導体素子の電子入射面上
で発生したイオンの軌道を曲げて、イオンが光電面には
戻らない構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
US5475227号公報に開示された発明において、
半導体素子から発生したイオンは、その軌道が曲げられ
ることで光電面にフィードバックしないので、光電面の
劣化は防げるものの、曲げられたイオンが絶縁性の側壁
に衝突して安定な動作が得られないという問題があっ
た。その理由として、イオンの衡突によって絶縁性の側
壁から二次電子が放出して側壁が正に帯電し、光電面か
ら半導体素子に向かう電子の軌道に影響を与えるからで
ある。特に、従来例の構成では、側壁の特定部位だけが
イオンの衝突によって帯電するので、電子レンズは著し
く非対称になり、電子の軌道は大きく曲げられる。ま
た、イオンの衝突によって発生した二次電子が、半導体
素子に入射して疑似信号を発生したり、迷走して新たな
不安定さを生じさせる問題があった。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、長期に亙って安定した動作を可能
にする電子管を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による電子管は、
第1の開口と第1の開口と反対側に位置する第2の開口
とを有すると共に絶縁性材料からなるケースと、ケース
の第1の開口側に設けられて、入射された光に対応して
電子を放出する光電面をもった入力面板と、ケースの第
2の開口側に設けられて導電性材料からなるステムと、
ステムの真空側に位置して、光電面より放出した電子が
照射される電子入射面を有する半導体素子と、半導体素
子と光電面との間で半導体素子の近くに位置して、半導
体素子に対峙させた開口部をもったアノード電極とを備
えた電子管において、アノード電極の開口部の開口面積
は、半導体素子の電子入射面の入射面積より小さく形成
され、半導体素子は、導電型がp型の電子入射面と導電
型がn型の基板とを有すると共に、n型の基板を電気的
にステムに接続し、アノード電極とステムとを同電位に
し、半導体素子に逆バイアスを印加することを特徴とす
る。
【0006】この電子管においては、外部から入力面板
に入射した光は光電面によって電子に変換され、アノー
ド電極の開口部を通過した後、半導体素子の電子入射面
に達する。このとき、電子入射面では正イオンが発生す
る。そして、半導体素子の電子入射面に対してアノード
電極は正電位となり、電子入射面で発生した正イオンに
とって逆バイアスになるので、発生した正イオンは、ア
ノード電極の開口部を通って、光電面やケースに戻るこ
とができない。
【0007】この場合、アノード電極において、アノー
ド電極の開口部と同心的に配置した円筒状のコリメータ
ー部を光電面に向けて突設させると好ましい。半導体素
子(例えばAPD)を利用するにあたって、コリメータ
ー部をアノード電極に設けることで、光電面からアノー
ド電極の開口部を越えて半導体素子に向かう電界の侵入
を最小限に抑えることができ、イオンフィードバックを
極めて効果的に抑制することができる。
【0008】また、アノード電極の開口部内に導電性の
メッシュ電極を配置すると好ましい。半導体素子(例え
ばPD)を利用するにあたって、メッシュ電極をアノー
ド電極に設けることで、光電面からアノード電極の開口
部を越えて半導体素子に向かう電界の侵入を最小限に抑
えることができ、イオンフィードバックを極めて効果的
に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による電
子管の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0010】図1は、本発明に係る電子管の第1実施形
態を示す断面図である。同図に示すように、電子管1
は、絶縁性材料からなる円筒状のケース10を有し、こ
のケース10は、内径及び外形が共に等しく互いに突き
合わせて固定させた中空円筒状のコバール製カソード電
極11及びセラミック部12と、両者に対して同心円形
状を有すると共にセラミック部12に固定された溶接フ
ランジ部13とからなっている。そして、カソード電極
11とセラミック部12と溶接フランジ部13とは、ろ
う付けにより一体化が図られている。なお、後述する電
子レンズを考慮すると、ケース10が、外径15mm、
内径12mm、全長13mmの寸法を有するとき、カソ
ード電極11の長さは5mmが好適である。
【0011】ケース10のカソード電極11には、光を
透過させるガラス製の入力面板21が固設され、この入
力面板21は、内側に光電面22を有すると共に、ケー
ス10の一側に形成された第1の開口14側に配置され
ている。そして、この入力面板21は、光電面22を作
製後、インジューム23を介してカソード電極11に一
体化されている。光電面22の周辺部分には、光電面2
2とインジューム23とを電気的に接続するように、ク
ロムの薄膜よりなる光電面電極25が配置されている。
そして、光電面電極25の内径8mmが光電面22の有
効径を規定している。また、インジューム23は、中空
円筒状の支持体24の内側面で突出するように形成され
ている。そして、カソード電極11の上にインジューム
23、入力面板21の順に配置し、カソード電極11と
入力面板21とを互いに押し付けることにより、インジ
ューム23が変形して接着剤として機能し、入力面板2
1はケース10と一体化される。
【0012】ケース10の溶接フランジ部13には、導
電性材料(例えばコバール金属)よりなる円盤状のステ
ム31が固設され、このステム31は、ケース10の他
側に形成された第2の開口15側に配置されている。こ
のステム31にはガラス34で絶縁された貫通ピン32
が固定され、ステム31は、その周辺部分で溶接フラン
ジ部13に抵抗溶接され、ケース10と一体化されてい
る。従って、電子管1は、ケース10と入力面板21と
ステム31とで一体化され、真空気密を保持している。
【0013】図2に示すように、ステム31における真
空側の面上には、APD(アバランシェ・フォトダイオ
ード)として動作する半導体素子40が導電性の接着剤
50を介して固着されている。半導体素子40は、n型
の高濃度シリコン基板41を基板材料とし、中央部分に
は円板状でp型のキャリア増倍層42が形成されてい
る。このキャリア増倍層42の外周には、キャリア増倍
層42と同じ厚さで高濃度n型層よりなるガードリング
層43が形成されている。キャリア増倍層42の表面に
は、高濃度p型層よりなる降伏電圧制御層44が形成さ
れている。この降伏電圧制御層44の表面は電子入射面
44aとして形成され、降伏電圧制御層44の周辺部分
とガードリング層43とを架け渡すように、酸化膜45
及び窯化膜46が形成されている。降伏電圧制御層44
にアノード電位を供給するために、半導体素子40の最
外面には、円環状にアルミを蒸着して形成された入射面
電極47が設けられている。更に、半導体素子40の最
外面には、ガードリング層43と導通する周辺電極48
が設けられ、この周辺電極48は、入射面電極47に対
して所定の間隔をもって離間させられている。なお、電
子入射面44aの直径は入射面電極47の内方で3mm
が好適である。
【0014】この半導体素子40の高濃度n型シリコン
基板41は導電性接着剤50を介してステム31に固着
され、この導電性接着剤50を利用することで、ステム
31と高濃度n型基板41とは電気的に導通する。ま
た、半導体素子40の入射面電極47は、ステム31と
絶縁させた貫通ピン32に対してワイヤー33により接
続されている。
【0015】図1及び図2に示すように、半導体素子4
0と光電面22との間には板状のアノード電極60が配
置され、このアノード電極60は溶接フランジ部13に
固定されると共に、半導体素子40に近い側に位置して
いる。なお、アノード電極60と半導体素子40との間
隔は1mmが好適である。このアノード電極60の中央
には、半導体素子40の電子入射面44aに対峙させた
開口部61が形成され、アノード電極60には、開口部
61を包囲するように突出した円筒状のコリメーター部
(コリメーター電極)62が一体に形成され、このコリ
メーター部62は、光電面22に向けて突出すると共
に、開口部61に対して同心的に配置されている。ま
た、この開口部61の直径は2mmであり、コリメータ
ー部62の内径は2mmで高さは1mmである。
【0016】ここで、アノード電極60の開口部61の
直径(2mm)を電子入射面44aの直径(3mm)よ
り小さくしたのは、半導体素子40の不要な部分、つま
り電子入射面44aの周辺部分に電子が入射して、酸化
膜45や窒化膜46を帯電させたり、pn接合界面や半
導体(44)と金属電極(47)の接触面にダメージを
与えて、素子特性を劣化させたりするのを防止するため
である。また、アノード電極60にコリメーター部62
を追加するのは、光電面22から開口部61を越えて半
導体素子40に向かう電界の進入を最小限に抑え、後述
するイオンフィードバックを抑制する効果を向上させる
ためである。さらに、コリメーター部62は、光電面2
2の周辺部分より放出して半導体素子40に斜めに入射
しようとする電子の方向を垂直方向に戻す働きがある。
電子が半導体素子40に斜めに入射すると、半導体素子
40のデッド層(降伏電圧制御層44の上層部分)をよ
り長い行程で横切るようになるため、入射電子が空乏層
まで到達する割合が減少し、増倍ゲインは小さくなる。
そこで、コリメーター部62を追加して電子の軌道を修
正することで、増倍ゲインの電子放出位置に依存するば
らつきが抑制される。なお、アノード電極60は、厚さ
0.3mmのステンレス板をプレスして形成する。ま
た、アノード電極60は、溶接フランジ部13と一体で
形成しても良い。
【0017】次に、前述した構成の電子管1の組立てに
ついて説明する。先ず、ステム31に半導体素子40を
ダイボンドし、続いて、ワイヤー33にて入射面電極4
7と貫通ピン32を結線する。一方、ケース10の溶接
フランジ部13には、アノード電極60を抵抗溶接にて
固着し、溶接フランジ部13とステム31とを抵抗溶接
にて固着させる。そして、入力面板21、イジューム2
3及びステム31を一体化したケース10とを、別体に
した状態でトランスファー装置と呼ばれる真空装置に入
れ、300℃、10時間程度のべ一キングを施した後、
入力面板21の片側に光電面22を作製する。その後、
入力面板21とケース10は、インジューム23を介し
て真空中で一体化され、電子管1を真空気密状態にす
る。最後に、トランスファー装置の真空をリークして、
一連の行程を終了する。
【0018】図1に示すように、電子管1の光電面22
及びカソード電極11には−12kVを印加し、アノー
ド電極60はアースしてOVを印加する。このとき、カ
ソード電極11、アノード電極60は電子レンズを形成
し、有効径8mmの光電面22から放出された電子は、
コリメーター部62の内径より小さい直径1.5mmに
縮小して半導体素子40の電子入射面44aに導入され
る。一方、半導体素子40にはpn接合に逆バイアスが
印加されるように、半導体素子40の降伏電圧制御層
(アノ−ド)44に−150Vを印加し、シリコン基板
41(カソード)をアースしてOVを印加する。従っ
て、APDには約50倍のアバランシエ増倍ゲインが得
られる。
【0019】そこで、電子管1に光が入射すると、光電
面22から真空中に電子が放出され、この電子は電子レ
ンズにて加速されると共に収束されて、l2kevのエ
ネルギ−を有してAPD40の電子入射面44aに入射
する。この電子は、APD40内でエネルギーを3.6
eV失う毎に1ケづつの電子−正孔対を生成するので、
この最初の増倍過程で約3000倍になり、続くアバラ
ンシエ増倍でさらに50倍になるので、トータルで約2
×105のゲインとなる。
【0020】この電子管1では、通常の光電子増倍管
(以下「PMT」という)に比べて、初段の増倍率が3
000と、約3桁高いので、S/Nの非常によい検出が
可能である。現に、非常に微弱なパルス光が入射して、
平均4電子程度が光電面22から放出されたとき、従来
のPMTでは、弁別できなかった入力光電子数(入射光
子数)を弁別できるようになった。前述した電子管1で
得られるこのような特性は、生体微量物質から放出され
る蛍光を定量的に観察する際に非常に有効である。そし
て、電子管1自体が、長期に渡って安定に動作すること
は非常に重要なことである。
【0021】本実施形態における電子管1において、半
導体素子40の電子入射面44aには、貫通ピン32、
ワイヤー33及び入射面電極47を介して電源から−1
50Vが印加されている。一方、アノード電極60に
は、溶接フランジ部13を介してOVが印加されてい
る。即ち、半導体素子40の電子入射面44に対してア
ノード電極60は正電位となる。このことは、電子入射
面44aで発生した正イオンにとって逆バイアスになる
ので、発生した正イオンは、アノード電極60の開口部
61を通って、光電面20やケース10に戻ることがで
きない。
【0022】すなわち、前述した電子管1において、電
子入射面44aに対してアノード電極60が正電位、即
ち、電子入射面44aで発生した正イオンに対して逆電
位に保たれるため、電子入射面44aで発生したこのよ
うな正イオンは、アノード電極60を越えて、光電面2
2やケース10の絶縁部分に戻ることができない。した
がって、電子管1の光電面22は、このようなイオンの
フィードバックの影響を受けないので、長時間の動作に
対して劣化することはない。さらに、正イオンはケース
10の絶縁部分にも戻らないので、ケース10を帯電さ
せることもなく、光電面22から放出して半導体素子4
0に至る電子の軌道に影響を与えたり、ケース10から
二次電子を放出して疑似信号を発生することはない。従
って、電子管1では、長期に渡って非常に安定した動作
を実現している。
【0023】なお、仮に、半導体素子40の電子入射面
44aで発生したイオンが光電面22に戻るとすると、
正イオンは、光電面22と電子入射面44aとの電位差
により約12keVという高いエネルギーをもって光電
面22に戻るため、光電面22の構成材料が正イオンに
よってスパッタされることになる。したがって、電子入
射面44aで発生したイオンが光電面22に戻る状況で
は、短時間の動作で光電面感度は著しく劣化することに
なる。
【0024】次に、図3〜図6に基づいて本発明に係る
電子管100の第2実施形態を説明する。なお、以下、
第1実施形態との相違点について説明すると共に、図面
において、同一又は同等の構成部分については同一の符
号を付す。
【0025】図3に示すように、カソード電極18が2
mm程度と短く、絶縁性のケース90の中間には、2ケ
所に中間フランジ15a,15bが挿入されている。ま
た、半導体素子80として電子入射面積の大きいPDを
使用し、アノード電極70に面積の大きい開口部71を
形成し、この開口部71に格子状のメッシュ電極72を
配置している。そして、カソード電極18を短くするこ
とで、有効径8mmの光電面22から放出した電子をほ
とんど収束させずに半導体素子80に導くような電子レ
ンズを構成することができる。さらに特定するなら、電
子管100は、ケース90の中心を通る管軸線方向にお
ける2T(テスラ)程度の強磁界中で使用されることを
想定している。
【0026】このような強磁場中では、電子の進行方向
は磁界の向きによって決められてしまうため、電界は単
に電子を加速するだけにしか使えない。即ち、電界によ
る電子レンズを形成することが不可能となり、実質的な
光電面22の有効径は、アノード電極70の開口部71
或いは後述する半導体素子80の電子入射面84a(図
6参照)で制限されることになる。そこで、極力大きな
光電面22の有効径を確保するために、大きな開口部7
1を有するアノード電極70と大きな電子入射面84a
を有する半導体素子80が共に必要となる。このような
使用条件は、加速器を使用した高エネルギー実験等で要
求されている。
【0027】また、絶縁性のケース90に中間フランジ
15a,15bを挿入したのは、ケース90の帯電によ
る不安定さを軽減するためであり、中間フランジ15
a,15bには、光電面22への電圧−12kVを均等
に分配した−8kV,−4kVが印加されている。
【0028】図4及び図5に示すように、アノード電極
70の開口部71には、格子状のメッシュ電極72が配
置され、このようなメッシュ電極72は、ステンレス製
のアノード電極70を部分的にエッチングすることで作
り出される。この場合、メッシュ電極72の線幅は50
ミクロンで、ピッチは1.5mmである。電子は、この
ようなメッシュ電極72の開口率(93%)の分だけ透
過する。
【0029】アノード電極70の開口部71にメッシュ
電極72を設けた理由としては、アノード電極70の開
口部71を半導体素子80の電子入射面84aに合わせ
て大きくしたためである。すなわち、アノード電極70
の開口部71を大きくすると、光電面22側のマイナス
の電位の谷が開口部よりしみこんで、半導体素子80の
電子入射面84aで発生した正イオンのフィードバック
を抑制させる効果が低減するためである。そこで、メッ
シュ電極72を追加すると光電面22からのマイナスの
電位が電子入射面84側に侵入するのを防止できるの
で、イオンのフィードバック抑制効果を維持することが
できる。なお、アノード電極70の開口部71の最大径
はPD80の電子入射面84aより小さくなっている。
【0030】図6に示すように、PDである半導体素子
80は、高抵抗n型ウェファの裏面からn型の不純物で
あるリンを高濃度に深く拡散させた拡散ウェファを基板
材料とし、裏面がn型高濃度コンタクト層81となった
高抵抗n型基板82の表面の周辺部分にリンを高濃度に
イオン注入して形成したn型チャンネルストップ層83
を有している。また、基板82の表面の中央部分には、
ボロンを高濃度に拡散して形成した円板状のp型入射面
層(降伏電圧制御層)84が形成され、入射面層84の
周辺部分には、チャンネルストップ層83の表面を覆う
酸化膜85及び窯化膜86が設けられている。更に、入
射面層84には、これに接触して入射面層84に電圧を
供給するアルミ膜の入射面電極87が設けられ、入射面
電極87と離間した位置には、チャンネルストップ層8
3と接触しているアルミ膜の帯電防止電極88が設けら
れている。このPD80の電子入射面84aは、実質的
には、入射面電極87の内径で規定されている。
【0031】そこで、このような電子管100の光電面
22に−12kVを印加し、アノード電極70にOVを
印加すると、半導体素子80のコンタクト層81はアノ
ード電極70と同電位なのでOVが与えられ、電子入射
面84aは、貫通ピン32、ワイヤー33及び入射面電
極87を介して−50Vが与えられる。ここで、この電
子管100の入射光に対する動作は、第1実施形態と同
様である。そして、メッシュ電極72を開口部71に配
置させることで、アノード電極70の開口部71を大き
くしてもイオンフィードバックを適切に抑制することが
できる。即ち、アノード電極70の開口部71を大きく
した場合でも、メッシュ電極72が存在することによ
り、マイナスにバイアスされた光電面22からの低電位
の谷がアースされたアノード電極70の開口部71を越
えて電子入射面84aの側に進入する電界のしみこみを
抑制できるので、電子の入射により電子入射面84aで
イオン化したガス分子が開口部71を越えて光電面22
やケース90に戻るのを有効に抑制することができる。
【0032】前述した第2実施形態の光電管100は入
力面板21の受光面が大きく、高磁界中で、長期に渡っ
て安定動作し、加速器を使った高エネルギー実験で使用
される。
【0033】
【発明の効果】本発明による電子管は、以上のように構
成されているため、次のような効果を得る。
【0034】すなわち、アノード電極の開口部の開口面
積は、半導体素子の電子入射面の入射面積より小さく形
成され、半導体素子は、導電型がp型の電子入射面と導
電型がn型の基板とを有すると共に、n型の基板を電気
的にステムに接続し、アノード電極とステムとを同電位
にし、半導体素子に逆バイアスを印加することにより、
長期に亙って安定した動作を可能にする電子管が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子管の第1実施形態を示す断面
図である。
【図2】図1の電子管の要部を示す断面図である。
【図3】本発明に係る電子管の第2実施形態を示す断面
図である。
【図4】図3の電子管に適用するメッシュ電極を示す拡
大平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図3の電子管の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
10,90…ケース、14…第1の開口、15…第2の
開口、21…入力面板、22…光電面、31…ステム、
40,80…半導体素子、41,82…基板、44a,
84a…電子入射面、50…接着剤、60,70…アノ
ード電極、61,71…開口部、62…コリメーター
部、72…メッシュ電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 哲家 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口と前記第1の開口と反対側に
    位置する第2の開口とを有すると共に絶縁性材料からな
    るケースと、 前記ケースの前記第1の開口側に設けられて、入射され
    た光に対応して電子を放出する光電面をもった入力面板
    と、 前記ケースの前記第2の開口側に設けられて導電性材料
    からなるステムと、 前記ステムの真空側に位置して、前記光電面より放出し
    た電子が照射される電子入射面を有する半導体素子と、 前記半導体素子と前記光電面との間で前記半導体素子の
    近くに位置して、前記半導体素子に対峙させた開口部を
    もったアノード電極とを備えた電子管において、 前記アノード電極の前記開口部の開口面積は、前記半導
    体素子の前記電子入射面の入射面積より小さく形成さ
    れ、 前記半導体素子は、導電型がp型の前記電子入射面と導
    電型がn型の基板とを有すると共に、前記n型の前記基
    板を電気的に前記ステムに接続し、 前記アノード電極と前記ステムとを同電位にし、前記半
    導体素子に逆バイアスを印加することを特徴とする電子
    管。
  2. 【請求項2】 前記アノード電極において、前記アノー
    ド電極の前記開口部と同心的に配置した円筒状のコリメ
    ーター部を、前記光電面に向けて突設させたことを特徴
    とする請求項1記載の電子管。
  3. 【請求項3】 前記アノード電極の前記開口部内に導電
    性のメッシュ電極を配置したことを特徴とする請求項1
    記載の電子管。
JP12872396A 1996-05-02 1996-05-23 電子管 Pending JPH09312145A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12872396A JPH09312145A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 電子管
US08/847,259 US5874728A (en) 1996-05-02 1997-05-01 Electron tube having a photoelectron confining mechanism
DE69729820T DE69729820T2 (de) 1996-05-02 1997-05-02 Elektronenröhre
EP97303049A EP0805477B1 (en) 1996-05-02 1997-05-02 Electron tube
US09/192,516 US6297489B1 (en) 1996-05-02 1998-11-17 Electron tube having a photoelectron confining mechanism

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12872396A JPH09312145A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 電子管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09312145A true JPH09312145A (ja) 1997-12-02

Family

ID=14991854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12872396A Pending JPH09312145A (ja) 1996-05-02 1996-05-23 電子管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09312145A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005027178A1 (ja) 2003-09-10 2005-03-24 Hamamatsu Photonics K.K. 電子管
US6940589B1 (en) 2000-09-25 2005-09-06 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
US6960771B1 (en) 1999-03-26 2005-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
US7486021B2 (en) 2003-09-10 2009-02-03 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube with electron-bombarded semiconductor device
US7491918B2 (en) 2003-09-10 2009-02-17 Hamamatsu Photonics K.K. Electron beam detection device and electron tube
US7525249B2 (en) 2003-09-10 2009-04-28 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube with electron-bombarded semiconductor device
US7692384B2 (en) 2003-09-10 2010-04-06 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6960771B1 (en) 1999-03-26 2005-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
US6940589B1 (en) 2000-09-25 2005-09-06 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
WO2005027178A1 (ja) 2003-09-10 2005-03-24 Hamamatsu Photonics K.K. 電子管
US7176429B2 (en) 2003-09-10 2007-02-13 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube
US7486021B2 (en) 2003-09-10 2009-02-03 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube with electron-bombarded semiconductor device
US7491918B2 (en) 2003-09-10 2009-02-17 Hamamatsu Photonics K.K. Electron beam detection device and electron tube
US7525249B2 (en) 2003-09-10 2009-04-28 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube with electron-bombarded semiconductor device
US7692384B2 (en) 2003-09-10 2010-04-06 Hamamatsu Photonics K.K. Electron tube

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0602983B1 (en) Hybrid photomultiplier tube with high sensitivity
US6958474B2 (en) Detector for a bipolar time-of-flight mass spectrometer
EP0795194B1 (en) Hybrid multiplier tube with ion deflection
US5654536A (en) Photomultiplier having a multilayer semiconductor device
EP0820089B1 (en) Electron tube
JPWO2002061458A1 (ja) 電子線検出器、走査型電子顕微鏡、質量分析装置、及び、イオン検出器
US6297489B1 (en) Electron tube having a photoelectron confining mechanism
JPH0544133B2 (ja)
US5917282A (en) Electron tube with electron lens
US6492657B1 (en) Integrated semiconductor microchannel plate and planar diode electron flux amplifier and collector
JP3413241B2 (ja) 電子管
US20040195520A1 (en) Ion detector
EP0721654B1 (en) Image intensifier tube
EP0805477B1 (en) Electron tube
JPH09312145A (ja) 電子管
US6198221B1 (en) Electron tube
US6215232B1 (en) Microchannel plate having low ion feedback, method of its manufacture, and devices using such a microchannel plate
US7687992B2 (en) Gating large area hybrid photomultiplier tube
US20070051879A1 (en) Image Intensifier Device and Method
US6570165B1 (en) Radiation assisted electron emission device
JPH07320681A (ja) 高感度ハイブリッド・フォトマルチプライア・チューブ
JP3734570B2 (ja) 電子管
US6005351A (en) Flat panel display device using thin diamond electron beam amplifier
JP2007184119A (ja) 電子管
JP3728352B2 (ja) 電子管